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- FILENAME: text_903101-010.txt [Day 1]
- おなかを貫かれて
- 粉々に砕けて
- 存在が消える
- ジリリリリリ!
- まばゆ: うぎゃあああああああああ!!
- まばゆ: ぎゃ…あ…あ…あれ?
- まばゆ: …………
- まばゆ: 夢…ですか…
- まばゆ: 夢…ですよね…
- まばゆ: リアルで…死んだかと思った…
- まばゆ: そうですよ…現実に あんなことはありえませんし…
- まばゆ: 殺されるのは、この映画の 主人公くらいなもの…
- まばゆ: …ってあれ?
- まばゆ: この、レンタルビデオ 殺人鬼の映画を借りたの…
- まばゆ: ずいぶん前…だったような… んんんんん…?
- まばゆ: あ、日付が…16日…
- まばゆ: 1ヶ月延滞しちゃった!? やば!やば!おこづかいが…
- まばゆ: …あれ?でも…
- まばゆ: 日付、何かおかしい…
- まばゆ: …………
- まばゆ: えっと…今日の日付が 先月の、16日?
- まばゆ: …………え
- まばゆ: 私、もしかして ひと月先の夢を見てたんです?
- FILENAME: text_903101-020.txt
- まばゆ: (うげー めちゃくちゃ損した気分)
- まばゆ: (私、夢の中で追試まで 受けたんですよ?)
- まばゆ: (もう一回あれを やらなきゃですか?マジで?)
- まばゆ: (夢…といっても めちゃくちゃリアルだったし)
- まばゆ: (今でもバッチリ、中身まで 思い出せるんですけど)
- まばゆ: (いやまあ、確かに…)
- まばゆ: (クラスメイトが魔法少女で 命懸けで魔女と戦っている)
- まばゆ: (なんて、夢でしか 有り得ないですけど)
- まばゆ: (いや、夢でもちょっと 自分の頭を疑うというか…)
- まばゆ: (夢判断でもして、無意識を 探ってみたい気持ちに…)
- マミの声: あ!
- まばゆ: (ん)
- マミ: おはよう
- マミ: ねえ、 昨日借りた本なんだけれど…
- まばゆ: (巴マミ!魔法少女!)
- まばゆ: (私、彼女に脅されて、命を…)
- まばゆ: (というのは、夢の中の話で… っていうか、え?)
- まばゆ: (本を借りたとかなんとか 夢の中でも、聞いたような…)
- まばゆ: (まさか、これ…正夢 予知夢、ってヤツですか!?)
- まばゆ: (いや、まさか、そんな…)
- FILENAME: text_903101-030.txt
- 先生: ここで、この方程式を 右辺に代入して…
- まばゆ: (そう、この日の授業中…)
- ???: まばゆさん
- まばゆ: は、はいっ!!
- まばゆ: …………あれ?
- 先生: お、愛生 自分で立つなんて珍しいな
- 先生: じゃあ、この式を解きなさい
- まばゆ: (どこからかミョーな声が 聞こえてきて…)
- まばゆ: (私は先生に指名されたんです)
- まばゆ: (あの声は絶対 夢の声じゃなかったはず…!)
- まばゆ: (だから私は、眠らずに あの声を待ち受けて…!)
- まばゆ: (待ち受けて…)
- まばゆ: …………
- まばゆ: (私が指名された問題も 通り過ぎてしまいました)
- まばゆ: (…ま、そうですよね 正夢なんてあるわけないし)
- まばゆ: (それにあれが正夢だったら この先私は時間停止に…)
- まばゆ: (巻き…込まれ…て?)
- まばゆ: 時間、止まってる…!?
- まばゆ: (ええええええ!? なに、どういうことですか!?)
- まばゆ: (予知夢じゃない…?)
- まばゆ: (だって夢じゃ、ここで時間は 止まらなかった…)
- まばゆ: (いやでも、現に 時間が止まってるってことは…)
- まばゆ: (この世界に 魔法少女がいるってこと?)
- まばゆ: (魔法少女がいるってことは…)
- まばゆ: (巴さんに、近づいたら…!!)
- まばゆの声: あ…あれ?
- まばゆの声: 巴さんも…止まってる…
- まばゆ: (ってことは、彼女が 時間を止めたわけじゃない…?)
- まばゆ: (いやいや、待って待って そもそもアレは夢でしょ?)
- まばゆ: (夢…ですよね?)
- まばゆ: (いやでも今実際に 時間、止まってるわけで…)
- まばゆ: (う、うう、ううううう……)
- まばゆ: 全然、わけがわかりません…
- FILENAME: text_903101-040.txt
- まばゆ: いらっしゃいませー
- まばゆ: (そう、全くもって わけがわからない)
- まばゆ: (わけがわからなくとも 仕事はやってくるのです)
- えっと…すいません、店員さん? お会計を…
- まばゆ: あっ、は、はい! すみません!
- まばゆ: お会計、1050円になります!
- チーン
- まばゆ: ありがとうございましたー
- まばゆ: …………ふぅ
- 咲笑: ねえ、まばゆちゃん?
- まばゆ: お手伝いのアテなんて ありませんよ
- 咲笑: えっ?
- まばゆ: 手が足りないなら、正規の手段で 募集して下さい
- 咲笑: あ、あららら…どうして 相談がバレちゃったのかしら
- まばゆ: 私、未来予知ができるんです
- 咲笑: 未来…予知?
- まばゆ: なんちゃって
- 咲笑: …………
- まばゆ: そうだ、咲笑さん 正夢って、信じますか?
- まばゆ: 予知夢とか、未来のことが わかるっていう…
- 咲笑: 存在しないわ!
- まばゆ: え?咲笑さん…?
- 咲笑: そんなものに惑わされないで 今の人生を生きれば良いの
- 咲笑: わかったわね?
- まばゆ: あ…は、はい
- まばゆ: (なんか…悪いこと 言っちゃいましたかね…)
- FILENAME: text_903102-020.txt [Day 2]
- 先生: それでは、抜き打ちテストを行う
- みんな: 「えええええええーっ!!」
- まばゆ: (にひひひひ この時を、待っていましたよ!)
- まばゆ: (予習はすでにバッチリ! なぜならば…)
- まばゆ: (抜き打ちテストがあるって 予知夢で知っていましたから!)
- まばゆ: (さらさらさら… さらさらさらさら…)
- まばゆ: (ああ…わかる、わかる… 答えが、わかる!)
- まばゆ: (予知夢様々 ありがたやー、ありがたやー)
- FILENAME: text_903102-030.txt
- まばゆ: (とまあ、テストに一喜一憂 しているわけですが…)
- まばゆ: (こんなことで喜んでいる 場合じゃないですよね…)
- まばゆ: (ええと…本当にあれが予知夢 だとしたら、確かこの日は…)
- まばゆ: じー…
- 咲笑: まばゆちゃん、どうしたの? エイミーでも見かけた?
- まばゆ: あ、いえ そうじゃないんですけど
- まばゆ: 咲笑さん、あそこに白いネコ… みたいなの、見ませんでした?
- 咲笑: 白い…?
- 咲笑: ううん、見てないわよ
- まばゆ: ですよね…
- まばゆ: (うーん、おかしいなあ…)
- まばゆ: (予知夢と同じことが起こるなら 妙な動物を見るはずなのに)
- まばゆ: (いやしかし…予知夢が 当たらない方がいいのか)
- まばゆ: (だってこのままだと、私は…)
- マミ: こんにちは
- まばゆ: ひえっ!?
- マミ: …………?
- まばゆ: い、い…いらっしゃい、マセ
- まばゆ: (きゅ、急に出てきて ビックリした…!)
- まばゆ: (でも確か、夢の中でも 買いに来てましたよね)
- まばゆ: (注文は確か レモンケーキと…)
- マミ: レモンケーキと、ザッハトルテを もらえるかしら
- まばゆ: か、かしこまりました…
- まばゆ: (や、やっぱり…!)
- FILENAME: text_903102-050.txt
- まばゆ: …………
- まばゆ: だめだ…映画が頭に、入らない…
- まばゆ: おこづかいが減らずに別の映画を 借りられるのはいいんですけど…
- まばゆ: そんなこと、言ってる場合じゃ ないですよね…
- まばゆ: …うん
- まばゆ: やっぱり、魔法少女について 調べないと!
- ???: 「魔法少女についてなら、力に なってあげられるかもしれないよ」
- まばゆ: !?!?!?!?
- まばゆ: ででででで、出たっ!! お店に来なかったと思ったら!
- まばゆ: あなたはいったい何者!? っていうか、なんでしゃべって…
- まばゆ: いや…しゃべってない?
- キュゥべえ: ボクの名前はキュゥべえ キミの心に直接話しかけているよ
- まばゆ: テレパシー、ですか? なるほど…そういう理屈
- まばゆ: あ、あれ?確か、居眠り中に 聞こえた声も、こんな感じで…
- まばゆ: やっぱりあれは 夢じゃなかった…?
- まばゆ: おーい、白猫
- まばゆ: あなたのことを 詳しく教えて下さい
- キュゥべえ: だから、ボクはネコじゃなくて キュゥべえだって
- まばゆ: キュゥべえ… 変な名前
- まばゆ: で、もしかして…あなたは 魔法少女に詳しいんですか?
- キュゥべえ: ボクは素質のある人間を見つけて 魔法少女の契約をするんだ
- まばゆ: 契約…?
- キュゥべえ: その時に、ひとつだけ 願い事を叶えてあげられる
- まばゆ: それじゃもしかして、私が今 あなたと契約をしたら…!?
- キュゥべえ: 残念だけど、それは無理だ
- まばゆ: どうしてです?
- キュゥべえ: だって、キミはもうすでに 魔法少女になってるじゃないか
- まばゆ: え?え?え?
- まばゆ: えええええええーっ!!
- FILENAME: text_903103-010.txt [Day 3]
- マミ: 教室からつけて来たのは わかっているのよ
- マミ: 一度しか言わないからよく聞いて
- マミ: 私にこれ以上、近づかないで
- まばゆの声: え…
- マミ: じゃないと
- マミ: 私は、あなたを、殺すわ
- まばゆの声: す、す、すいませんで…
- マミ: !?
- マミ: あなた、その格好…
- まばゆ: え?…あっ!
- マミ: あなたも魔法少女なのね
- まばゆ: いや、あの、これは…
- マミ: だったらもう 容赦はしないわ!!
- まばゆ: うぎゃああああああーっ!!
- まばゆ: はぁ…はぁ…はぁ… ゆ、ゆ、夢…?
- まばゆ: 夢で、よかった…
- まばゆ: そうですよ、魔法少女なんて 存在するわけがない
- まばゆ: まして、私が魔法少女? 殺し合いに巻き込まれる?
- まばゆ: そんな非現実的なこと あるわけが…
- キュゥべえ: いい加減に現実を 認めたらどうかな
- まばゆ: うぎゃああああああーっ!!
- まばゆ: 白猫がしゃべったあああ!
- まばゆ: と、と、ということは…
- まばゆ: 私は、魔法少女…?
- キュゥべえ: 昨日説明したとおり そのソウルジェムが証拠だよ
- まばゆ: この、いつの間にか持っていた 指輪が…?
- まばゆ: わわわっ!?
- まばゆ: きゅ、急に卵形に? ううう…わけがわかんないです…
- まばゆ: (昨日はあまりにも衝撃的で ふて寝してしまいましたが…)
- まばゆ: (私がすでに魔法少女になって いてもおかしくないというか)
- まばゆ: (そうでもないと、この変な 現実に説明がつかない…)
- まばゆ: キュゥべえ、魔法少女って そもそも何なんですか?
- まばゆ: もしかして、その…魔法少女って お互いに、戦ったり、します?
- キュゥべえ: キミのソウルジェム、よく見ると 少し濁っていたのがわかるかい?
- まばゆ: あ…そういえば、確かに
- キュゥべえ: 魔女退治で魔法を使うと ソウルジェムに穢れがたまる
- キュゥべえ: 魔女の落とすグリーフシードが その穢れを落としてくれるんだ
- キュゥべえ: けれど、グリーフシードの 数は限られている
- キュゥべえ: だから獲物を巡って、魔法少女が お互いに戦うこともあるみたいだ
- まばゆ: グリーフシード…
- まばゆ: 確か夢の中でもそんな単語を 聞いたような…
- キュゥべえ: ?
- キュゥべえ: おかしいな、まばゆ
- キュゥべえ: キミの机の中にも グリーフシードがあるじゃないか
- まばゆ: へ?
- ガサ…
- まばゆ: な、なななななな なんですかこれは!?
- まばゆ: 私、こんなの入れた記憶 ないんですけど!
- まばゆ: キュゥべえ! あなたが勝手に…!?
- キュゥべえ: まさか
- キュゥべえ: 最初にここに 来たときからそこにあったよ
- まばゆ: 嘘…全然、記憶がない…
- キュゥべえ: これがあれば、キミの ソウルジェムの濁りが取れる
- キュゥべえ: しばらくは安泰だね
- まばゆ: …………えっと
- まばゆ: わけがわからないです!
- FILENAME: text_903103-020.txt
- まばゆ: あなた、本当に私以外には 見えないんですね
- キュゥべえ: ボクが見えるのは、魔法少女の 素質がある子だけだからね
- まばゆ: だから、咲笑さんには 気づかれなかったのか…
- まばゆ: って、アレ?あれは、 夢の中の出来事でしたっけ?
- まばゆ: あー、もう! 頭がこんがらがる…
- キュゥべえ: キミは昨日から よく夢の話をしているね
- キュゥべえ: なんのことか、少し詳しく 聞かせてくれないかな
- まばゆ: え、えっと…ですね 正夢というか、予知夢というか…
- まばゆ: 私、これとよく似た時間を 過ごしたような記憶があって
- まばゆ: それに、時々時間が止まるんです
- まばゆ: 操ったりはできないんですけど 急に動きが止まったり、進んだり
- まばゆ: これって…魔法なんですかね?
- キュゥべえ: 興味深いね
- キュゥべえ: 魔法の性質は魔法少女によって 違うんだ
- キュゥべえ: 断言はできないけれど 可能性は十分にあるね
- まばゆ: なるほど…
- FILENAME: text_903103-030.txt
- キュゥべえの声: まばゆ、聞こえるかい
- まばゆ: ええ、聞こえますけど
- キュゥべえの声: どうしてボクが隠れなきゃ ならないんだい?
- まばゆ: それは…
- マミ: 私は、あなたを、殺すわ
- まばゆ: 私、夢の中で巴マミに 殺されかけたんです
- まばゆ: その時は意味がわからなかった けど、今なら想像がつきます
- まばゆ: 私、魔法少女だってことが 彼女にバレたんだって
- まばゆ: だから、彼女に命を 狙われたんだって
- まばゆ: あの夢が現実にならないように 魔法少女の秘密を隠したい
- まばゆ: あなたと話しているところを 見られるわけにはいかないんです
- キュゥべえの声: なるほど…キミはずいぶん 用心深い性格なんだね
- まばゆ: 昔、石橋を叩いて壊す タイプと呼ばれたことがあります
- まばゆ: しかし…参りましたね
- まばゆ: まさか自分が、あの戦いの 当事者になってしまうだなんて
- まばゆ: あんなの、命がいくらあったって 足りませんよ
- まばゆ: 願いを叶えてもらった記憶も ないですし…
- まばゆ: なんか、めちゃくちゃ 損した気分
- キュゥべえの声: まばゆは魔法の 使い方を覚えていないのかい?
- まばゆ: 何度か、時間停止を 願ってみたりもしたんですが
- まばゆ: 全然、上手く行かなくて
- キュゥべえの声: そうだったのか
- キュゥべえの声: そもそもキミは、この世界で 数少ないイレギュラーだ
- まばゆ: イレギュラー?
- キュゥべえの声: キミの魔法少女の契約は 記憶されていない
- キュゥべえの声: いつ、どこで、どうやって 契約したのかが、わからないんだ
- キュゥべえの声: 本来ならあり得ないことだよ
- キュゥべえの声: 願いの内容がわかれば、魔法の 傾向も想像がつくんだけれども
- キュゥべえの声: 当てずっぽうに、キミの能力を 探っていくしかないかもね
- まばゆ: 当てずっぽうに…?
- まばゆ: いや、でも…
- まばゆ: 魔法少女の戦いに巻き込まれる かもしれないなら…
- まばゆ: せめて、自分の身くらいは 守れるようになっておかないと
- キュゥべえの声: それじゃあ、何か試してみようか
- キュゥべえの声: 教室の窓の外にビルが見えるね?
- まばゆ: あ…はい
- キュゥべえの声: 四角に意識を集中して 心の中で、イメージするんだ
- キュゥべえの声: まず、視界を縦横の線で9の ブロックに分割する
- まばゆ: は、はあ
- キュゥべえの声: 真ん中のブロックに集中して 四角にどんどん近寄って…
- まばゆ: え…あ、あれ…?
- キュゥべえの声: そのブロックが視界いっぱいに 広がったら、また9分割
- キュゥべえの声: その真ん中のブロックに 集中して、さらに近寄ると…
- まばゆ: あっ、え、すごい?
- まばゆ: 拡大して、めちゃくちゃ大きく 見えます!
- まばゆ: ビルの中、窓の向こうで 会議をしている人も、はっきり!
- キュゥべえの声: うん、思った通りだね
- キュゥべえの声: どうもキミは、光に関係する 魔法の素質があるみたいだ
- キュゥべえの声: その方面を探っていけば 契約の秘密もきっと…
- まばゆ: もしかしてこの力があれば…
- まばゆ: カンニングもし放題なのでは!?
- キュゥべえの声: …まばゆ
- キュゥべえの声: 一応言っておくけど 魔法の使いすぎは禁物だよ
- まばゆ: え…そうなんですか?
- キュゥべえの声: 言っただろう? 魔法を使うとソウルジェムが濁る
- キュゥべえの声: 補助的な魔法だけじゃ 魔女を倒すことは難しい
- キュゥべえの声: 魔女を倒せなければ、穢れをとる グリーフシードは手に入らない
- まばゆ: なるほど…そういう理屈ですか
- まばゆ: わかりました!カンニングは ここぞというときに限ります!
