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- (The script hasn't changed, but I just decided to do a new extract with spaces where the game has line breaks, in case anyone finds it easier to read/TL in the future)
- FILENAME: text_514710-0.txt
- ―プロローグ―
- <あすなろ市>
- <珈琲・軽食「レパ・マチュカ」>
- ???: ごちそうさまでした!
- ???: いつも、 美味しいごはんをありがとう!
- ここはお前の家の台所じゃないぞ
- ???: また皿洗いのお手伝いするし
- ???: メニューも考えるから いいでしょ?
- お前の好きなもの ばかりだけどな…
- ???: あはは…! じゃあ、またくるね!
- 気を付けてな
- ???: チャオ、立花さん!
- ???: 海香とカオルに おみやげ買って帰ろ♪
- ???: あのお店なら、 こっちが近道かな…
- ???の声: トッコ・デル・マーレ
- ???: ――っ!?
- ???: (…ソウルジェムを… 抜き取られた…!?)
- ???: …返…して…
- ???: ――っ!?
- ???: どうして…!
- ???: 「プリンセスは無事回収…っと」
- ???: 「これで第1段階はクリアだな」
- ???: 「可哀想だけど この子にはしばらく眠ってもらわないとね」
- ???: 「次は君たちの番だ 覚悟はできているな…」
- ???: 「ああ、もちろんだ この日記の通りに、コトを進めるんだろ?」
- ???: 「今度こそ叶えてみせるわ あのとき叶わなかった、ただひとつの願いを」
- [From the opening sequence]
- 何もかもが輝いて見えた けれど… 終わりは突然やってきた
- 「そう、復活したんだ… “魔法少女狩り”の プレイアデス聖団が」
- 「希望の物語が、 これから始まるのよ」
- [Title Card] The Cuddly Despairs ~魔法少女かずみ☆マギカ~
- FILENAME: text_514710-1_n32PQ.txt
- <あすなろ市・食料品店>
- 和紗 ミチル: ん~…
- あれ?あなた…
- 確かイタリアからの 転校生だよね?
- 和紗 ミチル: うん、和紗ミチル!
- あなたも食材のお買い物?
- 和紗 ミチル: 料理に使うイチゴを 探してるんだけど
- 和紗 ミチル: なかなか、いいのがなくってさ…
- 料理するんだね
- イチゴを使った料理って デザートとか?
- 和紗 ミチル: ううん、イチゴリゾット わたしの得意料理なんだ
- 和紗 ミチル: だけど日本のイチゴは甘すぎて 思った味が出ないんだよね
- 和紗 ミチル: それで材料選びから 見直してるんだけど…
- なんだか本格的だね…
- フルーツなら 見滝原市のお店はどうかな?
- ちょっと遠いけど 評判いいお店があるよ
- 住所教えるね
- 和紗 ミチル: グラッチェ!
- <見滝原市>
- 和紗 ミチル: 本当にいいお店だった! あの子にお礼言わないとね!
- 和紗 ミチル: せっかく来たんだし 燻製のお店とかも見てこっかな…
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: 猫?
- 和紗 ミチル: …いや、なんか 見たことない形だった…
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: きっと新種だ! どこ行った!?
- 和紗 ミチル: 確かこっちの方に…
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: 何? ここ…
- 和紗 ミチル: わぁあああっ!
- マミの声: 動かないで いま助けてあげるから
- 和紗 ミチル: えっ!?
- 和紗 ミチル: 人…
- マミ: …………
- マミ: 前にどこかで会ったかしら?
- 和紗 ミチル: …? はじめまして…
- マミ: そう…? 変ね
- マミ: 見覚えがあると思ったんだけど
- 和紗 ミチル: それよりあの怪物! いったい何なんですか?
- マミ: あれは魔女 この世に呪いを振りまく者たちよ
- マミ: ちょっと待ってね 今、片付けちゃうから!
- マミ: ティロ
- マミ: フィナーレ!
- 和紗 ミチル: …………!
- 和紗 ミチル: ティロ…フィナーレ… なんか、カッコイイ…
- マミ: もう大丈夫よ
- 和紗 ミチル: あ、ありがとうございました!
- 和紗 ミチル: 色々クエスチョンなんですけど わたし、助けられたんですよね?
- マミ: そうね… どう説明したらいいかしら
- 和紗 ミチル: あ! さっきの猫だ…!
- マミ: キュゥべえが見えるの?
- キュゥべえ: 彼女にも魔法少女の素質が あるみたいだね
- 和紗 ミチル: 魔法少女?
- キュゥべえ: そう、魔女を狩る者たちさ そしてキミにもその素質がある
- 和紗 ミチル: わたしにも、さっきみたいな 魔法が使えるってこと?
- キュゥべえ: それだけじゃない
- キュゥべえ: どんな願いでもひとつだけ 叶えることができる
- FILENAME: text_514710-2_n32PQ.txt
- <あすなろ市>
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: キュゥべえ、この感じ…!
- キュゥべえ: 近くに結界があるようだね
- 和紗 ミチル: 見つけた!
- 和紗 ミチル: よーし、行くよっ!
- 和紗 ミチル: 変身っ!
- ???: 「日記の記述とは違う展開だけど 無事にミチルは契約を終えたみたいだな」
- ???: 「どれだけ繰り返そうとも魔法少女になる… それがミチルの運命…」
- ???: 「それでいい… それでこそ、私たちのミチルだ…」
- ???: 「なんか悲しいな…」
- ???: 「…絶望ならバッドエンド 悲劇ならハッピーエンド… どっちに転んでも…ココロにくるね」
- ???: 「…そう、この物語の鍵は『心』… そしてこの次は “あの”出会いが待っている…」
- 和紗 ミチル: リーミティ・エステールニ!!
- キュゥべえ: 残念だけど、魔女ではなく 使い魔だったようだね
- 和紗 ミチル: 使い魔も人を襲うんだね… あの子たち、危なかったよ
- 和紗 ミチル: ふたりとも大丈夫ですか?
- ???: 中学生でサッカーU-18の 女子日本代表に大抜擢されながら
- ???: 怪我で選手生命を 絶たれた牧カオル
- ???: 中学生にして 売れっ子作家でありながら
- ???: ありもしない盗作騒ぎを起こされ 罠にはめられた御崎海香
- ???: ふたりを助け 海香の家に誘われたミチルは
- ???: そこで彼女たちの境遇を知り 魔法少女の世界へと誘う
- ???: …次はそんな筋書きだぞ、と
- <海香の家>
- 和紗 ミチル: できたよ!
- 和紗 ミチル: ―ミチル― じゃーん イチゴリゾット!
- 海香&カオル: ―海香&カオル― イチゴリゾット…!?
- 御崎 海香: ごめんね 私がお昼を作ろうと思ってたのに
- 御崎 海香: 逆にゲストに 作らせちゃうなんて…
- 和紗 ミチル: いいの、わたしが 作りたいって言ったんだから!
- 牧 カオル: うわ、これ初めて食べたけど 絶品だよ!
- 牧 カオル: 誰に習ったの?
- 和紗 ミチル: ありがとう グランマに習ったんだ
- 和紗 ミチル: いい材料があったから つい作ってみたくなっちゃって!
- 御崎 海香: 料理、得意なのね 私も好きなの
- 和紗 ミチル: すごくいいキッチンだもんね 調理器具も充実してるし
- 牧 カオル: 家、買うときも仕事部屋より こだわってたもんな
- 和紗 ミチル: そういえばすごい 豪邸だけど…
- 和紗 ミチル: 海香が自分で買ったの? 中学生だよね…?
- 牧 カオル: なんせ海香は大先生だからね
- 和紗 ミチル: 先生?
- 牧 カオル: 本棚見てみ
- 和紗 ミチル: …………著:御崎海香…
- 牧 カオル: 海香はベストセラー作家なんだ
- 御崎 海香: まあ、一応ね
- 和紗 ミチル: あっ、本屋さんで 見たことある本だ!
- 和紗 ミチル: じゃあこっちのトロフィーも 何かの賞を獲ったの?
- 牧 カオル: それはあたし サッカーやっててね
- 御崎 海香: ユースの代表に選ばれて 世界大会にも出場したのよ
- 和紗 ミチル: すごいね! 将来はプロ選手?
- 和紗 ミチル: イタリアの女子リーグ 行っちゃう?
- 牧 カオル: それは無理かな… 未来のことなんて考えられないよ
- 和紗 ミチル: え…?
- 御崎 海香: そうね… 明日があってもなくても
- 御崎 海香: 私たちには もう関係ないものね…
- 和紗 ミチル: それって、どういう…
- 「御崎海香の小説に盗作疑惑!?」
- 「困ったことになりましたね… 疑惑を告発したウェブ作家が 盗作したという噂もありますが… 彼女は国会議員の先生の孫娘だそうで…」
- 「当社の決定としましては 御崎さんのすべての著作物を回収し 今後の出版は取りやめとなります」
- 「カオルちゃん、いつ復帰できるのかな」
- 「膝の手術だけど、かなり難しいらしい… 同じケガで引退した選手は数知れないよ」
- 「復帰できても、もう 前みたいには走れないだろうな…」
- 和紗 ミチル: そんなことが…
- 牧 カオル: …一番大事なものを 失くしちゃったんだ
- 牧 カオル: いっそ死んだほうがマシだよ…
- 和紗 ミチル: …それ、本心じゃないよね?
- 牧 カオル: えっ…?
- 和紗 ミチル: あなたたちはまだ 生きたいと思ってる
- 和紗 ミチル: イチゴリゾットを 美味しいって言ってくれた!
- 和紗 ミチル: わたしの料理 ぜんぶ食べてくれたじゃん!
- 御崎 海香: どういうこと…?
- 和紗 ミチル: 今はもういない、わたしの家族… グランマの受け売りなんだけどね
- 和紗 ミチル: よいしょっと …できた!
- グランマ: 「そうそう、上手ね」
- グランマ: 「イチゴは高くても新鮮なものを使うこと お米もイタリアのカロナーリがピッタリなのを 覚えておいて」
- 和紗 ミチル: うん…
- 和紗 ミチル: 忘れないよ、グランマ… …ひっく…
- グランマ: 「………… 辛いことがあって どうしたら良いかわからないときは お腹に聞きなさい」
- グランマ: 「お腹が減って食べたいと感じたら あなたはまだ生きたいと思ってるわ」
- 和紗 ミチル: わたしはグランマから 「食べる」ってことを…
- 和紗 ミチル: 「生きる」ことの 意味を教わったんだ
- 牧 カオル: すてきな人なんだろうな…
- 和紗 ミチル: うん、わたしにとって、世界中で いちばんすてきな人だった
- 和紗 ミチル: でもね、大好きなグランマと
- 和紗 ミチル: 最後のお別れが できなかったんだ…
- 和紗 ミチル: 今の話…グランマの言葉も 生きてる間には聞けなかった…
- 御崎 海香: それなら、どうやって… 今の話を聞いたの…?
- 和紗 ミチル: 死んだグランマに、夢の中で もう一度会わせてもらったの
- 和紗 ミチル: 使命を果たす約束と引き換えに
- 和紗 ミチル: たった一度の奇跡を 起こすことができるの
- 御崎 海香: え…?
- キュゥべえ: ボクならキミたちのために 奇跡を起こしてあげられるよ
- 牧 カオル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: びっくりして わけがわからないと思うけど
- 和紗 ミチル: この子の言ってることは本当だよ
- 和紗 ミチル: だから、生きる希望を 捨てないでほしいんだ
- FILENAME: text_514710-3_n32PQ.txt
- ミチルの声: リーミティ・エステールニ!!
- 和紗 ミチル: よし!
- 御崎 海香: ミチル、手
- 牧 カオル: ハイタッチ
- パンッ!
- 和紗 ミチル: へーい!
- 牧 カオル: 完璧なチームワークだったな
- 和紗 ミチル: うん!
- 和紗 ミチル: 最初にカオルのパラ・ディ キャノーネで動きを封じて
- 和紗 ミチル: 海香のイクス・フィーレで 魔女の弱点と読み取る!
- 和紗 ミチル: そして隙ができたら
- 和紗 ミチル: わたしのリーミティ エステールニでトドメ!
- 御崎 海香: …その、ちょくちょく間に挟まる 横文字は何?
- 和紗 ミチル: わたしが考えた ふたりの技名だよ!
- 和紗 ミチル: 気合を入れて叫んでよねっ!
- 和紗 ミチル: わたしを助けてくれたカッコイイ 魔法少女のお姉さんをマネて
- 和紗 ミチル: イタリア語で考えてみたんだ!
- 牧 カオル: 技名… さ、叫ぶのか…今のを…
- う、う~ん… あ、あれ?ここは…?
- 御崎 海香: 気がついたみたいですね
- 牧 カオル: 魔女の口づけを受けてたから この状況がわかってなさそうだな
- 和紗 ミチル: 大丈夫 誤魔化すから話を合わせて!
- 和紗 ミチル: 道端でいきなり倒れたおじさんを
- 和紗 ミチル: 通りがかりの女子3人で 介抱してたんです
- キミたちが? そうだったのか…助かったよ
- あっ! パパ、いた!
- もうっ、急にふらふら どっか行っちゃって!
- 捜したんだから!
- ご、ごめんごめん 心細かったよな…
- では私はこれで失礼するよ 本当にありがとう
- 牧 カオル: あの人 あんな小さい子どもがいたのか
- 御崎 海香: 助けられて、本当によかったわ
- 和紗 ミチル: 家族って、やっぱりいいね
- 牧 カオル: そういえば ミチルはひとり暮らしだっけ
- 御崎 海香: よかったら、うちに来ない? 空いてる部屋もたくさんあるし
- 御崎 海香: 魔法少女同士、その方が 何かと都合がいいでしょ?
- ???: 「そう…キミはひとりぼっちじゃない…」
- ???: 「喜びも、悲しみも、苦しみも… ひとりで抱え込まなくていいんだ、ミチル…」
- 御崎 海香: …………
- 和紗 ミチル: 海香、近づけないくらい 周りの空気がピリッとしてる…
- 牧 カオル: でも、ここで何日か暮らして ミチルも慣れてきただろ?
- 和紗 ミチル: 小説が行き詰まってると こうなるんだよね?
- 牧 カオル: じゃあ次に海香が取る行動は なんだと思う?
- 和紗 ミチル: う~ん、ストレス発散に 料理を作る?
- 和紗 ミチル: でも、さっきお昼を 食べたばっかりだから…
- 和紗 ミチル: わかった! 買い物だね!
- 御崎 海香: さあ、ふたりとも…
- 御崎 海香: 存分にお買いあれ!!
