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Mar 29th, 2018
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  1. "I wrote the review last year around November. But the CM分析 is more recent."
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  5. Book review for 四畳半神話大
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  8. 1.はじめに
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  10. 『四畳半神話大系』は森見登美彦による日本の小説である。書き下ろしで太田出版より2005年1月5日に刊行された。ある男の大学生活に焦点が置かれ、周りとの関係が描かれる作品だ。一人の選択肢だけで物語の展開がどれほど変わるかがわかる本だ。1話1話に出てくるエピソードを分析することで、人生の大切さが見えてくる。
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  13. 2.登場人物
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  15. 物語の主人公。文学を勉強しているが、本に読み耽るせいで、よく授業をサボる。自分に訪れる不幸や災厄の全ては小津に起因していると思っている。自意識が高く、「紳士的態度」に拘りがあって、性急に行動に出ることを恐れている。自ら自分の成長を阻む場面が多く、第4章までにはその事実に気づかず、全く懲りていない。
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  17. 小津
  18. 「私」の仇敵であり、親友でもある。妖怪と間違われても無理はないほど不気味な顔をしている男。色々な組織に所属していて、バブル時代の大学生のごとく、授業に行かず、本人なりに充実した薔薇色のキャンパスライフを送っている。「私」を事件に巻き込む場面が多い。ちょっかいを出すたびに「僕なりの愛ですわい」というセリフを言う。
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  20. 明石
  21. 「私」と小津の後輩。冷酷無慈悲な考え方を持っているだけに、工学部に属している女性。美貌の持ち主で、「私」に惚れられている。樋口の弟子である。「私」の後輩であるにもかかわらず、「私」より人生経験が豊富だから、会話からすると先輩と思われがちだ。
  22.  
  23. 樋口 「師匠」
  24. 小津と明石の師匠。大学八回生。常に悠然とした振る舞いと紺色の浴衣が特徴。亀の子束子とカステラが大好物で、いつも小津にそれらを集める使命を背負わせている。自虐的代理代理戦争を続けてきたせいで、マナーや礼儀が悪くなってきた。羽貫の旧友。
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  26. 羽貫
  27. 28歳の美人歯科衛生士。酒を飲むと、人の顔を舐めようとする曲者。樋口の旧友。
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  29. 城ヶ崎
  30. 自虐的代理代理戦争を5年近く続けている大学八回生。映画サークル「みそぎ」のリーダー。自称イケメンナンパ師。女性遍歴を重ねているのに、なぜか「香織さん」というラブドールに執着している。
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  33. 3.粗筋
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  35. 「私」が一回生になった時の選択によって生まれる大学生活(”キャンパスライフ”とも呼ばれている)の変化がこの本の焦点となる。一回生の時に選んだサークルとは関係なく、各話および数話に起きる場面も多少描かれている。各話は一回生から始まるため、時系列が複雑になり、補足説明が必要になるので、このブックレビューで書くのは各話の定着したシーンと第四話の終盤のみになる。
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  37. 定着場面その一 老婆の慧眼:「私」が占い師に会い、好機の目印はコロッセオと教えられる。「コロッセオ」と思わせる物が出る度に、「私」は好機ではないと強く否定し好機を掴まずにいる。
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  39. 定着場面その二 鴨川デルタ: 「私」と小津が鴨川デルタで和気藹々とした空間でパーティーを広げている若人たちに花火を打つという大変痛い場面。
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  41. 定着場面その三 もちぐまとの出会い: 「私」と明石のぬいぐるみ「もちぐま」との出会い。きっかけは話による。もちぐまを拾った「私」は可愛さに癒される。
  42.  
  43. 定着場面その四 猫ラーメン: 主人公の行きつけの店。店主は自虐的代理代理戦争の立会人。この屋台に行くシーンが多数ある。丼に向かって色々と思考をめぐらせている「私」に誰かが訪れる場面として使われている。
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  45. 定着場面その五 自虐的代理代理戦争: 樋口と城ヶ崎の永遠に続くバトル。昔から、お互いにいたずらを仕掛けあい、前の人の役を引き継いできた。数年ごとに、次の二人に任せるというシステムになっている。次の引き継ぐ「二人」は「私」と小津だ。
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  47. 定着場面その六 カステラ: 「私」がふくれっ面でカステラを食べるシーン。一人で食べるシーンがあったら、食事中に他人が訪れ、「私」が分けて人にあげるシーンもある。
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  49. 定着場面その七 文通相手: 「私」の文通相手樋口景子。純粋な関係である以上、会うことに反対している「私」に、樋口景子が直接会うことを求める。会いに行った「私」は、文通相手の正体(小津および明石)を知ることになる。
  50.  
  51. 定着場面その八 病院: 小津が苦境に追い込まれ、ボコボコにされないように自ら鴨川デルタの近くにある橋から飛び降りたせいで病院に運ばれるシーン。飛び降りる理由は話によって異なる。
  52.  
  53. 定着場面その九 蛾の靄:平行世界の一つ一つに存在している蛾が、一瞬重なった平行世界空間から出ることになって、靄の形を成す。
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  55.  
