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Paradise Shift JP Text

Aug 22nd, 2023 (edited)
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  1. FILENAME: text_519910-0.txt
  2. いろは: 開かれたのは 神浜市の魔法少女たちの想いが詰まった 私たちが主役のパーティー
  3. いろは: 準備している内容を知ったときに 私たちはみんなの想いを 受け止めきれなかった
  4. いろは: だけど、今はもう返事ができる
  5. いろは: みんなが納得してくれるかはわからないけど これが、私とういで出した答え…
  6. [Title card] パラダイスシフト~帰還の物語~
  7.  
  8. FILENAME: text_519910-1_qQMKo.txt
  9. うい: んーっ 冷たくておいしいっ!
  10. うい: アイスなんて久しぶりだね お姉ちゃん
  11. いろは: マギアレコードにいると 何も食べたりしないからね
  12. いろは: だからかな
  13. パクッ
  14. いろは: 久しぶりにお菓子を食べると 幸せな気持ちになるね
  15. うい: この間、みかげちゃんも 言ってたよ
  16. うい: お菓子は子どもの 栄養ドリンクだって
  17. いろは: その通りになってるかも
  18. いろは: …でも、 こんなに幸せでいいのかな?
  19. うい: どうして?
  20. いろは: 私たちって今も マギアレコードのコアのまま
  21. いろは: 自動浄化システムで 魔法少女を救ってるはずだけど
  22. いろは: 外に出たままだと 自分が何もしてないみたいで…
  23. うい: 手を動かしてないから わたしもちょっと忘れそうかも
  24. いろは: 今度、灯花ちゃんとねむちゃんに 様子を聞いてみよっか
  25. うい: うん、マギアレコードの様子を 知りたいもんね
  26. ピロン♪
  27. いろは: ん…? あ、お母さんから
  28. いろは: …帰りの飛行機が決まったって
  29. うい: わぁ、良かったあ
  30. うい: 帰ってきたら、 みんなでミナギーランドだもんね
  31. うい: 今からすっごく楽しみっ!
  32. うい: …でも、やっぱり灯花ちゃんと ねむちゃんには悪いな…
  33. いろは: …ふたりはウワサのままでも いいって言ってるし
  34. いろは: 本音だとは思うんだけど…
  35. うい: 気になっちゃうよね…
  36. いろは: うん…ふたりはこの世界に 戻って来てないんだもん
  37. いろは: はぁ…
  38. みかげ: いろはさんと ういたんだ!
  39. ラビ: どうも、ご無沙汰しています
  40. 那由他: こんな所で会うなんて奇遇ですの
  41. いろは: 皆さんもあした屋さんで お買い物ですか?
  42. 那由他: ですの…
  43. 那由他: トランプで負けてみかげさんに お菓子を買ってあげるんですの…
  44. ラビ: みかげさんは顔に出やすいのに 引き運が強すぎますからね…
  45. いろは: みかげちゃん 運でふたりに勝ったんだ
  46. みかげ: …………ふふ
  47. うい: ん、わたしの顔に何かついてる? さっきのアイスかな…
  48. みかげ: ううん、ふたりを見てるとね 今のミィはニヤニヤしちゃうんだ
  49. ガヤガヤ
  50. フェリシア: おっ、あいつら なんかコソコソやってるぞ
  51. 鶴乃: コソコソって…
  52. 鶴乃: …思ったよりコソコソだ
  53. フェリシア: だろ?
  54. フェリシア: 何してるか見てみようぜ
  55. 五十鈴 れん: これ…いろはさんって ちゃんとわかるでしょうか?
  56. 綾野 梨花: 特徴は捉えてるし さすがれんちゃんって感じだよ
  57. 純 美雨: このモンタージュなら、 知らない人でも十分わかるヨ
  58. 志伸 あきら: 目的は十分果たせそうだね
  59. フェリシア: もんたーじゅってなんだ?
  60. 鶴乃: 指名手配するときに使う 似顔絵だよ
  61. フェリシア: あ?
  62. フェリシア: なんで、知らないヤツを使って いろはを捕まえるんだ…?
  63. 純 美雨: 「落とし前はつけさせてもらうネ」
  64. 鶴乃: 確かに…なんか、不穏な空気
  65.  
  66. FILENAME: text_519910-2_qQMKo.txt
  67. いろは: 私が…指名手配…?
  68. うい: お姉ちゃん何かしたの…?
  69. いろは: してない…けど…
  70. 鶴乃: なんで、自信なさげなの!?
  71. いろは: えっ!?
  72. いろは: あ、してないけど、どこかで 何かしちゃったのかなって…
  73. やちよ: 真に受ける話じゃないわ 話半分で聞いておきなさい
  74. フェリシア: でも、アイツら言ってたぞ! 落とし前をつけさせるって!
  75. やちよ: そう…
  76. さな: なんですか…
  77. フェリシア: やっぱ信じてねーだろ!?
  78. さな: いろはさんが 恨まれるとは思えませんし…
  79. やちよ: ねぇ…?
  80. いろは: でも、どうなんだろう… 美雨さんに何かしたのかな…
  81. いろは: …ぜんぜん思い出せない
  82. 鶴乃: 気をつけた方がいいよ 相手はあの蒼海弊なんだから
  83. 鶴乃: 今は牙を失っているけど サメみたい生えてくるかも!
  84. やちよ: もういいでしょ…? この話は終わり
  85. 鶴乃: ちょー!
  86. やちよ: じゃあ、夜ご飯の前まで 私とさなは部屋に戻ってるから
  87. さな: はい、またあとで…
  88. 鶴乃: えー…? ていうかなんでふたりで…
  89. うい: わたしやお姉ちゃんにも 秘密みたいなんだけど
  90. うい: 最近、ふたりで何かしてるの
  91. フェリシア: なんかコソコソしてるよな
  92. 鶴乃: むむ、こちらにも 謎のコソコソ疑惑が…
  93. フェリシア: なんか、色んなところで増えて… はやってんのか…?
  94. いろは: よくわからないね…
  95. フェリシア: ん~~…
  96. フェリシア: よっしゃ、決めたぞ! いろは、うい、鶴乃!
  97. いろは: な、なにっ!?
  98. うい: どうしたの!?
  99. フェリシア: オレたちで、コソコソ魔法少女の 真相を暴いてやろうぜ!
  100. 鶴乃: それしかない!
  101. 鶴乃: いろはちゃんが危険なのに やちよまで知らんぷりなんて
  102. 鶴乃: こうなったらわたしたちの手で 鼻を明かしてやる!
  103. 鶴乃: ふんふん!
  104. フェリシア: ふんす!
  105. うい: やっぱり、お姉ちゃんは 狙われてるってこと…?
  106. いろは: とりあえず そういうことにしとこっか
  107.  
  108. FILENAME: text_519910-3_qQMKo.txt
  109. いろは: それじゃあ、行ってきますね
  110. やちよ: せいぜい付き合ってあげて
  111. フェリシア: ふんっ、いろはがいねーときは おかしかったくせに!
  112. やちよ: ちょっと、蒸し返さないで…!
  113. 鶴乃: わたしたちがいろはちゃんの ピンチを救ったときは
  114. 鶴乃: やちよには、万々歳で 満漢全席を食べてもらうからね!
  115. やちよ: そんなの作れないでしょ!?
  116. 鶴乃&フェリシア: ふーんだ!
  117. うい: 行っちゃった…
  118. いろは: じゃあ、改めて行ってきます
  119. やちよ: ええ、行ってらっしゃい…
  120. さな: 気をつけてくださいね…
  121. うい: 衣美里さんの相談所って この辺りだったよね?
  122. いろは: うん、何かやってても コソコソせずに聞いてみよう
  123. うい: その方が早く 真相がわかりそうだもんね
  124. うい: フェリシアさんたちも かこさんに話が聞けるといいけど
  125. いろは: あきらさんと仲良しだから 何か知ってるといいね
  126. うい: あれ、ひなのさんたちがいる
  127. いろは: はっ…
  128. うい: どうして隠れるの…!?
  129. いろは: ごめん、つい!
  130. いろは: 鶴乃ちゃんたちがさわぐから なんか反射的に…
  131. 都 ひなの: …というわけだ ここまでの工程は理解できたか?
  132. 胡桃 まなか: まさか化学の知識を こんな形で応用するなんて
  133. 木崎 衣美里: だしょだしょ!?
  134. 木崎 衣美里: 小さくても、みゃーこ先輩は 偉大なんだから!
  135. 都 ひなの: 小さいは余計だ 偉大だけ残しておけ
  136. 静海 このは: でも、こんな方法を使うなんて 体が心配ね
  137. 胡桃 まなか: 最近マシになったとはいえ、 殺人料理を作る人に言われると…
  138. 胡桃 まなか: まあ、どこかの調整屋さんよりは マシかもしれませんが…
  139. うい: 化学を応用する話?
  140. いろは: でも、体によくないのかな?
  141. 木崎 衣美里: しょーみな話なんだけど ろっはーって平気だと思う?
  142. 都 ひなの: まあ、十中八九 すぐに倒れて意識を失うだろうな
  143. うい: あれ、怖い話…?
  144. 静海 このは: 「でも、本当に薬漬けにしても大丈夫なの?」
  145. 都 ひなの: 「安心しろ、成功する自信はある」
  146. いろは: ひっ…
  147. うい: クスリ…?
  148. いろは: なんの話だろうね…
  149. いろは: でも私のことだって 勘違いだったら良くないし
  150. いろは: 直接聞いてみよう…!
  151. うい: うんっ
  152. 都 ひなの: 「だれだ!!」
  153. いろは&うい: ――っ!?
  154. うい: な、ななっ なんであんな怒るの!?
  155. いろは: わ、わからないよ…
  156. 胡桃 まなか: 「危ないです いろはさんに聞かれるわけにはいきません」
  157. いろは: やっぱり、私の話だった…
  158. フェリシア: 鶴乃…
  159. 鶴乃: これは本格的にマズいね
  160. フェリシア: まさか、かこも関わってるなんて 知らなかったぞ…
  161. 常盤 ななか: 「わかりましたね、おびえる必要はありません」
  162. 常盤 ななか: 「時間をかけずに処理するために 思い切り良く切りましょう 奧までしっかりと刺すことも重要です」
  163. 常盤 ななか: 「続けて埋めて隠すという作業も 今回は必要になるので覚えてください」
  164. 鶴乃&フェリシア: ひぃぃ…
  165. 鶴乃: わたしたちの知らない間に いろはちゃんが狙われてる…
  166. フェリシア: おう…このままじゃ ういも処理されるかしんねーぞ…
  167. 鶴乃: …けどさ
  168. フェリシア: あ?
  169. 鶴乃: 実は、わたしたちに秘密で みんな何かしてるんじゃない…?
  170. 鶴乃: ほら、いろはちゃんが帰ってきて そのパーティーとか…さ?
  171. フェリシア: んー、オレは狙われてるとしか 思えねーけど…
  172. 鶴乃: だって、モンタージュは 似顔絵だって捉えられるしさ
  173. 鶴乃: ななかちゃんの切ったりする話も 生け花のことかもしれないよ
  174. フェリシア: 確かにアイツ 生け花のすげーやつだしなー
  175. フェリシア: 会場になりそうなところに 行ってみるか?
