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- (The script hasn't changed, but I just decided to do a new extract with spaces where the game has line breaks, in case anyone finds it easier to read/TL in the future)
- FILENAME: text_207601-1_IXGlf.txt
- テレビの声: 来週もまた見てネ!
- さな: すん…すん…
- さなの弟: ん? さな姉さん、何泣いてるの?
- さな: あ、えっと… ミクにゃんが死んじゃって…
- さなの弟: ミクにゃん…?
- さなの弟: えっ、待って まさか、さな姉さん…
- さなの弟: アニメのキャラが死んで 泣いてるの!?
- さな: あ…
- さなの弟: ねえ、兄さん聞いてよ ケッサクだ
- さなの弟: さな姉さんはアニメのキャラが 死んで涙を流してるんだよ
- さなの兄: まったく… どうしようもないな
- さなの兄: いいか?
- さなの兄: アニメや漫画、 それからゲームに絵本…
- さなの兄: こんなのは全部 「作り物」なんだ
- さなの兄: 目の前にある絵や文章なんてのは くだらない非現実なんだ
- さな: …………
- さなの兄: それを死んだとか生きているとか 一喜一憂してどうする?
- さなの兄: こんなのは作ってる奴らも 喜んでる奴らも全員
- さなの兄: ただ現実から 逃げようとしてるだけ
- さなの兄: 自分を慰めるための 現実逃避なんだ
- さなの兄: 早く大人になって 現実を見ろ
- さなの兄: 二葉家の人間でいたいなら
- バッ
- さな: …………夢…? 寝ちゃってた…?
- さな: (そうだ、絵本を描こうとして でも、だんだん眠くなって…)
- さな: …………
- さな: (…イヤな夢だったな…)
- さな: (でも…ミクにゃん…? そんなキャラは知らないし…)
- さな: (そもそもあんな会話も あの兄弟とした記憶はない…)
- 「ただ現実から逃げようとしてるだけ」
- さな: (それなら あれは誰の言葉…?)
- さな: …………
- さな: (そっか… 私の言葉だ…)
- ねむ: うわさを残すのは諦めていたんだ
- さな: あ…
- ねむ: だから、さながアイを残したい と思ってくれたことが嬉しいんだ
- ねむ: ありがとう
- さな: (絵本を作ることは やっと見つけた私の夢で…)
- さな: (ねむちゃんが喜んでくれて 作ることの意味を感じられた…)
- さな: (だけど…絵本を読むことも 描くことも現実逃避なら…)
- さな: (なんの力も持たない… 意味のないこと…)
- さな: (私はそれに気づいて)
- さな: (だから、あれ以来… 1行も書けなくなったんだ…)
- ピンポーン
- さな: …! は、はーい…
- FILENAME: text_207601-2_IXGlf.txt
- さな: えっ…みんなのところを 見て回ってるんですか…?
- かごめ: はい…郁美さんが亡くなったり… その…色々ありましたから…
- かごめ: 今の魔法少女の様子を取材して
- かごめ: ありのままの姿を伝えるのが 私にとっての使命のひとつ
- かごめ: なので、まずは みかづき荘のみなさんからと…
- さな: …………
- さな: (リアル…現実…)
- かごめ: …不謹慎…だとは思います…
- さな: えっ… いや、そんな…
- かごめ: いいんです、私も逆の立場なら 良い気分じゃないと思います…
- かごめ: でも、リィちゃんのおかげで 伝えるべきことがわかるなら
- かごめ: 魔法少女のみんなから嫌われても 覚悟を持って進むべき
- かごめ: …ってアルちゃんも言ってて…
- アルちゃん: <そこは恥ずかしがらず 最後まで自分の言葉で言おうよ>
- さな: そうなんですね…
- かごめ: ところであの… みかづき荘のみなさんは…?
- さな: あ、ええと…
- さな: たしか…いろはさんは ケガをした人たちの治療に…
- さな: やちよさんは竜真館で 作戦会議をしてるかと…
- さな: 他のみんなも 用事があるみたいで…
- かごめ: そうでしたか タイミングが悪かったですね…
- さな: …私だけ何もなくて だから絵本を…
- かごめ: …?
- さな: …………
- かごめ: …またあとで来た方が 良さそうですね…
- さな: あの、その場合… 今からどこに向かうんですか…?
- さな: みんなを見て回ると 言っていたので…
- かごめ: そうですね… さすがに治療してるところや
- かごめ: 作戦会議に顔を出すのは 気が引けるので…
- かごめ: ひとまず迷惑のかからない ところを順に当たります
- かごめ: ちょっと心配ですが リィちゃんも守ってくれるので
- かごめ: 結界で魔女退治をする 魔法少女なんかも追いかけたり…
- さな: 結界…!
- かごめ: 他に魔法少女がいる 場所となると…ええと…
- さな: あの、だったら私が 付いていっちゃダメですか…?
- かごめ: えっ…?
- さな: 私、盾が武器なので かごめさんを守れます…
- さな: 結界で魔女がいても平気ですし…
- さな: それに私、いろはさんたちと よく一緒にいるので…
- さな: 私がいれば、取材先のみなさんの 警戒心も薄まるかと…
- さな: 神浜の魔法少女限定ですが…
- かごめ: …あ、ボディガード… ということでしょうか…?
- かごめ: 確かにリィちゃんとさなさんの 盾があれば、確実に安全です
- かごめ: 私としては嬉しいですけど 本当にいいんですか…?
- さな: はい、大丈夫です よろしくお願いします…
- かごめ: こちらこそ、とても助かります よろしくお願いします
- さな: はい…!
