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London: Glorious End of Steam

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Aug 8th, 2017
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  1. Fran
  2. ……ゥ……。
  3.  
  4. Mashu
  5. あちらの方角ですね。
  6. わかりました。……先輩、ここから西方向のようです。
  7.  
  8. ?1:西というと……
  9.  
  10. ?2:ウェストミンスターエリアかな?
  11.  
  12. ?!
  13.  
  14. Mordred
  15. ああ、ウェストミンスターエリアだろうな。
  16. 国会議事堂があるエリアだ。
  17.  
  18. Mordred
  19. んじゃま、さっさと行って叩くとするか。
  20. あー。で。その前に、だ。
  21.  
  22. Mashu
  23. はい?
  24.  
  25. Mordred
  26. ひとつ言っておくことがある。
  27. 今回、オレはフランを守るので手が塞がっちまう。
  28.  
  29. Mordred
  30. こいつはサーヴァントじゃないからな。
  31. 人造人間ってのがどこまで保つのかも不明だし。
  32.  
  33. Mordred
  34. だから、[#こいつはオレが守る]。
  35. ……変な縁だ。まったく。
  36.  
  37. Dr. Roman
  38. 戦闘中はモードレッドはアテにできないな。
  39. その分、君たちだけが戦力となる。注意してくれ!
  40.  
  41. ?1:了解
  42.  
  43. ?2:問題ない
  44.  
  45. ?!
  46.  
  47. Mashu
  48. はい。
  49. では、先輩。移動を開始します!
  50.  
  51. Dr. Roman
  52. ……まさか本当に議事堂付近とは。
  53. 凄い場所にあるな、リモコン。流石に中じゃないか?
  54.  
  55. Fran
  56. ……ゥ、ウ……!
  57.  
  58. Mashu
  59. 近いようです。
  60. もう、すぐ近くにまで来ていると彼女は言って
  61.  
  62. Mordred
  63. 来た来た、でかいのが来たぞ!
  64. フランはオレの後ろに回れ。離れるなよ!
  65.  
  66. Mordred
  67. マシュ、[%1]!
  68. ここはおまえたちに任せる、ぶちかませ!
  69.  
  70. Mashu
  71. 了解しました。
  72. マスター、大型敵性体との戦闘です。指示を!
  73.  
  74. ==
  75.  
  76. Mashu
  77. 大型敵性体、沈黙しました。
  78.  
  79. Mashu
  80. サーヴァントではなかったようですが……
  81. これが、他の個体を操る宝具本体だったのでしょうか?
  82.  
  83. Fran
  84. ……ゥ。
  85. ……ゥ、ウゥ。
  86.  
  87. Mordred
  88. そうみたいだな。
  89. よし、これで厄介事がひとつ片付いたか。
  90.  
  91. Mordred
  92. よくやった。フラン。
  93. おまえのお陰で助かったぜ。
  94.  
  95. Fran
  96. ……ゥ、ゥ。ァ……。
  97.  
  98. Dr. Roman
  99. マシュ、[%1][&君:ちゃん]。念のため、
  100. その残骸の映像情報をまた送信してくれるかな?
  101.  
  102. Dr. Roman
  103. 一応こちらでも解析しておこう。
  104. いや、ダ・ヴィンチちゃんに尋ねるだけだけどさ。
  105.  
  106. Mashu
  107. 了解です。
  108.  
  109. Mashu
  110. ……ドクター。妙なものを発見しました。
  111. 他のヘルタースケルターにはなかったものです。
  112.  
  113. Mashu
  114. 製造者氏名、でしょうか。
  115. 英語表記です。
  116.  
  117. Mashu
  118. 『チャールズ・バベッジ、AD.1888』
  119.  
  120. Fran
  121. …………ゥ!!?
  122.  
  123. Mordred
  124. ん。どうした、フラン?
  125.  
  126. Fran
  127. …………。
  128. …………。
  129.  
  130. ==
  131.  
  132. Mashu
  133. おはようございます、先輩。
  134. よく眠れましたか?
  135.  
  136. Mashu
  137. 先ほど、仮眠用の部屋へ
  138. おひとりで入って行かれたように見えましたが……
  139.  
  140. ?1:あまり眠れなかった
  141.  
