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- FILENAME: text_340141-1.txt
- <神浜市>
- 昴 かずみ: おー、着いたね! 神浜市
- 御崎 海香: 相変わらずにぎやかな町ね ま、あすなろ市も負けてないけど
- 昴 かずみ: あれ?
- 昴 かずみ: あそこに あんなお店あったっけ?
- 御崎 海香: 神浜市では大きな災害が あったばかりだし
- 御崎 海香: 町の景色が変わるのも 仕方ないわね
- 昴 かずみ: そっか…心が痛むけど
- 昴 かずみ: みんなが前を向いてる証でも あるよね
- 牧 カオル: そうだな、その通りだよ
- 牧 カオル: 以前と違うといえば…
- 牧 カオル: 町の景色もだけど かずみもだよな
- 昴 かずみ: …………あ! それもそうだね
- 昴 かずみ: 前、神浜市に来たときのわたしは “昴かずみ”じゃない ただの“かずみ”だったけど…
- 昴 かずみ: 今のわたしは 本物の“人間”になった 昴かずみだから!
- 昴 かずみ: …今日会うみんなには 話した方がいいかな?
- 昴 かずみ: その…人間になったってこと…
- 牧 カオル: うーん その話をするってことは…
- 御崎 海香: “聖団”の話にも なってしまうわね…
- 昴 かずみ: そっか…
- 昴 かずみ: わたしはみんなの 気持ちを知ってるけど
- 昴 かずみ: 初めて聞く人は びっくりしちゃうよね
- 御崎 海香: ごめんなさい、かずみ
- 昴 かずみ: わたしこそ 変な話にしちゃってごめん
- 牧 カオル: あたしから言い出しといて なんだけど
- 牧 カオル: 変化って言っても 髪が伸びたくらいだし
- 昴 かずみ: 伸びすぎ!って 突っ込まれるかも
- 御崎 海香: そのロングヘアは 年単位で伸ばさないと無理よね
- 牧 カオル: 逆に言えばそのくらいしか 違いはないんだけど
- 昴 かずみ: …ま、なるようになるか!
- 御崎 海香: さ、そろそろ向かいましょう
- 御崎 海香: 最初の目的地は… みかづき荘ね
- FILENAME: text_340141-2.txt
- <みかづき荘>
- 鶴乃: こうかな、まなか先生!
- 胡桃 まなか: 先生はやめてください!
- 鶴乃: いや、でも今日はわざわざ 指導に来てもらってるし…
- 胡桃 まなか: とにかく普段通りで お願いします!
- 胡桃 まなか: じゃあ次は野菜を 切りますよ!
- 鶴乃: よしきた!
- トントントントン…
- 胡桃 まなか: あ、この場合はシズレの様な 丁寧な切り方はよくなくて
- 胡桃 まなか: 粗いきざみ方… コンカッセが相応しいです!
- 鶴乃: コ、コンカッセ!? …こうかな?
- タンタンタン…
- 胡桃 まなか: それはアッシェですね
- 鶴乃: 難しい!
- 胡桃 まなか: それもそうですね… そんな急にできないですよね
- 鶴乃: ううん、頑張る! 妥協はしたくないもんね!
- やちよ: せっかくあすなろ市から
- やちよ: かずみさんたちが 来てくれるんだしね
- 鶴乃: そうそう、カッコ悪いところは 見せられないよっ!
- 鶴乃: なんたって今日はかずみたち
- 鶴乃: あすなろ市の魔法少女たちを 迎えてのお食事会!
- 鶴乃: 前回かかわりのあった子たちも 呼んであるし…
- 鶴乃: この際 万々歳のプライドは放り投げて
- 鶴乃: まなか先生の全面プロデュースで
- 鶴乃: おもてなしすることに 決めたんだからね!
- 胡桃 まなか: そこまで言われては こちらも妥協はできませんね
- 胡桃 まなか: 徹底的に指導 させていただきます!
- いろは: じゃあ、そろそろ時間だし 私たちは外そうか
- 鶴乃: あ、うん、ごめんね
- うい: レナさんたちも来るから
- うい: お部屋がぎゅうぎゅうに なっちゃうもんね
- さな: ゆっくり楽しんでください…
- 鶴乃: うん、ありがと!
- やちよ: さ、お料理急がないと お客さんたちが到着するわよ
- 胡桃 まなか: ところで今日のスケジュールって どうなってるんでしたっけ
- 鶴乃: えっと…
- 鶴乃: まず12時からみかづき荘にて
- 鶴乃: あすなろ市から来たかずみたちとお食事会!
- 鶴乃: そのあとお昼過ぎからは お食事会に参加しなかったメンツも加わって かずみたちを神浜案内!
- 鶴乃: 前回、かずみたちと かかわりのあった魔法少女全員に
- 鶴乃: 声をかけたはずだよっ!
- 鶴乃: あとは肝心の料理だけど…
- 胡桃 まなか: まだまだ大変な工程が 残ってるので頑張りましょう!
- 胡桃 まなか: まだ時間はありますが のんびりもしていられません
- ピンポーン
- やちよ: あら、もしかして…
- 昴 かずみ: おじゃましまーす!
- 鶴乃: わあ、いらっしゃい! 久しぶりだね
- 鶴乃: …というか めちゃくちゃ髪伸びてる!?
