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- FILENAME: text_324021-1.txt
- まばゆ: …あ、来ましたね?
- まばゆ: 今から私が観るビデオは…
- まばゆ: scene0魔法少女ストーリー 美樹さやかさん編、です
- まばゆ: どんなお話か気になりますよね? はい、私もです
- まばゆ: それでは、観てみましょうか?
- さやか: はぁ… ツイてない日だな
- さやか: (おめあての レアCDを買うために)
- さやか: (急いで学校を出たのに)
- さやか: (CD屋さんに行ったら もう売り切れてたし…)
- さやか: (ショックで試聴コーナーに 携帯を置いてきちゃうし…)
- まどか: あれっ さやかちゃん?
- さやか: あ、まどか
- まどか: こんなところで会うなんて 偶然だね
- さやか: うん…
- まどか: どうしたの、さやかちゃん なんだか元気ないみたい
- さやか: あー、いろいろツイてなくてね…
- まどか: ええっ、携帯なくしちゃったの? 大変だよ!
- さやか: 大丈夫、店に引き返して もう見つかったから!
- まどか: あ、そうなんだ よかった…
- さやか: なんかその間に恭介から 電話の着信が入ってたんだよね
- さやか: 折り返してもつながらないし なんの用件だったんだろう
- まどか: えっ、つながらないって… 大丈夫かな、上条くん?
- さやか: 入院中だからね 検査中は電源切ってたりするし
- さやか: たぶんそのせいだと思うけど
- さやか: それよりCDを 買えなかったのがショックだよ
- さやか: 名演って評判の 「アヴェ・マリア」が聴ける
- さやか: すごくレアなCDだったのに…
- まどか: それはとっても残念だったね…
- さやか: うん…
- まどか: あれ…?
- まばゆ: …えっと、次は確か 果物屋さんに寄って
- まばゆ: 注文の品を受け取るんでしたよね
- まばゆ: ラズベリーに、ブルーベリー… まあ、いつものやつですね
- まばゆ: 用事が済んだら ちょいとビデオ屋に寄り道…
- まばゆ: と、いきたいところですが …この格好では無理ですね
- まどか: 近くのケーキ屋さんの 店員さんかな?
- さやか: あー、そうかも 制服に見覚えがあるような
- さやか: ………… …………
- さやか: …ケーキ… なんか無性に食べたくなってきた
- さやか: ねぇ、まどか
- さやか: ケーキ屋さん 一緒に行ってみない?
- 咲笑: いらっしゃいませー どうぞ、お好きなお席へ♪
- FILENAME: text_324021-2.txt
- さやか: …そうそう、そういえば! 見てよ、この写真
- まどか: これって…記念写真?
- さやか: ―さやか― そう、小学校の入学式!
- まどか: ―まどか― わぁ、懐かしい!
- まどか: ―まどか― さやかちゃんと、上条くんと ママと…わたしだね
- さやか: ―さやか― うんうん でもまどか、よーく見て
- さやか: ―さやか― もうひとり大事な友だちが写ってるから …後ろ姿だけど!
- まどか: ―まどか― え…? あっ、うそ!
- まどか: ―まどか― これって、仁美ちゃん!?
- さやか: そうそう、仁美が写り込んでるの いやー、びっくりだよね
- さやか: あたしたち 出会うべくして出会ったんだねぇ
- まどか: さやかちゃんと上条くんは ふたり並んで写ってるけど
- まどか: 昔から仲がよかったんだね
- さやか: い、いや…仲がいいとか そんなんじゃなくて
- さやか: 恭介は、単なる幼馴染っていうか 腐れ縁っていうか
- さやか: ただ、あいつのヴァイオリンは あの頃から本当にすごくて…
- さやか: まだ小さかった頃に聴いた 恭介の「アヴェ・マリア」
- さやか: 本当に素敵だったなあ…
- さやか: あたし、あのヴァイオリンを
- さやか: みんなにも聴いてほしいって 思っちゃってさ…
- さやか: …………
- さやか: だから…恭介の事故のことは すごくショックだった
- まどか: …うん
- さやか: だから今のあたしは
- さやか: 恭介がまた、ヴァイオリンを 弾けるようになるまで
- さやか: 支えてあげたいんだ
- まどか: そうだね、上条くん リハビリがんばってるみたいだし
- 咲笑の声: 偉いわぁ
- さやか: …え?
