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- Anderson
- ほう。なかなかいい隠れ家じゃないか。
- 気に入った。俺は隣りの書斎をいただこう。
- Anderson
- 荷物を解いているから、何かあったら声をかけてくれ。
- ああ、入る時はノックを忘れずにな。
- Mordred
- ……あー、疲れた。
- お荷物のおかげで二倍疲れた。三倍疲れた!
- Jekyll
- また、僕の個人用ソファを乱暴に……
- できればそっちの来客用にして……いい、もういい。
- Jekyll
- そのままでいい。聞いてくれ。
- マシュ君と[%1]君もだ。
- Jekyll
- [#切り裂きジャック:ジャック・ザ・リッパー]が再び現れた。
- しかも今度は、霧に紛れて女性を襲う殺人じゃない。
- Jekyll
- 籠城状態にあった[#スコットランドヤード:ロンドン警視庁]を襲撃中だ。
- ロンドン全域の警察署への、救援の電信を受信してね。
- Mordred
- あいつか!!
- やっと出てきやがったか、あの野郎!
- ?1:因縁があるみたいだ
- ?2:知り合い?
- ?!
- Mordred
- ああ、あいつはサーヴァントだ。クラスはアサシン。
- 霧の中で何度かやり合ったんだが……
- Mordred
- 毎度、逃げられちまう。
- 仕留めきれねえ。霧の中に逃げられる!
- Mordred
- おまけに顔も姿形も具体的能力も、
- 何も思い出せやしねえ。あーもう、苛つくぜ……!
- Mordred
- 切り裂きジャック、って名前を聞けば
- ああそうかあのアサシンか、とか思うので精一杯だ!
- Mordred
- ああ、くそ、もやもやしやがる!
- あの野郎
- Jekyll
- マシュ君たちも以前に遭遇しているかも知れないね。
- どうだい? [#アサシンと]戦った覚えはあるかい?
- Mashu
- あ…………
- Mashu
- そうです、そう言えば……
- アサシンだったような気がします。奇襲……を……
- Mashu
- そう……奇襲を受けました。
- 今、唐突に記憶がわたしの中に蘇ってきています。
- Mashu
- 殆どのことを思い出せずにいました。
- でも、サーヴァントであるなら理由は絞られる
- ?1:スキルかな
- ?2:宝具かな
- ?!
- Mashu
- はい、先輩。そうですね。
- スキルか宝具、どちらかに依るものでしょう。
- Mordred
- 奴は逃げ足が速い。
- 急がないと逃げられるな、行くぞ!
- Anderson
- なに、外出か? ならそう言え。
- 土産は……そうだな、スコーンあたりが欲しいな。
- Mordred
- おまえは来ないのかよ!
- いや、来られても別に役に立たねえか……
- Mordred
- ……待てよ。
- こないだの奴みたいに、倒しやすくできるか?
- Anderson
- 前回は例外中の例外だ。あてにするな。
- だいたいな、作家に何を求めている。
- Anderson
- 全知全能の神とでも思っているのか?
- だとしたら考えを改めるがいい。
- Anderson
- いいか、作家なんて者は現実がままならなかったから
- ペンに走るしかなかったバカ者の総称だ!
- Anderson
- そんな俺が何かの役に立つと思うのか?
- Mordred
- ……聞いたオレが馬鹿だった。
- 行くぞ、マシュ、[%1]!
- Mordred
- 全速力で行くぞ。
- マシュ、[%1]を抱えてやれ。時間との勝負だ。
- Mordred
- 人間の足に合わせる暇が惜しい。
- [#オレたち:サーヴァント]の全力疾走でヤードを目指すんだ。
- Mashu
- は、はい。
- ……先輩、すみません。少しだけ失礼しますね。
- ?1:落とさないでね
- ?2:こちらこそ、失礼します
- ?!
- Mashu
- は、はい。
- Mashu
- ……できるだけ落とさないように注意します。
- 先輩も、手を離さないで下さい。
- Mordred
- おい、さっさと
- チッ。言ってるそばから敵が湧いてきたぞ!
- Dr. Roman
- 敵性反応多数だ。四方八方から寄ってくる。
- 囲まれるぞ、突破するんだ!
- ==
- Mordred
- あらかた潰したな!
- 残りはもういい、走るぞマシュ!
- Mashu
- はい!
- Dr. Roman
- しかし、すごい戦いっぷりだね、カレは。
- 流石は叛逆の騎士といったところだ。
- Mashu
- はい。そうですね、
- 伝説に違わない戦闘能力であると思います。
- Mashu
- 空を[#疾:はし]る雷電のように迅速に、正確に、
- その剣先にはおよそ迷いというものがありません。
- ?1:叛逆の騎士?
- ?2:モードレッドのこと?
- ?!
