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Puella Historia: Present Day Kamihama JP Text

Mar 10th, 2023 (edited)
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  1. 103401-1_iTr7I [Prologue; used to be the intro for the "Battle Shamanesses of Kamihama" section]
  2. いろは: 『また、本に記録が刻まれていく…』
  3. いろは: 『これで過去に生きた魔法少女たちのことが またひとつ、残せるようになったね』
  4. うい: ―うい― これで、たどった時代も6つ目 少しずつ魔法少女の本が増えてきたね
  5. いろは: ーいろは― だけど、このペースで集めてると 灯花ちゃんとねむちゃんが倒れちゃうかも
  6. うい: ―うい― わたしたちは 空からみんなの様子を眺めてるだけで
  7. うい: ―うい― みんなの記録が本の中に書かれていくけど
  8. うい: ―うい― そこから整理するのはふたりだもんね
  9. いろは: ーいろは― 現代に生きる魔法少女たちの 記録だってまとめないといけないから
  10. いろは: ーいろは― 過去を巡るのは 少し控えた方がいいかも
  11. userName: ―userName― モッキュ、モッキュ!
  12. いろは: そうだね、鏡を通って帰ろっか
  13. いろは: …っ!?
  14. いろは: な、何…
  15. うい: お姉ちゃん!どうしたの!?
  16. いろは: わからない… けど、急に…意識が…
  17. うい: お姉ちゃん!
  18. userName: モッキュイ! モッキュ、モーッキュ!
  19. うい: そうだね
  20. うい: 頑張ってマギアレコードに戻って この状況を伝えないと…
  21. うい: 灯花ちゃん…!ねむちゃん…!
  22. ねむ: 灯花…そんな… 何があったって言うんだ…
  23. かごめ: この世界は奇跡で包まれている
  24. かごめ: 始まりは、ひとりの女の子が 妹を救う祈りを捧げて 魔法少女になる契約を交したこと
  25. かごめ: その救いを願う想いは 形を変えながら大きくなっていき 今では世界中の魔法少女が魔女になるのを防ぐ 自動浄化システムになった
  26. かごめ: だけど、この奇跡を得た代わりに 私たちの胸には 深い悲しみが刻まれている
  27. かごめ: 多くを救ってくれた“いろは”さんは 代償を払うように魂を削って この世界から姿を消してしまったから
  28. かごめ: それは一緒にみんなを救ってくれた 妹の“うい”ちゃんやuserName それに“灯花”ちゃんと“ねむ”ちゃんも同じ
  29. かごめ: 5人に思いをはせるように 私たちは時折“万年桜のうわさ”を訪れる なぜかそこからは “いろは”さんの魔力を感じ取れるから
  30. かごめ: そう、きっと5人は 桜の木の上で 今も空の上から私たちを見守っている
  31. かごめ: だけど…
  32. かごめ: あっ…
  33. やちよ: あら、かごめちゃん こんな所で会うなんて珍しいわね
  34. やちよ: いろはに会いに来たの?
  35. かごめ: はい…良くない噂を耳にして 心配で様子を見に来たんです…
  36. やちよ: もしかして、自動浄化システムが 正常に動いてない話…?
  37. かごめ: そうです!
  38. かごめ: ドッペルが出ても 浄化されるのが遅いって…
  39. やちよ: 実は、私も同じ話を聞いて ここに来てみたの
  40. やちよ: でも、いろはの魔力を 感じられないわ…
  41. かごめ: じゃあ、やっぱり何か…!
  42. かごめ: きゃっ…!
  43. やちよ: な…これは…いったい…
  44. 万年桜のウワサ: |やちよ、かごめ|
  45. やちよ: あなた、桜子…!
  46. やちよ: 今まで姿を出さないで どこにいたの…!?
  47. 万年桜のウワサ: |空の上 いろはたちと一緒にいた|
  48. やちよ: つまり、ういちゃんや 里見さんに柊さんも一緒…?
  49. 万年桜のウワサ: |そう|
  50. やちよ: …みんなは無事?
  51. 万年桜のウワサ: |ううん、問題が起きてる…|
  52. 万年桜のウワサ: |だから、救いを求めるために ここに現れた|
  53. かごめ: やっぱり、 何かあったんですね…!
  54. 万年桜のウワサ: |詳しい話は、この本の中にいる ねむが説明する|
  55. 万年桜のウワサの声: |ねむ、やっと来てくれたよ|
  56. ねむ: かごめにやちよお姉さん ふたりが訪れてくれて助かったよ
  57. かごめ: えっえっ… 本からねむちゃんが…
  58. ねむ: 久方振りの挨拶は飛ばして 君達に要件だけを伝える
  59. ねむ: どうか、いろはお姉さんと 僕達を助けて欲しい
  60. やちよ: ちょっと…! 順を追って説明して…!
  61. やちよ: 自動浄化システムの異変で 何か起きてるのはわかってたわ
  62. やちよ: だけど、いきなり要件だけを 言われても困るわよ
  63. ねむ: 僕が性格にも似合わず 焦燥感に駆られている証拠だよ
  64. ねむ: ただ、ふたりが言うことも もっともだからね
  65. ねむ: 簡単に経緯を説明するよ
  66. ねむ: 「まず、ふたりが知っている通り 僕達は自動浄化システムの一部として 魔法少女が魔女になるのを防いでいる」
  67. ねむ: 「実はそれと平行して僕達は 魔法少女たちの記録を集めていたんだ」
  68. ねむ: 「魔法少女の対象が過去にも及んだ結果 記録を編纂する僕や灯花に代わって 担当することになったのは 時を越える鏡を作れるお姉さんだった」
  69. ねむ: 「だけど、お姉さんのソウルジェムは 自動浄化システムと繋がっていて 複製はおろか移動させることもできない」
  70. ねむ: 「そこで僕達は、ソウルジェムを空間ごと 持ち運べる“魂の器”を作り出して 過去と現代の往来を可能な状態にしたんだ」
  71. ねむ: 「要はワープした先にソウルジェムを置いて そこに接続されたゲートを持ち運べば 魂と肉体の距離を誤魔化せると考えたんだ」
  72. ねむ: 「だけど、思いも寄らぬ事態が起きた…」
  73. ねむ: 「お姉さんは6回目の旅を終えて戻ってくると 途端に意識を失って倒れてしまったんだ」
  74. ねむ: 「これは僕の憶測でしかないけど 現在に魂を置いて過去で行動するという捻れが 環いろはという概念を不安定にさせてしまい 少しずつ崩れてしまったんだと思う」
  75. やちよ: ――っ!?