- 和紗 ミチル: 当たったね
- 和紗 ミチル: 小説に詰まったときの解決法 パート2
- 牧 カオル: 買い物でストレス発散
- 牧 カオル: まあ、全部奢ってくれるし ここは素直にあやかろうよ
- 和紗 ミチル: さすがベストセラー作家…
- 和紗 ミチル: で、カオルは何を買うの?
- 牧 カオル: あたしは練習着の シャツを買おうかな
- 牧 カオル: お気に入りのシャツだと それだけでテンション上がるし
- 和紗 ミチル: こだわりとかあるの?
- 牧 カオル: 背番号10には こだわりがあるけど
- 牧 カオル: ユニはチームによって 決まるから、特には
- 牧 カオル: 強いて言うなら、夏でも冬でも 長袖にしてることかな
- 牧 カオル: 練習着もユニも全部長袖
- 牧 カオル: 少し袖をまくって着るのが カッコイイんだよ
- 和紗 ミチル: 特には、って… こだわりまくりじゃん…
- 御崎 海香: ミチルも何か服を買ったら?
- 牧 カオル: いっつも似たような服着てるしな
- 和紗 ミチル: そうだね… じゃ、お言葉に甘えて!
- 和紗 ミチル: あ、このシャツ可愛い!
- 和紗 ミチル: これも!
- 和紗 ミチル: じゃあ、試着してみるよ
- ガサゴソ…
- ミチルの声: 着替えたよー
- 牧 カオル: お、どんな格好かな…!
- 和紗 ミチル: じゃん!
- 御崎 海香: ………… 何も変わってないわね
- 牧 カオル: どこが変わったのか まったくわからないんだけど?
- 和紗 ミチル: 前のと似てるけど生地が違うし!
- 和紗 ミチル: ていうか、気に入ったのを何着も ストックする派なんですー!
- 牧 カオル: はいはい… 海香は何を買ったの?
- 御崎 海香: 前から気になっていた 万年筆を一本だけ…
- 牧 カオル: げっ、めちゃくちゃ高価じゃん 執筆はパソコンなのに…
- 御崎 海香: じゃ、次は 近くのスーパーに行きましょう
- 和紗 ミチル: 食品売り場ならこのデパートにも あるみたいだよ?
- 御崎 海香: でも豚肉はスーパーの方が 100g辺りで10円も安いのよ
- 牧 カオル: 使わない万年筆は 目が飛び出るくらい高いのに…
- FILENAME: text_514710-4_n32PQ.txt
- 御崎 海香: うん 今日も見事な勝利だったわ
- 和紗 ミチル: わたしたちのチームワークに この魔法の力があれば無敵だね!
- 牧 カオル: この力、魔女退治以外にも 使おうよ
- 牧 カオル: 人助けとかさ
- 和紗 ミチル: それ、賛成! せっかくの魔法だもんね
- 御崎 海香: でも、他の魔法少女が そういうふうに
- 御崎 海香: 魔法を使ったという話は 聞かないわ…
- 御崎 海香: それをしない理由があるんじゃ…
- キャーッ!
- な、なんだあの車っ! 運転手、寝てるのか!?
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 牧 カオル: あの車か!
- 御崎 海香: 大変…交差点に人が!
- 牧 カオル: あっ! キミ、ちょうどよかった
- 牧 カオル: そのサッカーボール貸して!
- う、うん
- 牧 カオル: いっけ~~! シュートッ!!
- ボン!
- ガン!
- 和紗 ミチル: 車に当たった!
- 牧 カオル: 起きろ、運転手ーー!
- キキーーーッ!
- 御崎 海香: 止まった…
- 牧 カオル: ふぅ…
- 和紗 ミチル: おつかれさま
- 牧 カオル: うん…
- 牧 カオル: あ…キミ、ボールありがと
- 牧 カオル: でもごめん…
- 牧 カオル: ボール パンクさせちゃったんだ
- 牧 カオル: 買って返すよ
- 別にいいよ サッカーやめるつもりだったし
- 和紗 ミチル: え、そうなの…?
- 牧 カオル: サッカー キライになっちゃったの?
- そうじゃないけど…
- 僕より上手い友だちのこと ケガさせちゃったから
- 牧 カオル: ――っ!?
- 御崎 海香: …………
- 牧 カオル: その子はなんて言ってるの?
- 別に何も言ってないけど… いいヤツだし…
- 牧 カオル: わざとケガさせたわけじゃ ないんでしょ?
- うん、絶対にワザとじゃないよ!
- 牧 カオル: だったら、やめないでほしいな
- 牧 カオル: あたしはその子のことは 知らないけど
- 牧 カオル: ケガをした人の気持ちはわかる
- 牧 カオル: あたしだったら キミがサッカーやめちゃう方が
- 牧 カオル: ショックだよ
- でも、僕はどうしたらいいの?
- 牧 カオル: サッカーを続けようよ
- 牧 カオル: それで、その子が リハビリするのを
- 牧 カオル: 応援してあげたらどうかな?
- …………
- 牧 カオル: 大丈夫…絶対に希望はあるから
- …わかった… 頑張ってみるよ!
- 和紗 ミチル: よかったね あの子、救われたって顔してた
- 牧 カオル: ミチルが教えてくれたからな 希望を捨てちゃダメだって
- 和紗 ミチル: うん! 今日は大活躍だったね!
- 御崎 海香: カオル、ボール蹴るときに… 魔法使ったわよね?
- 牧 カオル: あれは魔法じゃなきゃ 無理だったからね
- 和紗 ミチル: 魔法少女になったから みんなを助けられたんだね!
- 牧 カオル: ありがとな、ミチル! 魔法少女になれてよかったよ
- ???: 「今日もまた、素晴らしい1日だったぞ、と」
- ???: 「魔法少女になれてよかった…か」
- ???: 「けだし、名台詞だな」
- ???: 「笑顔が甘いぶんだけ 真実の苦みが増す…残酷だね」
- FILENAME: text_514710-5_n32PQ.txt
- 御崎 海香: 次は、と…
- 和紗 ミチル: あれっ? ずいぶん念入りに掃除してるね
- 御崎 海香: 実は今日、大手の情報サイトの 取材を受けるのよ
- 和紗 ミチル: へー さっすが、売れっ子作家!
- ピンポーン
- 和紗 ミチル: あ、来たかも
- 急な依頼を引き受けていただき ありがとうございます
- 御崎 海香: いえ、こちらこそ よろしくお願いします
- 和紗 ミチル: お茶、どうぞ
- あら、こちらの方は お友だち?
- 御崎 海香: はい、友だちで… 同居人です
- 同居人…
- なら、一緒にインタビュー どうですか?
- 御崎 海香: え?
- 和紗 ミチル: じゃあ、せっかくだしカオルも
- 牧 カオル: え?
- では次の…質問…
- 執筆に詰まったときは どのように解決しますか?
- 御崎 海香: そうですね… あまり詰まることがないのですが
- 御崎 海香: 穏やかな気持ちで時の流れに 身を任せれば自然と解決…
- 牧 カオル: はい、記者さん 今のはウソです!
- 和紗 ミチル: ツノが生えます!
- 牧 カオル: デパートに行ってストレス発散の 無駄遣いをします!
- 和紗 ミチル: あと、すごい顔して 料理を作ってます!
- 和紗 ミチル: 包丁持ってる姿、オニババです!
- 御崎 海香: コ、コラ! やめなさい!
- 先生の料理ですか! それも紹介させてください
- ぜひともお願いします!
- 御崎 海香: 記者さん?
- おお~、これが海香先生の 小説に詰まったときに作る料理…
- ホットドッグにサラスパ ワッフルまで手作りなんて
- 御崎 海香: え、ええ…
- 創作脳の活性化に繋がる そんなメニューなのでしょうか
- 御崎 海香: まあ、そんな感じですね
- 牧 カオル: アイデアが ポット出るドッグだよな!
- 和紗 ミチル: 小説がサラッとスパっと書ける
- 和紗 ミチル: インスピレーションが ワッ来る、だよね!
- あ、ダジャ…言葉遊びですね!
- 御崎 海香: ダジャレでいいです! 余計なフォローはいりません!
- それにしても…
- 注目の若手作家とアスリートが 同居してるなんて!
- ひょっとすると あなたも何か特別な才能が…?
- 和紗 ミチル: えっと…わたしは… 特に何もない、かな?
- あら、そうですか…
- 和紗 ミチル: えへへ…
- 牧 カオル: はい、記者さん 今のはウソです
- 御崎 海香: ミチルが一番、すごいんですよ
- 御崎 海香: いろいろあって 私たちの心が折れたとき…
- 御崎 海香: 絶望の淵を さまよっていた私たちに
- 御崎 海香: ミチルが希望はあると 教えてくれたんです
- 牧 カオル: ミチルがいたから 今のあたしがある
- 牧 カオル: ミチルはあたしたちの 心の支え…ヒーローなんです
- …………!
- 和紗 ミチル: ふたりとも… いやー、なんか照れちゃうなぁ
- 皆さんは最高のチームなんですね
- これからの活躍が ますます楽しみです!
- 御崎 海香: ところでこのインタビュー… 大丈夫ですか?
- 御崎 海香: (ネタが散らかってるけど きちんとまとまるのかしら…)
- ???: 「これからの活躍が楽しみ、か 人生は皮肉でいっぱいだね」
- ???: 「この日記は、絶望で終わっていた…」
- ???: 「あの子が目指す新たな未来は どんな結末を迎えるのか…」
- FILENAME: text_514710-6_n32PQ.txt
- ???: 「一緒に暮らしはじめてから どれだけ経っただろう」
- ???: 「毎日が、明るく希望に満ちていた」
- ???: 「でも、楽しいだけの日々はここまで… 日記のページをめくらななきゃいけないんだ」
- ???: 「さあ、次の段階へ進みましょう」
- 和紗 ミチル: 結界…!
- 和紗 ミチル: 今日はひとりだし ちょっと心細いな…
- 和紗 ミチル: あ…あなたも魔法少女?
- はい…
- 和紗 ミチル: よかった! 一緒に魔女を退治しよう!
- 和紗 ミチル: グリーフシード 落とさなかったね
- …残念です…
- 和紗 ミチル: …元気がないけど 大丈夫…?
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: ソウルジェムが ほとんど真っ黒…!
- ここのところグリーフシードを 落とす魔女に遭遇してなくて…
- あの、余ってませんか?
- 和紗 ミチル: ごめん… わたしも持ってなくて…
- ぐうっ…!! ああっ…!?
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: 苦しそう… どうすれば…
- キュゥべえ: 手遅れだよ
- 和紗 ミチル: キュゥべえ!
- 和紗 ミチル: …手遅れって、何…?
- キュゥべえ: 見ていればわかるよ
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: どういうこと…
- 和紗 ミチル: なんで彼女が…あんな姿に!? 魔女の仕業…どういうこと?
- キュゥべえ: ソウルジェムが濁りきって 黒く染まるとき
- キュゥべえ: 魂の宝石は魔女の種… グリーフシードへと変わる
- 和紗 ミチル: そんな… だったら魔法少女って…!
- キュゥべえ: やがて魔女になる そういう存在だよ
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: みんな…? 魔法少女はみんな魔女になるの?
- キュゥべえ: 例外はないよ
- キュゥべえ: 御崎海香も、牧カオルも そしてキミも
- キュゥべえ: 魔法少女になったんだからね
- 和紗 ミチル: そんな!! どうしよう…
- 和紗 ミチル: わたし とんでもないことしちゃった…
- 牧 カオル: ありがとな、ミチル! 魔法少女になれてよかったよ
- 和紗 ミチル: 海香とカオルの人生…
- 和紗 ミチル: わたしが…わたしのせいだ…!
- ???: 「Alea iacta est. …賽は投げられた」
- ???: 「魔法少女の残酷な真実… 二度目の“初めて”なんてゾッとするね」
- ???: 「それが彼女のためだとしても 辛いものだな…」
- ???: 「ここからだ… ここからが本当の戦いだ…」
- FILENAME: text_514710-7_n32PQ.txt
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: …信じられない 魔法少女が魔女になるなんて…
- 和紗 ミチル: わたしも いつかあの人みたいに…?
- 和紗 ミチル: 海香とカオルも… わたしが誘ったせいで…
- 和紗 ミチル: 伝えなきゃ…!
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: 言えない… やっぱり言えないよ…
- 和紗 ミチル: せっかくふたりとも 生きる希望を持ってくれたのに…
- 和紗 ミチル: グランマ わたしどうしたらいいの?
- 和紗 ミチル: …こんなこと だれにも相談できない…
- 和紗 ミチル: みんな、ごめんなさい…!
- 和紗 ミチル: こうなったら…
- 和紗 ミチル: …………
- 御崎 海香: あら、ミチル おでかけ?
- 和紗 ミチル: あ、うん…魔女のパトロール
- 牧 カオル: だったらあたしたちも行くよ
- 和紗 ミチル: い、いいよ わたしひとりで十分
- 和紗 ミチル: みんなの分のグリーフシードも ちゃんと取ってくるから
- 御崎 海香: 昨日もひとりで行ったでしょう? さすがに…
- 和紗 ミチル: だってほら、ふたりは忙しいし 時間はわたしが一番あるから…
- 御崎 海香: ミチル…あなた 何か隠し事してない?
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: えっ? なんにもないってば
- 和紗 ミチル: 行ってくるよ、ちゃお!
- 海香&カオル: …………
- サキ&ニコ: …………
- …はぁ…はぁ…
- 神那 ニコ: あの子…キテるね
- 浅海 サキ: 限界が近い このままでは、魔女になる
- ――っ!?
- …だ…誰!?
- 神那 ニコ: …お迎えだよ、お嬢さん
- 浅海 サキ: 君を救いに来た
- はっ…!
- あなたたち…噂の…
- …………魔法少女…狩り…?
- 神那 ニコ: トッコ・デル・マーレ
- 浅海 サキ: …………
- ザッ…
- 神那 ニコ: 誰?
- 和紗 ミチル: …何…してるの?
- 浅海 サキ: …………!
- 浅海 サキ: ミチルに見られた…!?
- 神那 ニコ: このミスは痛いね
- 和紗 ミチル: …死んでる…
- 和紗 ミチル: 殺しちゃったの!? なんでっ!?