  142. ?2:あの部屋、作家英霊ズがいて…
  143.  
  144. ?!
  145.  
  146. Mashu
  147. え……あっ、そうでしたね……
  148. あの部屋は作家英霊のおふたりが占拠していて……
  149.  
  150. Mashu
  151. それだと、先輩は休めませんでしたよね。
  152. す、すみません。気付きませんでした。
  153.  
  154. Mashu
  155. わたしに割り当てられた居間のソファ、
  156. 先輩に使ってもらったほうが良かった……ですね……
  157.  
  158. ?1:大丈夫
  159.  
  160. ?2:これで良かったんだよ
  161.  
  162. ?!
  163.  
  164. Mashu
  165. ……せんぱい……
  166.  
  167. Mordred
  168. ん。ふたりとも起きたのか。
  169. なあ、おまえたち、フラン見なかったか?
  170.  
  171. Mashu
  172. そういえば……
  173. あっ。先輩、フランさんは、もしかして……
  174.  
  175. ?1:隣の部屋です
  176.  
  177. ?2:作家部屋です
  178.  
  179. ?!
  180.  
  181. Mordred
  182. ……まあ、あいつがいいならいいけどな。
  183. オレはあの部屋には入らねーぞ。
  184.  
  185. Mashu
  186. ある種の異様な空気が充満していますよね。
  187. あれが、締め切り前の作家の迫力なんでしょうか。
  188.  
  189. Mordred
  190. 現界してやることが、執筆、だからなあ。
  191. アンデルセンは書いてるのかよくわからんけど。
  192.  
  193. Mashu
  194. 鬼気迫る、という極東の慣用句を
  195. わたしはつい思い浮かべてしまいました……
  196.  
  197. Jekyll
  198. おはよう、皆。
  199. それぞれ仮眠は終えたようだね。
  200.  
  201. Jekyll
  202. ちょっと話がある。いいかな。
  203. 数時間前、君たちが見付けた名前についてだ。
  204.  
  205. Dr. Roman
  206. チャールズ・バベッジだったかな。
  207. 優れた科学者にして数学者、十九世紀英国の人物だよ。
  208.  
  209. Jekyll
  210. うん。彼はこの時代の人間だ。
  211. 僕は会ったことがないけど、思い出したことがある。
  212.  
  213. Jekyll
  214. 初代のヴィクター・フランケンシュタイン博士と
  215. 彼は知己であったはずなんだ。
  216.  
  217. Mashu
  218. すみません、待ってください。
  219.  
  220. Mashu
  221. バベッジ氏はこの時代から数えて十年以上も前、
  222. 既に亡くなっているはずの人物です。
  223.  
  224. Jekyll
  225. え。いや、それはおかしいな。
  226. 老齢だが健在で、碩学として活動しているはずだよ。
  227.  
  228. Mashu
  229. ……?
  230.  
  231. Dr. Roman
  232. ジキル君、それは記憶違いではないのかい。
  233. 確実にバベッジ氏がこの時代の人間だと言えるかい?
  234.  
  235. Jekyll
  236. 勿論。今年に入ってから読んだ王立協会の年鑑に
  237. 彼の名前があった。ヴィクターも彼の話をしていたし。
  238.  
  239. Jekyll
  240. そんな彼がまさか死んでいるはずがないよ。
  241. 去年や今年の新聞にだって、彼の発明品が載ってある。
  242.  
  243. Mashu
  244. 確認させていただけますか。
  245. ええと、そう、新聞で構いません。
  246.  
  247. Mashu
  248. ……確かに、記述がありますね。
  249. チャールズ・バベッジ。生年1791年。氏本人です。
  250.  
  251. Dr. Roman
  252. 考えられる可能性は二つだ。
  253. 一つ目、ボクらの歴史的記録が事実と異なっていた。
  254.  
  255. Dr. Roman
  256. 二つ目、事象に[#ずれ]が生じている。
  257. それ自体はこれまでの時代でもあったからね。
  258.  
  259. Dr. Roman
  260. オルレアンやローマ、世界の海でも。
  261. いずれも事象が[#ずれて]ねじ曲がっていた。
  262.  