- 牧 カオル: さっそく突っ込まれた!
- 昴 かずみ: あ、いいニオイ これは…料理中だね!
- 御崎 海香: 着くのが早すぎたかしら?
- 鶴乃: そのとーり! ただいま食事は絶賛準備中だよ!
- 牧 カオル: 邪魔しちゃ悪いし その辺で暇つぶしてくる?
- 鶴乃: 大丈夫! そのままリビングで待ってて!
- 御崎 海香: じゃあ、お言葉に甘えましょうか
- 昴 かずみ: うーん 食事の準備中なら…
- 昴 かずみ: わたしも一緒に料理したいなっ!
- FILENAME: text_340141-3.txt
- 昴 かずみ: よし、これで完成!
- 鶴乃: はやっ!? わたしの出る幕ナシじゃん!
- 胡桃 まなか: さすがの腕前です
- やちよ: ごめんなさいね 結局手伝わせちゃって…
- 昴 かずみ: ううん みんなと一緒で楽しいよっ!
- ピンポーン
- やちよ: あ、みんなも来たようね
- 鶴乃: …って、結構ギリギリだった?
- やちよ: 手伝ってもらってよかったわ
- 鶴乃: えー、では
- 鶴乃: かずみ、海香、カオルとの 再会を祝して
- みんな: かんぱーい!
- みんな: 「かんぱーい!」
- 昴 かずみ: わ、このハンバーグおいしい!
- 昴 かずみ: 柔らかい歯ざわり… かなりの高級材料の感触
- 昴 かずみ: これは…サーロイン?
- 胡桃 まなか: その通り! 相変わらずのグルメ舌ですね
- 鶴乃: まなかちゃんに監修してもらって 正解だったよ!
- みたま: 声をかけてくれたら わたしも手伝ってあげたのにぃ
- レナ: もしそうなってたら 今ごろ大惨事だったわね…
- 阿見 莉愛: …次の品は何かしら
- 鶴乃: ふふふ…よくぞ聞いてくれました
- 鶴乃: 次はうずら卵のオムレツと 伊勢海老のテルミドール!
- 眞尾 ひみか: おぉー!? お店のコースみたいです!
- みたま: 当然よぉ
- みたま: まなかちゃんの監修した お料理だものねぇ?
- 胡桃 まなか: はい! 「洋食ウォールナッツ」の名に
- 胡桃 まなか: 恥じない出来映えと 自負しています!
- レナ: …あの、ところでさ
- レナ: なんか雰囲気変わったわよね?
- かえで: 髪が伸びたからだと思うよぉ?
- レナ: それは見ればわかるわよ! バカにしてるわけ?
- かえで: ふゅ!? ご、ごめんね…
- 矢宵 かのこ: ふーん、確かに前とは 髪だけじゃなく、雰囲気が違う…
- 矢宵 かのこ: 新しい服をデザインしてみたく なってきたかも…
- 昴 かずみ: わ、ありがとう!
- 矢宵 かのこ: どのきのこを モチーフにするのがいいかな…
- 阿見 莉愛: ちょっと待って きのこは決定なの!?
- みたま: トリュフ型のボタンなんて どうかしらぁ?
- 阿見 莉愛: そこ、乗らないでくださる!?
- 昴 かずみ: あはは…
- 眞尾 ひみか: …ねえ ちょっと聞いていいかな
- 眞尾 ひみか: 前に会ったときは 記憶喪失って言ってたけど
- 眞尾 ひみか: 少しは思い出せたの…?
- 昴 かずみ: あ…えっと…
- 昴 かずみ: (ちょっと嘘に なっちゃうけど…)
- 昴 かずみ: うん、記憶は戻ったの
- 昴 かずみ: だから今は普通の中学生として 生活してる
- 昴 かずみ: 海香やカオルと同じ学校でね!
- やちよ: それは何よりだったわね
- 御崎 海香: ふぅ、お腹いっぱい
- 牧 カオル: こんなに食ったの 久しぶりだな
- 鶴乃: うんうん
- 鶴乃: 慣れない洋食メニューだったけど 頑張ったかいがあったよ!
- 昴 かずみ: あれ? もう終わり?
- 昴 かずみ: 万々歳の中華料理 楽しみにしてたんだけどな?
- やちよ: 今回、鶴乃は 中華料理を封印したのよね
- 鶴乃: うん…せっかく来てくれたのに 50点の料理じゃ悪いからねっ!
- 昴 かずみ: そうだったんだ
- 昴 かずみ: ………… …………
- 昴 かずみ: じゃあ デザートは杏仁豆腐にしようよ!
- 鶴乃: え…?
- 昴 かずみ: 万々歳って 出前もやってるんでしょ?
- FILENAME: text_340141-4.txt
- フェリシア: お待たせ! 杏仁豆腐だぞ!
- フェリシア: にしても、いきなり11人前とか なんなんだよ
- フェリシア: 鶴乃のオヤジ、ちょー慌ててたぞ
- 鶴乃: いやー、いろいろあってさ とにかくありがと、フェリシア!
- 昴 かずみ: …これこれ! ん~、甘くておいしいね
- 鶴乃: ありがと!
