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Kazumi Subaru MSS JP Text

Oct 20th, 2021 (edited)
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  2. <神浜市>
  3. 昴 かずみ: おー、着いたね! 神浜市
  4. 御崎 海香: 相変わらずにぎやかな町ね ま、あすなろ市も負けてないけど
  5. 昴 かずみ: あれ?
  6. 昴 かずみ: あそこに あんなお店あったっけ?
  7. 御崎 海香: 神浜市では大きな災害が あったばかりだし
  8. 御崎 海香: 町の景色が変わるのも 仕方ないわね
  9. 昴 かずみ: そっか…心が痛むけど
  10. 昴 かずみ: みんなが前を向いてる証でも あるよね
  11. 牧 カオル: そうだな、その通りだよ
  12. 牧 カオル: 以前と違うといえば…
  13. 牧 カオル: 町の景色もだけど かずみもだよな
  14. 昴 かずみ: …………あ! それもそうだね
  15. 昴 かずみ: 前、神浜市に来たときのわたしは “昴かずみ”じゃない ただの“かずみ”だったけど…
  16. 昴 かずみ: 今のわたしは 本物の“人間”になった 昴かずみだから!
  17. 昴 かずみ: …今日会うみんなには 話した方がいいかな?
  18. 昴 かずみ: その…人間になったってこと…
  19. 牧 カオル: うーん その話をするってことは…
  20. 御崎 海香: “聖団”の話にも なってしまうわね…
  21. 昴 かずみ: そっか…
  22. 昴 かずみ: わたしはみんなの 気持ちを知ってるけど
  23. 昴 かずみ: 初めて聞く人は びっくりしちゃうよね
  24. 御崎 海香: ごめんなさい、かずみ
  25. 昴 かずみ: わたしこそ 変な話にしちゃってごめん
  26. 牧 カオル: あたしから言い出しといて なんだけど
  27. 牧 カオル: 変化って言っても 髪が伸びたくらいだし
  28. 昴 かずみ: 伸びすぎ!って 突っ込まれるかも
  29. 御崎 海香: そのロングヘアは 年単位で伸ばさないと無理よね
  30. 牧 カオル: 逆に言えばそのくらいしか 違いはないんだけど
  31. 昴 かずみ: …ま、なるようになるか!
  32. 御崎 海香: さ、そろそろ向かいましょう
  33. 御崎 海香: 最初の目的地は… みかづき荘ね
  34.  
  35. FILENAME: text_340141-2.txt
  36. <みかづき荘>
  37. 鶴乃: こうかな、まなか先生!
  38. 胡桃 まなか: 先生はやめてください!
  39. 鶴乃: いや、でも今日はわざわざ 指導に来てもらってるし…
  40. 胡桃 まなか: とにかく普段通りで お願いします!
  41. 胡桃 まなか: じゃあ次は野菜を 切りますよ!
  42. 鶴乃: よしきた!
  43. トントントントン…
  44. 胡桃 まなか: あ、この場合はシズレの様な 丁寧な切り方はよくなくて
  45. 胡桃 まなか: 粗いきざみ方… コンカッセが相応しいです!
  46. 鶴乃: コ、コンカッセ!? …こうかな?
  47. タンタンタン…
  48. 胡桃 まなか: それはアッシェですね
  49. 鶴乃: 難しい!
  50. 胡桃 まなか: それもそうですね… そんな急にできないですよね
  51. 鶴乃: ううん、頑張る! 妥協はしたくないもんね!
  52. やちよ: せっかくあすなろ市から
  53. やちよ: かずみさんたちが 来てくれるんだしね
  54. 鶴乃: そうそう、カッコ悪いところは 見せられないよっ!
  55. 鶴乃: なんたって今日はかずみたち
  56. 鶴乃: あすなろ市の魔法少女たちを 迎えてのお食事会!
  57. 鶴乃: 前回かかわりのあった子たちも 呼んであるし…
  58. 鶴乃: この際 万々歳のプライドは放り投げて
  59. 鶴乃: まなか先生の全面プロデュースで
  60. 鶴乃: おもてなしすることに 決めたんだからね!
  61. 胡桃 まなか: そこまで言われては こちらも妥協はできませんね
  62. 胡桃 まなか: 徹底的に指導 させていただきます!
  63. いろは: じゃあ、そろそろ時間だし 私たちは外そうか
  64. 鶴乃: あ、うん、ごめんね
  65. うい: レナさんたちも来るから
  66. うい: お部屋がぎゅうぎゅうに なっちゃうもんね
  67. さな: ゆっくり楽しんでください…
  68. 鶴乃: うん、ありがと!
  69. やちよ: さ、お料理急がないと お客さんたちが到着するわよ
  70. 胡桃 まなか: ところで今日のスケジュールって どうなってるんでしたっけ
  71. 鶴乃: えっと…
  72. 鶴乃: まず12時からみかづき荘にて
  73. 鶴乃: あすなろ市から来たかずみたちとお食事会!
  74. 鶴乃: そのあとお昼過ぎからは お食事会に参加しなかったメンツも加わって かずみたちを神浜案内!
  75. 鶴乃: 前回、かずみたちと かかわりのあった魔法少女全員に
  76. 鶴乃: 声をかけたはずだよっ!
  77. 鶴乃: あとは肝心の料理だけど…
  78. 胡桃 まなか: まだまだ大変な工程が 残ってるので頑張りましょう!
  79. 胡桃 まなか: まだ時間はありますが のんびりもしていられません
  80. ピンポーン
  81. やちよ: あら、もしかして…
  82. 昴 かずみ: おじゃましまーす!
  83. 鶴乃: わあ、いらっしゃい! 久しぶりだね
  84. 鶴乃: …というか めちゃくちゃ髪伸びてる!?