  76. やちよ: まさか、自動浄化システムが 不安定なのはその影響で!?
  77. ねむ: そう、お姉さんが消滅すれば 自動浄化システムも消滅する…!
  78. ねむ: だから皆で、お姉さんの概念を 回収してきて欲しいんだ…!
  79. かごめ: これ、ショックを受けてるような 場合じゃありません…!
  80. やちよ: ええ…
  81. やちよ: 急いでユニオンのメンバーに 連絡をとるわ
  82. かごめ: 私、アルちゃんたちに 神浜市を巡ってもらいつつ
  83. かごめ: 他のグループのみんなにも 連絡をとりますね…!
  84. ひめな: マジ…?
  85. ひめな: いろりんの概念が崩れてって ヤバみが深すぎるんだけど…
  86. ラビ: 自動浄化システムと一緒に 環さんも消滅するなんて…
  87. 静香: 崩れた概念を集める 必要があるのはわかったけど
  88. 静香: マギアレコードにいる 他のみんなは大丈夫なの…?
  89. 結菜: えぇ、あなたの本体や ういちゃんの状態も気になるわぁ
  90. 万年桜のウワサ: |今、この万年桜のうわさは マギアレコードの中と同じ状態|
  91. 万年桜のウワサ: |みんなには見えていないけど いろはたちはここにいる|
  92. フェリシア: うっそだろ…!? みんなここにいんのかよ!
  93. 鶴乃: いろはちゃんのソウルジェムを 持ち運びできるようにした
  94. 鶴乃: 空間を持ち運ぶ魂の器と 同じ仕組みだね
  95. さな: 空の上にも万年桜のうわさと 同じものが存在してる…?
  96. 鶴乃: だと思う
  97. ねむ: その通り、魂の器と同じ仕組みで ここにはみんなが存在している
  98. ねむ: 「魂の器がある所には ちょうどお姉さんが眠り続けていて 灯花も一緒に横たわっている」
  99. ねむ: 「灯花はお姉さんと紐付くウワサだから 影響を受けたのかもしれない…」
  100. ねむ: 「僕の本体はと言えば ういに紐付くウワサだから平気だけど 回収されるエネルギーや記録をさばくために ずっと動きまわっている状態だ」
  101. ねむ: 「それもあって、うわさを使ってまで 僕の分身を作って話しかけているんだよ」
  102. やちよ: それで、ういちゃんは…?
  103. ねむ: 「お姉さんの魂の器に手を添えて みんなが過去に行くのを待っているよ “回収”をサポートするためにね」
  104. かごめ: ういちゃんの“回収”で いろはさんの概念を集めるの…?
  105. ねむ: 明察だよ
  106. ねむ: 「ういが手を添えている魂の器は この空っぽの魂の器と繋がっていて お姉さんの概念を感知すると 自動的に回収するようになっている」
  107. ねむ: 「だから君達には、これを持って お姉さんが巡った6つの時代をなぞるように たどって欲しい」
  108. ねむ: 「そうすれば、歴史の改編など タイムパラドクスが起きることをしない限り 同じような時間をたどるだけで お姉さんの概念を捜さずとも回収されるからね」
  109. 結菜: …状況も、目的も、方法も ひとまず理解はできたわぁ
  110. 静香: 私たちが旅に出る準備は 済んでるなんて、抜け目がないわ
  111. ねむ: あとは協力してくれる人たちに この鏡をくぐってもらうだけ
  112. ねむ: 「僕達の責任で起きたことだから 恐縮することしかできない…」
  113. ねむ: 「こんな事態に巻き込んでしまって 皆には頭が上がらないけど」
  114. ねむ: 「どうか僕達に代わって お姉さんを助けて欲しい」
  115. ラビ: 私たちは、環さんやあなたたちに 日々救われているから
  116. ひめな: そうそう、こういう時ぐらいは 恩返しって考えた方がいいでしょ
  117. ひめな: キャハッ★
  118. 結菜: とりあえず、もうすぐ樹里たちも 到着すると思うから
  119. 結菜: 準備が整い次第 過去へ向かうことにするわぁ
  120. 結菜: 少々説明に 骨が折れそうだけどねぇ
  121. 静香: あ、そういえば! 言葉とか色々と大丈夫かしら…?
  122. 静香: 私なんて現代でも 困ることがいっぱいあるのに…
  123. ねむ: 6つの時代毎に本があるから それを持って行って欲しい
  124. ねむ: 中には僕と同じ分身が宿っていて 言語の補助や時代解説をするよ
  125. ねむ: ちなみに佐鳥かごめに憑いている 風の伝道師のウワサと同じく
  126. ねむ: 相手に好印象を持たれるような 力も発揮されるはずだから
  127. ねむ: 相手に敵対されるような状況は 減らせると思うよ
  128. 静香: それがわかっただけでも 少し心に余裕が出たわ
  129. フェリシア: じゃ、みかづき荘はそろってるし さっそく過去に行こうぜ!
  130. やちよ: 待って
  131. フェリシア: あ?
  132. やちよ: ねえ、柊さん
  133. ねむ: 何かな?
  134. やちよ: いろはの肉体は大丈夫なの?
  135. ねむ: …僕達も手一杯で そこまで手が回ってないんだ
  136. やちよ: 見えていないけど 私の魔力で支えられる…?
  137. ねむ: 恐らくとしか言えないけど 無駄にはならないと思うよ
  138. やちよ: …じゃあ、私はこの場に残って いろはを魔力で支えるわ
  139. フェリシア: …………んじゃオレも
  140. 鶴乃: えっ、いいの? 真っ先に飛び込もうとしてたのに
  141. フェリシア: 頭のいい鶴乃と 隠れられるさなの方がいいだろ
  142. フェリシア: オレだと迷惑かけるかも しれねーからな
  143. 鶴乃: おぉ、なんかフェリシアが ひとつ大人になってる…
  144. 鶴乃: そういうことなら わたしたちふたりで!
  145. さな: はい、行ってきますね…!
  146. ねむ: じゃあ、みんなお願いするよ
  147. 万年桜のウワサ: |残って良かったの?|
  148. やちよ: 現代でも動ける人がいないと
  149. やちよ: 私は私にできることをするわ
  150.  
  151. 103402-1_XmpGk [Story 1]
  152. アルちゃん: <みんな大変だよー!>
  153. アルちゃん: <かごめちゃんのメッセージに 気づいたら急いで!>
  154. アルちゃん: <集合場所は万年桜のうわさ!>
  155. アルちゃん: <自動浄化システムと いろはさんが大ピンチだよ!>
  156. 十七夜: と、いった具合に
  157. 十七夜: 佐鳥君のマンドラゴラが テレパシーを飛ばしていたのでな
  158. 十七夜: 店長から暇をもらって 東の魔法少女を集めてきたぞ
  159. 御園 かりん: わたしも移動しながら みんなに連絡をとってきたの!
