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- "ガラージュ"この奇妙な装置は被験者の深層意識に働きかけ
- 奇怪な暗闇の世界を作り出すのだと言われている。
- 主人公が放り込まれたのは、崩れそうな木造建築物と 錆びた金属と
- あらゆる場所が汚水で満たされた閉ざされた空間であった。
- そして自分自身の体も機械とも生物ともつかないものに
- 変わり果てているのを発見する。
- 複雑な構造の迷路のようなこの世界を主人公は彷徨う
- この世界の出口を求めて。
- 【順応度】 _______________________________________
- この世界の住人達は生体機械と呼ばれている。
- その彼らを彼らたらしめているもの、それが順応度である。
- その身体は順応度に応じて集まった部品の集合体である。
- 順応度が減少するとオトヌケ、ウデヌケといった症状が発生し
- 音声の発声や道具の使用などが出来なくなり
- 最終的には解体してしまうのである。
- これを回復するには順応液と呼ばれる薬品を使用するか
- 音響によっても回復可能であることが確認されている。
- この世界にはこれらの回復施設として
- 順応堂*と呼ばれている施設がある。
- *注)順応堂には順応液によって回復する順応器と
- 音響によって回復する回転式治療装置がある。
- 【白瓦斯】 _______________________________________
- 生体機械は白瓦斯(しろがす)と呼ばれる液体燃料を
- 補給することによって生きる、ある種の内燃機関である。
- 白瓦斯は雌機械*によって製造される。
- 雌機械は水棲機械である蟹や蛙を喰うことによって
- これを腹の中で醸造することが出来るのである。
- ただし醸造の際に雄機械による腹の攪拌が必要とされる。
- 雌機械と共に暮らす雄機械も見られるが
- 多くの雄機械は白瓦斯屋*と呼ばれる施設で
- その補給を済ませている。
- *注1)雌機械の項参照
- *注2)誰もが利用できる雌機械を用意した施設。
- 【雄機械】 _______________________________________
- 生体機械は若干の例外を除いて
- 大きく雄機械と雌機械にわけることが出来る。
- 雄機械は白瓦斯の製造はできないが移動能力は優れている。
- その腹は雌機械とは違い、
- 圧縮空気を貯めておくためのエアタンクである。
- 通常の移動には雌機械同様台車を直接駆動して移動するが
- 昇降機の駆動などには出力軸と呼ばれる下腹部の機関を
- この圧縮空気のエネルギーで回転させる。
- 尚この出力軸の本来の役目は
- 雌機械の腹の攪拌であるのは言うまでもない。
- *注)雄機械の主な仕事は雌機械に喰べさせる水棲機械の捕獲である。
- 捕獲方法は二つ。ビンドウと呼ばれる仕掛と釣りである。
- 【雌機械】 _______________________________________
- 雌機械の役割はなんと言っても白瓦斯の生産である。
- 特徴的な大きな腹は
- 水棲機械を白瓦斯という貴重な燃料に変える魔法の器である。
- 腹の前部には雄機械の出力軸を入れるための扉がつている。
- 胸部の二つの球体は醸造された白瓦斯を貯めるタンクであり、
- そこから伸びる長い管は給油管である。
- エンジンは小さく台車も貧弱であるため
- 移動には全く適していない。
- ところでこの世界には雌機械の割合が極端に低い。
- それがなぜなのかは謎*に包まれている。
- *注)白瓦斯屋の設立に関係があるという噂もあるが定かでない。
- 【カゲ】 _______________________________________
- カゲは最も謎に包まれた存在である。
- その多くは人間、もしくは人間に近い形をしている。
- しかしこの世界で見るカゲは物々しい装置によって保護され
- どこか儚げでさえある。
- だがなぜカゲと呼ばれるのか
- その存在は一体何を意味するのか
- なぜカゲはあのような装置によって保護されているのか、
- 今はまだ一切のことは分からない。
- *注)カゲは生体機械と対を成すものであるとの見方もあるが
- それにしては確認されているカゲはあまりにも少数である。
- 【攻略系語録】
- 【小技十六連発!(その1~3)】
- 小技十六連発!(その1)
- くだらない小ネタから、ちょっとお得な隠し技まで、
- 小技十六連発のコーナーです。
- (注)
- 全ての謎は自分で解かなきゃ気が済まない!
- 苦労して発見するからこそ喜びが倍増するのだ!
- というような信念をお持ちの方は読むのを慎みましょう。
- (でも誰もあなたを責めません)
- まずは伝言板でも話題沸騰の次の情報から。
- スイホウ釣り情報はどこに?
- 意外と持っていない人が多いスイホウ釣り情報。
- もしもあなたが、「ООの一番大切なもの」を既に持っているとしたら、
- 非常に残念なことですが、
- もうあなたはスイホウ釣り情報を手に入れることは出来ません。
- これでおわかりですね?スイホウ釣り情報のありかは「あそこのあの機械」です。
- 「あの機械」が消える前に何かをすれば手に入れることが出来ます。
- どうしても欲しいという方。浮気でもするしかなさそうです。
- 意外と新しい発見があるかもしれません。
- 小技十六連発!(その2)
- 給水塔の鍵はどこに?
- 給水塔の鍵は決まった章の中でしか手に入れることが出来ません。
- しかも割と前半の章です。
- この中にはそれなりにレアなアイテムもありますが、
- 無いと困るようなものが入っているわけではありません。
- (でもここにしかないアイテムもあるので
- 全アイテムを手に入れたい人は頑張って探しましょう)
- クリアしたにも関わらずどうしても欲しいというあなた。
- いさぎよく諦めましょう。
- それが出来ないのであれば再度挑戦するしかありませんね。
- このような奇特な方にはアドバイスを一つ。
- 福寿荘のキャラのセリフを聞き逃さないようにしましょう。
- そうすれば道は開かれます。
- 小技十六連発!(その3)
- 撒き餌が要らない?!
- 蛙の中には撒き餌が設定されているにも関わらず、
- 撒き餌を使わなくても釣りまくることの出来る蛙が何種類かいます。
- ヒントは餌と釣り針の組み合わせをよく観察することです。
- そのような組み合わせでは
- 撒き餌を使わなくても100%その蛙を釣ることが出来ます。
- 【やることがないとお嘆きの貴兄に(その1)】
- 「蛙も全部釣っちゃたしもうやること無いよう」と、
- 嘆いているあなたに救いの手をさしのべるコーナーです。
- まずは第一弾。
- #雌機械と喧嘩をしよう!
- みなさん厚い愛情を育んでいることと思いますが、
- 仲良くするだけが愛の形ではありません。
- たまにはわがままに振る舞ってみてはいかがでしょう。
- とにかく何も喰わせない!給油は他の雌から!
- やるときは徹底的にやりましょう!
- 怖がることはありません。きっと大丈夫です。
- どっかにいってしまうなんて事はないでしょう。多分・・・・。
- 【やることがないとお嘆きの貴兄に(その2) 】
- ワンスイのセリフには賛否両論、
- 中には気分を害された方もかなりいるようで、
- ウリブールとしても心を痛めております。決して制作者の本心ではありません。
- ムカついた方、謝ります・・・許して下さい。
- あのセリフは私自身が某RPG等にハマリまくっていたときに、
- もしもこんな事をいうやつがいたら笑えるな・・・
- と思って書いてしまったものです。
- ワンスイは5回目まではあんな調子です。
- しかも回を追うごとにひどくなっていくので
- ムカつきそうだなと思う人は一回で止めておきましょう。
- さて、6回目以降はどうなっているのでしょうか?
