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- FILENAME: text_310281-1.txt
- ひめな: あーあ…
- アレクサンドラ: どうしたんですか? ひめちゃん
- ひめな: 宝崎市で隠れてるだけってのも やーっぱ息が詰まるなぁって
- 時雨: でも、姫が決めたことだよね…?
- 時雨: 死んだフリをして しばらく雲隠れするって…
- ひめな: まぁそうなんだけどさ
- ひめな: 外出はまずいからって家にいると ママとふたりきりだし
- ひめな: かといって潜伏先のここにいても 籠ってるだけだし
- ひめな: ぶっちゃけ息抜きくらい したくなっちゃうんだよね★
- 燦: 息を抜くも何も
- 燦: そもそもやれることがないから 休むしかない状態じゃない
- ひめな: 自由じゃないから息は詰まるし
- ひめな: みんながいないと ヒマだし寂しいんだって!
- ひめな: ワンチャンどこか遊びに 行けたらなー
- ミユリ: 姫様の気持ちも わかりますけどぉ…
- はぐむ: 藍家さんが外に出るのは 危ないと思う…
- はぐむ: ここは宝崎市だけど
- はぐむ: 神浜市の魔法少女に 会っちゃうかもしれないし…
- ひめな: …あ!
- ひめな: 外に出なきゃいいなら 中で遊べばおけまるでしょ!
- はぐむ: 中って、ここでですか…?
- ひめな: ううん、サーシャの家に行って みんなで遊ぶの!
- 燦: 唐突ね…
- 燦: しかもサーシャの家って 神浜市じゃない
- ひめな: 途中で姿を見られないように 注意しないとだけど
- ひめな: 家の中で遊ぶなら 何も気にしなくていいじゃん?
- 燦: でもどうしてサーシャの家なの?
- アレクサンドラ: もしかしてひめちゃん 約束を覚えててくれたとか…?
- ひめな: とーぜんじゃん
- ひめな: てか、サーシャも 覚えててくれたんだ
- ミユリ: それはそれは! どんな約束なんですか?
- アレクサンドラ: 私の家で、恋愛ドラマの鑑賞会を しようって約束したんです
- アレクサンドラ: なかなかタイミングが合わなくて 実現できてませんでしたけど
- アレクサンドラ: ちょうどいいかもしれませんね うふふ♪
- ひめな: じゃあ決定!
- ひめな: 明日みんなでサーシャの家に 遊びに行こっ?
- アレクサンドラ: あ、明日ですか…? お掃除、間に合うでしょうか…
- 燦: そうよ、急すぎるわ
- 燦: 私とミユは 青年会の活動があるのに…
- ミユリ: ですです!
- ミユリ: 青年会には潜伏のために 場所を貸してもらってるので
- ミユリ: ミユたちだけ活動を休むわけには いかないですよ!
- はぐむ: 私たちも、明日は 演劇部の準備があって…
- はぐむ: 他校と合同でやる 舞台のリハーサル前だから
- はぐむ: 休めないんです…
- 時雨: ぼくも…手伝いに呼ばれてる
- ひめな: ぴえん
- ひめな: ホントはすぐにでもみんなと 遊びたかったけど…
- 時雨: …………はぐむん
- 時雨: なんとかなる…?
- はぐむ: うーん… 藍家さんの気持ちはわかるし…
- はぐむ: 厳しいかもしれないけど… 都合をつけられるか相談しよっか
- ひめな: え、マジ!? いいの!?
- はぐむ: はい
- はぐむ: 私たちと遊びたいって 言ってくれたのも嬉しかったし…
- 燦: …安積たちがそう言うなら
- 燦: 私たちも青年会のみんなに 相談してみましょうか
- ミユリ: ですねですね!
- 燦: サーシャもそれでいいかしら?
- アレクサンドラ: はい、みんなが転ばないように 足元だけは片づけておきます…!
- 燦: …サーシャって、もしかして 掃除が苦手なの…?
- ひめな: みんな、あざお★
- ひめな: 全員そろって遊ぶのは初めてだし バイブス上がってきた!
- FILENAME: text_310281-2.txt
- <翌日>
- 時雨: は、はぐむん…!
- 時雨: この大道具、どこに持って行けば いいの…?
- はぐむ: えっと…体育館でいいと 思うけど…
- はぐむ: あっ、あれっ?
- はぐむ: さっき縫い終わった衣装、 どこに置いたっけ…?
- 時雨: なくしちゃったの…?
- はぐむ: あわわ…どうしよう…!
- 安積ぃ! ちょっと急いでくれるかな?
- これじゃいつまで経っても 舞台のリハーサルができないよ
- はぐむ: す、すみません…!
- 時雨: 準備…終わりそうにないね
- 時雨: …姫に連絡しないと… 今日はやっぱり遊べないって
- はぐむ: ごめん… 私がもたもたしたせいだね…
- はぐむ: 準備が早く終わったら 帰ってもいいよって
- はぐむ: 先輩たちも言ってくれてたのに…
- ピロン♪
- 時雨: ごめん、姫 やっぱり今日は行けない…
- はぐむ: 私たちのことは気にしないで みんなで遊んでください
- ひめな: …あ
- ひめな: しぐりんとはぐりん 今日は来れないって
- アレクサンドラ: あらあら…
- 燦: 昨日の時点で厳しいかもって 言っていたしね
- ミユリ: ではでは、今日はミユたちで 遊ぶことにしましょう
- ひめな: ううん、明日に延期しよ!
- ミユリ: えぇっ!? まさかまさか延期とは…!
- ミユリ: 燦様とミユは頑張って 今日の予定を空けたのに…!
- ひめな: ごめんねみゆりん、教官
- ひめな: サーシャも急いで片づけて もらったのにごめん
- アレクサンドラ: いえ、お部屋を片づける いい機会になりましたから
- 燦: ねぇ、サーシャの家で遊ぶ約束を していたのは姫様たちだし
- 燦: 全員揃わなくても 構わないんじゃない?
