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Arc 2 Another Story Chapter 6 JP Text

Jun 21st, 2023
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  1. (The script hasn't changed, but I just decided to do a new extract with spaces where the game has line breaks, in case anyone finds it easier to read/TL in the future)
  2.  
  3. FILENAME: text_207601-1_IXGlf.txt
  4. テレビの声: 来週もまた見てネ!
  5. さな: すん…すん…
  6. さなの弟: ん? さな姉さん、何泣いてるの?
  7. さな: あ、えっと… ミクにゃんが死んじゃって…
  8. さなの弟: ミクにゃん…?
  9. さなの弟: えっ、待って まさか、さな姉さん…
  10. さなの弟: アニメのキャラが死んで 泣いてるの!?
  11. さな: あ…
  12. さなの弟: ねえ、兄さん聞いてよ ケッサクだ
  13. さなの弟: さな姉さんはアニメのキャラが 死んで涙を流してるんだよ
  14. さなの兄: まったく… どうしようもないな
  15. さなの兄: いいか?
  16. さなの兄: アニメや漫画、 それからゲームに絵本…
  17. さなの兄: こんなのは全部 「作り物」なんだ
  18. さなの兄: 目の前にある絵や文章なんてのは くだらない非現実なんだ
  19. さな: …………
  20. さなの兄: それを死んだとか生きているとか 一喜一憂してどうする?
  21. さなの兄: こんなのは作ってる奴らも 喜んでる奴らも全員
  22. さなの兄: ただ現実から 逃げようとしてるだけ
  23. さなの兄: 自分を慰めるための 現実逃避なんだ
  24. さなの兄: 早く大人になって 現実を見ろ
  25. さなの兄: 二葉家の人間でいたいなら
  26. バッ
  27. さな: …………夢…? 寝ちゃってた…?
  28. さな: (そうだ、絵本を描こうとして でも、だんだん眠くなって…)
  29. さな: …………
  30. さな: (…イヤな夢だったな…)
  31. さな: (でも…ミクにゃん…? そんなキャラは知らないし…)
  32. さな: (そもそもあんな会話も あの兄弟とした記憶はない…)
  33. 「ただ現実から逃げようとしてるだけ」
  34. さな: (それなら あれは誰の言葉…?)
  35. さな: …………
  36. さな: (そっか… 私の言葉だ…)
  37. ねむ: うわさを残すのは諦めていたんだ
  38. さな: あ…
  39. ねむ: だから、さながアイを残したい と思ってくれたことが嬉しいんだ
  40. ねむ: ありがとう
  41. さな: (絵本を作ることは やっと見つけた私の夢で…)
  42. さな: (ねむちゃんが喜んでくれて 作ることの意味を感じられた…)
  43. さな: (だけど…絵本を読むことも 描くことも現実逃避なら…)
  44. さな: (なんの力も持たない… 意味のないこと…)
  45. さな: (私はそれに気づいて)
  46. さな: (だから、あれ以来… 1行も書けなくなったんだ…)
  47. ピンポーン
  48. さな: …! は、はーい…
  49.  
  50. FILENAME: text_207601-2_IXGlf.txt
  51. さな: えっ…みんなのところを 見て回ってるんですか…?
  52. かごめ: はい…郁美さんが亡くなったり… その…色々ありましたから…
  53. かごめ: 今の魔法少女の様子を取材して
  54. かごめ: ありのままの姿を伝えるのが 私にとっての使命のひとつ
  55. かごめ: なので、まずは みかづき荘のみなさんからと…
  56. さな: …………
  57. さな: (リアル…現実…)
  58. かごめ: …不謹慎…だとは思います…
  59. さな: えっ… いや、そんな…
  60. かごめ: いいんです、私も逆の立場なら 良い気分じゃないと思います…
  61. かごめ: でも、リィちゃんのおかげで 伝えるべきことがわかるなら
  62. かごめ: 魔法少女のみんなから嫌われても 覚悟を持って進むべき
  63. かごめ: …ってアルちゃんも言ってて…
  64. アルちゃん: <そこは恥ずかしがらず 最後まで自分の言葉で言おうよ>
  65. さな: そうなんですね…
  66. かごめ: ところであの… みかづき荘のみなさんは…?
  67. さな: あ、ええと…
  68. さな: たしか…いろはさんは ケガをした人たちの治療に…
  69. さな: やちよさんは竜真館で 作戦会議をしてるかと…
  70. さな: 他のみんなも 用事があるみたいで…
  71. かごめ: そうでしたか タイミングが悪かったですね…
  72. さな: …私だけ何もなくて だから絵本を…
  73. かごめ: …?
  74. さな: …………
  75. かごめ: …またあとで来た方が 良さそうですね…
  76. さな: あの、その場合… 今からどこに向かうんですか…?
  77. さな: みんなを見て回ると 言っていたので…
  78. かごめ: そうですね… さすがに治療してるところや
  79. かごめ: 作戦会議に顔を出すのは 気が引けるので…
  80. かごめ: ひとまず迷惑のかからない ところを順に当たります
  81. かごめ: ちょっと心配ですが リィちゃんも守ってくれるので
  82. かごめ: 結界で魔女退治をする 魔法少女なんかも追いかけたり…
  83. さな: 結界…!
  84. かごめ: 他に魔法少女がいる 場所となると…ええと…
  85. さな: あの、だったら私が 付いていっちゃダメですか…?
  86. かごめ: えっ…?
  87. さな: 私、盾が武器なので かごめさんを守れます…
  88. さな: 結界で魔女がいても平気ですし…
  89. さな: それに私、いろはさんたちと よく一緒にいるので…
  90. さな: 私がいれば、取材先のみなさんの 警戒心も薄まるかと…
  91. さな: 神浜の魔法少女限定ですが…
  92. かごめ: …あ、ボディガード… ということでしょうか…?
  93. かごめ: 確かにリィちゃんとさなさんの 盾があれば、確実に安全です
  94. かごめ: 私としては嬉しいですけど 本当にいいんですか…?
  95. さな: はい、大丈夫です よろしくお願いします…
  96. かごめ: こちらこそ、とても助かります よろしくお願いします
  97. さな: はい…!
