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- FILENAME: text_519910-0.txt
- いろは: 開かれたのは 神浜市の魔法少女たちの想いが詰まった 私たちが主役のパーティー
- いろは: 準備している内容を知ったときに 私たちはみんなの想いを 受け止めきれなかった
- いろは: だけど、今はもう返事ができる
- いろは: みんなが納得してくれるかはわからないけど これが、私とういで出した答え…
- [Title card] パラダイスシフト~帰還の物語~
- FILENAME: text_519910-1_qQMKo.txt
- うい: んーっ 冷たくておいしいっ!
- うい: アイスなんて久しぶりだね お姉ちゃん
- いろは: マギアレコードにいると 何も食べたりしないからね
- いろは: だからかな
- パクッ
- いろは: 久しぶりにお菓子を食べると 幸せな気持ちになるね
- うい: この間、みかげちゃんも 言ってたよ
- うい: お菓子は子どもの 栄養ドリンクだって
- いろは: その通りになってるかも
- いろは: …でも、 こんなに幸せでいいのかな?
- うい: どうして?
- いろは: 私たちって今も マギアレコードのコアのまま
- いろは: 自動浄化システムで 魔法少女を救ってるはずだけど
- いろは: 外に出たままだと 自分が何もしてないみたいで…
- うい: 手を動かしてないから わたしもちょっと忘れそうかも
- いろは: 今度、灯花ちゃんとねむちゃんに 様子を聞いてみよっか
- うい: うん、マギアレコードの様子を 知りたいもんね
- ピロン♪
- いろは: ん…? あ、お母さんから
- いろは: …帰りの飛行機が決まったって
- うい: わぁ、良かったあ
- うい: 帰ってきたら、 みんなでミナギーランドだもんね
- うい: 今からすっごく楽しみっ!
- うい: …でも、やっぱり灯花ちゃんと ねむちゃんには悪いな…
- いろは: …ふたりはウワサのままでも いいって言ってるし
- いろは: 本音だとは思うんだけど…
- うい: 気になっちゃうよね…
- いろは: うん…ふたりはこの世界に 戻って来てないんだもん
- いろは: はぁ…
- みかげ: いろはさんと ういたんだ!
- ラビ: どうも、ご無沙汰しています
- 那由他: こんな所で会うなんて奇遇ですの
- いろは: 皆さんもあした屋さんで お買い物ですか?
- 那由他: ですの…
- 那由他: トランプで負けてみかげさんに お菓子を買ってあげるんですの…
- ラビ: みかげさんは顔に出やすいのに 引き運が強すぎますからね…
- いろは: みかげちゃん 運でふたりに勝ったんだ
- みかげ: …………ふふ
- うい: ん、わたしの顔に何かついてる? さっきのアイスかな…
- みかげ: ううん、ふたりを見てるとね 今のミィはニヤニヤしちゃうんだ
- ガヤガヤ
- フェリシア: おっ、あいつら なんかコソコソやってるぞ
- 鶴乃: コソコソって…
- 鶴乃: …思ったよりコソコソだ
- フェリシア: だろ?
- フェリシア: 何してるか見てみようぜ
- 五十鈴 れん: これ…いろはさんって ちゃんとわかるでしょうか?
- 綾野 梨花: 特徴は捉えてるし さすがれんちゃんって感じだよ
- 純 美雨: このモンタージュなら、 知らない人でも十分わかるヨ
- 志伸 あきら: 目的は十分果たせそうだね
- フェリシア: もんたーじゅってなんだ?
- 鶴乃: 指名手配するときに使う 似顔絵だよ
- フェリシア: あ?
- フェリシア: なんで、知らないヤツを使って いろはを捕まえるんだ…?
- 純 美雨: 「落とし前はつけさせてもらうネ」
- 鶴乃: 確かに…なんか、不穏な空気
- FILENAME: text_519910-2_qQMKo.txt
- いろは: 私が…指名手配…?
- うい: お姉ちゃん何かしたの…?
- いろは: してない…けど…
- 鶴乃: なんで、自信なさげなの!?
- いろは: えっ!?
- いろは: あ、してないけど、どこかで 何かしちゃったのかなって…
- やちよ: 真に受ける話じゃないわ 話半分で聞いておきなさい
- フェリシア: でも、アイツら言ってたぞ! 落とし前をつけさせるって!
- やちよ: そう…
- さな: なんですか…
- フェリシア: やっぱ信じてねーだろ!?
- さな: いろはさんが 恨まれるとは思えませんし…
- やちよ: ねぇ…?
- いろは: でも、どうなんだろう… 美雨さんに何かしたのかな…
- いろは: …ぜんぜん思い出せない
- 鶴乃: 気をつけた方がいいよ 相手はあの蒼海弊なんだから
- 鶴乃: 今は牙を失っているけど サメみたい生えてくるかも!
- やちよ: もういいでしょ…? この話は終わり
- 鶴乃: ちょー!
- やちよ: じゃあ、夜ご飯の前まで 私とさなは部屋に戻ってるから
- さな: はい、またあとで…
- 鶴乃: えー…? ていうかなんでふたりで…
- うい: わたしやお姉ちゃんにも 秘密みたいなんだけど
- うい: 最近、ふたりで何かしてるの
- フェリシア: なんかコソコソしてるよな
- 鶴乃: むむ、こちらにも 謎のコソコソ疑惑が…
- フェリシア: なんか、色んなところで増えて… はやってんのか…?
- いろは: よくわからないね…
- フェリシア: ん~~…
- フェリシア: よっしゃ、決めたぞ! いろは、うい、鶴乃!
- いろは: な、なにっ!?
- うい: どうしたの!?
- フェリシア: オレたちで、コソコソ魔法少女の 真相を暴いてやろうぜ!
- 鶴乃: それしかない!
- 鶴乃: いろはちゃんが危険なのに やちよまで知らんぷりなんて
- 鶴乃: こうなったらわたしたちの手で 鼻を明かしてやる!
- 鶴乃: ふんふん!
- フェリシア: ふんす!
- うい: やっぱり、お姉ちゃんは 狙われてるってこと…?
- いろは: とりあえず そういうことにしとこっか
- FILENAME: text_519910-3_qQMKo.txt
- いろは: それじゃあ、行ってきますね
- やちよ: せいぜい付き合ってあげて
- フェリシア: ふんっ、いろはがいねーときは おかしかったくせに!
- やちよ: ちょっと、蒸し返さないで…!
- 鶴乃: わたしたちがいろはちゃんの ピンチを救ったときは
- 鶴乃: やちよには、万々歳で 満漢全席を食べてもらうからね!
- やちよ: そんなの作れないでしょ!?
- 鶴乃&フェリシア: ふーんだ!
- うい: 行っちゃった…
- いろは: じゃあ、改めて行ってきます
- やちよ: ええ、行ってらっしゃい…
- さな: 気をつけてくださいね…
- うい: 衣美里さんの相談所って この辺りだったよね?
- いろは: うん、何かやってても コソコソせずに聞いてみよう
- うい: その方が早く 真相がわかりそうだもんね
- うい: フェリシアさんたちも かこさんに話が聞けるといいけど
- いろは: あきらさんと仲良しだから 何か知ってるといいね
- うい: あれ、ひなのさんたちがいる
- いろは: はっ…
- うい: どうして隠れるの…!?
- いろは: ごめん、つい!
- いろは: 鶴乃ちゃんたちがさわぐから なんか反射的に…
- 都 ひなの: …というわけだ ここまでの工程は理解できたか?
- 胡桃 まなか: まさか化学の知識を こんな形で応用するなんて
- 木崎 衣美里: だしょだしょ!?
- 木崎 衣美里: 小さくても、みゃーこ先輩は 偉大なんだから!
- 都 ひなの: 小さいは余計だ 偉大だけ残しておけ
- 静海 このは: でも、こんな方法を使うなんて 体が心配ね
- 胡桃 まなか: 最近マシになったとはいえ、 殺人料理を作る人に言われると…
- 胡桃 まなか: まあ、どこかの調整屋さんよりは マシかもしれませんが…
- うい: 化学を応用する話?
- いろは: でも、体によくないのかな?
- 木崎 衣美里: しょーみな話なんだけど ろっはーって平気だと思う?
- 都 ひなの: まあ、十中八九 すぐに倒れて意識を失うだろうな
- うい: あれ、怖い話…?
- 静海 このは: 「でも、本当に薬漬けにしても大丈夫なの?」
- 都 ひなの: 「安心しろ、成功する自信はある」
- いろは: ひっ…
- うい: クスリ…?
- いろは: なんの話だろうね…
- いろは: でも私のことだって 勘違いだったら良くないし
- いろは: 直接聞いてみよう…!
- うい: うんっ
- 都 ひなの: 「だれだ!!」
- いろは&うい: ――っ!?
- うい: な、ななっ なんであんな怒るの!?
- いろは: わ、わからないよ…
- 胡桃 まなか: 「危ないです いろはさんに聞かれるわけにはいきません」
- いろは: やっぱり、私の話だった…
- フェリシア: 鶴乃…
- 鶴乃: これは本格的にマズいね
- フェリシア: まさか、かこも関わってるなんて 知らなかったぞ…
- 常盤 ななか: 「わかりましたね、おびえる必要はありません」
- 常盤 ななか: 「時間をかけずに処理するために 思い切り良く切りましょう 奧までしっかりと刺すことも重要です」
- 常盤 ななか: 「続けて埋めて隠すという作業も 今回は必要になるので覚えてください」
- 鶴乃&フェリシア: ひぃぃ…
- 鶴乃: わたしたちの知らない間に いろはちゃんが狙われてる…
- フェリシア: おう…このままじゃ ういも処理されるかしんねーぞ…
- 鶴乃: …けどさ
- フェリシア: あ?
- 鶴乃: 実は、わたしたちに秘密で みんな何かしてるんじゃない…?
- 鶴乃: ほら、いろはちゃんが帰ってきて そのパーティーとか…さ?
- フェリシア: んー、オレは狙われてるとしか 思えねーけど…
- 鶴乃: だって、モンタージュは 似顔絵だって捉えられるしさ
- 鶴乃: ななかちゃんの切ったりする話も 生け花のことかもしれないよ
- フェリシア: 確かにアイツ 生け花のすげーやつだしなー
- フェリシア: 会場になりそうなところに 行ってみるか?