- 鶴乃: …でもね、この杏仁豆腐
- 鶴乃: そろそろメニューから 外す予定なんだよね
- 昴 かずみ: えっ、なんで!? こんなに美味しいのに!?
- 鶴乃: いやー、実はうちの杏仁豆腐 全然人気なくってさ
- 昴 かずみ: そうなの?
- レナ: 確かに頼んでる人 あんまり見たことないわね
- 昴 かずみ: 信じられない…! おいしいと思うけど?
- かえで: おいしくないわけじゃ ないんだよね
- レナ: うん、でもリピートしたくなる ほどじゃないって感じ
- みたま: おいしくない杏仁豆腐って あんまり聞いたことがないわぁ
- 阿見 莉愛: …早い話が、普通ってことね?
- やちよ: 杏仁豆腐としては 50点ということかしら
- 鶴乃: うぐっ… 要はそういうことみたい
- 鶴乃: いろいろ工夫してみたけど…
- 鶴乃: 「これ!」っていう味に ならないんだよねー
- 胡桃 まなか: …………
- 胡桃 まなか: もしかしたら、 油の多い中華のあとでは
- 胡桃 まなか: この濃厚さが 少し重いのかもしれないです
- 眞尾 ひみか: あ、それわかる
- 鶴乃: ほっ? ちょっとクドいってこと?
- 昴 かずみ: そこがちょっと変わってて いいと思うんだけどなー!
- 昴 かずみ: 食後には合わないのかな?
- 昴 かずみ: だったらそれを改善すれば 人気メニューになるかも!
- 鶴乃: クドいんだ…じゃあ シロップを薄味に変えるとか?
- 阿見 莉愛: 発想が地味ですわ!
- やちよ: 確かに「薄味にしました」じゃ 売り文句にならないわね
- 胡桃 まなか: かと言って、あれこれ盛っても 余計にクドくなるのでは…?
- やちよ: たぶん値段も上がるわね
- 鶴乃: ただでさえ人気がないのに 値上げは無理だよ!
- 御崎 海香: 値段を上げずに クドさを解消する…
- 牧 カオル: 難しいなー
- 牧 カオル: かずみはどう? いいアイディアとかある?
- 昴 かずみ: う~ん…どうしよう…
- 牧 カオル: ぱっとは出ないか
- 牧 カオル: かずみが得意なのは やっぱイタリアンとかだもんな
- 昴 かずみ: イタリアン… そうだ!
- 鶴乃: どうしたの?
- 昴 かずみ: 杏仁豆腐は器の半分の量にして 残りを果物ゼリーにするのは?
- 昴 かずみ: ティラミスみたいに 挟んだりして
- 鶴乃: 冷蔵庫にあったぶどうゼリーで 試しに作ってみたけど…
- レナ: …………
- レナ: ああっ!?
- 鶴乃: ほっ!? それどういう反応?
- レナ: 何これ? すっごい美味しいんだけど?
- かえで: うん…びっくりした
- 矢宵 かのこ: 元は同じ杏仁豆腐なのに さわやかな口どけで
- 矢宵 かのこ: これはハマるね
- みたま: 見た目もトレンディだし ピチピチギャルに人気が出そう♪
- 阿見 莉愛: いつの時代の言葉ですの!?
- 胡桃 まなか: 杏仁豆腐が減ってる分 原価もあまり変わりません
- 胡桃 まなか: 値上げもなくお客様にも喜ばれる いいアイディアです
- 胡桃 まなか: これはきっと 人気メニューになりますよ!
- 昴 かずみ: おおっ まなかさんのお墨付き!?
- 鶴乃: よかった~!
- 鶴乃: いやー、あまりにも 50点50点って言われるから
- 鶴乃: ちょっと自信なくなっちゃってて
- やちよ: だから今回は 胡桃さんに頼ってしまったのよね
- 鶴乃: うん、でも次は
- 鶴乃: 自信を持って万々歳の料理を 出せるように頑張ってみるよ!
- 鶴乃: ありがと、かずみ!
- 昴 かずみ: どういたしまして!
- 昴 かずみ: この町にも、仲間がいる… 神浜に来てよかった
- FILENAME: text_340142-1.txt
- 昴 かずみ: ごちそうさま!
- 牧 カオル: えっと、次の予定は…?
- 鶴乃: お食事会のあとは、神浜案内!
- 鶴乃: かこちゃんたちが迎えに 来てくれる予定だよ!
- ピンポーン
- 御崎 海香: 来たみたいね
- 御崎 海香: かこさん! お久しぶりね
- 御崎 海香: ここに来たということは もしかして…
- 夏目 かこ: はい、神浜市の案内は 私たちが担当します
- 鶴乃: そういえば 3人が神浜に来るって話
- 鶴乃: かこちゃんから 最初に聞いたんだよね
- 夏目 かこ: あ…海香さんから私に 連絡があったんです
- 御崎 海香: 実はね、前に神浜を訪れたあと
- 御崎 海香: あすなろ市で偶然 かこさんに会ったのよ
- 鶴乃: ほっ、そうなの!?
- 夏目 かこ: はい…それがきっかけで
- 夏目 かこ: また神浜市に来てください… って話になって…
- <あすなろ市>
- 御崎 海香: あすなろ現代美術館… 何かやってるみたいね
- 御崎 海香: アリナ・グレイ展…?