  98. さな: (いつまでも現実逃避なんて してちゃいけない)
  99. さな: (現実と向き合って 行動しないと…!)
  100. さな: (そして今、かごめさんは ウワサの力を使って)
  101. さな: (魔法少女を 救おうと頑張ってる…)
  102. さな: (そんなかごめさんを 守ることが)
  103. さな: (今、私にできる 現実での行動…!)
  104.  
  105. FILENAME: text_207602-1_mEz8c.txt
  106. さな: どこに向かってるんですか?
  107. かごめ: ひとまず工匠区のデンキ街に 向かおうかと…
  108. さな: デンキ街…? あ、そっか…そうですよね…
  109. かごめ: さすがに避けては通れなくて…
  110. かごめ: ん?
  111. さな: どうしました…?
  112. かごめ: あそこの公園にいるのって…
  113. さな: あ、フェリシアさんですね かこちゃんたちと遊んでたんだ…
  114. さな: 声…かけますか…?
  115. かごめ: そうですね… あ、ちょっと待ってください…
  116. かごめ: …雰囲気が…ちょっと重いように 見えますね…
  117. かごめ: 今、あそこに私が割って入るのは なんだか違う気が…
  118. さな: …ちょっと難しそうですね…
  119. かごめ: 少しの間、ここから見守ることに しましょうか
  120. フェリシア: …………
  121. 三栗 あやめ: なんかフェリシア 元気ないよな
  122. 夏目 かこ: う、うん…
  123. 三栗 あやめ: せっかくあちしらで頑張って アイツの親の幽霊呼んだのにさ
  124. 夏目 かこ: そうだね… 頑張ったのは主に旭さんだけど…
  125. 旭: あれで良かったでありますか
  126. 夏目 かこ: ごめんなさい… 無理を言ってしまって…
  127. 三栗 あやめ: でも思い出して良かった 幽霊を探して正解だったね!
  128. 三栗 あやめ: ちゃんと親と話せたか 聞きたいんだけど
  129. 夏目 かこ: 聞きづらいね…
  130. 三栗 あやめ: もしかして、フェリシアが 変なのって
  131. 三栗 あやめ: 親の霊に怒られたからとか…!
  132. 夏目 かこ: それはさすがにない… とは言い切れないのかも…
  133. 夏目 かこ: (だって、亡くなった原因は…)
  134. 三栗 あやめ: そりゃ悲しいよなー 久しぶりに会って怒られたら
  135. 夏目 かこ: 余計なことしちゃったのかな…
  136. 三栗 あやめ: そ、そんなはずはないぞっ!
  137. 夏目 かこ: じゃあ、聞いてみる…?
  138. 三栗 あやめ: ムリ!
  139. フェリシア: おい、コソコソするなよ!
  140. 夏目 かこ: えっ!? し、してないよっ!?
  141. 三栗 あやめ: そ、そうだぞ!
  142. フェリシア: …そっか… 悪い…
  143. 三栗 あやめ: んん… 調子狂うな…
  144. フェリシア: でも、オレに言うことあるだろ?
  145. 三栗 あやめ: な、ないぞっ!? 秘密だ!
  146. フェリシア: 秘密っ!? やっぱり隠してることあるだろ!
  147. 三栗 あやめ: しまっ…! フェリシアのくせにかしこい!
  148. フェリシア: 言えよ! じゃないと…言えないだろ!
  149. 三栗 あやめ: 言えない? なんのことだよ!
  150. 夏目 かこ: ごめんなさい! フェリシアちゃん!
  151. 夏目 かこ: フェリシアちゃんのご両親の 幽霊を呼んだのは私たちなの…!
  152. 夏目 かこ: 時女のあの人に お願いして…
  153. 三栗 あやめ: 言っちゃうのかよ!?
  154. 夏目 かこ: だって、余計なことして イヤな思いをさせたのなら…
  155. 夏目 かこ: やっぱり本当のことを言って 謝るべきな気がして…
  156. 三栗 あやめ: そっか、それもそうだな…
  157. 三栗 あやめ: フェリシア!ごめん! 勝手にあちしらが頼んだ!
  158. 夏目 かこ: 驚いたよね…!
  159. 三栗 あやめ: 余計なことしたってなら 怒るがいいさ!
  160. フェリシア: おせーよ…
  161. 三栗 あやめ: ん…?
  162. フェリシア: さっさと言えよ!
  163. フェリシア: こっちはずっと お礼を言うつもりだったんだぞ!
  164. 夏目 かこ: 私たちのしわざだって 気付いてたの…?
  165. フェリシア: オレも時女の寺に 一緒に行ったし…
  166. フェリシア: あやめがメッセージで 母ちゃんと会えたか聞いてきたし
  167. フェリシア: あやめの様子変だし…
  168. 三栗 あやめ: あ…
  169. 夏目 かこ: あやめちゃん…
  170. 三栗 あやめ: フェリシアのくせにかしこい…
  171. フェリシア: あやめが「あちしのおかげ!」 って自慢してきたら
  172. フェリシア: お礼言うつもりだったのに なんで全然言わねーんだよ!
  173. 三栗 あやめ: あちしそんなに 恩着せがましくないぞ!
  174. フェリシア: まさか、かこの方が 先に自慢してくるとはな…
  175. 夏目 かこ: え、自慢したつもりは…
  176. フェリシア: まあいいや ふたりとも、ありがとうな
  177. フェリシア: 父ちゃんと母ちゃんと話せて すっげー嬉しかった
  178. あやめ&かこ: …………うん!
  179.  
  180. FILENAME: text_207602-2_mEz8c.txt
  181. フェリシアの声: 今日の遊びは かこが決めていいぞ
  182. かこの声: 大きな声出して疲れちゃったから 休憩したいな…
  183. かごめ: …………
  184. かごめ: (フェリシアさんのことは 少しだけ調べた…)
  185. 15階の深月さん!?
  186. かごめ: あの、何が起きたのか 知ってますか…?