- 咲笑: あ…コーヒーのおかわり サービスしようと思って
- 咲笑: テーブルに来たんだけど…
- 咲笑: 立ち聞きみたいになっちゃって ごめんなさい
- さやか: いえ、それはいいんですけど
- さやか: あの…さっき「偉いわぁ」って 聞こえたんですが…
- さやか: いったい、なんのことですか?
- 咲笑: あ、それはね あなたに感心したからなの
- さやか: 感心…って?
- 咲笑: 苦しいときに支えてくれるのが 真のファンだって言うけれど
- 咲笑: あなたみたいな子のことを そう言うんだって思ったのよね
- さやか: ファ…ファン? あたしが、恭介の?
- 咲笑: そうよ、その男の子の幼馴染で 最初のファン!
- 咲笑: 違うかしら?
- さやか: なるほど…
- さやか: ただのファンじゃなくて 最初のファンかぁ…
- さやか: そう言われると 悪い気はしないかな?
- 咲笑: うふふふふ
- FILENAME: text_324021-3.txt
- カランカラン
- さやか&まばゆ: ありがとうございましたー!
- まばゆ: 片づけは私がやるので 美樹さんはそのままカウンターで
- さやか: はいっ
- さやか: (はぁ… まさかあたしが)
- さやか: (ケーキ屋さんのお手伝いを することになるなんて)
- さやか: (この前まどかと来たときは 想像もしてなかったなー)
- チラ
- まばゆ: …………
- さやか: (まばゆセンパイ… 悪い人じゃないと思うんだけど)
- さやか: (何か隠してそうなんだよね…)
- さやか: (ま、いいか 今日はお店に来る前に)
- さやか: (よさそうなCDも たくさん手に入ったし!)
- さやか: (明日のお見舞いに持っていこう …恭介、喜んでくれるかな?)
- 咲笑: うふふふふ
- さやか: さ、咲笑さん?
- 咲笑: さやかちゃん なんだかニコニコしてたけど
- 咲笑: 何かうれしいことでも あったのかしら?
- さやか: あ、えっと…その 今日はたくさんCDが買えたので
- 咲笑: …CD?
- 咲笑: …なるほど お見舞いにCDをねぇ
- さやか: はい、恭介 音楽が好きだから…
- 咲笑: さすが、最初のファンね!
- さやか: それって 誉められてるんですよね?
- 咲笑: もちろんよぉ
- 咲笑: …ところで、さやかちゃん
- さやか: な、なんですか? あらたまって
- 咲笑: もう、告白はしたのかしら?
- さやか: …は? こ、告白?
- さやか: 待ってください
- さやか: あ、あたしと恭介は ただの腐れ縁みたいな感じで
- さやか: そんなんじゃないですってば!
- 咲笑: あら、そうなの?
- さやか: はい! もう、からかわないでください!
- 咲笑: …そっかぁ ちょっと勘違いしちゃってたわ
- 咲笑: ごめんなさい
- 咲笑: お詫びのしるしに、これあげる 機嫌直してね
- さやか: これ、チョコバー…ですか?
- さやか: (お菓子でご機嫌取り…)
- さやか: (もしかして 子ども扱いされてる?)
- 咲笑: 「ちょこっとバー」っていうの 美味しいから食べてみて!
- さやか: はい…じゃあ
- ぱく…
- さやか: あ… 美味しい!
- 咲笑: でしょぉ?
- さやか: さすが、プロのパティシエが おすすめするだけありますね…
- 咲笑: それ、限定品なの 気に入ったのなら箱ごとあげる
- さやか: いいんですか?
- 咲笑: どうぞ遠慮しないで
- まばゆ: テーブルの片づけ終わりましたー 次はコーヒー豆の在庫見てきます
- 咲笑: よろしくね、まばゆちゃん
- FILENAME: text_324021-4.txt
- 咲笑: そろそろ閉店の時間ね
- 咲笑: あっ…
- さやか: どうかしたんですか?
- 咲笑: さやかちゃんたちの まかないのケーキ…!