- 御崎 海香: ちょっと寄ってこうかしら
- 御崎 海香: (こういう表現もあるのね…)
- 御崎 海香: (わかりやすくはないけど)
- 御崎 海香: (生と死に向き合おうとする 強い思いは伝わってくる)
- かこの声: あれ? もしかして…
- 御崎 海香: ん?
- 夏目 かこ: やっぱり…! 御崎海香先せ…海香さん!
- 御崎 海香: かこさん… どうしてここに…?
- 夏目 かこ: 私…いろんな町で 古書店巡りをするのが好きで
- 夏目 かこ: 今回はあすなろ市を 回ってたんです
- 夏目 かこ: …あ、なのに美術館に入ったのは
- 夏目 かこ: 聞いたことがある 名前だなと思ったからで…
- 御崎 海香: そういうことね
- 御崎 海香: 事前に言ってくれれば ちゃんとおもてなししたのに
- 夏目 かこ: そんな!
- 夏目 かこ: だって海香さん お忙しい…ですよね…?
- 御崎 海香: 遠慮は無用! まあ、それはそれね
- 御崎 海香: せっかく来たんだし このあと古書店案内をしてあげる
- 夏目 かこ: ええっ…いいんですか?
- 御崎 海香: もちろん
- 夏目 かこ: …じゃあ、海香さんもいつかぜひ 神浜市に遊びに来てください
- 夏目 かこ: そのときは 私が神浜を案内します…!
- 御崎 海香: いいわね、よろしくお願いするわ
- 鶴乃: そんな裏話があったとは!
- 夏目 かこ: はい…
- 夏目 かこ: あっ…ななかさんとは みなさん初めましてですよね?
- 牧 カオル: あ…
- 昴 かずみ: うん
- 常盤 ななか: 直接対面するのは 初めてですね
- 常盤 ななか: 常盤ななかと申します
- 御崎 海香: あっ、確か…
- 御崎 海香: かずみやカオルとはぐれたとき 情報をくれた…?
- 御崎 海香: あのときは本当に助かりました ありがとうございます!
- 常盤 ななか: ふふ お役に立てたようで何よりです
- 昴 かずみ: 神浜案内かー どこ行くんだろう?
- 牧 カオル: せっかくだし
- 牧 カオル: 海香が行ったっていう 夏目書房も寄ってみたいけどな
- 常盤 ななか: ええ、そう仰ると思って
- 常盤 ななか: まずは夏目書房を 案内することにしてあります
- FILENAME: text_340142-2.txt
- 昴 かずみ: …あ、この本!
- 牧 カオル: …ん? 「初恋はミルキーウェイ」?
- 牧 カオル: かずみが最近ハマったやつだな
- 志伸 あきら: どんな本なの?
- 昴 かずみ: ラブコメなんだけど あんまり詳しく言うと
- 昴 かずみ: ネタバレになるかも
- 昴 かずみ: でも、17巻からの展開は 本当にすごいから
- 昴 かずみ: 絶対読んでみて!
- 純 美雨: 初心者に勧めるには 17巻は多くないカ?
- 常盤 ななか: そこまで追いかけた人は すでにファンなのでは…?
- 昴 かずみ: むぅ…確かに…!
- 昴 かずみ: ここ、海香の本もあるのかな?
- 夏目 かこ: はい、こっちにコーナーが…
- 志伸 あきら: さすがベストセラー作家だね!
- 夏目 かこ: 海香さんの本、最近 若い子にすごく人気みたいで
- 夏目 かこ: 入ってきても すぐに売れてしまうくらいです…
- 志伸 あきら: あ、テレビでもこの間 海香さんを取り上げてたよね
- 志伸 あきら: 中学生の売れっ子作家って!
- 常盤 ななか: 確か日本文化を紹介する
- 常盤 ななか: フランスのコンベンションに 招待された…とか?
- 御崎 海香: う、みんな見てたのね
- 御崎 海香: あの映像、映りが悪くて ちょっと恥ずかしいのよ…
- 昴 かずみ: くんくん… メンチカツのいい匂い!
- 夏目 かこ: この商店街の名物ですね
- 昴 かずみ: そうなんだ!
- 志伸 あきら: でも、この商店街の 一番の名物は…ここだよ
- 昴 かずみ: え…? あ、ここは!
- 木崎 衣美里: おぉーー!? なんかゾロゾロお客さんがー!
- 志伸 あきら: ゾロゾロって… ちゃんと伝えてあったよね?
- 木崎 衣美里: 言ってみただけだし! ビバ!相談所へようこそ!
- 昴 かずみ: エミリー!
- 木崎 衣美里: かずみん、やっほ! …てか、えっ?
- 志伸 あきら: 何、その反応?
- 昴 かずみ: …どうかした?
- 木崎 衣美里: 髪!髪! ちょっと伸びすぎじゃね!?
- 牧 カオル: やっぱそこに食いつくよね…
- 昴 かずみ: 前に神浜市へ来たとき
- 昴 かずみ: ここには すっごくお世話になったよね!
- 都 ひなの: 魔法少女総出で 大騒動だったみたいだな
- 木崎 衣美里: まーでも結果オーライっしょ?
- 木崎 衣美里: こんだけたくさんの人が つながれたし!