- キュゥべえの声: …………
- FILENAME: text_903103-040.txt
- まばゆ: (ああ、魔法… 私も魔法を使えるなんて)
- まばゆ: (しかも、光の魔法! ふふふ、なんだかカッコいい)
- まばゆ: (私の性格的には、闇の魔法が お似合いっぽい気もしますが)
- まばゆ: (いやでも、光と闇は表裏一体 修行をすれば、私もいつか…)
- キュゥべえ: まばゆ、キミはそんな格好で 何をしているんだい?
- まばゆ: 何って…家事手伝いですよ
- キュゥべえ: アルバイトではなく?
- まばゆ: なに言ってるんですか 私はまだ中学生ですよ
- まばゆ: アルバイトなんて できるワケないじゃないですか
- まばゆ: 保護者の咲笑さんのお店の お手伝いをしてるだけです
- キュゥべえ: 咲笑は母親ではないのかい?
- まばゆ: あなた、ずけずけと聞きにくい ことを聞いてきますね
- まばゆ: 私の本当の母親は死にました
- まばゆ: いわゆる不治の病、ってヤツです
- まばゆ: 父親もいなくて、代わりに私の 面倒を見てくれたのが、咲笑さん
- まばゆ: 感謝してますし、お手伝いくらい いくらでもやります…
- まばゆ: (車が、暴走して… 突っ込んでくる!)
- まばゆ: (このままじゃ エイミーが轢かれちゃう!)
- まばゆ: あ…れ…?
- キュゥべえ: どうしたんだい、まばゆ?
- まばゆ: そういえば… 確か、この後…
- まばゆ: エイミー!!
- 咲笑: まばゆちゃん? どうしたの?
- まばゆ: っ!
- まばゆ: (すっかり忘れてた!)
- まばゆ: (もしもあれが予知夢なら…!)
- ブロロロロロロ!
- まばゆ: エイミー、逃げてっ!!
- まばゆ: (だめ…間に合わない)
- まばゆ: (エイミーがあの夢みたいに また、轢かれちゃう…)
- まばゆ: (もしも私が 本当に魔法少女なら…!)
- まばゆ: お願い、時間よ、止まって…!!
- キキー!
- ドーン!
- エイミー: 「フギャッ…」
- まばゆ: …………
- まどか: エイミーっ!
- まどか: うそ…いや、いやだよ!
- まどか: そんな、どうして…エイミー いや、死なないで…!
- まばゆ: (ああ…やっぱり…)
- まばゆ: (あの予知夢が現実に…)
- まばゆ: (そしてまたしても、時間停止の 魔法は使えなかった…)
- まばゆ: (やっぱり私は…時間の流れに 翻弄されるだけ…)
- 咲笑: …ということでまばゆちゃん 店番お願いね!
- まばゆ: わかりました
- まばゆ: (ここまでの展開も 夢で見たのと同じ、ですか…)
- まばゆ: ねえ、キュゥべえ
- まばゆ: …………
- まばゆ: …キュゥべえ?
- まばゆ: (あれ?いなくなったのかな)
- まばゆ: (ん…? 待てよ、もしかして…!)
- FILENAME: text_903103-050.txt
- 咲笑: 私もガッカリしちゃって 外で、ぼーっとしてたんだけどね
- 咲笑: その後、急に奇跡が起こったの!
- 咲笑: エイミーの心臓が動き出して 助かったのよ!
- まばゆ: 助かった…
- 咲笑: ええ、お医者さんも、こんなの 初めてだってビックリしてたわ
- 咲笑: 神様のご褒美かもしれないわね
- まばゆ: ええ、そうかもしれませんね
- まばゆ: (嘘です たぶん、違います)
- まばゆ: (鹿目まどかさんは魔法少女)
- まばゆ: (事故の後キュゥべえが消えて エイミーに奇跡が起きた)
- まばゆ: (これって、つまり…)
- まばゆ: (鹿目さんが、契約をして エイミーの命を救った…)
- まばゆ: (たぶん、そうですよね?)
- FILENAME: text_903104-010.txt [Day 4]
- 先生: 地球は太陽の周りを、1年で ぐるっと一周するわけで…
- まばゆの声: そーっと、そーっと…
- まばゆ: おお…教卓から見る 教室は、また格別
- まばゆ: ふふーん、ホントにみんな 私が見えてないんですね
- まばゆ: まわりの光をねじ曲げて 前後を素通しさせる…
- まばゆ: いわゆる光学迷彩という ヤツですね
- キュゥべえの声: なるほど、なかなか珍しい 魔法が使えるんだね
- キュゥべえの声: どうやらキミは、補助魔法に 力を発揮するようだ
- まばゆ: 私の性格っぽいですね
- まばゆ: そしてその方が 情報収集に断然有利!
- まばゆ: そろそろ、反撃の時間が やってきたようですよ…
- FILENAME: text_903104-020.txt
- キュゥべえ: まばゆ、わざわざこんな場所で 何をするつもりだい?
- まばゆ: なにって、観察ですよ
- まばゆ: 光学迷彩が使えても 物音は消せません
- まばゆ: 万が一居場所がバレてしまっては 元も子もないじゃないですか
- まばゆ: 唇の映像を音として聞く魔法も 覚えましたし…
- マミ: さあ、どうぞ召し上がれ
- まどか: は…はい、いただきます
- まばゆ: ここからなら窓越しに、巴さん たちの話を盗み聞きできます
- キュゥべえ: なるほど キミは本当に慎重だね
- まばゆ: 視覚に集中するんで、少し 黙っていてもらえますか?
- まどか: それで、あの…魔女って なんなんですか?
- まどか: 魔法少女とは、どんな 関係なんでしょうか?
- マミ: 願いから生まれるのが 魔法少女だとすれば…
- マミ: 魔女は、呪いから 生まれる存在よ
- まどか: 呪いから…?
- まばゆ: (思った通り、鹿目さんは 魔法少女になりたてだ)
- まばゆ: (だから、先輩の巴さんの 元を訪れて、話を聞いてる…)
- マミ: 魔法少女が希望を振りまくように 魔女は絶望をまき散らす
- マミ: 理由のはっきりしない自殺や 殺人事件は…
- ピンポーン
- マミ: …あら? 誰かしら
- ほむら: 鹿目さん、巴さん!
- マミ: え…?あなたは…
- ほむら: 暁美ほむら あなたたちと同じ、魔法少女です
- まどか: 暁美…さん? はじめまして
- ほむら: 今日は、ふたりに お話があってきました
- まどか: お話…?
- ほむら: お願いです、キュゥべえのことを 信じないで下さい
- ほむら: みんな、キュゥべえに 騙されてるんです!
- まどか: キュゥべえに…騙されてる…?
- ほむら: このままだと、鹿目さんも 巴さんも、不幸な結末を…!
- マミ: 暁美さん、落ち着いて
- マミ: 今はずいぶん興奮している みたいだけれども…
- マミ: きっと、何か勘違いを しているんじゃないかしら
- ほむら: 巴さん…
- マミ: 私はね、今までずっと キュゥべえと魔女を倒してきたわ
- マミ: たくさんの魔法少女と一緒に まき散らされる絶望を防いだ
- マミ: キュゥべえは何を考えているか わからない所もあるけれど…
- マミ: 騙してる、っていうのは 勘違いじゃないかしら?
- ほむら: 勘違いじゃありません!
- ほむら: だって…!
- マミ: だって、何かしら?
- マミ: あなたがもし、キュゥべえを 疑うなら…
- マミ: その根拠を、教えて欲しいの
- ほむら: それは…
- マミ: まだ、私はあなたのことを 良く知らないわ
- マミ: だから、まずはもっと話を 聞かせてちょうだい
- ほむら: …………
- ほむら: …少し、時間を下さい
- まどか: 暁美さん…?
- ほむら: …………
- まどか: …行っちゃった
- マミ: 不思議な子ね 一体、何だったのかしら
- まどか: キュゥべえを信じるなって どういうことでしょうか…?
- まどか: キュゥべえのおかげで エイミーも助かったのに…
- マミ: さあ…
- まばゆ: (キュゥべえを、 信じちゃダメ?)
- まばゆ: (それっていったい…)
- まばゆ: (いや、その前に 確認しておくべきことが…)
- キュゥべえ: まばゆ、何かわかったかい?
- まばゆ: あ、あの… ひとつ、聞きたいんですけど
- まばゆ: もしかしてあなたは 他の魔法少女とも契約を?
- キュゥべえ: そうだよ、鹿目まどかも 巴マミも、ボクが契約した
- まばゆ: っ!!
- キュゥべえ: どうしたんだい?
- まばゆ: だったらあなた、私の情報を 他の誰かに…!
- キュゥべえ: 心配は無用だよ
- キュゥべえ: ボクは積極的に 肩入れしたりはしない
- キュゥべえ: 現にボクは、マミたちのことを キミに話していないだろう?
- まばゆ: …どうしてそれを 先に話さなかったんですか?
- キュゥべえ: 聞かれなかったからさ
- まばゆ: 詐欺師みたいな言い方ですね
- キュゥべえ: ボクは、キミたち人間と根本から 思考形態が異なっているからね
- キュゥべえ: 何を伝えないことが不自然なのか 全てを先回りすることは不可能だ
- キュゥべえ: そのつもりでつきあうと、お互い 意思疎通が上手く行くと思うよ
- まばゆ: …まあ、確かに理屈ですね
- キュゥべえ: キミは飲み込みが早くて助かるよ
- キュゥべえ: 情報伝達の勝手な思い込みで 裏切られたと感じる人間もいる
- キュゥべえ: 魔法少女に恨まれることは しょっちゅうだよ
- まばゆ: あ…巴さんも、勘違いじゃ ないかって言ってたけど
- まばゆ: それじゃあ、暁美さんがあなたを 疑ってる理由も…
- キュゥべえ: ボクに心当たりはないから 可能性はあるね
- まばゆ: ですよねー
- キュゥべえ: キミは、ボクを疑わないのかい?
- まばゆ: あなた、別に悪意を 持っているわけじゃないでしょう
- まばゆ: ただ、私たちからできる限りの 利益を得ようとしているだけ
- まばゆ: 一緒に組むなら、むしろそういう 相手の方がやりやすいです
- キュゥべえ: …なるほど
- キュゥべえ: やはりボクとキミは いいコンビになれそうだね
- FILENAME: text_903105-010.txt [Day 5]
- まばゆ: ふぅ…ナイスな休日が 過ぎてゆく…
- まばゆ: 夢の中でも、ダラダラしながら この映画を観てた気がしますが…
- まばゆ: そろそろ家を出なきゃ、ですかね
- 先生: お…なんだ、愛生 休日に珍しいな
- 先生: お前、部活なんてやってたっけ?
- まばゆ: じ、自習です…
- まばゆ: テストの成績が良くないので
- 先生: ん…ああ、そうか お前も3年生だもんな
- 先生: 気合い入れて勉強しろよ!
- まばゆ: はーい
- まばゆ: (なんて、大嘘です)
- まばゆ: (私がわざわざ休日に登校を している理由は、ズバリ…)
- まばゆ: (暁美ほむらさんの住所を 探すため、です)
- まばゆ: (暁美さんが着ていたのは 見滝原の制服でした)
- まばゆ: (職員室で名簿を漁れば 彼女の住所がわかるはず)
- まばゆ: (キュゥべえに教わった魔法で 身を隠すこともできますが…)
- まばゆ: (音までは消せませんし 棚を開けたり閉めたりもする)
- まばゆ: (ここは、時間が止まるのを 待つのが得策…!)
- まばゆ: (まあ止まんなかったら、ひと気の ない時間を狙うだけですが)
- まばゆ: …………
- まばゆ: たまには、勉強でもしますかね
- まばゆ: おっ!
- まばゆ: (来ましたね、時間停止!)
- まばゆ: (それではコッソリ 職員室に忍びこんで)
- まばゆ: にひひひ、大漁大漁…
- まばゆ: (無事に、生徒の住所一覧を コピーできましたよ)
- まばゆ: (どうやら、地域ごとに まとめられているようですね)
- まばゆ: (さて、この中にアケミホムラと いう名前は…と)
- まばゆ: (アケミ…ホムラ…)
- まばゆ: (アケ…ミ…ホムラ…?)
- まばゆ: (あ…あれ?)
- まばゆ: (名簿、見終わってしまいました)
- まばゆ: (アケミって漢字でどう書くのか わかんないから見逃したかな)
- まばゆ: (もう一度、最初から…)
- まばゆ: (な、ない…)
- まばゆ: (どこにも名前が 見つかりません)
- まばゆ: (彼女、うちの生徒じゃ ないんですか?)
- FILENAME: text_903106-010.txt [Day 6]
- 先生: いいかみんな!10分後に この場所に集合だからな
- 先生: トイレなんかはちゃんと 済ませておくように!
- まばゆ: (魔女は現実に悪影響を及ぼす)
- まばゆ: (夢では、この工場で 事故が起こりましたが…)
- まばゆ: (私が迷い込んだあの空間が 魔女の結界なのだとしたら)
- まばゆ: (事故もまた、魔女の影響を 受けて起こったもののはず)
- まばゆ: (そう、ここです)
- まばゆ: (この前の夢では、確か…)
- まばゆ: きゃあああっ!!
- まばゆ: (ちょっ、なんですか!?)
- まばゆ: (足、引っ張られて…)
- まばゆ: うひゃああああああーっ!!
- まばゆ: (私は何かに足をすくわれました)
- まばゆ: (あれが、魔法の力による ものだったとするならば…)
- まばゆ: (ここには誰か、魔法少女が…)
- まばゆ: あ…
- まばゆ: (この感じ…)
- まばゆ: (また、時間が止まってる)
- まばゆ: (夢では、止まらなかったのに どうして…?)
- まばゆ: (いいえ、そんなことよりも!)
- まばゆ: (先に進めば、時間が止まる 原因が、見つかるかも!)
- まばゆ: (よし、姿を消して…)
- FILENAME: text_903106-030.txt
- まばゆ: (ここ…間違いない)
- まばゆ: (魔女の結界)
- まどか: …………
- まばゆ: (あそこにいるのって 鹿目まどかさん…?)
- まばゆ: (牛の形をした…魔女?と 向かい合って…)
- まばゆ: (でも、どっちも動いてない)
- まばゆ: (時間が止まってる つまり…)
- まばゆ: (時間停止の魔法を使うのは 鹿目さんじゃない)
- まばゆ: (となると、他に…)
- ほむら: …………
- まばゆ: (!!)
- まばゆ: (暁美ほむらさん!)
- まばゆ: (魔法少女の姿で… 動けるの?)
- まばゆ: (時間停止の魔法を使えるのは 暁美さん?)
- まばゆ: (でも、なにか思い詰めてる みたいに見えるけど…)
- ほむら: 鹿目さん…お願い
- ほむら: 私の話を、聞いて
- まどか: こうなったら、わたしひとりで 戦うしか…!
- まどか: って、え?あれ? なんか、動きが止まって…
- ほむら: 鹿目さん
- まどか: えっ?わっ、こ、この間の…
- まどか: 暁美、さん?
- ほむら: 離れないで
- ほむら: 私の魔法で時間を止めてるの だから、心配しなくて大丈夫
- まどか: え…そ、そうなんだ! すごいね、暁美さん
- まどか: だったら…うん、お願い!
- まどか: わたしと一緒に 魔女を倒す手伝いを…
- ほむら: 鹿目さん、聞いて!
- まどか: え…暁美さん?
- ほむら: 今はこうやって、時間を 止めているけれども…
- ほむら: 私の力は、それだけじゃないの
- まどか: それは…どういう意味?
- ほむら: 今から1ヶ月も経たないうちに ワルプルギスの夜がやってくる
- ほむら: 私たちは皆、歯が立たなくて 見滝原がめちゃくちゃになる
- ほむら: 私は、その未来から この世界に戻ってきたの
- ほむら: 鹿目さんを、助けるために
- まどか: わたしを…助けるために?
- ほむら: ごめんなさい
- ほむら: 急にこんなことを言っても 信じられないよね
- まどか: 暁美さん…あ、あの、わたしね 信じられないっていうよりも…
- まどか: ビックリしちゃって 話に追いつけないっていうか…
- ほむら: 鹿目さん!
- ほむら: 私、怖かったの
- まどか: 怖かった…?
- ほむら: 本当の事を話しても、鹿目さんが 信じてくれなかったらどうしよう
- ほむら: 私よりもキュゥべえを信じたら どうしようって
- ほむら: だから…怖くて、巴さんの前から 逃げちゃって…
- まどか: それって…この前の マミさんの家の…?
- ほむら: でも、もう一回、考えて 考え直して、ここに来たの
- ほむら: あなたと過ごした時の中で 私は勇気をもらった
- ほむら: 弱虫で、何もできなかった私でも 今は、皆の役に立てるって
- ほむら: 魔法少女の力を使って 誰かを守ることができるって
- ほむら: そんな私になれたのは、あなたが 私を信じてくれたおかげだから
- ほむら: だから私も、鹿目さんを 信じようって…
- ほむら: そう決めて、ここに来たの!
- まどか: 暁美さん…
- ほむら: あ…ご、ごめんなさい
- ほむら: 急に、一方的に…
- まどか: ううん、あなたの気持ち よくわかったよ
- ほむら: 本当に…!?
- まどか: まだ色々聞きたいことは あるけれど…
- まどか: わたしは暁美さんを… ほむらちゃんを、信じるよ!
- ほむら: …うん
- ほむら: ありがとう、鹿目さん!
- まどか: さあ、それじゃあ時間停止を 解いて…
- ほむら: 鹿目さん、あなたは弓矢を放つ 魔法を使えるよね?
- まどか: あ…うん
- ほむら: 停止した時間の中で私たちが 触れたものは動いてしまう
- ほむら: だから、魔女に直接触れたら 時間停止をする意味がないわ
- まどか: そうなんだ
- ほむら: その代わり、何もつがえずに 弓を鳴らしてみて
- まどか: 何も、つがえないで…?