- ひめな: うーん…まぁ約束したときは そうだったけどね
- ひめな: ―ひめな― 私チャンの中にいるヒコ君の存在も ヒコ君との恋愛も周りに認められなくて
- ひめな: ―ひめな― 絶望しそうになってたときに 声をかけてくれたのがサーシャでさ
- ひめな: ―ひめな― 自由な恋愛ができる世界を創ろうって ふたりで意気投合して
- ひめな: ―ひめな― いつか恋愛ドラマを見まくろうねって約束は そのときにしたから★
- ミユリ: それならそれなら、ミユたちが いなくてもいいのでは…?
- ひめな: いまはサーシャだけじゃなくて
- ひめな: みゆりんも教官も みーんなが仲間だし
- ひめな: 楽しいことをするなら 全員揃ってがいいんだよね
- 燦: 恋愛ドラマに興味はないけど
- ひめな: ぴえん
- 燦: …ドラマを見る みんなの反応は楽しめそうね
- 燦: ミユ、明日もなんとか都合を つけられるようにしましょう
- ミユリ: ですねですね! ミユも楽しみになってきました!
- 燦: それじゃ、善は急げね
- 燦: 会長に電話してくるから 少し席を外すわ
- アレクサンドラ: ひめちゃんにネオマギウスを 紹介したときは
- アレクサンドラ: まさかこんなに仲間が増える なんて思わなかったですね
- ひめな: 私チャンとヒコ君がいれば これくらい楽勝★
- ひめな: …って言いたいとこだけど 全部サーシャのおかげだよ
- アレクサンドラ: 私ですか…?
- ひめな: あのときサーシャが 声をかけてくれてなかったら
- ひめな: 私チャンは絶望してたし ネオマギウスも消滅してたよ
- ひめな: だからこれからも グループの一員として
- ひめな: 私チャンとみんなの サポートよろ!
- アレクサンドラ: …………
- ひめな: …………サーシャ?
- アレクサンドラ: あ、いえ そう言ってもらえて嬉しいです
- 燦: 姫様、サーシャ
- 燦: 悪いんだけど 今から手伝ってくれる?
- 燦: 今日のうちに青年会の作業を 終わらせられれば
- 燦: 明日も予定を空けられそうなの
- ひめな: もちろん、おけまる! なんでも手伝っちゃうし!
- ひめな: …………
- ひめな: (サーシャ、少し変だったけど 何だったんだろ…?)
- FILENAME: text_310281-3.txt
- <さらに翌日…>
- ガヤガヤガヤ…
- ん?
- ここに置いてた荷物は どうなった?
- 燦: 昨日のうちに 倉庫に持って行ったわよ
- あぁ、公民館裏の倉庫か
- 燦: じゃなくて、町内会の倉庫よ
- 遠いほうに持って行ったのか?
- あれって、今度の炊き出しで 使う道具だし
- 仕舞うとしても、近くじゃないと 困るんじゃないか?
- 燦: あ…ごめんなさい 勘違いしてたわ…
- 燦: ミユ、悪いんだけど 一緒に取りに行ってくれる?
- ミユリ: あ、でもでも!
- ミユリ: 倉庫に行って帰るとなると かなり時間がかかるのでは…?
- 燦: 姫様たちと遊ぶのは 難しくなるわね…
- 燦: でも、私たちのせいで 手間を増やしちゃったわけだし
- 燦: ここで抜けるわけには いかないわよ
- ミユリ: うぅ… 姫様に謝らないとですね…
- ピロン♪
- ひめな: あ、みゆりんからメッセだ
- ひめな: …………
- ひめな: 今日は教官とみゆりんが 来られないんだ…
- アレクサンドラ: 青年会の作業が 増えちゃったんでしょうか
- ひめな: 待ち合わせ場所に公民館を 使えないとなると
- ひめな: しぐりんはぐりんとは どこで合流しようかな…
- ひめな: ん? 何、ヒコ君
- ひめな: うん…うん…………
- ひめな: そうだね、このまま宝崎市で 合流したほうが安全だよね
- アレクサンドラ: じゃあどこかで待つことにして
- アレクサンドラ: グループチャットで ふたりに連絡しましょうか
- ひめな: うん!
- ピロン♪
- ひめな: あ、言ってるそばから しぐりんじゃん!
- ひめな: …………あ…
- アレクサンドラ: あらあら…今日も演劇部の お手伝いで来られないんですね…
- ひめな: 今日もみんなで遊ぶのは 無理かぁ…
- アレクサンドラ: 時雨ちゃんとはぐむちゃんも 大変みたいですね
- ひめな: …ホントなのかな
- アレクサンドラ: え?
- ひめな: おととい誘ったときから ホントはみんな遊びたくなくて
- ひめな: 私チャンを 避けてるんじゃないのかな…
- アレクサンドラ: 偶然ですよ
- アレクサンドラ: みんながひめちゃんを避ける 理由がないですから
- ひめな: …………そう、だよね…
- ひめな: (…なんか思い出しちゃった)
- ひめな: (みんなに変な目で 見られてた頃のこと…)
- アレクサンドラ: ひめちゃん…?
- ひめな: …ごめん、なんでもない 私チャンらしくなかったよね
- アレクサンドラ: あんなに楽しみにしてたんです
- アレクサンドラ: みんなの都合が悪くなったから とは言っても
- アレクサンドラ: 中止になったら 誰でも落ち込みますよ
- ひめな: あざまる★
- ひめな: ここまできたら、また延期! って思ったけど…
- アレクサンドラ: …?
- ひめな: 初めに約束した通り ふたりだけで遊んじゃう?
- ひめな: サーシャの家で恋愛ドラマを 見まくってきゅんきゅんしよ★
- アレクサンドラ: それも、いいかも
- アレクサンドラ: もうすぐいま暮らしてるお家とは お別れになっちゃいますから
- ひめな: ん? どういうこと?