- 竜城 明日香: そうそう、決して悪い思い出では ありません
- 美凪 ささら: だからこそ、あすなろ市の みんなが来るって聞いて
- 美凪 ささら: 今日も これだけの人が集まったんだしね
- 空穂 夏希: カオルも久しぶり!
- 牧 カオル: 夏希! うん、久しぶり!
- 空穂 夏希: それじゃ、みんな合流したとこで
- 空穂 夏希: …次はショッピングへGO!
- FILENAME: text_340142-3.txt
- 昴 かずみ: うーん いい買い物ができたかも!
- 牧 カオル: かずみは何買ったの?
- 昴 かずみ: これ! キラキラのヘアピン!
- 昴 かずみ: カオルは?
- 牧 カオル: まだ… スポーツショップはある?
- 空穂 夏希: それなら、おすすめのお店が!
- 牧 カオル: よし、これにしようかな
- 空穂 夏希: 何買うの?
- 牧 カオル: 迷彩柄のリストバンド 試合じゃ使えないけどね
- 空穂 夏希: 試合…
- 空穂 夏希: あっ、そうだ! お祝い言ってなかった!
- 空穂 夏希: U-18の全日本女子代表の メンバーに選ばれたんだよね
- 空穂 夏希: おめでとうございます!
- 牧 カオル: ああ、ありがとう
- 木崎 衣美里: へっ…全日本ってあの全日本? マジで!?あの全日本?
- 牧 カオル: うん、たぶんその全日本
- 木崎 衣美里: マジかー!! 全日本様にタメ口きいちゃったよ
- 志伸 あきら: 何の話かわからなくなってきたよ
- 空穂 夏希: …あのね、前会ったときも 全日本の代表だったんだけど
- 空穂 夏希: そのときはU-15っていう 中学生以下の年代の代表だったの
- 空穂 夏希: 今度はU-18って言って
- 空穂 夏希: 高校生やクラブチームの 所属選手に交じっての大抜擢!
- 都 ひなの: 衣美里が高校生の全国模試で 全国トップになるくらいの話だな
- 木崎 衣美里: マジマジ? じゃー甲子園とかも出ちゃう?
- 都 ひなの: そもそも競技が違うんだが…
- 志伸 あきら: サッカーの話だからね でも本当にすごいよ!
- 空穂 夏希: すっかり雲の上の存在だよね
- 牧 カオル: おいおい、やめてくれよ
- 牧 カオル: ちょっと出世はしたけど あたしはあたしだよ
- 牧 カオル: これまで通り接してくれれば それでいいよ
- 空穂 夏希: 本当!? また応援してもいい?
- 牧 カオル: 当然だよ!
- 空穂 夏希: よーし、それじゃ遠慮なく
- 空穂 夏希: ゴー!ファイト!ウィン!
- 昴 かずみ: …………
- 昴 かずみ: いろんなことが変わっても 友情は変わらない…
- 昴 かずみ: うん、そうだよね
- 御崎 海香: 次はどこに行くの?
- 夏目 かこ: 海浜公園です
- 純 美雨: 思う存分遊ぶといいネ
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- 昴 かずみ: オルカショー、楽しかったー! シャチって賢いんだね!
- 常盤 ななか: 次はどこへ向かいましょう?
- 「キャーーー!!」
- 昴 かずみ: わっ! 何!?
- 竜城 明日香: 今のは…近くの遊園地からですね ジェットコースターがあるんです
- 美凪 ささら: あすなろ市にも有名な遊園地が あったよね
- 昴 かずみ: うん、ラビ―ランド!
- 昴 かずみ: わたしも海香やカオルと よく行ってる!
- 牧 カオル: 海香は毎回 声がガラガラになるんだ
- 御崎 海香: あ、ちょっと…!
- 木崎 衣美里: なんで!? 遊園地で絶叫大会とかするの?
- 都 ひなの: アタシはむしろ その発想がわからないんだが…
- 昴 かずみ: ずっと叫んでるんだよ コースターでもお化け屋敷でも
- 木崎 衣美里: うみかみん 意外と怖がり?
- 純 美雨: 遊園地が好きだたカ?
- 常盤 ななか: でしたら予定を変更して 案内致しますが
- 志伸 あきら: アトラクションひとつくらいなら この時間からでもいけるよね
- 御崎 海香: 変な期待をされてる気がするから 遠慮しておくわ…
- 夏目 かこ: では…近くのお店で お茶でもどうでしょう?
- 昴 かずみ: この味…! バナナとリンゴは確実に入ってる
- 昴 かずみ: あとローズマリー!
- 木崎 衣美里: おぉおおーーー!? 何でわかったし!
- 志伸 あきら: スムージーのレシピ当てなんて よくできるよね…
- 昴 かずみ: バナナはすぐわかるよ! ハーブもクセが強いのは簡単
- 空穂 夏希: カオルはわかる?
- 牧 カオル: 全然、からっきし
- 竜城 明日香: それが普通ではないかと…
- 美凪 ささら: このお店、神浜では 最近ちょっと人気なんだけど
- 美凪 ささら: あすなろ市の子は どういうお店に行くの?