- ほむら: そう、鳴弦っていって 悪霊を祓うおまじないみたいに
- まどか: こ、こうかな…?
- まどか: わっ!く、空気が吸い込まれて…
- まどか: あれ?でも、途中で止まった?
- ほむら: 魔法で干渉はできないけど 物理的な力は利用できるから
- ほむら: 次は別の角度から 同じことを繰り返して
- まどか: うん、わかった
- まどか: こんな、感じかな…?
- ほむら: 良い調子
- ほむら: それじゃあそろそろ…
- カチッ
- まどか: あ…う、うそ
- まどか: 簡単に、倒せちゃった…
- ほむら: 波が大きく重なって 威力がグンと増すの
- ほむら: 私たちが、前の周の特訓で 見つけた必殺技だよ
- まどか: 必殺技…
- まどか: すごいよ、ほむらちゃん!
- ほむら: …うん
- ほむら: 今度は一緒に ワルプルギスの夜を倒そう
- まばゆ: (な…なんという…!!)
- まばゆ: (色々な新事実が 一気に発覚してしまいました)
- まばゆ: (これは一度家に帰って 情報を整理しなければ…)
- FILENAME: text_903106-050.txt
- まばゆ: 確かに、暁美さんの言葉は 全てを上手く説明しています
- まばゆ: 私の見た夢は夢ではなく 実際に一度起こった出来事
- まばゆ: 私は時間停止に巻き込まれて いるだけではなくて…
- まばゆ: もっと大きな時間のリセットにも 巻き込まれている
- キュゥべえ: それは興味深い仮説だね
- キュゥべえ: 時間が巻き戻されていることを 証明する手段がないのが残念だ
- まばゆ: でもこれで、予知夢が当たったり 外れたりする理由もわかりました
- まばゆ: 初期条件は似ていても 暁美さんは過去の記憶を持つ
- まばゆ: だから暁美さんが以前と異なる 行動をとるときに限り…
- まばゆ: 私の記憶と、異なった未来が 導かれる
- キュゥべえ: まばゆ、キミの仮説には 大きな穴があるよ
- まばゆ: 穴?
- キュゥべえ: 未来を変える要因は 暁美ほむらの記憶だけじゃない
- キュゥべえ: キミの記憶も、未来を変える 可能性を持っているじゃないか
- まばゆ: あ…確かに、言われてみれば…
- まばゆ: …っていうか、どうして 気づかなかったんでしょうか?
- まばゆ: 我ながら謎
- キュゥべえ: なんにせよ、その仮説は 検討に値する
- キュゥべえ: キミの契約の秘密も、時間遡行に 関係しているかもしれないしね
- まばゆ: ええ、そうなんですよね…
- キュゥべえ: ボクの方も、少し 情報を集めてみる
- キュゥべえ: キミも引き続き、暁美ほむらを 探ってみてもらえると助かるよ
- FILENAME: text_903108-020.txt [Day 8]
- まばゆ: (暁美さんを探れって 簡単に言いますけど…)
- まばゆ: (こっちは彼女の住所も 知らないんですよ)
- まばゆ: (町をブラブラ歩いていても 見つかるわけじゃなし…)
- まばゆ: (いっそ、鹿目まどかさんに 張りついてみましょうか?)
- エイミー: …………
- まばゆ: おっ!
- まばゆ: エイミーが、また、お店の前に…
- まばゆ: にひひひひ…攻略法はすでに ゲットしてあります!
- まばゆ: エイミーちゃん カリカリですよー
- まばゆ: しかも、前回の反省を生かして ちゃーんとチキン味
- まばゆ: さあさあ、おいでおいで たーんとお食べ
- エイミー: …………
- まばゆ: おおお、食べている! エイミーが、私のカリカリを…
- まばゆ: 前周の記憶、持ってて 良かったですね…にひひひひ
- 咲笑: 前周の記憶?
- まばゆ: さ、咲笑さん!?
- まばゆ: あ、いえ、先週の記憶です
- まばゆ: 学校の友だちから、エイミーは チキン味が好きだって聞いて
- 咲笑: あらあら、私の他にも真実に たどり着いた人がいるなんて…
- 咲笑: なかなかやるわね!
- まばゆ: そ、そうなんですよぉ あはははは…
- 咲笑: でも私、ホッとしたわ
- 咲笑: まばゆちゃんにも、お友だちが いたなんて!
- まばゆ: ぼぼぼボッチで悪かったですね!
- まばゆ: ありがとうございましたー!
- 咲笑: そういえば、自動車工場の見学 大変だったって?
- 咲笑: 整備不良で煙突が崩れるなんて… まばゆちゃんは、大丈夫だった?
- まばゆ: ええ、私は遠くにいましたから
- まばゆ: (ま、全部嘘ですけどね)
- まばゆ: (本当は整備不良じゃなくて 魔女が暴れたせいで…)
- まばゆ: (私はその魔女を倒す 魔法少女…)
- まばゆ: (なんて話したら、余計な心配を かけるどころの話じゃないし)
- まばゆ: (ここは適当にごまかすしか ないですね…)
- まばゆ: …ってあれ?咲笑さん?
- まばゆ: ケーキの注文 もう全部作り終わりました?
- 咲笑: あ…忘れてた!てへぺろ
- まばゆ: これだから咲笑さんは…
- 咲笑: まばゆちゃん 注文の詳細読み上げてくれる?
- 咲笑: 退院祝いの ケーキだったと思うけど
- まばゆ: はーい、ええと…
- まばゆ: あけみ…
- 咲笑: ん?なに?
- まばゆ: あけみ…暁美ほむら!これ 暁美って読むんだ!
- まばゆ: (退院祝いのメッセージ っていうことは、もしかして…)
- まばゆ: (長く入院してて 休学してた…とか?)
- まばゆ: (だから、地域別の名簿に 載ってなかったのかも…)
- まばゆ: (もう一度、その線で 探ってみることにしますか)
- FILENAME: text_903110-010.txt [Day 10]
- 早乙女先生: はーい、それじゃ 自己紹介いってみよー
- ほむら: 暁美ほむらです! よろしくお願いします
- 早乙女先生: 暁美さんは心臓の病気で ずっと入院していたの
- 早乙女先生: 久しぶりの学校だから色々と 戸惑うことも多いでしょう
- 早乙女先生: みんな助けてあげてね
- まばゆ: (ビンゴ!というやつですね)
- まばゆ: (暁美さんの自宅の場所も わかりましたし)
- まばゆ: (あとは彼女が敵か味方か それさえわかれば…)
- さやか: ねえ、まどか? あの子、知り合い?
- さやか: 何かずっと、こっちをジロジロ 見てなかった?
- 仁美: 確かに、熱烈な何かを 感じさせられるような…
- まどか: え、えっとね、それは…
- ほむら: この前、子猫と遊んでたら 声をかけてくれたんです
- まどか: あっ、ほむらちゃん!
- ほむら: 同じ学校の制服だったから 色々お話を聞かせてくれて
- ほむら: それ以来、遊んでもらったりも してるんです
- ほむら: そうだよね、鹿目さん
- まどか: あ…う、うん
- さやか: ふーん、なるほど
- 仁美: そういうことでしたか
- まどか: ほむらちゃんにも紹介するね
- まどか: 美樹さやかちゃんと 志筑仁美ちゃん
- まどか: わたしのお友だちで いつも一緒にいるんだ
- ほむら: そうなんですね よろしくお願いします
- さやか: よろしくね 謎の転校生暁美さん!
- 仁美: まどかさんが お世話になっています
- さやか: しっかし納得だよねー
- さやか: 最近まどかはなーんか付き合い 悪いなーって思ってたんだけど
- さやか: そうかー、まさか謎の転校生に 浮気してただなんて…
- まどか: えっ?浮気!?
- ほむら: そ、そんなこと…!
- 仁美: そんなことはありますわ!
- まどか: 仁美ちゃんまで!?
- 仁美: まどかさんがいないふたりきりの ファストフード店…
- 仁美: 昨日まで美味しかったバンズが パサパサ食べづらいのは、なぜ…
- ほむら: あ、あの、えっと、 私、そういうつもりじゃ…!
- まどか: ほむらちゃん 気にしなくて大丈夫だよ
- まどか: いつもふたりはそうやって からかうんだから
- さやか: えー、別にからかってなんて いないけどなー
- さやか: だってさー
- さやか: もう「ほむらちゃん」って、下の 名前で呼ぶ関係なんでしょ?
- まどか: さやかちゃん、言い方!
- ほむら: …………
- まばゆ: (な、なんでしょうか この状況は…!?)
- まばゆ: (こう、ありがたいものを 拝ませてもらっているような…)
- まばゆ: (授業を適度にサボりながら さらに観察の必要がありますね)
- FILENAME: text_903110-030.txt
- まばゆ: 授業をサボって貪る 惰眠は最高ですが…
- グラウンドの声: 位置について、よーい…
- パーン!
- まばゆ: 眠っている場合じゃ ないんですよね
- まばゆ: 魔法で、グラウンドの様子を 拡大して…と
- グラウンドの声: 次、暁美!
- ほむらの声: はい!
- まどかの声: がんばって、ほむらちゃん!
- ほむらの声: うん、行くね、鹿目さん!
- タッタッタッタッ…バッ!
- ほむらの声: やぁっ!
- ドサッ
- ほむらの声: やった!跳べた 跳べたよ、鹿目さん!
- まどかの声: うんっ! やったね、ほむらちゃん!
- まばゆ: おおお…だいぶ跳んでますね
- まばゆ: これも魔法少女の力、か…
- まばゆ: そういえば前回、遠くに 跳びすぎてたのも、彼女?
- まばゆ: まだ体の使い方に慣れて なかったってことですか…
- 仁美の声: すごいですね、暁美さん
- 仁美の声: さやかさんも負けて いられないのではないですか?
- さやかの声: いや、勝ち負けとかどうでも いいんだけどさ
- さやかの声: なーんか引っかかるんだよね
- 仁美の声: 引っかかるって なにがですの?
- さやかの声: だってあの子、心臓の病気で 長く入院してたんでしょ?
- さやかの声: それにしては、フツーに 運動できすぎでしょ
- まばゆ: …それは確かに
- まばゆ: 魔法少女になると運動能力が 上がったりするのでしょうか?
- まばゆ: ん?
- まばゆ: だったら私も、本気出せばもっと 速く走れたり?
- まばゆ: …いや、だとしても わざわざ走ったりしないですけど
- グラウンドの声: 次、鹿目!
- まどかの声: は、はいっ!
- ほむらの声: がんばって、鹿目さん!
- まばゆ: それにしてもまあ 仲睦まじいことですね
- まばゆ: 引き続き観察を続けたい ところですが…
- まばゆ: 今日の放課後は、やらねば ならないことがあります!
- FILENAME: text_903110-040.txt
- まばゆ: よーし、レア物確保完了!
- まばゆ: (一度やったこととはいえ 残っていて良かった…)
- まばゆ: (とはいえ、前回ほどの トキメキは感じないというか…)
- まばゆ: (むしろ、義務を果たした 安堵感の方が強いというか…)
- まばゆ: (うーむ、贅沢な悩みか)
- ???: もう、なんなんだよー あの転校生は!
- まばゆ: (む?この声は…)
- さやか: 今日もまどかと用事が あるってさぁ
- さやか: しかも、ついてくるな って言うんだよ?
- さやか: 毎日毎日あたしたちに隠れて 一体何をしてるんだか…
- 仁美: あらまあ…
- さやか: ん、何?
- 仁美: さやかさんって、まさか本当に まどかさんのことを…?
- さやか: 茶化さない
- さやか: まどかはさ、めちゃくちゃ 純粋な子じゃない?
- さやか: ヤなヤツに騙されるんじゃないか 気が気じゃないんだよね
- 仁美: あの転校生を 疑っているんですの?
- 仁美: まどかさんを騙すタイプには 見えませんでしたけど…
- さやか: まあ、確かにそうなんだけどさ
- さやか: なーんか、隠してそうなんだよね
- まばゆ: (美樹さやかさん…でしたっけ なかなか鋭いですね)
- まばゆ: (まあ、親友でも魔法少女の 秘密は打ち明けられないですか)
- まばゆ: (魔法少女ってのも 難儀なものですねぇ…)
- まばゆ: (さて、獲物もゲットできた ことですし、再び尾行を…)
- まばゆ: (…あ、あれ?)
- まばゆ: (この感じって…)
- キュゥべえ: まばゆ、いいところに!
- まばゆ: キュゥべえ
- まばゆ: あの、私 何か今すごく嫌な予感が…
- キュゥべえ: 気づいたかい ほら、あそこを見てごらん
- 欲しい…もっと、欲しい…
- まばゆ: あの人、なんか…様子が変
- キュゥべえ: 首のところに、不思議な 模様があるだろう?
- キュゥべえ: 魔女のターゲットになった 人間に現れる印なんだ
- まばゆ: あ…そうだ、そういえば!
- まばゆ: 確か今日って、 強盗事件があった日で…!
- まばゆ: もしかしてあれも 魔女のせいだったんですか!?
- キュゥべえ: 可能性は十分に考えられるよ
- キュゥべえ: どうする、まばゆ?
- まばゆ: え、どうするって、それは…
- まばゆ: …と、とにかくあの人を 追いかけないと!
- まばゆ: ここは…
- キュゥべえ: 魔女の結界だ
- まばゆ: それじゃあやっぱり 強盗事件は…
- さやかの声: ああ、もうどうなってんのさ!
- まばゆ: あ、あれは…美樹さん!?
- さやか: やっ
- まばゆ: (迷い込んだんだ 助けなきゃ!)
- まばゆ: (でも…)
- まばゆ: (助けるって、どうすれば…?)
- まばゆ: (私が使える魔法って、視力を 強化したり、身を隠したり…)
- まばゆ: (攻撃する方法が 全然ないんですけど!)
- まばゆ: (姿を隠したところで、あれだけ ワラワラ湧いてると、無駄…)
- まばゆ: (いや、でも、このまま 美樹さんを見捨てるなんて…)
- まばゆ: キュゥべえ、私、どうすれば…
- まばゆ: あ、あれ?キュゥべえ?
- キュゥべえ: …………
- さやか: な、なに!? あなたは、ぬいぐるみ…?
- さやか: それにこの声 頭の中に直接…!
- キュゥべえ: …………
- さやか: そんな…!あたしが、死ぬ…?
- まばゆ: (キュゥべえが、美樹さんと 話してる…?)
- まばゆ: (確かキュゥべえって、素質の ある人にしか見えないんじゃ…)
- さやか: いや、あたし、こんなところで 死にたくなんてない!
- キュゥべえ: …………
- さやか: 生き延びる方法…?
- キュゥべえ: …………
- さやか: 契約、すれば、本当に…
- まばゆ: ――っ!?
- まばゆ: (時間が、止まった)
- まばゆ: (ってことは、暁美さんが…)
- まばゆ: (まずい、隠れなきゃ!)
- ほむら: はぁ…っ、はぁ…っ、はぁ…っ ま、間に合った…
- ほむら: 美樹さん まだ、無事ですね
- ほむら: …キュゥべえ!?
- ほむら: 大人しくしていると思ったら 美樹さんを誘うつもりだなんて
- ほむら: そんなことはさせないっ!
- ほむら: えいっ!
- ほむら: やっ!
- ほむら: そこっ!
- まばゆ: (暁美さんの投げた爆弾が、 空中で固まってる…)
- まばゆ: (体を離れると時間が止まるから それを利用して…)
- ほむら: はぁ…はぁ…うん
- ほむら: 今度こそは、美樹さんを 助けてみせる…!
- まばゆ: (え? 今度こそって…)
- カチッ
- さやか: ッ!?
- まばゆ: (すごい…)
- まばゆ: (暁美さんはこうやって 戦ってたんですね…)
- さやか: な、なに!?助かったの…?
- さやか: っていうか…
- ほむら: …………
- さやか: 転校生!なんであんたがここに?
- ほむら: 知らない方がいいこともあります
- さやか: は?ちょっと意味がわかんない…
- ほむら: でもひとつ これだけは覚えておいてください
- ほむら: キュゥべえの言葉を信じちゃだめ
- ほむら: 契約しようなんて 考えないでください
- さやか: ちょ、ちょっと!
- まばゆ: (まただ)
- まばゆ: (また、キュゥべえのことを 信じちゃダメって…)
- まばゆ: (どうしてそんなに キュゥべえを嫌うんですか?)
- FILENAME: text_903111-010.txt [Day 11]
- まばゆ: ふわぁあぁあ…
- まばゆ: (ね、眠い…早起きつらい…)
- まばゆ: (いつも遅刻ギリギリまで 寝てましたもんね)
- まばゆ: (おかげで咲笑さんには 褒められてますけれど)
- まばゆ: (まあとにかく、先回りして 暁美さんの様子を…)
- まばゆ: ん?あれは…
- まどか: さやかちゃん、遅いね
- 仁美: ええ、こんなこと珍しいですわ
- 仁美: 遅れてくるのはまどかさんの 役目だとばかり…
- まどか: えー? わたし、遅刻係だったの!?
- 仁美: もしかしたら、そろそろ 政権交代の時期かもしれませんね
- まどか: 政権って…
- まどか: あ、噂をすれば
- さやかの声: まどか!
- まどか: えっ!?
- まばゆ: (美樹さんの肩に キュゥべえが乗ってる…!?)
- まどか: …………!
- 仁美: どうかしましたか、まどかさん?
- まどか: え、いや、その…
- さやか: どうして話してくれなかったの?
- まどか: ええと、それは…
- さやか: キュゥべえが、魔法少女のことを 色々教えてくれたんだよ
- 仁美: キュゥべえ…? なんのことですの?
- まどか: いや、その、あははは…
- さやか: …………
- まどか: …………
- さやか: …………
- まどか: …………
- 仁美: おふたりともさっきから どうしたんです?