  176. 鶴乃: うん、ユニオンの拠点になってた 竜真館に行ってみよっか
  177. 鶴乃: きっと、いろはちゃんたちには 内緒だからコソコソしてるんだよ
  178. 美凪 ささら: これで、いろはちゃんが 立つ舞台も整ったね
  179. 竜城 明日香: 倒れるまで歌って踊ったとしても 竜真館ならビクともしません
  180. 若菜 つむぎ: あ、お酌して回れるように テーブルの配置には注意ですね
  181. 阿見 莉愛: ふふ、泣いてる姿が目に浮かぶと 思わず笑いが込み上げてくるわ
  182. 阿見 莉愛: 「オーッホッホッホッホッ」
  183. 鶴乃: なっ…あ…
  184. フェリシア: やっぱり、狙われてるぞ…
  185. 鶴乃: というか、なんか恨まれてる…?
  186.  
  187. FILENAME: text_519910-4_qQMKo.txt
  188. いろは: どうしたの、鶴乃ちゃん こんな所に呼び出して…
  189. うい: 何かわかったの…?
  190. 鶴乃: いろはちゃんたちだって、 何か聞いたんじゃないのかな…
  191. いろは: …………うん…
  192. フェリシア: アイツら何を考えてるのか しんねーけどさ
  193. フェリシア: いろはもういも このままじゃ危険だぞ
  194. 鶴乃: とりあえず、見聞きした話を 出し合ってまとめてみようよ
  195. いろは: そうだね…
  196. 鶴乃: むぅ…
  197. 鶴乃: これまで聞いた話をまとめると…
  198. 鶴乃: 「いろはちゃんとういちゃんの モンタージュを作ってる人たちがいて…」
  199. 鶴乃: 「薬漬けにしようとしている人がいて…」
  200. 鶴乃: 「危害を加えて埋めようとしてる人がいて…」
  201. 鶴乃: 「歌わせて踊らせて泣かせる人がいる…」
  202. いろは: でも、私まだ信じられないよ…
  203. うい: うんうん、やろうとしてることも みんなバラバラだもん…!
  204. フェリシア: 鶴乃ならわかんじゃねーか? ひとつに繋がってるって…
  205. 鶴乃: …………
  206. 鶴乃: 言われてみるとそうだね…
  207. 鶴乃: 「いろはちゃんとういちゃんを モンタージュを頼りにして不特定多数で捜査… 捕まったら舞台に上げられて 倒れるまでみんなの見世物にされる」
  208. 鶴乃: 「そして、最後は薬で眠らされて 苦しまないように殺されて埋められる…」
  209. フェリシア: なんか、繋がった気がするな…
  210. 鶴乃: うん、断片を整理してみると 計画的な犯行が浮かび上がったよ
  211. いろは: でも、やちよさんたちは 何も気にしてなかったし
  212. いろは: やっぱり考え過ぎなんじゃ…
  213. うい: うん、もう一度やちよさんと さなさんにも相談しよう
  214. フェリシア: でも、コソコソしてんのは あのふたりだって同じなんだぞ?
  215. うい: そうだけど…
  216. いろは: 私、みかづき荘のみんなまで 疑いたくないな
  217. 鶴乃: …ただ、石橋は叩いておこう
  218. 鶴乃: となると、まず頼るべきなのは ももこだよ
  219. フェリシア: 確かに、アイツだったら ちゃんと話を聞いてくれそうだな
  220. 鶴乃: 明日学校で聞いてみよう
  221. フェリシア: 頼んだぞ
  222. 鶴乃: 任せて!
  223. 鶴乃: いろはちゃんとういちゃんは わたしたちが守る!!
  224.  
  225. FILENAME: text_519910-5_qQMKo.txt
  226. ももこ: いろはちゃんが 恨まれていて殺される~?
  227. かえで: ういちゃんも一緒に…?
  228. レナ: 意味がわかんない 警察に電話してみれば?
  229. 鶴乃: 魔法少女がからむ案件に 首を突っ込まれたら大変だよ!
  230. レナ: そうじゃなくて
  231. レナ: 鶴乃の脳みそが落とし物で 届いてるかもしれないし
  232. 鶴乃: バカにしてーーー! もーー!
  233. ももこ: まあ、突飛過ぎる話だしさ ちょっと詳しく教えてよ
  234. いろは: 私は狙われてるなんて 全然思ってないんですけど…
  235. うい: わたしも考え過ぎだと思うけど 一応説明するとね…
  236. うい: それで、色々と組み合わせると 危なそうな気がして…
  237. いろは: 鶴乃ちゃんたちが言ってることを 否定することもできないし…
  238. 鶴乃: そこで、魔法少女たちの御大たる ももこの意見を仰ごうかと!
  239. ももこ: 御大なんて大げさな… それに発想も大げさ…
  240. かえで: いろはちゃんとういちゃんが 恨まれることなんて…ね?
  241. ももこ: 鶴乃はいろはちゃんが帰ってきた パーティーの準備だから
  242. ももこ: みんながコソコソしてるって 思ったんだろ?
  243. かえで: そっちの方が自然だよ
  244. レナ: そうそう 考え過ぎよ、考え過ぎ
  245. 鶴乃: じゃあ、3人はパーティーのこと 知ってるの?
  246. レナ: そう言われると…
  247. 鶴乃: いろはちゃんと関わりが深い 3人が知らないの…?
  248. レナ: うっ…
  249. いろは: もういいよ、鶴乃ちゃん
  250. いろは: みんなを疑ってたら 私も気分が良くないし
  251. うい: うん、わたしもお姉ちゃんも 気にしないから
  252. うい: いつも通りでいよう
  253. ももこ: 一番お姉さんの鶴乃よりも ふたりの方が大人かもな
  254. 鶴乃: ぐぬっ…むぅ…わかったよ… じゃあ気にしない…!
  255. 鶴乃: 今日のところはこれで終わり!
  256. ももこ: んじゃ、休み時間も終わるから またお昼休みにね
  257. いろは: はい、なんだか困らせちゃって すみませんでした
  258. ももこ: おい、鶴乃
  259. 鶴乃: わ、どうしたの?
  260. ももこ: まだ、探りを入れる気だろ…
  261. 鶴乃: さすが、 付き合いが長いだけあるね
  262. ももこ: 白状すると、鶴乃の推理通り パーティーの準備だよ
  263. 鶴乃: ぇえ?
  264. ももこ: いろはちゃんとういちゃん だけじゃなくて
  265. ももこ: みかづき荘のメンバー全員に 秘密だったんだよ
  266. 鶴乃: じゃあ、いろはちゃんが 危害を加えられるっていうのは
  267. ももこ: 完全な被害妄想だ
  268. ももこ: 信じられないならちゃーんと みんなに話を聞いてみろ…
  269. 鶴乃: つまり、みかづき荘への サプライズってこと!?
  270. ももこ: そうだよ
  271. 鶴乃: ガーン、なんでバラすのさ わたし驚けなくなっちゃった
  272. ももこ: このまま放置してたら 絶対にひっかき回すだろ…?
  273. ももこ: だから先に白状したんだ
  274. 鶴乃: しょぼーん…
  275. 鶴乃: わかった…取りあえず 答え合わせだけしてみる…
  276. ももこ: そうしてくれ
  277. レナ: ちゃんと伝えた?
  278. ももこ: ま、最悪の事態は逃れたかな
  279. いろは: (ういに消しゴム 借りられたから)
  280. いろは: (レナちゃんに借りてたやつ 次の授業の前に返さないと)
  281. …………
  282. いろは: あれ、レナちゃん 教室に戻ってたんだ
  283. いろは: ももこさんも…?
  284. レナ: 「でも、ほんとあのまま いろはにバレてたらヤバかったわよ」
  285. いろは: え…
  286. ももこ: 「十七夜さんの方も捕まえる算段はつけてたし あとは計画通りに進めるだけだな」
  287. レナ: ば…ももこ…!
  288. ももこ: げっ…!
  289. いろは: あの、私… みんなに何かしちゃいましたか?
  290. ももこ: いや、いろはちゃん 今のは関係ないから…!
  291. ももこ: あっ…!
  292. レナ: バッドタイミング…
  293. ももこ: お前もだろ…
  294.  
  295. FILENAME: text_519910-6_qQMKo.txt
  296. いろは: ただいまー
  297. うい: 帰ったよ、やちよさーん
  298. やちよの声: おかえりなさーい
  299. うい: あれ、鶴乃さんは?
  300. さな: フェリシアさんとふたりで まだ出かけてるみたいですね…
  301. うい: まだ、わたしたちが危ないって 調べてるのかな…?
  302. いろは: だと思う…
  303. やちよ: あの話、まだ続いてたの?
  304. うい: わたしは ぜんぜん気にしてないよ
  305. いろは: でも、鶴乃ちゃんたちの方は 熱が入ったままで…
  306. やちよ: あの子らしいけど、 みんなに迷惑かけてないかしら…
  307. いろは: あ、煮物ですか?
  308. やちよ: 今のうちに仕込んで 弱火でじっくり煮込もうかなって
  309. いろは: 里芋だと味が染みて 美味しくなりそうですね
  310. やちよ: でしょ?久しぶりに 食べたくなっちゃったの
  311. やちよ: でも、お手伝いは大丈夫 あとは待つだけだから
  312. やちよ: あ、強いて言うなら…
  313. やちよ: さなと用事があるから 火だけ見ておいてくれる?
  314. いろは: わかりました
  315. さな: ういちゃんもいろはさんと 一緒によろしくね
  316. うい: やちよさんとさなさんも わたしたちに…内緒…?
  317. さな: え…?
  318. うい: みんなも、コソコソしてるけど ふたりもコソコソしてる…
  319. さな: あ、私たちのは、その…
  320. いろは: ごめんね、さなちゃん…
  321. いろは: でも、私とういが危険だって話…
  322. いろは: 鶴乃ちゃんたちが大げさに 言ってるだけだと思ってたけど
  323. いろは: なんだか本当みたいに 思えてきちゃって…
  324. さな: えっえっ!? そんなことって…!
  325. さな: 私たち恨んでないですよ…!?
  326. うい: ほんとう?
  327. さな: うん、ほんとだよ ういちゃん…
  328. やちよ: …何があったか知らないけど 観念して話すしかないわね…
  329. さな: いいんですか…?
  330. やちよ: いろはとういちゃんを 不安にさせたくないもの…
  331. うい: それって コソコソしてた理由…?
  332. やちよ: そう…実は私ね
  333. やちよ: FM神浜のラジオドラマに 出演することが内定したのよ
  334. うい: らじおドラマ?
  335. やちよ: 音だけで聞く物語 って言えばいいかしら…
  336. やちよ: 前に学生会議の取材を受けてから 話が広がっていってね
  337. やちよ: 気づいたら、FM神浜の番組に 出ることになってたのよ
  338. いろは: そんな、すごくいい話なのに なんで内緒にしてたんですか?
  339. やちよ: それは…私って演技が下手だから なんだか言いづらくて…
  340. いろは: さなちゃんだけ知ってたのは どうして…?