  187. あたしが教えて ほしいくらいだよ
  188. 夜逃げか何か知らないけど 挨拶もなしに突然いなくなって…
  189. しかもここだけの話… 管理人さんによると…
  190. 部屋の中“だけ”が 燃えてたんだってさ
  191. 煙が出た様子もないし 外壁もなんともなってないのに!
  192. かごめ: …………!
  193. その噂が広まってから みんな気味悪がっちゃって
  194. 引っ越しする人も大勢出てね
  195. 15階に至っては 今はどの部屋も空っぽだよ
  196. かごめ: …フェリシアさんは辛い現実を 直視することになりましたが
  197. かごめ: もっと強くなって 帰ってきましたね…
  198. さな: はい…
  199. かごめ: 行きましょうか…
  200. さな: あれ、この道は 保澄さんの…
  201. かごめ: はい、ご自宅… お店がある場所です
  202. さな: 今から、行くんですか…?
  203. かごめ: はい…
  204. かごめ: ちょうどデンキ街までの 道沿いにあったのもありますけど
  205. かごめ: 令さんと郁美さんが亡くなった今 魔法少女を記録する上で
  206. かごめ: 保澄さんへの取材は 避けては通れないので…
  207. さな: …それは、そうですが…
  208. かごめ: 気乗り…しないですか…?
  209. さな: すごく心配ではあるんですけど… 合わせる顔がなくて…
  210. かごめ: どうしてでしょうか…
  211. さな: かごめさんの言う通り…
  212. さな: 保澄さんは亡くなった観鳥さんや 牧野さんと仲が良かったわけで…
  213. さな: いえ、仲が良いとか悪いとか 単純な関係じゃないですよね…
  214. さな: とにかく近いところにいて でも戦うことが許されなくて
  215. さな: そうしてくすぶっている間に 牧野さんは死んでしまった…
  216. かごめ: …雫さんの傷は 深いでしょうね…
  217. かごめ: その傷を今から私は、取材で えぐることになるかもしれない…
  218. さな: …取材をすることもそうですが…
  219. かごめ: …他に何か気になることが…?
  220. さな: あのとき私は戦える場所にいて… なのに牧野さんを守れなかった…
  221. さな: きっと、私たちのことを… 恨んで…
  222. かごめ: さなさんたちの責任では ないと思いますけど…
  223. さな: …やっぱり 合わせる顔がありません…
  224. かごめ: …………
  225. さな: …でも、だからと言って 逃げてちゃダメですよね…
  226. さな: 後ろめたい気持ちがあるなら…
  227. さな: ちゃんと向き合って 怒られに行くべきですね
  228. 雫の父の声: い、いらっしゃいませー
  229. 雫の父の声: 今、ちょ、ちょっと手が…! 空いてる席に、ど、どうぞー…!
  230. さな: え…?
  231. かごめ: 雫さんが…いない…?
  232. さな: いるのは… 保澄さんのお父さんだけ…?
  233. かごめ: …忙しいようですし…
  234. かごめ: 雫さんのお父さんには謝って お店はもう出ましょうか
  235. かごめ: 心配ですね…
  236. さな: そうですね… 何もなければいいですけど…
  237. さな: でも私、やっぱり今になって 会えなくてよかったと思います…
  238. かごめ: それはどうして…
  239. さな: 私、保澄さんに殴られる覚悟で お店に入ったんです…
  240. さな: でも、こうして会えなくて モヤモヤしてて…
  241. さな: それで気付いたんです…
  242. さな: 私、保澄さんに怒られれば
  243. さな: スッキリできると 思っていたのかもしれません…
  244. さな: そんなの、良くないことですね…
  245. さな: 結局それも 現実逃避の自己満足です
  246. かごめ: さなさん…?
  247.  
  248. FILENAME: text_207602-3_mEz8c.txt
  249. かごめ: あの…
  250. アルちゃん: <さなちゃん!>
  251. さな: ぴゃっ!?
  252. アルちゃん: <そういえば 聞いてなかったよね!>
  253. アルちゃん: <どうしてさなちゃんは>
  254. アルちゃん: <かごめちゃんに ついてきてくれたの?>
  255. さな: え…?
  256. かごめ: あ、その、さなさんがいれば 盾で守ってくれたり
  257. かごめ: ユニオンのみなさんの警戒心が 薄まるのはわかってます
  258. かごめ: でもそれって私だけのメリットで しかなくて…
  259. かごめ: だから、さなさんはどうして 手伝ってくれたのかなって…
  260. さな: ええと…なんと言えば…
  261. アルちゃん: <もしかしてさなちゃん 何か悩みがあるのかな?>
  262. さな: …………!
  263. かごめ: ごめんなさい…
  264. さな: …………
  265. さな: …ううん、 そうかもしれません
  266. さな: 実を言うと…手伝うのは ただの親切心じゃないんです…
  267. さな: すみません…
  268. かごめ: いえ、そんな…
  269. さな: …私、 絵本を描いてるんです…
  270. かごめ: 絵本、ですか
  271. さな: 最初は私と同じような 境遇の人を救いたいって想いや
  272. さな: アイちゃんを残したいって想いで 始めたんです
  273. さな: でも、牧野さんが亡くなってから 絵本が描けなくなってしまって…
  274. かごめ: それは…たまたまスランプの 時期が重なっただけでは…?
