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- FILENAME: text_311131-1.txt
- 竜城 明日香: 年末の恒例行事と言えば そう…特訓です!
- 竜城 明日香: ということで、これより 年末特訓を行います!
- みんな: 「おーっ!」
- 美凪 ささら: …で、始まったのはいいけど なんか、おかしくない?
- 阿見 莉愛: 竜城さんの様子よね いつにも増して変だわ…
- 木崎 衣美里: あすきゃんっていつも 斜め上だったりするけど
- 志伸 あきら: うん…さっきなんか
- 竜城 明日香: 次は腕立て伏せ20回です!
- 竜城 明日香: よーい、はじめ!
- 竜城 明日香: ふん、ふん、ふん…
- 美凪 ささら: ちょ、ちょっと明日香… 明日香っ!
- 竜城 明日香: へ?あ、はい なんでしょうか?
- 志伸 あきら: も、もう… 300回超えてるんだけど…
- 木崎 衣美里: ひぃ…あーし、これじゃあ ムキムキになっちゃうって!
- 竜城 明日香: え? そんな、いつの間に…?
- 阿見 莉愛: そのあとも…
- 竜城 明日香: 特訓に使う道具を 用意しますので、しばし!
- 阿見 莉愛: ええ、わかったわ ありがとう
- 竜城 明日香: 確か、こっちに…
- ドッターン
- 志伸 あきら: え、いま転んだ!? 大丈夫!?
- 美凪 ささら: 何もないところだったよね?
- 木崎 衣美里: あすきゃん無事ーっ!?
- 竜城 明日香: なんのこれし、きっ!?
- 阿見 莉愛: また転びましたわね…
- 志伸 あきら: なんか、あれだよね 違うタイプのボケというか
- 阿見 莉愛: 心配になるレベルのやつよね…
- 美凪 ささら: 今も、なぜか知らないけど 休憩中なのに百面相してるし
- 志伸 あきら: 挙動不審というか どうしちゃったんだろう…
- 木崎 衣美里: んー、いま昼前だし ワンチャン腹減ってんじゃね?
- 木崎 衣美里: 昼飯でも食べりゃ いつも通りに戻るっしょ!
- 美凪 ささら: だといいんだけど…
- 竜城 明日香: では、そろそろ昼食と いたしましょう!
- 竜城 明日香: 用意しますのでお待ちくださいね
- 木崎 衣美里: ほーい
- 竜城 明日香: お待たせいたしまし、た…っと
- ドシーン
- 阿見 莉愛: これは…!
- 志伸 あきら: こ、米俵!?
- 竜城 明日香: へ…あれ…
- 美凪 ささら: さすがに素材の味が すぎるってば!
- 木崎 衣美里: あはは!やべー!
- 美凪 ささら: 明日香、どうしちゃったの!? 今日ほんとに変だよ!
- 竜城 明日香: す、すみません… ご迷惑をおかけして…
- 志伸 あきら: それはいいけど何かあった? 心配だよ…
- 竜城 明日香: …実は、年明けに 親戚の集まりがあるのですが
- 竜城 明日香: その、以前に失敗をしていて 思い出すたび不安が…
- 阿見 莉愛: いったい、何が起きたのか 聞かせてもらっても?
- 竜城 明日香: はい…
- FILENAME: text_311131-2.txt
- 竜城 明日香: それは、ひとつ前の お正月の話です…
- 竜城 明日香: あけましておめでとうございます 従姉妹さんは、元気ですか?
- 明日香の叔母: ええ、おかげさまでね ほら、あいさつできるかな?
- 明日香の従姉妹: こんにちは!
- 明日香の従姉妹の声: あーぶーぶー
- 竜城 明日香: その年は、まだ幼いふたりの従姉妹さんも うちへ新年のあいさつに来てくれたのですが…
- 明日香の母の声: 明日香ー、従姉妹ちゃんに お菓子を持ってきてくれる?
- 竜城 明日香: はい、ただいま!
- 竜城 明日香: お菓子は、これですね…
- 竜城 明日香: (…な、お菓子の数が… 足りない!?)
- 竜城 明日香: 従姉妹ふたりに対して、お菓子はひとつ… ケンカになってしまうと考えた私は 急いでお菓子を買いに走りました
- 竜城 明日香: はぁ…はぁ…お菓子… 買ってきました…
- 竜城 明日香: しかし…
- 明日香の母: 居ないと思ったら… 部屋に置いていなかった?
- 竜城 明日香: その、ひとつしかなかったので 追加で買いに…
- 明日香の母: ひとつでいいのよ?
- 明日香の母: 従姉妹ちゃん、まだお菓子が 食べられる年じゃないもの
- 明日香の従姉妹の声: あーぶ
- 竜城 明日香: はっ…私としたことが…
- 竜城 明日香: お菓子の数は、最初から合っていたのです 従姉妹のひとりがまだ離乳食の赤ちゃんなので お菓子はひとつだけで問題なく 赤ちゃん用は別に、用意がされていました
- 竜城 明日香: つまり、私は無駄足だった上に 正月から親類の前で恥をさらしてしまったのです
- 明日香の父: 確認をしてから動けと あれほど言っているだろうに
- 竜城 明日香: す、すみません…
- 明日香の叔母: まあまあ、赤ちゃんを 想ってのことなんだし
- 明日香の叔母: 明日香ちゃんが変わってなくて なんだか安心したわ
- ガハハ、ほんとに そそっかしいのは変わんねえな
- 竜城 明日香: な…な…
- 竜城 明日香: …このように年下の従姉妹の前で 大失態を犯したわけです
- 竜城 明日香: 完全に自分のそそっかしさが 引き起こした過ちですが…
- 竜城 明日香: くっ…思い出しただけでも恥… これは、もう自害するしか…
- 美凪 ささら: しないよ!
- 竜城 明日香: うぅ~…
- 竜城 明日香: こんな自分が師範ではバカにされ 果ては竜真流までもが笑われ…
- 竜城 明日香: 竜城家の面汚しです! やはり、自害を…!
- 美凪 ささら: だから!しない!
- 木崎 衣美里: てか、そんな気にすること?
- 木崎 衣美里: おっちょこちょいなのが あすきゃんのいいとこっつーかさ
- 志伸 あきら: あんまりフォローに なってない気がするけど…
- 志伸 あきら: まぁ、今回のは割とあれだよね 優しさゆえの失敗というか
- 木崎 衣美里: そう!それに、赤ちゃんなら もう覚えてないって!
