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Homecoming ~Three Days of Kyoko Sakura~ JP Text

Feb 10th, 2022 (edited)
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  1. FILENAME: text_515710-0.txt
  2. かごめ: 「それでさっきの…」
  3. かごめ: 「ハッピーエンドの話なんですけど」
  4. 杏子: …ん?
  5. 杏子: ハッピーエンド?
  6. かごめ: はい…
  7. Day 1 ‐ 佐倉杏子の夢
  8. 杏子: (ハッピーエンドの話って なんだよ…?)
  9. 杏子: …ていうか
  10. 杏子: なんであたし、ここにいるんだ?
  11. うい: あ、そこからまた 話した方がいいかな?
  12. 杏子: …悪い、頼む
  13. うい: あのね、かごめさんから お願いされたの
  14. うい: 杏子さんを紹介してほしいって
  15. かごめ: うん…
  16. かごめ: 私、魔法少女の記録を纏めてて 取材させてもらいたくて…
  17. 杏子: 取材…?
  18. 杏子: (そういや そんな話をしていたような)
  19. 杏子: でも、なんであたしに?
  20. かごめ: えっ…と、それは…
  21. アルちゃん: <風見野市の魔法少女って聞いて 興味を持ったんだよね?>
  22. かごめ: うん…それに まだできるうちに
  23. かごめ: なるべくたくさんの記録を 纏めておきたいから…
  24. アルちゃん: <今日を含めて、あと3日で 世界は終わっちゃうもんね…>
  25. 杏子: は?
  26. 杏子: あと3日で… 世界が終わる?
  27. うい: うん… そうなんだよね
  28. 杏子: (なんか変だ… こいつは夢か何かか?)
  29. 杏子: どう思う、モモ?
  30. モモ: …………
  31.  
  32. FILENAME: text_515710-1_N5rbj.txt
  33. 杏子: 世界が… あと3日で終わる…
  34. かごめ: はい
  35. アルちゃん: <正確に言うと あと3日以内に、だよね?>
  36. アルちゃん: <誰かがあの呪文を口にすれば その瞬間、世界は終わっちゃう>
  37. 杏子: なんだよ、その呪文って
  38. うい: みんな知ってるはずだよ? 目をつぶってみて
  39. うい: 自然とその言葉が 浮かんでくるはずだから!
  40. 杏子: …本当かよ?
  41. 杏子: …………
  42. おしまい
  43. うい: …どうだった?
  44. 杏子: …4文字の、あの言葉か
  45. うい: うん…
  46. かごめ: 誰もその呪文を口にしなければ
  47. かごめ: 世界はあと3日間だけ 続いてくれるそうです
  48. 杏子: どのみち終わっちまうのかよ?
  49. かごめ: それは…避けられないみたいで…
  50. うい: でもね、まだ世界が 終わっていないっていうことは
  51. うい: 世界中の人がその言葉を 口にしてないってことだよね
  52. うい: それって すごいことじゃないかな!?
  53. アルちゃん: <だから、最後の3日間を>
  54. アルちゃん: <ハッピーエンドを 迎えられるように>
  55. アルちゃん: <みんなでがんばろうねって話を していたところだったの>
  56. 杏子: そういうことか…
  57. 杏子: (にしても妙な話だよな… こいつは、やっぱし夢だ)
  58. うい: わたし…最近、さなさんの 絵本作りを手伝ってるんだけど
  59. うい: ハッピーエンドを考えるのって
  60. うい: とっても大変なんだって わかったの
  61. かごめ: …そうなんだ?
  62. 杏子: まあ、そうだろうね
  63. 杏子: 最後に愛と勇気が勝つ ストーリーなんて
  64. 杏子: 現実にそうそう 転がってるもんじゃない
  65. 杏子: だから、ありきたりな ハッピーエンドなんて
  66. 杏子: いかにも作り話って感じに 見えちまうだろうしさ
  67. うい: うん…ねむちゃんも前に 同じようなことを言ってた
  68. うい: あっ…かごめさん、ごめんね
  69. うい: 杏子さんの取材なのに わたしばっかりしゃべっちゃって
  70. かごめ: …でも、よかった 杏子さんが怖い人じゃなくて
  71. アルちゃん: <いろはさんや見滝原の子たちが 言ってた通りだったね>
  72. 杏子: あいつら、あたしのことを なんて言ってたんだ?
  73. かごめ: えっ…と…
  74. かごめ: 最初はちょっと 怖いかもしれないけど…
  75. かごめ: 困ってる人を見たら 放っておけない優しい人だよって
  76. 杏子: なっ!?
  77. 杏子: あいつら、あたしのこと そんな風に思ってたのかよ…
  78. 杏子: 別に優しくなんかないっての
  79. かごめ: え…そうなんだ?
  80. 胡桃 まなか: そんなことはありません!
  81. 胡桃 まなか: 佐倉さんは食べ物だって とても大切にされますし!
  82. 杏子: おわっ いきなり出てくんな!
  83. 胡桃 まなか: デザートをお持ちしました
  84. 杏子: なんだ… 驚かせんなよ
  85. 杏子: …………
  86. 杏子: (優しい人だよ、か…)
  87. 杏子: (こいつらは これまであたしが)
  88. 杏子: (どんな風に生きてきたかも 知らないし)
  89. 杏子: (まどかたちが知ってるのも 最近のあたしだけだ…)
  90. 杏子: …確かに最近のあたしは 優しすぎたかもしれないな
  91. モモ: …………
  92. 杏子: モモもそう思うのか?
  93. 胡桃 まなか: ん…?
  94. 胡桃 まなか: それって…その… どなた様でしょう
  95. 杏子: モモのことか? あたしの妹だよ
  96. うい: えっと…
  97. うい: …かごめさんの アルちゃんみたいな感じかな?
  98. 杏子: 何言ってんだ?
  99. 杏子: それはそうと…さっき デザートって言ったよな?
  100. 胡桃 まなか: はい、こちらの林檎など いかがでしょう?
  101. 胡桃 まなか: よろしければ この場でお剥きしますが
  102. 杏子: お、いいねえ
  103. 杏子: でも、あたしは このままの方が好みだな
  104. 胡桃 まなか: 丸かじりですか?
  105. 杏子: そう! それじゃさっそく…
  106. かぷっ
  107. 杏子: ――っ!?
  108. 杏子: 店は…? どこだよ…ここ?
  109.  
  110. FILENAME: text_515710-2_N5rbj.txt
  111. まどか: 杏子ちゃん、危ない!
  112. 杏子: …え?
  113. 杏子: 魔女…!
  114. 杏子: (林檎をかじったと思ったら 急に目の前が真っ暗になって)
  115. 杏子: (今度は魔女の結界に…?)
  116. 杏子: (まだ夢が続いてんのか?)
  117. ほむら: 巴さん、見つけました!
  118. ほむら: 結界に迷い込んだ 子どもたちです!
  119. マミ: …5人、6人…送迎バスの 運転手さんを入れて7人ね
  120. 杏子: (ああ、そうだ… 思い出してきたぞ)
  121. 杏子: (誰も乗ってない 幼稚園のバスが停まってて)
  122. 杏子: (なんかおかしいって あたりを探ったら)
  123. 杏子: (魔女がいたんだっけな…)
  124. マミ: ハッ!
  125. マミ: 足場は確保したわ 暁美さん、子どもたちをお願い!
  126. ほむら: は、はい!
  127. なぎさ: なぎさも手伝うのです!
  128. 杏子: (厄介だな… 結界に地面がないから)
  129. 杏子: (マミのリボンを足場にしないと 立つ場所もねぇ)
  130. まどか: 使い魔はわたしが!
  131. マミ: 頼んだわ!
  132. マミ: 佐倉さんと美樹さんは 近づいて魔女を倒して!
  133. マミ: 私がリボンで橋をかけるから
  134. 杏子: こっちから近づかなくても
  135. 杏子: マミなら一発で仕留められるだろ 例のでっかい銃でさ
  136. さやか: 子どもたちを巻き込んじゃったら どうするのよ
  137. さやか: それに、マミさんは みんなの足場の確保で忙しいの!
  138. 杏子: …近づいて倒すなら あたしらが向いてるってことか
  139. さやか: そういうこと じゃ、いくよ!
  140. 杏子: チッ… 仕方ねぇな!
  141.  
  142. FILENAME: text_515710-3_N5rbj.txt
  143. なぎさ: 子どもたちを 1ヶ所に集めたのです!
  144. ほむら: 結界が解けて 空中に投げ出されても
  145. ほむら: ここなら、巴さんのリボンが クッションになって安全です
  146. さやか: 杏子、いくよ!
  147. 杏子: まかせろ あたしが魔女の動きを縛る!
  148. さやか: ナイス、杏子! これで…とどめだぁーーっ!
  149. 杏子: (…? この気配…なんだ?)
  150. 杏子: ヤベぇ まだ人がいたのか!
  151. さやか: えっ?
  152. まどか: さやかちゃん、止まって!
  153. まどか: 魔女を倒したら、あの人たちが 落っこちちゃう!
  154. 杏子: いや、そのまま突っ込め! チャンスは今しかない!
  155. 杏子: ふたりはあたしが受け止める!
  156. さやか: …わかった 頼んだよ、杏子!
  157. さやか: やああーーっ!
  158. なぎさ: やったのです!
  159. まどか: 杏子ちゃんは…?
  160. ドカドカッ
  161. …………
  162. 杏子: いってて… 結構、重いぞ
  163. まどか: よかった、杏子ちゃん!
