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- FILENAME: text_310201-1.txt
- かごめ: …よし… これでなんとなくまとまったかな
- かごめ: アルちゃんはどう思う?
- アルちゃん: <いいんじゃないかな!>
- かごめ: ふふっ、ありがとう
- かごめ: 取材メモを改めて見返したけど
- かごめ: みんないろんな境遇で 育ってきたんだね
- かごめ: まさに十人十色って感じだよ
- アルちゃん: <当たり前だけど>
- アルちゃん: <みんなも小さいときが あったんだよね>
- かごめ: うん、だからかな 話を聞いて色々思い出しちゃった
- かごめ: 小さいときから引っ込み思案で 私は友だちがいなくて…
- かごめ: でも、ひばりちゃんと出会って ようやく話せる友だちができて…
- かごめ: …ふふっ
- かごめ: 卒業アルバムを 見返してみようかな
- アルちゃん: <私も久しぶりに見たいな!>
- かごめ: じゃあ、アルちゃんも 一緒に見よう
- パラパラ…
- かごめ: あっ、入学式で撮った集合写真だ 懐かしいな…
- かごめ: ふふっ、どの写真も ひばりちゃんと一緒に写ってる
- かごめ: アルちゃんと出会ったのも ちょうどこの時期だったよね
- かごめ: あれはまだ私が小学生に上がりたてのころ…
- かごめ: もし、ひばりちゃんがいなかったら 私たちはこうして一緒にいなかった…
- なわとびする子 この指とーまれ!
- あたしも入れて!
- ぼくも!
- それじゃ、校庭に行こう!
- みんな: 「わーーーい!」
- かごめ: …………
- かごめ: はぁ…
- 「わーっ!またひっかかった!」
- 「きゃははっ!へたっぴ―!」
- かごめ: みんな楽しそう…
- かごめ: どうして緊張しちゃうんだろ…
- かごめ: あれ…?
- ???: …………
- かごめ: (…あの子も私と一緒 いつもひとりでいるかも…)
- かごめ: (たしか… ひばりちゃんだっけ…?)
- かごめ: (私と同じで 恥ずかしがり屋なのかな…)
- FILENAME: text_310201-2.txt
- ひばり: …………
- かごめ: (あの子も私と同じなら… 友だちになれるかな…?)
- ひばり: …………
- かごめ: あ、あのっ…
- ひばり: え…?
- かごめ: ええっと…
- ひばり: …………
- かごめ: (話しかけるなんて できないっ…!)
- かごめ: …っ!
- ひばり: …!
- <翌日…>
- ひばり: …………
- かごめ: (あの子… 今日もひとりぼっちだ…)
- ひばり: …………
- チラ…
- ひばり: …っ…!
- かごめ: (目が合っちゃった…!)
- ひばり: …………
- かごめ: (ど、どうしよう… 今日こそ話して…)
- ひばり: …………
- かごめ: (や、やっぱり無理っ…!)
- かごめ: 私もひばりちゃんも お互いを意識し合ってたはずなのに 声をかけることができずにいた
- かごめ: だけど、ひばりちゃんが勇気を出してくれて 私たちの距離は一気に縮まった…
- かごめ: …はぁ…
- かごめ: 「マンドラゴラの冒険」 とってもおもしろかった…
- かごめ: (ひとりぼっちだった マンドラゴラが)
- かごめ: (がんばって仲間を助けるのが かっこよかったな)
- かごめ: (あれが本当の友だちになる きっかけだったんだよね…)
- かごめ: (…私もなれるかな… マンドラゴラみたいに…)
- ???の声: <あっ! 「マンドラゴラの冒険」だ!>
- ???の声: <それ、いつも読んでるよね?>
- かごめ: …え…?
- ヌッ…
- かごめ: ひゃっ…!?
- かごめ: (ぬ、ぬいぐるみが しゃべった…!?)
- ひばり: お、驚かせてごめんね
- かごめ: (あっ…私と同じで いつもひとりの…)
- ひばり: かごめちゃん…だよね…?
- かごめ: あぅ…あわ…
- ひばり: え、あ、急に出てきてごめん
- ひばり: あの…このネコは話してなくて 本当は私が話してるの…!
- かごめ: え…
- ひばり: 腹話術って言うんだけど… びっくりしたよね…
- ひばり: でも…どうしても… 話しかけたかったの…
- かごめ: どうして…?
- ひばり: …この子、もらってほしくて…
- かごめ: ―かごめ― (マンドラゴラのぬいぐるみ…!)
- ひばり: ―ひばり― 私も「マンドラゴラの冒険」が大好きで ぬいぐるみもいっぱい持ってるの…
- ひばり: ―ひばり― もしよかったら… その子の友だちになってくれないかな?
- かごめ: ―かごめ― …え…
- ひばり: それと… …私と…も…
- かごめ: …!?
- かごめ: (と…友だち…!?)
- FILENAME: text_310201-3.txt
- かごめ: (いま、私と友だちになって ほしいって言ったの…?)
