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- 以下に、Path of Exile 2開発者 Jonathan Rogers氏のインタビュー内容を話題ごとに要約します。
- ■1. PoE2とPoE1の同時開発とリリースサイクルについて
- 開発状況: PoE1とPoE2の同時開発は安定してきており、チームは以前よりハッピーな状態。
- 開発体制の変更: 過去、PoE2開発の影響でPoE1の開発が「機能ロック、日付は未定」になりがちだったが、今後は「日付ロック、機能は未達なら次回」という、かつての健全な開発モデルに戻す。これにより予測可能性が高まり、プレイヤーとのコミュニケーションも改善される見込み。
- リリースサイクル: PoE1は6月13日のリーグ後、次のリリースは4ヶ月後を予定。PoE2も、PoE1リリースの2ヶ月後にパッチをリリースし、その後はPoE1と同様に4ヶ月サイクル(例:PoE2パッチ→PoE1リーグ→PoE2パッチ…)を目指す。これにより、両ゲームで一貫したコンテンツ供給を図る。
- ■2. PoE2のプレイヤー数と展開について
- 0.1.0 (Dawn of the Hunt)ローンチ時: Steam以外も含む総同時接続プレイヤー数は約89万人だった。
- 0.2.0ローンチ時: 総同時接続プレイヤー数は約48.5万人で、事前の予想(50万人)に近い数字だった。
- プラットフォーム別: スタンドアロン版のプレイヤーも相当数いる。コンソール版はPCに比べると少ない(全体の15-20%程度)が、これはコンソールプレイヤーがアーリーアクセスに対してPCプレイヤーほど積極的でない可能性も考慮している。
- 中国での展開: PoE2アーリーアクセスは中国ではまだ正式に始まっていない。多くの中国人プレイヤーはVPN経由で国際サーバーに接続している。中国版も有料でのリリースを予定しており、価格は市場に合わせて調整されるが、他地域と公平性を保つため無料にはしない方針。近々中国を訪問し、プレイヤーと対話する予定。
- ■3. データ分析の活用とゲーム改善
- Volatile Plants問題: エンドゲームにおける死亡原因の約50%を占めていたことがデータで判明し、修正に至った。このように、データは重要な問題発見に役立っている。
- データ分析体制: 最近、PoEの知識も豊富なデータ担当者を雇用し、データに基づいた改善を進めている。ただし、データだけを見て判断するのではなく、仮説を持ってデータを確認する姿勢を重視。
- ラグ・切断問題への対応: データセンター別、ISP(インターネットサービスプロバイダ)別のラグや切断の発生状況を詳細に分析するダッシュボードを新たに作成。個別のISPやデータセンターの特定の問題に対処していく。
- DDoS攻撃: 以前ほど深刻ではないが、依然として発生はしている。データセンターと協力して対策を進めている。
- ■4. キャラクターバランス調整の方針
- ナーフ(弱体化): リーグ期間中のナーフは、プレイヤーのモチベーションを著しく損なうため、基本的には行わない方針。たとえリスペック手段を提供しても、プレイ中のキャラクターが弱体化されるのは非常に不快な体験であると認識。
- バフ(強化): リーグ期間中のバフは実施する意思がある。ただし、バランス調整ができる人材は限られており(コアな担当者は2名程度)、現在はPoE1の開発に注力しているため、PoE1の拡張コンテンツリリース後にPoE2のバフ調整パッチを予定している(0.2.2や0.2.3など)。
- ビルド多様性の課題: 現状、エンドゲームで有効なビルドが少ないという意見は認識している。これは個々のスキルがエンドゲームまでスケールするように十分に設計されていなかったことが大きな原因の一つと考えており、PoE1での経験を活かしつつ改善に取り組む。
- 0.3.0の目標: 0.3.0では、このスキルスケール問題を修正し、より多くのビルドがエンドゲームで活躍できるようにすることを主要な目標の一つとする。新クラスの追加よりも、既存クラスの体験向上を最優先する開発マインドセットに変わった。
- ■5. スキルシステム、武器スワップ、武器種について
- スキルのスケーリング(タグ追加など): 特定のスキル(例:Storm Mages)がミニオンダメージ以外でスケールしない点について、関連するダメージタグ(例:Lightning Damage)を追加する可能性は検討している。ただし、PoE1から引き継がれた多数のステータスとの整合性や実装コストの問題があり、慎重な判断が必要。