- 鶴乃: うん、ユニオンの拠点になってた 竜真館に行ってみよっか
- 鶴乃: きっと、いろはちゃんたちには 内緒だからコソコソしてるんだよ
- 美凪 ささら: これで、いろはちゃんが 立つ舞台も整ったね
- 竜城 明日香: 倒れるまで歌って踊ったとしても 竜真館ならビクともしません
- 若菜 つむぎ: あ、お酌して回れるように テーブルの配置には注意ですね
- 阿見 莉愛: ふふ、泣いてる姿が目に浮かぶと 思わず笑いが込み上げてくるわ
- 阿見 莉愛: 「オーッホッホッホッホッ」
- 鶴乃: なっ…あ…
- フェリシア: やっぱり、狙われてるぞ…
- 鶴乃: というか、なんか恨まれてる…?
- FILENAME: text_519910-4_qQMKo.txt
- いろは: どうしたの、鶴乃ちゃん こんな所に呼び出して…
- うい: 何かわかったの…?
- 鶴乃: いろはちゃんたちだって、 何か聞いたんじゃないのかな…
- いろは: …………うん…
- フェリシア: アイツら何を考えてるのか しんねーけどさ
- フェリシア: いろはもういも このままじゃ危険だぞ
- 鶴乃: とりあえず、見聞きした話を 出し合ってまとめてみようよ
- いろは: そうだね…
- 鶴乃: むぅ…
- 鶴乃: これまで聞いた話をまとめると…
- 鶴乃: 「いろはちゃんとういちゃんの モンタージュを作ってる人たちがいて…」
- 鶴乃: 「薬漬けにしようとしている人がいて…」
- 鶴乃: 「危害を加えて埋めようとしてる人がいて…」
- 鶴乃: 「歌わせて踊らせて泣かせる人がいる…」
- いろは: でも、私まだ信じられないよ…
- うい: うんうん、やろうとしてることも みんなバラバラだもん…!
- フェリシア: 鶴乃ならわかんじゃねーか? ひとつに繋がってるって…
- 鶴乃: …………
- 鶴乃: 言われてみるとそうだね…
- 鶴乃: 「いろはちゃんとういちゃんを モンタージュを頼りにして不特定多数で捜査… 捕まったら舞台に上げられて 倒れるまでみんなの見世物にされる」
- 鶴乃: 「そして、最後は薬で眠らされて 苦しまないように殺されて埋められる…」
- フェリシア: なんか、繋がった気がするな…
- 鶴乃: うん、断片を整理してみると 計画的な犯行が浮かび上がったよ
- いろは: でも、やちよさんたちは 何も気にしてなかったし
- いろは: やっぱり考え過ぎなんじゃ…
- うい: うん、もう一度やちよさんと さなさんにも相談しよう
- フェリシア: でも、コソコソしてんのは あのふたりだって同じなんだぞ?
- うい: そうだけど…
- いろは: 私、みかづき荘のみんなまで 疑いたくないな
- 鶴乃: …ただ、石橋は叩いておこう
- 鶴乃: となると、まず頼るべきなのは ももこだよ
- フェリシア: 確かに、アイツだったら ちゃんと話を聞いてくれそうだな
- 鶴乃: 明日学校で聞いてみよう
- フェリシア: 頼んだぞ
- 鶴乃: 任せて!
- 鶴乃: いろはちゃんとういちゃんは わたしたちが守る!!
- FILENAME: text_519910-5_qQMKo.txt
- ももこ: いろはちゃんが 恨まれていて殺される~?
- かえで: ういちゃんも一緒に…?
- レナ: 意味がわかんない 警察に電話してみれば?
- 鶴乃: 魔法少女がからむ案件に 首を突っ込まれたら大変だよ!
- レナ: そうじゃなくて
- レナ: 鶴乃の脳みそが落とし物で 届いてるかもしれないし
- 鶴乃: バカにしてーーー! もーー!
- ももこ: まあ、突飛過ぎる話だしさ ちょっと詳しく教えてよ
- いろは: 私は狙われてるなんて 全然思ってないんですけど…
- うい: わたしも考え過ぎだと思うけど 一応説明するとね…
- うい: それで、色々と組み合わせると 危なそうな気がして…
- いろは: 鶴乃ちゃんたちが言ってることを 否定することもできないし…
- 鶴乃: そこで、魔法少女たちの御大たる ももこの意見を仰ごうかと!
- ももこ: 御大なんて大げさな… それに発想も大げさ…
- かえで: いろはちゃんとういちゃんが 恨まれることなんて…ね?
- ももこ: 鶴乃はいろはちゃんが帰ってきた パーティーの準備だから
- ももこ: みんながコソコソしてるって 思ったんだろ?
- かえで: そっちの方が自然だよ
- レナ: そうそう 考え過ぎよ、考え過ぎ
- 鶴乃: じゃあ、3人はパーティーのこと 知ってるの?
- レナ: そう言われると…
- 鶴乃: いろはちゃんと関わりが深い 3人が知らないの…?
- レナ: うっ…
- いろは: もういいよ、鶴乃ちゃん
- いろは: みんなを疑ってたら 私も気分が良くないし
- うい: うん、わたしもお姉ちゃんも 気にしないから
- うい: いつも通りでいよう
- ももこ: 一番お姉さんの鶴乃よりも ふたりの方が大人かもな
- 鶴乃: ぐぬっ…むぅ…わかったよ… じゃあ気にしない…!
- 鶴乃: 今日のところはこれで終わり!
- ももこ: んじゃ、休み時間も終わるから またお昼休みにね
- いろは: はい、なんだか困らせちゃって すみませんでした
- ももこ: おい、鶴乃
- 鶴乃: わ、どうしたの?
- ももこ: まだ、探りを入れる気だろ…
- 鶴乃: さすが、 付き合いが長いだけあるね
- ももこ: 白状すると、鶴乃の推理通り パーティーの準備だよ
- 鶴乃: ぇえ?
- ももこ: いろはちゃんとういちゃん だけじゃなくて
- ももこ: みかづき荘のメンバー全員に 秘密だったんだよ
- 鶴乃: じゃあ、いろはちゃんが 危害を加えられるっていうのは
- ももこ: 完全な被害妄想だ
- ももこ: 信じられないならちゃーんと みんなに話を聞いてみろ…
- 鶴乃: つまり、みかづき荘への サプライズってこと!?
- ももこ: そうだよ
- 鶴乃: ガーン、なんでバラすのさ わたし驚けなくなっちゃった
- ももこ: このまま放置してたら 絶対にひっかき回すだろ…?
- ももこ: だから先に白状したんだ
- 鶴乃: しょぼーん…
- 鶴乃: わかった…取りあえず 答え合わせだけしてみる…
- ももこ: そうしてくれ
- レナ: ちゃんと伝えた?
- ももこ: ま、最悪の事態は逃れたかな
- いろは: (ういに消しゴム 借りられたから)
- いろは: (レナちゃんに借りてたやつ 次の授業の前に返さないと)
- …………
- いろは: あれ、レナちゃん 教室に戻ってたんだ
- いろは: ももこさんも…?
- レナ: 「でも、ほんとあのまま いろはにバレてたらヤバかったわよ」
- いろは: え…
- ももこ: 「十七夜さんの方も捕まえる算段はつけてたし あとは計画通りに進めるだけだな」
- レナ: ば…ももこ…!
- ももこ: げっ…!
- いろは: あの、私… みんなに何かしちゃいましたか?
- ももこ: いや、いろはちゃん 今のは関係ないから…!
- ももこ: あっ…!
- レナ: バッドタイミング…
- ももこ: お前もだろ…
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- いろは: ただいまー
- うい: 帰ったよ、やちよさーん
- やちよの声: おかえりなさーい
- うい: あれ、鶴乃さんは?
- さな: フェリシアさんとふたりで まだ出かけてるみたいですね…
- うい: まだ、わたしたちが危ないって 調べてるのかな…?
- いろは: だと思う…
- やちよ: あの話、まだ続いてたの?
- うい: わたしは ぜんぜん気にしてないよ
- いろは: でも、鶴乃ちゃんたちの方は 熱が入ったままで…
- やちよ: あの子らしいけど、 みんなに迷惑かけてないかしら…
- いろは: あ、煮物ですか?
- やちよ: 今のうちに仕込んで 弱火でじっくり煮込もうかなって
- いろは: 里芋だと味が染みて 美味しくなりそうですね
- やちよ: でしょ?久しぶりに 食べたくなっちゃったの
- やちよ: でも、お手伝いは大丈夫 あとは待つだけだから
- やちよ: あ、強いて言うなら…
- やちよ: さなと用事があるから 火だけ見ておいてくれる?
- いろは: わかりました
- さな: ういちゃんもいろはさんと 一緒によろしくね
- うい: やちよさんとさなさんも わたしたちに…内緒…?
- さな: え…?
- うい: みんなも、コソコソしてるけど ふたりもコソコソしてる…
- さな: あ、私たちのは、その…
- いろは: ごめんね、さなちゃん…
- いろは: でも、私とういが危険だって話…
- いろは: 鶴乃ちゃんたちが大げさに 言ってるだけだと思ってたけど
- いろは: なんだか本当みたいに 思えてきちゃって…
- さな: えっえっ!? そんなことって…!
- さな: 私たち恨んでないですよ…!?
- うい: ほんとう?
- さな: うん、ほんとだよ ういちゃん…
- やちよ: …何があったか知らないけど 観念して話すしかないわね…
- さな: いいんですか…?
- やちよ: いろはとういちゃんを 不安にさせたくないもの…
- うい: それって コソコソしてた理由…?
- やちよ: そう…実は私ね
- やちよ: FM神浜のラジオドラマに 出演することが内定したのよ
- うい: らじおドラマ?
- やちよ: 音だけで聞く物語 って言えばいいかしら…
- やちよ: 前に学生会議の取材を受けてから 話が広がっていってね
- やちよ: 気づいたら、FM神浜の番組に 出ることになってたのよ
- いろは: そんな、すごくいい話なのに なんで内緒にしてたんですか?
- やちよ: それは…私って演技が下手だから なんだか言いづらくて…
- いろは: さなちゃんだけ知ってたのは どうして…?