- アレクサンドラ: その…実は昨日 言いそびれちゃったんだけど…
- アレクサンドラ: 私、今度 引っ越すことになったんです
- ひめな: …………え?
- FILENAME: text_310281-4.txt
- ひめな: 引っ越しって、何… どういうこと…?
- ひめな: サーシャ、遠くへ行っちゃうの?
- アレクサンドラ: えっと… なんて言えばいいのかな…
- ~~♪~~♪
- アレクサンドラ: あ…
- ピッ
- アレクサンドラ: はい、もしもし…
- アレクサンドラ: …えっ、今から!?
- アレクサンドラ: はい…そうですね
- アレクサンドラ: では、これから伺います…!
- ピッ
- アレクサンドラ: ごめんね、ひめちゃん
- アレクサンドラ: 急だけど、今すぐ会わなきゃ いけない人がいて…
- ひめな: ちょっと待って? そんな急に!?
- ひめな: サーシャまで私チャンを 置いて行っちゃうわけ…?
- アレクサンドラ: 大げさですよ
- アレクサンドラ: 引っ越しのことは 詳しく決まったら話しますから
- アレクサンドラ: またね、ひめちゃん!
- ひめな: …………なんで…
- 時雨: ごめん、姫 やっぱり今日は行けない…
- はぐむ: 私たちのことは気にしないで みんなで遊んでください
- 燦: ねぇ、サーシャの家で遊ぶ約束を していたのは姫様たちだし
- 燦: 全員揃わなくても 構わないんじゃない?
- ミユリ: それならそれなら、ミユたちが いなくてもいいのでは…?
- アレクサンドラ: その…実は昨日 言いそびれちゃったんだけど…
- アレクサンドラ: 私、今度 引っ越すことになったんです
- ひめな: やっぱりみんなは 私チャンを避けてて
- ひめな: 離れようとしてる…
- ひめな: …………
- ひめな: 私チャンの勘違いなんかじゃ ないよ、ヒコ君…!
- ひめな: 私チャンが周りから あたおか扱いされたときも
- ひめな: こういう感じで始まったの 覚えてるでしょ…!?
- ひめな: 放課後、どっか寄って帰る? ゲーセンとか!
- うーん…私は今日はいいや…
- 私もパス…っていうか もう誘ってくれなくていいから…
- ひめな: え、なんで…
- だってひめな…
- いいよ、放っておこう
- ひめな: なんで信じてくれないの…!?
- ひめな: ヒコ君は本当に 私チャンの中にいるのに…!
- ザワザワ…
- アイツ、やばくね…?
- ひめなの話、聞いた?
- あのガリ勉の陰キャと 付き合ってたって
- しかも、そいつが死んで ぶっ壊れたらしいじゃん…?
- かわいそうなのはマジだけどさ 近付かない方がいいよね…
- 引くレベルで怖いもんね
- ひめな: イヤ…イヤ、イヤ、イヤ…!
- ひめな: サーシャが…みんなが 離れるなんてイヤ…!
- ひめな: サーシャ、どこに行ったの? 途中まででいいから 私チャンも一緒に行きたい! これ見たらすぐ連絡して!
- ひめな: 教官とみゆりんの用事はいつ終わるの? 終わったら会えるよね??
- ひめな: しぐりんはぐりん 今どこにいるの? 神浜市でもいいよ ワンチャン、バレてもいいから会いに行く!
- ひめな: …………
- ひめな: …………
- ひめな: どうして反応くれないの?
- ひめな: 何か言って、ねえ…
- ひめな: …そうだ、電話すれば…!
- ~~♪~~♪
- ひめな: 止めないでヒコ君!
- ~~♪~~♪
- ~~♪~~♪
- ひめな: …………
- ひめな: …誰も電話に出ない… メッセの返事もない…
- ひめな: こんなこと、 今までなかったのに…
- ひめな: なんで…なんで…!
- ひめな: 私チャンから 離れていかないでよ…!
- ひめな: 無理だよヒコ君! こんなの落ち着けるわけない!
- ひめな: こんな気持ちになるなら… ヒコ君とだけいればよかった…!
- ひめな: …………
- ひめな: もういい…! …帰ろ、ヒコ君…
- ひめな: なんで…どうしてみんな、 離れていくの…?
- FILENAME: text_310282-1.txt
- ひめな: …………
- ひめな: なに、ヒコ君…
- ひめな: …………
- ひめな: それぞれに事情があったとしても
- ひめな: 電話もメッセも無視するのは おかしいよね?
- ひめな: ちょこっと返事する時間くらい あるはずだよね?
- ひめな: …………
- ひめな: ほら… ヒコ君も何も言い返せないじゃん
- ひめな: ねぇ…もっと優しい言葉を かけてよ…!
- ひめな: 私チャンには… ヒコ君しかいないんだから…
- ひめな: …………
- ひめな: もう少し様子を見ようって 言ったって…
- ひめな: どうせまたいつもの パターンだよ…
- ひめな: 私チャンの大切な人が 離れていくのは
- ひめな: 今に始まったことじゃないし…
- ひめな: ほら、あのときも そうだったでしょ?
- ひめな: 私チャンたちが 初めて喋ったとき…
- ひめな: 「あのときの私チャンは今よりわがままで 周りの気持ちがわからないときも多かったし」
- ひめな: 「友だちを振り回して 愛想を尽かされて 避けられたり、絶交されたりしてた…」
- ひめな: あっ、このおもちゃ! 前から遊びたかったんだよね★
- それ…わたしの…
- ひめな: ちょっとくらい 貸してくれてもいいでしょ
- ひめな: 友だちなんだから
- …ひめなちゃん、そう言って いつも返してくれないじゃん…
- ひめなちゃんなんか 友だちじゃない…!
- ひめな: え、どうして!?
- 行こ?
- うん…
- ひめな: いみわかんない…!