  160. 竜城 明日香: 私も同じくですが、 皆さん混乱されていましたね…
  161. 十七夜: 自分たちを救うために 己を削って姿を隠したのだから
  162. 十七夜: 当然と言えば当然だろう
  163. かごめ: それでも皆さん こんなすぐに来てくれるなんて…
  164. かごめ: まだ来てない人たちもいるけど 20人どころじゃないような…!
  165. みふゆ: たとえ混乱していても ワタシたちは集まりますよ
  166. みふゆ: いろはさんやういさん それに灯花とねむ
  167. みふゆ: ワタシたちは彼女たちから恩恵を 毎日授かってますから
  168. 月夜: 今はまず、詳しい話を 聞かせて欲しいでございます
  169. 月咲: 自分たちにできることを 知りたいから
  170. 月夜&月咲: ねーっ
  171. やちよ: それなら詳しい説明を 柊さんがしてくれるはずよ
  172. みふゆ: ねむ…ですか?
  173. ねむ: 久しぶりだね、みふゆ
  174. みふゆ: なっ!?
  175. みふゆ: ちょっとねむ! どうしたんです、その姿!
  176. ねむ: 追って説明するよ
  177. 竜城 明日香: やちよさんとフェリシアさんも 何に手をかざしてるんですか?
  178. 竜城 明日香: ソウルジェム…?
  179. フェリシア: 見たらわかるだろ? いろはの体を守ってんだ!
  180. 竜城 明日香: いやいや、わかりませんよ!? いろはさんの姿は見えませんし…
  181. フェリシア: あ、そっか
  182. フェリシア: 見えないけどいろはが居て 魔力を与えてるんだ
  183. やちよ: そう、体を維持するためにね…
  184. 御園 かりん: そもそも、万年桜のうわさも なんか様子がおかしいの…
  185. やちよ: 気になることが多いのはわかるわ
  186. やちよ: だから、まずは落ち着いて 話を聞いてちょうだい
  187. 十七夜: ふむ…事情は把握した…
  188. 御園 かりん: かえでちゃんにメッセージを もらったから来たのに
  189. 御園 かりん: 水波先輩と十咎先輩と一緒に 過去に行ってるなんて…
  190. 十七夜: 落ち込むな画伯 急ぐに越したことはない状況だ
  191. 十七夜: むしろ、現代に残った自分たちが 何をするかが課題だな
  192. みふゆ: それなら、まだ方策は 残ってるんじゃないでしょうか
  193. 十七夜: む…?
  194. 十七夜: …環君が倒れるより過去に行って 自分たちが食い止めるか?
  195. 十七夜: いや…概念の回収どころではなく 過去の改変が前提になるか…
  196. みふゆ: はい、なので ただ鏡を壊せばいいんですよ
  197. 月夜: なるほどでございます
  198. 月夜: この鏡を作る力が、 ミラーズの魔女と同じであれば…
  199. みふゆ: はい、鏡を作った本人が 確定しない限り
  200. みふゆ: 過去の改変は成立しません
  201. 月咲: 鏡を壊せば、環さんの状態も リセットされるってこと!?
  202. 月夜: それならすぐに ハッピーエンドでございます!
  203. 月夜&月咲: ねーっ!
  204. 十七夜: しかし、妙だな
  205. 十七夜: 柊君が思い至っていても おかしくない話だと思うが…
  206. ねむ: そうだね そして僕は難しいと判断したよ
  207. ねむ: 過去に概念をこぼれ落として 現代のお姉さんが倒れた
  208. ねむ: 確定のいかんに関係なく、 現代に影響を及ぼしたとなると
  209. ねむ: これは初めての事例になるから 鏡を壊すのは危険と判断したんだ
  210. みふゆ: う、そうですか…
  211. やちよ: ただ、みふゆが思いついたように 私たちにできることはある
  212. みふゆ: やっちゃんには 何か考えがあるんですか…?
  213. やちよ: だから、みんなが集まるまで 現代に残っていたのよ
  214. やちよ: 予想の域を出ない話だけど 私は、自分やみんなから…
  215. やちよ: …っ!
  216. フェリシア: お、おい! やちよ!?
  217. フェリシア: あ、れ…
  218. 月夜: おふたりとも どうしたんでございますか…!
  219. 月咲: つっ、月夜ちゃん、これ!
  220. ねむ: 魔力の消耗が激しい…
  221. ねむ: そうか…
  222. ねむ: お姉さんたちは世界を包む 自動浄化システムそのもの…
  223. ねむ: 支えるのに必要な魔力が 大きすぎたのかもしれない…
  224. 都 ひなの: で、あれば、 手の空いてるアタシらの出番だな
  225. 常盤 ななか: ええ
  226. 常盤 ななか: 過去に向かった皆さんが戻るまで 環さんを支えるのは必至
  227. 保澄 雫: いろはちゃんのためにも 救われているみんなのためにも…
  228. 都 ひなの: アタシらが入れ替わりで 対応できればなんとかなるだろ
  229. ???: 「んなもん、仲良くみんなで 倒れるんが関の山やろ」
  230. ???: 「私らに任せてもろた方が 間違いあれへんで」
  231. ヨヅル: はい、魔力の 扱いには長けています
  232. 月出里: ふむんむむ ふんむーふむんふむんむ
  233. ヨヅル: 私たちは調整屋さんだからねと 月出里も申しております
  234. かごめ: ピュエラケアの皆さん! 来てくれたんですか!?
  235. リヴィア: ちょうどええ タイミングやったみたいやな
  236. みかげ: すーたんが近くの町にいるって 知ってたからね
  237. みかげ: ミィも連絡してみたんだ!
  238. 那由他: それで、みたまさんも誘って 一緒に連れてきたんですの
  239. かごめ: ありがとうございます! でも、耐えられそうですか…?
  240. みたま: わたしたちも、みんなと同じで 長時間は耐えられないと思うわ…
  241. みたま: だけど、グリーフシードがあれば 浄化しながらでも支えられる
  242. みたま: 調整屋が蓄えている分は こういう時こそ使いどころね
  243. リヴィア: ほな、さっそく取りかかるで
  244. みたま: はい、先生
  245.  