- ひばり: きゅ、急に変なこと言って ごめんね
- ひばり: 私、ずっとかごめちゃんと 話してみたかったの
- ひばり: だから、勇気を出して 声をかけたんだ
- ひばり: …マンドラゴラみたいに 大声で叫ぶのはできなかったけど
- かごめ: …………
- ひばり: う、うぅ…
- ひばり: やっぱり私みたいな変な子 嫌だよね…
- マンドラゴラ: <…嫌…なんかじゃないよ!>
- ひばり: …え…?
- かごめ: …実は私も、いつか物語の中の
- かごめ: マンドラゴラみたいに なりたいって思ってたの
- かごめ: だから今度は私が勇気を出す番…
- かごめ: ひばり…ちゃん… 私と友だちになって…!
- ひばり: かごめちゃん…
- ひばり: うん…もちろんだよ!
- かごめ: それから私は何をするにも ずっとひばりちゃんと一緒だった
- ひばり: そういえば この子に名前は付けた?
- かごめ: うん、アルちゃんっていうの
- ひばり: へー、かわいい名前だね! どういう意味なの?
- かごめ: それはね…
- アルちゃん: <マンドラゴラの もうひとつの名前>
- アルちゃん: <アルラウネからきてるの!>
- ひばり: わっ…すごい! 本当に腹話術が上手になったね!
- かごめ: ふふっ、ちょっと照れるな
- かごめ: 今まで言えなかったことが ぬいぐるみを通せば するすると話せるようになって まるで魔法みたいだと思った
- かごめ: そして、ひばりちゃんとは いつの間にか腹話術なしでも話せるぐらい 心を許せる大親友となっていた
- かごめ: どうしよう…明日の算数のテスト 絶対に解けないよ…
- ひばり: 大丈夫だよ、かごめちゃん
- ひばり: そうだ! ちょっとだけアルちゃんを貸して
- かごめ: え…? いいけど…
- ギュッ…!
- ひばり: はい、おまじないを かけておいたよ
- かごめ: おまじない…?
- ひばり: お母さんに教えてもらったんだ
- ひばり: ぬいぐるみをぎゅっと抱きしめて 心の中で願いごとを唱えるの
- ひばり: すると なんでも願いが叶っちゃうんだ
- かごめ: へぇ!すごいんだね
- ひばり: ただし願いは絶対に秘密! 叶わなくなっちゃうからね
- かごめ: え? テストが解けるようにって…
- ひばり: わー!ダメダメー!
- かごめ: 私はひばりちゃんと過ごす 何気ない日常がとても楽しかった
- かごめ: だけど…そんな時間は いつまでも続くわけじゃなくて…
- ひばり: 引っ越し…? …ウソ…だよね…?
- かごめ: …ううん…お父さんの転勤で…
- ひばり: …そっか… それじゃあどうしようも…
- かごめ: …………
- ひばり: …かごめちゃん…?
- かごめ: 私…この先どうなっちゃうのか… 不安で不安で怖いよ…
- ひばり: …………
- かごめ: どうしよう… 私、ひばりちゃんがいないと…
- ひばり: …………
- ひばり: …アルちゃんちょっと借りるね!
- かごめ: えっ…?
- ギュッ…!
- ひばり: はい…
- ひばり: アルちゃんに おまじないをかけておいたよ
- かごめ: …それ 小学生のときに流行ってた…
- ひばり: もちろん願いは秘密 バレたら叶わなくなっちゃうから
- かごめ: ひばりちゃん…うぅ…
- ひばり: 少し遠くに離れるだけで 会えなくなるわけじゃない…
- ひばり: 寂しくて胸が潰れそうだけど 必ずまた会える…
- ひばり: だって私たちは 唯一無二の大親友なんだもん
- かごめ: …!
- かごめ: …そう…だよね… ありがとう、ひばりちゃん…
- かごめ: これまで 色んなことがあったけど
- かごめ: 私がこうして元気でいられるのは アルちゃんがそばにいるから
- かごめ: ひばりちゃんとの出会いが あったからなんだよね
- かごめ: …最近はお互い忙しくて なかなか連絡できてないけど
- かごめ: 元気にしてるかな…
- ピロン♪
- かごめ: …? 誰からだろう
- かごめ: え…ひばりちゃん!? すごい偶然…
- ひばり: かごめちゃん! 実は今度、神浜市に行く予定ができたの よかったら、そのときに会えたりしないかな?
- かごめ: なんてタイミングなんだろう… 私もひばりちゃんに会いたい
- かごめ: もちろん大丈夫だよ! 予定はいつ頃になりそう?
- かごめ: 私、案内できるところ いっぱい用意しておく!
- かごめ: ふふっ、ひばりちゃんと会うのは 引っ越し以来だなぁ…
- かごめ: …………
- かごめ: 別れ際にいっぱい泣いて 心配かけちゃったし…
- かごめ: 今は大丈夫ってところを 見せて安心させたいよね…
- かごめ: …よし…!
- かごめ: 今回はひとりで立派に 神浜市を案内してみせる…!
- かごめ: 私、がんばるから 見守っててねアルちゃん!