- さな: (いつまでも現実逃避なんて してちゃいけない)
- さな: (現実と向き合って 行動しないと…!)
- さな: (そして今、かごめさんは ウワサの力を使って)
- さな: (魔法少女を 救おうと頑張ってる…)
- さな: (そんなかごめさんを 守ることが)
- さな: (今、私にできる 現実での行動…!)
- FILENAME: text_207602-1_mEz8c.txt
- さな: どこに向かってるんですか?
- かごめ: ひとまず工匠区のデンキ街に 向かおうかと…
- さな: デンキ街…? あ、そっか…そうですよね…
- かごめ: さすがに避けては通れなくて…
- かごめ: ん?
- さな: どうしました…?
- かごめ: あそこの公園にいるのって…
- さな: あ、フェリシアさんですね かこちゃんたちと遊んでたんだ…
- さな: 声…かけますか…?
- かごめ: そうですね… あ、ちょっと待ってください…
- かごめ: …雰囲気が…ちょっと重いように 見えますね…
- かごめ: 今、あそこに私が割って入るのは なんだか違う気が…
- さな: …ちょっと難しそうですね…
- かごめ: 少しの間、ここから見守ることに しましょうか
- フェリシア: …………
- 三栗 あやめ: なんかフェリシア 元気ないよな
- 夏目 かこ: う、うん…
- 三栗 あやめ: せっかくあちしらで頑張って アイツの親の幽霊呼んだのにさ
- 夏目 かこ: そうだね… 頑張ったのは主に旭さんだけど…
- 旭: あれで良かったでありますか
- 夏目 かこ: ごめんなさい… 無理を言ってしまって…
- 三栗 あやめ: でも思い出して良かった 幽霊を探して正解だったね!
- 三栗 あやめ: ちゃんと親と話せたか 聞きたいんだけど
- 夏目 かこ: 聞きづらいね…
- 三栗 あやめ: もしかして、フェリシアが 変なのって
- 三栗 あやめ: 親の霊に怒られたからとか…!
- 夏目 かこ: それはさすがにない… とは言い切れないのかも…
- 夏目 かこ: (だって、亡くなった原因は…)
- 三栗 あやめ: そりゃ悲しいよなー 久しぶりに会って怒られたら
- 夏目 かこ: 余計なことしちゃったのかな…
- 三栗 あやめ: そ、そんなはずはないぞっ!
- 夏目 かこ: じゃあ、聞いてみる…?
- 三栗 あやめ: ムリ!
- フェリシア: おい、コソコソするなよ!
- 夏目 かこ: えっ!? し、してないよっ!?
- 三栗 あやめ: そ、そうだぞ!
- フェリシア: …そっか… 悪い…
- 三栗 あやめ: んん… 調子狂うな…
- フェリシア: でも、オレに言うことあるだろ?
- 三栗 あやめ: な、ないぞっ!? 秘密だ!
- フェリシア: 秘密っ!? やっぱり隠してることあるだろ!
- 三栗 あやめ: しまっ…! フェリシアのくせにかしこい!
- フェリシア: 言えよ! じゃないと…言えないだろ!
- 三栗 あやめ: 言えない? なんのことだよ!
- 夏目 かこ: ごめんなさい! フェリシアちゃん!
- 夏目 かこ: フェリシアちゃんのご両親の 幽霊を呼んだのは私たちなの…!
- 夏目 かこ: 時女のあの人に お願いして…
- 三栗 あやめ: 言っちゃうのかよ!?
- 夏目 かこ: だって、余計なことして イヤな思いをさせたのなら…
- 夏目 かこ: やっぱり本当のことを言って 謝るべきな気がして…
- 三栗 あやめ: そっか、それもそうだな…
- 三栗 あやめ: フェリシア!ごめん! 勝手にあちしらが頼んだ!
- 夏目 かこ: 驚いたよね…!
- 三栗 あやめ: 余計なことしたってなら 怒るがいいさ!
- フェリシア: おせーよ…
- 三栗 あやめ: ん…?
- フェリシア: さっさと言えよ!
- フェリシア: こっちはずっと お礼を言うつもりだったんだぞ!
- 夏目 かこ: 私たちのしわざだって 気付いてたの…?
- フェリシア: オレも時女の寺に 一緒に行ったし…
- フェリシア: あやめがメッセージで 母ちゃんと会えたか聞いてきたし
- フェリシア: あやめの様子変だし…
- 三栗 あやめ: あ…
- 夏目 かこ: あやめちゃん…
- 三栗 あやめ: フェリシアのくせにかしこい…
- フェリシア: あやめが「あちしのおかげ!」 って自慢してきたら
- フェリシア: お礼言うつもりだったのに なんで全然言わねーんだよ!
- 三栗 あやめ: あちしそんなに 恩着せがましくないぞ!
- フェリシア: まさか、かこの方が 先に自慢してくるとはな…
- 夏目 かこ: え、自慢したつもりは…
- フェリシア: まあいいや ふたりとも、ありがとうな
- フェリシア: 父ちゃんと母ちゃんと話せて すっげー嬉しかった
- あやめ&かこ: …………うん!
- FILENAME: text_207602-2_mEz8c.txt
- フェリシアの声: 今日の遊びは かこが決めていいぞ
- かこの声: 大きな声出して疲れちゃったから 休憩したいな…
- かごめ: …………
- かごめ: (フェリシアさんのことは 少しだけ調べた…)
- 15階の深月さん!?
- かごめ: あの、何が起きたのか 知ってますか…?