  341. やちよ: 始まりが私の取材だったから アイデアを求められたんだけど
  342. やちよ: 私、お話作りは素人だから さなの力を借りてたのよ
  343. さな: そういうことなんです… あの、疑いは晴れましたか…?
  344. やちよ: 気を揉ませてしまったわね
  345. いろは: よ、よかっ…たぁ…
  346. うい: ふぅぅ…
  347. いろは: ずっ…と… みんなに嫌われたと…
  348. やちよ: ちょ、ちょっと… いったいあれから何があったの?
  349. やちよ: へぇ…
  350. やちよ: 倒れるまで見世物にされて 眠らされて殺されて埋められる…
  351. やちよ: ももこも加担してるの…?
  352. いろは: え、あの…! たぶん本気じゃなくて…
  353. いろは: きっと私とういが勘違いして 泣いちゃっただけで
  354. やちよ: 勘違いでも泣かせたら罪 しっかり吐いてもらいましょう
  355. さな: で、でも、誰に…?
  356. やちよ: 決まってるじゃない
  357. やちよ: 神浜市の魔法少女の中で 大がかりなパーティーを開くのは
  358. やちよ: 「あの女ぐらいしかいないわ」
  359.  
  360. FILENAME: text_519910-7_qQMKo.txt
  361. みたま: あらぁ、やちよさん いらっしゃい
  362. みたま: いろはちゃんたちも 一緒なのね
  363. みたま: あら…?
  364. みたま: どうしたの そんな怖い顔して…
  365. やちよ: 胸に手を当てて心臓を握り潰す ぐらいの気持ちで考えなさい
  366. やちよ: あなたの立てた企画のせいで
  367. やちよ: いろはとういちゃんが 泣いたのよ
  368. みたま: ちょ、ちょっとぉ!
  369. みたま: 急に泣かれたなんて言われても わたしにはわからないわよぉ!
  370. うい: あの、ごめんなさい みたまさん…
  371. さな: もう、私たちの手じゃ 止められなくて…
  372. いろは: わ、私たちはいつでも ちゃんと話を聞きますから…!
  373. 十七夜: 七海…少し落ち着け 泣いた環君の方が冷静だ
  374. 十七夜: 俗に言うモンスターペアレントと 何も変わらんぞ
  375. やちよ: …あなたは弟の壮月君が
  376. やちよ: 倒れるまで見世物にされて 眠らされて殺されて埋められても
  377. やちよ: そう言えるのかしら?
  378. 十七夜: なっ… それは、永遠に呪い殺すな
  379. やちよ: でしょう?
  380. 十七夜: まさか、八雲…! 環君を埋める気なのか…!?
  381. みたま: そんなわけないじゃない! どこから、そんなでまかせが!?
  382. やちよ: あなたがコソコソ進めている件で そんな疑いがあるの…
  383. みたま: …コソコソって、まさか
  384. やちよ: 身に覚えがありそうね
  385. みたま: 言わなきゃダメ…?
  386. やちよ: …………
  387. みたま: やめて、お店を壊さないで…! わかった白状するわよぉ…
  388. みたま: わたしはただ、みんなと一緒に いろはちゃんが戻って来た記念に
  389. みたま: サプライズパーティーを しようと思ってたの…
  390. やちよ: はぁ… そんなことだと思ったわ…
  391. やちよ: で、みんなが隠れて準備を進めて 鶴乃たちが勘違いしたと…
  392. いろは: じゃあ薬漬けにするって なんの話なんだろ…
  393. うい: 指名手配もされるんでしょ…?
  394. さな: それに切ったり刺されたり 埋められたり…
  395. やちよ: おまけに醜態をさらす舞台まで 用意されているとか…
  396. 十七夜: 八雲…お前そんな残虐非道な パーティーを…
  397. やちよ: 十七夜もいろはを捕まえる 役割があるって聞いたわよ…?
  398. 十七夜: 馬鹿な…自分も…!?
  399. やちよ: ももこと一緒に 計画を進めてたんでしょう?
  400. 十七夜: それは、当日に学生会議の報告を するつもりだから
  401. 十七夜: 十咎と一緒に必要なメンバーを 捕まえておくという話だ
  402. みたま: どれもこれも… 全部わたしの知らない話よぉ
  403. みたま: 何をするのかは 各自に任せてるもの…
  404. いろは: それなら、みんなも お互いがしてることって…
  405. みたま: ええ、知らないはずよ…?
  406. うい: じゃあ、わたしたちが勝手に 結びつけて考えてただけ…?
  407. みたま: 楽しいサプライズパーティーに わたしはするつもりよ?
  408. みたま: ミィもずっと楽しみにしてたし…
  409. うい: あっ…
  410. みかげ: …………ふふ
  411. うい: ん、わたしの顔に何かついてる? さっきのアイスかな…
  412. みかげ: ううん、ふたりを見てるとね 今のミィはニヤニヤしちゃうんだ
  413. うい: だから、みかげちゃん ニヤニヤしてたんだっ!
  414. いろは: なんか急に謎が解けた感じ… ホッとしちゃった…
  415. 鶴乃: あ、やっぱりみんな集まってる!
  416. フェリシア: おい、聞いてくれ! いろはたちは安全だぞ!
  417. 鶴乃: うん、危険だって言うのは わたしたちの勘違いだったよ!
  418. やちよ: ええ、誤解はもう解けてるわ
  419. 鶴乃: よかったぁ~
  420. やちよ: ふたりがコソコソ話を聞かなきゃ 誤解が生まれなかったこともね
  421. 鶴乃: ぇえっ!?
  422. フェリシア: オレらのせいかよ!!
  423. やちよ: そう、今からみんなに コソコソ禁止令を発布するわ!
  424. フェリシア: つーか、やちよとさなだって コソコソしてただろ…?
  425. フェリシア: 実は、このパーティーの準備を コッソリしてたんじゃねーの…?
  426. みたま: わたしはみかづき荘のみんなに 秘密にしてたはずよ?
  427. フェリシア: あ?
  428. やちよ: 私は別件
  429. やちよ: FM神浜のラジオドラマが 決まったかもしれないの
  430. フェリシア: ええっ!まーじかよ!
  431.  
  432. FILENAME: text_519910-8_qQMKo.txt
  433. いろは: えっ!?
  434. いろは: ラジオドラマの内容って 私も出るんですか!?
  435. やちよ: 仕方ないのよ
  436. やちよ: 学生会議の話から始まって 色々と振り返ってみたんだけど…
  437. やちよ: 私と十七夜がマギウスの翼の件で 手を取り合ったことが
  438. やちよ: 西と東の距離が縮まる ひとつのきっかけだったとしても
  439. やちよ: いろはが魔法少女になってないと 実現しなかったことなのよ
  440. さな: それで、相談されたんです…
  441. さな: 私たちの過去を題材にして お話を作れないかって…
  442. さな: こうして、いろはさんたちと 再会するまでの物語を…
  443. いろは: …なんだか恥ずかしい
  444. さな: いろはさんにも出演依頼が 来るかもしれませんね…
  445. いろは: 私、そんなの緊張しちゃって 絶対に無理だよ…
  446. やちよ: ただいまっと…
  447. フェリシア: でも、やちよのラジオドラマ むっちゃ楽しみだなー
  448. フェリシア: あやめとかこに 自慢してやらねーと
  449. やちよ: 演技には自信がないから あんまり言いふらさないで…
  450. うい: あっ… お姉ちゃん、お鍋の火!
  451. いろは: ああっ!!
  452. いろは: よかった、消してたぁ…
  453. うい: 火事になってたら大変だったね…
  454. やちよ: でも、一度冷ましたおかげで 味が染みこんでそうね
  455. 鶴乃: 正に今のわたしたち!
  456. 鶴乃: “雨降って地固まる”ならぬ “煮物冷めて味染みる”だね!
  457. フェリシア: あ?
  458. 鶴乃: やちよの怒りが冷めつつ
  459. 鶴乃: いろはちゃんへの想いが 心に染みるみたいな…
  460. やちよ: まあ、わかるような… わからないような…
  461. やちよ: とりあえず、夜ご飯の準備ね
  462. 鶴乃: なかったことにされた!
  463. さな: あ、いろはさんへの想いなら… フェリシアさん…!
  464. フェリシア: ん?
  465. さな: ふたりで練習した料理を 食べてもらいましょう…!
  466. フェリシア: おー、いいかもな
  467. フェリシア: オレとさなでいろはのレシピ 練習したもんなっ!
  468. いろは: そんなことしてたの?
  469. フェリシア: いろはの料理を食いたいときに 食えるようにしたかったからな!
  470. さな: はい、レシピは残っていたので それを元に練習したんです
  471. フェリシア: オレはほとんど さなの手伝いだけどな!
  472. いろは: 十分だよ 私、すっごく嬉しい!
  473. うい: わたしも、フェリシアさんと さなさんの料理楽しみっ!
  474. 鶴乃: うう、わたしも何か料理で 貢献したいけど
  475. 鶴乃: 万々歳の厨房じゃないしー…
  476. やちよ: いろはとういちゃんと一緒に リビングで待ってていいわ
  477. やちよ: 場が冷めないように 盛り上げておいて
  478. 鶴乃: それなら、得意分野だね!
  479. いろは: …………ふふっ
  480. 鶴乃: なんか、わたし変なことした!?
  481. いろは: ううん、そうじゃなくて 短時間でガラッと変わったなって
  482. いろは: さっきまでは、みんなに 嫌われたのかもしれないって
  483. いろは: ずっと不安で怖かったけど
  484. いろは: 今は胸が温もりでいっぱい…
  485. うい: わたしもだよ
  486. うい: だって、わたしたちのために みんなで準備をしてるんだもん
  487. いろは: 怖いと思ってたみんなの言葉が 今は嬉しくて笑顔になっちゃう
  488. うい: みかげちゃんと一緒
  489. いろは: そう、ニヤニヤしちゃう
  490. いろは: こんな幸せでいいのかな?
  491. 鶴乃: 振り回した身としては 謝罪の言葉しかないんだけど…
  492. いろは: いいの、気にしないで
  493. いろは: 鶴乃ちゃんもフェリシアちゃんも 私たちを心配してただけだもん
  494. いろは: だから、今の私はみんなの想いに 包まれて、幸せの絶頂なんだよ
  495.  
  496. FILENAME: text_519910-9_qQMKo.txt
  497. 竜城 明日香: この舞台なら、 いろはさんが喋るだけではなく
  498. 竜城 明日香: 沙優希先輩が歌って踊ることも できるんじゃないでしょうか
  499. 史乃 沙優希: はい!
  500. 史乃 沙優希: 振り付けを大きくしなければ 十分踊れそうですぅ
  501. 美凪 ささら: テーブルなどの備品を借りる 手はずも整ったことだし
  502. 美凪 ささら: あとは当日の飾り付けに向けて 準備をするぐらいね
  503. 阿見 莉愛: じゃあ、胡桃さんたちの様子も 聞いてみるわ
  504. 胡桃 まなか: 先輩に言われなくたって こっちも準備は順調ですよ
  505. 胡桃 まなか: サイエンススイーツで 皆さんを驚かせますからね
  506. 都 ひなの: 化学に失敗はつきものだが 今回それはNGだからな
  507. 都 ひなの: 期待して待っててくれ
  508. 木崎 衣美里: しょーみなところ、 飾りつけの方が大変っしょ?
