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Rabi Himuro MSS JP Text

Jul 11th, 2022
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  1. FILENAME: text_310331-1.txt
  2. 那由他: すやぁ…もぐもぐ… ふふ…おいしいですの…
  3. ぷわ…
  4. 那由他: んん…
  5. 那由他: …………んん!?
  6. 那由他: なんなんですの、このにおい!
  7. ラビ: おはようございます 朝ごはんの納豆のにおいですね
  8. 那由他: 納豆… 好きですけど…
  9. 那由他: 起こし方のクセが どんどん強くなってますの
  10. ラビ: 自分で起きていただければ 私が起こす必要もなくなります
  11. 那由他: う…その通りなんですの
  12. ラビ: 早く着替えてくださいね
  13. 那由他: はいですの…
  14. 那由他: ふわぁ… いただきますですの…
  15. ラビ: はい、めしあがれ
  16. ピンポーン♪
  17. みかげの声: なーゆーたーん! ラービーたーん!
  18. 那由他: あら、今日は早いんですのね
  19. みかげの声: たーすーけーてー!
  20. ラビ&那由他: ――っ!?
  21. ラビ: …なるほど
  22. ラビ: 宿題のウェブ新聞づくりで インタビューの必要があって
  23. ラビ: それで私の 密着取材をしたいと…
  24. 那由他: 事情はわかりましたけど 家の前であんな風に叫んだら
  25. 那由他: 警察沙汰になりかねませんの
  26. みかげ: あっ、そっか! ごめんね、なゆたん
  27. 那由他: わかってくれたらいいんですの
  28. ラビ: …それで どうして私の取材なんです?
  29. みかげ: 働く人の取材っていうのが テーマなんだけど
  30. みかげ: よく考えたら、ラビたんのお仕事 ちゃんと見たことないなーって
  31. ラビ: 私は、那由他様のお世話を しているだけですが…
  32. みかげ: …ダメ?
  33. ラビ: …まぁ、那由他様がよろしければ 私はいいですけど
  34. 那由他: 私は特に、反対するような 理由はありませんの
  35. みかげ: …じゃあ!
  36. ラビ: …念のためプライバシーに 留意していただければ
  37. みかげ: わかった!
  38. みかげ: …あ、それだと写真と動画って 載せちゃったらまずいかな…
  39. みかげ: もちろん ウェブ新聞って言っても
  40. みかげ: クラスの子しか 見られないやつなんだけど…
  41. 那由他: 顔を映らないようにするとか
  42. 那由他: あとで加工したら いいんじゃないんですの?
  43. ラビ: それで構いません
  44. みかげ: やったー♪
  45. ラビ: …ということで那由他様
  46. ラビ: あと15分ほどで 朝食を片づけたく…
  47. 那由他: え、もうですの?
  48. ラビ: 早く買い物に行かないと 仕事ぶりも見せられませんし…
  49. みかげ: なゆたん、はやくはやく!
  50. 那由他: 私の扱いが雑な気がしますの…
  51. 那由他: まぁ、いいんですの まずはこの、牛乳を…
  52. ガタッ
  53. 那由他: あっ…
  54. ガチャッ!
  55. みかげ: あーー! 牛乳、こぼれたー!
  56. ラビ: とりあえずは 拭き取っておきました
  57. 那由他: ありがとうなんですの…
  58. みかげ: 派手にこぼしちゃったね もったいないなー…
  59. ラビ: 英語のことわざにありますね
  60. ラビ: こぼれたミルクのことを 嘆いても仕方ない…と
  61. ラビ: 日本や中国では 「覆水盆に返らず」と言いますが
  62. 那由他: 残念ですの…
  63. ラビ: いえ、さっそくひとつ 仕事の技をお見せしましょう
  64. ラビ: こぼれた牛乳は戻せませんが 有効活用することにします
  65. ラビ: 棚に古い銀製品が ありましたよね?
  66. ラビ: 牛乳を古タオルで拭き取って 絞ったものがこちらです
  67. 那由他: お料理番組のような手際ですの
  68. ラビ: これに黒ずんだ銀製品を 浸しておけば
  69. ラビ: 買い物から帰ってくるころには ピカピカになっているはずです
  70. 那由他: 何でですの!?
  71. ラビ: ご自分で調べてみてください …そろそろ買い物に行かないと
  72. パシャッ
  73. みかげ: ラビたん かっこいい~!
  74.  
  75. FILENAME: text_310331-2.txt
  76. みかげ: ラビたん、何買うの?
  77. ラビ: 夕飯の材料です 旬の野菜などを…
  78. みかげ: ふーん
  79. みかげ: じゃ、ラビたんはいつもみたいに お買い物してていいよ
  80. みかげ: ミィは勝手に見て写真撮ったり たまーに質問したりするから!