- 御崎 海香: そうね… 流行ってるお店とかあったかしら
- 牧 カオル: …「レパ・マチュカ」
- 牧 カオル: あそこのラズベリーパイ めちゃくちゃ話題だよね
- 木崎 衣美里: 何それ? 知ってないとヤバイ系?
- 昴 かずみ: あ、そういうんじゃなくて 喫茶と軽食の小さなお店
- 夏目 かこ: 前に海香さんと お話したお店ですね
- 夏目 かこ: テレビでも紹介されていた 素敵な洋食屋さん
- 木崎 衣美里: あー、思い出した!
- 木崎 衣美里: 前会ったとき、かずみんが そのお店のチラシ持ってた!
- 昴 かずみ: そう、そのお店!
- 昴 かずみ: わたし、店長さんと知り合いで お気に入りの店なんだけど
- 昴 かずみ: 近頃、有名になっちゃって 満席で入れないこともあるんだ
- 牧 カオル: さっき言った
- 牧 カオル: ラズベリーパイってのが 人気爆発しちゃってさ
- 志伸 あきら: 他にどんなメニューがあるの?
- 昴 かずみ: やっぱり目玉は バケツパフェ!
- 夏目 かこ: バケツ…?
- 木崎 衣美里: 何それやばくね!? バケツにパフェが入ってるとか?
- 昴 かずみ: 嘘みたいだけどそうなの!
- 都 ひなの: そのまんまだな…
- 竜城 明日香: あの、採算とか どうなってるんでしょうか?
- 御崎 海香: …絶対取れてない
- 志伸 あきら: だよね…
- 牧 カオル: かずみのゴリ押しでメニューに 入れてもらったらしいんだよね
- 牧 カオル: 店長の立花さんは、やたら かずみを甘やかすんだよねー
- 昴 かずみ: あと、忘れちゃいけないのは 裏メニューのイチゴリゾット!
- 木崎 衣美里: イチゴリゾット!?
- 牧 カオル: もう説明はいらないと思うけど…
- 都 ひなの: …イチゴを使った リゾットなんだな
- 木崎 衣美里: ヤバ!超食べたい!
- 昴 かずみ: 本当? だったら作ってあげる!
- 木崎 衣美里: かずみんが?
- 昴 かずみ: うん、得意! レシピは知ってるし!
- 昴 かずみ: どうせならバケツパフェも ラズベリーパイも
- 昴 かずみ: 挑戦しちゃおうか!
- 昴 かずみ: まんま再現は できないかもしれないけど!
- 木崎 衣美里: マジで!? あーし、乗った!
- 御崎 海香: …って言うけど どこで作るの?
- 昴 かずみ: うーん、どうしよ?
- 空穂 夏希: それなら ウォールナッツはどうかな?
- 昴 かずみ: まなかさんのお店?
- 空穂 夏希: 今日はお休みだから キッチン貸してくれるかも
- 空穂 夏希: ちょっと連絡してみるね
- 昴 かずみ: …どうだった?
- 空穂 夏希: オッケーだって!
- 昴 かずみ: ありがとう!
- 昴 かずみ: じゃあさっそく 買い出しに行ってくる!
- 美凪 ささら: ひとりで行っちゃうの? みんなで行こうよ
- 昴 かずみ: わたし、結構こだわるから 買い出しはひとりがいいな
- 昴 かずみ: 大丈夫、遠慮とかしてないから!
- 常盤 ななか: ウォールナッツの場所は わかりますか?
- 昴 かずみ: うん!
- 昴 かずみ: じゃあみんな ウォールナッツで待ってて!
- 昴 かずみ: とびっきりのイチゴリゾットを 作るからね!
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- 昴 かずみ: しまった… ひとりで出たはいいけど
- 昴 かずみ: 商店街ってどこか 知らなかった…!
- 七瀬 ゆきか: ん…?
- 七瀬 ゆきか: あのぉ… 何かお困りでしょうか?
- 昴 かずみ: こんにちは! うん、ちょっと迷子っていうか
- 昴 かずみ: 食材を買い出しに 行きたいんだけど
- 昴 かずみ: お店を知らなくって…
- 七瀬 ゆきか: どんな食材をお探しなんです?
- 七瀬 ゆきか: …なるほど、それでしたら
- 七瀬 ゆきか: この先にある水徳商店街で 全部揃うと思います
- 七瀬 ゆきか: ちょうど、そこに見える 公園を抜けた先にありますっ
- 昴 かずみ: そうなんだね! すっごく助かっちゃう!
- 昴 かずみ: わたし、昴かずみ! あなたは?
- 七瀬 ゆきか: あっ…七瀬ゆきかと申します
- 昴 かずみ: ゆきかさん、ありとう! またね、ちゃおッ!
- 七瀬 ゆきか: どういたしましてっ
- 七瀬 ゆきか: それじゃ、わたしは ゲームセンターに…
- 七瀬 ゆきか: えっ…?
- 七瀬 ゆきか: ――っ!?
- 七瀬 ゆきか: 魔女!? 何か前触れとかありました?
- 七瀬 ゆきか: …昴さんに同行を 申し出なかったのは正解でした
- 七瀬 ゆきか: 一緒にいたら面倒事に 巻き込んでしまうところでしたっ
- 昴 かずみ: ~♪
- やちよの声: あら、かずみさん?
- 昴 かずみ: ん?
