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The Cuddly Despairs (Kazumi2) JP Text

Jun 21st, 2023 (edited)
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  1. (The script hasn't changed, but I just decided to do a new extract with spaces where the game has line breaks, in case anyone finds it easier to read/TL in the future)
  2.  
  3. FILENAME: text_514710-0.txt
  4. ―プロローグ―
  5. <あすなろ市>
  6. <珈琲・軽食「レパ・マチュカ」>
  7. ???: ごちそうさまでした!
  8. ???: いつも、 美味しいごはんをありがとう!
  9. ここはお前の家の台所じゃないぞ
  10. ???: また皿洗いのお手伝いするし
  11. ???: メニューも考えるから いいでしょ?
  12. お前の好きなもの ばかりだけどな…
  13. ???: あはは…! じゃあ、またくるね!
  14. 気を付けてな
  15. ???: チャオ、立花さん!
  16. ???: 海香とカオルに おみやげ買って帰ろ♪
  17. ???: あのお店なら、 こっちが近道かな…
  18. ???の声: トッコ・デル・マーレ
  19. ???: ――っ!?
  20. ???: (…ソウルジェムを… 抜き取られた…!?)
  21. ???: …返…して…
  22. ???: ――っ!?
  23. ???: どうして…!
  24. ???: 「プリンセスは無事回収…っと」
  25. ???: 「これで第1段階はクリアだな」
  26. ???: 「可哀想だけど この子にはしばらく眠ってもらわないとね」
  27. ???: 「次は君たちの番だ 覚悟はできているな…」
  28. ???: 「ああ、もちろんだ この日記の通りに、コトを進めるんだろ?」
  29. ???: 「今度こそ叶えてみせるわ あのとき叶わなかった、ただひとつの願いを」
  30.  
  31. [From the opening sequence]
  32. 何もかもが輝いて見えた けれど… 終わりは突然やってきた
  33. 「そう、復活したんだ… “魔法少女狩り”の プレイアデス聖団が」
  34. 「希望の物語が、 これから始まるのよ」
  35. [Title Card] The Cuddly Despairs ~魔法少女かずみ☆マギカ~
  36.  
  37. FILENAME: text_514710-1_n32PQ.txt
  38. <あすなろ市・食料品店>
  39. 和紗 ミチル: ん~…
  40. あれ?あなた…
  41. 確かイタリアからの 転校生だよね?
  42. 和紗 ミチル: うん、和紗ミチル!
  43. あなたも食材のお買い物?
  44. 和紗 ミチル: 料理に使うイチゴを 探してるんだけど
  45. 和紗 ミチル: なかなか、いいのがなくってさ…
  46. 料理するんだね
  47. イチゴを使った料理って デザートとか?
  48. 和紗 ミチル: ううん、イチゴリゾット わたしの得意料理なんだ
  49. 和紗 ミチル: だけど日本のイチゴは甘すぎて 思った味が出ないんだよね
  50. 和紗 ミチル: それで材料選びから 見直してるんだけど…
  51. なんだか本格的だね…
  52. フルーツなら 見滝原市のお店はどうかな?
  53. ちょっと遠いけど 評判いいお店があるよ
  54. 住所教えるね
  55. 和紗 ミチル: グラッチェ!
  56. <見滝原市>
  57. 和紗 ミチル: 本当にいいお店だった! あの子にお礼言わないとね!
  58. 和紗 ミチル: せっかく来たんだし 燻製のお店とかも見てこっかな…
  59. 和紗 ミチル: ――っ!?
  60. 和紗 ミチル: 猫?
  61. 和紗 ミチル: …いや、なんか 見たことない形だった…
  62. 和紗 ミチル: …………
  63. 和紗 ミチル: きっと新種だ! どこ行った!?
  64. 和紗 ミチル: 確かこっちの方に…
  65. 和紗 ミチル: ――っ!?
  66. 和紗 ミチル: 何? ここ…
  67. 和紗 ミチル: わぁあああっ!
  68. マミの声: 動かないで いま助けてあげるから
  69. 和紗 ミチル: えっ!?
  70. 和紗 ミチル: 人…
  71. マミ: …………
  72. マミ: 前にどこかで会ったかしら?
  73. 和紗 ミチル: …? はじめまして…
  74. マミ: そう…? 変ね
  75. マミ: 見覚えがあると思ったんだけど
  76. 和紗 ミチル: それよりあの怪物! いったい何なんですか?
  77. マミ: あれは魔女 この世に呪いを振りまく者たちよ
  78. マミ: ちょっと待ってね 今、片付けちゃうから!
  79. マミ: ティロ
  80. マミ: フィナーレ!
  81. 和紗 ミチル: …………!
  82. 和紗 ミチル: ティロ…フィナーレ… なんか、カッコイイ…
  83. マミ: もう大丈夫よ
  84. 和紗 ミチル: あ、ありがとうございました!
  85. 和紗 ミチル: 色々クエスチョンなんですけど わたし、助けられたんですよね?
  86. マミ: そうね… どう説明したらいいかしら
  87. 和紗 ミチル: あ! さっきの猫だ…!
  88. マミ: キュゥべえが見えるの?
  89. キュゥべえ: 彼女にも魔法少女の素質が あるみたいだね
  90. 和紗 ミチル: 魔法少女?
  91. キュゥべえ: そう、魔女を狩る者たちさ そしてキミにもその素質がある
  92. 和紗 ミチル: わたしにも、さっきみたいな 魔法が使えるってこと?
  93. キュゥべえ: それだけじゃない
  94. キュゥべえ: どんな願いでもひとつだけ 叶えることができる
  95.  
  96. FILENAME: text_514710-2_n32PQ.txt
  97. <あすなろ市>
  98. 和紗 ミチル: …………
  99. 和紗 ミチル: ――っ!?
  100. 和紗 ミチル: キュゥべえ、この感じ…!
  101. キュゥべえ: 近くに結界があるようだね
  102. 和紗 ミチル: 見つけた!
  103. 和紗 ミチル: よーし、行くよっ!
  104. 和紗 ミチル: 変身っ!
  105. ???: 「日記の記述とは違う展開だけど 無事にミチルは契約を終えたみたいだな」
  106. ???: 「どれだけ繰り返そうとも魔法少女になる… それがミチルの運命…」
  107. ???: 「それでいい… それでこそ、私たちのミチルだ…」
  108. ???: 「なんか悲しいな…」
  109. ???: 「…絶望ならバッドエンド 悲劇ならハッピーエンド… どっちに転んでも…ココロにくるね」
  110. ???: 「…そう、この物語の鍵は『心』… そしてこの次は “あの”出会いが待っている…」
  111. 和紗 ミチル: リーミティ・エステールニ!!
  112. キュゥべえ: 残念だけど、魔女ではなく 使い魔だったようだね
  113. 和紗 ミチル: 使い魔も人を襲うんだね… あの子たち、危なかったよ
  114. 和紗 ミチル: ふたりとも大丈夫ですか?
  115. ???: 中学生でサッカーU-18の 女子日本代表に大抜擢されながら
  116. ???: 怪我で選手生命を 絶たれた牧カオル
  117. ???: 中学生にして 売れっ子作家でありながら
  118. ???: ありもしない盗作騒ぎを起こされ 罠にはめられた御崎海香
  119. ???: ふたりを助け 海香の家に誘われたミチルは
  120. ???: そこで彼女たちの境遇を知り 魔法少女の世界へと誘う
  121. ???: …次はそんな筋書きだぞ、と
  122. <海香の家>
  123. 和紗 ミチル: できたよ!
  124. 和紗 ミチル: ―ミチル― じゃーん イチゴリゾット!
  125. 海香&カオル: ―海香&カオル― イチゴリゾット…!?
  126. 御崎 海香: ごめんね 私がお昼を作ろうと思ってたのに
  127. 御崎 海香: 逆にゲストに 作らせちゃうなんて…
  128. 和紗 ミチル: いいの、わたしが 作りたいって言ったんだから!
  129. 牧 カオル: うわ、これ初めて食べたけど 絶品だよ!
  130. 牧 カオル: 誰に習ったの?
  131. 和紗 ミチル: ありがとう グランマに習ったんだ
  132. 和紗 ミチル: いい材料があったから つい作ってみたくなっちゃって!
  133. 御崎 海香: 料理、得意なのね 私も好きなの
  134. 和紗 ミチル: すごくいいキッチンだもんね 調理器具も充実してるし
  135. 牧 カオル: 家、買うときも仕事部屋より こだわってたもんな
  136. 和紗 ミチル: そういえばすごい 豪邸だけど…
  137. 和紗 ミチル: 海香が自分で買ったの? 中学生だよね…?
  138. 牧 カオル: なんせ海香は大先生だからね
  139. 和紗 ミチル: 先生?
  140. 牧 カオル: 本棚見てみ
  141. 和紗 ミチル: …………著:御崎海香…
  142. 牧 カオル: 海香はベストセラー作家なんだ
  143. 御崎 海香: まあ、一応ね
  144. 和紗 ミチル: あっ、本屋さんで 見たことある本だ!
  145. 和紗 ミチル: じゃあこっちのトロフィーも 何かの賞を獲ったの?
  146. 牧 カオル: それはあたし サッカーやっててね
  147. 御崎 海香: ユースの代表に選ばれて 世界大会にも出場したのよ
  148. 和紗 ミチル: すごいね! 将来はプロ選手?
  149. 和紗 ミチル: イタリアの女子リーグ 行っちゃう?
  150. 牧 カオル: それは無理かな… 未来のことなんて考えられないよ
  151. 和紗 ミチル: え…?
  152. 御崎 海香: そうね… 明日があってもなくても
  153. 御崎 海香: 私たちには もう関係ないものね…
  154. 和紗 ミチル: それって、どういう…
  155. 「御崎海香の小説に盗作疑惑!?」
  156. 「困ったことになりましたね… 疑惑を告発したウェブ作家が 盗作したという噂もありますが… 彼女は国会議員の先生の孫娘だそうで…」
  157. 「当社の決定としましては 御崎さんのすべての著作物を回収し 今後の出版は取りやめとなります」
  158. 「カオルちゃん、いつ復帰できるのかな」
  159. 「膝の手術だけど、かなり難しいらしい… 同じケガで引退した選手は数知れないよ」
  160. 「復帰できても、もう 前みたいには走れないだろうな…」
  161. 和紗 ミチル: そんなことが…
  162. 牧 カオル: …一番大事なものを 失くしちゃったんだ
  163. 牧 カオル: いっそ死んだほうがマシだよ…
  164. 和紗 ミチル: …それ、本心じゃないよね?
  165. 牧 カオル: えっ…?
  166. 和紗 ミチル: あなたたちはまだ 生きたいと思ってる
  167. 和紗 ミチル: イチゴリゾットを 美味しいって言ってくれた!
  168. 和紗 ミチル: わたしの料理 ぜんぶ食べてくれたじゃん!
  169. 御崎 海香: どういうこと…?
  170. 和紗 ミチル: 今はもういない、わたしの家族… グランマの受け売りなんだけどね
  171. 和紗 ミチル: よいしょっと …できた!
  172. グランマ: 「そうそう、上手ね」
  173. グランマ: 「イチゴは高くても新鮮なものを使うこと お米もイタリアのカロナーリがピッタリなのを 覚えておいて」
  174. 和紗 ミチル: うん…
  175. 和紗 ミチル: 忘れないよ、グランマ… …ひっく…
  176. グランマ: 「………… 辛いことがあって どうしたら良いかわからないときは お腹に聞きなさい」
  177. グランマ: 「お腹が減って食べたいと感じたら あなたはまだ生きたいと思ってるわ」
  178. 和紗 ミチル: わたしはグランマから 「食べる」ってことを…
  179. 和紗 ミチル: 「生きる」ことの 意味を教わったんだ
  180. 牧 カオル: すてきな人なんだろうな…
  181. 和紗 ミチル: うん、わたしにとって、世界中で いちばんすてきな人だった
  182. 和紗 ミチル: でもね、大好きなグランマと
  183. 和紗 ミチル: 最後のお別れが できなかったんだ…
  184. 和紗 ミチル: 今の話…グランマの言葉も 生きてる間には聞けなかった…
  185. 御崎 海香: それなら、どうやって… 今の話を聞いたの…?
  186. 和紗 ミチル: 死んだグランマに、夢の中で もう一度会わせてもらったの
  187. 和紗 ミチル: 使命を果たす約束と引き換えに
  188. 和紗 ミチル: たった一度の奇跡を 起こすことができるの
  189. 御崎 海香: え…?
  190. キュゥべえ: ボクならキミたちのために 奇跡を起こしてあげられるよ
  191. 牧 カオル: ――っ!?
  192. 和紗 ミチル: びっくりして わけがわからないと思うけど
  193. 和紗 ミチル: この子の言ってることは本当だよ
  194. 和紗 ミチル: だから、生きる希望を 捨てないでほしいんだ
  195.  
  196. FILENAME: text_514710-3_n32PQ.txt
  197. ミチルの声: リーミティ・エステールニ!!
  198. 和紗 ミチル: よし!
  199. 御崎 海香: ミチル、手
  200. 牧 カオル: ハイタッチ
  201. パンッ!
  202. 和紗 ミチル: へーい!
  203. 牧 カオル: 完璧なチームワークだったな
  204. 和紗 ミチル: うん!
  205. 和紗 ミチル: 最初にカオルのパラ・ディ キャノーネで動きを封じて
  206. 和紗 ミチル: 海香のイクス・フィーレで 魔女の弱点と読み取る!
  207. 和紗 ミチル: そして隙ができたら
  208. 和紗 ミチル: わたしのリーミティ エステールニでトドメ!
  209. 御崎 海香: …その、ちょくちょく間に挟まる 横文字は何?
  210. 和紗 ミチル: わたしが考えた ふたりの技名だよ!
  211. 和紗 ミチル: 気合を入れて叫んでよねっ!
  212. 和紗 ミチル: わたしを助けてくれたカッコイイ 魔法少女のお姉さんをマネて
  213. 和紗 ミチル: イタリア語で考えてみたんだ!
  214. 牧 カオル: 技名… さ、叫ぶのか…今のを…
  215. う、う~ん… あ、あれ?ここは…?
  216. 御崎 海香: 気がついたみたいですね
  217. 牧 カオル: 魔女の口づけを受けてたから この状況がわかってなさそうだな
  218. 和紗 ミチル: 大丈夫 誤魔化すから話を合わせて!
  219. 和紗 ミチル: 道端でいきなり倒れたおじさんを
  220. 和紗 ミチル: 通りがかりの女子3人で 介抱してたんです
  221. キミたちが? そうだったのか…助かったよ
  222. あっ! パパ、いた!
  223. もうっ、急にふらふら どっか行っちゃって!
  224. 捜したんだから!
  225. ご、ごめんごめん 心細かったよな…
  226. では私はこれで失礼するよ 本当にありがとう
  227. 牧 カオル: あの人 あんな小さい子どもがいたのか
  228. 御崎 海香: 助けられて、本当によかったわ
  229. 和紗 ミチル: 家族って、やっぱりいいね
  230. 牧 カオル: そういえば ミチルはひとり暮らしだっけ
  231. 御崎 海香: よかったら、うちに来ない? 空いてる部屋もたくさんあるし
  232. 御崎 海香: 魔法少女同士、その方が 何かと都合がいいでしょ?
  233. ???: 「そう…キミはひとりぼっちじゃない…」
  234. ???: 「喜びも、悲しみも、苦しみも… ひとりで抱え込まなくていいんだ、ミチル…」
  235. 御崎 海香: …………
  236. 和紗 ミチル: 海香、近づけないくらい 周りの空気がピリッとしてる…
  237. 牧 カオル: でも、ここで何日か暮らして ミチルも慣れてきただろ?
  238. 和紗 ミチル: 小説が行き詰まってると こうなるんだよね?
  239. 牧 カオル: じゃあ次に海香が取る行動は なんだと思う?
  240. 和紗 ミチル: う~ん、ストレス発散に 料理を作る?
  241. 和紗 ミチル: でも、さっきお昼を 食べたばっかりだから…
  242. 和紗 ミチル: わかった! 買い物だね!
  243. 御崎 海香: さあ、ふたりとも…
  244. 御崎 海香: 存分にお買いあれ!!