  85. 牧 カオル: さっそく突っ込まれた!
  86. 昴 かずみ: あ、いいニオイ これは…料理中だね!
  87. 御崎 海香: 着くのが早すぎたかしら?
  88. 鶴乃: そのとーり! ただいま食事は絶賛準備中だよ!
  89. 牧 カオル: 邪魔しちゃ悪いし その辺で暇つぶしてくる?
  90. 鶴乃: 大丈夫! そのままリビングで待ってて!
  91. 御崎 海香: じゃあ、お言葉に甘えましょうか
  92. 昴 かずみ: うーん 食事の準備中なら…
  93. 昴 かずみ: わたしも一緒に料理したいなっ!
  94.  
  95. FILENAME: text_340141-3.txt
  96. 昴 かずみ: よし、これで完成!
  97. 鶴乃: はやっ!? わたしの出る幕ナシじゃん!
  98. 胡桃 まなか: さすがの腕前です
  99. やちよ: ごめんなさいね 結局手伝わせちゃって…
  100. 昴 かずみ: ううん みんなと一緒で楽しいよっ!
  101. ピンポーン
  102. やちよ: あ、みんなも来たようね
  103. 鶴乃: …って、結構ギリギリだった?
  104. やちよ: 手伝ってもらってよかったわ
  105. 鶴乃: えー、では
  106. 鶴乃: かずみ、海香、カオルとの 再会を祝して
  107. みんな: かんぱーい!
  108. みんな: 「かんぱーい!」
  109. 昴 かずみ: わ、このハンバーグおいしい!
  110. 昴 かずみ: 柔らかい歯ざわり… かなりの高級材料の感触
  111. 昴 かずみ: これは…サーロイン?
  112. 胡桃 まなか: その通り! 相変わらずのグルメ舌ですね
  113. 鶴乃: まなかちゃんに監修してもらって 正解だったよ!
  114. みたま: 声をかけてくれたら わたしも手伝ってあげたのにぃ
  115. レナ: もしそうなってたら 今ごろ大惨事だったわね…
  116. 阿見 莉愛: …次の品は何かしら
  117. 鶴乃: ふふふ…よくぞ聞いてくれました
  118. 鶴乃: 次はうずら卵のオムレツと 伊勢海老のテルミドール!
  119. 眞尾 ひみか: おぉー!? お店のコースみたいです!
  120. みたま: 当然よぉ
  121. みたま: まなかちゃんの監修した お料理だものねぇ?
  122. 胡桃 まなか: はい! 「洋食ウォールナッツ」の名に
  123. 胡桃 まなか: 恥じない出来映えと 自負しています!
  124. レナ: …あの、ところでさ
  125. レナ: なんか雰囲気変わったわよね?
  126. かえで: 髪が伸びたからだと思うよぉ?
  127. レナ: それは見ればわかるわよ! バカにしてるわけ?
  128. かえで: ふゅ!? ご、ごめんね…
  129. 矢宵 かのこ: ふーん、確かに前とは 髪だけじゃなく、雰囲気が違う…
  130. 矢宵 かのこ: 新しい服をデザインしてみたく なってきたかも…
  131. 昴 かずみ: わ、ありがとう!
  132. 矢宵 かのこ: どのきのこを モチーフにするのがいいかな…
  133. 阿見 莉愛: ちょっと待って きのこは決定なの!?
  134. みたま: トリュフ型のボタンなんて どうかしらぁ?
  135. 阿見 莉愛: そこ、乗らないでくださる!?
  136. 昴 かずみ: あはは…
  137. 眞尾 ひみか: …ねえ ちょっと聞いていいかな
  138. 眞尾 ひみか: 前に会ったときは 記憶喪失って言ってたけど
  139. 眞尾 ひみか: 少しは思い出せたの…?
  140. 昴 かずみ: あ…えっと…
  141. 昴 かずみ: (ちょっと嘘に なっちゃうけど…)
  142. 昴 かずみ: うん、記憶は戻ったの
  143. 昴 かずみ: だから今は普通の中学生として 生活してる
  144. 昴 かずみ: 海香やカオルと同じ学校でね!
  145. やちよ: それは何よりだったわね
  146. 御崎 海香: ふぅ、お腹いっぱい
  147. 牧 カオル: こんなに食ったの 久しぶりだな
  148. 鶴乃: うんうん
  149. 鶴乃: 慣れない洋食メニューだったけど 頑張ったかいがあったよ!
  150. 昴 かずみ: あれ? もう終わり?
  151. 昴 かずみ: 万々歳の中華料理 楽しみにしてたんだけどな?
  152. やちよ: 今回、鶴乃は 中華料理を封印したのよね
  153. 鶴乃: うん…せっかく来てくれたのに 50点の料理じゃ悪いからねっ!
  154. 昴 かずみ: そうだったんだ
  155. 昴 かずみ: ………… …………
  156. 昴 かずみ: じゃあ デザートは杏仁豆腐にしようよ!
  157. 鶴乃: え…?
  158. 昴 かずみ: 万々歳って 出前もやってるんでしょ?
  159.  
  160. FILENAME: text_340141-4.txt
  161. フェリシア: お待たせ! 杏仁豆腐だぞ!
  162. フェリシア: にしても、いきなり11人前とか なんなんだよ
  163. フェリシア: 鶴乃のオヤジ、ちょー慌ててたぞ
  164. 鶴乃: いやー、いろいろあってさ とにかくありがと、フェリシア!
  165. 昴 かずみ: …これこれ! ん~、甘くておいしいね
  166. 鶴乃: ありがと!
