Vi_Vi

MagiReco - Arc 2 Another Story Chapter 2 JP Text

May 29th, 2021 (edited)
36
0
Never
Not a member of Pastebin yet? Sign Up, it unlocks many cool features!
text 38.05 KB | None | 0 0
  1. 207201-1_yjycs
  2. いろは: …うーん
  3. いろは: …今度、一緒に… じゃなくて…
  4. うい: お姉ちゃん、どうしたの?
  5. いろは: 時雨ちゃんとはぐむちゃんに 送るメッセージを考えてるの
  6. いろは: 石も手に入って みんなでやる祝賀会…
  7. いろは: ふたりも招待するし もうちょっと仲良くなりたくて
  8. うい: わー、いいね!
  9. いろは: ういならどんなメッセージを 送る?
  10. うい: えっと、わたしだったら…
  11. 時雨: …はぐむん来ないかな
  12. 時雨: 今日は 部活あるって言ってたけど…
  13. 時雨: 急に中止になったりとか…
  14. ピロン♪
  15. 時雨: (メッセージ… まさか、はぐむん…?)
  16. いろは: いろはです、こんにちは! 暇ならちょっとお話しませんか?
  17. 時雨: …………なんだ、環いろはか
  18. 時雨: はぁ…
  19. 時雨: (はぐむん、会いたいな…)
  20. 時雨: …………よし
  21. はぐむ: …………痛っ!
  22. どうしたの?
  23. はぐむ: ぼんやりしてたら縫い針 指に刺しちゃって…
  24. 安積… ちゃんとしなさいよね
  25. 小道具作りのたびに ケガされてたらたまらないわよ
  26. はぐむ: そうですよね…あはは…
  27. ピロン♪
  28. ねー、さっきから誰かの携帯 鳴ってるんだけどー
  29. はぐむ: …?
  30. ピロン♪
  31. はぐむ: あっ、私の携帯だ…!
  32. はぐむ: …っと、と…きゃっ!?
  33. …どうして何もないところで 転べるの
  34. はぐむ: …すみません
  35. 何度か鳴ってたけど なんかあったの?
  36. 用事があるんなら そっち行っても大丈夫だよ
  37. はぐむ: …えっ?
  38. 公演までまだ余裕があるし
  39. 今の安積に作業させたら また、なんかやらかしそうだしね
  40. はぐむ: …………
  41. はぐむ: …あはは、そうですよね 私またドジしちゃいそうだし…
  42. はぐむ: 今日はこれで失礼しますね
  43. はぐむ: はぁ…
  44. はぐむ: あ、そうだ…携帯…
  45. 時雨: はぐむん、今日やっぱり部活? 空いてたらでいいんだけど 会えると嬉しい
  46. はぐむ: (時雨ちゃん…)
  47. 時雨: …あっ
  48. 時雨: はぐむん、来てくれたんだ…! ごめんね忙しいのに
  49. はぐむ: ううん、ちょうど時間が 空いてたから
  50. はぐむ: 何かあったの?
  51. 時雨: …ちょっとはぐむんの顔が 見たかっただけ
  52. 時雨: それに、今後のことも 話さないとなと思って…
  53. はぐむ: そうだね…
  54. 時雨: これからユニオンと どうやって付き合えばいいかな?
  55. 時雨: あと、環いろはもそう…
  56. はぐむ: 環さん…?
  57. 時雨: 連絡来てない?
  58. はぐむ: …あっ、メッセージきてる 気づかなかった…
  59. いろは: 環いろはです 良かったら今度一緒に食事でもどうですか? みかづき荘のみんなも待ってます!
  60. はぐむ: えっと… どうしよう?
  61. 時雨: 確かにぼくたちは ユニオンの一員になったけど…
  62. 時雨: 必要以上に 慣れ合いたくないし…
  63. 時雨: それに魔法少女至上主義も 諦めたわけじゃない
  64. 時雨: でも、ユニオンは ふたつめの石を手に入れた…
  65. 時雨: 今は中心の人たちだけで 動いてるみたいだけど
  66. 時雨: もしも、みんなが戦い始めたら…
  67. 時雨: それこそぼくたち、組織の中で 何もできずにこのまま…
  68. はぐむ: …………
  69. ピロン♪
  70. 時雨: また、環いろは…? 何度も送ってくるなんて…
  71. 時雨: …あれ?
  72. はぐむ: 時雨ちゃん… どうしたの?
  73.  
  74. 207201-2_yjycs
  75. 樹里: おー、突然の呼び出しなのに ちゃんと来てるな、感心感心
  76. 時雨: …なんの用?
  77. 樹里: そう焦るなって
  78. 樹里: どっか入ろうぜ 飲み物ぐらいはおごってやるよ
  79. 樹里: ほら、好きなだけ飲めよ つってもドリンクバーだけどな
  80. はぐむ: …あの、今度は何を させられるんですか…?
  81. 樹里: そんな怯えんなって
  82. 樹里: ちょっと聞きたいことが あるだけだっつーの
  83. 樹里: この間、出張調整屋で 気になる話を聞いたんだが…
  84. リヴィア: …なんや、おかしいなぁ
  85. 樹里: あ?
  86. リヴィア: 神浜の東の魔法少女たちと あんたらプロミストブラッドが
  87. リヴィア: 手を結んだって聞いたんやけど
  88. 樹里: なんだそりゃ 樹里サマ自身が初耳だっつーの
  89. リヴィア: せやと思うわ 覗いてもなーんも見えへんからな
  90. 樹里: そんな話、どこで聞いた?