  245. 和紗 ミチル: 当たったね
  246. 和紗 ミチル: 小説に詰まったときの解決法 パート2
  247. 牧 カオル: 買い物でストレス発散
  248. 牧 カオル: まあ、全部奢ってくれるし ここは素直にあやかろうよ
  249. 和紗 ミチル: さすがベストセラー作家…
  250. 和紗 ミチル: で、カオルは何を買うの?
  251. 牧 カオル: あたしは練習着の シャツを買おうかな
  252. 牧 カオル: お気に入りのシャツだと それだけでテンション上がるし
  253. 和紗 ミチル: こだわりとかあるの?
  254. 牧 カオル: 背番号10には こだわりがあるけど
  255. 牧 カオル: ユニはチームによって 決まるから、特には
  256. 牧 カオル: 強いて言うなら、夏でも冬でも 長袖にしてることかな
  257. 牧 カオル: 練習着もユニも全部長袖
  258. 牧 カオル: 少し袖をまくって着るのが カッコイイんだよ
  259. 和紗 ミチル: 特には、って… こだわりまくりじゃん…
  260. 御崎 海香: ミチルも何か服を買ったら?
  261. 牧 カオル: いっつも似たような服着てるしな
  262. 和紗 ミチル: そうだね… じゃ、お言葉に甘えて!
  263. 和紗 ミチル: あ、このシャツ可愛い!
  264. 和紗 ミチル: これも!
  265. 和紗 ミチル: じゃあ、試着してみるよ
  266. ガサゴソ…
  267. ミチルの声: 着替えたよー
  268. 牧 カオル: お、どんな格好かな…!
  269. 和紗 ミチル: じゃん!
  270. 御崎 海香: ………… 何も変わってないわね
  271. 牧 カオル: どこが変わったのか まったくわからないんだけど?
  272. 和紗 ミチル: 前のと似てるけど生地が違うし!
  273. 和紗 ミチル: ていうか、気に入ったのを何着も ストックする派なんですー!
  274. 牧 カオル: はいはい… 海香は何を買ったの?
  275. 御崎 海香: 前から気になっていた 万年筆を一本だけ…
  276. 牧 カオル: げっ、めちゃくちゃ高価じゃん 執筆はパソコンなのに…
  277. 御崎 海香: じゃ、次は 近くのスーパーに行きましょう
  278. 和紗 ミチル: 食品売り場ならこのデパートにも あるみたいだよ?
  279. 御崎 海香: でも豚肉はスーパーの方が 100g辺りで10円も安いのよ
  280. 牧 カオル: 使わない万年筆は 目が飛び出るくらい高いのに…
  281.  
  282. FILENAME: text_514710-4_n32PQ.txt
  283. 御崎 海香: うん 今日も見事な勝利だったわ
  284. 和紗 ミチル: わたしたちのチームワークに この魔法の力があれば無敵だね!
  285. 牧 カオル: この力、魔女退治以外にも 使おうよ
  286. 牧 カオル: 人助けとかさ
  287. 和紗 ミチル: それ、賛成! せっかくの魔法だもんね
  288. 御崎 海香: でも、他の魔法少女が そういうふうに
  289. 御崎 海香: 魔法を使ったという話は 聞かないわ…
  290. 御崎 海香: それをしない理由があるんじゃ…
  291. キャーッ!
  292. な、なんだあの車っ! 運転手、寝てるのか!?
  293. 和紗 ミチル: ――っ!?
  294. 牧 カオル: あの車か!
  295. 御崎 海香: 大変…交差点に人が!
  296. 牧 カオル: あっ! キミ、ちょうどよかった
  297. 牧 カオル: そのサッカーボール貸して!
  298. う、うん
  299. 牧 カオル: いっけ~~! シュートッ!!
  300. ボン!
  301. ガン!
  302. 和紗 ミチル: 車に当たった!
  303. 牧 カオル: 起きろ、運転手ーー!
  304. キキーーーッ!
  305. 御崎 海香: 止まった…
  306. 牧 カオル: ふぅ…
  307. 和紗 ミチル: おつかれさま
  308. 牧 カオル: うん…
  309. 牧 カオル: あ…キミ、ボールありがと
  310. 牧 カオル: でもごめん…
  311. 牧 カオル: ボール パンクさせちゃったんだ
  312. 牧 カオル: 買って返すよ
  313. 別にいいよ サッカーやめるつもりだったし
  314. 和紗 ミチル: え、そうなの…?
  315. 牧 カオル: サッカー キライになっちゃったの?
  316. そうじゃないけど…
  317. 僕より上手い友だちのこと ケガさせちゃったから
  318. 牧 カオル: ――っ!?
  319. 御崎 海香: …………
  320. 牧 カオル: その子はなんて言ってるの?
  321. 別に何も言ってないけど… いいヤツだし…
  322. 牧 カオル: わざとケガさせたわけじゃ ないんでしょ?
  323. うん、絶対にワザとじゃないよ!
  324. 牧 カオル: だったら、やめないでほしいな
  325. 牧 カオル: あたしはその子のことは 知らないけど
  326. 牧 カオル: ケガをした人の気持ちはわかる
  327. 牧 カオル: あたしだったら キミがサッカーやめちゃう方が
  328. 牧 カオル: ショックだよ
  329. でも、僕はどうしたらいいの?
  330. 牧 カオル: サッカーを続けようよ
  331. 牧 カオル: それで、その子が リハビリするのを
  332. 牧 カオル: 応援してあげたらどうかな?
  333. …………
  334. 牧 カオル: 大丈夫…絶対に希望はあるから
  335. …わかった… 頑張ってみるよ!
  336. 和紗 ミチル: よかったね あの子、救われたって顔してた
  337. 牧 カオル: ミチルが教えてくれたからな 希望を捨てちゃダメだって
  338. 和紗 ミチル: うん! 今日は大活躍だったね!
  339. 御崎 海香: カオル、ボール蹴るときに… 魔法使ったわよね?
  340. 牧 カオル: あれは魔法じゃなきゃ 無理だったからね
  341. 和紗 ミチル: 魔法少女になったから みんなを助けられたんだね!
  342. 牧 カオル: ありがとな、ミチル! 魔法少女になれてよかったよ
  343. ???: 「今日もまた、素晴らしい1日だったぞ、と」
  344. ???: 「魔法少女になれてよかった…か」
  345. ???: 「けだし、名台詞だな」
  346. ???: 「笑顔が甘いぶんだけ 真実の苦みが増す…残酷だね」
  347.  
  348. FILENAME: text_514710-5_n32PQ.txt
  349. 御崎 海香: 次は、と…
  350. 和紗 ミチル: あれっ? ずいぶん念入りに掃除してるね
  351. 御崎 海香: 実は今日、大手の情報サイトの 取材を受けるのよ
  352. 和紗 ミチル: へー さっすが、売れっ子作家!
  353. ピンポーン
  354. 和紗 ミチル: あ、来たかも
  355. 急な依頼を引き受けていただき ありがとうございます
  356. 御崎 海香: いえ、こちらこそ よろしくお願いします
  357. 和紗 ミチル: お茶、どうぞ
  358. あら、こちらの方は お友だち?
  359. 御崎 海香: はい、友だちで… 同居人です
  360. 同居人…
  361. なら、一緒にインタビュー どうですか?
  362. 御崎 海香: え?
  363. 和紗 ミチル: じゃあ、せっかくだしカオルも
  364. 牧 カオル: え?
  365. では次の…質問…
  366. 執筆に詰まったときは どのように解決しますか?
  367. 御崎 海香: そうですね… あまり詰まることがないのですが
  368. 御崎 海香: 穏やかな気持ちで時の流れに 身を任せれば自然と解決…
  369. 牧 カオル: はい、記者さん 今のはウソです!
  370. 和紗 ミチル: ツノが生えます!
  371. 牧 カオル: デパートに行ってストレス発散の 無駄遣いをします!
  372. 和紗 ミチル: あと、すごい顔して 料理を作ってます!
  373. 和紗 ミチル: 包丁持ってる姿、オニババです!
  374. 御崎 海香: コ、コラ! やめなさい!
  375. 先生の料理ですか! それも紹介させてください
  376. ぜひともお願いします!
  377. 御崎 海香: 記者さん?
  378. おお~、これが海香先生の 小説に詰まったときに作る料理…
  379. ホットドッグにサラスパ ワッフルまで手作りなんて
  380. 御崎 海香: え、ええ…
  381. 創作脳の活性化に繋がる そんなメニューなのでしょうか
  382. 御崎 海香: まあ、そんな感じですね
  383. 牧 カオル: アイデアが ポット出るドッグだよな!
  384. 和紗 ミチル: 小説がサラッとスパっと書ける
  385. 和紗 ミチル: インスピレーションが ワッ来る、だよね!
  386. あ、ダジャ…言葉遊びですね!
  387. 御崎 海香: ダジャレでいいです! 余計なフォローはいりません!
  388. それにしても…
  389. 注目の若手作家とアスリートが 同居してるなんて!
  390. ひょっとすると あなたも何か特別な才能が…?
  391. 和紗 ミチル: えっと…わたしは… 特に何もない、かな?
  392. あら、そうですか…
  393. 和紗 ミチル: えへへ…
  394. 牧 カオル: はい、記者さん 今のはウソです
  395. 御崎 海香: ミチルが一番、すごいんですよ
  396. 御崎 海香: いろいろあって 私たちの心が折れたとき…
  397. 御崎 海香: 絶望の淵を さまよっていた私たちに
  398. 御崎 海香: ミチルが希望はあると 教えてくれたんです
  399. 牧 カオル: ミチルがいたから 今のあたしがある
  400. 牧 カオル: ミチルはあたしたちの 心の支え…ヒーローなんです
  401. …………!
  402. 和紗 ミチル: ふたりとも… いやー、なんか照れちゃうなぁ
  403. 皆さんは最高のチームなんですね
  404. これからの活躍が ますます楽しみです!
  405. 御崎 海香: ところでこのインタビュー… 大丈夫ですか?
  406. 御崎 海香: (ネタが散らかってるけど きちんとまとまるのかしら…)
  407. ???: 「これからの活躍が楽しみ、か 人生は皮肉でいっぱいだね」
  408. ???: 「この日記は、絶望で終わっていた…」
  409. ???: 「あの子が目指す新たな未来は どんな結末を迎えるのか…」
  410.  
  411. FILENAME: text_514710-6_n32PQ.txt
  412. ???: 「一緒に暮らしはじめてから どれだけ経っただろう」
  413. ???: 「毎日が、明るく希望に満ちていた」
  414. ???: 「でも、楽しいだけの日々はここまで… 日記のページをめくらななきゃいけないんだ」
  415. ???: 「さあ、次の段階へ進みましょう」
  416. 和紗 ミチル: 結界…!
  417. 和紗 ミチル: 今日はひとりだし ちょっと心細いな…
  418. 和紗 ミチル: あ…あなたも魔法少女?
  419. はい…
  420. 和紗 ミチル: よかった! 一緒に魔女を退治しよう!
  421. 和紗 ミチル: グリーフシード 落とさなかったね
  422. …残念です…
  423. 和紗 ミチル: …元気がないけど 大丈夫…?
  424. 和紗 ミチル: ――っ!?
  425. 和紗 ミチル: ソウルジェムが ほとんど真っ黒…!
  426. ここのところグリーフシードを 落とす魔女に遭遇してなくて…
  427. あの、余ってませんか?
  428. 和紗 ミチル: ごめん… わたしも持ってなくて…
  429. ぐうっ…!! ああっ…!?
  430. 和紗 ミチル: ――っ!?
  431. 和紗 ミチル: 苦しそう… どうすれば…
  432. キュゥべえ: 手遅れだよ
  433. 和紗 ミチル: キュゥべえ!
  434. 和紗 ミチル: …手遅れって、何…?
  435. キュゥべえ: 見ていればわかるよ
  436. 和紗 ミチル: ――っ!?
  437. 和紗 ミチル: どういうこと…
  438. 和紗 ミチル: なんで彼女が…あんな姿に!? 魔女の仕業…どういうこと?
  439. キュゥべえ: ソウルジェムが濁りきって 黒く染まるとき
  440. キュゥべえ: 魂の宝石は魔女の種… グリーフシードへと変わる
  441. 和紗 ミチル: そんな… だったら魔法少女って…!
  442. キュゥべえ: やがて魔女になる そういう存在だよ
  443. 和紗 ミチル: ――っ!?
  444. 和紗 ミチル: みんな…? 魔法少女はみんな魔女になるの?
  445. キュゥべえ: 例外はないよ
  446. キュゥべえ: 御崎海香も、牧カオルも そしてキミも
  447. キュゥべえ: 魔法少女になったんだからね
  448. 和紗 ミチル: そんな!! どうしよう…
  449. 和紗 ミチル: わたし とんでもないことしちゃった…
  450. 牧 カオル: ありがとな、ミチル! 魔法少女になれてよかったよ
  451. 和紗 ミチル: 海香とカオルの人生…
  452. 和紗 ミチル: わたしが…わたしのせいだ…!
  453. ???: 「Alea iacta est. …賽は投げられた」
  454. ???: 「魔法少女の残酷な真実… 二度目の“初めて”なんてゾッとするね」
  455. ???: 「それが彼女のためだとしても 辛いものだな…」
  456. ???: 「ここからだ… ここからが本当の戦いだ…」
  457.  
  458. FILENAME: text_514710-7_n32PQ.txt
  459. 和紗 ミチル: …………
  460. 和紗 ミチル: …信じられない 魔法少女が魔女になるなんて…
  461. 和紗 ミチル: わたしも いつかあの人みたいに…?
  462. 和紗 ミチル: 海香とカオルも… わたしが誘ったせいで…
  463. 和紗 ミチル: 伝えなきゃ…!
  464. 和紗 ミチル: …………
  465. 和紗 ミチル: 言えない… やっぱり言えないよ…
  466. 和紗 ミチル: せっかくふたりとも 生きる希望を持ってくれたのに…
  467. 和紗 ミチル: グランマ わたしどうしたらいいの?
  468. 和紗 ミチル: …こんなこと だれにも相談できない…
  469. 和紗 ミチル: みんな、ごめんなさい…!
  470. 和紗 ミチル: こうなったら…
  471. 和紗 ミチル: …………
  472. 御崎 海香: あら、ミチル おでかけ?
  473. 和紗 ミチル: あ、うん…魔女のパトロール
  474. 牧 カオル: だったらあたしたちも行くよ
  475. 和紗 ミチル: い、いいよ わたしひとりで十分
  476. 和紗 ミチル: みんなの分のグリーフシードも ちゃんと取ってくるから
  477. 御崎 海香: 昨日もひとりで行ったでしょう? さすがに…
  478. 和紗 ミチル: だってほら、ふたりは忙しいし 時間はわたしが一番あるから…
  479. 御崎 海香: ミチル…あなた 何か隠し事してない?
  480. 和紗 ミチル: ――っ!?
  481. 和紗 ミチル: えっ? なんにもないってば
  482. 和紗 ミチル: 行ってくるよ、ちゃお!
  483. 海香&カオル: …………
  484. サキ&ニコ: …………
  485. …はぁ…はぁ…
  486. 神那 ニコ: あの子…キテるね
  487. 浅海 サキ: 限界が近い このままでは、魔女になる
  488. ――っ!?
  489. …だ…誰!?
  490. 神那 ニコ: …お迎えだよ、お嬢さん
  491. 浅海 サキ: 君を救いに来た
  492. はっ…!
  493. あなたたち…噂の…
  494. …………魔法少女…狩り…?
  495. 神那 ニコ: トッコ・デル・マーレ
  496. 浅海 サキ: …………
  497. ザッ…
  498. 神那 ニコ: 誰?
  499. 和紗 ミチル: …何…してるの?
  500. 浅海 サキ: …………!
  501. 浅海 サキ: ミチルに見られた…!?
  502. 神那 ニコ: このミスは痛いね
  503. 和紗 ミチル: …死んでる…
  504. 和紗 ミチル: 殺しちゃったの!? なんでっ!?