  164. マミ: ふふ、間に合わないと思ったら 手を貸すつもりだったけど
  165. 杏子: …で、どうすんだよ? そっちの子たちは
  166. マミ: そうね…運転手さんの具合が 急に悪くなって
  167. マミ: 私たちに救急車を頼んでから 気を失ったことにしましょうか?
  168. さやか: …子どもたちは待ってる間に 寝ちゃったってことで!
  169. マミ: それじゃ、救急車を呼ぶわね
  170. なぎさ: …でも残念なのです せっかくたくさんの人を助けても
  171. なぎさ: あと3日で、世界は 終わってしまうのです
  172. 杏子: (またこの話題か… まさか、夢じゃないのか…?)
  173. まどか: ううん、無駄じゃないよ!
  174. さやか: そうそう、笑って世界の終わりを 迎えるために
  175. さやか: みんなであと3日 生きたいじゃない!
  176. まどか: うん、最後の日まで みんなを魔女から守って
  177. まどか: 世界の終わりを ハッピーエンドにしないとね!
  178. 杏子: (ハッピーエンド、か…)
  179. 杏子: (現実はそんなに 甘くないよな…)
  180. ほむら: あさってになれば 世界が終わっちゃうんだね…
  181. ほむら: 世界最後の日も、この町を パトロールして終わるのかな
  182. マミ: 実は私… 神浜市に遠征したいのよね
  183. まどか: 神浜市、ですか?
  184. マミ: 最近、かなり強い魔女が現れて みんな手を焼いているらしいのよ
  185. マミ: 詳しい話を聞いてみると
  186. マミ: 以前、私たちがこの見滝原市で 倒した魔女みたいで…
  187. まどか: じゃあ、今度現れたのは 使い魔が成長したやつですよね?
  188. まどか: この町の使い魔が迷い込んで あっちで成長したってこと…?
  189. さやか: 神浜まで結構遠いけど そんなことってあるの?
  190. まどか: あれっ…でも前にも 同じようなことがなかった?
  191. さやか: そうだっけ?
  192. まどか: 神浜市に逃げた魔女を追って… 株分けのミラーズに乗り込んで
  193. まどか: ………… …ごめん、気のせいだったかも
  194. さやか: 既視感ってやつだね、きっと
  195. ほむら: でも確かに、ミラーズを通った 可能性はあると思います
  196. まどか: もし、そうだとすると…
  197. まどか: それって、見逃した わたしたちのせいですよね…?
  198. マミ: ええ、そんな気がしているの
  199. マミ: 放っておくと 最後の心残りになると思うわ
  200. まどか: じゃあ、世界最後の日は 神浜へ行きましょう!
  201. まどか: 杏子ちゃんも行くよね?
  202. 杏子: …ん…あたしも?
  203. まどか: …あ、もしかして 用事で無理とか?
  204. マミ: 今日はこうして来てくれてるけど
  205. マミ: 佐倉さんが普段見回っているのは 風見野市だもの
  206. マミ: 見滝原市の魔女ということなら 佐倉さんに責任はないわ
  207. まどか: あ…そうですね!
  208. 杏子: …………
  209. 杏子: (別に、魔女退治につきあうのが イヤってわけじゃない…ただ)
  210. 杏子: (まどかはあたしも行くって 疑ってなかったけど)
  211. 杏子: (前はそんな風に 思われてなかったよな…?)
  212. 杏子: (かごめも言ってたな…)
  213. 杏子: (困ってる人を見たら 放っておけない優しい人だとか)
  214. 杏子: (あたしって、いつから こんなに甘くなったんだろう?)
  215. 杏子: (さっきだって…)
  216. …………
  217. 杏子: (…あのふたりのことを 迷わず助けたし)
  218. 杏子: (『もう二度と、他人のために 魔法を使ったりしない』…)
  219. 杏子: (そう心に誓ったはずなのに)
  220. モモ: …………
  221. 杏子: …モモは人助けできてうれしい? ならいいけどさ
  222. ほむら: …?
  223. ピーポーピーポー
  224. 杏子: やっと救急車が来たか
  225. マミ: 事情の説明は 佐倉さんにお願いしていいかしら
  226. 杏子: えぇ!?…あたしが?
  227. さやか: …あたしたち これから学校なんだよね
  228. まどか: ごめん、杏子ちゃん!
  229. なぎさ: なぎさは杏子につきあうのです!
  230. ピーポーピーポー
  231. 杏子: ふぅ… なんとかごまかせたな
  232. 杏子: あ…忘れてた あとひと組いたんだった!
  233. …サチオさん! 無事だったのね!
  234. シマコさん! ああ、これは運命…!
  235. 杏子: …よくわかんねぇけど あっちは大丈夫そうだな!
  236. モモ: …………
  237. 杏子: さて、と…ひと仕事終えたら 腹が減っちまった
  238. かぷっ
  239.  
  240. FILENAME: text_515710-4_N5rbj.txt
  241. Day 2 ‐ 佐倉杏子の夢
  242. 杏子: …よっと!
  243. 杏子: これで…
  244. 杏子: フィニッシュ!
  245. Perfect!
  246. 杏子: よし!
  247. ???の声: …わっ…
  248. ???の声: すごいね あの子、パーフェクトだよ!
  249. 杏子: ん? この声…
  250. 五十鈴 れん: …ぁ… 佐倉…さん?
  251. 綾野 梨花: あっはは 知り合いだったね
  252. 杏子: アンタらも ゲーセンとか来るんだな
  253. 五十鈴 れん: …ぁ…クレーンゲームの …ぬいぐるみが欲しくて…
  254. 五十鈴 れん: …梨花ちゃんに 一緒に来てもらったんです…
  255. 綾野 梨花: てゆーかさ 杏子っちはなんでここに?
  256. 綾野 梨花: ゲーセンだったら 地元にもあるっしょ?
  257. 杏子: 買い食いのついでだよ
  258. 杏子: そこの商店街のたい焼きが 美味いんだよな
  259. 五十鈴 れん: …それで…神浜市まで…?
  260. 綾野 梨花: 世界が終わる前の日に たい焼きかー!
  261. 綾野 梨花: それはそれで味があるかもね!
  262. 杏子: アンタらは? ぬいぐるみは手に入ったのか?
  263. 五十鈴 れん: …はぃ…梨花ちゃんに 手伝ってもらって…
  264. 五十鈴 れん: …欲しいものは手に入ったので
  265. 五十鈴 れん: …このあとは、明日の 魔女退治の相談をしようって…
  266. 綾野 梨花: なんだか、すごく強い魔女が 暴れてるらしいんだよね
  267. 杏子: もしかしてそれって…
  268. 杏子: 見滝原の方から 来たって噂のヤツ?
  269. 綾野 梨花: そう、それ! そいつを退治しようって話!
  270. 綾野 梨花: 杏子っちも協力してくれない?
  271. 杏子: うーん…
  272. 杏子: 世界が終わるその日まで 魔女退治か
  273. 五十鈴 れん: …はぃ…
  274. 五十鈴 れん: …これ以上、その魔女に 呪いを振り撒かせたくなくて…
  275. 杏子: (確かマミたちも、明日 そいつを探しに来るんだっけ?)
  276. 杏子: 呪いどころか…
  277. 杏子: それだけ成長するまでに 犠牲者もかなり出てるだろうな
  278. 五十鈴 れん: …………
  279. 杏子: (マミたちは平気だろうけど…)
  280. 杏子: (こいつらふたりだけだと 危なっかしいな…)
  281. モモ: …………
  282. 杏子: …一緒に行って 助けてあげてほしいって?
  283. 綾野 梨花: …あっ、ごめん! 今まで気づかなかった
  284. 綾野 梨花: 杏子っちの妹?
  285. 杏子: そう、モモっていうんだ!
  286. 杏子: 人が来るとすぐ 隠れちまうんだよな
  287. 綾野 梨花: 人見知りなのかな? 可愛いね!
  288. 五十鈴 れん: …ぇ…
  289. 五十鈴 れん: …梨花ちゃん…その子…
  290. 綾野 梨花: ん、どうかした?
  291. 五十鈴 れん: …ぅ、ううん…
  292. 杏子: モモが言うなら 協力してもいいけど
  293. 杏子: いや、タダ働きなんて 性に合わないし…
  294. 杏子: グリーフシードだって 誰のものになるんだ?
  295. 綾野 梨花: グリーフシードをどうするかは
  296. 綾野 梨花: とどめを刺した人が決める、で いいよ!
  297. 杏子: …お、わかりやすくていいね! 共同戦線はそうじゃないとな!
  298. 杏子: ―杏子― それじゃ、交渉成立ってことで!
  299. 杏子: ―杏子― よろしくね
  300. 綾野 梨花: このあとはどうすんの?
  301. 杏子: 特に用事は…
  302. 杏子: ――っ!?
  303. 五十鈴 れん: 梨花ちゃん!
  304. 綾野 梨花: うん、すぐ近くだよ!
  305. 杏子: …たいした魔力を感じねぇ 使い魔の結界だな
  306. 杏子: 探してた魔女じゃなさそうだ
  307. 五十鈴 れん: …でも… 誰かが危ない目に遭う前に…
  308. 五十鈴 れん: 行こう、梨花ちゃん
  309. 綾野 梨花: そうだね!
  310. 杏子: お、おい!