- あたしが教えて ほしいくらいだよ
- 夜逃げか何か知らないけど 挨拶もなしに突然いなくなって…
- しかもここだけの話… 管理人さんによると…
- 部屋の中“だけ”が 燃えてたんだってさ
- 煙が出た様子もないし 外壁もなんともなってないのに!
- かごめ: …………!
- その噂が広まってから みんな気味悪がっちゃって
- 引っ越しする人も大勢出てね
- 15階に至っては 今はどの部屋も空っぽだよ
- かごめ: …フェリシアさんは辛い現実を 直視することになりましたが
- かごめ: もっと強くなって 帰ってきましたね…
- さな: はい…
- かごめ: 行きましょうか…
- さな: あれ、この道は 保澄さんの…
- かごめ: はい、ご自宅… お店がある場所です
- さな: 今から、行くんですか…?
- かごめ: はい…
- かごめ: ちょうどデンキ街までの 道沿いにあったのもありますけど
- かごめ: 令さんと郁美さんが亡くなった今 魔法少女を記録する上で
- かごめ: 保澄さんへの取材は 避けては通れないので…
- さな: …それは、そうですが…
- かごめ: 気乗り…しないですか…?
- さな: すごく心配ではあるんですけど… 合わせる顔がなくて…
- かごめ: どうしてでしょうか…
- さな: かごめさんの言う通り…
- さな: 保澄さんは亡くなった観鳥さんや 牧野さんと仲が良かったわけで…
- さな: いえ、仲が良いとか悪いとか 単純な関係じゃないですよね…
- さな: とにかく近いところにいて でも戦うことが許されなくて
- さな: そうしてくすぶっている間に 牧野さんは死んでしまった…
- かごめ: …雫さんの傷は 深いでしょうね…
- かごめ: その傷を今から私は、取材で えぐることになるかもしれない…
- さな: …取材をすることもそうですが…
- かごめ: …他に何か気になることが…?
- さな: あのとき私は戦える場所にいて… なのに牧野さんを守れなかった…
- さな: きっと、私たちのことを… 恨んで…
- かごめ: さなさんたちの責任では ないと思いますけど…
- さな: …やっぱり 合わせる顔がありません…
- かごめ: …………
- さな: …でも、だからと言って 逃げてちゃダメですよね…
- さな: 後ろめたい気持ちがあるなら…
- さな: ちゃんと向き合って 怒られに行くべきですね
- 雫の父の声: い、いらっしゃいませー
- 雫の父の声: 今、ちょ、ちょっと手が…! 空いてる席に、ど、どうぞー…!
- さな: え…?
- かごめ: 雫さんが…いない…?
- さな: いるのは… 保澄さんのお父さんだけ…?
- かごめ: …忙しいようですし…
- かごめ: 雫さんのお父さんには謝って お店はもう出ましょうか
- かごめ: 心配ですね…
- さな: そうですね… 何もなければいいですけど…
- さな: でも私、やっぱり今になって 会えなくてよかったと思います…
- かごめ: それはどうして…
- さな: 私、保澄さんに殴られる覚悟で お店に入ったんです…
- さな: でも、こうして会えなくて モヤモヤしてて…
- さな: それで気付いたんです…
- さな: 私、保澄さんに怒られれば
- さな: スッキリできると 思っていたのかもしれません…
- さな: そんなの、良くないことですね…
- さな: 結局それも 現実逃避の自己満足です
- かごめ: さなさん…?
- FILENAME: text_207602-3_mEz8c.txt
- かごめ: あの…
- アルちゃん: <さなちゃん!>
- さな: ぴゃっ!?
- アルちゃん: <そういえば 聞いてなかったよね!>
- アルちゃん: <どうしてさなちゃんは>
- アルちゃん: <かごめちゃんに ついてきてくれたの?>
- さな: え…?
- かごめ: あ、その、さなさんがいれば 盾で守ってくれたり
- かごめ: ユニオンのみなさんの警戒心が 薄まるのはわかってます
- かごめ: でもそれって私だけのメリットで しかなくて…
- かごめ: だから、さなさんはどうして 手伝ってくれたのかなって…
- さな: ええと…なんと言えば…
- アルちゃん: <もしかしてさなちゃん 何か悩みがあるのかな?>
- さな: …………!
- かごめ: ごめんなさい…
- さな: …………
- さな: …ううん、 そうかもしれません
- さな: 実を言うと…手伝うのは ただの親切心じゃないんです…
- さな: すみません…
- かごめ: いえ、そんな…
- さな: …私、 絵本を描いてるんです…
- かごめ: 絵本、ですか
- さな: 最初は私と同じような 境遇の人を救いたいって想いや
- さな: アイちゃんを残したいって想いで 始めたんです
- さな: でも、牧野さんが亡くなってから 絵本が描けなくなってしまって…
- かごめ: それは…たまたまスランプの 時期が重なっただけでは…?