  275. さな: …いえ、多分私自身が絵本の力を 信じられなくなったんです
  276. さなの兄: こんなのは作ってる奴らも 喜んでる奴らも全員
  277. さなの兄: ただ現実から 逃げようとしてるだけ
  278. さな: (夢で言われたことは…)
  279. さな: (きっと、私が心の底で 本当は恐れていること…)
  280. さな: (それをあの兄弟が 代わりに言ったんだ…)
  281. さな: 絵本で誰かを“本当の意味で” 救う、なんてできるはずない…
  282. さな: 現実から目を逸らして ただ自分を慰めるだけ…
  283. さな: 私が過去、絵本に救われたのも
  284. さな: これから私が 絵本で救おうとしてるのも
  285. さな: 全部、そういうこと なんじゃないかという気がして…
  286. かごめ: それは…
  287. さな: そして私はいろはさんのように ケガをした人の治療もできないし
  288. さな: やちよさんや鶴乃さんのように 年長者として支えになったり…
  289. さな: フェリシアさんのように交友 関係が広いわけでもないですし…
  290. さな: ういちゃんみたいに
  291. さな: 灯花ちゃんたちとみんなの間を 取り持つこともできない
  292. さな: 私はただ、さして特技でもない 絵本を描くだけ…
  293. かごめ: …………
  294. さな: この絵本にしたってお金を稼いで 力になれるわけでもなく
  295. さな: 救いたい人に 届いてるのかもわからない…
  296. さな: そんな状態で 何の役に立ってるのかなって…
  297. かごめ: …少しだけ、気持ちはわかります
  298. かごめ: 私も魔法少女のみんなを救う 手助けになればと思って
  299. かごめ: 世間に知ってもらうために
  300. かごめ: 今は魔法少女の リアルな様子をまとめてます
  301. かごめ: だけど、まとめているだけだと 広げることはできない…
  302. かごめ: 今はそれを灯花ちゃんたちと 解決する方法を探ってますけど
  303. かごめ: やっぱり不安になることは 多いです…
  304. さな: でも、かごめさんには 風の伝道師の力がある…
  305. かごめ: そうですね
  306. かごめ: 確かに不安でも、私にはウワサ という超常的な力があるから
  307. かごめ: 私はまだ自分の行動に 意味があるって思えるのかも
  308. さな: それで、そのウワサが 私のついてきた理由です…
  309. さな: かごめさんの取材は ウワサという力があるから
  310. さな: 魔法少女を救うための 現実的な意味のある行動です…
  311. さな: そして、そんなかごめさんに 協力さえすれば…
  312. さな: 私も現実的な意味のある行動を していることになるかなって…
  313. さな: だから…すみません…
  314. さな: 私、かごめさんを 利用してます…
  315. かごめ: …………
  316. さな: …………
  317. かごめ: …………
  318. かごめ: さなさん
  319. さな: はい?
  320. パシャ
  321. さな: ぴゃっ!? ど、どうして写真を…
  322. かごめ: …今日は各地の魔法少女を 取材し記録する日ですから…
  323. かごめ: さなさんのことを記録するのも 大事なことです
  324. かごめ: …って、電車の中で話を聞いて そう思いました…
  325. さな: はぁ…
  326. さな: でも、私は写真に撮られても 魔法少女以外には見えませんよ…
  327. さな: 魔法少女を広める活動に 私の写真は必要ないかと…
  328. かごめ: 今はそうかもしれませんが 必要な日が来るかもしれません
  329. かごめ: だってそのための 風の伝道師のウワサですから
  330.  
  331. FILENAME: text_207603-1_mZdOU.txt
  332. さな: …着きましたね…
  333. かごめ: はい…
  334. さな: 牧野さんが働いていた お店です…
  335. お帰りなさいませご主人様! おひとりさまですか?
  336. かごめ: ――っ!?
  337. かごめ: え、ええと、ふ、ふたりで…
  338. さな: かごめさん、いけません! 私、普通の方には見えません…!
  339. かごめ: あっ!
  340. おふたり… ええと、お連れの方は…?
  341. かごめ: …こ、この人形ですっ! 私の相棒ですっ…!
  342. かわいい… 不思議ちゃん…
  343. かごめ: な、なので、 テーブル席でお願いします…
  344. かしこまりました
  345. かごめ: …こういうお店…緊張しちゃって パニックになってしまいました…
  346. さな: かごめさん、 ありがとうございます…
  347. がやがや…
  348. さな: なんだか騒がしいですね…
  349. かごめ: 来週、郁美さんの追悼イベントが 開催されるそうです
  350. かごめ: 通常営業をしながら 裏でその準備をしてるのかと
  351. さな: そうですか…
  352. さな: ではお客さんにも 牧野さんの死は…
  353. かごめ: ご遺族の要望で昨日、お店の アカウントから公表されました
  354. さな: となると…この騒々しさは…
  355. かごめ: きっと、郁美さんの死を 受け入れようとする
  356. かごめ: みなさんの声だと思います
  357. かごめ: そして、残酷な話ですが…
  358. かごめ: 私が今日この店に来たのは この光景を記録するためです…!
  359. いくみん…どうして…!
  360. 突然すぎる…
  361. なあ、どうして いくみんは死んだんだ
  362. あんた店長から 何か聞いてないのか?
  363. この店、結構長いんだろ
  364. 聞いてない… 答えてくれなかった…
  365. 自殺…じゃないよな…?
  366. そう思いたいが…
  367. 一時期、休みがちだった…
  368. 復帰してからもステージには 立っていなかった…
  369. いつもの笑顔だったけど ムリをしてるようにも見えた…
  370. オレたちがもっと気づいて あげれば…!
  371. よせ、考えすぎだ
  372. それに、気づいたところで オレたちに何ができる
  373. 自殺じゃないさ
  374. オレだって…そう思いてぇよ…
  375. さな: …………
  376. かごめ: 魔法少女の死は、一般の人たちに 大きなモヤモヤを残すんですね…
  377. かごめ: きっと誰も腑に落ちることは ないのでしょう…
  378. さな: 牧野さんはメイド長という立場も あったので…余計に…
  379. さな: (私はどうだろう…)
  380. さな: (もうずっと見えてないし 覚えてる人もいないのかな…)
  381. さな: (それなら少しだけ 気は楽だな…)
  382.  
  383. FILENAME: text_207603-2_mZdOU.txt
  384. あ、来てくれたんですね 十七夜さん!
  385. さな: え…
  386. かごめ: 十七夜さん…
  387. 十七夜: む、二葉君に佐鳥君か
  388. さな: あれ…? お店違いますよね…?
  389. 十七夜: ああ、仕事で来たわけではない
  390. 十七夜: 牧野君の追悼イベントの 準備を手伝いにきたんだ
  391. かごめ: そうだったんですね
  392. 十七夜: そっちは…取材か…
  393. かごめ: はい、ユニオンのみなさんの 様子を見て回っています
  394. さな: 私はその付き添いで…
  395. 十七夜: …そうか よろしく頼む
  396. 十七夜: 佐鳥君が残した記録は きっと自分たちの利となる
  397. 十七夜: そう、信じている
  398. かごめ: …は、はい…!