  246. 103403-1_Ax1vD [Story 2]
  247. リヴィア: ふぅ…
  248. リヴィア: 確かに体を維持するだけ言うても えらい魔力を持ってかれるわ…
  249. フェリシア: む…う…
  250. リヴィア: お、気づいたみたいやな
  251. みたま: やちよさん、大丈夫…?
  252. やちよ: う… 悪いわね、みたま…
  253. やちよ: 私たちが浄化してもらうなんて…
  254. みたま: 魔力の扱いに長けた調整屋でも 消耗してるんだから
  255. みたま: 謝ることじゃないわ
  256. やちよ: そう、 4人がかりでもキツイのね…
  257. みたま: 魔力のコントロールに長けた わたしたちなら
  258. みたま: 最小限の魔力の消耗で 済むと思ってたんだけど…
  259. みたま: それより、謝るのはわたしの方よ 来るのが遅れてごめんなさい…
  260. みかげ: 姉ちゃは他の人を調整して 助けてたんだから仕方ないよ…!
  261. ねむ: それに調整屋が来てくれるだけで 僕達としては嬉しい限りだよ
  262. ねむ: ただ、いくらグリーフシードを 調整屋が確保していたとしても
  263. ねむ: 今の状況だと底をつくのも 時間の問題かもしれない
  264. ヨヅル: はい、まだ余裕はありますが、 思ったより消費は激しいですね
  265. みかげ: 魔女を捜してグリーフシードを 集めた方がいいかもしれないね…
  266. 木崎 衣美里: じゃあ、今度こそあーしらの 出番っしょ!
  267. 都 ひなの: ああ、ちょっと足を伸ばしてでも 魔女を捜した方が良さそうだな
  268. 阿見 莉愛: でも、私たちも普段から だてに魔女と戦ってないわよ
  269. 阿見 莉愛: 捜したところで 見つからないかもしれないわ
  270. 胡桃 まなか: うーん…被害が出る以上は 放っておけませんからね
  271. 相野 みと: だけど! それでも頑張るのが私たち!
  272. 伊吹 れいら: みと、いいこと言った!
  273. 伊吹 れいら: 最初っから 諦めてなんていられないよね!
  274. 桑水 せいか: うんっ…!
  275. 毬子 あやか: んじゃあ、空振り三振覚悟で みんなで魔女さがしだー!
  276. やちよの声: 待って!
  277. 毬子 あやか: おわぁっ!
  278. やちよ: その前に試したいことがあるの
  279. やちよ: 柊さん
  280. やちよ: いろはの概念を回収するための 器があったわよね
  281. ねむ: まだ、現代の分が残ってるよ
  282. やちよ: 私たちを介して、 いろはの概念は回収されてない?
  283. みふゆ: ――っ!?
  284. みふゆ: まさか、やっちゃん
  285. みふゆ: さっき残った理由があるって 言ってましたけど…
  286. ねむ: そうか…
  287. ねむ: ここにいる魔法少女たちは、 お姉さんが自らを削って救った者
  288. ねむ: つまり、みんながいれば 概念が回収される可能性もある…
  289. やちよ: ここに居る魔法少女だけで、 当事者の半数以上はいるはずよ
  290. 十七夜: 現代も含めれば 環君の概念はすべてそろう…
  291. 十七夜: それで環君が復活する未来を 七海は思い描いたということか
  292. やちよ: ええ…
  293. やちよ: 私は間違いなく自分やみんなから いろはの存在を感じていた
  294. やちよ: でも、回収する方法がないから 考えあぐねていたのよ
  295. やちよ: だけど、過去からいろはの概念を 回収する話を聞いて
  296. やちよ: 現代でも回収することができる 千載一遇のチャンスを得た
  297. やちよ: だからお願い、柊さん
  298. やちよ: いろはの概念が 回収されているか確認して
  299. ねむ: …………
  300. ねむ: やちよお姉さんの気持ちに 理解は示すよ
  301. ねむ: ただ、残念だけど 現代で回収された様子はないね
  302. ねむ: 僕から確認できるのは 過去から回収された分だけだよ…
  303. 十七夜: 七海のアテも外れてしまったか…
  304. やちよ: いえ、まだよ
  305. フェリシア: そうだ! まだわかんねーぞ!
  306. やちよ: あなた、起きてたの!?
  307. フェリシア: おう、さっきな!
  308. フェリシア: みんなに、いろはのなんちゃらが ひっついてねーなら
  309. フェリシア: 他のところに 捜しに行けばいいだろ!
  310. フェリシア: たとえば、ミラーズの魔女と 戦ったところとかさ!
  311. フェリシア: だって、いろはが残ってるのは 間違いないだろ!?
  312. やちよ: ええ、フェリシアの言う通り
  313. やちよ: ここにはなくても いろはの概念は必ずある
  314. やちよ: だから、回収をするための 魂の器を持って
  315. やちよ: 次は魔女を捜しつつ いろはの概念を見つけましょう
  316. リヴィア: ミラーズの魔女言うたら 瀬奈みことも調べた方がええな
  317. 月出里: ふんむむ、ふんむーふむんむ ふむんふむんむ、ふむんむ
  318. ヨヅル: 月出里が言うように 環様の中には彼女がいる
  319. ヨヅル: それは私も彼女と接していると 流れ込んでくる気配です
  320. リヴィア: なんや知らんけど、 過去の魔法少女を救うとか
  321. リヴィア: 壮大な約束をしとるみたいや…
  322. みたま: それが果たされないことに やきもきして、また敵に回った?
  323. リヴィア: どうやろうな
  324. リヴィア: ただ、一番けったいなんは 瀬奈みことやろ
  325. リヴィア: 合わせて調べてみ
  326. ねむ: 桜子
  327. 万年桜のウワサ: |なに、ねむ|
  328. ねむ: 瀬奈みことの本を 取ってきてくれないかな?
  329. 万年桜のウワサ: |マギアレコードにある?|
  330. ねむ: 少し捜すのが大変だと思うけど 上の僕に聞けばいいよ
  331. 万年桜のウワサ: |わかった、行ってくるね|
  332. 十七夜: では、七海 自分たちは魔女を捜しにいこう
  333. みふゆ: フェリシアさんも 動けそうですか?
  334. フェリシア: おう!任せろ! 行こうぜ、やちよ!
  335. やちよ: ええ…
  336. やちよ: (必ず見つけるわ… いろはを…)
  337.  