- やちよ: 始まりが私の取材だったから アイデアを求められたんだけど
- やちよ: 私、お話作りは素人だから さなの力を借りてたのよ
- さな: そういうことなんです… あの、疑いは晴れましたか…?
- やちよ: 気を揉ませてしまったわね
- いろは: よ、よかっ…たぁ…
- うい: ふぅぅ…
- いろは: ずっ…と… みんなに嫌われたと…
- やちよ: ちょ、ちょっと… いったいあれから何があったの?
- やちよ: へぇ…
- やちよ: 倒れるまで見世物にされて 眠らされて殺されて埋められる…
- やちよ: ももこも加担してるの…?
- いろは: え、あの…! たぶん本気じゃなくて…
- いろは: きっと私とういが勘違いして 泣いちゃっただけで
- やちよ: 勘違いでも泣かせたら罪 しっかり吐いてもらいましょう
- さな: で、でも、誰に…?
- やちよ: 決まってるじゃない
- やちよ: 神浜市の魔法少女の中で 大がかりなパーティーを開くのは
- やちよ: 「あの女ぐらいしかいないわ」
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- みたま: あらぁ、やちよさん いらっしゃい
- みたま: いろはちゃんたちも 一緒なのね
- みたま: あら…?
- みたま: どうしたの そんな怖い顔して…
- やちよ: 胸に手を当てて心臓を握り潰す ぐらいの気持ちで考えなさい
- やちよ: あなたの立てた企画のせいで
- やちよ: いろはとういちゃんが 泣いたのよ
- みたま: ちょ、ちょっとぉ!
- みたま: 急に泣かれたなんて言われても わたしにはわからないわよぉ!
- うい: あの、ごめんなさい みたまさん…
- さな: もう、私たちの手じゃ 止められなくて…
- いろは: わ、私たちはいつでも ちゃんと話を聞きますから…!
- 十七夜: 七海…少し落ち着け 泣いた環君の方が冷静だ
- 十七夜: 俗に言うモンスターペアレントと 何も変わらんぞ
- やちよ: …あなたは弟の壮月君が
- やちよ: 倒れるまで見世物にされて 眠らされて殺されて埋められても
- やちよ: そう言えるのかしら?
- 十七夜: なっ… それは、永遠に呪い殺すな
- やちよ: でしょう?
- 十七夜: まさか、八雲…! 環君を埋める気なのか…!?
- みたま: そんなわけないじゃない! どこから、そんなでまかせが!?
- やちよ: あなたがコソコソ進めている件で そんな疑いがあるの…
- みたま: …コソコソって、まさか
- やちよ: 身に覚えがありそうね
- みたま: 言わなきゃダメ…?
- やちよ: …………
- みたま: やめて、お店を壊さないで…! わかった白状するわよぉ…
- みたま: わたしはただ、みんなと一緒に いろはちゃんが戻って来た記念に
- みたま: サプライズパーティーを しようと思ってたの…
- やちよ: はぁ… そんなことだと思ったわ…
- やちよ: で、みんなが隠れて準備を進めて 鶴乃たちが勘違いしたと…
- いろは: じゃあ薬漬けにするって なんの話なんだろ…
- うい: 指名手配もされるんでしょ…?
- さな: それに切ったり刺されたり 埋められたり…
- やちよ: おまけに醜態をさらす舞台まで 用意されているとか…
- 十七夜: 八雲…お前そんな残虐非道な パーティーを…
- やちよ: 十七夜もいろはを捕まえる 役割があるって聞いたわよ…?
- 十七夜: 馬鹿な…自分も…!?
- やちよ: ももこと一緒に 計画を進めてたんでしょう?
- 十七夜: それは、当日に学生会議の報告を するつもりだから
- 十七夜: 十咎と一緒に必要なメンバーを 捕まえておくという話だ
- みたま: どれもこれも… 全部わたしの知らない話よぉ
- みたま: 何をするのかは 各自に任せてるもの…
- いろは: それなら、みんなも お互いがしてることって…
- みたま: ええ、知らないはずよ…?
- うい: じゃあ、わたしたちが勝手に 結びつけて考えてただけ…?
- みたま: 楽しいサプライズパーティーに わたしはするつもりよ?
- みたま: ミィもずっと楽しみにしてたし…
- うい: あっ…
- みかげ: …………ふふ
- うい: ん、わたしの顔に何かついてる? さっきのアイスかな…
- みかげ: ううん、ふたりを見てるとね 今のミィはニヤニヤしちゃうんだ
- うい: だから、みかげちゃん ニヤニヤしてたんだっ!
- いろは: なんか急に謎が解けた感じ… ホッとしちゃった…
- 鶴乃: あ、やっぱりみんな集まってる!
- フェリシア: おい、聞いてくれ! いろはたちは安全だぞ!
- 鶴乃: うん、危険だって言うのは わたしたちの勘違いだったよ!
- やちよ: ええ、誤解はもう解けてるわ
- 鶴乃: よかったぁ~
- やちよ: ふたりがコソコソ話を聞かなきゃ 誤解が生まれなかったこともね
- 鶴乃: ぇえっ!?
- フェリシア: オレらのせいかよ!!
- やちよ: そう、今からみんなに コソコソ禁止令を発布するわ!
- フェリシア: つーか、やちよとさなだって コソコソしてただろ…?
- フェリシア: 実は、このパーティーの準備を コッソリしてたんじゃねーの…?
- みたま: わたしはみかづき荘のみんなに 秘密にしてたはずよ?
- フェリシア: あ?
- やちよ: 私は別件
- やちよ: FM神浜のラジオドラマが 決まったかもしれないの
- フェリシア: ええっ!まーじかよ!
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- いろは: えっ!?
- いろは: ラジオドラマの内容って 私も出るんですか!?
- やちよ: 仕方ないのよ
- やちよ: 学生会議の話から始まって 色々と振り返ってみたんだけど…
- やちよ: 私と十七夜がマギウスの翼の件で 手を取り合ったことが
- やちよ: 西と東の距離が縮まる ひとつのきっかけだったとしても
- やちよ: いろはが魔法少女になってないと 実現しなかったことなのよ
- さな: それで、相談されたんです…
- さな: 私たちの過去を題材にして お話を作れないかって…
- さな: こうして、いろはさんたちと 再会するまでの物語を…
- いろは: …なんだか恥ずかしい
- さな: いろはさんにも出演依頼が 来るかもしれませんね…
- いろは: 私、そんなの緊張しちゃって 絶対に無理だよ…
- やちよ: ただいまっと…
- フェリシア: でも、やちよのラジオドラマ むっちゃ楽しみだなー
- フェリシア: あやめとかこに 自慢してやらねーと
- やちよ: 演技には自信がないから あんまり言いふらさないで…
- うい: あっ… お姉ちゃん、お鍋の火!
- いろは: ああっ!!
- いろは: よかった、消してたぁ…
- うい: 火事になってたら大変だったね…
- やちよ: でも、一度冷ましたおかげで 味が染みこんでそうね
- 鶴乃: 正に今のわたしたち!
- 鶴乃: “雨降って地固まる”ならぬ “煮物冷めて味染みる”だね!
- フェリシア: あ?
- 鶴乃: やちよの怒りが冷めつつ
- 鶴乃: いろはちゃんへの想いが 心に染みるみたいな…
- やちよ: まあ、わかるような… わからないような…
- やちよ: とりあえず、夜ご飯の準備ね
- 鶴乃: なかったことにされた!
- さな: あ、いろはさんへの想いなら… フェリシアさん…!
- フェリシア: ん?
- さな: ふたりで練習した料理を 食べてもらいましょう…!
- フェリシア: おー、いいかもな
- フェリシア: オレとさなでいろはのレシピ 練習したもんなっ!
- いろは: そんなことしてたの?
- フェリシア: いろはの料理を食いたいときに 食えるようにしたかったからな!
- さな: はい、レシピは残っていたので それを元に練習したんです
- フェリシア: オレはほとんど さなの手伝いだけどな!
- いろは: 十分だよ 私、すっごく嬉しい!
- うい: わたしも、フェリシアさんと さなさんの料理楽しみっ!
- 鶴乃: うう、わたしも何か料理で 貢献したいけど
- 鶴乃: 万々歳の厨房じゃないしー…
- やちよ: いろはとういちゃんと一緒に リビングで待ってていいわ
- やちよ: 場が冷めないように 盛り上げておいて
- 鶴乃: それなら、得意分野だね!
- いろは: …………ふふっ
- 鶴乃: なんか、わたし変なことした!?
- いろは: ううん、そうじゃなくて 短時間でガラッと変わったなって
- いろは: さっきまでは、みんなに 嫌われたのかもしれないって
- いろは: ずっと不安で怖かったけど
- いろは: 今は胸が温もりでいっぱい…
- うい: わたしもだよ
- うい: だって、わたしたちのために みんなで準備をしてるんだもん
- いろは: 怖いと思ってたみんなの言葉が 今は嬉しくて笑顔になっちゃう
- うい: みかげちゃんと一緒
- いろは: そう、ニヤニヤしちゃう
- いろは: こんな幸せでいいのかな?
- 鶴乃: 振り回した身としては 謝罪の言葉しかないんだけど…
- いろは: いいの、気にしないで
- いろは: 鶴乃ちゃんもフェリシアちゃんも 私たちを心配してただけだもん
- いろは: だから、今の私はみんなの想いに 包まれて、幸せの絶頂なんだよ
- FILENAME: text_519910-9_qQMKo.txt
- 竜城 明日香: この舞台なら、 いろはさんが喋るだけではなく
- 竜城 明日香: 沙優希先輩が歌って踊ることも できるんじゃないでしょうか
- 史乃 沙優希: はい!
- 史乃 沙優希: 振り付けを大きくしなければ 十分踊れそうですぅ
- 美凪 ささら: テーブルなどの備品を借りる 手はずも整ったことだし
- 美凪 ささら: あとは当日の飾り付けに向けて 準備をするぐらいね
- 阿見 莉愛: じゃあ、胡桃さんたちの様子も 聞いてみるわ
- 胡桃 まなか: 先輩に言われなくたって こっちも準備は順調ですよ
- 胡桃 まなか: サイエンススイーツで 皆さんを驚かせますからね
- 都 ひなの: 化学に失敗はつきものだが 今回それはNGだからな
- 都 ひなの: 期待して待っててくれ
- 木崎 衣美里: しょーみなところ、 飾りつけの方が大変っしょ?