- 竜城 明日香: 小さい頃の記憶というのは あとまでよく残るものです
- 竜城 明日香: 早めに汚名返上を するに越したことはありません
- 阿見 莉愛: それで、どうしようかと 気もそぞろになっていたわけね
- 竜城 明日香: …その通りです
- 竜城 明日香: 今年こそは、しっかり者の 年上として威厳を発揮したく!
- 木崎 衣美里: んじゃ、しっかり者になるために 特訓でもすりゃいいっつーこと?
- 竜城 明日香: …いえ、悩みはそれだけでなく
- 木崎 衣美里: ん?
- 竜城 明日香: 実は、お年玉をあげようかと 考えているのですが
- 竜城 明日香: 資金がない…という問題が
- 美凪 ささら: お年玉、もうあげるの?
- 阿見 莉愛: 家庭によるだろうけど 少々早くはないかしら?
- 木崎 衣美里: そそ、むしろまだ もらう側じゃね?
- 竜城 明日香: いえ、私も従兄弟殿のような 大人になりたいので
- 竜城 明日香: 高校生となった今 お年玉は絶対に必要なのです!
- 竜城 明日香: それに、変わった私を見せるには わかりやすいかと思い…!
- 志伸 あきら: 確かに、お年玉をあげるのって 大人になったって感じがあるかも
- 美凪 ささら: 通過儀礼…的なやつ?
- 竜城 明日香: ええ!
- 木崎 衣美里: ま、あすきゃんがそうしたいなら あーしらで手伝おっか!
- 木崎 衣美里: 名づけて…
- 木崎 衣美里: 「あすきゃんをしっかりさせよう! アンドお年玉費用も一緒に稼ぐぞ大作戦!」
- 阿見 莉愛: 長いわね…
- FILENAME: text_311131-3.txt
- 美凪 ささら: それで、どうするの? 明日香の悩みは
- 美凪 ささら: 「年下の従姉妹にしっかりしたところを見せて 前回の汚名返上を果たし さらに、お年玉をあげることで 従兄弟さんみたいなかっこいい大人になりたい」
- 美凪 ささら: …ってことだけど
- 木崎 衣美里: んふふ~あーし、めっちゃいい話 知ってんだよね~
- 志伸 あきら: いい話?
- 木崎 衣美里: そ!あすきゃんを飴とムチで 教育してくれそうな人もね!
- 竜城 明日香: それはいったい…
- 竜城 明日香: …衣美里さんの紹介で 本日から働かせていただきます
- 竜城 明日香: 竜城明日香と申します 何卒よろしくお願いいたします
- 理子の父: ハハハ そんなにかしこまらなくても
- 理子の母: よろしくね、竜城さん
- 千秋 理子: よろしくお願いします!
- 竜城 明日香: それから、おふたりも
- 木崎 衣美里: まずね、バイトはりこっちの 千秋屋さんが募集してっから
- 木崎 衣美里: 多分、そこでいけると 思うんだよねー
- 竜城 明日香: 教育してくれそう…というのは
- 木崎 衣美里: しっかり者っつったら…まぁ
- 阿見 莉愛: そんなの私しかいなくってよ!
- 木崎 衣美里: あ、莉愛様は莉愛様だから 今回はちょっと違くて
- 阿見 莉愛: なんですって!?
- 木崎 衣美里: んで、あきらっちはトラブルが 寄ってくるからキビいじゃん
- 志伸 あきら: うん、むしろ面倒ごとが 多くなっちゃうかもだね…
- 木崎 衣美里: ささらんでもいいけど いつもと違う人がいいから~
- 美凪 ささら: うんうん
- 木崎 衣美里: ここは、あのふたりっしょ!
- 木崎 衣美里: みんなの聖母マリマリと 優等生お嬢様の紗枝ちん!
- 竜城 明日香: マリマリさんと 紗枝ちん…さん?
- 由貴 真里愛: 同世代の子を教育する経験なんて あまりないから不安だけど
- 由貴 真里愛: 明日香ちゃんがしっかり者に なれるよう、精一杯頑張るわ
- 由貴 真里愛: 今日はよろしくね
- 桐野 紗枝: わたしは、真里愛さんほど しっかり者じゃないけど…
- 桐野 紗枝: 役に立てるよう、頑張るから よろしくね、明日香ちゃん
- 竜城 明日香: 従兄弟殿のようなかっこいい 大人になれるよう
- 竜城 明日香: ご指導ご鞭撻のほど よろしくお願いいたします!
- 桐野 紗枝: ふふ、そんな かしこまらなくていいのに
- 由貴 真里愛: それより、従兄弟殿って…?
- 由貴 真里愛: お年玉をあげたい従姉妹ちゃん とは、違うのよね…?
- 竜城 明日香: はい!従兄弟殿は 尊敬する従兄弟殿です!
- 由貴 真里愛: う、うん…?
- 竜城 明日香: それでは、さっそく お仕事の内容を!
- 千秋 理子: はい、教えますね! まずは、ここにお弁当があって…
- 千秋 理子: こんな感じです! 大丈夫そうですか?
- 竜城 明日香: はい!とてもわかりやすい説明で 理子さん…本当に小学生ですか?
- 千秋 理子: えへへ、わかりやすかったなら よかったです!
- 理子の父: まあ、自分たちもいるから 何かわからないことがあれば…
- ピロンッ♪
- 理子の父: …ん?
- 理子の父: …大変だ
- 由貴 真里愛: どうかされたんですか?
- 理子の父: 今日、納品予定の食材が 道路の関係で届かないって…
- 理子の母: え、それって今日中に 仕込みしないといけない…?
- 理子の父: ああ、年始に予約されてる 大口のお客様のだ
- 理子の父: 今から取りに行ってくるから 悪いけど店のことは理子に…
- 千秋 理子: わたしも行く!
- 理子の父: ええ?
- 千秋 理子: わたしも一緒に仕込みをする 予定の食材だし…
- 千秋 理子: 行く!
- 理子の父: んー…じゃあ、紗枝ちゃん 申し訳ないけどお願いできる…?
- 理子の父: 店では何度も 働いてもらっているし
- 理子の父: 勝手もわかるだろうから 頼んじゃっても大丈夫かな?
- 理子の父: バイト代は奮発するから!
- 桐野 紗枝: あ、はい…任せてください!
- 理子の父: ありがとう、さっそく悪いけど あとのことはよろしく頼んだよ
- 理子の母: 何かあれば連絡してね すぐに対応するから
- 由貴 真里愛: ええ、みなさんお気をつけて…
- 竜城 明日香: い、行ってしまいました…
- 竜城 明日香: 紗枝さん、ここでよく 働いているんですか?