- 昴 かずみ: やちよさん! お昼ぶりだね!
- やちよ: ええ、すごい偶然ね みんなとは一緒じゃないの?
- 昴 かずみ: あ、料理を作ることになって ひとりでお買い物に!
- やちよ: ああ、水徳商店街に 向かうところだったのね
- 昴 かずみ: うん! やちよさんもお買い物?
- やちよ: 夕飯の買い出しにね
- やちよ: そしたらここで このふたりに会って…
- 昴 かずみ: ふたりは… やちよさんのお友だち?
- やちよ: そうね、ふたりとも友だちで 魔法少女仲間よ
- 昴 かずみ: なんと!?
- ねむ: 僕の名前は柊ねむだよ こっちは柊桜子
- 昴 かずみ: (柊…姉妹なのかな?)
- 万年桜のウワサ: |よろしく|
- 昴 かずみ: うん、よろしく! わたしは昴かずみ!
- 昴 かずみ: あすなろ市から来たんだ
- 万年桜のウワサ: |あすなろ市?|
- ねむ: 神浜市とは別の場所にある 大きな町だよ
- 万年桜のウワサ: |ふぅん…|
- 万年桜のウワサ: |いいところ?|
- 昴 かずみ: うん、いいところ!
- 万年桜のウワサ: |今日は何をしに来たの? 今は何をしてるの?|
- 昴 かずみ: え? え?
- ねむ: 初対面の人に質問責めはNG 対人関係の基本だよ
- 万年桜のウワサ: |あ、ごめん…|
- ねむ: 驚かせて悪かった 僕からも謝罪させてほしい
- 昴 かずみ: …………
- ねむ: どうしたのかな?
- 昴 かずみ: あ、なんか 姉妹ってイイなと思って!
- 昴 かずみ: のんびり屋さんのお姉さんを叱る しっかりものの妹さんって感じ!
- ねむ: ああ…
- 万年桜のウワサ: |私が…お姉さん?|
- 昴 かずみ: 違うの? 同じ柊って名字だし…
- 昴 かずみ: えっ、妹ってことはないよね?
- 昴 かずみ: ねむちゃんより 年下には見えないし
- 万年桜のウワサ: |年下かも…|
- 万年桜のウワサ: |高校生っていう設定だけど 本当はまだ0歳だし|
- 昴 かずみ: えっ!?
- やちよ: 言ってしまったわね
- ねむ: やちよさんの知り合いみたいだし 特別隠す必要もないかな…
- ねむ: 桜子はいわゆる人間とは違う 魔法で作られた存在なんだ
- ねむ: 厳密に言えば魔法少女でもない
- 昴 かずみ: 0歳の…作られた存在…
- ねむ: 少々受け入れがたいだろうけど…
- 昴 かずみ: そんなことない
- 昴 かずみ: ほんの少し前まで わたしも同じだったから
- FILENAME: text_340143-2.txt
- 万年桜のウワサ: |同じ…?|
- 万年桜のウワサ: |かずみも、0歳なの?|
- 万年桜のウワサ: |少し前までって… 今は違うということ?|
- ねむ: 桜子、そういう態度は失礼だよ
- ねむ: …今の質問は忘れてほしい 繊細な問題だと思うし
- 昴 かずみ: ううん、いいよ
- 昴 かずみ: こういう話する機会 あんまりないし
- 昴 かずみ: 「元々、海香やカオルの仲間には わたしそっくりの和紗ミチルって子がいたんだ」
- 昴 かずみ: 「だけどあるとき その子は魔女になってしまったの」
- 昴 かずみ: 「悲しみに暮れた海香たちは クローンを作ったんだ…」
- 昴 かずみ: 「和紗ミチルともう一度 一緒に生きていきたいと願って」
- 昴 かずみ: 「そのうちのひとりが わたしだったんだ」
- 昴 かずみ: 「前に神浜市に来たときは まだわたしは不完全な人間… 魔法で作られたクローンのひとりだったの」
- 昴 かずみ: 「そのあと、いろいろあって わたしはキュゥべえにお願いしたんだ」
- 昴 かずみ: 「わたしを本物の人間にして、ってね」
- やちよ: そうだったのね… 全然気づかなかったわ
- やちよ: 言いにくいことを
- やちよ: 言わせてしまったのだとしたら ごめんなさい
- 昴 かずみ: ううん、どっちかというと
- 昴 かずみ: 仲間たちのこととか いろんな出来事
- 昴 かずみ: たくさん端折っちゃったから…
- 昴 かずみ: 今のでわかったかな…?
- 万年桜のウワサ: |わからない…|
- 昴 かずみ: …やっぱり?
- 万年桜のウワサ: |そうじゃない…|
- 万年桜のウワサ: |かずみはどうして 人間になりたかったの?|
- 万年桜のウワサ: |それが私には、わからない|
- FILENAME: text_340143-3.txt
- 昴 かずみ: どうして人間に なりたかったのか…?
- 万年桜のウワサ: |私は人間には興味があるけど|
- 万年桜のウワサ: |でも、人間になりたいと 思ったことはないから|
- 昴 かずみ: …………
- 昴 かずみ: …そうだね
- 昴 かずみ: わたしも生まれてしばらくは
- 昴 かずみ: 人間じゃないことを 不便には思わなかった
- 万年桜のウワサ: |だったらどうして?|
- 昴 かずみ: う~ん なんでだろ?
