Vi_Vi

Sayaka (scene0 ver.) MSS JP Text

Dec 4th, 2023
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Never
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  1. FILENAME: text_324021-1.txt
  2. まばゆ: …あ、来ましたね?
  3. まばゆ: 今から私が観るビデオは…
  4. まばゆ: scene0魔法少女ストーリー 美樹さやかさん編、です
  5. まばゆ: どんなお話か気になりますよね? はい、私もです
  6. まばゆ: それでは、観てみましょうか?
  7. さやか: はぁ… ツイてない日だな
  8. さやか: (おめあての レアCDを買うために)
  9. さやか: (急いで学校を出たのに)
  10. さやか: (CD屋さんに行ったら もう売り切れてたし…)
  11. さやか: (ショックで試聴コーナーに 携帯を置いてきちゃうし…)
  12. まどか: あれっ さやかちゃん?
  13. さやか: あ、まどか
  14. まどか: こんなところで会うなんて 偶然だね
  15. さやか: うん…
  16. まどか: どうしたの、さやかちゃん なんだか元気ないみたい
  17. さやか: あー、いろいろツイてなくてね…
  18. まどか: ええっ、携帯なくしちゃったの? 大変だよ!
  19. さやか: 大丈夫、店に引き返して もう見つかったから!
  20. まどか: あ、そうなんだ よかった…
  21. さやか: なんかその間に恭介から 電話の着信が入ってたんだよね
  22. さやか: 折り返してもつながらないし なんの用件だったんだろう
  23. まどか: えっ、つながらないって… 大丈夫かな、上条くん?
  24. さやか: 入院中だからね 検査中は電源切ってたりするし
  25. さやか: たぶんそのせいだと思うけど
  26. さやか: それよりCDを 買えなかったのがショックだよ
  27. さやか: 名演って評判の 「アヴェ・マリア」が聴ける
  28. さやか: すごくレアなCDだったのに…
  29. まどか: それはとっても残念だったね…
  30. さやか: うん…
  31. まどか: あれ…?
  32. まばゆ: …えっと、次は確か 果物屋さんに寄って
  33. まばゆ: 注文の品を受け取るんでしたよね
  34. まばゆ: ラズベリーに、ブルーベリー… まあ、いつものやつですね
  35. まばゆ: 用事が済んだら ちょいとビデオ屋に寄り道…
  36. まばゆ: と、いきたいところですが …この格好では無理ですね
  37. まどか: 近くのケーキ屋さんの 店員さんかな?
  38. さやか: あー、そうかも 制服に見覚えがあるような
  39. さやか: ………… …………
  40. さやか: …ケーキ… なんか無性に食べたくなってきた
  41. さやか: ねぇ、まどか
  42. さやか: ケーキ屋さん 一緒に行ってみない?
  43. 咲笑: いらっしゃいませー どうぞ、お好きなお席へ♪
  44.  
  45. FILENAME: text_324021-2.txt
  46. さやか: …そうそう、そういえば! 見てよ、この写真
  47. まどか: これって…記念写真?
  48. さやか: ―さやか― そう、小学校の入学式!
  49. まどか: ―まどか― わぁ、懐かしい!
  50. まどか: ―まどか― さやかちゃんと、上条くんと ママと…わたしだね
  51. さやか: ―さやか― うんうん でもまどか、よーく見て
  52. さやか: ―さやか― もうひとり大事な友だちが写ってるから …後ろ姿だけど!
  53. まどか: ―まどか― え…? あっ、うそ!
  54. まどか: ―まどか― これって、仁美ちゃん!?