  81. ラビ: …では、お言葉に甘えて いつも通りにさせていただきます
  82. ラビ: ですが、那由他様まで お付き合いいただかなくても…
  83. 那由他: ひとりでお留守番は 寂しいんですの…
  84. いらっしゃい、ラビちゃん! 今日もいい野菜が入ってるよ!
  85. ラビ: こんにちは おすすめはなんですか?
  86. 全部だけど 特に、にんじんが新鮮だね!
  87. ラビ: では、にんじんと…
  88. ラビ: それから… ピーマンともやしをお願いします
  89. 毎度ありっ!
  90. あ、そうそう 前にラビちゃんが言ってたあれ
  91. 言う通りにしたら土も野菜も 元気になったって
  92. 前に家庭菜園の相談をしてきた お客さん、すっごく喜んでたよ!
  93. ラビ: あぁ、前にお店に来ていた ご夫婦…秋野さんでしたっけ
  94. ラビ: 喜んでもらえたならよかったです
  95. ってことで、これは サービスのキャベツね!
  96. ラビちゃんには ひいきにしてもらってるし
  97. 畑や土いじりの話も すごくためになってるからね
  98. ラビ: いえ、そんな… ありがとうございます
  99. みかげ: ラビたん、野菜とか畑とか 詳しかったんだね!
  100. ラビ: はい、家庭菜園もやっていますし 祖父が畑を持っていたので…
  101. 那由他: おじいさまが…? それは初耳なんですの
  102. ラビ: あ、すみません みかげさん
  103. みかげ: なーに?
  104. ラビ: 仕事には関係ないのですが そこの書店に寄ってもいいですか
  105. ラビ: 珍しくワゴンセールを やっているみたいなので
  106. みかげ: うん、いいよ! ミィたちもついてくね!
  107. ラビ: …こんなものですかね
  108. みかげ: 1、2、3、4冊… ラビたん、そんなに本読むの?
  109. ラビ: はい 家事の合間などに
  110. みかげ: それなら、こういうセールって お得だね!
  111. ラビ: はい、とてもありがたいです
  112. 那由他: それにしても難しそうな本 ばかりなんですの…
  113. ラビ: そうでしょうか…?
  114. ラビ: 簡単な哲学書と歴史小説… あとは園芸関係とかですよ
  115. 那由他: 哲学書って面白いんですの?
  116. 那由他: 分厚い本は手を出しづらくて …パパの本は別ですけれど
  117. ラビ: 私は好きですよ
  118. ラビ: いろいろな考え方を知ることは 興味深いですね
  119. みかげ: ミィでも読めるかな?
  120. ラビ: 小学生向けの本もあるので 今度図書館へ見に行きましょうか
  121. みかげ: うんっ
  122. みかげ: でもラビたん、どうして こういう本読むようになったの?
  123. ラビ: そうですね… 父が読書家で…
  124. ラビ: 昔から父の書斎にあった本を 読んでいましたから…
  125. ラビ: そこから 影響されているかもしれません
  126. 那由他: お父さまの…ですの?
  127. ラビ: …私の話はいいですから 次のお店へ行きましょう
  128.  
  129. FILENAME: text_310331-3.txt
  130. みかげ: なゆたん、ちょっと…
  131. 那由他: なんですの?
  132. みかげ: ラビたんって、なんだか 「ミステリアス」だよね
  133. 那由他: …ですの
  134. 那由他: 先ほどの、ご家族のお話なども 初めて伺ったんですの
  135. みかげ: なゆたんもそうなんだ?
  136. みかげ: …ん、あれ? ラビたんは?
  137. 那由他: 話をしている間に 見失ったんですの…!
  138. みかげ: あ、いた! あそこだ!
  139. 那由他: あら、ほんとですの 女性の方と立ち話をしていますの
  140. ラビ: フローリングの埃掃除ですか…
  141. ラビ: 畳と同じように茶殻を 使うと効果的かと
  142. 那由他: 家事のライフハックを 披露してるみたいなんですの
  143. みかげ: さすがは スーパー使用人のラビたんだね!
  144. 那由他: スーパー使用人…? なんですの、それ?
  145. みかげ: 新聞の見出しにしようと思って さっき考えたんだよ
  146. 那由他: そうなんですのね 何だか強そうなんですの
  147. 那由他: …というか、ラビさん 知り合いが多いんですのね
  148. 那由他: 主婦の方々とお知り合いだなんて 何だか大人みたいですの
  149. みかげ: 使用人さんっていうより なゆたんのママって感じだね
  150. 那由他: …それは同意しかねますの
  151. 那由他: …って…あれ?
  152. みかげ: どうしたの?
  153. 那由他: …ラビさんが女性から 何かを受け取ってますの
  154. みかげ: はっ! ミィ、姉ちゃに聞いたことあるよ
  155. みかげ: こっそり受け渡しする ワイロってやつがあるって!