- Dr. Roman
- あ、そう言えば
- ちゃんと[%1][&君:ちゃん]には言ってなかったね。
- Dr. Roman
- 叛逆の騎士たるモードレッド、
- ここではセイバーのクラスで現界している英霊だが。
- Dr. Roman
- 勿論この時代の人間じゃない。
- 本来は、五世紀から六世紀に於けるアーサー王伝説、
- Dr. Roman
- その終焉を飾った人物なんだ。
- 文字通り、アーサー王に叛逆してね。
- Mashu
- ただの叛逆、ではありません。外敵を初めとして
- 存在していた反アーサー勢力のすべてを纏め上げて、
- Mashu
- 言わば叛逆の王として立った人物です。
- 平時であれば、王になり得たかも知れません。
- Mashu
- 多くの武勇の伝説を持つ人物でもあります。
- 元は、円卓の騎士であり
- Dr. Roman
- アーサー王の[#息子]だったとも言われているね。
- ただ、王には子と認められなかったという話もある。
- Dr. Roman
- だからこそ、反旗を翻したとも。
- 何故、モードレッドはアーサー王に逆らったのか?
- Dr. Roman
- 本当のところは彼
- じゃない、彼女本人にしかわからないことだ。
- ?1:叛逆は成功した?
- ?2:叛逆は失敗した?
- ?!
- Mashu
- ……はい。騎士モードレッドは、
- カムランの丘の戦いで命を落としました。
- Mashu
- 事実上の相打ちです。
- 魔剣クラレントを以て彼女はアーサー王と戦って、
- Mashu
- アーサー王は聖なる槍で戦い、
- 彼女を貫きました。
- Mashu
- そして、アーサー王自身も致命傷を負って
- Mordred
- なーにをごちゃごちゃ喋ってやがる!
- さっさと先を急ぐぞ!
- Mashu
- あっ、は、はい!
- ?1:急ごう!
- ?!
- Mashu
- ……了解です、マスター!
- ==
- Mordred
- 走ってるそばから襲ってきやがって!
- 次から次へと!
- Mordred
- また走るぞ、マシュ!
- Mashu
- はい……!
- Dr. Roman
- 移動中すまない。
- ダ・ヴィンチちゃんからホットな報告だ。
- Dr. Roman
- 例の、装甲に覆われた大型の怪ロボット。
- ヘルタースケルターについて、解析結果を伝えておこう。
- Dr. Roman
- 正確にはまだ解析途中なんだけど、
- 現在まで分かっているところによれば、だね。
- Dr. Roman
- まず、ゴーレムではない。
- 魔術的な仕組みや痕跡は映像情報では確認できない。
- Dr. Roman
- 純粋な機械……としても何だかよく分からない。
- 蒸気機関を用いているらしい、以上のことが不明でね。
- Dr. Roman
- どうも、僕らの2015年の時代には
- 現存していない技術のようなんだよね。
- Dr. Roman
- 隠された、もしくは、
- 失われた何らかの技術によるもの
- Dr. Roman
- まるで、僕らの世界とは[#異なる道]を歩み、
- 進歩を遂げた超技術の産物だよ。
- Dr. Roman
- …………うん。
- Dr. Roman
- ……まあ、そうだよね。
- 走ってるんだから返答はまあ、なくて当然だよね……
- Dr. Roman
- こちらからは以上だ。
- それじゃ、頑張ってくれたまえ!
- ==
- Jack
- …………あれ?
- Jack
- そっちから来てくれたんだ。
- それじゃあ、ふふ、わたしたち……どうしようかな……?
- Jack
- 殺してあげようか。
- ひとり、ふたり、さんにん。いっぱい。いっぱい。
- Jack
- ふふ。もう、わたしたちはいっぱい殺したけど、
- まだお腹が空いてるの。ぺこぺこ。
- Jack
- だって、おまわりさんたちじゃあ、
- あんまり魔力がないから。
- Jack
- だから、ありがとう。
- あなたたちの魔力を食べてお腹いっぱいにする。
- Mordred
- 間に合った
- Mordred
- 訳じゃ、ねえみてえだな。
- この血の匂い……ヤードは全滅ってところか。
- Dr. Roman
- 動体反応は君たち以外には二体だけだ。
- そこにいる、ジャック・ザ・リッパーともう一体。
- Mashu
- 不明のサーヴァントであると推測します。
- そこの男性
- ???
- はい。私は、キャスターのサーヴァント。
- 貴方たちの知る「計画」を主導する者のひとりです。
- ?1:「魔霧計画」か
- ?2:なぜこんなことをするんだ
- ?!
- ???
- 私たちにも、幾らかの都合と事情というものがある。
- ああ、私のことは「P」とでもお呼び下さい。
- @「P」
- 残念ながら、貴方たちは遅かった。
- 既にスコットランドヤードは全滅しています。
- @「P」
- すべてが惨たらしい死にざまでした。
- あの子には、慈悲の心は備わっていないのです。
- @「P」
- ですが、必要なことでした。
- やむなき犠牲。そう表現することがせめてもの手向け。
- @「P」
- 人は、慈しまれるべきです。
- 愛も想いも、どちらも尊く眩いものに違いない。
- @「P」
- ですが
- 哀しいかな、時に大義はそれさえ上回ってしまう。
- @「P」
- スコットランドヤード内部には、
- 私たちの必要とするものが保管されていました。
- @「P」
- 流石、魔術協会、時計塔が座す大英帝国ではある。
- 魔術的にも厳重な封印が施されていました。
- @「P」
- ですので。残念ですが
- 彼らは皆、大義の障害となってしまったのです。
- Mordred
- なにをわかった風な口を叩きやがる。
- 愛も想いも知ったことか!