  338. 103404-1_cURCQ [Story 3]
  339. かごめ: みんな魔女を捜しに行ったけど 何体も見つかるのかな…
  340. みたま: 少し足を伸ばしてでも 見つけてくれないと困るわ
  341. みたま: 調整屋のグリーフシードも 数に限りがあるからね…
  342. リヴィア: それに、いろはちゃんのために 私らかて体を張ってるんや
  343. リヴィア: みんなにも頑張ってもらわへんと 割に合わへんわ
  344. かごめ: 体を張る…ですか…
  345. かごめ: そうですよね
  346. かごめ: 調整を受けていたとしても、 魔女との戦いは命掛けですし…
  347. みたま: もしかして、かごめちゃん
  348. みたま: 自分だけが楽をしてるって 思ってる?
  349. かごめ: えっ…!? あ、はい…図星です…
  350. みたま: アルちゃんと一緒に みんなを集めてくれたじゃない
  351. かごめ: だけど、 それで十分でしょうか…?
  352. みたま: ええ、もちろんよぉ
  353. ねむ: それに、心配しなくても 佐鳥かごめの役割は残ってるよ
  354. かごめ: えっ?
  355. 万年桜のウワサ: |ねむ、持って来たよ|
  356. 万年桜のウワサ: |空にいるねむが 瀬奈みことの本をくれた|
  357. ねむ: ありがとう桜子 続けて説明がしやすくなったよ
  358. かごめ: 役割って、 この本が関係してるんですか?
  359. ねむ: そうだね
  360. ねむ: 端的に言うと、瀬奈みことが お姉さんを裏切った記録があるか
  361. ねむ: 彼女の本を探って欲しいんだ
  362. 万年桜のウワサ: |それなら私でもできる|
  363. 万年桜のウワサ: |本の中に記載されてる内容なら 教えてくれるはずだよね?|
  364. ねむ: 本を開けば、 僕と同じように姿を現すはずだし
  365. ねむ: 記録は嘘をつけないからね
  366. ねむ: ただ、それでも佐鳥かごめの力が 必要になるかもしれないんだ
  367. かごめ: 私の…力…?
  368. ねむ: さっそく本を開いてみれば わかるはずだよ
  369. かごめ: じゃあ…
  370. かごめ: …あれ?
  371. かごめ: ふっ…んっ…
  372. かごめ: んーーー…ッ!
  373. かごめ: 開かない…
  374. かごめ: …ッ!
  375. ねむ: 大丈夫かな?
  376. かごめ: なんだか拒否された…?
  377. ヨヅル: 環いろはに触れていても なんとなく流れて来ますよ
  378. 月出里: ふむむむ、ふむんむむ ふんむむ、ふむむん
  379. ヨヅル: はい、誰にも心を開かないような 固く閉ざされた感じがします
  380. ねむ: 恐らく、アリナやお姉さん以外と 言葉を交す気がない
  381. ねむ: 予想通りの展開だね
  382. リヴィア: それで、かごめちゃんの能力か…
  383. ねむ: そう、情報を収集する力を使って 本から抜き出して欲しいんだ
  384. ねむ: 「お姉さんへの想いや考えを」
  385. かごめ: ――っ!?
  386. アルちゃん: <できるかな?>
  387. かごめ: わからないけど、 やってみるしかないと思う…
  388. アルちゃん: <相手は瀬奈みことだよ? 何が起きるかわからないけど…>
  389. かごめ: でも、これは私にしかできない 体の張り方だと思うから…
  390. かごめ: 覚悟を決めてやってみる…!
  391. ねむ: 恩に着るよ、佐鳥かごめ
  392. かごめ: ふぅ…
  393. かごめ: …………
  394. かごめ: (本の中を掻き分けるように…)
  395. かごめ: 何か…入ってくる…
  396. かごめ: う…なに…これ…
  397. かごめ: 深く探っちゃいけない…
  398. かごめ: 覗けば…呑まれる…
  399. かごめ: 見つけないと…いろはさんを…
  400. かごめ: いた…!
  401. かごめ: え…これは…
  402. かごめ: 「きゃぁあああああッ!!」
  403. かごめ: へ…ここって…
  404. かごめ: 瀬奈、みこと…さん?
  405. みこと: んふふっ 怖がらないで
  406. みこと: 私はマギアレコードに 力を与えられているただの記録
  407. みこと: 魔法で中を探るあなたの意識に 干渉しただけだから
  408. かごめ: それって…
  409. みこと: もう、無節操に私の中を 覗き回るのはやめてくれる?
  410. みこと: じゃないとあなたのこと
  411. みこと: 殺せないのに 殺したくなっちゃうから
  412. かごめ: …あ、ごめんなさい
  413. みこと: 早く用件を言って 何を知りたいの?
  414. かごめ: あ…えっと…
  415. かごめ: 実は、いろはさんが倒れたのは みことさんのせいじゃないかって
  416. かごめ: それで、何かしてないか 真相を確かめたくて…
  417. みこと: 私は何もしてない これで満足?
  418. かごめ: ……………
  419. みこと: 疑念の目を向けられても… 記録にウソはつけないもの
  420. かごめ: …じゃあ、もう少しだけ 詳しく教えてください
  421. みこと: 過去と未来の魔法少女も救うのが 環いろはが背負った約束
  422. みこと: 私はその無茶な約束が 果たされると信じているから
  423. みこと: 結末を迎えるまでは力を貸して 成り行きを見守るつもりなの
  424. かごめ: …信じて、いいですか?
  425. みこと: 矛盾するようなことは 私の記録にないから
  426. かごめ: わかりました ありがとうございます…!
  427. かごめ: あの… 今度からは乱暴に覗きません…
  428. かごめ: なので、次からは優しく 教えてくれると嬉しいです…
  429. みこと: それなら、環いろはの中にいる 本当の私と仲良くなって
  430. みこと: 私はあくまでこれまでの記録 この出来事も忘れてしまうから
  431. みこと: …ただ、怖がらせたお詫びに ひとつだけ教えてあげる
  432. かごめ: えっ
  433. みこと: みんな、そばに魔女がいること 気付いてる?
  434. かごめ: ――っ!?
  435. かごめ: どういうことですか!?
  436. みこと: 懐かしい… 何度も見た魔女の気配がするの…
  437.  
  438. 103405-1_w71I8 [Story 4]
  439. やちよ: …………
  440. フェリシア: どうだ!?
  441. フェリシア: 今度こそ、いろはのヤツ 回収されたんじゃねーか!?
  442. やちよ: …いえ、ダメみたいね
  443. フェリシア: ぉぉ、マジかよ…
  444. フェリシア: 鏡の魔女と戦った場所だから ぜってーにあると思ったのに…
  445. 十七夜: ここで削られた環君の概念は 既に消えている…?
