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- すぎさってしまったことをあれこれとかんが
- えるのは、まだおきていないことについて心
- 配するのとおなじくらい意味のないことだと
- もいう。
- しかし、気になるのはあの事件は結局、ただ
- のじこだったのかそれとも何者かがわざとや
- った事だったのかということだ。
- それは、なつのことだった。
- ある日、水道局のビルで爆発があった。局の
- ビルはくずれ、給水パイプもだめになった。
- ためてあった水がどっとながれでてしまい、
- まずいことに軍のレスキューチームの車も水
- のなかへしずんでしまった。
- あまりのことに、さすがのレスキューチーム
- も、ただぼうぜんと水につかった自分たちの
- ビルを見ているしまつであった。
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- パイプから水がどんどんもれていく。このま
- までは水不足のなつにそなえて、ためておい
- た水がなくなってしまう。
- きわめてあさい所に塩がうまっているこの地
- 方において、これはたいへんなことであった。
- 塩があるために、いどをほっても塩水しかえ
- ることができず、したがって給水は水道局に
- たよっていたのである。
- これはたいへんだ。
- それはわかっていながらも、どうすることも
- できない。
- なにしろ水道局のビルは爆発でゆかがほとん
- どぬけてしまい、パイプのあるところまでい
- くことができないのだ。
- だれもが「なんとかしなければならない」と
- 思った。しかし、だれもが「なんとかなるだ
- ろう」とも思った。ほうっておけばたいへん
- なことになるかもしれないが、どうしていい
- かわからないし、だいいちなんとかするにし
- てもめんどうだ。とてもたいへんなことだか
- ら、だれかがなんとかするだろうと思った。
- しかし、そんなことをかんがえている間にも
- 水はなくなっていってしまう。私はついに、
- ビルのカベを登ってパイプのバルブをしめに
- いくことにした。
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- どうにかこうにか、パイプにたどりついたが、
- 時はすでにおそすぎた。水はほとんどなくな
- っていて、人々に給水するにはすくなすぎる。
- くろうしてビルをおり、そのことをつげると
- みなは、あぜんとつぶやいた。
- 「ああ、どうしよう。」
- いまさら、おそいのである。
- 水道局なしで、水を手に入れるには、大型給
- 水塔しかない。大型給水塔は、地下ふかくか
- ら水をすいあげるので、まみずをえることが
- でき、さらに水のでるところをもとめて、自
- 分であるいていくという「すぐれもの」だが、
- すいあげる水がすくないので、いちどにくば
- れる水はすくなかった。
- さらに、大型給水塔は水道にくらべて、たか
- くつくので、数もそんなにはなかったのであ
- る。
- そんなわけで、人々はすくない給水塔に列を
- つくり、水をもらっていた。
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- その年のなつはとくにあつく、さらに雨もな
- かなかふらなかった。
- 水道局の水はあっというまにそこをついてし
- まった。
- 給水塔があれば、すこしながら水が手にはい
- るので、がまんすればどうにかなり、命のキ
- ケンはなかった。しかし、山では大型給水塔
- ははいってくることができず、水道にたよっ
- ていたのでたいへんであった。まあ、このあ
- たりで、わざわざ山にすむ者はおらず、昔か
- らそこにすんでいる人々は、ためイケがある
- のでもんだいはなかった。
- それでも、ついちかごろに山にうつりすみ、
- ためイケもつくらずに水道にたよっていた者
- がいた。帝国研究都市である。
- 研究都市は帝政に反対する過激派のテロをさ
- けるために、山にうつったばかりであった。
- さらに、研究都市にはあつさをさけるために
- きていた、皇帝の若い娘もいた。
- 研究都市でつくられた天気予想システムをつ
- かってみても、ほら、しばらく雨はふりそう
- もない。
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- さて、水道局のビルからおりたあと、私がな
- にをしていたかというと、ちかくのサーカス
- でアルバイトをしていた。水道局のカベをの
- ぼっていたのが気にいったらしく、スカウト
- されたのだが、することはもっぱらみずくみ
- であった。まあ、べつにすることがあるじゃ
- なし、そんなにふまんではなかった。
- とある日ウワサをきいた。皇帝の娘が研究都
- 市でくるしんでいるという。
- 皇帝の、娘なんだから水ぐらいなんとでもな
- りそうなもんだが、皇帝が人々からとりあげ
- た水をおくろうとしても、「人をくるしめて
- 手にいれたような水は飲めません」とことわ
- ったとか。
- もともとあの2人はなかがわるいときく。ほ
- ら、皇帝があのとうり過激で、娘は娘でしず
- かながら気はつよいから。
- で、私はかんがえた。べつに皇帝の娘にかり
- があるわけではないが、くるしんでいる女の
- 子をみすてるわけにはいかない。
- かといって、私はほかの人までやしなえる水
- をもっているわけではない。
- では、どうするか?
