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jul_cnr_a02

a guest
Nov 25th, 2021
125
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  1. (現在大ヒット中の、携帯音楽プレーヤーのイメージ
  2. キャラクターに、(ユニット名 )が選ばれた)
  3.  
  4. 「というわけで、まずは今日、こうやって
  5. TVCMを撮影しているわけだが……」
  6.  
  7. 「…………」
  8.  
  9. 「今後も、いろいろなメディアを使ったプロモーション
  10. 計画が、山のように控えている」
  11.  
  12. 「かなり大きな仕事だ。
  13. ひとつ、しっかり頼むぞ!」
  14.  
  15. 「でも、ちょっと、ヤバイんだよね」
  16.  
  17. 「……って、いきなりか?
  18. まさか、トラブル発生じゃないよな?」
  19.  
  20. 「いや、この宣伝コピーの台詞だけど……。
  21. 今から変えてもらえたり、できない……かな?」
  22.  
  23. 「えっ!? 今さら、なに言ってるんだ。
  24. そんなの無理に決まってるだろ?」
  25.  
  26. 「だって、なんか、うまく言えなくて……」
  27.  
  28. 「『感じて。ジュリアのウイスパー』だっけ。
  29. クールでいいじゃないか」
  30.  
  31. 「よくないよ! これってなんか、艶っぽくささやく
  32. とか、そんなイメージのコピーなんだろ?」
  33.  
  34. 「まぁ、そうだろうな」
  35.  
  36. 「練習したけど、やっぱそういうのって……、
  37. こっぱずかしいんだもん」
  38.  
  39. 「こ、こっぱずかしいと言われてもな……」
  40.  
  41. (どう考えても、今からコピーの
  42. 文面を調整するは、不可能だ)
  43.  
  44. (ここはやはり、ジュリアの演技を
  45. どうにかするしかない……!)
  46.  
  47. 「……よし、それじゃ、最初から演技のつもりで
  48. やってみたらどうだ?」
  49.  
  50. 「要するに、これはジュリア自身の言葉じゃなくて、
  51. 別の誰かの言葉だと思ってみる、とか」
  52.  
  53. 「別の誰かって、誰だよ?」
  54.  
  55. 音無小鳥
  56.  
  57. 水瀬伊織
  58.  
  59. 三浦あずさ
  60.  
  61. 「音無さんだ。
  62. 今からお前は、自分を音無小鳥と思うんだ!」
  63.  
  64. 「ぴ、ピヨ姉? なんで、ピヨ姉なの?」
  65.  
  66. 「音無さんは、あれで十分、大人の女性だろ?
  67. まあ、普段はピヨピヨしてるけど」
  68.  
  69. 「いざとなれば、ちょっとはずかしいコピーでも
  70. 平然と言えてしまいそうじゃないか」
  71.  
  72. 「そ、そっか……。ピヨ姉って、
  73. なにげに芸達者だもんね……」
  74.  
  75. 「伊織だ。
  76. 今からお前は、自分を水瀬伊織と思うんだ!」
  77.  
  78. 「イオリかぁ……。
  79. 演技力は、ハンパないもんね」
  80.  
  81. 「だろ? ファンの前では平然と別人に成りすます、
  82. あの割り切りっぷりは、尋常じゃない」
  83.  
  84. 「う、うん。だから、あんまりマネできる気も
  85. しないんだけど……」
  86.  
  87. 「あずささんだ。
  88. 今からお前は、自分を三浦あずさと思うんだ!」
  89.  
  90. 「あ、あず姉? 無理だよ!
  91. だって、あたしと真逆すぎるもん!」
  92.  
  93. 「あたし癒し系じゃないし、色っぽくもないし……。
  94. む、胸とか、全然……ごにょごにょごにょ……」
  95.  
  96. 「ま、とにかく、自分じゃないと思えばいいんだよね?
  97. よーし、なんとかなる気がしてきた」
  98.  
  99. 「え、なんだって? よく聞こえないぞ?」
  100.  
  101. 「ま、とにかく、自分じゃないと思えばいいんだよね?
  102. それだけなら、なんとかなる気がしてきた」
  103.  
  104. 「でもさ、そもそも、艶っぽさって……。
  105. どんな気分で言えば、いい感じになるの?」
  106.  
  107. 「艶っぽさを出すための気分、か。
  108. そうだな、しいて言うなら……」
  109.  
  110. 捨てられた子猫の$気分?
  111.  
  112. 獲物を狙う黒豹の$気分?
  113.  
  114. 産卵する海亀の$気分?
  115.  
  116. 「捨てられた子猫の気分で言えば、
  117. いいんじゃないか?」
  118.  
  119. 「えっ、マジで?
  120. それって、なんか、さみしくない?」
  121.  
  122. 「逆にそこが、いい味を出すかもしれない。
  123. 試しに言ってみてくれないか?」
  124.  
  125. 「わ、わかった。それじゃ……。
  126. えと、自分じゃなくて、子猫の気持ちで……」
  127.  
  128. 「……感じて? ジュリアの、ウイスパー……」
  129.  
  130. 「……おっ?
  131. 今の、本当にいいんじゃないか?」
  132.  
  133. 「ほ、ホントに? こんなんで、いいの?」
  134.  
  135. 「もちろん、演出予定とは違うかもしれないけど、
  136. 新しい魅力が出てる気がする……」
  137.  
  138. 「よし! さっそくクライアントや監督にも、
  139. 聞いてもらおう!」
  140.  
  141. 「う、うん、OK……」
  142.  
  143. (結局、ジュリアの意外なウイスパーボイスは、
  144. 監督たちにも大好評で、即採用となった)
  145.  
  146. (このランクに来てもまだ、新しい魅力を披露して
  147. くれるとは。さすがだな、ジュリア)
  148.  
  149. 「獲物を狙う黒豹の気分で言えば、
  150. いいんじゃないか?」
  151.  
  152. 「……ああ、なるほどね。
  153. なんか、イメージ湧いたかも」
  154.  
  155. 「試しにちょっと、練習してみたらどうだ?」
  156.  
  157. 「うん、それじゃ……。
  158. えと、自分じゃなくて、黒豹の気持ちで……」
  159.  
  160. 「……感じて。ジュリアのウイスパー」
  161.  
  162. 「……うん、いいんじゃないかな!
  163. きっとクライアントも、満足してくれるよ」
  164.  
  165. 「そ、そっかな? だと、いいんだけど……」
  166.  
  167. (結局、ジュリアの台詞はクライアントの注文通りの
  168. 雰囲気だったらしく、一発OKをもらった)
  169.  
  170. (大きな仕事だったけど、どうやら、
  171. 無事にこなせたようだ……)
  172.  
  173. 「産卵する海亀の気分で言えば、
  174. いいんじゃないか?」
  175.  
  176. 「いや、よくねーだろ! そんなの知らないし!
  177. つか、なんでウミガメなんだよ!?」
  178.  
  179. 「だから、卵を絞り出すような気分で、
  180. 言ってみればいいと思って……」
  181.  
  182. 「試しに練習してみてくれないか?」
  183.  
  184. 「誰がするか、バカ! もういいよ!
  185. 1人で好きにタマゴ産んでろ、このウミガメP!」
  186.  
  187. 「別に、俺がタマゴを産みたいわけじゃ
  188. ないんだけどな……」
  189.  
  190. (結局ジュリアは、本番で何度もNGを出したものの、
  191. 最後には、どうにかOKテイクを撮ることができた)
  192.  
  193. (もう少し効果的なアドバイスができていれば、
  194. もっとスムーズにできたかもしれない……)
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