- アルちゃん: <かごめちゃんならできるよ!>
- かごめ: ふふっ、ありがとう
- FILENAME: text_310201-4.txt
- <ひばりとの約束の日…>
- ひばり: あっ…かごめちゃん!
- かごめ: ひばりちゃん! 久しぶりだね
- ひばり: 会いたかったよ 元気だった?
- かごめ: うん、ひばりちゃんも 元気そうでよかった
- ひばり: アルちゃんも久しぶり!
- アルちゃん: <私もひばりちゃんに 会いたかったよ!>
- ひばり: ふふっ、今日はよろしくね
- かごめ: 神浜市なら色々と知ってるから 行きたい所があれば言ってね
- ひばり: なら、参京区のゲームセンターに 行ってもいい?
- ひばり: 実は神浜限定のプライズが どうしても欲しくて…
- かごめ: そっか!ひばりちゃん クレーンゲームで集めてたもんね
- ひばり: …大丈夫?
- かごめ: もちろんだよ それじゃ、案内するね
- ひばり: 神浜市って結構栄えてるんだね
- かごめ: そうみたい はじめは私もびっくりしちゃった
- ひばり: 人もいっぱいいるし…
- ひばり: わっ… 賑やかそうな人たちがいる…
- かごめ: え…?
- ひめな: あれ? さとりんじゃん!
- かごめ: ひめなさん! それにみなさんも
- ひばり: えっ!? し、知り合い…?
- ひめな: 知り合いどころか もはやマイメン?
- ひめな: ってか、アンタ誰?
- ひばり: …え、えっと…その…
- かごめ: この子はひばりちゃんと言って 私の親友なんです
- ひめな: へぇーそうなんだ!
- ひめな: さとりんのズッ友なら 私チャンのマイメン同然だし
- ひめな: 今日からひばりんって呼ぶね!
- ひばり: ひ…ひばりん…?
- ミユリ: 姫様、お相手が困ってますよ…?
- ひめな: いーじゃん! あだ名は仲良しの証だからね!
- 時雨: ごめん… ぼくたちじゃ止められない…
- かごめ: …ひばりん… とっても可愛いと思います!
- ひめな: だよねー!キャハッ★ ヨロピクひばりん!
- ひばり: あっ…は、はぃ…
- ひめな: そうだ! さとりんたちも一緒にどう?
- ひめな: これからみゆりんたちと ネイルグッズ買いに行くんだけど
- 時雨: ぼくと遊狩さんは 付き合わされてるだけ…
- かごめ: ごめんなさい これから行くところがあって…
- かごめ: 残念ですがまたの機会に お願いします
- ひめな: そっかー…
- ひめな: せっかくひばりんとも 仲良くなれると思ったのに
- ミユリ: 姫様大変ですぅ!
- ミユリ: オープンの時間が 迫ってますよ!
- ひめな: うわ、ヤバヤバのヤバじゃん!
- ひめな: それじゃ、さとりんひばりん またね!!
- ひばり: …………
- かごめ: ごめんね、びっくりしたでしょ? でも、悪い人たちじゃないから
- ひばり: うん、わかってるよ
- ひばり: それにしても驚いたな ギャルの人と友だちだなんて
- かごめ: ちょっといろいろあって…
- ひばり: いろいろ?
- かごめ: ううん、なんでもない! 私たちも行こっか
- かごめ: (…紹介できたのは たまたまだったけど)
- かごめ: (私にひめなさんたちみたいな 賑やかな友だちができて)
- かごめ: (ひばりちゃんは どう思ったんだろう…?)
- かごめ: (少しでも安心材料になると いいなぁ…)
- かごめ: ひばりちゃんはちっとも変わって ない…あの頃の優しいままだ
- FILENAME: text_310202-1.txt
- かごめ: えっと… ゲームセンターは確か…
- かごめ: ごめん、一度場所を調べるね
- ひばり: ゆっくりで大丈夫だよ
- かごめ: この建物がこれで ゲームセンターの位置は…
- ???の声: ちょ、ちょっと待って! 私には何がなんだか…
- ひばり: うん…?
- かごめ: なんだろう…?
- ひばり: 海外の人に話しかけられて 困ってるのかな?
- ひばり: 私も同じ状況になったら あんな感じになるかも…
- かごめ: あっ…!!
- かごめ: ごめん、もうちょっとだけ 待ってて!
- ひばり: かごめちゃん!?
- オーマイガー…
- 静香: ええっと…その~…
- かごめ: 大丈夫ですか!?
- 静香: 佐鳥さん!?
- 静香: ちょうどよかった! 言葉がわからなくて困ってたの
- エクスキューズミー 私は花屋を探してマス
- かごめ: …!!
- 静香: ほら! もうチンプンカンプンで…
- かごめ: お、落ち着いてください! この方は日本語で話しています!
- 静香: へ…?
- イエス! 私は花屋に行きたいデス!
- 静香: ほ、本当だわ! 私ってばつい異国語だと…
- かごめ: お花屋さんはそこの角を曲がって まっすぐ行くとありますよ
- オー!助かりました! サンクス!