  505. 浅海 サキ: 殺してはいない
  506. 浅海 サキ: その魂を救うには こうするしかなかった
  507. 和紗 ミチル: どういうこと? あなたたちは、一体…
  508. 浅海 サキ: 私たちはプレイアデス聖団
  509. 浅海 サキ: インキュベーターの 魔法少女システムを否定し
  510. 浅海 サキ: 新たなる希望を探す者たち
  511. 神那 ニコ: たったふたりだけど
  512. 和紗 ミチル: システムの否定… プレイアデス聖団…
  513. 和紗 ミチル: …話を聞かせて
  514. 浅海 サキ: わかった
  515. 浅海 サキ: 私は浅海サキ プレイアデス聖団のリーダーだ
  516. 神那 ニコ: 神那ニコだぞ ひとつよしなに
  517. 浅海 サキ: 私たちの拠点へ来てくれ そこですべてを教えよう
  518. 神那 ニコ: 「ミチルに見つかるとはドジッたね」
  519. 浅海 サキ: 「計画が順調すぎて 油断があったことは認める」
  520. 浅海 サキ: 「だが、聖団の噂が広まりつつある以上 ミチルの耳に入るのは時間の問題だった」
  521. 神那 ニコ: 「出会う運命だった… いや、むしろ出会いたい気分だった、よね」
  522. 浅海 サキ: 「…君の言う通りかもしれない」
  523. 浅海 サキ: 「私は、こうなることを望んでいた… 計画を変更せざるを得ないような事故を」
  524. 浅海 サキ: 「ミチルをプレイアデス聖団に “呼び戻す”時が来た」
  525.  
  526. FILENAME: text_514710-8_n32PQ.txt
  527. ギィ…
  528. 和紗 ミチル: これって…
  529. 和紗 ミチル: 人間の…死体…?
  530. 神那 ニコ: 魔法少女の肉体自体が そのようなものだが
  531. 神那 ニコ: まあ、それはさておき…
  532. 神那 ニコ: さっきの子に使った トッコ・デル・マーレ…
  533. 神那 ニコ: あれは、魔法少女から ソウルジェムを奪う魔法
  534. 浅海 サキ: そして目の前に並ぶ少女たちは
  535. 浅海 サキ: 私たちがソウルジェムを抜き取り 機能停止させた魔法少女たちの…
  536. 浅海 サキ: 抜け殻だ
  537. 神那 ニコ: 知っての通り
  538. 神那 ニコ: ジェムが濁った魔法少女は もれなく闇に堕ち、魔女になる
  539. 神那 ニコ: ここは境界線上の彼女たちを 休眠状態のまま保存する場所…
  540. 神那 ニコ: 人呼んで…レイトウコ
  541. 和紗 ミチル: レイトウコ…
  542. 和紗 ミチル: だから…キミたちは 魔法少女狩りをしていたんだね
  543. 和紗 ミチル: 魔法少女を救うために
  544. 和紗 ミチル: そうか そんな方法があったのか…
  545. 浅海 サキ: 私たちの目的は、矛盾に満ちた 魔法少女システムの…否定
  546. 浅海 サキ: そこの噴水にある魔法陣は
  547. 浅海 サキ: 肉体を分離したソウルジェムを 休止させるもの
  548. 和紗 ミチル: これ以上ジェムが 黒くならないように?
  549. 浅海 サキ: そう…ジェムを完全に浄化して
  550. 浅海 サキ: 魔法少女を 人間に戻す方法を見つける
  551. 浅海 サキ: その日まで戦い続ける …そう決めた
  552. 神那 ニコ: それがプレイアデス聖団 ふたりぼっちだけど
  553. 和紗 ミチル: だからこの子も…
  554. 神那 ニコ: そう、王子様のキスを待って 眠り続ける
  555. 和紗 ミチル: …………
  556. 浅海 サキ: どうした?
  557. 和紗 ミチル: これなら海香やカオルを救える…
  558. 神那 ニコ: …………
  559. 和紗 ミチル: 決めた!
  560. 和紗 ミチル: わたしも魔法少女狩りに 参加する!
  561. 和紗 ミチル: 今からプレイアデス聖団は 3人ぼっちだ!
  562.  
  563. FILENAME: text_514710-9_n32PQ.txt
  564. …………もう…限界かも… はぁ…はぁ…
  565. …でも、なんとか… 町を守れたね…
  566. 和紗 ミチル: …うん …………ごめんね
  567. え?
  568. 和紗 ミチル: 大丈夫だから 安心して
  569. 神那 ニコ: トッコ・デル・マーレ
  570. 和紗 ミチル: 必ず助けてあげるから…!
  571. 浅海 サキ: さあ、レイトウコまで運ぼう
  572. 和紗 ミチル: …話してくれてありがとう また明日!
  573. 浅海 サキ: また明日、か…
  574. 浅海 サキ: そんな言葉を 再び交わせる日が来るとは
  575. 浅海 サキ: 夢にも思わなかったな…
  576. 神那 ニコ: ま、その『明日』には
  577. 神那 ニコ: 『あの日の絶望』が 待っているわけだが
  578. 浅海 サキ: あの日…
  579. 神那 ニコ: この香りは イチゴリゾットか
  580. 和紗 ミチル: 今日は海香のデビュー作の 発売日だからね
  581. 和紗 ミチル: 特別な日は イチゴリゾットって決めてるんだ
  582. 浅海 サキ: 特別な日か
  583. 浅海 サキ: 私たちが契約した日を 思い出すな
  584. 和紗 ミチル: …!
  585. 和紗 ミチル: …………
  586. 御崎 海香: ありがとうミチル! あなたが私の運命を変えてくれた
  587. 御崎 海香: あなたに出会えて 本当に良かった
  588. 和紗 ミチル: あ …あ
  589. 牧 カオル: あっ、泣いてる まったくミチルは…
  590. 牧 カオル: なんだよこれ ジェムが真っ黒じゃないか!?
  591. 御崎 海香: ミチル!
  592. 和紗 ミチル: ごめんな さ…
  593. 「きゃああああ」
  594. 浅海 サキ: 「ミチルが遺した日記…」
  595. 浅海 サキ: そうだ…
  596. 浅海 サキ: すべては、あの日に終わり あの日に始まったんだ…
  597. 神那 ニコ: それを繰り返そうって 言うんだから、イカれてるね
  598. 浅海 サキ: 繰り返すんじゃない もうひとつの『道』を生きるんだ
  599. 神那 ニコ: 道を生きる… 略してミチル、なんてね
  600. 浅海 サキ: ふん…
  601. 神那 ニコ: 海香とカオルに 知らせなくて平気?
  602. 浅海 サキ: 下手に連絡を取れば ミチルに感づかれる
  603. 浅海 サキ: こちらはこちらで動けばいい
  604. 浅海 サキ: 目指す場所は同じだ
  605. 神那 ニコ: 懐かしいね 大好きな姫を取り合う、この感じ
  606. 神那 ニコ: 海と海がぶつかって立つ波は さざ波なのか、大波なのか…
  607. 神那 ニコ: 乞うご期待
  608. 御崎 海香: …ミチル、今日もひとりで 魔女退治に行ったみたいね
  609. 牧 カオル: 『前の時』も、そうだったよな… あたしたちに内緒で戦ってた
  610. 御崎 海香: 気付いたのかもしれないわね 『魔法少女の真実』に…
  611. 牧 カオル: 平気か、海香…?
  612. 御崎 海香: なにが?
  613. 牧 カオル: 今すぐ、あいつのところへ 飛んで行って
  614. 牧 カオル: 寄り添ってやりたいって 顔してるよ
  615. 御崎 海香: そうね… できることならそうしたい
  616. 御崎 海香: でも、あの子を救えるのは あの子自身
  617. 御崎 海香: 希望は与えられるものではないわ
  618. 御崎 海香: 信じて待ちましょう あの子の“決断”を
  619. 牧 カオル: ああ、そうだな
  620. 御崎 海香: それより、気になる噂を聞いたの
  621. 御崎 海香: あすなろ市のあちこちに
  622. 御崎 海香: “プレイアデス聖団”を名乗る
  623. 御崎 海香: 魔法少女の集団が 出没してるって…
  624. 牧 カオル: プレイアデス聖団だと!? まさか、あいつら…!?
  625. 御崎 海香: でも、計画にはなかったし
  626. 御崎 海香: 彼女たちからは 何も聞いてないわ
  627. 牧 カオル: イヤな予感がする 一体、何をしようっていうんだ…
  628.  
  629. FILENAME: text_514710-10_n32PQ.txt
  630. 和紗 ミチル: …………
  631. 海香&カオル: …………
  632. 牧 カオル: やっぱり、何か隠してるな…
  633. 御崎 海香: 気付かれないように 魔法はナシで追うわよ
  634. 和紗 ミチル: …遅くなってごめん!
  635. 神那 ニコ: シー…クワイエット、プリーズ
  636. 和紗 ミチル: …どうしたの?
  637. 神那 ニコ: ちょうど見つけたところ …今夜の仔羊を
  638. 浅海 サキ: 行こう 宝石が絶望に砕け散る前に
  639. …私…もう…死ぬの? …………
  640. 和紗 ミチル: あの子…!
  641. 浅海 サキ: まずい…魔女になりかけている
  642. 和紗 ミチル: 時間がない、急ごう!
  643. 浅海 サキ: ああ!
  644. …うぅ…うっ…助けて…
  645. 和紗 ミチル: 大丈夫だよ! 絶対に助けるから!
  646. 神那 ニコ: すぐに終わる…痛みはないよ
  647. ――っ!?
  648. な、何っ!?
  649. 神那 ニコ: ぐっない リトルプリンセス…
  650. 神那 ニコ: トッコ・デル・マーレ
  651. 和紗 ミチル: ごめん… ほんとに、ごめんなさい!
  652. カオルの声: ミチルッ!!
  653. 和紗 ミチル: えっ!?
  654. 牧 カオル: おい…マジかよ… なんだよこれ…!
  655. 和紗 ミチル: あ… あ…
  656. 御崎 海香: サキッ! ニコッ!
  657. 和紗 ミチル: え?
  658. サキ&ニコ: …………
  659. 和紗 ミチル: ふたりを…知ってるの?
  660. 神那 ニコ: 海香… ミチルを尾行したね?
  661. 御崎 海香: ええ、怪しいと思ったら まさかこんな…
  662. 浅海 サキ: それほど驚く必要はないだろう?
  663. 浅海 サキ: かつては 君たちもしていたことだ
  664. 牧 カオル: サキ…! おまえ、どうして…
  665. 浅海 サキ: すべてはミチルのためだ
  666. 浅海 サキ: ミチルを絶望から救うために
  667. 浅海 サキ: 私たち“3人”は 新たなチームとなった
  668. 浅海 サキ: そう、復活したんだ…
  669. 浅海 サキ: “魔法少女狩り”の プレイアデス聖団が
  670.  
  671. FILENAME: text_514710-11_n32PQ.txt
  672. 牧 カオル: 何を考えてるんだ、サキ! 今さら魔法少女狩りなんて!
  673. 御崎 海香: それをミチルにやらせるなんて あなた、どういうつもりなの!
  674. 浅海 サキ: 私がやらせたんじゃない ミチルが自ら望んだことだ
  675. 牧 カオル: ニコ!お前がついていながら なんでこうなるんだよ!
  676. 神那 ニコ: ミチルにネタバレの危険アリ
  677. 神那 ニコ: 以下、ココロとココロを つなごうか
  678. 御崎 海香: あの子の『日記』を…
  679. 御崎 海香: あの絶望を 忘れたわけじゃないでしょう!
  680. 和紗 ミチル: みんな、一体何を話してるの? ていうか、知り合いなの!?
  681. 牧 カオル: ああ、そうだ 魔法少女の仲間だ!
  682. 和紗 ミチル: …!!
  683. 浅海 サキ: …いや、チームを組んだだけで 私は仲間だと思ったことなどない
  684. 海香&カオル: ――っ!?
  685. 牧 カオル: なんだよ、それ!
  686. 浅海 サキ: 確かに私たちは “7人の魔法少女チーム”…
  687. 浅海 サキ: プレイアデス聖団だった…
  688. 浅海 サキ: 私たちは『日記』を 終わらせないために
  689. 浅海 サキ: 手を組み 禁断の領域に踏み込んだ
  690. 浅海 サキ: 失敗を繰り返し、ようやく 『かずみ』にたどり着いた
  691. 浅海 サキ: だが、ユウリに一度は連れ去られ
  692. 浅海 サキ: 戻って来たかずみを 君たちは隔離した
  693. 浅海 サキ: チームの“仲間”である ニコ、みらい、里美
  694. 浅海 サキ: そして私から…遠ざけた
  695. 牧 カオル: あれは海香と相談して かずみが落ち着くまでって…
  696. 浅海 サキ: そう、海香…
  697. 浅海 サキ: いつだって君は 私とかずみを…
  698. 浅海 サキ: 私とミチルを引き離そうとする!
  699. 御崎 海香: …………
  700. 和紗 ミチル: ―ミチル― ちょっと、みんな何を話してるの! わたしにも教えてよ!
  701. 神那 ニコ: ―ニコ― おおざっぱに言うと キミを巡る愛の三角関係の話
  702. 和紗 ミチル: ―ミチル― えっ!?
  703. 浅海 サキ: ―サキ― これ以上邪魔をするな、海香…
  704. 牧 カオル: 海香…サキのやつ 様子がおかしいぞ?
  705. 御崎 海香: そのようね
  706. 御崎 海香: イクス・フィーレ!
  707. 浅海 サキ: うわッ!!
  708. 御崎 海香: …読ませてもらったわ、あなたを
  709. 御崎 海香: “あなた”は サキに飲み込まれ始めてる
  710. 浅海 サキ: 何を…言っている!
  711. 御崎 海香: あなたは、これ以上 関わってはいけない
  712. 御崎 海香: ミチルから手を引きなさい
  713. 浅海 サキ: 海香…またしても私から ミチルを引き離すというのか!
  714. 御崎 海香: ええ、できればこのまま 話し合いで終わらせたいけれど…
  715. 浅海 サキ: 断る!
  716. 御崎 海香: なら力ずくで あなたを止めるまで
  717. 浅海 サキ: ぐあっ!
  718. 和紗 ミチル: やめてッ!! やめろッ、海香!!
  719. 御崎 海香: どきなさい、ミチル!
  720. 和紗 ミチル: どくもんか! サキもニコも仲間だ!
  721. 御崎 海香: だから止めないといけないのよ
  722. 和紗 ミチル: 意味がわかんない!
  723. 浅海 サキ: さがれミチル!
  724. 浅海 サキ: ピエトラディトゥオーノッ!
  725. 御崎 海香: きゃあああっ!
  726. 牧 カオル: くそっ! カピターノ・ポテンザ!
  727. サキ&ニコ: うわあああっ!
  728. 神那 ニコ: 正当防衛ってことで… プロルン・ガーレ
  729. 和紗 ミチル: みんなもうやめて…
  730. 和紗 ミチル: やめろおおおおおおおっ!!
  731. みんな: ――っ!?
  732. 和紗 ミチル: なんで…なんで魔法少女同士が 戦わなきゃいけないんだよ…
  733. 和紗 ミチル: こんなことになるなら… こんな思いをするくらいなら…
  734. 和紗 ミチル: 魔法少女なんかに…
  735. 和紗 ミチル: 魔法少女なんかに ならなきゃよかったよ!
  736. 浅海 サキ: ミチル…
  737. 御崎 海香: …はぁ…はぁ…
  738. 牧 カオル: うあっ…
  739. 和紗 ミチル: そんなっ…! 海香…カオルッ…!
  740. 浅海 サキ: ふたりのジェムが…
  741. 神那 ニコ: うん、これは危険領域だ 残念だけどここまでだね
  742. 神那 ニコ: やるよ…
  743. 和紗 ミチル: 待って、わたしがやる…!
  744. 浅海 サキ: しかし、ミチル…
  745. 和紗 ミチル: “あの魔法”なら覚えた…
  746. サキ&ニコ: …!
  747. 和紗 ミチル: 自分だけ手を汚さないなんて わたしの主義に反するんだ…
  748. 和紗 ミチル: それに… この手はとっくに汚れてる…
  749. 和紗 ミチル: トッコ・デル・マーレ
  750. 和紗 ミチル: 海香、カオル…ごめん…
  751.  