  91. リヴィア: それは教えるわけにはいかんなあ 調整屋はあくまでも中立や
  92. 樹里: …………
  93. 樹里: (東の魔法少女…)
  94. 樹里: (そういや神浜では東西で 抗争があったんだっけか)
  95. 樹里: (姉さんが神浜と手を組むとは 思えねーし…)
  96. 樹里: (下っ端の誰かが独断専行… いや、ねーか)
  97. 樹里: (単なるデタラメか? それとも…)
  98. 樹里: って、ことなんだが…
  99. 時雨&はぐむ: …………
  100. 時雨: …ぼくたちも一応 東の魔法少女…
  101. 時雨: 神浜の東側出身の魔法少女たちが 集まってるだけ…
  102. はぐむ: 私たちも昔はグループにいたけど 今はほとんど交流はない…かな
  103. 樹里: 今でも東と西の魔法少女は 対立してんのか?
  104. 時雨: …それは多分、ない
  105. はぐむ: 過去に対立していたことは 事実だけど…
  106. 時雨: …………
  107. 樹里: ふーん…
  108. 樹里: ま、樹里サマとお前らが 一緒にいるところを見られて…
  109. 樹里: 勘違いされたのかもしれねーな
  110. 樹里: じゃ、樹里サマは 帰るわ
  111. 時雨: …えっ もう、いいの…?
  112. 樹里: まあ、ジュース代くらいの 情報は貰ったからな
  113. 樹里: ドリンクバー… 1000円くらいで足りるだろ
  114. 樹里: ほら、これで払っときな じゃあな
  115. 時雨&はぐむ: …………
  116. はぐむ: …これだけで良かったのかな?
  117. 時雨: …………
  118. 時雨: ねえ、はぐむん
  119. 時雨: また東と西が対立する なんてことはないよね…?
  120. はぐむ: え? 多分、ないと思うけど…
  121. はぐむ: …………
  122. はぐむ: 東側のみんなは、全員ユニオンの 考え方に賛同してるのかな?
  123. 時雨: …どういうこと?
  124. はぐむ: 仕方なく所属してるけど 内心良く思ってない人もいるかも
  125. 時雨: …ぼく、嫌だよ また神浜で争いが起こるの…
  126. はぐむ: …うん
  127. はぐむ: ねえ、時雨ちゃん 確かめに行かない…?
  128. 時雨: …どうやって?
  129. はぐむ: 東の魔法少女みんなの事情に 詳しい人に聞きにいくとか…
  130. 時雨: それって…
  131.  
  132. 207201-3_yjycs
  133. 時雨: …ここら辺だよね
  134. はぐむ: …うん、多分そうだと思うけど…
  135. 時雨: …ねえ、やっぱりやめようよ…
  136. はぐむ: ええっ!? ここまで来たのに…
  137. 時雨: だって、こういうお店… 初めてだし…
  138. 時雨: なんか、緊張する…
  139. はぐむ: わ、私だってそうだよぉ…
  140. 時雨: …それに 今更、どんな顔して会えば…
  141. はぐむ: …そうだね
  142. 十七夜の声: む、君たち
  143. 時雨&はぐむ: ――っ!?
  144. 十七夜: こんなところで奇遇だな
  145. 時雨: 十七夜さん…
  146. はぐむ: あ、あの…
  147. 十七夜: ん、どうした?
  148. はぐむ: ちょっと、十七夜さんに お話があって…
  149. 十七夜: …………そうか
  150. 十七夜: 話というのは 簡潔に済ませられるか?
  151. 時雨: えっと… そうでもない、かも
  152. 十七夜: それなら… ふたりともついてこい
  153. 十七夜: では、改めて…
  154. 十七夜: おかえり、ご主人 お前たちの帰還、嬉しいぞ
  155. 十七夜: 気兼ねなく好きな席に 座るといい
  156. 時雨&はぐむ: …………
  157. 十七夜: む、メイド喫茶は初めてか?
  158. 十七夜: この店では、客を主人として もてなす決まりだ
  159. はぐむ: え、えっと… 私が知ってるのと少し違って…
  160. 時雨: それで怒られないの…?
  161. 十七夜: 評判は悪くないらしいがな
  162. 十七夜: …で、話とはなんだ?
  163. 時雨: …気になる噂が…
  164. 十七夜: …なるほど、東の魔法少女と プロミストブラッドが…
  165. はぐむ: マギウスの翼に入ったりしてた 私たちが言えた立場じゃないけど
  166. はぐむ: でも東西の問題になるのは嫌で 少し、気になったんです…
  167. はぐむ: 裏でこっそり繋がってる子とか いないですか…?
  168. 十七夜: そうだな 可能性はゼロではないが…
  169. 十七夜: 自分が知る限り そのような事実はない
  170. 時雨: …本当?
  171. 十七夜: 今の東の魔法少女たちが…
  172. 十七夜: わざわざユニオンを 裏切るメリットは薄い
  173. 十七夜: それに、知っているだろう?
  174. 十七夜: 自分の眼を誤魔化すのは 容易いことではない
  175. はぐむ: それは、そうでしょうけど…
  176. 時雨: …………
  177. 十七夜: …ふむ
  178. 店長の声: なぎたん! ちょっとお願い!
  179. 十七夜: おっと…いつの間にか ご主人たちも増えてきているな
  180. 十七夜: …お前たち 明日、明後日の時間はあるか?
  181. 時雨: …空いてはいる、けど…
  182. 十七夜: だったら自分に付き合ってくれ 集合場所は後で連絡する
  183. はぐむ: あ、あの…何を…
  184. 十七夜: これをやるから ゆっくり楽しんでくれ
  185. 十七夜: ではな
  186. 時雨: 行っちゃった…
  187. はぐむ: …………
  188. 時雨: はぐむん、なに貰ったの?