- 仁美: しきりに目配せしてますけど
- まどか: いや、これは、あの、その…
- まばゆ: (あー、これは…)
- まばゆ: (ふたりとも、たぶん 心の声で会話していますね)
- まばゆ: (魔法少女を知らなければ 全く意味不明でしょうが)
- 仁美: まさかふたりともすでに目と目で わかり合う間柄ですの?
- 仁美: でもいけませんわ
- 仁美: 女の子同士でそれは 禁断の恋の形ですのよー!
- まどか: あっ、仁美ちゃん!
- さやか: あー、なんか妙な勘違い させちゃった?
- まばゆ: (かなーり古風な恋愛観の 持ち主ですね…)
- さやか: まあ、仁美には後で謝っとくけど
- さやか: それはそれとして、魔法少女の 話は後で聞かせてもらうからね
- まどか: うん、わかった…
- FILENAME: text_903111-020.txt
- キーンコーンカーンコーン
- まばゆ: (さて、お昼休みです)
- まばゆ: (私が今、探るべきは暁美さんの 秘密ではありますが…)
- まばゆ: (朝の様子を見ると美樹さんの ことも気になります)
- まばゆ: (さーて、どうしたものか)
- マミ: …………
- ガタッ
- まばゆ: (おや…?)
- まばゆ: (巴さんが、席を立った)
- まばゆ: (これは、もしかして…)
- さやか: あなたが、巴マミさん?
- マミ: ええ、そうよ 私を呼び出したのは、あなたね
- まどか: わざわざ、すみません さやかちゃんはわたしの友だちで…
- まどか: 昨日、ショッピングセンターで 魔女に襲われたところを…
- ほむら: 私が、助けました
- マミ: 暁美さん…
- ほむら: 美樹さん、私、言いましたよね? キュゥべえは、信じないでって
- さやか: あんた、なに言ってるの? まどかはあたしの友だちなの
- さやか: 最近ずっと、いつもと様子が 違うって心配してた
- さやか: あんなバケモノと戦ってるなんて 知ったら…
- さやか: なにが起こってるのか 聞かないわけないじゃない!
- まどか: さやかちゃん…
- マミ: そう…あなたはもう 魔女のことを知っているのね
- マミ: 心配しないで、鹿目さんは 私がしっかり面倒を見るわ
- マミ: それに魔女退治は、この町の人を 危険から遠ざけることでもあるの
- さやか: どうしてまどかなの? あたしたちまだ子どもだよ
- さやか: どんな奇跡を願ったとしても 釣り合うわけないじゃない
- さやか: あんなの絶対、おかしいよ!
- まどか: さやかちゃん…
- さやか: 行こう、まどか
- さやか: こんな危ない奴らと つるんじゃだめだ
- まどか: あ、待って…
- マミ: 暁美さん
- マミ: 美樹さんの命を助けてくれて ありがとう
- マミ: もしかして、昨日の魔女の 居場所を鹿目さんに伝えたのも…
- ほむら: はい、私です
- マミ: やっぱりね
- マミ: 鹿目さんと いつの間に仲良くなったの?
- マミ: 私としてはいい加減、あなたの 正体を知りたいのだけれども…
- ほむら: 今はまだ、私のこと 信じられませんよね
- マミ: ええ、あなたが本当のことを 教えてくれない限りはね
- ほむら: もし本当の事を伝えたとして…
- ほむら: それをキュゥべえに話さないって 約束してくれますか?
- マミ: できないわ
- マミ: キュゥべえは、私の大切な 仲間よ
- マミ: 話の中身を知る前に そんな約束は不可能だもの
- ほむら: だったら…
- マミ: だったら、どうするの?
- ほむら: それは…
- マミ: それは…?
- ほむら: お願いします!私も一緒に 魔女退治に連れて行って下さい!
- マミ: え…?
- ほむら: 巴さんが、私のことを 信じられないなら…
- ほむら: 私が信じられるって証明すれば 良いんだって、思ったから
- ほむら: だから、お願いします! 私を連れて行って下さい!
- マミ: …予想外の展開ね ちょっと、拍子抜けしちゃった
- マミ: 暁美さんは、私の敵になるのだと ばかり思っていたわ
- ほむら: そ、そんな… 巴さんの、敵だなんて…!
- マミ: 理由はどうあれ、あなたも魔女を 倒したいと思っているのよね?
- ほむら: はい!
- マミ: 敵の敵は味方
- マミ: ひとりでも多く 仲間が必要だったの
- マミ: こちらこそ よろしくお願いするわ
- まばゆ: (あ、あれ? おかしいですね)
- マミ: 私は、あなたを、殺すわ
- まばゆ: (あの時は、あんなに強く 私を拒絶したのに…)
- まばゆ: (なにか、違いが あるんでしょうか…?)
- FILENAME: text_903113-010.txt [Day 13]
- ほむら: わざわざ、呼び出してごめんね
- まどか: ううん、これも、ほむらちゃんに とって大事なこと…なんだよね
- ほむら: うん、巴さんに本当の事は まだ言えない
- ほむら: でも、私はこれから 起こることを知ってるの
- ほむら: 今日の夜、町外れの工場に魔女が 現れて、ガスが漏れ出すの
- ほむら: 前の周では、気づくのが 1日遅れて、被害者が出たわ
- ほむら: でも…今の私たちなら先回りして 皆を助けることができる
- ほむら: 記憶を辿れば、私たちきっと 前よりたくさんの人が救えるの!
- まばゆ: (ああ、そういえばそうでした)
- まばゆ: (確か前の周では、このくらいに 工場の事故があって…)
- まどか: もしかしたら、だけど…
- まどか: この前のショッピングセンターで さやかちゃんを助けたのも…
- まどか: 前の周の記憶のおかげなの?
- ほむら: …………
- ほむら: 私は以前、美樹さんを失って 悲しむ、あなたを見たの
- ほむら: もう二度とそんな気持ちは 味わわせたくないの
- まどか: わかった
- まどか: ほむらちゃん わたし、あなたと一緒に…
- ~~♪~~♪
- まどか: あ
- ほむら: 鹿目さん?
- まどか: さやかちゃんからだ
- FILENAME: text_903113-020.txt
- さやか: やっぱり…行くの?
- まどか: …うん
- さやか: ひとつ間違えばオダブツだよ それ、わかってる?
- まどか: わかってる
- まどか: でも、マミさんも ほむらちゃんも助けてくれるから
- さやか: …本当に信頼できるの?
- さやか: あの転校生、おかしいよ なんか、隠してる気がするし…
- さやか: それにあの巴マミさんって人は なんでひとりなの?
- まどか: え…?
- さやか: まどかが初めての仲間って わけじゃないよね?
- さやか: なのになんで 今、仲間がいないの?
- まどか: そ、それは…
- さやか: あのバケモノとの戦いで 死んじゃった…違う?
- まどか: 違うと思う
- まどか: マミさんは、仲間を危ない目に 遭わせないって確信があると思う
- まどか: じゃなかったら、ちゃんと その説明をしてくれるはずだよ
- さやか: …そうかな
- まどか: それにね!
- まどか: わたし、自分にはなんの取り柄も ないと思ってた
- まどか: でもね、魔女を放っておくと 色んな人が、危ない目に遭うんだ
- まどか: わたしにはね、それを止める力が あるって、すごいことだなって
- まどか: 皆のために何かができるって ちょっとだけ、自慢なんだ
- まどか: それが、わたしが魔法少女として 戦う理由だよ
- さやか: …まどか、良い子すぎでしょ
- さやか: わかった そこまで言うならまどかを信じる
- まどか: 本当!?
- さやか: ただし…
- さやか: まどかが戦ってるところを 1回、あたしに見せて
- さやか: 本当に危険がないって 確信できたら、もう何も言わない
- キュゥべえ: 悪くない考えだね
- まどか: キュゥべえ!
- キュゥべえ: さやかにも 魔法少女の素質はある
- キュゥべえ: もしも危なくなったら、ボクと 契約するという手もあるからね
- さやか: だーかーらー、そうは ならないって話でしょー?
- さやか: どんな魔女が出てこようと カンペキに叩き潰しちゃってよ!
- まどか: うん、任せて!
- FILENAME: text_903113-030.txt
- ほむら: 鹿目さんっ!
- まどか: うん、行くよ!
- ほむら: 巴さん、今です!
- マミ: オッケー!
- マミ: やっ!
- まばゆ: (すごい…リボンの橋が 空にかかっていく)
- マミ: これでどう、暁美さん!?
- ほむら: はいっ!いけます!
- カチッ
- ほむら: はぁっ、はぁっ、はぁっ…
- ほむら: えいっ!
- まばゆ: (時間が止まっている間に 爆弾を投げ入れて…)
- カチッ
- ほむら: よしっ!
- まどか: すごいよ、ほむらちゃん! 本当に、言った通りになった!
- まどか: ねえ、すごいですよね マミさん!
- マミ: ええ、そうね
- マミ: 確かに 暁美さんの作戦が当たったわ
- マミ: まるで…ううん、気のせいね
- ほむら: ?
- マミ: ごめんなさい、何でもないわ
- マミ: とにかくあなたの、その魔法… 突然、爆発を起こす力
- マミ: とっても頼りになりそうね
- ほむら: は、はい 私も、もっとがんばります!
- まばゆ: (ん?その言い方…)
- まばゆ: (時間操作の能力を、巴さんに 隠してるってことですか)
- まばゆ: (確かに、暁美さんにとっては 切り札ですもんね…)
- まどか: どう、さやかちゃん? 見てくれた!?
- まどか: こうやってわたしたちは 町の平和を守っちゃうんだよ
- さやか: 正義の味方…ってやつですか
- さやか: オッケー、わかった あたしの負けだよ
- さやか: 暁美さん
- ほむら: は、はい
- さやか: マミさん
- マミ: なにかしら?
- さやか: 勝手な言い分なのは わかってるけど…
- さやか: まどかのこと よろしくお願いします!
- ほむら: は…はいっ! 任せて下さい!
- マミ: もちろん、危ない目に 遭わせたりなんかしないわ
- マミ: でも、もしそこまで 心配なら…
- マミ: あなたも、魔法少女に なる気はある?
- ほむら: 巴さん!
- マミ: 鹿目さんを守りたいなら それが一番納得がいくでしょう
- マミ: それに…契約すれば 願いをひとつ叶えることが…
- さやか: いらないです
- さやか: ほしいものもやりたいことも いっぱいあるけど
- さやか: 奇跡を誰かに願うより 自分で叶えるべきことで
- さやか: 叶えてもらった望みに 価値がないとは思わないけど
- さやか: でもその意味を今のあたしは 知らないから
- マミ: 本当に、いいのね?
- さやか: バカな決断かもしれないけど あたし、そう決めたから
- マミ: そう
- まどか: さやかちゃん…
- ほむら: それが、いいと思います
- ほむら: 鹿目さんは、私たちが 守れるように、がんばります!
- さやか: …うん
- さやか: みんな、まどかのことは よろしくお願いします!
- FILENAME: text_903114-010.txt [Day 14]
- ねーねー、昨日のライブ見た?
- 解散ライブの中継でしょ? 熱気、すごかったよねー
- まばゆ: おっ!クラスメイトの会話が 変わっていますね
- まばゆ: 以前は、爆弾騒ぎと工場の ガス漏れが話題でしたが…
- まばゆ: やはり魔女が原因でしたか
- まばゆ: 事故を防げて、よかった…
- キュゥべえの声: 人間というのは理解が難しいね
- キュゥべえの声: 自分たちの利益にならないのに 他人を助けようとしたり
- キュゥべえの声: 魔法少女の契約で利益が 得られるのに、怖がったり
- キュゥべえの声: 合理的な判断をしてくれれば 予測が立てやすくなるんだけど
- まばゆ: 助けられる人を見捨てたら 寝覚めが悪いんです
- キュゥべえの声: キミたちはどうやら因果関係と 責任の有無を混同しているようだ
- まばゆ: そんな簡単には 行かないでしょう?
- まばゆ: そもそも、願いが叶うことと それと引き替えに戦うこと…
- まばゆ: どっちがどのくらい幸せで どっちがどのくらい不幸か
- まばゆ: それをあらかじめ数字にして 差し引きで利益が出るとか…
- まばゆ: そんなの、計算できるわけ ないじゃないですか
- キュゥべえの声: 明確な誤りだね
- キュゥべえの声: 不確実性が関わると扱えないなら 統計学には一体何の意味が…
- まばゆ: あーはいはい、正論正論
- まばゆ: あなたの理屈通りなら、今頃 美樹さんは契約してたでしょうね
- まばゆ: 彼女が何を願うかなんて わかんないですけど
- まばゆ: …自分が何を願ったかさえ 覚えてないのに
- まばゆ: っていうか、キュゥべえ
- まばゆ: 私の契約内容について なんかヒントはないんですか?
- キュゥべえの声: あるよ
- まばゆ: ある!?あるんですか!?
- キュゥべえの声: 魔法少女の能力の傾向は その願いと関連を持つんだ
- キュゥべえの声: 巴マミは、交通事故で 命を繋ぐために契約した
- キュゥべえの声: 彼女の使うリボンは その象徴でもあるんだ
- まばゆ: ははぁ、なるほど
- キュゥべえの声: キミの使う魔法の傾向は どうやら「光」に関わるようだ
- キュゥべえの声: ということは、キミの願いも 光と関わりをもつものだろうね
- まばゆ: なるほど!
- まばゆ: で?
- キュゥべえの声: …………
- まばゆ: …………
- キュゥべえの声: …………?
- まばゆ: いやいやいや!それだけ?
- まばゆ: 光?願いのヒントが光って! ちょっと範囲が広すぎでしょ!
- まばゆ: 辺りが真っ暗だったとか? 停電?停電ですか?
- まばゆ: 私、別に目が見えなかった ワケじゃないですし
- まばゆ: 考えてみれば、名前もなんだか 光っぽい感じがありますけど
- まばゆ: そんなヒントで契約を推理なんて 名探偵じゃあるまいし
- キュゥべえの声: やはりまだ、情報の収集が 必要なようだね
- キュゥべえの声: そろそろ、暁美ほむらに直接 コンタクトをとったらどうかな
- まばゆ: …考えておきます
- まばゆ: (私はキュゥべえに、暁美さんの 力を伝えてしまっています)
- まばゆ: (彼女にとって、私はスパイの ようなもの…)
- まばゆ: (真意を知る前に、ノコノコ 近づくのは、避けたい…)
- FILENAME: text_903114-020.txt
- まばゆ: (とは、いうものの)
- まばゆ: (このまま暁美さんの後を つけて、本当にいいものか…)
- まばゆ: (なんだかただのストーカー みたいな気持ちですよ、私)
- 咲笑: あら?まばゆちゃん
- まばゆ: あ…はい、なんですか?
- 咲笑: この、ラテアート もしかして…
- 咲笑: ペンギンさん?
- まばゆ: !!
- 咲笑: ど…どうしたの、まばゆちゃん?
- まばゆ: い、いえ…ちょっと感動を…
- まばゆ: 初めて咲笑さんに、アートの 中身を当ててもらえたので…
- 咲笑: あらら?私、そんなにカンが 悪かったかしら…?
- まばゆ: (咲笑さんはそう思いますよね)
- まばゆ: (私の場合、前周含めての 記憶ですし…)
- まばゆ: (ともあれ、私も少しは上達した …ということですか)
- まばゆ: (前回は確か、カフェインの 取り過ぎで夜も眠れず…)
- まばゆ: あ…そうだ
- まばゆ: (思い出しましたよ…)
- まばゆ: (確か前回は、帰り道の公園で 佐倉さんに助けられた日です!)
- まばゆ: (彼女は、暁美さんたちとは 対立しているようでしたが…)
- まばゆ: (なにか、因縁が あるのでしょうか?)
- まばゆ: (彼女も一度、探ってみた方が いいかも…)
- FILENAME: text_903114-025.txt
- まばゆ: お疲れ様でしたー
- 咲笑の声: 気をつけて帰ってねー
- まばゆ: はーい
- まばゆ: (とかいって、これから 危ないところに行くわけですが)
- エイミーの声: みゃーう
- まばゆ: あ、エイミー
- まばゆ: (…あれ?美樹さん)
- まばゆ: (店の前で餌をあげて… 珍しいですね)
- さやか: あれ?同じ学校の服装だけど…
- さやか: もしかして、アルバイトですか?
- まばゆ: あ…えっと… これは、家事手伝いって言うか…
- さやか: いいですよ、別に
- さやか: 学校にタレこもうってわけじゃ ないですし
- まばゆ: あ、ありがとうございます
- さやか: その代わり、聞かせて くれませんか?
- さやか: このネコが 生き返ったって、本当?
- まばゆ: えっと…
- まばゆ: 生き返ったというか… 一命を取り留めたというか…
- さやか: 奇跡が起こったって 聞きましたけど
- まばゆ: お医者さんは、そういうふうに 言ってたみたいですね
- さやか: まどか、願いを そんなことに使っちゃったんだ
- さやか: そんな些細なことで 自分を危険にさらせるのに…
- さやか: それにくらべて、あたしは…
- まばゆ: (え…)
- まばゆ: (美樹さん、あの後キュゥべえと 話してるってことですか?)
- まばゆ: (魔法少女になるのは やめたんじゃ…)
- さやか: 話、ありがとうございました
- まばゆ: あ、はい…
- まばゆ: (それに美樹さん、 雰囲気が、なんか変です?)
- まばゆ: (なんだか、前と別人みたいに 見えますが…)
- まばゆ: …………
- まばゆ: (おっと、考えてる場合じゃ ありません)
- まばゆ: (早く、あの公園に行かないと)
- FILENAME: text_903114-030.txt
- マミ: みんな、準備はいい?
- まどか: はいっ!
- ほむら: いけます!
- まばゆ: (あ…あれ?)
- まばゆ: (前の周では、佐倉さんが 戦っていたはずなのに…)
- まばゆ: (今回は、この3人なんですね)
- ほむら: きゃっ!
- まどか: ほむらちゃんっ!!