- 実は6回目から9回目までの間にはスタッフメッセージが入る予定だったのです。
- ところがスケジュールの関係でボツになってしまったのです(残念)。
- 10回目には私のメッセージが入っていますが、
- 大したことはいっていないので期待しないで下さい。
- じゃあ11回目以降は・・・?
- 確かめたい人は自分で確かめましょう。
- 百回釣った人にはご褒美が・・・ありません。
- ところで私は酒が入るとどうしてもワンスイを釣ることが出来ません。
- 自分が酔っているかどうかを知りたいときはワンスイを釣ってみる
- というのも良いかもしれません。
- それと、もしもステージ4でワンスイを釣り上げた人がいたらお知らせ下さい。
- そんなあなたは凄すぎます(これはいくらなんでも無理かもしれない・・)。
- 【やることがないとお嘆きの貴兄に(その3) 】
- ジュースのセリフが変化するって知っていましたか?
- 部屋に入り直したぐらいでは変わらないのでなかなか気付きにくいのですが、
- 少なくとも十回は変わっていきます。
- どちらかというとボツネタ話なのですが
- 最後のセリフはアナザーエンディングへの入口になっていたのです。
- やり込みすぎた人はジュースのお腹の中に取り込まれてしまって、
- 永遠にガラージュの世界の胎児として生きるしかなくなるという設定でした。
- でもボツになってしまったので削除されてしまっています。
- そのつもりで聞いてみるとまた違った楽しみ方が出来るかもしれません。
- でも正直なところこの設定は生かしたかったです。
- 最近やっとガラージュ後遺症から抜け出してきて思うのですが、
- ガラージュの世界にはやはりもう一つの解決もあり得たのかもしれません。
- (もちろんつくっているときは自分で納得できるところまで突き詰めて
- 精いっぱいだったわけですが・・・)
- でも、もし変えることができたとしたら
- ジュースをその入り口にすることはないでしょうね。
- クリアしてくださった方々、
- 自分だったらこうするというような意見があったらお聞かせください。
- 【ボツネタ通信・第一号 】
- ゲドウにもレアがいた!
- 実はゲドウにもレア蛙が設定されていたかもしれないという
- 怪しい書類が発見されました。
- その書類によると、何と五種類ものレア蛙が記されています。
- どうも書類の提出の時期が悪すぎて、採用にならなかったようです。
- しかし五種類のレア蛙はどんなものだったのでしょうか?
- 幸い名前だけはここで確認することが出来ます。
- 1・白子ゲドウ
- 2・フタクビゲドウ
- 3・白子フタクビ
- 4・アオクビゲドウ
- 5・アオフタクビ
- これらの蛙は実体も伴っていたものと思われ、
- 「私は確かに白子フタクビを見た!」などと言い出すものも出てくる始末です。
- ひょっとするとこのサイトのどこかで、ひそかに生息しているのかもしれません。
- 【小技十六連発!(その4~6)雌機械小特集 】
- 小技十六連発!(その4)
- 雌機械が釣り針をくれる?
- どなたかの投稿にもありましたが、ある特定の蛙は雌機械に食べさせたときに、
- たまに釣り針が出てくるようになっています。
- 釣り針の出てくる蛙は決まっていますが、
- 非常に珍しい釣り針もこの中に含まれるようです。
- ほとんどは大きな蛙に限定されているのでどんどん食べさせてみましょう。
- 小技十六連発!(その5)
- 雌機械の頼みを断るとどうなる?
- 雌機械の頼みを断るとどうなっちゃうんでしょう?
- 少なくとも他の雌機械からアプローチされるようなことは起きません。
- 天涯孤独を信条とする人は断っちゃいましょう。
- 寂しがりやの癖に間違って断っちゃたひと、
- クイットする前に白瓦斯屋の裏口のウリブールを訪ねてみましょう。
- この時にしか聞けないセリフを聞くことが出来ます。
- 小技十六連発!(その6)
- 雌機械はどうやって決まるの?
- どの雌機械が家に来るのかが、どのように決まるかは未だ謎ですが、
- 絶対こいつと一緒になりたいゼ!と思ったらひたすら通い詰めていれば、
- 思いは通じるはずです。
- でも弐号店のリズや本田のエヌサンは亭主持ちなので手を出すことは出来ません。
- 【Nさんへ】
- カゲにあってしまうと全ては終わりです。
- そして世界を終わりにするかどうかは選ぶことが出来ます。
- (この辺の事情は白瓦斯屋年代記やシェンの日記などを読んでいただけると、
- 納得していただけるかと思います)
- 申し訳ありませんがガラージュはそういうゲームです。
- やり残したことがあろうとなかろうと、終わりにしたときが終わりなのです。
- でもカゲにあう直前からやり直すことは出来ます。
- 世界を終わらせなければラオにも引き続き会うことが出来るし、
- 楽譜を手に入れることもできます。そういう意味では安心して下さい。
- (つまりクリアデータをそのままプレイしてくださって大丈夫という事です)
- 作者のささやかな希望としましては、
- なるべく急がずにいろいろなことを感じながら
- プレイして下さるといいなあと思います。
- 【やり残したことが一杯と嘆いているみなさん 】
- 実は隠された手ががかりあるのです。
- クリア直前のあるイベントを境にして手がかりと言いますか「章」が変化します。
- (ステータスを見ても確認することは出来ません)
- なので、そこでイベントを起こしてから引き返せば、
- クリア前にすべのアイテムを手に入れることも可能なのです。
- ほとんどの人がクリアした後にしか
- 諸々のアイテムが手に入れられないのはそういう訳です。
- 【小技十六連発!(その7~10) 】
- 小技十六連発!(その7)
- スライドは全部でいくつ?
- 一度見たムービーを好きなときに見ることが出来るようになるスライド。
- ぜんぶで七種類あります。
- ところでシャドーマーダーショウで消されているカゲって
- 誰のカゲだかお分かりでしょうか?
- あれは白瓦斯屋弐号店のリズのカゲです。もちろん消しているのはチェンです。
- つまりあれはチェンが自分で見たものを
- 記憶転写装置を使って転写したスライドなのです。
- 小技十六連発!(その8)
- リズが喋る?
- いつも同じ事しかいわないリズ。
- でもあるタイミングで給油しにいくと、自分の身の上を語ってくれます。
- ジュースに関係がある章です。
- 小技十六連発!(その9)
- リーのスタンプ
- 白瓦斯屋弐号店のリーはあの通り卑屈な性格ですので、
- きっとスタンプなども大量にため込んでいるに違いありません。
- でも「相手がいなくなったあとに家捜しするなんて、こっちが卑屈になりそうだな」
- というようなまともな感覚をお持ちの方は、止めておいた方がいいかもしれません。
- 小技十六連発!(その10)
- ガタリがくれる釣り針
- ガタリには意外に早くから会いに行くことが出来ます。
- しかも会った時期によってセリフはもちろんの事
- くれる釣り針の本数にも変化があります。
- ステージ3になったら速攻で会いに行ってみましょう。
- 【小技十六連発!(その11~13) 】
- 小技十六連発!(その11)
- プシケ暴走事件の真相・ルウが順応堂に入った理由
- ゲーム中に何度か語られるプシケの暴走事件。
- 気が付かない人は全く気が付かないで終わってしまった人も多いと思います。
- この話が最初に出てくるのは「プシケの手紙」からです。
- この中で「あのときは・・」と言われているのがこの事件を指しています。
- その後、チェン、権兵衛、アーサン、などに受け継がれていき、
- 最後にビスがルウについての話をする中で事件が起きた理由を語ってくれます。
- 小技十六連発!(その12)
- 本田はやっぱりスタンプ嫌いだった
- ある章の時にハジメにしつこく話しかけていると、
- 「いいことを教えてあげるよ」
- などといって本田の工場に関する情報を教えてくれます。
- 教えられたとおりにしてみると、捨てられたスタンプを発見!