- 浅海 サキ: 殺してはいない
- 浅海 サキ: その魂を救うには こうするしかなかった
- 和紗 ミチル: どういうこと? あなたたちは、一体…
- 浅海 サキ: 私たちはプレイアデス聖団
- 浅海 サキ: インキュベーターの 魔法少女システムを否定し
- 浅海 サキ: 新たなる希望を探す者たち
- 神那 ニコ: たったふたりだけど
- 和紗 ミチル: システムの否定… プレイアデス聖団…
- 和紗 ミチル: …話を聞かせて
- 浅海 サキ: わかった
- 浅海 サキ: 私は浅海サキ プレイアデス聖団のリーダーだ
- 神那 ニコ: 神那ニコだぞ ひとつよしなに
- 浅海 サキ: 私たちの拠点へ来てくれ そこですべてを教えよう
- 神那 ニコ: 「ミチルに見つかるとはドジッたね」
- 浅海 サキ: 「計画が順調すぎて 油断があったことは認める」
- 浅海 サキ: 「だが、聖団の噂が広まりつつある以上 ミチルの耳に入るのは時間の問題だった」
- 神那 ニコ: 「出会う運命だった… いや、むしろ出会いたい気分だった、よね」
- 浅海 サキ: 「…君の言う通りかもしれない」
- 浅海 サキ: 「私は、こうなることを望んでいた… 計画を変更せざるを得ないような事故を」
- 浅海 サキ: 「ミチルをプレイアデス聖団に “呼び戻す”時が来た」
- FILENAME: text_514710-8_n32PQ.txt
- ギィ…
- 和紗 ミチル: これって…
- 和紗 ミチル: 人間の…死体…?
- 神那 ニコ: 魔法少女の肉体自体が そのようなものだが
- 神那 ニコ: まあ、それはさておき…
- 神那 ニコ: さっきの子に使った トッコ・デル・マーレ…
- 神那 ニコ: あれは、魔法少女から ソウルジェムを奪う魔法
- 浅海 サキ: そして目の前に並ぶ少女たちは
- 浅海 サキ: 私たちがソウルジェムを抜き取り 機能停止させた魔法少女たちの…
- 浅海 サキ: 抜け殻だ
- 神那 ニコ: 知っての通り
- 神那 ニコ: ジェムが濁った魔法少女は もれなく闇に堕ち、魔女になる
- 神那 ニコ: ここは境界線上の彼女たちを 休眠状態のまま保存する場所…
- 神那 ニコ: 人呼んで…レイトウコ
- 和紗 ミチル: レイトウコ…
- 和紗 ミチル: だから…キミたちは 魔法少女狩りをしていたんだね
- 和紗 ミチル: 魔法少女を救うために
- 和紗 ミチル: そうか そんな方法があったのか…
- 浅海 サキ: 私たちの目的は、矛盾に満ちた 魔法少女システムの…否定
- 浅海 サキ: そこの噴水にある魔法陣は
- 浅海 サキ: 肉体を分離したソウルジェムを 休止させるもの
- 和紗 ミチル: これ以上ジェムが 黒くならないように?
- 浅海 サキ: そう…ジェムを完全に浄化して
- 浅海 サキ: 魔法少女を 人間に戻す方法を見つける
- 浅海 サキ: その日まで戦い続ける …そう決めた
- 神那 ニコ: それがプレイアデス聖団 ふたりぼっちだけど
- 和紗 ミチル: だからこの子も…
- 神那 ニコ: そう、王子様のキスを待って 眠り続ける
- 和紗 ミチル: …………
- 浅海 サキ: どうした?
- 和紗 ミチル: これなら海香やカオルを救える…
- 神那 ニコ: …………
- 和紗 ミチル: 決めた!
- 和紗 ミチル: わたしも魔法少女狩りに 参加する!
- 和紗 ミチル: 今からプレイアデス聖団は 3人ぼっちだ!
- FILENAME: text_514710-9_n32PQ.txt
- …………もう…限界かも… はぁ…はぁ…
- …でも、なんとか… 町を守れたね…
- 和紗 ミチル: …うん …………ごめんね
- え?
- 和紗 ミチル: 大丈夫だから 安心して
- 神那 ニコ: トッコ・デル・マーレ
- 和紗 ミチル: 必ず助けてあげるから…!
- 浅海 サキ: さあ、レイトウコまで運ぼう
- 和紗 ミチル: …話してくれてありがとう また明日!
- 浅海 サキ: また明日、か…
- 浅海 サキ: そんな言葉を 再び交わせる日が来るとは
- 浅海 サキ: 夢にも思わなかったな…
- 神那 ニコ: ま、その『明日』には
- 神那 ニコ: 『あの日の絶望』が 待っているわけだが
- 浅海 サキ: あの日…
- 神那 ニコ: この香りは イチゴリゾットか
- 和紗 ミチル: 今日は海香のデビュー作の 発売日だからね
- 和紗 ミチル: 特別な日は イチゴリゾットって決めてるんだ
- 浅海 サキ: 特別な日か
- 浅海 サキ: 私たちが契約した日を 思い出すな
- 和紗 ミチル: …!
- 和紗 ミチル: …………
- 御崎 海香: ありがとうミチル! あなたが私の運命を変えてくれた
- 御崎 海香: あなたに出会えて 本当に良かった
- 和紗 ミチル: あ …あ
- 牧 カオル: あっ、泣いてる まったくミチルは…
- 牧 カオル: なんだよこれ ジェムが真っ黒じゃないか!?
- 御崎 海香: ミチル!
- 和紗 ミチル: ごめんな さ…
- 「きゃああああ」
- 浅海 サキ: 「ミチルが遺した日記…」
- 浅海 サキ: そうだ…
- 浅海 サキ: すべては、あの日に終わり あの日に始まったんだ…
- 神那 ニコ: それを繰り返そうって 言うんだから、イカれてるね
- 浅海 サキ: 繰り返すんじゃない もうひとつの『道』を生きるんだ
- 神那 ニコ: 道を生きる… 略してミチル、なんてね
- 浅海 サキ: ふん…
- 神那 ニコ: 海香とカオルに 知らせなくて平気?
- 浅海 サキ: 下手に連絡を取れば ミチルに感づかれる
- 浅海 サキ: こちらはこちらで動けばいい
- 浅海 サキ: 目指す場所は同じだ
- 神那 ニコ: 懐かしいね 大好きな姫を取り合う、この感じ
- 神那 ニコ: 海と海がぶつかって立つ波は さざ波なのか、大波なのか…
- 神那 ニコ: 乞うご期待
- 御崎 海香: …ミチル、今日もひとりで 魔女退治に行ったみたいね
- 牧 カオル: 『前の時』も、そうだったよな… あたしたちに内緒で戦ってた
- 御崎 海香: 気付いたのかもしれないわね 『魔法少女の真実』に…
- 牧 カオル: 平気か、海香…?
- 御崎 海香: なにが?
- 牧 カオル: 今すぐ、あいつのところへ 飛んで行って
- 牧 カオル: 寄り添ってやりたいって 顔してるよ
- 御崎 海香: そうね… できることならそうしたい
- 御崎 海香: でも、あの子を救えるのは あの子自身
- 御崎 海香: 希望は与えられるものではないわ
- 御崎 海香: 信じて待ちましょう あの子の“決断”を
- 牧 カオル: ああ、そうだな
- 御崎 海香: それより、気になる噂を聞いたの
- 御崎 海香: あすなろ市のあちこちに
- 御崎 海香: “プレイアデス聖団”を名乗る
- 御崎 海香: 魔法少女の集団が 出没してるって…
- 牧 カオル: プレイアデス聖団だと!? まさか、あいつら…!?
- 御崎 海香: でも、計画にはなかったし
- 御崎 海香: 彼女たちからは 何も聞いてないわ
- 牧 カオル: イヤな予感がする 一体、何をしようっていうんだ…
- FILENAME: text_514710-10_n32PQ.txt
- 和紗 ミチル: …………
- 海香&カオル: …………
- 牧 カオル: やっぱり、何か隠してるな…
- 御崎 海香: 気付かれないように 魔法はナシで追うわよ
- 和紗 ミチル: …遅くなってごめん!
- 神那 ニコ: シー…クワイエット、プリーズ
- 和紗 ミチル: …どうしたの?
- 神那 ニコ: ちょうど見つけたところ …今夜の仔羊を
- 浅海 サキ: 行こう 宝石が絶望に砕け散る前に
- …私…もう…死ぬの? …………
- 和紗 ミチル: あの子…!
- 浅海 サキ: まずい…魔女になりかけている
- 和紗 ミチル: 時間がない、急ごう!
- 浅海 サキ: ああ!
- …うぅ…うっ…助けて…
- 和紗 ミチル: 大丈夫だよ! 絶対に助けるから!
- 神那 ニコ: すぐに終わる…痛みはないよ
- ――っ!?
- な、何っ!?
- 神那 ニコ: ぐっない リトルプリンセス…
- 神那 ニコ: トッコ・デル・マーレ
- 和紗 ミチル: ごめん… ほんとに、ごめんなさい!
- カオルの声: ミチルッ!!
- 和紗 ミチル: えっ!?
- 牧 カオル: おい…マジかよ… なんだよこれ…!
- 和紗 ミチル: あ… あ…
- 御崎 海香: サキッ! ニコッ!
- 和紗 ミチル: え?
- サキ&ニコ: …………
- 和紗 ミチル: ふたりを…知ってるの?
- 神那 ニコ: 海香… ミチルを尾行したね?
- 御崎 海香: ええ、怪しいと思ったら まさかこんな…
- 浅海 サキ: それほど驚く必要はないだろう?
- 浅海 サキ: かつては 君たちもしていたことだ
- 牧 カオル: サキ…! おまえ、どうして…
- 浅海 サキ: すべてはミチルのためだ
- 浅海 サキ: ミチルを絶望から救うために
- 浅海 サキ: 私たち“3人”は 新たなチームとなった
- 浅海 サキ: そう、復活したんだ…
- 浅海 サキ: “魔法少女狩り”の プレイアデス聖団が
- FILENAME: text_514710-11_n32PQ.txt
- 牧 カオル: 何を考えてるんだ、サキ! 今さら魔法少女狩りなんて!
- 御崎 海香: それをミチルにやらせるなんて あなた、どういうつもりなの!
- 浅海 サキ: 私がやらせたんじゃない ミチルが自ら望んだことだ
- 牧 カオル: ニコ!お前がついていながら なんでこうなるんだよ!
- 神那 ニコ: ミチルにネタバレの危険アリ
- 神那 ニコ: 以下、ココロとココロを つなごうか
- 御崎 海香: あの子の『日記』を…
- 御崎 海香: あの絶望を 忘れたわけじゃないでしょう!
- 和紗 ミチル: みんな、一体何を話してるの? ていうか、知り合いなの!?
- 牧 カオル: ああ、そうだ 魔法少女の仲間だ!
- 和紗 ミチル: …!!
- 浅海 サキ: …いや、チームを組んだだけで 私は仲間だと思ったことなどない
- 海香&カオル: ――っ!?
- 牧 カオル: なんだよ、それ!
- 浅海 サキ: 確かに私たちは “7人の魔法少女チーム”…
- 浅海 サキ: プレイアデス聖団だった…
- 浅海 サキ: 私たちは『日記』を 終わらせないために
- 浅海 サキ: 手を組み 禁断の領域に踏み込んだ
- 浅海 サキ: 失敗を繰り返し、ようやく 『かずみ』にたどり着いた
- 浅海 サキ: だが、ユウリに一度は連れ去られ
- 浅海 サキ: 戻って来たかずみを 君たちは隔離した
- 浅海 サキ: チームの“仲間”である ニコ、みらい、里美
- 浅海 サキ: そして私から…遠ざけた
- 牧 カオル: あれは海香と相談して かずみが落ち着くまでって…
- 浅海 サキ: そう、海香…
- 浅海 サキ: いつだって君は 私とかずみを…
- 浅海 サキ: 私とミチルを引き離そうとする!
- 御崎 海香: …………
- 和紗 ミチル: ―ミチル― ちょっと、みんな何を話してるの! わたしにも教えてよ!
- 神那 ニコ: ―ニコ― おおざっぱに言うと キミを巡る愛の三角関係の話
- 和紗 ミチル: ―ミチル― えっ!?
- 浅海 サキ: ―サキ― これ以上邪魔をするな、海香…
- 牧 カオル: 海香…サキのやつ 様子がおかしいぞ?
- 御崎 海香: そのようね
- 御崎 海香: イクス・フィーレ!
- 浅海 サキ: うわッ!!
- 御崎 海香: …読ませてもらったわ、あなたを
- 御崎 海香: “あなた”は サキに飲み込まれ始めてる
- 浅海 サキ: 何を…言っている!
- 御崎 海香: あなたは、これ以上 関わってはいけない
- 御崎 海香: ミチルから手を引きなさい
- 浅海 サキ: 海香…またしても私から ミチルを引き離すというのか!
- 御崎 海香: ええ、できればこのまま 話し合いで終わらせたいけれど…
- 浅海 サキ: 断る!
- 御崎 海香: なら力ずくで あなたを止めるまで
- 浅海 サキ: ぐあっ!
- 和紗 ミチル: やめてッ!! やめろッ、海香!!
- 御崎 海香: どきなさい、ミチル!
- 和紗 ミチル: どくもんか! サキもニコも仲間だ!
- 御崎 海香: だから止めないといけないのよ
- 和紗 ミチル: 意味がわかんない!
- 浅海 サキ: さがれミチル!
- 浅海 サキ: ピエトラディトゥオーノッ!
- 御崎 海香: きゃあああっ!
- 牧 カオル: くそっ! カピターノ・ポテンザ!
- サキ&ニコ: うわあああっ!
- 神那 ニコ: 正当防衛ってことで… プロルン・ガーレ
- 和紗 ミチル: みんなもうやめて…
- 和紗 ミチル: やめろおおおおおおおっ!!
- みんな: ――っ!?
- 和紗 ミチル: なんで…なんで魔法少女同士が 戦わなきゃいけないんだよ…
- 和紗 ミチル: こんなことになるなら… こんな思いをするくらいなら…
- 和紗 ミチル: 魔法少女なんかに…
- 和紗 ミチル: 魔法少女なんかに ならなきゃよかったよ!
- 浅海 サキ: ミチル…
- 御崎 海香: …はぁ…はぁ…
- 牧 カオル: うあっ…
- 和紗 ミチル: そんなっ…! 海香…カオルッ…!
- 浅海 サキ: ふたりのジェムが…
- 神那 ニコ: うん、これは危険領域だ 残念だけどここまでだね
- 神那 ニコ: やるよ…
- 和紗 ミチル: 待って、わたしがやる…!
- 浅海 サキ: しかし、ミチル…
- 和紗 ミチル: “あの魔法”なら覚えた…
- サキ&ニコ: …!