  156. 那由他: 賄賂って…
  157. 那由他: それは権力者に渡すものですので 違うと思いますの
  158. みかげ: そっかー…
  159. みかげ: でも、なんかラビたん 女の人に頭下げられてるよ?
  160. 那由他: えっ!?
  161. 本当にいつも ありがとうございます…
  162. 氷室さんには いつも助けて頂いて…
  163. ラビ: そんな…頭を上げてください それに、こんなお礼なんて…
  164. 那由他: …ほんとですの
  165. 那由他: ラビさんって いったい何者なんですの?
  166. みかげ: これも取材の一環だよ!
  167. みかげ: 本人に聞いてみよう!
  168.  
  169. FILENAME: text_310331-4.txt
  170. 那由他: ラビさんのおじいさまへのお礼 …なんですの?
  171. みかげ: 畑やってるおじいちゃん?
  172. ラビ: ええ
  173. 氷室さんのおじいさまは 有機野菜の販売をしていまして
  174. そのお野菜には いつもお世話になっているんです
  175. それで、私の自宅でもお野菜と にわとりを育て始めまして
  176. 今朝とれた卵を おすそわけに…と
  177. 氷室さんに お渡ししていたところなんです
  178. ラビ: 卵はよく使いますので 助かります
  179. 那由他: それで物を受け取って…
  180. みかげ: ワイロじゃなかったね
  181. ラビ: 賄賂…?
  182. 那由他: …でも私、知らなかったんですの
  183. 那由他: 今回のおじいさまの 畑のお話もですけど
  184. 那由他: ラビさんのご家族のお話って あまり聞いたことがありませんの
  185. ラビ: もっと知りたいですか?
  186. 那由他: …いいんですの?
  187. ラビ: 別に隠しているわけでも ありませんので
  188. ラビ: 祖父が畑で野菜を作っている …というのはお伝えした通りで
  189. ラビ: 体の弱い子どもを中心に 有機野菜を販売しているんです
  190. みかげ: 有機野菜…?
  191. 農薬や化学肥料を使っていない お野菜のことですね
  192. うちの娘は体質的に 市販の野菜が合わないんですが…
  193. 氷室さんちのお野菜だと 美味しいと食べてくれますし
  194. 症状も出ずに済むんです
  195. それで今は、氷室さんに いろいろと教わりながら
  196. 家でも農薬を使わずに 野菜を作り始めたんです
  197. …まだまだ初心者ですが
  198. ラビ: いいえ、先程頂いた 野菜を見ましたが
  199. ラビ: あの葉の色つや… 大事に育てているのが伝わります
  200. ラビ: 今後もいい野菜が育つかと
  201. ほんとですか… ありがとうございます!
  202. それにしても氷室さんが こうやって元気だと勇気が出ます
  203. 娘も、あなたのように 早く良くなってくれたらいいのに
  204. みかげ: (良くなって…?)
  205. みかげ: (その子、何かの病気なのかな)
  206. みかげ: (それに…)
  207. ピカッ
  208. ゴロゴロゴロ…
  209. 那由他: ひゃっ!? 雷なんですの…!
  210. ラビ: え…天気予報では 雨はないって…
  211. ラビ: それより洗濯物が…!
  212. 那由他: 大変ですの! 早く帰りませんと!
  213. ラビ: みかげさんのため 一肌脱ぎましょう
  214.  
  215. FILENAME: text_310332-1.txt
  216. 那由他: ふぅ…なんとか雨が降る前に 洗濯物をとりこめたんですの
  217. ラビ: 参りました…天気予報では 降水確率0%だったのですが…
  218. 那由他: 向こうの空は青いですし 通り雨のようですの
  219. 那由他: そういえば、朝漬けた銀製品って どうしたらいいんですの?
  220. ラビ: 軽くゆすいで 拭いたらピカピカです
  221. みかげ: …………
  222. ラビ: どうかしましたか?
  223. みかげ: さっきの人が言ってた話だけど
  224. みかげ: …もしかしてラビたんって 昔は体、弱かったの?
  225. 那由他: みかげさん…?
  226. ラビ: …………
  227. みかげ: あの人、自分の子どものこと
  228. みかげ: ラビたんみたいに 良くなればって言ってたから…
  229. みかげ: 取材とは関係ないことなんだけど 聞いてもいい…?
  230. ラビ: …いいですけど 長い話になりますよ…?
  231. ラビ: それに… そう面白い話でもありません
  232. 那由他: あ、あの… 私も聞いていいんですの?