- 常盤 ななか: この短い間に よくここまで成長しましたね
- 常盤 ななか: あきらさんとかこさんの 努力のたまものです
- 志伸 あきら: ふぅ…教育がスパルタだった分 成果は出たって感じかな
- 夏目 かこ: でも、本当に綺麗に 仕上がりました
- 夏目 かこ: 自分が生けたお花だなんて 今も信じられません
- 遊佐 葉月: さ、残るところは風船とか 細かい買い出しかな
- みたま: わぁ~♪
- みかげ: すっご~~~い!
- 十七夜: 紙を広げると圧巻だな まさか壁一面に広がるとは…
- みたま: 描かれてる魔法少女たちって みんなれんちゃんが描いたの?
- 五十鈴 れん: あ、いえ…梨花ちゃんと 美雨さんにも手伝ってもらって…
- 綾野 梨花: 合作にした方がみんなからの 想いが前面に出るかなって
- 純 美雨: 人を追うのに似顔絵を描くのは 慣れてる方ネ
- みたま: でも、確か最初はみかづき荘の みんなの似顔絵だったはずよね?
- 純 美雨: 途中でれんがみんなを描きたい って言い始めたヨ
- 五十鈴 れん: はい…折を見て私たちのことを 思い出して欲しいなって…
- みかげ: みかづき荘のみんなって 遠くに行くわけじゃないよね?
- みかげ: ミィたちのことを 忘れたりしないと思うけど
- 五十鈴 れん: あ、なんて言えばいいのかな…
- 五十鈴 れん: …強い想いを抱えた人ってね 自分だけでなんとかしようとして
- 五十鈴 れん: 私たちが大声を出しても 手を振っても気づかないぐらい
- 五十鈴 れん: 自分の想いの中に 入り込んじゃうと思うの…
- 五十鈴 れん: 特にいろはさんとういちゃんは 今もみんなを救い続けている…
- 五十鈴 れん: だから、その使命感に 押し潰されそうになったときは
- 五十鈴 れん: そばに私たちがいることもね 思い出してほしかったの
- 十七夜: 絵は思い出すためのスイッチか …にしては少々大きいな
- 五十鈴 れん: あ…
- みたま: ちょっと、十七夜…
- 十七夜: む、すまない…失言だ
- 十七夜: ただ、大きい分伝わるだろう 五十鈴君の想いは
- 綾野 梨花: あたしもそう思うよ れんちゃん
- 五十鈴 れん: うん、ありがとう
- FILENAME: text_519910-10_qQMKo.txt
- いろは: うー…うー…
- うい: ん?
- いろは: 今もみんながパーティーの準備を してると思ったら
- いろは: なんだか、すごくむず痒くて… 心がワサワサする
- うい: あはは、心がワサワサって 初めて聞いたかも
- うい: でもお姉ちゃんの気持ちわかる
- うい: サプライズを知っちゃうと なんだか恥ずかしいね
- いろは: そうなの…
- いろは: 私たちの帰還を祝うって 言われちゃってるし
- うい: 「モンタージュは似顔絵 薬の話は化学を使ったお菓子作り 切ったり刺したりするのは生け花のことで 歌と踊りはアイドルの沙優希さん」
- いろは: 勘違いして恥ずかしい…
- うい: その勘違いで、ソウルジェムが 穢れに染まらなくて良かったよね
- いろは: ほんとにね…
- いろは: 私たちが穢れに染まりきったら マギアレコードがなくなるもん…
- うい: みんなが、わたしたちのことを 考えてくれてる分
- うい: わたしもちゃんと お返しができたらいいな
- いろは: きっと、私たちにできるのは 今の環境を維持することだよ
- うい: うん、大好きなみんなを守れる 恩返しになるよね
- いろは: …………
- いろは: マギアレコードから降りて来て 少し休み過ぎちゃったかな
- うい: 灯花ちゃんとねむちゃんにも 任せっきりになってるし…
- いろは: うん、このままじゃダメ
- いろは: マギアレコードから出てきて 幸せに浸っている場合じゃない
- いろは: 私たちにしかできないことを ちゃんとやらないと
- うい: うんっ!
- いろは: 私たちが離れてからも、マギアレコードには 魔法少女の穢れが集まってきている
- いろは: それは、世界のどこかにいる誰かの穢れで 今もその人の未来を守り続けている
- いろは: 同じように 私は大好きなみんなの未来を守りたい
- いろは: 幸せをくれた想いと向き合って ちゃんと報いたい
- [Part 1 end]
- ---
- [Part 2 start]
- FILENAME: text_519920-1_MTu1G.txt
- いろは: 開かれたのは 神浜市の魔法少女たちの想いが詰まった 私たちが主役のパーティー
- いろは: 準備している内容を知ったときに 私たちはみんなの想いを 受け止めきれなかった
- いろは: だけど、今はもう返事ができる
- いろは: みんなが納得してくれるかはわからないけど これが、私とういで出した答え…
- さな: え、ういちゃんと 万年桜のうわさに行くんですか?
- いろは: うん、放課後にね
- やちよ: もしかして、マギアレコードに 異変でもあったの…?
- さな: 穢れを回収するのに 問題があるとか…
- いろは: そんな深刻な話じゃないよ
- いろは: ただ、灯花ちゃんとねむちゃんの 様子を見にいこうと思って
- うい: しばらく、マギアレコードを 任せきりだから
- うい: 何か手伝えることが あるかもしれないでしょ?
- フェリシア: んなの任せときゃいーじゃん
- フェリシア: いろはとういはマギアレコードの コアってことで十分じゃん
- いろは: それでも、ちゃんと手を動かして みんなを支えたいの
- うい: わたしたちのパーティーを 開いてくれる恩返しだよ
- やちよ: ふふっ
- やちよ: 別に理由がなくても、 様子を見に行くと思ってたわ
- やちよ: まあ、あの天才たちが悪巧みを してないか確認してきて
- やちよ: 知らない間にとんでもないことを しでかしそうだから
- うい: そんなことないって 言ってあげたいんだけど…
- いろは: コソコソ何かやってるのは 想像しやすいかも…
- やちよ: でしょ?
- やちよ: って、フェリシア そろそろ着替えないと…!
- やちよ: あなた、学校が一番遠いんだから
- フェリシア: うお、やっべ!
- いろは: 私たちも準備しよう
- うい: うんっ
- やちよ: …………
- さな: …考え過ぎですよ…
- やちよ: あら、なんのこと?
- さな: 同じこと考えてたのかなって…
- 灯花: えーっ!? やちよお姉さまヒドい!
- 灯花: わたくしとねむは みんなのために頑張ってるのに!
- 灯花: 天才の労力を魔法少女のため だけに使わせてるんだから
- 灯花: 本当なら天才税を課したって おかしくないんだからねー?
- ねむ: 灯花、地に落ちた信用というのは 簡単に回復しないんだよ
- ねむ: ただ、因果応報とはいえ 悪巧みとは失礼千万も甚だしいね
- うい: お、怒らないでふたりとも…!
- 灯花: みんな脳細胞が死んでるんだよ ぷんすこぷー!
- ねむ: もはや、この疑いが切っ掛けで 悪巧みを始めても文句は言えない
- うい: えっえぇっ…? そんなに怒ること…!?
- ねむ: …むふっ、まあ冗談だよ
- いろは: はぁ、よかった… 変に疑っちゃってごめんね
- いろは: でも、今までのことがあるから 心配するのは許してあげて
- ねむ: 謝る必要はないよ 僕達の立場なら当然だからね
- 灯花: わたくしは、けっこー本気で 悪巧みをするつもりだったけど
- 灯花: お姉さまが言うなら、 わたくしも許してあげようかにゃ
- 灯花: それが、今日の本題じゃ ないと思うしねー
- ねむ: 本来の要件は何かな?
- いろは: あっ、えっと、 マギアレコードの話なんだけど…
- いろは: 私たちがいたときと同じように 管理って続けてるの?
- ねむ: 当然だよ
- ねむ: 魔法少女の穢れや 希望と絶望の相転移エネルギーは
- ねむ: 回収されてきた時点で 宇宙に返してるし
- ねむ: 魔法少女の記録に関しても 随時取りまとめを行っている
- ねむ: ただ、過去の魔法少女の記録の 回収は止めているけどね
- いろは: 前に私の概念が崩れちゃって 大変だったもんね…
- いろは: でも、それ以外は 今までと何も変わらないんだ?
- ねむ: 前と違う点があるとしたら 他の感情エネルギーの扱いかな
- 灯花: そうかも
- 灯花: 喜び、悲しみ、驚き、 みたいな感情エネルギーは
- 灯花: マギウスの翼のときと同じように わたくしたちがもらってるからね
- うい: うわさの都市伝説で作ってた 感情エネルギー?
- 灯花: そうだけど、別にうわさを作って 回収してるわけじゃない
- 灯花: 自然発生してる感情エネルギーを もらってるだけだからね
- いろは: 宇宙に返すものと分けてるんだ
- 灯花: そうそう
- 灯花: 返さないといけないものは ちゃーんと返して
- 灯花: それ以外のものをもらってるの!
- ねむ: マギアレコードの維持に 使うことは大前提で
- ねむ: 今後の発展のためにも エネルギーは必要不可欠だからね
- ねむ: あとは、お姉さんとういの 負担を減らすための努力だと
- ねむ: 捉えてもらえると嬉しい
- うい: わたしたちのために ありがとう
- ねむ: …それで、あれ… 本題に入る前に話が逸れたね…
- いろは: あ、そうそう、実はね…!
- FILENAME: text_519920-2_MTu1G.txt
- 灯花: ふーん それで、みんなを支えるために
- 灯花: マギアレコードの仕事を しようって思ったんだ
- いろは: だから、ふたりを手伝うって 今日は伝えにきたの
- うい: 灯花ちゃんとねむちゃんも 大変でしょ?
- ねむ: ういの言う通り ふたりだけだと大変だよ
- うい: それなら、 ちょうどよかったー!
- いろは: そうだね、うい
- 灯花: ただにゃー… ふたりともちょっと早いにゃー…
- ねむ: 性格を考慮すれば、 むしろ遅いぐらいじゃないかな
- うい: なんの話?
- ねむ: ういとお姉さんが、 僕達を手伝いに来る時期の話だよ
- うい: 早いと良くなかった?