  56. 第四話は他の話と違い、「私」が並行世界の狭間に迷い込んでしまい、自分の選択で四畳半がどう変わっていくかを観察することができるようになり、それで反省することになる。平行世界から脱出したら、外の世界で一日しか経っていないのに、「私」の感覚では八十日間が経っていた。四畳半から逃れられた「私」は、これから自分の人生を変えようと努力することに決めて、猫ラーメンの屋台へ向かう。
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  61. 4.考察
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  63. この本を読むと、人生を無駄にする、あるいは努力せずにそのまま漂うという行為がいかに無意味なものなのか、明らかになる。どのサークルを選んでも、自分にある根本的な「無駄要素」を変えるための努力をしない限り、何も変わらない。主人公の「私」が「もしその時。。。」と言わんばかりに色々な理屈をこねて言い訳をする悪い癖があるため、「コロッセオ」が目印になっている好機を掴むことは決してない。それにもかかわらず、責めを自分にではなく、慧眼の持ち主である占い師に向けている。いわゆる「ゴミ人間」を彷彿とさせる行動が載っているこの小説の主張は明確だ。話し手、つまり「私」の行動に怒れということだ。
  64. 同じミスを繰り返す中、紳士的態度一筋に生きる主人公を見て、怒りを覚えない人はいないだろう。自分の失敗は自分の性質に起因していることが当たり前なのに、それを否定し続け、結局懲りない「私」(第一話から第三話まで)。このような人物は「失敗の例」として挙げられ、こうならないように頑張ろうという主張を伝えるためのキャラクターだ。
  65. この本は一人称小説なので、主人公の行動によってストーリーの明暗が決まる。「私」が幸せになるのは、第四話の平行世界に閉じ込められ、読み耽ることしかできないその世界に不満を覚え、脱出できたら絶対に頑張ると決心してからだ。その根本的な変化は、いつも話の最後に言われる「僕なりの愛ですわい」によって示される。「私」は「俺なりの愛だ」と言う瞬間に、本来小津に言われるセリフが「私」のものとなり、薔薇色のキャンパスライフが送れるようになったという意味をもたらす。ようやく懲りた「私」は幸せになり、正しく生きるようになる。つまり「私」が幸せになることは、森見登美彦の「正しい」と思っている行動に移したからだ。自分から活動的にならないと、人生は正しく機能しない。
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  68. 5.評価
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  70. 四回も同じような話が繰り返されているうちに、作家の主張がはっきりとわかる。上記の通り、ミスに気づかず何度も何度も好機を逃してしまう「私」の行為を見て、「阿呆らしい」と思わない人はいないだろう。それから、無駄な人生(つまり避けるべきもの)とは何かが見えてくる。
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  72. 6.感想
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  74. 古語に似た言葉遣いがややわかりにくいが、作家は美しく自分の頭の中にあるものを伝えることができているところはポイントになる。同じ話に少しは足している部分を付け加えることも、良い点だ。悪い点を強いて挙げるなら、作家の作った世界がいくつかの矛盾を孕んでいることだ。並行世界以外は、超能力者やSF小説に出るようなものが存在しない世界であるにもかかわらず、偶に物理的には不可能な行動を起こす人物が現れる。
  75.  
  76.  
  77. 7.おわりに
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  79. 日本語を勉強し始めてから、一番魅力を感じた小説です。「私」と共感出来る年齢なので、「青い青春を送りたい」という気持ちがすぐに理解できました。歳を取っても、充分に楽しめる小説だと思います
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  83. レポート(岡田先生の授業)
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  85. テーマ: 日本のCMに於けるストーリー性
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  87. 日本のCMは、他国(特に米国)のに比べて見ると、ストーリー性が大事で、単なる宣伝ではなく、しっかりとした「物語」が見えてくる。この「ストーリー性」というのは、視聴者への親切さの一環として作られたものと考えても良い。収縮された情報を提供する普通のCMと違い、ストーリー性のあるCMは、分かりやすく展開して行き、その製品や宣伝の対象を優しく視聴者に見せてくれる。以下のCMを一例として挙げよう。
  88.  
  89. https://m.youtube.com/watch?v=AVS9Dqgpo3g
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  91. 任天堂スイッチの「見守り」という機能を宣伝するCMだが、使い方を説明するのみならず、クッパーとベイビークッパーを「登場人物」に仕立て上げ、親子役を演じさせる。視聴者に情報を伝える時に、言葉だけでなく、「役者」の行動やキャラ付けによって製品の特徴が伝わってくる(注意:この効果の一部は、既に知られている、知名度の高いクッパー親子を使用することによって出ているもの)。これで、親密・好感度の高いクッパー親子を用いて、視聴者にとって共感しやすいストーリー性のあるCMの作成に成功した。
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  93. 次は米国の例を挙げよう
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  95. https://m.youtube.com/watch?v=mIuv_dYV498
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  97. この眼鏡専門店のCMの中には、フクロウと女性は出ているとはいえ、キャラ付けが日本のCMに比べたら著しく薄く、当店の情報を伝えるだけの手段に過ぎない。長さから見ると、米国の方が圧倒的に短く、情報量が多くなっている。視聴者の立場から考えると、こちらのCMは前者より分かりにくく、印象に残るようなものが比較的に少ない。
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  99. 以上の「ストーリー性」の差は、客に対する考え方の違いから生まれてくる。ストーリーがある程度成り立っているCMだと、分かりやすくかつ印象的なものになる。しかしその分、作成も難しく、効果がない時は、非常に損してしまう。そのリスクを抱えながらも視聴者の立場を考慮に入れた上でCMを作ること、つまり、客の気持ちを優先することは、日本の企業だけではなく、日本文化そのものの根本的な部分である。
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