  509. 常盤 ななか: この短い間に よくここまで成長しましたね
  510. 常盤 ななか: あきらさんとかこさんの 努力のたまものです
  511. 志伸 あきら: ふぅ…教育がスパルタだった分 成果は出たって感じかな
  512. 夏目 かこ: でも、本当に綺麗に 仕上がりました
  513. 夏目 かこ: 自分が生けたお花だなんて 今も信じられません
  514. 遊佐 葉月: さ、残るところは風船とか 細かい買い出しかな
  515. みたま: わぁ~♪
  516. みかげ: すっご~~~い!
  517. 十七夜: 紙を広げると圧巻だな まさか壁一面に広がるとは…
  518. みたま: 描かれてる魔法少女たちって みんなれんちゃんが描いたの?
  519. 五十鈴 れん: あ、いえ…梨花ちゃんと 美雨さんにも手伝ってもらって…
  520. 綾野 梨花: 合作にした方がみんなからの 想いが前面に出るかなって
  521. 純 美雨: 人を追うのに似顔絵を描くのは 慣れてる方ネ
  522. みたま: でも、確か最初はみかづき荘の みんなの似顔絵だったはずよね?
  523. 純 美雨: 途中でれんがみんなを描きたい って言い始めたヨ
  524. 五十鈴 れん: はい…折を見て私たちのことを 思い出して欲しいなって…
  525. みかげ: みかづき荘のみんなって 遠くに行くわけじゃないよね?
  526. みかげ: ミィたちのことを 忘れたりしないと思うけど
  527. 五十鈴 れん: あ、なんて言えばいいのかな…
  528. 五十鈴 れん: …強い想いを抱えた人ってね 自分だけでなんとかしようとして
  529. 五十鈴 れん: 私たちが大声を出しても 手を振っても気づかないぐらい
  530. 五十鈴 れん: 自分の想いの中に 入り込んじゃうと思うの…
  531. 五十鈴 れん: 特にいろはさんとういちゃんは 今もみんなを救い続けている…
  532. 五十鈴 れん: だから、その使命感に 押し潰されそうになったときは
  533. 五十鈴 れん: そばに私たちがいることもね 思い出してほしかったの
  534. 十七夜: 絵は思い出すためのスイッチか …にしては少々大きいな
  535. 五十鈴 れん: あ…
  536. みたま: ちょっと、十七夜…
  537. 十七夜: む、すまない…失言だ
  538. 十七夜: ただ、大きい分伝わるだろう 五十鈴君の想いは
  539. 綾野 梨花: あたしもそう思うよ れんちゃん
  540. 五十鈴 れん: うん、ありがとう
  541.  
  542. FILENAME: text_519910-10_qQMKo.txt
  543. いろは: うー…うー…
  544. うい: ん?
  545. いろは: 今もみんながパーティーの準備を してると思ったら
  546. いろは: なんだか、すごくむず痒くて… 心がワサワサする
  547. うい: あはは、心がワサワサって 初めて聞いたかも
  548. うい: でもお姉ちゃんの気持ちわかる
  549. うい: サプライズを知っちゃうと なんだか恥ずかしいね
  550. いろは: そうなの…
  551. いろは: 私たちの帰還を祝うって 言われちゃってるし
  552. うい: 「モンタージュは似顔絵 薬の話は化学を使ったお菓子作り 切ったり刺したりするのは生け花のことで 歌と踊りはアイドルの沙優希さん」
  553. いろは: 勘違いして恥ずかしい…
  554. うい: その勘違いで、ソウルジェムが 穢れに染まらなくて良かったよね
  555. いろは: ほんとにね…
  556. いろは: 私たちが穢れに染まりきったら マギアレコードがなくなるもん…
  557. うい: みんなが、わたしたちのことを 考えてくれてる分
  558. うい: わたしもちゃんと お返しができたらいいな
  559. いろは: きっと、私たちにできるのは 今の環境を維持することだよ
  560. うい: うん、大好きなみんなを守れる 恩返しになるよね
  561. いろは: …………
  562. いろは: マギアレコードから降りて来て 少し休み過ぎちゃったかな
  563. うい: 灯花ちゃんとねむちゃんにも 任せっきりになってるし…
  564. いろは: うん、このままじゃダメ
  565. いろは: マギアレコードから出てきて 幸せに浸っている場合じゃない
  566. いろは: 私たちにしかできないことを ちゃんとやらないと
  567. うい: うんっ!
  568. いろは: 私たちが離れてからも、マギアレコードには 魔法少女の穢れが集まってきている
  569. いろは: それは、世界のどこかにいる誰かの穢れで 今もその人の未来を守り続けている
  570. いろは: 同じように 私は大好きなみんなの未来を守りたい
  571. いろは: 幸せをくれた想いと向き合って ちゃんと報いたい
  572. [Part 1 end]
  573. ---
  574. [Part 2 start]
  575. FILENAME: text_519920-1_MTu1G.txt
  576. いろは: 開かれたのは 神浜市の魔法少女たちの想いが詰まった 私たちが主役のパーティー
  577. いろは: 準備している内容を知ったときに 私たちはみんなの想いを 受け止めきれなかった
  578. いろは: だけど、今はもう返事ができる
  579. いろは: みんなが納得してくれるかはわからないけど これが、私とういで出した答え…
  580. さな: え、ういちゃんと 万年桜のうわさに行くんですか?
  581. いろは: うん、放課後にね
  582. やちよ: もしかして、マギアレコードに 異変でもあったの…?
  583. さな: 穢れを回収するのに 問題があるとか…
  584. いろは: そんな深刻な話じゃないよ
  585. いろは: ただ、灯花ちゃんとねむちゃんの 様子を見にいこうと思って
  586. うい: しばらく、マギアレコードを 任せきりだから
  587. うい: 何か手伝えることが あるかもしれないでしょ?
  588. フェリシア: んなの任せときゃいーじゃん
  589. フェリシア: いろはとういはマギアレコードの コアってことで十分じゃん
  590. いろは: それでも、ちゃんと手を動かして みんなを支えたいの
  591. うい: わたしたちのパーティーを 開いてくれる恩返しだよ
  592. やちよ: ふふっ
  593. やちよ: 別に理由がなくても、 様子を見に行くと思ってたわ
  594. やちよ: まあ、あの天才たちが悪巧みを してないか確認してきて
  595. やちよ: 知らない間にとんでもないことを しでかしそうだから
  596. うい: そんなことないって 言ってあげたいんだけど…
  597. いろは: コソコソ何かやってるのは 想像しやすいかも…
  598. やちよ: でしょ?
  599. やちよ: って、フェリシア そろそろ着替えないと…!
  600. やちよ: あなた、学校が一番遠いんだから
  601. フェリシア: うお、やっべ!
  602. いろは: 私たちも準備しよう
  603. うい: うんっ
  604. やちよ: …………
  605. さな: …考え過ぎですよ…
  606. やちよ: あら、なんのこと?
  607. さな: 同じこと考えてたのかなって…
  608. 灯花: えーっ!? やちよお姉さまヒドい!
  609. 灯花: わたくしとねむは みんなのために頑張ってるのに!
  610. 灯花: 天才の労力を魔法少女のため だけに使わせてるんだから
  611. 灯花: 本当なら天才税を課したって おかしくないんだからねー?
  612. ねむ: 灯花、地に落ちた信用というのは 簡単に回復しないんだよ
  613. ねむ: ただ、因果応報とはいえ 悪巧みとは失礼千万も甚だしいね
  614. うい: お、怒らないでふたりとも…!
  615. 灯花: みんな脳細胞が死んでるんだよ ぷんすこぷー!
  616. ねむ: もはや、この疑いが切っ掛けで 悪巧みを始めても文句は言えない
  617. うい: えっえぇっ…? そんなに怒ること…!?
  618. ねむ: …むふっ、まあ冗談だよ
  619. いろは: はぁ、よかった… 変に疑っちゃってごめんね
  620. いろは: でも、今までのことがあるから 心配するのは許してあげて
  621. ねむ: 謝る必要はないよ 僕達の立場なら当然だからね
  622. 灯花: わたくしは、けっこー本気で 悪巧みをするつもりだったけど
  623. 灯花: お姉さまが言うなら、 わたくしも許してあげようかにゃ
  624. 灯花: それが、今日の本題じゃ ないと思うしねー
  625. ねむ: 本来の要件は何かな?
  626. いろは: あっ、えっと、 マギアレコードの話なんだけど…
  627. いろは: 私たちがいたときと同じように 管理って続けてるの?
  628. ねむ: 当然だよ
  629. ねむ: 魔法少女の穢れや 希望と絶望の相転移エネルギーは
  630. ねむ: 回収されてきた時点で 宇宙に返してるし
  631. ねむ: 魔法少女の記録に関しても 随時取りまとめを行っている
  632. ねむ: ただ、過去の魔法少女の記録の 回収は止めているけどね
  633. いろは: 前に私の概念が崩れちゃって 大変だったもんね…
  634. いろは: でも、それ以外は 今までと何も変わらないんだ?
  635. ねむ: 前と違う点があるとしたら 他の感情エネルギーの扱いかな
  636. 灯花: そうかも
  637. 灯花: 喜び、悲しみ、驚き、 みたいな感情エネルギーは
  638. 灯花: マギウスの翼のときと同じように わたくしたちがもらってるからね
  639. うい: うわさの都市伝説で作ってた 感情エネルギー?
  640. 灯花: そうだけど、別にうわさを作って 回収してるわけじゃない
  641. 灯花: 自然発生してる感情エネルギーを もらってるだけだからね
  642. いろは: 宇宙に返すものと分けてるんだ
  643. 灯花: そうそう
  644. 灯花: 返さないといけないものは ちゃーんと返して
  645. 灯花: それ以外のものをもらってるの!
  646. ねむ: マギアレコードの維持に 使うことは大前提で
  647. ねむ: 今後の発展のためにも エネルギーは必要不可欠だからね
  648. ねむ: あとは、お姉さんとういの 負担を減らすための努力だと
  649. ねむ: 捉えてもらえると嬉しい
  650. うい: わたしたちのために ありがとう
  651. ねむ: …それで、あれ… 本題に入る前に話が逸れたね…
  652. いろは: あ、そうそう、実はね…!
  653.  
  654. FILENAME: text_519920-2_MTu1G.txt
  655. 灯花: ふーん それで、みんなを支えるために
  656. 灯花: マギアレコードの仕事を しようって思ったんだ
  657. いろは: だから、ふたりを手伝うって 今日は伝えにきたの
  658. うい: 灯花ちゃんとねむちゃんも 大変でしょ?
  659. ねむ: ういの言う通り ふたりだけだと大変だよ
  660. うい: それなら、 ちょうどよかったー!
  661. いろは: そうだね、うい
  662. 灯花: ただにゃー… ふたりともちょっと早いにゃー…
  663. ねむ: 性格を考慮すれば、 むしろ遅いぐらいじゃないかな
  664. うい: なんの話?
  665. ねむ: ういとお姉さんが、 僕達を手伝いに来る時期の話だよ
  666. うい: 早いと良くなかった?