- 咲笑: とっておくの、忘れてたわ
- さやか: あ…いいですよ いつもたくさんいただいてるし
- さやか: (明日、恭介のお見舞いに 持っていきたかったけど…)
- 咲笑: でも、まかないつきって条件で 手伝ってもらってるんだし
- 咲笑: せっかくなら、明日のお見舞いに 持っていきたいんじゃない?
- さやか: (ば…バレてる!?)
- さやか: 実はそのつもりでしたけど 他にもおみやげはあるし…
- 咲笑: それじゃ、こうしましょう
- 咲笑: 今日の分のケーキを 明日までに用意しておくから
- 咲笑: お見舞いの前に取りにきて!
- さやか: そ、そこまでしてくれなくても
- さやか: まるで、恭介のお見舞いのために わざわざ作ってもらうみたいだし
- 咲笑: うーん、だったら… さやかちゃん自身が作ってみる?
- さやか: えっ? あたしが、ケーキをですか?
- 咲笑: そう! 私がちゃんと教えてあげるから
- さやか: …………
- さやか: …プロのパティシエに 作り方を教えてもらえるなんて
- さやか: 確かに貴重な機会かも…
- 咲笑: うふふふ、その気になった?
- まばゆ: さてさて、こっちの仕事は 片づきましたよっと
- 咲笑: あら、ありがとう まばゆちゃん
- 咲笑: ということで、さやかちゃん 明日、放課後にお店に来て
- さやか: はい…それじゃ お言葉に甘えて
- さやか: 明日はよろしくお願いします
- 咲笑: どうぞご遠慮なく
- まばゆ: …?
- まばゆ: おふたりさん、なんだか 仲良くなってたりします…?
- <帰り道…>
- さやか: ふぅ…
- さやか: お店の手伝いもだんだん 慣れてきたなぁ
- ???: 「やぁ、美樹さやか」
- さやか: へ?
- キュゥべえ: ボクの名前はキュゥべえ
- キュゥべえ: キミにお願いがあって やってきたんだ
- さやか: お願い…?
- キュゥべえ: ボクと契約して 魔法少女になってよ
- さやか: あのときの恭介の演奏 今でもはっきりと思い出せるよ…
- FILENAME: text_324022-1.txt
- キュゥべえ: ボクと契約して 魔法少女になってよ
- さやか: ………… …………
- さやか: 奇跡とか、魔法少女だとか 急にそんなこと言われても…
- さやか: 叶えたい願い…かぁ
- さやか: …………
- さやか: ちょっと頭が混乱しちゃってて
- さやか: ケーキ作りなんて 気分じゃないけど…
- さやか: でも、咲笑さんとの約束だしね!
- <レコンパンス>
- 咲笑: それじゃ、さっそく始めるわよ
- 咲笑: さやかちゃんは どんなケーキがいい?
- さやか: そうですね… 恭介、いちおう入院中だし
- さやか: 生クリームたっぷりの甘いのより フルーツタルトとかがよさそう
- 咲笑: お店にあるケーキだと どんな感じのがいい?
- さやか: えっと… あ…このハート型の、可愛い!
- 咲笑: それは、お客さんの リクエストで作った
- 咲笑: 告白用のケーキね
- さやか: …こ、告白用…
- 咲笑: 別に告白専用ってわけじゃないし 普通に食べても美味しいわよぉ
- 咲笑: フルーツもたっぷりで ヘルシーだし
- 咲笑: いいんじゃないかしら?
- さやか: そうですね…じゃあ、これで!
- 咲笑: お菓子、ケーキ作りは 最初が肝心よ
- さやか: はい…!
- 咲笑: 大切なのは、丁寧な パイ生地作りから!
- 咲笑: …と言いたいところだけど
- 咲笑: 仕込みの終わった生地の材料が 冷蔵庫にしまってあるから
- 咲笑: 今日はこれを使うわ
- さやか: さすがケーキ屋さんですね…
- 咲笑: ゼロから生地を作ってたら お見舞いに間に合わないもの
- さやか: (ラズベリーと…ブルーベリー)
- さやか: (レッドカラントと… ブラックベリー…と)
- 咲笑: あら、いいバランスね 美味しいケーキになりそう
- さやか: はい…でも ちょっと見た目が寂しいなあって
- 咲笑: イチゴを半分に切って 乗せてみるとか?
- さやか: あ、いいかも そうします!