- 和紗 ミチル: 自分だけ手を汚さないなんて わたしの主義に反するんだ…
- 和紗 ミチル: それに… この手はとっくに汚れてる…
- 和紗 ミチル: トッコ・デル・マーレ
- 和紗 ミチル: 海香、カオル…ごめん…
- FILENAME: text_514710-12_n32PQ.txt
- 神那 ニコ: 「これは神那ニコの独りごとだ…」
- 神那 ニコ: 「生きながらえて姿を変えて 成し遂げたいのはただひとつ」
- 神那 ニコ: 「泣きながら消えた 彼女の涙が乾くまで」
- 神那 ニコ: 「彼女の嘆きが止まるまで 星座の姉妹はそばにいる」
- 神那 ニコ: 「彼女が真実の光で照らすならば 我らはこの絶望さえも喜んで」
- 神那 ニコ: 「紛い物のまま闇へ還るだろう」
- 神那 ニコ: 「これは神那ニコの独りごとだ… いや…」
- 神那 ニコ: 「これは神那ニコの泣きごとだ…」
- 浅海 サキ: 彼女たちの凍結を急ごう
- 神那 ニコ: 始めるよ
- 和紗 ミチル: うん…
- …………
- 牧 カオル: …………
- 御崎 海香: …………
- 神那 ニコ: ん?
- 神那 ニコ: 今、何か…?
- 浅海 サキ: どうした?
- 神那 ニコ: …いや、ナッシン
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: 海香…カオル… 絶対に助けるから…絶対に…
- 和紗 ミチル: (言えなかった…)
- 和紗 ミチル: (魔法少女のこと… ソウルジェムのこと…)
- 和紗 ミチル: (ふたりを魔法少女にしたこと 謝れなかった…)
- 浅海 サキ: ミチル…大丈夫か?
- 和紗 ミチル: 大丈夫じゃない…最悪の気分だよ
- 和紗 ミチル: 友だちと戦ったり ジェムを奪ったり…
- 和紗 ミチル: わからないことだらけだよ…
- 和紗 ミチル: 話して、くれるんだよね?
- 神那 ニコ: 伽話は、このニコが…
- 神那 ニコ: その昔、ママとはぐれた イカれた魔法少女がいましたとさ
- 神那 ニコ: 宝石集めが好きだという その少女は
- 神那 ニコ: 自慢のコレクションを見せて こう言いました
- 神那 ニコ: 「この世で一番の宝石は ソウルジェム」
- 神那 ニコ: 「だって生命の輝き なんだもん!」
- 和紗 ミチル: それって…魔法少女たちから 奪ったってこと?
- 神那 ニコ: そう…外道の極み ヤな趣味だよね
- 神那 ニコ: 『ジェム摘み』を楽しむ 外道な娘に
- 神那 ニコ: あすなろ市の魔法少女は 戦いを挑んだ
- 神那 ニコ: サキ、海香、カオル、ニコ…
- 神那 ニコ: カタカナ率の高い メンバーが集まった
- 和紗 ミチル: それが…サキが口にした 『プレイアデス聖団』…?
- 神那 ニコ: ノン…
- 神那 ニコ: その名は“外道たち”の チーム名だった
- 和紗 ミチル: 外道たちって…? ひとりじゃないの?
- 神那 ニコ: ひとりだけど、ふたり…
- 神那 ニコ: ヤツらは“多重人格”の 魔法少女だった
- 神那 ニコ: その名は… 双樹ルカと双樹あやせ
- 神那 ニコ: それぞれの人格ごとに 白い妖精と契約して
- 神那 ニコ: ソウルジェムを ふたつ持っていたんだ
- 和紗 ミチル: 人格ごとに契約できるなんて…
- 神那 ニコ: でも、それが外道の始まりだ
- 神那 ニコ: 白いジェムのルカは 赤いジェムを…
- 神那 ニコ: 赤いジェムのあやせは 白いジェムを…
- 神那 ニコ: 誰よりなにより 互いのジェムが欲しかったときた
- 神那 ニコ: しかし、ジェムの交換など できるはずもなく
- 神那 ニコ: 泣く泣く同じ箱に並べてみたら まあステキ
- 神那 ニコ: 狂気のコレクションの はじまりはじまり~というわけ
- 和紗 ミチル: ジェムを奪うから
- 和紗 ミチル: “プレイアデス聖団”を 名乗ってるの?
- 和紗 ミチル: その子たちとは全然目的が違うし 同じ名前なんてイヤじゃないの?
- 浅海 サキ: ああ、不快な名前だ…
- 浅海 サキ: だが、その不快さを 感じ続けることが
- 浅海 サキ: ジェムを奪ったことへの 言い訳なんだ
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: 海香とカオルとは どうして別れたの?
- 浅海 サキ: 私たちはジェムを 保管しようとしたが
- 浅海 サキ: ふたりは無断で 双樹のジェムを破壊した
- 和紗 ミチル: それで、訣別したんだね…
- 和紗 ミチル: 嫌なこと思い出させちゃったね ごめん…
- 和紗 ミチル: でも 話してくれて、ありがとう…
- 浅海 サキ: …ミチルは?
- 神那 ニコ: 荷物を取りに戻った
- 神那 ニコ: もう海香の家に いるわけにもいかないって
- 神那 ニコ: ―ニコ― 『魔法少女狩りのプレイアデス』
- 神那 ニコ: ―ニコ― 外道のふたりに汚名を着せて ジェムごとはぎとり、身にまとう…
- 神那 ニコ: ―ニコ― 実に見事な酷い嘘だったね…
- 浅海 サキ: ―サキ― 私たちが「聖団だ」と明かせば ミチルはもっと苦しむことになる…
- 神那 ニコ: ―ニコ― “優しい嘘”か…嫌いじゃないよ
- 浅海 サキ: ―サキ― “海香”と“カオル”はこの 昴かずみの隣に寝かせてくれ
- 神那 ニコ: ―ニコ― 本物のかずみの隣に 偽物の海香とカオル…
- 浅海 サキ: ―サキ― また、嘘を重ねてしまうな…
- 神那 ニコ: ―ニコ― …また、とは?
- 浅海 サキ: ―サキ― 『優しい嘘はもういらない』と かずみが言って…すべてが終わったんだ
- 浅海 サキ: しかし、今度は終わらせない 嘘をつき通す…
- 神那 ニコ: 計画続行にゆらぎはないね?
- 浅海 サキ: 無論だ そのために私はいるのだから
- 神那 ニコ: それでこそ、浅海サキだ… ほど加減が過ぎるほどに、ね
- 御崎 海香: …………
- 御崎 海香: 「私たちは脱落した…」
- 御崎 海香: 「だけど、まだ終わりじゃない」
- 御崎 海香: 「私たちが…偽物がいなくなっても “希望”はあるから…」
- 御崎 海香: 「だから… だから後は任せたわ…あなたに」
- FILENAME: text_514710-13_n32PQ.txt
- 牧 カオル: ただいま!あすなろ市! 1ヶ月ぶりー
- 御崎 海香: 私もひと月ぶりの日本…
- 御崎 海香: この湿気を感じると 帰って来た気がするわね
- 牧 カオル: フランスのノベルコンベンション 盛り上がった?
- 御崎 海香: ええ、日本のコンテンツへの 熱量を、ひしひしと感じたわ
- 御崎 海香: カオルは? いい合宿になった?
- 牧 カオル: うん 監督へのアピールはできたと思う
- 牧 カオル: お互い いい時間を過ごせたみたいだね
- 御崎 海香: でも、その間、かずみはずっと ひとりだったわけよね…
- 牧 カオル: 早く家に帰って 顔を見せてあげないと!
- 牧 カオル: 「ただいま、かずみ! おーい、おみやげ買ってきたよー」
- 御崎 海香: 「長い間、お留守番ごくろうさま」
- 牧 カオル: あれ?いないのか?
- 牧 カオル: 夕飯の買い出しにでも 行ったのかな…
- 御崎 海香: …いえ
- 御崎 海香: リビングにもキッチンにも 生活の気配がない…
- 御崎 海香: ホコリも積もってるわ
- 御崎 海香: つまりかずみが出ていったのは 何日も前よ
- 牧 カオル: 寂しくなって立花さんのところに 押しかけてるとか?
- 御崎 海香: 「レパ・マチュカ」の立花さんね 電話してみましょう
- …かずみ? いや、来てないが…
- 牧 カオル: そうですか…
- そういえば、しばらく見てないな 何かあったのか?
- 牧 カオル: いえ、あたしたちも家を空けてて 戻ったらいなかったんで…
- 牧 カオル: 他を当たってみます
- あいつが戻ったら伝えてくれるか 新作スウィーツの試食に来い、と
- 牧 カオル: はい、必ず伝えます
- 牧 カオル: どこ行ったんだ、あいつ… まさか…家出とか?
- 御崎 海香: そんなことする理由が 思い当たらないわ
- 牧 カオル: だよな… 学校へは行ってるのかな…
- 御崎 海香: クラスメイトに聞いてみるわ
- …どうしたの? 海香ちゃん
- 御崎 海香: 夜遅くにごめんなさい
- 御崎 海香: あの、かずみについて なんだけど…
- ああ、かずみちゃん そういえば大丈夫だったの?
- 御崎 海香: えっ! 何か知ってるの!?
- 知ってるも何も… 病気で倒れたんでしょ?
- 牧 カオル: 病気!?
- 御崎 海香: ど、どんな病気になったの?
- え、なんで 海香ちゃんが知らないの?
- かずみちゃんは 遠くの街で入院するけど
- 検査入院だから 心配しないでって…
- グループメッセ送ってくれたの 海香ちゃんたちだよね?
- 御崎 海香: …私たちが?
- 御崎 海香: 何者かが私たちの代わりに 学校に連絡を入れたってこと?
- 牧 カオル: あたしたちの偽物が どこかにいるっていうのか?
- 御崎 海香: これは、家出なんかじゃないわね
- 牧 カオル: 誘拐…?
- 御崎 海香: …………
- FILENAME: text_514710-14_n32PQ.txt
- 牧 カオル: こんな時間に外に出て どうするんだよ?
- 牧 カオル: あてもなく探したって かずみが見つかるわけが…
- 御崎 海香: かずみは魔法少女よ
- 御崎 海香: まだあすなろ市にいるとすれば 魔女退治は続けているはず
- 御崎 海香: 魔女を探せば かずみも見つかるかもしれないわ
- 牧 カオル: とすると、魔女が活発に動き出す 夜の方が都合がいいってことか…
- 御崎 海香: かずみが自由の身だとすれば …だけどね
- 海香&カオル: ――っ!?
- 御崎 海香: 行くわよ
- 牧 カオル: よしきた!
- 牧 カオル: ここだな!
- 御崎 海香: 待って! 中で誰か戦ってる気配が…
- 牧 カオル: ああ、感じる! これはかずみの…
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: …ふぅ 倒せてよかった
- 御崎 海香: ――っ!?
- 和紗 ミチル: えっ!?
- 御崎 海香: かずみ…?
- 御崎 海香: いえ、かずみじゃないわ それに、その髪型…
- 牧 カオル: まるで… ミチル…だよな?
- 和紗 ミチル: 海香…? カオル…?
- 和紗 ミチル: なんで…?
- 和紗 ミチル: ふたりはレイトウコに いるはずじゃ…?
- 浅海 サキ: ミチル、どうした…
- サキ&ニコ: ――っ!?
- 海香&カオル: ――っ!?
- 御崎 海香: サキ…ニコも… どうして…
- 牧 カオル: それに…ミチルって言ったよな 本当にミチルだっていうのか?
- 浅海 サキ: …………
- 御崎 海香: さすがに、説明を要求する 権利くらいあるわよね?
- FILENAME: text_514710-15_n32PQ.txt
- 御崎 海香: カオルとふたり しばらく家を空けているうちに
- 御崎 海香: 一緒に住んでいた “昴かずみ”が姿を消した…
- 牧 カオル: 消えたかずみを探してたら そこに現れたのは
- 牧 カオル: ここにいるはずのない3人…
- 牧 カオル: 和紗ミチル、神那ニコ そして浅海サキだ!
- 和紗 ミチル: (まただ… 昴かずみって、誰!?)
- 和紗 ミチル: どうなってるの!? 海香とカオルはわたしが…!
- 神那 ニコ: この状況、想定内だよね?
- 浅海 サキ: ああ、問題はない
- 浅海 サキ: 予想より この出会いは早かったがな
- 神那 ニコ: ということは…
- 浅海 サキ: そういうことだ
- 神那 ニコ: ミチル、とんずらするよー
- 和紗 ミチル: え…とんずら?
- 牧 カオル: …待てっ! 話は終わってないぞ!
- 浅海 サキ: 私に捕まれ
- 浅海 サキ: つづきは、また今度だ すまないな、カオル
- 牧 カオル: くそっ… なにがどうなってるんだ…?
- 御崎 海香: …わからない…
- 御崎 海香: でも、私は認めない…
- 御崎 海香: “あれ”を繰り返すというのなら どんなことをしても止めるわ
- 牧 カオル: ああ… そんなこと、絶対にさせないよ
- 牧 カオル: これからどうする、海香
- 御崎 海香: …情報が足りなさ過ぎる…
- 御崎 海香: ミチル、サキ、ニコ…
- 御崎 海香: どうしてあの子たちが “生きている”のか
- 御崎 海香: あれが、本人なのか偽物なのか?
- 牧 カオル: 偽物…?
- 牧 カオル: でも、話してる感じは 本人だったよ
- 御崎 海香: 記憶は魔法で書き込めるし 書き換えられる…
- 牧 カオル: そうだけどさ…
- 牧 カオル: そんなことして 何の意味があるんだよ
- 御崎 海香: わからない…
- 御崎 海香: 確実に言えるのは “昴かずみ”が姿を消したこと
- 御崎 海香: “プレイアデス聖団”を 名乗る者が
- 御崎 海香: この街で魔法少女狩りを しているということ
- 御崎 海香: そして…私たちも “当事者”だということよ
- 牧 カオル: どうすりゃいいんだ…
- 御崎 海香: 情報を集めるところから 始めましょう
- 御崎 海香: まずは協力者を探さないと
- ???の声: その必要はないぜ
- 海香&カオル: えっ…!?
- 牧 カオル: この声…
- ???: 待ちくたびれたぜ お嬢さんがた!
- 海香&カオル: ジュゥべえ!?
- ジュゥべえ: 久しぶりだな、海香、カオル
- FILENAME: text_514710-16_n32PQ.txt
- 牧 カオル: まさか お前まで出てくるとはね
- ジュゥべえ: プレイアデス聖団が復活したなら とうぜんオイラの出番だろう?