  752. FILENAME: text_514710-12_n32PQ.txt
  753. 神那 ニコ: 「これは神那ニコの独りごとだ…」
  754. 神那 ニコ: 「生きながらえて姿を変えて 成し遂げたいのはただひとつ」
  755. 神那 ニコ: 「泣きながら消えた 彼女の涙が乾くまで」
  756. 神那 ニコ: 「彼女の嘆きが止まるまで 星座の姉妹はそばにいる」
  757. 神那 ニコ: 「彼女が真実の光で照らすならば 我らはこの絶望さえも喜んで」
  758. 神那 ニコ: 「紛い物のまま闇へ還るだろう」
  759. 神那 ニコ: 「これは神那ニコの独りごとだ… いや…」
  760. 神那 ニコ: 「これは神那ニコの泣きごとだ…」
  761. 浅海 サキ: 彼女たちの凍結を急ごう
  762. 神那 ニコ: 始めるよ
  763. 和紗 ミチル: うん…
  764. …………
  765. 牧 カオル: …………
  766. 御崎 海香: …………
  767. 神那 ニコ: ん?
  768. 神那 ニコ: 今、何か…?
  769. 浅海 サキ: どうした?
  770. 神那 ニコ: …いや、ナッシン
  771. 和紗 ミチル: …………
  772. 和紗 ミチル: 海香…カオル… 絶対に助けるから…絶対に…
  773. 和紗 ミチル: (言えなかった…)
  774. 和紗 ミチル: (魔法少女のこと… ソウルジェムのこと…)
  775. 和紗 ミチル: (ふたりを魔法少女にしたこと 謝れなかった…)
  776. 浅海 サキ: ミチル…大丈夫か?
  777. 和紗 ミチル: 大丈夫じゃない…最悪の気分だよ
  778. 和紗 ミチル: 友だちと戦ったり ジェムを奪ったり…
  779. 和紗 ミチル: わからないことだらけだよ…
  780. 和紗 ミチル: 話して、くれるんだよね?
  781. 神那 ニコ: 伽話は、このニコが…
  782. 神那 ニコ: その昔、ママとはぐれた イカれた魔法少女がいましたとさ
  783. 神那 ニコ: 宝石集めが好きだという その少女は
  784. 神那 ニコ: 自慢のコレクションを見せて こう言いました
  785. 神那 ニコ: 「この世で一番の宝石は ソウルジェム」
  786. 神那 ニコ: 「だって生命の輝き なんだもん!」
  787. 和紗 ミチル: それって…魔法少女たちから 奪ったってこと?
  788. 神那 ニコ: そう…外道の極み ヤな趣味だよね
  789. 神那 ニコ: 『ジェム摘み』を楽しむ 外道な娘に
  790. 神那 ニコ: あすなろ市の魔法少女は 戦いを挑んだ
  791. 神那 ニコ: サキ、海香、カオル、ニコ…
  792. 神那 ニコ: カタカナ率の高い メンバーが集まった
  793. 和紗 ミチル: それが…サキが口にした 『プレイアデス聖団』…?
  794. 神那 ニコ: ノン…
  795. 神那 ニコ: その名は“外道たち”の チーム名だった
  796. 和紗 ミチル: 外道たちって…? ひとりじゃないの?
  797. 神那 ニコ: ひとりだけど、ふたり…
  798. 神那 ニコ: ヤツらは“多重人格”の 魔法少女だった
  799. 神那 ニコ: その名は… 双樹ルカと双樹あやせ
  800. 神那 ニコ: それぞれの人格ごとに 白い妖精と契約して
  801. 神那 ニコ: ソウルジェムを ふたつ持っていたんだ
  802. 和紗 ミチル: 人格ごとに契約できるなんて…
  803. 神那 ニコ: でも、それが外道の始まりだ
  804. 神那 ニコ: 白いジェムのルカは 赤いジェムを…
  805. 神那 ニコ: 赤いジェムのあやせは 白いジェムを…
  806. 神那 ニコ: 誰よりなにより 互いのジェムが欲しかったときた
  807. 神那 ニコ: しかし、ジェムの交換など できるはずもなく
  808. 神那 ニコ: 泣く泣く同じ箱に並べてみたら まあステキ
  809. 神那 ニコ: 狂気のコレクションの はじまりはじまり~というわけ
  810. 和紗 ミチル: ジェムを奪うから
  811. 和紗 ミチル: “プレイアデス聖団”を 名乗ってるの?
  812. 和紗 ミチル: その子たちとは全然目的が違うし 同じ名前なんてイヤじゃないの?
  813. 浅海 サキ: ああ、不快な名前だ…
  814. 浅海 サキ: だが、その不快さを 感じ続けることが
  815. 浅海 サキ: ジェムを奪ったことへの 言い訳なんだ
  816. 和紗 ミチル: …………
  817. 和紗 ミチル: 海香とカオルとは どうして別れたの?
  818. 浅海 サキ: 私たちはジェムを 保管しようとしたが
  819. 浅海 サキ: ふたりは無断で 双樹のジェムを破壊した
  820. 和紗 ミチル: それで、訣別したんだね…
  821. 和紗 ミチル: 嫌なこと思い出させちゃったね ごめん…
  822. 和紗 ミチル: でも 話してくれて、ありがとう…
  823. 浅海 サキ: …ミチルは?
  824. 神那 ニコ: 荷物を取りに戻った
  825. 神那 ニコ: もう海香の家に いるわけにもいかないって
  826. 神那 ニコ: ―ニコ― 『魔法少女狩りのプレイアデス』
  827. 神那 ニコ: ―ニコ― 外道のふたりに汚名を着せて ジェムごとはぎとり、身にまとう…
  828. 神那 ニコ: ―ニコ― 実に見事な酷い嘘だったね…
  829. 浅海 サキ: ―サキ― 私たちが「聖団だ」と明かせば ミチルはもっと苦しむことになる…
  830. 神那 ニコ: ―ニコ― “優しい嘘”か…嫌いじゃないよ
  831. 浅海 サキ: ―サキ― “海香”と“カオル”はこの 昴かずみの隣に寝かせてくれ
  832. 神那 ニコ: ―ニコ― 本物のかずみの隣に 偽物の海香とカオル…
  833. 浅海 サキ: ―サキ― また、嘘を重ねてしまうな…
  834. 神那 ニコ: ―ニコ― …また、とは?
  835. 浅海 サキ: ―サキ― 『優しい嘘はもういらない』と かずみが言って…すべてが終わったんだ
  836. 浅海 サキ: しかし、今度は終わらせない 嘘をつき通す…
  837. 神那 ニコ: 計画続行にゆらぎはないね?
  838. 浅海 サキ: 無論だ そのために私はいるのだから
  839. 神那 ニコ: それでこそ、浅海サキだ… ほど加減が過ぎるほどに、ね
  840. 御崎 海香: …………
  841. 御崎 海香: 「私たちは脱落した…」
  842. 御崎 海香: 「だけど、まだ終わりじゃない」
  843. 御崎 海香: 「私たちが…偽物がいなくなっても “希望”はあるから…」
  844. 御崎 海香: 「だから… だから後は任せたわ…あなたに」
  845.  
  846. FILENAME: text_514710-13_n32PQ.txt
  847. 牧 カオル: ただいま!あすなろ市! 1ヶ月ぶりー
  848. 御崎 海香: 私もひと月ぶりの日本…
  849. 御崎 海香: この湿気を感じると 帰って来た気がするわね
  850. 牧 カオル: フランスのノベルコンベンション 盛り上がった?
  851. 御崎 海香: ええ、日本のコンテンツへの 熱量を、ひしひしと感じたわ
  852. 御崎 海香: カオルは? いい合宿になった?
  853. 牧 カオル: うん 監督へのアピールはできたと思う
  854. 牧 カオル: お互い いい時間を過ごせたみたいだね
  855. 御崎 海香: でも、その間、かずみはずっと ひとりだったわけよね…
  856. 牧 カオル: 早く家に帰って 顔を見せてあげないと!
  857. 牧 カオル: 「ただいま、かずみ! おーい、おみやげ買ってきたよー」
  858. 御崎 海香: 「長い間、お留守番ごくろうさま」
  859. 牧 カオル: あれ?いないのか?
  860. 牧 カオル: 夕飯の買い出しにでも 行ったのかな…
  861. 御崎 海香: …いえ
  862. 御崎 海香: リビングにもキッチンにも 生活の気配がない…
  863. 御崎 海香: ホコリも積もってるわ
  864. 御崎 海香: つまりかずみが出ていったのは 何日も前よ
  865. 牧 カオル: 寂しくなって立花さんのところに 押しかけてるとか?
  866. 御崎 海香: 「レパ・マチュカ」の立花さんね 電話してみましょう
  867. …かずみ? いや、来てないが…
  868. 牧 カオル: そうですか…
  869. そういえば、しばらく見てないな 何かあったのか?
  870. 牧 カオル: いえ、あたしたちも家を空けてて 戻ったらいなかったんで…
  871. 牧 カオル: 他を当たってみます
  872. あいつが戻ったら伝えてくれるか 新作スウィーツの試食に来い、と
  873. 牧 カオル: はい、必ず伝えます
  874. 牧 カオル: どこ行ったんだ、あいつ… まさか…家出とか?
  875. 御崎 海香: そんなことする理由が 思い当たらないわ
  876. 牧 カオル: だよな… 学校へは行ってるのかな…
  877. 御崎 海香: クラスメイトに聞いてみるわ
  878. …どうしたの? 海香ちゃん
  879. 御崎 海香: 夜遅くにごめんなさい
  880. 御崎 海香: あの、かずみについて なんだけど…
  881. ああ、かずみちゃん そういえば大丈夫だったの?
  882. 御崎 海香: えっ! 何か知ってるの!?
  883. 知ってるも何も… 病気で倒れたんでしょ?
  884. 牧 カオル: 病気!?
  885. 御崎 海香: ど、どんな病気になったの?
  886. え、なんで 海香ちゃんが知らないの?
  887. かずみちゃんは 遠くの街で入院するけど
  888. 検査入院だから 心配しないでって…
  889. グループメッセ送ってくれたの 海香ちゃんたちだよね?
  890. 御崎 海香: …私たちが?
  891. 御崎 海香: 何者かが私たちの代わりに 学校に連絡を入れたってこと?
  892. 牧 カオル: あたしたちの偽物が どこかにいるっていうのか?
  893. 御崎 海香: これは、家出なんかじゃないわね
  894. 牧 カオル: 誘拐…?
  895. 御崎 海香: …………
  896.  
  897. FILENAME: text_514710-14_n32PQ.txt
  898. 牧 カオル: こんな時間に外に出て どうするんだよ?
  899. 牧 カオル: あてもなく探したって かずみが見つかるわけが…
  900. 御崎 海香: かずみは魔法少女よ
  901. 御崎 海香: まだあすなろ市にいるとすれば 魔女退治は続けているはず
  902. 御崎 海香: 魔女を探せば かずみも見つかるかもしれないわ
  903. 牧 カオル: とすると、魔女が活発に動き出す 夜の方が都合がいいってことか…
  904. 御崎 海香: かずみが自由の身だとすれば …だけどね
  905. 海香&カオル: ――っ!?
  906. 御崎 海香: 行くわよ
  907. 牧 カオル: よしきた!
  908. 牧 カオル: ここだな!
  909. 御崎 海香: 待って! 中で誰か戦ってる気配が…
  910. 牧 カオル: ああ、感じる! これはかずみの…
  911. 和紗 ミチル: …………
  912. 和紗 ミチル: …ふぅ 倒せてよかった
  913. 御崎 海香: ――っ!?
  914. 和紗 ミチル: えっ!?
  915. 御崎 海香: かずみ…?
  916. 御崎 海香: いえ、かずみじゃないわ それに、その髪型…
  917. 牧 カオル: まるで… ミチル…だよな?
  918. 和紗 ミチル: 海香…? カオル…?
  919. 和紗 ミチル: なんで…?
  920. 和紗 ミチル: ふたりはレイトウコに いるはずじゃ…?
  921. 浅海 サキ: ミチル、どうした…
  922. サキ&ニコ: ――っ!?
  923. 海香&カオル: ――っ!?
  924. 御崎 海香: サキ…ニコも… どうして…
  925. 牧 カオル: それに…ミチルって言ったよな 本当にミチルだっていうのか?
  926. 浅海 サキ: …………
  927. 御崎 海香: さすがに、説明を要求する 権利くらいあるわよね?
  928.  
  929. FILENAME: text_514710-15_n32PQ.txt
  930. 御崎 海香: カオルとふたり しばらく家を空けているうちに
  931. 御崎 海香: 一緒に住んでいた “昴かずみ”が姿を消した…
  932. 牧 カオル: 消えたかずみを探してたら そこに現れたのは
  933. 牧 カオル: ここにいるはずのない3人…
  934. 牧 カオル: 和紗ミチル、神那ニコ そして浅海サキだ!
  935. 和紗 ミチル: (まただ… 昴かずみって、誰!?)
  936. 和紗 ミチル: どうなってるの!? 海香とカオルはわたしが…!
  937. 神那 ニコ: この状況、想定内だよね?
  938. 浅海 サキ: ああ、問題はない
  939. 浅海 サキ: 予想より この出会いは早かったがな
  940. 神那 ニコ: ということは…
  941. 浅海 サキ: そういうことだ
  942. 神那 ニコ: ミチル、とんずらするよー
  943. 和紗 ミチル: え…とんずら?
  944. 牧 カオル: …待てっ! 話は終わってないぞ!
  945. 浅海 サキ: 私に捕まれ
  946. 浅海 サキ: つづきは、また今度だ すまないな、カオル
  947. 牧 カオル: くそっ… なにがどうなってるんだ…?
  948. 御崎 海香: …わからない…
  949. 御崎 海香: でも、私は認めない…
  950. 御崎 海香: “あれ”を繰り返すというのなら どんなことをしても止めるわ
  951. 牧 カオル: ああ… そんなこと、絶対にさせないよ
  952. 牧 カオル: これからどうする、海香
  953. 御崎 海香: …情報が足りなさ過ぎる…
  954. 御崎 海香: ミチル、サキ、ニコ…
  955. 御崎 海香: どうしてあの子たちが “生きている”のか
  956. 御崎 海香: あれが、本人なのか偽物なのか?
  957. 牧 カオル: 偽物…?
  958. 牧 カオル: でも、話してる感じは 本人だったよ
  959. 御崎 海香: 記憶は魔法で書き込めるし 書き換えられる…
  960. 牧 カオル: そうだけどさ…
  961. 牧 カオル: そんなことして 何の意味があるんだよ
  962. 御崎 海香: わからない…
  963. 御崎 海香: 確実に言えるのは “昴かずみ”が姿を消したこと
  964. 御崎 海香: “プレイアデス聖団”を 名乗る者が
  965. 御崎 海香: この街で魔法少女狩りを しているということ
  966. 御崎 海香: そして…私たちも “当事者”だということよ
  967. 牧 カオル: どうすりゃいいんだ…
  968. 御崎 海香: 情報を集めるところから 始めましょう
  969. 御崎 海香: まずは協力者を探さないと
  970. ???の声: その必要はないぜ
  971. 海香&カオル: えっ…!?
  972. 牧 カオル: この声…
  973. ???: 待ちくたびれたぜ お嬢さんがた!
  974. 海香&カオル: ジュゥべえ!?
  975. ジュゥべえ: 久しぶりだな、海香、カオル
  976.  
  977. FILENAME: text_514710-16_n32PQ.txt
  978. 牧 カオル: まさか お前まで出てくるとはね
  979. ジュゥべえ: プレイアデス聖団が復活したなら とうぜんオイラの出番だろう?