- 武器スワップ: 現状の武器スワップ速度には課題があると認識。特にエンドゲームでは改善が必要。スワップ先の武器の攻撃速度に応じてスワップ速度がスケールするような変更を検討しているが、杖など攻撃速度モッドがない武器種との兼ね合いなど複雑な問題がある。0.3.0での改善を目指す。完全にスワップ時間をゼロにすると、特定の移動スキル(Rakeなど)が強くなりすぎるため、それはしない方針。
- ロックウェポン技術: 0.3.0での実装を目指している。
- 武器種とスキルの固定: 基本的に、スキルは特定の武器種に紐づけられるという方針は維持する(武器のアイデンティティのため)。異なる武器種のスキルを組み合わせたい場合は、武器スワップの改善で対応すべきと考えている。ただし、ユニークアイテムによって特定の武器種で他の武器種のスキルが使えるようになる、といった例外はあり得る。
- ■6. エンドゲームコンテンツとアトラスシステム
- アトラススキルツリーの進行: 現状、アトラススキルツリーのポイント獲得や各エンドゲームメカニクス(Breach、Ritualなど)のボスへの到達に時間がかかりすぎるという点は認識している。これは、各メカニクスのコンテンツ量がまだ不足しているため。
- コンテンツ拡充: Breachに複数のボスを追加するなど、各エンドゲームメカニクスのコンテンツは0.3.0以降も継続的に拡充していく予定。
- 進行方法の多様性: Ritualボスのように、スプリンター集めとは異なるアクセス方法があるのは意図的であり、コンテンツごとに異なる体験を提供したいと考えている。
- マップ出現率の偏り: 特定のマップ(例:Hidden Grotto)が非常に出やすい問題は認識しており、0.2.1パッチでマップの出現率がより均等になるよう修正予定。
- Grand Project Tablet(タワー範囲内の任意マップへ移動できるアイテム)のコア化: 現状では否定的。プレイヤーが望むコンテンツにアクセスしにくいという根本的な問題があるのであれば、そちらを先に解決すべきと考えている。
- アトラスタワーシステムの課題:
- 「オーバーラップするタワーが最良」といった情報が事前に分かってしまうと、それ以外のマップをプレイする際のモチベーションが下がる問題を認識。
- PoE1のように「どのマップでもランダムで良いことが起こるかもしれない」という期待感が薄れている。
- 探索の楽しさと、事前に情報が見えることによる効率追求のバランスについて、改善の余地があると考えている。
- 無限拡張アトラスの将来: コンセプトとしては気に入っており維持したいが、最終的にはプレイヤーにとって最高の体験を提供できるかどうかで判断する。まだ試すべき改善が多くある。
- ■7. モンスターデザインとキャンペーンのボス
- レアモンスターの独自性: レアモンスターがノーマルやマジックの同種モンスターと比較して追加の能力を持つという設計は、現状では3種類程度のモンスターにしか実装されておらず、当初の想定より少ない。リソースの問題で進んでいないが、将来的には増やしたい。
- 印象的なモンスター: 開発者個人としては、キャンペーン中のEternal Knightがカウンタープレイの観点からお気に入り。エンドゲームではQuill CrabやSerpentが脅威。
- キャンペーンのボス配置: 全てのゾーンにユニークなボスを配置するという目標は変わらないが、PoE2の正式リリース時に全ゾーンに配置が完了しているとは限らない。ボス自体は100体以上用意されており、VFXやアニメーション、デザイン作業が完了次第、順次追加していく予定。
- ■8. フィードバックの方法と活用
- ビンゴカード形式: プレイヤーからのフィードバック形式として、問題点を整理して提示する「ビンゴカード」は、重要な課題を把握しやすく好ましい。
- 動画コンテンツ: YouTubeなどで詳細な分析や意見を述べる動画エッセイも参考にしている。
- その他: フォーラムやRedditなど、どこに投稿されてもコミュニティチームが情報を収集し開発チームに伝えている。
- ■9. 「ドーン・オブ・ザ・ハント」と関連システム
- 槍スキルの機動力: 槍の機動力はプレイヤーに好評だった。これは槍という武器種の「Dextrous Melee Weapon」としての特性を意図したものであり、他の武器種にもそれぞれの特性に合わせた機動性は持たせるが、槍が最も機動力が高い武器であり続けるようにしたい。
- 他クラスへのブリンクスキル: Dex/Int系の未発表クラスで、ブリンク系のスキルが登場する可能性がある。
- クラフトシステム(Recombinatorなど): Recombinatorはコアなグラインダー向けのシステムと認識。他のクラフトアイテムについても、使用頻度や対象プレイヤー層を考慮して設計している。
- ソケッタブルアイテム(ルーン):
- 初期は属性・耐性解決に使われるが、エンドゲームに進みベースアイテムが良くなるにつれて、より強力なチェイス系のソケッタブルアイテムに置き換わっていくことを想定。