- 御崎 海香: …ジュゥべえ…
- 御崎 海香: 従属するインキュベーター 略してジュゥべえ
- 御崎 海香: キュゥべえの無邪気な悪意に…
- 御崎 海香: 残酷な魔法少女のシステムに抗うために
- 御崎 海香: 私たちが合体魔法で生み出した インキュベーターの“代用品”…
- 御崎 海香: そして、プレイアデス聖団の“仲間” それが、私たちのジュゥべえだった
- 御崎 海香: すべてのはじまりは、絶望の深淵… 魔女の結界の中だった
- 御崎 海香: 魔法少女になる前のこと… 私とカオルは夢を砕かれ、絶望していた
- 御崎 海香: ニコとサキも…里美もみらいも… みんな心に深い傷を負い、絶望していた
- 御崎 海香: 魔女に魅入られ、自ら命を絶とうとした 私たちの前に現れた救世主…
- 御崎 海香: それが和紗ミチルだった
- 和紗 ミチル: 「希望は絶対にあるから!」
- 御崎 海香: ミチルに命を救われ イチゴリゾットに生への渇望を思い知らされ
- 御崎 海香: 死にたがりの6人は魔法少女となった
- 御崎 海香: 合わせて7人のチームを ミチルは星座の姉妹になぞらえた
- 和紗 ミチル: 「念願のプレイアデス聖団の結成だーー!」
- 御崎 海香: ミチルと私たちの日々は 希望に満ちていた
- 御崎 海香: 魔法少女として人々の命を守り 魔女と戦うことの誇りも
- 御崎 海香: ひとりぼっちじゃない 仲間との絆があるという喜びも
- 御崎 海香: お腹が空いたと笑いあうことさえも 何もかもが輝いて見えた
- 御崎 海香: けれど… 終わりは突然やってきた
- 御崎 海香: ミチルは魔女と化し 私たちは魔法少女の真実を知った…
- 御崎 海香: さらなる絶望… 私たちの“過ち”の始まりだった
- 御崎 海香: 残されたプレイアデス聖団は ふたつの目的を持って再始動した
- 御崎 海香: ひとつ目は… 矛盾に満ちた魔法少女システムの否定
- 御崎 海香: 魔女化寸前の魔法少女を保護するための “レイトウコ”も…
- 御崎 海香: グリーフシード抜きでのジェム浄化を 可能とする装置、ジュゥべえも…
- 御崎 海香: あすなろ市全体にインキュベーターを 認識しない魔法をかけ
- 御崎 海香: 自分たちの記憶すらも書き換えて キュゥべえを“殺した”のも…
- 御崎 海香: 魔法少女システムに対する 私たちの“抵抗”だった
- 御崎 海香: そして、プレイアデス聖団は もうひとつの目的に向けて動き出した それが…
- 御崎 海香: 和紗ミチルの復活
- FILENAME: text_514710-17_n32PQ.txt
- 牧 カオル: 和紗ミチルの復活… その方法はこうだ
- 牧 カオル: ニコの魔法で ミチルの肉体(クローン)を生成し
- 牧 カオル: あたしたちの合体魔法で 合成魔法少女(いのち)を作り出す
- 御崎 海香: そして、その生命を制御するために 魔女の持つ驚異的な生命力…
- 御崎 海香: 魔女の心臓(コル・マレフィクス)を 埋め込んだ…
- 御崎 海香: 和紗ミチルの記憶を完全に移植した 完璧なクローンが誕生した
- 御崎 海香: でも、完璧なはずの“ミチル”は 私たちの思惑を外れ、失敗作となった…
- 牧 カオル: クローン1号から12号は 魔女を前にすると理性を失い 制御不能の殺戮者になってしまったんだ
- 牧 カオル: 死別したグランマは 限りある命を大切にする人だった
- 牧 カオル: その想いを受け継いだミチルは 自らの蘇生復活を望んでないんだと あたしたちは考えた…
- 御崎 海香: 命を生み出し、失敗なら捨てる… 自分たちの狂気に気付きながら
- 御崎 海香: それでも、諦めきれずに 私たちは最後にもう一度…
- 御崎 海香: 記憶を持たない13号を… “かずみ”を生み出した
- 御崎 海香: かずみは私たちに変化をもたらした
- 御崎 海香: ミチルではない、新たな生命として かずみがそこに存在すること…
- 牧 カオル: かずみの叫びに…かずみの涙に… 自らの過ちを突きつけられる思いがした
- 御崎 海香: いろいろな事件があって 仲間たちの多くが失われ ニコもサキも、ジュゥべえもいなくなった
- 御崎 海香: けれども、幾多の困難の果てに かずみは奇跡を祈る機会を得て
- 御崎 海香: …“昴かずみ”という ひとりの…ほんとうの人間になった
- 牧 カオル: 昴かずみは、転校生として 新たな生活を始め…
- 牧 カオル: あたしたち3人は 本当に幸せな毎日を、全力で生き始めた
- 牧 カオル: そのはずだった…
- 御崎 海香: …………
- ジュゥべえ: いつまで物思いにふけってんだ?
- ジュゥべえ: オイラのことを 忘れたわけじゃないよな
- 御崎 海香: ええ…忘れるはずがないわ
- 御崎 海香: 最後まで、私たちのために 戦ってくれたあなたのことを
- 牧 カオル: でも、この1ヶ月に 何があったんだ?
- 牧 カオル: おまえは消滅したはずだろ ジュゥべえ
- 御崎 海香: だから、教えて… “あなたは誰に作られた”の?
- ジュゥべえ: 相変わらず賢いな それでこそ海香だ
- ジュゥべえ: そんでもって オイラを作ったのも
- ジュゥべえ: 海香…お前さんだよ
- 御崎 海香: 私が…ジュゥべえを?
- ジュゥべえ: 正確には“海香”と“カオル”の 合体魔法で、だけどな
- 牧 カオル: そんなことした覚えはないよ
- ジュゥべえ: そりゃそうだろうな
- ジュゥべえ: オイラを作ったのは… サキやニコと同じ
- ジュゥべえ: お前さんたちの “ニセモノ”なんだからな
- 牧 カオル: 偽物…!?
- 牧 カオル: あたしたちの 偽物までいるのか!?
- ジュゥべえ: ふたりは、小さな… でも大切な願いのために
- ジュゥべえ: 魔法少女・海香と 魔法少女・カオルになった
- 海香&カオル: …?
- ジュゥべえ: 頑張りすぎちまったふたりは 自らのジェムの限界に気付いた
- ジュゥべえ: でも、まだ 大切な願いは叶ってねえ
- ジュゥべえ: だから 本物に引き継いでもらうために
- ジュゥべえ: オイラを連絡役に遺したのさ
- 御崎 海香: どうして、偽物のふたりが 本物の私たちに願いを残すの?
- ジュゥべえ: その願いは きっと
- ジュゥべえ: お前さんたちの 願いでもあるからさ
- 牧 カオル: あたしたちの願い…?
- ジュゥべえ: 長話だけど付き合ってもらうぜ 本題はここからだ
- 牧 カオル: 偽物のプレイアデス聖団… そして、ミチル…
- 牧 カオル: あたしたちがいない間に そんな計画が進んでいたのか
- 御崎 海香: ジュゥべえが言った通り
- 御崎 海香: これは “私たちの願い”でもあるわ
- 御崎 海香: それで…ミチルはまだ 絶望の淵から出られていないのね
- ジュゥべえ: だからこそ、偽物のふたりが 本物に託したんだ
- 御崎 海香: 気になるのは… “彼女たち”の“境界線”よ
- 牧 カオル: 境界線って…?
- 御崎 海香: 彼女たちは自分たちの立てた 新しい“計画”のために
- 御崎 海香: オリジナルである 私たちをコピーした
- 御崎 海香: けれど 彼女たちの自我を残さなくては
- 御崎 海香: 計画を実行することが できないはずよ
- 牧 カオル: でも、さっき会ったサキは
- 牧 カオル: まるで サキ本人にしか思えなかった
- 御崎 海香: そう…
- 御崎 海香: 自我とコピーの記憶の境界が あいまいになっているのよ
- 御崎 海香: それが進めば、心は不安定となり
- 御崎 海香: ジェムによからぬ影響を 与えかねないわ
- ジュゥべえ: 本来、偽物たちの立てた 計画の外にあった
- ジュゥべえ: “魔法少女狩り”を サキが始めたのも
- ジュゥべえ: その影響かもしれないな
- 御崎 海香: 時間は多くはなさそうね 急ぎましょう
- 御崎 海香: ミチルと…かずみのために
- 牧 カオル: あたしたちに後を託してくれた 偽物のためにもな
- ジュゥべえ: へへっ…なんだか懐かしいぜ!
- 浅海 サキ: 再びジュウべえを作るとは
- 浅海 サキ: “海香”と“カオル”も やってくれるな
- 神那 ニコ: ニセ札のジレンマ、か
- 浅海 サキ: ん…?
- 神那 ニコ: 見分け不可能な 完コピのニセ札は
- 神那 ニコ: ニセ札ではない、って 説があってね
- 神那 ニコ: …偽物の代用品は 本物が一番ということ
- 浅海 サキ: ああ、わかっている
- 浅海 サキ: 脱落したふたりの役割を 果たしてもらう
- 浅海 サキ: 本物の海香とカオルに
- 浅海 サキ: そして、計画の完遂に 必要なのは…
- 浅海 サキ: ミチル、君の決断だ
- FILENAME: text_514710-18_n32PQ.txt
- 牧 カオル: まずはレイトウコの確認だな
- 御崎 海香: ええ、かずみを隔離するなら あそこしかないわ
- ミチル&海香: ――っ!?
- 牧 カオル: ミ、ミチル!?
- 御崎 海香: ここで会うのは想定外!
- きゃーーっ!!
- ミチル&カオル: ――っ!?
- 「見て、バルコニー!」 「小さい子が…!」 「身を乗り出してる!」 「親御さんは気づいてないの!?」
- 和紗 ミチル: 絶対に助けるっ!
- 御崎 海香: ええ!
- 「きゃーーーっ!?」 「お、落ちたっ!」
- 御崎 海香: ミチル…!
- 和紗 ミチル: 任せて!
- 和紗 ミチル: ちちんぷりん!
- きゅるるる…
- 牧 カオル: あの魔法…!
- 御崎 海香: リボンが伸びてゆく…
- 牧 カオル: 昔、あたしたちを 助けてくれたときと同じだ!
- 和紗 ミチル: カオル、このまま降ろすよ!
- 牧 カオル: ああ、いつでもいいよ!
- ざわ…
- 「子どもは無事だ…よかった…」 「でも…どうなってるんだ? あのリボン…」
- 牧 カオル: 思いっきり目立っちゃったな ミチルの魔法
- 御崎 海香: 問題ないわ
- 御崎 海香: みんなの認識を 書き換えておくから
- 牧 カオル: ミチル、おつかれさま
- 御崎 海香: あなたらしい判断だったわね
- 和紗 ミチル: ありがとう、カオル、海香 えへへ…ちょっと、疲れ…
- 和紗 ミチル: ちゃっ…た
- 和紗 ミチル: うっ…
- 御崎 海香: ――っ!?
- 御崎 海香: ミチル!
- 牧 カオル: ソウルジェムがっ!
- 御崎 海香: こんな状態で… 魔法を使っていたの!?
- 牧 カオル: グリーフシードで 浄化してないのか!?
- 和紗 ミチル: …助けたい子が たくさんいたから…
- 和紗 ミチル: あげちゃった…
- 牧 カオル: サキとニコは 気づかなかったのか?
- 和紗 ミチル: わたしが…隠してたから
- 和紗 ミチル: けっこう、嘘… 上手いんだよね…
- 和紗 ミチル: あ …あ
- 御崎 海香: ミチル!
- 和紗 ミチル: ごめんな さ…
- 海香&カオル: ――っ!?
- 御崎 海香: あなたに出会えて 本当に良かった
- 和紗 ミチル: あ …あ
- 牧 カオル: あっ、泣いてる まったくミチルは…
- 牧 カオル: なんだよこれ ジェムが真っ黒じゃないか!?
- 御崎 海香: ミチル!
- 和紗 ミチル: ごめんな さ…
- 「きゃああああ」
- 御崎 海香: あのときと…同じ…
- 牧 カオル: ミチルが… また魔女に…!
- 御崎 海香: いや…
- 御崎 海香: いやああああああーーッ!!
- <つづく>
- FILENAME: text_514720-1_iESag.txt
- 和紗 ミチル: けっこう、嘘… 上手いんだよね…
- 和紗 ミチル: あ …あ
- 御崎 海香: ミチル!
- 和紗 ミチル: ごめんな さ…
- 海香&カオル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: ダレモキズツケタクナイノニ… クルシイ…
- 和紗 ミチル: ウミカ… カオル…
- 和紗 ミチル: ゴメンナ…サイ…
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: あ…?
- 和紗 ミチル: ここって…
- 牧 カオル: お! やっとお目覚めだな、ミチル
- 和紗 ミチル: カオル!?
- 御崎 海香: かなりうなされてたけど どんな夢を見てたのかしら?
- 和紗 ミチル: 海香!?
- 和紗 ミチル: どんな夢…? えっ、夢だったの…?
- 和紗 ミチル: ど、どこから…?
- 御崎 海香: 小さな子がマンションから 落ちそうになったのは覚えてる?
- 和紗 ミチル: う、うん… 無事に助けたよね?
- 牧 カオル: ああ… でも直後にお前は倒れた…
- 牧 カオル: ソウルジェムが 濁りきってたせいでな
- 御崎 海香: 私が持っていたグリーフシードで 浄化できたから
- 御崎 海香: 事なきは得たけれど…
- 御崎 海香: あなたは 眠り続けていたというわけ
- 和紗 ミチル: そうか…魔女は夢だったんだね
- 和紗 ミチル: でも この話も夢だったりしないかな?
- 牧 カオル: …?
- 和紗 ミチル: だって… わたしの知ってるふたりは…
- 和紗 ミチル: レイトウコに眠ってるはず… なんだよね…
- 牧 カオル: はは…夢なんかじゃないよ あたしたちは、ここにいる
- 御崎 海香: ええ… 紛れもない現実よ
- 和紗 ミチル: そう…なんだ
- 和紗 ミチル: (ふたりとも、優しくて…)
- 和紗 ミチル: (違うけど…同じ)
- 和紗 ミチル: (海香とカオルだ…)
- FILENAME: text_514720-2_iESag.txt
- 和紗 ミチル: …………
- 牧 カオル: どうした? ミチル
- 和紗 ミチル: あ、その… 海香…カオル…
- 御崎 海香: うん、何?