- さな: …いえ、多分私自身が絵本の力を 信じられなくなったんです
- さなの兄: こんなのは作ってる奴らも 喜んでる奴らも全員
- さなの兄: ただ現実から 逃げようとしてるだけ
- さな: (夢で言われたことは…)
- さな: (きっと、私が心の底で 本当は恐れていること…)
- さな: (それをあの兄弟が 代わりに言ったんだ…)
- さな: 絵本で誰かを“本当の意味で” 救う、なんてできるはずない…
- さな: 現実から目を逸らして ただ自分を慰めるだけ…
- さな: 私が過去、絵本に救われたのも
- さな: これから私が 絵本で救おうとしてるのも
- さな: 全部、そういうこと なんじゃないかという気がして…
- かごめ: それは…
- さな: そして私はいろはさんのように ケガをした人の治療もできないし
- さな: やちよさんや鶴乃さんのように 年長者として支えになったり…
- さな: フェリシアさんのように交友 関係が広いわけでもないですし…
- さな: ういちゃんみたいに
- さな: 灯花ちゃんたちとみんなの間を 取り持つこともできない
- さな: 私はただ、さして特技でもない 絵本を描くだけ…
- かごめ: …………
- さな: この絵本にしたってお金を稼いで 力になれるわけでもなく
- さな: 救いたい人に 届いてるのかもわからない…
- さな: そんな状態で 何の役に立ってるのかなって…
- かごめ: …少しだけ、気持ちはわかります
- かごめ: 私も魔法少女のみんなを救う 手助けになればと思って
- かごめ: 世間に知ってもらうために
- かごめ: 今は魔法少女の リアルな様子をまとめてます
- かごめ: だけど、まとめているだけだと 広げることはできない…
- かごめ: 今はそれを灯花ちゃんたちと 解決する方法を探ってますけど
- かごめ: やっぱり不安になることは 多いです…
- さな: でも、かごめさんには 風の伝道師の力がある…
- かごめ: そうですね
- かごめ: 確かに不安でも、私にはウワサ という超常的な力があるから
- かごめ: 私はまだ自分の行動に 意味があるって思えるのかも
- さな: それで、そのウワサが 私のついてきた理由です…
- さな: かごめさんの取材は ウワサという力があるから
- さな: 魔法少女を救うための 現実的な意味のある行動です…
- さな: そして、そんなかごめさんに 協力さえすれば…
- さな: 私も現実的な意味のある行動を していることになるかなって…
- さな: だから…すみません…
- さな: 私、かごめさんを 利用してます…
- かごめ: …………
- さな: …………
- かごめ: …………
- かごめ: さなさん
- さな: はい?
- パシャ
- さな: ぴゃっ!? ど、どうして写真を…
- かごめ: …今日は各地の魔法少女を 取材し記録する日ですから…
- かごめ: さなさんのことを記録するのも 大事なことです
- かごめ: …って、電車の中で話を聞いて そう思いました…
- さな: はぁ…
- さな: でも、私は写真に撮られても 魔法少女以外には見えませんよ…
- さな: 魔法少女を広める活動に 私の写真は必要ないかと…
- かごめ: 今はそうかもしれませんが 必要な日が来るかもしれません
- かごめ: だってそのための 風の伝道師のウワサですから
- FILENAME: text_207603-1_mZdOU.txt
- さな: …着きましたね…
- かごめ: はい…
- さな: 牧野さんが働いていた お店です…
- お帰りなさいませご主人様! おひとりさまですか?
- かごめ: ――っ!?
- かごめ: え、ええと、ふ、ふたりで…
- さな: かごめさん、いけません! 私、普通の方には見えません…!
- かごめ: あっ!
- おふたり… ええと、お連れの方は…?
- かごめ: …こ、この人形ですっ! 私の相棒ですっ…!
- かわいい… 不思議ちゃん…
- かごめ: な、なので、 テーブル席でお願いします…
- かしこまりました
- かごめ: …こういうお店…緊張しちゃって パニックになってしまいました…
- さな: かごめさん、 ありがとうございます…
- がやがや…
- さな: なんだか騒がしいですね…
- かごめ: 来週、郁美さんの追悼イベントが 開催されるそうです
- かごめ: 通常営業をしながら 裏でその準備をしてるのかと
- さな: そうですか…
- さな: ではお客さんにも 牧野さんの死は…
- かごめ: ご遺族の要望で昨日、お店の アカウントから公表されました
- さな: となると…この騒々しさは…
- かごめ: きっと、郁美さんの死を 受け入れようとする
- かごめ: みなさんの声だと思います
- かごめ: そして、残酷な話ですが…
- かごめ: 私が今日この店に来たのは この光景を記録するためです…!
- いくみん…どうして…!
- 突然すぎる…
- なあ、どうして いくみんは死んだんだ
- あんた店長から 何か聞いてないのか?
- この店、結構長いんだろ
- 聞いてない… 答えてくれなかった…
- 自殺…じゃないよな…?
- そう思いたいが…
- 一時期、休みがちだった…
- 復帰してからもステージには 立っていなかった…
- いつもの笑顔だったけど ムリをしてるようにも見えた…
- オレたちがもっと気づいて あげれば…!
- よせ、考えすぎだ
- それに、気づいたところで オレたちに何ができる
- 自殺じゃないさ
- オレだって…そう思いてぇよ…
- さな: …………
- かごめ: 魔法少女の死は、一般の人たちに 大きなモヤモヤを残すんですね…
- かごめ: きっと誰も腑に落ちることは ないのでしょう…
- さな: 牧野さんはメイド長という立場も あったので…余計に…
- さな: (私はどうだろう…)
- さな: (もうずっと見えてないし 覚えてる人もいないのかな…)
- さな: (それなら少しだけ 気は楽だな…)
- FILENAME: text_207603-2_mZdOU.txt
- あ、来てくれたんですね 十七夜さん!
- さな: え…
- かごめ: 十七夜さん…
- 十七夜: む、二葉君に佐鳥君か
- さな: あれ…? お店違いますよね…?
- 十七夜: ああ、仕事で来たわけではない
- 十七夜: 牧野君の追悼イベントの 準備を手伝いにきたんだ
- かごめ: そうだったんですね
- 十七夜: そっちは…取材か…
- かごめ: はい、ユニオンのみなさんの 様子を見て回っています
- さな: 私はその付き添いで…
- 十七夜: …そうか よろしく頼む
- 十七夜: 佐鳥君が残した記録は きっと自分たちの利となる
- 十七夜: そう、信じている
- かごめ: …は、はい…!