  55. さやか: そうそう、仁美が写り込んでるの いやー、びっくりだよね
  56. さやか: あたしたち 出会うべくして出会ったんだねぇ
  57. まどか: さやかちゃんと上条くんは ふたり並んで写ってるけど
  58. まどか: 昔から仲がよかったんだね
  59. さやか: い、いや…仲がいいとか そんなんじゃなくて
  60. さやか: 恭介は、単なる幼馴染っていうか 腐れ縁っていうか
  61. さやか: ただ、あいつのヴァイオリンは あの頃から本当にすごくて…
  62. さやか: まだ小さかった頃に聴いた 恭介の「アヴェ・マリア」
  63. さやか: 本当に素敵だったなあ…
  64. さやか: あたし、あのヴァイオリンを
  65. さやか: みんなにも聴いてほしいって 思っちゃってさ…
  66. さやか: …………
  67. さやか: だから…恭介の事故のことは すごくショックだった
  68. まどか: …うん
  69. さやか: だから今のあたしは
  70. さやか: 恭介がまた、ヴァイオリンを 弾けるようになるまで
  71. さやか: 支えてあげたいんだ
  72. まどか: そうだね、上条くん リハビリがんばってるみたいだし
  73. 咲笑の声: 偉いわぁ
  74. さやか: …え?
  75. 咲笑: あ…コーヒーのおかわり サービスしようと思って
  76. 咲笑: テーブルに来たんだけど…
  77. 咲笑: 立ち聞きみたいになっちゃって ごめんなさい
  78. さやか: いえ、それはいいんですけど
  79. さやか: あの…さっき「偉いわぁ」って 聞こえたんですが…
  80. さやか: いったい、なんのことですか?
  81. 咲笑: あ、それはね あなたに感心したからなの
  82. さやか: 感心…って?
  83. 咲笑: 苦しいときに支えてくれるのが 真のファンだって言うけれど
  84. 咲笑: あなたみたいな子のことを そう言うんだって思ったのよね
  85. さやか: ファ…ファン? あたしが、恭介の?
  86. 咲笑: そうよ、その男の子の幼馴染で 最初のファン!
  87. 咲笑: 違うかしら?
  88. さやか: なるほど…
  89. さやか: ただのファンじゃなくて 最初のファンかぁ…
  90. さやか: そう言われると 悪い気はしないかな?
  91. 咲笑: うふふふふ
  92.  
  93. FILENAME: text_324021-3.txt
  94. カランカラン
  95. さやか&まばゆ: ありがとうございましたー!
  96. まばゆ: 片づけは私がやるので 美樹さんはそのままカウンターで
  97. さやか: はいっ
  98. さやか: (はぁ… まさかあたしが)
  99. さやか: (ケーキ屋さんのお手伝いを することになるなんて)
  100. さやか: (この前まどかと来たときは 想像もしてなかったなー)
  101. チラ
  102. まばゆ: …………
  103. さやか: (まばゆセンパイ… 悪い人じゃないと思うんだけど)
  104. さやか: (何か隠してそうなんだよね…)
  105. さやか: (ま、いいか 今日はお店に来る前に)
  106. さやか: (よさそうなCDも たくさん手に入ったし!)
  107. さやか: (明日のお見舞いに持っていこう …恭介、喜んでくれるかな?)
  108. 咲笑: うふふふふ
  109. さやか: さ、咲笑さん?
  110. 咲笑: さやかちゃん なんだかニコニコしてたけど
  111. 咲笑: 何かうれしいことでも あったのかしら?
  112. さやか: あ、えっと…その 今日はたくさんCDが買えたので
  113. 咲笑: …CD?
  114. 咲笑: …なるほど お見舞いにCDをねぇ
  115. さやか: はい、恭介 音楽が好きだから…
  116. 咲笑: さすが、最初のファンね!
  117. さやか: それって 誉められてるんですよね?
  118. 咲笑: もちろんよぉ
  119. 咲笑: …ところで、さやかちゃん
  120. さやか: な、なんですか? あらたまって
  121. 咲笑: もう、告白はしたのかしら?
  122. さやか: …は? こ、告白?
  123. さやか: 待ってください
  124. さやか: あ、あたしと恭介は ただの腐れ縁みたいな感じで
  125. さやか: そんなんじゃないですってば!
  126. 咲笑: あら、そうなの?
  127. さやか: はい! もう、からかわないでください!
  128. 咲笑: …そっかぁ ちょっと勘違いしちゃってたわ
  129. 咲笑: ごめんなさい
  130. 咲笑: お詫びのしるしに、これあげる 機嫌直してね
  131. さやか: これ、チョコバー…ですか?