- 灯花: それは別にどーでもいいんだけど 問題があるからねー…
- 灯花: 簡単に言うとね “ふたりはもう戻れないんだよ”
- いろは: へー…
- うい: もどれない…
- いろは&うい: えっ!?
- いろは: なんで私たち マギアレコードに戻れないの!?
- 灯花: どう説明しようかにゃー…
- 灯花: 「前にお姉さまは ウワサになった魔法少女をみんな助けて 自分の概念を削っちゃったせいで 魔法少女だけが知る存在になったでしょ?」
- 灯花: 「でも、今は削った概念を回収したおかげで 元の生活を送れるようになってる」
- 灯花: 「それって、わたくしとねむが思い描く 理想的な姿ではあるんだけど 実は偶然得られた結果でしかないんだよ」
- いろは: その、偶然と戻れない理由に 関係があるっていうことだよね…
- ねむ: 「うん…お姉さんとういが 元の生活に戻れるように概念を取り戻す」
- ねむ: 「そう望んだ結果の通りになったものの 僕達にはあの時 解決できない問題がひとつあったんだ」
- ねむ: 「それは、お姉さんとういを マギアレコードと行き来できる状態にすること」
- ねむ: 「今のマギアレコードは お姉さんとういの体よりも少し力が強いせいで 最奥部から外に出ようとするふたりの力より 引き留める力の方が強いんだ」
- 灯花: 「だから本当はね お姉さまの概念がぜーんぶそろっても この捻れた状態を正常にしない限り 外に出られるはずはなかったんだよ」
- 灯花: 「でも、まさかの魔女が奇跡を起こした」
- ねむ: 「お姉さんを取り込んだ状態で 無理矢理マギアレコードを飛び出したからね」
- いろは: じゃあ、外に出られたのは 本当に偶然…
- うい: わたしたち、一度戻れば 二度と出られなくなるの…?
- ねむ: マギアレコードより強い力を ふたりの体が得るまではね
- うい: それって、どれぐらいかかるの?
- 灯花: ふたりはコアだから 差異は小さいと思うんだけど
- 灯花: ちょっと灯花ちゃんにも わからないかにゃー
- いろは: そもそもどうして、 そんな大切なことを黙ってたの?
- いろは: 私、知ってたら…!
- 灯花: お姉さまはきっと マギアレコードに残るでしょ?
- いろは: ――っ!?
- ねむ: それに、ういも
- うい: …………
- ねむ: だから、僕と灯花は 内緒にしていたんだよ
- ねむ: きっと、みかづき荘に戻る前に 真相を伝えれば
- ねむ: 元の生活に戻ってくれないからね
- うい: 灯花ちゃんとねむちゃんは 最初から残るつもりだったの…?
- いろは: 本当だよ 私たちだけ外に出して…!
- 灯花: そうなんだけど…
- 灯花: でも、それってわたくしには 幸せな選択だよ?
- いろは: ふたりだけで、マギアレコードを 管理するのは大変なのに…?
- うい: それに寂しいよ…!
- ねむ: それでも余るほどの幸せが 今の状況にはある
- ねむ: お姉さん、うい よく聞いて欲しい
- ねむ: 僕達にとっての幸福はね ふたりの幸せなんだ
- ねむ: 魔法少女にとっての理不尽を 世に知らしめたいだとか
- ねむ: 他にも目的をもって僕は 生きてはいるけれど
- ねむ: いつだって最優先事項は ふたりなんだよ
- 灯花: それはわたくしも!
- うい: …………
- いろは: …………
- 灯花: だから、手伝ってくれる気持ちは すっごく嬉しいけど
- 灯花: もう一度考えてよ
- 灯花: それで、どうしても戻りたいなら また、万年桜のうわさに来て
- ねむ: 心配しなくても 僕達は寂しくはないよ
- ねむ: ここでは自由に 誰とでも会うことができるし
- ねむ: うわさを使ってしまえば 外にも出られるからね、むふっ
- 灯花: そういうことっ! くふふっ
- いろは: 本当に大変じゃない…?
- 灯花: まあ、ふたりがいないと…
- 灯花: マギアレコードは ちょっとばかり不安定かにゃ?
- いろは: ええ…
- うい: それ、大丈夫じゃないよ…
- ねむ: 灯花…余計なことを 言わないでくれるかな…?
- ねむ: 1年や2年でどうにかなる 話じゃないし
- ねむ: 僕達がエネルギーを集めるのは その安定化のためでもあるから
- ねむ: ふたりの心配は無用だよ
- FILENAME: text_519920-3_MTu1G.txt
- うい: ねむちゃんが言ってたこと 本当かな…
- うい: エネルギーを集めて マギアレコードを安定させる話…
- うい: ねえ、お姉ちゃんはどうする?
- うい: もし、自分がいなくても マギアレコードが平気なら…
- いろは: その、平気っていうのも 可能性の話でしかないよね…?
- いろは: だから、マギアレコードが 壊れるようなことがあれば…
- いろは: 私は“絶望で終わらない 魔法少女の未来”を見せる約束を
- いろは: 果たせないことになっちゃう
- いろは: それに、神浜市のみんなを 支えることすらできない…
- いろは: それなら、私は 戻る選択しかできないと思う…
- うい: 本当に…? お姉ちゃん、無理してない…?
- いろは: してないよ
- いろは: マギアレコードに戻るとしても 後ろ向きじゃないんだから
- いろは: むしろ、私が戻るときに ういを巻き込む方が心配だよ…
- うい: わたしは大丈夫
- うい: お姉ちゃんが戻るなら ついていくから
- いろは: でも、せっかくできた友だちと 離れないといけないよ…?
- うい: みんなと別れるのは寂しいけど 救われる人がいるならいいの
- うい: 大好きなみんなが元気ならね それでわたしは幸せだよ
- いろは: 私もね、 ういと同じ気持ち
- いろは: たとえみんなを救うことが 課せられたことでも
- いろは: それが重荷だと思わない
- いろは: 寂しさにウソはつけないけど
- いろは: みんなが元気でいる幸せの方が 寂しさを上回っちゃうんだ
- うい: 同じだ
- いろは: 同じだね
- ~~♪~~♪
- いろは: ――っ!?
- いろは: お父さん…
- いろはの父: 今、電話しても大丈夫か?
- いろは: うん、大丈夫だよ どうしたの?
- いろはの父: そろそろ飛行機に 搭乗するところだよ
- いろは: メッセージで 伝えてくれても良かったのに
- いろはの父: 娘の声を聞くのを待てなかった 気持ちを察してくれ
- いろは: ふふっ、変なの
- いろはの父: ういは、近くにいるのか?
- いろは: うん、隣にいるよ 代わろうか?
- いろはの父: いいかな?
- いろはの声: うい、お父さんからだよ
- うい: お父さん?
- いろはの父: お、元気そうで良かった
- いろはの父: ちゃんと、明日行けるように チケットを取っておいたぞ
- うい: チケット…
- うい: あっ、ミナギーランドの!?
- いろはの父: 忘れられたかと思って ヒヤッとしたぞ
- いろはの父: ちゃんと頼まれた通り 用意してあるから
- いろはの父: 寝不足にならないように 早く寝るんだぞ?
- うい: うん…
- いろはの父: ん、やっぱり元気がないか?
- うい: そ、そんなことないよ!
- FILENAME: text_519920-4_MTu1G.txt
- いろは: うい、鶴乃ちゃんからの メッセージ見た?
- うい: みんな万々歳に居るって 書いてあったやつ?
- いろは: うん、なんか創作中華に チャレンジしてるみたいだね
- うい: 今日の夕ご飯は万々歳かな?
- いろは: …お父さんとお母さん
- いろは: 私がマギアレコードに戻っても きっと覚えてるよね…?
- うい: お姉ちゃんの概念、 全部集まったもんね…
- うい: わたしたちが行方不明になったら ふたりとも悲しむよね…
- いろは: みかづき荘に預けてるから やちよさんも責められちゃう…
- うい: うん…
- いろは: おじゃましまーす
- うい: おじゃま…ひゃ…!
- いろは: 痛い痛い! 空気が目に染みてくる!
- やちよの声: いろは、ういちゃん! ドアは開けっぱなしにして!
- さなの声: 換気扇を最大に回して、 窓も開けてください…!
- いろは: な、なんなの!?
- うい: おねえちゃーん…!
- やちよ: いろはのお帰りパーティーで 料理を振る舞うんだって
- やちよ: 鶴乃とフェリシアが 急に気合を入れ始めたのよ
- さな: それで、いろはさんへの熱量が 足りないとか言い始めて…
- フェリシアの声: しゃーーーーできたーーー!
- さな: ひゃっ!
- 鶴乃: ちょうど、いいところに来たね いろはちゃん、ういちゃん!
- フェリシア: オレと鶴乃が、辛さで目と鼻と ノドを潰して作った
- フェリシア: 究極の熱量発揮料理だぞ!
- 鶴乃: 辛すぎて注意喚起されるぐらいの ヤバい唐辛子を使ってます!
- いろは: ぅ…これ、何?
- 鶴乃&フェリシア: 「インフェルノ・ラブ・マーボードーフ!」
- やちよ: ラブだなんて ふたりに似合わない単語を…
- さな: 地獄はどうなんですか…
- 鶴乃: さあ、1口だけでもどうぞ!
- いろは: ええっ!?
- うい: ば、罰ゲームだよ!
- フェリシア: たのむ!1口でいいから…!
- いろは: じゃ、じゃあ1口だけなら…
- うい: お姉ちゃん…!?
- うい: …じゃあ、わたしも…!
- フェリシア: しゃあ!
- 鶴乃: さあ、ふたりとも わたしたちの熱量をどうぞ!
- いろは&うい: 「せーーのっ!」
- パクッ
- いろは: あれ…夢…?
- やちよ: 違うわよ
- やちよ: 食べたとたんに倒れたから 心配したわ…
- いろは: 本当に夢じゃなかったんだ…
- うい: 口の中 まだヒリヒリしてるもん…
- いろは: あ、うい 倒れなかったの?
- うい: さっき起きたばっかりだよ
- いろは: …っ、なんだか 胃の中がスースーしてる…
- さな: あ、これ胃薬です…
- いろは: ありがとう、さなちゃん…
- いろは: 鶴乃ちゃんと フェリシアちゃんは?