- さな: そういえば十七夜さん 大丈夫、ですか…?
- さな: 確か酷いケガを…
- 十七夜: ああ、心配無用だ
- 十七夜: 痛みはごまかせる程度にまで 落ち着いた
- 十七夜: まだ治療中で本調子ではないが イベントの準備くらいはできる
- 十七夜: おっと、先に言っておくが 手伝う必要はないぞ
- 十七夜: これは自分の役目だからな
- さな: …はい…
- 十七夜: さて、すまないがそろそろ 立ち話も切り上げないとな
- 十七夜: なんのために来たのか わからなくなってしまう
- さな: あっ…そうですね…
- かごめ: すみません、最後にひとつだけ 質問してもよいでしょうか
- 十七夜: む?
- かごめ: どうして追悼イベントの 手伝いをするのでしょうか
- 十七夜: …そうだな
- 十七夜: 佐鳥君が疑問に思うように 少し前の自分なら手伝わなかった
- 十七夜: 実際、最初は自分が手伝うことに 迷いもあったが
- 十七夜: 七海に背中を押されてな…
- かごめ: それが理由でしょうか
- 十七夜: いいや、それだけじゃない
- 十七夜: ある友人から『考えすぎだ』と 今までの自分をとがめられてな
- 十七夜: 納得してしまったんだ そして思った
- 十七夜: 牧野君であれば盛大に 弔うべきであろうと
- かごめ: それで追悼イベントは ライブに…?
- 十七夜: 人間は死ねば土に還るか 燃えて灰になる
- 十七夜: 本来はその程度の形は残る
- 十七夜: だけど牧野君のあの死は 余りに何も形が残らなかった…
- 十七夜: 死なんてのはどれも平等に 酷いものだと思うが…
- 十七夜: それでも形が残らないことが 自分は悔しかったんだろう
- 十七夜: だからせめて思い出に 残せるようにと思ってな
- 十七夜: 忘れるための弔いもあるが… この件に関しては
- 十七夜: 忘れないための弔いがしたい
- さな: …………
- FILENAME: text_207603-3_mZdOU.txt
- さな: 次に向かうのは…
- かごめ: ミラーズです
- かごめ: せっかく十七夜さんから 有益な情報もいただいたので
- 十七夜: これは梓から聞いたのだが…
- 十七夜: 今日はケガの浅い 魔法少女を中心に
- 十七夜: ミラーズで画伯とアリナの 捜索をする予定らしい
- さな: そうですね…
- かごめ: ミラーズはとても危険だと 思うので…
- かごめ: 改めてよろしくお願いします さなさん
- さな: はい…! 盾役、任せてください
- 恵 萌花: よーし、かりんちゃんアリナさん 捜索隊しゅっぱーつ
- かごめ: 失礼します…
- 恵 萌花: ほぇ!?
- 枇々木 めぐる: おーっと、乱入かーー!? なんてタイミングなんだ!!
- 綾野 梨花: 確か… 噂のかごめちゃんだっけ?
- 五十鈴 れん: 魔法少女のことを広めるために 記録をしてるって…
- かごめ: はい、そうです
- かごめ: かりんさんたちを捜索するという 話を聞きまして…
- かごめ: それで突然なんですが
- かごめ: 私たちも取材で 付き添ってもいいでしょうか
- 由貴 真里愛: 取材は…もちろんいいけど… 結界の中は危ないわよ?
- かごめ: 一応、リィちゃん…ウワサが 守ってくれるのと…
- さな: 私も盾で守るので…
- かごめ: はい、みなさんのご迷惑には ならないようにします
- 枇々木 めぐる: 誠意見せてきましたね! これは反対意見も出ない!
- 恵 萌花: じゃあ改めて しゅっぱーつ
- かごめ: あの、みなさんはアリナさんと 仲が良かったんですか?
- 綾野 梨花: あ、それ聞く…?
- かごめ: え、地雷でしたか…?
- 枇々木 めぐる: 大丈夫! めぐるも空気読めないから仲間!
- かごめ: 空気、読めてませんでしたか…
- 由貴 真里愛: 私は…そもそも面識が あんまりないから…
- 枇々木 めぐる: めぐるも言ってしまうと そんな感じですね
- 枇々木 めぐる: かりんさんのことも ほとんど知らなくて…
- 綾野 梨花: まあ、だいたいみんなそうだよね
- 綾野 梨花: 直接いがみ合ってるとか 嫌われてるってこともない
- 綾野 梨花: ただ、どうしてもマギウスで やったこととか踏まえると…
- 綾野 梨花: 厄介者…みたいな扱いは されてるかも…
- 恵 萌花: わ、私はアリナさん好きだよっ!
- 恵 萌花: 同じ学校ってのもあるけど… 何よりもこの命を救われたので…
- さな: あのアリナが…? そんなはずは…
- 恵 萌花: まあ、みなさんからの評価が 芳しくないのは重々承知でして…
- 五十鈴 れん: 私は…アリナさん… ちょっと苦手…怖いです…はい…
- 綾野 梨花: れんちゃん、結構言うね~
- かごめ: …それでも危険を冒してまで アリナさんを捜すんですね
- かごめ: ミラーズは謎だらけで 見つかるかもわからないのに
- 五十鈴 れん: …………
- 恵 萌花: …だってもう、 誰にも死んでほしくないから…
- 恵 萌花: だからみんな一緒に 捜してくれるんだよねっ
- 綾野 梨花: …ま、その通りだよね~ いいこと言うじゃん、萌花ちゃん
- 五十鈴 れん: 絶対…見つける…
- 由貴 真里愛: 因果応報とか罪の償いとか 色々あるんでしょうけど
- 由貴 真里愛: それとは無関係に生きててほしい
- 由貴 真里愛: それぐらい身近な人の訃報が 辛いものだとわかったから…
- かごめ: …そうですね 当然のことでした…!