- 大した枚数ではありませんが、序盤はこれで大助かり、という人もいたのでは。
- これも本田のスタンプ嫌いのおかげです。
- 小技十六連発!(その13)
- 順応堂の患者は何故順応堂の患者になったのか?
- 順応堂の病室は、順応液完備、白瓦斯飲み放題の隔離病棟です。
- 白瓦斯はもちろん****から供給されています。
- しかし順応堂の病室にはいったい何の意味があるのでしょうか?
- 全ての鍵はヤンが握っています。
- ヤンにとってルウやドクはどんな存在だったのでしょうか?
- その辺を考えていただけると、おぼろげながら答えが見えてくると思います。
- ヤンにとってのその気持ちが「彼等」?を順応堂の患者にしているのです。
- メディチはあくまでも、置かれた状況を利用しているだけの存在です。
- 【小技十六連発!(その14~16) 】
- 小技十六連発!(その14)
- 宮は何故よみがえったのか?
- 話しかけるタイミングが悪いと、
- 宮が何故起きたのかはわからずじまいになってしまいます。
- 手がかりが「ヤン」になったら、
- ツルのセリフとニュームのセリフを聞き逃さないようにしましょう。
- ツルの強い不安が宮の順応度に何らかの影響を与えた事を
- 察することが出来ると思います。
- 小技十六連発!(その15)
- 夢日記の内容は・・・
- プシケの手紙とジュースの夢日記、読まないで渡してしまった人も多いのでは?
- この二つのアイテムはもちろん読むことが出来ますが、
- 渡してしまうと二度と読むことが出来ません。
- 手に入れたらとりあえず読んでみましょう。
- 小技十六連発!(その16)
- 緑青錆蛙を持っていたら・・・
- 福寿荘に錆蛙を欲しがっている機械が居るのはご存じですね?
- 実はこの機械、何度も話しかけているとたまに緑青錆蛙を欲しがることがあります。
- もしもこの時に緑青錆蛙を持っていたら迷わず交換してしまいましょう。
- とってもお得です。
- (おまけ)
- 小技十六連発、長い内容にお付き合いありがとうございました。
- おまけです。釣り場の数は全部で十カ所です。
- あなたの知っている釣り場は何カ所ですか?
- (おまけのおまけ)
- ワンスイはどこで釣れるのか?汚水日報の記事の読み方にもよりますが、
- 「プレスマシンの向こう」には、少なくとも釣り場が三つあります。
- わかりますよね?
- 必ずしもプレスマシンを通らなくても行ける場所もあるという事です。
- 小技十六連発はこれで終わりですが、
- もしどうしても知りたいことなどありましたら、この伝言板に投稿して下さい。
- ゲームのおもしろさを損なわないようなものであれば、
- 出来る限りお答えします。メールでのゲームの感想なども大歓迎です。
- 【クリア前に全アイテム入手 】
- 前にもこの方法については一度書いたのですが、
- ちょっとわかりにくかったかもしれないのでもう一度書きます。
- まず、Nさんの言っている、
- 「ヤンを殺さずに全アイテム入手」というのは不可能です。
- なぜなら、その時点で隠れたキーワードに変化するからです。
- 逆に言うとそれさえクリアされれば全アイテムを入手できる条件は整うのです。
- あのイベントは、主人公が本当の意味であの世界の主人公になる瞬間です。
- そこから先は水門を開けようと、
- ガラージュの世界を唯一の世界として生きていこうと
- 主人公(つまりプレイヤー)次第なのです。
- ついでなのでもう一つオマケを。
- 燈台のカゲは消さずにプレイし続けてもアイテムや釣りには影響は出ません。
- なので、カゲが消えない状態でプレイし続けることが出来ます。
- 上に書いたイベントのクリア後に三階にいるカゲに話しかけないことです。
- 【『刻印石のスライド』、雌機械のことなど 】
- >Bさま
- ごめんなさい。(クリアしないと)『刻印石のスライド』だけは手に入りません。
- 投稿してからすぐに気がついたのですが、
- 訂正するのを怠けてしまいました。
- それともうひとつ、アイテムではないのですが、
- クリアしないとできないことがあります。
- これはお楽しみということで・・・
- (皆さん既に知っているかもしれませが・・・)
- 再生石に関してはじわじわした死に方を選びましょう。
- まあ、これはお遊びアイテムなので、ワンスイを釣った勲章ぐらいに考えて下さい。
- 久々の投稿なので雌機械の親密度のことなど書いてみます。
- 給油時に聞くことの出来るセリフには20パターンあります。
- (空腹時やオトヌケ時やアイテムに対する評価のメッセージを除いた数です)
- つまり親密度はレベル20まで上がります。
- これは食べさせた蛙の(蟹は含まれない)の数によって上がります。
- レベル20には一度しか聞けないメッセージもあるので、
- たくさん食べさせてあげて下さい。
- でも一度に食べさせすぎるのも愛がないので、
- その辺は楽しみながらやって下さい。
- また、雌機械にはそれぞれ好きな蛙の順位が設定されているのは
- ご存じだと思いますが、一番好きなものを食べさせたときには奇妙な声を発します。
- 開発途中では「マジックフロッグ」と呼んでいて、
- それを食べさせると幻想的な釣り場にワープできる、などという設定もありました。
- 【戯言系語録】
- 【ルウとビスの関係】
- どうもルウは人気者みたいなので、
- ルウとビスの関係についてちょっと書いてみます。
- でもこれはゲーム内では全く出てこないことなので、
- あくまでも私の頭の中にあった設定として読んで下さい。
- ルウとビスの間にはそれほど熱い関係があったわけではありません。
- どちらかというと「ビスの片思い」といったような関係を
- 想像していただいた方が近いと思います。
- もちろんルウもビスに対して好意を持ってはいましたが、
- ルウはそれ以上の関係をビスと作ろうとはしませんでした。
- ルウは自分の体やわけのわからないほどの切実な強い思いを持て余していました。
- どちらかというとルウは、ヤンやチェンやジュースの同類のような、
- 非常に強い欲望というか精神の持ち主だったといえます。
- ビスにはかわいそうですがルウにとってはビスは役不足だったのです。
- ビスはそのことをわかりすぎるぐらいにわかっていたので、
- あえてルウに対して自分の思いを押しつけるようなこともできなかったのです。
- ルウが釣り師としてたった一人で生きる道を選んだのは、
- ヤンやジュースのようには他人を犠牲にしたり出来なかったルウが、
- 自分の有り余る思いを自分一人で抱えて生きていこうとして決めた
- ルウなりのやり方だったのです。
- しかしそこにプシケによるルウの精神に対する介入が起きました。
- ひょっとするとルウはその時に抵抗と同時に幸せを感じたかもしれません。
- しかしルウの心は壊れてしまいました。
- 自分の意志や、望んでいたに違いない関係性に対する希望や、
- 解放に対する憧れなどが消えてしまったのです。
- ビスにとってはひどい言い方をすれば、
- ルウに近づくことが出来るチャンスでもあったことでしょう。
- でもビスはあの通りのイイ奴なのでそんなことは出来なかったのです。
- ビスはルウへの思いを抱えつつ管理人として生き、
- ルウは壊れた心を抱えてあの病室にとどまることになりました。
- ルウがオルゴールを好きなのは、オルゴールを聴くことで自分の壊れてしまった心に
- 触れることが出来るような気持ちになるからです。
- でもルウに聞かせることの出来る最後の楽譜のことを考えると、
- ルウはビスによって最後の最後で救われたのかもしれません。
- 【ズタ袋とクリア】
- ガラージュは大きなズタ袋です。
- ズタ袋には蓋がある。
- そして蓋を開けて外に出ていくことはことは「クリア」と呼ばれている。
- 蓋を開けること自体は難しいことじゃありません。
- 「ストーリー」と呼ばれる縦軸を辿っていけばいいのですから。
- でもズタ袋そのものに見切りをつけることは簡単なことではないかも知れない。
- たぶんガラージュの本質は用意された「ストーリー」にあるのではないのです。
- 通常の(特に最近の)ゲームは用意された「ストーリー」を味わう為に