  132. さやか: (お菓子でご機嫌取り…)
  133. さやか: (もしかして 子ども扱いされてる?)
  134. 咲笑: 「ちょこっとバー」っていうの 美味しいから食べてみて!
  135. さやか: はい…じゃあ
  136. ぱく…
  137. さやか: あ… 美味しい!
  138. 咲笑: でしょぉ?
  139. さやか: さすが、プロのパティシエが おすすめするだけありますね…
  140. 咲笑: それ、限定品なの 気に入ったのなら箱ごとあげる
  141. さやか: いいんですか?
  142. 咲笑: どうぞ遠慮しないで
  143. まばゆ: テーブルの片づけ終わりましたー 次はコーヒー豆の在庫見てきます
  144. 咲笑: よろしくね、まばゆちゃん
  145.  
  146. FILENAME: text_324021-4.txt
  147. 咲笑: そろそろ閉店の時間ね
  148. 咲笑: あっ…
  149. さやか: どうかしたんですか?
  150. 咲笑: さやかちゃんたちの まかないのケーキ…!
  151. 咲笑: とっておくの、忘れてたわ
  152. さやか: あ…いいですよ いつもたくさんいただいてるし
  153. さやか: (明日、恭介のお見舞いに 持っていきたかったけど…)
  154. 咲笑: でも、まかないつきって条件で 手伝ってもらってるんだし
  155. 咲笑: せっかくなら、明日のお見舞いに 持っていきたいんじゃない?
  156. さやか: (ば…バレてる!?)
  157. さやか: 実はそのつもりでしたけど 他にもおみやげはあるし…
  158. 咲笑: それじゃ、こうしましょう
  159. 咲笑: 今日の分のケーキを 明日までに用意しておくから
  160. 咲笑: お見舞いの前に取りにきて!
  161. さやか: そ、そこまでしてくれなくても
  162. さやか: まるで、恭介のお見舞いのために わざわざ作ってもらうみたいだし
  163. 咲笑: うーん、だったら… さやかちゃん自身が作ってみる?
  164. さやか: えっ? あたしが、ケーキをですか?
  165. 咲笑: そう! 私がちゃんと教えてあげるから
  166. さやか: …………
  167. さやか: …プロのパティシエに 作り方を教えてもらえるなんて
  168. さやか: 確かに貴重な機会かも…
  169. 咲笑: うふふふ、その気になった?
  170. まばゆ: さてさて、こっちの仕事は 片づきましたよっと
  171. 咲笑: あら、ありがとう まばゆちゃん
  172. 咲笑: ということで、さやかちゃん 明日、放課後にお店に来て
  173. さやか: はい…それじゃ お言葉に甘えて
  174. さやか: 明日はよろしくお願いします
  175. 咲笑: どうぞご遠慮なく
  176. まばゆ: …?
  177. まばゆ: おふたりさん、なんだか 仲良くなってたりします…?
  178. <帰り道…>
  179. さやか: ふぅ…
  180. さやか: お店の手伝いもだんだん 慣れてきたなぁ
  181. ???: 「やぁ、美樹さやか」
  182. さやか: へ?
  183. キュゥべえ: ボクの名前はキュゥべえ
  184. キュゥべえ: キミにお願いがあって やってきたんだ
  185. さやか: お願い…?
  186. キュゥべえ: ボクと契約して 魔法少女になってよ
  187. さやか: あのときの恭介の演奏 今でもはっきりと思い出せるよ…
  188.  
  189. FILENAME: text_324022-1.txt
  190. キュゥべえ: ボクと契約して 魔法少女になってよ
  191. さやか: ………… …………
  192. さやか: 奇跡とか、魔法少女だとか 急にそんなこと言われても…
  193. さやか: 叶えたい願い…かぁ
  194. さやか: …………
  195. さやか: ちょっと頭が混乱しちゃってて
  196. さやか: ケーキ作りなんて 気分じゃないけど…
  197. さやか: でも、咲笑さんとの約束だしね!
  198. <レコンパンス>
  199. 咲笑: それじゃ、さっそく始めるわよ
  200. 咲笑: さやかちゃんは どんなケーキがいい?
