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Guest User

JpEasterEggs

a guest
Jun 25th, 2022
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  1. この建物には覚えがある…ここも、ここも…<lf>どうりで見つからなかったわけだ…何もかも<lf>砂に埋まり覆い隠されてしまったのだから
  2. 湿度と度重なるスコールに辟易しつつ、<lf>やっとの思いで遺跡を発見。<lf>さて、調査任務を開始だ。
  3. その遺跡の中心部は広場になっていた。<lf>明らかに人工的に造られており、<lf>周囲には壁画のような物も見える。
  4. しかし、この湿気と気温で<lf>状態が維持されているのは奇跡だな。<lf>と感心しつつ、ひとつひとつ鑑賞していく。
  5. 遺跡の深部にある壁面には、鋼色の翼を<lf>はためかせながら、雄大に宙を舞っている<lf>大きな龍が描かれていた。
  6. その隣には、鋼色の翼から発せられる強靭な<lf>風と共に、膝をつき首を垂れる人間らしき<lf>図も描かれている。
  7. もしかすると、その龍を鎮める<lf>儀式を行うために造られた神殿<lf>だったのかもしれない。
  8. よく見ると、その壁画には続きがあった。<lf>強大な龍に立ち向かうかのように<lf>槍を手に持つ人々の図だ。
  9. この遺跡を造った民族は、<lf>いつからか、強大な相手に伏すだけでなく<lf>対抗する術を身に付けていったのだ。
  10. 記録をとりながら、これは我々<lf>ハンターのルーツを紐解く発見では?<lf>と、仮説を立てる。
  11. 急いで報告をまとめ、ギルドに戻ろう。<lf>私はいま、湿気も雨も全く<lf>気にならない程に高揚している。
  12.  
  13. 私は、王国に忠誠を誓った騎士。<lf>これは、我が友である騎士と、<lf>この街の最期の記憶だ。
  14. 寒地にそびえる城塞を中心としたこの街は、<lf>警備兵としての仕事がいささか退屈に<lf>思うくらいには平和であった。
  15. しかし、その油断から、<lf>我々は小さな異変を見逃していた。<lf>それは最初、とても小さな違和感だった。
  16. 周囲に生息する生物達が、<lf>謎の狂暴化をし始めたのだ。<lf>その数は、日毎に増えていった。
  17. ついには大型モンスターが荒れ狂い、<lf>城壁を破り街を破壊し始める。<lf>夜半のことで、誰しもが不意を突かれた。
  18. 何が起きたかも分からぬまま、<lf>暗闇の中を逃げ惑う街の人々。<lf>仲間の騎士も、次々と倒れていく。
  19. その中心にいるモンスター。<lf>見たことはないが、その容貌から<lf>伝承にあるメル・ゼナだと気付いた。
  20. 禍々しさに気圧され体が固まる。<lf>だが、その足元に目をやると、<lf>小さな少年がうずくまっていた。
  21. 少年を護るため、勇敢なる我が友が<lf>一太刀を浴びせたが、まるで通用しない。<lf>友は、私に少年を託し逃げるよう指示した。
  22. 少年の手をとり、私は滅びゆく街を走る。<lf>メル・ゼナに挑む友の悲壮なる姿…。<lf>その背後からは、朝日が昇り始めていた。
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