- 桐野 紗枝: …うん、社会勉強としてね 理子ちゃんとも仲がいいから
- 竜城 明日香: そうでしたか…にしても 少々不安です
- 竜城 明日香: 店主殿が いなくなってしまうとは…
- 桐野 紗枝: 大丈夫! わたしも真里愛さんもいるし
- 由貴 真里愛: ええ いっしょに頑張りましょう!
- 竜城 明日香: …はいっ
- FILENAME: text_311131-4.txt
- 由貴 真里愛: じゃあ、さっそくお仕事を 始めていきましょうか!
- 竜城 明日香: では、私は配達に!
- 桐野 紗枝: ちょ、ちょっと待って? 今は配達するものないよ?
- 竜城 明日香: あぁ…そうでした 確認不足ですみません…
- 桐野 紗枝: ううん、大丈夫だよ
- 竜城 明日香: では、裏の掃除を…
- 桐野 紗枝: あ、まずは届いている物の 荷ほどきをお願いできる?
- 竜城 明日香: わかりました!
- 桐野 紗枝: (ほんとうに大丈夫なの? …彼女、心配なんだけど)
- 桐野 紗枝: (理子ちゃんの紹介で始めた アルバイト…)
- 桐野 紗枝: (今日も任せてもらえるくらい 信頼関係も築けてきたから)
- 桐野 紗枝: (何か粗相でもされて バイト先を失ったら困るのよ…)
- 桐野 紗枝: うちには、養わなきゃいけない弟や妹 騙されやすくて、すぐ借金背負う両親がいるから 私がしっかり稼がなきゃいけないし 今回の稼ぎによって、年始の弟たちに 美味しいものを食べさせられるかが懸かってる
- 桐野 紗枝: 竜城明日香ちゃんと言えば、水名女学園に所属し 竜真館という道場の娘でもある、本物のお嬢様 良家の娘を演じている、貧乏な私とは正反対
- 桐野 紗枝: 彼女と人脈を作ることはいつか成り上がるという 私の夢にもつながるはずだから 少し面倒だけど、頑張らなきゃいけない
- 桐野 紗枝: 彼女に恩を売り 何事もなくバイトを終えるのが 私のミッションね…
- 由貴 真里愛: (明日香ちゃん大丈夫かしら?)
- 由貴 真里愛: (少しそそっかしい…って話は 伝え聞いているけれど…)
- 由貴 真里愛: (なんだか、それより ひどく焦っているように見えて)
- 由貴 真里愛: (いろいろと、彼女が心配ね)
- 由貴 真里愛: (よしっ!)
- 由貴 真里愛: 明日香ちゃんを しっかり者にするのはもちろんだけど アルバイトも楽しかったって思えるように 頑張らなくっちゃいけないわね!
- 竜城 明日香: (理子さんも、真里愛さんも 紗枝さんも…)
- 竜城 明日香: (みなさんしっかりしていて 本当にすごいです…!)
- 竜城 明日香: (そんなすごい人に 教えてもらえて)
- 竜城 明日香: (アルバイトもできる機会が いただけたんですから…)
- 竜城 明日香: (ここでどれだけ成長できるかが 大事になってきますね!)
- 竜城 明日香: よし…! 私、頑張ります!
- 竜城 明日香: 私…変わってみせますから! 見ていてください!
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- 由貴 真里愛: お客さんが来たみたいよ 明日香ちゃん
- 桐野 紗枝: わたしたちでフォローするから 対応してみてくれる?
- 竜城 明日香: は、はいっ! わかりました!
- 竜城 明日香: い、いらっしゃいませ!
- みかげ: あれ?今日はりこたん いないんだ?
- 竜城 明日香: はい、今は私たちで店番を
- みかげ: なーんだ、りこたんに 会いに来たんだけどなぁ
- 竜城 明日香: す、すみませんっ!
- みかげ: お姉さんが謝ることじゃないよ
- 桐野 紗枝: いらっしゃい、みかげちゃん
- みかげ: あ、紗枝たん今日もいたんだね お嬢様なのに金欠なの?
- 桐野 紗枝: ふふ、欲しいものがあるから 頑張って働いてるんだよ
- みかげ: ふーん、お金持ちも ザイセイナンになるんだね
- みかげ: じゃ、ミィはりこたんに会いに 来ただけだから、またね~
- みかげ: あ、良いお年を!だった!
- 竜城 明日香: ええ、良いお年を!
- 竜城 明日香: みたまさんの妹さん… しっかり者ですよね
- 竜城 明日香: 小学生なのに財政難なんて 難しい言葉を使ったり
- 竜城 明日香: やはり年上の姉妹がいると そうなるものなのでしょうか
- 由貴 真里愛: あれくらいの年の子は 急にませたりするから、ふふ
- 竜城 明日香: でも、私が小学生の頃なんて おつかいへ行けば財布を忘れ
- 竜城 明日香: 従兄弟殿が届けに来てくれる… なんてこともよくあったくらいで
- 竜城 明日香: あれ、そういえばあの頃 従兄弟殿の年齢って…
- 桐野 紗枝: ほら、感心してないで 手を動かそう?
- 竜城 明日香: ああ、すみません!
- 竜城 明日香: 裏でお弁当を 仕分けてきますね!
- 桐野 紗枝: ふぅ…
- 由貴 真里愛: あら、ため息なんて どうしたの、紗枝ちゃん
- 桐野 紗枝: あ、ごめんなさい つい…
- 桐野 紗枝: 明日香ちゃん、なんていうか ほんとうに大丈夫かな…って
- 由貴 真里愛: ふふ…確かに、言われた通り おっちょこちょいっぽいわよね
- 由貴 真里愛: だから、私たちでサポートしつつ 気長に見守りましょう?
- 桐野 紗枝: ええ、そうですね
- 桐野 紗枝: …あの、なんか やけに静かじゃないですか?
- 由貴 真里愛: そうね、彼女…裏で作業を すると言っていたけれど…
- 桐野 紗枝: …弟や妹が静かな時
- 由貴 真里愛: 学童の子たちが静かな時 それは…
- 真里愛&紗枝: 何かが起きているとき…!
- 由貴 真里愛: 大変…明日香ちゃんの身に 危険なことが…!?
- 竜城 明日香: あ、あの…
- 由貴 真里愛: ああ、良かった 無事だったみたいね
- 桐野 紗枝: …どうかしたの?
- 竜城 明日香: 申し訳ありません… やってしまいました…
- 由貴 真里愛: …何をかしら?
- 竜城 明日香: お弁当の上に紙が置いてあり
- 由貴 真里愛: ああ、どれが誰の注文かって 内容のふせんよね?
