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London: Opportunity

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Aug 1st, 2017
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  1. Dr. Roman
  2. ……ん……マイクがノイズを拾ってるみたいなんだけど、
  3. もしかして噂をすれば、かな。周囲に敵性反応多数。
  4.  
  5. Dr. Roman
  6. さっきよりもアパルトメント周辺をうろつく数が
  7. 増えてるな……通信に障害が出るほど魔力が歪んでいる。
  8.  
  9. Mashu
  10. この駆動音は
  11. ヘルタースケルターの集団と思われます。
  12.  
  13. Anderson
  14. 屋内には乗り込んで来ないだろうが、
  15. 煩わしいのも確かだ。さっさと片付けてこい。
  16.  
  17. ?1:そうしよう
  18.  
  19. ?2:すぐに終わらせる
  20.  
  21. ?!
  22.  
  23. Mashu
  24. はい、先輩。
  25. 路地で迎撃します、何体か撃破しておきましょう。
  26.  
  27. ==
  28.  
  29. Mashu
  30. ……お疲れさまでした。
  31. ヘルタースケルター、撃退完了です。
  32.  
  33. Dr. Roman
  34. ん。んん?
  35. まてよ……待ってくれ、ええと……だからつまり……
  36.  
  37. Dr. Roman
  38. ヘルタースケルター?
  39.  
  40. Fou
  41. フォウ?
  42.  
  43. Dr. Roman
  44. そうだ。そうだったよ!
  45. 実は、ヘルタースケルターの解析が進んだんだ!
  46.  
  47. Dr. Roman
  48. あれはやはりボクらには不明の技術で作られた機械だ。
  49. 恐らくは、魔力で作られた機械[line 2]のはずだ。
  50.  
  51. Mashu
  52. それは……魔術と科学を併せて作られた機械、
  53. ということでしょうか?
  54.  
  55. Dr. Roman
  56. ちょっと違うな。
  57. 魔力で作られてはいるが、あれは機械なんだ。
  58.  
  59. Dr. Roman
  60. 技術体系は相変わらず訳のわからないものだけど、
  61. 構造そのものは機械。でも、魔力で形成されている。
  62.  
  63. Jekyll
  64. つまり……
  65. ええと……
  66.  
  67. ?1:どういうこと?
  68.  
  69. Jekyll
  70. 僕にはよく、わからないな……
  71.  
  72. ?2:宝具みたいなものかな?
  73.  
  74. Dr. Roman
  75. 正解! よくわかったね!
  76.  
  77. ?!
  78.  
  79. Mashu
  80. ……つまり。サーヴァントの宝具のように
  81. 魔力で形成された武装である、ということですね。
  82.  
  83. Dr. Roman
  84. うん。なまじ仕組みのある機械なものだから、
  85. ボクも魔術によるゴーレムとの近似を探しすぎたよ。
  86.  
  87. Dr. Roman
  88. 要は、あれは宝具なんだ。
  89. 魔力に依って編み上げられた力あるかたち。
  90.  
  91. Dr. Roman
  92. 剣の宝具が「鋭い刃」である代わりに、
  93. ヘルタースケルターは「戦う機械」の宝具なんだ。
  94.  
  95. Dr. Roman
  96. 自律稼働しているように見えるけど、
  97. 実際は、宝具の所有者あたりが動かしてるようだ。
  98.  
  99. Dr. Roman
  100. 言わば、リモコンで動くロボット軍団さ。
  101. リモコン相当の何かを壊せば全機が停止するはずだ。
  102.  
  103. Mashu
  104. では、余程の例外を除けば
  105. 宝具の所有者であるサーヴァントを叩けば
  106.  
  107. Mordred
  108. 連中は消え失せる。
  109. 何だ、一気に話が見えてきたな?
  110.  
  111. Mashu
  112. それでドクター、
  113. 宝具の所有サーヴァントはどこに?
  114.  
  115. Dr. Roman
  116. ……わかりません。
  117.  
  118. Jekyll
  119. ……そうだよね。うん、それはそうだ。
  120.  
  121. Dr. Roman
  122. そこまでは流石のダ・ヴィンチちゃんも
  123. わからないというか、面倒みきれないとか言い出して……
  124.  
  125. Mashu
  126. えっ。
  127.  
  128. Jekyll
  129. ん?
  130.  
  131. Mordred
  132. 何だ。別の奴が解析したのか。
  133.  
  134. Dr. Roman
  135. ……うう、そうです……だって、ボクだけじゃ、
  136. さっぱりどうにもならなくて……
  137.  