  311. 杏子: あいつらはそうだったな…
  312. 杏子: グリーフシードを落とさない 使い魔でも関係なしだ
  313. モモ: …………
  314. 杏子: …わかったよ、モモ あたしも手伝えばいいんだろ?
  315.  
  316. FILENAME: text_515710-5_N5rbj.txt
  317. 綾野 梨花: れんちゃん、いたよっ!
  318. 五十鈴 れん: …うんっ…!
  319. 杏子: おい、ちょっと待て
  320. さな: …あっ…
  321. 春名 このみ: あれっ…?
  322. 杏子: 使い魔1匹相手に 何人出張ってきてんだよ…
  323. さな: 近くにいたら 魔力を感じたので…
  324. 春名 このみ: …私も 放っておけないかなって
  325. 杏子: ほんとにお人好しばっかりだな!
  326.  
  327. FILENAME: text_515710-6_N5rbj.txt
  328. 杏子: はあっ!
  329. 杏子: ふぅ… 無駄に疲れただけだったな
  330. 春名 このみ: そうでもないみたい …ほら?
  331. 僕はいったい何を…
  332. …はっ…? シマコさん!
  333. …サチオさん! よかった、目が覚めた!
  334. 杏子: おい…また このあいだのふたりかよ…!
  335. 春名 このみ: あれっ、知ってる人なの?
  336. 私たち、どうしちゃったんだろう
  337. 春名 このみ: ふたりで倒れていたところを 佐倉さんが助けてくれたんですよ
  338. 杏子: なっ…? 何を言い出すんだよ!?
  339. 春名 このみ: 佐倉さんと知り合いみたいだから
  340. 春名 このみ: そういうことに しておいた方が早いかなって
  341. 杏子: いやいや 知り合いとかじゃなくてさ
  342. 杏子: 結界に迷い込んだトコを 2回続けて助けただけだって
  343. 春名 このみ: ごめん、そうだったんだ…
  344. …佐倉さんとおっしゃるのですね 前にお見かけしたような
  345. 杏子: あー、昨日 見滝原でな…
  346. あっ…そうでした! もしかすると、あのときも
  347. 今日と同じように 助けていただいたのですか?
  348. 杏子: いや… まあ、その…
  349. …本当に ありがとうございました!
  350. 杏子: やっと行ったか…
  351. 杏子: 苦手なんだよ 人助けで感謝されるとかさ
  352. 五十鈴 れん: …ふふっ…
  353. 綾野 梨花: …あ、そうだ! 人助けって言えば…
  354. 綾野 梨花: ふたりも明日の魔女退治に 協力してくれない?
  355. 春名 このみ: 明日の…?
  356. さな: …魔女退治…ですか?
  357. 春名 このみ: …うん、いいかもね! 世界最後の日に、大物魔女退治!
  358. さな: えっと…私でよければ…
  359. さな: …ここで会ったのも 何かの縁かもしれませんし…
  360. 綾野 梨花: さなちゃんはどうして この近くにいたの?
  361. さな: それは、その… 猫さんと女の子を探して…
  362. 五十鈴 れん: …猫と…女の子?
  363. さな: あ…!
  364. さな: あの子たちです…!
  365. さな: 驚かせないように そっと…
  366. 春名 このみ: …その子猫ちゃん どうしたの?
  367. お姉ちゃん猫が… 連れて行かれちゃったの
  368. 杏子: お姉ちゃん猫?
  369. さな: お母さん猫は死んじゃって…
  370. さな: ここに2匹で住みついてた みたいなんです
  371. さな: あの子が心配して 毎日見に来てたんですけど…
  372. …通りすがりの人が 保護していったんだって
  373. でも、お姉ちゃん猫にしか 気づかなかったみたいで…
  374. 杏子: …妹猫だけが残されたってことか
  375. うん…
  376. 春名 このみ: まだ小さいし… 1匹じゃ生きていけないよね?
  377. 綾野 梨花: さなちゃんは… それが気になって来たんだね
  378. さな: …はい…
  379. さな: でも私…普通の人には 姿が見えないから…
  380. さな: 声をかけてあげることも できなくて…
  381. 杏子: そいつも悪気は なかったんだろうけど…
  382. 杏子: まさか、もう1匹いるとは 思わなかったんだろうな
  383. 春名 このみ: 姉妹一緒に保護してあげられれば よかったのにね…
  384. …………
  385. モモ: …………
  386. 杏子: …なんとかして あげられないかって?
  387. 綾野 梨花: そうだよね…
  388. 杏子: でもな、モモ…
  389. 杏子: 親切にすることが いい結果になる保証はないんだよ
  390. 春名 このみ: …その子は?
  391. 杏子: モモ あたしの妹だ
  392. さな: へえ…!
  393. 春名 このみ: そうだったんだ
  394. 五十鈴 れん: …ぁの…モモさんって… そこにいる…の?
  395. 綾野 梨花: そうだよ? さっき紹介されたでしょ?
  396. 五十鈴 れん: 佐倉さんが… 大事そうに持ってる…
  397. 五十鈴 れん: …人形の…こと?
  398. 春名 このみ: …人形…?
  399. 綾野 梨花: なんのこと?
  400. モモ: …………
  401. 春名 このみ: そうだね、モモちゃん!
  402. 春名 このみ: …確かに、いまの話みたいに
  403. 春名 このみ: 誰かの親切が仇になることも あるかもしれないけど…
  404. 春名 このみ: 頼りのお姉ちゃん猫も いなくなっちゃって
  405. 春名 このみ: まだひとりじゃ生きていけない 小さな子猫なんだから
  406. 春名 このみ: モモちゃんが放っておけないのは 自然な気持ちだと思うよ
  407. 杏子: そりゃ、できるもんなら
  408. 杏子: 誰かが妹猫を飼ってやるのが 一番いいんだろうけどさ…
  409. モモ: …………
  410. えっ…うちで飼って あげられないかって?
  411. パパとママに話してみたけど 無理って言われたの…
  412. モモ: …………
  413. そうだよね… あきらめちゃだめだよね
  414. 飼い主になってくれる人 また、探してみる!
  415. さな: …あ…
  416. 春名 このみ: それが一番だよね 優しい人、見つかるといいね!
  417. うんっ…!
  418. 綾野 梨花: モモちゃんもよかったね!
  419. モモ: …………
  420. 杏子: ………… …………
  421. かぷっ
  422.  
  423. FILENAME: text_515710-7_N5rbj.txt
  424. 杏子: あたしとモモの妙な夢が、まだ続いてる
  425. 杏子: 仕組みはよくわかんねぇけど 林檎をかじると、次の夢に進むんだ
  426. 杏子: 世界の終わりがどうとか 意味がわからないとこもあるけど
  427. 杏子: いま夢で見てることは 実際に一度あったことみたいに感じる…
  428. 杏子: 次に見るのは、いったいどんな夢なんだ?
  429. 杏子: …………
  430. 杏子: ここは…
  431. 杏子: 親父の教会…!
  432. キュゥべえ: その通り キミが生まれ育った場所さ
  433. 杏子: キュゥべえ…!
  434. 杏子: テメェまで、世界の終わりとか 言い出すんじゃねーだろうな?
  435. キュゥべえ: だとしたらどうなるんだい?
  436. 杏子: アンタは本物の キュゥべえじゃない
  437. 杏子: あたしの夢が作り出した ニセモノってことになる
  438. キュゥべえ: そうだね、ボクはキミの夢の 登場人物にすぎない
  439. 杏子: あっさり認めやがったな…
  440. 杏子: じゃあ、この夢はなんなんだ?
  441. 杏子: 夢が生んだ存在なら 答えられるだろ?
  442. キュゥべえ: その理屈は、まったく 筋が通っていないと思うけど
  443. キュゥべえ: いくつかの事実を 指摘することはできる
  444. 杏子: それはなんだ?
  445. キュゥべえ: 一連の夢は、この数日の
  446. キュゥべえ: キミ自身の経験を 反映したものだということ
  447. キュゥべえ: そしてキミはその夢を
  448. キュゥべえ: 元になったできごとが起きた順に 見ているということだよ
  449. 杏子: …?
  450. 杏子: つまり、あたしは現実に かごめをういに紹介されて
  451. 杏子: マミやれんと会ったあとに ここに来たってことか?
  452. 杏子: なんで親父の教会に…?
  453. キュゥべえ: 思い出せないのかい? だったらボクには答えられない
  454. キュゥべえ: ここに来たのは キミの意志によるものだ
  455. キュゥべえ: その理由は キミ自身にしかわからない
  456. 杏子: 自分で思い出せってことか…
  457. 杏子: …………
  458. 杏子: (…そうだ)
  459. 杏子: (何か決定的なできごとが あったわけじゃない)
  460. 杏子: (柄にもなく人助けのために 魔法を使ったり)
  461. 杏子: (それでまどかたちに 優しいヤツだと思われてたり)
  462. 杏子: (お人好しな連中の魔女退治を 手伝う約束をしちまったり…)
  463. 杏子: (そんな些細なことが 続くうちに)
  464. 杏子: (なんだか最近、あたしが)
  465. 杏子: (あたしらしくなくなってきてる ような気がして…)
  466. 杏子: (…それで、一度 ここに帰ろうと思ったんだ)
  467. 杏子: (『もう二度と、他人のために 魔法を使ったりしない』…)
  468. 杏子: (そう心に誓ったときの あの気持ちを思い出すために…)
  469. モモ: …………
  470. 杏子: ああ、そうだな
  471. 杏子: 誰かの親切が仇になった あの姉妹猫の話もキツかったな
  472. 杏子: …おかげでまた 思い出しちまった
  473. 杏子: あたしが親父のために 奇跡を祈ったせいで
  474. 杏子: 家族が壊れたことを…
  475. 杏子: あたしと…モモだけを残して…
  476. キュゥべえ: …………
  477. 杏子: ――っ!? 違う!
