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- FILENAME: text_313021-1.txt
- やちよ: あら…あなた、こんなところで何をしているの?
- やちよ: 私は… 自分を戒めるために過去を振り返っていたの
- やちよ: 何があったのか…って 私の話なんか聞きたいの?
- やちよ: …いえ、自分を戒めるにはちょうどいい機会だわ 振り返るには辛いことも多いけど 話してみるわ、自分の過去を…
- やちよ: …そう、あの頃の私はね 仲間なんていらないと思っていたの
- やちよ: だけど、あの子と出会って私は…
- FILENAME: text_313021-2.txt
- 誰よりも私が一番 過去にとらわれている
- FILENAME: text_313021-3.txt
- やちよ: 当時の私は 神浜市の魔女とひとりで戦っていたわ
- やちよ: 最初に言った通り 仲間なんていらないと思っていたから…
- やちよ: そんなとき、私はいろはに出会ったの
- やちよ: 当時は宝崎市から迷い込んできただけで 神浜市でやっていけるほど強くないっていうのが 私のあの子に対する第一印象で
- やちよ: もう二度と会うことはないと思っていたわ
- やちよ: けど、彼女は再び私の前に現れた
- やちよ: 消えた妹さんの原因がウワサにあると考えて ウワサについて調べている 私にたどり着いたみたいでね
- やちよ: 気付けば私は口寄せ神社といううわさ を 鶴乃も含めた3人で 調べることになっていたわ
- やちよ: その神社について伝わっていたのは 会いたい人に会えるといううわさ
- やちよ: その内容の通り私は かつての仲間で共に戦ってきたみふゆに出会った
- やちよ: 彼女を失った現実を自分に刻みつけるために 捜し続けてきた私にとって 目の前に本人が現れた衝撃は大きかった
- やちよ: だけど、やっと出会えたと思ったみふゆは ウワサの作り出した幻でしかなくて…
- やちよ: 私は捜し求めていたみふゆの幻影を 自らの手で倒し、ソウルジェムを濁らせた
- やちよ: そんな私を見たいろはは、自分だって 捜していた妹さんの幻影に会って辛いはずなのに 私にグリーフシードを使ってしまったの
- やちよ: その結果、いろはのソウルジェムは 濁りきってしまった
- やちよ: だけど彼女は魔法少女の宿命に反するように ドッペルと呼ばれるものを出したのよ
- やちよ: …また私は、周りの人を危険な目に遭わせたと 自分で自分を責めたわ…
- やちよ: それに今思えば、あのときドッペルについて もう少しだけ話しておけば あんなことにはならなかったのかもしれないから
- FILENAME: text_313021-4.txt
- やちよ: それからも、いろはの妹捜しは続いて うわさ を調べてウワサを倒していく中で
- やちよ: 神浜市には“マギウスの翼”という組織があって みふゆも所属していることを知った
- やちよ: そして少しずつ私は いろはたちと行動を共にするようになっていった
- やちよ: 仲間なんていらない
- やちよ: それが私の信条だったはずなのに 彼女たちを前にして私の心は開きつつあったわ…
- やちよ: それを証明するように私は あの頃と同じようにマグカップを用意して 仲間たちと過ごした過去の自分に戻っていった…
- やちよ: 平穏の訪れではあったけど 同時に不安が鎌首をもたげてきたわ
- やちよ: なぜなら、私には仲間をいらないと思う 理由があったから
- やちよ: “私のせいで、また仲間を失うかもしれない”
- やちよ: 不安をみふゆに言い当てられて 私は、自分の甘さを痛感させられた
- やちよ: そして私は、みかづき荘のみんなに対して 仲間じゃないから…と 冷たく接するようになってしまったわ
- やちよ: 私を記憶の中から責め立てているのは かつて共に戦ったみかづき荘の仲間たち
- やちよ: 仲間たちの死を反芻しながら 二度とこんな光景を見たくはないと思った私は
- やちよ: みんなから嫌われることにした
- やちよ: そして、いろはに対して言ったの チームは解散だって
- やちよ: …怖かったのよ
- やちよ: また、私の願いのせいで 仲間が死んでしまうんじゃないか
- やちよ: また、私が生き残るために 仲間を犠牲にしてしまうんじゃないかって
- やちよ: でも、そんな私にいろはが言ってくれたのは “死なない”っていうことだった…