- やちよ: 前に会ったときだって 私たちと普通に接していたし
- やちよ: まさか作られた存在だなんて 思わなかったわよ
- 昴 かずみ: そうだね わたし自身、言われるまで
- 昴 かずみ: 自分が人間じゃないことに 気づかなかったくらいだし…
- 昴 かずみ: でもね、キュゥべえに 奇跡を祈ったときは…
- 昴 かずみ: そのときはもう、時間がなかったの
- 昴 かずみ: 魔法で作られた肉体はとても不安定で
- 昴 かずみ: わたしは「わたし」を失いかけていた
- 昴 かずみ: だから…『本物の人間にして』 そう願ったの
- 昴 かずみ: わたしには すべきことがあった
- 昴 かずみ: 仲間の魔法少女たちを…
- 昴 かずみ: 海香やカオルたちを絶望で 終わらせないために
- 昴 かずみ: わたしは自分の足で 前に進む必要があったの
- 昴 かずみ: だから人間にしてもらった…
- 万年桜のウワサ: |…まだ、よくわからない|
- ねむ: そうかな 桜子にも理解可能な話だ
- ねむ: たとえば…
- ねむ: 桜子が明日いなくなることが 決まっていて
- ねむ: これ以上、お姉さんやういを 守れないとしたら?
- ねむ: でも、本物の人間になれば 守れるとわかっていて
- ねむ: それを願う機会があったら?
- 万年桜のウワサ: |それなら 人間になりたいと思うけど|
- 万年桜のウワサ: |…これで わかったことになるの?|
- やちよ: 理解してると思うけど
- やちよ: ちょっと伝わりきって ないかもしれないわね
- 万年桜のウワサ: |私が人間じゃないから わからない?|
- 昴 かずみ: 言葉じゃ これ以上は無理かもね
- 昴 かずみ: でも、食べればわかるよ!
- 万年桜のウワサ: |食べればわかる…?|
- FILENAME: text_340143-4.txt
- 万年桜のウワサ: |食べればわかる…?|
- 万年桜のウワサ: |どういう意味?|
- 昴 かずみ: …これはね
- 昴 かずみ: ミチルが聞いた グランマの言葉なんだけど…
- 和紗 ミチル: よいしょっと …できた!
- グランマ: 「そうそう、上手ね」
- グランマ: 「イチゴは高くても新鮮なものを使うこと お米もイタリアのカロナーリがピッタリなのを 覚えておいて」
- 和紗 ミチル: うん…
- 和紗 ミチル: 忘れないよ、グランマ… …ひっく…
- グランマ: 「………… 辛いことがあって どうしたら良いかわからないときは お腹に聞きなさい」
- グランマ: 「お腹が減って食べたいと感じたら あなたはまだ生きたいと思ってるわ」
- グランマ: 「ご飯を食べたら あなたが食べた命のぶん がんばって生きなさい」
- グランマ: 「それが希望になる」
- グランマ: 「大丈夫 ヒトは決して 絶望なんかしないわ」
- 昴 かずみ: ミチルのグランマはそう言って
- 昴 かずみ: イチゴリゾットのレシピを ミチルに伝えたの
- 昴 かずみ: そして、わたしの料理の腕は
- 昴 かずみ: そのミチルから 受け継がれたものなんだ
- 昴 かずみ: だからイチゴリゾットは 絶望を超える希望のレシピ!
- 昴 かずみ: ひとくち食べれば
- 昴 かずみ: 人として生きることの意味も きっとわかる!
- 万年桜のウワサ: |お腹が空いたら生きたい証… それが人間…|
- 昴 かずみ: そう、わかってくれた?
- 万年桜のウワサ: |私はお腹が空かない… 食事もしない|
- 昴 かずみ: もしかして… 悪いこと言っちゃった?
- 万年桜のウワサ: |平気|
- 万年桜のウワサ: |それより、かずみの話 もっと聞きたい|
- 万年桜のウワサ: |食べることが生きる力になる 人間の心のことを|
- 万年桜のウワサ: |もっと知りたい|
- 昴 かずみ: …………あ! だったらさ!
- 昴 かずみ: これから一緒に イチゴリゾットを作ろうよ!
- 昴 かずみ: エミリーたちが ウォールナッツで待ってるから!
- 昴 かずみ: ねむちゃんやみんなのために 一生懸命料理を作って
- 昴 かずみ: みんなの食べる姿を見たら 感じるものがあるはずだよ!
- 万年桜のウワサ: |…………|
- 万年桜のウワサ: |うん、お手伝いしたい|
- 万年桜のウワサ: |お手伝いしながら かずみの言ってることを|
- 万年桜のウワサ: |もっと考えようと思う|
- 昴 かずみ: よし、決まり!
- 昴 かずみ: ねむちゃん、やちよさん いいかな?
- やちよ: ええ
- ねむ: ぜひお願いするよ
- 昴 かずみ: じゃあ わたしは買い出し再開!
- 万年桜のウワサ: |よろしく|
- 昴 かずみ: まかせて! 素敵なパーティーにしようね!
- 昴 かずみ: 本物の心があるから、 本物の魔法少女になれたんだよ
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