- 竜城 明日香: …あの、それが… 散らかっているように見えて…
- 桐野 紗枝: まさか…
- 竜城 明日香: 片づけてしまい…その…
- 竜城 明日香: ゴミ箱に入れる直前で… 名前が書いてあるのに気づき…
- 竜城 明日香: もっ、申し訳ございませんッ!
- 真里愛&紗枝: …………
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- 竜城 明日香: もっ、申し訳ございませんッ!
- 真里愛&紗枝: …………
- 竜城 明日香: ここは、責任を取って…
- 由貴 真里愛: 大丈夫よ、理子ちゃんのご両親に 連絡をして確認すれば…
- 桐野 紗枝: いえ、それには及びません
- 桐野 紗枝: (これならリカバリーできる… ミスの事実は極力残したくない)
- 桐野 紗枝: 裏に、注文を受けたときの用紙が あるはずだから探してきます!
- 由貴 真里愛: 私も手伝うわ
- 竜城 明日香: あ、あの…私は…
- 桐野 紗枝: もし、予約のお客さんが来たら 時間稼ぎをお願い!
- 竜城 明日香: わ、わかりました…!
- 竜城 明日香: (私のせいで、おふたりに ご迷惑を…)
- 竜城 明日香: (ここは与えられた使命だけでも 果たし、汚名返上しなければ!)
- 月咲: こんにちは~
- 竜城 明日香: (さっそくお客様が 来てしまいました…!)
- 月咲: 今日は、年末大詰めの仕事だから 美味しいお弁当を…って
- 月咲: あれ、理子ちゃんじゃなくて 今日は、あなたなんだ?
- 竜城 明日香: (この方は、月夜先輩の 双子の妹さん…!)
- 月咲: ここでアルバイトしてるの? 水名の子でもバイトとかすんだね
- 竜城 明日香: (時間稼ぎをするには… そ、そうです!)
- 竜城 明日香: 月夜先輩! いらっしゃいませ!
- 月咲: え、ウチは月夜ちゃんじゃなくて 妹の月咲で…
- 月咲: …ていうか、神浜市の魔法少女で 今さらそこ間違える!?
- 月咲: ユニオンで散々 顔は合わせてるよね!?
- 竜城 明日香: 月夜先輩、お弁当を 買いに来たんですか?
- 竜城 明日香: ああ、今日は私ここで アルバイトをしていまして!
- 竜城 明日香: というのも、お年玉の 費用を稼ぐためにですね…
- 月咲: ちょっと!話聞いてる!? おーい!やっほー!?
- 竜城 明日香: (普段、粗忽者であることを 利用して時間稼ぎだなんて)
- 竜城 明日香: (屈辱…屈辱です!)
- 桐野 紗枝: お待たせしてすみません~
- 由貴 真里愛: こちら、竹工房さんの お弁当です
- 月咲: ああ、良かった 他の人は正気だ…
- 月咲: うん、確かに受け取ったよ
- 月咲: で、竜城明日香さん! ウチは月咲ね!いい?
- 竜城 明日香: は、はい…
- 月咲: じゃあ、また来るね! みんな良いお年を~!
- 桐野 紗枝: …ふぅ
- 由貴 真里愛: ナイスね、明日香ちゃん!
- 桐野 紗枝: お客さんが彼女だったから 良かったですけど…
- 桐野 紗枝: 正直、いつ彼女がキレるか ひやひやでしたね…
- 竜城 明日香: うぅ…
- 桐野 紗枝: でも、時間稼ぎとしては 及第点、助かったよ
- 桐野 紗枝: 普段の行いが功を奏した …って言うと、あれだけど
- 由貴 真里愛: 明日香ちゃんだからできた技ね ふふっ
- 竜城 明日香: 私としましては 大変不名誉なのですが…
- 由貴 真里愛: そう思うのなら、次は ミスのないようにしましょ?
- 由貴 真里愛: 整理整頓をしようという気持ちは 素晴らしかったんだから
- 由貴 真里愛: けど、それが本当に 捨てていいものかどうか…
- 由貴 真里愛: 一度、深呼吸をして 考えるのがいいかもしれないわ
- 竜城 明日香: 深呼吸…ですか
- 由貴 真里愛: ええ、何かをする前に 一度、吸って…吐いて…
- 竜城 明日香: 吸って…吐いて…
- 由貴 真里愛: そうすると、少し 気持ちが落ち着くでしょう?
- 竜城 明日香: …確かに、なんだか 黙想と似ていますね
- 桐野 紗枝: 黙想…って瞑想とか そういうの?
- 竜城 明日香: はい、稽古の前後に 行っているんです
- 由貴 真里愛: なら、明日香ちゃんは 得意かもね、深呼吸
- 桐野 紗枝: (さすが真里愛さん 乗せるのが上手いな…)
- 由貴 真里愛: じゃあ、深呼吸をしながら 次のお客さんを待ちましょう
- 竜城 明日香: はい!
- 竜城 明日香: すー…はぁ…
- 萌花の声: あ、あの!
- 竜城 明日香: はい、いらっしゃいませ!
- 恵 萌花: お弁当を お頼み申しますですぅ!
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- 恵 萌花: お弁当を お頼み申しますですぅ!
- 竜城 明日香: あ、はいっ!
- 桐野 紗枝: (…また、濃いお客さんが…)
- 桐野 紗枝: (普段はそんなことないのに どうして今日に限って…?)
- 由貴 真里愛: (萌花ちゃん、なんだか というか…確実に)
- 由貴 真里愛: (普段と様子が違うけど 何かあったのかしら…?)
- 由貴 真里愛: ん?
- 由貴 真里愛: (…なるほど そういうこと)
- 竜城 明日香: え、えーっと…
- 由貴 真里愛: 明日香ちゃん 深呼吸して、ね?
- 竜城 明日香: は、はいっ! すー…はぁー…
- 竜城 明日香: ふぅ、ご注文をお伺いします
- 竜城 明日香: ありがとうございましたー!
- 恵 萌花: ありがとうございましたですます よいお年をですござる!
- 桐野 紗枝: (…語尾、渋滞してない?)
- 竜城 明日香: なんとかやり切りました… それにしてもあの方
- 竜城 明日香: とても丁寧でしっかりして いらっしゃいましたね
- 桐野 紗枝: (…あれが しっかりして見えてるんだ…)
- 由貴 真里愛: 少しのミスはあったけど この調子!いい感じよ!
- 竜城 明日香: はいっ!
- 十七夜: いいか?
- 竜城 明日香: あ、いらっしゃいませ!