- ほむら: ご、ごめんなさい…
- まばゆ: (暁美さんが、苦戦してる…)
- まばゆ: (昨日の魔女との戦い方は 前の周で知ってたけど)
- まばゆ: (今日の敵とは、 まだ戦ったことがないから…)
- まばゆ: (それに、暁美さんの戦い方は 集団戦には向かない…か)
- マミ: 下がって!ここは私が出るわ!
- まばゆ: (それに比べて、巴さんの 戦い方は…)
- まばゆ: (敵が集団でも 十分に対応できます)
- マミ: ティロ・フィナーレ!!
- まどか: やった!さすが、マミさん
- ほむら: ご、ご迷惑、おかけしました…
- マミ: 気にしないで、みんなで 助け合うのが仲間だもの
- マミ: お互い、苦手なところは 補っていきましょう
- まどか: そうだよ、ほむらちゃん わたしもそばについてるんだから
- ほむら: う…うん
- ほむら: ありがとう…
- まばゆ: (友情・努力・勝利 私には縁がない言葉ですね)
- まばゆ: (私が好きなのは 策略・チート・不戦勝)
- まばゆ: (じゃなきゃこんな風に 姿を隠して覗きなんて…)
- まばゆ: …………!
- まばゆ: (向こうのビルから、気配が…)
- まばゆ: (あ、あれは…)
- 杏子: チッ あんなに苦戦しやがって
- 杏子: マミ あんたやっぱりおかしいよ
- 杏子: チンタラしてると、あたしが この町、奪っちまうよ
- FILENAME: text_903115-020.txt [Day 15]
- キーンコーンカーンコーン
- マミ: 起立
- マミ: 礼
- みんな: 「ありがとうございました」
- マミ: …………
- まばゆ: (おっと…巴さん)
- まばゆ: (迷わず鞄を手に 帰り支度ですか…)
- キュゥべえの声: どうやら、魔女の手掛かりを 見つけたようだね
- キュゥべえの声: 巴マミも少しずつ 調子を取り戻してきたようだ
- まばゆ: 調子を取り戻した?
- キュゥべえの声: 元々の魔女退治のペースに 戻ってきた、ということだよ
- まばゆ: (今のペースは、暁美さんの 協力のおかげ…ですよね?)
- まばゆ: (前の周の記憶があるから 魔女を効率良く追えているはず)
- まばゆ: (でも、それが「取り戻した」 って表現になるなら…)
- まばゆ: (巴さんは以前はひとりで こんなハイペースな戦いを?)
- まばゆ: (それって、信じられない…)
- キュゥべえの声: まばゆ?マミを追いかけなくて いいのかい?
- まばゆ: ! そ、そうでした!
- まばゆ: 早く、後をつけないと…
- 先生: おーい愛生、どこに行く?
- まばゆ: へ?
- 先生: 今日は追試だぞ、教室に…
- まばゆ: えいっ!
- 先生: ん…?
- まばゆ: こちらをご覧下さい 何点と書いてありますか?
- 先生: ご…50点?
- まばゆ: 居残りは必要ありますか?
- 先生: な、ない…です
- 先生: いや、すまない お前のことだから、てっきり…
- 先生: …カンニング、してないよな
- まばゆ: してません!
- まばゆ: (1回受けたテストですから ほぼカンニングですけど)
- キュゥべえの声: なるほど
- キュゥべえの声: 100点を取らないのは 周囲から怪しまれないためだね
- キュゥべえの声: まばゆ、キミはやはり とても注意深い性格だ
- まばゆ: あ、当たり前じゃないですか!
- まばゆ: (そういうことに しておきましょうか…)
- FILENAME: text_903115-025.txt
- まばゆ: 方向からいって この辺りだと思うんですが…
- キュゥべえ: まばゆ、あれを
- さやかの声: はぁ…
- まばゆ: 美樹さん?
- さやか: 恭介にも会えないし まどかたちは行っちゃうし
- さやか: ひとりぼっちに なっちゃったかなあ
- まばゆ: 「行っちゃった」ってことは 今までここにいたってことですか
- まばゆ: 病院は、魔女が暴れるのに うってつけということでしたし
- まばゆ: やはり、この辺りに魔女が 潜んでいそうですね
- キュゥべえ: その可能性は高そうだね
- まばゆ: それにしても…
- さやか: はぁ…
- まばゆ: 美樹さん、調子が悪そうですね ちょっと心配…
- キュゥべえ: それならボクは彼女のそばに いることにするよ
- まばゆ: あ、そうですか
- まばゆ: (暁美さんはキュゥべえを 警戒していますからね)
- まばゆ: (いない方が、かえって秘密を 探りやすいというものです)
- まばゆ: 美樹さんをよろしく
- キュゥべえ: ああ、キミも気をつけて
- まばゆ: (さーてと、魔女の結界は…)
- まばゆ: ――!
- まばゆ: (この気配は…!)
- FILENAME: text_903115-030.txt
- まばゆ: (いた…!)
- まばゆ: (暁美さんも鹿目さんも 合流してますね)
- ほむら: …………
- ほむら: あの…巴さん
- マミ: なに?
- ほむら: 昨日は…足を引っ張って すみませんでした
- マミ: 気にしなくて良いわ 私たち仲間でしょう?
- ほむら: でも、私…
- まどか: ほむらちゃん…大丈夫?
- ほむら: …………
- マミ: 暁美さん
- マミ: 確かに、隠し事をされるのは 気分のいいものじゃないわ
- マミ: できることなら全てを 明かしてもらいたい
- マミ: 明かしてもらって 皆と一緒に悩みたい…
- マミ: 私だって、そう思うわよ
- ほむら: 巴さん…
- マミ: でもね
- マミ: あなたは、私よりもずっと 苦しんでいるはずよ
- マミ: 記憶は都合良く、消えてくれない
- マミ: 一度口にしてしまったら その言葉は、呪いになるわ
- マミ: 私に真実を隠し続けるのは その呪いを恐れているのね?
- ほむら: …そうかも、しれません
- マミ: だったら中途半端は禁物
- マミ: 正しいときに、正しい形で 真実を伝えてくれると嬉しいわ
- マミ: あなたなら、きっとできる
- ほむら: 巴さん…
- ほむら: あ、ありがとうございます!
- マミ: あはは、気にしないで
- マミ: 私…こういうふうに、待つのは 慣れてるから
- まばゆ: (す…すごいですね、巴さん)
- まばゆ: (全てを見越しているような すでに悟ったかのような…)
- まばゆ: (マミパイセン、カッコいい!)
- まばゆ: (いや、一応同級生ですけど)
- マミ: さあ、みんな! 準備はいいわね?
- まどか&ほむら: はいっ!
- マミ: はっ!
- まどか: やっ!
- まばゆ: (ううむ…相変わらず 息の合ったコンビですね…)
- まばゆ: (…と、奥から来たのは)
- ほむら: 巴さん!
- マミの声: なに、暁美さん!?
- ほむら: アレは近づいちゃだめです!
- ほむら: 援護、お願いします!
- マミ: …わかったわ!
- まどか: ほむらちゃん、気をつけて!
- ほむら: 行きます!
- カチッ
- ほむら: まだ、本当のことは 伝えられないけど…
- ほむら: でもいつかきっと、私を 信じてもらえるように!
- ほむら: えいっ!!
- カチッ
- ほむら: よし…!
- まどか: やった、ほむらちゃん!
- マミ: 助かったわ、暁美さん
- マミ: この調子で、これからも 魔女退治、続けていきましょう
- ほむら: はいっ!
- FILENAME: text_903116-020.txt [Day 16]
- ほむら: 巴さんは…私の言葉 信じてくれると思いますか?
- まどか: わたし、時々思うんだ
- まどか: マミさんも 怖いんじゃないかって
- ほむら: 怖い…?
- まどか: うん
- まどか: マミさんは、かっこよくて 強くて、やさしいけど…
- まどか: ホントはちょっと さびしいのかなって
- まどか: だから、もしもほむらちゃんから 未来の話を聞いたら…
- まどか: きっと、すごく 苦しむだろうなって
- ほむら: …そうかも、しれないね
- まどか: ほむらちゃん
- ほむら: 鹿目さん…
- まどか: 一緒に、がんばろうね
- ほむら: うん!
- まどか: それじゃ、また明日!
- ほむら: また明日!さよなら!
- まばゆ: (今日は、巴さんのところで 打ち合わせをしただけ…)
- まばゆ: (ここで別れるということは 今日は魔女の襲撃は…)
- ほむら: あれ…志筑さん?
- 仁美: …………
- まばゆ: (シカト!?暁美さんを まるっきり無視しました!?)
- まばゆ: (いやー、ビビるわー)
- まばゆ: (私があんな態度されたら ショックで寝込む…)
- ほむら: ――――!
- ほむら: 志筑さん? あの、志筑さん…!
- 仁美: …あら暁美さん ごきげんよう
- ほむら: どうしたんですか? こんな時間に、どこに…
- 仁美: どこってそれは…
- 仁美: ここよりもずっと いい場所、ですわ
- ほむら: 志筑さん…
- 仁美: ああ、そうだ 暁美さんもぜひご一緒に
- 仁美: ええそうですわ それがすばらしいですわ
- ほむら: どうしよう…これってまさか…
- まばゆ: (あ…あれ?)
- まばゆ: (そういえば、志筑さんの 首のところ、ヘンな印が…)
- まばゆ: (むむ?むむむむむむ?)
- FILENAME: text_903116-030.txt
- …………
- …………
- まばゆ: (色んなところから 人が集まってきて…)
- まばゆ: (みんな、首にあの印がある)
- まばゆ: (これって…魔女の仕業?)
- ほむら: どうしよう…
- まばゆ: (でも、暁美さんも 焦っているってことは…)
- まばゆ: (たぶん、前の周では 経験しなかった出来事ですね)
- そうだよ 俺ぁ駄目なんだ…
- こんな小さな工場ひとつ 満足に切り盛りできなかった
- 今みたいな時代にさ、俺の居場所 なんてあるわけねぇんだよな…
- まばゆ: (あ、あれは…!)
- まばゆ: (いわゆる、「混ぜるな危険」 って洗剤じゃないですか!)
- まばゆ: (あんな大量に用意して…)
- まばゆ: (「ここよりずっといい場所」 って、もしかして…!?)
- ほむら: だ、だめ!
- ほむら: やめてください! そんなことしたら…
- 仁美: 邪魔してはいけません
- ほむら: ぁっ!
- まばゆ: (ぶった!?)
- 仁美: あれは神聖な儀式ですのよ
- 仁美: そう…私たちはこれからみんなで 素晴らしい世界へ旅に出ますの
- 仁美: それがどんなに素敵なことか わかりませんか?
- 仁美: 生きている体なんて 邪魔なだけですわ
- 仁美: 暁美さん、あなたもその体には 悩まされてきたのではなくって?
- ほむら: 離してくださいっ!! こんなことしたら、だめですっ!
- バシャ…
- 仁美: 私たちを…邪魔、するんですか?
- …………
- …………
- ほむら: こ、こうなったら…
- まばゆ: (時間を止めれば 暁美さんは逃げられる)
- まばゆ: (でもそうしたら 志筑さんたちは魔女の犠牲に…)
- ほむら: ――――!
- ほむら: 見つけた!
- まばゆ: (あれは…魔女の結界?)
- まばゆ: (って、もしかして…)
- ほむら: 助けを呼んでる時間はない
- ほむら: けど…ここでこの人たちを 見捨てるわけにはいかない
- ほむら: 私ひとりで、やるしか…ない!
- まばゆ: (無茶ですよ!ひとりで戦える 相手じゃないでしょ!)
- まばゆ: (ううう…ど、どうしよう?)
- まばゆ: (だれか、助けを呼びにいく? それとも…助けに…)
- まばゆ: (いやいやいやいや!)
- まばゆ: (私だって、五十歩百歩だし… 魔女と戦うなんて、そんな…)
- まばゆ: (むしろ暁美さんより 何もできない、足手まとい…)
- まばゆ: (でも、だからといって このまま逃げ出す…?)
- まばゆ: …………
- まばゆ: …ええいっ!私のバカ!
- まばゆ: (やっぱり、暁美さんを 見捨てるわけには…)
- さやか: ッ!
- まばゆ: !?
- まばゆ: (あ…あれ?)
- まばゆ: (い、今、結界に飛び込んだの もしかして…!)
- まばゆ: ええいっ!
- ほむら: きゃっ!
- ほむら: だ、だめ…手下が邪魔で… 近づけない…
- ほむら: 爆弾の数は、限られてるのに…
- バサッ
- さやか: …………
- ほむら: !?
- ほむら: 美樹さん…?
- さやか: 下がってて
- まばゆ: (やっぱり、美樹さやかさん… 魔法少女になってる…?)
- さやか: …いくよ
- さやか: これで…トドメだあっ!
- まばゆ: (すごい…)
- まばゆ: (あっという間に倒しちゃった)
- ほむら: 美樹さん…どうして…?
- ほむら: あなた、魔法少女には ならないって…
- さやか: おっと?それが命の恩人に 真っ先にいう言葉?
- ほむら: あ…ありがとうございます
- ほむら: でも、なんで…?
- さやか: この惨状を見ればわかるでしょ 転校生
- さやか: こんなんじゃ、まどかの命は 預けられないよ
- ほむら: それは、でも…
- さやか: あたしが駆けつけなかったら 仁美だって死んでたかもよ
- さやか: それ、わかってる?
- ほむら: …………
- さやか: さ、いつまでもこの人たちを このままにはしておけないよ
- さやか: ガスもちょっと 吸い込んじゃってるみたいだし
- さやか: はやく、救急車を呼ぼう
- ほむら: は、はい
- FILENAME: text_903117-020.txt [Day 17]
- まどか: こんにちは
- ほむら: 失礼します
- さやか: 仁美、具合はどう?
- 仁美: あら…
- 仁美: 3人揃って、わざわざ お見舞いに?
- 仁美: ご心配おかけして、すみません
- さやか: いーのいーの、あたしたちの 心配なんて安いもんなんだから
- まどか: 体の具合は、大丈夫なの?
- 仁美: ええ、少しガスにあたった だけで済みましたから…
- 仁美: 暁美さんが、見つけてくれた おかげですわ
- ほむら: い、いえ 私はなにも…
- 仁美: でも、なんだか記憶が曖昧で
- 仁美: 同じような症状の人も大勢いて お医者様は集団幻覚だとか何とか
- 仁美: しばらく治療をしながら 精密検査をするみたいですわ
- 仁美: ああ…面倒臭いわ
- まどか: いつも習い事が忙しいんだし いっそゆっくり休んだらどう?
- 仁美: 休めるわけありませんわ
- 仁美: 家の者が私を心配して ひっきりなしに見舞いに来ますし
- さやか: あー、確かに冷蔵庫に デザートがいっぱい…
- まばゆ: (あ、うちのケーキも ありますね)
- 仁美: この調子じゃあ、退院した時には 肥満体になってしまいますわ…
- まどか: そ…そうかもしれないね
- さやか: でも、ちょっと肉付きがいい方が 男子は好きって話もあるよぉ?
- 仁美: も…もう! 茶化さないでくださいまし!
- さやか: あははは…ごめんごめん!
- ほむら: …………
- ほむら: あ…あの…
- 仁美: はい?
- ほむら: 本当に、すみませんでした!
- まどか: ほむらちゃん、大丈夫?
- ほむら: う…うん
- ほむら: でも…私がもっとはやく 事件に気づいていれば…
- さやか: あのさー、転校生 もうちょっと考えなよ
- さやか: 仁美からしたら、あんたは 命の恩人なんだからさ
- さやか: 必死に謝られたって 意味わかんないよ?
- ほむら: あ…はい そうですよね…
- まどか: ほら、元気出そう?
- まどか: ほむらちゃんの力で、もっと 人を救っちゃえばいいんだよ!
- ほむら: あ…あの…
- ほむら: だったら、今すぐ パトロールに行きませんか?
- まどか: えっ、マミさん抜きで?
- さやか: いいじゃんいいじゃん
- さやか: 昨日の魔女だって なんとかなったんだから
- さやか: あたしたちだけでも戦えるって マミさんを安心させてあげないと
- ほむら: 鹿目さんも、お願いします!
- FILENAME: text_903117-030.txt
- さやか: パトロール、パトロール
- さやか: あたしたちは正義の味方 世のため人のため…ってね
- まどか: …ほむらちゃん
- ほむら: …あ…はい
- まどか: …今日は、前の周で、 …魔女が現れた日なの?
- ほむら: …はい、そうです
- ほむら: …前の周では、邪魔がはいって …逃がしてしまったんですが…
- さやかの声: ちょっとー、ふたりとも なにコソコソ話してるのさー?
- まどか: あっ、ううん 別になにも…
- さやか: ふぅん…
- まばゆ: (暁美さんは、まだ前周の 記憶があることを隠したまま…)
- まばゆ: (美樹さんがなんで魔法少女に なったのかも謎だし…)
- まばゆ: (まあ、秘密にしておくのも わからなくはないですか)
- まばゆ: (それにしても…)
- ほむら: …………
- まばゆ: (暁美さん、パトロールなんて ずいぶん気負っていますね)
- まばゆ: (彼女、前の周の記憶も 持っているわけですし…)
- まばゆ: (友だちが怪我を負うことに責任を 感じるのもわかりますが…)
- まばゆ: (しかし、それを 言いだしたら…)
- ほむら: …鹿目さん、こっちです
- まどか: あ…ソウルジェムに、反応がある
- まどか: ここだ…
- キュゥべえ: …………
- さやか: 使い魔?残念 せっかくの見せ場なのにさ
- ほむら: 魔女も使い魔も、人間に危害を 加えるのには変わりありません
- さやか: わかってるって
- さやか: !!
- ほむら: いた!
- まどか: みんな、逃げられる前に!
- ほむら: はい!
- さやか: 任せて!
- さやか: はっ!
- まどか: やあっ!
- まばゆ: (お、ナイスコンビネーション)
- まばゆ: (近距離と遠距離で 役割分担もバッチリで…)
- まばゆ: (これならホントに、巴さんが いなくてもなんとかなるかも)
- ほむら: あとは私が…
- 杏子の声: ちょっとちょっと!