- やちよ: 近所から苦情が届いたせいで 鶴乃のお父さんがカンカンでね
- やちよ: 今は反省の意味も込めて お店をピカピカに磨いてるわ
- いろは: あはは…
- さな: あ、いろはさん…
- いろは: ん?
- さな: 元気になってからでも 大丈夫なんですけど
- さな: 今度やちよさんのラジオドラマで 使うお話について
- さな: 相談してもいいですか…?
- いろは: うん、もちろん 内容は決まってきてるの…?
- さな: 最初はふたりの出会いにしようと 思っているので
- さな: いろはさんとやちよさんが 出会った話を聞こうかなって
- いろは: …うーん、参考になるかな
- やちよ: あんまりならないかも しれないわね…ふふ
- いろは: (この日常を捨てる…)
- いろは: (マギアレコードに戻れば またあの空間の中…)
- いろは: (真剣に考えるほど、 みんなが愛おしくなる…)
- ねむ: だから、僕と灯花は 内緒にしていたんだよ
- ねむ: きっと、みかづき荘に戻る前に 真相を伝えれば
- ねむ: 元の生活に戻ってくれないからね
- いろは: ズルいな…
- いろは: 戻りづらいのも ふたりにはお見通しなんだ…
- やちよ: さ、これでいいかしら
- やちよ: ミナギーランドにお弁当って 変な気がするけど…
- さな: ういちゃんの要望ですし いいんじゃないですか…?
- やちよ: そうね
- FILENAME: text_519920-5_MTu1G.txt
- やちよ: はい、これお弁当ね
- やちよ: 一応保冷剤も入れておいたから 持ち歩いても平気よ
- うい: ありがとう、やちよさん
- いろは: すみません お昼まで用意してもらって…
- やちよ: いいのよ別に
- やちよ: それよりも ご両親によろしく伝えておいて
- やちよ: もしも、しばらく日本に 滞在しているなら
- やちよ: こちらからご挨拶に伺うわ
- いろは: わかりました 伝えておきますね
- やちよ: (少し笑顔がぎこちない…? 気のせいかしら…)
- いろは: (悩んでても仕方がない…)
- いろは: (心配をかけないように、 今日は目一杯楽しもう)
- うい: お父さん、お母さん! お帰りなさい!
- いろはの父: ただいま!
- いろは: わあ、すっごい荷物!
- いろはの母: お土産を買ってたら すごい量になっちゃって…
- いろはの父: とりあえず家に荷物を置いて 着替えたら、出発しよう
- いろはの母: 今日は家族で楽しむ気満々よ
- いろはの父: いろはもういも 欲しいものは何でも言えよ?
- いろはの母: 海外とテーマパークのお土産で 家が大変なことになりそうね
- いろは&うい: ふふっ
- うい: ―うい― はい、お父さん食べる?
- いろはの父: ―いろはの父― それじゃあひとつ貰おうかな
- いろはの父: ―いろはの父― あむっ
- いろはの父: ―いろはの父― へえ、ストロベリーキャラメルのポップコーン けっこういけるなあ
- いろはの父: ―いろはの父― もうひとつ、もらってもいいか?
- うい: ―うい― うんっ、いっぱい食べていいよ
- いろはの母: ―いろはの母― 次はこの、シースプラッシュなんてどう?
- いろは: ―いろは― これ、聞いたことある 運が悪いとすっごく水を被っちゃうって
- いろはの母: ―いろはの母― それじゃあ家族4人で 運試しをしてみましょうか
- いろは: ―いろは― ええ、お母さん そんなチャレンジャーだったっけ…
- いろはの母: ―いろはの母― 滅多にない機会だからね
- いろはの母: ―いろはの母― そもそも、こうして家族みんなで テーマパークなんて初めてなんじゃない?
- いろは: ―いろは― そう言えばそうかも
- うい: ―うい― わたしが入院してたから?
- いろはの父: ―いろはの父― だから行けなかったってわけでもないな 正直、思いつかなかった
- いろはの母: ―いろはの母― むしろ、ういが元気になって提案してくれたから こうして家族で来られたのよ
- うい: ―うい― それなら、わたし 元気になって良かったな
- いろはの父: ―いろはの父― こんなアトラクションに乗ったの 学生以来かもしれないな
- いろはの母: ―いろはの母― けっこう高いわね…
- いろはの父: ―いろはの父― お、向こう見てみろ 午前中に乗ったシースプラッシュがあるぞ
- いろはの母: ―いろはの母― ちょっとお父さん動かないで!
- いろは: ―いろは― なんか、私たちより お父さんとお母さんがはしゃいでるかも
- うい: ―うい― うん、そんな気がするけど わたしたちの反応が薄いだけかも…?
- いろは: ―いろは― 魔女と戦ったりしてるから もっとすごい景色を見てるもんね…
- うい: ―うい― お父さんとお母さんには 内緒にしておかないと
- いろは: ―いろは― ふふっ、そうだね
- いろは: ―いろは― ういは、今日何が一番楽しみなの?
- うい: ―うい― 夜ぐらいから始まる ミナギーパレードが楽しみっ
- うい: ―うい― わぁああっ…
- いろは: ―いろは― すごい、綺麗だね…
- うい: ―うい― あんな衣装を着て移動しながら 歌って踊って、みんなすごいね…!
- いろは: ―いろは― あ、ダンサーの人たちが手招きしてる みんなで踊れるみたいだよ
- いろは: ―いろは― ういも参加してみたら?
- うい: ―うい― わ、わたしはいいよ みんなの前で踊るの恥ずかしいもん…
- いろはの父: ―いろはの父― この機会はもうないかもしれない
- いろはの母: ―いろはの母― そう、いつでも今っていうのは 最初で最後のチャンスなんだから
- うい: ―うい― でも…
- いろは: ―いろは― じゃあ、家族みんなで!
- いろはの父: ―いろはの父― お父さんとお母さんもか…!?
- いろはの母: ―いろはの母― いいじゃない いっそみんなで混ざりましょうよ
- いろはの父: ―いろはの父― あーもうクタクタだ… 明日はもう筋肉痛確定だな…これは…
- いろはの母: ―いろはの母― 本当、楽しい1日だったわ
- いろはの母: ―いろはの母― ういは楽しかった?
- うい: ―うい― うん、みんなで来たかったから 夢が叶っちゃった
- いろはの父: ―いろはの父― 七海さんにもお礼を言わないとな
- いろはの母: ―いろはの母― 本当、あんな美味しいお弁当 申し訳ないわ
- いろはの父: ―いろはの父― けど、みかづき荘にいれば 健康で居られるのは間違いなさそうだ
- いろはの母: ―いろはの母― その辺りは安心よね
- うい: ―うい― みんな良い人だしね 毎日がすっごく楽しいよ
- いろはの母: ―いろはの母― そう、良かった
- いろは: ―いろは― …………
- いろは: マギアレコードに戻れば 二度と見ることができない景色…
- いろは: ういがついてきたら 私もういもお父さんとお母さんのそばから 離れることになってしまう
- いろは: もしかしたら、本当にこうして遊ぶのは 最初で最後になるかもしれない…
- いろは: それなのに、平気で楽しめる自分を 演じられるなんて… 私はなんて親不孝者なんだろう…
- いろは: …正直、裏切れない
- いろは: 私はお父さんとお母さんの愛情を 裏切ることなんてできない
- いろは: 大切な人を覚えているのにどこにもいない その胸が張り裂けそうな苦しみは ういを捜していた私が、一番よく知ってるから…
- FILENAME: text_519920-6_MTu1G.txt
- いろは: それじゃあ、お休みなさい
- うい: おやすみなさーい
- いろはの母の声: みんなで川の字で寝るなんて はじめてじゃない?
- いろはの父の声: いろはが本当に小さいころは 並んで寝たりもしたけど
- いろはの父の声: ういも一緒に4人並んで寝るのは はじめてかもしれない
- いろはの声: うん、そうだと思う
- いろはの母の声: 今日は疲れたから ゆっくり休みましょう…
- いろはの声: 長旅ご苦労様… 今日は楽しかったよ…
- いろはの父の声: ありがとう、いろは
- いろはの声: …ふぅ
- いろは: 「…………」
- いろはの父: 「…………」
- いろはの母: 「…………」
- うい: 「…………」
- ういの声: ねえ、お母さん…
- いろはの母の声: …ん?
- ういの声: これから、いつになるか わからないけどね…
- いろはの母の声: うん
- ういの声: また、わたしを生んでね
- いろはの母の声: ど、どうしたの急に…
- ういの声: ううん、幸せだから また同じがいいと思っただけ…
- いろはの母の声: …本当にいいの?
- いろはの母の声: …また、病気でつらい毎日かも しれないのに…
- いろはの母の声: 丈夫じゃないかもしれない…
- ういの声: …それでも、お姉ちゃんがいて 灯花ちゃんとねむちゃんがいて
- ういの声: …苦しくても、つらくても 最後はね、絶対に幸せなんだ…
- ういの声: だから、ここがいい…
- ういの声: …また、環ういがいい
- いろはの母の声: ぐす…ごめんね…
- いろはの母の声: 私もまた、 ういのお母さんがいい…
- ういの声: よかったぁ…
- ういの声: すー…すー…
- いろはの父の声: …これが伝えたくて みんなで寝たかったのかな…
- いろはの声: わからない… だけど、ういの気持ちはわかる
- いろはの声: 私もふたりの娘で良かったって 本当に思うよ
- いろはの父の声: そうか…ありがとう…
- いろは: (もしかしたらういの方が 覚悟ができているのかも…)
- いろは: (だから、ちゃんと 伝えておきたかったのかな…)
- いろは: (あ…)
- いろは: 空に向かって穢れが回収されていくのがわかる
- いろは: 回収されたのは この世界のどこかにいる魔法少女で 誰かにとって大切な人
- いろは: みかづき荘のみんな…神浜市のみんな…
- いろは: プロミストブラッド…時女一族… ネオマギウス…午前0時のフォークロア… ピュエラケア…他にもみんな…みんな…
- いろは: 私にも支えたい人たちがいるように 世界中にいる沢山の魔法少女たちだって 生きていて欲しい人がいる
- いろは: 私がいなくなって 多くの人が悲しむのは知ってる
- いろは: けど、自分の幸福が みんなを殺してしまうのなら それは私にとってもみんなにとっても 幸福じゃない
- いろはの父の声: 本当にいろはにもういにも 感謝しかないよ
- いろはの父の声: 生まれてきてくれてありがとう
- いろはの母の声: ほんとに…
- いろはの母の声: それに、救われるわ ふたりとも良い子だから…
- いろはの声: 来世でも環いろはとして 生まれてくるときは
- いろはの声: もう少し悪い子になろうかな
- いろはの父の声: 良い子だと我慢することも多いか
- いろはの声: もうちょっと ワガママでいたいだけだよ
- いろは: 家族4人で過ごす時間が ゆっくりと過ぎていく
- いろは: ふたりが日本を去って 私たちがみかづき荘に戻ったころに 帰還を祝うパーティーは始まる
- いろは: だけど、私もういも覚悟が決まってしまった…
- 灯花: こうして来たってことは 戻るってことでいいの?