- ふと、思いついた。そうだ、水がいくらでも
- あるとこへ行けばよい。
- だが、どうやっていけばよいのか?
- そうだ!サーカスでつかう大砲でうってもら
- おうではないか!そして、そこで給水車にの
- ってかえってくる、そして人々に水をくばり、
- 皇帝の娘に水をわたす、皇帝の娘にほめても
- らう、なんてすばらしいかんがえなのだろう
- か!
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- メンバーのみまもるなか、私は大砲でうちあ
- げられた。たかく、はやく、そして遠くへ。
- みなれたところはまたたくうちにとおざかり、
- チラリと山の研究都市がみえた気もするが、
- 気のせいだったのかもしれない。さらにとお
- くへ、すくなくとも国ざかいはこえないと水
- は手にはいりにくい。
- それにしても、そのころはまだ飛行機がなか
- ったのでよかったが、いま、こんなことをし
- ようものなら対空砲でうちおとされかねない。
- よいこのみんなはマネしちゃダメだぞ。
- さて、国ざかいのしるしを飛びこえたあたり
- からこまってきた。スピードがおちない。そ
- れどころか空気とのまさつがちいさくなって
- きたので、よけいにスピードがでてきた気さ
- えする。学者ツォルコフスキーによると、空
- のうえの方は空気がうすく、さらにあがって
- いくと空気はなくなってしまうともいう。
- こまった。
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- まずい。
- くらくなってきた。
- くるしいし。
- どうしよう。
- いて、なんかにぶつかった。
- それが月であった。
- 天のたすけか地のなさけか、そのころは月に
- も、空気も水もあった。
- ただ、月人はいなかった。いや、ただしくは、
- むかしはいたらしいのだが、もういないよう
- であった。きれいにかざられたたてものや、
- りっぱな道なども、なんとなくわびしささえ、
- ともなっていた。
- 月の人々はどこへいってしまったのか、なぜ、
- 月をみすてたのかは、わからない。ただ、私
- にはそういったことにきょうみがあっても、
- しらべているひまはなかった。私は水をくみ
- にきただけなのだから。
- アトミック水くみ機をみつけた私は、水くみ
- をまかせて、自分はかえる方法をさがすこと
- にした。なにしろ月に大砲は、ない。
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- さて、いろいろさがしたすえにやっとつかえ
- そうなものをみつけた。
- みるだけで、空を飛ぶためのものであること
- はわかる。
- なにしろ、とりのかたちをしているのだ。こ
- れが飛ぶためのものでなくして、なんであろ
- うか?