  201. さやか: そうですね… 恭介、いちおう入院中だし
  202. さやか: 生クリームたっぷりの甘いのより フルーツタルトとかがよさそう
  203. 咲笑: お店にあるケーキだと どんな感じのがいい?
  204. さやか: えっと… あ…このハート型の、可愛い!
  205. 咲笑: それは、お客さんの リクエストで作った
  206. 咲笑: 告白用のケーキね
  207. さやか: …こ、告白用…
  208. 咲笑: 別に告白専用ってわけじゃないし 普通に食べても美味しいわよぉ
  209. 咲笑: フルーツもたっぷりで ヘルシーだし
  210. 咲笑: いいんじゃないかしら?
  211. さやか: そうですね…じゃあ、これで!
  212. 咲笑: お菓子、ケーキ作りは 最初が肝心よ
  213. さやか: はい…!
  214. 咲笑: 大切なのは、丁寧な パイ生地作りから!
  215. 咲笑: …と言いたいところだけど
  216. 咲笑: 仕込みの終わった生地の材料が 冷蔵庫にしまってあるから
  217. 咲笑: 今日はこれを使うわ
  218. さやか: さすがケーキ屋さんですね…
  219. 咲笑: ゼロから生地を作ってたら お見舞いに間に合わないもの
  220. さやか: (ラズベリーと…ブルーベリー)
  221. さやか: (レッドカラントと… ブラックベリー…と)
  222. 咲笑: あら、いいバランスね 美味しいケーキになりそう
  223. さやか: はい…でも ちょっと見た目が寂しいなあって
  224. 咲笑: イチゴを半分に切って 乗せてみるとか?
  225. さやか: あ、いいかも そうします!
  226. 咲笑: エディブルフラワーも いいアクセントになるわよぉ
  227. 咲笑: もうすぐ完成ね! がんばって!
  228. さやか: はいっ!
  229. さやか: ここにマカロンを置いて…
  230. さやか: …できたぁ!!
  231. 咲笑: お疲れ様! 可愛くできたわね!
  232. 咲笑: ケーキは冷蔵庫に入れて 冷やしておくから
  233. 咲笑: その間に、チョコレートで メッセージプレートを作りましょ
  234. さやか: そうだ、それが残ってた…! 何を書こうかなぁ
  235. 咲笑: 試しにいくつか作ってみたら?
  236. 咲笑: 余ったメッセージプレートは まばゆちゃんと食べちゃうから
  237. さやか: あ、ありがとうございます!
  238.  
  239. FILENAME: text_324022-2.txt
  240. さやか: (チョコレートの メッセージプレートかあ…)
  241. さやか: (大きなプレートじゃないし 長い文章は無理だよね)
  242. さやか: (アルファベットのチョコを 組み合わせて)
  243. さやか: (文字数の少ない シンプルな単語にする…?)
  244. さやか: (よし、できた! いい感じかも!)
  245. さやか: (l・o・v・eで 「love」…)
  246. さやか: はっ…!
  247. さやか: (いやいやいや! これはナシでしょ!)
  248. さやか: (まるで愛の告白じゃない! 恭介がびっくりしちゃうよ)
  249. さやか: (やりなおし、やりなおし…)
  250. 咲笑: メッセージプレート そろそろできたかしら?
  251. さやか: はい、なんとか…!
  252. 咲笑: 何枚か作ったのね どれにするつもり?
  253. さやか: 最後に作ったこれにしようかと…
  254. カランカラン
  255. 咲笑: あ、いらっしゃいませ
  256. さやか: 席の案内 あたしが行ってきます!
  257. 咲笑: ありがとう 助かるわぁ
  258. さやか: お客さん、ご案内してきました!
  259. 咲笑: ありがとう、さやかちゃん あとは私がやるから
  260. 咲笑: これを持って、急いで お見舞いにいってらっしゃい!
  261. さやか: あれっ、この箱って…
  262. 咲笑: 完成したケーキに メッセージプレートを乗せて
  263. 咲笑: 箱に詰めておいたわ
  264. さやか: そんな急がなくても…って もうこんな時間!?