  478. 杏子: モモもそう思うのか?
  479. 胡桃 まなか: ん…?
  480. 胡桃 まなか: それって…その… どなた様でしょう
  481. 杏子: モモは…もう…
  482. モモ: …………
  483. 杏子: (死んでるはずだ…!)
  484. キュゥべえ: …思い出したようだね
  485.  
  486. FILENAME: text_515710-8_N5rbj.txt
  487. 杏子: ―杏子― あたしもモモも、世間一般から見れば 決して幸せだったわけじゃない
  488. 杏子: ―杏子― それでも家族4人で暮らしてた頃… あたしとモモは、笑顔だった
  489. 杏子: ―杏子― 親父は優しい人だった そして、正直すぎる人だった
  490. 杏子: ―杏子― 『新しい時代を救うには新しい信仰が必要だ』 そんなことを言い出して
  491. 杏子: ―杏子― 教義にないことまで説教しはじめた親父のために あたしはキュゥべえに祈った
  492. 杏子: ―杏子― …みんなが親父の話を 真面目に聞いてくれますように、って
  493. 杏子: ―杏子― 途端に、教会には信者が押しかけて 親父の話を熱心に聞いてくれるようになった
  494. 杏子: でも、親父はそんなインチキを 望んじゃいなかったんだ
  495. モモ: …………
  496. 杏子: …そのカラクリを知って 親父は心を病んじまった
  497. 杏子: 最後は家族を道連れに無理心中さ あたしひとりを置き去りにしてね
  498. 杏子: …そのとき心に誓ったんだよ
  499. 杏子: 『もう二度と、他人のために 魔法を使ったりしない』ってね
  500. 杏子: それまで得意だった 眩惑の魔法が使えなくなったのも
  501. 杏子: その頃だったな…
  502. モモ: …………
  503. 杏子: モモ…
  504. 杏子: オマエはまだ小さくて 何の罪もなかったんだ…
  505. 杏子: ひとりぼっちじゃ生きていけない あの子猫と同じように
  506. 杏子: 誰かが…
  507. 杏子: あたしが守ってやらないと いけなかったのに…
  508. 杏子: …………
  509. 杏子: …それにしても
  510. 杏子: なんであたしは こんな夢を見てるんだ?
  511. キュゥべえ: それはボクにもわからない
  512. 杏子: 少なくともこの夢は 過去に経験したことの再現で
  513. 杏子: いま現実に起きてることじゃ ないんだよね?
  514. キュゥべえ: そうだね、正確には 現実の1日前のできごとだ
  515. キュゥべえ: キミの夢は 現実の2日前から始まって
  516. キュゥべえ: 佐倉杏子の3日間を 追体験する形で進んでいる
  517. 杏子: 現実の時間…
  518. 杏子: つまり、今のあたしから見て 1日後に何が起きるんだ?
  519. キュゥべえ: 世界が終わるはずだよ
  520. 杏子: またそれか…
  521. キュゥべえ: 言っただろう? ボクはキミの夢が生んだ存在だ
  522. キュゥべえ: 現実の世界で 何が起きてるかは知りようがない
  523. 杏子: そもそも世界の終わりって なんなんだよ?
  524. キュゥべえ: 宇宙全体のエネルギーが枯渇して エントロピーに呑まれることさ
  525. キュゥべえ: ボクたちはそれを覆すために エネルギーを回収してきたけれど
  526. キュゥべえ: どうやら、ボクたちには それを止められそうもない
  527. 杏子: アンタらも 世界を終わらせないために
  528. 杏子: あがいているってことか…?
  529. キュゥべえ: キミたちだってそうだろう?
  530. キュゥべえ: 世界を終わらせるあの呪文を 口にしていないということは
  531. キュゥべえ: キミを含めた人類すべてが
  532. キュゥべえ: ハッピーエンドへの希望を 持ち続けているということだ
  533. 杏子: …………
  534. ガタン
  535. キュゥべえ: どこへ行くんだい?
  536. 杏子: …さあね
  537. モモ: …………
  538. 杏子: (これが夢だとして…)
  539. 杏子: (現実では何が起きてるんだ?)
  540. 杏子: (次の日は確か、魔女退治に つきあう約束をしたはずだよな)
  541. 杏子: ………… …………
  542. 杏子: (いつのまにか、あたしは 自分の誓いを破ってた)
  543. 杏子: (親父のために 奇跡を祈ったせいで)
  544. 杏子: (家族を壊したってのに)
  545. 杏子: (結局また、他人のために 魔法を使っちまってるし)
  546. 杏子: (お節介を焼いてまわって)
  547. 杏子: (お人好したちと魔女退治にも 結局、行くことになって…)
  548. 杏子: …………
  549. 杏子: (ハッピーエンド、か…)
  550. 杏子: (最後に愛と勇気が勝つ ストーリーなんて)
  551. 杏子: (あるわけないって思ってても)
  552. 杏子: (結局、あたしも)
  553. 杏子: (誰かを助けられるかもなんて 甘っちょろい希望を)
  554. 杏子: (まだ捨ててない、って ことなのか?)
  555. モモ: …………
  556. 杏子: …………
  557. さやか: あっ、杏子!
  558. 杏子: ―杏子― ………… …………
  559. さやか: ―さやか― ちょっと、杏子ってば!
  560. 杏子: ―杏子― …………
  561. さやか: ―さやか― …気づいて、ない?
  562. 杏子: ―杏子― モモ…
  563. さやか: ―さやか― いったい、どうしたのよ…
  564.  
  565. FILENAME: text_515710-9_N5rbj.txt
  566. Day 3 ‐ 現実の神浜市
  567. 五十鈴 れん: …………
  568. 五十鈴 れん: (…ゃっぱり…変… 4人とも来ないなんて…)
  569. 五十鈴 れん: (魔女退治の約束… 今日のはず…だよね?)
  570. 五十鈴 れん: (…梨花ちゃんからも メッセージの返事、ないし…)
  571. 五十鈴 れん: (…何か…あったのかも…)
  572. 五十鈴 れん: ………… …………
  573. 五十鈴 れん: ――っ!?
  574. 五十鈴 れん: …魔女…! 近くに…いる…
  575. 五十鈴 れん: …梨花ちゃんたち… そっちに向かったのかも…!
  576. 五十鈴 れん: …ぁ…
  577. まどか: あれっ?
  578. マミ: あなたも魔女の反応を 追ってきたのかしら?
  579. 五十鈴 れん: …はぃ…
  580. マミ: 私たちもそうなのよ
  581. マミ: 見滝原市の魔女が こっちで暴れてると聞いて
  582. マミ: 魔力の反応を探していたら ここに行き着いたの
  583. ほむら: …魔女は近くにいます
  584. ほむら: かなり強い魔力反応です 危険な魔女に成長しています
  585. 五十鈴 れん: …ぇっ…と…
  586. 五十鈴 れん: …私も…私たちも たぶん同じ魔女を探してて…
  587. さやか: 何か事情がありそうだね
  588. マミ: …佐倉さんたちと一緒に 魔女退治の約束をしていた…?
  589. さやか: あいつ、あたしたちの誘いには 乗らなかったのに…
  590. 五十鈴 れん: …私たち、最初… ふたりで行こうとしてたから
  591. 五十鈴 れん: 放っておけなかったのかも…
  592. まどか: …でも、まだ来てないんだよね?
  593. まどか: 杏子ちゃんだけじゃなくて 他の子も…
  594. マミ: おかしいわね、4人とも 連絡が取れないだなんて…
  595. ほむら: もしかして…早めに着いた4人が 危険な気配に気づいて
  596. ほむら: 魔女の結界を確かめに行ったけど そこで緊急事態が起きたとか…?
  597. さやか: ありそうだね
  598. マミ: まずはその結界を見つけましょう
  599. まどか: …あれだよ!
  600. さやか: すごい魔力! …ちょっと身震いしてきた
  601. マミ: …前に戦ったときとは桁違いね
  602. マミ: 私が結界に乗り込んで 様子を探ってくるわ
  603. マミ: 鹿目さんは環さんたちに このことを伝えて
  604. マミ: 美樹さんは 私と一緒に来てくれるかしら?
  605. 五十鈴 れん: …ぁの…私も…!
  606. マミ: ダメよ、あの魔女は 厄介な攻撃をしてくるの
  607. マミ: 半端な人数で乗り込んだら 離脱もできなくなるわ
  608. マミ: まずは偵察だけして戻るの
  609. マミ: すでに4人の行方が わからなくなってるんだから
  610. マミ: 様子を探った上で 周到な準備が必要よ
  611. 五十鈴 れん: …わかりました…
  612. さやか: …友だちが心配だろうけど ここはあたしたちにまかせて!
  613. 五十鈴 れん: お願い…します
  614. マミ: それじゃ、美樹さん 行くわよ!
  615. さやか: はいっ!
  616. マミ: 魔女は… どこかしら?
  617. さやか: マミさん、あれ!
  618. 春名 このみ: …………
  619. さやか: このみさん、しっかり!