  233. ラビ: 構いませんよ
  234. ラビ: …私の体が弱かった というのは事実です
  235. ラビ: 小学生の頃の私は、原因不明の 症状に悩まされていました
  236. ラビ: 「幼い頃は、特に症状はありませんでしたが 実家のある山から 町へと学校に通うようになり 徐々に体調が悪くなることが増えました」
  237. ラビ: 「いくつかの病院を転々として 何か、町という環境特有のもの… たとえば、自然由来でない人工物など… そういったものが原因となっている 疑いがあることがわかりました」
  238. ラビ: 「ただ私は、深刻な状態にはなりませんでした」
  239. ラビ: 「というのも、祖父は畑で有機野菜を作っていて そちらを食事の中心に切り替えたら 症状が緩和されてきたんです」
  240. ラビ: 「もしかするとそれ以外にも、症状改善の理由が あったのかもしれません…」
  241. ラビ: 「お医者さんからも、今の環境で 生活ができるのであれば問題ないということで 普通の生活はできていたのですが…」
  242. ラビ: 「その症状の性質上、友だちの家に 遊びに行くことや、人混みに行くことができず」
  243. ラビ: 「また理解もされにくい症状だったために 幼少期はひとりで過ごすことが多かったんです」
  244. ラビ: 「なので、友人と呼べるような人は ほとんどいませんでした」
  245. ラビ: 「ただ、不幸ではありませんでした」
  246. ラビ: 「先ほどお話した通り 普通の生活はできていましたし 祖父は私のために 一生懸命野菜を作ってくれました」
  247. ラビ: 「それに家族は皆 私を大切にしてくれて 救ってくれたんです」
  248. ラビ: 「私を最初に救ってくれた祖父の畑は いつしか家族みんなにとって大切な 宝物のような存在になっていました」
  249. ラビ: 「その畑で、祖父と母は 私と同じような境遇の子たちのために 新しく作物を育て始めようとしていました」
  250. ラビ: 「しかし…」
  251. ラビ: 「あの夏、私の地元では 酷い嵐が何日にもわたって続きました」
  252. ラビ: 「その嵐は、祖父が 長い時間をかけて作り上げた畑の土を ダメにしてしまいました」
  253. ラビ: 「近くの山の土砂が流れ込んだ上に 海水による深刻な塩害まで起きて… 畑の土壌が、殺されてしまったんです」
  254. 那由他: そんな…
  255. みかげ: 元には戻せなかったの…?
  256. ラビ: 自然に回復するような 状態ではありませんでした
  257. ラビ: 何年もかけて…それも 大規模に手を入れる必要があって
  258. ラビ: その間、祖父の畑では 野菜が作れないことになります
  259. ラビ: 特に有機栽培で土にこだわる 私たちの畑にとっては
  260. ラビ: 致命的とも言えるような ダメージでした
  261. みかげ: …じゃあ、どうしたの?
  262. 那由他: まさか…ラビさん…
  263. ラビ: …………
  264. ラビ: 「私は、土壌の復活を願って 魔法少女になったんです」
  265.  
  266. FILENAME: text_310332-2.txt
  267. 那由他: それで、魔法少女に なったんですのね…
  268. みかげ: そっかー
  269. みかげ: でも、ラビたんすごいね
  270. ラビ: 私ですか?
  271. みかげ: うん、だってラビたんの 願いのおかげで
  272. みかげ: おじいちゃんの畑が元気になって 家族の大事なものも守れたし
  273. みかげ: それにラビたんのおじいちゃんは 有機野菜っていうのを作って
  274. みかげ: たくさんの子を 救ってるっていうことでしょ?
  275. ラビ: …そう、ですね
  276. ラビ: 救えている…と言っていいのかは 正直わかりませんが
  277. ラビ: 私と同じ境遇の子やその家族の 希望にはなれているのかと…
  278. みかげ: それってすごいことだよね!
  279. 那由他: たしかに、そうですの
  280. 那由他: ラビさんのおかげで たくさんの方が救われていますの
  281. みかげ: …ねぇ、今の話 ウェブ新聞の記事にしていいかな
  282. ラビ: え…?
  283. みかげ: だって、理解されにくい 症状なんだよね?
  284. みかげ: ミィも、ラビたんに聞くまで 全然知らなかったし…
  285. みかげ: ミィのクラスの子だけでも
  286. みかげ: 昔のラビたんみたいに 困ってる子がたくさんいること
  287. みかげ: 少しでも知ってもらえたら いいと思うんだ!
  288. ラビ: それは構いませんが…
  289. 那由他: 魔法少女の 願いの話はどうしますの…?
  290. みかげ: あ…
  291. みかげ: たしかに それは新聞に書けないね…
  292. みかげ: うーん… いい案だと思ったんだけど…
  293. ラビ: そうですね…
  294. ラビ: それに、祖父の野菜を食べれば 私と同じくらい良くなるとは
  295. ラビ: 言えないと思うので…
  296. みかげ: え、違うの?
  297. ラビ: 魔法少女は、魔女と戦うために 身体能力が向上するというのは
  298. ラビ: 那由他様もみかげさんも ご存知ですよね?