- 十七夜: む、今日は知った顔が たくさんいるな
- 十七夜: 皆でバイトか それは楽しくて良さそうだ
- 十七夜: 自分もバイト先のメイドたちへ 弁当を買っていくところでな
- 十七夜: この時期は年末イベントやらで 多忙だから、精をつけねばと
- 十七夜: 特大ハンバーグ弁当を… もちろん、経費で落ちる
- 竜城 明日香: それで、ええと注文は?
- 十七夜: 言った通り特大ハンバーグ弁当だ
- 十七夜: 予約はしてあるから それを受け取りに来た、頼む
- 竜城 明日香: あ、あぁ、そうでしたか! すみません!
- 由貴 真里愛: 焦らなくていいわ 明日香ちゃん
- 桐野 紗枝: じゃあ、これを渡して?
- 竜城 明日香: はいっ!
- 竜城 明日香: あ、ありがとうございました!
- 十七夜: …釣りがないぞ?
- 竜城 明日香: す、すみません…
- 竜城 明日香: すぅ…はぁ… こちら、お釣りです!
- 十七夜: うむ、ありがとう …領収書も頼んだはずだが
- 竜城 明日香: 申し訳ありませんっ!
- 十七夜: そんなに急いでないから 焦らなくて大丈夫だ
- 竜城 明日香: こちら、領収書です
- 十七夜: うむ…宛名も問題ない これで完璧だな、ありがとう
- 十七夜: 年末で忙しいだろうが 良い年を迎えるよう祈ってる
- 竜城 明日香: 十七夜さんもっ 良いお年を!
- 竜城 明日香: ふぅ…なんとか やりきりました…
- 由貴 真里愛: …あら? このお弁当って…
- 桐野 紗枝: 持ち帰り忘れて…!
- 竜城 明日香: す、すぐに追いかけます!
- 由貴 真里愛: …十七夜さんでも ドジしたりするのねぇ、ふふ
- 由貴 真里愛: でも、明日香ちゃん 大丈夫かしら?
- 桐野 紗枝: …ええ、心配ですね
- 桐野 紗枝: (…私のバイトが今後も 問題なく続くかどうか、が)
- 桐野 紗枝: (というか、さすがに彼女 ドジを踏みすぎじゃない?)
- 桐野 紗枝: (衣美里ちゃんの紹介だし 神浜市の魔法少女だから)
- 桐野 紗枝: (ある程度、信頼して 手伝いには来てるけど…)
- 桐野 紗枝: (彼女が本気でやってるのか 正直疑わしいわ…)
- 桐野 紗枝: …はぁ
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- 竜城 明日香: …ただいま戻りました
- 由貴 真里愛: おかえりなさい 無事に渡せた?
- 竜城 明日香: ええ、はい…それは
- 桐野 紗枝: …えっと、何かあった?
- 竜城 明日香: なんだか、みなさん すごいなあと思ったんです
- 竜城 明日香: 「理子さんは、小学生ながら お店の手伝いをされていますし」
- 竜城 明日香: 「みたまさんの妹さんも 話しなれている様子がなんだか 自分より大人に見えました」
- 竜城 明日香: 月咲さんも、十七夜さんも お仕事の一環で訪れていたり
- 竜城 明日香: とてもしっかりしている方 ばかりです
- 竜城 明日香: それなのに、私ときたら いつも通りの過ちばかり…
- 竜城 明日香: そそっかしさを直したくて ご協力いただいているのに
- 竜城 明日香: 目ぼしい成果も特に出せず 不甲斐ないことこの上ありません
- 竜城 明日香: 従兄弟殿のようになりたいなど 夢のまた夢…おこがましい限り
- 竜城 明日香: …かくなる上は 自害しかありません…!
- 由貴 真里愛: …………
- 由貴 真里愛: どうしてそんなことを言うの?
- 竜城 明日香: え、いや…責任を取るために… 自害せねばと…
- 由貴 真里愛: そういう言葉を使われると 私、悲しいわ…
- 竜城 明日香: …では…私はどうしたら…
- 由貴 真里愛: そんなの簡単よ!
- 由貴 真里愛: 自害なんて言わなくて済むよう 私が教育するわ!
- 竜城 明日香: ひぇ…
- 桐野 紗枝: (あぁ…真里愛さんが本気に これは大変ね、彼女)
- 由貴 真里愛: まずね、ずっと 聞きたかったんだけど…
- 竜城 明日香: は、はいっ!
- 由貴 真里愛: あなたの言う「従兄弟殿」 について知りたいの
- 竜城 明日香: …もしや、従兄弟殿に対し 恋情を…!?
- 由貴 真里愛: すぐに話が飛躍しちゃうのも 明日香ちゃんの直すべき点ね
- 由貴 真里愛: …そうじゃなくて、彼みたいに なりたいって言ってたでしょ?
- 由貴 真里愛: 従兄弟殿みたいに お年玉をあげたいって
- 由貴 真里愛: だから明日香ちゃんを突き動かす 理由を、聞いてみたいのよ
- 由貴 真里愛: 差し支えなければ…だけど
- 竜城 明日香: あぁ…失礼、そういえば まだ話していませんでしたか
- 桐野 紗枝: …うん、わたしも その話…聞かせてほしいな
- 桐野 紗枝: (彼女が本気かどうかも 気になっているところだし)
- 竜城 明日香: わかりました
- 竜城 明日香: 従兄弟殿の話をしようとすると 私の願いにも関わるのですが
- 竜城 明日香: 今回は、長くなってしまうので 割愛して話します
- 竜城 明日香: なぜ、私が従兄弟殿のように お年玉をあげたいと思ったか…
- 竜城 明日香: あれは、従兄弟殿が高校生に なった年のお正月のことです
- 竜城 明日香: くっ…この程度 へこたれるもんですか!
- FILENAME: text_311133-1.txt
- 竜城 明日香: なぜ、私が従兄弟殿のように お年玉をあげたいと思ったか…
- 竜城 明日香: あれは、従兄弟殿が高校生に なった年のお正月のことです
- はい、明日香ちゃんお年玉 大事に使うんだよ
- 竜城 明日香: ありがとうございます!
- 明日香の母: じゃあ、お年玉は ちゃんと預かっておくわね
- 竜城 明日香: はい、母上! よろしくお願いします!
- 竜城 明日香: 我が家は、母上がお年玉を 管理してくれていました
- 竜城 明日香: 母上は、ちゃんと口座に預けてくれていたので 私が無駄づかいしてしまうよりも 貯金ができて良いと思っていましたし それで、納得してお金を預けていました
- 竜城 明日香: けれど…
- 明日香ちゃん、お年玉で 買うものは決まった?