- 和紗 ミチル: ふたりに 聞いてほしいことが…
- 和紗 ミチル: 伝えなきゃならない 大切な話があるんだ
- 海香&カオル: …………
- 和紗 ミチル: ただ、これはいい話じゃなくて すごく…辛い話なんだ
- 和紗 ミチル: ふたりがわたしを 嫌いになるかもしれない…
- 和紗 ミチル: 許せなくなるかもしれない…
- 和紗 ミチル: それでも わたしは話さなきゃダメなんだ
- 和紗 ミチル: だから ふたりが嫌だって言っても
- 和紗 ミチル: わたしは話す…
- 牧 カオル: いいよ どんな話だって受け止める
- 牧 カオル: お前が本気で 心から話してくれるならね
- 御崎 海香: 私もカオルと同じよ
- 御崎 海香: そして…先に言っておくわ
- 御崎 海香: あなたが何を話そうとも 私たちは決して…
- 御崎 海香: あなたのことを嫌いになったり 許せなくなるなんてことはないわ
- 和紗 ミチル: カオル…海香…
- 和紗 ミチル: (話さなきゃ…本当のことを…)
- 和紗 ミチル: (謝らなきゃ…ふたりに…)
- 和紗 ミチル: …………あ、あのね
- 牧 カオル: …何?
- 和紗 ミチル: ううん…何でもない…
- 和紗 ミチル: ヘンなこと言っちゃったね… ごめん
- 御崎 海香: …そう
- 牧 カオル: まだ本調子じゃないのかな?
- 牧 カオル: ま、何でもないならそれでいいし
- 牧 カオル: 話したいことがあるなら いつだって聞くよ
- 和紗 ミチル: …………違う
- 牧 カオル: …え?
- 和紗 ミチル: 言えなかった…
- 和紗 ミチル: あのとき わたしは現実から逃げた…
- 和紗 ミチル: 言えなくて、先延ばしにして あんなに後悔したのに…
- 和紗 ミチル: (なぜか、ふたりが戻ってて)
- 和紗 ミチル: (どんな話でも 受け止めてくれるって)
- 和紗 ミチル: (わたしを信じてくれてるのに それなのに…)
- 和紗 ミチル: (わたしは また逃げようとしてる…)
- 和紗 ミチル: (逃げた先には 絶望しかないって…)
- 和紗 ミチル: (わたしは 知ってるじゃないか…)
- 和紗 ミチル: 逃げるな… 逃げるな、和紗ミチル…
- 和紗 ミチル: 海香、カオル… ごめんなさいっ!!
- 海香&カオル: …………!
- 和紗 ミチル: わたし! ずっと謝らないといけなかった
- 和紗 ミチル: 魔法少女になんて なっちゃいけなかった…
- 和紗 ミチル: ソウルジェムが濁りきったとき わたしたち魔法少女は…
- 和紗 ミチル: 魔女の種に… グリーフシードに変わるんだ!
- 和紗 ミチル: 魔法少女の未来には 希望なんてない…
- 和紗 ミチル: 魔女になってしまうという 絶望しかないんだよ!!
- 和紗 ミチル: ごめん…何を言ってるか わからないよね…?
- 和紗 ミチル: わたしがふたりを…
- 和紗 ミチル: 取り返しのつかないことに 巻き込んじゃったんだ…
- 和紗 ミチル: ごめんなさい… 本当に、ごめんなさい…!!
- 海香&カオル: …………
- 牧 カオル: …やっと話してくれたか…
- 和紗 ミチル: …え? やっと、って?
- 御崎 海香: あなたがひとりで悩みを抱えて 苦しんでいるのはわかってた…
- 御崎 海香: でも、私から聞き出すのは 違うと思っていたの…
- 牧 カオル: ミチルの意思で、ミチルの決断で 前に進んでほしかったからね
- 和紗 ミチル: どうして怒らないの?
- 和紗 ミチル: こんな恐ろしいことに
- 和紗 ミチル: わたしはふたりを 巻き込んだんだよ?
- 御崎 海香: …魔法少女の真実は…簡単に 受け入れられるものではないわ…
- 牧 カオル: ひとりで抱えられるような ちっぽけな問題じゃない…
- 牧 カオル: でもさ…だからこそ… 分かち合えばいいじゃないか…
- 御崎 海香: 苦しいなら 苦しいって言えばいい…
- 御崎 海香: 辛いなら辛いって言えばいい…
- 和紗 ミチル: どうして… どうして、そんなに優しいの?
- 御崎 海香: 決まってるでしょう…
- 海香&カオル: 仲間だから!
- 和紗 ミチル: でも…わたしが魔法少女に 誘わなかったら
- 和紗 ミチル: ふたりは…
- 御崎 海香: あなたと出会えなければ… 私たちはとっくに絶望していたわ
- 牧 カオル: そうだよ 魔法とミチルに出会えたから
- 牧 カオル: あたしたちは 希望を見つけられたんだ!
- 御崎 海香: もう二度と
- 御崎 海香: あなたをひとりぼっちに させたりはしない
- 牧 カオル: だから、お前も…あたしたちを ひとりぼっちにさせないで
- 和紗 ミチル: 海香…カオル…
- ジュゥべえ: ったく、泣かせやがるぜ…
- FILENAME: text_514720-3_iESag.txt
- 和紗 ミチル: …すや…すや…
- 牧 カオル: 起きたばっかりだってのに 泣き疲れたのかな…よく寝てるよ
- 御崎 海香: ジュゥべえ ミチルをお願いできるかしら
- ジュゥべえ: ん…?どっか行くのか?
- 御崎 海香: 少し話をしてくるわ
- 牧 カオル: 話って…あたしとじゃないよね
- 御崎 海香: ええ…
- 御崎 海香: …聞こえてるわよね?
- 御崎 海香: サキとニコ…の、偽物さん
- 浅海 サキ: 「海香…」
- 御崎 海香: まずは報告から
- 御崎 海香: ついさっきのことよ…
- 御崎 海香: ミチルは すべてを打ち明けてくれた
- 牧 カオル: 魔法少女の真実も
- 牧 カオル: あたしたちを巻き込んでしまった 後悔も
- 牧 カオル: ずっと言えずに逃げていたことも
- 牧 カオル: 全部、あいつの意思で 話してくれた
- 浅海 サキ: 「そうか…」
- 御崎 海香: …ありがとう、サキ、ニコ
- 神那 ニコ: 「話が飛ぶね」
- 牧 カオル: とぼけなくたっていいよ、ニコ
- 牧 カオル: あんたたちが、ミチルを ここまで導いてくれたんだろ?
- サキ&ニコ: 「…………」
- 御崎 海香: かつて、本物のミチルは
- 御崎 海香: 自責の念にかられ すべてを背負い込んで
- 御崎 海香: 苦しみの中で 魔女になってしまった…
- 御崎 海香: もし ミチルが話してくれてたら…
- 御崎 海香: もし 私たちの誰かが気づいていたら…
- 御崎 海香: みんなで分かち合えたなら もっと一緒に過ごせたはず…
- 御崎 海香: だから、“今”のミチルに 同じ道を歩ませ
- 御崎 海香: 黙秘と告白の分岐点に立たせた
- 牧 カオル: そして、ミチルは選んだ
- 御崎 海香: あなたたちの計画は成し遂げられ
- 御崎 海香: “私たちの願い”は ようやく叶った
- 牧 カオル: “本物”のミチルが できなかったことを
- 牧 カオル: “今”のミチルはやってくれた…
- 牧 カオル: 『絶望』で終わった『日記』に 次のページが書き足されたんだ
- 浅海 サキ: 「そこに、なにが書かれていると…?」
- 牧 カオル: 『希望』だ!
- 神那 ニコ: 「…いいね、この熱さ、カオルらしい」
- 牧 カオル: はは…サンキュ あんたも、ニコそのものだよ
- 神那 ニコ: 「…………」
- 御崎 海香: でも、まだ話は終わりではないわ
- 御崎 海香: あなたたちの計画に 救われた私たちが
- 御崎 海香: 今度は、あなたたちを救う番よ
- サキ&ニコ: 「…………」
- 牧 カオル: それが、あたしたちの贖罪だ
- 御崎 海香: レイトウコで待っていて ミチルを連れていくわ
- FILENAME: text_514720-4_iESag.txt
- 和紗 ミチル: ん…?
- 和紗 ミチル: あ、ごめん 寝ちゃってたね
- 牧 カオル: いや、気にしなくていいよ
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: 今度は、ふたりのことを 聞かせてくれないかな
- 御崎 海香: …?
- 和紗 ミチル: わたしは 濁ったふたりのジェムを
- 和紗 ミチル: この手で奪い レイトウコに運んだ
- 和紗 ミチル: なのに まるで何もなかったみたいに
- 和紗 ミチル: ふたりがここにいる…
- 和紗 ミチル: それに、サキやニコとの関係も
- 和紗 ミチル: 前に教えてくれた話は しっくりこないんだ
- 和紗 ミチル: わたしはもう逃げない…
- 和紗 ミチル: 大丈夫だから ぜんぶ話してほしい
- 御崎 海香: ええ、順を追って話すわ
- 御崎 海香: 和紗ミチルと私たち…
- 御崎 海香: プレイアデス聖団の 本当の出会いから…
- 和紗 ミチル: …本当の出会い?
- 和紗 ミチル: …海香、カオル、サキ、ニコ みらい、里美…
- 和紗 ミチル: そして“和紗ミチル”
- 和紗 ミチル: 7人の“プレイアデス聖団”…
- 和紗 ミチル: ミチルの死… ミチルとの再会を願った6人…
- 和紗 ミチル: 禁断の魔法で生み出された
- 和紗 ミチル: “かずみ”と 魔法少女“昴かずみ”…
- 和紗 ミチル: …………
- 牧 カオル: こんな話、いきなり信じろって 言われても、難しいと思うけどさ
- 牧 カオル: 全部、本当のことなんだ
- 和紗 ミチル: そうだね… 話が凄すぎて消化しきれないや…
- 和紗 ミチル: だけど、信じるよ
- 海香&カオル: …………
- 和紗 ミチル: 友だちの人生を 自分が変えてしまったこと…
- 和紗 ミチル: 言おうと思っても言えない… その苦しさ、情けなさはわかる
- 和紗 ミチル: わたし自身が同じだったからね
- 和紗 ミチル: それに 大切な友だちを失ったみんなが
- 和紗 ミチル: 生き返らせたいって 願う気持ちもわかる
- 和紗 ミチル: だって、わたしたちは 魔法少女なんだから…
- 和紗 ミチル: 奇跡のひとつやふたつ 起こしたくなるのは当然だよ
- 和紗 ミチル: でも、よけいに わかんなくなっちゃったな
- 和紗 ミチル: “和紗ミチル”が もうこの世にいないなら…
- 和紗 ミチル: わたしは何者なんだ、ってね
- 牧 カオル: …………
- 牧 カオル: その答え合わせは
- 牧 カオル: “今のプレイアデス全員”で やろう
- 御崎 海香: レイトウコで サキとニコが待ってる
- 和紗 ミチル: うん、行こう
- 和紗 ミチル: レイトウコの扉を開けなきゃ 疑問はカイトウできないもんね
- FILENAME: text_514720-5_iESag.txt
- ギィ…
- 御崎 海香: サキ、ニコ
- 浅海 サキ: 来たか
- 和紗 ミチル: わたしが何者なのか その答えを聞きに来た
- 浅海 サキ: …………
- 浅海 サキ: 海香、カオル 大丈夫なんだな?
- 牧 カオル: 心配はいらないよ
- 牧 カオル: この子は、身も心も 紛れもない“ミチル”だ
- 御崎 海香: そして、ミチルであって ミチルではない…
- 御崎 海香: “今のミチル”よ
- 浅海 サキ: …わかった
- 浅海 サキ: 結論から言おう
- 浅海 サキ: 本物の和紗ミチルは 1年前に死んだ
- 浅海 サキ: ミチルの死を拒否し ミチルの復活を願った
- 浅海 サキ: 遺された6人の “プレイアデス聖団”は
- 浅海 サキ: 魔法でミチルの クローンを生み出した
- 浅海 サキ: 君は、その4番目のクローンだ
- 和紗 ミチル: …やっぱりそうか
- 浅海 サキ: 驚かないんだな
- 和紗 ミチル: これまでのことや聞いた話から 想像はついてたからね
- 和紗 ミチル: 4番目だったのは意外だったけど
- 神那 ニコ: ちなみに、我々もキミと同じだよ
- 和紗 ミチル: 同じって…?
- 神那 ニコ: こちらの鬼メガネは10号 私は2号、ニコだけに…にひっ
- 和紗 ミチル: 10号…2号…
- 神那 ニコ: 浅海サキ、神那ニコ レイトウコの御崎海香と牧カオル
- 神那 ニコ: 偽物の聖団の正体は ミチルのクローン…
- 神那 ニコ: すなわち“かずみシリーズ”だよ
- 和紗 ミチル: あなたたちも…クローン…!
- 神那 ニコ: 今度はドッキリ成功だ
- 浅海 サキ: “本物”は、そこにいる海香と カオルのふたりだけ
- 和紗 ミチル: …わからない
- 和紗 ミチル: どうして、あなたたちは こんなことを?
- 浅海 サキ: 本物のプレイアデスが 和紗ミチルに救われたように
- 浅海 サキ: 偽物のプレイアデスも “和紗ミチル”に救われたんだ
- 浅海 サキ: そう…4号、君に
- 浅海 サキ: 「かつてプレイアデスのメンバー 宇佐木里美の乱心によって “かずみシリーズ”の封印が 解かれるという事件があった」
- 浅海 サキ: 「里美は、13号かずみの抹殺のために 1号から12号を差し向け 魔法で操って殺し合いをさせたんだ」
- 浅海 サキ: 「凄惨な殺戮の現場で 生き残った者がいた…」
- 浅海 サキ: 「クローン4号…君だ」
- 浅海 サキ: 「クローンは他のクローンを “喰らう”ことで傷を治し、再生可能だ」
- 浅海 サキ: 「4号の目の前には、そのための 同胞のボディが転がっていた」
- 浅海 サキ: 「だが君は 彼女たちを喰らわなかった」
- 浅海 サキ: 「瀕死だが、まだ息のあった 者たちに手を差し伸べた」
- 浅海 サキ: 「クローン2号…」
- 浅海 サキ: 「6号…」
- 浅海 サキ: 「7号…」
- 浅海 サキ: 「そして、10号」
- 浅海 サキ: 「君は、自身の中に残る 魔女の生命力を分け与え “仲間たち”の生命維持を図った」
- 和紗 ミチル: …わたしが…そんなことを?