- さな: …………
- さな: (私はどうなんだろう…)
- さな: (アリナを発見して ちゃんと上手く喜べるのかな…)
- さな: (今、私…酷いこと考えてる…)
- FILENAME: text_207603-4_mZdOU.txt
- 枇々木 めぐる: ひとまずターミナルに 着きましたね
- 枇々木 めぐる: で、どう探せば…
- 恵 萌花: アリナさーーーんっ!! かりんちゃーーーんっ!!
- 枇々木 めぐる: なるほど! 呼ぶんですね!
- 枇々木 めぐる: 大声は自信ありますよ!
- 枇々木 めぐる: アリナさーーーん!! かりんさーーーん!!
- 恵 萌花: アリナさーーーん!!
- 恵 萌花: 勝手に死んだと思ってて ごめんなさーーいっ!
- 恵 萌花: かりんちゃーーーんっ!! また一緒に魔女退治しよーー!!
- 恵 萌花: しまった…!
- 恵 萌花: 魔女退治しよって言われて 帰ってくるわけない…
- 恵 萌花: やっぱり大丈夫ーーっ!!
- 五十鈴 れん: 私も… か、かりんちゃ…
- 五十鈴 れん: けほっ…大声苦手… 戦力外です…はい…
- 綾野 梨花: そもそも声って 鏡の向こうに届くの…?
- 由貴 真里愛: さあ…
- 由貴 真里愛: でも、この間の戦いで 鏡の向こう側から
- 由貴 真里愛: プロミストブラッドの魔力を 感じ取ることができたから…
- 綾野 梨花: そっか、魔力は 届くかもしれないんだ
- 綾野 梨花: じゃあ、アリナの魔力を 捜せばいいのかも
- 由貴 真里愛: まあ、本当に鏡の向こうに いると仮定すればだけどね…
- 綾野 梨花: それもわかんないもんね
- 五十鈴 れん: 鏡もたくさんあるし… 調べるの大変…
- 枇々木 めぐる: ――っ!?
- 枇々木 めぐる: むむ!? この反応は…
- 枇々木 めぐる: 魔女だっ!?
- 恵 萌花: もしかして うるさくしたから…?
- …………!
- 五十鈴 れん: ターミナルから やってきた魔女…?
- 綾野 梨花: 使い魔も 連れてきてる!
- さな: かごめさん、少し離れましょう
- かごめ: は、はい…
- かごめ: 使い魔が…!
- さな: 大丈夫です
- 縺上i茨シ
- ガァンッ!
- さな: …ね?
- かごめ: はい…!
- めぐるの声: あーっと!
- めぐるの声: ここで猛攻繰り広げる使い魔に 忍び寄るひとつの影!
- めぐるの声: その影の正体は…
- 枇々木 めぐる: めぐる選手だーー!
- 枇々木 めぐる: あっという間に使い魔の間合いへ 侵入しためぐる選手!
- 枇々木 めぐる: 踏み込んだ軸足に全体重を乗せ 倒れこむように叩きつける!
- 枇々木 めぐる: 重いーー! しかもそれで終わらない!
- 枇々木 めぐる: 叩きつけた勢いで取ったのは この低い体勢!
- 枇々木 めぐる: そこから繰り出すのは 潜水艦さながら
- 枇々木 めぐる: 掬い上げるような 強烈な蹴り!
- 枇々木 めぐる: 下からのえぐるような攻撃を もろに受けた対象は
- 枇々木 めぐる: 鏡の彼方までぶっ飛んだーーっ!!
- 枇々木 めぐる: 自分で自分を実況するヤツ!
- さな: あ、ありがとうございます
- 枇々木 めぐる: うん、しっかり守ってあげて くださいね!
- 綾野 梨花: 今の実況みたいな魔法 あたしらにも使えるんだよね?
- 枇々木 めぐる: もちろん! 本来はそのための魔法です!
- 枇々木 めぐる: みなさんを激励して 強くします
- 恵 萌花: その実況…もしよろしければ 私にも…
- 五十鈴 れん: 私も…
- 枇々木 めぐる: もちろんです!
- 恵 萌花: よ、よぉし…! えいっ!
- 五十鈴 れん: ふんっ…!
- 枇々木 めぐる: うわ、なんですか あの可愛い生き物ふたり…
- 枇々木 めぐる: こんな子を 放ってはおけないっ!
- 枇々木 めぐる: そう叫ぶかのように立ち上がった 真里愛選手!梨花選手ーーっ!
- 由貴 真里愛: えっ!? 私!?
- 綾野 梨花: すごい、力が湧いてきた…!
- かごめ: 改めて魔法少女の戦いを 間近で見ましたけど…
- かごめ: やっぱり、激しいですね…
- かごめ: 少し、怖いと思ってしまいました 私、臆病です…
- さな: …大丈夫ですよ…
- さな: きっと怖くないなんて思ってる子 いませんから…
- FILENAME: text_207603-5_mZdOU.txt
- 由貴 真里愛: さて…使い魔は倒せたけど…
- 綾野 梨花: 肝心の魔女が…
- 枇々木 めぐる: 萌花選手の大きな斧は風を切り 魔女を斬る!
- …………!