- 杏子: 何やってんのさ あんたたち
- ほむら: …!
- まばゆ: (佐倉さん…!)
- ほむら: あ…逃がしちゃう!
- さやか: ――っ!
- さやか: っ!?
- 杏子: 見てわかんないの? あれ魔女じゃなくて使い魔だよ
- 杏子: グリーフシードを 持ってるわけないじゃん
- さやか: だってあれ放っといたら 誰かが殺されるのよ!
- 杏子: だからさ…
- 杏子: 4、5人ばかり喰って 魔女になるまで待てっての
- 杏子: そうすりゃちゃんと グリーフシードも孕むんだからさ
- 杏子: あんた卵産む前のニワトリ 絞めてどーすんのさ
- まばゆ: (なるほど そういう考え方も…)
- カチッ
- ほむら: だめ…!
- ほむら: 前回は、逃がしちゃったけど… 今回はちゃんと、倒しきる!
- カチッ
- 杏子: な…!?
- さやか: わわわっ!
- まどか: ほむらちゃん?
- ほむら: なんとか…間に合った
- ほむら: ひっ…
- 杏子: 今のは、あんたの手品かい?
- ほむら: 逃がすだなんて そんなの…だめです…
- ほむら: あれを放っておいたら 人が殺されるんです
- 杏子: まさかとは思うけど やれ人助けだの正義だの…
- 杏子: その手のおちゃらけた冗談 かますために…
- 杏子: あいつと契約したわけじゃ ないよね?あんたたち
- さやか: だったら…なんだってのよ!
- 杏子: ちょっとさぁ、やめてくれない?
- さやか: うぐぐ…うう…
- 杏子: 遊び半分で 首突っ込まれるのってさぁ…
- 杏子: ほんとムカつくんだわ
- さやか: ああっ!
- 杏子: ハッ!
- ほむら: だめっ!
- カチッ
- ほむら: 前みたいに マミさんはいないから…
- ほむら: 私が、戦いを止めなきゃ!
- まばゆ: (あ…あれ?)
- まばゆ: (待って下さい、暁美さん!)
- まばゆ: (美樹さん、今、単に 吹き飛ばされたんじゃなくて…)
- カチッ
- ほむら: いけっ!
- さやか: でやああっ!!
- まばゆ: (やっぱり、やられたフリ…)
- 杏子: くぅっ!
- さやか: あぐっ!
- ほむら: !?
- ほむら: そんな…
- まどか: さやかちゃんっ!
- まばゆ: (爆発に、美樹さんも 巻き込まれた…)
- 杏子: ちぃっ!またさっきの手品かよ
- 杏子: 臆病者ヅラしといて、味方の 犠牲も厭わないなんてね
- ほむら: ち、違う!今のは事故で…
- 杏子: さあて、どうだか
- 杏子: 手札も見えず、多勢に無勢…
- 杏子: …今日のところは 降りさせてもらうよ
- ほむら: ちがう、私は…
- まどか: さやかちゃん! さやかちゃんっ!
- さやか: っ、いたたたたた…
- まどか: さ、さやかちゃん…大丈夫?
- さやか: あー、びっくりしたー 死ぬかと思ったー
- キュゥべえ: …………
- さやか: へぇ…この力、あたしの 「癒やしの祈り」のおかげ、か…
- ほむら: あ、あの…美樹さん ごめんなさい!
- ほむら: 私、まさかあそこから 飛び込むとは思わなくて…
- さやか: …ふうん
- さやか: 敵の動きは予想できるのに 味方の動きはわかんないんだ?
- ほむら: え、あの…それは…
- ほむら: ごめんなさい…
- ほむら: 佐倉さんの動きを見るのに 精一杯で…
- さやか: 佐倉さん…?
- まどか: あ…
- さやか: それって、さっきの 赤いヤツの名前?
- さやか: どうして、知ってるの?
- ほむら: え、えっと…
- さやか: 転校生、あんた何か 隠し事してるよね?
- ほむら: そ、それは…
- さやか: あたし、そんな人間に 自分の命は預けられない
- さやか: 一緒に戦いたいなら ちゃんと真実を言って
- ほむら: …………
- ほむら: …わかりました
- まどか: ほむらちゃん…
- ほむら: でも…どうやって話すか ちゃんと考えたいから
- ほむら: 一晩だけ、時間を下さい
- ほむら: それと…
- さやか: それと?
- ほむら: 巴さんにも話したいから
- ほむら: 鹿目さん、美樹さん、巴さんと 私の、4人だけで集まりましょう
- さやか: わかった
- さやか: 明日は腹の内、しっかり聞かせて もらおうじゃないの
- FILENAME: text_903118-020.txt [Day 18]
- ほむら: …………
- まどか: …………
- マミ: …………
- さやか: …………
- まばゆ: (キュゥべえ抜きで全員集合…)
- まばゆ: (なかなか 緊張感がありますね)
- さやか: で、転校生
- さやか: あんたの隠し事っていうのは 一体何なの?
- ほむら: …………
- まどか: …ほむらちゃん?
- ほむら: …うん
- ほむら: みなさん 私に触っていてもらえますか?
- マミ: 触る?
- さやか: …なんで?
- ほむら: 私の爆発の魔法の秘密を お見せします
- さやか: …ふぅん
- ほむら: 準備は良いですね?
- マミ: ええ
- さやか: いいよ
- カチッ
- さやか: …あれ?
- マミ: 時間が、止まってる…?
- ほむら: はい
- ほむら: 私の魔法は、時間を操るものです
- ほむら: あの爆発も、止まった時間の中で 爆弾を投げ込んでいます
- さやか: ふぅん、そういうことか
- マミ: だから、使い方に融通が 効かなかったのね
- さやか: で、それが どうしたっていうの?
- さやか: 確かにすごい魔法だけどさ
- さやか: わざわざ隠すほどの ことじゃないでしょう
- ほむら: 時間を操れるって言うのは 止められるだけじゃなくて…
- ほむら: この砂時計が落ちきったとき 時間を巻き戻すことができる
- ほむら: 1ヶ月前から、同じ時間を 繰り返す事ができて…
- ほむら: この日を経験するのは 今で、3回目なんです
- さやか: 時間を巻き戻せる…?
- マミ: タイムトラベラー ってことかしら?
- ほむら: わかりやすく言うと そうなるかと思います
- カチッ
- まどか: ほむらちゃんは前の周の記憶で 魔女の居場所を当てたり…
- まどか: それから、相手の弱点を 教えてくれたりしたんだよね
- さやか: で、まどか以外にはそれを 隠していた、と
- ほむら: それは、キュゥべえに 知られたくなかったから…
- マミ: 暁美さん、どうしてあなたは そんなにキュゥべえを恐れるの?
- ほむら: それは…
- ほむら: キュゥべえが私たちを 騙しているからです
- さやか: 騙してる?キュゥべえが?
- ほむら: はい、魔法を使うにつれて ソウルジェムは濁っていきます
- ほむら: それが限界を迎えたとき…
- ほむら: 魔法少女は、魔女になる
- さやか: …………は?
- ほむら: 私たちが戦っていた魔女の正体は かつての魔法少女です
- まどか: そんな…
- ほむら: キュゥべえは…私たちを 魔女に変えようとしてるんです!
- さやか: …………
- ほむら: …………
- まばゆ: (魔法少女が、魔女になる?)
- まばゆ: (ちょっと、待って下さい 衝撃的すぎるんですけど)
- まばゆ: (ってことは…キュゥべえが 契約を薦めるのって…)
- まばゆ: (いわゆる、マッチポンプって ことじゃないですか!)
- まばゆ: (で、で、ですよ!?)
- まばゆ: (ソウルジェムが濁れば…私も 魔女になっちゃうんですか!?)
- マミ: 残念だけれど すぐには、信じられないわね
- ほむら: 巴さん…!
- マミ: 暁美さんの言っていること 一応筋は通るけれども…
- マミ: 過去の記憶が本物だってこと 私たちには証明できないし…
- マミ: キュゥべえが私たちに 協力してくれてるのは事実よ
- ほむら: それは…今は、そう見えるかも しれないけど…でも…
- さやか: …………あのさぁ
- さやか: キュゥべえがそんな嘘ついて 一体何の得があるわけ?
- ほむら: それは…
- さやか: あたしたちに妙なこと吹き込んで 仲間割れでもさせたいの?
- さやか: まさかあんた本当は…
- さやか: あの杏子とかいうヤツと グルなんじゃないでしょうね
- ほむら: ち、違うわ!
- まどか: さやかちゃん… それこそ仲間割れだよ
- さやか: どっちにしろ、あたしこの子と チーム組むのは反対だわ
- さやか: まどかやマミさんは飛び道具 だから平気だろうけど…
- さやか: いきなり目の前で爆発とか ちょっと勘弁して欲しいんだよね
- さやか: 何度巻き込まれそうに なったことか…
- マミ: 暁美さんには爆弾以外の 武器ってないのかしら?
- ほむら: …ちょっと考えてみます
- マミ: それじゃあ、私の方からも 話させてもらっていいかしら?
- マミ: 昨日、あなたたちが戦った 佐倉杏子さんなんだけれど…
- まどか: マミさん、あの人のこと 知ってるんですか?
- マミ: ええ、ずいぶん前に 一緒に戦っていたことがあるわ
- マミ: 今は…意見のすれ違いがあって 別れてしまったけど
- さやか: 当然ですよ、あんなヤツと 話が合うわけないし
- マミ: 今までずっと別の町に いたはずだけれども…
- マミ: もしかしたら、縄張りを 見滝原に移したのかもしれないわ
- マミ: 下手をしたら、グリーフシードの 奪い合いになるかもしれない
- まどか: 話し合いは…無理でしょうか?
- マミ: やってはみるつもりよ でも、上手く行くかどうか…
- さやか: わかり合えるとは思えませんけど
- マミ: 彼女は今までひとりで魔女と やり合ってきたベテランよ
- マミ: 挑発されても ひとりでは張り合わないようにね
- まどか: はい
- ほむら: わかりました
- さやか: …………
- マミ: それじゃ、今日の会議は終わり
- マミ: みんな、何かあったらすぐに 私に連絡してちょうだいね
- FILENAME: text_903118-030.txt
- キュゥべえ: …………
- まばゆ: …………
- キュゥべえ: …………
- まばゆ: …………
- まばゆ: (さてさて…)
- まばゆ: (キュゥべえに今日のこと 話していいものか…)
- まばゆ: (こいつが魔法少女を騙して いるなら、私も被害者…?)
- まばゆ: (いや、でもそもそも私の 契約の経緯もわかりませんし…)
- まばゆ: (敵か、味方か…)
- まばゆ: (いや、でも…このまま 傍観者でいるわけには…)
- キュゥべえ: 暁美ほむらは、ボクを敵だと 疑っているのかい?
- まばゆ: え…いや、それは…
- キュゥべえ: 大方、魔女の正体をマミたちに 共有したというところかな
- まばゆ: ど、どうしてそれを…!
- キュゥべえ: 単純な推論さ
- キュゥべえ: ボクたちと人間の思考回路は違う
- キュゥべえ: これまでも、それで何度も 問題が起こったからね
- キュゥべえ: 暁美ほむらがもし世界を やり直しているとして…
- キュゥべえ: ボクに恨みを抱くとすれば 恐らくその辺りが原因だろう
- まばゆ: …なんか、迷って損した
- まばゆ: そうです、暁美さんは 魔法少女が魔女になるって
- まばゆ: あれって…本当ですか?
- キュゥべえ: うん、事実だね
- まばゆ: それじゃあ、私もいずれ 魔女に…?
- キュゥべえ: 魔法の使用をセーブしているし 予備のグリーフシードもある
- キュゥべえ: だがいずれは ソウルジェムが濁りきるだろう
- まばゆ: その前に、グリーフシードを 新たに手に入れなきゃならない…
- まばゆ: で、どうして早くそれを言って くれなかったんですか?
- キュゥべえ: 聞かれなかったからさ
- まばゆ: …ま、あなたならそう言うと 思ってました
- まばゆ: というか、その態度が暁美さんの 不信を招いたんですしね…
- キュゥべえ: どうやら少しずつ相互理解が 深まってきたようだね
- まばゆ: (ヤな理解…)
- キュゥべえ: さて、キミはどうやって グリーフシードを手に入れる?
- まばゆ: 巴さんたちの 仲間になる…とか?
- キュゥべえ: 佐倉杏子を見ただろう? グリーフシードの数は限られる
- キュゥべえ: マミたちに協力しても 分けてもらえる保証はない
- キュゥべえ: むしろ邪魔者だと判断されて 排除されてしまうかもしれない
- まばゆ: ですよねー
- まばゆ: まして私、目の敵にされてる みたいですもん
- まばゆ: 理由はわかんないですけど
- キュゥべえ: もし、自分の存在を交渉材料に したいなら…
- キュゥべえ: キミ自身のことを知って、魔法が 上達してからでも遅くはない
- まばゆ: …はぁ
- まばゆ: それってつまり、自分に情報を 寄越せってことですよね?
- キュゥべえ: ボクはただ、お互いに利益のある 提案をしているだけさ
- キュゥべえ: 不確定要素を減らしたいのは キミも同じだろう?
- まばゆ: …そうですね
- まばゆ: 考えておきます
- FILENAME: text_903119-010.txt [Day 19]
- まばゆ: (キュゥべえは、情報が欲しいと 訴えてきましたが…)
- まばゆ: (はてさて、どうしたものか)
- まばゆ: (アイツの性格からいって なにか企んでそうですよね)
- まばゆ: (相変わらず悪意はないんで しょうけど)
- まばゆ: (ただ確かに、今の私は戦えない 役立たずですし…)
- まばゆ: (である以上、情報収集は 生命線であるはずです)
- まばゆ: (決断の前に、さらに細かく データを集めて…)
- カランカラン
- まばゆ: いらっしゃいま…せ!?
- まどか: わあっ!新作がいっぱい
- ほむら: どれも美味しそう…
- まばゆ: (獲物が向こうから やってきた!)
- ほむら: 志筑さんは、どんな食べ物が 好きとか、あるかな?
- まどか: んー、そうだなぁ
- まどか: お家で色んなデザートを 食べてそうだし…
- まどか: 難しいことを考えずに、自分が 食べたいものでもいいのかも
- ほむら: 自分が食べたいもの…
- ほむら: 入院中、食べたかったものと 言えば…ええと…
- ほむら: ローカロリーのケーキ、かな
- まどか: あああ…それは確かに
- まどか: 仁美ちゃんも、太りそうって 気にしてたからね
- ほむら: やっぱり、お詫びのケーキは やめた方がいいかな…
- まどか: えっ、そんなことないよ!
- まどか: ケーキは大事だよ!
- ほむら: でも、カロリーが…
- まどか: ローカロリーだったら 大丈夫!
- まどか: たぶん…
- ほむら: あの…店員さん
- まばゆ: は、はいっ!
- ほむら: カロリー控えめのケーキって ありますか?
- まばゆ: え、えっと…少し待って いただけますか?
- まばゆ: 咲笑さーん!
- 咲笑: はーい
- 咲笑: うふふふふ、カロリー控えめ ケーキをお探しね?
- 咲笑: 一番のオススメは、この シフォンケーキ!
- 咲笑: メレンゲをしっかり作って あるから、オイルも控えめ
- 咲笑: メープルシロップの甘い 香りが楽しめるわよ~?
- ほむら: あ…はいっ、それじゃあ シフォンケーキでお願いします!
- 咲笑: はい、お買い上げ ありがとうございま~す
- まばゆ: (志筑さんへのお見舞い… ということですよね)
- まばゆ: (これからふたりで 病院に行くんですね)
- まばゆ: (それじゃあ私も 後を追いかけて…)
- 咲笑: まばゆちゃん!
- まばゆ: あっ、は、はい!
- 咲笑: ほら、ボーッとしない カフェの注文たまってるわよ?
- まばゆ: あ…は、はい…
- まばゆ: (ぐぬう…ラテアート ビミョーに評判なんですよね)
- まばゆ: (早くお店を上がって 追いかけたいのに…うう…)
- FILENAME: text_903119-020.txt
- まばゆ: (ふぅ…やっと、終わった)
- まばゆ: (さすがにもう、お見舞いは 終わってるかもしれませんが…)
- まばゆ: (この近くで魔女退治を している可能性だってある)
- まばゆ: (とにもかくにも病院に…)
- さやか: …………
- まばゆ: !
- まばゆ: (あ、あれは…美樹さん?)
- まばゆ: (でも、なんか…)
- さやか: …………
- まばゆ: (すごく落ち込んでるような)
- まばゆ: (今、病院からひとりで 出てきましたよね…?)
- まばゆ: (暁美さんたちと一緒に お見舞いに行ったんじゃ…?)
- まばゆ: (…病室に行ってみましょう)
- まばゆ: (おじゃましまー…)
- まばゆ: (あ…あれ?)
- 恭介: ごちそうさまでした
- 仁美: 上条さん、ちょっとそのままで
- 恭介: え…?
- 仁美: お口の周りに、ケーキが ついていらっしゃいますわ
- 仁美: これでよし…と
- 恭介: あ…ありがとう
- 恭介: とっても美味しかったよ
- 仁美: いえいえ、ひとりでは 食べきれない量でしたから
- 仁美: お手伝いして下さって 助かりましたわ
- 恭介: 僕も、話し相手になってくれて 助かったよ
- 仁美: あの…もしよろしかったら これも何かの縁ですし…
- 仁美: もう少し、お話し相手に なって下さいませんか?
- まばゆ: (暁美さんも 鹿目さんもいない代わりに…)
- まばゆ: (なんか、ラブラブな空間が 繰り広げられている!)
- まばゆ: (どうやら私は お呼びでなさそうですね)
- FILENAME: text_903120-010.txt [Day 20]
- ほむら: 鹿目さん、ごめんね つきあってもらっちゃって
- まどか: ううん、全然
- まどか: 本当は、さやかちゃんも 誘いたかったんだけど…
- ほむら: 今日の美樹さん、なにか あったのかな?