- 浅海 サキ: 本物のニコが残した記録によれば
- 浅海 サキ: 4号は、ほぼほぼ成功 だったそうだ
- 浅海 サキ: ミチルの記憶、性格、思考… 再現度が高かった
- 浅海 サキ: あまりにも完璧すぎて
- 浅海 サキ: 死んだときの記憶まで 引き継いでしまったほどに
- 神那 ニコ: でも、シリーズに 引き継がれる魔法陣に
- 神那 ニコ: 4号の分だけが入っていない
- 神那 ニコ: 死んだはずの自分が 生きている違和感
- 神那 ニコ: 魔女の肉から錬成された不浄の命
- 神那 ニコ: 恐怖と悔恨と自己否定…
- 神那 ニコ: 4号は考えるのをやめ 自らを封印してしまった
- 神那 ニコ: そんな“ほぼほぼミチル”が 目の前で苦しむ仲間を救うのは…
- 神那 ニコ: 想像に難くないよね
- 浅海 サキ: 私たちは、“ミチル”に… 4号、君にこの命を救われたんだ
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: でも、おかしいな
- 和紗 ミチル: わたしは…殺し合いの記憶も みんなを助けた記憶も…
- 和紗 ミチル: “あの日の絶望”も なにひとつ覚えてない
- 和紗 ミチル: どうして?
- 浅海 サキ: 当然だ
- 浅海 サキ: 4号という人格を消し
- 浅海 サキ: ミチルの記憶を リセットすることで
- 浅海 サキ: 私たちの計画は始まったんだ
- 和紗 ミチル: …………!
- FILENAME: text_514720-6_iESag.txt
- 浅海 サキ: 君に命を分け与えられ 生き延びた私たちは…
- 浅海 サキ: レイトウコで眠りにつき 同じ夢を見続けた…
- 浅海 サキ: 私たちのオリジナルである 和紗ミチルが
- 浅海 サキ: 魔法少女の残酷な真実を 誰にも言えないまま
- 浅海 サキ: 絶望の中で 魔女と化してしまったこと…
- 浅海 サキ: たとえ魔法少女の運命が
- 浅海 サキ: 魔女から逃れられない ものだとしても
- 浅海 サキ: ミチルを“絶望”で 終わせたくない…
- 浅海 サキ: あの時の涙をぬぐってやりたい…
- 浅海 サキ: …そんな夢を見続けた
- 神那 ニコ: 命を分け与えられたとき
- 神那 ニコ: 記憶もいっしょにもらった 我ら4人
- 神那 ニコ: 賢い“ミチル”が集まれば 文殊も驚く知恵も出る
- 神那 ニコ: Believe again…
- 神那 ニコ: 和紗ミチルを甦らせて 出会いの日からやり直す
- 浅海 サキ: かつての仲間たちと 日々を“もう一度”過ごし
- 浅海 サキ: 同じ夢、同じ悪夢を見て 同じ帰路に立ったとき…
- 浅海 サキ: “ミチル”が、自らの意思で
- 浅海 サキ: 魔法少女システムの残酷な真実を 仲間に告げられれば…
- 浅海 サキ: そして、仲間たちとともに
- 浅海 サキ: 終わりの日まで 生き抜くことができれば
- 浅海 サキ: ミチルの終わりは “絶望”ではなく
- 浅海 サキ: そこに救いが… “希望”が残るはずだ
- 神那 ニコ: それが、偽物たちの悪だくみ 偽物たちの恩返し
- 和紗 ミチル: でも…あなたたち…
- 和紗 ミチル: わたしたちは クローンなんでしょ?
- 和紗 ミチル: どうやって そんな計画を実行できたの?
- 浅海 サキ: 決まってるじゃないか…
- 神那 ニコ: 泣きぬれた少女に近付いて そっとささやく甘い罠…
- 神那 ニコ: 『奇跡も魔法もあるんだよ』
- 和紗 ミチル: …キュゥべえ…と 契約したんだね!
- 神那 ニコ: ご名答
- 浅海 サキ: 「クローン4号の手で回収された 2号、6号、7号、10号の4人…」
- 浅海 サキ: 「最初に回復し、休眠から目覚めたのは 10号の私だった」
- 浅海 サキ: 「私の願いをかぎつけたインキュベーターは “昴かずみ”の成功例をチラつかせた」
- 浅海 サキ: 「私は迷わず願った…」
- 浅海 サキ: 「4号を“和紗ミチル”にしてほしい… 本物の人間のミチルに変えてくれと」
- 浅海 サキ: 「私の願いの対価として 4号は完全に“ミチル”に生まれ変わった」
- 浅海 サキ: 「前後の記憶は、辻褄が合うように 調整されていたようだ」
- 浅海 サキ: 「次に目覚めたのはクローン2号だった」
- 浅海 サキ: 「2号は、キュゥべえとの契約の対価に “神那ニコの能力”を手に入れた」
- 浅海 サキ: 「そしてその能力で…」
- 浅海 サキ: 「10号を浅海サキに 2号自身を神那ニコに作り替えた」
- 浅海 サキ: 「それが私たちだ」
- 浅海 サキ: 「残りのふたりも、すぐに目覚め 魔法少女となる」
- 浅海 サキ: 「6号は…魔法少女・御崎海香に」
- 浅海 サキ: 「7号は、魔法少女・牧カオルになった」
- 和紗 ミチル: わたしが出会った “海香”と“カオル”は…
- 和紗 ミチル: ここに眠っているふたりが 6号と7号だったんだね
- 浅海 サキ: そうだ…
- 浅海 サキ: 本物とのニアミスを避けるために
- 浅海 サキ: 私たちはあすなろ市の 北部に拠点を置いた
- 浅海 サキ: 本物の御崎邸と そっくりな建物を用意し
- 浅海 サキ: 本物たちが 不在になる時期を待った
- 御崎 海香: なるほど…考えたわね
- 和紗 ミチル: え…あれ? でも、それだとヘンだ…
- 和紗 ミチル: 海香とカオルはわたしの目の前で 契約したんだよ?
- 和紗 ミチル: でも、そのときすでに 魔法少女だったってこと…!?
- キュゥべえ: ボクならキミたちのために 奇跡を起こしてあげられるよ
- 牧 カオル: ――っ!?
- 和紗 ミチル: びっくりして わけがわからないと思うけど
- 和紗 ミチル: この子の言ってることは本当だよ
- 和紗 ミチル: だから、生きる希望を 捨てないでほしいんだ
- 和紗 ミチル: あのとき確かに キュゥべえが現れて…
- 神那 ニコ: 海香は“読み書き”の魔法少女
- 神那 ニコ: 記憶を読めるなら 書くこともしかり
- 和紗 ミチル: じゃあ、あのときキュゥべえは…
- 神那 ニコ: いたよ ニヤニヤ観察してたけど
- 神那 ニコ: ふたりとの契約は とうに終わってた
- 牧 カオル: ややこしいよ!
- 神那 ニコ: 批判は甘んじて受けよう
- 浅海 サキ: ともあれ、お膳立ては整った
- 浅海 サキ: そして、その後は 4号…君の番だった
- FILENAME: text_514720-7_iESag.txt
- 和紗 ミチル: …………
- 浅海 サキ: 君は友だちを魔法少女に誘い 友だちは君を信じて契約を結んだ
- 浅海 サキ: やがて君は 魔法少女の残酷な真実を知った
- 浅海 サキ: 友だちを巻き込んだことに苦悩し 自分を責め、苦しんだ…
- 浅海 サキ: そして 二度目の分岐点に立った君は…
- 和紗 ミチル: 逃げるな… 逃げるな、和紗ミチル…
- 和紗 ミチル: ソウルジェムが濁りきったとき わたしたち魔法少女は…
- 和紗 ミチル: 魔女の種に… グリーフシードに変わるんだ!
- 和紗 ミチル: わたしがふたりを…
- 和紗 ミチル: 取り返しのつかないことに 巻き込んじゃったんだ…
- 和紗 ミチル: ごめんなさい… 本当に、ごめんなさい…!!
- 浅海 サキ: ようやく “あの日の続き”を歩き出した
- 浅海 サキ: 君の心の叫びは 6号海香、7号カオルに届き
- 浅海 サキ: 君は、残酷な魔法少女の運命に 立ち向かう仲間を得たんだ
- 神那 ニコ: その別れは、予想外に早かったが 代わりに“本物”とも出会えたし
- 神那 ニコ: 結果オーライだね
- 和紗 ミチル: わたしは…
- 和紗 ミチル: わたしは今の状況を 結果オーライとは言えないかな…
- 和紗 ミチル: ここにいるみんなが わたしのこと…4号のこと…
- 和紗 ミチル: オリジナルの和紗ミチルのこと… 大切に思ってることはわかるけど
- 和紗 ミチル: わたしには4号の記憶は もう残ってないし…
- 和紗 ミチル: でも、これだけは言える
- 和紗 ミチル: わたしは…“今のミチル”は…
- 和紗 ミチル: みんなのおかげで生きてる!
- サキ&ニコ: …………
- 海香&カオル: …………
- 和紗 ミチル: わたしが逃げそうになっても 待ってくれた
- 和紗 ミチル: 違う、逃げるなって言いたいのに わたしが決めるのを待ってくれた
- 和紗 ミチル: わたしを信じてくれた!
- 和紗 ミチル: だから… みんな、本当にありがとう!
- 浅海 サキ: …君がそんな風に 思ってくれるのは
- 浅海 サキ: 本当に嬉しい
- 浅海 サキ: だが、私たちには 感謝される権利などないんだ
- 和紗 ミチル: どうして?
- 神那 ニコ: この計画は…
- 神那 ニコ: 君が“魔法少女になる”ことが 前提なんだからね
- 和紗 ミチル: あっ…
- 浅海 サキ: 私の…10号の願いで 4号はただの人間になった
- 浅海 サキ: だが、私は選ばせなかったんだ “魔法少女にならない未来”を
- 浅海 サキ: すまなかった…
- 和紗 ミチル: そんな…
- 牧 カオル: それを言うなら、あたしたちこそ
- 牧 カオル: ミチルに感謝される 権利なんてない
- 御崎 海香: そうね…
- 御崎 海香: 私とカオルは、私たちのために
- 御崎 海香: サキたちの“計画”に 協力したんだもの
- 和紗 ミチル: …どういうこと!?
- 御崎 海香: 和紗ミチルの絶望は プレイアデスの絶望
- 御崎 海香: 和紗ミチルの救済は プレイアデスの救済…
- 牧 カオル: そして… 生き残ったプレイアデスとしての
- 牧 カオル: あんたたちへの 罪滅ぼしでもあるんだよ
- サキ&ニコ: …………
- 牧 カオル: あたしたちが
- 牧 カオル: “人造魔法少女”なんて 禁忌に手を染めなかったら…
- 牧 カオル: あんたたちは誰ひとり
- 牧 カオル: 辛い思いをせずに 済んだんだから…
- 牧 カオル: 心の底から謝るよ… ごめんなさい
- 御崎 海香: …ごめんなさい
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: 許さん… こんなのは許さん!
- 海香&カオル: えっ…!?
- サキ&ニコ: ん…!!?
- 和紗 ミチル: わたし、こういう湿っぽいの 大っきらいなんだ!
- 和紗 ミチル: 過去にあった悲しいことも 今回の計画も
- 和紗 ミチル: ぜんぶ、わたしにとっては
- 和紗 ミチル: “今”起きている “本当”のことなんだよ
- 和紗 ミチル: それは みんなも同じじゃないか!
- 和紗 ミチル: “あの日”の続きを…
- 和紗 ミチル: 『これから』どう生きるのか
- 和紗 ミチル: それがいちばん大事だと 思わない?
- 和紗 ミチル: だって…
- ぐう~~
- 海香&カオル: あっ…
- サキ&ニコ: ああっ…
- 和紗 ミチル: わたしの身体は 生きたいって言ってる!
- 和紗 ミチル: わたしはもう 絶対に絶望なんてしない!
- サキ&ニコ: …………
- 浅海 サキ: その言葉が聞きたかった
- 海香&カオル: …うん
- 和紗 ミチル: よし! それじゃあ帰って みんなでご飯にしよう!
- 和紗 ミチル: イチゴリゾットを食べながら
- 和紗 ミチル: レイトウコのみんなたちを 救う方法を考えようよ
- 牧 カオル: それ、いいな!
- 神那 ニコ: 最後の晩餐にできれば 最高だったね
- 和紗 ミチル: えっ、最後の晩餐って?
- 御崎 海香: まさか、あなたたち…
- 浅海 サキ: ああ… 私たちには、もう時間がない
- FILENAME: text_514720-8_iESag.txt
- 浅海 サキ: 私たちには、もう時間がない
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 御崎 海香: ソウルジェムが… 急速に濁りだした…
- 牧 カオル: グリーフシードを…!
- 浅海 サキ: よせ 無駄遣いするな
- 浅海 サキ: 私のソウルジェムは とっくに限界を迎えている
- 神那 ニコ: こっちも限界突破しちゃってる
- 御崎 海香: ここまでが計算だったというの?
- 浅海 サキ: いや… もっと長く“保てる”はずだった
- 浅海 サキ: だが…私もニコも…
- 浅海 サキ: 気付けば “支配”されていたんだ…
- 浅海 サキ: オリジナルのサキの心 オリジナルのニコの心に…
- 神那 ニコ: 魂は細部に宿る…
- 神那 ニコ: 本物になりすますために
- 神那 ニコ: あらゆる情報と 記憶をコピペしたら
- 神那 ニコ: 2号とニコの境界は消え 本物のココロになっちゃったとさ
- 浅海 サキ: 魔女化寸前の 魔法少女を救うこと…
- 浅海 サキ: “プレイアデス聖団再結成”は 計画にはなかったんだ…
- 浅海 サキ: ジェムの穢れを 加速させるだけだからな
- 神那 ニコ: なのに、あら不思議 気付けば魔法少女を狩っていた
- 御崎 海香: まさか、それも… 魔法少女システムの呪い?
- 浅海 サキ: それもあるだろう…
- 浅海 サキ: だが、私もニコも海香もカオルも …憧れていたんだ…
- 浅海 サキ: 和紗ミチルの記憶にあった 希望と笑顔のあふれる…
- 浅海 サキ: 本物の“プレイアデス聖団”に なりたかった…
- 和紗 ミチル: 待って、諦めちゃダメだ! 何か方法を…!
- 神那 ニコ: 話を聞け、ミチル!
- 和紗 ミチル: ニコ…?
- 神那 ニコ: こんなマジな私は最初で最後 SSRのレアモノだぞ
- 神那 ニコ: いいかい?
- 神那 ニコ: このレイトウコは “ニコの魔法”で制御されている
- 神那 ニコ: つまり、私が死んだら ここは、ただのハコになる
- 神那 ニコ: 眠れる魔法少女たちは 一斉に目覚め…
- 神那 ニコ: 黒いジェムはみな 魔女になる
- 浅海 サキ: “海香”と“カオル”もだ…
- 和紗 ミチル: ――っ!?