  167. 鶴乃: …でもね、この杏仁豆腐
  168. 鶴乃: そろそろメニューから 外す予定なんだよね
  169. 昴 かずみ: えっ、なんで!? こんなに美味しいのに!?
  170. 鶴乃: いやー、実はうちの杏仁豆腐 全然人気なくってさ
  171. 昴 かずみ: そうなの?
  172. レナ: 確かに頼んでる人 あんまり見たことないわね
  173. 昴 かずみ: 信じられない…! おいしいと思うけど?
  174. かえで: おいしくないわけじゃ ないんだよね
  175. レナ: うん、でもリピートしたくなる ほどじゃないって感じ
  176. みたま: おいしくない杏仁豆腐って あんまり聞いたことがないわぁ
  177. 阿見 莉愛: …早い話が、普通ってことね?
  178. やちよ: 杏仁豆腐としては 50点ということかしら
  179. 鶴乃: うぐっ… 要はそういうことみたい
  180. 鶴乃: いろいろ工夫してみたけど…
  181. 鶴乃: 「これ!」っていう味に ならないんだよねー
  182. 胡桃 まなか: …………
  183. 胡桃 まなか: もしかしたら、 油の多い中華のあとでは
  184. 胡桃 まなか: この濃厚さが 少し重いのかもしれないです
  185. 眞尾 ひみか: あ、それわかる
  186. 鶴乃: ほっ? ちょっとクドいってこと?
  187. 昴 かずみ: そこがちょっと変わってて いいと思うんだけどなー!
  188. 昴 かずみ: 食後には合わないのかな?
  189. 昴 かずみ: だったらそれを改善すれば 人気メニューになるかも!
  190. 鶴乃: クドいんだ…じゃあ シロップを薄味に変えるとか?
  191. 阿見 莉愛: 発想が地味ですわ!
  192. やちよ: 確かに「薄味にしました」じゃ 売り文句にならないわね
  193. 胡桃 まなか: かと言って、あれこれ盛っても 余計にクドくなるのでは…?
  194. やちよ: たぶん値段も上がるわね
  195. 鶴乃: ただでさえ人気がないのに 値上げは無理だよ!
  196. 御崎 海香: 値段を上げずに クドさを解消する…
  197. 牧 カオル: 難しいなー
  198. 牧 カオル: かずみはどう? いいアイディアとかある?
  199. 昴 かずみ: う~ん…どうしよう…
  200. 牧 カオル: ぱっとは出ないか
  201. 牧 カオル: かずみが得意なのは やっぱイタリアンとかだもんな
  202. 昴 かずみ: イタリアン… そうだ!
  203. 鶴乃: どうしたの?
  204. 昴 かずみ: 杏仁豆腐は器の半分の量にして 残りを果物ゼリーにするのは?
  205. 昴 かずみ: ティラミスみたいに 挟んだりして
  206. 鶴乃: 冷蔵庫にあったぶどうゼリーで 試しに作ってみたけど…
  207. レナ: …………
  208. レナ: ああっ!?
  209. 鶴乃: ほっ!? それどういう反応?
  210. レナ: 何これ? すっごい美味しいんだけど?
  211. かえで: うん…びっくりした
  212. 矢宵 かのこ: 元は同じ杏仁豆腐なのに さわやかな口どけで
  213. 矢宵 かのこ: これはハマるね
  214. みたま: 見た目もトレンディだし ピチピチギャルに人気が出そう♪
  215. 阿見 莉愛: いつの時代の言葉ですの!?
  216. 胡桃 まなか: 杏仁豆腐が減ってる分 原価もあまり変わりません
  217. 胡桃 まなか: 値上げもなくお客様にも喜ばれる いいアイディアです
  218. 胡桃 まなか: これはきっと 人気メニューになりますよ!
  219. 昴 かずみ: おおっ まなかさんのお墨付き!?
  220. 鶴乃: よかった~!
  221. 鶴乃: いやー、あまりにも 50点50点って言われるから
  222. 鶴乃: ちょっと自信なくなっちゃってて
  223. やちよ: だから今回は 胡桃さんに頼ってしまったのよね
  224. 鶴乃: うん、でも次は
  225. 鶴乃: 自信を持って万々歳の料理を 出せるように頑張ってみるよ!
  226. 鶴乃: ありがと、かずみ!
  227. 昴 かずみ: どういたしまして!
  228. 昴 かずみ: この町にも、仲間がいる… 神浜に来てよかった
  229.  
  230. FILENAME: text_340142-1.txt
  231. 昴 かずみ: ごちそうさま!
  232. 牧 カオル: えっと、次の予定は…?
  233. 鶴乃: お食事会のあとは、神浜案内!
  234. 鶴乃: かこちゃんたちが迎えに 来てくれる予定だよ!
  235. ピンポーン
  236. 御崎 海香: 来たみたいね
  237. 御崎 海香: かこさん! お久しぶりね
  238. 御崎 海香: ここに来たということは もしかして…
  239. 夏目 かこ: はい、神浜市の案内は 私たちが担当します
  240. 鶴乃: そういえば 3人が神浜に来るって話
  241. 鶴乃: かこちゃんから 最初に聞いたんだよね
  242. 夏目 かこ: あ…海香さんから私に 連絡があったんです
  243. 御崎 海香: 実はね、前に神浜を訪れたあと
  244. 御崎 海香: あすなろ市で偶然 かこさんに会ったのよ
  245. 鶴乃: ほっ、そうなの!?
  246. 夏目 かこ: はい…それがきっかけで
  247. 夏目 かこ: また神浜市に来てください… って話になって…
  248. <あすなろ市>
  249. 御崎 海香: あすなろ現代美術館… 何かやってるみたいね
  250. 御崎 海香: アリナ・グレイ展…?