- ひめな: 貸してって言っただけなのに
- ひめな: どうして私チャンが 悪いみたいになるの…!?
- ヒコ: …………
- ひめな: 見ないでよ、ばか!
- ヒコ: …ごめん…
- ひめな: …どうせあなたも私チャンを 悪いって思ってるんでしょ
- ヒコ: …………うん…
- ひめな: やっぱり…!
- ヒコ: ふたりが言ってたこと、 ほんとうだから…
- ひめな: そんなこと…
- ヒコ: ひめなちゃんは 気づいてないかもしれないけど
- ヒコ: おもちゃを取られた子は 泣いてる…
- ヒコ: それに、返してって言っても 怒るから、怖いんだと思うよ
- ひめな: …………
- ひめな: …知らなかった…
- ヒコ: 気づいてなかったんだ…
- ヒコ: 私チャンが怖いから みんないなくなるんだ…
- ひめな: あなたすごいね!
- ヒコ: え?
- ひめな: みんなのことよく見てるし 頭もいいね
- ひめな: みんなが怖がってるなんて かんがえたことなかったもん
- ひめな: ねえ、あなたのこと もっと知りたい!
- ひめな: たしか…ヒコ君だっけ 私チャンと友だちになってよ!
- ヒコ: …友だちとか、よくわからない…
- ひめな: んじゃ私チャンが 教えてあげる!
- ヒコ: いつもは友だちを 泣かせてるのに…?
- ひめな: あー…
- ひめな: じゃあこれからは誰も泣かせない いい友だちになる、キャハッ★
- ひめな: あのときの友だちとは 仲直りできなかったけど…
- ひめな: 代わりにヒコ君と 友だちになれたんだよね
- ひめな: …………
- ひめな: うん、私チャンもヒコ君と あのとき話せてよかったよ
- FILENAME: text_310282-2.txt
- ひめな: 私チャンが考えもしないことを なんでも教えてくれるヒコ君は
- ひめな: 昔から、私チャンの特別だったな
- ひめな: …………ふふっ ヒコ君が照れるとかレア★
- ひめな: 小学校に上がってからは 家族ぐるみの付き合いができて
- ひめな: 学校行事も地域行事も 一緒だったし、楽しかったよね
- ひめな: ん…?
- ひめな: とーぜん覚えてるって!
- ひめな: 私チャンが浴衣を着ていった 夏祭りのことでしょ?
- ひめな: 私チャンたちの記念日★
- ひめなの母: ヒコ君、ヒコ君ママ 遅くなっちゃってごめんなさい
- ヒコの母: いいのよ 女の子だから色々あるでしょ
- ヒコ: …………
- ひめな: 待たせてごめんね…
- ひめな: でも…ヒコ君には、完璧に 可愛い私チャンを見てほしくて…
- ヒコ: …………
- ひめな: どうかな…? この浴衣、似合ってる…?
- ヒコ: …………
- ひめな: …どうして黙ってるの? 何か言ってよ
- ヒコ: …どういう反応をすればいいのか わからなくて…
- ひめな: 何それ…!
- ひめな: …ヒコ君なんか知らない!
- ヒコ: あ…
- ひめな: 「ヒコ君が口下手だってわかってるのに ちょっと褒めてくれてもいいでしょとか 私チャンに興味ないのかもとか考えちゃって」
- ひめな: 「ひとりで勝手にむしゃくしゃして ヒコ君たちと離れて ひとりでお祭りを回るつもりだった」
- ひめな: 「なのに、私チャンが迷子になるっていう まさかのクソダサムーブ決めちゃって ホントカッコ悪かったよね…」
- ひめな: ヤバ… ヒコ君のとこに戻れない…
- ひめな: …ぐすっ…
- ヒコの声: ひめなちゃん…!
- ひめな: ――っ!?
- ひめな: ヒコ君…!? なんで…
- ヒコ: 全然戻ってこないから… 探しに来た…
- ヒコ: 母さんたちのところに戻ろう…
- ひめな: …ヤダ!
- ヒコ: …じゃあ、いいよ…
- ひめな: っ…………
- ひめな: 「ヒコ君が来てくれてすごく嬉しかったのに 素直になれなくて、つい意地張って… こんなわがままな私チャンに ヒコ君が愛想を尽かすのは当然だったよね」
- ひめな: 「でも、『いいよ』って言われたら 悲しくて、涙が出てきて…」
- ひめな: …………
- ヒコ: ひめなちゃんにその気がなくても 僕が連れて行く
- ひめな: …………え?
- ヒコ: 戻りたくないかもしれないけど…
- ヒコ: これ…あげるから 一緒に戻ろう…?
- ひめな: あ…!
- ひめな: ―ひめな― 指輪… もらっていいの…?
- ヒコ: ―ヒコ― いらなかった…?
- ひめな: ―ひめな― ううん…ううんっ、いる…!
- ヒコ: ―ヒコ― …あのさ、ひめなちゃんの浴衣 似合ってるよ
- ひめな: ―ひめな― ――っ!?
- ヒコ: ―ヒコ― さっきはすぐに言えなかったから… これはおわび…
- ひめな: ―ひめな― …こんな、いきなり指輪なんてもらったら どうすればいいかわかんない…!
- ひめな: ―ひめな― っていうかヒコ君、女の子に指輪渡す意味 わかってる…?
- ヒコ: ―ヒコ― え、出店で買った指輪のおもちゃだけど…
- ひめな: ―ひめな― 本物でもおもちゃでも関係ないの! 指輪をもらうってことが大事なんだって…!
- ひめな: …………ね、ヒコ君
- ひめな: ヒコ君がいいなら… 私チャンと…付き合って…?
- ヒコ: え、僕が…!?
- ひめな: 私チャン、ヒコ君のことが 大好きなの…!
- ひめな: …ヒコ君は…?
- ヒコ: …………す…
- ヒコ: い、言えないよ…!