  980. 御崎 海香: …ジュゥべえ…
  981. 御崎 海香: 従属するインキュベーター 略してジュゥべえ
  982. 御崎 海香: キュゥべえの無邪気な悪意に…
  983. 御崎 海香: 残酷な魔法少女のシステムに抗うために
  984. 御崎 海香: 私たちが合体魔法で生み出した インキュベーターの“代用品”…
  985. 御崎 海香: そして、プレイアデス聖団の“仲間” それが、私たちのジュゥべえだった
  986. 御崎 海香: すべてのはじまりは、絶望の深淵… 魔女の結界の中だった
  987. 御崎 海香: 魔法少女になる前のこと… 私とカオルは夢を砕かれ、絶望していた
  988. 御崎 海香: ニコとサキも…里美もみらいも… みんな心に深い傷を負い、絶望していた
  989. 御崎 海香: 魔女に魅入られ、自ら命を絶とうとした 私たちの前に現れた救世主…
  990. 御崎 海香: それが和紗ミチルだった
  991. 和紗 ミチル: 「希望は絶対にあるから!」
  992. 御崎 海香: ミチルに命を救われ イチゴリゾットに生への渇望を思い知らされ
  993. 御崎 海香: 死にたがりの6人は魔法少女となった
  994. 御崎 海香: 合わせて7人のチームを ミチルは星座の姉妹になぞらえた
  995. 和紗 ミチル: 「念願のプレイアデス聖団の結成だーー!」
  996. 御崎 海香: ミチルと私たちの日々は 希望に満ちていた
  997. 御崎 海香: 魔法少女として人々の命を守り 魔女と戦うことの誇りも
  998. 御崎 海香: ひとりぼっちじゃない 仲間との絆があるという喜びも
  999. 御崎 海香: お腹が空いたと笑いあうことさえも 何もかもが輝いて見えた
  1000. 御崎 海香: けれど… 終わりは突然やってきた
  1001. 御崎 海香: ミチルは魔女と化し 私たちは魔法少女の真実を知った…
  1002. 御崎 海香: さらなる絶望… 私たちの“過ち”の始まりだった
  1003. 御崎 海香: 残されたプレイアデス聖団は ふたつの目的を持って再始動した
  1004. 御崎 海香: ひとつ目は… 矛盾に満ちた魔法少女システムの否定
  1005. 御崎 海香: 魔女化寸前の魔法少女を保護するための “レイトウコ”も…
  1006. 御崎 海香: グリーフシード抜きでのジェム浄化を 可能とする装置、ジュゥべえも…
  1007. 御崎 海香: あすなろ市全体にインキュベーターを 認識しない魔法をかけ
  1008. 御崎 海香: 自分たちの記憶すらも書き換えて キュゥべえを“殺した”のも…
  1009. 御崎 海香: 魔法少女システムに対する 私たちの“抵抗”だった
  1010. 御崎 海香: そして、プレイアデス聖団は もうひとつの目的に向けて動き出した それが…
  1011. 御崎 海香: 和紗ミチルの復活
  1012.  
  1013. FILENAME: text_514710-17_n32PQ.txt
  1014. 牧 カオル: 和紗ミチルの復活… その方法はこうだ
  1015. 牧 カオル: ニコの魔法で ミチルの肉体(クローン)を生成し
  1016. 牧 カオル: あたしたちの合体魔法で 合成魔法少女(いのち)を作り出す
  1017. 御崎 海香: そして、その生命を制御するために 魔女の持つ驚異的な生命力…
  1018. 御崎 海香: 魔女の心臓(コル・マレフィクス)を 埋め込んだ…
  1019. 御崎 海香: 和紗ミチルの記憶を完全に移植した 完璧なクローンが誕生した
  1020. 御崎 海香: でも、完璧なはずの“ミチル”は 私たちの思惑を外れ、失敗作となった…
  1021. 牧 カオル: クローン1号から12号は 魔女を前にすると理性を失い 制御不能の殺戮者になってしまったんだ
  1022. 牧 カオル: 死別したグランマは 限りある命を大切にする人だった
  1023. 牧 カオル: その想いを受け継いだミチルは 自らの蘇生復活を望んでないんだと あたしたちは考えた…
  1024. 御崎 海香: 命を生み出し、失敗なら捨てる… 自分たちの狂気に気付きながら
  1025. 御崎 海香: それでも、諦めきれずに 私たちは最後にもう一度…
  1026. 御崎 海香: 記憶を持たない13号を… “かずみ”を生み出した
  1027. 御崎 海香: かずみは私たちに変化をもたらした
  1028. 御崎 海香: ミチルではない、新たな生命として かずみがそこに存在すること…
  1029. 牧 カオル: かずみの叫びに…かずみの涙に… 自らの過ちを突きつけられる思いがした
  1030. 御崎 海香: いろいろな事件があって 仲間たちの多くが失われ ニコもサキも、ジュゥべえもいなくなった
  1031. 御崎 海香: けれども、幾多の困難の果てに かずみは奇跡を祈る機会を得て
  1032. 御崎 海香: …“昴かずみ”という ひとりの…ほんとうの人間になった
  1033. 牧 カオル: 昴かずみは、転校生として 新たな生活を始め…
  1034. 牧 カオル: あたしたち3人は 本当に幸せな毎日を、全力で生き始めた
  1035. 牧 カオル: そのはずだった…
  1036. 御崎 海香: …………
  1037. ジュゥべえ: いつまで物思いにふけってんだ?
  1038. ジュゥべえ: オイラのことを 忘れたわけじゃないよな
  1039. 御崎 海香: ええ…忘れるはずがないわ
  1040. 御崎 海香: 最後まで、私たちのために 戦ってくれたあなたのことを
  1041. 牧 カオル: でも、この1ヶ月に 何があったんだ?
  1042. 牧 カオル: おまえは消滅したはずだろ ジュゥべえ
  1043. 御崎 海香: だから、教えて… “あなたは誰に作られた”の?
  1044. ジュゥべえ: 相変わらず賢いな それでこそ海香だ
  1045. ジュゥべえ: そんでもって オイラを作ったのも
  1046. ジュゥべえ: 海香…お前さんだよ
  1047. 御崎 海香: 私が…ジュゥべえを?
  1048. ジュゥべえ: 正確には“海香”と“カオル”の 合体魔法で、だけどな
  1049. 牧 カオル: そんなことした覚えはないよ
  1050. ジュゥべえ: そりゃそうだろうな
  1051. ジュゥべえ: オイラを作ったのは… サキやニコと同じ
  1052. ジュゥべえ: お前さんたちの “ニセモノ”なんだからな
  1053. 牧 カオル: 偽物…!?
  1054. 牧 カオル: あたしたちの 偽物までいるのか!?
  1055. ジュゥべえ: ふたりは、小さな… でも大切な願いのために
  1056. ジュゥべえ: 魔法少女・海香と 魔法少女・カオルになった
  1057. 海香&カオル: …?
  1058. ジュゥべえ: 頑張りすぎちまったふたりは 自らのジェムの限界に気付いた
  1059. ジュゥべえ: でも、まだ 大切な願いは叶ってねえ
  1060. ジュゥべえ: だから 本物に引き継いでもらうために
  1061. ジュゥべえ: オイラを連絡役に遺したのさ
  1062. 御崎 海香: どうして、偽物のふたりが 本物の私たちに願いを残すの?
  1063. ジュゥべえ: その願いは きっと
  1064. ジュゥべえ: お前さんたちの 願いでもあるからさ
  1065. 牧 カオル: あたしたちの願い…?
  1066. ジュゥべえ: 長話だけど付き合ってもらうぜ 本題はここからだ
  1067. 牧 カオル: 偽物のプレイアデス聖団… そして、ミチル…
  1068. 牧 カオル: あたしたちがいない間に そんな計画が進んでいたのか
  1069. 御崎 海香: ジュゥべえが言った通り
  1070. 御崎 海香: これは “私たちの願い”でもあるわ
  1071. 御崎 海香: それで…ミチルはまだ 絶望の淵から出られていないのね
  1072. ジュゥべえ: だからこそ、偽物のふたりが 本物に託したんだ
  1073. 御崎 海香: 気になるのは… “彼女たち”の“境界線”よ
  1074. 牧 カオル: 境界線って…?
  1075. 御崎 海香: 彼女たちは自分たちの立てた 新しい“計画”のために
  1076. 御崎 海香: オリジナルである 私たちをコピーした
  1077. 御崎 海香: けれど 彼女たちの自我を残さなくては
  1078. 御崎 海香: 計画を実行することが できないはずよ
  1079. 牧 カオル: でも、さっき会ったサキは
  1080. 牧 カオル: まるで サキ本人にしか思えなかった
  1081. 御崎 海香: そう…
  1082. 御崎 海香: 自我とコピーの記憶の境界が あいまいになっているのよ
  1083. 御崎 海香: それが進めば、心は不安定となり
  1084. 御崎 海香: ジェムによからぬ影響を 与えかねないわ
  1085. ジュゥべえ: 本来、偽物たちの立てた 計画の外にあった
  1086. ジュゥべえ: “魔法少女狩り”を サキが始めたのも
  1087. ジュゥべえ: その影響かもしれないな
  1088. 御崎 海香: 時間は多くはなさそうね 急ぎましょう
  1089. 御崎 海香: ミチルと…かずみのために
  1090. 牧 カオル: あたしたちに後を託してくれた 偽物のためにもな
  1091. ジュゥべえ: へへっ…なんだか懐かしいぜ!
  1092. 浅海 サキ: 再びジュウべえを作るとは
  1093. 浅海 サキ: “海香”と“カオル”も やってくれるな
  1094. 神那 ニコ: ニセ札のジレンマ、か
  1095. 浅海 サキ: ん…?
  1096. 神那 ニコ: 見分け不可能な 完コピのニセ札は
  1097. 神那 ニコ: ニセ札ではない、って 説があってね
  1098. 神那 ニコ: …偽物の代用品は 本物が一番ということ
  1099. 浅海 サキ: ああ、わかっている
  1100. 浅海 サキ: 脱落したふたりの役割を 果たしてもらう
  1101. 浅海 サキ: 本物の海香とカオルに
  1102. 浅海 サキ: そして、計画の完遂に 必要なのは…
  1103. 浅海 サキ: ミチル、君の決断だ
  1104.  
  1105. FILENAME: text_514710-18_n32PQ.txt
  1106. 牧 カオル: まずはレイトウコの確認だな
  1107. 御崎 海香: ええ、かずみを隔離するなら あそこしかないわ
  1108. ミチル&海香: ――っ!?
  1109. 牧 カオル: ミ、ミチル!?
  1110. 御崎 海香: ここで会うのは想定外!
  1111. きゃーーっ!!
  1112. ミチル&カオル: ――っ!?
  1113. 「見て、バルコニー!」 「小さい子が…!」 「身を乗り出してる!」 「親御さんは気づいてないの!?」
  1114. 和紗 ミチル: 絶対に助けるっ!
  1115. 御崎 海香: ええ!
  1116. 「きゃーーーっ!?」 「お、落ちたっ!」
  1117. 御崎 海香: ミチル…!
  1118. 和紗 ミチル: 任せて!
  1119. 和紗 ミチル: ちちんぷりん!
  1120. きゅるるる…
  1121. 牧 カオル: あの魔法…!
  1122. 御崎 海香: リボンが伸びてゆく…
  1123. 牧 カオル: 昔、あたしたちを 助けてくれたときと同じだ!
  1124. 和紗 ミチル: カオル、このまま降ろすよ!
  1125. 牧 カオル: ああ、いつでもいいよ!
  1126. ざわ…
  1127. 「子どもは無事だ…よかった…」 「でも…どうなってるんだ? あのリボン…」
  1128. 牧 カオル: 思いっきり目立っちゃったな ミチルの魔法
  1129. 御崎 海香: 問題ないわ
  1130. 御崎 海香: みんなの認識を 書き換えておくから
  1131. 牧 カオル: ミチル、おつかれさま
  1132. 御崎 海香: あなたらしい判断だったわね
  1133. 和紗 ミチル: ありがとう、カオル、海香 えへへ…ちょっと、疲れ…
  1134. 和紗 ミチル: ちゃっ…た
  1135. 和紗 ミチル: うっ…
  1136. 御崎 海香: ――っ!?
  1137. 御崎 海香: ミチル!
  1138. 牧 カオル: ソウルジェムがっ!
  1139. 御崎 海香: こんな状態で… 魔法を使っていたの!?
  1140. 牧 カオル: グリーフシードで 浄化してないのか!?
  1141. 和紗 ミチル: …助けたい子が たくさんいたから…
  1142. 和紗 ミチル: あげちゃった…
  1143. 牧 カオル: サキとニコは 気づかなかったのか?
  1144. 和紗 ミチル: わたしが…隠してたから
  1145. 和紗 ミチル: けっこう、嘘… 上手いんだよね…
  1146. 和紗 ミチル: あ …あ
  1147. 御崎 海香: ミチル!
  1148. 和紗 ミチル: ごめんな さ…
  1149. 海香&カオル: ――っ!?
  1150. 御崎 海香: あなたに出会えて 本当に良かった
  1151. 和紗 ミチル: あ …あ
  1152. 牧 カオル: あっ、泣いてる まったくミチルは…
  1153. 牧 カオル: なんだよこれ ジェムが真っ黒じゃないか!?
  1154. 御崎 海香: ミチル!
  1155. 和紗 ミチル: ごめんな さ…
  1156. 「きゃああああ」
  1157. 御崎 海香: あのときと…同じ…
  1158. 牧 カオル: ミチルが… また魔女に…!
  1159. 御崎 海香: いや…
  1160. 御崎 海香: いやああああああーーッ!!
  1161. <つづく>
  1162.  
  1163. FILENAME: text_514720-1_iESag.txt
  1164. 和紗 ミチル: けっこう、嘘… 上手いんだよね…
  1165. 和紗 ミチル: あ …あ
  1166. 御崎 海香: ミチル!
  1167. 和紗 ミチル: ごめんな さ…
  1168. 海香&カオル: ――っ!?
  1169. 和紗 ミチル: ダレモキズツケタクナイノニ… クルシイ…
  1170. 和紗 ミチル: ウミカ… カオル…
  1171. 和紗 ミチル: ゴメンナ…サイ…
  1172. 和紗 ミチル: ――っ!?
  1173. 和紗 ミチル: あ…?
  1174. 和紗 ミチル: ここって…
  1175. 牧 カオル: お! やっとお目覚めだな、ミチル
  1176. 和紗 ミチル: カオル!?
  1177. 御崎 海香: かなりうなされてたけど どんな夢を見てたのかしら?
  1178. 和紗 ミチル: 海香!?
  1179. 和紗 ミチル: どんな夢…? えっ、夢だったの…?
  1180. 和紗 ミチル: ど、どこから…?
  1181. 御崎 海香: 小さな子がマンションから 落ちそうになったのは覚えてる?
  1182. 和紗 ミチル: う、うん… 無事に助けたよね?
  1183. 牧 カオル: ああ… でも直後にお前は倒れた…
  1184. 牧 カオル: ソウルジェムが 濁りきってたせいでな
  1185. 御崎 海香: 私が持っていたグリーフシードで 浄化できたから
  1186. 御崎 海香: 事なきは得たけれど…
  1187. 御崎 海香: あなたは 眠り続けていたというわけ
  1188. 和紗 ミチル: そうか…魔女は夢だったんだね
  1189. 和紗 ミチル: でも この話も夢だったりしないかな?
  1190. 牧 カオル: …?
  1191. 和紗 ミチル: だって… わたしの知ってるふたりは…
  1192. 和紗 ミチル: レイトウコに眠ってるはず… なんだよね…
  1193. 牧 カオル: はは…夢なんかじゃないよ あたしたちは、ここにいる
  1194. 御崎 海香: ええ… 紛れもない現実よ
  1195. 和紗 ミチル: そう…なんだ
  1196. 和紗 ミチル: (ふたりとも、優しくて…)
  1197. 和紗 ミチル: (違うけど…同じ)
  1198. 和紗 ミチル: (海香とカオルだ…)
  1199.  
  1200. FILENAME: text_514720-2_iESag.txt
  1201. 和紗 ミチル: …………
  1202. 牧 カオル: どうした? ミチル
  1203. 和紗 ミチル: あ、その… 海香…カオル…
  1204. 御崎 海香: うん、何?
  1205. 和紗 ミチル: ふたりに 聞いてほしいことが…
  1206. 和紗 ミチル: 伝えなきゃならない 大切な話があるんだ
  1207. 海香&カオル: …………
  1208. 和紗 ミチル: ただ、これはいい話じゃなくて すごく…辛い話なんだ
  1209. 和紗 ミチル: ふたりがわたしを 嫌いになるかもしれない…
  1210. 和紗 ミチル: 許せなくなるかもしれない…
  1211. 和紗 ミチル: それでも わたしは話さなきゃダメなんだ
  1212. 和紗 ミチル: だから ふたりが嫌だって言っても
  1213. 和紗 ミチル: わたしは話す…
  1214. 牧 カオル: いいよ どんな話だって受け止める
  1215. 牧 カオル: お前が本気で 心から話してくれるならね
  1216. 御崎 海香: 私もカオルと同じよ
  1217. 御崎 海香: そして…先に言っておくわ
  1218. 御崎 海香: あなたが何を話そうとも 私たちは決して…
  1219. 御崎 海香: あなたのことを嫌いになったり 許せなくなるなんてことはないわ
  1220. 和紗 ミチル: カオル…海香…
  1221. 和紗 ミチル: (話さなきゃ…本当のことを…)
  1222. 和紗 ミチル: (謝らなきゃ…ふたりに…)
  1223. 和紗 ミチル: …………あ、あのね
  1224. 牧 カオル: …何?