- 咲笑: エディブルフラワーも いいアクセントになるわよぉ
- 咲笑: もうすぐ完成ね! がんばって!
- さやか: はいっ!
- さやか: ここにマカロンを置いて…
- さやか: …できたぁ!!
- 咲笑: お疲れ様! 可愛くできたわね!
- 咲笑: ケーキは冷蔵庫に入れて 冷やしておくから
- 咲笑: その間に、チョコレートで メッセージプレートを作りましょ
- さやか: そうだ、それが残ってた…! 何を書こうかなぁ
- 咲笑: 試しにいくつか作ってみたら?
- 咲笑: 余ったメッセージプレートは まばゆちゃんと食べちゃうから
- さやか: あ、ありがとうございます!
- FILENAME: text_324022-2.txt
- さやか: (チョコレートの メッセージプレートかあ…)
- さやか: (大きなプレートじゃないし 長い文章は無理だよね)
- さやか: (アルファベットのチョコを 組み合わせて)
- さやか: (文字数の少ない シンプルな単語にする…?)
- さやか: (よし、できた! いい感じかも!)
- さやか: (l・o・v・eで 「love」…)
- さやか: はっ…!
- さやか: (いやいやいや! これはナシでしょ!)
- さやか: (まるで愛の告白じゃない! 恭介がびっくりしちゃうよ)
- さやか: (やりなおし、やりなおし…)
- 咲笑: メッセージプレート そろそろできたかしら?
- さやか: はい、なんとか…!
- 咲笑: 何枚か作ったのね どれにするつもり?
- さやか: 最後に作ったこれにしようかと…
- カランカラン
- 咲笑: あ、いらっしゃいませ
- さやか: 席の案内 あたしが行ってきます!
- 咲笑: ありがとう 助かるわぁ
- さやか: お客さん、ご案内してきました!
- 咲笑: ありがとう、さやかちゃん あとは私がやるから
- 咲笑: これを持って、急いで お見舞いにいってらっしゃい!
- さやか: あれっ、この箱って…
- 咲笑: 完成したケーキに メッセージプレートを乗せて
- 咲笑: 箱に詰めておいたわ
- さやか: そんな急がなくても…って もうこんな時間!?
- 咲笑: そうよ、早くしないと
- 咲笑: お見舞いに 行けなくなっちゃうでしょ?
- 咲笑: さあ、制服に着替えて いってらっしゃい!
- さやか: は、はいっ!
- 咲笑: それから、さやかちゃん…
- さやか: はい…?
- 咲笑: がんばってね! 私、応援してるから!
- さやか: へっ…? …何をですか?
- FILENAME: text_324022-3.txt
- さやか: えっ
- さやか: 恭介の検査 まだ終わってないんですか?
- 看護師: そうなんですよ、順番が押して 開始時間が遅れちゃって
- 看護師: なので、ここでもう少し 待っていてくださいね
- さやか: はい、そうします
- さやか: (ケーキとCDは テーブルの上に置いて…)
- 看護師: あら、綺麗な箱ですね お見舞いのケーキですか?
- さやか: はい…もしかして ケーキはダメでした?
- さやか: 退院も近いし、食事制限は 特にないって聞いたんですけど…
- 看護師: 食べても問題ないですけど
- 看護師: 上条さん、左手が使えなくて 食事がしにくそうだから
- 看護師: あーん、して食べさせてあげると いいかもしれないですね
- さやか: …えええっ!?
- 看護師: あっ、もう行かないと!
- 看護師: お茶が欲しかったら 給湯室を使っていいですから
- 看護師: 可愛い彼女さんが ケーキを持って待ってるって
- 看護師: 上条さんに伝えておきますね!
- さやか: えっ、か…彼女!?
- 看護師: それじゃ、ごゆっくり
- さやか: あっ…ちょっと…! …行っちゃった
- さやか: どうしよう…? あんな言い方されたら
- さやか: 凄いケーキを持ってきたと 勘違いされそう…
- さやか: 確かにレコンパンスのケーキは すごく美味しいけど
- さやか: 今日持ってきたのは あたしが作ったやつだし…
- さやか: ………… …………
- さやか: ちょっと不安になってきた…
- さやか: 咲笑さんは、可愛くできたって 言ってくれてたけど
- さやか: …不格好だったりしないよね?
