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Himena Aika MSS JP Text

May 23rd, 2022
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  1. FILENAME: text_310281-1.txt
  2. ひめな: あーあ…
  3. アレクサンドラ: どうしたんですか? ひめちゃん
  4. ひめな: 宝崎市で隠れてるだけってのも やーっぱ息が詰まるなぁって
  5. 時雨: でも、姫が決めたことだよね…?
  6. 時雨: 死んだフリをして しばらく雲隠れするって…
  7. ひめな: まぁそうなんだけどさ
  8. ひめな: 外出はまずいからって家にいると ママとふたりきりだし
  9. ひめな: かといって潜伏先のここにいても 籠ってるだけだし
  10. ひめな: ぶっちゃけ息抜きくらい したくなっちゃうんだよね★
  11. 燦: 息を抜くも何も
  12. 燦: そもそもやれることがないから 休むしかない状態じゃない
  13. ひめな: 自由じゃないから息は詰まるし
  14. ひめな: みんながいないと ヒマだし寂しいんだって!
  15. ひめな: ワンチャンどこか遊びに 行けたらなー
  16. ミユリ: 姫様の気持ちも わかりますけどぉ…
  17. はぐむ: 藍家さんが外に出るのは 危ないと思う…
  18. はぐむ: ここは宝崎市だけど
  19. はぐむ: 神浜市の魔法少女に 会っちゃうかもしれないし…
  20. ひめな: …あ!
  21. ひめな: 外に出なきゃいいなら 中で遊べばおけまるでしょ!
  22. はぐむ: 中って、ここでですか…?
  23. ひめな: ううん、サーシャの家に行って みんなで遊ぶの!
  24. 燦: 唐突ね…
  25. 燦: しかもサーシャの家って 神浜市じゃない
  26. ひめな: 途中で姿を見られないように 注意しないとだけど
  27. ひめな: 家の中で遊ぶなら 何も気にしなくていいじゃん?
  28. 燦: でもどうしてサーシャの家なの?
  29. アレクサンドラ: もしかしてひめちゃん 約束を覚えててくれたとか…?
  30. ひめな: とーぜんじゃん
  31. ひめな: てか、サーシャも 覚えててくれたんだ
  32. ミユリ: それはそれは! どんな約束なんですか?
  33. アレクサンドラ: 私の家で、恋愛ドラマの鑑賞会を しようって約束したんです
  34. アレクサンドラ: なかなかタイミングが合わなくて 実現できてませんでしたけど
  35. アレクサンドラ: ちょうどいいかもしれませんね うふふ♪
  36. ひめな: じゃあ決定!
  37. ひめな: 明日みんなでサーシャの家に 遊びに行こっ?
  38. アレクサンドラ: あ、明日ですか…? お掃除、間に合うでしょうか…
  39. 燦: そうよ、急すぎるわ
  40. 燦: 私とミユは 青年会の活動があるのに…
  41. ミユリ: ですです!
  42. ミユリ: 青年会には潜伏のために 場所を貸してもらってるので
  43. ミユリ: ミユたちだけ活動を休むわけには いかないですよ!
  44. はぐむ: 私たちも、明日は 演劇部の準備があって…
  45. はぐむ: 他校と合同でやる 舞台のリハーサル前だから
  46. はぐむ: 休めないんです…
  47. 時雨: ぼくも…手伝いに呼ばれてる
  48. ひめな: ぴえん
  49. ひめな: ホントはすぐにでもみんなと 遊びたかったけど…
  50. 時雨: …………はぐむん
  51. 時雨: なんとかなる…?
  52. はぐむ: うーん… 藍家さんの気持ちはわかるし…
  53. はぐむ: 厳しいかもしれないけど… 都合をつけられるか相談しよっか
  54. ひめな: え、マジ!? いいの!?
  55. はぐむ: はい
  56. はぐむ: 私たちと遊びたいって 言ってくれたのも嬉しかったし…
  57. 燦: …安積たちがそう言うなら
  58. 燦: 私たちも青年会のみんなに 相談してみましょうか
  59. ミユリ: ですねですね!
  60. 燦: サーシャもそれでいいかしら?
  61. アレクサンドラ: はい、みんなが転ばないように 足元だけは片づけておきます…!
  62. 燦: …サーシャって、もしかして 掃除が苦手なの…?
  63. ひめな: みんな、あざお★
  64. ひめな: 全員そろって遊ぶのは初めてだし バイブス上がってきた!
  65.  
  66. FILENAME: text_310281-2.txt
  67. <翌日>
  68. 時雨: は、はぐむん…!
  69. 時雨: この大道具、どこに持って行けば いいの…?
  70. はぐむ: えっと…体育館でいいと 思うけど…
  71. はぐむ: あっ、あれっ?
  72. はぐむ: さっき縫い終わった衣装、 どこに置いたっけ…?
  73. 時雨: なくしちゃったの…?
  74. はぐむ: あわわ…どうしよう…!
  75. 安積ぃ! ちょっと急いでくれるかな?
  76. これじゃいつまで経っても 舞台のリハーサルができないよ
  77. はぐむ: す、すみません…!
  78. 時雨: 準備…終わりそうにないね
  79. 時雨: …姫に連絡しないと… 今日はやっぱり遊べないって
  80. はぐむ: ごめん… 私がもたもたしたせいだね…
  81. はぐむ: 準備が早く終わったら 帰ってもいいよって
  82. はぐむ: 先輩たちも言ってくれてたのに…
  83. ピロン♪
  84. 時雨: ごめん、姫 やっぱり今日は行けない…
  85. はぐむ: 私たちのことは気にしないで みんなで遊んでください
  86. ひめな: …あ
  87. ひめな: しぐりんとはぐりん 今日は来れないって
  88. アレクサンドラ: あらあら…
  89. 燦: 昨日の時点で厳しいかもって 言っていたしね
  90. ミユリ: ではでは、今日はミユたちで 遊ぶことにしましょう
  91. ひめな: ううん、明日に延期しよ!
  92. ミユリ: えぇっ!? まさかまさか延期とは…!
  93. ミユリ: 燦様とミユは頑張って 今日の予定を空けたのに…!
  94. ひめな: ごめんねみゆりん、教官
  95. ひめな: サーシャも急いで片づけて もらったのにごめん
  96. アレクサンドラ: いえ、お部屋を片づける いい機会になりましたから
  97. 燦: ねぇ、サーシャの家で遊ぶ約束を していたのは姫様たちだし
  98. 燦: 全員揃わなくても 構わないんじゃない?