  620. 春名 このみ: …あ…
  621. 春名 このみ: さやかちゃん…? …ハッ
  622. 春名 このみ: そうだ、大変なの! 佐倉さんたちが…!
  623. マミ: 話はあとにしましょう 美樹さん、準備して
  624. マミ: 結界の主の登場よ
  625.  
  626. FILENAME: text_515710-10_N5rbj.txt
  627. マミ: ――っ!?
  628. さやか: マミさんっ!
  629. マミ: 大丈夫、でも ここは退きましょう
  630. マミ: これ以上は消耗するだけよ
  631. さやか: 前に戦ったときは あっさり倒せたのに…
  632. マミ: 攻撃が完璧に防がれてしまうわ
  633. マミ: まるで、こちらの動きが 全部読まれているみたい
  634. さやか: …神浜市の子たちが てこずっているだけありますね
  635. マミ: まずは春名さんだけでも 連れて脱出しないと…!
  636. まどか: えっ…杏子ちゃんたちも みんな魔女につかまってる…?
  637. 春名 このみ: うん、そうなの…
  638. 春名 このみ: 私が待ち合わせ場所に着くと 女の子が子猫を探していたの
  639. まどか: 子猫…ですか?
  640. 春名 このみ: うん、近くの路地裏に 住み着いてる子猫
  641. 春名 このみ: 今日も、その子が様子を 見にきたらしいんだけど…
  642. ほむら: …いつもの路地裏にいなかった?
  643. 春名 このみ: うん、そのうち佐倉さんたちも 待ち合わせ場所に来て
  644. 春名 このみ: 一緒に近くを 探していたんだけど…
  645. さな: あれは…!
  646. 杏子: なんだ、この魔力…!
  647. 杏子: 探してた大物魔女らしいな …かなり危険なヤツだぞ
  648. 春名 このみ: 連れ戻さなきゃ!
  649. あっ、待って!
  650. さな&梨花: ――っ!?
  651. さな: …助けないと…!
  652. 綾野 梨花: うん!
  653. 春名 このみ: 私も…!
  654. 杏子: ………… …………
  655. 杏子: チッ…仕方ねぇ!
  656. 春名 このみ: …私は、結界に入ってすぐ 使い魔たちにつかまって
  657. 春名 このみ: さやかちゃんたちに 助けられるまで
  658. 春名 このみ: 夢を見ていたの…
  659. まどか: …夢?
  660. 春名 このみ: うん… 世界があと3日で終わる夢
  661. 春名 このみ: おとといから始まって
  662. 春名 このみ: 今日までの3日間に 実際にあったことを
  663. 春名 このみ: なぞっていくような夢だったな…
  664. 五十鈴 れん: …じゃあ、梨花ちゃんたちも…
  665. 春名 このみ: うん…同じようにつかまって 夢を見せられてるんだと思う
  666. さやか: 記憶や心を読んで あたしたちを惑わせてくる…?
  667. マミ: そんな感じがするわ
  668. マミ: 前に戦ったときもそうだったけど 心を探られる感じがしたのよね
  669. マミ: さっきは攻撃を先読みされて 完璧に防がれてしまったわ
  670. ほむら: 前に戦ったとき以上ですね…
  671. さやか: 結界につかまってるのは 女の子と子猫…
  672. さやか: それから杏子とさなちゃんと 梨花さんかぁ
  673. 五十鈴 れん: …どうしよぅ…
  674. マミ: 環さんたちとも連携して みんなで魔女を叩くしかないわね
  675. マミ: ただ… さっきと同じように攻めても
  676. マミ: 完璧に防がれてしまうけれど
  677. ほむら: はい…ただ人数を増やしても 同じことの繰り返しになるかも…
  678. まどか: 何か方法を考えないとね
  679. マミ: さいわい、少しだけ 時間の余裕はありそうに思えるわ
  680. マミ: つかまっていた春名さんも 直接攻撃された様子はないし
  681. 春名 このみ: うん…なんともない ソウルジェムも濁ってないし
  682. まどか: どうしてだろう?
  683. ほむら: 積極的に攻撃しない魔女もいる …物理的にも、精神的にも
  684. ほむら: 以前の鏡の魔女がそうだったし
  685. マミ: 単に閉じこめて
  686. マミ: 相手の衰弱を待っているのかも しれないわね
  687. さやか: それはそれでキツイけど…
  688. さやか: 対策を練る時間が 少しはあるってことだね
  689. ほむら: ただ、考えるにしても… もう少し情報が必要です
  690. マミ: そうね…
  691. マミ: さっきの夢の話… もっと詳しく聞きたいわね
  692.  
  693. FILENAME: text_515710-11_N5rbj.txt
  694. マミ: 世界があと3日で終わるけど…
  695. マミ: 誰かが「おしまい」と口にすれば いますぐ終わらせることもできる
  696. まどか: …不思議な夢ですね
  697. 春名 このみ: うん…
  698. 春名 このみ: 夢の場面そのものはね
  699. 春名 このみ: この3日間の実際にあったことが 再現されてる感じなんだけど
  700. 春名 このみ: いろんなところが変わっていたの
  701. 春名 このみ: もうすぐ世界が終わっちゃうけど
  702. 春名 このみ: みんなで ハッピーエンドにしよう!…とか
  703. 春名 このみ: 現実にはありえないことを みんな話してた
  704. まどか: 本当に「おしまい」って言ったら どうなるのかな…?
  705. さやか: 魔女に見せられる夢だからね… ロクなことにならなさそうだよね
  706. マミ: 悪い夢に心が押し潰されて
  707. マミ: その人の世界が 終わってしまうのかもね
  708. ほむら: 夢の中に佐倉さんたちは 出てきたんでしょうか?
  709. 春名 このみ: 出てきたよ!
  710. 春名 このみ: 昨日、れんちゃんたちと 会ったときの夢にみんないたよ
  711. 五十鈴 れん: …ぁ… …子猫を見つけたときのこと…?
  712. 春名 このみ: うん!…あ、でも
  713. 春名 このみ: 佐倉さんの妹さんも夢にいたな… 本当は会ってないはずなのに
  714. ほむら: えっ…
  715. 春名 このみ: 名前はモモちゃんだった
  716. ほむら: あの…春名さんは
  717. ほむら: 佐倉さんから妹さんの話を 聞いたことがあるんですか?
  718. 春名 このみ: ううん だから不思議なの
  719. ほむら: (…この時間軸でもたぶん)
  720. ほむら: (佐倉さんは家族のことを 誰かに話してはいないはず)
  721. ほむら: (なのに、妹さんが 春名さんの夢に出てきた…?)
  722. 春名 このみ: あ、もうひとつ変なのが…
  723. 春名 このみ: 夢の中で、れんちゃんだけはね モモちゃんが見えてなかったの…
  724. 五十鈴 れん: …ぇ…?
  725. 春名 このみ: というか…モモちゃんのことが
  726. 春名 このみ: 人形の姿に見えるようなことを 言ってたかも…
  727. まどか: れんちゃんは心あたり、ある…?
  728. 五十鈴 れん: 私は…その夢… 見ていないので…
  729. まどか: あ、そっか ずっと結界の外にいたんだもんね
  730. ほむら: …夢の中で妹さんのことを
  731. ほむら: 認識できていたのは 誰でしょうか?
  732. 春名 このみ: 佐倉さん、梨花ちゃん さなちゃん
  733. 春名 このみ: …それから、女の子と私かな?
  734. ほむら: …みんな、あの魔女の結界に つかまっている人ですね
  735. まどか&さやか: …!
  736. ほむら: 全員が、会ったこともないはずの 佐倉さんの妹さんを認識している
  737. マミ: 佐倉さんと… 夢を共有しているってこと?
  738. ほむら: 確証はありませんけど… そうかもしれません
  739. ほむら: 鍵を握っているのは 佐倉さんなのかも…
  740. れん&このみ: ………… …………
  741. いろはの声: …ごめんなさい! 遅くなりました!
  742. うい: みんなが 結界につかまってるって…?
  743. さやか: …どうも、そうみたい
  744. いろは: さなちゃんにも連絡取れないし… みんなの推測通りだと思う
  745. 五十鈴 れん: …早く…助けに行きたいけど…
  746. ほむら: 闇雲に飛び込んだら
  747. ほむら: 犠牲者が増えるだけに なってしまいます
  748. さやか: でも、これっていう案も なかなか浮かばないよね…
  749. マミ: ………… …………
  750. ピロン♪
  751. うい: あ…メッセージ …かごめさんから?
  752. うい: 『何かできることは ありませんか?』…って
  753. いろは: かごめちゃんって、確か今
  754. いろは: なぎさちゃんと 一緒じゃなかった?
  755. うい: うん…確か風見野市で 取材させてもらってるはず
  756. 春名 このみ: えっ、風見野?
  757. いろは: …今日は杏子ちゃんのかわりに
  758. いろは: なぎさちゃんが風見野市を パトロールしてるって聞いたけど
  759. さやか: 用事ができたとか言ってたけど そういうことだったのね…
  760. マミ: …そうだわ! ふたりに連絡を取ってみましょう
  761. マミ: 頼みたいことがあるの
  762. うい: …なぎさちゃんと かごめさんに?
  763. マミ: そうよ
  764. ほむら: 何か考えがあるんですね
  765. マミ: ええ、試せることは 全部試さないとね
  766. いろは: やちよさんやみんなにも 協力してもらいます…!
  767. まどか: ありがとう、いろはちゃん!