  138. Dr. Roman
  139. 医療セクションのスタッフだよボク……
  140. それにしては頑張ってると思わない、ねえ……?
  141.  
  142. Mashu
  143. は、はい。ドクターは尽力してくれています。
  144. ですよね、先輩?
  145.  
  146. ?1:うん
  147.  
  148. Dr. Roman
  149. ありがとう、ありがとう……
  150. [%1][&君:ちゃん]……
  151.  
  152. ?2:宝具の所有サーヴァントの位置か…
  153.  
  154. Dr. Roman
  155. ウウ……
  156. さみしい……
  157.  
  158. ?!
  159.  
  160. Fran
  161. ……ゥ……。
  162. ……ゥ、ゥ、ゥゥ……。
  163.  
  164. Mordred
  165. やるべきことは決まった。うん。
  166. だが、その目的地がどこなのか分からん。か。
  167.  
  168. Fran
  169. ……ゥ……。
  170.  
  171. Mordred
  172. どうしたもんか。
  173. こう、一発で、魔力なりを辿ったりできれば……
  174.  
  175. Mashu
  176. [#遠隔操作器:リモコン]の例えが正確であるなら、
  177. 確かに、魔力を辿ることもできるかも知れません。
  178.  
  179. Dr. Roman
  180. こと科学と魔術に長けたダ・ヴィンチちゃんが
  181. そう例えてたから、間違いないとは思うんだけどね。
  182.  
  183. Dr. Roman
  184. でも、魔霧の影響がある上に、
  185. 魔力の痕跡を辿るなんて繊細な芸当をこなすのは……
  186.  
  187. Dr. Roman
  188. 少なくともボクには無理だ。
  189. カルデアの設備でも流石に難しい。
  190.  
  191. Jekyll
  192. 僕もお手上げだ。
  193. そもそも、本物の魔術師じゃないからね。僕。
  194.  
  195. Fran
  196. ……ゥ……。
  197.  
  198. ?1:さっきから、フランが……
  199.  
  200. ?2:何か言いたそうな人がいますよ
  201.  
  202. ?!
  203.  
  204. Mashu
  205. フランさん?
  206. そんなところに隠れて……どうかしましたか?
  207.  
  208. Fran
  209. ……ゥ……。
  210. ……ゥ、ゥゥ……。
  211.  
  212. Mordred
  213. 何だ、隣の部屋の作家英霊どもから逃げてきたか?
  214. あいつらうるさいしな、気持ちは分かるぞ。
  215.  
  216. Fran
  217. ……ゥ……。
  218. ……ゥ、ゥゥ……。
  219.  
  220. Mordred
  221. 隠れてないでこっちに顔出せ。
  222. ほら、来いよ。
  223.  
  224. Fran
  225. ……ゥ、ゥ……。
  226.  
  227. Mordred
  228. 何だ。オレたちに言いたいことでもあるのか?
  229. それならはっきり言ってみろ。
  230.  
  231. Fran
  232. ……ゥ。
  233.  
  234. Mashu
  235. 構いません。わたしたちで良ければ。
  236. ですよね、先輩?
  237.  
  238. ?1:勿論
  239.  
  240. ?2:何でも言っていいよ
  241.  
  242. ?!
  243.  
  244. Fran
  245. ……ゥ、ゥゥ……ァ……。
  246.  
  247. Fran
  248. ……ァ……。
  249.  
  250. Fran
  251. ……ァ、ゥ……ゥゥ、ゥ……。
  252.  
  253. Fran
  254. ……ァ、ァ、ァ……。
  255.  
  256. Mordred
  257. な……それ、本当か!?
  258.  
  259. Mashu
  260. 驚きました。
  261. フランさんに、まさか、そんなことができるなんて……
  262.  
  263. Jekyll
  264. ?
  265.  
  266. Dr. Roman
  267. ねえ、本当にわかってる?
  268. 本当になにを言っているかわかってるのかい?
  269.  
  270. Mashu
  271. 何となく、です。ジェスチャーもしてくれて
  272. いますから、ある種の手話を読むような感じで……
  273.  
  274. Mordred
  275. わかるらしいぞ、こいつ。
  276. ヘルタースケルターのリモコンの場所。
  277.  
  278. Dr. Roman
  279. え!?
  280.  
  281. Jekyll
  282. ほ、本当かい?
  283.  
  284. Fran
  285. ……ゥ。
  286.  