  99. ひめな: うーん…まぁ約束したときは そうだったけどね
  100. ひめな: ―ひめな― 私チャンの中にいるヒコ君の存在も ヒコ君との恋愛も周りに認められなくて
  101. ひめな: ―ひめな― 絶望しそうになってたときに 声をかけてくれたのがサーシャでさ
  102. ひめな: ―ひめな― 自由な恋愛ができる世界を創ろうって ふたりで意気投合して
  103. ひめな: ―ひめな― いつか恋愛ドラマを見まくろうねって約束は そのときにしたから★
  104. ミユリ: それならそれなら、ミユたちが いなくてもいいのでは…?
  105. ひめな: いまはサーシャだけじゃなくて
  106. ひめな: みゆりんも教官も みーんなが仲間だし
  107. ひめな: 楽しいことをするなら 全員揃ってがいいんだよね
  108. 燦: 恋愛ドラマに興味はないけど
  109. ひめな: ぴえん
  110. 燦: …ドラマを見る みんなの反応は楽しめそうね
  111. 燦: ミユ、明日もなんとか都合を つけられるようにしましょう
  112. ミユリ: ですねですね! ミユも楽しみになってきました!
  113. 燦: それじゃ、善は急げね
  114. 燦: 会長に電話してくるから 少し席を外すわ
  115. アレクサンドラ: ひめちゃんにネオマギウスを 紹介したときは
  116. アレクサンドラ: まさかこんなに仲間が増える なんて思わなかったですね
  117. ひめな: 私チャンとヒコ君がいれば これくらい楽勝★
  118. ひめな: …って言いたいとこだけど 全部サーシャのおかげだよ
  119. アレクサンドラ: 私ですか…?
  120. ひめな: あのときサーシャが 声をかけてくれてなかったら
  121. ひめな: 私チャンは絶望してたし ネオマギウスも消滅してたよ
  122. ひめな: だからこれからも グループの一員として
  123. ひめな: 私チャンとみんなの サポートよろ!
  124. アレクサンドラ: …………
  125. ひめな: …………サーシャ?
  126. アレクサンドラ: あ、いえ そう言ってもらえて嬉しいです
  127. 燦: 姫様、サーシャ
  128. 燦: 悪いんだけど 今から手伝ってくれる?
  129. 燦: 今日のうちに青年会の作業を 終わらせられれば
  130. 燦: 明日も予定を空けられそうなの
  131. ひめな: もちろん、おけまる! なんでも手伝っちゃうし!
  132. ひめな: …………
  133. ひめな: (サーシャ、少し変だったけど 何だったんだろ…?)
  134.  
  135. FILENAME: text_310281-3.txt
  136. <さらに翌日…>
  137. ガヤガヤガヤ…
  138. ん?
  139. ここに置いてた荷物は どうなった?
  140. 燦: 昨日のうちに 倉庫に持って行ったわよ
  141. あぁ、公民館裏の倉庫か
  142. 燦: じゃなくて、町内会の倉庫よ
  143. 遠いほうに持って行ったのか?
  144. あれって、今度の炊き出しで 使う道具だし
  145. 仕舞うとしても、近くじゃないと 困るんじゃないか?
  146. 燦: あ…ごめんなさい 勘違いしてたわ…
  147. 燦: ミユ、悪いんだけど 一緒に取りに行ってくれる?
  148. ミユリ: あ、でもでも!
  149. ミユリ: 倉庫に行って帰るとなると かなり時間がかかるのでは…?
  150. 燦: 姫様たちと遊ぶのは 難しくなるわね…
  151. 燦: でも、私たちのせいで 手間を増やしちゃったわけだし
  152. 燦: ここで抜けるわけには いかないわよ
  153. ミユリ: うぅ… 姫様に謝らないとですね…
  154. ピロン♪
  155. ひめな: あ、みゆりんからメッセだ
  156. ひめな: …………
  157. ひめな: 今日は教官とみゆりんが 来られないんだ…
  158. アレクサンドラ: 青年会の作業が 増えちゃったんでしょうか
  159. ひめな: 待ち合わせ場所に公民館を 使えないとなると
  160. ひめな: しぐりんはぐりんとは どこで合流しようかな…
  161. ひめな: ん? 何、ヒコ君
  162. ひめな: うん…うん…………
  163. ひめな: そうだね、このまま宝崎市で 合流したほうが安全だよね
  164. アレクサンドラ: じゃあどこかで待つことにして
  165. アレクサンドラ: グループチャットで ふたりに連絡しましょうか
  166. ひめな: うん!
  167. ピロン♪
  168. ひめな: あ、言ってるそばから しぐりんじゃん!
  169. ひめな: …………あ…
  170. アレクサンドラ: あらあら…今日も演劇部の お手伝いで来られないんですね…
  171. ひめな: 今日もみんなで遊ぶのは 無理かぁ…
  172. アレクサンドラ: 時雨ちゃんとはぐむちゃんも 大変みたいですね
  173. ひめな: …ホントなのかな
  174. アレクサンドラ: え?
  175. ひめな: おととい誘ったときから ホントはみんな遊びたくなくて
  176. ひめな: 私チャンを 避けてるんじゃないのかな…
  177. アレクサンドラ: 偶然ですよ
  178. アレクサンドラ: みんながひめちゃんを避ける 理由がないですから
  179. ひめな: …………そう、だよね…
  180. ひめな: (…なんか思い出しちゃった)
  181. ひめな: (みんなに変な目で 見られてた頃のこと…)
  182. アレクサンドラ: ひめちゃん…?
  183. ひめな: …ごめん、なんでもない 私チャンらしくなかったよね
  184. アレクサンドラ: あんなに楽しみにしてたんです
  185. アレクサンドラ: みんなの都合が悪くなったから とは言っても
  186. アレクサンドラ: 中止になったら 誰でも落ち込みますよ
  187. ひめな: あざまる★
  188. ひめな: ここまできたら、また延期! って思ったけど…
  189. アレクサンドラ: …?
  190. ひめな: 初めに約束した通り ふたりだけで遊んじゃう?
  191. ひめな: サーシャの家で恋愛ドラマを 見まくってきゅんきゅんしよ★
  192. アレクサンドラ: それも、いいかも
  193. アレクサンドラ: もうすぐいま暮らしてるお家とは お別れになっちゃいますから
  194. ひめな: ん? どういうこと?