  768. マミ: 佐倉さんたち… どうか、無事でいて
  769. 杏子: ………… …………
  770. (Part 1 end)
  771. -----
  772. (Part 2 start)
  773. FILENAME: text_515720-1_EO4Zi.txt
  774. まどか: えっ キュゥべえに知恵を借りる…?
  775. マミ: そう、神浜市の外にいる なぎさちゃんたちなら
  776. マミ: キュゥべえと 話をすることができるでしょ?
  777. まどか: そっか、キュゥべえに相談すれば
  778. まどか: 魔女との戦い方の ヒントが見つかるかも…!
  779. さやか: …なぎさにまかせるのは ちょっと心配だけどね
  780. いろは: かごめちゃんも一緒だったのは ちょうどよかったかも
  781. ~~♪~~♪
  782. いろは: …あ!
  783. うい: かごめさんからだよ!
  784. いろは: かごめちゃんたちの声… みんなにも聞こえるようにするね
  785. いろは: はい、いろはです! かごめちゃん?
  786. なぎさ: もぉぉおお~ 大変だったのです!
  787. さやか: …って、なぎさじゃないの
  788. かごめ: あ…スマホは私のですけど
  789. かごめ: なぎさちゃんが 話したいって言うので…
  790. なぎさ: とにかく大変だったのです!
  791. なぎさ: こんなときにかぎって
  792. なぎさ: なかなかキュゥべえが 見つからなくて
  793. なぎさ: ほとんど迷子に なっていたのです!
  794. マミ: ごめんなさいね、無理言って
  795. うい: でも、キュゥべえちゃんを ちゃんと見つけてくれたんだよね
  796. なぎさ: もちろんなのです
  797. なぎさ: 廃墟みたいな教会で やっと見つけたのです!
  798. ほむら: (風見野市にある 廃墟みたいな…教会?)
  799. ほむら: (それって、佐倉さんの…)
  800. いろは: それで、事情は伝えてくれた?
  801. なぎさ: はい、かごめが丁寧に 説明してくれたのです!
  802. さやか: そこは他人まかせなんだ…
  803. いろは: …キュゥべえはなんて?
  804. かごめ: はい… みんなの推測通り
  805. かごめ: 今度の魔女は心に作用する魔法を 得意としていて
  806. かごめ: このみさんも、魔女に心を 覗かれていたんじゃないかって
  807. さやか: 手あたりしだいに人をつかまえて どうしようっていうわけ?
  808. かごめ: 仮に、生きた人間をただ 集めているだけだとしても
  809. かごめ: 犠牲者はいすれ衰弱して 死んでしまうだろう、って…
  810. さやか: 結局、攻撃されるのと 変わらないってことじゃない…
  811. まどか: 何か他に、気づいたこととかは ないのかな?
  812. かごめ: えっ、と…
  813. キュゥべえ: ただ今回のケースでは 以前キミたちが戦ったときとは
  814. キュゥべえ: 明らかに異なる点が あるように思えるけどね
  815. キュゥべえ: 春名このみの夢を 奇妙な形にねじ曲げたのは
  816. キュゥべえ: 本当に魔女の魔法なのかい?
  817. かごめ: …だって
  818. うい: 夢を見せていたのは 魔女じゃないかもってこと…?
  819. いろは: 魔女じゃないとすれば 他の誰かが…?
  820. マミ: ――っ!? わかったわ!
  821. マミ: 春名さんに不思議な夢を 見せていたのは
  822. マミ: 佐倉さんの眩惑の魔法よ!
  823. 春名 このみ: えっ
  824. 五十鈴 れん: …佐倉…さんの?
  825.  
  826. FILENAME: text_515720-2_EO4Zi.txt
  827. まどか: 杏子ちゃんの…
  828. さやか: 眩惑の…魔法?
  829. マミ: ええ… みんなは知らないと思うけれど
  830. マミ: 佐倉さんは以前 眩惑の魔法を得意としていたの
  831. マミ: 佐倉さんが魔法少女になって 間もなかった頃の話よ
  832. まどか: そうだったんだ…
  833. さやか: あたしも知らなかった
  834. マミ: 当然よ
  835. マミ: あなたたちの前では 使ったことがないもの
  836. 春名 このみ: でも、佐倉さんの魔法とは かぎらないんじゃ…?
  837. ほむら: いえ、つかまった人たちがみんな
  838. ほむら: 佐倉さんの妹さんの 幻影を見たのだとすると…
  839. ほむら: 眩惑の魔法をかけたのは 佐倉さんの可能性が高いです
  840. うい: かごめさん!
  841. うい: 今のお話、キュゥべえちゃんに 聞いてみてくれないかな?
  842. かごめ: はい…!
  843. キュゥべえ: …なるほど 眩惑の魔法か
  844. キュゥべえ: 確かに 従来のデータから判断すると
  845. キュゥべえ: あの魔女は 心を覗き見ることはしても
  846. キュゥべえ: わざわざ夢を 改変するようなことはしない
  847. キュゥべえ: 佐倉杏子が眩惑の魔法を使って 他人の夢に干渉し
  848. キュゥべえ: 夢を共有する相手に、妹の幻影を 本物と信じ込ませるうちに
  849. キュゥべえ: 自分自身もそう信じ込んだ… という可能性はあり得るね
  850. さやか: …ちょっと待って
  851. さやか: それって全部 杏子のせいだって言いたいの?
  852. なぎさ: …というよりも
  853. なぎさ: その力を魔女に利用されている… ということみたいなのです
  854. マミ: 確かにそう考えると説明がつくわ
  855. マミ: 使えなくなったはずの 彼女本来の魔法が
  856. マミ: どうして急に発動したのかは わからないけれど…
  857. 五十鈴 れん: …だとしたら…どうやって… あの魔女と戦えばいぃ…?
  858. さやか: 前に戦ったときは あっさり倒せたんだけどね
  859. まどか: 倒したのはさやかちゃんだったね
  860. マミ: あのときと、何が違うのかしら?
  861. かごめ: …………
  862. かごめ: キュゥべえはどう思う…?
  863. キュゥべえ: あの魔女と戦う方法かい? 簡単なことさ
  864. キュゥべえ: 佐倉杏子がつかまったことで
  865. キュゥべえ: 魔女本来の攻撃に 彼女の魔法が加わったとしても
  866. キュゥべえ: いずれも精神に
  867. キュゥべえ: 直接作用するタイプの 魔法であることは間違いない
  868. キュゥべえ: つまり、心が空っぽの相手には 干渉することもできない
  869. なぎさ: …えっ?
  870. かごめ: それって…何も考えずに 戦えばいいってこと?
  871. キュゥべえ: そういうことになるね
  872. なぎさ: それを早く言うのです!
  873. キュゥべえ: キミたちが聞かなかったから 答えなかっただけだよ
  874. ほむら: …何も考えなければいい?
  875. さやか: じゃあ、前にあたしが 同じ魔女を倒せた理由って
  876. さやか: …あたしが何も 考えてなかったからってこと?
  877. マミ: あれこれ策をめぐらすよりも
  878. マミ: 速攻で叩くのが 最も有効ということね
  879. さやか: …でもさ、杏子は なんでつかまっちゃったの?
  880. さやか: 杏子だって 何も考えてなさそうなのに…
  881. ほむら: …そうでしょうか?
  882. マミ: そんなことはないと思うわ
  883. さやか: 確かに…そうなのかも
  884. さやか: (あたし、杏子のこと 何も知らなかったのかもね…)
  885. マミ: …あとは私たちしだいね
  886. うい: なぎさちゃんとかごめさんも ありがとう!
  887. なぎさ: どういたしましてなのです!
  888. ピッ
  889. アルちゃん: <うまくいくといいね>
  890. かごめ: そうだね、アルちゃん
  891. かごめ: …キュゥべえも協力してくれる?
  892. キュゥべえ: 現在、佐倉杏子が置かれている 状況は確かに興味深い
  893. キュゥべえ: キミたちが彼女の情報を 提供してくれるなら
  894. キュゥべえ: それと引き換えに
  895. キュゥべえ: ボクにわかることを 教えてあげてもかまわないよ
  896.  
  897. FILENAME: text_515720-3_EO4Zi.txt
  898. マミ: みんな、準備はいい?
  899. まどか&ほむら: はいっ!
  900. さやか: まかせて!
  901. 五十鈴 れん: …がんばります…!
  902. 春名 このみ: ほんとに5人だけで大丈夫?
  903. いろは: 危険を感じたら すぐに引き揚げてください
  904. いろは: わたしたちも ここに控えていますので…!
  905. うい: いざっていうときは
  906. うい: やちよさんたちも 駆けつけてくれるって!
  907. マミ: ありがとう
  908. マミ: さっき戦ったときは
  909. マミ: 攻撃をすべて 防がれてしまったけど…
  910. さやか: キュゥべえのおかげで 対策がわかったから、もう大丈夫
  911. ほむら: 事前に決めた通りに動いて 速攻で倒す、ですね
  912. マミ: 油断できる相手ではないけれど…
  913. マミ: うまく連携を決めるには このくらいの人数が一番よ
  914. マミ: …ただ、私たちは一度 戦ったことがある魔女だけど
  915. マミ: 五十鈴さんは 初めての相手になるわね
  916. まどか: 気をつけて、無理はしないでね
  917. 五十鈴 れん: …ぁりがとう…ございます
  918. マミ: それじゃ… 行くわよ!
  919. まどか: マミさんと杏子ちゃんって…
  920. まどか: ずっと前から 知り合いだったんですよね?