  399. さな: そういえば十七夜さん 大丈夫、ですか…?
  400. さな: 確か酷いケガを…
  401. 十七夜: ああ、心配無用だ
  402. 十七夜: 痛みはごまかせる程度にまで 落ち着いた
  403. 十七夜: まだ治療中で本調子ではないが イベントの準備くらいはできる
  404. 十七夜: おっと、先に言っておくが 手伝う必要はないぞ
  405. 十七夜: これは自分の役目だからな
  406. さな: …はい…
  407. 十七夜: さて、すまないがそろそろ 立ち話も切り上げないとな
  408. 十七夜: なんのために来たのか わからなくなってしまう
  409. さな: あっ…そうですね…
  410. かごめ: すみません、最後にひとつだけ 質問してもよいでしょうか
  411. 十七夜: む?
  412. かごめ: どうして追悼イベントの 手伝いをするのでしょうか
  413. 十七夜: …そうだな
  414. 十七夜: 佐鳥君が疑問に思うように 少し前の自分なら手伝わなかった
  415. 十七夜: 実際、最初は自分が手伝うことに 迷いもあったが
  416. 十七夜: 七海に背中を押されてな…
  417. かごめ: それが理由でしょうか
  418. 十七夜: いいや、それだけじゃない
  419. 十七夜: ある友人から『考えすぎだ』と 今までの自分をとがめられてな
  420. 十七夜: 納得してしまったんだ そして思った
  421. 十七夜: 牧野君であれば盛大に 弔うべきであろうと
  422. かごめ: それで追悼イベントは ライブに…?
  423. 十七夜: 人間は死ねば土に還るか 燃えて灰になる
  424. 十七夜: 本来はその程度の形は残る
  425. 十七夜: だけど牧野君のあの死は 余りに何も形が残らなかった…
  426. 十七夜: 死なんてのはどれも平等に 酷いものだと思うが…
  427. 十七夜: それでも形が残らないことが 自分は悔しかったんだろう
  428. 十七夜: だからせめて思い出に 残せるようにと思ってな
  429. 十七夜: 忘れるための弔いもあるが… この件に関しては
  430. 十七夜: 忘れないための弔いがしたい
  431. さな: …………
  432.  
  433. FILENAME: text_207603-3_mZdOU.txt
  434. さな: 次に向かうのは…
  435. かごめ: ミラーズです
  436. かごめ: せっかく十七夜さんから 有益な情報もいただいたので
  437. 十七夜: これは梓から聞いたのだが…
  438. 十七夜: 今日はケガの浅い 魔法少女を中心に
  439. 十七夜: ミラーズで画伯とアリナの 捜索をする予定らしい
  440. さな: そうですね…
  441. かごめ: ミラーズはとても危険だと 思うので…
  442. かごめ: 改めてよろしくお願いします さなさん
  443. さな: はい…! 盾役、任せてください
  444. 恵 萌花: よーし、かりんちゃんアリナさん 捜索隊しゅっぱーつ
  445. かごめ: 失礼します…
  446. 恵 萌花: ほぇ!?
  447. 枇々木 めぐる: おーっと、乱入かーー!? なんてタイミングなんだ!!
  448. 綾野 梨花: 確か… 噂のかごめちゃんだっけ?
  449. 五十鈴 れん: 魔法少女のことを広めるために 記録をしてるって…
  450. かごめ: はい、そうです
  451. かごめ: かりんさんたちを捜索するという 話を聞きまして…
  452. かごめ: それで突然なんですが
  453. かごめ: 私たちも取材で 付き添ってもいいでしょうか
  454. 由貴 真里愛: 取材は…もちろんいいけど… 結界の中は危ないわよ?
  455. かごめ: 一応、リィちゃん…ウワサが 守ってくれるのと…
  456. さな: 私も盾で守るので…
  457. かごめ: はい、みなさんのご迷惑には ならないようにします
  458. 枇々木 めぐる: 誠意見せてきましたね! これは反対意見も出ない!
  459. 恵 萌花: じゃあ改めて しゅっぱーつ
  460. かごめ: あの、みなさんはアリナさんと 仲が良かったんですか?
  461. 綾野 梨花: あ、それ聞く…?
  462. かごめ: え、地雷でしたか…?
  463. 枇々木 めぐる: 大丈夫! めぐるも空気読めないから仲間!
  464. かごめ: 空気、読めてませんでしたか…
  465. 由貴 真里愛: 私は…そもそも面識が あんまりないから…
  466. 枇々木 めぐる: めぐるも言ってしまうと そんな感じですね
  467. 枇々木 めぐる: かりんさんのことも ほとんど知らなくて…
  468. 綾野 梨花: まあ、だいたいみんなそうだよね
  469. 綾野 梨花: 直接いがみ合ってるとか 嫌われてるってこともない
  470. 綾野 梨花: ただ、どうしてもマギウスで やったこととか踏まえると…
  471. 綾野 梨花: 厄介者…みたいな扱いは されてるかも…
  472. 恵 萌花: わ、私はアリナさん好きだよっ!
  473. 恵 萌花: 同じ学校ってのもあるけど… 何よりもこの命を救われたので…
  474. さな: あのアリナが…? そんなはずは…
  475. 恵 萌花: まあ、みなさんからの評価が 芳しくないのは重々承知でして…
  476. 五十鈴 れん: 私は…アリナさん… ちょっと苦手…怖いです…はい…
  477. 綾野 梨花: れんちゃん、結構言うね~
  478. かごめ: …それでも危険を冒してまで アリナさんを捜すんですね
  479. かごめ: ミラーズは謎だらけで 見つかるかもわからないのに
  480. 五十鈴 れん: …………
  481. 恵 萌花: …だってもう、 誰にも死んでほしくないから…
  482. 恵 萌花: だからみんな一緒に 捜してくれるんだよねっ
  483. 綾野 梨花: …ま、その通りだよね~ いいこと言うじゃん、萌花ちゃん
  484. 五十鈴 れん: 絶対…見つける…
  485. 由貴 真里愛: 因果応報とか罪の償いとか 色々あるんでしょうけど
  486. 由貴 真里愛: それとは無関係に生きててほしい
  487. 由貴 真里愛: それぐらい身近な人の訃報が 辛いものだとわかったから…
  488. かごめ: …そうですね 当然のことでした…!