  446. やちよ: だとしても、 必ずどこかにあるはずよ!
  447. やちよ: だって私は、みんなの側で いろはを感じたもの…!
  448. 十七夜: 落ち着け七海
  449. やちよ: …っ
  450. やちよ: あの子が決めたことだとしても、 私が犠牲になれば良かった…
  451. やちよ: 何か絶大な力があれば…
  452. やちよ: いろはもういちゃんも 消えずに済んだかもしれない…
  453. フェリシア: ――っ!?
  454. フェリシア: い、いまさら んなこと言っても仕方ねーだろ
  455. フェリシア: それに、いろは以外に あんな力は手に入んねーよ
  456. やちよ: 私もそう思う… だけど、方法がある気がする…
  457. やちよ: いえ…“あったはず”なのよ…
  458. フェリシア: う…
  459. 十七夜: ふむ…
  460. 十七夜: 悪いが有り得ない可能性を 議論するのは不毛だ
  461. 十七夜: 今はできること考えよう
  462. 十七夜: 自分は、長期戦に備えて 食事を用意しに戻るつもりだが
  463. 十七夜: みんなはどうする
  464. 月夜: あ、私も月咲ちゃんのお家で おにぎりを作る予定でございます
  465. 月咲: ねー
  466. 伊吹 れいら: 少しだけグリーフシードも 集められたし…
  467. 伊吹 れいら: 私たちも団地に戻ろっか
  468. 桑水 せいか: うん、十七夜さんが言うように 長期戦になるかもしれないし…
  469. 相野 みと: 夜遅くなってもいいように、 お母さんにも言い訳しないとね
  470. フェリシア: じゃあ、オレたちは グリーフシードを持って戻ろうぜ
  471. やちよ: そうね
  472. やちよ: ごめんなさい 少し取り乱してしまったわ
  473. 十七夜: 気にするな 心情は察する
  474. フェリシア: 戻ったぞー!
  475. やちよ: 少ないけど、グリーフシードも いくつか確保できたわ
  476. ねむ: お帰り、助かるよ 他の人達はどうしたのかな?
  477. やちよ: 十七夜たちは長期戦に備えて 食事の用意をしに行ったわ
  478. やちよ: そっちは?
  479. ねむ: 佐鳥かごめが瀬奈みことから 話を聞いてるところ…
  480. かごめ: 皆さん大変です!
  481. ねむ: わっ…
  482. かごめ: はぁ…はぁ…
  483. ねむ: 起き抜けに ずいぶんな慌てようだね…
  484. かごめ: だって、近くに魔女が!
  485. やちよ: 魔女…?
  486. かごめ: ここで…万年桜のうわさで 魔女の気配がするって
  487. かごめ: みことさんが言ってたんです!
  488. やちよ: ――っ!?
  489. フェリシア: んん?
  490. フェリシア: みんな居たのに 気づかないわけがねーぞ
  491. かごめ: でも、魔女の気配がって…
  492. リヴィア: ちょいちょい!
  493. リヴィア: こっちはいろはちゃんに かかりっきりなんや!
  494. リヴィア: 倒すんやったら、 そっちでなんとかしたってや!
  495. かごめ: は、はいぃ!
  496. やちよ: とは言っても 魔女の気配なんて少しも…
  497. フェリシア: おう…やっぱ感じねーぞ…
  498. みたま: 待って、微弱だけど 感じるかも…
  499. ヨヅル: はい、集中して探ってみると 本当に微弱ですが魔女の反応が…
  500. 月出里: ふむ、ふんむむふむ
  501. ヨヅル: 月出里も同じようです…
  502. みたま: …………
  503. みたま: ――っ!?
  504. みたま: やちよさん、右の空間を切って!
  505. やちよ: ハァッ!!
  506. やちよ: …まさか、本当に!
  507. かごめ: 倒しに行きましょう! 私も手伝います!
  508. やちよ: ふぅ…
  509. ねむ: 魔女はいたのかな…?
  510. フェリシア: んにゃ、使い魔だけだったぞ
  511. ねむ: とはいえ、僕達が気づかなかった 理由はさっぱりわからないね…
  512. フェリシア: 戦った使い魔も、 よく見るようなヤツだしなー
  513. ねむ: 僕達が戦ったことがある相手 ということかな?
  514. フェリシア: おう
  515. フェリシア: みたまに調整してもらうときに 魔力の塊を使うだろ?
  516. フェリシア: あれをよく落とすヤツだよ 知ってるよな?
  517. みたま: いえ、まさか… 気づかなかった理由って…
  518. リヴィア: その、まさかちゃうか 私も同じことを考えとるわ
  519. フェリシア: な、なんだよ…
  520. みたま: 調整屋が、みんなの魔力を 底上げするときに使う魔力の塊…
  521. みたま: それが、私たちに 馴染んでしまっているとしたら…
  522. リヴィア: せやな…
  523. リヴィア: 特定の魔女の魔力反応に 気づけんくなってるかもしれん…
  524. やちよ: そんな…
  525. やちよ: キャッ…!
  526. フェリシア: おい、これって!
  527. ねむ: お姉さんの崩れた概念が 戻って来た…!
  528. かごめ: それって、あの使い魔が 持ってたっていうことですか!?
  529. やちよ: だとしたら…
  530. やちよ: みんなからいろはの概念を 回収できなかったのも
  531. やちよ: 鏡の魔女と戦った あの湖で回収できなかったのも…
  532. やちよ: すべては…
  533. ねむ: 僕達の知らないところで 奪われていたのかもしれない…
  534.  
  535. 103406-1_zOfiW [Story 5]
  536. みたま: 使い魔がいろはちゃんの概念を 持っていたなんて…
  537. リヴィア: 私らに気づかれへんように 近づけるやろうし
  538. リヴィア: ほんま、知らん間に 取られとったんかもしれん…
  539. 月出里: ふむっむ、ふむんむむ ふんむーむむふんむむ…?
  540. ヨヅル: 先ほどの話だと、私たち調整屋に 責任があるかもしれませんね
  541. ねむ: 魔力の強化に使っていたものが 影響を及ぼすなんて想像できない
  542. ねむ: 責任の追及なんて馬鹿げているよ
  543. やちよ: 今は、いろはの概念を狙う標的が わかっただけでも前進よ
  544. フェリシア: つーか、早くさっきの使い魔を 捜しに行こうぜ!
  545. フェリシア: もっといろはの概念を 持ってるかもしんねーんだろ!?
  546. かごめ: はい、きっと
  547. かごめ: でも、魔女に挑むとしたら 気をつけないといけません…!