- システムが従います。
- ガラージュの場合には「ストーリー」は、
- 用意された「世界」を味わうための一つの要素に過ぎません。
- たぶんガラージュにおいては「早解き」は意味がありません。
- たくさん迷って、たくさんのメッセージを聞いて、たくさん蛙も釣って、
- 出来る限りガラージュの世界を丸ごと感じてもらい、
- プレイヤーの方々の心の中にそれぞれのズタ袋を発見してもらいたい、
- というのがこのようなゲームが出来るに至った私の気持ちです。
- 寄り道や一見無駄な会話などを積み重ねることで、
- 初めてガラージュの世界の住人と同じ場所に立つことが出来る。
- このゲームはそんな作りをしています。
- そしてこのように世界を感じさせることが出来るのは、
- ゲームの特権なのではないかと思うのです。
- 楽しんでやって下さい。
- 【エアクリーナーと一つ目】
- エヌサンのエアクリーナーは私が考えるに、
- 本田の試作品なのではないかと思われます。
- 内燃機関は基本的にエアクリーナーなど装着しなくても稼働することが出来ます。
- 他の機械たちは皆、鼻から吸気を行っているわけです。
- 鼻がエアファンネルの代わりになっているようなものです。
- (エアファンネルというのはキャブレターの吸気口に付ける物で、
- エンジンの特性に影響を与えるラッパのような形をしたものです)
- 本田は気まぐれからか、
- あるいは工場から吐き出される粉塵からエヌサンを守ろうとしてか、
- エアクリーナーを試作してエヌサンに装着したのではないでしょうか。
- エヌサン本人は気の強い性格が邪魔をして口にこそ出しませんが、
- 数少ない本田からの贈り物として結構気に入っているみたいです。
- ハンが一つ目の理由
- ハンは生まれたときから、
- 二次元的リアリティを追求する職人としてこの世界に存在していました。
- 二次元的リアリティには二つの目は必要ありません。
- そんなわけでハンは単眼症としての生を受けたわけです。
- しかし今のハンはそんな自分の存在に違和感を感じているようです。
- 物語が進むに従って、ハンのリアリティへの渇望がはっきりと形を成していきます。
- 関係恐怖症ばかりみたいなガラージュの世界の中では、
- 珍しく自分を変えようとするキャラクターですね。
- 【リズとリー】
- リズとリーの関係についてちょっと書いてみます。
- あの二人はガラージュのカップルたちの間でも、
- かなり特殊というか、歪んだと言うか、
- もしくは分かり易いような関係を持っていました。
- リーは非常に強いコンプレックスを持っています。
- それは(ゲーム内では語られませんが)リーの生い立ちに関係があって、
- おそらく限定された場所でしか自分の居場所がないような育ち方をしてきたのです。
- 限定された場所というのは、たぶん社会的な場所でもあるわけですが、
- それ故の(例えばフィジカルな部分が疎外されるような)
- 欠落を伴った不完全な場所です。
- しかしこれはあくまでもガラージュの外側での話であって、
- いってみれば夢日記の中の話のようなものです。
- リズはというと、逆に自分のフィジカルな部分の強さと、
- 社会性の部分での弱さに引き裂かれてしまったようなキャラクターです。
- リズの不幸はある意味では、
- ジュースのようには完全にフィジカルな部分での振り回され方に
- ならなかったところにあるように思われます。
- 言い方を変えれば、ジュースに比べれば、リズはまともだったという事です。
- ですから、その分リズの精神はリーに依存しているのです。
- 見ようによっては、
- リズは自分がフィジカルでありながら社会的な部分でも上手くやっていくために
- リーを利用していると言っても間違いではないかもしれません。
- そしてその最終的な結果としてリズは自分を解体することをリーに頼みました。
- それは依存関係の限界に於ける関係性の破綻とみることもできます。
- でも、リーの精神は自分の体から疎外されていることを悲しんでいて、
- その悲しみをリズと共にあることで乗り越えようとしていたので、
- リズの解体後に自分の居場所を失う結果になってしまったわけです。
- (でもリーに出来ることはあくまでも乗り越えようとし続けることだけであって、
- それを乗り越えることは決して出来ないのです。
- 何故なら、それがガラージュの世界の、過去であるが故の不完全さだからです。
- リーには選ぶ余地がないのです。
- もしそれが出来るのであれば、リーは最初から存在してはいなかったでしょう)
- そして彼らはどこへ行ったのか?
- これはニュームの暗闇にも関係があります。
- ガラージュの機械達は、あの治療装置にかけられた患者の立場から見れば、
- 過去の記憶の実体化した思念体のようなものです。
- あの機械達は患者にとってみれば、
- 終わらせなければならない古い傷跡のようなものなのです。
- そして主人公はその傷跡をもう一度掘り起こし、
- 収まるべき所へ収めてやるようなことをしているです。
- ガラージュの世界そのものが、
- 古くはあるけれどもいまだに癒されることを望んでいる
- 傷のようなものだと思ってもらってかまわないかもしれません。
- 様々な機械達が消えていくのは、
- あの世界の住人としてはそれ以上存在できなくなるからです。
- では収まるべき所とは何処なのか?
- ニュームの暗闇はその収まるべき所なのか?
- 何故ニュームはあの暗闇にたどり着いてしまったのか?
- ・・・これは皆さんお考え下さい。
- 【汚水と暗闇、そしてニューム 】
- 汚水というのはガラージュ世界の中では、
- 始源と混沌の場所として設定されています。
- 全ての機械や根やあの蛙たちも皆汚水から生まれてきたと。
- 私の頭の中では、
- あの汚水の中で螺やボルトや蛙の構成部品が
- 接続と生成と解体を繰り返しているような様が見えます。
- 例えばそこに、ひとつの主体といっていいような核が生まれたとすると、
- その核に向かって、必要な部品たちが順応度に応じて集まってきたりするわけです。
- 機械が解体されれば汚水に帰っていく、
- 汚水に帰った機械は新しい蛙なり部品なりになって再び生を受ける。
- ガラージュというパラダイムにおいては、
- あの汚水が全てを受け入れる器になっている。
- しかしこれはあくまでもガラージュという(ゲーム側の)世界における源です。
- 言ってみれば消えてしまった機械はあの世界の外側に行ってしまったわけですから、
- これはもう汚水の受け皿の範疇ではありません。
- もちろんガラージュ世界のエネルギー保存の法則に従って(なんのこっちゃ)
- 核以外のものは汚水に帰るわけですが、
- (これをトーロップリサイクルズの品揃えの変化と
- 照らし合わせてみると面白いのではないかと・・・)
- 消えていった機械たちをその機械たらしめていた何かは、
- もっと別な場所に吸収される必要があります。
- そしてその場所は汚水と同じように(ただしもっと高次元の)
- 始源と混沌の場所であるのではないかと思うのです。
- 見ようによっては汚水自体が暗闇のメタファーとして存在している
- と見ることもできると思います。
- ですが、あの暗闇は高次元であるが故にもっと多くのものを抱え込んだ暗闇です。
- ガラージュの世界などには収まりきらない、
- それこそ死や、狂気をも含んだような大きな自我を越えた力
- (非常に広義での集合的無意識)などがあの暗闇の中にはあると思っています。
- (ですからGさんの一番目の考えはどちらかというとはずれです。
- 誰しもがこのような普段は触れないような闇を抱えている。
- その闇と共に生きている(あるいは包まれている)。と、私は思っています。
- たとえあの患者が治療されたとしても、
- あるいは最初から治療される必要などなかったとしても、
- あの暗闇は存在し続けるものなのです。
- そして私の中ではあの暗闇はどこまでも豊かで、
- どこまでも残酷なもののように思えるのです)
- しかしニュームは「あそこには僕の欲しいものはなかった」と言いました。
- これは何故なのでしょうか?