- 浅海 サキ: 海香…カオル…!
- 浅海 サキ: すまないが、後を頼む…
- 浅海 サキ: ミチルのことも…!
- 牧 カオル: ………… ああ、任せろ!
- 御崎 海香: 約束するわ
- 浅海 サキ: かずみなら心配は要らない 奥で眠っているだけだ
- 浅海 サキ: ソウルジェムを身体に戻せば 目を覚ます
- 御崎 海香: わかったわ
- 牧 カオル: おまえたちはどうなるんだ?
- 神那 ニコ: ほっとけば魔女になるよ 魔法少女だからね
- 神那 ニコ: その前に…やってくれるよね? ミチル…
- 和紗 ミチル: ニコ…ッ!
- クローン10号: イソイデ…
- クローン10号: “昴かずみ”ヲ タスケテアゲテ…
- 和紗 ミチル: でも…!
- 御崎 海香: 今はかずみを助けるのが先よ
- 牧 カオル: ふたりもそれを望んでる
- 和紗 ミチル: …わかった!
- ゴゴゴゴゴゴ…
- クローン10号&2号: ――っ!?
- 和紗 ミチル: 地震!?
- 牧 カオル: いや、違う 揺れてるのは…あの噴水だ
- 御崎 海香: “ニコ”の魔力が尽きたのよ
- 御崎 海香: 早くかずみを助けないと レイトウコが…!
- 牧 カオル: うん、急ごう!
- ゴゴゴゴゴゴ…
- 牧 カオル: くそっ…まただ!
- 御崎 海香: レイトウコの機能を維持していた 噴水の魔法陣が崩れていく…
- 御崎 海香: レイトウコが止まれば…
- 御崎 海香: 噴水の中のソウルジェムは 一斉に孵化して魔女になる!
- 牧 カオル: その穢れを浴びれば かずみのジェムがやばい!
- 牧 カオル: 海香!時間稼ぎだ! 魔法の技、覚えてるよな!
- 御崎 海香: 当然! 行くわよ、カオル!
- 海香&カオル: 合体魔法!
- 牧 カオル: ミチル! ここはあたしたちが食い止める!
- 御崎 海香: かずみをお願い!
- 御崎 海香: あなたと同じ 希望を持ったジェム!
- 御崎 海香: それが、昴かずみよ!
- 和紗 ミチル: うん、わかった!
- FILENAME: text_514720-9_iESag.txt
- 和紗 ミチル: はぁ…はあ…
- 和紗 ミチル: ここに、かずみのジェムが…
- 和紗 ミチル: わたしの希望を感じたら 君の希望で答えてっ!
- 和紗 ミチル: 昴かずみ…!
- 和紗 ミチル: 感じる! そうだ、これだ…これが…
- 和紗 ミチル: “昴かずみ”の ソウルジェムだ!
- 和紗 ミチル: 身体はどこにいるんだ? 奥って、どこだよ?
- 和紗 ミチル: あれだ!
- 和紗 ミチル: ―ミチル― 昴かずみ… なるほど、わたしと同じ顔だ!
- 和紗 ミチル: ―ミチル― 人間になることを願った13人目のクローン…
- 和紗 ミチル: ―ミチル― わたしと同じ、合成魔法少女…
- 和紗 ミチル: ―ミチル― 起きて!わたしの妹!
- ミチル&かずみ: …………
- 和紗 ミチル: おはよう、昴かずみ
- 昴 かずみ: お、おはよう…? あなた、もしかして…
- 和紗 ミチル: そう…和紗ミチル
- 昴 かずみ: やっぱり!
- 和紗 ミチル: …だと思い込んでたクローン4号 君の同胞だ
- 昴 かずみ: えっ…? 4号って…だって…わたしが…
- 和紗 ミチル: その話はあとだ!
- 和紗 ミチル: とにかく、わたしは生きてて 君も生きてる、それでいいよね!
- 昴 かずみ: よ、よくわかんないけど それでいいよ!
- 和紗 ミチル: 話のわかる子で助かるよ!
- 海香の声: きゃぁっ!!
- カオルの声: うわっ!!
- 和紗 ミチル: 海香とカオルがピンチなんだ! 行こう!
- 昴 かずみ: うん!
- 昴 かずみ: 海香!カオル!久しぶり!
- 牧 カオル: かずみ!
- 御崎 海香: 間に合ったのね ありがとう、ミチル!
- 和紗 ミチル: でも、こっちは魔女が…!
- 御崎 海香: 私たちふたりの魔法力では 制御しきれなかったの…
- 牧 カオル: ははっ
- 牧 カオル: ふたりそろうなんて 夢みたいだな!
- ミチル&かずみ: 喜んでる場合じゃないよ!
- 昴 かずみ: このままじゃ、みんなやられる!
- 御崎 海香: ――っ!? まずい…!
- 昴 かずみ: あの子たち…!
- 和紗 ミチル: ニコ…サキ…!
- 昴 かずみ: ニコ?サキ? だって、サキたちは…!?
- 和紗 ミチル: あの子たちは…あなたと… わたしと同じ…
- 和紗 ミチル: “かずみシリーズ”の仲間なんだ
- 昴 かずみ: あの子たちが…!?
- 和紗 ミチル: ミチルを“絶望”で 終わらせないために…
- 和紗 ミチル: “今のミチル”を 本物にするために
- 和紗 ミチル: 命をかけてくれた トモダチなんだ!
- 昴 かずみ: …トモダチ…!
- 昴 かずみ: でも、あの子たちは もう…
- 和紗 ミチル: だから…!
- 昴 かずみ: …ミチル…
- クローン2号: ハヤク…
- クローン10号: ハヤク…コロシテ
- 御崎 海香: 魔女化が始まる…!
- クローン6号: ミチル…
- クローン6号: ふたりの動きは… 私たちが止める…
- クローン7号: あたしたちもろとも… ぶっ飛ばせ…!
- 海香&カオル: ああっ…!!
- 和紗 ミチル: うぅっ…
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: わたしはもう 絶対に絶望なんてしない!
- 牧 カオル: やるぞ、海香!
- 御崎 海香: ええ!
- 和紗 ミチル: どいて! わたしがやる!
- 牧 カオル: でも、あいつらはお前の仲間だろ あたしたちに任せろ
- 和紗 ミチル: 仲間だから!
- 和紗 ミチル: 最後の望みは わたしが叶えるんだ!
- 和紗 ミチル: どけ、カオル! 海香っ!
- 和紗 ミチル: うぅっ…
- クローン2号&6号: …………
- クローン6号&7号: 「は…早く…!」
- 和紗 ミチル: サキ、ニコ…海香、カオル…! 今までありがとう
- 和紗 ミチル: …いくよ!
- FILENAME: text_514720-10_iESag.txt
- クローン10号&2号: ゥゥ… グアアアアアァッ!!
- クローン6号&7号: グオオオオオッ!
- 和紗 ミチル: うわああっ!!
- みんな: ミチルッ!
- 牧 カオル: 大丈夫か!
- 和紗 ミチル: …へ、平気だよ…
- 牧 カオル: 全然平気じゃないだろ!
- 御崎 海香: あなたが殺されるのを 見過ごすわけにはいかない…
- 和紗 ミチル: だめだ… やめて…海香…
- 和紗 ミチル: …4人は、わたしに望みを 託したんだ…
- 和紗 ミチル: これは、わたしが
- 和紗 ミチル: …わたしたち“5人”が 絶望を越えて進むために…
- 和紗 ミチル: 希望のために 必要なことなんだよ…
- 和紗 ミチル: だから、手を出さないで…
- 海香&カオル: ミチル…
- 昴 かずみ: ちがうよ、ミチル!
- 和紗 ミチル: かずみ…?
- 昴 かずみ: あの子たちが望んだのは
- 昴 かずみ: あなたに 殺してもらうことじゃない!
- 昴 かずみ: 魔女になって あなたを殺したくない…
- 昴 かずみ: 魔女になって 誰かを傷つけたくない…
- 昴 かずみ: それだけだよ
- 和紗 ミチル: …違う
- 昴 かずみ: 違うもんか!
- 昴 かずみ: 十字架を 背負ってほしいんじゃない
- 昴 かずみ: ただ、仲間に…
- 昴 かずみ: トモダチに 幸せになってほしいだけだよ!
- 昴 かずみ: ミチルもわたしもあの子たちと 同じだから…わかるはずだよ
- 和紗 ミチル: かずみ…
- 和紗 ミチル: でも…君には 彼女たちと戦う理由はない…
- 昴 かずみ: 理由はある
- 昴 かずみ: あの時、わたしはあの子たちの 涙を見たんだよ
- 和紗 ミチル: (あの時…)
- 和紗 ミチル: (きっと、サキが教えてくれた 事件のことだね…)
- 浅海 サキ: 「かつてプレイアデスのメンバー 宇佐木里美の乱心によって “かずみシリーズ”の封印が 解かれるという事件があった」
- 浅海 サキ: 「里美は、13号かずみの抹殺のために 1号から12号を差し向け 魔法で操って殺し合いをさせたんだ」
- 昴 かずみ: 苦しみから解き放ってほしいって あの時、お願いされたのに…
- 昴 かずみ: 今も、苦しんでる
- 昴 かずみ: それは わたしの責任でもあるんだよ
- 昴 かずみ: だから…“今のかずみ”には 戦う理由がある!
- 牧 カオル: それは、あたしたちも同じだ
- 御崎 海香: そうよ
- 御崎 海香: 私たちこそ 彼女たちに責任があるわ
- 牧 カオル: 止めても無駄だよ、ミチル…
- 和紗 ミチル: わかったよ…
- 和紗 ミチル: みんな…一緒に救って…仲間を!
- みんな: …うん!
- クローン10号&2号: グアアアアアァッ!!
- クローン6号&7号: ウァァァァアァ…
- 牧 カオル: あたしたちが動きを止める!
- 海香&カオル: 合体魔法!
- 海香&カオル: エピソーディオ インクローチョ!
- 御崎 海香: 動きは封じたわ
- 御崎 海香: 今よ! ミチル!かずみ!
- ミチル&かずみ: ―ミチル&かずみ― リーミティ・エステールニ ドッピオ!!
- クローン2号&10号: グゥッ…
- クローン6号&7号: アァッ!!
- クローン2号: …ありがとう
- クローン10号: やっと…
- クローン10号: 眠れる…
- 和紗 ミチル: …………
- 和紗 ミチル: …ありがとう… 永遠に忘れないよ…
- 和紗 ミチル: ちゃお…
- 海香&カオル: …………
- 牧 カオル: なんて威力だ… 他の魔女も全滅だ…
- 昴 かずみ: これで… 全部終わったの?
- 御崎 海香: …そうね 終わったのよ
- 和紗 ミチル: …………
- 御崎 海香: わたしたちの生み出した 5人のミチルが紡いだ
- 御崎 海香: “優しい絶望”の物語が…
- 牧 カオル: …彼女たちは 自分自身が救われることよりも
- 牧 カオル: 和紗ミチルの無念を晴らし
- 牧 カオル: たったひとつの希望を 遺すことを選んだんだ
- 御崎 海香: ええ
- 御崎 海香: そして希望の物語が これから始まるのよ
- ジュゥべえ: オイラの存在を 忘れてんじゃねーのか?
- 昴 かずみ: えっ…? ジュゥべえ?
- 牧 カオル: 忘れてたよ!
- ジュゥべえ: なんだとーっ!
- 昴 かずみ: なんでジュゥべえがいるの!?
- 昴 かずみ: っていうか、どうしてわたし レイトウコにいたんだっけ?
- 昴 かずみ: ギモンだらけだよ?
- 和紗 ミチル: その話はさ…
- 和紗 ミチル: みんなで 食事しながらじゃだめかな?
- 和紗 ミチル: あの子たちが好きだった料理 全部作りたい気分なんだ
- 昴 かずみ: …うん、いっしょに作ろう!
- FILENAME: text_514720-11_iESag.txt
- ―エピローグ―
- 御崎 海香: 本当に行っちゃうのね イタリア…
- 和紗 ミチル: うん、グランマの妹さんが 一緒に住もうって言ってくれたし
- 和紗 ミチル: けっこう高齢だから… ほっとけないよ
- 和紗 ミチル: それに、グランマと同じ味の
- 和紗 ミチル: イチゴリゾットを 作れるっていうしさ
- 昴 かずみ: わぁ、いーなー!
- 牧 カオル: 行く!絶対遊びに行くから! 来週か再来週!
- 御崎 海香: 夏休みは、もう終わりよ
- 牧 カオル: じゃあ、セリエAのクラブの 入団テスト受けて
- 牧 カオル: イタリアに住む!
- 和紗 ミチル: いいね! 本気で待ってるよ
- 和紗 ミチル: グランマの味も 完璧にマスターしておくから
- 昴 かずみ: せっかく出会えたのに もうお別れなんて残念だな…
- 和紗 ミチル: また会おうよ
- 和紗 ミチル: その日まで 毎日ハラペコになって
- 和紗 ミチル: お腹いっぱい食べるんだ
- 昴 かずみ: 生きたいと思う限り… 希望がある限り
- かずみ&ミチル: わたしたちは、また会える
- 御崎 海香: それじゃあ 出発前に1枚、撮りましょうか
- 牧 カオル: ―カオル― よーし、ふたり仲良く手をつなごうか?
- 和紗 ミチル: ―ミチル― こうかな?
- 牧 カオル: ―カオル― うんうん、貴重なツーショットだね!
- ジュゥべえ: ―ジュゥべえ― オイラはここだな?
- 御崎 海香: ―海香― ちょっと、変なのが入ってるわよ!
- 牧 カオル: ―カオル― ははっ、一番目立つ場所だ
- 昴 かずみ: ―かずみ― しょうがないなぁ…
- 昴 かずみ: ―かずみ― でも、それがジュゥべえだよね!
- 和紗 ミチル: ―ミチル― ところでジュゥべえって 写真にうつるの?
- ジュゥべえ: ―ジュゥべえ― あったりめーよ! キュゥの字と一緒にすんなよ
- 御崎 海香: ―海香― 撮るわよ
- パシャッ
- 和紗 ミチル: …あ、空港バスが来たみたい
- 和紗 ミチル: いろいろありがとう! 海香、カオル!
- 和紗 ミチル: それから、かずみも!
- 昴 かずみ: うん!
- 昴 かずみ: 寂しくなったら、いつでも呼んで みんなで会いに行くから
- 和紗 ミチル: 楽しみにしてるよ その日まで、元気で!
- 昴 かずみ: うん、ミチルも元気でね!
- 和紗 ミチル: それじゃ、また いつか再会できる日を信じて…
- 和紗 ミチル: ちゃお!
- みんな: チャオ!
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