- やちよ: 力強いその言葉は 陰っていた私の心に一筋の光を当てた
- やちよ: そしてもう一度、いろはの言葉を信じて 仲間から逃げずに向かいあおうって思ったの
- やちよ: それなのに、巴さんとの戦いの中で
- やちよ: いろはは、私の前から姿を消した
- やちよ: 死なないって、約束したのに
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- やちよ: 仲間と向き合おうと決めた直後 目の前でいろはを失った私は
- やちよ: 鶴乃たちが姿を消した孤独なみかづき荘で マギウスの翼について調べていたの
- FILENAME: text_313022-2.txt
- 持ちきれないほどあったでしょ
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- やちよ: いろはを失った私は、怒りと後悔に満ちていたわ
- やちよ: 身の回りのこともままならない状態で 私は、いろはたちを取り戻すべく マギウスについて血眼になって調べていた
- やちよ: 何かしていないと 気がおかしくなりそうだったから
- やちよ: 怒りにまかせて調べることで 冷静を保とうと努めていたのよ
- やちよ: だけど同時に、いろはがいなくなっても 変わらず働き、日常を過ごす自分に対して 腹立たしさも感じていたわ
- やちよ: マギウスの拠点を探す中で出会ったみふゆは 自分は弱く、いろはと同じだと言っていた
- やちよ: みふゆの吐いた言葉が許せなくて 私はひどく腹を立てたわ
- やちよ: 魔法少女の宿命からも、私からも逃げたみふゆ
- やちよ: だけど、あの子は… いろはは決して逃げなかった
- やちよ: 私よりも弱いはずのいろはは 前を向いて私を引っ張ろうとしてくれた
- やちよ: どれだけ妹さんが見つからなくても 妹さんのことを誰も覚えていなかったとしても 彼女は逃げず、諦めなかったから
- やちよ: 私は、いろはの本当の強さを知っていたから
- やちよ: 彼女を“弱い”と言うみふゆの言葉が いろはへの侮辱に感じて腹立たしかった
- やちよ: いろはを奪ったマギウスも、みふゆも
- やちよ: いろはを犠牲に選んだ私の願いも
- やちよ: そのどれもが許せなくて 許しちゃいけなくて 私は、みふゆとぶつかった
- やちよ: でも、みふゆを倒すことなんて 私にはできなかったの
- やちよ: だって、心の奥底で私は 親友だったみふゆのことも 救いたいと願っていたから
- やちよ: そして、そう思えるようになったのも きっといろはのおかげだった
- FILENAME: text_313022-4.txt
- やちよ: みふゆが去ったあと マギウスの拠点に入ろうと考えた私は
- やちよ: 黒羽根の黒江さんと一緒に あるウワサ空間に迷い込んだわ
- やちよ: そこは“万年桜のうわさ”と呼ばれる場所で…
- やちよ: とうとう私は捜し続けていたいろはと 再会した
- やちよ: だけど喜びも束の間に いろはの姿は突如ドッペルへと変貌し 私たちはドッペルに飲み込まれてしまったの
- やちよ: 目を覚ましたとき そこに広がっていた光景に驚いたわ
- やちよ: だって私が見たのは 消えたはずの鶴乃たちがいる みかづき荘だったから
- やちよ: いなくなったはずのいろはも 消えたはずの妹さんもいる不思議な世界
- やちよ: それもそのはず、私が見ていたのは いろはのドッペルが彼女の心を守るために作った 彼女にとって最高の世界だったの
- やちよ: その光景はどこか 私が求めたみかづき荘とも似ていたわ
- やちよ: けれど、まがい物でしかない世界は すぐに綻びを見せ始めた
- やちよ: だから 私たちは、いろはが作った理想の世界を壊したの
- やちよ: もしかしたら、いろはにとっては ドッペルの作り出した世界の方が 幸せだったのかもしれないけど
- やちよ: 私たちの想いは、悲しみは
- やちよ: まがい物なんかで 取り繕えるようなものではないはずだから
- やちよ: そうして、ようやく
- やちよ: 私は、いろはと本当の再会を果たしたの
- やちよ: 私は決意したわ みかづき荘の仲間を取り戻す…と
- やちよ: いろはの理想の世界には、妹さんだけじゃなく 鶴乃たちみかづき荘の仲間も含まれていて
- やちよ: いろはが、みんなのことを それだけ大切に思っていることがわかったから
- やちよ: …私にとっても、大切な仲間たちだから
- FILENAME: text_313023-1.txt