  189. はぐむ: このお店のクーポン券…
  190.  
  191. 207202-1_m8d0o
  192. <翌日>
  193. 時雨: 十七夜さん… こんなところに呼び出して…
  194. 十七夜: …のこのことやってきたな
  195. 十七夜: 我々を裏切った罪… その代償を支払ってもらおう!
  196. 時雨: (…なんてことになったり)
  197. はぐむ: 大丈夫、時雨ちゃん? ちょっと顔色悪いような…
  198. 時雨: 大丈夫… ちょっと緊張してるだけ
  199. 時雨: …十七夜さん、ぼくたちを 呼び出して何するつもりだろ
  200. はぐむ: …わかんない
  201. はぐむ: なんだか機嫌は良さそう だったけど…
  202. 十七夜: む、待たせてしまったか?
  203. 時雨: あ…
  204. はぐむ: い、いえ… 今来たところですから
  205. 十七夜: それはよかった では早速行こう
  206. 時雨: …どこに?
  207. 十七夜: 言ってなかったか? あいさつ回りだ
  208. 十七夜: 東の魔法少女たちのもとを 巡ろうと思う
  209. はぐむ: それって、私たちも一緒に 行かなきゃダメなんですか…?
  210. 十七夜: むしろお前たちがいないと 意味がない
  211. 十七夜: 黙っていなくなった上に ふらっと帰ってきたんだぞ
  212. 十七夜: 東の魔法少女たちに 挨拶くらいはした方が良いだろう
  213. 時雨: …………
  214. 十七夜: …君たちが持ち込んだ 噂の真相を確かめる意味もある
  215. 十七夜: 東の魔法少女たちが 寝返っているか否か…
  216. 十七夜: 自分の眼で見たほうが 安心できるだろう?
  217. 時雨: それは、そうだけど…
  218. 十七夜: よし、では行くぞ ここからいちばん近いのは…
  219. 十七夜: 眞尾君 邪魔するぞ
  220. 眞尾 ひみか: いらっしゃい、十七夜さん! っと…
  221. 眞尾 ひみか: おおっ、はぐむさん! それに時雨ちゃんまで!
  222. 眞尾 ひみか: すっごく久しぶりだよね?
  223. 時雨&はぐむ: …………
  224. 眞尾 ひみか: あれ、覚えてない? 何回か一緒に戦ったんだけど
  225. 時雨: …………
  226. 眞尾 ひみか: 同い年の魔法少女って 東にあんまりいなかったしさ
  227. 眞尾 ひみか: 突然いなくなって 心配してたんだけど…
  228. 眞尾 ひみか: 無事だったんだね いやー、よかったよかった
  229. 時雨: …………なんで
  230. 眞尾 ひみか: で、十七夜さん? 今日は一体なんの用事で?
  231. 十七夜: 宮尾君と安積君の あいさつ回りと…
  232. 十七夜: ちょっと聞きたい ことがあってな…
  233.  
  234. 207202-2_m8d0o
  235. 十七夜: さあ、時間は有限だ どんどん行くぞ
  236. 観鳥 令: おや…宮尾ちゃんに、はぐむさん
  237. 観鳥 令: 珍しいね 十七夜さんと一緒なんて
  238. 観鳥 令: ああ… ユニオンに入ったんだもんね
  239. 観鳥 令: 同じ元羽根同士、 仲良くやっていこう
  240. 観鳥 令: 改めてよろしく
  241. 相野 みと: い、生きてたの!? 良かった~…
  242. 伊吹 れいら: 言ったでしょ
  243. 伊吹 れいら: はぐむさんが魔女に やられるはずないって
  244. 相野 みと: れいらだって 心配してたでしょ?
  245. 伊吹 れいら: それは… 心配くらいするよ
  246. 桑水 せいか: …………
  247. 千秋 理子: はぐむさん、時雨さん! お久しぶりです!
  248. 千秋 理子: 最近見ないなって 思ってたんですけど…
  249. 千秋 理子: 元気そうで何よりです!
  250. 千秋 理子: またうちでも買い物を していってくださいね
  251. マメジ: ワンッ!
  252. 十七夜: …ふむ、ひとまず近場は 回り終えたか
  253. 十七夜: あとは、明日だな
  254. 時雨&はぐむ: …………
  255. 十七夜: どうした?
  256. 時雨: …どうして、みんな…
  257. はぐむ: 私たちは 東のみんなを裏切ったのに…
  258. 十七夜: ふう…安積君も 大分魔女退治に慣れてきたな
  259. はぐむ: い、いえ… 私なんて、まだまだで…
  260. 十七夜: もっと自信を持っていい 安積君の固有魔法は魔女に有効だ
  261. 十七夜: 心配なら、明日も一緒に 魔女退治をするか?
  262. はぐむ: あ、明日は…その…
  263. 十七夜: …何か用事か?
  264. はぐむ: い、いえ!  そういうわけでは…
  265. はぐむ: (…ごめんなさい、 明日にはもうマギウスの翼に…)
  266. 時雨: …マギウスの翼 解体だって…
  267. はぐむ: …これから、どうしようか
  268. はぐむ: また、東のグループに 戻った方がいいのかな…?
  269. 時雨: …そんなこと、できないよ 今更どんな顔して…
  270. はぐむ: そう…だね…
  271. 時雨: …なんでみんな…
  272. 時雨: ぼくたちのこと 責めないの?