  921. マミ: そうよ
  922. マミ: 佐倉さんが魔法少女になって すぐの頃からね
  923. まどか: 眩惑…でしたっけ? 相手を惑わす魔法ってこと?
  924. マミ: そうね、本来は そういう戦いが得意だったの
  925. さやか: 普段はガンガン攻めていく イメージだったから
  926. さやか: なんか意外な感じ
  927. ほむら: …………
  928. マミ: 今の戦い方は あとで身につけたものなの
  929. マミ: …生き残るためにね
  930. まどか: …それって?
  931. マミ: いろいろあってね しばらく会ってなかったんだけど
  932. マミ: 出会った頃の佐倉さんは もっと素直で優しい子だったの
  933. マミ: でも…
  934. マミ: ………… …………
  935. まどか: マミさん…
  936. マミ: ごめんなさい いろいろと思い出してしまって
  937. さやか: …………
  938. 五十鈴 れん: …ぁ…
  939. 五十鈴 れん: …あの子…!
  940. まどか: みんなが追いかけてたっていう 子猫だよね?
  941. 五十鈴 れん: …はぃ…!
  942. まどか: 案内してくれてる…?
  943. ほむら: 追いかけよう!
  944.  
  945. FILENAME: text_515720-4_EO4Zi.txt
  946. まどか: こっちだよ!
  947. さやか: 子猫って… 足、速いね…
  948. マミ: 待ってくれてる…?
  949. ほむら: そうみたいです
  950. 五十鈴 れん: …ぁ、あれ…!
  951. まどか: さなちゃん!
  952. さやか: よかった、無事だね
  953. まどか: ありがとう!
  954. まどか: さなちゃんのところまで 案内してくれたんだね
  955. マミ: 二葉さん、しっかり…!
  956. さな: …………
  957. さな: …あ
  958. マミ: 気がついたかしら?
  959. さな: …そうなんですか あの子がまだこの結界に…
  960. さな: 綾野さんと、佐倉さんも…
  961. …………
  962. さな: 飼い主を見つけてあげたいって はりきってたのに
  963. さな: 魔女につかまっちゃうなんて…
  964. マミ: 二葉さん、教えて
  965. マミ: 女の子と子猫を追って 結界に入ったあと
  966. マミ: いったい何があったのかしら?
  967. さな: えっ、と…
  968. さな&梨花: ――っ!?
  969. 杏子の声: おい、無事か!
  970. さな: 佐倉さん…!
  971. 杏子: こいつはあたしがやる! 女の子と子猫はまかせた
  972. 綾野 梨花: …りょうかいっ! あたしはあの子を!
  973. さな: …じゃ、じゃあ… 私は猫さんを…
  974. 杏子: …………
  975. 杏子: 『もう二度と、他人のために 魔法を使ったりしない』…
  976. 杏子: …誓ったはずだったのにな
  977. 杏子: なんだ…?
  978. 杏子: …? 心を…探られて…!
  979. 杏子: ――っ!?
  980. さやか: 『もう二度と、他人のために 魔法を使ったりしない』…?
  981. さな: はい…そう聞こえました
  982. ほむら: 佐倉さんの…主義… みたいなものだと思う
  983. さやか: …なのに子猫は 放っておけなかったんだね
  984. マミ: 本当は優しい子だから 自分勝手にもなりきれない
  985. マミ: そんな心の迷いを突かれて
  986. マミ: 魔女につかまってしまったのね
  987. さやか: はい…
  988. さやか: ちょっと様子が おかしかったですからね
  989. まどか: いつもの杏子ちゃんなら 迷わず倒せたかもしれないのに
  990. 五十鈴 れん: …ぁの…
  991. 五十鈴 れん: …ここにいるあいだは… ずっと、夢を…?
  992. さな: …はい 不思議な夢で
  993. さな: …もうすぐ世界が 終わるっていうんです
  994. ほむら: …佐倉さんは妹さんを 連れていましたか?
  995. さな: …え、あ…はい どうしてわかったんですか?
  996. マミ: 春名さんも同じ夢を見たのよ
  997. マミ: 佐倉さんの魔法が 夢に作用してるみたいなの
  998. さな: もし、夢の中で…
  999. さな: 世界を終わらせる 呪文を口にしたら…
  1000. さな: いったい どうなっていたんでしょう…?
  1001. ほむら: 自分の心が壊れてしまう…?
  1002. さやか: もしそうなったら、今こうして 無事に話はできていなかったよね
  1003. 五十鈴 れん: …女の子は…大丈夫でしょうか
  1004. 五十鈴 れん: …佐倉さんも…梨花ちゃんも…
  1005. マミ: いつまで耐えられるか わからない以上
  1006. マミ: のんびりはしていられないわね
  1007. まどか: あの…さなちゃんは 猫ちゃんを追いかけて…
  1008. まどか: 梨花さんは女の子を助けに 向かったんだよね?
  1009. さな: はい…そうです
  1010. さな: 私は、途中で猫さんとも はぐれてしまったんですけど…
  1011. まどか: 梨花さんはどうなんだろう?
  1012. まどか: もしかして、女の子と一緒に いるかも…?
  1013. まどか: まさか… どこにいるか知ってるとか?
  1014. まどか: 追いかけましょう!
  1015. マミ: ええ!
  1016.  
  1017. FILENAME: text_515720-5_EO4Zi.txt
  1018. Day 3 ‐ 佐倉杏子の夢
  1019. 杏子: ………… …………
  1020. 杏子: …ん…?
  1021. ???: …………
  1022. 杏子: (こいつは…)
  1023. 杏子: (あたしか?)
  1024. ???: …………
  1025. 杏子: (泣いてるのか…?)
  1026. モモ: …………
  1027. 杏子: モモ…!
  1028. ???: …ごめん
  1029. 杏子: …?
  1030. ???: …ごめん、モモ 守ってあげられなくて
  1031. ???: 父さん、母さん ごめんね…
  1032. ???: 勝手なお願いをして 家族を壊しちゃって
  1033. 杏子: ――っ!?
  1034. 杏子: (こいつは… 過去のあたしだ)
  1035. 杏子: (親父と一緒に 世界を救うんだって)
  1036. 杏子: (本気で思ってた頃のあたし)
  1037. 杏子: (最後に愛と勇気が勝つ ストーリーを…)
  1038. 杏子: (ハッピーエンドを 信じていた自分)
  1039. 杏子: (その想いが裏切られて… 得意の魔法も使えなくなって)
  1040. 杏子: (世界に絶望していた 過去のあたし自身だ…)
  1041. ???: こんな結末しか 迎えられないんだったら
  1042. ???: この世界なんて もう…!
  1043. 杏子: (そうだ…あたしは 世界に絶望してた)
  1044. 杏子: (何もかも終わらせたいと 思ってた)
  1045. 杏子: だから、あたしは…
  1046. 杏子: こいつを切り捨てたんだ
  1047. 杏子: (…甘っちょろいままじゃ 生きていけなかった)
  1048. 杏子: (ハッピーエンドなんて 絵空事だ)
  1049. 杏子: (奇跡を祈れば 相応の呪いが降りかかる)
  1050. 杏子: (希望と絶望の差し引きは ゼロなんだって言い続けないと)
  1051. 杏子: (今日を生き抜けない)
  1052. 杏子: (それが現実だって 自分に言い聞かせて…)
  1053. 杏子: (心の奥深くに、もうひとりの あたしをしまいこんだ)
  1054. モモ: …………
  1055. 杏子: なんだ? …モモ
  1056. ???: ………… …………
  1057. 杏子: (妙だ…)
  1058. 杏子: (もうひとりの あたしの様子が…)
  1059. ???: …!
  1060. 杏子: なんだ…!?
  1061. 杏子: ―杏子― こいつは…
  1062. 杏子: ―杏子― あたしの…ドッペル…!?
  1063. Day 3 ‐ 魔女の結界
  1064. ふたり: ………… …………
  1065. まどか: いたよ!
  1066. 五十鈴 れん: 梨花ちゃん…!
  1067. マミ: ――っ!?
  1068. ほむら: 待って! 近くに…
  1069. さやか: 出たわね! 作戦通りにいくわよ!
  1070. まどか: うん!
  1071. マミ: 今度は負けないわよ!
  1072.  
  1073. FILENAME: text_515720-6_EO4Zi.txt
  1074. 五十鈴 れん: …ぇいっ…!
  1075. まどか: 今だよ、マミさん!
  1076. マミ: これで決めるわ
  1077. マミ: ティロ・フィナーレ!
  1078. マミ: えっ…? …うそ…!
  1079. まどか: そんな…!
  1080. さやか: また防がれちゃったの?
  1081. ほむら: いえ…直撃していました 無傷じゃないはずです
  1082. ほむら: ただ…
  1083. マミ: まったく効いた様子がないわ
  1084. マミ: これまでの魔女とは くらべものにならない…!
  1085. さやか: 作戦通りでも 歯が立たないってことですか?
  1086. さやか: じゃあ…どうしたら
  1087. 五十鈴 れん: …ぁあっ…!!
  1088. ほむら: ――っ!?
  1089. まどか: ほむらちゃん!
  1090. マミ: まずいわ! 作戦は失敗よ
  1091. マミ: ここを脱出しないと
  1092. さな: ………… …………
  1093. まどか: さなちゃん、しっかり!
  1094. さな: …はっ?
  1095. さな: …私、いま… 何を…?