  263. Dr. Roman
  264. 英霊としてではなく、
  265. 事象の変化として故人が生存している
  266.  
  267. Dr. Roman
  268. 十二分に有り得ることだろう。
  269. 魔霧による死者にしても、そうだ。
  270.  
  271. Dr. Roman
  272. 二十世紀の事件がこの時代にまでずれ込んで
  273. しまっている、ということなのかも知れないね。
  274.  
  275. Mashu
  276. では……。
  277. フランさんや、ミスター・ジキルも?
  278.  
  279. Dr. Roman
  280. 可能性は否定できない。
  281. 誰がこの時代の人間なのか、そうでないのか。
  282.  
  283. Dr. Roman
  284. 特定するのはきわめて難しいだろうね。
  285. 現存する記録が存在しない場合は、特にそうだ
  286.  
  287. Jekyll
  288. ん。僕の話をしてるのかい?
  289. 気になるけど今は後回しにしよう。緊急連絡だ。
  290.  
  291. Jekyll
  292. 僕の情報網に引っ掛かったんだけれど、
  293. 悪い知らせだ。セイバーもいいかい、聞いてくれ。
  294.  
  295. Jekyll
  296. 完全に稼働停止していた
  297. ヘルタースケルターのすべてが
  298. 再起動した。
  299.  
  300. Mordred
  301. 何だ、またか。
  302. リモコンが他にもあったってことか?
  303.  
  304. Mashu
  305. ……確かに緊急事態ですね。
  306. 速やかに、再度、停止させる必要があります。
  307.  
  308. Dr. Roman
  309. そうだね。敵にこれ以上、霧から現界する
  310. サーヴァントを確保させてやる訳にはいかない。
  311.  
  312. Dr. Roman
  313. マシュ、[%1][&君:ちゃん]、頼んだ。
  314. 今度こそヘルタースケルターを停止させてくれ!
  315.  
  316. ?1:了解!
  317.  
  318. ?!
  319.  
  320. Mashu
  321. はい!
  322.  
  323. Mordred
  324. とは言え、だ。
  325. こっちにはフランがいるんだ。敵はかわせるぜ。
  326.  
  327. Mordred
  328. 前回の要領だ。
  329. まっすぐ、敵との遭遇なくリモコンまで行ける。
  330.  
  331. Fran
  332. …………。
  333. …………。
  334.  
  335. Mashu
  336. そうですね。
  337. ですが、油断せずに急ぎましょう。
  338.  
  339. Mordred
  340. 油断はしないけどな。
  341. それでも、前回のフランの精度を考えれば
  342.  
  343. Mordred
  344. あれ。遭遇したのか……?
  345. これ、まだリモコンの個体じゃないよな?
  346.  
  347. Mashu
  348. ……機械作動音。大型、複数!
  349. 敵性集団です。マスター、指示をお願いします!
  350.  
  351. ==
  352.  
  353. Mashu
  354. ……敵性集団、撃破しました。
  355. 恐らくですが、襲撃される頻度が増しているようです。
  356.  
  357. Mordred
  358. やっぱり敵が出てくるなあ……
  359. フラン、どうした。もしかして調子悪いのか?
  360.  
  361. Fran
  362. ……ゥ……。
  363.  
  364. Mordred
  365. 次は東か……。
  366. さっきより、色んな方向を示してるような。
  367.  
  368. Mordred
  369. 調子が悪いなら言っていいんだぞ。
  370. 前にも言ったが、言いたいことははっきり言えよ?
  371.  
  372. Fran
  373. …………。
  374.  
  375. ==
  376.  
  377. Mashu
  378. ……敵性集団、撃破しました。
  379. 恐らくですが、襲撃される頻度が増しているようです。
  380.  
  381. Mashu
  382. 先輩、これは
  383.  
  384. ?1:フランかな
  385.  
  386. Mashu
  387. ……はい。恐らく、ですが。
  388.  
  389. ?2:魔力経路の性質が変化したとか?
  390.  
  391. Mashu
  392. わかりません。
  393. いいえ、個人的な推論を述べる……ので、あれば……
  394.  
  395. ?!
  396.  
  397. Mashu
  398. フランさんが原因……なのだと思います。
  399. 彼女は、方向指示という行為について躊躇っています。
  400.  