  299. 那由他: えぇ、パパの本で読んでますし その実感もあるんですの
  300. みかげ: うん、ミィもだよ
  301. みかげ: …あっ、じゃあ ラビたんが元気になったのって…
  302. ラビ: はい、魔法少女になったことで 身体能力が高まった…
  303. ラビ: その副産物として 体質が改善されたのだと
  304. ラビ: そう、推測しています
  305. みかげ: そっか…
  306.  
  307. FILENAME: text_310332-3.txt
  308. ラビ: ただ、みかげさんがおっしゃった 症状のことを知らせるという話…
  309. ラビ: それ自体は いい試みかと思います
  310. ラビ: …少しずつ認知されるように なってきてはいるものの
  311. ラビ: まだ理解はされにくい…
  312. ラビ: かつての私のような症状の子に 周囲の理解は不可欠です
  313. ラビ: ひとりでも多くの方に 知っていただきたいという想いは
  314. ラビ: 今でもありますので…
  315. みかげ: …うん、わかった!
  316. ラビ: ありがとうございます
  317. みかげ: でも、どうしよう…
  318. みかげ: 今までの内容で 新聞を作ってもいいんだけど
  319. みかげ: ちょっと内容が 寂しい気がするんだよね…
  320. 那由他: たしかに…ちょっと 地味な記事になりそうですの
  321. みかげ: うん…
  322. みかげ: せっかくなら もっと面白い内容にしたいし
  323. みかげ: …もしかしたら 見た目の派手さがないのかも?
  324. 那由他: そういえば写真や動画も あまり撮れてないんですの
  325. 那由他: そもそも家事ってお仕事自体
  326. 那由他: 大変な割に 取材映えしない気がしますの
  327. ラビ: …そうですね
  328. ラビ: …では“取材映え”するような 家事をしてみましょうか
  329. みかげ: スーパー使用人ラビたん ってこと!?
  330. ラビ: そういうことになりますね
  331. みかげ: えー見たい見たい! あ、動画も撮っていい!?
  332. ラビ: いいですよ
  333. みかげ: やったぁ!
  334. 那由他: キッチン…ということは 料理をするんですの?
  335. ラビ: はい、お昼ごはんを作ろうかと
  336. みかげ: それで、ラビたんは どうやって映えな感じにするの?
  337. ラビ: 見てのお楽しみ… というほどのことでもないですが
  338. ラビ: …頑張ってみます
  339. みかげ: おっけー! それじゃあ、カメラ回すね!
  340. みかげ: はい、なゆたんよろしく
  341. 那由他: あ、私が撮るんですの!?
  342. みかげ: よーい、アクション!
  343. みかげ: スーパー使用人さん!
  344. みかげ: 今日のお昼ごはんの 献立はなんですか?
  345. ラビ: …野菜炒めと鮭のソテーです
  346. ラビ: あとは作り置きしていたものを 何点か出します
  347. みかげ: じゃあさっそく 料理始めちゃってください!
  348. ラビ: はい
  349. サッ
  350. スッ
  351. サササッ
  352. みかげ: わー! ラビたん早い!
  353. みかげ: ラビたんって、料理は 元々得意だったんだっけ?
  354. ラビ: まぁ…仕込まれてはいますね
  355. ラビ: でも、こんなに早くなったのは 最近になってからです
  356. みかげ: なゆたんのお世話をするように なってからってこと?
  357. ラビ: はい
  358. 那由他の声: え、それはなんでですの?
  359. ラビ: 朝食の準備を手早く終わらせて 那由他様を起こしたりとか
  360. ラビ: 今朝の牛乳のようなことも よくありますから
  361. ラビ: そういったことをフォローする 時間を捻出する必要があるので
  362. 那由他の声: 私のせいでしたの!?
  363. みかげ: あ、ちょっとなゆたん カメラ揺らさないでね!
  364. 那由他の声: ごめんなさいですの…
  365.  
  366. FILENAME: text_310332-4.txt
  367. ラビ: …ということで 1品目の完成です
  368. みかげ: すごくいいにおい! やっぱラビたんはすごいね!
  369. みかげ: あ! ミィ思いついちゃった!
  370. 那由他: なんですの?
  371. みかげ: 題して!
  372. みかげ: 「超すごいラビたんと 弟子入りして超すごくなる すごいミィとなゆたん!」
  373. 那由他: …どういうことですの?
  374. 那由他: 「すごい」ということしか わからないんですの
  375. みかげ: その通り! すごいんだよ!
  376. みかげ: ラビたんの弟子が すっごい腕前を上げたら
  377. みかげ: 師匠であるラビたんのすごさが もっと伝わるでしょ!