- 静香: 佐鳥さんが来てくれて 本当に助かったわ…
- かごめ: 静香さんがひとりで外出って 珍しいですね?
- 静香: 違うのよ…キョロキョロしてたら ちゃるたちとはぐれちゃって…
- かごめ: えっと…それならスマホで 連絡してみるのは…
- 静香: …………
- 静香: …………あっ…!
- 静香: 持ってるのを 忘れていたわ…!
- 静香: これでちゃるたちと会える! 何から何まで本当にありがとう!
- かごめ: お役に立ててよかったです
- 静香: お礼はまた今度 きっちりさせてもらうわね!
- かごめ: お待たせ、ひばりちゃん
- ひばり: すごいよかごめちゃん!
- ひばり: 海外の人に 臆せず話しかけるなんて
- かごめ: 知り合いが困ってたから 放っておけなかっただけだよ
- ひばり: そっか… 優しいねかごめちゃんは
- かごめ: ひばりちゃん?
- ひばり: …ごめん、なんでもない!
- かごめ: …う、うん それじゃ、行こっか
- FILENAME: text_310202-2.txt
- かごめ: おかしいな…
- かごめ: ゲームセンターは この辺りのはずなんだけど…
- ひばり: もしかして潰れちゃったとか…?
- かごめ: ええ!? まさか…
- ひばり: 最近、閉店する ゲームセンターが多いんだよ
- ひばり: ついに神浜市みたいに 大きな町にもその波が…
- かごめ: どうしよう…
- かごめ: もう1軒知ってるけど ここからじゃ遠いし…
- かごめ: 限定プライズも置いてるか わからないんだよね…
- リヴィア: なんや、ゲーセン探してるんか?
- かごめ: あ、リヴィアさん…!
- リヴィア: たぶん、道を間違うとるで 1本隣やからな
- かごめ: 私、てっきりこの通りだと 勘違いしてました
- ひばり: あの、かごめちゃん… この人とも知り合いなの…?
- かごめ: うん、そうだよ ひばりちゃん
- リヴィア: ん…ひばりって言うたら…
- リヴィア: ああ、もしかしてこの子が 前に話しとった友だちかいな
- かごめ: はい 今日、神浜市に遊びに来てて
- リヴィア: せやったら、100万円だけ 情報料をもろて帰ろっかな
- かごめ: 100万…!?
- かごめ: …………
- かごめ: …はっ…
- かごめ: な、なんでやねーーーん!!
- ひばり: えっ…ええ!?
- リヴィア: やっとわかってきたやん
- リヴィア: そないしてしょうもない冗談には ツッコんだらええねん
- ひばり: …かごめちゃんって お笑いの勉強でもしてるの…?
- かごめ: ハッ、違うのひばりちゃん! これには事情があって…!
- リヴィア: あっはは
- リヴィア: ほんなら、私はこれ以上 水を差さんように退散するわ
- かごめ: あ、すみません どうもありがとうございました
- リヴィア: 今日は楽しんで帰りやー
- かごめ: ふぅ~…恥ずかしかった…
- かごめ: 別にお笑いの勉強は してないからね…?
- ひばり: ふふっ、わかってるよ
- ひばり: でも驚いちゃった 大人の知り合いまでいるんだもん
- ひばり: 私だったら萎縮しちゃって あんな風に話せないかも
- かごめ: そんな、偶然リヴィアさんが 話しやすい人っていうだけで…
- ひばり: ううん、そんなことない
- ひばり: ギャルの友だちや
- ひばり: 海外の人の対応も ずっと驚かされっぱなしだし
- ひばり: 昔と違ってもう 怖いものなしって感じがする
- かごめ: ひばりちゃんってばもう…
- かごめ: (でも… そういう風に思ってくれたんだ)
- かごめ: (だいぶいい感触みたいだし この後もがんばらなくちゃ!)
- かごめ: やっと着いた…!
- ひばり: あっ… あの台だ!
- かごめ: 「ジャングルの覇者ジャガー」 神浜限定カラーぬいぐるみ…?
- ひばり: 早速チャレンジしないと!
- ピロピロピロピロ…ピロン!
- ガタン!
- かごめ: やったねひばりちゃん! 1発ゲットだよ!
- ひばり: ありがとう!
- ひばり: 他の色は全部そろえてて
- ひばり: この色だけまだなかったから どうしても欲しかったんだ
- かごめ: 前よりも ずっと上手になってるね!
- ひばり: えへへ… ちょっと照れるな…
- かごめ: ここでもう少し遊んでいく?
- ひばり: そうだね、他の台も見ていい?
- かごめ: うん、もちろ…
- ???の声: ざっけんな!!
- かごめ&ひばり: …!?
- FILENAME: text_310202-3.txt
- ???の声: ざっけんな!!
- かごめ&ひばり: …!?
- ひばり: な、なに…? ケンカ…?
- ???の声: やめっ、まじかよーーーー!!
- かごめ: あれ…?
- かごめ: この声…どこかで 聞いたことがあるような…
- 樹里: あっ…あああああ…
- アオ: 残念でしたぁ~
- かごめ: 大庭さん! 笠音さんと紅晴さんも
- ひばり: えっ… この人たちも知り合いなの!?
