Guest User

London: Intro

a guest
Jun 21st, 2017
33
0
Never
Not a member of Pastebin yet? Sign Up, it unlocks many cool features!
text 9.98 KB | None | 0 0
  1. Gudako
  2. 何なの、この霧……!
  3. からだの……力が、どんどん……抜けて、いく……
  4.  
  5. Gudako
  6. それに…………
  7.  
  8. Gudako
  9. さっきから……
  10. 何かが、ずっと……ずうっとあたしを[#追い掛けてる]!
  11.  
  12. ???
  13. ごめんね。
  14.  
  15. Gudako
  16. えっ……い、いつの間に……前、に……?
  17. あ、ああ……
  18.  
  19. Gudako
  20. ……いや、いや……来ないで……
  21.  
  22. Gudako
  23. あああ、いや、来ないでよぉ……
  24. あんたなんて知らない……何なの……何なのよ!
  25.  
  26. ???
  27. ごめんね、おかあさん。
  28. ごめんね。
  29.  
  30. ???
  31. でも帰りたい……
  32. 帰りたい、帰りたい、帰りたい、帰りたい、から……
  33.  
  34. ???
  35. わたしたち……
  36. とっても、とっても……帰りたいから、ね……?
  37.  
  38. Gudako
  39. ヒッ!
  40. いや、やめて
  41. やめてやめてやめてやめて!!
  42.  
  43. Gudako
  44. 何よ、あなたの、その、[#手に持ってるもの]は!
  45. やめて……お願いだから、こっちに……来ないで……!!
  46.  
  47. ???
  48. うん。ごめんね。
  49.  
  50. Mashu
  51. おはようございます、先輩。
  52. ……顔色が、今朝はあまり優れないようですね。
  53.  
  54. Mashu
  55. 眠れなかったのですか? いけません、
  56. カルデアにいるうちはきちんと眠っておかないと。
  57.  
  58. Mashu
  59. 休息も作戦行動に含まれます。
  60. 以前も言った通り、わたしたちは
  61.  
  62. ?1:……。
  63.  
  64. Mashu
  65. 先輩?
  66.  
  67. Mashu
  68. もしかして……
  69. 夢を、見たのでは……ありませんか……?
  70.  
  71. ?2:怖い夢を見た
  72.  
  73. Mashu
  74. …………夢を、見たんですね。
  75.  
  76. ?!
  77.  
  78. Mashu
  79. どういった夢、でしたか?
  80. もしかしてですが……それは、わたしの、その……
  81.  
  82. ?!
  83.  
  84. ?1:ホラーっぽい夢だった
  85.  
  86. ?2:よく覚えていない
  87.  
  88. ?!
  89.  
  90. Mashu
  91. そうですか、
  92. 良かった……
  93.  
  94. Mashu
  95. いえ。いいえ、何でもありません。
  96. ミーティングが始まりますから管制室へ行きましょう。
  97.  
  98. Mashu
  99. 朝食は済ませていますよね。
  100. では、管制室へ。ドクターが待っています。
  101.  
  102. Dr. Roman
  103. まずは前回得た情報の解析結果からいこうか。
  104.  
  105. Mashu
  106. 七十二柱の魔神……そう呼ばれる召喚術を使ったという、
  107. ソロモン王の時代の観測、ですね?
  108.  
  109. Dr. Roman
  110. そうだ。
  111. 結論からいうと、ソロモン王の時代に異変はなかった。
  112.  
  113. Dr. Roman
  114. 紀元前10世紀頃に特異点は発生していない。
  115. これがどういう事かと言うと……
  116.  
  117. Da Vinci
  118. まことに遺憾だけど、ロマニの言う通り、七十二柱の
  119. 魔神を名乗るモノたちとソロモン王は無関係という事さ。
  120.  
  121. ?1:それはどうして?
  122.  
  123. Da Vinci
  124. どうしてもこうしても、あれだよ。
  125. ミステリでいうなら不在証明が成立したという事だ。
  126.  
  127. ?2:おはようダ・ヴィンチちゃん
  128.  
  129. Da Vinci
  130. はいおはよう。んー、挨拶ができる
  131. [%1][&君:ちゃん]は実にいいマスターだね!
  132.  
  133. ?!
  134.  
  135. Dr. Roman
  136. もしソロモンが七十二柱の魔神を使役しているのなら、
  137. 必ずその痕跡が観測される。
  138.  