  195. アレクサンドラ: その…実は昨日 言いそびれちゃったんだけど…
  196. アレクサンドラ: 私、今度 引っ越すことになったんです
  197. ひめな: …………え?
  198.  
  199. FILENAME: text_310281-4.txt
  200. ひめな: 引っ越しって、何… どういうこと…?
  201. ひめな: サーシャ、遠くへ行っちゃうの?
  202. アレクサンドラ: えっと… なんて言えばいいのかな…
  203. ~~♪~~♪
  204. アレクサンドラ: あ…
  205. ピッ
  206. アレクサンドラ: はい、もしもし…
  207. アレクサンドラ: …えっ、今から!?
  208. アレクサンドラ: はい…そうですね
  209. アレクサンドラ: では、これから伺います…!
  210. ピッ
  211. アレクサンドラ: ごめんね、ひめちゃん
  212. アレクサンドラ: 急だけど、今すぐ会わなきゃ いけない人がいて…
  213. ひめな: ちょっと待って? そんな急に!?
  214. ひめな: サーシャまで私チャンを 置いて行っちゃうわけ…?
  215. アレクサンドラ: 大げさですよ
  216. アレクサンドラ: 引っ越しのことは 詳しく決まったら話しますから
  217. アレクサンドラ: またね、ひめちゃん!
  218. ひめな: …………なんで…
  219. 時雨: ごめん、姫 やっぱり今日は行けない…
  220. はぐむ: 私たちのことは気にしないで みんなで遊んでください
  221. 燦: ねぇ、サーシャの家で遊ぶ約束を していたのは姫様たちだし
  222. 燦: 全員揃わなくても 構わないんじゃない?
  223. ミユリ: それならそれなら、ミユたちが いなくてもいいのでは…?
  224. アレクサンドラ: その…実は昨日 言いそびれちゃったんだけど…
  225. アレクサンドラ: 私、今度 引っ越すことになったんです
  226. ひめな: やっぱりみんなは 私チャンを避けてて
  227. ひめな: 離れようとしてる…
  228. ひめな: …………
  229. ひめな: 私チャンの勘違いなんかじゃ ないよ、ヒコ君…!
  230. ひめな: 私チャンが周りから あたおか扱いされたときも
  231. ひめな: こういう感じで始まったの 覚えてるでしょ…!?
  232. ひめな: 放課後、どっか寄って帰る? ゲーセンとか!
  233. うーん…私は今日はいいや…
  234. 私もパス…っていうか もう誘ってくれなくていいから…
  235. ひめな: え、なんで…
  236. だってひめな…
  237. いいよ、放っておこう
  238. ひめな: なんで信じてくれないの…!?
  239. ひめな: ヒコ君は本当に 私チャンの中にいるのに…!
  240. ザワザワ…
  241. アイツ、やばくね…?
  242. ひめなの話、聞いた?
  243. あのガリ勉の陰キャと 付き合ってたって
  244. しかも、そいつが死んで ぶっ壊れたらしいじゃん…?
  245. かわいそうなのはマジだけどさ 近付かない方がいいよね…
  246. 引くレベルで怖いもんね
  247. ひめな: イヤ…イヤ、イヤ、イヤ…!
  248. ひめな: サーシャが…みんなが 離れるなんてイヤ…!
  249. ひめな: サーシャ、どこに行ったの? 途中まででいいから 私チャンも一緒に行きたい! これ見たらすぐ連絡して!
  250. ひめな: 教官とみゆりんの用事はいつ終わるの? 終わったら会えるよね??
  251. ひめな: しぐりんはぐりん 今どこにいるの? 神浜市でもいいよ ワンチャン、バレてもいいから会いに行く!
  252. ひめな: …………
  253. ひめな: …………
  254. ひめな: どうして反応くれないの?
  255. ひめな: 何か言って、ねえ…
  256. ひめな: …そうだ、電話すれば…!
  257. ~~♪~~♪
  258. ひめな: 止めないでヒコ君!
  259. ~~♪~~♪
  260. ~~♪~~♪
  261. ひめな: …………
  262. ひめな: …誰も電話に出ない… メッセの返事もない…
  263. ひめな: こんなこと、 今までなかったのに…
  264. ひめな: なんで…なんで…!
  265. ひめな: 私チャンから 離れていかないでよ…!
  266. ひめな: 無理だよヒコ君! こんなの落ち着けるわけない!
  267. ひめな: こんな気持ちになるなら… ヒコ君とだけいればよかった…!
  268. ひめな: …………
  269. ひめな: もういい…! …帰ろ、ヒコ君…
  270. ひめな: なんで…どうしてみんな、 離れていくの…?
  271.  
  272. FILENAME: text_310282-1.txt
  273. ひめな: …………
  274. ひめな: なに、ヒコ君…
  275. ひめな: …………
  276. ひめな: それぞれに事情があったとしても
  277. ひめな: 電話もメッセも無視するのは おかしいよね?
  278. ひめな: ちょこっと返事する時間くらい あるはずだよね?
  279. ひめな: …………
  280. ひめな: ほら… ヒコ君も何も言い返せないじゃん
  281. ひめな: ねぇ…もっと優しい言葉を かけてよ…!
  282. ひめな: 私チャンには… ヒコ君しかいないんだから…
  283. ひめな: …………
  284. ひめな: もう少し様子を見ようって 言ったって…
  285. ひめな: どうせまたいつもの パターンだよ…
  286. ひめな: 私チャンの大切な人が 離れていくのは
  287. ひめな: 今に始まったことじゃないし…
  288. ひめな: ほら、あのときも そうだったでしょ?
  289. ひめな: 私チャンたちが 初めて喋ったとき…
  290. ひめな: 「あのときの私チャンは今よりわがままで 周りの気持ちがわからないときも多かったし」
  291. ひめな: 「友だちを振り回して 愛想を尽かされて 避けられたり、絶交されたりしてた…」
  292. ひめな: あっ、このおもちゃ! 前から遊びたかったんだよね★
  293. それ…わたしの…
  294. ひめな: ちょっとくらい 貸してくれてもいいでしょ
  295. ひめな: 友だちなんだから
  296. …ひめなちゃん、そう言って いつも返してくれないじゃん…
  297. ひめなちゃんなんか 友だちじゃない…!