- さやか: 恭介に渡す前に もう1回、確認しておこうかな
- さやか: (ケーキの箱を… そっと開けて…)
- パカッ
- さやか: ―さやか― あっ…!
- さやか: ―さやか― …「love」って書いてある? なんで!?
- さやか: ―さやか― どうしよう!? メッセージプレートが間違ってる!
- FILENAME: text_324022-4.txt
- さやか: ―さやか― どうしよう!? メッセージプレートが間違ってる!
- さやか: これじゃ完全に 告白ケーキじゃない!
- さやか: (どうしてこのプレートに なっちゃったんだろ…?)
- 咲笑: メッセージプレート そろそろできたかしら?
- さやか: はい、なんとか…!
- 咲笑: 何枚か作ったのね どれにするつもり?
- さやか: 最後に作ったこれにしようかと…
- カランカラン
- 咲笑: あ、いらっしゃいませ
- さやか: 席の案内 あたしが行ってきます!
- さやか: (ちょうどお客さんが来て)
- さやか: (どのプレートを使うか うまく伝わらなかったみたい…)
- さやか: そういえば店を出る前に 咲笑さんが変なこと言ってたよね
- 咲笑: それから、さやかちゃん…
- さやか: はい…?
- 咲笑: がんばってね! 私、応援してるから!
- さやか: へっ…? …何をですか?
- さやか: あれは、あたしが「love」の メッセージつきのケーキを
- さやか: 渡すつもりだと 勘違いしちゃったから…?
- さやか: …いやいや、今は 原因を考えてる場合じゃない
- さやか: 恭介が戻ってくる前に なんとかしないと…!
- さやか: ケーキを持ってきたことは 恭介に伝わっちゃってるから
- さやか: 渡さないわけにはいかないし
- さやか: メッセージプレートを 外してみる…?
- さやか: あー、ダメだ 外した跡が残っちゃいそう
- コツ、コツ…
- さやか: (あれ… 廊下の方から足音が)
- 看護師の声: 上条さんの検査 もうすぐ終わりですね
- 看護師の声: あ、じゃあ私 次の方をお呼びしてきます
- さやか: ――っ!?
- さやか: (まずいよまずいよ! 恭介、戻ってきちゃう!)
- さやか: (うぅ…絶体絶命!)
- さやか: どうしよう なんとか切り抜ける方法は…?
- さやか: (メッセージプレートを作り直す 材料も時間もないし…)
- さやか: ………… …………
- さやか: …そうだ!
- さやか: うまくいくかわかんないけど… とりあえず、給湯室へ!
- さやか: 咲笑さん、妙にはりきってると 思ったんだよね…
- FILENAME: text_324023-1.txt
- さやか: …メッセージプレートの ここを、こうして…
- さやか: これでよし!
- さやか: ふぅ…思わぬものが 役に立ってくれたよ
- さやか: それじゃ、病室に戻りますか! 恭介も戻ってくる頃だし
- 恭介: わあ…こんなにたくさん…? しかも、レア物CDばっかり…!
- さやか: えへへへ お金のことなら心配ないよ
- さやか: 最近、ケーキ屋さんの お手伝いをしててさ
- さやか: ってことで、お見舞いの まかないのケーキ
- 恭介: ああ、ありがとう
- 恭介: ―恭介― うわ…これも、美味しそう
- さやか: ―さやか― 実際、メチャクチャ美味しいよ
- さやか: ―さやか― レコンパンスのケーキは 天下一品なんだから!
- さやか: ―さやか― (咲笑さんにもらったチョコで 「love」を「Move」に変えたんだけど)
- さやか: ―さやか― (なんとか、ごまかせたみたい…!)
- さやか: …………
- 咲笑: 「ちょこっとバー」っていうの 美味しいから食べてみて!
- さやか: はい…じゃあ
- ぱく…
- さやか: あ… 美味しい!
- 咲笑: でしょぉ?
- さやか: さすが、プロのパティシエが おすすめするだけありますね…
- 咲笑: それ、限定品なの 気に入ったのなら箱ごとあげる
- さやか: (あのチョコがこんなところで 役に立つなんて…)
- 恭介: そのお店…
- 恭介: たぶん…さやかには いい仲間ができたんだね
- さやか: あ…う、うん!