  667. 灯花: それは別にどーでもいいんだけど 問題があるからねー…
  668. 灯花: 簡単に言うとね “ふたりはもう戻れないんだよ”
  669. いろは: へー…
  670. うい: もどれない…
  671. いろは&うい: えっ!?
  672. いろは: なんで私たち マギアレコードに戻れないの!?
  673. 灯花: どう説明しようかにゃー…
  674. 灯花: 「前にお姉さまは ウワサになった魔法少女をみんな助けて 自分の概念を削っちゃったせいで 魔法少女だけが知る存在になったでしょ?」
  675. 灯花: 「でも、今は削った概念を回収したおかげで 元の生活を送れるようになってる」
  676. 灯花: 「それって、わたくしとねむが思い描く 理想的な姿ではあるんだけど 実は偶然得られた結果でしかないんだよ」
  677. いろは: その、偶然と戻れない理由に 関係があるっていうことだよね…
  678. ねむ: 「うん…お姉さんとういが 元の生活に戻れるように概念を取り戻す」
  679. ねむ: 「そう望んだ結果の通りになったものの 僕達にはあの時 解決できない問題がひとつあったんだ」
  680. ねむ: 「それは、お姉さんとういを マギアレコードと行き来できる状態にすること」
  681. ねむ: 「今のマギアレコードは お姉さんとういの体よりも少し力が強いせいで 最奥部から外に出ようとするふたりの力より 引き留める力の方が強いんだ」
  682. 灯花: 「だから本当はね お姉さまの概念がぜーんぶそろっても この捻れた状態を正常にしない限り 外に出られるはずはなかったんだよ」
  683. 灯花: 「でも、まさかの魔女が奇跡を起こした」
  684. ねむ: 「お姉さんを取り込んだ状態で 無理矢理マギアレコードを飛び出したからね」
  685. いろは: じゃあ、外に出られたのは 本当に偶然…
  686. うい: わたしたち、一度戻れば 二度と出られなくなるの…?
  687. ねむ: マギアレコードより強い力を ふたりの体が得るまではね
  688. うい: それって、どれぐらいかかるの?
  689. 灯花: ふたりはコアだから 差異は小さいと思うんだけど
  690. 灯花: ちょっと灯花ちゃんにも わからないかにゃー
  691. いろは: そもそもどうして、 そんな大切なことを黙ってたの?
  692. いろは: 私、知ってたら…!
  693. 灯花: お姉さまはきっと マギアレコードに残るでしょ?
  694. いろは: ――っ!?
  695. ねむ: それに、ういも
  696. うい: …………
  697. ねむ: だから、僕と灯花は 内緒にしていたんだよ
  698. ねむ: きっと、みかづき荘に戻る前に 真相を伝えれば
  699. ねむ: 元の生活に戻ってくれないからね
  700. うい: 灯花ちゃんとねむちゃんは 最初から残るつもりだったの…?
  701. いろは: 本当だよ 私たちだけ外に出して…!
  702. 灯花: そうなんだけど…
  703. 灯花: でも、それってわたくしには 幸せな選択だよ?
  704. いろは: ふたりだけで、マギアレコードを 管理するのは大変なのに…?
  705. うい: それに寂しいよ…!
  706. ねむ: それでも余るほどの幸せが 今の状況にはある
  707. ねむ: お姉さん、うい よく聞いて欲しい
  708. ねむ: 僕達にとっての幸福はね ふたりの幸せなんだ
  709. ねむ: 魔法少女にとっての理不尽を 世に知らしめたいだとか
  710. ねむ: 他にも目的をもって僕は 生きてはいるけれど
  711. ねむ: いつだって最優先事項は ふたりなんだよ
  712. 灯花: それはわたくしも!
  713. うい: …………
  714. いろは: …………
  715. 灯花: だから、手伝ってくれる気持ちは すっごく嬉しいけど
  716. 灯花: もう一度考えてよ
  717. 灯花: それで、どうしても戻りたいなら また、万年桜のうわさに来て
  718. ねむ: 心配しなくても 僕達は寂しくはないよ
  719. ねむ: ここでは自由に 誰とでも会うことができるし
  720. ねむ: うわさを使ってしまえば 外にも出られるからね、むふっ
  721. 灯花: そういうことっ! くふふっ
  722. いろは: 本当に大変じゃない…?
  723. 灯花: まあ、ふたりがいないと…
  724. 灯花: マギアレコードは ちょっとばかり不安定かにゃ?
  725. いろは: ええ…
  726. うい: それ、大丈夫じゃないよ…
  727. ねむ: 灯花…余計なことを 言わないでくれるかな…?
  728. ねむ: 1年や2年でどうにかなる 話じゃないし
  729. ねむ: 僕達がエネルギーを集めるのは その安定化のためでもあるから
  730. ねむ: ふたりの心配は無用だよ
  731.  
  732. FILENAME: text_519920-3_MTu1G.txt
  733. うい: ねむちゃんが言ってたこと 本当かな…
  734. うい: エネルギーを集めて マギアレコードを安定させる話…
  735. うい: ねえ、お姉ちゃんはどうする?
  736. うい: もし、自分がいなくても マギアレコードが平気なら…
  737. いろは: その、平気っていうのも 可能性の話でしかないよね…?
  738. いろは: だから、マギアレコードが 壊れるようなことがあれば…
  739. いろは: 私は“絶望で終わらない 魔法少女の未来”を見せる約束を
  740. いろは: 果たせないことになっちゃう
  741. いろは: それに、神浜市のみんなを 支えることすらできない…
  742. いろは: それなら、私は 戻る選択しかできないと思う…
  743. うい: 本当に…? お姉ちゃん、無理してない…?
  744. いろは: してないよ
  745. いろは: マギアレコードに戻るとしても 後ろ向きじゃないんだから
  746. いろは: むしろ、私が戻るときに ういを巻き込む方が心配だよ…
  747. うい: わたしは大丈夫
  748. うい: お姉ちゃんが戻るなら ついていくから
  749. いろは: でも、せっかくできた友だちと 離れないといけないよ…?
  750. うい: みんなと別れるのは寂しいけど 救われる人がいるならいいの
  751. うい: 大好きなみんなが元気ならね それでわたしは幸せだよ
  752. いろは: 私もね、 ういと同じ気持ち
  753. いろは: たとえみんなを救うことが 課せられたことでも
  754. いろは: それが重荷だと思わない
  755. いろは: 寂しさにウソはつけないけど
  756. いろは: みんなが元気でいる幸せの方が 寂しさを上回っちゃうんだ
  757. うい: 同じだ
  758. いろは: 同じだね
  759. ~~♪~~♪
  760. いろは: ――っ!?
  761. いろは: お父さん…
  762. いろはの父: 今、電話しても大丈夫か?
  763. いろは: うん、大丈夫だよ どうしたの?
  764. いろはの父: そろそろ飛行機に 搭乗するところだよ
  765. いろは: メッセージで 伝えてくれても良かったのに
  766. いろはの父: 娘の声を聞くのを待てなかった 気持ちを察してくれ
  767. いろは: ふふっ、変なの
  768. いろはの父: ういは、近くにいるのか?
  769. いろは: うん、隣にいるよ 代わろうか?
  770. いろはの父: いいかな?
  771. いろはの声: うい、お父さんからだよ
  772. うい: お父さん?
  773. いろはの父: お、元気そうで良かった
  774. いろはの父: ちゃんと、明日行けるように チケットを取っておいたぞ
  775. うい: チケット…
  776. うい: あっ、ミナギーランドの!?
  777. いろはの父: 忘れられたかと思って ヒヤッとしたぞ
  778. いろはの父: ちゃんと頼まれた通り 用意してあるから
  779. いろはの父: 寝不足にならないように 早く寝るんだぞ?
  780. うい: うん…
  781. いろはの父: ん、やっぱり元気がないか?
  782. うい: そ、そんなことないよ!
  783.  
  784. FILENAME: text_519920-4_MTu1G.txt
  785. いろは: うい、鶴乃ちゃんからの メッセージ見た?
  786. うい: みんな万々歳に居るって 書いてあったやつ?
  787. いろは: うん、なんか創作中華に チャレンジしてるみたいだね
  788. うい: 今日の夕ご飯は万々歳かな?
  789. いろは: …お父さんとお母さん
  790. いろは: 私がマギアレコードに戻っても きっと覚えてるよね…?
  791. うい: お姉ちゃんの概念、 全部集まったもんね…
  792. うい: わたしたちが行方不明になったら ふたりとも悲しむよね…
  793. いろは: みかづき荘に預けてるから やちよさんも責められちゃう…
  794. うい: うん…
  795. いろは: おじゃましまーす
  796. うい: おじゃま…ひゃ…!
  797. いろは: 痛い痛い! 空気が目に染みてくる!
  798. やちよの声: いろは、ういちゃん! ドアは開けっぱなしにして!
  799. さなの声: 換気扇を最大に回して、 窓も開けてください…!
  800. いろは: な、なんなの!?
  801. うい: おねえちゃーん…!
  802. やちよ: いろはのお帰りパーティーで 料理を振る舞うんだって
  803. やちよ: 鶴乃とフェリシアが 急に気合を入れ始めたのよ
  804. さな: それで、いろはさんへの熱量が 足りないとか言い始めて…
  805. フェリシアの声: しゃーーーーできたーーー!
  806. さな: ひゃっ!
  807. 鶴乃: ちょうど、いいところに来たね いろはちゃん、ういちゃん!
  808. フェリシア: オレと鶴乃が、辛さで目と鼻と ノドを潰して作った
  809. フェリシア: 究極の熱量発揮料理だぞ!
  810. 鶴乃: 辛すぎて注意喚起されるぐらいの ヤバい唐辛子を使ってます!
  811. いろは: ぅ…これ、何?
  812. 鶴乃&フェリシア: 「インフェルノ・ラブ・マーボードーフ!」
  813. やちよ: ラブだなんて ふたりに似合わない単語を…
  814. さな: 地獄はどうなんですか…
  815. 鶴乃: さあ、1口だけでもどうぞ!
  816. いろは: ええっ!?
  817. うい: ば、罰ゲームだよ!
  818. フェリシア: たのむ!1口でいいから…!
  819. いろは: じゃ、じゃあ1口だけなら…
  820. うい: お姉ちゃん…!?
  821. うい: …じゃあ、わたしも…!
  822. フェリシア: しゃあ!
  823. 鶴乃: さあ、ふたりとも わたしたちの熱量をどうぞ!
  824. いろは&うい: 「せーーのっ!」
  825. パクッ
  826. いろは: あれ…夢…?
  827. やちよ: 違うわよ
  828. やちよ: 食べたとたんに倒れたから 心配したわ…
  829. いろは: 本当に夢じゃなかったんだ…
  830. うい: 口の中 まだヒリヒリしてるもん…
  831. いろは: あ、うい 倒れなかったの?
  832. うい: さっき起きたばっかりだよ
  833. いろは: …っ、なんだか 胃の中がスースーしてる…
  834. さな: あ、これ胃薬です…
  835. いろは: ありがとう、さなちゃん…
  836. いろは: 鶴乃ちゃんと フェリシアちゃんは?