  378. みかげ: どうかな、ラビたん
  379. みかげ: ラビたんのすごさ もっと知って欲しいし
  380. みかげ: ミィも、ラビたんみたいに
  381. みかげ: 料理がすっごい上手な 立派なお姉さんになりたいから!
  382. ラビ: (すごいしか言っていない…)
  383. ラビ: そうですね…
  384. ラビ: しっかり言うことを聞いて 安全に行うのであれば
  385. みかげ: やったぁ!
  386. みかげ: 野菜を切るときは猫の手で…
  387. ラビ: はい、できてます
  388. パシャッ
  389. みかげ: あれ、いまミィの写真撮ってた?
  390. ラビ: みかげさんが頑張っている 写真も必要かと思い
  391. みかげ: たしかに…
  392. みかげ: ありがと、ラビたん!
  393. パシャッ
  394. みかげ: ん?
  395. ラビ: いい笑顔だったので、つい
  396. 那由他: ラビさん…あの これはどうしたら…
  397. ラビ: そうですね、これはこうして…
  398. 那由他: …なるほど
  399. 那由他: さすがラビさんですの
  400. ラビ: いえいえ
  401. ラビ: それより手元から 目を離さないでくださいね
  402. ラビ: ケガをされたら大変です
  403. 那由他: わかってるんですの ラビさんは心配性なんですの
  404. ラビ: …普段を見ていれば そうもなりますよ…
  405. ラビ: (ただ、今日はとても 順調に進んでいる…)
  406. ラビ: (これまでにないくらい順調で)
  407. ラビ: (逆に 不安になってくるくらいに…)
  408. ピンポーン♪
  409. ラビ: ん?
  410. ラビ: 私の家事は、まぁ… 仕込まれてますからね
  411.  
  412. FILENAME: text_310333-1.txt
  413. ピンポーン♪
  414. ラビ: ん?
  415. ラビ: あ…そういえば今日 園芸用品が届くんでした
  416. みかげ: 行ってきていいよ あとはミィたちでやっておくから
  417. ラビ: まぁ…ここまで来たら 失敗はないですよね
  418. ラビ: すぐに戻ってきますから 火には用心してくださいね
  419. 那由他&みかげ: はーい
  420. ラビ: はい、受け取りました ありがとうございます
  421. ラビ: …………
  422. ラビ: さて、急いで戻らないと
  423. ラビ: (キッチンから騒いでる様子は 感じられない…)
  424. ラビ: (これなら大丈夫か)
  425. ラビ: …………
  426. ラビ: (いや、ふたりにしては 静かすぎるような…)
  427. ラビ: (こんな話を聞いたことがある)
  428. ラビ: (やんちゃな子たちは 静かなときこそ危ない…と)
  429. ラビ: まさか…
  430. 那由他: ラビさん…
  431. 那由他: うっ、うぅうぅぅ…
  432. みかげ: ち、違うんだよ ミィも悪いんだよ…!
  433. ラビ: …………
  434. ラビ: 何があったのか 話して頂けますか?
  435. ラビ: なるほど…
  436. ラビ: 「料理が完成し、盛りつけまではできたものの お皿に水を派手にこぼしてしまって 味つけをし直すために再度フライパンに投入」
  437. ラビ: 「しかし、いろいろと調味料をいれていたところ 入れすぎて味が濃くなり どうしようもなくなってしまって号泣…」
  438. ラビ: …ということで あってますか?
  439. 那由他: あってますの…
  440. 那由他: 言語化されると 何だか恥ずかしいんですの…
  441. みかげ: ラビたんがやった通りに したはずなんだけど…
  442. みかげ: ごめんなさい…
  443. ラビ: そうですね… …一度味つけしたものに
  444. ラビ: また同じ量の調味料を入れれば それは、濃くなりますね…
  445. みかげ: たしかに…
  446. 那由他: 私がついていながら 情けないんですの…
  447. ラビ: まぁ、おふたりに ケガがなくて何よりです
  448. 那由他&みかげ: …………
  449. ラビ: さて、起きてしまったことは 仕方ありません…
  450. ラビ: リカバリーする方法を 考えてみましょう
  451. みかげ: …うん、わかった!
  452. 那由他: でも…変に調味料を くわえてしまったせいで
  453. 那由他: 取り返しのつかないことに なってしまったんですの…
  454. 那由他: 覆水盆に返らず …なんですの
  455. ラビ: …たしかに慌てて調味料を 足したのは良くなかったですね
  456. 那由他: うぅ…
  457. ラビ: …………
  458. ラビ: 顔を上げてください 那由他様
  459. 那由他: …なんですの?
  460. ラビ: 那由他様にひとつ よいことを教えてさしあげます
  461. ラビ: ある人の言葉なんですが…
  462. ラビ: 「人は試練を与えられて生きていますが 最終的には救われるようにできているんです」
  463. 那由他: どういうことなんですの…?