  251. 御崎 海香: ちょっと寄ってこうかしら
  252. 御崎 海香: (こういう表現もあるのね…)
  253. 御崎 海香: (わかりやすくはないけど)
  254. 御崎 海香: (生と死に向き合おうとする 強い思いは伝わってくる)
  255. かこの声: あれ? もしかして…
  256. 御崎 海香: ん?
  257. 夏目 かこ: やっぱり…! 御崎海香先せ…海香さん!
  258. 御崎 海香: かこさん… どうしてここに…?
  259. 夏目 かこ: 私…いろんな町で 古書店巡りをするのが好きで
  260. 夏目 かこ: 今回はあすなろ市を 回ってたんです
  261. 夏目 かこ: …あ、なのに美術館に入ったのは
  262. 夏目 かこ: 聞いたことがある 名前だなと思ったからで…
  263. 御崎 海香: そういうことね
  264. 御崎 海香: 事前に言ってくれれば ちゃんとおもてなししたのに
  265. 夏目 かこ: そんな!
  266. 夏目 かこ: だって海香さん お忙しい…ですよね…?
  267. 御崎 海香: 遠慮は無用! まあ、それはそれね
  268. 御崎 海香: せっかく来たんだし このあと古書店案内をしてあげる
  269. 夏目 かこ: ええっ…いいんですか?
  270. 御崎 海香: もちろん
  271. 夏目 かこ: …じゃあ、海香さんもいつかぜひ 神浜市に遊びに来てください
  272. 夏目 かこ: そのときは 私が神浜を案内します…!
  273. 御崎 海香: いいわね、よろしくお願いするわ
  274. 鶴乃: そんな裏話があったとは!
  275. 夏目 かこ: はい…
  276. 夏目 かこ: あっ…ななかさんとは みなさん初めましてですよね?
  277. 牧 カオル: あ…
  278. 昴 かずみ: うん
  279. 常盤 ななか: 直接対面するのは 初めてですね
  280. 常盤 ななか: 常盤ななかと申します
  281. 御崎 海香: あっ、確か…
  282. 御崎 海香: かずみやカオルとはぐれたとき 情報をくれた…?
  283. 御崎 海香: あのときは本当に助かりました ありがとうございます!
  284. 常盤 ななか: ふふ お役に立てたようで何よりです
  285. 昴 かずみ: 神浜案内かー どこ行くんだろう?
  286. 牧 カオル: せっかくだし
  287. 牧 カオル: 海香が行ったっていう 夏目書房も寄ってみたいけどな
  288. 常盤 ななか: ええ、そう仰ると思って
  289. 常盤 ななか: まずは夏目書房を 案内することにしてあります
  290.  
  291. FILENAME: text_340142-2.txt
  292. 昴 かずみ: …あ、この本!
  293. 牧 カオル: …ん? 「初恋はミルキーウェイ」?
  294. 牧 カオル: かずみが最近ハマったやつだな
  295. 志伸 あきら: どんな本なの?
  296. 昴 かずみ: ラブコメなんだけど あんまり詳しく言うと
  297. 昴 かずみ: ネタバレになるかも
  298. 昴 かずみ: でも、17巻からの展開は 本当にすごいから
  299. 昴 かずみ: 絶対読んでみて!
  300. 純 美雨: 初心者に勧めるには 17巻は多くないカ?
  301. 常盤 ななか: そこまで追いかけた人は すでにファンなのでは…?
  302. 昴 かずみ: むぅ…確かに…!
  303. 昴 かずみ: ここ、海香の本もあるのかな?
  304. 夏目 かこ: はい、こっちにコーナーが…
  305. 志伸 あきら: さすがベストセラー作家だね!
  306. 夏目 かこ: 海香さんの本、最近 若い子にすごく人気みたいで
  307. 夏目 かこ: 入ってきても すぐに売れてしまうくらいです…
  308. 志伸 あきら: あ、テレビでもこの間 海香さんを取り上げてたよね
  309. 志伸 あきら: 中学生の売れっ子作家って!
  310. 常盤 ななか: 確か日本文化を紹介する
  311. 常盤 ななか: フランスのコンベンションに 招待された…とか?
  312. 御崎 海香: う、みんな見てたのね
  313. 御崎 海香: あの映像、映りが悪くて ちょっと恥ずかしいのよ…
  314. 昴 かずみ: くんくん… メンチカツのいい匂い!
  315. 夏目 かこ: この商店街の名物ですね
  316. 昴 かずみ: そうなんだ!
  317. 志伸 あきら: でも、この商店街の 一番の名物は…ここだよ
  318. 昴 かずみ: え…? あ、ここは!
  319. 木崎 衣美里: おぉーー!? なんかゾロゾロお客さんがー!
  320. 志伸 あきら: ゾロゾロって… ちゃんと伝えてあったよね?
  321. 木崎 衣美里: 言ってみただけだし! ビバ!相談所へようこそ!
  322. 昴 かずみ: エミリー!
  323. 木崎 衣美里: かずみん、やっほ! …てか、えっ?
  324. 志伸 あきら: 何、その反応?
  325. 昴 かずみ: …どうかした?
  326. 木崎 衣美里: 髪!髪! ちょっと伸びすぎじゃね!?
  327. 牧 カオル: やっぱそこに食いつくよね…
  328. 昴 かずみ: 前に神浜市へ来たとき
  329. 昴 かずみ: ここには すっごくお世話になったよね!
  330. 都 ひなの: 魔法少女総出で 大騒動だったみたいだな
  331. 木崎 衣美里: まーでも結果オーライっしょ?
  332. 木崎 衣美里: こんだけたくさんの人が つながれたし!