- ただし、学者モジャイスキーがつくった飛行
- 機とはちがって、はばたくようになっている
- のがとくちょうであった。
- なお、この機械はナスカ地方にいくとでっか
- いイラストがあるので、ひまな人はみにいっ
- てみるとよい。だいぶディフォルメされてい
- るが、イメージはつかめるでしょう。だれが
- かいたかしらないが。
- しばらくパタパタと飛びまわったころには、
- 水くみもおわっていた。とりあえずはすこし
- あればいい。
- これはこれで皇帝の娘にあげちゃって、あら
- ためて水道パイプでもひけばいいさ。月に水
- があるなんてだれもしらないだろうな。
- さ、それではいそいそと、かえりますか。
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- パタパタとかえろうと思ったが、月からでる
- だけでかなり燃料のエーテルをつかってしま
- ったらしい。はばたきがおそくなってきてし
- まった。
- こまった。
- と、ちかくに人工衛星があるでないの。おそ
- らく月の人々がむかしあげた物であろう。ど
- れくらいむかしの物か、はっきりはしないが
- いまだに動いているというのはおどろきだ。
- でも、どうせつかう人もいないことだろうか
- ら、この人工衛星から燃料をもらってしまお
- う。飛行機械からでる空気をすいながら人工
- 衛星の燃料を飛行機械にうつしかえる。
- からだがういてやりにくい。
- さて、どうにかこうにか燃料うつしかえもお
- えて、地球をめざす。
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- さあ、地球にかえって来た。地球につくとか
- らだがおもい。とりあえず、するべきことは
- 研究都市までいくこと。そして皇帝の娘に水
- をわたすこと、そして皇帝の娘をつうじて水
- 道局に月までの水道管工事をたのむことだ。
- 飛行機械の燃料はまだだいじょうぶ。こんど
- は研究都市めがけてパタパタと飛ぶ。
- 研究都市は軍にまもられていたが、皇帝の娘
- に水をとどけにきたというだけであんがいか
- んたんにいれてもらえた。なにしろ、皇帝に
- 対する過激派というのはけっこういるのだが、
- その娘に対する過激派というのはまず、いな
- い。娘は温和で、過激な皇帝が退位したあと、
- 温和な彼女が帝位をついでくれれば、なにも
- こちらもあぶないおもいをして過激なことを
- する事はない。
- そんなこんなで皇帝の娘にあうことができた。
- おもっていたよりもずっとこがらで、きゃし
- ゃなかんじさえする。そんなに私と、としが
- ちがうわけじゃなく、ただの女の子なのだか
- ら、とうぜんといえばとうぜんだが、なんと
- なく、なんとなく。
- 皇帝の娘は、私のビル登りから、月からかえ
- るまでのはなしをたのしそうにききながら水
- を飲んでいた。
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- だが、ことはそんなにうまくははこばなかっ
- たのである。
- そのよく日、私は軍につかまえられ、娘がひ
- どく、くるしみだしたという事をきいた。水
- がわるかったわけではない。そのなかにナゾ
- の生命体がはいっていたのだ。研究都市の研
- 究によると、その生命体は人間の中にすみ、
- やがてその人間をころして飛び立つという生
- き物らしい。もしかすると月の人々が月をみ
- すてたのはこいつのせいなのかも、しれない。
- そんなことはどうでもよい。なんで私がよば
- れたかというと、きくところによると、ピラ
- ウトラというらしいこの生命体をもってきた
- のが私であるために、皇帝の娘は私が「かる
- く、ぼうけんの1つや2つをこなして」どう
- にかしてくれるといったらしい。
- こうなってはしらないふりをしてごまかすわ
- けにもいかない。私はとりあえず、薬学にす
- ぐれた東洋へでかけてみることにした。
- <BR>
- さて、東洋はとおい。ウラルからチャリヤビ
- ンスクをぬけ、シベリヤをかけぬけて、地球
- のやねといわれるけわしい山々をこえてやっ