- (もちろんニュームはあの暗闇の中に吸収されてから戻ってきたわけではなく、
- 暗闇に出会った時点で恐怖と落胆(絶望?)を感じて一度戻ってきたのです。
- でもそれを感じたことによって、
- まるで工場の三人組や、視力を失ったリズのように、
- 解体寸前まで順応度が下がってしまったのです)
- ニュームはある意味では最も不幸な奴かもしれません。
- 彼はまるで大昔の人のように、世界は平らで、海には果てがあり、
- もしも海の果てまで行くことが出来れば、
- そこから先には新しい世界が待っていると信じていました。
- 彼は虹の彼方を夢見ていたのです。
- ひょっとするとニュームが主人公であっても、
- おかしくはなかったのかもしれないのです。
- ニュームが望んでいたことは、あんな暗闇などではなく、
- 一人の主体として、また生物として、
- やるべき事や、やりたい事が自由に出来るような世界に生きることだったのです。
- ニュームはただ、ガラージュのように限定されていない場所で生きたかったのです。
- それはあの治療装置にかけられた患者の立場から言えば、希望の象徴でもあり、
- 希望は「方法」を持たない者にとってはグロテスクな結果しかもたらさないという、
- 不幸な諦めのないまぜになったような想いの象徴でもあるわけです。
- 例えば一人の画家がいたとして、
- その画家が自分の描きたいものを見出すことが出来るのは幸せなことです。
- いくら才能があっても、自分の描きたいものを見いだせなかった画家は不幸です。
- ニュームはただ単にやり方を間違えてしまっただけなのかもしれません。
- でもその間違いはニュームにとっては決定的な間違いだったのです。
- 【>Sさんへ】
- 本当は(真のエンディングにおいて)全ての機械が消えるべきなのだと思っています。
- 開発中にはそのようなアイデアもあり、
- 全ての機械が消えるときがエンディングなのではないかとも思っていたのですが、
- あまりにも難解なゲームになりそうだったのでやめにしました。
- でも、家に雌機械が来るというのはその時に生まれたアイデアで、
- 全ての機械が消えた後に、クリアデータをロードすると
- 新しいキャラクターとして雌機械が生まれているというもので、
- 誰もいなくなった世界で、たった二人で生き続けるというものでした。
- 【ヤンと順応堂の患者(長いです)】
- あの世界の鍵は当然の事ながら全てヤンが握っています。
- 全てはヤンの望んだ通りの世界なのです。
- 順応堂の患者たちもその例外ではありません。
- しかしあの患者たちはヤンにとっては触れることのできない存在として
- あの世界に具現化されています。
- (ちなみに彼らはルウの換骨手術を除いては最初からあの姿です)
- ヤンはあの患者たちに対して、畏れと憧れを持っているのです。
- 白瓦斯屋年代記に書かれているとおりに、
- ヤンはある意味ではあの世界を
- 自分の欲望を実現するための世界として創出しています。
- 破壊と支配。しかしもちろんそれだけでは済むはずがありません。
- 何故ならばリアリティというのは常にそういったものだからです。
- そこには必ず破壊を免れるものと、支配者を支配するものがいるのです。
- ヤンはドクやベム(患者たちの名前です)、
- そしてルウになりたかったのだと見ることは間違いではありません。
- 彼らは少なくともヤンに真っ先に解体されるような機械ではありませんでした。
- 少しぐらい見せ物にされたところで、
- 彼らの存在は何一つ脅かされはしなかったのです。
- 逆にヤンの方がそのような愚かなことをしている自分を
- 嫌悪するような結果に導かれてしまいました。
- ヤンやジュースに解体されていった機械たちは、いってみれば弱い者達です。
- この弱さというのは「子供のような弱さ」ではありません。
- そのような身体的な弱さではなく、もっと嘘つきな弱さを持った者達です。
- (例えば自分があるものと依存関係を持っているにも関わらず、
- 全く依存関係など無いように振る舞うようなやり方を想像してみて下さい。
- 依存の是非ではなく、それの隠蔽の方が悪質になりうるものです)
- それはヤンの立場でいえば正しく憎むことのできる、
- そして、憎むことに対してなんのためらいもいらないような機械たちだったのです。
- ヤンのその感情は非常に強烈で、
- ガラージュという世界を成立させたとても大きな要因の一つにもなっています。
- ですが、その消された機械たちが、
- いわゆる「悪い機械」だったのかというとそうではありません。
- 現実の社会に照らし合わせてみれば、むしろ
- 「良い人たち」「正しい人たち」「立派な人たち」
- といったカテゴリーに分類される人々だったといえます。
- しかしその正しさそのものがヤンにとっては憎むべきものとして
- 容易に正当化されるようなものだったのです。
- (ここで使われている「憎しみ」という表現は、
- あまりヤンの実際にはふさわしくないかもしれません。
- たぶん彼はもっと醒めてました。憎しみというには、
- その感情に触れることができないぐらいに分厚い壁で覆われていて、
- どちらかというと「軽蔑」とか「快楽の追求」の方がふさわしいような気もします。
- しかしそれは表面的な現象に対する形容であって、
- その底にはやはり憎しみがあるのではないでしょうか)
- 憎しみの裏には必ず羨望とコンプレックスと傷を伴った過去が潜んでいます。
- これをヤンに当てはめてみると、
- ヤンは自分が憎んでいた者達と同じ側の機械だったという事を
- 順応堂の患者達によって知ることになったと見ることができます。
- それはもちろんあの患者達に憎まれたからではなく、
- あの患者達を憎むことも愛することもできなかったからです。
- おそらく「弱い者達」を解体したときには、
- ヤンは自分自身を疎外し、傷つけ、
- 自分の内蔵を自分で引きずり出すような快感を感じたことでしょう。
- でもあの患者達に同じ事をしても、そのような快感は得られなかったのです。
- 自分が軽蔑していた者達と同じように、「ある事実」を隠蔽し、
- その事によってぶくぶくと醜い脂肪が付いていくような感覚に捕らわれたのです。
- たぶんそこで隠蔽されている事実とは死なのかもしれません。
- ヤンは自分が生きるために破壊を行いました。
- それはより強く生きるための戦いであったと言えなくもありません。
- しかし、そのように生きることに執着すること自体が快楽を伴う以上、
- そこに逸脱も容易に生まれるのです。
- そしてその逸脱こそが隠蔽を生む素地となるのです。
- ヤンには限定されてはいるけれど「正しさ」があります。
- しかしその「正しさ」はあの患者達によって
- (そしてジュースによって。でもこれはまた別の話)覆されてしまったのです。
- 「正しさ」が限定されたものでしかあり得ないことを思えば当然のことなのですが、
- ヤンにとってはそのように自分の「正しさ」が覆されるのは、
- とても意外なことだったのです。
- しかしヤンはそれ以上の関係を彼等と作ることはできませんでした。
- それをするのはヤンの役目ではありません。
- それをするのはあの世界を出ていったものの領分です。
- ヤンに出来ることは破壊することと同時に、自分が隠蔽していたものに対して、
- なぜ隠蔽せざるを得なかったかという事を
- 新たな現実として感じ直すことでもあったわけですから。
- そこではあの運動靴にまつわる過去と患者達が、
- 実は同じものであったという事が明らかになってきます。
- ヤンの夢日記をあらためて読んでみると、第一に感じられることとして、
- 運動靴が自分の外側にあるという感覚があげられるかと思います。
- いってみれば運動靴は死の世界の象徴として扱われているのです。
- これはなぜ運動靴が原想体になり得たのかという疑問への答えでもあります。
- 例えば自分の体が自分の体でもあるにも関わらず
- 自分のモノではなくなっていくような感じを想像してみて下さい。
- あるきっかけによって彼の運動靴は
- 自分が生きられない場所の象徴になってしまったのです。
- だから彼は刺さりに行く必要があるのです。出来る限り深く。
- (私はこれを書きながら
- 自分が何を作ったのかを知ろうとしているような感じがしてきます。
- 実際作っている時点ではここまではっきりとは関係づけていたわけではないのです。
- 決して無責任にやっていたという事ではなく、
- 収まるべきところへ収まるべきものを収めていったのです。
- そのような時に確かめられるのは、収めたものがその場所に相応しいかどうか、
- あるいはここには何が収まるべきなのか、ということだけであって、
- それ以上に行くことは出来ず、
- そのようなやり方でしかモノは作れないのではないかと思っています)
- 少し脱線しますが、私にとって靴というのは、
- 服よりもずっと第二の皮膚という表現が相応しいものとしてあります。
- (理由はいろいろ付けられるのですが、面倒なので今は勘弁して下さい)
- とにかく個人的にではなくそういうものだと思っているのです。良くも悪くもです。
- 他人の部屋に入ったとして、
- 壁に掛けてある額の中にどこかで拾ってきた靴が飾ってあったら、
- それはとても生々しく映るでしょう?