- ひめな: じゃあ…付き合えない…?
- ヒコ: それは… …本当に僕でいいなら…
- ひめな: 私チャンはヒコ君がいいんだから いいの!
- ひめな: ………… いつか好きって言ってね、ヒコ君
- ひめな: それから、おうちで遊んだり ちょっと遠くに出かけたり…
- ひめな: たくさん一緒に過ごしたよね
- ひめな: …………
- ひめな: …そうだったね
- ひめな: ふたりだけでいるときは 楽しかったけど
- ひめな: 学年が上がったら、ヒコ君は 学校でいじめられるようになって
- ひめな: 毎日しんどかったよね…
- ひめな: 私チャンが止めに入って マシになった時期もあったけど
- ひめな: 中学に入ってからは もっとヒドくなった…
- FILENAME: text_310282-3.txt
- ひめな: 「ヒコ君は昔から変わってなくて 物知りで何でも教えてくれる優しい彼ピだけど 学校では陰キャのぼっち扱い」
- ひめな: 「私チャンは 昔よりは誰とでも打ち解けられるようになって 中学ではクラスのイイカンジのグループにいた」
- ひめな: 「何もかも違ってる私チャンとヒコ君の関係は 不釣り合いだって周りから言われかねないし バレたらヤバい気がして… コッソリ付き合ってた」
- ひめな: 「だけど…」
- ピロン♪
- ひめな: (ヒコ君…)
- ひめな: (最近メッセージの返事もないし 会ってもくれない…)
- あ、あいつ ガリ勉陰キャじゃん
- ひめな: え…
- ヒコ: …………
- ひめな: ――っ!?
- ひめな: (避けられた…?)
- そういやひめなって アイツと付き合ってんの?
- ひめな: な、なんで…?
- なんか噂になってるよ
- さっさと否定したほうが いいんじゃね?
- ひめな: …………!
- ひめな: 「私チャンたちの関係はいつのまにかバレてて そのせいでヒコ君は もっとヒドいいじめを受けてた」
- ひめな: 「だからヒコ君は わざと避けてくれてたんだよね…? 私チャンに迷惑がかからないようにって…」
- ひめな: 「なのに、私チャンは何も考えられてなくってさ なんとかしようって 張り切って行動してみたけど」
- ひめな: 「ヒコ君を助けるどころか 私チャンまでいじめの標的にされて…」
- ひめな: ホント…どいつもこいつも クズすぎるし…!
- ヒコ: …ごめん、ひめな
- ひめな: なんでヒコ君が謝るの!?
- ひめな: 悪いのはアイツらじゃん!
- ひめな: 私チャンたちは ただ一緒にいたいだけなのに…!
- ヒコ: …………
- ヒコ: やっぱり僕なんかがひめなと 付き合うべきじゃなかったんだ…
- ひめな: ヒコ君… そんなこと言わないでよ…!
- ヒコ: 僕がいたら、これからもひめなは 傷つけられ続ける…
- ヒコ: 僕は…どうすれば…
- ひめな: ヒコ君は何もしなくていいの!
- ひめな: 私チャンが 絶対に何とかするから…!
- ひめな: だから… 一緒にいよう、ヒコ君…
- ひめな: 「私チャンはヒコ君みたいに賢くないから いくら考えても、ヒコ君を助けられる 理想のムーブはわかんなかった」
- ひめな: 「だけど、きっとなんとかできる」
- ひめな: 「私チャンたちの幸せはずっと続くはず」
- ひめな: 「…そう思い込んでた」
- ひめな: 「根拠もないのに、ね…」
- ひめな: やめてヒコ君!!
- ひめな: どうしてヒコ君が 死ななきゃいけないの!?
- ヒコ: 僕がいなければ ひめなはもう傷つけられずに済む
- ヒコ: だとしたら、僕にできるのは これしかない…
- ひめな: ヤダ!
- ひめな: ヒコ君がいないなんて無理!
- ひめな: 私チャンは ヒコ君といたいのに…!
- ひめな: そうだ…こんなクソみたいな とこから一緒に逃げよう!
- ひめな: ふたりだけでさ、 ずっと生きていこうよ!
- ヒコ: 違う、僕の存在そのものが ひめなを傷つけることになる…
- ヒコ: この先もずっとそんな未来が 続くなら僕は耐えられない
- ひめな: 私チャンは大丈夫…! だから一緒にいようよ…!
- ヒコ: …じゃあこうしよう
- ヒコ: この世界で 僕を生かそうとするなら…
- ヒコ: ひめな… たとえ君でも僕は恨む
- ひめな: …ひ、ヒコく………
- ヒコ: 失って傷つくのは今だけだ…
- ヒコ: …………好きだよ、ひめな…
- ひめな: ヒコ君…ッ!