  273. はぐむ: みんなに優しくされる 資格なんてないのに…
  274. 十七夜: …ふむ
  275. 十七夜: 確かに君たちは 自分や、仲間たちに黙って
  276. 十七夜: マギウスの翼に加入した
  277. 十七夜: そのこと自体を責める つもりはないが…
  278. 十七夜: 我々を心配させたことには 違いないな
  279. 十七夜: …なあ、安積君 ちょっとこっちへ来てくれ
  280. はぐむ: …なんですか?
  281. 十七夜: えい
  282. はぐむ: きゃっ!?
  283. はぐむ: な、なんで突然デコピン…?
  284. 十七夜: いや、ちょうどいい位置に オデコがあったのでな
  285. 十七夜: さあ宮尾君 次は君だ
  286. 時雨: えっ、あ…
  287. 十七夜: …………
  288. 時雨: …………
  289. 時雨: ま、まだ…?
  290. 十七夜: 隙あり
  291. 時雨: あうっ!?
  292. 十七夜: ふっ… 油断大敵だぞ、宮尾君
  293. 時雨: …いじわる
  294. 十七夜: さあ、これで贖罪は済んだ
  295. はぐむ: …えっ?
  296. 十七夜: 東のリーダーである自分が 手ずから罰を与えたんだ
  297. 十七夜: 君たちはもう 責められるいわれはない
  298. 十七夜: だから心置きなく ユニオンの皆と仲良くしてくれ
  299. 時雨: …………
  300. 時雨: (別に、ぼくは 慣れ合いなんてしたくない…)
  301. はぐむ: (私は…ユニオンに 入りたいんじゃなくて)
  302. はぐむ: (魔法少女至上主義を…)
  303. 時雨&はぐむ: …………
  304. 十七夜: …ふむ
  305. 十七夜: すぐに気持ちを切り替えられる ものでもないか
  306. 十七夜: …ちょっと失礼するぞ
  307. はぐむ: …?
  308. 十七夜の声: …もしもし、自分だ ちょっと力を貸してほしくてな…
  309.  
  310. 207202-3_m8d0o
  311. 十七夜: さて… お集まりいただき感謝する
  312. 十七夜: 皆に知恵を借りたい
  313. 十七夜: 宮尾君と安積君の…
  314. 十七夜: お帰りなさい会を 開催しようと思う!
  315. 十七夜: どんな内容にすれば 良いだろうか?
  316. はぐむ: …えっ? あの、十七夜さん…!
  317. 時雨: そんなの頼んでないし… ぼくたちがいる意味も…
  318. 十七夜: せっかくだし君たちの意見も 取り入れようと思ってな
  319. 相野 みと: はーい、なぎたん! お帰りなさい会って何?
  320. 十七夜: 今回は、懇親会みたいなもの だと思ってくれればいい
  321. 桑水 せいか: 懇親会…
  322. 伊吹 れいら: 大人は居酒屋とかで やるって聞くけど…
  323. 伊吹 れいら: 私たちなら ファミレスとか?
  324. 十七夜: ふむ…それが妥当か
  325. 眞尾 ひみか: はい、はーい! 問題があると思います!
  326. 十七夜: む、問題とは?
  327. 眞尾 ひみか: ファミレスは… お金がかかる!
  328. 十七夜: …………
  329. 十七夜: 確かに!
  330. はぐむ: あ、あの… だったら無理しなくても…
  331. 伊吹 れいら: それじゃあ…
  332. 伊吹 れいら: ケータリングとかなら もうちょっと安くなるかも…
  333. 相野 みと: ケータリング?
  334. 桑水 せいか: 出前というか… 料理の仕出しを頼むみたいな…
  335. 眞尾 ひみか: 私、お金これしかないんだけど… ケータリング、足りる?
  336. 伊吹 れいら: …………
  337. 相野 みと: おおっ、小銭がたくさん
  338. 桑水 せいか: …ちょっと厳しいかも
  339. 十七夜: …では料理は手作りして 誰かの家でやるか
  340. 眞尾 ひみか: 誰の家で?
  341. 十七夜: …すまないが、ウチは無理だな
  342. 十七夜: こんな人数は 入らないだろう
  343. 伊吹 れいら: 私たちも無理だよね…
  344. 眞尾 ひみか: ウチはいけるよ! 立ち食いになるけど!
  345. 時雨: (だから 無理にやらなくても…)
  346. 相野 みと: あっ、公園とかで やるのはどうかな?
  347. 眞尾 ひみか: おおっ、ピクニックだね!
  348. 十七夜: なるほど、その手があったか
  349. 十七夜: では、善は急げだ… 早速準備を始めるぞ!
  350. みんな: おおーっ!
  351. 時雨: …ねえ、はぐむん…
  352. はぐむ: …うん、なんかもう 断れる雰囲気じゃないね…
  353.  
  354. 207202-4_m8d0o
  355. 十七夜: それでは…
  356. 十七夜: お帰りなさい会に向けて 班分けを発表する!
  357. 十七夜: まずは、お菓子班!
  358. れいら&せいか: はい!
  359. 相野 みと: はぐむさんもだよ~
  360. はぐむ: えっ、私…?
  361. 十七夜: 君たちにはお菓子作りと そのための材料購入を頼みたい!
  362. 眞尾 ひみか: あっ、それからこのメモのもの 買ってきて!
  363. 伊吹 れいら: …卵、もやし… 何これ?
  364. 眞尾 ひみか: 眞尾家のお買い物メモ 今日卵特売だから、お願い!
  365. 伊吹 れいら: う、うん…!
  366. 十七夜: 残りの自分、眞尾君、宮尾君は お料理班だ
  367. 時雨: ぼくも、はぐむんと一緒に…
  368. 十七夜: それでは行動開始だ! 散っ!