- ですが、もちろんヤンにとっての個人的な理由もあるのです。
- ゲームの中ではヤンにとって運動靴が
- 何かしら異界を象徴するものとして認識されているという事が
- 伝われば充分だったのでそれ以上は言及されていませんが、
- ヤンはコンプレックス以上のものをあの運動靴に対して抱いています。
- それはヤンにとって死に直接結びつくような体験につながっているのです。
- (靴が脱げて、それが死を意味するような状況というのは
- それなりに限定されているので、内容は皆さんの想像におまかせします)
- これで順応堂の患者達と原想体がやっとつながってきます。
- ヤンが彼等を憎むことも愛することもできなかったわけも。
- 他人の死はどのようにでも意味付けする事もできますが、
- 自分の死は意味付けされることを拒みます。不可能なのです。
- でもこれじゃドクやベムは立場がありません。
- でもその通り。無いのです。
- これがあの病室に彼等が閉じこめられているわけです。
- 他にはどうしようもなかった。
- しかしあのような形で存在しなければならなかった。
- 汚水もあの世界の死を包み込んでいますが、
- 個人の死にたいする想いなんてものまで面倒を見てくれる訳じゃありませんから。
- 【暗闇に出口はあるのか?】
- 暗闇ネタと次回作のネタを含めてちょっと書かせてもらいます。
- まだクリアしてない方には何のことか分からないと思うので飛ばして下さい。
- 私は以前にニュームの暗闇について、
- 「そこはどこまでも豊かで、どこまでも残酷な場所」だと書きましたが、
- そこで言わんとしていることはこの暗闇には出口など存在しないということでした。
- つまり、この暗闇こそが生きている場所のベースなのだと言うことです。
- その思いは今も変わっていませんが、
- 出口がないわけでもないとも思っているのです。
- 言っていることが明らかに矛盾していますが、
- これはどういうことかというと、
- 出口を探している限りは出口はないのではないかと思えるからなのです。
- 出口を探さないことが出口を見つけることになる、
- さらに言えば今いる場所を完全に受け入れること。
- 「出口なんかない」
- ということに気が付くことだけが
- その場所を変質させるのではないかと思っているのです。
- それは例えば、以前Naさんが書かれていた、
- 「病んだ世界を受け入れて生きていく」
- という事とも違う選択なのではないかと思うのです。
- 「病んだ世界を受け入れて生きていく」というのは
- あくまでも現状を受け入れることであって、
- 「今いる場所を変質させる(あくまでも自分において)」
- という事とは次元の異なる事だと考えています。
- これをさらに言い換えると、
- 「病んだ世界など存在しない」
- 「誰も病んでなどいない」
- ということになるのですが、ちょっとわかりにくいかもしれないですね。
- 流行りの言葉で言えばパラダイムシフトという事になるのですが、
- そんな風に言っちゃ身も蓋もありません。
- ガラージュの世界において「病んでいる」ということは、
- 「病んでいるように思える自分自身を投影している」
- ということであって、決して「他者」が病んでいるわけではないのです。
- (ここで「病んでいる」という言葉を「傷ついている」という言葉や「閉じている」
- という言葉に置き換えても意味は同じです)
- 「病んでいる」のはあくまでも自分であって「他者」が病んでいるわけではない。
- これはおそらくガラージュのシナリオにおけるテーマであると思います。
- 自分を「病んでいる」と思っている「自分」から離脱すること。
- それこそがガラージュの世界を終わらせる意味だと思うのです。
- だからこそガラージュの世界は、
- 自分が納得できるまでその場所に居続ける必要があるのです。
- 自分の意志によって「病み続ける」事は必要なことです。
- 何故なら人には依存の投影としての「病気」願望が根強くあるからです。
- それが自分の望んだ依存に過ぎないということを認識するためには、
- 十分に「依存」を堪能する必要があるのです。
- 「依存」を堪能するということは、「弱さを受け入れる」事に必然的に繋がるし、
- さらに、「弱さを受け入れる」ということは、
- 「今自分は弱い自分として逃げようがなくここにいるのだ」という事であり、
- その脆くもあり、全てが起こりうる場所にしかリアリティはなく、
- そこからしか何も始まらないし、
- 最初からそこにいたんだと思えることこそが、
- スタート地点に立つことなのだと思っているのです。
- スタート地点に立つこと。
- これが始まりであり、全てです。
- ガラージュにおいては
- スタート地点を「表現」することが目標であったように思えます。
- やっと次回作のネタ振りです。
- 次回作での目標はスタート地点にプレイによって実際に行くことです。
- 果たしてゲームというメディアがそこまで表現可能なのかは分かりませんが、
- 今興味が持てることはそれだけなので、鋭意挑戦中です。
- 結果が現れるのは未だに「いつのことやら」ですが、
- 気長にお待ち下さい。
- 【水と風】
- 水に関しては並々ならぬ思い入れがあります。
- ずっと水に近い環境で育ったせいかもしれません。
- しかもその水は濁った水ばかりでした。
- でも怖いぐらい澄んだ水にもとても惹かれます。
- 子供の時に何度も見た夢。
- 道端に小さくて汚い水溜まりがあって、
- その中にヌルッと潜る自分。
- 息が続かないぐらい長く粘度の高い水のトンネル。
- やがて光が見えてきて水のないポッカリとした空間に出る。
- そこには梯子みたいなものがあって、
- それを上るとアスファルトの道路から現実の世界に戻ることが出来る。
- 思えば私にとっての水は、
- エロス(生への本能)とタナトス(死への本能)が
- 同時に存在する場所であったような気がします。
- そして風は私にとってエロスのない世界です。
- ガラージュは水です。
- そしてガラージュの世界には風はありません。
- ベクトルはあっても本当の死はないのです。
- 今度の世界には風が吹いているような気がします。
- リアルな風が吹いてくれるといいです。
- 【主人公のいないゲーム】
- 連続書き込みです。
- 唐突ですが(急に思いついたものですみません)、
- 私が理想とするのは主人公のいないゲームです。
- 主人公がいないというのは主人公が存在しないという意味ではなく、
- 主人公が用意されていないということです。
- プレイヤーが起こした行動が(選択した行動が)
- そのまま物語へと変換され続けていくようなシステムというものにとても憧れます。
- RPGに限っていえば、
- 主人公が用意されていないゲームというものはほとんど存在しません。
- なぜならば主人公が存在しないところには「ストーリー」がないからです。
- では、そのようなゲームが不可能かというと、そんなことはないと思うのです。
- 例えば将棋や囲碁などのアナログゲームや、格闘ゲームでは
- それが非常にシンプルに実現されています。
- ではRPGでは何故それが難しいのか?