- 竜城 明日香: いえ、私は母上に預けたので 特に買う予定はありませんっ
- えー、そうなんだ
- 竜城 明日香: みなさんは何か 決めているんですか?
- うん!今はやってるおもちゃ! これから買いに行こうと思って
- 明日香ちゃんもどうかなって 思ってたんだけど…
- お母さんに預けてるんじゃ 仕方ないよね
- 竜城 明日香: …はい
- 竜城 明日香: 納得してお年玉を預けていましたし それが正しいと思ってはいたものの 周囲の子がお年玉で何を買おうか…と 話してるのを聞いていると
- 竜城 明日香: なんだか、それが とっても羨ましく思えてしまったんです
- 竜城 明日香: だけど、そんな時…
- 明日香の従兄弟の声: 明日香、入っていいか?
- 竜城 明日香: …従兄弟殿! どうぞお入りください!
- 竜城 明日香: どうされたんですかっ?
- 明日香の従兄弟: 俺、高校生になったろ? …だから、これ
- 竜城 明日香: この封筒は…
- 竜城 明日香: お、お年玉ですかぁ!?
- 明日香の従兄弟: バイトを始めたからさ 明日香にやろうと思って
- 竜城 明日香: …いいんですか!? 私に、こんな…!
- 明日香の従兄弟: ああ、いいんだよ 俺も年上らしいことしたくてさ
- 竜城 明日香: ありがとうございます! さっそく母上に預け…
- 明日香の従兄弟: 待った! おばさんには内緒だ
- 竜城 明日香: え、でも…
- 明日香の従兄弟: いいから
- 明日香の従兄弟: それで、今から一緒に おもちゃ屋さんへ行こう
- 明日香の従兄弟: 明日香の好きなものを 買いに行くんだ
- 竜城 明日香: 従兄弟殿…! ありがとうございますっ!
- 竜城 明日香: その時の従兄弟殿は いつにも増して大人っぽく見えて
- 竜城 明日香: 私も、大きくなったら そうなりたいと思ったんです
- 竜城 明日香: そして、今年は私が高校生になり 最初のお正月です
- 竜城 明日香: だから…なんとしてでも 従姉妹さんにお年玉をあげて
- 竜城 明日香: 私も、従兄弟殿のように 大人になりたいんです
- 由貴 真里愛: そういうことだったの… とても素敵なお話ね
- 由貴 真里愛: 聞かせてくれてありがとう 明日香ちゃん
- 竜城 明日香: い、いえ…!
- 由貴 真里愛: よし、そういうことなら 私、もっと頑張るわ!
- 由貴 真里愛: 明日香ちゃんを素敵な 従兄弟さんに近づけるため!
- 桐野 紗枝: …わたしも
- 桐野 紗枝: そんな想いがあるなら 早く言ってくれればいいのに
- 桐野 紗枝: 本気なんだね、明日香ちゃん
- 竜城 明日香: ええ!
- 桐野 紗枝: (なら、私ももっと本気で 向き合わないとね)
- 桐野 紗枝: じゃあ、ここからは スパルタで行かせてもらうよ
- 竜城 明日香: へ?
- 桐野 紗枝: 覚悟はいい?
- 由貴 真里愛: ふふっ
- FILENAME: text_311133-2.txt
- 桐野 紗枝: まず、明日香ちゃんの課題は そそっかしいところ…だよね?
- 竜城 明日香: はい、おっしゃる通りです 勘違いで迷惑をかけてきました…
- 桐野 紗枝: それなら、大事なのは 落ち着くこと…だけど
- 由貴 真里愛: それが簡単にできていたら 苦労はないわよね
- 竜城 明日香: いかにも…
- 桐野 紗枝: だから、落ち着くという行動を 細分化して考えてほしくて…
- 桐野 紗枝: 落ち着くには、まず 何をしたらいいと思う?
- 竜城 明日香: 教わったのは「深呼吸」 …ですよね?
- 由貴 真里愛: 正解! 覚えていて偉いわぁ
- 桐野 紗枝: 深呼吸したら 少しだけ落ち着けるよね
- 竜城 明日香: はい、それでもまだ 失敗はありますが…
- 桐野 紗枝: だから、そのあとに 確認を繰り返すの
- 竜城 明日香: 確認を…?
- 桐野 紗枝: うん、要は…
- 桐野 紗枝: 「深呼吸・落ち着く・確認・再確認」
- 桐野 紗枝: こういう手段を踏んでから動けば 勘違いとかは少なくなると思う
- 竜城 明日香: 行動前に考える…と 武道にも通ずる点がありそうです
- 桐野 紗枝: …そういえば、明日香ちゃんって 武道で同じようなミスはするの?
- 竜城 明日香: 言われてみれば 日常生活よりないですね
- 由貴 真里愛: なら、道場でできていることを 外でもできるようにする
- 由貴 真里愛: そう考えれば やりやすくなるんじゃない?
- 竜城 明日香: なるほど…
- 桐野 紗枝: じゃあ、これを踏まえて 実戦に移ってみようか
- 竜城 明日香: はい、お願いします!
- 竜城 明日香: いらっしゃいませ
- 枇々木 めぐる: 唐揚げ弁当を5つ お願いします!
- 竜城 明日香: はい、かしこまり…
- 枇々木 めぐる: あ!確認なんですが マヨネーズって入ってます?
- 枇々木 めぐる: 部員のみんなで年末特番を見つつ 食べようと思ってるんですが
- 枇々木 めぐる: マヨネーズがダメな先輩が いるので…
- 竜城 明日香: あ、えと…!
- 竜城 明日香: (…深呼吸!して 落ち着いて…)
- 竜城 明日香: (マヨネーズは入ってない はず…とメニューを見て確認し)
- 竜城 明日香: (もう一度現物を見て 確認…と)
- 竜城 明日香: はい、大丈夫です 入ってないですよ!
- 枇々木 めぐる: 良かったです~! ありがとうございます!
- 竜城 明日香: ふ、ふぅ~…
- 桐野 紗枝: お疲れ様! ずいぶん良くなったね
- 竜城 明日香: ええ、でもなんだか…
- 桐野 紗枝: ん?
- すみませーん
- 桐野 紗枝: あ、ちょっと対応してくるね
- 竜城 明日香: …………
- 由貴 真里愛: どうしたの? 明日香ちゃん?
- 竜城 明日香: その…自分でも ミスが減ったとは思うのですが
- 竜城 明日香: なんだか、緊張の連続で しんどい…というか
- 竜城 明日香: あ!気にしないでください! こんなのは甘えですよね!
- 竜城 明日香: しゃきっとしないとです!
- 竜城 明日香: みなさん完璧にされてるんです 私だって頑張らなければ!