  369. 時雨: だから、ぼくもはぐむんと… …ねえ、聞いて…
  370. 眞尾 ひみか: それじゃあ材料集めから 始めるよ
  371. 眞尾 ひみか: この葉っぱを摘んでね 人数も多いからたくさん!
  372. 十七夜: いいのか勝手に摘んで
  373. 眞尾 ひみか: ちゃんと土地の所有者に 許可取ってるから大丈夫!
  374. 時雨: …………
  375. 時雨: (…なんで、ぼくまで…)
  376. 時雨: (はぁ、適当にやればいいかな)
  377. 時雨: (特徴的な葉っぱだし ざっと目星をつけて…)
  378. 眞尾 ひみか: あ、時雨ちゃん! そっち側にはあんまりないかも
  379. 眞尾 ひみか: こないだ摘んじゃったから
  380. 時雨: (…日常的に野草食べてるんだ)
  381. 眞尾 ひみか: 柔らかい葉っぱのほうが 美味しいから
  382. 眞尾 ひみか: そういうの狙ってこう!
  383. 時雨: (…鬱陶しい なんで話しかけてくるんだろ)
  384. 時雨: (無視しよ…)
  385. 眞尾 ひみか: おっ、時雨ちゃん 摘むのうまいね
  386. 時雨: …………別に、普通
  387. 眞尾 ひみか: いやいや なかなかいいペースだよ!
  388. 眞尾 ひみか: 才能あるって!
  389. 時雨: …野草摘みの才能とか あっても、嬉しくない…
  390. 眞尾 ひみか: えー、だったら私に欲しいな ねっ、十七夜さん
  391. 十七夜: む? 自分は特に欲しくないが
  392. 眞尾 ひみか: えーっ!?
  393. 十七夜: 野草を食べるよりは バイトをする方が効率的だ
  394. 眞尾 ひみか: あー、そっか…
  395. 眞尾 ひみか: 私も早く高校生になって バイトしたいな
  396. 眞尾 ひみか: ねえ、時雨ちゃんは どんなバイトしたい?
  397. 時雨: …ぼくは、別に…
  398. 時雨: …でも、じいじがやってる仕事は ちょっと興味ある
  399. 眞尾 ひみか: 時雨ちゃんのおじいちゃんって 何やってる人?
  400. 時雨: システムエンジニア
  401. 眞尾 ひみか: おー! よくわかんないけどカッコイイ!
  402. 時雨: …………
  403. 十七夜: ふたりとも、口よりも手を 動かさないと
  404. 十七夜: 日が暮れてしまうぞ
  405. 眞尾 ひみか: おっと、そうだった!
  406. 眞尾 ひみか: よーし、張り切って 終わらせるぞー!
  407. 眞尾 ひみか: ね、時雨ちゃん!
  408. 時雨: …うん
  409.  
  410. 207202-5_m8d0o
  411. はぐむ: えっと…どこから行こうか?
  412. 伊吹 れいら: まずは製菓コーナーかな?
  413. 相野 みと: それより先にひみかちゃんの おつかい済ませちゃわない?
  414. 伊吹 れいら: あっ、卵特売とか 言ってたもんね
  415. 桑水 せいか: 売り切れたら大変…!
  416. 伊吹 れいら: せいか、買い物メモ出して
  417. 桑水 せいか: メモなら、みとに渡して…
  418. 相野 みと: あれ?
  419. 桑水 せいか: …どうしたの?
  420. 相野 みと: ない… メモ、なくしちゃった…!
  421. 伊吹 れいら: えーっ!?
  422. 相野 みと: ごめんね~…
  423. 桑水 せいか: だ、大丈夫…! なんとか記憶を頼りに…
  424. 伊吹 れいら: えっと…卵は確定で… あとは、もやし?
  425. 相野 みと: うん、もやしは書いてあったよね それから~…
  426. はぐむ: (…仲いいな)
  427. はぐむ: (失敗しても助け合う… こういう関係性いいなぁ)
  428. 伊吹 れいら: はぐむさん! メモの内容覚えてませんか?
  429. はぐむ: わ、私…? えっと、えっと…
  430. はぐむ: …あっ ひみかちゃんに連絡して聞けば…
  431. 相野 みと: おお~っ! その手が!
  432. 伊吹 れいら: はぐむさん、すごい!
  433. はぐむ: あ、あはは…大げさだよ
  434. 桑水 せいか: …………
  435. はぐむ: (…あれ?)
  436. はぐむ: (なんか… にらまれてる、ような)
  437. はぐむ: (私、会話にも 参加してなかったし…)
  438. はぐむ: (買い物サボってるように 見えてたとか…?)
  439. はぐむ: え、えっと… 手分けして買うもの集めよっか
  440. はぐむ: 私、あっちのほう 探してくるから…
  441. はぐむ: 持ってきたよ 生クリームと、牛乳と…
  442. 伊吹 れいら: あれ? それ、牛乳じゃなくて…
  443. 伊吹 れいら: 飲むヨーグルトじゃないですか?
  444. はぐむ: えっ?
  445. はぐむ: あっ、本当だ…! すぐに戻してくるから…
  446. 相野 みと: あ、この飲むヨーグルト好き 美味しいんだよ
  447. 相野 みと: お帰りなさい会の飲み物に 買っていかない?
  448. 伊吹 れいら: えー、普通の炭酸とかにしようよ
  449. 相野 みと: 普通のも買って 飲むヨーグルトも買う
  450. 桑水 せいか: 乾杯は飲むヨーグルトで…
  451. 相野 みと: きっとなぎたんが つっこんでくれるよ
  452. 相野 みと: 「むっ…これは、飲むヨーグルト じゃないか!」って
  453. 伊吹 れいら: あはは、全然似てない
  454. はぐむ: (ふ、ふふ…似てない…)
  455. はぐむ: 結構買っちゃったね…
  456. 伊吹 れいら: お菓子たくさん作るから 楽しみにしててくださいね
  457. はぐむ: ふふ、ありがとう
  458. 桑水 せいか: …………
  459. はぐむ: (…あれ、またにらまれてる?)