  287. Jekyll
  288. 改めて、確認だ。フラン。
  289. 君は……「彼ら」を操る魔力の痕跡を知覚できるのかい?
  290.  
  291. Fran
  292. ……ゥ。ゥ。
  293.  
  294. Mordred
  295. ほらな。頷いたろ。
  296. よし、そうとわかれば話は早い。行動開始だ!
  297.  
  298. ==
  299.  
  300. Mordred
  301. ……しっかし、
  302. 慣れたとはいえこうも視界が悪いとイライラするぜ。
  303.  
  304. Fran
  305. ……ゥ。
  306.  
  307. Mordred
  308. なあ[%1]。おまえんとこの宮廷魔術師……
  309. ドクター・マロン、だっけ?
  310.  
  311. Mordred
  312. あいつに遠見の水晶とか作ってもらえないのか?
  313. マーリンだったら一発なんだけどなぁ……
  314.  
  315. Dr. Roman
  316. ロマン! ロマンだからねボク!
  317. それとマーリンなんかと比べないでほしい!
  318.  
  319. Dr. Roman
  320. あっちは究極の引きこもり魔法使い、
  321. ボクは現代のお医者さんなんだから!
  322.  
  323. Fou
  324. フォウ、フォウ!
  325.  
  326. ?1:まーがりん?
  327.  
  328. ?2:まーまれいど?
  329.  
  330. ?!
  331.  
  332. Mordred
  333. ああ!? テメエ、魔術師のクセに知らないのか!?
  334. マーリンだよマーリン。
  335.  
  336. Mordred
  337. アーサー王の後継人にして円卓の仕掛け人。
  338. 人間と夢魔のハーフの大魔術師なんだが……
  339.  
  340. Mordred
  341. あいつ、もうメジャーじゃないのか?
  342. ハハ! だとしたら超愉快だな! ザマアミロ!
  343.  
  344. Dr. Roman
  345. マーリンは世界でも有数のキングメーカーだよ。
  346. アーサー王に岩の剣を抜かせたのも彼だ。
  347.  
  348. Dr. Roman
  349. その魔術の腕前は大したものだったらしいけど、
  350. 最後には女性関係のトラブルで世界の果てに幽閉される。
  351.  
  352. Mordred
  353. ああ。死ぬ事も出る事もできず、
  354. 今でも[#妖精郷:アヴァロン]の片隅の塔でいじけてるって話だ。
  355.  
  356. Mordred
  357. なんていうか、ふわっとした野郎なんだよ。
  358. いつも背中に花が舞ってるイメージ……って、わかるか?
  359.  
  360. ?1:わかる
  361.  
  362. ?2:わからない
  363.  
  364. ?!
  365.  
  366. Mordred
  367. まあどうでもいいけどな、アイツなんて。
  368. ロンドンの異変に駆けつけられない軟弱者なんだから。
  369.  
  370. Mordred
  371. ……それより。
  372. なあ[%1]。おまえ、いいのかよ。
  373.  
  374. ?1:なにが?
  375.  
  376. ?2:どうしたの?
  377.  
  378. ?!
  379.  
  380. Mordred
  381. (マシュだよ、マシュ。
  382.  さっきから元気ないだろ。声かけてやれよ)
  383.  
  384. Fou
  385. フォウ……
  386.  
  387. ?1:どうした[&んだ:の]、マシュ?
  388.  
  389. ?2:元気ないぞ、マシュ
  390.  
  391. ?!
  392.  
  393. Mashu
  394. ……はい。[#身体面:フィジカル]に異常はないのです、けど……
  395. ……………[#精神面:メンタル]に、問題が。
  396.  
  397. Mashu
  398. ……申し訳ありません、先輩。戦いは激しくなる
  399. 一方なのに、わたしは全然成長できなくて……
  400.  
  401. Fou
  402. フォウ……?
  403.  
  404. Mashu
  405. ……宝具の話です。
  406. サーヴァントにとって宝具こそ本当の戦力。
  407.  
  408. Mashu
  409. 今まで多くの宝具を見てきました。
  410. どれも英雄の名に恥じない奇跡だったと思います。
  411.  
  412. Mashu
  413. なのに、わたしは
  414. まだ、その宝具を使えません。
  415.  
  416. Mashu
  417. ……これでは足手まといです。それをわかっているのに、
  418. わたしはまだ真名を思い出せない……
  419.  
  420. ?1:別に宝具がなくても……
  421.  
  422. Mashu
  423. いえ、宝具は必要です……!
  424.  