- 恵 萌花: あ…
- 恵 萌花: あうぅ! ダメでした…
- 五十鈴 れん: 堅い…
- 由貴 真里愛: 萌花ちゃんでもダメ… そうなると、どうすれば…
- …………!
- 綾野 梨花: きゃぁっ!
- 枇々木 めぐる: うわぁっ! 離れてるのに!なんて強烈っ!
- 枇々木 めぐる: とんでもない 広範囲攻撃だっ!
- ガァンッ!
- さな: だ、大丈夫ですか…?
- かごめ: は、はい… おかげさまで…
- さな: まさか魔女の攻撃がここまで 届くなんて…
- さな: 盾を構えていてよかった…
- さな: もう少し離れましょうか…?
- かごめ: いえ、これ以上魔女から離れると 記録に残すことが…
- かごめ: このまま留まりたいです
- さな: わかりました…
- ガァンッ!
- めぐるの声: うわぁっ!
- かごめ: きゃっ! …またすごいのが…!
- かごめ: …みなさん 苦戦してるようですね…
- さな: ターミナルに現れる魔女は とても強いと聞きました…
- さな: ですが、みなさんもとても お強いので、きっと大丈夫です…
- さな: みんなが一か所に 全力で魔力をぶつければ…
- さな: だけど…そのためには…
- 綾野 梨花: 堅いけど、あたしたち5人が 全力をぶつければ勝てるはず
- 五十鈴 れん: だけど、魔力を溜めないと…
- 枇々木 めぐる: でも、それだと隙を作ることに… きっとあの広範囲攻撃が来ます
- 恵 萌花: だ、だったら、ひとりが 魔女さんの気を引けば…!
- 恵 萌花: あの光る技も、出すのに 少し時間がかかるみたいだし…
- 由貴 真里愛: ダメよ、萌花ちゃん 5ひく1は?
- 恵 萌花: 4…?
- 由貴 真里愛: そう、誰かが注意を引きつけると 5人で大技を撃てなくなるの
- 恵 萌花: なんと…!
- 恵 萌花: わかりやすい説明 ありがとうございます
- さな: …………
- さな: …こうなったら………… …………するしか…
- かごめ: …さなさん…?
- さな: かごめさん、すみません… ご協力お願いします…
- かごめ: えっ!?
- 恵 萌花: ぐぬぬ…
- 恵 萌花: ――っ!?
- 恵 萌花: 私、今…何もしてないのに…
- 綾野 梨花: 誰かいる…!
- 五十鈴 れん: さなちゃん…?
- 枇々木 めぐる: あっ!そうか! 固有魔法!
- 枇々木 めぐる: 固有魔法を使えば 魔法少女や魔女にも見えないっ!
- 由貴 真里愛: でも、かごめちゃんは…? まさか今、無防備で…?
- 由貴 真里愛: いえ、さなちゃんの盾を持ってる …………ということは!?
- 綾野 梨花: 今、さなちゃんは 盾無しで…?
- 枇々木 めぐる: 捨て身の特攻っ!?
- …?
- 恵 萌花: さなちゃんが 注意を引き付けてる間に!
- 五十鈴 れん: 力を溜めようっ…!
- 綾野 梨花: 溜まったよっ
- 由貴 真里愛: さなちゃん、離れてっ!
- ザッ
- 枇々木 めぐる: よし、離れた! いっけーーーっ!!
- 綾野 梨花: 勝った…
- 五十鈴 れん: さなちゃんは…?
- さな: はぁ…ひぃ…
- かごめ: 大丈夫ですか!?
- さな: な、なんとか…
- 萌花の声: おーい、さなちゃーん!
- さな: あ、みなさん…
- 綾野 梨花: ありがとう! とっても助かったよ!
- さな: は、はい…
- 由貴 真里愛: 今、私たちが無事なのは あなたの勇気ある行動のおかげね
- さな: 勇気…
- 由貴 真里愛: だけど、これ以上のムリは危険 今日はもう引き上げましょうか
- 枇々木 めぐる: そうですね… それが妥当かと思います
- かごめ: はい、みなさんの安全が第一です 私も構いません
- かごめ: さなさんもお疲れですし 今日の取材はここまでですね
- さな: はい…
- さな: 何も成果がないのは残念ですが… わかりました…
- FILENAME: text_207604-1_m4q6u.txt
- さな: …………
- さな: (今日は外に出て 実際に行動してみたけど…)
- さな: (私の行動に… 意味はあったのかな…)
- さな: (かごめちゃんには お礼を言われたけど…)
- さな: (結局、アリナもかりんさんも 見つけられなかったし…)
- さな: (…なんか疲れちゃったな…)
- さな: …………そうだ…
- すなお: はい、もしもし
- さな: あ…すなおさん… こんばんは…
- すなお: 二葉さんですか こんばんは
- すなお: お電話、珍しいですね 何かありましたか…?
- さな: えっと…前に直接会うのは あんまりよくないけど…
- さな: 電話ならいいって 言ってくれたので…
- すなお: …それで…?
- さな: 電話…しました…
- すなお: …?
- すなお: あ、だったら ちょっとおしゃべりしましょうか
- さな: はい…!
- すなお: それなのに静香ったら 迷わず飛び出して…
- すなお: もう、心臓が飛び出ちゃいました
- さな: ふふ…静香さんらしいです…
- すなお: そうですね
- すなお: …でも、最近は… ちょっと心配なこともあって…
- さな: すなおさん…?