- ひばり: ちょ…ちょっと怖そうな 雰囲気だけど…
- かごめ: 大丈夫、悪い人たちじゃないよ
- 結菜: あらぁ…佐鳥さんじゃなぃ
- かごめ: どうしたんですか?
- 結菜: …うるさくしてごめんなさぃ
- 結菜: クレーンゲームで
- 結菜: お目当ての物が取れなくて 樹里が荒れてただけよぉ…
- アオ: 姉ちゃんは ゲームヘタクソだからね
- アオ: 初めからわたしに 任せておけばよかったのに~
- 樹里: うるせー!!
- 樹里: あとで妹にゆすられるぐらいなら 自分で取るっつーの
- 結菜: お小遣いは無限に あるわけじゃないのにねぇ
- 樹里: それでもな、 まだ終わっちゃいねーんだよ
- 樹里: あと100円残ってるからな!
- アオ: 心もとないな~
- 樹里: ん…?
- 樹里: アンタが持ってるブツ ちょっと見せてみな
- ひばり: あ、はい…どうぞ…
- アオ: これ、裏にある 激シブ設定台のやつだ!
- かごめ: えっ…あれって そんな難しい台だったんですか?
- アオ: とにかくアームが弱くて 素人じゃまず無理だね~
- かごめ: ひばりちゃん 1回で取っちゃったよね?
- 樹里: 1回!?
- ひばり: は、はいっ…!
- アオ: へぇ~意外とやるんだね~!
- アオ: 姉ちゃんもさっさと諦めて この子に頼んじゃえば?
- 結菜: 無駄よぉ 樹里は自分で取るって頑なに…
- 樹里: …頼んだ!!
- 結菜: …………
- 結菜: アオじゃなければいいのねぇ…
- 樹里: それに、こう追い込まれちゃ 利用できるもんはするっつーの
- かごめ: 待ってください! まだひばりちゃんがやるとは…
- 樹里: 泣いても笑っても最後の100円 大切にしろよ!
- かごめ: あぁ…だめ… もう話を聞いてくれそうにない…
- かごめ: ごめんね、ひばりちゃん 難しいなら無理しなくても…
- ひばり: わかった…やってみる
- かごめ: えっ…本当…?
- ひばり: 心配しないで きっとやり遂げて見せるから
- かごめ: ひばりちゃんがそう言うなら… わかった、頑張ってね
- FILENAME: text_310202-4.txt
- チャリーン! ピロピロピロピロ…
- 樹里: おいおい! これ、行きすぎだろ…!
- アオ: しっ!姉ちゃん黙って!
- ひばり: …っ…
- ピロピロピロピロ…ピロン!
- ガタン!
- アオ: お~!!
- かごめ: やったー!
- ひばり: よ、よかった…
- 樹里: あとがねー状況なのに 大胆な方法で取りやがった…!
- 樹里: いや、お前に賭けて良かった サンキューな
- ひばり: い、いえ…
- 樹里: 礼と言ってはなんだけど なんか飲み物でもおごってやるよ
- 樹里: 姉さん貸してくれ
- 結菜: ちょっと…
- ひばり: あ、だ、大丈夫です
- ひばり: 間に合ってるので… お言葉だけ受け取っておきます…
- アオ: あっ…! あっちに格ゲーの新台入ってる!
- アオ: やりに行こうよ~!
- 樹里: 先に言っとくけど、樹里サマは 練習台になんねーからな!
- 樹里: 無一文だし…
- 結菜: それじゃ私たちは この辺で失礼するわぁ
- 結菜: お礼はまた機会を改めて させてちょうだぃ
- かごめ: ふぅ…
- かごめ: せっかく遊びに来てくれたのに バタバタしちゃってごめんね
- ひばり: ううん、気にしないで
- ひばり: むしろ、かごめちゃんにたくさん 友だちができたみたいで安心した
- ひばり: …この様子ならもう 心配はいらないね…
- かごめ: …!
- かごめ: (やったよアルちゃん…!)
- かごめ: (今日1日がんばった かいがあったみたい)
- ひばり: …………
- かごめ: ひばりちゃん…?
- かごめ: (ちょっと顔色が悪いような…)
- ひばり: ごめん…小銭がないから 両替してくるね
- かごめ: あっ…
- かごめ: 急にどうしたんだろう… 具合でも悪いのかな…?
- かごめ: ちょっと心配…
- かごめ: もう20分も経っちゃってる さすがに遅すぎるよね…
- かごめ: そうだ、電話してみよう
- ~~♪~~♪ ~~♪~~♪
- かごめ: ダメだ…出てくれない…
- 結菜: あら、まだいたのねぇ
- かごめ: あの…ひばりちゃんを 見かけませんでしたか?
- かごめ: 両替に行ったっきり 戻ってこなくて…
- 結菜: 両替…?