- 恭介: …………
- さやか: 実はお見舞いのあとも
- さやか: 少しお手伝いする 予定だったりするんだよね!
- 恭介: そうなんだ… あまり、無理はしないでね
- さやか: あたしは平気! なんたって元気が取り柄だからね
- 恭介: ………… …………
- さやか: (恭介…なんだか寂しそう 元気出してほしいけど…)
- さやか: 恭介… あ、あのさ
- さやか: 実は、このケーキ あたしが作ったんだよね
- 恭介: えっ、さやかが? 凄い…!
- さやか: あはは、店長さんに 見てもらいながらだけどね
- さやか: …は、初めてだったから ちょっと不格好だけど
- 恭介: ううん、そんなことないよ
- 恭介: メッセージプレートに 「Move」って書いてあるけど
- 恭介: これはどういう意味?
- さやか: あっ…その、ほら!
- さやか: 立ち止まらずに 元気にリハビリがんばって!
- さやか: …みたいな意味かな あははは
- 恭介: そうなんだ…ありがとう
- さやか: そ、そんなことより… 美味しいから食べてみてよ
- 恭介: じゃあ、遠慮なく…
- 恭介: 右手しか使えないから ちょっと時間かかっちゃうけど
- さやか: (あ…)
- さやか: じゃあ、その…
- さやか: あ…あたしが食べさせて あげた方がいい…のかな?
- 恭介: え?
- さやか: …いや、もちろん恭介が イヤじゃなければだけど!
- 恭介: ありがとう
- 恭介: せっかく作ってくれたケーキ 落としたりしたら悪いし…
- 恭介: お言葉に甘えようかな
- さやか: (わ…看護師さんの 言った通りになっちゃった…!)
- FILENAME: text_324023-2.txt
- 恭介: ごちそうさま すごく美味しかったよ!
- さやか: いやー、あたしじゃなくて 店長さんの指導のおかげだから!
- 恭介: でも、作ったのはさやかだよ 本当にありがとう
- さやか: ど、どういたしまして…
- 恭介: あ、そうだ…
- 恭介: さやかが持ってきてくれたCD 聴いてみてもいい?
- さやか: もちろん!
- 恭介: ―恭介― この人の演奏は、本当に凄いんだ さやかも聴いてみる?
- さやか: ―さやか― い、いいのかな…
- 恭介: ―恭介― 本当はスピーカーで聴かせたいんだけど 病院だしね
- さやか: …………
- さやか: ………… …………
- 看護師: 失礼しま… あら?
- 看護師: (ふふ、いい感じじゃない このままそっとしておきましょ)
- 恭介: ………… …………
- さやか: (あ…)
- さやか: (恭介、泣いてるの…?)
- さやか: ………… …………
- さやか: …………
- さやか: (あたし…無神経だったかも)
- さやか: (恭介の気持ちも考えずに ひとりではしゃいじゃって…)
- さやか: (でも…)
- さやか: (きっと、以前の恭介なら あたしと一緒に喜んでくれた)
- さやか: (あたしの前で、あんな寂しい 顔はしなかった)
- さやか: (それが、一番悲しいよ)
- キュゥべえ: ボクと契約して 魔法少女になってよ
- さやか: (もしも、以前の 恭介に戻ってくれるなら…)
- さやか: (あたしは…)
- さやか: ………… …………
- FILENAME: text_324023-3.txt
- さやか: あれが、ワルプルギスの夜!
- まどか: さやかちゃん…
- さやか: 大丈夫、あたしたちが 力を合わせればきっと…
- まどか: …うん!!
- さやか: …うわっ!!
- まどか: きゃっ!
- さやか: 大丈夫、まどか!?
- まどか: う…うん…
- まどか: それより、ワルプルギスの夜が 町の方へ向かってる!
- さやか: えっ…
- まどか: あの方向 上条くんの家の方だよね?
- さやか: うん…恭介、足がまだ 治ってなくて
- さやか: 自宅に残ってるみたい
- まどか: さやかちゃん…
- まどか: …ワルプルギスの夜は わたしがここで食い止めるから!
- まどか: さやかちゃんは上条くんたちを 助けてあげて!
- さやか: でも…まどかひとりじゃ…
- まどか: さやかちゃんは 町へ向かった使い魔から
- まどか: みんなを守ってあげて!