  1225. 和紗 ミチル: ううん…何でもない…
  1226. 和紗 ミチル: ヘンなこと言っちゃったね… ごめん
  1227. 御崎 海香: …そう
  1228. 牧 カオル: まだ本調子じゃないのかな?
  1229. 牧 カオル: ま、何でもないならそれでいいし
  1230. 牧 カオル: 話したいことがあるなら いつだって聞くよ
  1231. 和紗 ミチル: …………違う
  1232. 牧 カオル: …え?
  1233. 和紗 ミチル: 言えなかった…
  1234. 和紗 ミチル: あのとき わたしは現実から逃げた…
  1235. 和紗 ミチル: 言えなくて、先延ばしにして あんなに後悔したのに…
  1236. 和紗 ミチル: (なぜか、ふたりが戻ってて)
  1237. 和紗 ミチル: (どんな話でも 受け止めてくれるって)
  1238. 和紗 ミチル: (わたしを信じてくれてるのに それなのに…)
  1239. 和紗 ミチル: (わたしは また逃げようとしてる…)
  1240. 和紗 ミチル: (逃げた先には 絶望しかないって…)
  1241. 和紗 ミチル: (わたしは 知ってるじゃないか…)
  1242. 和紗 ミチル: 逃げるな… 逃げるな、和紗ミチル…
  1243. 和紗 ミチル: 海香、カオル… ごめんなさいっ!!
  1244. 海香&カオル: …………!
  1245. 和紗 ミチル: わたし! ずっと謝らないといけなかった
  1246. 和紗 ミチル: 魔法少女になんて なっちゃいけなかった…
  1247. 和紗 ミチル: ソウルジェムが濁りきったとき わたしたち魔法少女は…
  1248. 和紗 ミチル: 魔女の種に… グリーフシードに変わるんだ!
  1249. 和紗 ミチル: 魔法少女の未来には 希望なんてない…
  1250. 和紗 ミチル: 魔女になってしまうという 絶望しかないんだよ!!
  1251. 和紗 ミチル: ごめん…何を言ってるか わからないよね…?
  1252. 和紗 ミチル: わたしがふたりを…
  1253. 和紗 ミチル: 取り返しのつかないことに 巻き込んじゃったんだ…
  1254. 和紗 ミチル: ごめんなさい… 本当に、ごめんなさい…!!
  1255. 海香&カオル: …………
  1256. 牧 カオル: …やっと話してくれたか…
  1257. 和紗 ミチル: …え? やっと、って?
  1258. 御崎 海香: あなたがひとりで悩みを抱えて 苦しんでいるのはわかってた…
  1259. 御崎 海香: でも、私から聞き出すのは 違うと思っていたの…
  1260. 牧 カオル: ミチルの意思で、ミチルの決断で 前に進んでほしかったからね
  1261. 和紗 ミチル: どうして怒らないの?
  1262. 和紗 ミチル: こんな恐ろしいことに
  1263. 和紗 ミチル: わたしはふたりを 巻き込んだんだよ?
  1264. 御崎 海香: …魔法少女の真実は…簡単に 受け入れられるものではないわ…
  1265. 牧 カオル: ひとりで抱えられるような ちっぽけな問題じゃない…
  1266. 牧 カオル: でもさ…だからこそ… 分かち合えばいいじゃないか…
  1267. 御崎 海香: 苦しいなら 苦しいって言えばいい…
  1268. 御崎 海香: 辛いなら辛いって言えばいい…
  1269. 和紗 ミチル: どうして… どうして、そんなに優しいの?
  1270. 御崎 海香: 決まってるでしょう…
  1271. 海香&カオル: 仲間だから!
  1272. 和紗 ミチル: でも…わたしが魔法少女に 誘わなかったら
  1273. 和紗 ミチル: ふたりは…
  1274. 御崎 海香: あなたと出会えなければ… 私たちはとっくに絶望していたわ
  1275. 牧 カオル: そうだよ 魔法とミチルに出会えたから
  1276. 牧 カオル: あたしたちは 希望を見つけられたんだ!
  1277. 御崎 海香: もう二度と
  1278. 御崎 海香: あなたをひとりぼっちに させたりはしない
  1279. 牧 カオル: だから、お前も…あたしたちを ひとりぼっちにさせないで
  1280. 和紗 ミチル: 海香…カオル…
  1281. ジュゥべえ: ったく、泣かせやがるぜ…
  1282.  
  1283. FILENAME: text_514720-3_iESag.txt
  1284. 和紗 ミチル: …すや…すや…
  1285. 牧 カオル: 起きたばっかりだってのに 泣き疲れたのかな…よく寝てるよ
  1286. 御崎 海香: ジュゥべえ ミチルをお願いできるかしら
  1287. ジュゥべえ: ん…?どっか行くのか?
  1288. 御崎 海香: 少し話をしてくるわ
  1289. 牧 カオル: 話って…あたしとじゃないよね
  1290. 御崎 海香: ええ…
  1291. 御崎 海香: …聞こえてるわよね?
  1292. 御崎 海香: サキとニコ…の、偽物さん
  1293. 浅海 サキ: 「海香…」
  1294. 御崎 海香: まずは報告から
  1295. 御崎 海香: ついさっきのことよ…
  1296. 御崎 海香: ミチルは すべてを打ち明けてくれた
  1297. 牧 カオル: 魔法少女の真実も
  1298. 牧 カオル: あたしたちを巻き込んでしまった 後悔も
  1299. 牧 カオル: ずっと言えずに逃げていたことも
  1300. 牧 カオル: 全部、あいつの意思で 話してくれた
  1301. 浅海 サキ: 「そうか…」
  1302. 御崎 海香: …ありがとう、サキ、ニコ
  1303. 神那 ニコ: 「話が飛ぶね」
  1304. 牧 カオル: とぼけなくたっていいよ、ニコ
  1305. 牧 カオル: あんたたちが、ミチルを ここまで導いてくれたんだろ?
  1306. サキ&ニコ: 「…………」
  1307. 御崎 海香: かつて、本物のミチルは
  1308. 御崎 海香: 自責の念にかられ すべてを背負い込んで
  1309. 御崎 海香: 苦しみの中で 魔女になってしまった…
  1310. 御崎 海香: もし ミチルが話してくれてたら…
  1311. 御崎 海香: もし 私たちの誰かが気づいていたら…
  1312. 御崎 海香: みんなで分かち合えたなら もっと一緒に過ごせたはず…
  1313. 御崎 海香: だから、“今”のミチルに 同じ道を歩ませ
  1314. 御崎 海香: 黙秘と告白の分岐点に立たせた
  1315. 牧 カオル: そして、ミチルは選んだ
  1316. 御崎 海香: あなたたちの計画は成し遂げられ
  1317. 御崎 海香: “私たちの願い”は ようやく叶った
  1318. 牧 カオル: “本物”のミチルが できなかったことを
  1319. 牧 カオル: “今”のミチルはやってくれた…
  1320. 牧 カオル: 『絶望』で終わった『日記』に 次のページが書き足されたんだ
  1321. 浅海 サキ: 「そこに、なにが書かれていると…?」
  1322. 牧 カオル: 『希望』だ!
  1323. 神那 ニコ: 「…いいね、この熱さ、カオルらしい」
  1324. 牧 カオル: はは…サンキュ あんたも、ニコそのものだよ
  1325. 神那 ニコ: 「…………」
  1326. 御崎 海香: でも、まだ話は終わりではないわ
  1327. 御崎 海香: あなたたちの計画に 救われた私たちが
  1328. 御崎 海香: 今度は、あなたたちを救う番よ
  1329. サキ&ニコ: 「…………」
  1330. 牧 カオル: それが、あたしたちの贖罪だ
  1331. 御崎 海香: レイトウコで待っていて ミチルを連れていくわ
  1332.  
  1333. FILENAME: text_514720-4_iESag.txt
  1334. 和紗 ミチル: ん…?
  1335. 和紗 ミチル: あ、ごめん 寝ちゃってたね
  1336. 牧 カオル: いや、気にしなくていいよ
  1337. 和紗 ミチル: …………
  1338. 和紗 ミチル: 今度は、ふたりのことを 聞かせてくれないかな
  1339. 御崎 海香: …?
  1340. 和紗 ミチル: わたしは 濁ったふたりのジェムを
  1341. 和紗 ミチル: この手で奪い レイトウコに運んだ
  1342. 和紗 ミチル: なのに まるで何もなかったみたいに
  1343. 和紗 ミチル: ふたりがここにいる…
  1344. 和紗 ミチル: それに、サキやニコとの関係も
  1345. 和紗 ミチル: 前に教えてくれた話は しっくりこないんだ
  1346. 和紗 ミチル: わたしはもう逃げない…
  1347. 和紗 ミチル: 大丈夫だから ぜんぶ話してほしい
  1348. 御崎 海香: ええ、順を追って話すわ
  1349. 御崎 海香: 和紗ミチルと私たち…
  1350. 御崎 海香: プレイアデス聖団の 本当の出会いから…
  1351. 和紗 ミチル: …本当の出会い?
  1352. 和紗 ミチル: …海香、カオル、サキ、ニコ みらい、里美…
  1353. 和紗 ミチル: そして“和紗ミチル”
  1354. 和紗 ミチル: 7人の“プレイアデス聖団”…
  1355. 和紗 ミチル: ミチルの死… ミチルとの再会を願った6人…
  1356. 和紗 ミチル: 禁断の魔法で生み出された
  1357. 和紗 ミチル: “かずみ”と 魔法少女“昴かずみ”…
  1358. 和紗 ミチル: …………
  1359. 牧 カオル: こんな話、いきなり信じろって 言われても、難しいと思うけどさ
  1360. 牧 カオル: 全部、本当のことなんだ
  1361. 和紗 ミチル: そうだね… 話が凄すぎて消化しきれないや…
  1362. 和紗 ミチル: だけど、信じるよ
  1363. 海香&カオル: …………
  1364. 和紗 ミチル: 友だちの人生を 自分が変えてしまったこと…
  1365. 和紗 ミチル: 言おうと思っても言えない… その苦しさ、情けなさはわかる
  1366. 和紗 ミチル: わたし自身が同じだったからね
  1367. 和紗 ミチル: それに 大切な友だちを失ったみんなが
  1368. 和紗 ミチル: 生き返らせたいって 願う気持ちもわかる
  1369. 和紗 ミチル: だって、わたしたちは 魔法少女なんだから…
  1370. 和紗 ミチル: 奇跡のひとつやふたつ 起こしたくなるのは当然だよ
  1371. 和紗 ミチル: でも、よけいに わかんなくなっちゃったな
  1372. 和紗 ミチル: “和紗ミチル”が もうこの世にいないなら…
  1373. 和紗 ミチル: わたしは何者なんだ、ってね
  1374. 牧 カオル: …………
  1375. 牧 カオル: その答え合わせは
  1376. 牧 カオル: “今のプレイアデス全員”で やろう
  1377. 御崎 海香: レイトウコで サキとニコが待ってる
  1378. 和紗 ミチル: うん、行こう
  1379. 和紗 ミチル: レイトウコの扉を開けなきゃ 疑問はカイトウできないもんね
  1380.  
  1381. FILENAME: text_514720-5_iESag.txt
  1382. ギィ…
  1383. 御崎 海香: サキ、ニコ
  1384. 浅海 サキ: 来たか
  1385. 和紗 ミチル: わたしが何者なのか その答えを聞きに来た
  1386. 浅海 サキ: …………
  1387. 浅海 サキ: 海香、カオル 大丈夫なんだな?
  1388. 牧 カオル: 心配はいらないよ
  1389. 牧 カオル: この子は、身も心も 紛れもない“ミチル”だ
  1390. 御崎 海香: そして、ミチルであって ミチルではない…
  1391. 御崎 海香: “今のミチル”よ
  1392. 浅海 サキ: …わかった
  1393. 浅海 サキ: 結論から言おう
  1394. 浅海 サキ: 本物の和紗ミチルは 1年前に死んだ
  1395. 浅海 サキ: ミチルの死を拒否し ミチルの復活を願った
  1396. 浅海 サキ: 遺された6人の “プレイアデス聖団”は
  1397. 浅海 サキ: 魔法でミチルの クローンを生み出した
  1398. 浅海 サキ: 君は、その4番目のクローンだ
  1399. 和紗 ミチル: …やっぱりそうか
  1400. 浅海 サキ: 驚かないんだな
  1401. 和紗 ミチル: これまでのことや聞いた話から 想像はついてたからね
  1402. 和紗 ミチル: 4番目だったのは意外だったけど
  1403. 神那 ニコ: ちなみに、我々もキミと同じだよ
  1404. 和紗 ミチル: 同じって…?
  1405. 神那 ニコ: こちらの鬼メガネは10号 私は2号、ニコだけに…にひっ
  1406. 和紗 ミチル: 10号…2号…
  1407. 神那 ニコ: 浅海サキ、神那ニコ レイトウコの御崎海香と牧カオル
  1408. 神那 ニコ: 偽物の聖団の正体は ミチルのクローン…
  1409. 神那 ニコ: すなわち“かずみシリーズ”だよ
  1410. 和紗 ミチル: あなたたちも…クローン…!
  1411. 神那 ニコ: 今度はドッキリ成功だ
  1412. 浅海 サキ: “本物”は、そこにいる海香と カオルのふたりだけ
  1413. 和紗 ミチル: …わからない
  1414. 和紗 ミチル: どうして、あなたたちは こんなことを?
  1415. 浅海 サキ: 本物のプレイアデスが 和紗ミチルに救われたように
  1416. 浅海 サキ: 偽物のプレイアデスも “和紗ミチル”に救われたんだ
  1417. 浅海 サキ: そう…4号、君に
  1418. 浅海 サキ: 「かつてプレイアデスのメンバー 宇佐木里美の乱心によって “かずみシリーズ”の封印が 解かれるという事件があった」
  1419. 浅海 サキ: 「里美は、13号かずみの抹殺のために 1号から12号を差し向け 魔法で操って殺し合いをさせたんだ」
  1420. 浅海 サキ: 「凄惨な殺戮の現場で 生き残った者がいた…」
  1421. 浅海 サキ: 「クローン4号…君だ」
  1422. 浅海 サキ: 「クローンは他のクローンを “喰らう”ことで傷を治し、再生可能だ」
  1423. 浅海 サキ: 「4号の目の前には、そのための 同胞のボディが転がっていた」
  1424. 浅海 サキ: 「だが君は 彼女たちを喰らわなかった」
  1425. 浅海 サキ: 「瀕死だが、まだ息のあった 者たちに手を差し伸べた」
  1426. 浅海 サキ: 「クローン2号…」
  1427. 浅海 サキ: 「6号…」
  1428. 浅海 サキ: 「7号…」
  1429. 浅海 サキ: 「そして、10号」
  1430. 浅海 サキ: 「君は、自身の中に残る 魔女の生命力を分け与え “仲間たち”の生命維持を図った」
  1431. 和紗 ミチル: …わたしが…そんなことを?