  837. やちよ: 近所から苦情が届いたせいで 鶴乃のお父さんがカンカンでね
  838. やちよ: 今は反省の意味も込めて お店をピカピカに磨いてるわ
  839. いろは: あはは…
  840. さな: あ、いろはさん…
  841. いろは: ん?
  842. さな: 元気になってからでも 大丈夫なんですけど
  843. さな: 今度やちよさんのラジオドラマで 使うお話について
  844. さな: 相談してもいいですか…?
  845. いろは: うん、もちろん 内容は決まってきてるの…?
  846. さな: 最初はふたりの出会いにしようと 思っているので
  847. さな: いろはさんとやちよさんが 出会った話を聞こうかなって
  848. いろは: …うーん、参考になるかな
  849. やちよ: あんまりならないかも しれないわね…ふふ
  850. いろは: (この日常を捨てる…)
  851. いろは: (マギアレコードに戻れば またあの空間の中…)
  852. いろは: (真剣に考えるほど、 みんなが愛おしくなる…)
  853. ねむ: だから、僕と灯花は 内緒にしていたんだよ
  854. ねむ: きっと、みかづき荘に戻る前に 真相を伝えれば
  855. ねむ: 元の生活に戻ってくれないからね
  856. いろは: ズルいな…
  857. いろは: 戻りづらいのも ふたりにはお見通しなんだ…
  858. やちよ: さ、これでいいかしら
  859. やちよ: ミナギーランドにお弁当って 変な気がするけど…
  860. さな: ういちゃんの要望ですし いいんじゃないですか…?
  861. やちよ: そうね
  862.  
  863. FILENAME: text_519920-5_MTu1G.txt
  864. やちよ: はい、これお弁当ね
  865. やちよ: 一応保冷剤も入れておいたから 持ち歩いても平気よ
  866. うい: ありがとう、やちよさん
  867. いろは: すみません お昼まで用意してもらって…
  868. やちよ: いいのよ別に
  869. やちよ: それよりも ご両親によろしく伝えておいて
  870. やちよ: もしも、しばらく日本に 滞在しているなら
  871. やちよ: こちらからご挨拶に伺うわ
  872. いろは: わかりました 伝えておきますね
  873. やちよ: (少し笑顔がぎこちない…? 気のせいかしら…)
  874. いろは: (悩んでても仕方がない…)
  875. いろは: (心配をかけないように、 今日は目一杯楽しもう)
  876. うい: お父さん、お母さん! お帰りなさい!
  877. いろはの父: ただいま!
  878. いろは: わあ、すっごい荷物!
  879. いろはの母: お土産を買ってたら すごい量になっちゃって…
  880. いろはの父: とりあえず家に荷物を置いて 着替えたら、出発しよう
  881. いろはの母: 今日は家族で楽しむ気満々よ
  882. いろはの父: いろはもういも 欲しいものは何でも言えよ?
  883. いろはの母: 海外とテーマパークのお土産で 家が大変なことになりそうね
  884. いろは&うい: ふふっ
  885. うい: ―うい― はい、お父さん食べる?
  886. いろはの父: ―いろはの父― それじゃあひとつ貰おうかな
  887. いろはの父: ―いろはの父― あむっ
  888. いろはの父: ―いろはの父― へえ、ストロベリーキャラメルのポップコーン けっこういけるなあ
  889. いろはの父: ―いろはの父― もうひとつ、もらってもいいか?
  890. うい: ―うい― うんっ、いっぱい食べていいよ
  891. いろはの母: ―いろはの母― 次はこの、シースプラッシュなんてどう?
  892. いろは: ―いろは― これ、聞いたことある 運が悪いとすっごく水を被っちゃうって
  893. いろはの母: ―いろはの母― それじゃあ家族4人で 運試しをしてみましょうか
  894. いろは: ―いろは― ええ、お母さん そんなチャレンジャーだったっけ…
  895. いろはの母: ―いろはの母― 滅多にない機会だからね
  896. いろはの母: ―いろはの母― そもそも、こうして家族みんなで テーマパークなんて初めてなんじゃない?
  897. いろは: ―いろは― そう言えばそうかも
  898. うい: ―うい― わたしが入院してたから?
  899. いろはの父: ―いろはの父― だから行けなかったってわけでもないな 正直、思いつかなかった
  900. いろはの母: ―いろはの母― むしろ、ういが元気になって提案してくれたから こうして家族で来られたのよ
  901. うい: ―うい― それなら、わたし 元気になって良かったな
  902. いろはの父: ―いろはの父― こんなアトラクションに乗ったの 学生以来かもしれないな
  903. いろはの母: ―いろはの母― けっこう高いわね…
  904. いろはの父: ―いろはの父― お、向こう見てみろ 午前中に乗ったシースプラッシュがあるぞ
  905. いろはの母: ―いろはの母― ちょっとお父さん動かないで!
  906. いろは: ―いろは― なんか、私たちより お父さんとお母さんがはしゃいでるかも
  907. うい: ―うい― うん、そんな気がするけど わたしたちの反応が薄いだけかも…?
  908. いろは: ―いろは― 魔女と戦ったりしてるから もっとすごい景色を見てるもんね…
  909. うい: ―うい― お父さんとお母さんには 内緒にしておかないと
  910. いろは: ―いろは― ふふっ、そうだね
  911. いろは: ―いろは― ういは、今日何が一番楽しみなの?
  912. うい: ―うい― 夜ぐらいから始まる ミナギーパレードが楽しみっ
  913. うい: ―うい― わぁああっ…
  914. いろは: ―いろは― すごい、綺麗だね…
  915. うい: ―うい― あんな衣装を着て移動しながら 歌って踊って、みんなすごいね…!
  916. いろは: ―いろは― あ、ダンサーの人たちが手招きしてる みんなで踊れるみたいだよ
  917. いろは: ―いろは― ういも参加してみたら?
  918. うい: ―うい― わ、わたしはいいよ みんなの前で踊るの恥ずかしいもん…
  919. いろはの父: ―いろはの父― この機会はもうないかもしれない
  920. いろはの母: ―いろはの母― そう、いつでも今っていうのは 最初で最後のチャンスなんだから
  921. うい: ―うい― でも…
  922. いろは: ―いろは― じゃあ、家族みんなで!
  923. いろはの父: ―いろはの父― お父さんとお母さんもか…!?
  924. いろはの母: ―いろはの母― いいじゃない いっそみんなで混ざりましょうよ
  925. いろはの父: ―いろはの父― あーもうクタクタだ… 明日はもう筋肉痛確定だな…これは…
  926. いろはの母: ―いろはの母― 本当、楽しい1日だったわ
  927. いろはの母: ―いろはの母― ういは楽しかった?
  928. うい: ―うい― うん、みんなで来たかったから 夢が叶っちゃった
  929. いろはの父: ―いろはの父― 七海さんにもお礼を言わないとな
  930. いろはの母: ―いろはの母― 本当、あんな美味しいお弁当 申し訳ないわ
  931. いろはの父: ―いろはの父― けど、みかづき荘にいれば 健康で居られるのは間違いなさそうだ
  932. いろはの母: ―いろはの母― その辺りは安心よね
  933. うい: ―うい― みんな良い人だしね 毎日がすっごく楽しいよ
  934. いろはの母: ―いろはの母― そう、良かった
  935. いろは: ―いろは― …………
  936. いろは: マギアレコードに戻れば 二度と見ることができない景色…
  937. いろは: ういがついてきたら 私もういもお父さんとお母さんのそばから 離れることになってしまう
  938. いろは: もしかしたら、本当にこうして遊ぶのは 最初で最後になるかもしれない…
  939. いろは: それなのに、平気で楽しめる自分を 演じられるなんて… 私はなんて親不孝者なんだろう…
  940. いろは: …正直、裏切れない
  941. いろは: 私はお父さんとお母さんの愛情を 裏切ることなんてできない
  942. いろは: 大切な人を覚えているのにどこにもいない その胸が張り裂けそうな苦しみは ういを捜していた私が、一番よく知ってるから…
  943.  
  944. FILENAME: text_519920-6_MTu1G.txt
  945. いろは: それじゃあ、お休みなさい
  946. うい: おやすみなさーい
  947. いろはの母の声: みんなで川の字で寝るなんて はじめてじゃない?
  948. いろはの父の声: いろはが本当に小さいころは 並んで寝たりもしたけど
  949. いろはの父の声: ういも一緒に4人並んで寝るのは はじめてかもしれない
  950. いろはの声: うん、そうだと思う
  951. いろはの母の声: 今日は疲れたから ゆっくり休みましょう…
  952. いろはの声: 長旅ご苦労様… 今日は楽しかったよ…
  953. いろはの父の声: ありがとう、いろは
  954. いろはの声: …ふぅ
  955. いろは: 「…………」
  956. いろはの父: 「…………」
  957. いろはの母: 「…………」
  958. うい: 「…………」
  959. ういの声: ねえ、お母さん…
  960. いろはの母の声: …ん?
  961. ういの声: これから、いつになるか わからないけどね…
  962. いろはの母の声: うん
  963. ういの声: また、わたしを生んでね
  964. いろはの母の声: ど、どうしたの急に…
  965. ういの声: ううん、幸せだから また同じがいいと思っただけ…
  966. いろはの母の声: …本当にいいの?
  967. いろはの母の声: …また、病気でつらい毎日かも しれないのに…
  968. いろはの母の声: 丈夫じゃないかもしれない…
  969. ういの声: …それでも、お姉ちゃんがいて 灯花ちゃんとねむちゃんがいて
  970. ういの声: …苦しくても、つらくても 最後はね、絶対に幸せなんだ…
  971. ういの声: だから、ここがいい…
  972. ういの声: …また、環ういがいい
  973. いろはの母の声: ぐす…ごめんね…
  974. いろはの母の声: 私もまた、 ういのお母さんがいい…
  975. ういの声: よかったぁ…
  976. ういの声: すー…すー…
  977. いろはの父の声: …これが伝えたくて みんなで寝たかったのかな…
  978. いろはの声: わからない… だけど、ういの気持ちはわかる
  979. いろはの声: 私もふたりの娘で良かったって 本当に思うよ
  980. いろはの父の声: そうか…ありがとう…
  981. いろは: (もしかしたらういの方が 覚悟ができているのかも…)
  982. いろは: (だから、ちゃんと 伝えておきたかったのかな…)
  983. いろは: (あ…)
  984. いろは: 空に向かって穢れが回収されていくのがわかる
  985. いろは: 回収されたのは この世界のどこかにいる魔法少女で 誰かにとって大切な人
  986. いろは: みかづき荘のみんな…神浜市のみんな…
  987. いろは: プロミストブラッド…時女一族… ネオマギウス…午前0時のフォークロア… ピュエラケア…他にもみんな…みんな…
  988. いろは: 私にも支えたい人たちがいるように 世界中にいる沢山の魔法少女たちだって 生きていて欲しい人がいる
  989. いろは: 私がいなくなって 多くの人が悲しむのは知ってる
  990. いろは: けど、自分の幸福が みんなを殺してしまうのなら それは私にとってもみんなにとっても 幸福じゃない
  991. いろはの父の声: 本当にいろはにもういにも 感謝しかないよ
  992. いろはの父の声: 生まれてきてくれてありがとう
  993. いろはの母の声: ほんとに…
  994. いろはの母の声: それに、救われるわ ふたりとも良い子だから…
  995. いろはの声: 来世でも環いろはとして 生まれてくるときは
  996. いろはの声: もう少し悪い子になろうかな
  997. いろはの父の声: 良い子だと我慢することも多いか
  998. いろはの声: もうちょっと ワガママでいたいだけだよ
  999. いろは: 家族4人で過ごす時間が ゆっくりと過ぎていく
  1000. いろは: ふたりが日本を去って 私たちがみかづき荘に戻ったころに 帰還を祝うパーティーは始まる
  1001. いろは: だけど、私もういも覚悟が決まってしまった…
  1002. 灯花: こうして来たってことは 戻るってことでいいの?
