緑なす山のつらなり
人里はなれた木々の群れ
通りいる からくれないの
かふき門ひとつふたつみっつ
あがれば 神の座

眠る空 あけび撓む季節
宵のしじま ひそやかに謡う
いずれ贄になる身
ゆめもなく ただ生きるのみ

あくる日 薬草売りが訪れた
娘のかそけき歌声に 呼ばれるように
明日を写さぬまなざしに 惹かれるように

はらはらはらり 触れたぬくもり
つばみはあはく色づいて
とうとう寄り添いささめいた
ふりつもる星 ながめるさま
小夜の隙間 ふたり 春を夢見ろ

眠る空 うすらいぶむ季節
冴えるしじま ひそやかに微笑む
やがて来たる君
ゆめみては ただ待ち焦がれ

はらはらはらり 触れたくもり
つばみはあはく色づいて
とうとう輪郭ばやかした
ふりつもる星 ながめるさま
小夜の隙間 ふたり 春を夢見る
宿る炎 かかえたまま
どこまでゆこうか

はらはらはらり...
はらはらはらり 触れたくもり
いのち包む花びらと
とうとう寄り添いささめいて
ふりつもる星 ながめるさま
小夜の隙間 ふたり 明日を奔ろう

宿る炎 かかえたまま
はるかかなたまで