- ひめな: 「ヒコ君を止めたい けど、この世界でヒコ君を生かそうとしたら 一生嫌われちゃう」
- ひめな: 「そんなの、ヒコ君がいなくなるのと 同じくらい無理だし 死ねって言われてるのと同じ…」
- ひめな: 「そうして私チャンの覚悟が決まんないうちに ヒコ君は首を吊って この世界からさよならした」
- ひめな: あ…あぁぁ…
- ひめな: …………
- ひめな: 「ヒコ君をこの世界で生かし続けることは地獄で ヒコ君は望んでなかった」
- ひめな: 「だったら、誰かに怯えなくてもいい 私チャンとヒコ君だけで 幸せに暮らせる場所があれば 自由に恋愛できたのかなって考えたの」
- ひめな: 「…私チャンは賢くないし そんな場所、ひとつしか思いつかなかった」
- ひめな: 「だからワンチャン叶うなら…って あのとき現れたキュゥべえに願ったんだ」
- ひめな: …じゃあ叶えてみせてよ
- ひめな: 私チャンの中で、ヒコ君と 一緒に居られるようにして
- FILENAME: text_310282-4.txt
- ひめな: …………
- ひめな: 何度も言ってるけど
- ひめな: 私チャンが魔法少女になったこと ヒコ君は気にしなくていーよ
- ひめな: 後悔なんて全然してないし
- ひめな: ヒコ君がいないまま生きるなんて
- ひめな: 私チャンには、魔女になるよりも 地獄でヤバみが深かったと思う
- ひめな: けど…ヒコ君の居場所を 私チャンの中に作っても
- ひめな: 自由な恋愛は 手に入らなかったね…
- ひめな: 「私チャンの頭にヒコ君が入って ふたりだけで過ごせる場所はゲットしたけど そんなの誰も信じてくれないし 私チャンは周りからあたおか扱い」
- ひめな: 「そもそもヒコ君が生きてた頃から 周りの人たちは自由に恋愛することを 認めてくれなかったわけだし…」
- ひめな: 結局何してもダメなら
- ひめな: いっそ死んでやろうかって 思ってたけどさ
- ひめな: サーシャに会って ネオマギウスの魔法少女至上主義っていう 最高にぶっ飛んだ考え方を教えてもらって
- ひめな: 私チャンが天辺に行けば 自由な恋愛ができる世界を手に入れられるって 希望を持てた
- ひめな: しぐりんはぐりんとは最初はぶつかったっけ…
- ひめな: 魔法少女至上主義を実現させるために ネオマギウスに入って みんなを天辺に引っ張るつもりだったけど
- ひめな: 私チャンにリーダーを取って代わられた しぐりんとはぐりんの気持ちを ぶっちゃけ考えられてなかったから…
- ひめな: だけど、私チャンもしぐりんもはぐりんも 周りを見返したいって想いは同じだったし 宝崎市で一緒に行動するなかで お互いをわかりあって、本当の仲間になれた
- ひめな: 教官とみゆりんも 私チャンたちの想いを理解してくれて
- ひめな: 歪んでても青臭くても 一緒に天辺を目指すって約束してくれた
- ひめな: 私チャンにはヒコ君しかいない って思ってたのに
- ひめな: 気づいたらみんなのことも とても大切で
- ひめな: ずっとずっと そばにいてほしい存在になってた
- ひめな: でも…
- 時雨: ごめん、姫 やっぱり今日は行けない…
- はぐむ: 私たちのことは気にしないで みんなで遊んでください
- 燦: ねぇ、サーシャの家で遊ぶ約束を していたのは姫様たちだし
- 燦: 全員揃わなくても 構わないんじゃない?
- ミユリ: それならそれなら、ミユたちが いなくてもいいのでは…?
- アレクサンドラ: その…実は昨日 言いそびれちゃったんだけど…
- アレクサンドラ: 私、今度 引っ越すことになったんです
- ひめな: …………
- ひめな: うん… 本当は信じたくないよ
- ひめな: みんなが私チャンから 離れようとしてるなんて…
- ひめな: でも、本当だったら 私チャン立ち直れない…
- ひめな: …………
- ひめな: …………
- ひめな: …そうだね、ヒコ君の言う通り 私チャンらしくなかった
- ひめな: みんなにもう1回連絡してみる!
- ひめな: もし私チャンから離れようと してるんだとしても
- ひめな: ワンチャン引き留められるかも しれないし!
- ひめな: 超カッコ悪いけど… このまま終われないし!
- FILENAME: text_310283-1.txt
- ひめな: あっれー? スマホ、どこ置いたっけ…
- ひめな: ヒコ君、覚えてる?
- ひめな: …………あ、そっか
- ひめな: リビングのソファに 荷物ごと投げっぱなしだった
- ひめな: あ、スマホ発見! ヒコ君ありがと★
- ひめな: んじゃ、みんなに連絡を入れて…
- ひめな: ――っ!?
- ひめな: ヤバ! 通知来すぎなんだけど!
- ひめな: …………
- ひめな: えっとね、サーシャと… 教官とみゆりんから…
- ひめな: うん… 見てみるね
- ひめな: …………あ…
- アレクサンドラ: 電話に出られなくてごめんなさい ひめちゃん、何かあったんですか? いつでもいいから、返事してね
- 燦: 緊急事態ならいつでも行くわ
- ミユリ: ミユもすぐに駆けつけるので 何でも言ってください!
- ひめな: え…? みんな心配してくれてる…?
- ひめな: って、そうだよね…
- ひめな: 私チャンがさっき アピしまくったし…
- ひめな: …………
- ひめな: みんなの反応がなかったのは
- ひめな: 私チャンを避けてるから じゃなくて…
- ひめな: ヒコ君の言う通り、 私チャンの勘違い…?
- ひめな: …………
- ひめな: ハァ…ひとりで勝手に暴走して 私チャン、イタすぎじゃん…
- ひめな: それに、こんだけアピって 絶対引かれてるよね…
- ひめな: しぐりんとはぐりんからは まだ反応ないし…
- ひめな: …………
- ひめな: うん…わかってる
- ひめな: 周りに避けられたときと 状況は似てたけどさ
- ひめな: 私チャン、相当病んだムーブ だったよね…
- ひめな: でも…それだけみんなを好きで 離れたくなかったからなんだよね
- ひめな: もし、みんなに引かれてるなら
- ひめな: メッセと電話しまくったのを 謝って、元通りになりたい…
- ひめな: え…何?
- ひめな: …………あー 言われてみればそうかも…
- ひめな: 明日みんなでサーシャの家に 遊びに行こっ?