- チェイスアイテム(レアなソケッタブル)を一度ソケットすると外せない仕様について、プレイヤーが完璧な装備にしか使わないのではという懸念は認識しており、今後の状況を見て検討する可能性あり。
- 耐性・属性問題とギアシャッフリング:
- 装備更新時の耐性再調整の煩雑さ(ギアシャッフリング)は認識している。
- PoE1のHarvestクラフトのような「耐性スワップ」はアイテム取得を容易にしすぎると判断しており、PoE2への導入には慎重。
- 現状はルーンシステムで一時的に解決することを想定。
- 属性要求値: ジェムの属性要求値が一部高すぎると感じるという意見は認識しており、若干引き下げることを検討する余地はある。ただし、オフクラスのスキルを安易に組み合わせられないようにする意図的な制約でもあるため、バランスが重要。
- 移動速度:
- キャラクターのベース移動速度はPoE1とPoE2で同じはず。
- 現状の移動速度が遅いと感じるプレイヤーがいることは認識しており、0.3.0で戦闘システムを壊さない範囲での改善策を検討中。具体的な内容は未定だが、最優先課題の一つ。
- ■10. その他Q&A
- レースイベントの目的: 主にエンターテイメント目的。レースから得られるバランス調整への影響は限定的。
- 初心者向けチュートリアル: 序盤でクラフト通貨(Transmutation Orbなど)の重要性や使い方を教えるためのクエストを導入予定。
- ユニークアイテム:
- 現状、エンドゲームで使えない低レベルユニークが多いのは、開発初期に低レベル帯に注力していたため。今後はエンドゲームで使える強力なユニークを増やしていく。
- 一部のユニークアイテム(例:Astromentis)のドロップ率が極端に低すぎる問題は認識しており、大幅なドロップ率改善を予定。PoE2ではユニークの種類(アミュレットなど)によってベースドロップ率に補正がかかっていたが、これをPoE1のように全ユニークを一つのプールで管理する方式に戻すことで、特にジュエルリー系ユニークの入手性が改善される見込み。
- キャンペーンの進化とプレイ時間:
- キャンペーンが長いと感じる主な原因は、戦闘ペースの問題とクロール難易度の存在と考えている。これらの解決で体感時間は改善される見込み。
- クロール難易度はコンテンツ不足を補うための一時的な措置であり、将来的には廃止したい。
- Act4,5,6のリリース形式: 未定。
- 属性バランス(特に火属性): Lightning属性に比べてCold属性やFire属性が見劣りする点は認識。これはスキルのスケーリング設計に起因する部分が大きいと考えており、改善が必要。
- Acolyte of Chalula: バフ(強化)候補の一つとして認識している。
- ディヴァインカード: 近日中にPoE2独自のアートワークで実装予定。PoE1のように同じような効果のカードが多数存在することを避けるため、報酬の重複をコントロールする調整を行う。
- Couch Co-op(別アカウントログイン): マウス&キーボードとコントローラーのオンザフライ切り替え機能実装後に取り組む可能性あり。
- 防具・防御レイヤーの追加オプション: 継続的な検討課題。
- パッシブツリーレイアウト保存機能: 実装予定だが、具体的な時期は未定。
- オートターゲティングと操作性:
- PoE2のターゲティングシステムはPoE1と基本的に同じ。問題視されるようになったのはWSD操作の導入が影響している可能性がある。
- Diablo4など他のARPGでは、キャラクターの足元ではなくマウスカーソル位置を基準に攻撃する方式が採用されており、これが直感的と感じるプレイヤーもいるため、PoE2でもオプションとして同様のターゲティング方式を導入することを検討中。
- オートターゲティングの無効化オプションについても、上記のターゲティング方式変更で改善が見られなければ検討する可能性はある。
- コンソールの不具合(隠れ家ミュージックプレイヤーが機能しない): 開発者のレーダーにはなかったが、確認して修正する。
- チャット機能の改善: リリース前に大規模なチャット機能改修を予定しており、文字の可読性向上オプションなども含めて検討する。
- 他のゲーム(Expedition 33): オフィスでもプレイしている人はいる。Jonathan氏自身もプレイしたが、Act1終了時点のある出来事がきっかけで一時中断している。
- ドルイドクラスの開発状況: 「ドーン・オブ・ザ・ハント」での実装が見送られたのは、単純に「準備ができていなかった」ため。具体的な内容や今後の予定については明言を避けた。Baron Wolf Formの計画についても同様。
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