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- FILENAME: text_313091-1.txt
- レナ: アンタ、こんなところで何してんのよ
- レナ: …レナのことは別にいいでしょ ちょっと振り返りたいことがあっただけよ
- レナ: 振り返っても別に過去が変わるわけじゃない …なんて、レナだってわかってるわ
- レナ: でも、アンタだってあるでしょ? あのときこうしてたら、とか…そういう後悔
- レナ: …レナの後悔はね、知らなかったことよ
- レナ: レナ、なんにも見えてなかったの
- レナ: かえでのことも、ももこのことも 魔法少女がなんなのかってことも…全部ね
- レナ: …それに、あの頃のレナは 自分の気持ちだってよくわかってなかった
- FILENAME: text_313091-2.txt
- 友だちにしてごめんね
- FILENAME: text_313091-3.txt
- レナ: レナが自分の気持ちに気づいたのは あのうわさに巻き込まれたときだった
- レナ: 前からかえでとももこと 3人で魔女と戦ってきたんだけど
- レナ: あのとき、いろはと出会って 状況が一変したのよね
- レナ: ももこのお節介でいろはを調整屋に連れて行って いろはが妹を捜しに神浜市に来た ってことがわかって…
- レナ: 最初、レナは付き合う気なんてなかったけど それじゃ悪者になるから付き合うことにしたの
- レナ: だけど、それが運の尽きっていうか レナが自分の気持ちに気づく始まりになった
- レナ: いろはの妹をどう探すか話すうちに 些細なことでかえでとケンカになっちゃって
- レナ: …まぁ、そこまではいつも通りなんだけど
- レナ: レナ、ムキになって言い過ぎちゃって かえでを泣かせちゃったの
- レナ: 本当はレナだってすぐに謝りたかった
- レナ: だけど、あのときは ももこがレナを子ども扱いするから なんか言いづらくなっちゃって…
- レナ: …ううん、本当はももこのせいじゃなくてね
- レナ: レナ、自分で自分がどんな気持ちか 見ようとしてなかったんだと思う
- レナ: 自分の気持ちから、目を逸らしてたの
- レナ: だからね、最初に話してたうわさに巻き込まれた
- レナ: 全部、レナのせいよ
- レナ: だって 学校で噂になってる都市伝説に乗っかって
- レナ: 絶交したいなんて思ってないのに 絶交階段に名前を書いたんだから…
- レナ: だけど、そんなことを知らないかえでは 素直に謝ってくれた
- レナ: いつもそう
- レナ: ケンカの原因はいつだってレナなのに かえではいつだってレナより先に謝って
- レナ: その度にレナは 素直じゃない自分が嫌で、恥ずかしかった
- レナ: だから、あのときのレナは いつも以上に自分がみじめで ももこにまでつらくあたってた…
- レナ: 自分に素直になれなくてみじめなのに 自分の気持ちを直視すればプライドが傷つく ほんと、レナって馬鹿みたいよね
- FILENAME: text_313091-4.txt
- レナ: あの頃のレナもね、自分が悪いってわかってた
- レナ: ただ、意固地になって…何だかもう ひっこみがつかなくなってたんだと思う
- レナ: それだけ冷静じゃなかったのよね
- レナ: だってレナが悪いのに かえではレナがどれだけ怒っても 追いかけて、捕まえて、謝ってくれる
- レナ: それなのにレナは散々怒って 都市伝説を使ってまで絶交しようとする
- レナ: 本当は自分がしたかったことをかえでがして… 自分には素直になれずに心の中はあべこべで 冷静になれるはずなんてなかった
- レナ: でも、そうしてるうちに レナたちはうわさに巻き込まれた
- レナ: 絶交できる都市伝説が現実になるみたいに かえでが絶交階段にさらわれちゃったの
- レナ: それから かえでを見つけるためにみんなで捜した
- レナ: レナはどこかで、みんながレナのせいって 思ってるんじゃないかって勝手に考えてた