- すなお: 以前から静香は 悩むことが多かったんですけど
- すなお: 性善説を知ってから 妙に善悪に固執していて…
- さな: でも、日の本のために 戦ってるなら
- さな: そこに住む人たちを 信じたい気持ちはわかります…
- すなお: はい、そうなんですけど…
- すなお: 静香の場合は 考え方のひとつじゃなくて
- すなお: 嫌な現実から目を背けるための 偏った思想になりそうなんです
- さな: 現実から…目を背ける…
- すなお: どうしました?
- さな: あ、いえ…
- さな: あんなに懸命に頑張ってる人が 現実逃避だなんて…
- すなお: 静香も人間ですからね…
- すなお: …話が暗くなってしまいましたね 話題を変えましょうか
- すなお: そうそう、以前オススメされた アレ、レンタルで観ましたよ
- すなお: 大長編こねこのゴロゴロ!
- すなお: さすが都会のお店ですね ブルーレイでありました
- さな: わあっ、観たんですね… どうでした…?
- すなお: とっても面白かったです
- さな: よかった…
- すなお: 特にラスト、いつも気弱な ブルブルドッグちゃんが
- すなお: 木の陰から出て、捨て身の 特攻で立ち向かうシーンは
- すなお: 鳥肌と同時に涙が溢れましたっ!
- さな: ――っ!?
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- すなお: 特にラスト、いつも気弱な ブルブルドッグちゃんが
- すなお: 木の陰から出て、捨て身の 特攻で立ち向かうシーンは
- すなお: 鳥肌と同時に涙が溢れましたっ!
- さな: ――っ!?
- すなお: …二葉さん?
- さな: 私も…昔観たとき… そのシーンが…大好きで…
- すなお: ふふ、最高ですよね
- すなお: 特典映像にある 監督のインタビューは観ました?
- さな: あ、その映画は小さい頃に一度 映画館で観ただけなので
- さな: 特典のことはちょっと…
- すなお: インタビューも面白かったですよ 例えばあのラストのシーンは
- すなお: 猫柳監督が幼少の頃の体験を 元にしたって裏話もありました
- さな: ――っ!?
- さな: (…そうだったんだ…)
- さな: (あの時は必死だったけど…)
- さな: (今日、私のした 捨て身の行動は…)
- さな: (子どもの頃に観たアニメの映画 がキッカケかもしれなくて…)
- さな: (しかもそれは、作った人の 経験が元だったのだとしたら…)
- すなお: ふ、二葉さん…?
- さな: あ…すみません、何度も…
- さな: あと…ありがとうございます…
- すなお: ありがとう… そうですか
- すなお: 何かあったようですが もう大丈夫そうですね
- さな: …わかりません…
- さな: でも…
- さな: ねむちゃん、ちょっといい…?
- ねむ: ん? …ああ、さなか
- ねむ: どうしたのかな
- さな: ねむちゃんはアニメとか 小説とか絵本に
- さな: 現実の…人間を動かす力って あると思う…?
- ねむ: …………ふっ
- ねむ: 突然どうしたかと思えば そんなことか
- ねむ: なんだい?
- ねむ: 創作を良く思わない人たちから 何か言われたのかな?
- さな: まあ…
- ねむ: だったら彼らの言葉を そのまま借りればいい
- ねむ: 彼らによると刺激的なシーンは 子どもに悪影響をもたらすらしい
- ねむ: 彼らは創作に現実を変える力が あると認めてくれてるよ
- さな: …あ、そっか…
- ねむ: ちょっと卑怯な理屈だけどね
- さな: ううん ありがとう…
- ねむ: 創作の力が 信じられなくなったのかな?
- さな: 朝、少しだけ
- さな: 絵本なんて 作る方も読む方も
- さな: ただ現実逃避してるだけ なんじゃないかって
- さな: 急に不安になって…
- さな: そう思い始めたら 描けなくなったの
- さな: だから今日1日は
- さな: 現実のことに 目を向けて行動してね…
- さな: だけど、ちょっとしか 上手くいかなかった…
- さな: …でも、その“ちょっと”は
- さな: もしかしたら小さい頃に観た 映画の影響かもって思ったら
- かごめ: 魔法少女のみんなから嫌われても 覚悟を持って進むべき
- 夏目 かこ: だって、余計なことして イヤな思いをさせたのなら…
- 夏目 かこ: やっぱり本当のことを言って 謝るべきな気がして…
- 三栗 あやめ: そっか、それもそうだな…
- フェリシア: まあいいや ふたりとも、ありがとうな
- フェリシア: 父ちゃんと母ちゃんと話せて すっげー嬉しかった
- 十七夜: 忘れるための弔いもあるが… この件に関しては
- 十七夜: 忘れないための弔いがしたい
- 由貴 真里愛: 因果応報とか罪の償いとか 色々あるんでしょうけど
- 由貴 真里愛: それとは無関係に生きててほしい
- すなお: 静香も人間ですからね…
- さな: 絵本は 現実逃避なんかじゃなくて…
- さな: 現実を懸命に生きる人たちに
- さな: 何かのキッカケを 与えられるんじゃないかって
- さな: そう、信じられるかもと思って…
- ねむ: そうだね… 僕も同意するよ
- ねむ: …あ、そうだ ちょうどいいかもしれない
- さな: …?
- ねむ: 灯花がSNSで色々やってるけど あまり上手くいってないんだ
- ねむ: でも半端にネット上で コミュニティはできてるから…
- ねむ: これを利用してみたらどうかな?
- さな: 利用するって、どういうこと…?
- ねむ: 灯花に頼んで電子書籍の絵本を 作って、公開してみないかい?
- さな: えっ!?
- ねむ: 急な話でビックリしたかな…?
- さな: ちょっと…
- さな: うん、でもやってみたい…
- さな: 私、頑張ってみる…!
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