- さやか: …わかった、まどか でも無茶はしないで!
- まどか: うん、まかせて!
- ゴゴゴ…
- さやか: うわっ…!
- さやか: (町が壊れていく…)
- さやか: (このままじゃ 取り残された人たちが…)
- 恭介: ………… …………
- さやか: …恭介!? しっかり!
- 恭介: …?
- 恭介: …さや…か…?
- さやか: よかった、恭介…
- さやか: 大丈夫? 怪我はない?
- 恭介: …う…うん
- 恭介: (さやか…不思議な姿してる…)
- 恭介: (これは、夢なのかな…?)
- ゴゴゴ…
- さやか: ワルプルギスの夜…!
- さやか: そんな…! じゃあ、まどかは…!
- さやか: やられちゃったの…!?
- さやか: うわっ!
- 恭介: さやか!
- グラッ…
- 恭介: 建物が…!
- 恭介: (崩れ…)
- ガラガラガラッ
- 恭介: 「さやかっ!!」
- さやか: …無事だった? 手、怪我してない?
- 恭介: う…うん さやか…?
- 恭介: (倒れてくる柱から… さやかが…守ってくれた?)
- さやか: よかった… 恭介の音楽を守れた
- 恭介: でも、さやかが… ひどい怪我してる
- さやか: …あたしは…大丈夫 回復力だけは人一倍らしいからさ
- 恭介: さやか…何を言ってるんだい?
- さやか: いいから…恭介は 生き延びることだけを考えて
- さやか: そして、もっともっと大勢の人に 恭介の音色を聞かせてあげて…!
- 恭介: さやか…
- さやか: (ワルプルギスの夜には…)
- さやか: (これ以上、近寄らせない…!)
- さやか: やぁあああーっ!
- FILENAME: text_324023-4.txt
- さやか: …ごめん、まどか
- さやか: やっぱり、あたしには ワルプルギスの夜は倒せなかった
- さやか: でも、あたしが好きだった 恭介のヴァイオリンは守れたよ
- さやか: ほんの少しだけど… 救いはあったの…かな?
- さやか: ………… …………
- ???の声: …聞こえますか!? 恭介くん!
- 恭介: …?
- 救助に来ました! 気をしっかり持ってください!
- 恭介: (…ハッ!)
- おお、気がつきましたか!
- ご家族のところまで運びます 私につかまって!
- 恭介: あ…さやかは? さやかはどこですか…?
- …? 誰かと一緒だったんですか?
- 恭介: はい…! 僕を守ろうとして…
- ???の声: こっちに女の子がいるぞ! 気を失ってる!
- ???の声: …呼吸なし、脈なし! 胸骨圧迫を開始!
- 恭介: …さやか!
- ???の声: 可哀想に…さやかちゃん 助からなかったそうよ…
- ???の声: ええ、でもさやかちゃん
- ???の声: 不思議なくらい 穏やかな顔をしていたみたい…
- 恭介: さやか…
- さやか: いいから…恭介は 生き延びることだけを考えて
- さやか: そして、もっともっと大勢の人に あの音色を聞かせてあげて…!
- 恭介: (あれは、夢だったのかな…)
- 恭介: (たとえそうだとしても)
- 恭介: (残された僕は やらなくちゃいけない)
- 恭介: (さやかが守りたかった 僕のヴァイオリンの音色を)
- 恭介: (世界の人たちに届けるんだ)
- 恭介: 25番、上条恭介です
- 恭介: 課題曲は…「アヴェ・マリア」
- まばゆ: ………… …………
- まばゆ: …すごく、悲しいお話でしたね
- まばゆ: でも、小さな偶然が重なって
- まばゆ: 美樹さんの言う通り
- まばゆ: 小さな救いは 見つけられたかもしれませんね
- まばゆ: 私は、全然と言っていいほど お役に立てませんでしたけど…
- まばゆ: …美樹さんの想いは
- まばゆ: 上条さんの音楽に受け継がれたと 言えなくもありませんし
- まばゆ: なんだか、他にもちょこちょこと 謎が残っている感じですけど
- まばゆ: そのあたりはたぶん、別の場所で まとめて語られる予感がします…
- まばゆ: …………
- まばゆ: それでは、またいつか
- まばゆ: 別のストーリーで お会いしたいですね
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