  139. Dr. Roman
  140. 紀元前10世紀から未来に向けて使い魔を放っている、
  141. という流れがね。
  142.  
  143. Dr. Roman
  144. でもソロモン王の時代には何の異常も見られない。
  145. つまり彼の時代は“正しい人類史”のままだ。
  146.  
  147. Dr. Roman
  148. だから
  149.  
  150. Da Vinci
  151. レフ・ライノールや魔神を名乗る連中は、
  152. まったく違う“何処かの時代”から現れている。
  153.  
  154. Da Vinci
  155. なのでソロモン王と彼等は無関係だ。
  156. まあ、もっとも
  157.  
  158. Mashu
  159. ……ソロモン王がサーヴァントとして
  160. 誰かに使役されていた場合は別、ですね?
  161.  
  162. Da Vinci
  163. そうそう。[%1][&君:ちゃん]のように、
  164. 自分の時代でソロモンを使い魔にすればいい。
  165.  
  166. Da Vinci
  167. そうすれば“七十二柱の魔神”も配下にできる。
  168.  
  169. Dr. Roman
  170. はあ。七十二柱の魔神なんて使い魔が、
  171. 本当に実在するのなら、の話だろ、それは。
  172.  
  173. Dr. Roman
  174. だいたいソロモン王が
  175. そんな悪事に荷担するとはボクは思えない。
  176.  
  177. ?1:生前はそうでも……
  178.  
  179. ?2:サーヴァントはマスターには……
  180.  
  181. ?!
  182.  
  183. Mashu
  184. お言葉ですがドクター。
  185. サーヴァントはマスターには従うものです。
  186.  
  187. Mashu
  188. マスターが命令すれば、
  189. ソロモン王も従うしかないのではないですか?
  190.  
  191. Dr. Roman
  192. そんな悪人にソロモンは呼べないよ。
  193. 冬木の聖杯戦争じゃあるまいし。
  194.  
  195. Dr. Roman
  196. カルデアの召喚システムはマスターと英霊、
  197. 双方の合意があってはじめて成立するものだ。
  198.  
  199. Da Vinci
  200. ああ、それはそうか。
  201. 私も同意したからカルデアに来たのだし。
  202.  
  203. Da Vinci
  204. 当時の所長が優れた魔術師でね。
  205. 彼なら信用できると契約したんだ。
  206.  
  207. Da Vinci
  208. 前にも言っただろ? 私はカルデアにおける、
  209. 記念すべき召喚成功例第三号だって。
  210.  
  211. ?1:三人目、というコト?
  212.  
  213. ?2:第一号は?
  214.  
  215. ?!
  216.  
  217. Da Vinci
  218. 第二号は君の目の前にいる。マシュちゃんだ。
  219. 第一号は……現段階では不明だね。
  220.  
  221. Da Vinci
  222. 第一号と第二号は機密事項として扱われている。
  223. 詳細は先代所長しか知らなかった筈だよ。
  224.  
  225. Mashu
  226. 先輩。わたしを助けてくれた英霊が第二号さんです。
  227. ……その真名も能力も、わたしにはわかりませんが。
  228.  
  229. Fou
  230. フォウ……
  231.  
  232. Dr. Roman
  233. 第一号に関してはマリー所長も知らなかったな。
  234. 先代所長は第一号のデータをひた隠しにしていた。
  235.  
  236. Dr. Roman
  237. ……今にして思うと、先代所長の死は事故ではなく
  238. 殺人だったんだろう。
  239.  
  240. Dr. Roman
  241. 第一号という成功例
  242. いや、英霊召喚システムを
  243. よく思わなかったレフが、殺めた可能性が高い。
  244.  
  245. Da Vinci
  246. ああ。でも第一号は失敗だったと思うよ?
  247. だって二号であるマシュちゃんの英霊も不完全だし。
  248.  
  249. Da Vinci
  250. カルデアにおいて、
  251. 英霊召喚の完全な成功は第三号である私からだ。
  252.  
  253. Da Vinci
  254. いや、そもそも一号なんていたのかさえ怪しい。
  255. 一号の召喚はただの偶然だったんじゃないかな。
  256.  
  257. Da Vinci
  258. なぜならフェイト……英霊召喚システムの基礎は、
  259. 第二号の協力でようやく実証
  260.  
  261. Dr. Roman
  262. ゴホン! レオナルド君、そろそろレイシフトを
  263. 始めるから準備をしてくれないかな!