  460. はぐむ: (…仕方ない、よね)
  461. はぐむ: (私は、東のみんなを 裏切ったようなものだし…)
  462. はぐむ: (許してくれない人がいるのは 当然だよね…)
  463.  
  464. 207203-1_dZP9X
  465. <翌日>
  466. 時雨: はぁ…
  467. はぐむ: 時雨ちゃん… なんか疲れた顔してない?
  468. 時雨: …気乗りしないだけ
  469. 時雨: ぼくは、ユニオンの人たちと 慣れ合うつもりはないのに…
  470. 時雨: …お帰りなさい会とかも 別に、頼んでないのに…
  471. はぐむ: 本当に嫌なら… 今からでも帰ろうか?
  472. 時雨: …そこまでしなくていいよ
  473. 時雨: 逃げちゃったりしたら…
  474. 時雨: また十七夜さんに デコピンされそう…
  475. 時雨: …ん?
  476. ひみかの声: あー、いたいた!
  477. 眞尾 ひみか: 勝手に行っちゃダメでしょ!
  478. ひみかの妹: はーい!
  479. 眞尾 ひみか: ほら、ふたりともお礼言って!
  480. 眞尾 ひみか: たくさんの山菜と特売卵を 食べられるのは…
  481. 眞尾 ひみか: この人たちのおかげだからね!
  482. ひみかの妹&弟: ありがとー!
  483. はぐむ: あの、その…どういたしまして?
  484. 十七夜の声: 皆、来ているな
  485. 十七夜: お菓子班の面々も そろそろ到着すると連絡があった
  486. 十七夜: お帰りなさい会の セッティングを始めよう
  487. 十七夜: みんな、飲み物は持ったか?
  488. 十七夜: それでは宮尾君と安積君の 復帰を祝して…
  489. 十七夜: 乾杯
  490. みんな: 「乾杯!」
  491. ひみかの弟: はぐむ姉ちゃん、おんぶー!
  492. ひみかの妹: 私もー!
  493. はぐむ: えっと、順番ね…!
  494. 時雨: …はぁ
  495. 眞尾 ひみか: ごめんねー、弟と妹うるさくて
  496. 時雨: …別に、いいけど…
  497. 眞尾 ひみか: 今日、父ちゃん仕事だからさ
  498. 眞尾 ひみか: 末の妹たちだけで留守番させるの 不安だし、連れてきちゃった
  499. 時雨: …お母さんは?
  500. 眞尾 ひみか: あはは、うち母ちゃんいないから
  501. 時雨: あっ、その… ごめんなさい
  502. 眞尾 ひみか: いやいや、気にしないで!
  503. 眞尾 ひみか: 同情されたくて 言ったわけじゃないし!
  504. 眞尾 ひみか: それに、珍しいことでも ないと思うからね
  505. 時雨: そうだね うちも…父、いないし…
  506. 眞尾 ひみか: …………
  507. 眞尾 ひみか: そっか、そうなんだ
  508. 時雨: うん、そう
  509. 時雨: 父はいないけど… 母とじいじがいるから
  510. 眞尾 ひみか: うちも、母ちゃんいないけど…
  511. 眞尾 ひみか: 父ちゃんと、 弟と妹が6人いるからね!
  512. 時雨: 6人も…!?
  513. 眞尾 ひみか: 家族の形なんて それぞれだー!
  514. 時雨: …そうだね
  515. ひみかの妹: もっかい! ぐるぐるーってやつやって!
  516. ひみかの弟: つぎ、僕も!
  517. はぐむ: ちょ、ちょっと待って… 休憩を…
  518. ひみかの弟: えー!
  519. 伊吹 れいら: はーい、そろそろ お菓子はいかがですかー?
  520. 相野 みと: 早い者勝ちだよ~
  521. ひみかの妹&弟: わーい!
  522. はぐむ: (ふぅ…子どもは可愛いけど… 疲れるなぁ…)
  523. はぐむ: …あれ?
  524. はぐむ: (また、にらまれてる… 私、なんかしちゃったかな…)
  525. 桑水 せいか: …あ、あの…!
  526. はぐむ: は、はいっ! なんでしょうか…?
  527. 桑水 せいか: これ…どうぞ クッキーです
  528. はぐむ: は、はぁ… ありがとうございます
  529. はぐむ: (…うう、見られてる 食べにくいなぁ…)
  530. 桑水 せいか: どうですか?
  531. はぐむ: 美味しいです…
  532. 桑水 せいか: …………
  533. はぐむ: …………
  534. 桑水 せいか: …モノマネします
  535. はぐむ: (えっ!? な、なんで…?)
  536. 桑水 せいか: 「飲むヨーグルトを 堪能する和泉十七夜」
  537. 桑水 せいか: 『乾杯』
  538. 桑水 せいか: 『…むっ、これは …………おかわり』
  539. はぐむ: (び、微妙に似てるような 似てないような…)
  540. 桑水 せいか: …………続きまして
  541. はぐむ: (続くの!?)
  542. れいらの声: あーっ!
  543. 伊吹 れいら: お笑いはやめとこうって 言ったのに…
  544. 桑水 せいか: だって…間が、持たなくて…
  545. 伊吹 れいら: なおさら気まずい空気に なるだけだって言ったでしょ
  546. はぐむ: …?