- それはおそらくシステムの問題だと思えるのです。
- RPGでは「クリア」はストーリー側に主導権があります。
- もちろん「戦闘に勝利する」という基本ルール(システム)に従って
- 「クリア」がもたらされるわけですが、
- それはストーリーによって最終戦闘が決定されるという前提からは
- 逃れることはないわけです。
- これをさらに突き詰めていうと、
- RPGでは戦闘以外のシステムは添え物に過ぎないということです。
- しかもその戦闘システムは「ストーリー」という
- ゲームシステムの外側にあるものによってコントロールされているのです。
- ここで一つの疑問がわいてきます。
- 「アドベンチャーゲーム」はゲームシステムではないのかということです。
- 何故この様な疑問がわいてくるかといえば、
- RPGにおける「ストーリー」は
- アドベンチャーゲームの法則に従って構成されるからです。
- アドベンチャーゲームの本質は「すでにそこにあるものを解明する」ものです。
- さらにいえば、答えはあらかじめ用意されているということです。
- 単純にいえば「謎解き」こそがアドベンチャーゲームの本質な訳です。
- 答えのない謎解きはない。
- では謎解きがゲームではないのかといえば、
- それもゲームの内だと言っても全然問題はないのです。
- ですが、ここでいってる「ゲーム」には含まれません。
- ここで言わんとしている「ゲーム」は、本人の行動によって全く新しい
- (制作者も本人も意図しなかったような)
- 経験が生まれるようなシステムを含んだ「遊び」の体系を言わんとしているのです。
- RPGでこれをやろうというのは、
- ひょっとすると無謀以外の何者でもないかもしれません。
- でも、出来るといいなぁ。
- (ガラージュではヤンのストーリーはサイドストーリーとして機能しています。
- 他にはなんのお話もありませんが、あくまでもサイドストーリーなのです。
- この構造は次にも受け継がれそうな気配です。
- でも、もっとわかりやすく、もっと過激で、
- もっと自由な感じに仕上げたいと思っています)
- 【物語と箱庭】
- 今日ある雑誌を読んでいたら、任天堂の宮本茂という人が出ていて
- (マリオやゼルダの伝説などを作ったゲームクリエーターです)
- 面白いことを言っていた。
- 宮本氏が言うにはゼルダというアクションRPGは物語ではなく箱庭なのだそうだ。
- 私は常々そう思っていたので(といってもアクションはヘナチョコなので
- 息子のやってるのを見てただけなんだけど)
- 本人が同じ事を言っているの読んで嬉しくなってしまいました。
- やっぱりゲームは物語じゃないような気がするんですよね、どうも。
- 箱庭はゲームになるけど、物語はゲームにならないような気がする。
- なぜなら時間軸の制約を前提にしないと
- 物語は成立しないからなんじゃないかと思うわけです。
- だから日本のRPGはあんなに似たり寄ったりになってしまうんじゃないかって
- 気がして仕方がないわけです。
- とは言ってもガラージュにもお話はありますね。
- でも目指したものは箱庭なんです。
- 箱庭のためにシナリオを書いたと言ってもおかしくないかもしれません。
- 薄暗くてリアルで心地いい箱庭が欲しかったんですね。
- 【未公開語録】
- 【スタンプを上手に貯める方法】
- 治郎兵衛談:
- 何?スタンプを上手に貯める方法?
- そうか、そうか。君にもやっとスタンプの大事さがわかってきたというわけだな。
- いい心がけだよ。この世界にスタンプより大事なものなんてあるわけがないんだ。
- だがワシにいわせれば、 スタンプを貯めるために身体を改造して釣りをしようなんていうのは邪道だよ。
- 大物なんて釣らなくったってスタンプを貯めることは出来るんだから。
- スタンプを貯めるだけなら小物で充分なんだ。
- 問題は何を釣るかって事だからね。だがワシは釣りなんてやらん。
- 昔の話だよ。まあいい。
- まずは錆蛙を釣るんだ。
- 何?錆蛙なんて安いじゃないかだと?あわてるんじゃない。
- スタンプを貯めるのに大事なことは目先の餌に簡単に飛びつかないことだよ。
- 次に福寿荘に住んでいる、なんていったかな…………思いだせん。
- ……………そうだ、年中寝ている奴だ。名前は忘れたよ。
- 大事なのはスタンプだからね。
- とにかくそいつに会いに行って錆蛙を交換してもらう。
- なにとって、決まっているじゃないか、ツボガニだよ。緑青錆蛙があればなおいい。
- え?なんだって?ツボガニは一番安いじゃないかって?
- だからあわてるんじゃないっていってるじゃないか。
- そんなことじゃスタンプの大事さがわかっているとはいえないよ。まったく。
- どこまで話したかな………。
- そうか、そうか。ツボガニだ。
- こいつがいいんだ。あとは簡単さ、 権兵衛のところにいって一番高い釣り情報を買うんだ。
- だが、ワシが若かった頃は新世界にも自由にいけたからもっといいやつがいたんだがな………。
- さて……………この話しの教訓は……………
- そう、スタンプが大事って事だよ。 え?まだなんか用があるのかい?その蛙はどこにいるのかって?