  548. ねむ: もしかして、瀬奈みことから まだ何か聞いているのかな…
  549. かごめ: はい…
  550. ねむ: 詳しく聞かせて欲しい…
  551. かごめ: …………
  552. かごめ: 『実は、さっき倒した使い魔は 古代から存在しているそうなんです…』
  553. かごめ: 『親の魔女も古くから存在していて 株分けの魔女も世界中で数を増やしながら 日本まで広がってきたそうです…』
  554. かごめ: 『それを可能にしたのは絶大な力ではなく 魔女の特異な能力…』
  555. かごめ: 『信じられない話ですけど… 親の魔女は株分けの魔女とは別に 子機となる自分の分体を作りだして その分体を操れるそうなんです…』
  556. かごめ: 『それも時間を飛び越えて…』
  557. ねむ: な…
  558. ねむ: それは灯花じゃなくてもわかる 到底有り得ない話だよ…
  559. ねむ: 1年前の自分や10年前の自分を 自在に操れるという話だよね…?
  560. かごめ: はい…
  561. かごめ: 『そうやって魔女は過去のパズルを繰り返して 自身が生き抜く力を 得ようとしているみたいなんです』
  562. かごめ: 『ただ、時間に干渉し続けて 力を消耗しているので 現代まで生き延びて数は増やしているものの 歴史を変えるほどの力はないそうです』
  563. ねむ: それでも、使い魔や分体を 量産しているともなれば
  564. ねむ: 生き抜く力を求めている以上 不穏さしか感じないよ
  565. かごめ: はい、古代から現代まで… 自己を残す執念を感じます…
  566. フェリシア: はやく、ぶっつぶそうぜ!
  567. フェリシア: あの使い魔に命令してる魔女が どっかに居るんだろ!?
  568. かごめ: それなら、この神浜市に… それも水名城の下にいます…!
  569. かごめ: 戦国時代から根を張って
  570. かごめ: 千鶴が倒しきれなかった 水名露の魔女を食らい
  571. かごめ: 今も力を蓄えているはずです…!
  572. やちよ: …っ、急いで水名城に行くわよ!
  573. やちよ: かごめちゃん 魔女の本来の強さはわかる?
  574. やちよ: 時間へ干渉していたとしても、 やめれば全力を出せるはずよ
  575. かごめ: 今のところ そのケースはないみたいです
  576. やちよ: 戦って確かめるしかなさそうね…
  577. フェリシア: んなもん関係ねーよ
  578. フェリシア: ズガンッとぶっ倒して 概念を全部回収すりゃいいだろ!
  579. やちよ: 猪突猛進も結構だけど 油断は大敵よ
  580. みたま: わたしたちは引き続き いろはちゃんを支えているから
  581. みたま: 概念の方はお願いね
  582. ねむ: 僕も皆を迎える時のために ここで待機しているよ
  583. やちよ: ええ、水名の方なら 他の魔法少女もいるから
  584. やちよ: みんなに声をかけてみるわ
  585. ねむ: あと、代わりに戦力として 桜子を連れて行ってくれるかな
  586. 万年桜のウワサ: |話なら聞いてた いろはを助けるんでしょ?|
  587. やちよ: 力を貸してくれる?
  588. 万年桜のウワサ: |4人のためなら当然|
  589. フェリシア: おい、これって いろはの概念だよな!?
  590. 万年桜のウワサ: |かごめが言ってた通り|
  591. 万年桜のウワサ: |あの魔女を倒したら いろはが戻ってくる?|
  592. やちよ: そうだけど、気をつけなさい…
  593. やちよ: 弱いとは聞いてたけど、 悠長に構えられる相手ではないわ
  594. ねむ: 旅立っていたみんなが 帰ってきたようだね
  595.  
  596. 103407-1_ZFmlZ [Story 6]
  597. フェリシア: ふぅ…ふぅ…
  598. フェリシア: …っし! やった…やったぞ…!
  599. やちよ: 時間への干渉を続けてあの力… 全力を出さないとまずかったわ…
  600. かごめ: 桜子ちゃんも 手伝ってくれてありがとう
  601. 万年桜のウワサ: |ううん、 私はいろはが戻ればいいから|
  602. フェリシア: 魂の器はどうだ!? いろはは戻ってきたか!?
  603. かごめ: …特に反応は
  604. かごめ: ――っ!?
  605. かごめ: いえ、戻って…来ました…
  606. フェリシア: すげぇ…使い魔のときと比べたら めっちゃ光ってるぞ…
  607. やちよ: 現代で…私たちを救うために 削られたいろはの概念が
  608. やちよ: 戻って来たのよね…?
  609. ~~♪~~♪
  610. やちよ: ももこだわ…!
  611. ももこ: ただいま、やちよさん 無事に過去から戻ってきたよ
  612. ももこ: いろはちゃんの概念は バッチリ回収できたから安心しな
  613. やちよ: お疲れ様…それにありがとう… 大変だったでしょう?
  614. ももこ: そりゃあもうね…
  615. ももこ: 文化も違えば、 経過してる時間も違うんだから
  616. ももこ: それに向こうでの出来事が濃くて まだスッキリしないな
  617. やちよ: 何があったのか また、色々と聞かせてちょうだい
  618. ももこ: 他のみんなも戻って来てるから きっと話題には尽きないよ
  619. やちよ: みんなも…じゃあ…
  620. ももこ: ああ、過去に散らばった いろはちゃんの概念は集まった
  621. やちよ: すぐに戻るわ
  622. 竜城 明日香: なな、なんとっ! 過去組が戻って来たんですか!?
  623. 阿見 莉愛: 集めたグリーフシードは 使わず仕舞いで終わりそうだわ
  624. 若菜 つむぎ: ふぅぅ、気が抜けたら お腹がすいてきちゃったよぉ
  625. 胡桃 まなか: 気を抜くのが早すぎですよ! まだ何が起きるかわかりません!
  626. 常盤 ななか: 私たちを救うために削った概念も 回収できたみたいです
  627. 夏目 かこ: それってもう、いろはさんの ピースがそろったんじゃ…!
  628. 純 美雨: とは言っても 変な期待はしない方がいいネ
  629. 志伸 あきら: ま、期待が裏切られるとね… でもさ、望むぐらいはいいと思う
  630. 毬子 あやか: うおおおっ!
  631. 毬子 あやか: じゃあじゃあ、 いろはちゃん戻ってくるかも!?
  632. 木崎 衣美里: もしも帰ってきたら ろっはー再誕祭やんないとね!