- アレクサンドラ: あ、明日ですか…? お掃除、間に合うでしょうか…
- 燦: そうよ、急すぎるわ
- 燦: 私とミユは 青年会の活動があるのに…
- はぐむ: 私たちも、明日は 演劇部の準備があって…
- はぐむ: 他校と合同でやる 舞台のリハーサル前だから
- はぐむ: 休めないんです…
- 時雨: ぼくも…手伝いに呼ばれてる
- ひめな: そもそも、みんなは無理かもって 最初から言ってたのに
- ひめな: みんなに甘えて、強引に日にちを 決めたのは良くなかったよね…
- ひめな: …うん、それも謝っとく
- ひめな: でもなー、謝るだけじゃ 私チャンの気が収まらないってか
- ひめな: 一発なんか企画して、みんなで ブチ上がりたい気もするんだよね
- ひめな: …………
- ひめな: …え、それって 中1のときの…?
- ひめな: …そうそう、男子が女子を 変にからかうのが流行ったせいで
- ひめな: 男子が謝ったあとも クラスの雰囲気悪かったんだよね
- ひめな: 文化祭も近づいてたのに それじゃ困るから
- ひめな: いっそみんなでパーティーして 騒げば、壁をなくせそう
- ひめな: って企画して うまくハマったんだっけ…
- ひめな: うん…それな
- ひめな: 言葉であれこれ言うより 行動でアピんないとね
- ひめな: それでいってみる! ヒコ君、あざお★
- FILENAME: text_310283-2.txt
- <翌日>
- ひめな: …………
- アレクサンドラ: あ、ひめちゃん
- 燦: 先に来てたのね
- ミユリ: 姫様、姫様! 昨日は心配しましたよ!
- ひめな: うん…ごめん…
- ひめな: (しぐりんとはぐりんは いない…)
- ひめな: (ふたりはやっぱり 私チャンに引いてるのかも…)
- ひめな: (…とりま3人には謝らないと)
- ひめな: 昨日はホントごめん! 私チャンも色々パニクってた…
- 燦: え… 何かあったの?
- ひめな: ぶっちゃけさ 怖かったんだよね…
- ひめな: みんなが私チャンを嫌いになって 離れていくんじゃないかって…
- 燦: ちょっと待って、 どうして急にそうなるの?
- アレクサンドラ: えっと…もしかして
- アレクサンドラ: 急に遊べなくなったり 返信が遅かったから…?
- ひめな: うん…
- ひめな: 冷静に考えても相当病んでるし 引いたよね…?
- ひめな: スマホも通知きまくって ウザかったと思うしさ…
- ひめな: でもホントにね、みんなに 離れてほしくなかったんだ…
- 燦: そう…
- 燦: ごめんなさい 昨日はこっちが悪かったわ
- ひめな: え…
- 燦: 連絡した通り、私とミユは 青年会の活動があってね
- 燦: 姫様にも手伝ってもらった おとといの作業が裏目に出て
- 燦: 余計に時間がかかったのよ…
- ミユリ: しかもしかも!
- ミユリ: 肉体労働で、スマホを見る時間も なかったんですよぅ…
- ひめな: そうだったんだ…
- アレクサンドラ: 私もごめんね、ひめちゃん…
- アレクサンドラ: 昨日帰ったのは、その… 例の引っ越しのことで
- アレクサンドラ: 親戚のおじさんと話すため だったんです
- アレクサンドラ: ずっと話していたから
- アレクサンドラ: ひめちゃんからの連絡に 気づけなくて…
- ひめな: じゃあ…やっぱり私チャンの 勘違いだったんだ…
- 燦: そういうことになるわね
- ひめな: (…ただ、しぐりんと はぐりんは…)
- ガラッ
- ひめな: しぐりん!はぐりん!?
- はぐむ: よかった、みんないた…!
- 時雨: 会えないままだったら どうしようかと思った…
- 燦: 大げさね
- 燦: ずっと演劇部のリハーサルを 手伝っていたんでしょう?
- アレクサンドラ: 返事もできないくらい 忙しかったんですね…
- はぐむ: あ、いえ… リハーサル中は
- はぐむ: 時雨ちゃんのスマホも 私が預かってたんですけど
- はぐむ: その…外を移動してるときに 転んで、池に落としちゃって…
- ミユリ: まさかまさか! 2台ともですか!?
- はぐむ: うぅ…そうなんです…
- 燦: 安積なら納得よね…
- 時雨: 代わりに昔のスマホを 引っ張り出したんだけど
- 時雨: みんなの連絡先が わからなくって…
- 時雨: ここに来れば会えるかもって 思ったんだ…
- はぐむ: あの… 心配かけちゃいましたよね…?
- ひめな: …………
- ひめな: …わ、わかってるよヒコ君 言われなくたって…
- 時雨: …?
- はぐむ: あの、藍家さんもみなさんも どうかしたんですか…?
- ひめな: 私チャンが勝手に勘違いして みんなを疑ってたって話
- ひめな: 迷惑かけてホントごめん! マジでもうしないって約束する!
- 燦: 早とちりも勘違いも 誰だってやるわよ
- ミユリ: ですです! 安積もよくやってますし!
- 燦: どちらかと言うとあなたでしょ ミユ…
- アレクサンドラ: 私たちは気にしてませんよ ひめちゃん♪
- ひめな: …あざお★
- ひめな: …でも、せっかく予約したし このままみんなで行こう?
- 時雨: 行くってどこへ…?
- ひめな: それはもちろん、 ブチ上がれる場所!
- FILENAME: text_310283-3.txt
- ひめな: 今日は私チャンのおごりだよ! お菓子と飲み物もあるからね★
- 時雨: あ…だからそんな大きいリュック 背負ってたんだ…
- ひめな: 持ち込みOKの カラオケじゃないと
- ひめな: 高くつくじゃん?
- 燦: …それで? どうしてカラオケなの?
- ひめな: 宝崎市内にいたまま 中で騒げて遊べるなって思ってさ
- ひめな: あとは、仕切り直しって感じ!
- ひめな: 一方的に疑ってごめん っていうのと
- ひめな: みんなの都合を考えないで 無理させちゃったお詫び!
- はぐむ: でも、こうして全員揃ったし 最初に言ってた通り
- はぐむ: サーシャさんのお家でも よかったんじゃ…?