- そんなことは覚えておらんよ。
- …………いや、ちょっとまてよ。確か根がたくさん立て掛けてあったような………
- やっぱりよくわからん。もう止めにしてくれ。
- 取材よりスタンプの方が大事に決まっているじゃないか。
- 【蒸気機関の実用的運用について】
- コッペル談:
- われわれ内燃機関から見れば極めて原始的な機械ではあるが、
- 蒸気機関も捨てたものではない。
- 何といってもその存在がほとんど順応度に左右されることがないというところは 特筆すべき点である。私が考えるに、 その昔には我々のように自立的な意思を持った蒸気機関も存在したに違いない。
- 我々は蒸気機関の隷属的な使用についての成果を得ることが出来た。
- 様々な工場の動力源やタービンによる発電ははもちろんの事、 プレスマシンやはね橋の駆動といった用途に利用することにも成功している。
- これらの利用による我々の白瓦斯消費における恩恵は計り知れないものであるに違いない。
- ご承知のこととは思うが、蒸気機関の運用には高圧の水蒸気が必要とされる。
- 水蒸気は汚水の加熱によって作られている。
- (おそらく蒸気機関の順応度に左右されにくいという性質は、 汚水の加熱にその理由が隠されていると思われる)
- 加熱のための燃料はジュースの廃油から得ている。
- しかるにジュースの存在なくしては、現在の蒸気機関のシステムは作り出すことは出来なかったのだ。
- ジュースの改造には汚水と白瓦斯の増産だけでなく、 有り余る恩恵が付随したことになったといっていいだろう。
- ところで最近、 実験工房内の蒸気機関制御パネルが何者かによって操作されている形跡がある。
- 意図は分からないが、あの制御パネルはプレスマシンとはね橋を制御しているものなので、 むやみにいじることは危険である。この機会に厳重な注意を促したいと思う。
- 【現実世界におけるヤンの手記】
- 今にして思えば、 何故彼女があそこまで自分の体を傷つけなければならなかったのかも 理解できる気がする。それは誰にでもある欲望の現われなのだ。
- 彼女は決して死にたかったわけではないと思う。
- むしろ生きたかったのだ。
- あのようにすることによって生きていることをしっかりと認識したかったのだ。
- そうしなければ自分の存在が損なわれてしまうような場所で 彼女は生きていたのだ。
- おそらく彼女にとって他に選ぶ道などなかったのだろう。
- あのような方法だけが自分が生きていることを 確認することが出来る唯一の方法だったに違いない。
- 人が他人に対して出来ることなど限られたものでしかない。
- 何故なら人の中には決して変わることのない、 あるいは変わろうとしない領域というものがあるからだ。
- そしてそのような領域は時としてその本人をも苛立たせるものになる。
- 何故なら人は変わることの出来ない領域など存在してはならないと思い、 そしてまたそれを信じてもいるからだ。
- 僕もその考えには賛成だ。
- そのような考えには少なくともかすかな希望がある。
- だが希望を持って生きることほど困難なことはないだろう。
- 希望が実現する可能性など無いに等しい。
- 希望などというものは 希望という言葉でしか表わせないぐらいにかすかなものであるからこそ 希望と呼ばれるのだ。 だが人は生きている限りは希望を捨てることが出来ない。
- そして希望を捨てることが出来ないということが あらゆる不幸や醜悪さを生み出すのだ。
- 一方通行のコミュニケーション。
- 一方通行の道とその道を決まった方向にしか走行できない車両。
- 道と車両の関係。変わり得る領域が変わり得ない領域に包囲される。
- 問題は変わり得ない領域の質だ。
- 器は器であることをやめることが出来ない。
- 器が器であることをやめることが出来るのは、 入れるべきものが存在しなくなったときだけなのだ。
- (水の流れない河は河であることを止める)
- 道の憂鬱と車両の憂鬱。問題なのはもちろん車両の憂鬱だ。
- 道の憂鬱などほおっておけばいい。
- 何故なら道もまた車両であり、 道にとっての真の問題(変わる必要のある領域)は、 車両としての憂鬱だけだからだ。
- 道と車両との関係における道の役割は 出来る限り車両をスムーズに通行させることだけだ。
- あらゆる技術、あらゆる創作活動、 あらゆる育成行動においてこの事ほど明らかなことはないだろう。
- そしてこのこと以上に重要なことはなくこの事以外にはなにもないと言っていい。
- 学ぶべき事は全てこの中に含まれている。
- しかし世の中にはそう思わない人もいる。
- 思いたくない、あるいは思おうとしない、 何といってもいいがとにかくそのような努力をしない人々というのが存在する。
- エンジンの壊れた車両は坂道に依存する。
- 澱んだ水は器に依存する。
- これがそのような努力をしない人たちの論理だ。
- だが実際にはエンジンの壊れた車両も澱んだ水も存在してはいない。
- それらは坂道や器によって作られた人形にすぎない。
- では何故、坂道や器は人形を必要とするのか?
- これは簡単だ。
- 坂道や器は自分が車両や水でもあるという事を忘れているからだ。
- 別の言い方をすれば、 自分が車両や水としては不十分であり自分の望むような車両や水になることは 不可能だと思っているからだ。馬鹿げている。
- 誰も車両や水であることから逃れる事なんてできやしないのだ。
- 全ての物は中身であり器でもある。
- どちらかだけの存在でいることは出来ない。
- 彼女は水槽の金魚にされたのだ。
- そして彼女に出来ることは水槽のガラスに体当たりすることだけだった。
- あの日僕はいつものように蛙を捕りに出かけた。
- 僕は蛙を捕るのが好きだ。
- それはもちろんここで生きていくためには必要不可欠なことでもあるのだけれども、 それだけではない喜びを僕は蛙捕りという行為に対して感じてもいた。
- 最初の頃僕はその喜びを不謹慎なものなのではないかと思い 自分を責めたこともあったが、 今では自分の気持ちを素直に受け入れるべきなのだと思っている。
- 目的がなんであろうと、ある行為にはそれ独自の法則があり、 その法則に従うことは目的を忘れさせることもある。
- 場合によっては目的を達成するために目的を忘れる必要もある。
- よくあるこだ。
- そして僕はあの日、完全に目的を忘れていた。
- 悪い事じゃない。
- おかげで僕は充分でなおかつ良質な蛙を手に入れることが出来た。
- 蛙捕りには集中が必要とされる。
- 集中を欠いた行為にはそれに見合った結果しかもたらされない。
- しかし家に帰った僕は自分の目的が失われてしまったのを発見した。
- 僕の手元には僕一人で食べるには多すぎる量の蛙が残された。
- 「私はいつも自分が辱められ、損なわれることを夢想している。
- それは現実に起きなくては意味がないの。
- 圧倒的で無意味な欲望によって。そして出来る限り単純で醜い動機によって。
- そうでなければならない。
- そこでは何もかもが平らになる。そこには穴がある。
- 私はその中に入っていく。入っていくことができる。はず。
- 全部が歪んでしまえばいい。目の前の物全部。
- ぐにゃぐにゃにねじれて溶けてしまえばいい。
- その時にはきっと私も溶けているんだ。
- 堪えられなくなって。
- 尊いものなんていらない。そんなものが欲しいわけじゃないの。
- 私は溶けてしまいたいだけ。
- 熱くなって、区別がつかなくなって、何もかも判らなくなって・・・・」
- だれもが奇妙な妄想を持っている。
- そのほとんどはくだらない理由によるくだらない妄想だ。
- いや、全ての妄想はくだらないものかも知れない。
- だがそんなことは問題ではない。
- 理由には理由があり、その理由にも理由がある。
- 僕が言いたいのはくだらないものなんて無いって事だ。
- 何とかしてスープを飲みたいと思うのも、
- 橋の下のおばさんに犯されたいと思うのも、
- 人を助けて尊敬されいたと思うのも、
- 人を殺して切り刻みたいと思うのも、
- その表層だけでは判断できない理由がそこはにある。
- だが何も、
- 全てが正当化されてもいいなどと言っているわけではない。
- そんなことを言うつもりはない。
- むしろ正当さや不当さでは測れない領域のことについて言っているのだ。
- 非社会的な力学関係だけが絶対であるような世界。
- 科学的ではないかも知れないけれどあまりに物理的な世界。
- (基準となるべき対象が記号化されていないだけだ)
- 「あいつただの色情狂だよ。眼鏡猿だなんて。
- 眼鏡猿は雌の匂いに対して鈍感なんだよ。
- 人間様と雌猿の区別がつかないんだ。
- それに年中発情しているんだ。気をつけろよ。猿にとられるぜ。」
- 「眼鏡猿を探してきて・・・・お願い・・・・・わかってる
- ・・・わかってるつもり
- ・・・・大丈夫・・・・・そんなんじゃないの・・・・・・お願い・・・・・」
- 「平均率の儀式を知っているかい?
- 何でも熱量を平衡させることによって
- 疑似永久機関を成立させる事を目的にしているとか・・・。
- でもそれに一体どんな意味があるんだろう・・・」
- 結局そうゆうことなのだ。
- 誰もそれから逃れる事は出来ない。
- 僕だって例外じゃない。
- 事実僕はその力から逃れることなど出来なかった。
- だからこんな事になってしまったんだ。
- だから、これから話す事はただの回想にすぎない。
- 問題は何故こんな事を回想する必要があるのかって事だ。
- だけど今は、それを知るためとしか答えるこはできない。
- もちろんそれが同じ力に流されるものの言い訳にしか過ぎないとしても。
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