  298. ひめな: え、どうして!?
  299. 行こ?
  300. うん…
  301. ひめな: いみわかんない…!
  302. ひめな: 貸してって言っただけなのに
  303. ひめな: どうして私チャンが 悪いみたいになるの…!?
  304. ヒコ: …………
  305. ひめな: 見ないでよ、ばか!
  306. ヒコ: …ごめん…
  307. ひめな: …どうせあなたも私チャンを 悪いって思ってるんでしょ
  308. ヒコ: …………うん…
  309. ひめな: やっぱり…!
  310. ヒコ: ふたりが言ってたこと、 ほんとうだから…
  311. ひめな: そんなこと…
  312. ヒコ: ひめなちゃんは 気づいてないかもしれないけど
  313. ヒコ: おもちゃを取られた子は 泣いてる…
  314. ヒコ: それに、返してって言っても 怒るから、怖いんだと思うよ
  315. ひめな: …………
  316. ひめな: …知らなかった…
  317. ヒコ: 気づいてなかったんだ…
  318. ヒコ: 私チャンが怖いから みんないなくなるんだ…
  319. ひめな: あなたすごいね!
  320. ヒコ: え?
  321. ひめな: みんなのことよく見てるし 頭もいいね
  322. ひめな: みんなが怖がってるなんて かんがえたことなかったもん
  323. ひめな: ねえ、あなたのこと もっと知りたい!
  324. ひめな: たしか…ヒコ君だっけ 私チャンと友だちになってよ!
  325. ヒコ: …友だちとか、よくわからない…
  326. ひめな: んじゃ私チャンが 教えてあげる!
  327. ヒコ: いつもは友だちを 泣かせてるのに…?
  328. ひめな: あー…
  329. ひめな: じゃあこれからは誰も泣かせない いい友だちになる、キャハッ★
  330. ひめな: あのときの友だちとは 仲直りできなかったけど…
  331. ひめな: 代わりにヒコ君と 友だちになれたんだよね
  332. ひめな: …………
  333. ひめな: うん、私チャンもヒコ君と あのとき話せてよかったよ
  334.  
  335. FILENAME: text_310282-2.txt
  336. ひめな: 私チャンが考えもしないことを なんでも教えてくれるヒコ君は
  337. ひめな: 昔から、私チャンの特別だったな
  338. ひめな: …………ふふっ ヒコ君が照れるとかレア★
  339. ひめな: 小学校に上がってからは 家族ぐるみの付き合いができて
  340. ひめな: 学校行事も地域行事も 一緒だったし、楽しかったよね
  341. ひめな: ん…?
  342. ひめな: とーぜん覚えてるって!
  343. ひめな: 私チャンが浴衣を着ていった 夏祭りのことでしょ?
  344. ひめな: 私チャンたちの記念日★
  345. ひめなの母: ヒコ君、ヒコ君ママ 遅くなっちゃってごめんなさい
  346. ヒコの母: いいのよ 女の子だから色々あるでしょ
  347. ヒコ: …………
  348. ひめな: 待たせてごめんね…
  349. ひめな: でも…ヒコ君には、完璧に 可愛い私チャンを見てほしくて…
  350. ヒコ: …………
  351. ひめな: どうかな…? この浴衣、似合ってる…?
  352. ヒコ: …………
  353. ひめな: …どうして黙ってるの? 何か言ってよ
  354. ヒコ: …どういう反応をすればいいのか わからなくて…
  355. ひめな: 何それ…!
  356. ひめな: …ヒコ君なんか知らない!
  357. ヒコ: あ…
  358. ひめな: 「ヒコ君が口下手だってわかってるのに ちょっと褒めてくれてもいいでしょとか 私チャンに興味ないのかもとか考えちゃって」
  359. ひめな: 「ひとりで勝手にむしゃくしゃして ヒコ君たちと離れて ひとりでお祭りを回るつもりだった」
  360. ひめな: 「なのに、私チャンが迷子になるっていう まさかのクソダサムーブ決めちゃって ホントカッコ悪かったよね…」
  361. ひめな: ヤバ… ヒコ君のとこに戻れない…
  362. ひめな: …ぐすっ…
  363. ヒコの声: ひめなちゃん…!
  364. ひめな: ――っ!?
  365. ひめな: ヒコ君…!? なんで…
  366. ヒコ: 全然戻ってこないから… 探しに来た…
  367. ヒコ: 母さんたちのところに戻ろう…
  368. ひめな: …ヤダ!
  369. ヒコ: …じゃあ、いいよ…
  370. ひめな: っ…………
  371. ひめな: 「ヒコ君が来てくれてすごく嬉しかったのに 素直になれなくて、つい意地張って… こんなわがままな私チャンに ヒコ君が愛想を尽かすのは当然だったよね」
  372. ひめな: 「でも、『いいよ』って言われたら 悲しくて、涙が出てきて…」
  373. ひめな: …………
  374. ヒコ: ひめなちゃんにその気がなくても 僕が連れて行く
  375. ひめな: …………え?
  376. ヒコ: 戻りたくないかもしれないけど…
  377. ヒコ: これ…あげるから 一緒に戻ろう…?
  378. ひめな: あ…!
  379. ひめな: ―ひめな― 指輪… もらっていいの…?
  380. ヒコ: ―ヒコ― いらなかった…?
  381. ひめな: ―ひめな― ううん…ううんっ、いる…!
  382. ヒコ: ―ヒコ― …あのさ、ひめなちゃんの浴衣 似合ってるよ
  383. ひめな: ―ひめな― ――っ!?
  384. ヒコ: ―ヒコ― さっきはすぐに言えなかったから… これはおわび…
  385. ひめな: ―ひめな― …こんな、いきなり指輪なんてもらったら どうすればいいかわかんない…!
  386. ひめな: ―ひめな― っていうかヒコ君、女の子に指輪渡す意味 わかってる…?
  387. ヒコ: ―ヒコ― え、出店で買った指輪のおもちゃだけど…
  388. ひめな: ―ひめな― 本物でもおもちゃでも関係ないの! 指輪をもらうってことが大事なんだって…!
  389. ひめな: …………ね、ヒコ君
  390. ひめな: ヒコ君がいいなら… 私チャンと…付き合って…?
  391. ヒコ: え、僕が…!?
  392. ひめな: 私チャン、ヒコ君のことが 大好きなの…!
  393. ひめな: …ヒコ君は…?