  489. さな: …………
  490. さな: (私はどうなんだろう…)
  491. さな: (アリナを発見して ちゃんと上手く喜べるのかな…)
  492. さな: (今、私…酷いこと考えてる…)
  493.  
  494. FILENAME: text_207603-4_mZdOU.txt
  495. 枇々木 めぐる: ひとまずターミナルに 着きましたね
  496. 枇々木 めぐる: で、どう探せば…
  497. 恵 萌花: アリナさーーーんっ!! かりんちゃーーーんっ!!
  498. 枇々木 めぐる: なるほど! 呼ぶんですね!
  499. 枇々木 めぐる: 大声は自信ありますよ!
  500. 枇々木 めぐる: アリナさーーーん!! かりんさーーーん!!
  501. 恵 萌花: アリナさーーーん!!
  502. 恵 萌花: 勝手に死んだと思ってて ごめんなさーーいっ!
  503. 恵 萌花: かりんちゃーーーんっ!! また一緒に魔女退治しよーー!!
  504. 恵 萌花: しまった…!
  505. 恵 萌花: 魔女退治しよって言われて 帰ってくるわけない…
  506. 恵 萌花: やっぱり大丈夫ーーっ!!
  507. 五十鈴 れん: 私も… か、かりんちゃ…
  508. 五十鈴 れん: けほっ…大声苦手… 戦力外です…はい…
  509. 綾野 梨花: そもそも声って 鏡の向こうに届くの…?
  510. 由貴 真里愛: さあ…
  511. 由貴 真里愛: でも、この間の戦いで 鏡の向こう側から
  512. 由貴 真里愛: プロミストブラッドの魔力を 感じ取ることができたから…
  513. 綾野 梨花: そっか、魔力は 届くかもしれないんだ
  514. 綾野 梨花: じゃあ、アリナの魔力を 捜せばいいのかも
  515. 由貴 真里愛: まあ、本当に鏡の向こうに いると仮定すればだけどね…
  516. 綾野 梨花: それもわかんないもんね
  517. 五十鈴 れん: 鏡もたくさんあるし… 調べるの大変…
  518. 枇々木 めぐる: ――っ!?
  519. 枇々木 めぐる: むむ!? この反応は…
  520. 枇々木 めぐる: 魔女だっ!?
  521. 恵 萌花: もしかして うるさくしたから…?
  522. …………!
  523. 五十鈴 れん: ターミナルから やってきた魔女…?
  524. 綾野 梨花: 使い魔も 連れてきてる!
  525. さな: かごめさん、少し離れましょう
  526. かごめ: は、はい…
  527. かごめ: 使い魔が…!
  528. さな: 大丈夫です
  529. 縺上i茨シ
  530. ガァンッ!
  531. さな: …ね?
  532. かごめ: はい…!
  533. めぐるの声: あーっと!
  534. めぐるの声: ここで猛攻繰り広げる使い魔に 忍び寄るひとつの影!
  535. めぐるの声: その影の正体は…
  536. 枇々木 めぐる: めぐる選手だーー!
  537. 枇々木 めぐる: あっという間に使い魔の間合いへ 侵入しためぐる選手!
  538. 枇々木 めぐる: 踏み込んだ軸足に全体重を乗せ 倒れこむように叩きつける!
  539. 枇々木 めぐる: 重いーー! しかもそれで終わらない!
  540. 枇々木 めぐる: 叩きつけた勢いで取ったのは この低い体勢!
  541. 枇々木 めぐる: そこから繰り出すのは 潜水艦さながら
  542. 枇々木 めぐる: 掬い上げるような 強烈な蹴り!
  543. 枇々木 めぐる: 下からのえぐるような攻撃を もろに受けた対象は
  544. 枇々木 めぐる: 鏡の彼方までぶっ飛んだーーっ!!
  545. 枇々木 めぐる: 自分で自分を実況するヤツ!
  546. さな: あ、ありがとうございます
  547. 枇々木 めぐる: うん、しっかり守ってあげて くださいね!
  548. 綾野 梨花: 今の実況みたいな魔法 あたしらにも使えるんだよね?
  549. 枇々木 めぐる: もちろん! 本来はそのための魔法です!
  550. 枇々木 めぐる: みなさんを激励して 強くします
  551. 恵 萌花: その実況…もしよろしければ 私にも…
  552. 五十鈴 れん: 私も…
  553. 枇々木 めぐる: もちろんです!
  554. 恵 萌花: よ、よぉし…! えいっ!
  555. 五十鈴 れん: ふんっ…!
  556. 枇々木 めぐる: うわ、なんですか あの可愛い生き物ふたり…
  557. 枇々木 めぐる: こんな子を 放ってはおけないっ!
  558. 枇々木 めぐる: そう叫ぶかのように立ち上がった 真里愛選手!梨花選手ーーっ!
  559. 由貴 真里愛: えっ!? 私!?
  560. 綾野 梨花: すごい、力が湧いてきた…!
  561. かごめ: 改めて魔法少女の戦いを 間近で見ましたけど…
  562. かごめ: やっぱり、激しいですね…
  563. かごめ: 少し、怖いと思ってしまいました 私、臆病です…
  564. さな: …大丈夫ですよ…
  565. さな: きっと怖くないなんて思ってる子 いませんから…
  566.  
  567. FILENAME: text_207603-5_mZdOU.txt
  568. 由貴 真里愛: さて…使い魔は倒せたけど…
  569. 綾野 梨花: 肝心の魔女が…
  570. 枇々木 めぐる: 萌花選手の大きな斧は風を切り 魔女を斬る!
  571. …………!
  572. 恵 萌花: あ…
  573. 恵 萌花: あうぅ! ダメでした…
  574. 五十鈴 れん: 堅い…
  575. 由貴 真里愛: 萌花ちゃんでもダメ… そうなると、どうすれば…
  576. …………!