- ねむ: みんなにはちゃんと 自分の想いは伝えたのかな
- うい: ううん…
- いろは: それはまだ、これから…
- FILENAME: text_519920-7_MTu1G.txt
- いろは: 開かれたのは 神浜市の魔法少女たちの想いが詰まった 私たちが主役のパーティー
- いろは: 準備している内容を知ったときに 私たちはみんなの想いを 受け止めきれなかった
- いろは: だけど、今はもう返事ができる
- いろは: みんなが納得してくれるかはわからないけど これが、私とういで出した答え…
- かえで: みんな、こっちが会場だよ!
- 鶴乃: 結局、パーティー当日まで、 わたしたちには内緒だったね
- ももこ: サプライズのつもりだったんだ 会場ぐらい内緒にしてもいいだろ
- フェリシア: この辺りだったら、 明日香の道場ってわかるけどな
- いろは: …………
- うい: 結局、わたしたちの思ってること みんなに言えなかったね…
- いろは: パーティーの前に 伝えなきゃって思ってたけど
- いろは: みんなが準備してくれてるのを 知っちゃうとね…
- うい: うん、言い出せないよね…
- レナ: 何、乗り気じゃないみたいな 顔してんのよ
- いろは: えっ、そんな顔してた!?
- レナ: なんか、申し訳なさそうな顔を してたわよ
- いろは: ごめん、ちょっと 考えごとをしちゃってて
- レナ: せっかくのパーティーなんだから 堅苦しいことは忘れなさいよ
- いろは: うん、ありがとう レナちゃん
- 「いろはちゃん、ういちゃん」
- パパンッ、パンッ!
- いろは&うい: キャッ!
- 「お帰りなさい!」
- みたま: 少しクラッカーが多かったわねぇ
- みかげ: でも、これがワクワクしてた パーティが始まる合図!
- みふゆ: みかづき荘のみんなも 全員そろってめでたい席です
- 胡桃 まなか: ぜひ、ウォールナッツと化学が 融合した料理を堪能してください
- 常盤 ななか: 飾り付けもかこさんたちが みんなで頑張ってくれました
- 史乃 沙優希: わたしのステージもあるので みんなで盛り上がりましょ~♪
- やちよ: 生け花も料理も全部これ… みんなでそろえたの…?
- さな: 見てください… みんなの似顔絵が壁に…
- やちよ: さながら、1枚の壁画ね…
- 綾野 梨花: れんちゃんが 一生懸命頑張ったんだよ
- 五十鈴 れん: あ…美雨さんもです…はい… 喜んでくれたら嬉しいな…
- 純 美雨: もっと自信を持つべきネ 十分自慢できる作品になてるヨ
- 鶴乃: うんうん、感動しちゃったよ! ねっ、いろはちゃん
- いろは: う、うん…! すごい壮大!ビックリだね!
- うい: みんなを探すの…楽しいな
- 都 ひなの: …あー…なんだ…
- 都 ひなの: ふたりにはちょっと 派手過ぎたか…?
- うい: え…?
- 十七夜: 自分も、ふたりはどこか 沈んでいるように見えるが
- 十七夜: 気のせいか…?
- いろは: そ…そんなこと…
- 竜城 明日香: やはり、道場でパーティーは あまりにも浮かれすぎ…!
- 竜城 明日香: 否、神聖なる場を穢したと…!
- 竜城 明日香: くっ…ならば、詫びるためにも ここは腹を切って…!
- いろは: ち、違うの! そうじゃなくて…
- いろは: 私もういも…みんなに… 伝えたいことがあって…
- いろは: でも、それが とても言いづらくて…
- いろは: こんな大切な日になっちゃって それで…
- 竜城 明日香: …今さら、私たちに 何を隠す必要があるんですか
- 十七夜: うむ、自分たちは環君たちに 何度も驚かされている
- いろは: …でも
- 鶴乃: 気にしないで、いろはちゃん わたしたちなら大丈夫!
- やちよ: …そう、いいのよ 言っても…
- いろは: 私…マギアレコードに 戻ろうと思ってます
- うい: わたしも…!
- やちよ: …そう
- やちよ: やっぱり、そうだったのね
- いろは: 気づいてたんですか…?
- ももこ: やちよさん以外にも 気づいてた人はいるよ
- レナ: それが本番前に伝わって もうみんな知ってるわよ
- うい: どうして… 誰にも言ってないよ…?
- レナ: そりゃあ、学校での様子とかね
- かえで: いろはちゃん、笑い方が ぎこちなくなってたもん…
- みかげ: ういたんも、 どよーんとしてたからね
- いろは: バレバレだったんだ…
- うい: でも、気づいてたなら 聞いてくれても良かったのに…
- みかげ: だって、それでマギアレコードに 戻るって言われたらヤダもん…
- みたま: そうね…
- みたま: 気づいても口に出してしまえば 本当になってしまう…
- みたま: そしたらまるで、自分のせいで ふたりが消えるみたいじゃない…
- ももこ: だから、寂しいけどさ…
- ももこ: アタシは嬉しいよ 自分から言ってくれてさ
- いろは: やちよさんも…?
- やちよ: 前と違ってちゃんと別れるための 時間は作れたと思ってる…
- やちよ: みんなに連絡をして心の準備を 整えたのも私なのよ…
- 鶴乃: だから、今日のパーティーで 送り出すこともね
- 鶴乃: みんな、織り込み済だったんだよ
- フェリシア: オレは、やっぱイヤだけどな…
- さな: それでも、行くんですよね… マギアレコードに…
- さな: そして、それだけ 深刻そうにしているなら…
- いろは: …灯花ちゃんとねむちゃんには もう戻れないって聞いてる
- さな: …ですよね
- やちよ: ラジオドラマ… 再会で締めようと思ったけど
- やちよ: 少し変えないといけないわね
- さな: 提案する資料を修正しないと… ですね…
- フェリシア: いつ、行くつもりなんだ…?
- いろは: こうして、やっとの気持ちで 伝えたんだもん…
- いろは: 後ろ髪を引かれないうちに 行くつもりだよ
- やちよ: …それじゃあ、送り出すまでの 最後の時間を楽しみましょう
- FILENAME: text_519920-8_MTu1G.txt
- いろは: やちよさんは 私とみかづき荘で暮らす中で 一緒に過ごす時間が 束の間の出来事のように思えたらしい
- いろは: 他のみんなは私が万年桜のうわさに行ったあとで 気づいたみたいだけど 心の準備ができていたおかげか パーティーは予定通りに行われた
- いろは: 送り出してくれる言葉の中に寂しさはある 実際に私もみんなと離れるのは寂しい みかづき荘のみんなとは特に…
- いろは: それでも引き留められることがなく時間は経って いよいよ終わりの時を迎えようとしている
- いろは: 覚悟は決めても胸が痛くなるのは それだけみんなへの愛おしさを感じている証 だからこれからは、その痛みを力に変えて みんなを支えて未来を作り続ける
- みたま: そろそろ、 お祭り騒ぎもお開きねぇ
- いろは: …はい、そうですね
- うい: みんなとお喋りするのも これで最後かな…
- いろは: …うん
- 灯花の声: 心の準備はできたかにゃー?
- ねむ: パーティー当日になって ようやく意思を伝えたようだね
- いろは: 灯花ちゃん、ねむちゃん!
- うい: マギアレコードから出てきたの?
- 灯花: ふたりと違って わたくしたちはコアじゃないもん
- ねむ: 少しだけ仕事に隙間はできるけど 移動自体は無理じゃないよ
- ねむ: 僕達はあくまでウワサだからね
- やちよ: いろはを連れていくのね
- ねむ: その言い方だと僕達の意思になる 決めたのはお姉さんとういだよ
- 鶴乃: もう、行くの…?
- 灯花: お姉さまとういが望めば わたくしたちはいつでも迎えるよ
- ねむ: お姉さんも、そのつもりだよね?
- いろは: うん…
- うい: わたしもだよ…
- うい: …っ!
- いろは: 灯花ちゃんとねむちゃんに お願いがあるの
- ねむ: やり残したことがあるなら まだ時間はあるよ
- うい: ううん、 時間が欲しいんじゃないよ
- 灯花: じゃあ、わたくしたちにしか できないこと?
- うい: …うん
- ねむ: 何がお望みかな?
- いろは: うわさを作って、みんなから 私たちの記憶を消して…
- やちよ: なっ…!
- 鶴乃: ちょっと、本気で言ってる!?
- いろは: 私たちは見てたんです… 苦しんでるみんなの姿を…
- いろは: もう、みんなが苦しむ姿を 私は見たくない…
- うい: うん…会えなくなるなら きっと忘れた方が幸せだよ…
- うい: 私たちが消えたことを知らない お父さんとお母さんの方が
- うい: みんなよりも ずっと幸せそうだったもん
- フェリシア: んなわけねーだろ!
- フェリシア: 忘れても、なんかしんねーけど ぜってーに苦しい気がする!
- さな: それに私は、いろはさんたちに 忘れさせる選択をして欲しくない
- やちよ: そうよ…
- やちよ: それこそ私たちと過ごした日々を 捨てることと同じじゃない!
- 鶴乃: わたしは許さないよ!
- 鶴乃: マギアレコードに行くことは許す でも、忘れさせるのは許さない!
- 鶴乃: 行くならわたしたちの記憶も 丸ごと背負って行ってよ
- 鶴乃: それだけの覚悟ができたから この場で伝えたんでしょ!?