- レナ: 実際、レナが絶交階段に名前なんか 書かなかったら起きなかったことだし…
- レナ: それからかえでを捜す中で 謝ったら敵が出てくるかもって話になって レナがそれをすることになったの
- レナ: でも、あのときのレナは 簡単に仲直りしたいなんて言えなかった
- レナ: 言い過ぎたとは思ってたけど かえでがムカついたのも本当だったから
- レナ: …でも、だからって かえでが見つからなかったら レナが悪者だしって
- レナ: レナの心の中はグチャグチャで どれが自分の気持ちかわからないでいた
- レナ: でも、ひとつだけわかってたのは かえでにはいなくなって欲しくないってこと
- レナ: ほんと、面倒臭い奴だって自覚はあるの
- レナ: だから、こんなレナの友だちにしてごめんねって そう言ったら、そのうわさは姿を現した
- レナ: きっとこのとき、レナはやっと 自分の気持ちに素直になって レナの本音と向き合えたの
- FILENAME: text_313092-1.txt
- レナ: 自分の気持ちはちょこっとだけ 見えるようになったレナだけど
- レナ: ただそれだけで、レナは他の人が どんな想いを持っているかまでは 全然見られてなかったの
- レナ: きっと、今までだって気づけるタイミングは いくつもあったはずなのに
- レナ: レナは、あんなことになってやっと 周りの抱えていたものに気づいたの
- FILENAME: text_313092-2.txt
- レナには関係ないでしょ
- FILENAME: text_313092-3.txt
- レナ: みんなの抱えてる想いに気づくまでには だいぶ時間がかかったわ
- レナ: たぶん、この間の話の続き かえでを助けるところから振り返った方が 遠回りだけどいいのかもしれない
- レナ: レナは自分の気持ちに気づいてから かえでを助けるために うわさの結界に入っていった
- レナ: だけど、レナは自分のもやもやした 気持ちに囚われて、うわさの中で動けずにいた
- レナ: そこで、現れたのはいつものかえでだった レナはかえでに助けられちゃったの
- レナ: あのときは、素直に謝るつもりだったのに かえでに助けられた恥ずかしさもあったせいか 結局、ツンツンしちゃったのよね
- レナ: でも、それでいいと思った
- レナ: 強がるレナを許してくれるかえでと それがムカつくけど嫌いにはなれないレナ
- レナ: かえでが無事だと安心して レナが無事だと安心してくれる
- レナ: なんかいびつだけど こんな関係がレナたちなんだって気づいたから
- レナ: 本当ならちゃんとかえでに これからも友だちでいたいって言いたかったけど
- レナ: 自分の本音がわかったことと 行動で示せるかは別の話
- レナ: そんな面倒臭いレナをかえではお見通しだから 向こうから友だちって言ってくれた
- レナ: それでもレナ、かえでには言ってやんなかったの
- レナ: レナたちはきっとさ、これからも こういう関係でいいって思ったから
- レナ: これで一区切り 丸く収まったって思ったけど
- レナ: レナの喜びを消すかのように それから少し経って かえでは急に姿を消しちゃったの
- レナ: このことが、レナが周りの抱える想いを 知ることになるきっかけだったの…
- レナ: レナは自分のことだけじゃなくて かえでのこともわかったような気でいたけど
- レナ: 本当は、そんなことあるわけなくて レナの勘違いだった
- レナ: レナ、かえでが何を抱えていたかなんて これっぽっちもわかってなかったのよ
- FILENAME: text_313092-4.txt
- レナ: かえでが姿を見せなくなったとき はじめは、またレナが余計なことを言っちゃって かえでがへそを曲げてるだけだって思ってたの
- レナ: いま考えると、本当にお気楽だった
- レナ: レナの知らないところで、かえではひとりで あんな大きな苦しみを抱えてたっていうのに
- レナ: レナがあのとき 一緒に背負ってあげられてたらって 何度もそう思った