- 結菜: 迷うような所じゃないけど… …妙ねぇ
- アオ: 姉さま! 魔女の気配が…
- 結菜: ええ、もしかしたら
- かごめ: …!! それって…
- 樹里: 魔女に狙われてる可能性が あるっつーことだろ
- 結菜: ここは二手に分かれましょう
- 結菜: アオと樹里は魔女退治に 向かってちょうだい
- アオ: うん!
- 樹里: おう!
- 結菜: 私と佐鳥さんは ひばりさんの捜索を続けましょう
- かごめ: はい…!!
- かごめ: (ひばりちゃん… どうか無事でいて…!!)
- 結菜: やっぱり当てずっぽうに探しても 見つからないわぁ…
- ~~♪~~♪
- かごめ: …!! ひばりちゃんからだ!
- ピッ
- かごめ: ひばりちゃん…! どこにいるの!?
- ひばりの声: 「…かごめちゃん…ごめんね…」
- ひばりの声: 「私のことは… 捜さなくていいから…」
- かごめ: 何を言ってるの!?
- ピーポーピーポー…
- かごめ: (ひばりちゃんがいるところ… 救急車が走ってる…?)
- ひばりの声: 「いままでこんな私と 仲良くしてくれてありがとう」
- ひばりの声: 「最後に声が聞けてよかった… …さようなら…」
- プツッ…
- かごめ: ひばりちゃん…!? ひばりちゃん!!
- かごめ: 切れた…
- 結菜: …どうやら事態は 一刻を争うようねぇ
- ピーポーピーポー…
- かごめ: (…この音はさっきの…?)
- かごめ: 救急車が来た方角に…!
- 結菜: 急ぎましょう
- かごめ: す、すごい人数…
- 結菜: 全員魔女の口づけを 受けているようねぇ
- 結菜: まさか、ここまで数が多いのは 想定外だったわぁ…
- かごめ: ひばりちゃん…!?
- 結菜: みんな屋上へと向かってる… まさか飛び降りる気…?
- かごめ: 急いで止めなくちゃ…!
- かごめ: みんなを…ひばりちゃんを… 絶対に助け出さなくちゃ…!
- FILENAME: text_310203-1.txt
- かごめ: ひばりちゃん…!?
- 結菜: みんな屋上へと向かってる… まさか飛び降りる気…?
- かごめ: 急いで止めなくちゃ…!
- 結菜: 待ちなさい ふたりで手に負える状況じゃなぃ
- 結菜: 私が食い止めてる間に 応援を呼んでちょうだぃ
- かごめ: わかりました…!
- かごめ: (みんなの連絡先を知ってる私が うまく立ち回らないと…!)
- かごめ: この近くにいそうな人は…
- かごめ: …そうだ、今日出会った人なら すぐに来られるかも…
- かごめ: あと応援に来てくれそうな人にも 呼びかけておこう!
- かごめ: 緊急事態発生!
- かごめ: 現在、参京区で大勢の 魔女の口づけを受けている人がいて このままじゃ被害者が出るかもしれません
- かごめ: 少しでも人手が欲しいので 付近にいる魔法少女は どうかご協力をお願いいたします!
- ひめな: お待たせ! ゆなりんは!?
- かごめ: あそこです!!
- 結菜: くっ…!! なんて馬鹿力なのかしらぁ…
- ミユリ: 思ってたより多いですぅ…!
- 時雨: ぼくたちだけで手が足りるの…?
- かごめ: 近くにいそうな人たちには 連絡しました!
- かごめ: でも、まだ返事がなくて…
- ひめな: しばらくは 私チャンたちだけかぁ…
- ひめな: とりま、なんとかするしか ないっしょ!
- ひめな: しぐりんみゆりん! 行くよ!!
- 時雨: …うん…!
- ミユリ: はいぃ…!
- かごめ: 他の人もどうかお願い…!
- ピロン♪
- かごめ: …!!
- 空穂 夏希: 緊急事態!? すぐに行くね!
- 志伸 あきら: ボクも協力するよ!
- 常盤 ななか: 私も手助けさせていただきます
- 静海 このは: 私たちもすぐに駆けつけるわ
- かごめ: 次々と協力のメッセージが…!
- かごめ: みなさん… 本当にありがとう…
- かごめ: …………
- かごめ: 親友のピンチなんだから 私だって力になりたい…
- かごめ: だけど魔法少女じゃない私には これが精いっぱい…
- かごめ: うぅっ…
- かごめ: ひばりちゃん… どうか無事でいて…!
- FILENAME: text_310203-2.txt
- ミユリ: 姫様…! どんどん人が集まってきますぅ!
- 時雨: 紅晴さんは身動きが取れないし ぼくたちだって階段を抑えてる…
- ひめな: ちょっ…
- ひめな: 後から来たやつ 別のビルに向かってない…!?
- ひめな: いやマジで無理みが深すぎ…
- ミユリ: どうします姫様!
- ひめな: とりま、しぐりん! 対応お願い!
- 時雨: あまり自信がないけど… やってみる
- ひめな: てか、肝心の魔女は まだ倒せないの!?
- 結菜: 樹里たちが苦戦しているようねぇ
- かごめ: みなさん朗報です!
- かごめ: 応援が何名か 来てくれるみたいですよ!