  547. 伊吹 れいら: ごめんなさい… せいか、緊張症で…
  548. 桑水 せいか: はぐむさんとお話し してみたかったんですけど…
  549. 桑水 せいか: 切っ掛けが、つかめなくて…
  550. はぐむ: …もしかして、私を にらんでたのも…?
  551. 桑水 せいか: そ、そんなつもりは…
  552. 桑水 せいか: 私、緊張すると 顔が恐くなっちゃうので…
  553. はぐむ: (…そっか、そうだったんだ…)
  554.  
  555. 207203-2_dZP9X
  556. 時雨: …ねえ、はぐむん
  557. はぐむ: なに、時雨ちゃん
  558. 時雨: …今日は、いい天気だよね
  559. はぐむ: そうだね、お昼寝したく なっちゃうくらい…
  560. 時雨: …こんな日がずっと続けば いいのにね
  561. 十七夜: ふたりとも 楽しんでるか?
  562. はぐむ: あっ、十七夜さん…
  563. 十七夜: その表情を見る限り お気に召したようだな
  564. はぐむ: …その、思ったよりは
  565. 時雨: ぼくは、別に…
  566. 十七夜: …………
  567. 十七夜: 君たちがいなくなってから…
  568. 十七夜: 東の魔法少女たちの雰囲気も ずいぶん変わった
  569. 十七夜: 神浜全体の東西問題が 落ち着いてきたこと
  570. 十七夜: そして神浜マギアユニオンが 結成されたことで…
  571. 十七夜: 皆の心に ゆとりが生まれた
  572. 時雨: …それはおかしいと思う
  573. 十七夜: む、どういうことだ?
  574. 時雨: 神浜は今、キモチの石を 巡る争いの最中
  575. 時雨: その戦いの規模は 東西の戦い以上だと思う…
  576. 時雨: ユニオン所属の魔法少女たちが 平穏に過ごせているはずがない
  577. 十七夜: …それに関しては まあ色々事情があるんだがな
  578. 十七夜: 結論から言えば…
  579. 十七夜: ユニオンの魔法少女の大半は 戦いに参加していない
  580. はぐむ: えっ…どうして…
  581. 十七夜: 不要な負傷者を減らすことが 目的だな
  582. 十七夜: そもそも、魔法少女たちが ユニオンに参加しているのは…
  583. 十七夜: 戦うためではない
  584. 十七夜: 解放を進めながら支え合う 互助組織である以上
  585. 十七夜: 不服な者が増えると それこそ瓦解する
  586. 時雨: …甘い考え
  587. 十七夜: ああ、同感だな
  588. 十七夜: だが同時に自分は、 これで良かったとも思っている
  589. 十七夜: …ほら、見てみろ
  590. 十七夜: 皆、ずいぶん柔らかい表情を するようになったと思わないか?
  591. 眞尾 ひみか: 余ったお菓子 持って帰っていいですか?
  592. 眞尾 ひみか: 美味しかったんで 父ちゃんに食べさせたくて!
  593. 伊吹 れいら: ふふ、いいけど…
  594. 伊吹 れいら: 日持ちしないから 早めに食べてね
  595. 眞尾 ひみか: やったー! 待ってろよ父ちゃん!
  596. 伊吹 れいら: どっから出したの そのタッパー!?
  597. ひみかの弟: ねえ、せいか姉ちゃん もっかい!
  598. ひみかの妹: もっかいやってー!
  599. 桑水 せいか: 「一発芸…」
  600. 桑水 せいか: 「怖い顔!」
  601. ひみかの妹&弟: きゃーっ!
  602. 相野 みと: やったね 大ウケだよ!
  603. 桑水 せいか: …こんなにウケるとは 思わなかった…
  604. 十七夜: 東の魔法少女たちは
  605. 十七夜: なんらかの事情を 抱えているものも多い
  606. 十七夜: 皆、長所もあれば 欠点もある
  607. 十七夜: だからこそ 互いを認め、尊重し合う…
  608. 十七夜: そんな雰囲気が 出来上がっているんだ
  609. 時雨&はぐむ: …………
  610. 十七夜: だから君たちも、安心して 東のコミュニティに戻ってこい
  611. はぐむ: 十七夜さん…
  612. 十七夜: …さて、そろそろ自分も 眞尾君の弟妹の相手に行くか
  613. 時雨: …………
  614. 十七夜: ふっ、こう見えても子守は なかなかのものなんだぞ
  615. 十七夜: 弟がいるからな
  616. はぐむ: …ねえ、時雨ちゃん 十七夜さん、優しくなった?
  617. 時雨: …十七夜さんは 昔から優しかった
  618. 時雨: みんなに平等に優しくて 平等に厳しかった
  619. 時雨: だからこそ…
  620. 時雨: ぼくたちのために、こんなに 時間を割いてくれるのが意外
  621. はぐむ: …そうだね
  622. はぐむ: きっとこの光景を…
  623. はぐむ: 私たちに、本当に 見せたかったんだと思う
  624.  
  625. 207203-3_dZP9X
  626. 樹里: よぉ
  627. 時雨&はぐむ: …………
  628. 樹里: 相変わらず時間通りに来て いじらしいな、オイ
  629. 時雨: 突然呼び出して… 今日はなんの用?
  630. 樹里: お前らに聞きたいことが あってな
  631. 樹里: 東側の情勢はどうだった? どうせ調べに行ったんだろ
  632. はぐむ: ――っ!?
  633. はぐむ: な、なんで、それを…
  634. 時雨: …ぼくたちのこと 見張ってたの?