  265. 咲笑: そうよ、早くしないと
  266. 咲笑: お見舞いに 行けなくなっちゃうでしょ?
  267. 咲笑: さあ、制服に着替えて いってらっしゃい!
  268. さやか: は、はいっ!
  269. 咲笑: それから、さやかちゃん…
  270. さやか: はい…?
  271. 咲笑: がんばってね! 私、応援してるから!
  272. さやか: へっ…? …何をですか?
  273.  
  274. FILENAME: text_324022-3.txt
  275. さやか: えっ
  276. さやか: 恭介の検査 まだ終わってないんですか?
  277. 看護師: そうなんですよ、順番が押して 開始時間が遅れちゃって
  278. 看護師: なので、ここでもう少し 待っていてくださいね
  279. さやか: はい、そうします
  280. さやか: (ケーキとCDは テーブルの上に置いて…)
  281. 看護師: あら、綺麗な箱ですね お見舞いのケーキですか?
  282. さやか: はい…もしかして ケーキはダメでした?
  283. さやか: 退院も近いし、食事制限は 特にないって聞いたんですけど…
  284. 看護師: 食べても問題ないですけど
  285. 看護師: 上条さん、左手が使えなくて 食事がしにくそうだから
  286. 看護師: あーん、して食べさせてあげると いいかもしれないですね
  287. さやか: …えええっ!?
  288. 看護師: あっ、もう行かないと!
  289. 看護師: お茶が欲しかったら 給湯室を使っていいですから
  290. 看護師: 可愛い彼女さんが ケーキを持って待ってるって
  291. 看護師: 上条さんに伝えておきますね!
  292. さやか: えっ、か…彼女!?
  293. 看護師: それじゃ、ごゆっくり
  294. さやか: あっ…ちょっと…! …行っちゃった
  295. さやか: どうしよう…? あんな言い方されたら
  296. さやか: 凄いケーキを持ってきたと 勘違いされそう…
  297. さやか: 確かにレコンパンスのケーキは すごく美味しいけど
  298. さやか: 今日持ってきたのは あたしが作ったやつだし…
  299. さやか: ………… …………
  300. さやか: ちょっと不安になってきた…
  301. さやか: 咲笑さんは、可愛くできたって 言ってくれてたけど
  302. さやか: …不格好だったりしないよね?
  303. さやか: 恭介に渡す前に もう1回、確認しておこうかな
  304. さやか: (ケーキの箱を… そっと開けて…)
  305. パカッ
  306. さやか: ―さやか― あっ…!
  307. さやか: ―さやか― …「love」って書いてある? なんで!?
  308. さやか: ―さやか― どうしよう!? メッセージプレートが間違ってる!
  309.  
  310. FILENAME: text_324022-4.txt
  311. さやか: ―さやか― どうしよう!? メッセージプレートが間違ってる!
  312. さやか: これじゃ完全に 告白ケーキじゃない!
  313. さやか: (どうしてこのプレートに なっちゃったんだろ…?)
  314. 咲笑: メッセージプレート そろそろできたかしら?
  315. さやか: はい、なんとか…!
  316. 咲笑: 何枚か作ったのね どれにするつもり?
  317. さやか: 最後に作ったこれにしようかと…
  318. カランカラン
  319. 咲笑: あ、いらっしゃいませ
  320. さやか: 席の案内 あたしが行ってきます!
  321. さやか: (ちょうどお客さんが来て)
  322. さやか: (どのプレートを使うか うまく伝わらなかったみたい…)
  323. さやか: そういえば店を出る前に 咲笑さんが変なこと言ってたよね
  324. 咲笑: それから、さやかちゃん…
  325. さやか: はい…?
  326. 咲笑: がんばってね! 私、応援してるから!
  327. さやか: へっ…? …何をですか?
  328. さやか: あれは、あたしが「love」の メッセージつきのケーキを
  329. さやか: 渡すつもりだと 勘違いしちゃったから…?
  330. さやか: …いやいや、今は 原因を考えてる場合じゃない
  331. さやか: 恭介が戻ってくる前に なんとかしないと…!