- ひめな: マ!? 超助かる!!
- かごめ: はい! なので、もう少しの辛抱…
- ピロン♪
- かごめ: あっ…メッセージが! 協力の連絡かな…?
- かごめ: えっ…ええ!?
- 結菜: …なんか嫌な予感がするわぁ
- ひめな: うぅ…一応聞くけど 何があったの…?
- かごめ: …応援が… 来られなくなったそうです…
- 常盤 ななか: 魔女の口づけを受けた人が 他の場所にもいるなんて…!
- 志伸 あきら: まったく予想外だったよ…!
- 空穂 夏希: ここは私たちだけでも なんとか抑えなくちゃ…!
- 三栗 あやめ: 大人しくしろー!
- 遊佐 葉月: ここを抑えるので ギリって感じだね…
- 静海 このは: これじゃとても応援には 行けないわ…!
- ひめな: マジでぬか喜びじゃん…
- 結菜: 応援が望めないとなれば かなり厳しいわねぇ…
- かごめ: とにかく連絡先を知ってる人に 手あたり次第当たってみます!
- かごめ: (お願い… どうか間に合って…!)
- …!!
- 樹里: はぁ…はぁ… まだ生きてんのかよ
- 樹里: しぶてーヤツだが へっ…燃えてくるじゃねーか
- アオ: そんなこと言ってる 余裕はないけど
- アオ: だいぶ弱ってきてるみたいだよ
- 樹里: んじゃ、このまま畳みかけて…
- ☆▼◇※◎△★…!!!!
- 樹里: ぐぁっ…!?
- アオ: 姉ちゃん!?
- 樹里: …チッ… まだまだ遊び足りねーってか
- 樹里: …上等だコラァ!!
- 樹里: お望み通り ウェルダンにしてやるよ!!
- 樹里: 行くぞ、妹!!
- アオ: オッケー!!
- FILENAME: text_310203-3.txt
- 静香: これでよしっと…
- 静香: ふぅ… やっとすまほの電源がついたわ
- 静香: いちいち充電しなくちゃ いけないのって
- 静香: 便利なようで不便よね
- ピロン♪
- 静香: あら…何か来てるわ
- ピロン♪ピロン♪ピロン♪
- 静香: こ、こんなにいっぱい!?
- 静香: えっと… どうやって見るんだっけ…?
- ちはる: 静香ちゃん大変だよ!
- 静香: どうしたの?
- すなお: メッセージを見てください!
- 静香: それが見方を忘れちゃって…
- すなお: このアイコンをタップです!
- 静香: あっ!そうだったわ どれどれ…
- 静香: …………
- 静香: ええー!? 大変じゃない!
- ちはる: だから大変だって 言ってるんだよぅ!
- 静香: 急いで現場に向かいましょう!
- ミユリ: ひぃ~!! まだまだ人が集まってくるぅ!
- ミユリ: ミユはこっちの人の身投げを 防ぐだけで手いっぱいですぅ!
- 時雨: ぼくもこれ以上の対応は さすがに無理だ…
- バシャッ…バシャッ…
- かごめ: きゃあっ!?
- かごめ: や、やめてください!
- ひめな: やばっ、いま来た人たち 灯油を撒き始めてない!?
- 結菜: まさか、全員巻き込んで 死のうとしてるのぉ…?
- カチッ…
- ミユリ: あぁっ! ライターに火を点けました!
- 時雨: それだけは…ダメ…!
- ひめな: ああっもう!
- ひめな: こっちも身動き取れないし 今度こそゲームオーバー!?
- 結菜: 樹里…アオ…早く…!
- ???の声: 阻止!!
- …!!
- 結菜: 動きが止まった…?
- すなお: 間に合ったようですね
- ちはる: みんな大丈夫!?
- 静香: ごめんなさい!
- 静香: メッセージに気づくのが 遅くなっちゃって…
- かごめ: 時女一族のみなさん!
- ひめな: 助かったぁ~ ってか、他の子のところは!?
- …………
- ひばり: …………
- かごめ: ひばりちゃん…!!
- 結菜: どうやら、樹里たちが魔女を 倒したようねぇ…
- ひめな: 口づけが消えてるし とりま解決ってところかなー
- 静香: も、もしかして 私が来なくても大丈夫だった…?
- ひめな: むしろ、来て大正解!
- ひめな: ぶっちゃけヤバみが深くて もう無理だと思ってたし
- 静香: …ならよかった!
- すなお: 静香はもう少しスマホの使い方を 学ばないといけませんね
- 静香: そうね…反省するわ
- ひめな: まっ、結果オーライっしょ!
- 結菜: そう言えば…
- 結菜: ずいぶん苦戦していたようだけど 樹里たちは大丈夫かしらぁ
- ~~♪~~♪
- 結菜: 噂をすれば樹里からだわぁ
- ピッ!
- 樹里: こっちは片づけた 少し手間取ったけどな
- 結菜: ありがとぅ
- 結菜: ずいぶん遅いから 気になってたのよぉ
- 結菜: グリーフシードは足りてる?