  1432. 浅海 サキ: 本物のニコが残した記録によれば
  1433. 浅海 サキ: 4号は、ほぼほぼ成功 だったそうだ
  1434. 浅海 サキ: ミチルの記憶、性格、思考… 再現度が高かった
  1435. 浅海 サキ: あまりにも完璧すぎて
  1436. 浅海 サキ: 死んだときの記憶まで 引き継いでしまったほどに
  1437. 神那 ニコ: でも、シリーズに 引き継がれる魔法陣に
  1438. 神那 ニコ: 4号の分だけが入っていない
  1439. 神那 ニコ: 死んだはずの自分が 生きている違和感
  1440. 神那 ニコ: 魔女の肉から錬成された不浄の命
  1441. 神那 ニコ: 恐怖と悔恨と自己否定…
  1442. 神那 ニコ: 4号は考えるのをやめ 自らを封印してしまった
  1443. 神那 ニコ: そんな“ほぼほぼミチル”が 目の前で苦しむ仲間を救うのは…
  1444. 神那 ニコ: 想像に難くないよね
  1445. 浅海 サキ: 私たちは、“ミチル”に… 4号、君にこの命を救われたんだ
  1446. 和紗 ミチル: …………
  1447. 和紗 ミチル: でも、おかしいな
  1448. 和紗 ミチル: わたしは…殺し合いの記憶も みんなを助けた記憶も…
  1449. 和紗 ミチル: “あの日の絶望”も なにひとつ覚えてない
  1450. 和紗 ミチル: どうして?
  1451. 浅海 サキ: 当然だ
  1452. 浅海 サキ: 4号という人格を消し
  1453. 浅海 サキ: ミチルの記憶を リセットすることで
  1454. 浅海 サキ: 私たちの計画は始まったんだ
  1455. 和紗 ミチル: …………!
  1456.  
  1457. FILENAME: text_514720-6_iESag.txt
  1458. 浅海 サキ: 君に命を分け与えられ 生き延びた私たちは…
  1459. 浅海 サキ: レイトウコで眠りにつき 同じ夢を見続けた…
  1460. 浅海 サキ: 私たちのオリジナルである 和紗ミチルが
  1461. 浅海 サキ: 魔法少女の残酷な真実を 誰にも言えないまま
  1462. 浅海 サキ: 絶望の中で 魔女と化してしまったこと…
  1463. 浅海 サキ: たとえ魔法少女の運命が
  1464. 浅海 サキ: 魔女から逃れられない ものだとしても
  1465. 浅海 サキ: ミチルを“絶望”で 終わせたくない…
  1466. 浅海 サキ: あの時の涙をぬぐってやりたい…
  1467. 浅海 サキ: …そんな夢を見続けた
  1468. 神那 ニコ: 命を分け与えられたとき
  1469. 神那 ニコ: 記憶もいっしょにもらった 我ら4人
  1470. 神那 ニコ: 賢い“ミチル”が集まれば 文殊も驚く知恵も出る
  1471. 神那 ニコ: Believe again…
  1472. 神那 ニコ: 和紗ミチルを甦らせて 出会いの日からやり直す
  1473. 浅海 サキ: かつての仲間たちと 日々を“もう一度”過ごし
  1474. 浅海 サキ: 同じ夢、同じ悪夢を見て 同じ帰路に立ったとき…
  1475. 浅海 サキ: “ミチル”が、自らの意思で
  1476. 浅海 サキ: 魔法少女システムの残酷な真実を 仲間に告げられれば…
  1477. 浅海 サキ: そして、仲間たちとともに
  1478. 浅海 サキ: 終わりの日まで 生き抜くことができれば
  1479. 浅海 サキ: ミチルの終わりは “絶望”ではなく
  1480. 浅海 サキ: そこに救いが… “希望”が残るはずだ
  1481. 神那 ニコ: それが、偽物たちの悪だくみ 偽物たちの恩返し
  1482. 和紗 ミチル: でも…あなたたち…
  1483. 和紗 ミチル: わたしたちは クローンなんでしょ?
  1484. 和紗 ミチル: どうやって そんな計画を実行できたの?
  1485. 浅海 サキ: 決まってるじゃないか…
  1486. 神那 ニコ: 泣きぬれた少女に近付いて そっとささやく甘い罠…
  1487. 神那 ニコ: 『奇跡も魔法もあるんだよ』
  1488. 和紗 ミチル: …キュゥべえ…と 契約したんだね!
  1489. 神那 ニコ: ご名答
  1490. 浅海 サキ: 「クローン4号の手で回収された 2号、6号、7号、10号の4人…」
  1491. 浅海 サキ: 「最初に回復し、休眠から目覚めたのは 10号の私だった」
  1492. 浅海 サキ: 「私の願いをかぎつけたインキュベーターは “昴かずみ”の成功例をチラつかせた」
  1493. 浅海 サキ: 「私は迷わず願った…」
  1494. 浅海 サキ: 「4号を“和紗ミチル”にしてほしい… 本物の人間のミチルに変えてくれと」
  1495. 浅海 サキ: 「私の願いの対価として 4号は完全に“ミチル”に生まれ変わった」
  1496. 浅海 サキ: 「前後の記憶は、辻褄が合うように 調整されていたようだ」
  1497. 浅海 サキ: 「次に目覚めたのはクローン2号だった」
  1498. 浅海 サキ: 「2号は、キュゥべえとの契約の対価に “神那ニコの能力”を手に入れた」
  1499. 浅海 サキ: 「そしてその能力で…」
  1500. 浅海 サキ: 「10号を浅海サキに 2号自身を神那ニコに作り替えた」
  1501. 浅海 サキ: 「それが私たちだ」
  1502. 浅海 サキ: 「残りのふたりも、すぐに目覚め 魔法少女となる」
  1503. 浅海 サキ: 「6号は…魔法少女・御崎海香に」
  1504. 浅海 サキ: 「7号は、魔法少女・牧カオルになった」
  1505. 和紗 ミチル: わたしが出会った “海香”と“カオル”は…
  1506. 和紗 ミチル: ここに眠っているふたりが 6号と7号だったんだね
  1507. 浅海 サキ: そうだ…
  1508. 浅海 サキ: 本物とのニアミスを避けるために
  1509. 浅海 サキ: 私たちはあすなろ市の 北部に拠点を置いた
  1510. 浅海 サキ: 本物の御崎邸と そっくりな建物を用意し
  1511. 浅海 サキ: 本物たちが 不在になる時期を待った
  1512. 御崎 海香: なるほど…考えたわね
  1513. 和紗 ミチル: え…あれ? でも、それだとヘンだ…
  1514. 和紗 ミチル: 海香とカオルはわたしの目の前で 契約したんだよ?
  1515. 和紗 ミチル: でも、そのときすでに 魔法少女だったってこと…!?
  1516. キュゥべえ: ボクならキミたちのために 奇跡を起こしてあげられるよ
  1517. 牧 カオル: ――っ!?
  1518. 和紗 ミチル: びっくりして わけがわからないと思うけど
  1519. 和紗 ミチル: この子の言ってることは本当だよ
  1520. 和紗 ミチル: だから、生きる希望を 捨てないでほしいんだ
  1521. 和紗 ミチル: あのとき確かに キュゥべえが現れて…
  1522. 神那 ニコ: 海香は“読み書き”の魔法少女
  1523. 神那 ニコ: 記憶を読めるなら 書くこともしかり
  1524. 和紗 ミチル: じゃあ、あのときキュゥべえは…
  1525. 神那 ニコ: いたよ ニヤニヤ観察してたけど
  1526. 神那 ニコ: ふたりとの契約は とうに終わってた
  1527. 牧 カオル: ややこしいよ!
  1528. 神那 ニコ: 批判は甘んじて受けよう
  1529. 浅海 サキ: ともあれ、お膳立ては整った
  1530. 浅海 サキ: そして、その後は 4号…君の番だった
  1531.  
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  1533. 和紗 ミチル: …………
  1534. 浅海 サキ: 君は友だちを魔法少女に誘い 友だちは君を信じて契約を結んだ
  1535. 浅海 サキ: やがて君は 魔法少女の残酷な真実を知った
  1536. 浅海 サキ: 友だちを巻き込んだことに苦悩し 自分を責め、苦しんだ…
  1537. 浅海 サキ: そして 二度目の分岐点に立った君は…
  1538. 和紗 ミチル: 逃げるな… 逃げるな、和紗ミチル…
  1539. 和紗 ミチル: ソウルジェムが濁りきったとき わたしたち魔法少女は…
  1540. 和紗 ミチル: 魔女の種に… グリーフシードに変わるんだ!
  1541. 和紗 ミチル: わたしがふたりを…
  1542. 和紗 ミチル: 取り返しのつかないことに 巻き込んじゃったんだ…
  1543. 和紗 ミチル: ごめんなさい… 本当に、ごめんなさい…!!
  1544. 浅海 サキ: ようやく “あの日の続き”を歩き出した
  1545. 浅海 サキ: 君の心の叫びは 6号海香、7号カオルに届き
  1546. 浅海 サキ: 君は、残酷な魔法少女の運命に 立ち向かう仲間を得たんだ
  1547. 神那 ニコ: その別れは、予想外に早かったが 代わりに“本物”とも出会えたし
  1548. 神那 ニコ: 結果オーライだね
  1549. 和紗 ミチル: わたしは…
  1550. 和紗 ミチル: わたしは今の状況を 結果オーライとは言えないかな…
  1551. 和紗 ミチル: ここにいるみんなが わたしのこと…4号のこと…
  1552. 和紗 ミチル: オリジナルの和紗ミチルのこと… 大切に思ってることはわかるけど
  1553. 和紗 ミチル: わたしには4号の記憶は もう残ってないし…
  1554. 和紗 ミチル: でも、これだけは言える
  1555. 和紗 ミチル: わたしは…“今のミチル”は…
  1556. 和紗 ミチル: みんなのおかげで生きてる!
  1557. サキ&ニコ: …………
  1558. 海香&カオル: …………
  1559. 和紗 ミチル: わたしが逃げそうになっても 待ってくれた
  1560. 和紗 ミチル: 違う、逃げるなって言いたいのに わたしが決めるのを待ってくれた
  1561. 和紗 ミチル: わたしを信じてくれた!
  1562. 和紗 ミチル: だから… みんな、本当にありがとう!
  1563. 浅海 サキ: …君がそんな風に 思ってくれるのは
  1564. 浅海 サキ: 本当に嬉しい
  1565. 浅海 サキ: だが、私たちには 感謝される権利などないんだ
  1566. 和紗 ミチル: どうして?
  1567. 神那 ニコ: この計画は…
  1568. 神那 ニコ: 君が“魔法少女になる”ことが 前提なんだからね
  1569. 和紗 ミチル: あっ…
  1570. 浅海 サキ: 私の…10号の願いで 4号はただの人間になった
  1571. 浅海 サキ: だが、私は選ばせなかったんだ “魔法少女にならない未来”を
  1572. 浅海 サキ: すまなかった…
  1573. 和紗 ミチル: そんな…
  1574. 牧 カオル: それを言うなら、あたしたちこそ
  1575. 牧 カオル: ミチルに感謝される 権利なんてない
  1576. 御崎 海香: そうね…
  1577. 御崎 海香: 私とカオルは、私たちのために
  1578. 御崎 海香: サキたちの“計画”に 協力したんだもの
  1579. 和紗 ミチル: …どういうこと!?
  1580. 御崎 海香: 和紗ミチルの絶望は プレイアデスの絶望
  1581. 御崎 海香: 和紗ミチルの救済は プレイアデスの救済…
  1582. 牧 カオル: そして… 生き残ったプレイアデスとしての
  1583. 牧 カオル: あんたたちへの 罪滅ぼしでもあるんだよ
  1584. サキ&ニコ: …………
  1585. 牧 カオル: あたしたちが
  1586. 牧 カオル: “人造魔法少女”なんて 禁忌に手を染めなかったら…
  1587. 牧 カオル: あんたたちは誰ひとり
  1588. 牧 カオル: 辛い思いをせずに 済んだんだから…
  1589. 牧 カオル: 心の底から謝るよ… ごめんなさい
  1590. 御崎 海香: …ごめんなさい
  1591. 和紗 ミチル: …………
  1592. 和紗 ミチル: 許さん… こんなのは許さん!
  1593. 海香&カオル: えっ…!?
  1594. サキ&ニコ: ん…!!?
  1595. 和紗 ミチル: わたし、こういう湿っぽいの 大っきらいなんだ!
  1596. 和紗 ミチル: 過去にあった悲しいことも 今回の計画も
  1597. 和紗 ミチル: ぜんぶ、わたしにとっては
  1598. 和紗 ミチル: “今”起きている “本当”のことなんだよ
  1599. 和紗 ミチル: それは みんなも同じじゃないか!
  1600. 和紗 ミチル: “あの日”の続きを…
  1601. 和紗 ミチル: 『これから』どう生きるのか
  1602. 和紗 ミチル: それがいちばん大事だと 思わない?
  1603. 和紗 ミチル: だって…
  1604. ぐう~~
  1605. 海香&カオル: あっ…
  1606. サキ&ニコ: ああっ…
  1607. 和紗 ミチル: わたしの身体は 生きたいって言ってる!
  1608. 和紗 ミチル: わたしはもう 絶対に絶望なんてしない!
  1609. サキ&ニコ: …………
  1610. 浅海 サキ: その言葉が聞きたかった
  1611. 海香&カオル: …うん
  1612. 和紗 ミチル: よし! それじゃあ帰って みんなでご飯にしよう!
  1613. 和紗 ミチル: イチゴリゾットを食べながら
  1614. 和紗 ミチル: レイトウコのみんなたちを 救う方法を考えようよ
  1615. 牧 カオル: それ、いいな!
  1616. 神那 ニコ: 最後の晩餐にできれば 最高だったね
  1617. 和紗 ミチル: えっ、最後の晩餐って?
  1618. 御崎 海香: まさか、あなたたち…
  1619. 浅海 サキ: ああ… 私たちには、もう時間がない
  1620.  
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  1622. 浅海 サキ: 私たちには、もう時間がない
  1623. 和紗 ミチル: ――っ!?
  1624. 御崎 海香: ソウルジェムが… 急速に濁りだした…
  1625. 牧 カオル: グリーフシードを…!
  1626. 浅海 サキ: よせ 無駄遣いするな
  1627. 浅海 サキ: 私のソウルジェムは とっくに限界を迎えている
  1628. 神那 ニコ: こっちも限界突破しちゃってる
  1629. 御崎 海香: ここまでが計算だったというの?
  1630. 浅海 サキ: いや… もっと長く“保てる”はずだった
  1631. 浅海 サキ: だが…私もニコも…
  1632. 浅海 サキ: 気付けば “支配”されていたんだ…
  1633. 浅海 サキ: オリジナルのサキの心 オリジナルのニコの心に…
  1634. 神那 ニコ: 魂は細部に宿る…
  1635. 神那 ニコ: 本物になりすますために
  1636. 神那 ニコ: あらゆる情報と 記憶をコピペしたら
  1637. 神那 ニコ: 2号とニコの境界は消え 本物のココロになっちゃったとさ
  1638. 浅海 サキ: 魔女化寸前の 魔法少女を救うこと…
  1639. 浅海 サキ: “プレイアデス聖団再結成”は 計画にはなかったんだ…
  1640. 浅海 サキ: ジェムの穢れを 加速させるだけだからな
  1641. 神那 ニコ: なのに、あら不思議 気付けば魔法少女を狩っていた
  1642. 御崎 海香: まさか、それも… 魔法少女システムの呪い?
  1643. 浅海 サキ: それもあるだろう…
  1644. 浅海 サキ: だが、私もニコも海香もカオルも …憧れていたんだ…
  1645. 浅海 サキ: 和紗ミチルの記憶にあった 希望と笑顔のあふれる…
  1646. 浅海 サキ: 本物の“プレイアデス聖団”に なりたかった…
  1647. 和紗 ミチル: 待って、諦めちゃダメだ! 何か方法を…!
  1648. 神那 ニコ: 話を聞け、ミチル!
  1649. 和紗 ミチル: ニコ…?
  1650. 神那 ニコ: こんなマジな私は最初で最後 SSRのレアモノだぞ
  1651. 神那 ニコ: いいかい?
  1652. 神那 ニコ: このレイトウコは “ニコの魔法”で制御されている
  1653. 神那 ニコ: つまり、私が死んだら ここは、ただのハコになる
  1654. 神那 ニコ: 眠れる魔法少女たちは 一斉に目覚め…
  1655. 神那 ニコ: 黒いジェムはみな 魔女になる
  1656. 浅海 サキ: “海香”と“カオル”もだ…
  1657. 和紗 ミチル: ――っ!?
  1658. 浅海 サキ: 海香…カオル…!
  1659. 浅海 サキ: すまないが、後を頼む…
  1660. 浅海 サキ: ミチルのことも…!