  394. ヒコ: …………す…
  395. ヒコ: い、言えないよ…!
  396. ひめな: じゃあ…付き合えない…?
  397. ヒコ: それは… …本当に僕でいいなら…
  398. ひめな: 私チャンはヒコ君がいいんだから いいの!
  399. ひめな: ………… いつか好きって言ってね、ヒコ君
  400. ひめな: それから、おうちで遊んだり ちょっと遠くに出かけたり…
  401. ひめな: たくさん一緒に過ごしたよね
  402. ひめな: …………
  403. ひめな: …そうだったね
  404. ひめな: ふたりだけでいるときは 楽しかったけど
  405. ひめな: 学年が上がったら、ヒコ君は 学校でいじめられるようになって
  406. ひめな: 毎日しんどかったよね…
  407. ひめな: 私チャンが止めに入って マシになった時期もあったけど
  408. ひめな: 中学に入ってからは もっとヒドくなった…
  409.  
  410. FILENAME: text_310282-3.txt
  411. ひめな: 「ヒコ君は昔から変わってなくて 物知りで何でも教えてくれる優しい彼ピだけど 学校では陰キャのぼっち扱い」
  412. ひめな: 「私チャンは 昔よりは誰とでも打ち解けられるようになって 中学ではクラスのイイカンジのグループにいた」
  413. ひめな: 「何もかも違ってる私チャンとヒコ君の関係は 不釣り合いだって周りから言われかねないし バレたらヤバい気がして… コッソリ付き合ってた」
  414. ひめな: 「だけど…」
  415. ピロン♪
  416. ひめな: (ヒコ君…)
  417. ひめな: (最近メッセージの返事もないし 会ってもくれない…)
  418. あ、あいつ ガリ勉陰キャじゃん
  419. ひめな: え…
  420. ヒコ: …………
  421. ひめな: ――っ!?
  422. ひめな: (避けられた…?)
  423. そういやひめなって アイツと付き合ってんの?
  424. ひめな: な、なんで…?
  425. なんか噂になってるよ
  426. さっさと否定したほうが いいんじゃね?
  427. ひめな: …………!
  428. ひめな: 「私チャンたちの関係はいつのまにかバレてて そのせいでヒコ君は もっとヒドいいじめを受けてた」
  429. ひめな: 「だからヒコ君は わざと避けてくれてたんだよね…? 私チャンに迷惑がかからないようにって…」
  430. ひめな: 「なのに、私チャンは何も考えられてなくってさ なんとかしようって 張り切って行動してみたけど」
  431. ひめな: 「ヒコ君を助けるどころか 私チャンまでいじめの標的にされて…」
  432. ひめな: ホント…どいつもこいつも クズすぎるし…!
  433. ヒコ: …ごめん、ひめな
  434. ひめな: なんでヒコ君が謝るの!?
  435. ひめな: 悪いのはアイツらじゃん!
  436. ひめな: 私チャンたちは ただ一緒にいたいだけなのに…!
  437. ヒコ: …………
  438. ヒコ: やっぱり僕なんかがひめなと 付き合うべきじゃなかったんだ…
  439. ひめな: ヒコ君… そんなこと言わないでよ…!
  440. ヒコ: 僕がいたら、これからもひめなは 傷つけられ続ける…
  441. ヒコ: 僕は…どうすれば…
  442. ひめな: ヒコ君は何もしなくていいの!
  443. ひめな: 私チャンが 絶対に何とかするから…!
  444. ひめな: だから… 一緒にいよう、ヒコ君…
  445. ひめな: 「私チャンはヒコ君みたいに賢くないから いくら考えても、ヒコ君を助けられる 理想のムーブはわかんなかった」
  446. ひめな: 「だけど、きっとなんとかできる」
  447. ひめな: 「私チャンたちの幸せはずっと続くはず」
  448. ひめな: 「…そう思い込んでた」
  449. ひめな: 「根拠もないのに、ね…」
  450. ひめな: やめてヒコ君!!
  451. ひめな: どうしてヒコ君が 死ななきゃいけないの!?
  452. ヒコ: 僕がいなければ ひめなはもう傷つけられずに済む
  453. ヒコ: だとしたら、僕にできるのは これしかない…
  454. ひめな: ヤダ!
  455. ひめな: ヒコ君がいないなんて無理!
  456. ひめな: 私チャンは ヒコ君といたいのに…!
  457. ひめな: そうだ…こんなクソみたいな とこから一緒に逃げよう!
  458. ひめな: ふたりだけでさ、 ずっと生きていこうよ!
  459. ヒコ: 違う、僕の存在そのものが ひめなを傷つけることになる…
  460. ヒコ: この先もずっとそんな未来が 続くなら僕は耐えられない
  461. ひめな: 私チャンは大丈夫…! だから一緒にいようよ…!
  462. ヒコ: …じゃあこうしよう
  463. ヒコ: この世界で 僕を生かそうとするなら…
  464. ヒコ: ひめな… たとえ君でも僕は恨む
  465. ひめな: …ひ、ヒコく………
  466. ヒコ: 失って傷つくのは今だけだ…
  467. ヒコ: …………好きだよ、ひめな…
  468. ひめな: ヒコ君…ッ!
  469. ひめな: 「ヒコ君を止めたい けど、この世界でヒコ君を生かそうとしたら 一生嫌われちゃう」
  470. ひめな: 「そんなの、ヒコ君がいなくなるのと 同じくらい無理だし 死ねって言われてるのと同じ…」
  471. ひめな: 「そうして私チャンの覚悟が決まんないうちに ヒコ君は首を吊って この世界からさよならした」
  472. ひめな: あ…あぁぁ…
  473. ひめな: …………
  474. ひめな: 「ヒコ君をこの世界で生かし続けることは地獄で ヒコ君は望んでなかった」
  475. ひめな: 「だったら、誰かに怯えなくてもいい 私チャンとヒコ君だけで 幸せに暮らせる場所があれば 自由に恋愛できたのかなって考えたの」
  476. ひめな: 「…私チャンは賢くないし そんな場所、ひとつしか思いつかなかった」
  477. ひめな: 「だからワンチャン叶うなら…って あのとき現れたキュゥべえに願ったんだ」
  478. ひめな: …じゃあ叶えてみせてよ
  479. ひめな: 私チャンの中で、ヒコ君と 一緒に居られるようにして
  480.  