  333. 竜城 明日香: そうそう、決して悪い思い出では ありません
  334. 美凪 ささら: だからこそ、あすなろ市の みんなが来るって聞いて
  335. 美凪 ささら: 今日も これだけの人が集まったんだしね
  336. 空穂 夏希: カオルも久しぶり!
  337. 牧 カオル: 夏希! うん、久しぶり!
  338. 空穂 夏希: それじゃ、みんな合流したとこで
  339. 空穂 夏希: …次はショッピングへGO!
  340.  
  341. FILENAME: text_340142-3.txt
  342. 昴 かずみ: うーん いい買い物ができたかも!
  343. 牧 カオル: かずみは何買ったの?
  344. 昴 かずみ: これ! キラキラのヘアピン!
  345. 昴 かずみ: カオルは?
  346. 牧 カオル: まだ… スポーツショップはある?
  347. 空穂 夏希: それなら、おすすめのお店が!
  348. 牧 カオル: よし、これにしようかな
  349. 空穂 夏希: 何買うの?
  350. 牧 カオル: 迷彩柄のリストバンド 試合じゃ使えないけどね
  351. 空穂 夏希: 試合…
  352. 空穂 夏希: あっ、そうだ! お祝い言ってなかった!
  353. 空穂 夏希: U-18の全日本女子代表の メンバーに選ばれたんだよね
  354. 空穂 夏希: おめでとうございます!
  355. 牧 カオル: ああ、ありがとう
  356. 木崎 衣美里: へっ…全日本ってあの全日本? マジで!?あの全日本?
  357. 牧 カオル: うん、たぶんその全日本
  358. 木崎 衣美里: マジかー!! 全日本様にタメ口きいちゃったよ
  359. 志伸 あきら: 何の話かわからなくなってきたよ
  360. 空穂 夏希: …あのね、前会ったときも 全日本の代表だったんだけど
  361. 空穂 夏希: そのときはU-15っていう 中学生以下の年代の代表だったの
  362. 空穂 夏希: 今度はU-18って言って
  363. 空穂 夏希: 高校生やクラブチームの 所属選手に交じっての大抜擢!
  364. 都 ひなの: 衣美里が高校生の全国模試で 全国トップになるくらいの話だな
  365. 木崎 衣美里: マジマジ? じゃー甲子園とかも出ちゃう?
  366. 都 ひなの: そもそも競技が違うんだが…
  367. 志伸 あきら: サッカーの話だからね でも本当にすごいよ!
  368. 空穂 夏希: すっかり雲の上の存在だよね
  369. 牧 カオル: おいおい、やめてくれよ
  370. 牧 カオル: ちょっと出世はしたけど あたしはあたしだよ
  371. 牧 カオル: これまで通り接してくれれば それでいいよ
  372. 空穂 夏希: 本当!? また応援してもいい?
  373. 牧 カオル: 当然だよ!
  374. 空穂 夏希: よーし、それじゃ遠慮なく
  375. 空穂 夏希: ゴー!ファイト!ウィン!
  376. 昴 かずみ: …………
  377. 昴 かずみ: いろんなことが変わっても 友情は変わらない…
  378. 昴 かずみ: うん、そうだよね
  379. 御崎 海香: 次はどこに行くの?
  380. 夏目 かこ: 海浜公園です
  381. 純 美雨: 思う存分遊ぶといいネ
  382.  
  383. FILENAME: text_340142-4.txt
  384. 昴 かずみ: オルカショー、楽しかったー! シャチって賢いんだね!
  385. 常盤 ななか: 次はどこへ向かいましょう?
  386. 「キャーーー!!」
  387. 昴 かずみ: わっ! 何!?
  388. 竜城 明日香: 今のは…近くの遊園地からですね ジェットコースターがあるんです
  389. 美凪 ささら: あすなろ市にも有名な遊園地が あったよね
  390. 昴 かずみ: うん、ラビ―ランド!
  391. 昴 かずみ: わたしも海香やカオルと よく行ってる!
  392. 牧 カオル: 海香は毎回 声がガラガラになるんだ
  393. 御崎 海香: あ、ちょっと…!
  394. 木崎 衣美里: なんで!? 遊園地で絶叫大会とかするの?
  395. 都 ひなの: アタシはむしろ その発想がわからないんだが…
  396. 昴 かずみ: ずっと叫んでるんだよ コースターでもお化け屋敷でも
  397. 木崎 衣美里: うみかみん 意外と怖がり?
  398. 純 美雨: 遊園地が好きだたカ?
  399. 常盤 ななか: でしたら予定を変更して 案内致しますが
  400. 志伸 あきら: アトラクションひとつくらいなら この時間からでもいけるよね
  401. 御崎 海香: 変な期待をされてる気がするから 遠慮しておくわ…
  402. 夏目 かこ: では…近くのお店で お茶でもどうでしょう?
  403. 昴 かずみ: この味…! バナナとリンゴは確実に入ってる
  404. 昴 かずみ: あとローズマリー!
  405. 木崎 衣美里: おぉおおーーー!? 何でわかったし!
  406. 志伸 あきら: スムージーのレシピ当てなんて よくできるよね…
  407. 昴 かずみ: バナナはすぐわかるよ! ハーブもクセが強いのは簡単
  408. 空穂 夏希: カオルはわかる?
  409. 牧 カオル: 全然、からっきし
  410. 竜城 明日香: それが普通ではないかと…
  411. 美凪 ささら: このお店、神浜では 最近ちょっと人気なんだけど
  412. 美凪 ささら: あすなろ市の子は どういうお店に行くの?