  577. 綾野 梨花: きゃぁっ!
  578. 枇々木 めぐる: うわぁっ! 離れてるのに!なんて強烈っ!
  579. 枇々木 めぐる: とんでもない 広範囲攻撃だっ!
  580. ガァンッ!
  581. さな: だ、大丈夫ですか…?
  582. かごめ: は、はい… おかげさまで…
  583. さな: まさか魔女の攻撃がここまで 届くなんて…
  584. さな: 盾を構えていてよかった…
  585. さな: もう少し離れましょうか…?
  586. かごめ: いえ、これ以上魔女から離れると 記録に残すことが…
  587. かごめ: このまま留まりたいです
  588. さな: わかりました…
  589. ガァンッ!
  590. めぐるの声: うわぁっ!
  591. かごめ: きゃっ! …またすごいのが…!
  592. かごめ: …みなさん 苦戦してるようですね…
  593. さな: ターミナルに現れる魔女は とても強いと聞きました…
  594. さな: ですが、みなさんもとても お強いので、きっと大丈夫です…
  595. さな: みんなが一か所に 全力で魔力をぶつければ…
  596. さな: だけど…そのためには…
  597. 綾野 梨花: 堅いけど、あたしたち5人が 全力をぶつければ勝てるはず
  598. 五十鈴 れん: だけど、魔力を溜めないと…
  599. 枇々木 めぐる: でも、それだと隙を作ることに… きっとあの広範囲攻撃が来ます
  600. 恵 萌花: だ、だったら、ひとりが 魔女さんの気を引けば…!
  601. 恵 萌花: あの光る技も、出すのに 少し時間がかかるみたいだし…
  602. 由貴 真里愛: ダメよ、萌花ちゃん 5ひく1は?
  603. 恵 萌花: 4…?
  604. 由貴 真里愛: そう、誰かが注意を引きつけると 5人で大技を撃てなくなるの
  605. 恵 萌花: なんと…!
  606. 恵 萌花: わかりやすい説明 ありがとうございます
  607. さな: …………
  608. さな: …こうなったら………… …………するしか…
  609. かごめ: …さなさん…?
  610. さな: かごめさん、すみません… ご協力お願いします…
  611. かごめ: えっ!?
  612. 恵 萌花: ぐぬぬ…
  613. 恵 萌花: ――っ!?
  614. 恵 萌花: 私、今…何もしてないのに…
  615. 綾野 梨花: 誰かいる…!
  616. 五十鈴 れん: さなちゃん…?
  617. 枇々木 めぐる: あっ!そうか! 固有魔法!
  618. 枇々木 めぐる: 固有魔法を使えば 魔法少女や魔女にも見えないっ!
  619. 由貴 真里愛: でも、かごめちゃんは…? まさか今、無防備で…?
  620. 由貴 真里愛: いえ、さなちゃんの盾を持ってる …………ということは!?
  621. 綾野 梨花: 今、さなちゃんは 盾無しで…?
  622. 枇々木 めぐる: 捨て身の特攻っ!?
  623. …?
  624. 恵 萌花: さなちゃんが 注意を引き付けてる間に!
  625. 五十鈴 れん: 力を溜めようっ…!
  626. 綾野 梨花: 溜まったよっ
  627. 由貴 真里愛: さなちゃん、離れてっ!
  628. ザッ
  629. 枇々木 めぐる: よし、離れた! いっけーーーっ!!
  630. 綾野 梨花: 勝った…
  631. 五十鈴 れん: さなちゃんは…?
  632. さな: はぁ…ひぃ…
  633. かごめ: 大丈夫ですか!?
  634. さな: な、なんとか…
  635. 萌花の声: おーい、さなちゃーん!
  636. さな: あ、みなさん…
  637. 綾野 梨花: ありがとう! とっても助かったよ!
  638. さな: は、はい…
  639. 由貴 真里愛: 今、私たちが無事なのは あなたの勇気ある行動のおかげね
  640. さな: 勇気…
  641. 由貴 真里愛: だけど、これ以上のムリは危険 今日はもう引き上げましょうか
  642. 枇々木 めぐる: そうですね… それが妥当かと思います
  643. かごめ: はい、みなさんの安全が第一です 私も構いません
  644. かごめ: さなさんもお疲れですし 今日の取材はここまでですね
  645. さな: はい…
  646. さな: 何も成果がないのは残念ですが… わかりました…
  647.  
  648. FILENAME: text_207604-1_m4q6u.txt
  649. さな: …………
  650. さな: (今日は外に出て 実際に行動してみたけど…)
  651. さな: (私の行動に… 意味はあったのかな…)
  652. さな: (かごめちゃんには お礼を言われたけど…)
  653. さな: (結局、アリナもかりんさんも 見つけられなかったし…)
  654. さな: (…なんか疲れちゃったな…)
  655. さな: …………そうだ…
  656. すなお: はい、もしもし
  657. さな: あ…すなおさん… こんばんは…
  658. すなお: 二葉さんですか こんばんは
  659. すなお: お電話、珍しいですね 何かありましたか…?
  660. さな: えっと…前に直接会うのは あんまりよくないけど…
  661. さな: 電話ならいいって 言ってくれたので…
  662. すなお: …それで…?
  663. さな: 電話…しました…
  664. すなお: …?
  665. すなお: あ、だったら ちょっとおしゃべりしましょうか
  666. さな: はい…!
  667. すなお: それなのに静香ったら 迷わず飛び出して…
  668. すなお: もう、心臓が飛び出ちゃいました
  669. さな: ふふ…静香さんらしいです…
  670. すなお: そうですね
  671. すなお: …でも、最近は… ちょっと心配なこともあって…
  672. さな: すなおさん…?
  673. すなお: 以前から静香は 悩むことが多かったんですけど
  674. すなお: 性善説を知ってから 妙に善悪に固執していて…
  675. さな: でも、日の本のために 戦ってるなら
  676. さな: そこに住む人たちを 信じたい気持ちはわかります…
  677. すなお: はい、そうなんですけど…
  678. すなお: 静香の場合は 考え方のひとつじゃなくて
  679. すなお: 嫌な現実から目を背けるための 偏った思想になりそうなんです
  680. さな: 現実から…目を背ける…
  681. すなお: どうしました?