- やちよ: いろはとの再会を果たしたあと 私たちは、黒江さんに案内してもらって マギウスの本拠地へと向かったわ
- やちよ: だけど、そこで私たちを待ち構えていたのは 想像もしないものだった
- やちよ: 仲間への愛情に正直になれた私に向けられた 私の不甲斐なさが引き起こした過ち
- やちよ: 結局、私は昔からずっと 仲間から逃げ続け、目をそらしてきたのよ…
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- 何も知らないじゃない
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- やちよ: そう、あの頃の私は すべて知ったつもりでいて何も知らなかったの
- やちよ: 私たちが見たのは、変わり果てた鶴乃の姿
- やちよ: 鶴乃は、マギウスによって ウワサと融合させられてしまっていたの
- やちよ: みたまによれば、鶴乃を救う方法は 相手のことを正確にイメージし コネクトする形で攻撃をすること
- やちよ: ただし、失敗すれば 鶴乃自身も傷つけることになってしまうという
- やちよ: 鶴乃と長く一緒にいるのも 彼女のことを理解しているのも、私…
- やちよ: いつも頑張る彼女を思い浮かべて 私は鶴乃にコネクトをした
- やちよ: 頭をよぎった一抹の不安には 気が付かないふりをして…
- やちよ: 衝撃と、嫌な感触のあとに見たのは 傷ついた鶴乃の姿
- やちよ: 私は、コネクトに失敗した
- やちよ: 彼女の心に、拒まれた
- やちよ: 私は、鶴乃のことを何でもわかっていたつもりで 本当は何もわかっていなかったのよ
- やちよ: 彼女の苦悩も、何もかも
- やちよ: 鶴乃が、いつも笑顔の裏で何を思っていたのか 考えたことが私にあった?
- やちよ: あの子に強くあって欲しいと願うばかりで 弱音を聞いてあげようと思ったことは…?
- やちよ: …私、あの子のこと 見ようともしていなかったじゃない
- やちよ: その現実が深く胸の奥をえぐったわ
- FILENAME: text_313023-4.txt
- やちよ: 一番近くにいたはずなのに 私には何も見えてなかった
- やちよ: その現実が目の前にある
- やちよ: でもね、鶴乃の側面に触れて思ったの
- やちよ: 鶴乃にはもう強がらないで欲しい…
- やちよ: …いえ、強がらなくてもいいようにしたいって
- やちよ: 鶴乃の弱さを受け入れ 成功した2回目のコネクト
- やちよ: 鶴乃と向き合うと同時に 自分自身の不甲斐なさとも向き合ったわ
- やちよ: 間違えたなら正せばいいという いろはの言葉が背中を押してくれたから
- やちよ: ウワサから解放された鶴乃を囲む中には 鶴乃を救う手助けをしてくれたみふゆたちもいて
- やちよ: もしかしたら、みふゆたちともう一度 みかづき荘で過ごす
- やちよ: …そんな幸せな未来だって あるのかもしれないって思ったわ
- やちよ: そのあと、マギウスが魔女を集めていた装置も いろはと鹿目さんが力を合わせたことで 破壊できたけど、いいことばかりじゃなかった
- やちよ: そのせいで神浜市に向かっていた ワルプルギスの夜は進行方向を変えて 見滝原市の方へと向かっていったから
- やちよ: 見滝原市を守るため 鹿目さんたちは帰っていった
- やちよ: そして、私たちみかづき荘は ようやくひとつになると マギウスを倒すために立ち上がったの
- やちよ: そう、もう一度仲間たちと一緒に…!
- やちよ: 仲間なんていらないと思っていたけど 私はいろはと出会って変わったわ
- やちよ: 静かなみかづき荘なんて、もうたくさん 少しうるさすぎるぐらいの方が 実は、好きなのかもしれないわね…私
- やちよ: あ、今のフェリシアには内緒よ? これ以上騒がしくされるのは さすがにご近所さんに迷惑だもの…
- やちよ: …………
- やちよ: マギウスとの戦いがどうなったのか?
- やちよ: …話してあげたいところだけど そろそろみかづき荘に帰らなくちゃ
- やちよ: だから、今回のお話はここまでね
- やちよ: だけど、ひとりの魔法少女の話は…
- やちよ: …いえ、魔法少女たちの話は これからも続いていく
- やちよ: だから、きっとまたいつか 今日の続きを話しに来るわ …今度は、仲間たちも連れて
- やちよ: そのときまで、またね
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