  481. FILENAME: text_310282-4.txt
  482. ひめな: …………
  483. ひめな: 何度も言ってるけど
  484. ひめな: 私チャンが魔法少女になったこと ヒコ君は気にしなくていーよ
  485. ひめな: 後悔なんて全然してないし
  486. ひめな: ヒコ君がいないまま生きるなんて
  487. ひめな: 私チャンには、魔女になるよりも 地獄でヤバみが深かったと思う
  488. ひめな: けど…ヒコ君の居場所を 私チャンの中に作っても
  489. ひめな: 自由な恋愛は 手に入らなかったね…
  490. ひめな: 「私チャンの頭にヒコ君が入って ふたりだけで過ごせる場所はゲットしたけど そんなの誰も信じてくれないし 私チャンは周りからあたおか扱い」
  491. ひめな: 「そもそもヒコ君が生きてた頃から 周りの人たちは自由に恋愛することを 認めてくれなかったわけだし…」
  492. ひめな: 結局何してもダメなら
  493. ひめな: いっそ死んでやろうかって 思ってたけどさ
  494. ひめな: サーシャに会って ネオマギウスの魔法少女至上主義っていう 最高にぶっ飛んだ考え方を教えてもらって
  495. ひめな: 私チャンが天辺に行けば 自由な恋愛ができる世界を手に入れられるって 希望を持てた
  496. ひめな: しぐりんはぐりんとは最初はぶつかったっけ…
  497. ひめな: 魔法少女至上主義を実現させるために ネオマギウスに入って みんなを天辺に引っ張るつもりだったけど
  498. ひめな: 私チャンにリーダーを取って代わられた しぐりんとはぐりんの気持ちを ぶっちゃけ考えられてなかったから…
  499. ひめな: だけど、私チャンもしぐりんもはぐりんも 周りを見返したいって想いは同じだったし 宝崎市で一緒に行動するなかで お互いをわかりあって、本当の仲間になれた
  500. ひめな: 教官とみゆりんも 私チャンたちの想いを理解してくれて
  501. ひめな: 歪んでても青臭くても 一緒に天辺を目指すって約束してくれた
  502. ひめな: 私チャンにはヒコ君しかいない って思ってたのに
  503. ひめな: 気づいたらみんなのことも とても大切で
  504. ひめな: ずっとずっと そばにいてほしい存在になってた
  505. ひめな: でも…
  506. 時雨: ごめん、姫 やっぱり今日は行けない…
  507. はぐむ: 私たちのことは気にしないで みんなで遊んでください
  508. 燦: ねぇ、サーシャの家で遊ぶ約束を していたのは姫様たちだし
  509. 燦: 全員揃わなくても 構わないんじゃない?
  510. ミユリ: それならそれなら、ミユたちが いなくてもいいのでは…?
  511. アレクサンドラ: その…実は昨日 言いそびれちゃったんだけど…
  512. アレクサンドラ: 私、今度 引っ越すことになったんです
  513. ひめな: …………
  514. ひめな: うん… 本当は信じたくないよ
  515. ひめな: みんなが私チャンから 離れようとしてるなんて…
  516. ひめな: でも、本当だったら 私チャン立ち直れない…
  517. ひめな: …………
  518. ひめな: …………
  519. ひめな: …そうだね、ヒコ君の言う通り 私チャンらしくなかった
  520. ひめな: みんなにもう1回連絡してみる!
  521. ひめな: もし私チャンから離れようと してるんだとしても
  522. ひめな: ワンチャン引き留められるかも しれないし!
  523. ひめな: 超カッコ悪いけど… このまま終われないし!
  524.  
  525. FILENAME: text_310283-1.txt
  526. ひめな: あっれー? スマホ、どこ置いたっけ…
  527. ひめな: ヒコ君、覚えてる?
  528. ひめな: …………あ、そっか
  529. ひめな: リビングのソファに 荷物ごと投げっぱなしだった
  530. ひめな: あ、スマホ発見! ヒコ君ありがと★
  531. ひめな: んじゃ、みんなに連絡を入れて…
  532. ひめな: ――っ!?
  533. ひめな: ヤバ! 通知来すぎなんだけど!
  534. ひめな: …………
  535. ひめな: えっとね、サーシャと… 教官とみゆりんから…
  536. ひめな: うん… 見てみるね
  537. ひめな: …………あ…
  538. アレクサンドラ: 電話に出られなくてごめんなさい ひめちゃん、何かあったんですか? いつでもいいから、返事してね
  539. 燦: 緊急事態ならいつでも行くわ
  540. ミユリ: ミユもすぐに駆けつけるので 何でも言ってください!
  541. ひめな: え…? みんな心配してくれてる…?
  542. ひめな: って、そうだよね…
  543. ひめな: 私チャンがさっき アピしまくったし…
  544. ひめな: …………
  545. ひめな: みんなの反応がなかったのは
  546. ひめな: 私チャンを避けてるから じゃなくて…
  547. ひめな: ヒコ君の言う通り、 私チャンの勘違い…?
  548. ひめな: …………
  549. ひめな: ハァ…ひとりで勝手に暴走して 私チャン、イタすぎじゃん…
  550. ひめな: それに、こんだけアピって 絶対引かれてるよね…
  551. ひめな: しぐりんとはぐりんからは まだ反応ないし…
  552. ひめな: …………
  553. ひめな: うん…わかってる
  554. ひめな: 周りに避けられたときと 状況は似てたけどさ
  555. ひめな: 私チャン、相当病んだムーブ だったよね…
  556. ひめな: でも…それだけみんなを好きで 離れたくなかったからなんだよね
  557. ひめな: もし、みんなに引かれてるなら
  558. ひめな: メッセと電話しまくったのを 謝って、元通りになりたい…
  559. ひめな: え…何?
  560. ひめな: …………あー 言われてみればそうかも…
  561. ひめな: 明日みんなでサーシャの家に 遊びに行こっ?
  562. アレクサンドラ: あ、明日ですか…? お掃除、間に合うでしょうか…
  563. 燦: そうよ、急すぎるわ
  564. 燦: 私とミユは 青年会の活動があるのに…
  565. はぐむ: 私たちも、明日は 演劇部の準備があって…
  566. はぐむ: 他校と合同でやる 舞台のリハーサル前だから
  567. はぐむ: 休めないんです…
  568. 時雨: ぼくも…手伝いに呼ばれてる
  569. ひめな: そもそも、みんなは無理かもって 最初から言ってたのに
  570. ひめな: みんなに甘えて、強引に日にちを 決めたのは良くなかったよね…
  571. ひめな: …うん、それも謝っとく
  572. ひめな: でもなー、謝るだけじゃ 私チャンの気が収まらないってか
  573. ひめな: 一発なんか企画して、みんなで ブチ上がりたい気もするんだよね
  574. ひめな: …………
  575. ひめな: …え、それって 中1のときの…?