  413. 御崎 海香: そうね… 流行ってるお店とかあったかしら
  414. 牧 カオル: …「レパ・マチュカ」
  415. 牧 カオル: あそこのラズベリーパイ めちゃくちゃ話題だよね
  416. 木崎 衣美里: 何それ? 知ってないとヤバイ系?
  417. 昴 かずみ: あ、そういうんじゃなくて 喫茶と軽食の小さなお店
  418. 夏目 かこ: 前に海香さんと お話したお店ですね
  419. 夏目 かこ: テレビでも紹介されていた 素敵な洋食屋さん
  420. 木崎 衣美里: あー、思い出した!
  421. 木崎 衣美里: 前会ったとき、かずみんが そのお店のチラシ持ってた!
  422. 昴 かずみ: そう、そのお店!
  423. 昴 かずみ: わたし、店長さんと知り合いで お気に入りの店なんだけど
  424. 昴 かずみ: 近頃、有名になっちゃって 満席で入れないこともあるんだ
  425. 牧 カオル: さっき言った
  426. 牧 カオル: ラズベリーパイってのが 人気爆発しちゃってさ
  427. 志伸 あきら: 他にどんなメニューがあるの?
  428. 昴 かずみ: やっぱり目玉は バケツパフェ!
  429. 夏目 かこ: バケツ…?
  430. 木崎 衣美里: 何それやばくね!? バケツにパフェが入ってるとか?
  431. 昴 かずみ: 嘘みたいだけどそうなの!
  432. 都 ひなの: そのまんまだな…
  433. 竜城 明日香: あの、採算とか どうなってるんでしょうか?
  434. 御崎 海香: …絶対取れてない
  435. 志伸 あきら: だよね…
  436. 牧 カオル: かずみのゴリ押しでメニューに 入れてもらったらしいんだよね
  437. 牧 カオル: 店長の立花さんは、やたら かずみを甘やかすんだよねー
  438. 昴 かずみ: あと、忘れちゃいけないのは 裏メニューのイチゴリゾット!
  439. 木崎 衣美里: イチゴリゾット!?
  440. 牧 カオル: もう説明はいらないと思うけど…
  441. 都 ひなの: …イチゴを使った リゾットなんだな
  442. 木崎 衣美里: ヤバ!超食べたい!
  443. 昴 かずみ: 本当? だったら作ってあげる!
  444. 木崎 衣美里: かずみんが?
  445. 昴 かずみ: うん、得意! レシピは知ってるし!
  446. 昴 かずみ: どうせならバケツパフェも ラズベリーパイも
  447. 昴 かずみ: 挑戦しちゃおうか!
  448. 昴 かずみ: まんま再現は できないかもしれないけど!
  449. 木崎 衣美里: マジで!? あーし、乗った!
  450. 御崎 海香: …って言うけど どこで作るの?
  451. 昴 かずみ: うーん、どうしよ?
  452. 空穂 夏希: それなら ウォールナッツはどうかな?
  453. 昴 かずみ: まなかさんのお店?
  454. 空穂 夏希: 今日はお休みだから キッチン貸してくれるかも
  455. 空穂 夏希: ちょっと連絡してみるね
  456. 昴 かずみ: …どうだった?
  457. 空穂 夏希: オッケーだって!
  458. 昴 かずみ: ありがとう!
  459. 昴 かずみ: じゃあさっそく 買い出しに行ってくる!
  460. 美凪 ささら: ひとりで行っちゃうの? みんなで行こうよ
  461. 昴 かずみ: わたし、結構こだわるから 買い出しはひとりがいいな
  462. 昴 かずみ: 大丈夫、遠慮とかしてないから!
  463. 常盤 ななか: ウォールナッツの場所は わかりますか?
  464. 昴 かずみ: うん!
  465. 昴 かずみ: じゃあみんな ウォールナッツで待ってて!
  466. 昴 かずみ: とびっきりのイチゴリゾットを 作るからね!
  467.  
  468. FILENAME: text_340143-1.txt
  469. 昴 かずみ: しまった… ひとりで出たはいいけど
  470. 昴 かずみ: 商店街ってどこか 知らなかった…!
  471. 七瀬 ゆきか: ん…?
  472. 七瀬 ゆきか: あのぉ… 何かお困りでしょうか?
  473. 昴 かずみ: こんにちは! うん、ちょっと迷子っていうか
  474. 昴 かずみ: 食材を買い出しに 行きたいんだけど
  475. 昴 かずみ: お店を知らなくって…
  476. 七瀬 ゆきか: どんな食材をお探しなんです?
  477. 七瀬 ゆきか: …なるほど、それでしたら
  478. 七瀬 ゆきか: この先にある水徳商店街で 全部揃うと思います
  479. 七瀬 ゆきか: ちょうど、そこに見える 公園を抜けた先にありますっ
  480. 昴 かずみ: そうなんだね! すっごく助かっちゃう!
  481. 昴 かずみ: わたし、昴かずみ! あなたは?
  482. 七瀬 ゆきか: あっ…七瀬ゆきかと申します
  483. 昴 かずみ: ゆきかさん、ありとう! またね、ちゃおッ!
  484. 七瀬 ゆきか: どういたしましてっ
  485. 七瀬 ゆきか: それじゃ、わたしは ゲームセンターに…
  486. 七瀬 ゆきか: えっ…?
  487. 七瀬 ゆきか: ――っ!?
  488. 七瀬 ゆきか: 魔女!? 何か前触れとかありました?
  489. 七瀬 ゆきか: …昴さんに同行を 申し出なかったのは正解でした
  490. 七瀬 ゆきか: 一緒にいたら面倒事に 巻き込んでしまうところでしたっ
  491. 昴 かずみ: ~♪
  492. やちよの声: あら、かずみさん?
  493. 昴 かずみ: ん?