  1003. ねむ: みんなにはちゃんと 自分の想いは伝えたのかな
  1004. うい: ううん…
  1005. いろは: それはまだ、これから…
  1006.  
  1007. FILENAME: text_519920-7_MTu1G.txt
  1008. いろは: 開かれたのは 神浜市の魔法少女たちの想いが詰まった 私たちが主役のパーティー
  1009. いろは: 準備している内容を知ったときに 私たちはみんなの想いを 受け止めきれなかった
  1010. いろは: だけど、今はもう返事ができる
  1011. いろは: みんなが納得してくれるかはわからないけど これが、私とういで出した答え…
  1012. かえで: みんな、こっちが会場だよ!
  1013. 鶴乃: 結局、パーティー当日まで、 わたしたちには内緒だったね
  1014. ももこ: サプライズのつもりだったんだ 会場ぐらい内緒にしてもいいだろ
  1015. フェリシア: この辺りだったら、 明日香の道場ってわかるけどな
  1016. いろは: …………
  1017. うい: 結局、わたしたちの思ってること みんなに言えなかったね…
  1018. いろは: パーティーの前に 伝えなきゃって思ってたけど
  1019. いろは: みんなが準備してくれてるのを 知っちゃうとね…
  1020. うい: うん、言い出せないよね…
  1021. レナ: 何、乗り気じゃないみたいな 顔してんのよ
  1022. いろは: えっ、そんな顔してた!?
  1023. レナ: なんか、申し訳なさそうな顔を してたわよ
  1024. いろは: ごめん、ちょっと 考えごとをしちゃってて
  1025. レナ: せっかくのパーティーなんだから 堅苦しいことは忘れなさいよ
  1026. いろは: うん、ありがとう レナちゃん
  1027. 「いろはちゃん、ういちゃん」
  1028. パパンッ、パンッ!
  1029. いろは&うい: キャッ!
  1030. 「お帰りなさい!」
  1031. みたま: 少しクラッカーが多かったわねぇ
  1032. みかげ: でも、これがワクワクしてた パーティが始まる合図!
  1033. みふゆ: みかづき荘のみんなも 全員そろってめでたい席です
  1034. 胡桃 まなか: ぜひ、ウォールナッツと化学が 融合した料理を堪能してください
  1035. 常盤 ななか: 飾り付けもかこさんたちが みんなで頑張ってくれました
  1036. 史乃 沙優希: わたしのステージもあるので みんなで盛り上がりましょ~♪
  1037. やちよ: 生け花も料理も全部これ… みんなでそろえたの…?
  1038. さな: 見てください… みんなの似顔絵が壁に…
  1039. やちよ: さながら、1枚の壁画ね…
  1040. 綾野 梨花: れんちゃんが 一生懸命頑張ったんだよ
  1041. 五十鈴 れん: あ…美雨さんもです…はい… 喜んでくれたら嬉しいな…
  1042. 純 美雨: もっと自信を持つべきネ 十分自慢できる作品になてるヨ
  1043. 鶴乃: うんうん、感動しちゃったよ! ねっ、いろはちゃん
  1044. いろは: う、うん…! すごい壮大!ビックリだね!
  1045. うい: みんなを探すの…楽しいな
  1046. 都 ひなの: …あー…なんだ…
  1047. 都 ひなの: ふたりにはちょっと 派手過ぎたか…?
  1048. うい: え…?
  1049. 十七夜: 自分も、ふたりはどこか 沈んでいるように見えるが
  1050. 十七夜: 気のせいか…?
  1051. いろは: そ…そんなこと…
  1052. 竜城 明日香: やはり、道場でパーティーは あまりにも浮かれすぎ…!
  1053. 竜城 明日香: 否、神聖なる場を穢したと…!
  1054. 竜城 明日香: くっ…ならば、詫びるためにも ここは腹を切って…!
  1055. いろは: ち、違うの! そうじゃなくて…
  1056. いろは: 私もういも…みんなに… 伝えたいことがあって…
  1057. いろは: でも、それが とても言いづらくて…
  1058. いろは: こんな大切な日になっちゃって それで…
  1059. 竜城 明日香: …今さら、私たちに 何を隠す必要があるんですか
  1060. 十七夜: うむ、自分たちは環君たちに 何度も驚かされている
  1061. いろは: …でも
  1062. 鶴乃: 気にしないで、いろはちゃん わたしたちなら大丈夫!
  1063. やちよ: …そう、いいのよ 言っても…
  1064. いろは: 私…マギアレコードに 戻ろうと思ってます
  1065. うい: わたしも…!
  1066. やちよ: …そう
  1067. やちよ: やっぱり、そうだったのね
  1068. いろは: 気づいてたんですか…?
  1069. ももこ: やちよさん以外にも 気づいてた人はいるよ
  1070. レナ: それが本番前に伝わって もうみんな知ってるわよ
  1071. うい: どうして… 誰にも言ってないよ…?
  1072. レナ: そりゃあ、学校での様子とかね
  1073. かえで: いろはちゃん、笑い方が ぎこちなくなってたもん…
  1074. みかげ: ういたんも、 どよーんとしてたからね
  1075. いろは: バレバレだったんだ…
  1076. うい: でも、気づいてたなら 聞いてくれても良かったのに…
  1077. みかげ: だって、それでマギアレコードに 戻るって言われたらヤダもん…
  1078. みたま: そうね…
  1079. みたま: 気づいても口に出してしまえば 本当になってしまう…
  1080. みたま: そしたらまるで、自分のせいで ふたりが消えるみたいじゃない…
  1081. ももこ: だから、寂しいけどさ…
  1082. ももこ: アタシは嬉しいよ 自分から言ってくれてさ
  1083. いろは: やちよさんも…?
  1084. やちよ: 前と違ってちゃんと別れるための 時間は作れたと思ってる…
  1085. やちよ: みんなに連絡をして心の準備を 整えたのも私なのよ…
  1086. 鶴乃: だから、今日のパーティーで 送り出すこともね
  1087. 鶴乃: みんな、織り込み済だったんだよ
  1088. フェリシア: オレは、やっぱイヤだけどな…
  1089. さな: それでも、行くんですよね… マギアレコードに…
  1090. さな: そして、それだけ 深刻そうにしているなら…
  1091. いろは: …灯花ちゃんとねむちゃんには もう戻れないって聞いてる
  1092. さな: …ですよね
  1093. やちよ: ラジオドラマ… 再会で締めようと思ったけど
  1094. やちよ: 少し変えないといけないわね
  1095. さな: 提案する資料を修正しないと… ですね…
  1096. フェリシア: いつ、行くつもりなんだ…?
  1097. いろは: こうして、やっとの気持ちで 伝えたんだもん…
  1098. いろは: 後ろ髪を引かれないうちに 行くつもりだよ
  1099. やちよ: …それじゃあ、送り出すまでの 最後の時間を楽しみましょう
  1100.  
  1101. FILENAME: text_519920-8_MTu1G.txt
  1102. いろは: やちよさんは 私とみかづき荘で暮らす中で 一緒に過ごす時間が 束の間の出来事のように思えたらしい
  1103. いろは: 他のみんなは私が万年桜のうわさに行ったあとで 気づいたみたいだけど 心の準備ができていたおかげか パーティーは予定通りに行われた
  1104. いろは: 送り出してくれる言葉の中に寂しさはある 実際に私もみんなと離れるのは寂しい みかづき荘のみんなとは特に…
  1105. いろは: それでも引き留められることがなく時間は経って いよいよ終わりの時を迎えようとしている
  1106. いろは: 覚悟は決めても胸が痛くなるのは それだけみんなへの愛おしさを感じている証 だからこれからは、その痛みを力に変えて みんなを支えて未来を作り続ける
  1107. みたま: そろそろ、 お祭り騒ぎもお開きねぇ
  1108. いろは: …はい、そうですね
  1109. うい: みんなとお喋りするのも これで最後かな…
  1110. いろは: …うん
  1111. 灯花の声: 心の準備はできたかにゃー?
  1112. ねむ: パーティー当日になって ようやく意思を伝えたようだね
  1113. いろは: 灯花ちゃん、ねむちゃん!
  1114. うい: マギアレコードから出てきたの?
  1115. 灯花: ふたりと違って わたくしたちはコアじゃないもん
  1116. ねむ: 少しだけ仕事に隙間はできるけど 移動自体は無理じゃないよ
  1117. ねむ: 僕達はあくまでウワサだからね
  1118. やちよ: いろはを連れていくのね
  1119. ねむ: その言い方だと僕達の意思になる 決めたのはお姉さんとういだよ
  1120. 鶴乃: もう、行くの…?
  1121. 灯花: お姉さまとういが望めば わたくしたちはいつでも迎えるよ
  1122. ねむ: お姉さんも、そのつもりだよね?
  1123. いろは: うん…
  1124. うい: わたしもだよ…
  1125. うい: …っ!
  1126. いろは: 灯花ちゃんとねむちゃんに お願いがあるの
  1127. ねむ: やり残したことがあるなら まだ時間はあるよ
  1128. うい: ううん、 時間が欲しいんじゃないよ
  1129. 灯花: じゃあ、わたくしたちにしか できないこと?
  1130. うい: …うん
  1131. ねむ: 何がお望みかな?
  1132. いろは: うわさを作って、みんなから 私たちの記憶を消して…
  1133. やちよ: なっ…!
  1134. 鶴乃: ちょっと、本気で言ってる!?
  1135. いろは: 私たちは見てたんです… 苦しんでるみんなの姿を…
  1136. いろは: もう、みんなが苦しむ姿を 私は見たくない…
  1137. うい: うん…会えなくなるなら きっと忘れた方が幸せだよ…
  1138. うい: 私たちが消えたことを知らない お父さんとお母さんの方が
  1139. うい: みんなよりも ずっと幸せそうだったもん
  1140. フェリシア: んなわけねーだろ!
  1141. フェリシア: 忘れても、なんかしんねーけど ぜってーに苦しい気がする!
  1142. さな: それに私は、いろはさんたちに 忘れさせる選択をして欲しくない
  1143. やちよ: そうよ…
  1144. やちよ: それこそ私たちと過ごした日々を 捨てることと同じじゃない!
  1145. 鶴乃: わたしは許さないよ!
  1146. 鶴乃: マギアレコードに行くことは許す でも、忘れさせるのは許さない!
  1147. 鶴乃: 行くならわたしたちの記憶も 丸ごと背負って行ってよ
  1148. 鶴乃: それだけの覚悟ができたから この場で伝えたんでしょ!?