  401. Mashu
  402. そう……なんですよね。
  403. フランさん。
  404.  
  405. Fran
  406. …………ゥ…………。
  407.  
  408. Mordred
  409. …………
  410. …………
  411.  
  412. ==
  413.  
  414. Mordred
  415. …………フラン。話がある。
  416.  
  417. Fran
  418. ……ゥ。
  419.  
  420. Mordred
  421. おまえ、リモコンへ案内するつもりないだろ。
  422. 流石にわかるぞ。
  423.  
  424. Mashu
  425. そうなんですか? フランさん
  426.  
  427. Mordred
  428. ああ。こいつ、何か迷ってる。
  429. あと、だ。
  430.  
  431. Mordred
  432. 何か言ってないことがある。
  433. そうだな、フラン。
  434.  
  435. Fran
  436. ……ゥゥ。
  437. ……ゥゥ、ゥ、ゥ。
  438.  
  439. Mordred
  440. ……あのなあ。何度も言っただろ。
  441. 忘れてないよな?
  442.  
  443. Mordred
  444. 思ってることがあるなら。
  445. 言いたいことがあるなら、そのまま言ってみろよ。
  446.  
  447. ?1:うん、言っていいんだよ
  448.  
  449. ?2:聞かせて欲しい
  450.  
  451. ?!
  452.  
  453. Fran
  454. ……ゥ……。
  455.  
  456. Fran
  457. ……ゥ、ゥ……ゥゥ……。
  458.  
  459. Fran
  460. ……ウゥ……ァ……ァ、ァ……ゥゥ……。
  461.  
  462. Fran
  463. ……ゥゥ……。
  464.  
  465. Mordred
  466. ……。
  467.  
  468. Mashu
  469. …………ああ。そう、だったんですね。
  470.  
  471. ?1:なんて言ってる?
  472.  
  473. ?2:わからない……
  474.  
  475. ?!
  476.  
  477. Mashu
  478. バベッジ氏という人物を、彼女は知っているんです。
  479. 会って話したことさえあるそうです。
  480.  
  481. Mashu
  482. 魔力を辿ることができるのは、
  483. 彼の気配のようなものを辿っているから、と。
  484.  
  485. Mashu
  486. でも、こんなことをする人じゃない。
  487. そう彼女は言っています。
  488.  
  489. Mordred
  490. …………。
  491.  
  492. Mashu
  493. 確かに、ミスター・ジキルの話にもありました。
  494. そこで気付くべきでした、わたしも……
  495.  
  496. Mordred
  497. ……話はわかった。
  498. お前は庇ってる訳だな、フラン。
  499.  
  500. Mordred
  501. だが、それは矛盾してる。
  502. バベッジって奴は[#こんなことはしない]んだろ。
  503.  
  504. Fran
  505. ……ゥ。
  506.  
  507. Mordred
  508. じゃあ後は簡単だ。
  509. ……あのクソガキの言葉を使うのは癪だが、仕方ない。
  510.  
  511. Mordred
  512. フラン。落ち着いて、
  513. 想像力ってヤツを働かせてみろ。できるだろ。
  514.  
  515. Mordred
  516. バベッジはこんな事はしない。
  517. なのにヘルタースケルターはうろうろしてやがる。
  518.  
  519. Mordred
  520. なら、やっこさんは強要されてんだよ。
  521. [#こんなことをする]ように、な。
  522.  
  523. Fran
  524. ……ゥ!
  525.  
  526. Mordred
  527. よし、いい子だ。
  528. じゃあ、おまえが何をすればいいかもわかったか?
  529.  
  530. Fran
  531. ……ゥ、ゥ!
  532.  
  533. ?1:話はついたね
  534.  
  535. ?2:今度こそ、リモコンを探そう
  536.  
  537. ?!
  538.  
  539. Mashu
  540. はい、先輩!
  541.  
  542. Mordred
  543. 近い、な。
  544.  
  545. Mashu
  546. はい。わたしにもわかります。
  547. 魔霧の中でも、魔力の集中がここに在ると。
  548.  
  549. Mordred
  550. そら、そこだ。
  551. もう[%1]にも聞こえてくる筈だぜ。
  552.  