- Mordred
- おまえたちはまたオレのものに手を出した。
- 王ならざる者が、王のものに手を出しやがって。
- ?1:英霊が、無辜の人を殺すのか。
- ?2:英雄の矜持はないのか!
- ?!
- @「P」
- ええ。ですから。
- 私は、どうしようもない程に哀しみを禁じ得ない。
- @「P」
- 想い持つ、尊く在るはずの人々を。
- 愛を持つ、眩く在るはずの人々を。
- @「P」
- 私の力では、救うことはできない。
- いいえ。この結果を鑑みるに、できなかったのです。
- @「P」
- 時代のすべては焼却されつつある。
- 人類のすべては焼却されつつある。
- @「P」
- 文明の歩みも、想いも、愛も潰えて、
- 世界に残された特異点は、既に、たった四つのみ。
- @「P」
- 何という哀しさでしょうか。
- けれど、それを私も貴方たちも止められない。
- @「P」
- いいえ、[#止められなかった]のならば
- Mashu
- …………矛盾を、感じます。
- Mashu
- 想いを語るあなたの言葉には矛盾を感じます。
- キャスター。いえ「P」、あなたは一体何なのです?
- Mashu
- [#あの子:ジャック]を使って人の命を奪う。
- 慈悲の精神が欠如しているのは、きっとあなたです。
- @「P」
- ええ、そうかも知れませんね。
- 美しいお嬢さん。
- @「P」
- 私は非道にして悪逆の魔術師に他ならないでしょう。
- 今も、こうして、あどけない少女に言うのです。
- @「P」
- ジャック。
- 彼女たちを任せます。
- @「P」
- 好きにしなさい。
- 彼女たちは、[#貴方の母]かも知れませんよ。
- Jack
- え。
- そう……なの……?
- Jack
- なんだ、そうなの。ふうん。
- それじゃあ……おかあさんにするみたいに、するね。
- Jack
- [#帰らせて]くれる?
- わたしたちを、あなたたちの中へ……[#おかあさんの中]へ……
- Mordred
- 駄目だ。おまえは座へ直行だ。
- ここで殺す。
- Mashu
- アサシンはここで止めるべきであると考えます。
- ……先輩……。
- ?1:あの子を止めよう
- ?2:戦闘開始だ
- ?!
- Mashu
- はい! マスター!
- ==
- Jack
- おか……あ、さん……
- やだ……やだ、やだ、やだ……いたい、よ……
- Jack
- どうして……
- どうして……
- Jack
- ……どうして、なの……ねえ……ねえ……?
- @「P」
- さようなら、愛を知らぬ子。
- あなたがきっと、いつしか愛を得られますよう。
- @「P」
- さて。
- 私も、ここで貴方たちの刃に掛かるべきでしょうね。
- @「P」
- 悪逆の魔術師は英雄に倒される。
- それは、私の望む回答のひとつでもある。
- @「P」
- ですが。
- まずは、私も役を果たす。
- @「P」
- さようなら、眩き道を歩まんとする英雄たち。
- そして円卓の騎士
- @「P」
- 願わくば、いつまでも貴方が
- 悪逆を倒す[#正義の味方]であり続けますよう。
- Mordred
- 待て! ああくそ、消えやがった!
- これだから魔術師って輩は!
- Mashu
- 空間転移
- 令呪の使用による強制移動でもなければ、それは。
- Mashu
- 本来、魔法にも及ぶ領域の技術です。
- それを、ああして……可能性としては、やはり聖杯……
- Dr. Roman
- 有り得る話だな。この時代を破壊しようとする
- 「魔霧計画」の首謀者のひとり、と名乗ったくらいだ。
- Dr. Roman
- そうでなくても、聖杯の所有者が
- 彼を転移させたということも考えられる。
- Dr. Roman
- 彼らは……
- このロンドンで一体、何をしようとしているんだろう。
- Mordred
- なんだって構うかよ。
- 見つけ出して、叩き潰してやるだけだ!
- @「P」
- ……ただいま、帰還いたしました。
- @「B」
- シュー……。
- コォー……。
- @「M」
- ご苦労。
- ……あの少女は倒されたか。
- @「P」
- 残念ながら死亡しました。
- メフィストフェレスに続く第二の損害となってしまった。
- @「M」
- [#大勢:たいせい]に影響はない。
- 我らは、我らの「計画」を進めるだけだ。
- @「P」
- ええ。そうですね。その通り。
- 私たちは、サーヴァント。ただ[#貴方:マスター]に従うまでのこと。
- @「P」
- 悔やむ必要はありません。
- 貴方は、貴方の「計画」を進めるべきでしょう。
- @「M」
- …………わかっている。
- @「B」
- 世界と文明を拓く
- それこそが、知恵者たる我ら[#碩学]の使命ではあれど。
- @「B」
- 世界は焼却され、人類と文明は
- 既に確定されてしまった終焉の時を迎えるのであれば。
- @「B」
- 我らは、最早
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