  464. ラビ: 覆水は盆に返りませんが
  465. ラビ: 諦めるには まだ早いということです
  466.  
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  468. 那由他: で、でもラビさん…!
  469. 那由他: 味が薄いぶんには どうにかなるかもしれませんけど
  470. 那由他: 濃くなってしまったら どうにもならないんですの…!
  471. 那由他: 濃い味、薄味に戻らず なんですの…
  472. ラビ: 使用人の本気を見せると 宣言してしまいましたので
  473. ラビ: ここはなんとかしてみせます
  474. 那由他: できるんですの…?
  475. ラビ: 最善を尽くします カメラも回ってることですし
  476. 那由他: あれ、私録画ボタンは止め… …てなかったんですの
  477. 那由他: 定点カメラ的に私たちの失敗も ずっと収められてたんですの…
  478. ラビ: …さて まずは対処法ですが
  479. ラビ: 那由他様が入れた調味料は なんでしょうか?
  480. 那由他: お醤油と、コショウと それから料理酒ですの
  481. ラビ: …レシピからは 外れていませんね
  482. ラビ: 変なものを入れないでくださり 助かりました
  483. 那由他: 変なもの…
  484. ラビ: …であれば 今日頂いた新鮮な卵と…これを
  485. みかげ: あ、商店街で会った お母さんの!
  486. 那由他: もうひとつは、八百屋さんに 頂いたキャベツですのね
  487. ラビ: はい
  488. みかげ: それでどうするの?
  489. ラビ: キャベツを入れることで カサを増して味を分散します
  490. みかげ: 量は増えちゃうけど 3人もいれば食べきれるね!
  491. 那由他: 卵はどうするんですの? 元々、入っていなかったんですの
  492. ラビ: これは持論 …というほどでもありませんが
  493. ラビ: 卵でとじれば 大概は何とかなります
  494. ラビ: それでは…
  495. ジューッ
  496. ザッザッ
  497. 那由他: ―那由他― すごいフライパンさばきですの ラビさん…!
  498. みかげ: ―みかげ― なゆたん見て見て! 卵、片手で割ってるよ!?
  499. みかげ: ―みかげ― これがスーパー使用人ラビたんの本気…! すっごいかっこいいね!
  500. 那由他: ―那由他― さすがなんですの…! …って、感想はこれくらいにしましょう
  501. 那由他: ―那由他― 私たちの声が入ってしまったら せっかくの動画が台無しなんですの
  502. みかげ: ―みかげ― それもそうだね…!
  503. ラビ: …はい、これで完成です
  504. 那由他&みかげ: おぉぉぉ…!
  505. 那由他: すごいんですの…!
  506. ラビ: 味が問題ないか おふたりで味見してみてください
  507. みかげ: うんっ!
  508. ぱくっ
  509. 那由他&みかげ: おいしい!(ですの!)
  510. 那由他: 卵でとじたことで ふわっふわなんですの!
  511. 那由他: それに、キャベツが新鮮で とっても美味しいんですの!
  512. みかげ: こんなにおいしい野菜炒め ミィ、初めて食べた!
  513. ラビ: それはよかったです
  514. みかげ: じゃあ、お昼を食べたら みんなで新聞づくりだね!
  515. みかげ: 取材映えするような写真や動画も たくさん撮れたし!
  516. 那由他: あれ…私たちも新聞づくり 手伝うんですの…?
  517.  
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  519. 那由他&みかげ: すぴー…すやぁ…
  520. ラビ: ふふ…新聞づくりを終えて 疲れて寝てしまいましたか…
  521. ラビ: みかげさんはまだしも 那由他様まで…
  522. ラビ: ウェブ新聞に載せる動画も できあがったことですし
  523. ラビ: 少し再生してみましょう
  524. カチッ
  525. みかげ: 「ちょーかっこいいスーパー使用人さんの ちょーかっこいい料理シーン!」
  526. みかげ: 「スーパー使用人さんは、いつもすごい! お買い物も手際が良くて みんなに好かれてるからオマケももらっちゃう!」
  527. みかげ: 「それに、主婦の人たちにも頼られてて やっぱりすごいかっこいい!」
  528. ラビ: …また すごいしか言っていないけど
  529. ラビ: 何だか照れる…
  530. みかげ: 「なゆたんとミィの失敗をりかばりーしてくれた! もう絶対ムリだと思ったのに!」
  531. みかげ: 「人は試練を与えられて生きてるけど 最後には救われるようにできてるって言葉 ミィ、感動しちゃった!」
  532. ラビ: …………
  533. ラビ: そう…
  534. ラビ: みんな救われるようにできている
  535. ラビ: …はずだった
  536. ラビ: みかげさんたちに話した私の過去に 嘘偽りはほとんどない