- アオ: それなら調整屋も来てくれたし 心配いらないよ!
- 結菜: …? どうして調整屋が…
- リヴィア: かごめちゃんから連絡があって
- リヴィア: 何かあったときのためにって 現場へ向かってたんや
- リヴィア: ほな、後でそっちにも向かうわ
- 樹里: っつーわけだ
- 結菜: なるほど…
- 結菜: とにかくみんな無事で よかったわぁ
- ピッ!
- 結菜: …ということらしいわぁ
- ひめな: さすっがさとりん!
- 静香: なんて見事な手際なのかしら…!
- 結菜: そこまで根回ししておくなんて 本当に抜け目ない子ねぇ…
- FILENAME: text_310203-4.txt
- ひばり: …………
- リヴィア: …………
- かごめ: あの…ひばりちゃんは…
- リヴィア: …まぁ外傷もないし そない心配せんでも大丈夫やろ
- かごめ: そうですか…
- ひばりの声: …うっ…
- かごめ: ひばりちゃん…!
- ひばり: かごめ…ちゃん…?
- ひばり: …あれ…私… ゲームセンターにいたのに…
- ひばり: それからの記憶が…
- かごめ: えっと…
- かごめ: (魔女のことなんて言えないし なんて説明すれば…)
- リヴィア: 急に気を失って倒れたんやって
- リヴィア: 無理なダイエットでもして 貧血気味やったんちゃうか
- ひばり: え…? そう…だったっけ…?
- リヴィア: アンタは成長期なんやから しっかり食べなあかんで?
- ひばり: …は、はい…? 気をつけます…
- かごめ: …!
- かごめ: (リヴィアさん 誤魔化してくれたんだ…)
- ひばり: 自分ではきちんと食べてた つもりだったんだけどな…
- ひばり: …気持ちが揺らぐと 何が起こるかわかんないね…
- かごめ: ひばりちゃん… やっぱりあのとき…
- ひばり: そっか… 優しいねかごめちゃんは
- かごめ: ひばりちゃん?
- ひばり: …ごめん、なんでもない!
- ひばり: むしろ、かごめちゃんにたくさん 友だちができたみたいで安心した
- ひばり: …この様子ならもう 心配はいらないね…
- ひばり: …………
- かごめ: せっかく遠くから来てくれたのに 私が放ってばっかりだったから…
- ひばり: 違うの…! かごめちゃんは悪くない!
- ひばり: …悪いのは私…
- かごめ: …え…?
- ひばり: かごめちゃんが
- ひばり: 神浜市でたくさんの人たちに 囲まれて楽しそうな姿を見て…
- ひばり: ああ、かごめちゃんは立派に 成長したんだなって…
- ひばり: 素直に嬉しかった
- かごめ: …!
- ひばり: だけど…なんだかかごめちゃんが 遠くに行っちゃったように感じて
- ひばり: なんの成長もしていない自分は ひとりぼっちなんだ…
- ひばり: …そう思い始めたら 急に気が遠くなって…
- かごめ: …………
- ひばり: ごめん…
- ひばり: こんなこと思うなんて 親友失格だよね…
- かごめ: そんなことない…!
- ひばり: …えっ…
- かごめ: 私だってまだまだ未熟だよ
- かごめ: ずっとひばりちゃんに 助けられてばっかりだったし
- かごめ: 今だって私ひとりじゃ 何もできない…だけど…
- かごめ: 今度は私が助ける番になる
- かごめ: あのとき、ひばりちゃんが 私を助けてくれたように
- かごめ: たとえボロボロになっても…
- かごめ: ひばりちゃんのピンチには どんなときでも駆けつける!
- かごめ: だから…これからもずっと 私の親友でいて!!
- ひばり: …………
- リヴィア: エライ大声やったな…
- かごめ: あっ…ご、ごめんなさい!! つい勢いで…
- ひばり: ふふっ…あははっ!
- かごめ: ひばりちゃん!?
- ひばり: 私のかけたおまじない… どっちも叶ったみたいだね
- かごめ: …えっ… もしかして引っ越しのときの…?
- ひばり: うん、実はあのとき…
- ひばり: 「いつかマンドラゴラみたいに 大声で意見を言えるように」…
- ひばり: あと「たくさん友だちが できますように」って…
- ひばり: そう願ったの
- かごめ: …! そっか…そうだったんだ…
- かごめ: ふたつも願い事をするなんて ひばりちゃんはよくばりだね
- ひばり: ふふっ…親友へのエールだもん よくばりもするよ
- かごめ: …ありがとう…
- ひばり: 実はね、気を失ってるとき
- ひばり: かごめちゃんに助けられる 夢を見たの
- ひばり: 動けない私のために一生懸命 尽くしてくれる夢を…
- かごめ: …!
- ひばり: 今度会うときには
- ひばり: 少しでも成長した 姿を見せられるように努力する…
- ひばり: …だから…
- ひばり: これからもずっと 親友でいてくれるかな…?
- かごめ: うん…もちろんだよ あらためてよろしくね
- かごめ: この先おばあちゃんになっても… 私たちはずっと友だちだよ
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