- レナ: かえでがいない不安を誤魔化すように その頃のレナは いろはとうわさについて調べてた
- レナ: そこで話したのは ひとりぼっちの最果てについて
- レナ: レナは、ただの噂って思ってたけど いろはのところには変なメールがいくつも来てて
- レナ: その中には、いろはが魔法少女だってことを 知ってるような内容もあった
- レナ: だから、いろはは そのうわさを調べることにしたみたい
- レナ: あとで聞いた話だと、いろはも うわさの件で大変な目に遭ってたらしいけど
- レナ: その頃のレナは、かえでのことでいっぱいで いろはの抱えてることとか そんなに考えられてなかったのかも
- レナ: それから、突然ももこに 話があるって雨の中呼びだされた
- レナ: 最初は、雨の中なんなの!なんて思ってたけど ももこの顔を見たら、そんなこと言えなくなった
- レナ: だって、ももこのあんな辛そうな顔 レナは見たことなかったし
- レナ: なぜか、ももこがこれからレナの知らないことを 抱えているものを話すような気がしたから
- レナ: ももこと一緒にかえでが現れて ほっとしたのも、ほんの一瞬
- レナ: レナの嫌な予感は当たっちゃって …レナは、ももこから「真実」を知らされたの
- レナ: そう、それが魔法少女の真実ってやつよ
- レナ: それは、すぐには信じられないような内容で 怒りも悲しみも追いつかないくらい衝撃的だった
- レナ: でも、何より信じたくなかったのは こんなことをももこもかえでも いままで抱えてきたっていうこと
- レナ: レナだけが知らずにいたのよ
- レナ: このとき、やっとふたりの抱えていた想いを… 魔法少女の真実を知ることができた
- レナ: それは遅すぎるくらいだったけど ここまで知れば何か変わるって あの頃のレナはどこかで信じてたように思う
- レナ: だけど、まだ足りなかったの レナが知らなくちゃいけないことは
- FILENAME: text_313093-1.txt
- レナ: ふたりが抱えていた魔法少女の真実を知って 知らなかったことを知ったショックはあったけど どこかでレナは、安心してたのかもしれない
- レナ: これからはレナも、かえでやももこの想いを 一緒に背負っていけるって思ったから
- レナ: でも、それは甘い考えだった
- レナ: 悩みを共有して 自分のことも相手のことも気づけたけど
- レナ: それでもレナに見えてたものは、ほんの一部で まだまだ知らないことだらけだった
- レナ: …だから、あんなことになっちゃったの
- レナ: 今更、考えても仕方ないことだけど もっと知っていたら違う結果になったかも …なんて、たまに思っちゃうの
- FILENAME: text_313093-2.txt
- レナはこんなの嫌
- FILENAME: text_313093-3.txt
- レナ: 魔法少女の真実を知ったレナたちは かえでの紹介でマギウスの翼ってところに 入ることになったの
- レナ: そこは、異様な空気が漂っていて、 陰気な空気を出してる子たちが集まっていた
- レナ: あのとき、みんなは里見灯花っていう マギウスが話す解放に縋っていた
- レナ: 色んな人にレナの知らない想いがあるって 知った今なら理解はできるし 縋る気持ちもわかるけど
- レナ: それでも マギウスの翼がしてたことは間違ってたと思う
- レナ: 実際、レナは解放を胡散臭いと思ってたし その直感は当たってた…
- レナ: でも、あのときはドッペルがなかったら とっくに魔女化してたって思うと
- レナ: 解放を真正面から否定することもできなくて レナたちはマギウスの翼の 一員として過ごしていた
- レナ: だけど、最初に抱いた マギウスの翼への不信感は
- レナ: 次第に、レナの中で 確信の持てるものになっていった
- レナ: きっかけは、いくつもあったけど 決定打はかえでだった
- レナ: かえでは、ドッペルを何度も使ううちに どんどん体調が悪くなって
- レナ: おかしいって思ったレナは かえでを連れて逃げることを決めたの