- 鶴乃: 忘れさせるのは わたしたちのためなんかじゃない
- 鶴乃: それは、いろはちゃんの逃げだ!
- いろは: …っ!
- いろは: そんな事言われても… 私は見ないといけないんですか…
- いろは: 苦しむみんなを…
- やちよ: 前にいろはとういちゃんが 消えたときと状況はまるで違うわ
- やちよ: 苦しんでいたとしても 前と違ってふたりを送り出せる…
- やちよ: それだけで十分な時間を 一緒に過ごしたもの
- やちよ: …これから何年、何十年経っても きっと私は泣くわ
- やちよ: だけど、折を見て思い出して 泣くぐらいいいじゃない
- いろは: …はい
- うい: それに、思い出してくれる方が 嬉しいかもね…
- いろは: うん…
- 灯花: わたくしにとって周りの意見は どーでもいいんだけど
- 灯花: お姉さまの希望は何かにゃ?
- ねむ: ふたりの望みが叶うのが 僕達にとっては最優先だからね
- ねむ: 忘れさせる?
- いろは: 私、どうしよう… こんなこと言われたら…
- いろは: (壁一面のみんなの似顔絵が 迫ってくるみたい…)
- いろは: (そばにいるから悩まないでって 訴えかけてくる…)
- いろは: 背負い過ぎなのかな…
- 灯花: もういいや、めんどくさい 気にしないでいいよ
- 灯花: 有限な時間がもったいないもん
- ねむ: 僕と灯花で、お姉さんとういが 望む状態にするのが良さそうだね
- 灯花: マギアレコードに 戻ることには変わらないけど
- ねむ: 最後の挨拶も済んでるし ちょうどいい機会かな
- FILENAME: text_519920-9_MTu1G.txt
- 灯花: もういいや、めんどくさい 気にしないでいいよ
- 灯花: 有限な時間がもったいないもん
- ねむ: 僕と灯花で、お姉さんとういが 望む状態にするのが良さそうだね
- 灯花: マギアレコードに 戻ることには変わらないけど
- ねむ: 最後の挨拶も済んでるし ちょうどいい機会かな
- いろは: そうだね…
- いろは: もう決意したんだから 今さら揺らいだりなんてしないよ
- いろは: 全部、背負ってみせる…
- やちよ: やめて、忘れさせないで!
- みふゆ: やっちゃんをひとりにしたら ワタシと同じじゃないですか…!
- みふゆ: 記憶まで消してしまったら
- みふゆ: やっちゃんの隣には 誰もいなくなるんですよ!?
- みたま: ―みたま― 今からでも考え直して!
- 十七夜: ―十七夜― みんなが望んでる形ではないぞ…!
- ももこ: ―ももこ― いろはちゃんのことを忘れて これからもアタシらは普通に生きてくなんて!
- かえで: ―かえで― そんなの考えたくない…!
- レナ: ―レナ― 考え直しなさいよ!
- いろは: ―いろは― (覚えていることの苦しみを私は知ってる)
- いろは: ―いろは― (みんなが嫌がることだって…当然…)
- いろは: ―いろは― (それでも、みんなが穢れに満たされないために 私はもう消える覚悟はできている…)
- いろは: ―いろは― (残るのは、私とういの中にある ごめんなさいの気持ちだけでいいんだ…)
- いろは: ―いろは― ありがとう、みんな でも、さよなら
- いろは: …………
- うい: …………
- いろは: …あれ?
- うい: 何か、変わった?
- フェリシア: いろは!うい! オレ、ちゃんと覚えてるぞ…
- さな: 私もです…
- 鶴乃: なんで…?
- いろは: 灯花ちゃん、ねむちゃん これってどういうこと…?
- うい: わたしたちが望む形って…
- 灯花: だから、望んでたでしょ?
- ねむ: マギアレコードの中と外を 自由に行き来するのをね
- いろは: …へっ!? え、でも、待って…えぇ…!?
- うい: わたしたち、中に入ったら 外に出られないんだよね…?
- 灯花: だから出られるようにしたんだよ ちゃんと話聞いてたかにゃ
- うい: き、聞いてたよぉ!
- やちよ: 説明を要求するわ…
- ねむ: わかりやすく纏めると
- ねむ: 「僕達は、このパーティーの場で お姉さんとういにエネルギーを供給して マギアレコードとの行き来が できるようにしようと思っていたんだ」
- 灯花: 「もちろん、サプライズのつもりでね」
- ねむ: 「でも、会話の流れで記憶を飛ばすなんて 話になってから空気がおかしくなってね 悪意のあるサプライズになってしまった」
- 十七夜: なぜ、我々の心を弄んだ 隠さずに教えればいいはずだろう
- 灯花: みんなも、お姉さまたちに内緒で パーティーの準備をしてたよね?
- 灯花: わたくしたちだって サプライズをしたかったんだよ
- ねむ: それに、コソコソ準備をした結果 お姉さんとういを泣かせている
- ねむ: だから、僕達もいっそのこと みんなを踊らせようと思ったんだ
- ももこ: 愛するふたりのために報復… って、納得したくねぇえええ…
- 鶴乃: いろはちゃんたちも しっかり巻き込まれてるからね…
- 灯花: 「でも、お姉さまとういに自由を与えたのは わたくしたちの想いじゃなくて みんなの想いってことは喜んで欲しいにゃー」
- 灯花: 「いつか、わたくしたちの手で お姉さまとういに自由を与えようと思って エネルギーを集めてたのに」
- 灯花: 「急にみんなから届くエネルギーが増えて 想定よりも早く集まっちゃったから 突然のサプライズができたんだよー?」
- ねむ: 「本来ならこんなに早く お姉さんとういを自由にできなかった パーティーの開催日と重ねることができたのは 本当にただの偶然」
- ねむ: 「お姉さんとういを大切にしてくれる みんなの気持ちが起こした奇跡のおかげだね」
- いろは: …………
- ねむ: マギアレコードより強い力を ふたりの体が得るまではね
- うい: それって、どれぐらいかかるの?
- 灯花: ふたりはコアだから 差異は小さいと思うんだけど
- 灯花: ちょっと灯花ちゃんにも わからないかにゃー
- いろは: あの、私たちが力を得る話…?
- やちよ: やり方には納得できないけど ふたりはみかづき荘にいられる?
- さな: 私たちの想いのおかげで?
- フェリシア: じゃあ、これってもう… お帰りパーティーじゃん!!
- 鶴乃: ほんとだーーー!
- みんな: 「いろはちゃーーーん!」 「ういちゃーーーん!」
- みんな: 「おかえりーーーーーーーーー!」
- 十七夜: と、これで めでたしでは終わらん
- みふゆ: 灯花、ねむ
- みふゆ: ワタシたちが動揺しているとき どんな気分でしたか?
- ねむ: お姉さんとういを泣かせた みんなが悪いんだよ
- 灯花: そーだよ!
- みふゆ: ほとんどの人がとばっちりです
- 十七夜: 灸を据えねばならんな
- 灯花&ねむ: 「やだーーーーー!!」
- FILENAME: text_519920-10_MTu1G.txt
- 灯花: お尻痛い…
- ねむ: さすがにしばらく経ってるし 気のせいじゃないかな
- 灯花: …むぅ、こうなったらねむ! うわさを作ろうよ!
- ねむ: くだらないうわさを 作る気はさらさらないからね…
- 灯花: みふゆをとっちめるうわさは くだらなくありませーん!
- ねむ: ふん…
- ねむ: そう言えば、だだっ子の“だ”は 無駄の“駄”って知ってるかな?
- 灯花: んなーー! ムカツクにゃー!
- ねむ: うるさい…
- ねむ: ほら、無駄話は終わりにして そろそろ仕事に戻ろう
- ねむ: お姉さんたちが戻っても マギアレコードは不安定だからね
- 灯花: んー、まーそうだねー
- 灯花: でも、急がなくてもいーよ
- 灯花: 色んな時空と繋ぎ過ぎた 弊害なんだろーけど
- 灯花: お姉さまとういは たぶん気づかないと思うし
- 灯花: せっかく落ち着いたんだから 気長にのんびりやってこー
- ねむ: それもそうだね
- ねむ: 束の間の凪の時間を楽しもう
- いろは: ―いろは― それで、シースプラッシュは 本当に水を被るので危険なんです!
- やちよ: ―やちよ― …環家の運が悪かったんじゃないの? 私、そんな話は聞いたことがないんだけれど…
- いろは: ―いろは― じゃあ、みかづき荘のみんなで乗りましょう 水を被る時は一緒ですからね
- やちよ: ―やちよ― ふふ、わかったわよ
- さな: ―さな― えっ、またお弁当でいいの…?
- さな: ―さな― ミナギーランドに入ったら 色々ご飯を食べられる所があるのに…
- うい: ―うい― 夜ご飯は外のお店で食べたらいいんだよ
- うい: ―うい― それに、さなさんは大変だと思うから 気にせずみんなでお昼ご飯は食べたいんだ
- さな: ―さな― じゃあ、ういちゃんが食べたいもの 私頑張って作ってみるね…!
- フェリシア: ―フェリシア― おーい!さっさと鍵あけろー!
- 鶴乃: ―鶴乃― みんなで作戦会議だよー!
- フェリシア: ―フェリシア― 1日じゃ回りきれねーし欲しいものもいっぱい! どーすりゃいいんだこれ!
- 鶴乃: ―鶴乃― フェリシア、お小遣いで買える範囲を 今のうちに決めておかないと危険だよ!
- 鶴乃: ―鶴乃― 食べ歩きなんてしてたら すぐにスッカラカンになるから!
- フェリシア: ―フェリシア― こえー…作戦って大事だなー…
- フェリシア: ―フェリシア― って、鍵ー!
- やちよ: ―やちよ― あーもう、わかったわよ! すぐ近くにいるんだから少しぐらい待ちなさい!
- やちよ: ―やちよ― まったく
- いろは: ―いろは― ふふっ、楽しみですね ミナギーランド
- やちよ: ―やちよ― この間、行ったばかりなのに?
- いろは: ―いろは― はい、大切な人たちと並んで歩いて 笑っていられるのが、一番の幸せですから
- いろは: ―いろは― …覚えていて良かったです
- やちよ: ―やちよ― 反省してね
- いろは: ―いろは― はい
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