- とついた。東洋のうつくしさはたびのつかれ
- をいっきにふきとばした。
- うみのようにひろいかわといい、むげんにつ
- づくようなサイクリングコースといい、すご
- いのである。
- いやはや、東洋はすごいとこである。薬さえ
- も機械でつくってしてしまうのである。
- なんでも人がおおいので、薬やがいちいちつ
- くっているのでは間にあわないそうだ。機械
- が薬をつくっているというと、「なにかのは
- ずみでへんな薬ができたりしないかしら?」
- と、気になる人もいるかもしれないが、だい
- じょうぶ。ここの人のはなしによると、「ア
- イヤー、機械、まちがえ、ないアルヨ」との
- ことである。
- なんかよくわからないがたのもしいではない
- か。
- いったいどういうことをするのかわからない
- 機械がおおいが、なんとなくハイテクである。
- <BR>
- ところが、ここではナゾの生命体、ピラウト
- ラに対抗する薬はつくっていないそうである。
- まあ、ナゾの生命体というからには、かんた
- んにその対抗薬が手にはいるとはおもってい
- なかったが、ここでつくってるのはうちみ、
- ねんざによくきく飲み薬だけだそうである。
- そいじゃこまるから、なんとかしてナゾの生
- 命体に対抗する薬をつくってくれといったら、
- 「アイヤー、それならとなりむらのハオ先生
- が、薬なんでもとくいアルヨ」と、おしえて
- くれた。東洋の人はみんなしんせつである。
- さあ、こまかいところははぶくがハオ先生の
- 家までやって来た。とにかく薬をつくっても
- らおうと、先生をよぶ。でもへんじがない。
- もういちど、よぶ。やっぱりへんじがない。
- どうしよう。いないのだろうか。
- だったら帰りをまつだけだ。せんたくがほし
- てあるからそんなにとおくへは、いってない
- だろう。
- しかし、そのころハオ先生の家ではしばられ
- た学生がたすけをもとめて、はっていたので
- あった。
- <BR>
- 門のところで待っていたら、いきなりしばら
- れたやつが、ころがってきておどろいた。
- 彼のはなしをきいてみるとこういうことだ。
- なんでも、まえの日の晩、この地方をあらし
- まわるバンディッツがハオ先生をさらってい
- ってしまったということである。
- ハオ先生の薬はなんにでもよくきく。その先
- 生に毒をつくってもらい、さからう者をころ
- してしまおうというかんがえだ。
- さあ、どうしよう。
- どうしようと、いったところで、することは
- だいたいきまっているようなものである。じ
- つは、こんなこともあろうかと飛行機械を列
- 車ではこんでいたのだ。私はいそいで飛行機
- 械をとりにいくと、そのままのりこんでいっ
- きに飛びあがった。
- なにしろ月からのってきたぐらいだ、だいぶ
- なれてきた。
- しばらくさがしまわり、いよいよバンディッ
- ツのアジトをみつけた。私はひくくかまえて
- リーダーめがけてまっすぐつっこむ。
- しかし、バンディッツもタケヤリをなげてく
- る。はげしいたたかいとなった。
- <BR>
- かった。
- はげしいタケヤリのあらしをかいくぐり、リ
- ーダーにおどされているハオ先生をいっきに
- かっさらってやった。まあ、バンディッツた
- ちをやっつけることはできなかったが、ひま
- がないのでしょうがない。
- かえりもうしろからはげしく飛んでくるタケ
- ヤリをあるいはかわし、あるいはたたきおと
- しながらかえってきた。
- とにかく、ハオ先生はおどろいてはいたもの
- の、げんきそうでよかった。飛行機械のしく
- みなどを、しりたがっていたが、ざんねんな
- がら私もわかってはいない。
- 先生はなんでもするとまでいっていたので、
- いままでのことをはなし、ナゾの生命体ピラ
- ウトラの対抗薬をつくってもらうことにした。
- 先生は、そんなことならかんたんヨ、とシャ
- カシャカと薬をつくってくれた。
- <BR>
- 先生につくってもらった薬を手にもち、先生
- と学生のみおくりをうけて列車へいそいだ。
- 飛行機械をのせて自分もとびのる。さあ、地
- 球の屋根をこえ、シベリヤをかけぬけ、ウラ