  576. ひめな: …そうそう、男子が女子を 変にからかうのが流行ったせいで
  577. ひめな: 男子が謝ったあとも クラスの雰囲気悪かったんだよね
  578. ひめな: 文化祭も近づいてたのに それじゃ困るから
  579. ひめな: いっそみんなでパーティーして 騒げば、壁をなくせそう
  580. ひめな: って企画して うまくハマったんだっけ…
  581. ひめな: うん…それな
  582. ひめな: 言葉であれこれ言うより 行動でアピんないとね
  583. ひめな: それでいってみる! ヒコ君、あざお★
  584.  
  585. FILENAME: text_310283-2.txt
  586. <翌日>
  587. ひめな: …………
  588. アレクサンドラ: あ、ひめちゃん
  589. 燦: 先に来てたのね
  590. ミユリ: 姫様、姫様! 昨日は心配しましたよ!
  591. ひめな: うん…ごめん…
  592. ひめな: (しぐりんとはぐりんは いない…)
  593. ひめな: (ふたりはやっぱり 私チャンに引いてるのかも…)
  594. ひめな: (…とりま3人には謝らないと)
  595. ひめな: 昨日はホントごめん! 私チャンも色々パニクってた…
  596. 燦: え… 何かあったの?
  597. ひめな: ぶっちゃけさ 怖かったんだよね…
  598. ひめな: みんなが私チャンを嫌いになって 離れていくんじゃないかって…
  599. 燦: ちょっと待って、 どうして急にそうなるの?
  600. アレクサンドラ: えっと…もしかして
  601. アレクサンドラ: 急に遊べなくなったり 返信が遅かったから…?
  602. ひめな: うん…
  603. ひめな: 冷静に考えても相当病んでるし 引いたよね…?
  604. ひめな: スマホも通知きまくって ウザかったと思うしさ…
  605. ひめな: でもホントにね、みんなに 離れてほしくなかったんだ…
  606. 燦: そう…
  607. 燦: ごめんなさい 昨日はこっちが悪かったわ
  608. ひめな: え…
  609. 燦: 連絡した通り、私とミユは 青年会の活動があってね
  610. 燦: 姫様にも手伝ってもらった おとといの作業が裏目に出て
  611. 燦: 余計に時間がかかったのよ…
  612. ミユリ: しかもしかも!
  613. ミユリ: 肉体労働で、スマホを見る時間も なかったんですよぅ…
  614. ひめな: そうだったんだ…
  615. アレクサンドラ: 私もごめんね、ひめちゃん…
  616. アレクサンドラ: 昨日帰ったのは、その… 例の引っ越しのことで
  617. アレクサンドラ: 親戚のおじさんと話すため だったんです
  618. アレクサンドラ: ずっと話していたから
  619. アレクサンドラ: ひめちゃんからの連絡に 気づけなくて…
  620. ひめな: じゃあ…やっぱり私チャンの 勘違いだったんだ…
  621. 燦: そういうことになるわね
  622. ひめな: (…ただ、しぐりんと はぐりんは…)
  623. ガラッ
  624. ひめな: しぐりん!はぐりん!?
  625. はぐむ: よかった、みんないた…!
  626. 時雨: 会えないままだったら どうしようかと思った…
  627. 燦: 大げさね
  628. 燦: ずっと演劇部のリハーサルを 手伝っていたんでしょう?
  629. アレクサンドラ: 返事もできないくらい 忙しかったんですね…
  630. はぐむ: あ、いえ… リハーサル中は
  631. はぐむ: 時雨ちゃんのスマホも 私が預かってたんですけど
  632. はぐむ: その…外を移動してるときに 転んで、池に落としちゃって…
  633. ミユリ: まさかまさか! 2台ともですか!?
  634. はぐむ: うぅ…そうなんです…
  635. 燦: 安積なら納得よね…
  636. 時雨: 代わりに昔のスマホを 引っ張り出したんだけど
  637. 時雨: みんなの連絡先が わからなくって…
  638. 時雨: ここに来れば会えるかもって 思ったんだ…
  639. はぐむ: あの… 心配かけちゃいましたよね…?
  640. ひめな: …………
  641. ひめな: …わ、わかってるよヒコ君 言われなくたって…
  642. 時雨: …?
  643. はぐむ: あの、藍家さんもみなさんも どうかしたんですか…?
  644. ひめな: 私チャンが勝手に勘違いして みんなを疑ってたって話
  645. ひめな: 迷惑かけてホントごめん! マジでもうしないって約束する!
  646. 燦: 早とちりも勘違いも 誰だってやるわよ
  647. ミユリ: ですです! 安積もよくやってますし!
  648. 燦: どちらかと言うとあなたでしょ ミユ…
  649. アレクサンドラ: 私たちは気にしてませんよ ひめちゃん♪
  650. ひめな: …あざお★
  651. ひめな: …でも、せっかく予約したし このままみんなで行こう?
  652. 時雨: 行くってどこへ…?
  653. ひめな: それはもちろん、 ブチ上がれる場所!
  654.  
  655. FILENAME: text_310283-3.txt
  656. ひめな: 今日は私チャンのおごりだよ! お菓子と飲み物もあるからね★
  657. 時雨: あ…だからそんな大きいリュック 背負ってたんだ…
  658. ひめな: 持ち込みOKの カラオケじゃないと
  659. ひめな: 高くつくじゃん?
  660. 燦: …それで? どうしてカラオケなの?
  661. ひめな: 宝崎市内にいたまま 中で騒げて遊べるなって思ってさ
  662. ひめな: あとは、仕切り直しって感じ!
  663. ひめな: 一方的に疑ってごめん っていうのと
  664. ひめな: みんなの都合を考えないで 無理させちゃったお詫び!
  665. はぐむ: でも、こうして全員揃ったし 最初に言ってた通り
  666. はぐむ: サーシャさんのお家でも よかったんじゃ…?