  1661. 牧 カオル: ………… ああ、任せろ!
  1662. 御崎 海香: 約束するわ
  1663. 浅海 サキ: かずみなら心配は要らない 奥で眠っているだけだ
  1664. 浅海 サキ: ソウルジェムを身体に戻せば 目を覚ます
  1665. 御崎 海香: わかったわ
  1666. 牧 カオル: おまえたちはどうなるんだ?
  1667. 神那 ニコ: ほっとけば魔女になるよ 魔法少女だからね
  1668. 神那 ニコ: その前に…やってくれるよね? ミチル…
  1669. 和紗 ミチル: ニコ…ッ!
  1670. クローン10号: イソイデ…
  1671. クローン10号: “昴かずみ”ヲ タスケテアゲテ…
  1672. 和紗 ミチル: でも…!
  1673. 御崎 海香: 今はかずみを助けるのが先よ
  1674. 牧 カオル: ふたりもそれを望んでる
  1675. 和紗 ミチル: …わかった!
  1676. ゴゴゴゴゴゴ…
  1677. クローン10号&2号: ――っ!?
  1678. 和紗 ミチル: 地震!?
  1679. 牧 カオル: いや、違う 揺れてるのは…あの噴水だ
  1680. 御崎 海香: “ニコ”の魔力が尽きたのよ
  1681. 御崎 海香: 早くかずみを助けないと レイトウコが…!
  1682. 牧 カオル: うん、急ごう!
  1683. ゴゴゴゴゴゴ…
  1684. 牧 カオル: くそっ…まただ!
  1685. 御崎 海香: レイトウコの機能を維持していた 噴水の魔法陣が崩れていく…
  1686. 御崎 海香: レイトウコが止まれば…
  1687. 御崎 海香: 噴水の中のソウルジェムは 一斉に孵化して魔女になる!
  1688. 牧 カオル: その穢れを浴びれば かずみのジェムがやばい!
  1689. 牧 カオル: 海香!時間稼ぎだ! 魔法の技、覚えてるよな!
  1690. 御崎 海香: 当然! 行くわよ、カオル!
  1691. 海香&カオル: 合体魔法!
  1692. 牧 カオル: ミチル! ここはあたしたちが食い止める!
  1693. 御崎 海香: かずみをお願い!
  1694. 御崎 海香: あなたと同じ 希望を持ったジェム!
  1695. 御崎 海香: それが、昴かずみよ!
  1696. 和紗 ミチル: うん、わかった!
  1697.  
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  1699. 和紗 ミチル: はぁ…はあ…
  1700. 和紗 ミチル: ここに、かずみのジェムが…
  1701. 和紗 ミチル: わたしの希望を感じたら 君の希望で答えてっ!
  1702. 和紗 ミチル: 昴かずみ…!
  1703. 和紗 ミチル: 感じる! そうだ、これだ…これが…
  1704. 和紗 ミチル: “昴かずみ”の ソウルジェムだ!
  1705. 和紗 ミチル: 身体はどこにいるんだ? 奥って、どこだよ?
  1706. 和紗 ミチル: あれだ!
  1707. 和紗 ミチル: ―ミチル― 昴かずみ… なるほど、わたしと同じ顔だ!
  1708. 和紗 ミチル: ―ミチル― 人間になることを願った13人目のクローン…
  1709. 和紗 ミチル: ―ミチル― わたしと同じ、合成魔法少女…
  1710. 和紗 ミチル: ―ミチル― 起きて!わたしの妹!
  1711. ミチル&かずみ: …………
  1712. 和紗 ミチル: おはよう、昴かずみ
  1713. 昴 かずみ: お、おはよう…? あなた、もしかして…
  1714. 和紗 ミチル: そう…和紗ミチル
  1715. 昴 かずみ: やっぱり!
  1716. 和紗 ミチル: …だと思い込んでたクローン4号 君の同胞だ
  1717. 昴 かずみ: えっ…? 4号って…だって…わたしが…
  1718. 和紗 ミチル: その話はあとだ!
  1719. 和紗 ミチル: とにかく、わたしは生きてて 君も生きてる、それでいいよね!
  1720. 昴 かずみ: よ、よくわかんないけど それでいいよ!
  1721. 和紗 ミチル: 話のわかる子で助かるよ!
  1722. 海香の声: きゃぁっ!!
  1723. カオルの声: うわっ!!
  1724. 和紗 ミチル: 海香とカオルがピンチなんだ! 行こう!
  1725. 昴 かずみ: うん!
  1726. 昴 かずみ: 海香!カオル!久しぶり!
  1727. 牧 カオル: かずみ!
  1728. 御崎 海香: 間に合ったのね ありがとう、ミチル!
  1729. 和紗 ミチル: でも、こっちは魔女が…!
  1730. 御崎 海香: 私たちふたりの魔法力では 制御しきれなかったの…
  1731. 牧 カオル: ははっ
  1732. 牧 カオル: ふたりそろうなんて 夢みたいだな!
  1733. ミチル&かずみ: 喜んでる場合じゃないよ!
  1734. 昴 かずみ: このままじゃ、みんなやられる!
  1735. 御崎 海香: ――っ!? まずい…!
  1736. 昴 かずみ: あの子たち…!
  1737. 和紗 ミチル: ニコ…サキ…!
  1738. 昴 かずみ: ニコ?サキ? だって、サキたちは…!?
  1739. 和紗 ミチル: あの子たちは…あなたと… わたしと同じ…
  1740. 和紗 ミチル: “かずみシリーズ”の仲間なんだ
  1741. 昴 かずみ: あの子たちが…!?
  1742. 和紗 ミチル: ミチルを“絶望”で 終わらせないために…
  1743. 和紗 ミチル: “今のミチル”を 本物にするために
  1744. 和紗 ミチル: 命をかけてくれた トモダチなんだ!
  1745. 昴 かずみ: …トモダチ…!
  1746. 昴 かずみ: でも、あの子たちは もう…
  1747. 和紗 ミチル: だから…!
  1748. 昴 かずみ: …ミチル…
  1749. クローン2号: ハヤク…
  1750. クローン10号: ハヤク…コロシテ
  1751. 御崎 海香: 魔女化が始まる…!
  1752. クローン6号: ミチル…
  1753. クローン6号: ふたりの動きは… 私たちが止める…
  1754. クローン7号: あたしたちもろとも… ぶっ飛ばせ…!
  1755. 海香&カオル: ああっ…!!
  1756. 和紗 ミチル: うぅっ…
  1757. 和紗 ミチル: …………
  1758. 和紗 ミチル: わたしはもう 絶対に絶望なんてしない!
  1759. 牧 カオル: やるぞ、海香!
  1760. 御崎 海香: ええ!
  1761. 和紗 ミチル: どいて! わたしがやる!
  1762. 牧 カオル: でも、あいつらはお前の仲間だろ あたしたちに任せろ
  1763. 和紗 ミチル: 仲間だから!
  1764. 和紗 ミチル: 最後の望みは わたしが叶えるんだ!
  1765. 和紗 ミチル: どけ、カオル! 海香っ!
  1766. 和紗 ミチル: うぅっ…
  1767. クローン2号&6号: …………
  1768. クローン6号&7号: 「は…早く…!」
  1769. 和紗 ミチル: サキ、ニコ…海香、カオル…! 今までありがとう
  1770. 和紗 ミチル: …いくよ!
  1771.  
  1772. FILENAME: text_514720-10_iESag.txt
  1773. クローン10号&2号: ゥゥ… グアアアアアァッ!!
  1774. クローン6号&7号: グオオオオオッ!
  1775. 和紗 ミチル: うわああっ!!
  1776. みんな: ミチルッ!
  1777. 牧 カオル: 大丈夫か!
  1778. 和紗 ミチル: …へ、平気だよ…
  1779. 牧 カオル: 全然平気じゃないだろ!
  1780. 御崎 海香: あなたが殺されるのを 見過ごすわけにはいかない…
  1781. 和紗 ミチル: だめだ… やめて…海香…
  1782. 和紗 ミチル: …4人は、わたしに望みを 託したんだ…
  1783. 和紗 ミチル: これは、わたしが
  1784. 和紗 ミチル: …わたしたち“5人”が 絶望を越えて進むために…
  1785. 和紗 ミチル: 希望のために 必要なことなんだよ…
  1786. 和紗 ミチル: だから、手を出さないで…
  1787. 海香&カオル: ミチル…
  1788. 昴 かずみ: ちがうよ、ミチル!
  1789. 和紗 ミチル: かずみ…?
  1790. 昴 かずみ: あの子たちが望んだのは
  1791. 昴 かずみ: あなたに 殺してもらうことじゃない!
  1792. 昴 かずみ: 魔女になって あなたを殺したくない…
  1793. 昴 かずみ: 魔女になって 誰かを傷つけたくない…
  1794. 昴 かずみ: それだけだよ
  1795. 和紗 ミチル: …違う
  1796. 昴 かずみ: 違うもんか!
  1797. 昴 かずみ: 十字架を 背負ってほしいんじゃない
  1798. 昴 かずみ: ただ、仲間に…
  1799. 昴 かずみ: トモダチに 幸せになってほしいだけだよ!
  1800. 昴 かずみ: ミチルもわたしもあの子たちと 同じだから…わかるはずだよ
  1801. 和紗 ミチル: かずみ…
  1802. 和紗 ミチル: でも…君には 彼女たちと戦う理由はない…
  1803. 昴 かずみ: 理由はある
  1804. 昴 かずみ: あの時、わたしはあの子たちの 涙を見たんだよ
  1805. 和紗 ミチル: (あの時…)
  1806. 和紗 ミチル: (きっと、サキが教えてくれた 事件のことだね…)
  1807. 浅海 サキ: 「かつてプレイアデスのメンバー 宇佐木里美の乱心によって “かずみシリーズ”の封印が 解かれるという事件があった」
  1808. 浅海 サキ: 「里美は、13号かずみの抹殺のために 1号から12号を差し向け 魔法で操って殺し合いをさせたんだ」
  1809. 昴 かずみ: 苦しみから解き放ってほしいって あの時、お願いされたのに…
  1810. 昴 かずみ: 今も、苦しんでる
  1811. 昴 かずみ: それは わたしの責任でもあるんだよ
  1812. 昴 かずみ: だから…“今のかずみ”には 戦う理由がある!
  1813. 牧 カオル: それは、あたしたちも同じだ
  1814. 御崎 海香: そうよ
  1815. 御崎 海香: 私たちこそ 彼女たちに責任があるわ
  1816. 牧 カオル: 止めても無駄だよ、ミチル…
  1817. 和紗 ミチル: わかったよ…
  1818. 和紗 ミチル: みんな…一緒に救って…仲間を!
  1819. みんな: …うん!
  1820. クローン10号&2号: グアアアアアァッ!!
  1821. クローン6号&7号: ウァァァァアァ…
  1822. 牧 カオル: あたしたちが動きを止める!
  1823. 海香&カオル: 合体魔法!
  1824. 海香&カオル: エピソーディオ インクローチョ!
  1825. 御崎 海香: 動きは封じたわ
  1826. 御崎 海香: 今よ! ミチル!かずみ!
  1827. ミチル&かずみ: ―ミチル&かずみ― リーミティ・エステールニ ドッピオ!!
  1828. クローン2号&10号: グゥッ…
  1829. クローン6号&7号: アァッ!!
  1830. クローン2号: …ありがとう
  1831. クローン10号: やっと…
  1832. クローン10号: 眠れる…
  1833. 和紗 ミチル: …………
  1834. 和紗 ミチル: …ありがとう… 永遠に忘れないよ…
  1835. 和紗 ミチル: ちゃお…
  1836. 海香&カオル: …………
  1837. 牧 カオル: なんて威力だ… 他の魔女も全滅だ…
  1838. 昴 かずみ: これで… 全部終わったの?
  1839. 御崎 海香: …そうね 終わったのよ
  1840. 和紗 ミチル: …………
  1841. 御崎 海香: わたしたちの生み出した 5人のミチルが紡いだ
  1842. 御崎 海香: “優しい絶望”の物語が…
  1843. 牧 カオル: …彼女たちは 自分自身が救われることよりも
  1844. 牧 カオル: 和紗ミチルの無念を晴らし
  1845. 牧 カオル: たったひとつの希望を 遺すことを選んだんだ
  1846. 御崎 海香: ええ
  1847. 御崎 海香: そして希望の物語が これから始まるのよ
  1848. ジュゥべえ: オイラの存在を 忘れてんじゃねーのか?
  1849. 昴 かずみ: えっ…? ジュゥべえ?
  1850. 牧 カオル: 忘れてたよ!
  1851. ジュゥべえ: なんだとーっ!
  1852. 昴 かずみ: なんでジュゥべえがいるの!?
  1853. 昴 かずみ: っていうか、どうしてわたし レイトウコにいたんだっけ?
  1854. 昴 かずみ: ギモンだらけだよ?
  1855. 和紗 ミチル: その話はさ…
  1856. 和紗 ミチル: みんなで 食事しながらじゃだめかな?
  1857. 和紗 ミチル: あの子たちが好きだった料理 全部作りたい気分なんだ
  1858. 昴 かずみ: …うん、いっしょに作ろう!
  1859.  
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  1861. ―エピローグ―
  1862. 御崎 海香: 本当に行っちゃうのね イタリア…
  1863. 和紗 ミチル: うん、グランマの妹さんが 一緒に住もうって言ってくれたし
  1864. 和紗 ミチル: けっこう高齢だから… ほっとけないよ
  1865. 和紗 ミチル: それに、グランマと同じ味の
  1866. 和紗 ミチル: イチゴリゾットを 作れるっていうしさ
  1867. 昴 かずみ: わぁ、いーなー!
  1868. 牧 カオル: 行く!絶対遊びに行くから! 来週か再来週!
  1869. 御崎 海香: 夏休みは、もう終わりよ
  1870. 牧 カオル: じゃあ、セリエAのクラブの 入団テスト受けて
  1871. 牧 カオル: イタリアに住む!
  1872. 和紗 ミチル: いいね! 本気で待ってるよ
  1873. 和紗 ミチル: グランマの味も 完璧にマスターしておくから
  1874. 昴 かずみ: せっかく出会えたのに もうお別れなんて残念だな…
  1875. 和紗 ミチル: また会おうよ
  1876. 和紗 ミチル: その日まで 毎日ハラペコになって
  1877. 和紗 ミチル: お腹いっぱい食べるんだ
  1878. 昴 かずみ: 生きたいと思う限り… 希望がある限り
  1879. かずみ&ミチル: わたしたちは、また会える
  1880. 御崎 海香: それじゃあ 出発前に1枚、撮りましょうか
  1881. 牧 カオル: ―カオル― よーし、ふたり仲良く手をつなごうか?
  1882. 和紗 ミチル: ―ミチル― こうかな?
  1883. 牧 カオル: ―カオル― うんうん、貴重なツーショットだね!
  1884. ジュゥべえ: ―ジュゥべえ― オイラはここだな?
  1885. 御崎 海香: ―海香― ちょっと、変なのが入ってるわよ!
  1886. 牧 カオル: ―カオル― ははっ、一番目立つ場所だ
  1887. 昴 かずみ: ―かずみ― しょうがないなぁ…
  1888. 昴 かずみ: ―かずみ― でも、それがジュゥべえだよね!
  1889. 和紗 ミチル: ―ミチル― ところでジュゥべえって 写真にうつるの?
  1890. ジュゥべえ: ―ジュゥべえ― あったりめーよ! キュゥの字と一緒にすんなよ
  1891. 御崎 海香: ―海香― 撮るわよ
  1892. パシャッ
  1893. 和紗 ミチル: …あ、空港バスが来たみたい
  1894. 和紗 ミチル: いろいろありがとう! 海香、カオル!
  1895. 和紗 ミチル: それから、かずみも!
  1896. 昴 かずみ: うん!
  1897. 昴 かずみ: 寂しくなったら、いつでも呼んで みんなで会いに行くから
  1898. 和紗 ミチル: 楽しみにしてるよ その日まで、元気で!
  1899. 昴 かずみ: うん、ミチルも元気でね!
  1900. 和紗 ミチル: それじゃ、また いつか再会できる日を信じて…
  1901. 和紗 ミチル: ちゃお!
  1902. みんな: チャオ!
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