- 由貴 真里愛: …………ねぇ、明日香ちゃん
- 竜城 明日香: はい?
- 由貴 真里愛: たぶんね、みんなそこまで 完璧じゃないと思うわよ?
- 竜城 明日香: いえ、でもおふたりとも 私から見たら完璧で…
- 由貴 真里愛: んー、そっかぁ
- 由貴 真里愛: 明日香ちゃんは大人っぽく なりたいのよね?
- 由貴 真里愛: それなら大事なのは 完璧であることじゃないのかも
- 竜城 明日香: どういうことでしょう?
- 竜城 明日香: 従兄弟殿は完璧です それは正しい大人の姿では?
- 由貴 真里愛: じゃあ、一度周りの子を 見てみるといいわ
- 由貴 真里愛: 落ち着いて物事を見る …その練習にもなりそうだから
- 竜城 明日香: …わかりました
- 由貴 真里愛: その間、お仕事は 私たちに任せてちょうだい
- 竜城 明日香: (周りをよく見る…)
- 竜城 明日香: 紗枝さんは、完璧な優等生のイメージです 衣美里さん曰く、面白いところもある …とのことですが
- 竜城 明日香: …ん? 紗枝さんの様子がいつもと違う…? 何かひとりで喋っているような… 教わった通り… 深呼吸してから、耳を澄ませてみましょう
- 桐野 紗枝: …チッ …何よ今の客
- 桐野 紗枝: どんな教育を受けてきたらお金を 叩きつけるなんてことができんの
- 桐野 紗枝: そっちがその気なら私だって小銭 投げつけたっていいんだけどマジ
- 桐野 紗枝: 店員がニコニコしてるからってさ お客様は神様だ?百年早いんだよ
- 竜城 明日香: わ…わ…
- 竜城 明日香: (聞かなかったことにした方が いいのかもしれません…)
- 竜城 明日香: 気を取り直して、真里愛さんを見てみましょう
- 竜城 明日香: 真里愛さんは笑顔で接客をしていて なんだか、年齢が近いはずなのに 私よりもずいぶん大人…というか 衣美里さんの言った聖母という印象さえあります
- 竜城 明日香: やはり、彼女に完璧でない場所なんて…
- 由貴 真里愛: きゃぁっ!
- 桐野 紗枝: どうしました!?
- 由貴 真里愛: くっ、くくくくもっ…くもっ!
- 桐野 紗枝: は? …あ、あぁ蜘蛛ですね
- 桐野 紗枝: 真里愛さん、蜘蛛ダメなんですね ふふ、知らなかったです
- 由貴 真里愛: い、いいからお願い その子、外に出してっ!
- 竜城 明日香: 真里愛さんにも苦手なものが しかも、あんな小さな蜘蛛を怖がって…
- 竜城 明日香: …………
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- 竜城 明日香: (他の方も、見てみましょう)
- 十七夜: すまないが 弁当が足りなかった
- 由貴 真里愛: あら、ごめんなさい…
- 十七夜: いや違う、自分の注文が 間違えていた
- 十七夜: ひとつ追加で頼めるか
- 桐野 紗枝: それが…ちょっともう 残りがなくて…
- 月咲の声: すみませーん!
- 月咲: お弁当がひとつ多くて 返しに来たんですけど…
- 桐野 紗枝: 竹工房さんからの注文数と 渡した数は合ってるはずだけど…
- 月咲: え、ほんとっ!? ヤバ、どうしよう~…
- 十七夜: それなら…
- 月咲: これで、お父ちゃんに 叱られずに済むよ~
- 十七夜: 自分も助かった 困ったときはお互い様だな
- 竜城 明日香: (…あの十七夜さんでも ミスをするのですね…)
- みふゆ: ごめんくださ~い… お弁当をひとつ
- 由貴 真里愛: はい、ただいま…って みふゆさん、お疲れですか?
- みふゆ: ええ…受験勉強真っ最中でして ラストスパートで死にかけです…
- みふゆ: …あっ!
- 桐野 紗枝: どうかしましたか?
- みふゆ: …お財布を忘れてしまいました
- 竜城 明日香: (あの、みふゆさんが そんな初歩的な過ちを!?)
- 由貴 真里愛: あら、あそこにいるのって…
- みかげ: え~!年明けたら 福袋買おうよ~!
- みたま: そうは言ってもねぇ… ほら、何が出るかわからないし
- みかげ: それが楽しいんだよ!? も~!姉ちゃのわからずやー!
- 竜城 明日香: (大人っぽく振舞っていた彼女が 公衆の面前で駄々を…!?)
- すみません…
- 由貴 真里愛: あら、萌花ちゃんの お友だち?
- はい、モカちゃん係です 買い忘れがあったので追加を
- 由貴 真里愛: ふふ、もしかして萌花ちゃん おつかいの練習中だったかしら?
- はい、だけど失敗して 悲しんだらかわいそうなので
- 彼女には成功体験をたくさんして 笑顔でいてほしく!
- 竜城 明日香: あの…モカちゃん係って?
- 桐野 紗枝: 恵萌花さんを囲う会…かな
- 桐野 紗枝: おつかい練習をしていたから あんな緊張してたんだね
- 竜城 明日香: 緊張…?
- 恵 萌花: お弁当を お頼み申しますですぅ!
- 竜城 明日香: とても礼儀正しい方だと 思っていたのですが
- 竜城 明日香: あれは緊張した結果 …ということでしたか
- 竜城 明日香: …なんだか、みなさん 私が思っていたよりも
- 竜城 明日香: 完璧じゃない…というか 知らない一面があるみたいです
- 桐野 紗枝: そりゃあ、人間だもの 当たり前だよ
- 理子の父の声: ただいまー
- 桐野 紗枝: あ、戻ってきたみたいだね
- 竜城 明日香: お疲れ様です! …って、理子さんは…
- 理子の父: ああ、眠っちゃってね
- 竜城 明日香: こんな、普通の子どもらしい 一面もあったんですね
- 理子の父: まだ小学生だからなぁ
- 理子の母: 今日も、ついてくるって しつこかったでしょ?
- 理子の母: あれね、特番で見た ホラー映画に影響されたのよ
- 理子の母: 留守番中に両親が バケモノになって…みたいな
- 竜城 明日香: なんと…
- 理子の母: しっかり者に見えるだろうけど まだまだ子どもなんだよ
- 理子の母: 私たちも、しっかりした理子に 甘えていたことがあったけどね
- 竜城 明日香: …………
- 桐野 紗枝: ふぅ、なんとか無事に バイト終わりましたね
- 桐野 紗枝: (店長からは、さらに 信頼してもらえたし…)
- 桐野 紗枝: 明日香ちゃんもお年玉代を 稼げてよかったね
- 竜城 明日香: はい、みなさんのおかげです
- 由貴 真里愛: …それで、どうだった? 明日香ちゃん
- 由貴 真里愛: 何か、思うことはあった?