- ほむら: ずっと考え事をしている みたいだったけれど…
- まどか: …やっぱり変だったよね
- まどか: 昨日、ひとりでパトロールを してたみたいだけど…
- まばゆ: (むむむ…?)
- まばゆ: (やっぱり、鹿目さんたちと お見舞いに行ったのではない…)
- まばゆ: (ということは、美樹さんは あの病院で何を…?)
- まどか: さやかちゃん、最近気負いすぎ かなって思うんだ
- まどか: 仲間がいるんだから、みんなで 助け合えればいいのにって
- ほむら: そう、だね…
- ほむら: そのためには、もっと 頼られるような私にならなきゃ
- まどか: 頼られる…?
- まばゆ: (何やら向かいのビルを 物色しているようですが…)
- ほむら: えっと…ここ、だよね
- ほむら: 鹿目さん、ちょっと 待っててもらえるかな
- まどか: ほむらちゃん? このビルって…?
- ほむら: …あとで、話すね
- まばゆ: (いやいやいや! あとで…とか言ってますけど)
- まばゆ: (あの建物って、確か… 組同士の抗争がナントカって…)
- まばゆ: (ネットでも話題になっていた ような…まさか…)
- まばゆ: (おっ、時間が止まりましたね)
- まばゆ: (と、いうことは…)
- まばゆ: マジですか…
- まばゆ: (ほ、ほんとに暁美さん… 事務所の中に忍びこんで…)
- まばゆ: (拳銃を、盗み出してる…!?)
- まばゆ: (いやいや、拳銃どころか! 物騒な銃火器が大量に…)
- まばゆ: 見かけによらず、大胆…!!
- まばゆ: でも…
- まばゆ: 暁美さん、そこまでして 自分を信頼してもらいたいんだ
- FILENAME: text_903121-020.txt [Day 21]
- まばゆ: (暁美さんも鹿目さんも 自分に何ができるかを考えてる)
- まばゆ: (でも…私は一体何が できるんでしょうか?)
- まばゆ: (このまま、傍観者で いいのかなあ…)
- まばゆ: (せめて、自分の力がわかれば いいんですけど)
- まばゆ: (今の私じゃ… 足手まといにしかならない)
- まばゆ: (魔法を節約してるし グリーフシードもあるから…)
- まばゆ: (まだ、ソウルジェムは 大丈夫ですが…)
- まばゆ: (でも、いつまでもこのままと いうわけにはいきません)
- まばゆ: (私でも、グリーフシードに ありつける方法はないですかね)
- まばゆ: (なんかこう… 漁夫の利、みたいな?)
- まばゆ: あ、あれ?
- まばゆ: この音って、もしかして…
- 杏子の声: でやあああっ!!
- マミの声: ティロ・フィナーレ!!
- 杏子: …………
- マミ: …………
- まばゆ: (巴さんと…佐倉さん?)
- まばゆ: (グリーフシードを挟んで 向き合って…)
- まばゆ: (奪い合うつもりですか…!?)
- マミ: ずいぶんと、腕を上げたみたいね
- 杏子: あんたはずいぶん 腑抜けちまったな
- 杏子: ズラズラ子分を引き連れて ノンキにご隠居気分かい?
- 杏子: 以前のあんたなら もっとシャンとしてたはずだよ
- マミ: …言ってくれるわね
- マミ: それが、あなたがこの町に 現れた理由?
- 杏子: 葱背負ったカモをみすみす見逃す 間抜けじゃないさ
- 杏子: それに、あんたの教育で道を踏み 外す後輩は、見てらんなくてね
- マミ: どういう意味かしら?
- 杏子: 美樹さやか…あいつ もう限界だよ
- マミ: え…でも…
- 杏子: おいおい、気づいてないのかい どこまでモーロクしたんだよ
- 杏子: 夜中に抜け出して、片っ端から 使い魔を退治して回ってる
- 杏子: いくら倒しても、グリーフシード なんて落としやしないのに
- マミ: …そうだったのね
- マミ: 最近様子がおかしいとは 思っていたけど…
- まばゆ: (確かに…)
- まばゆ: (病院ですれ違ったときも 雰囲気が全然違いました)
- マミ: でも、どうして急に…?
- 杏子: それは…
- 杏子: …………
- 杏子: あんたの正義の味方ごっこに つきあったせいさ
- 杏子: 他人の願いを叶えられるなんて 思い上がり、ヘドが出るね
- 杏子: 魔法少女は自分たちのために 生きるっきゃないのさ!
- マミ: …………
- マミ: ねえ、佐倉さん
- マミ: 魔力を使い果たした少女が どうなるか…知ってる?
- 杏子: は?
- マミ: ソウルジェムが濁りきったとき 魔法少女は…
- 杏子: 魔法が使えなくなって、死ぬ
- 杏子: …それ以外に、なんかあるか?
- マミ: 実際にそれを目にしたことは…
- 杏子: ないよ、あたしはあんたみたいに 子分とはつるまないからね
- マミ: …そう
- 杏子: それがなんだよ?
- マミ: ううん…なんでもないわ
- 杏子: なんでもなかねぇだろ 気持ち悪いな…
- 杏子: …あー、拍子抜けしちまった もういいや
- マミ: え…?
- 杏子: 今のあんたは、あたしが 憧れてた、巴マミじゃない
- 杏子: グリーフシードは譲る とっととさやかに使ってやんな
- 杏子: 次の勝負まで ちっとはまともになっとくんだね
- マミ: 佐倉さん…
- まばゆ: (あ…行っちゃった…)
- FILENAME: text_903122-050.txt [Day 22]
- まばゆ: あ…あの、咲笑さん!
- 咲笑: はいはい、夜の映画が 始まりそうなのね
- 咲笑: 今日はお客さんも少ないし 早引けしていいわよ
- まばゆ: ありがとうございますっ
- まばゆ: (この日です…)
- まばゆ: (前の周のこの日、私は…)
- マミ: 行くわよ!
- 杏子: 言われなくても!
- マミ: たぁっ!
- 杏子: ふんっ!
- まばゆ: (初めて魔法少女の戦いを見た)
- まばゆ: (暁美さんは記憶を辿って あの場所に向かうはず…!)
- FILENAME: text_903122-060.txt
- まばゆ: (…うん)
- まばゆ: (まだ、暁美さんたちは いないみたい)
- まばゆ: (あ、あれ…?)
- 結界からの声: はぁ…はぁ…
- まばゆ: (でも、結界の中から声が…)
- まばゆ: (この声って!)
- さやか: やあああああああっっ!!
- さやか: ハッ!!
- さやか: くぅぅっっ!!
- まばゆ: (美樹さん!?)
- まばゆ: (どうして、ひとりで 戦ってるんですか?)
- まばゆ: (しかも、あんな…)
- さやか: だあああああぁぁぁぁっ!!
- さやか: うああああっ!!
- まばゆ: (まるで自分から 傷つけられに行くみたいに…)
- さやか: やああああああ!
- さやか: あはは…
- さやか: ねえ、どうして? あたし、どうしちゃったの?
- さやか: どんどん、痛みが遠のいて…
- さやか: あたしは、もっと苦しまなきゃ ならないはずなのに…!!
- まどかの声: さやかちゃんっ!!
- マミの声: もういいわ、美樹さん!
- さやか: ――っ!?
- カチッ
- ほむら: 巴さんの言うとおりだ…
- ほむら: 美樹さん、ひとりで 魔女退治を続けたんだ…
- ほむら: だからソウルジェムが こんなに濁って…
- ほむら: あなたをひとりで戦わせたり なんかしない
- ほむら: 私は、あなたにだって頼られる 一人前の魔法少女になる!!
- カチャッ
- まばゆ: (暁美さん、盗んで来た銃器を 取り出して…)
- ほむら: えいっ!
- ほむら: やぁっ!
- ほむら: それっ!!
- まばゆ: (むむ…扱いが 手慣れていますね)
- まばゆ: (あれからひとりで 練習をしたに違いありません)
- ほむら: よし、これで…
- カチッ
- ほむら: やった!!
- さやか: …………
- さやか: 今の…あんたがやったの?
- ほむら: はい、これならもう 美樹さんの邪魔にはならない…
- さやか: 助けなんて要らなかった
- ほむら: え…
- マミ: 美樹さん
- さやか: 何?マミさん
- マミ: あなたのソウルジェム 見せてくれるかしら?
- さやか: …別に、いいですけど
- ほむら: …………
- まどか: そんな…
- まばゆ: (濁りが、すごい…)
- マミ: あなた最近、魔女や使い魔と ひとりで戦っているわね?
- さやか: あれれ?バレないように してたつもりなんだけど
- さやか: どこのお節介が告げ口したんだか
- マミ: グリーフシードを、使いなさい
- さやか: お断りします あたしが倒した魔女じゃないから
- まどか: そんなこと言わないで さやかちゃん!
- まどか: このままソウルジェムが 濁り続けたら…
- さやか: 魔女になるっていうの?
- さやか: まどかは、その転校生の言葉を 信じるんだね
- まどか: …うん
- さやか: ふぅん…そう
- さやか: マミさんはどう思いますか?
- さやか: 本当に、魔法少女が魔女に なるって?
- マミ: それは…
- さやか: あたしたちを仲間に引き込んで おいて、今更信じられませんよね
- マミ: …………
- ほむら: 貸して下さいっ!
- さやか: なっ!?
- さやか: ちょっと!なにするのっ!
- カチッ
- まばゆ: (あっ!暁美さん 美樹さんのソウルジェムを…)
- ほむら: ダメなの!
- ほむら: このまま魔法を使い続けたら あなたは魔女になる…!
- ほむら: だからもう、魔法少女になんて ならせない…!!
- まばゆ: (あー、走る走る…)
- まばゆ: (まあ、美樹さんのダッシュは 速いですからね)
- まばゆ: (距離をとるのも当然か)
- まばゆ: (おっ、時間が進み出した)
- さやか: …………
- マミ: ――ッ!!
- まどか: さやかちゃん…!?
- さやか: …………
- まばゆ: (あ…あれ?美樹さんが 急に倒れて…)
- マミ: 嘘…
- マミ: 美樹さんが、息をしてない
- まどか: え…?
- まどか: そんな、なにが…
- まどか: ほ、ほむらちゃん! ほむらちゃーん!どこなの!?
- まどか: さやかちゃんが、大変なの!!
- ほむら: ん…?
- ほむら: 今、鹿目さんの声…?
- まどかの声: さやかちゃんが 倒れちゃって…!
- ほむら: え…
- ほむら: でも私、なにも…
- ほむら: 引き返さなきゃ!
- まばゆ: (お…暁美さんが 戻ってきた…)
- まばゆ: (しかし…)
- まどか: さやかちゃん! しっかり…しっかりして…
- マミ: だめ…脈も止まっているわ でも、急にどうして…
- ほむら: そんな…! 急に、なんで…?
- ほむら: 私が…変身を、邪魔したから?
- さやか: …………
- さやか: ――――ッ!!
- まどか: えっ?
- マミ: 美樹さん!?
- まばゆ: (ソウルジェムが戻った途端 美樹さんが生き返った…!?)
- さやか: 転校生ッ! あたしのソウルジェムをよくもっ!
- ほむらの声: きゃっ!
- さやか: まったく、油断も隙も ないんだから…
- さやか: あんたのその能力 本当に厄介ね
- まどか: 待って、さやかちゃん!
- マミ: 美樹さん! あなた体は大丈夫?
- さやか: え?体って?
- まどか: 今、さやかちゃん…
- まどか: 息をしてなかったんだよ
- さやか: …………は?
- FILENAME: text_903123-010.txt [Day 23]
- ジリリリリリ!
- まばゆ: …………む
- まばゆ: もう、朝ですか…
- まばゆ: 結局、あんまり寝られなかった
- キュゥべえの声: また夜更かしをしたのかい?
- まばゆ: ようやく来ましたね キュゥべえ
- まばゆ: ちょっと、聞きたいことが あるんですけど…
- キュゥべえ: ソウルジェムについての 話かな?
- キュゥべえ: 昨日は、美樹さやかにも 同じことを聞かれたよ
- まばゆ: 話が早いですね 教えて下さい
- まばゆ: 美樹さんが急に 意識を失って…
- まばゆ: まるで、抜け殻みたいに なった理由
- キュゥべえ: みたい、じゃないよ
- キュゥべえ: まどかたちが心配していたのは さやかの抜け殻
- キュゥべえ: 本体は、ほむらが盗み出した ソウルジェムなのさ
- まばゆ: へ…?
- キュゥべえ: 壊れやすい人間の体のままで 魔女と戦えるわけがないだろう
- キュゥべえ: だから魔法少女との契約を 取り結ぶボクの役割は…
- キュゥべえ: キミたちの魂を抜き取って ソウルジェムに変えることなのさ
- まばゆ: …えっと
- まばゆ: ということは ソウルジェムが、私の本体?
- まばゆ: 私はもう、普通の人間じゃ ないってこと…ですか?
- キュゥべえ: その通りだね
- まばゆ: なるほど…
- まばゆ: なんか…妙な気分ですね
- まばゆ: 急に「お前は人間じゃない」 って言われても…
- まばゆ: 全然、実感が湧かないというか…
- まばゆ: 今まで生活してきて、特に 不自由も感じませんでしたし
- キュゥべえ: ああ、そうだろうね
- キュゥべえ: 魔力を用いれば 肉体の劣化からも解放される
- キュゥべえ: 特にデメリットは ないと思っているよ
- まばゆ: …まあ、今のところは そうやって受け取っておきます
- キュゥべえ: ところでまばゆ 聞いた話だと、確か今日は前に…
- キュゥべえ: キミが命を失った日だったね
- FILENAME: text_903123-020.txt
- まばゆ: (そうなんです)
- まばゆ: (前回私は、巴さんを 尾行して…)
- マミ: 私にこれ以上、近づかないで
- まばゆの声: え…
- マミ: じゃないと
- マミ: 私は、あなたを、殺すわ
- まばゆ: ッ!?
- まばゆ: (見つかってしまった私は 逃げ出して…)
- まばゆ: え…いや、だめ…
- まばゆ: だ、だれか…助けて、だれか…
- まばゆ: だれかああぁぁーっ!!
- まばゆ: (魔女の手下に 命を奪われてしまった)
- まばゆ: (最初は巴さんに襲われたのだと 勘違いしていたんですが)
- まばゆ: (あれはきっと、巴さんが 追いかけていた魔女で…)
- まばゆ: (私が勝手に、結界の中に 飛び込んだだけのはず…)
- まばゆ: (だから、下手に巴さんを 追いかけたりしなければ…)
- FILENAME: text_903123-040.txt
- まばゆ: (無事にデッドラインを超えた)
- まばゆ: (どうしても死の運命を 避けられない…!)
- まばゆ: (みたいな映画 結構ありますけど)
- まばゆ: (どうやら現実は、違う法則で 動いているみたいですね)
- まばゆ: (ただしここで新しい 問題がひとつ)
- まばゆ: (これまでは、前周の記憶が あったんですけど…)
- まばゆ: (ここから先は初見です)
- まばゆ: (危険な事件が起こらないと 良いんですけど…)
- まばゆ: (もう二度と、あんなに 痛い思いしたくないですし…)
- 咲笑: まばゆちゃん?
- まばゆ: あ…はい、なんですか
- 咲笑: あの子、知ってる?
- まばゆ: あ…美樹さん
- まばゆ: お店の前で、何を…?
- 咲笑: 最初はエイミーと 遊んでたみたいなんだけど…
- 咲笑: もうとっくに、エイミーは どこかに行っちゃって…
- 咲笑: それでもずっと、あそこに 座ってるのよね
- まばゆ: …ちょっと私、話してみますね
- まばゆ: あ、あの…こんばんは…
- さやか: …………
- まばゆ: 大丈夫、ですか…?
- さやか: ああ…店員さん
- まばゆ: なにか…具合が悪いとか…
- さやか: 体は全然問題ないよ
- さやか: ただちょっと…魂が濁り気味? みたいなかんじ?
- まばゆ: (ああ、そうでした…)
- まばゆ: (昨日は結局、グリーフシードを 使わないまま別れて…)
- まばゆ: (美樹さんのソウルジェムは 濁ったまま…)
- さやか: あたし、やっぱり、邪魔?
- まばゆ: あ、いえ、そういうわけじゃ ないんですけど…
- まばゆ: ただ、ちょっと心配だなって
- さやか: なんで?
- まばゆ: え…?
- さやか: あなたは、あたしのなんなの?
- さやか: 関係ないよね?関係ないのに なんで優しくしようとするの?
- さやか: 正義の味方にでもなったつもり?
- まばゆ: お、落ち着いて下さい…
- さやか: 見返りもなしに 他人の幸せを祈る?
- さやか: そんなの、できるわけないよ できるわけないのに…
- さやか: 子猫を救いたいって、それだけの 理由で自分の身を投げ出して…
- さやか: それでも、後悔はないって 笑えるんだよ
- さやか: あの子のそばにいること、 あたし、もう、耐えられない…
- まばゆ: …ちょっと、待ってて下さい!
- まばゆ: (美樹さん、おかしいです 1回ちゃんと、落ち着かないと)
- まばゆ: (こういう時は、温かい飲み物と あまーいお菓子で…)
- まばゆ: 美樹さん、お待たせしま…
- まばゆ: あ…いない…
- まばゆ: …………
- 咲笑: まばゆちゃん?
- まばゆ: あ、咲笑さん…!
- 咲笑: 今日は、早退する?
- まばゆ: あ…は、はい!
- まばゆ: お店、よろしくお願いします!
- FILENAME: text_903123-050.txt
- まばゆ: はぁっ…はぁっ…はぁっ…
- まばゆ: (美樹さん…どこですか?)
- まばゆ: (あなたのソウルジェムは 限界で…!)
- まばゆ: (このまま放置したら 暁美さんの言うとおり…)
- まばゆ: え…?
- まばゆ: この気配…まさか!
- まばゆ: 魔女の結界!
- マミ: そ、そんな…
- 杏子: テメェいったい何なんだ! さやかに何しやがったッ!