  264.  
  265. Da Vinci
  266. おっと、こいつは口が滑った。
  267. ではでは、私はこれで~♪
  268.  
  269. Dr. Roman
  270. ……さて。どうあれ、残り四つの特異点……
  271. このいずれかの時代に黒幕が潜んでいる可能性は高い。
  272.  
  273. Dr. Roman
  274. なにしろ他の時代に異常はないんだ。
  275. 特異点を潰していけば必ず黒幕に遭遇するさ。
  276.  
  277. Dr. Roman
  278. では今回のオーダーの詳細を説明しよう。
  279. 第四の特異点は十九世紀
  280.  
  281. Dr. Roman
  282. 七つの中では最も現代に近い特異点と言えるだろう。
  283. けれど驚くに値しない。道理ではあるんだ。
  284.  
  285. Dr. Roman
  286. すなわち文明の発展と隆盛。
  287. この時代に人類史は大きな飛躍を遂げることになる。
  288.  
  289. Dr. Roman
  290. つまり、だ。産業革命さ!
  291. まさしく決定的な人類史のターニングポイントだ。
  292.  
  293. Dr. Roman
  294. 消費文明としての観点から鑑みても、
  295. 人類史は、まさしくこの時期に現代への足がかりを得た。
  296.  
  297. Dr. Roman
  298. 具体的な転移先は、
  299. 絢爛にして華やかなる大英帝国。
  300.  
  301. Dr. Roman
  302. 珍しいことに、首都ロンドンに特定されている。
  303. うん。広範に渡っていたこれまでとは、些か異なるね。
  304.  
  305. Dr. Roman
  306. 今回は足を棒にしなくても、良いかも知れないね。
  307. 何せ、馬車もあれば鉄道もある。
  308.  
  309. Dr. Roman
  310. もっとも、まともに使えればの話だが……。
  311. 今回も異常は発生しているからね。
  312.  
  313. Dr. Roman
  314. 遠からず、特異点たる十九世紀ロンドンは焼却される。
  315. 消滅だ。君たちにはそれを止めて貰う。
  316.  
  317. Dr. Roman
  318. 聖杯を探し出し、
  319. 四つ目の特異点を修正して欲しい。
  320.  
  321. Mashu
  322. 了解しました。
  323. 今回は、都市の内部が活動範囲なのですね。
  324.  
  325. Dr. Roman
  326. うん、そうだね。
  327. ……いいなあロンドン。霧の都。
  328.  
  329. Dr. Roman
  330. 可能なら、ボクも行ってみたかったなあ。
  331. シャーロック・ホームズに会ったらサインとか。
  332.  
  333. Mashu
  334. ドクター。
  335. 旅行では、ありません。
  336.  
  337. Dr. Roman
  338. う、うん。
  339.  
  340. Mashu
  341. それと、もうひとつ。
  342. シャーロック・ホームズは架空の人物です。
  343.  
  344. Mashu
  345. 恐らくですが、サインは難しいでしょう。
  346. 残念ではありますが諦めて下さい。
  347.  
  348. Dr. Roman
  349. うん……。
  350. ん。マシュ、もしかして君も?
  351.  
  352. Mashu
  353. はい?
  354.  
  355. Dr. Roman
  356. ホームズのファンなのかな?
  357. いいよねえ世界最高の諮問探偵、灰色の脳細胞!
  358.  
  359. Mashu
  360. それは、エルキュール・ポワロ。
  361. アガサ・クリスティが紡いだ作品の登場人物です。
  362.  
  363. Dr. Roman
  364. あ……。
  365. そ、そうだった。うん。では、気を取り直して。
  366.  
  367. Dr. Roman
  368. さあ、準備は良いね。
  369. 世界はまだ焼却なんてされない、未来を取り戻せ!
  370.  
  371. ?1:作戦開始だ!
  372.  
  373. ?2:今回は、慎重に行こう
  374.  
  375. ?!
  376.  
  377. Mashu
  378. はい、先輩。
  379.  
  380. Announcement A
  381. アンサモンプログラム スタート。
  382. 霊子変換を開始 します。
  383.  
  384. Announcement A
  385. レイシフト開始まで あと3、2、1……
  386.  
  387. Announcement A
  388. 全工程 [#完了:クリア]。
  389. グランドオーダー 実証を 開始 します。
Add Comment
Please, Sign In to add comment