  425. Mashu
  426. あ、その……すみません、怒鳴ったりして。
  427. でも、絶対に必要になる……そんな気がするんです。
  428.  
  429. ?2:それはマシュのせいじゃない
  430.  
  431. Mashu
  432. ……たしかに突発的な事故による融合でした。
  433. でも、彼はわたしにすべてを託してくれたのに……
  434.  
  435. Mashu
  436. 肝心のわたしは、宝具の真価ばかりか、
  437. 彼の真名すら判らないままなんです……
  438.  
  439. ?!
  440.  
  441. Mordred
  442. そういうコトか。ヘルタースケルターが
  443. 宝具だって聞いて、それで落ちこんだのか。
  444.  
  445. Mordred
  446. 確かに宝具の使えないサーヴァントなんざ
  447. サーヴァントじゃねえ。
  448.  
  449. Mordred
  450. どんなに弱い宝具であろうと、宝具の在り方自体が
  451. その英雄がいた証、誇りみたいなもんだからな。
  452.  
  453. Mashu
  454. …………
  455.  
  456. Mordred
  457. でも、おまえは違うだろマシュ。
  458. おまえはおまえだ。盾ヤロウとは考え方も誇りも違う。
  459.  
  460. Mordred
  461. たしかにおまえはその宝具を使いこなしていない。
  462. オレが見たところ、三分の一ってところだ。
  463.  
  464. Mordred
  465. 残りの三分の二は眠っている。あるいは、おまえが
  466. おまえであるかぎり百にはならないかもしれない。
  467.  
  468. Mashu
  469. ……やはり、そうなのですね。
  470.  
  471. Mashu
  472. デミである部分……人間としてのわたしが、
  473. 先輩の足を引っ張って……
  474.  
  475. Mordred
  476. バーカ。そんなワケあるか。
  477. 話は最後まで聞けよ。
  478.  
  479. Mordred
  480. おまえは宝具を最大限に発揮できていない。
  481. でもな
  482. おまえ、元の英霊より強いぞ、きっと。
  483.  
  484. Mashu
  485. え……? 元の英霊って……
  486. わたしに融合してくれた英霊さんの事、ですか?
  487.  
  488. Mordred
  489. ああ、そいつよりメチャクチャ強い。
  490. オレが言うんだから間違いない。
  491.  
  492. Mordred
  493. 宝具で負けているだけで、他の部分は負けてない。
  494. なあ、そうだよな[%1]?
  495.  
  496. Mordred
  497. アンタにとって、
  498. マシュは最高のパートナーだろう?
  499.  
  500. ?1:もちろんだ!
  501.  
  502. ?2:宝具は自分がなんとかする!
  503.  
  504. ?!
  505.  
  506. Mashu
  507. …………っ。
  508. そ、そう、なのでしょうか。
  509.  
  510. Mashu
  511. …………はい。
  512. そうであれば、元気がでます、わたし。
  513.  
  514. Mordred
  515. ほら見ろ。そもそもサーヴァントの状態管理は
  516. マスターの仕事だ。
  517.  
  518. Mordred
  519. おまえの宝具が真価を発揮できるかは
  520. マシュじゃなくて[%1]の問題なんだよ。
  521.  
  522. Mordred
  523. な、そうだろ[%1]?
  524.  
  525. Mordred
  526. マシュが一人前になるより先に、
  527. おまえが一流のマスターになってるよな?
  528.  
  529. ?1:一緒に一人前になる
  530.  
  531. ?2:そのうちこっちから教えてあげるよ
  532.  
  533. ?!
  534.  
  535. Fou
  536. フォーウ!
  537.  
  538. Mordred
  539. だとさ。だから気にするなマシュ。
  540.  
  541. Mordred
  542. 一番危険な席には、
  543. とっくに[%1]が座ってるんだから。
  544.  
  545. Mashu
  546. はい!
  547.  
  548. Dr. Roman
  549. ……よし、そろそろいいかな?
  550. いい雰囲気のところ、本当にすまないんだけど……
  551.  
  552. Mashu
  553. あ……
  554.  
  555. Mordred
  556. ったく。[%1]、ライダーのサーヴァント
  557. でも呼べよ。マロンを後ろ足で蹴飛ばしてやれ。
  558.  
  559. Dr. Roman
  560. はいはい、ぜんぶボクのせいボクのせい!
  561. それじゃあ戦闘開始だ、敵性反応多数接近!
  562.  
  563. Dr. Roman
  564. 景気づけに蹴散らしてやりなさい!
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