  682. さな: あ、いえ…
  683. さな: あんなに懸命に頑張ってる人が 現実逃避だなんて…
  684. すなお: 静香も人間ですからね…
  685. すなお: …話が暗くなってしまいましたね 話題を変えましょうか
  686. すなお: そうそう、以前オススメされた アレ、レンタルで観ましたよ
  687. すなお: 大長編こねこのゴロゴロ!
  688. すなお: さすが都会のお店ですね ブルーレイでありました
  689. さな: わあっ、観たんですね… どうでした…?
  690. すなお: とっても面白かったです
  691. さな: よかった…
  692. すなお: 特にラスト、いつも気弱な ブルブルドッグちゃんが
  693. すなお: 木の陰から出て、捨て身の 特攻で立ち向かうシーンは
  694. すなお: 鳥肌と同時に涙が溢れましたっ!
  695. さな: ――っ!?
  696.  
  697. FILENAME: text_207604-2_m4q6u.txt
  698. すなお: 特にラスト、いつも気弱な ブルブルドッグちゃんが
  699. すなお: 木の陰から出て、捨て身の 特攻で立ち向かうシーンは
  700. すなお: 鳥肌と同時に涙が溢れましたっ!
  701. さな: ――っ!?
  702. すなお: …二葉さん?
  703. さな: 私も…昔観たとき… そのシーンが…大好きで…
  704. すなお: ふふ、最高ですよね
  705. すなお: 特典映像にある 監督のインタビューは観ました?
  706. さな: あ、その映画は小さい頃に一度 映画館で観ただけなので
  707. さな: 特典のことはちょっと…
  708. すなお: インタビューも面白かったですよ 例えばあのラストのシーンは
  709. すなお: 猫柳監督が幼少の頃の体験を 元にしたって裏話もありました
  710. さな: ――っ!?
  711. さな: (…そうだったんだ…)
  712. さな: (あの時は必死だったけど…)
  713. さな: (今日、私のした 捨て身の行動は…)
  714. さな: (子どもの頃に観たアニメの映画 がキッカケかもしれなくて…)
  715. さな: (しかもそれは、作った人の 経験が元だったのだとしたら…)
  716. すなお: ふ、二葉さん…?
  717. さな: あ…すみません、何度も…
  718. さな: あと…ありがとうございます…
  719. すなお: ありがとう… そうですか
  720. すなお: 何かあったようですが もう大丈夫そうですね
  721. さな: …わかりません…
  722. さな: でも…
  723. さな: ねむちゃん、ちょっといい…?
  724. ねむ: ん? …ああ、さなか
  725. ねむ: どうしたのかな
  726. さな: ねむちゃんはアニメとか 小説とか絵本に
  727. さな: 現実の…人間を動かす力って あると思う…?
  728. ねむ: …………ふっ
  729. ねむ: 突然どうしたかと思えば そんなことか
  730. ねむ: なんだい?
  731. ねむ: 創作を良く思わない人たちから 何か言われたのかな?
  732. さな: まあ…
  733. ねむ: だったら彼らの言葉を そのまま借りればいい
  734. ねむ: 彼らによると刺激的なシーンは 子どもに悪影響をもたらすらしい
  735. ねむ: 彼らは創作に現実を変える力が あると認めてくれてるよ
  736. さな: …あ、そっか…
  737. ねむ: ちょっと卑怯な理屈だけどね
  738. さな: ううん ありがとう…
  739. ねむ: 創作の力が 信じられなくなったのかな?
  740. さな: 朝、少しだけ
  741. さな: 絵本なんて 作る方も読む方も
  742. さな: ただ現実逃避してるだけ なんじゃないかって
  743. さな: 急に不安になって…
  744. さな: そう思い始めたら 描けなくなったの
  745. さな: だから今日1日は
  746. さな: 現実のことに 目を向けて行動してね…
  747. さな: だけど、ちょっとしか 上手くいかなかった…
  748. さな: …でも、その“ちょっと”は
  749. さな: もしかしたら小さい頃に観た 映画の影響かもって思ったら
  750. かごめ: 魔法少女のみんなから嫌われても 覚悟を持って進むべき
  751. 夏目 かこ: だって、余計なことして イヤな思いをさせたのなら…
  752. 夏目 かこ: やっぱり本当のことを言って 謝るべきな気がして…
  753. 三栗 あやめ: そっか、それもそうだな…
  754. フェリシア: まあいいや ふたりとも、ありがとうな
  755. フェリシア: 父ちゃんと母ちゃんと話せて すっげー嬉しかった
  756. 十七夜: 忘れるための弔いもあるが… この件に関しては
  757. 十七夜: 忘れないための弔いがしたい
  758. 由貴 真里愛: 因果応報とか罪の償いとか 色々あるんでしょうけど
  759. 由貴 真里愛: それとは無関係に生きててほしい
  760. すなお: 静香も人間ですからね…
  761. さな: 絵本は 現実逃避なんかじゃなくて…
  762. さな: 現実を懸命に生きる人たちに
  763. さな: 何かのキッカケを 与えられるんじゃないかって
  764. さな: そう、信じられるかもと思って…
  765. ねむ: そうだね… 僕も同意するよ
  766. ねむ: …あ、そうだ ちょうどいいかもしれない
  767. さな: …?
  768. ねむ: 灯花がSNSで色々やってるけど あまり上手くいってないんだ
  769. ねむ: でも半端にネット上で コミュニティはできてるから…
  770. ねむ: これを利用してみたらどうかな?
  771. さな: 利用するって、どういうこと…?
  772. ねむ: 灯花に頼んで電子書籍の絵本を 作って、公開してみないかい?
  773. さな: えっ!?
  774. ねむ: 急な話でビックリしたかな…?
  775. さな: ちょっと…
  776. さな: うん、でもやってみたい…
  777. さな: 私、頑張ってみる…!
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