  553. Dr. Roman
  554. こちらでも感知したぞ。極めて大型の反応だ。
  555. もう、目の前まで来ている。こんな場所にいたのか!
  556.  
  557. Mordred
  558. シティエリアの中心部とはな。
  559. アパルトメントのすぐ近くにいたって訳だ。
  560.  
  561. Mordred
  562. さあ、ご対面だ。
  563. もうひとつのリモコンか。それとも
  564.  
  565. Fran
  566. ……ゥ、ゥ……!
  567.  
  568. Babbage
  569. 聞け。聞け。聞け。我が名は[#蒸気王:じょうきおう]。
  570.  
  571. Babbage
  572. 有り得た未来を掴むこと叶わず、
  573. 仮初めとして消え果てた、儚き空想世界の王である。
  574.  
  575. Babbage
  576. 貴様たちには魔術師「B」として知られる者である。
  577. この都市を覆う「魔霧計画」の[#首魁:しゅかい]が一人である。
  578.  
  579. Babbage
  580. そして
  581. 帝国首都の魔霧より現れ出でた、英霊が一騎である。
  582.  
  583. Mashu
  584. ……魔術師「B」、と。
  585.  
  586. Mordred
  587. ……敵の親玉の一人かよ。
  588. そういう予想まではしてなかったな、くそ。
  589.  
  590. Mordred
  591. 確かに頭文字は同じだ。Bか。
  592. あれこれ考えすぎて簡単なことを忘れてたぜ。
  593.  
  594. Mashu
  595. しかし、これは……。
  596. ヘスタースケルターと同じ姿……?
  597.  
  598. Mordred
  599. [#性能:スペック]はこっちの奴が遙かに上だろうな。
  600. ただの勘だが、オレのはよく当たる。
  601.  
  602. Mashu
  603. 人間には見えません。
  604. やはり、彼は……サーヴァント……!
  605.  
  606. Babbage
  607. 我が名は蒸気王。
  608. ひとたび死して、空想世界と共に在る者である。
  609.  
  610. Babbage
  611. 我が空想は固有結界へと昇華されたが、
  612. 足りぬ。足りぬ。これでは、まだ、足りぬ。
  613.  
  614. Babbage
  615. 見よ。我は欲す者である。
  616. 見よ。我は抗う者である。
  617.  
  618. Babbage
  619. 鋼鉄にて、蒸気満ちる文明を導かんとする者である。
  620. 想念にて、有り得ざる文明を導かんとする者である。
  621.  
  622. Babbage
  623. そして
  624. 人類と文明、世界と未来の焼却を嘆く一人でもある。
  625.  
  626. Dr. Roman
  627. ああ、そういうことか……!
  628. 彼自身が既に固有結界である、ということだ!
  629.  
  630. Dr. Roman
  631. 魔本の時とよく似ている。
  632. 魔本は自らの現界のために眠りを撒いたが。
  633.  
  634. Dr. Roman
  635. 彼は自らの分身をどこまでも際限なく撒き続ける。
  636. 恐らくは、そういう
  637.  
  638. Mashu
  639. ミスター・バベッジ。
  640. 仰る言葉が真実なら、わたしたちは対話できます。
  641.  
  642. Mashu
  643. わたしたちも同じです。
  644. 未来は、焼却されてはならない……!
  645.  
  646. Mordred
  647. 御託はいい。
  648. いいか、屑鉄。よく聞け。
  649.  
  650. Mordred
  651. おまえの知り合いの娘が、おまえを止めに来た。
  652.  
  653. Mordred
  654. 話を聞いてやれ。
  655. 大層な御託も何もかも、それからだ。
  656.  
  657. Fran
  658. ……ゥ、ゥ!
  659.  
  660. Fran
  661. ……ウ……ゥゥ、ァ……ア、ァ……!
  662.  
  663. Fran
  664. ……ア、ァ、ァ……!!
  665.  
  666. Babbage
  667. おお、おお。忘れるはずもなきヴィクターの娘。
  668. そこにいるのか。おまえは。
  669.  
  670. Babbage
  671. 可憐なる人造人間よ。
  672. 造物主より愛されず、故に愛を欲す哀れなる者よ。
  673.  