- まどか: さやかちゃんやめて! お願い、思い出して!
- まどか: こんなこと、さやかちゃんだって いやだったはずだよっ!
- まどか: あッ!
- まばゆ: (あの魔女が…美樹さん?)
- ほむら: っ!!
- カチッ
- まばゆ: (暁美さん!)
- ほむら: !
- ほむら: !
- ほむら: !
- まばゆ: (そんなことをしたら 美樹さんが…!)
- まばゆ: (なにか、他に方法は…!?)
- ほむら: …ごめん美樹さん
- まばゆ: (あ…)
- カチッ
- 杏子: さやか…
- 杏子: チクショウ! こんなことって…!
- まどか: ひどいよ… こんなのあんまりだよ…
- ほむら: …っ!
- まばゆ: (暁美さん…)
- まばゆ: (行動に、迷いがなかった)
- まばゆ: (もしかして… はじめてじゃ、ないのかな)
- ほむら: えっ!?
- まばゆ: (あれ?このリボンって…)
- 杏子: ――――
- ほむら: !!
- ほむら: 巴さん!?
- マミ: ソウルジェムが魔女を生むなら…
- マミ: みんな死ぬしかないじゃない! あなたも私も!
- ほむらの声: やめて…っ!
- マミ: …………
- まどか: …………
- まばゆ: (ああ…)
- まばゆ: (美樹さんも…佐倉さんも… 巴さんも…一気に…)
- まどか: イヤだ…もうイヤだよ こんなの…
- ほむら: 大丈夫だよ
- ほむら: ふたりでがんばろう
- ほむら: 一緒にワルプルギスの夜を倒そう
- まどか: …………
- まどか: うん
- ほむら: …………
- まばゆ: (ワルプルギスの…夜)
- まばゆ: (前に暁美さんが 言っていましたね…)
- まばゆ: (彼女が時間を巻き戻す きっかけになった魔女…か)
- FILENAME: text_903123-060.txt
- キュゥべえ: ワルプルギスの夜… なるほど、それなら納得だ
- まばゆ: あの…ワルプルギスの夜って なんなんです?
- キュゥべえ: とても危険な魔女だよ
- キュゥべえ: 今までも何度か姿を 見せたことがあるけれど…
- キュゥべえ: いまだかつて、どの魔法少女も 完全に倒すことはできなかった
- キュゥべえ: ひとりでは決して 太刀打ちできないだろうね
- まばゆ: …ふたりなら?
- キュゥべえ: 可能性がないとは言えないね
- キュゥべえ: だがもちろん、簡単に倒せる 魔女じゃない
- キュゥべえ: まどか、ほむら、マミ、さやか 杏子…それでも難しい相手だろう
- キュゥべえ: 今のほむらの力を見るに 分の良い戦いにはならないだろう
- まばゆ: …………
- キュゥべえ: キミも彼女の力に なりたいのかい?
- キュゥべえ: 残念だけど、オススメしないね
- まばゆ: どうしてですか?
- キュゥべえ: 自分の能力を知らない以上 キミはただの足手まといだ
- キュゥべえ: 限られたグリーフシードを 分け合えば、戦力が減る
- キュゥべえ: かえって勝率は下がるだろうね
- まばゆ: でも…
- キュゥべえ: キミは何故か暁美ほむらの 時間跳躍に巻き込まれている
- キュゥべえ: 焦る必要はないはずだよ、まばゆ
- キュゥべえ: キミならきっと、最適の 解を見つけ出せるはずだ
- FILENAME: text_903124-030.txt [Day 24]
- まどか: いくよっ、ほむらちゃん!
- ほむら: うんっ!
- まどか: やぁっ
- ほむら: えいっ!
- まばゆ: (暁美さんと鹿目さん ふたりで魔女と戦って…)
- まばゆ: (がんばってるけど、でも…)
- まどか: きゃぁっ!
- ほむら: 鹿目さんっ!時間を…
- まどか: 待って!
- まどか: 無駄遣いしなくても ちゃんと戦えるから…
- ほむら: でも…
- まどか: 魔法少女としては わたしの方が先輩だよ
- まどか: 囮の役目は、まかせて!
- ほむら: 鹿目さん…
- まどか: やぁっ!
- まどか: くっ!
- まどか: きゃっ!
- ほむら: 鹿目さん!
- まどか: まだだよっ!!
- まどか: さやかちゃんや マミさんの分も…
- まどか: わたしが、がんばらなきゃ!!
- まどか: 今だよ、ほむらちゃん!
- ほむら: うんっ!
- カチッ
- ほむら: はぁっ…はぁっ…はぁっ…
- まばゆ: (鹿目さんが切り拓いた道を 暁美さんが走って…)
- カチッ
- まどか: やった…倒した…
- まどか: ほむらちゃん、やったよ わたしたち、ふたりだけでも…
- ほむら: 鹿目さんッ!!
- ほむら: 怪我は?大丈夫? 痛いところがあったら…
- まどか: あ…ううん、大丈夫だよ ありがとう、ほむらちゃん
- ほむら: でも…一度戦っただけで ソウルジェムがこんなに…
- まどか: あははは…確かにちょっと 魔法を無駄遣いしちゃったかも
- まどか: でも、ちゃんと魔女を倒せたし
- まどか: この調子で、ワルプルギスの夜も やっつけちゃおう!
- ほむら: …うん
- まばゆ: (暁美さんの表情 曇って見えますね)
- まばゆ: (やはりふたりでは限界が…)
- まばゆ: (私が名乗り出て 協力するべき…なんですか?)
- まばゆ: (それとも…)
- FILENAME: text_903125-010.txt [Day 25]
- ほむら: あのね…鹿目さん
- ほむら: 相談があるの
- まどか: 相談?
- ほむら: ワルプルギスの夜まで あと1週間しかない
- ほむら: 全力で戦うためには、魔力を ためておく必要があるの
- ほむら: だから…その…
- まどか: …だめだよ、ほむらちゃん
- まどか: さやかちゃんもマミさんも 言ってたよ
- まどか: 例え使い魔でも、放っておけば 町の人に危険が及ぶって
- まどか: 見過ごすわけにはいかないよ?
- ほむら: 気持ちは、わかるわ でも…
- まどか: 大丈夫だよ、時間もあるし まだまだわたしたちは強くなれる
- まどか: 正義の味方、がんばろう?
- ほむら: 正義の味方…
- まどか: あっ!
- まどか: ソウルジェムに、反応だ! 行こう、ほむらちゃん!
- ほむら: は、はい…
- FILENAME: text_903125-020.txt
- まどか: ほむらちゃんっ!
- ほむら: うんっ!
- カチッ
- カチッ
- まどか: やった!
- ほむら: 鹿目さん!
- まどか: うん、平気平気
- まどか: わたしたち、だんだん 息が合ってきたね
- ほむら: そう…だね
- まどか: …心配?
- ほむら: それは…その…
- まどか: ほむらちゃん、お願い
- まどか: わたしを信じて
- ほむら: 鹿目さん…?
- まどか: 世界には、辛いことや 苦しいことがたくさんあるけど…
- まどか: でも、それに負けないくらい 嬉しいことや楽しいこともある
- まどか: 絶望があるとしても、きっと それと同じだけの希望もある
- まどか: 魔法少女なんだから きっと奇跡も起こせるよ!
- まばゆ: (鹿目さんの笑顔は あまりにも輝かしくて…)
- まばゆ: (私は思わず 顔を背けてしまいました)
- まばゆ: (だから…)
- まばゆ: (暁美さんがそれに どうやって答えたのか…)
- まばゆ: (私には、見えなかったんです)
- FILENAME: text_903131-010.txt [Day 31]
- まばゆ: (いよいよ明日は ワルプルギスの夜)
- まばゆ: (暁美さんと鹿目さんは ずっと対策を練ってきました)
- まばゆ: (使い魔や魔女を倒す効率も どんどん上がってきています)
- まばゆ: (ワルプルギスの夜がどれだけ 強いのかは知りませんが…)
- まばゆ: (今のふたりなら もしかしたら…)
- キュゥべえ: やあ、まばゆ 今日は映画を見ないのかい?
- まばゆ: キュゥべえ…
- キュゥべえ: それとも、焦る必要はないと 思っているのかな
- まばゆ: …どういう意味ですか?
- キュゥべえ: キミは結局、自分の正体を ほむらに告げなかった
- キュゥべえ: この1周を、観察することに 費やしたんだ
- キュゥべえ: また、この時間をやり直すことに なると思っているんだろう?
- まばゆ: …………
- まばゆ: …ええ、正解です
- まばゆ: 暁美さんは、これが3周目だと 言いました
- まばゆ: 私に1周目の記憶がないのは 謎ですが…
- まばゆ: 3周目があるなら、4周目も あると考えるのが妥当です
- まばゆ: もちろん、繰り返されないに 越したことはありませんが…
- まばゆ: 魔法少女は、ただでさえ 排他的ですから…
- まばゆ: 暁美さんに、下手に「敵」と 認識されるよりは、マシです
- まばゆ: ループすれば、グリーフシードも 復活するでしょうし
- キュゥべえ: 賢明な判断だよ
- キュゥべえ: だが、もしも無事に ワルプルギスの夜を倒したら?
- キュゥべえ: 時が巻き戻らなければ キミの在庫はなくなるだろう
- まばゆ: その時は正直に、申し出ますよ
- まばゆ: 確かに、敵と思われるリスクは ありますが…
- まばゆ: あんなバケモノになるなら 殺された方がマシです
- キュゥべえ: なるほど…確かにそれは 合理的な判断だ
- まばゆ: …あなたにそう言われても あんまり嬉しくないですね
- キュゥべえ: もし時間が巻き戻されたら
- キュゥべえ: ボクにまた事情を 話してくれるね?
- キュゥべえ: ワルプルギスの夜の出来事は きっとループする時間の鍵だ
- キュゥべえ: キミが魔法少女になったのも そこに原因があるかもしれない
- まばゆ: ええ、そうですね
- まばゆ: もしそうなったら、次の周で お会いしましょう、キュゥべえ
- キュゥべえ: ああ、よろしく頼むよ まばゆ
- FILENAME: text_903132-010.txt [Day 32]
- 「本日午前7時、突発的異常気象に 伴い避難指示が発令されました」
- 「付近にお住まいの皆さまは」
- 「速やかに最寄りの避難場所への 移動をお願いします」
- まばゆ: うひー、昨日までの天気予報じゃ 全然大丈夫だったのに…
- まばゆ: ほんとに来るんですね 異常気象…
- 咲笑の声: まばゆちゃーん 避難所、準備お願いねー
- まばゆ: はーい、準備できてるんで 先にいきますねー
- まばゆ: (嘘をついてごめんなさい 咲笑さん)
- まばゆ: (でも…)
- まばゆ: (今日だけは、ふたりを 見に行かないとダメなんです)
- まばゆ: (暁美さんの、決断を…!)
- FILENAME: text_903132-020.txt
- まばゆ: うそ…ですよね?
- まばゆ: あれが…ワルプルギスの夜?
- まばゆ: あんなのと… 戦うっていうんですか?
- まどか: やぁっ!!
- ほむら: ふんっ!!
- まどか: ほむらちゃん、一気に たたみかけるよ!
- ほむら: わかった!
- カチッ
- まどか: えいっ!
- まどか: 一本の矢は折れても…
- まどか: 三本の矢なら、折れないし…
- まどか: 三十本なら、三百本なら――
- まどか: 無数に集えば 無敵の矢になる!
- ほむら: 鹿目さん、もう…!
- まどか: まだ!まだ行けるよ!
- ほむら: でも、もう魔力が…
- まばゆ: (本当です…)
- まばゆ: (魔法の使いすぎで もう、ソウルジェムが…)
- まどか: 大丈夫! さやかちゃんも、マミさんも…
- まどか: 皆が守ろうとした町だもんっ!
- カチッ
- まばゆ: (ああ…すごい!)
- まばゆ: (停止した時間の中で 絡み合った鹿目さんの矢が…)
- まばゆ: (一点に凝縮されて ワルプルギスの夜に…!)
- まばゆ: (やった…!?)
- ほむら: そ、そんな… ちょっと、傷がついただけ…?
- まどか: 諦めるのはまだ早いよ ほむらちゃん
- ほむら: え…
- ほむら: 鹿目さん、だめ! もうあなたのソウルジェムは…
- まどか: 諦めちゃだめ だってわたしたち…
- まどか: 奇跡を起こす 魔法少女なんだよッ!
- まどか: たあああああっ!!
- まばゆ: (ああ…鹿目さんが 血路を開いていく…)
- ほむら: …………
- まばゆ: (暁美さん…)
- まばゆ: (どう、するんですか?)
- まばゆ: (あなたの魔力だって ほとんど残っていない)
- まばゆ: (だから、これは…)
- まばゆ: (ラストチャンス)
- まどかの声: やああああああっ!!
- ほむら: ――――!!
- ほむら: 鹿目さん!!
- ほむら: 今、行くわ!!
- まどか: ほむらちゃん!!
- ほむら: ――――っ!!
- カチッ
- まばゆ: (あ、止めた…)
- まばゆ: (暁美さん、最後の魔力を 鹿目さんのために…!)
- ほむら: 鹿目さん
- ほむら: ごめんね
- ほむら: 私、今まで迷ってた!
- ほむら: 巴さんも、美樹さんも 佐倉さんも死んじゃって…
- ほむら: こんなの、勝てるはずないって そう思ってた!
- ほむら: 使い魔を倒して、町を 守るなんて、絶対無理だって!
- ほむら: きっと、時間を 巻き戻すしかないって!
- ほむら: 今のあなたを… 諦めようとしてた!
- ほむら: でも…
- ほむら: 私には、できない!!
- ほむら: だって…あなたは、 私の大切な人だから!!
- ほむら: 時間を巻き戻しても、あなたとの 記憶が嘘になるわけじゃない!!
- ほむら: あなたを置いて、この時間から 逃げ出すなんて…
- ほむら: そんなこと 私にはできないよっ!!
- まばゆ: (暁美さん…)
- まばゆ: (遠くから観察しているだけで わかりました)
- まばゆ: (あなたは、鹿目さんのために 魔法少女になった)
- まばゆ: (鹿目さんを救うために 時間操作の能力を手に入れた)
- まばゆ: (私は、この周を見捨てること ばかり考えていましたが…)
- まばゆ: (あなたは、鹿目さんを 見捨てられなかった)
- まばゆ: (もしこの攻撃が失敗したら 暁美さんは魔力が尽きて…)
- まばゆ: (するとたぶん、この町も…)
- まばゆ: (そして私もこれでおしまい?)
- まばゆ: …………
- まばゆ: (まあそれも 仕方ないですかねぇ…)
- まばゆ: (魔女になっちゃうよりは マシですし、それに…)
- ほむら: 鹿目さんのために、私は…
- ほむら: 奇跡を、起こして みせるんだからあっ!!
- カチッ
- まばゆ: (放たれた銃弾は…)
- まばゆ: (あらゆる方向から ワルプルギスの夜を包囲して…)
- ほむら: きゃああっ!!
- まどか: うぐっ!!
- まばゆ: (それでも、倒すことはできませんでした)
- まどか: …………
- ほむら: …………
- まどか: …そっか
- まどか: やっぱり…だめ、だったんだ
- まばゆ: (暁美さんと鹿目さんは…)
- まばゆ: (濁ったソウルジェムを手に、 お互いに、向き合っていました)
- まどか: わたしたちも…もうおしまいだね
- ほむら: …グリーフシードは?
- まどか: ううん
- ほむら: そう
- ほむら: …ねぇ、私たちこのまま ふたりで怪物になって…
- ほむら: こんな世界何もかも めちゃくちゃにしちゃおうか
- ほむら: 嫌なことも悲しいことも全部…
- ほむら: なかったことにしちゃえるぐらい 壊して壊して壊しまくってさ…
- ほむら: それはそれで… 良いと思わない?
- まばゆ: (暁美さん…)
- まどか: …………
- まばゆ: (あれ?鹿目さんが 持ってるのって…?)
- ほむら: !?
- まどか: さっきのは嘘 1個だけとっておいたんだ
- ほむら: そんな… なんで私に…!?
- まどか: わたしにはできなくて ほむらちゃんにできること…
- まどか: お願いしたいから
- まどか: ほむらちゃん 過去に戻れるんだよね?
- まどか: こんな終わり方に ならないように…
- まどか: 歴史を変えられるって 言ってたよね
- まどか: キュゥべえに騙される前の バカなわたしを…
- まどか: 助けてあげてくれないかな
- ほむら: 約束するわ!
- ほむら: 絶対にあなたを救ってみせる!
- ほむら: 何度繰り返すことになっても 必ずあなたを守ってみせる!
- まどか: 良かった…
- まどか: …ううっ!
- まどか: うっ…うああっ! ああああッ!
- まどか: …ッ もうひとつ頼んでいい?
- ほむら: …!
- まどか: わたし、魔女にはなりたくない…
- まどか: 嫌なことも悲しいことも あったけど…
- まどか: 守りたいものだってたくさん この世界にはあったから…
- ほむら: まどかぁっ!
- まどか: ほむらちゃん… やっと名前で呼んでくれたね…
- まどか: 嬉しいな…
- ほむら: ううっ!
- ほむら: っ…ぐ…うう…
- カチャ…
- まばゆ: (暁美さんは涙を堪えて、鹿目さんに銃を向けました)
- ほむら: うぅぅぅぅ――っ!!
- まばゆ: (銃声に目を背けた私は…)
- まばゆ: (キュゥべえがじっとこちらを 見つめているのに気づきました)
- まばゆ: (いつもと変わらないはずの その顔が…)
- まばゆ: (なぜか 笑っているように見えて…)
- キュゥべえ: また、次の周でよろしくね まばゆ
- まばゆ: …ええ、よろしく
- ほむら: さようなら…まどか
- まばゆ: (暁美さんは 迷いを振り切るように…)
- まばゆ: (盾のなかの砂時計を 回転させました)
- まばゆ: (時の反転に、私の 意識も巻き込まれて…)
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