  494. 昴 かずみ: やちよさん! お昼ぶりだね!
  495. やちよ: ええ、すごい偶然ね みんなとは一緒じゃないの?
  496. 昴 かずみ: あ、料理を作ることになって ひとりでお買い物に!
  497. やちよ: ああ、水徳商店街に 向かうところだったのね
  498. 昴 かずみ: うん! やちよさんもお買い物?
  499. やちよ: 夕飯の買い出しにね
  500. やちよ: そしたらここで このふたりに会って…
  501. 昴 かずみ: ふたりは… やちよさんのお友だち?
  502. やちよ: そうね、ふたりとも友だちで 魔法少女仲間よ
  503. 昴 かずみ: なんと!?
  504. ねむ: 僕の名前は柊ねむだよ こっちは柊桜子
  505. 昴 かずみ: (柊…姉妹なのかな?)
  506. 万年桜のウワサ: |よろしく|
  507. 昴 かずみ: うん、よろしく! わたしは昴かずみ!
  508. 昴 かずみ: あすなろ市から来たんだ
  509. 万年桜のウワサ: |あすなろ市?|
  510. ねむ: 神浜市とは別の場所にある 大きな町だよ
  511. 万年桜のウワサ: |ふぅん…|
  512. 万年桜のウワサ: |いいところ?|
  513. 昴 かずみ: うん、いいところ!
  514. 万年桜のウワサ: |今日は何をしに来たの? 今は何をしてるの?|
  515. 昴 かずみ: え? え?
  516. ねむ: 初対面の人に質問責めはNG 対人関係の基本だよ
  517. 万年桜のウワサ: |あ、ごめん…|
  518. ねむ: 驚かせて悪かった 僕からも謝罪させてほしい
  519. 昴 かずみ: …………
  520. ねむ: どうしたのかな?
  521. 昴 かずみ: あ、なんか 姉妹ってイイなと思って!
  522. 昴 かずみ: のんびり屋さんのお姉さんを叱る しっかりものの妹さんって感じ!
  523. ねむ: ああ…
  524. 万年桜のウワサ: |私が…お姉さん?|
  525. 昴 かずみ: 違うの? 同じ柊って名字だし…
  526. 昴 かずみ: えっ、妹ってことはないよね?
  527. 昴 かずみ: ねむちゃんより 年下には見えないし
  528. 万年桜のウワサ: |年下かも…|
  529. 万年桜のウワサ: |高校生っていう設定だけど 本当はまだ0歳だし|
  530. 昴 かずみ: えっ!?
  531. やちよ: 言ってしまったわね
  532. ねむ: やちよさんの知り合いみたいだし 特別隠す必要もないかな…
  533. ねむ: 桜子はいわゆる人間とは違う 魔法で作られた存在なんだ
  534. ねむ: 厳密に言えば魔法少女でもない
  535. 昴 かずみ: 0歳の…作られた存在…
  536. ねむ: 少々受け入れがたいだろうけど…
  537. 昴 かずみ: そんなことない
  538. 昴 かずみ: ほんの少し前まで わたしも同じだったから
  539.  
  540. FILENAME: text_340143-2.txt
  541. 万年桜のウワサ: |同じ…?|
  542. 万年桜のウワサ: |かずみも、0歳なの?|
  543. 万年桜のウワサ: |少し前までって… 今は違うということ?|
  544. ねむ: 桜子、そういう態度は失礼だよ
  545. ねむ: …今の質問は忘れてほしい 繊細な問題だと思うし
  546. 昴 かずみ: ううん、いいよ
  547. 昴 かずみ: こういう話する機会 あんまりないし
  548. 昴 かずみ: 「元々、海香やカオルの仲間には わたしそっくりの和紗ミチルって子がいたんだ」
  549. 昴 かずみ: 「だけどあるとき その子は魔女になってしまったの」
  550. 昴 かずみ: 「悲しみに暮れた海香たちは クローンを作ったんだ…」
  551. 昴 かずみ: 「和紗ミチルともう一度 一緒に生きていきたいと願って」
  552. 昴 かずみ: 「そのうちのひとりが わたしだったんだ」
  553. 昴 かずみ: 「前に神浜市に来たときは まだわたしは不完全な人間… 魔法で作られたクローンのひとりだったの」
  554. 昴 かずみ: 「そのあと、いろいろあって わたしはキュゥべえにお願いしたんだ」
  555. 昴 かずみ: 「わたしを本物の人間にして、ってね」
  556. やちよ: そうだったのね… 全然気づかなかったわ
  557. やちよ: 言いにくいことを
  558. やちよ: 言わせてしまったのだとしたら ごめんなさい
  559. 昴 かずみ: ううん、どっちかというと
  560. 昴 かずみ: 仲間たちのこととか いろんな出来事
  561. 昴 かずみ: たくさん端折っちゃったから…
  562. 昴 かずみ: 今のでわかったかな…?
  563. 万年桜のウワサ: |わからない…|
  564. 昴 かずみ: …やっぱり?
  565. 万年桜のウワサ: |そうじゃない…|
  566. 万年桜のウワサ: |かずみはどうして 人間になりたかったの?|
  567. 万年桜のウワサ: |それが私には、わからない|
  568.  
  569. FILENAME: text_340143-3.txt
  570. 昴 かずみ: どうして人間に なりたかったのか…?
  571. 万年桜のウワサ: |私は人間には興味があるけど|
  572. 万年桜のウワサ: |でも、人間になりたいと 思ったことはないから|
  573. 昴 かずみ: …………
  574. 昴 かずみ: …そうだね
  575. 昴 かずみ: わたしも生まれてしばらくは
  576. 昴 かずみ: 人間じゃないことを 不便には思わなかった
  577. 万年桜のウワサ: |だったらどうして?|
  578. 昴 かずみ: う~ん なんでだろ?