  1149. 鶴乃: 忘れさせるのは わたしたちのためなんかじゃない
  1150. 鶴乃: それは、いろはちゃんの逃げだ!
  1151. いろは: …っ!
  1152. いろは: そんな事言われても… 私は見ないといけないんですか…
  1153. いろは: 苦しむみんなを…
  1154. やちよ: 前にいろはとういちゃんが 消えたときと状況はまるで違うわ
  1155. やちよ: 苦しんでいたとしても 前と違ってふたりを送り出せる…
  1156. やちよ: それだけで十分な時間を 一緒に過ごしたもの
  1157. やちよ: …これから何年、何十年経っても きっと私は泣くわ
  1158. やちよ: だけど、折を見て思い出して 泣くぐらいいいじゃない
  1159. いろは: …はい
  1160. うい: それに、思い出してくれる方が 嬉しいかもね…
  1161. いろは: うん…
  1162. 灯花: わたくしにとって周りの意見は どーでもいいんだけど
  1163. 灯花: お姉さまの希望は何かにゃ?
  1164. ねむ: ふたりの望みが叶うのが 僕達にとっては最優先だからね
  1165. ねむ: 忘れさせる?
  1166. いろは: 私、どうしよう… こんなこと言われたら…
  1167. いろは: (壁一面のみんなの似顔絵が 迫ってくるみたい…)
  1168. いろは: (そばにいるから悩まないでって 訴えかけてくる…)
  1169. いろは: 背負い過ぎなのかな…
  1170. 灯花: もういいや、めんどくさい 気にしないでいいよ
  1171. 灯花: 有限な時間がもったいないもん
  1172. ねむ: 僕と灯花で、お姉さんとういが 望む状態にするのが良さそうだね
  1173. 灯花: マギアレコードに 戻ることには変わらないけど
  1174. ねむ: 最後の挨拶も済んでるし ちょうどいい機会かな
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  1177. 灯花: もういいや、めんどくさい 気にしないでいいよ
  1178. 灯花: 有限な時間がもったいないもん
  1179. ねむ: 僕と灯花で、お姉さんとういが 望む状態にするのが良さそうだね
  1180. 灯花: マギアレコードに 戻ることには変わらないけど
  1181. ねむ: 最後の挨拶も済んでるし ちょうどいい機会かな
  1182. いろは: そうだね…
  1183. いろは: もう決意したんだから 今さら揺らいだりなんてしないよ
  1184. いろは: 全部、背負ってみせる…
  1185. やちよ: やめて、忘れさせないで!
  1186. みふゆ: やっちゃんをひとりにしたら ワタシと同じじゃないですか…!
  1187. みふゆ: 記憶まで消してしまったら
  1188. みふゆ: やっちゃんの隣には 誰もいなくなるんですよ!?
  1189. みたま: ―みたま― 今からでも考え直して!
  1190. 十七夜: ―十七夜― みんなが望んでる形ではないぞ…!
  1191. ももこ: ―ももこ― いろはちゃんのことを忘れて これからもアタシらは普通に生きてくなんて!
  1192. かえで: ―かえで― そんなの考えたくない…!
  1193. レナ: ―レナ― 考え直しなさいよ!
  1194. いろは: ―いろは― (覚えていることの苦しみを私は知ってる)
  1195. いろは: ―いろは― (みんなが嫌がることだって…当然…)
  1196. いろは: ―いろは― (それでも、みんなが穢れに満たされないために 私はもう消える覚悟はできている…)
  1197. いろは: ―いろは― (残るのは、私とういの中にある ごめんなさいの気持ちだけでいいんだ…)
  1198. いろは: ―いろは― ありがとう、みんな でも、さよなら
  1199. いろは: …………
  1200. うい: …………
  1201. いろは: …あれ?
  1202. うい: 何か、変わった?
  1203. フェリシア: いろは!うい! オレ、ちゃんと覚えてるぞ…
  1204. さな: 私もです…
  1205. 鶴乃: なんで…?
  1206. いろは: 灯花ちゃん、ねむちゃん これってどういうこと…?
  1207. うい: わたしたちが望む形って…
  1208. 灯花: だから、望んでたでしょ?
  1209. ねむ: マギアレコードの中と外を 自由に行き来するのをね
  1210. いろは: …へっ!? え、でも、待って…えぇ…!?
  1211. うい: わたしたち、中に入ったら 外に出られないんだよね…?
  1212. 灯花: だから出られるようにしたんだよ ちゃんと話聞いてたかにゃ
  1213. うい: き、聞いてたよぉ!
  1214. やちよ: 説明を要求するわ…
  1215. ねむ: わかりやすく纏めると
  1216. ねむ: 「僕達は、このパーティーの場で お姉さんとういにエネルギーを供給して マギアレコードとの行き来が できるようにしようと思っていたんだ」
  1217. 灯花: 「もちろん、サプライズのつもりでね」
  1218. ねむ: 「でも、会話の流れで記憶を飛ばすなんて 話になってから空気がおかしくなってね 悪意のあるサプライズになってしまった」
  1219. 十七夜: なぜ、我々の心を弄んだ 隠さずに教えればいいはずだろう
  1220. 灯花: みんなも、お姉さまたちに内緒で パーティーの準備をしてたよね?
  1221. 灯花: わたくしたちだって サプライズをしたかったんだよ
  1222. ねむ: それに、コソコソ準備をした結果 お姉さんとういを泣かせている
  1223. ねむ: だから、僕達もいっそのこと みんなを踊らせようと思ったんだ
  1224. ももこ: 愛するふたりのために報復… って、納得したくねぇえええ…
  1225. 鶴乃: いろはちゃんたちも しっかり巻き込まれてるからね…
  1226. 灯花: 「でも、お姉さまとういに自由を与えたのは わたくしたちの想いじゃなくて みんなの想いってことは喜んで欲しいにゃー」
  1227. 灯花: 「いつか、わたくしたちの手で お姉さまとういに自由を与えようと思って エネルギーを集めてたのに」
  1228. 灯花: 「急にみんなから届くエネルギーが増えて 想定よりも早く集まっちゃったから 突然のサプライズができたんだよー?」
  1229. ねむ: 「本来ならこんなに早く お姉さんとういを自由にできなかった パーティーの開催日と重ねることができたのは 本当にただの偶然」
  1230. ねむ: 「お姉さんとういを大切にしてくれる みんなの気持ちが起こした奇跡のおかげだね」
  1231. いろは: …………
  1232. ねむ: マギアレコードより強い力を ふたりの体が得るまではね
  1233. うい: それって、どれぐらいかかるの?
  1234. 灯花: ふたりはコアだから 差異は小さいと思うんだけど
  1235. 灯花: ちょっと灯花ちゃんにも わからないかにゃー
  1236. いろは: あの、私たちが力を得る話…?
  1237. やちよ: やり方には納得できないけど ふたりはみかづき荘にいられる?
  1238. さな: 私たちの想いのおかげで?
  1239. フェリシア: じゃあ、これってもう… お帰りパーティーじゃん!!
  1240. 鶴乃: ほんとだーーー!
  1241. みんな: 「いろはちゃーーーん!」 「ういちゃーーーん!」
  1242. みんな: 「おかえりーーーーーーーーー!」
  1243. 十七夜: と、これで めでたしでは終わらん
  1244. みふゆ: 灯花、ねむ
  1245. みふゆ: ワタシたちが動揺しているとき どんな気分でしたか?
  1246. ねむ: お姉さんとういを泣かせた みんなが悪いんだよ
  1247. 灯花: そーだよ!
  1248. みふゆ: ほとんどの人がとばっちりです
  1249. 十七夜: 灸を据えねばならんな
  1250. 灯花&ねむ: 「やだーーーーー!!」
  1251.  
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  1253. 灯花: お尻痛い…
  1254. ねむ: さすがにしばらく経ってるし 気のせいじゃないかな
  1255. 灯花: …むぅ、こうなったらねむ! うわさを作ろうよ!
  1256. ねむ: くだらないうわさを 作る気はさらさらないからね…
  1257. 灯花: みふゆをとっちめるうわさは くだらなくありませーん!
  1258. ねむ: ふん…
  1259. ねむ: そう言えば、だだっ子の“だ”は 無駄の“駄”って知ってるかな?
  1260. 灯花: んなーー! ムカツクにゃー!
  1261. ねむ: うるさい…
  1262. ねむ: ほら、無駄話は終わりにして そろそろ仕事に戻ろう
  1263. ねむ: お姉さんたちが戻っても マギアレコードは不安定だからね
  1264. 灯花: んー、まーそうだねー
  1265. 灯花: でも、急がなくてもいーよ
  1266. 灯花: 色んな時空と繋ぎ過ぎた 弊害なんだろーけど
  1267. 灯花: お姉さまとういは たぶん気づかないと思うし
  1268. 灯花: せっかく落ち着いたんだから 気長にのんびりやってこー
  1269. ねむ: それもそうだね
  1270. ねむ: 束の間の凪の時間を楽しもう
  1271. いろは: ―いろは― それで、シースプラッシュは 本当に水を被るので危険なんです!
  1272. やちよ: ―やちよ― …環家の運が悪かったんじゃないの? 私、そんな話は聞いたことがないんだけれど…
  1273. いろは: ―いろは― じゃあ、みかづき荘のみんなで乗りましょう 水を被る時は一緒ですからね
  1274. やちよ: ―やちよ― ふふ、わかったわよ
  1275. さな: ―さな― えっ、またお弁当でいいの…?
  1276. さな: ―さな― ミナギーランドに入ったら 色々ご飯を食べられる所があるのに…
  1277. うい: ―うい― 夜ご飯は外のお店で食べたらいいんだよ
  1278. うい: ―うい― それに、さなさんは大変だと思うから 気にせずみんなでお昼ご飯は食べたいんだ
  1279. さな: ―さな― じゃあ、ういちゃんが食べたいもの 私頑張って作ってみるね…!
  1280. フェリシア: ―フェリシア― おーい!さっさと鍵あけろー!
  1281. 鶴乃: ―鶴乃― みんなで作戦会議だよー!
  1282. フェリシア: ―フェリシア― 1日じゃ回りきれねーし欲しいものもいっぱい! どーすりゃいいんだこれ!
  1283. 鶴乃: ―鶴乃― フェリシア、お小遣いで買える範囲を 今のうちに決めておかないと危険だよ!
  1284. 鶴乃: ―鶴乃― 食べ歩きなんてしてたら すぐにスッカラカンになるから!
  1285. フェリシア: ―フェリシア― こえー…作戦って大事だなー…
  1286. フェリシア: ―フェリシア― って、鍵ー!
  1287. やちよ: ―やちよ― あーもう、わかったわよ! すぐ近くにいるんだから少しぐらい待ちなさい!
  1288. やちよ: ―やちよ― まったく
  1289. いろは: ―いろは― ふふっ、楽しみですね ミナギーランド
  1290. やちよ: ―やちよ― この間、行ったばかりなのに?
  1291. いろは: ―いろは― はい、大切な人たちと並んで歩いて 笑っていられるのが、一番の幸せですから
  1292. いろは: ―いろは― …覚えていて良かったです
  1293. やちよ: ―やちよ― 反省してね
  1294. いろは: ―いろは― はい
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