- ルをこえてまっしぐら。
- しかし、やっとかえっておどろいた。人々は
- 娘が死んだはなしをしているではないか。あ
- わててちかくの人にきいてみると、皇帝の娘
- はもうきょういっぱいもたないだろうという
- ことであった。
- こまった。
- やむをえず、うまを1ぴきかりて研究都市へ
- はしることにする。むりにたのんで、いちば
- んはやいうまをかりた。
- が、さすが、いちばんはやいうまである。の
- るまえにはしっていってしまった。はやいの
- なんの、おっかけるのがたいへんだ。うまは
- 帝国の新兵器発表会の会場をつっきって走っ
- ていく。
- 帝国のえらいやつらが、おおぜいきているが
- 皇帝だけは、いなかった。
- 軍の人々は、新兵器のスピードが馬とあんま
- りかわんないのにがっかりしたとか、そんな
- ことを、あとできいた。
- <BR>
- なんてことだ。おいかけてるうちに研究都市
- についてしまった。なんのためにうまをかり
- たんか、ようわからん。
- 皇帝の娘にあうのは気がおもかった。なにし
- ろ、毒を飲ませたのが自分だからだ。もちろ
- ん、だからといってあわないわけにはいかな
- い。
- 研究都市では私をまっていたようである。私
- がつくやいなや、まっすぐ皇帝の娘のところ
- へあんないされた。
- 皇帝の娘は思いのほか、しっかりしていた。
- はじめにあったときと、まったくかわらぬシ
- ッカリとしたすがたで私をまっていた。
- しかし、私をみてもあまりしゃべろうとせず、
- しゃべってもひどくはなしがくいちがい、そ
- れも、とぎれがちなところをみると、かなり
- まいっていたらしい。
- 「これでだめなら、きるしかないね。」
- 薬がきくのをまつあいだナースをてつだって
- いると、彼女はしずかにいった。
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- だが、まにあわなかった。
- 皇帝は娘の死を、なげき、そのなげきは人々
- へのさかうらみとなった。
- 温和な娘が死に、帝政にのぞみをなくした人
- 々もまた、皇帝へのさかうらみをつのらせた。
- 2つのさかうらみのぶつかりあいはしだいに
- エスカレートしていった。
- やがて皇帝は軍を動員し、過激派とのどろぬ
- まのたたかいに入る。
- 私はひとり、とらわれのみ。
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- あともうすこし、はやければ、
- あとほんのすこし、はやければ、
- まにあっていたのかもしれない。
- 薬はピラウトラをころしたが、
- 毒はすでに娘をむしばんでいた。
- 娘はあるくことができず、車イスにすわって
- いるという。
- しかし、すべてはきいたはなしである。
- 彼女はそれいらい、ひとまえにでることをき
- らった。
- 私も、それいらい彼女をみていない。
- いつのまにか、わすれていたかのように雨が
- ふっていた。
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- さて、ハオ先生の薬はよくきいた。
- ピラウトラは死に、娘はしばらくのちにはげ
- んきなすがたを人々のまえにみせた。
- 人々はあらゆる意味で、よろこんだ。
- 温和な娘が過激な皇帝をたしなめるとかんが
- え、よろこんだ者。
- かいふくをいわうパーティーでもひらかれる
- ことをきたいし、よろこんだ者。
- そしておそらくもっともおおかったのは、わ
- かい娘が死なずにすんだということ、それだ
- けでよろこんだ者。
- しかし、いちばん娘のかいふくをよろこんだ
- のは皇帝である。自分の娘がたすかったのだ
- からとうぜんであろう。皇帝は娘のかいふく
- をよろこぶ人々をみて、なにかかんじるもの
- があったのか、そのまま退位した。そして娘
- は女帝となった。
- 女帝さまは、わざわざ私にあいにきた。
- 私もなんとなく、うれしい。
- べつにひとつも、とくはしてないのだが。
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