  579. やちよ: 前に会ったときだって 私たちと普通に接していたし
  580. やちよ: まさか作られた存在だなんて 思わなかったわよ
  581. 昴 かずみ: そうだね わたし自身、言われるまで
  582. 昴 かずみ: 自分が人間じゃないことに 気づかなかったくらいだし…
  583. 昴 かずみ: でもね、キュゥべえに 奇跡を祈ったときは…
  584. 昴 かずみ: そのときはもう、時間がなかったの
  585. 昴 かずみ: 魔法で作られた肉体はとても不安定で
  586. 昴 かずみ: わたしは「わたし」を失いかけていた
  587. 昴 かずみ: だから…『本物の人間にして』 そう願ったの
  588. 昴 かずみ: わたしには すべきことがあった
  589. 昴 かずみ: 仲間の魔法少女たちを…
  590. 昴 かずみ: 海香やカオルたちを絶望で 終わらせないために
  591. 昴 かずみ: わたしは自分の足で 前に進む必要があったの
  592. 昴 かずみ: だから人間にしてもらった…
  593. 万年桜のウワサ: |…まだ、よくわからない|
  594. ねむ: そうかな 桜子にも理解可能な話だ
  595. ねむ: たとえば…
  596. ねむ: 桜子が明日いなくなることが 決まっていて
  597. ねむ: これ以上、お姉さんやういを 守れないとしたら?
  598. ねむ: でも、本物の人間になれば 守れるとわかっていて
  599. ねむ: それを願う機会があったら?
  600. 万年桜のウワサ: |それなら 人間になりたいと思うけど|
  601. 万年桜のウワサ: |…これで わかったことになるの?|
  602. やちよ: 理解してると思うけど
  603. やちよ: ちょっと伝わりきって ないかもしれないわね
  604. 万年桜のウワサ: |私が人間じゃないから わからない?|
  605. 昴 かずみ: 言葉じゃ これ以上は無理かもね
  606. 昴 かずみ: でも、食べればわかるよ!
  607. 万年桜のウワサ: |食べればわかる…?|
  608.  
  609. FILENAME: text_340143-4.txt
  610. 万年桜のウワサ: |食べればわかる…?|
  611. 万年桜のウワサ: |どういう意味?|
  612. 昴 かずみ: …これはね
  613. 昴 かずみ: ミチルが聞いた グランマの言葉なんだけど…
  614. 和紗 ミチル: よいしょっと …できた!
  615. グランマ: 「そうそう、上手ね」
  616. グランマ: 「イチゴは高くても新鮮なものを使うこと お米もイタリアのカロナーリがピッタリなのを 覚えておいて」
  617. 和紗 ミチル: うん…
  618. 和紗 ミチル: 忘れないよ、グランマ… …ひっく…
  619. グランマ: 「………… 辛いことがあって どうしたら良いかわからないときは お腹に聞きなさい」
  620. グランマ: 「お腹が減って食べたいと感じたら あなたはまだ生きたいと思ってるわ」
  621. グランマ: 「ご飯を食べたら あなたが食べた命のぶん がんばって生きなさい」
  622. グランマ: 「それが希望になる」
  623. グランマ: 「大丈夫 ヒトは決して 絶望なんかしないわ」
  624. 昴 かずみ: ミチルのグランマはそう言って
  625. 昴 かずみ: イチゴリゾットのレシピを ミチルに伝えたの
  626. 昴 かずみ: そして、わたしの料理の腕は
  627. 昴 かずみ: そのミチルから 受け継がれたものなんだ
  628. 昴 かずみ: だからイチゴリゾットは 絶望を超える希望のレシピ!
  629. 昴 かずみ: ひとくち食べれば
  630. 昴 かずみ: 人として生きることの意味も きっとわかる!
  631. 万年桜のウワサ: |お腹が空いたら生きたい証… それが人間…|
  632. 昴 かずみ: そう、わかってくれた?
  633. 万年桜のウワサ: |私はお腹が空かない… 食事もしない|
  634. 昴 かずみ: もしかして… 悪いこと言っちゃった?
  635. 万年桜のウワサ: |平気|
  636. 万年桜のウワサ: |それより、かずみの話 もっと聞きたい|
  637. 万年桜のウワサ: |食べることが生きる力になる 人間の心のことを|
  638. 万年桜のウワサ: |もっと知りたい|
  639. 昴 かずみ: …………あ! だったらさ!
  640. 昴 かずみ: これから一緒に イチゴリゾットを作ろうよ!
  641. 昴 かずみ: エミリーたちが ウォールナッツで待ってるから!
  642. 昴 かずみ: ねむちゃんやみんなのために 一生懸命料理を作って
  643. 昴 かずみ: みんなの食べる姿を見たら 感じるものがあるはずだよ!
  644. 万年桜のウワサ: |…………|
  645. 万年桜のウワサ: |うん、お手伝いしたい|
  646. 万年桜のウワサ: |お手伝いしながら かずみの言ってることを|
  647. 万年桜のウワサ: |もっと考えようと思う|
  648. 昴 かずみ: よし、決まり!
  649. 昴 かずみ: ねむちゃん、やちよさん いいかな?
  650. やちよ: ええ
  651. ねむ: ぜひお願いするよ
  652. 昴 かずみ: じゃあ わたしは買い出し再開!
  653. 万年桜のウワサ: |よろしく|
  654. 昴 かずみ: まかせて! 素敵なパーティーにしようね!
  655. 昴 かずみ: 本物の心があるから、 本物の魔法少女になれたんだよ
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