  332. さやか: ケーキを持ってきたことは 恭介に伝わっちゃってるから
  333. さやか: 渡さないわけにはいかないし
  334. さやか: メッセージプレートを 外してみる…?
  335. さやか: あー、ダメだ 外した跡が残っちゃいそう
  336. コツ、コツ…
  337. さやか: (あれ… 廊下の方から足音が)
  338. 看護師の声: 上条さんの検査 もうすぐ終わりですね
  339. 看護師の声: あ、じゃあ私 次の方をお呼びしてきます
  340. さやか: ――っ!?
  341. さやか: (まずいよまずいよ! 恭介、戻ってきちゃう!)
  342. さやか: (うぅ…絶体絶命!)
  343. さやか: どうしよう なんとか切り抜ける方法は…?
  344. さやか: (メッセージプレートを作り直す 材料も時間もないし…)
  345. さやか: ………… …………
  346. さやか: …そうだ!
  347. さやか: うまくいくかわかんないけど… とりあえず、給湯室へ!
  348. さやか: 咲笑さん、妙にはりきってると 思ったんだよね…
  349.  
  350. FILENAME: text_324023-1.txt
  351. さやか: …メッセージプレートの ここを、こうして…
  352. さやか: これでよし!
  353. さやか: ふぅ…思わぬものが 役に立ってくれたよ
  354. さやか: それじゃ、病室に戻りますか! 恭介も戻ってくる頃だし
  355. 恭介: わあ…こんなにたくさん…? しかも、レア物CDばっかり…!
  356. さやか: えへへへ お金のことなら心配ないよ
  357. さやか: 最近、ケーキ屋さんの お手伝いをしててさ
  358. さやか: ってことで、お見舞いの まかないのケーキ
  359. 恭介: ああ、ありがとう
  360. 恭介: ―恭介― うわ…これも、美味しそう
  361. さやか: ―さやか― 実際、メチャクチャ美味しいよ
  362. さやか: ―さやか― レコンパンスのケーキは 天下一品なんだから!
  363. さやか: ―さやか― (咲笑さんにもらったチョコで 「love」を「Move」に変えたんだけど)
  364. さやか: ―さやか― (なんとか、ごまかせたみたい…!)
  365. さやか: …………
  366. 咲笑: 「ちょこっとバー」っていうの 美味しいから食べてみて!
  367. さやか: はい…じゃあ
  368. ぱく…
  369. さやか: あ… 美味しい!
  370. 咲笑: でしょぉ?
  371. さやか: さすが、プロのパティシエが おすすめするだけありますね…
  372. 咲笑: それ、限定品なの 気に入ったのなら箱ごとあげる
  373. さやか: (あのチョコがこんなところで 役に立つなんて…)
  374. 恭介: そのお店…
  375. 恭介: たぶん…さやかには いい仲間ができたんだね
  376. さやか: あ…う、うん!
  377. 恭介: …………
  378. さやか: 実はお見舞いのあとも
  379. さやか: 少しお手伝いする 予定だったりするんだよね!
  380. 恭介: そうなんだ… あまり、無理はしないでね
  381. さやか: あたしは平気! なんたって元気が取り柄だからね
  382. 恭介: ………… …………
  383. さやか: (恭介…なんだか寂しそう 元気出してほしいけど…)
  384. さやか: 恭介… あ、あのさ
  385. さやか: 実は、このケーキ あたしが作ったんだよね
  386. 恭介: えっ、さやかが? 凄い…!
  387. さやか: あはは、店長さんに 見てもらいながらだけどね
  388. さやか: …は、初めてだったから ちょっと不格好だけど
  389. 恭介: ううん、そんなことないよ
  390. 恭介: メッセージプレートに 「Move」って書いてあるけど
  391. 恭介: これはどういう意味?
  392. さやか: あっ…その、ほら!
  393. さやか: 立ち止まらずに 元気にリハビリがんばって!