- アレクサンドラ: そうですね 部屋は片づけ終わりましたし…
- ひめな: でも迷惑かけた私チャンが
- ひめな: みんなと遊ぶために 何も準備とかしないまま
- ひめな: サーシャの家でただ遊ぶのは 違くない?
- アレクサンドラ: ひめちゃん…
- ひめな: …ってヒコ君に言われて ハッとしたんだよね
- 燦: 言われて気づいたの…?
- ひめな: ぴえん
- ひめな: でも、本当に反省してるんだよ?
- アレクサンドラ: ふふっ、わかってますよ
- 時雨: うん…姫に振り回されて 驚くことも多いけど…
- はぐむ: 藍家さんがみんなのために 行動してるのはわかりますから
- ミユリ: ではでは、姫様の気持ちを 存分に受け取ることにして
- ミユリ: 今日は素直におごられることに しますぅ!
- 燦: ええ、それが姫様の望みだからね
- ひめな: …………
- ひめな: (…あの頃からは 考えられないよね、ヒコ君)
- ひめな: (私チャンの性格も)
- ひめな: (私チャンの中にいるヒコ君の ことも)
- ひめな: (受け入れてくれる仲間が できるなんてさ…)
- ひめな: マジでみんな 尊みがすごいんだけど!
- 時雨: え、え…? 急になに…?
- ひめな: 今日はフリータイムだから とりまじゃんじゃん歌っちゃお?
- ひめな: んで、最っ高に気分アゲてこ キャハッ★
- FILENAME: text_310283-4.txt
- ひめな: あー、楽しかった!
- 燦: 姫様の息抜きも目的だったし 満足できたなら何よりだわ
- ミユリ: ですねですね!
- ミユリ: なんだか普通の学生みたいで 新鮮でした!
- 時雨: ぼくは…ちょっと疲れた
- はぐむ: でも、楽しかったよね?
- 時雨: うん… ちょっとだけ…
- アレクサンドラ: 夜も遅くなってきましたし そろそろ解散しましょうか
- ひめな: そうだね
- 燦: じゃあ私たちはあっちだから
- ミユリ: また明日会いましょう!
- ひめな: うん、おっつー★
- はぐむ: 私たちも先に帰りますね
- 時雨: 姫と一緒にいるのを、神浜市の 魔法少女に見られると困るし…
- アレクサンドラ: 気をつけてくださいね
- 時雨: うん…
- はぐむ: それじゃ、また明日…!
- ひめな: ヒコ君もありがとね
- ひめな: 私チャンの勘違いから 始まったことだけど…
- ひめな: みんなとの絆がもーっと 深まった気がする★
- アレクサンドラ: とっても楽しかったですね ひめちゃん♪
- ひめな: サーシャ、歌うますぎて ビビったし!
- アレクサンドラ: ありがとうございます
- アレクサンドラ: みんなに褒めてもらえましたし 素敵な思い出になりました♪
- ひめな: …ねえ、もしかして それってさ
- ひめな: 神浜市を出て行く前に いい思い出を作れた…
- ひめな: ってことじゃないよね?
- アレクサンドラ: え… 何の話ですか?
- ひめな: だって引っ越すんでしょ? おじさんに追い出されちゃうの?
- アレクサンドラ: それは、お部屋の改装のために
- アレクサンドラ: 親戚のおじさんから借りている 部屋を引っ越すってことで…
- ひめな: …やっぱり、出て行くってこと?
- アレクサンドラ: 誤解ですよ
- アレクサンドラ: おじさんと昨日相談して 引っ越し先も
- アレクサンドラ: 神浜市内の部屋を用意して もらえることになってますから
- ひめな: …………
- ひめな: なーんだ、それなら早く言ってよ また私チャンの勘違いじゃん
- アレクサンドラ: うふふ♪
- アレクサンドラ: でもそんなに私を必要だって 思ってくれてるなんて嬉しいです
- ひめな: うん、どんな手を使ってでも サーシャは手放さないよ
- アレクサンドラ: あらあら、ひめちゃんったら…
- ひめな: おじさんがいないほうがいいなら そうするつもりだったし
- アレクサンドラ: …………
- アレクサンドラ: あの、ひめちゃん…?
- アレクサンドラ: いないほうがいいならって… どういう意味?
- ひめな: いなくさせることだって できるって意味だけど?
- アレクサンドラ: ――っ!?
- ひめな: 私チャンの邪魔をするなら 誰でも容赦しないって
- ひめな: 前に言わなかったっけ?
- アレクサンドラ: …………
- アレクサンドラ: (暴走すると危険なところがある とは思っていたけど…)
- アレクサンドラ: (もし、ひめちゃんが人を 平気で傷つけるようになったら)
- アレクサンドラ: (私、ついていけなくなる…)
- ひめな: ほら、早く帰ろ★
- ひめな: 他の魔法少女に見つかんない ように注意しないとね
- アレクサンドラ: そう、ですね…
- アレクサンドラ: …………
- ひめな: あのときサーシャが 声をかけてくれてなかったら
- ひめな: 私チャンは絶望してたし ネオマギウスも消滅してたよ
- ひめな: だからこれからも グループの一員として
- ひめな: 私チャンとみんなの サポートよろ!
- アレクサンドラ: …………
- アレクサンドラ: (自由な恋愛ができる世界を 一緒に作ってあげたいけど)
- アレクサンドラ: (誰かを傷つけるのは違うから そうなる前に)
- アレクサンドラ: (ひめちゃんをネオマギウスに 導いた私が止めてあげたい…)
- アレクサンドラ: でも…どうすれば…
- ひめな: サーシャ、もしかして まだ帰りたくないとか?
- アレクサンドラ: …うふふ、バレちゃいましたか
- ひめな: そーいうことなら ちょっと寄り道してこ!
- ひめな: サーシャとは話したいこと まだまだあるんだよね★
- ひめな: ずーっとそばにいてね、 サーシャ!
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