  674. Babbage
  675. 嗚呼、お前の言葉が聞こえる。
  676. 嗚呼、お前の想いが聞こえる。
  677.  
  678. Babbage
  679. そう、だ
  680. 私は、我らは、碩学たる務めを果たさねば。
  681.  
  682. Babbage
  683. 我らは人々と文明のためにこそ在るはずだ。
  684. 故にこそ、私は求めた。空想世界を。夢の新時代を。
  685.  
  686. Babbage
  687. 故にこそ…………
  688.  
  689. Babbage
  690. グ……!?
  691.  
  692. Babbage
  693. ……グ……ゥ……ガガ、ガ……ガ……!?
  694. これ、は……何だ……アングルボダ、の、介入か……!
  695.  
  696. Babbage
  697. 組み込んだ、聖杯……!
  698. そうか、「M」……が……この、私、さえも……!!
  699.  
  700. Babbage
  701. ヴィクターの娘……!
  702. 逃げ……ろ……!
  703.  
  704. Fran
  705. ……ゥ!!
  706.  
  707. Mordred
  708. もういい。フラン。
  709.  
  710. Mordred
  711. おまえは言うべきことを言ったし、
  712. あいつはあいつで応えた。よくやった。
  713.  
  714. Mordred
  715. だが、こういうこともある。
  716. 想いが届かず、刃で決着を付けざるを得ない
  717.  
  718. Mordred
  719. そういうことも、な。
  720. あるんだよ。
  721.  
  722. Babbage
  723. オオ、ォ……!!
  724.  
  725. Mashu
  726. …………来ます!
  727.  
  728. Dr. Roman
  729. 対話不能となって襲って来る!?
  730. それは、令呪の強制が実行された状態と酷似して
  731.  
  732. Dr. Roman
  733. 聖杯に依るものだとしたら、もう
  734. 彼を倒す以外にない、マシュ、[%1][&君:ちゃん]!
  735.  
  736. Mashu
  737. マスター、指示を。
  738. 大型サーヴァントとの戦闘が開始されます!
  739.  
  740. ?1:仕方ない!
  741.  
  742. ?2:彼を止める!
  743.  
  744. ?!
  745.  
  746. Mashu
  747. はい。マスター!!
  748.  
  749. ==
  750.  
  751. Babbage
  752. ……シティの地下へ、行くがいい。
  753.  
  754. Babbage
  755. ……[#地下鉄:アンダーグラウンド]の更に、深い、深い、深い、奥底……
  756. 其処に……「魔霧計画」の主体が、在る……だろう……
  757.  
  758. Babbage
  759. 都市に充ちる……霧の、発生源……
  760. すなわち、我が発明……巨大蒸気機関アングルボダ……
  761.  
  762. Babbage
  763. 聖杯は……
  764. アングルボダの動力源として……設置……
  765.  
  766. Fran
  767. ………………ゥ、ゥゥ、ァ。
  768.  
  769. Babbage
  770. ……すまぬ。ヴィクターの娘。
  771.  
  772. Babbage
  773. お前の声は聞こえたが……
  774. 私は、既に、正しき命を有した、人間……ではなく……
  775.  
  776. Babbage
  777. 妄念の……
  778. 有り得ざるサーヴァント、と、化したのだ……
  779.  
  780. Mordred
  781. …………。
  782.  
  783. Babbage
  784. ……私は……
  785.  
  786. Babbage
  787. ……私は、嗚呼、私の世界を夢見てしまったが……
  788. ……しかし……それ、とて……
  789.  
  790. Babbage
  791. ……私の夢を叶えなかった世界であっても……
  792. [#隣人:あなた]たちの世界を、終わらせよう、とは、思わない……
  793.  
  794. Mordred
  795. 次の行き先、決まったな。
  796.  
  797. Mashu
  798. はい。地下、と。
  799. ミスター・バベッジは確かにそう言い残しました。
  800.  
  801. Mordred
  802. まずはフランをジキルのアパルトメントへ戻す。
  803. それから、最後の親玉を潰すぞ。
  804.  
  805. ?1:そうしよう
  806.  
  807. ?2:必ず、聖杯を手に入れる
  808.  
  809. ?!
  810.  
  811. Mashu
  812. ……はい。先輩。
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