  633. 都 ひなの: おい、はしゃぐな! 気が早すぎるぞ
  634. 保澄 雫: まずは、戻って確認しないと 安心はできないからね
  635. 鶴乃の声: ししょー!
  636. やちよ: …っ、おかえりなさい鶴乃
  637. 鶴乃: ただいまっ!!
  638. さな: フェリシアさんも、ただいま…!
  639. フェリシア: おう!
  640. フェリシア: いろはの概念 回収してくれてありがとな!
  641. やちよ: それに、他のみんなも…
  642. 結菜: 少しは恩を 返せたかもしれないわねぇ
  643. ひめな: ただ、いろりんへの恩返しは メンタルのダメージでかすぎ…
  644. ひめな: 最後にサガる真実を知って、 マジでヘコんでるんだけど…
  645. 静香: 私は結構スッキリしてるわよ 無事に魔法少女の呪縛を解いたし
  646. ラビ: こちらは歴史をなぞったとはいえ つらい結末ではあった…
  647. ねむ: 各時代の事情はどうあれ、 今回の一件では本当に救われたよ
  648. ねむ: いや、救われたのは 世界中の魔法少女と言っていい
  649. ねむ: 自動浄化システムが 失われずに済んだわけだからね
  650. かごめ: いろはさんの体は…
  651. みたま: 今は安定してるし大丈夫そうよ
  652. ヨヅル: 皆さんが戻って来られてから 私たちの負担もなくなりました
  653. 月出里: ふんむんむ、ふんむふむっむむ ふむむふむふむんむむ
  654. リヴィア: せやな、いろはちゃんの概念が 戻って来たって証拠やわ
  655. かごめ: きゃっ…!
  656. かごめ: 何か、急に魔力の反応が…
  657. かごめ: 「少ししか感じなかった魔力の反応が 一気に膨れあがってます!」
  658. いろは: …………
  659. いろは: う…あれ…私…
  660. 灯花: んにゃー…
  661. 灯花: なんか意識がとんでたんだけど 何が起きてたのー…?
  662. ねむ: よかった…
  663. うい: お姉ちゃんも灯花ちゃんも ずっと倒れてたんだよ
  664. うい: 過去を旅したせいで お姉ちゃんの概念が崩れたの…
  665. ねむ: その影響でお姉さんは さっきまで消滅しかけていて
  666. ねむ: 灯花も引っ張られる形で 倒れてしまったんだ…
  667. ねむ: だけど、みんなが助けてくれた 過去まで行ってくれてね
  668. 灯花: んー…
  669. 灯花: つまり、わたくしとねむの検証は 失敗しちゃったってこと?
  670. ねむ: そうなるけど…
  671. ねむ: 救ってくれた皆の前なんだよ 少しは悪びれてくれないかな…?
  672. いろは: あれ…もしかして… みんな、私のことが見えてる…?
  673. 十七夜: しっかり声も聞こえている
  674. 十七夜: 環君が現代で散らした概念を 七海が回収してくれたおかげだな
  675. ももこ: いろはちゃんと会う方法も ずっと調べてたからね
  676. いろは: …やちよさん
  677. やちよ: …おかえりなさい、いろは
  678. いろは: ただいま…
  679. いろは: 私もずっとみてました…
  680. いろは: やちよさんが桜の根元で 食事をする姿を見るたびに
  681. いろは: 隣に行って話しかけたいって いつも思ってました…!
  682. やちよ: 次は言葉を交す余裕をもって 消えてほしいわ…
  683. いろは: …居てほしいとは 言ってくれないんですか?
  684. やちよ: いじわるね
  685. やちよ: …これからも私たちのそばに 居てほしい…お願いよ…
  686. いろは: はい…
  687. いろは: 「あ゙ッ…!?うぅっ…」
  688. やちよ: いろは!? どうしたの!?
  689. いろは: …っ、わかり…ません
  690. やちよ: これ…うそ… ソウルジェムが…!
  691. いろは: 「あぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」
  692. フェリシア: いろは!?やちよ!?
  693. さな: うそ… いろはさんとやちよさんが…
  694. 鶴乃: 魔女の体に取り込まれた…?
  695. 鶴乃: ま、まま、 まだ魔力の反応はあるよ…!
  696. 鶴乃: 生きてる!大丈夫!
  697. 灯花: とりあえずみんな 万年桜のうわさから出て行って!
  698. ねむ: いや、強制的に弾き出す…! ウワサの結界がもたなくなる…!
  699. 結菜: くっ…感傷に浸る余裕は まるでないわねぇ…
  700. 静香: 仕方がないわよ… それより魔女は…!?
  701. ラビ: あれは…鏡の魔女と同じぐらい…
  702. ひめな: さすがにヤバすぎでしょ… なんであんなのが出てくんの…?
  703. 十七夜: 自分には、あれが環君から 溢れ出たように見えたが…
  704. みたま: 見間違いじゃないわ…
  705. レナ: なんで…? 助かったんじゃないの…?
  706. ももこ: やちよさんまで…
  707. 万年桜のウワサ: |この結界、 さっき倒した魔女と同じ…|
  708. 万年桜のウワサ: |空一面が魔女の結界… 自動浄化システムが飲まれた?|
  709. かごめ: …だとしたら
  710. かごめ: あ、魔女が動きます!!
  711. かごめ: キャッ!!
  712. さな: ―さな― 待って…!
  713. さな: ―さな― いろはさんたちを 連れていかないでください…!
  714. 鶴乃: ―鶴乃― 向かってるのはどこ…? 中央区…?神浜市の中心…?
  715. 鶴乃: ―鶴乃― 違う…水名城…?
  716. フェリシア: ―フェリシア― オレたちが魔女を倒したとこじゃん!
  717. かごめ: ―かごめ― (でも、あの時と今の魔女の見た目は違う…)
  718. かごめ: もしも私たちが倒したの株分けの魔女で 本体が別に存在していたとしたら…
  719. かごめ: もしも私たちがさっき倒した魔女と同じように 過去にいた魔女も “いろはさんの概念を狙っていたら…”
  720. かごめ: 魔女は分体を操って私たちが気づかない間に いろはさんの概念と一緒に回収されて…
  721. かごめ: ―かごめ― だめ… そのまま…そのまま…行かせたら…!
  722. かごめ: ―かごめ― 分体の魔女たちがひとつになっちゃう!!
  723. ねむ: ―ねむ― これは、終末も秒読み…
  724. 灯花: ―灯花― 自動浄化システムが奪われて 世界中が結界と隣り合わせだからねー
  725. さな: ―さな― いろはさーーーーん!!
  726. フェリシア: ―フェリシア― やちよーーーー!!
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