  394. さやか: …みたいな意味かな あははは
  395. 恭介: そうなんだ…ありがとう
  396. さやか: そ、そんなことより… 美味しいから食べてみてよ
  397. 恭介: じゃあ、遠慮なく…
  398. 恭介: 右手しか使えないから ちょっと時間かかっちゃうけど
  399. さやか: (あ…)
  400. さやか: じゃあ、その…
  401. さやか: あ…あたしが食べさせて あげた方がいい…のかな?
  402. 恭介: え?
  403. さやか: …いや、もちろん恭介が イヤじゃなければだけど!
  404. 恭介: ありがとう
  405. 恭介: せっかく作ってくれたケーキ 落としたりしたら悪いし…
  406. 恭介: お言葉に甘えようかな
  407. さやか: (わ…看護師さんの 言った通りになっちゃった…!)
  408.  
  409. FILENAME: text_324023-2.txt
  410. 恭介: ごちそうさま すごく美味しかったよ!
  411. さやか: いやー、あたしじゃなくて 店長さんの指導のおかげだから!
  412. 恭介: でも、作ったのはさやかだよ 本当にありがとう
  413. さやか: ど、どういたしまして…
  414. 恭介: あ、そうだ…
  415. 恭介: さやかが持ってきてくれたCD 聴いてみてもいい?
  416. さやか: もちろん!
  417. 恭介: ―恭介― この人の演奏は、本当に凄いんだ さやかも聴いてみる?
  418. さやか: ―さやか― い、いいのかな…
  419. 恭介: ―恭介― 本当はスピーカーで聴かせたいんだけど 病院だしね
  420. さやか: …………
  421. さやか: ………… …………
  422. 看護師: 失礼しま… あら?
  423. 看護師: (ふふ、いい感じじゃない このままそっとしておきましょ)
  424. 恭介: ………… …………
  425. さやか: (あ…)
  426. さやか: (恭介、泣いてるの…?)
  427. さやか: ………… …………
  428. さやか: …………
  429. さやか: (あたし…無神経だったかも)
  430. さやか: (恭介の気持ちも考えずに ひとりではしゃいじゃって…)
  431. さやか: (でも…)
  432. さやか: (きっと、以前の恭介なら あたしと一緒に喜んでくれた)
  433. さやか: (あたしの前で、あんな寂しい 顔はしなかった)
  434. さやか: (それが、一番悲しいよ)
  435. キュゥべえ: ボクと契約して 魔法少女になってよ
  436. さやか: (もしも、以前の 恭介に戻ってくれるなら…)
  437. さやか: (あたしは…)
  438. さやか: ………… …………
  439.  
  440. FILENAME: text_324023-3.txt
  441. さやか: あれが、ワルプルギスの夜!
  442. まどか: さやかちゃん…
  443. さやか: 大丈夫、あたしたちが 力を合わせればきっと…
  444. まどか: …うん!!
  445. さやか: …うわっ!!
  446. まどか: きゃっ!
  447. さやか: 大丈夫、まどか!?
  448. まどか: う…うん…
  449. まどか: それより、ワルプルギスの夜が 町の方へ向かってる!
  450. さやか: えっ…
  451. まどか: あの方向 上条くんの家の方だよね?
  452. さやか: うん…恭介、足がまだ 治ってなくて
  453. さやか: 自宅に残ってるみたい
  454. まどか: さやかちゃん…
  455. まどか: …ワルプルギスの夜は わたしがここで食い止めるから!
  456. まどか: さやかちゃんは上条くんたちを 助けてあげて!
  457. さやか: でも…まどかひとりじゃ…
  458. まどか: さやかちゃんは 町へ向かった使い魔から
  459. まどか: みんなを守ってあげて!
  460. さやか: …わかった、まどか でも無茶はしないで!
  461. まどか: うん、まかせて!
  462. ゴゴゴ…
  463. さやか: うわっ…!
  464. さやか: (町が壊れていく…)
  465. さやか: (このままじゃ 取り残された人たちが…)
  466. 恭介: ………… …………
  467. さやか: …恭介!? しっかり!
  468. 恭介: …?
  469. 恭介: …さや…か…?
  470. さやか: よかった、恭介…
  471. さやか: 大丈夫? 怪我はない?