  537. ラビ: ただ、少しばかり 伏せたところがあるのは確かだ
  538. ラビ: 体の弱い私は、家族に救われて生きてきた
  539. ラビ: 祖父は、私のために野菜を作ってくれて 私に体の健康をくれた
  540. ラビ: 父は存命中、私に読書を教えてくれた 亡きあともたくさんの本を残してくれて 私に心の健康をくれた
  541. ラビ: 母は、父亡きあとも一生懸命に働き 私に健やかな日常を与えてくれた
  542. ラビ: そして、私の家族は 私を救うという目標を抱き そこから生きる喜びを得ていた
  543. ラビ: だけど、私自身に生きる喜びはなかった
  544. ラビ: 家族のおかげで生かされていたし 救われてもいた そのことには感謝しているけれど
  545. ラビ: 生きることに対しての喜びを 私は見つけられないでいた
  546. ラビ: そんなとき、父の生前の日記で見つけたのが
  547. ラビ: “人は試練を与えられて生きているが いつかは救われるようにできている”
  548. ラビ: そんな言葉だった…
  549. ラビ: だから、魔法少女になって 誰かを救えるとわかったとき 私はとても嬉しかった
  550. ラビ: 救われ続けた私が 救う側に回れるんだと
  551. ラビ: 初めて、生きる喜びを見つけた
  552. ラビ: しかし 魔法少女は決して救われない…
  553. ラビ: その事実は、父の言葉を否定した
  554. ラビ: いつかは救われる… そんな曖昧な希望にすがっていた私を 今までの人生を否定されたような気分だった
  555. ラビ: みかげさんたちには希望を語っておきながら 当の私自身は希望を諦めている
  556. ラビ: 父は、どうだったのだろうか
  557. ラビ: 本当に救われると思っていたのか
  558. ラビ: それとも、諦めながら どこかで光を求めていたのか
  559. ラビ: 今となっては もうわからない…
  560.  
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  562. ラビ: (魔法少女になった時点で 我々に救いは訪れない…)
  563. ラビ: 魔女になってしまうという宿命はもちろん そのことに同情してもらうことさえも 宇宙の意思に邪魔されてしまう …という、私たちの諦念
  564. ラビ: (教授は今も そう考えているのだろうか)
  565. ラビ: (…私たちの向かう先には 何が待っているのだろうか)
  566. ラビ: …………
  567. ラビ: (たまに、思ってしまう…)
  568. ラビ: (宇宙の意思なんて ただの勘違いであればいいと…)
  569. ラビ: (すべてを諦めたと言いながら)
  570. ラビ: (どこかで救いを 欲しているのかもしれない…)
  571. ラビ: (しかし、これもきっと私の 生存本能に過ぎないのだろう)
  572. ラビ: (そう…宇宙が我々を異物として 取り除かんとするように)
  573. 那由他&みかげ: すぅ…すぅ…
  574. ラビ: …………
  575. ラビ: (たまに、夢を見る)
  576. ピンポーン♪
  577. みかげの声: なーゆーたんっ ラービーたんっ
  578. 太助: 「いらっしゃい、みかげちゃん」
  579. みかげ: 「なゆたんパパ、こんにちは! 今日はなゆたんの成人式おめでとー! …って、あれ?なゆたんは?」
  580. ラビ: 『メイクが決まらないとかで、奥で格闘中です』
  581. 太助: 「せっかくラビが着付けしてくれたのに 崩しちゃうんじゃないかな… 那由他がいつもそそっかしくてすまないね」
  582. ラビ: 『いえ、慣れましたので』
  583. みかげ: 「え、ラビたん着付けしたの!? なんでもできるんだね!」
  584. ラビ: 『この日のために習いました』
  585. 那由他: 「お、遅くなったんですの…!」
  586. ラビ: 『あぁ…那由他様、走らないで…!』
  587. みかげ: 「わぁ!なゆたん…すっごく可愛いね!」
  588. 太助: 「うん、綺麗だね…那由他」
  589. 那由他: 「ふふ…なんだか恥ずかしいですの」
  590. ラビ: 『…………』
  591. ラビ: 『…とっても綺麗ですよ、那由他様』
  592. ラビ: (叶いもしない そんな夢を見るだなんて)
  593. ラビ: (つくづく私は甘いと感じる)
  594. ラビ: (“午前0時”が到来すれば 決して訪れない未来)
  595. ラビ: (決断の時はいつか来る)
  596. ラビ: (その時、私は…?)
  597. ラビ: けれど、今はまだ “その時”ではないから…
  598. 那由他: すぅ…すぅ… ラビしゃ…おかわり…ですの…
  599. ラビ: ふふ…
  600. ラビ: まったく、那由他様は…
  601. ラビ: …………
  602. ラビ: (だからもう少し もう少しだけは)
  603. ラビ: この愛おしい日常を、共に…
  604. ラビ: 結論が出ないうちは、まだ…
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