  635. 樹里: んな面倒なことするかよ
  636. 樹里: 前に会ったとき 不安そうな顔してたからな
  637. 樹里: 肝っ玉の小さいお前らは…
  638. 樹里: どうせ調べに行くだろうと 思ってカマかけただけだ
  639. はぐむ: …………
  640. 樹里: で、どうなんだ?
  641. 樹里: 樹里サマたちと手を組むって 噂が流れるくらいだ…
  642. 樹里: 内部で対立のひとつやふたつ あったんじゃないか?
  643. 時雨: …今の神浜に 東西関係で付け入る隙は無い
  644. 樹里: …は? そりゃ意外だな
  645. はぐむ: 神浜マギアユニオンという グループの中で…
  646. はぐむ: 強く結束してるみたいで…
  647. 樹里: …期待してなかったとはいえ つまんねーな
  648. 樹里: 人数ばっかり多い神浜を崩す…
  649. 樹里: 隙のひとつくらいは あるはずだろ
  650. 樹里: おい、他なんかねーか? 有益そうな話ならなんでもいい
  651. はぐむ: …ねえ、時雨ちゃん…
  652. はぐむ: 神浜マギアユニオンが怪我人を 出さないように
  653. はぐむ: 少人数で動いてるって話…
  654. 時雨: …うん
  655. 時雨: 間違いなく「有益な話」 だと思う…
  656. 時雨: プロミストブラッドは…
  657. 時雨: ユニオンの人数の多さを 警戒してるみたいだし…
  658. はぐむ: だったら…話す?
  659. 時雨: …………
  660. はぐむ: 隠したら、私たち…
  661. 時雨: …………
  662. 時雨: …特に有益な情報はないよ
  663. はぐむ: …………
  664. 樹里: …本当か?
  665. 樹里: 隠したらウェルダン程度じゃ すまねーぞ
  666. 時雨: ほ、本当だよ…
  667. 時雨: ぼくたちは、もともと 他のグループだったし…
  668. 時雨: 実力もないから ろくな情報も貰えない…
  669. はぐむ: う、うん… 私たち、弱いから…
  670. 樹里: はー…仕方ないっつーか 予想しとくべきだったっつーか…
  671. 樹里: ま、ないもんはしゃあねえか
  672. 樹里: 何度も呼び出して悪かったな
  673. 時雨: …………
  674. 樹里: 樹里サマは帰るぜ じゃあな
  675. 樹里: …あ、そうそう
  676. 樹里: 念のため もっかい言っとくが…
  677. 樹里: 樹里サマたちの邪魔に なるようなことだけは
  678. 樹里: 絶対にするんじゃねーぞ いいな?
  679. はぐむ: …はい、わかりました
  680. 時雨&はぐむ: …………
  681. 時雨: はー…誤魔化せた…
  682. はぐむ: …燃やされちゃうかと思った…
  683.  
  684. 207203-4_dZP9X
  685. はぐむ: …ねえ、時雨ちゃん
  686. はぐむ: ユニオンの情報… さっき、なんで話さなかったの?
  687. 時雨: …………
  688. 時雨: 前に一度ウソをついて あざむくことできたから…
  689. 時雨: 今回も大丈夫だと思って…
  690. はぐむ: …………
  691. 時雨: 話したほうがぼくたちに 有利になる可能性はあった…
  692. 時雨: ユニオンの弱みを流して…
  693. 時雨: 争いが大きくなった どさくさに紛れて
  694. 時雨: ネオマギウス再興、とか
  695. はぐむ: …それは思いつかなかったかも…
  696. 時雨: …もし思いついてたら
  697. 時雨: はぐむんだったら 樹里さんに話してた?
  698. はぐむ: 私も、話さなかったと思う…
  699. 十七夜: 皆、長所もあれば 欠点もある
  700. 十七夜: だからこそ 互いを認め、尊重し合う…
  701. 十七夜: そんな雰囲気が 出来上がっているんだ
  702. 時雨&はぐむ: …………
  703. 十七夜: だから君たちも、安心して 東のコミュニティに戻ってこい
  704. はぐむ: 私たちが話したせいで
  705. はぐむ: 関係ない魔法少女まで 争いに巻き込まれるのは…
  706. 時雨: …そう、だね あんまりいい気分じゃない
  707. 時雨: ねえ、はぐむん
  708. 時雨: ぼく、もう少しの間 ユニオンにいるのも…
  709. 時雨: ありかな、って思う
  710. 時雨: 態勢が整うまでは ユニオンに所属しながら…
  711. 時雨: 機をうかがうべき なんじゃないかって
  712. はぐむ: …うん、私もそう思う
  713. はぐむ: ユニオンにも魔法少女至上主義の 考えに賛同してくれる人も…
  714. はぐむ: いるかもしれないし
  715. 時雨: …そうだね
  716. ピロン♪
  717. 時雨: メッセージ… …また、環いろはからだ…
  718. はぐむ: なんだって?
  719. 時雨: お食事会のお誘い… しつこい…
  720. 時雨: ねえ、はぐむんにも メッセージいってない?
  721. はぐむ: えっ?
  722. はぐむ: あっ、来てる… 多分同じ内容…
  723. 時雨: …ぼく、環いろは嫌いだから はぐむん返事しておいて
  724. はぐむ: え、えっと… 参加しないの?
  725. 時雨: …………
  726. 時雨: 形だけだとしてもユニオンに 参加してるんだし
  727. 時雨: 友好な態度を示したほうが 得策だよね…
  728. はぐむ: …ふふ、そうだね
  729. はぐむ: それじゃあ 「ふたりで参加します」って
  730. はぐむ: 返事しておくね
  731. 時雨: うん、お願いはぐむん
Add Comment
Please, Sign In to add comment