  667. アレクサンドラ: そうですね 部屋は片づけ終わりましたし…
  668. ひめな: でも迷惑かけた私チャンが
  669. ひめな: みんなと遊ぶために 何も準備とかしないまま
  670. ひめな: サーシャの家でただ遊ぶのは 違くない?
  671. アレクサンドラ: ひめちゃん…
  672. ひめな: …ってヒコ君に言われて ハッとしたんだよね
  673. 燦: 言われて気づいたの…?
  674. ひめな: ぴえん
  675. ひめな: でも、本当に反省してるんだよ?
  676. アレクサンドラ: ふふっ、わかってますよ
  677. 時雨: うん…姫に振り回されて 驚くことも多いけど…
  678. はぐむ: 藍家さんがみんなのために 行動してるのはわかりますから
  679. ミユリ: ではでは、姫様の気持ちを 存分に受け取ることにして
  680. ミユリ: 今日は素直におごられることに しますぅ!
  681. 燦: ええ、それが姫様の望みだからね
  682. ひめな: …………
  683. ひめな: (…あの頃からは 考えられないよね、ヒコ君)
  684. ひめな: (私チャンの性格も)
  685. ひめな: (私チャンの中にいるヒコ君の ことも)
  686. ひめな: (受け入れてくれる仲間が できるなんてさ…)
  687. ひめな: マジでみんな 尊みがすごいんだけど!
  688. 時雨: え、え…? 急になに…?
  689. ひめな: 今日はフリータイムだから とりまじゃんじゃん歌っちゃお?
  690. ひめな: んで、最っ高に気分アゲてこ キャハッ★
  691.  
  692. FILENAME: text_310283-4.txt
  693. ひめな: あー、楽しかった!
  694. 燦: 姫様の息抜きも目的だったし 満足できたなら何よりだわ
  695. ミユリ: ですねですね!
  696. ミユリ: なんだか普通の学生みたいで 新鮮でした!
  697. 時雨: ぼくは…ちょっと疲れた
  698. はぐむ: でも、楽しかったよね?
  699. 時雨: うん… ちょっとだけ…
  700. アレクサンドラ: 夜も遅くなってきましたし そろそろ解散しましょうか
  701. ひめな: そうだね
  702. 燦: じゃあ私たちはあっちだから
  703. ミユリ: また明日会いましょう!
  704. ひめな: うん、おっつー★
  705. はぐむ: 私たちも先に帰りますね
  706. 時雨: 姫と一緒にいるのを、神浜市の 魔法少女に見られると困るし…
  707. アレクサンドラ: 気をつけてくださいね
  708. 時雨: うん…
  709. はぐむ: それじゃ、また明日…!
  710. ひめな: ヒコ君もありがとね
  711. ひめな: 私チャンの勘違いから 始まったことだけど…
  712. ひめな: みんなとの絆がもーっと 深まった気がする★
  713. アレクサンドラ: とっても楽しかったですね ひめちゃん♪
  714. ひめな: サーシャ、歌うますぎて ビビったし!
  715. アレクサンドラ: ありがとうございます
  716. アレクサンドラ: みんなに褒めてもらえましたし 素敵な思い出になりました♪
  717. ひめな: …ねえ、もしかして それってさ
  718. ひめな: 神浜市を出て行く前に いい思い出を作れた…
  719. ひめな: ってことじゃないよね?
  720. アレクサンドラ: え… 何の話ですか?
  721. ひめな: だって引っ越すんでしょ? おじさんに追い出されちゃうの?
  722. アレクサンドラ: それは、お部屋の改装のために
  723. アレクサンドラ: 親戚のおじさんから借りている 部屋を引っ越すってことで…
  724. ひめな: …やっぱり、出て行くってこと?
  725. アレクサンドラ: 誤解ですよ
  726. アレクサンドラ: おじさんと昨日相談して 引っ越し先も
  727. アレクサンドラ: 神浜市内の部屋を用意して もらえることになってますから
  728. ひめな: …………
  729. ひめな: なーんだ、それなら早く言ってよ また私チャンの勘違いじゃん
  730. アレクサンドラ: うふふ♪
  731. アレクサンドラ: でもそんなに私を必要だって 思ってくれてるなんて嬉しいです
  732. ひめな: うん、どんな手を使ってでも サーシャは手放さないよ
  733. アレクサンドラ: あらあら、ひめちゃんったら…
  734. ひめな: おじさんがいないほうがいいなら そうするつもりだったし
  735. アレクサンドラ: …………
  736. アレクサンドラ: あの、ひめちゃん…?
  737. アレクサンドラ: いないほうがいいならって… どういう意味?
  738. ひめな: いなくさせることだって できるって意味だけど?
  739. アレクサンドラ: ――っ!?
  740. ひめな: 私チャンの邪魔をするなら 誰でも容赦しないって
  741. ひめな: 前に言わなかったっけ?
  742. アレクサンドラ: …………
  743. アレクサンドラ: (暴走すると危険なところがある とは思っていたけど…)
  744. アレクサンドラ: (もし、ひめちゃんが人を 平気で傷つけるようになったら)
  745. アレクサンドラ: (私、ついていけなくなる…)
  746. ひめな: ほら、早く帰ろ★
  747. ひめな: 他の魔法少女に見つかんない ように注意しないとね
  748. アレクサンドラ: そう、ですね…
  749. アレクサンドラ: …………
  750. ひめな: あのときサーシャが 声をかけてくれてなかったら
  751. ひめな: 私チャンは絶望してたし ネオマギウスも消滅してたよ
  752. ひめな: だからこれからも グループの一員として
  753. ひめな: 私チャンとみんなの サポートよろ!
  754. アレクサンドラ: …………
  755. アレクサンドラ: (自由な恋愛ができる世界を 一緒に作ってあげたいけど)
  756. アレクサンドラ: (誰かを傷つけるのは違うから そうなる前に)
  757. アレクサンドラ: (ひめちゃんをネオマギウスに 導いた私が止めてあげたい…)
  758. アレクサンドラ: でも…どうすれば…
  759. ひめな: サーシャ、もしかして まだ帰りたくないとか?
  760. アレクサンドラ: …うふふ、バレちゃいましたか
  761. ひめな: そーいうことなら ちょっと寄り道してこ!
  762. ひめな: サーシャとは話したいこと まだまだあるんだよね★
  763. ひめな: ずーっとそばにいてね、 サーシャ!
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