- レナ: そういえば、途中で会ったいろはと一緒に 黒羽根がいたけど
- レナ: マギウスの翼に疑念を抱いていた羽根は レナたち以外にも、もしかしたらいたのかも…
- レナ: いまとなっては、もう確認できないけど
- レナ: それから、いろはたちと協力しながら フェントホープの中を進んでいったけど 急にかえでの様子がおかしくなって
- レナ: ドッペルを出したと思ったら そのまま飲み込まれちゃったの
- レナ: どうしたら…って一瞬弱気にもなったけど かえでを助けるのは、レナだから
- レナ: このときのレナは、もうかえでのことを 大事な友だちだってわかってたし 変に強がっちゃうこともあんまりなくなってた
- レナ: だから、いろはたちと力を合わせて かえでのドッペルを抑えたの
- レナ: だけど、かえでは元には戻らなかった
- レナ: なにが起きてるのか、レナには全然わからなくて ただ、怖かった
- FILENAME: text_313093-4.txt
- レナ: 自分のことに気づいて かえでとももこのことも気づいて
- レナ: 少しずつ周りは見えてきたけど レナはいつだって遅すぎる この時だってそう
- レナ: いま考えるとね もっと早く色んなことに気づいて どうにかするべきだったのよ
- レナ: かえでの異変は知ってたし マギウスの翼に対する疑念だってあった
- レナ: なのに逃げることしかしなかったから あんなことになっちゃったんじゃないかって 何度もレナは、レナ自身を責めた
- レナ: ドッペルと融合したかえでを いろはたちと抑えることはできたけど
- レナ: かえでは、そのまま戻らなくなっちゃったの
- レナ: そこに現れたのがみたまさん
- レナ: みたまさんはそのまま、隔離だとか言って かえでを閉じ込めた
- レナ: 確かに、みたまさんがドッペルを危ないって そう言っていたことはあったけど こんなことになるなんて聞いてなかった
- レナ: みたまさんに問いただすももこの声を聞きながら レナはただ、変わり果てたかえでを見て どうしたらよかったんだろうなんて考えてた
- レナ: レナは、ここでもなんにも知らなかったから
- レナ: みたまさんは、かえでのことを 生きてるだけマシだなんて言ったけど
- レナ: 閉じ込められて、ただ死んでいないだけなんて こんなの、レナは嫌だった
- レナ: すぐケンカになって、またレナが悪者になっても それでもかまわないから レナは、かえでに戻って欲しかった
- レナ: かえでは、レナの友だちで、居場所だから
- レナ: あのときは、何も言ってくれなかった みたまさんに怒りが湧いたけど
- レナ: あとになってから、ドッペルを使うかえでを 止められなかったレナ自身への怒りも湧いてきた
- レナ: だって、ドッペル化のデメリットを知らずに ドッペルを使うかえでを止めなかったのは 確かにレナたちで
- レナ: 何度、かえでのドッペルに救われたかわからない
- レナ: でも…やっぱり今さらだけど思っちゃう
- レナ: …もしもドッペル化のデメリットを そのときからレナたちがちゃんと知っていたら…
- レナ: そうしたら、こんなことには ならずにすんでいたのかもしれないって…
- レナ: レナは、何も知らなかった
- レナ: 魔法少女のことだって ドッペルのことだってそうだけど
- レナ: お節介なももこが、どれだけ レナたちのことを考えてくれていたかだとか
- レナ: かえでがひとりで、どんなに苦しんだかとか そんな近くの仲間のことも…
- レナ: いまもまだ、知らないことばっかりだし 全部を知るなんて、きっとできない
- レナ: それでも、レナは大事なことを知ってる
- レナ: みんなが色んな想いを抱えていて 想い、想われて生きてることを
- レナ: レナは、もう前までのレナじゃない
- レナ: いままでのことは変えられないけど これからのことは、きっと変えていける
- レナ: レナのことを想ってくれる 大事な友だちと一緒に
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