- 竜城 明日香: はい…みなさんの姿を 観察してみて気づきました
- 桐野 紗枝: (そんなことを!? え、変なところ見られてたり…)
- 竜城 明日香: みなさん、思っていたより 完璧じゃないんだなと
- 竜城 明日香: …それは、従兄弟殿もそうです
- 竜城 明日香: 思い返せば、従兄弟殿も 普通に怒られたりしていました
- 竜城 明日香: 尊敬することは変わりませんが 記憶を美化してたのは否めません
- 由貴 真里愛: しっかりするのも大事だけど みんな完璧なわけじゃないし
- 由貴 真里愛: 気を張りすぎても疲れちゃうから ほどほどでいいんじゃないかしら
- 由貴 真里愛: 明日香ちゃんは明日香ちゃんの 魅力があると思うし、ふふ
- 竜城 明日香: そういえば、衣美里さんも 言ってくれていました
- 木崎 衣美里: おっちょこちょいなのが あすきゃんのいいとこっつーかさ
- 桐野 紗枝: い、いや…直すべき箇所は 直した方がいいんじゃないかな?
- 竜城 明日香: それは、もちろんです!
- 竜城 明日香: ただ、しっかりしよう 大人っぽくなろう…と
- 竜城 明日香: 取り繕い過ぎるのも らしくないのかもしれません
- 竜城 明日香: なので 年始にある親戚の集いへは
- 竜城 明日香: 直すべきところは直しつつ ありのまま挑みます!
- 由貴 真里愛: ふふ、元気が戻ったようで 良かったわ
- 由貴 真里愛: ちょっと教え方が悪かったかもと 反省していたのよ
- 竜城 明日香: とんでもないです!
- 竜城 明日香: おふたりのおかげで 深呼吸することも覚えましたし
- 竜城 明日香: アルバイトも大変でしたが とっても楽しかったです
- 竜城 明日香: これなら、きっと大丈夫です!
- 桐野 紗枝: う、うん…でも明日香ちゃんは 詰めが甘いところがあるから
- 桐野 紗枝: 大丈夫と思っても 最後の確認を忘れずに…ね?
- 桐野 紗枝: ほら、せっかく働いたのに お年玉を忘れたりしたら大変!
- 竜城 明日香: ええ、わかりました!
- 桐野 紗枝: 最後の最後まで確認だよ? 大丈夫?
- 竜城 明日香: そんなに心配せずとも平気です
- 竜城 明日香: おふたりのおかげで 私は変わりましたので!
- 桐野 紗枝: (ほんとうに大丈夫…?)
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- 竜城 明日香: いよいよ、集まりの前日です
- 竜城 明日香: 直すべきところは直しつつ ありのまま、大人な私を見せねば
- 竜城 明日香: 何度も確認はしましたが 念のため、もう一度確認を
- 竜城 明日香: では、一旦お札を ポチ袋から出して…と
- 竜城 明日香: 深呼吸をしてから確認すれば …うん、完璧ですね
- 竜城 明日香: 今日は早く眠り 明日に備えることとしましょう
- 竜城 明日香: あけましておめでとうございます 従姉妹さんたちは…
- 明日香の従姉妹: あけまして おめでとうございます!
- 明日香の従姉妹: ごじゃーましゅ
- 竜城 明日香: わ、こんなに大きく!? 1年というのは早いですね…
- 明日香の叔母: ふふ、明日香ちゃんもすっかり 親戚のお姉さんね
- 竜城 明日香: ええ、私ももう高校生なので!
- 明日香の母: 明日香、お菓子は…
- 竜城 明日香: もう用意してあります
- 明日香の父: 動きが早くて感心だな
- 竜城 明日香: …………
- 明日香の母: 明日香、どうしたの? そわそわして
- 竜城 明日香: あの、従姉妹さんたちに お渡ししたいものがあり…
- 明日香の従姉妹: なあにー?
- 竜城 明日香: こちら!
- 明日香の叔母: …あら、お年玉? いいのに、そんな…
- 明日香の母: もらってあげてくださいな
- 明日香の母: このためにアルバイトも していたんでしょ?
- 竜城 明日香: な…バレていましたか…
- 竜城 明日香: そんなに大きな額ではないですが どうか、こちらは貯金でなく
- 竜城 明日香: 従姉妹さんが求めるものを 買ってあげていただければ!
- 明日香の叔母: …それじゃあ お言葉に甘えて、ありがとう
- 明日香の従姉妹: ありがとう!
- 明日香の従姉妹: あーとー!
- 明日香の従姉妹: でも、おとしだま …ってなあにー?
- ガサゴソ
- 明日香の叔母: あ、コラ!目の前で 開けちゃ失礼でしょ!
- 明日香の従姉妹: あれぇ? なんにもはいってないよ?
- 明日香の従姉妹: ないないー?
- 竜城 明日香: ――っ!? そ、そんなバカな!
- 竜城 明日香: もしや、泥棒!? あ、いえ…深呼吸です
- 竜城 明日香: すー…はー…
- 竜城 明日香: あぁっ!
- 竜城 明日香: では、一旦お札を ポチ袋から出して…と
- 竜城 明日香: あのとき、袋から出して そのまま…
- 竜城 明日香: くっ…自害…
- 竜城 明日香: ではなく! 取ってきます!
- 竜城 明日香: はぁ…改めて こちらをどうぞ…
- 明日香の従姉妹: ………… きゃははは!
- 明日香の従姉妹: きゃっきゃ
- 竜城 明日香: え、あの…何を そんなに笑って…?
- 明日香の叔母: あー…バカにする意図は ないと思うんだけど…
- 明日香の叔母: 最近、疲れてる様子の人を 見るとこうやって喜ぶのよ
- 明日香の叔母: 子どものツボって ほんとにわからないわよね
- 竜城 明日香: …まぁ、笑ってくれるなら 私のそそっかしさも悪くは…
- 竜城 明日香: …いやいや! よくありません!
- 竜城 明日香: いくらありのままでも良い と言われても限度がありますよね
- 竜城 明日香: くぅ…またしても失態です! 自害…
- 竜城 明日香: は、しませんが反省です!
- 竜城 明日香: そして、見ていてください! もっと成長しますから!
- 竜城 明日香: 今年こそ… もっとしっかり者になります!
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