  472. 恭介: …う…うん
  473. 恭介: (さやか…不思議な姿してる…)
  474. 恭介: (これは、夢なのかな…?)
  475. ゴゴゴ…
  476. さやか: ワルプルギスの夜…!
  477. さやか: そんな…! じゃあ、まどかは…!
  478. さやか: やられちゃったの…!?
  479. さやか: うわっ!
  480. 恭介: さやか!
  481. グラッ…
  482. 恭介: 建物が…!
  483. 恭介: (崩れ…)
  484. ガラガラガラッ
  485. 恭介: 「さやかっ!!」
  486. さやか: …無事だった? 手、怪我してない?
  487. 恭介: う…うん さやか…?
  488. 恭介: (倒れてくる柱から… さやかが…守ってくれた?)
  489. さやか: よかった… 恭介の音楽を守れた
  490. 恭介: でも、さやかが… ひどい怪我してる
  491. さやか: …あたしは…大丈夫 回復力だけは人一倍らしいからさ
  492. 恭介: さやか…何を言ってるんだい?
  493. さやか: いいから…恭介は 生き延びることだけを考えて
  494. さやか: そして、もっともっと大勢の人に 恭介の音色を聞かせてあげて…!
  495. 恭介: さやか…
  496. さやか: (ワルプルギスの夜には…)
  497. さやか: (これ以上、近寄らせない…!)
  498. さやか: やぁあああーっ!
  499.  
  500. FILENAME: text_324023-4.txt
  501. さやか: …ごめん、まどか
  502. さやか: やっぱり、あたしには ワルプルギスの夜は倒せなかった
  503. さやか: でも、あたしが好きだった 恭介のヴァイオリンは守れたよ
  504. さやか: ほんの少しだけど… 救いはあったの…かな?
  505. さやか: ………… …………
  506. ???の声: …聞こえますか!? 恭介くん!
  507. 恭介: …?
  508. 救助に来ました! 気をしっかり持ってください!
  509. 恭介: (…ハッ!)
  510. おお、気がつきましたか!
  511. ご家族のところまで運びます 私につかまって!
  512. 恭介: あ…さやかは? さやかはどこですか…?
  513. …? 誰かと一緒だったんですか?
  514. 恭介: はい…! 僕を守ろうとして…
  515. ???の声: こっちに女の子がいるぞ! 気を失ってる!
  516. ???の声: …呼吸なし、脈なし! 胸骨圧迫を開始!
  517. 恭介: …さやか!
  518. ???の声: 可哀想に…さやかちゃん 助からなかったそうよ…
  519. ???の声: ええ、でもさやかちゃん
  520. ???の声: 不思議なくらい 穏やかな顔をしていたみたい…
  521. 恭介: さやか…
  522. さやか: いいから…恭介は 生き延びることだけを考えて
  523. さやか: そして、もっともっと大勢の人に あの音色を聞かせてあげて…!
  524. 恭介: (あれは、夢だったのかな…)
  525. 恭介: (たとえそうだとしても)
  526. 恭介: (残された僕は やらなくちゃいけない)
  527. 恭介: (さやかが守りたかった 僕のヴァイオリンの音色を)
  528. 恭介: (世界の人たちに届けるんだ)
  529. 恭介: 25番、上条恭介です
  530. 恭介: 課題曲は…「アヴェ・マリア」
  531. まばゆ: ………… …………
  532. まばゆ: …すごく、悲しいお話でしたね
  533. まばゆ: でも、小さな偶然が重なって
  534. まばゆ: 美樹さんの言う通り
  535. まばゆ: 小さな救いは 見つけられたかもしれませんね
  536. まばゆ: 私は、全然と言っていいほど お役に立てませんでしたけど…
  537. まばゆ: …美樹さんの想いは
  538. まばゆ: 上条さんの音楽に受け継がれたと 言えなくもありませんし
  539. まばゆ: なんだか、他にもちょこちょこと 謎が残っている感じですけど
  540. まばゆ: そのあたりはたぶん、別の場所で まとめて語られる予感がします…
  541. まばゆ: …………
  542. まばゆ: それでは、またいつか
  543. まばゆ: 別のストーリーで お会いしたいですね
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