  1096. マミ: 眩惑の魔法にかかっていたの
  1097. マミ: この魔女の異常な強さの 秘密がわかったわ
  1098. マミ: 佐倉さんの魔力を取り込んで 自分の力を増しているのよ
  1099. まどか: …きゃっ…
  1100. マミ: おかしい…
  1101. マミ: 確かに眩惑の魔法だけど… 何かが違うわ
  1102. マミ: 魔女に似た、もっと禍々しい力 …でも、あの魔女のものでもない
  1103. マミ: いったいどういうこと…?
  1104. まどか: マミさん! みんなを連れて脱出しましょう!
  1105. マミ: わかったわ、私が隙を作る
  1106. さな: …あ、綾野さんたちも…
  1107. まどか: あれっ…
  1108. まどか: どこ…? 見失っちゃった!
  1109. マミ: …!
  1110. マミ: …悔しいけど、退くしかないわ 次のチャンスに賭けましょう
  1111. 五十鈴 れん: …梨花…ちゃん…
  1112. Day 3 ‐ 現実の風見野市
  1113. ピッ
  1114. キュゥべえ: 神浜市からの連絡かい?
  1115. かごめ: …うん
  1116. かごめ: まどかさんたちの作戦 失敗しちゃったって…
  1117. キュゥべえ: なるほど、攻撃は命中したけれど 歯が立たなかったわけだ
  1118. キュゥべえ: どうやらその魔女は
  1119. キュゥべえ: 予想以上に 成長していたみたいだね
  1120. かごめ: マミさんの話だと…
  1121. かごめ: 杏子さんの魔力を取り込んで さらに強くなって
  1122. かごめ: 眩惑の魔法も使ってきたって…
  1123. キュゥべえ: それは本当かい? 佐倉杏子がいくら強くても
  1124. キュゥべえ: 魔法少女ひとりの魔力だけで そこまで強くなるはずが…
  1125. かごめ: …魔女に似た力を感じたって マミさんは言ってたけど…
  1126. キュゥべえ: なるほど
  1127. キュゥべえ: 魔女が取り込んだのは 杏子の力じゃない
  1128. キュゥべえ: 佐倉杏子のドッペルの力だ
  1129. かごめ: ええっ…?
  1130. キュゥべえ: 事件が起きているのは神浜市だ ソウルジェムが絶望に染まれば
  1131. キュゥべえ: 佐倉杏子は魔女にならず ドッペルが発現する
  1132. キュゥべえ: 杏子が魔女に 取り込まれているとしたら
  1133. キュゥべえ: 魔女はドッペルの力を 利用できると考えられる
  1134. かごめ: あ…
  1135. かごめ: 魔女が眩惑の魔法を使えたのも
  1136. かごめ: 杏子さんが使えない魔法も ドッペルなら使えるから…?
  1137. なぎさ: そういうことだったのですか!
  1138. キュゥべえ: 眩惑だけじゃないよ
  1139. かごめ: えっ…!?
  1140. キュゥべえ: 魔女は杏子のドッペルから
  1141. キュゥべえ: あらゆる力を引き出して 利用しているはずだ
  1142. キュゥべえ: 魔女が眩惑の魔法を駆使し
  1143. キュゥべえ: おまけに想像を超えるほど 強くなってしまったのは
  1144. キュゥべえ: それが理由だろうね
  1145. かごめ: えっと…じゃあ、あの魔女は
  1146. かごめ: …魔女とドッペルの両方を 合わせたぐらい強くなってる…?
  1147. なぎさ: 洒落にならないのです!
  1148. キュゥべえ: そういう状況だとすれば マミたちが苦戦するのも頷ける
  1149. キュゥべえ: 杏子ほどの魔法少女なら ドッペルも強力だろうからね
  1150. かごめ: それじゃ…どうしたら…
  1151. キュゥべえ: ドッペルは魔女ではなく あくまで魔法少女の一部だ
  1152. キュゥべえ: まだ佐倉杏子に残っている 正常な意識が
  1153. キュゥべえ: ドッペルの制御を 奪い返すことができれば
  1154. キュゥべえ: 魔女も、杏子が取り込まれる前の 強さに戻るだろうけど…
  1155. なぎさ: そんなことができるのですか?
  1156. キュゥべえ: 理論的には可能だ
  1157. キュゥべえ: でも、実際には ドッペルの発現中は
  1158. キュゥべえ: ほとんどの魔法少女が ドッペルに制御を奪われている
  1159. かごめ: …制御できずに、ドッペルに 振り回されるってこと…?
  1160. なぎさ: …なんとかならないのですか!
  1161. キュゥべえ: ドッペルについてはまだ 解明できていない謎が多い
  1162. キュゥべえ: ボクたちもこれ以上 どうすることもできないよ
  1163. かごめ: そんな…
  1164. コツン…
  1165. ???の声: あの… すみません
  1166. かごめ: …?
  1167.  
  1168. FILENAME: text_515720-7_EO4Zi.txt
  1169. Day 3 ‐ 佐倉杏子の夢
  1170. 杏子: ………… …………
  1171. ???: …………
  1172. 杏子: (あいつが… もうひとりのあたしが)
  1173. 杏子: (人の姿に戻ってる…)
  1174. 杏子: (さっきの魔女みたいな姿… ドッペル…ってやつだよな)
  1175. 杏子: (誰かが言ってたな…)
  1176. 杏子: (ドッペルは 絶望したときに現れる自分)
  1177. 杏子: (もうひとりのあたし…)
  1178. 杏子: (あたしが切り捨てたあたし…)
  1179. 杏子: …………
  1180. ???: あたしには、何も残ってない
  1181. 杏子: …?
  1182. ???: 何もかもなくしてしまった 自分で捨ててしまった
  1183. ???: だから… あたしには何も残っていないの
  1184. 杏子: ――っ!?
  1185. 杏子: (モモが…消えちまった…!)
  1186. ???: あたしが自分で 捨ててしまったから…
  1187. 杏子: 違う、捨てたんじゃない!
  1188. 杏子: あたしは他人の都合を知りもせず 家族を不幸にしてしまった
  1189. 杏子: だから決めたんだ!
  1190. 杏子: もうあんな間違いは 二度と犯さないって!
  1191. ???: 父さんは壊れて 母さんとモモを連れて行った…
  1192. ???: あたしがあたしを捨てたのは…
  1193. ???: あたしが願いで 余計なことをしたから?
  1194. ???: 父さんがあたしのことを 嫌いになったから?
  1195. ???: だからあたしは あたしを捨ててしまったの?
  1196. ???: あたしの大切な妹も 捨ててしまったの?
  1197. 杏子: 今のあたしには…関係ない
  1198. 杏子: 捨てられたって言うんなら それでいいよ
  1199. 杏子: …そう、捨てたんだよ うっとうしい思い出は!
  1200. ???: ………… …………
  1201. ???: 間違えたから、目を背けるんだね
  1202. ???: そんなの…
  1203. ???: 父さんの最後と同じじゃない
  1204. 杏子: …!
  1205. 杏子: ――っ!?
  1206. 杏子: (心に…何かが入ってくる…!)
  1207. 杏子: (あたしの心が… あいつに塗り替えられていく…)
  1208. 杏子: …………
  1209. 杏子: あたしの願いのせいで…親父は壊れちまった…
  1210. 杏子: あたしが間違えたから?
  1211. 杏子: でも、言ったじゃないか… 間違えたら謝らなきゃいけないって そうすれば、いつかきっと許してくれるって
  1212. 杏子: あたしは誰に謝ればいい? 誰が許してくれる?
  1213. 杏子: あのときの言葉は、嘘だったのかよ?
  1214. 杏子: (結局、親父は)
  1215. 杏子: (全部なかったことに したかったのかな?)
  1216. 杏子: (あたしたちとの思い出も)
  1217. 杏子: (幸せだった時間も…)
  1218. 杏子: …なかったことになんて してほしくなかった
  1219. 杏子: …………
  1220. 杏子: (…声が聞こえる)
  1221. 杏子: (いつか…誰かと 交わした言葉が…)
  1222. 杏子: 『なんであたしを助けたんだよ …ったく、余計なことしやがって!』
  1223. マミ: 「もしもこの先、あなたを助けたことで 不幸になったり ちょっとだけ後悔することになったって」
  1224. マミ: 「今あなたの力になれた喜びは 嘘になったりしないわ」
  1225. 杏子: 『…後悔、してねぇのか?』
  1226. さやか: 「恭介の腕が治ったとき あたし、本当にうれしかったんだ あんなにうれしかったの、人生で初めてかも」
  1227. さやか: 「だからいいんだ あのときのことを忘れなかったら この先も後悔なんてしない」
  1228. 杏子: (そんなのは結局 自己満足だ…)
  1229. 杏子: (人助けの気持ちが 本当に最悪の結果を招いても)
  1230. 杏子: (まだ同じことが言えるわけ?)
  1231. 杏子: …………
  1232. 杏子: 結局…
  1233. 杏子: あたしは、怖いんだ… 同じ間違いを繰り返すのが
  1234. 杏子: 誰かを助けようとして ひどい結末を迎えるのが
  1235. 杏子: あたしがどうあがいても ハッピーエンドは訪れないし
  1236. 杏子: 放っておいたって もうすぐ世界は終わる…
  1237. 杏子: どんなに人助けしたって 親父はあたしを許してくれない
  1238. 杏子: 叶わない希望を持ち続けたって ただ苦しいだけだ
  1239. 杏子: だったら、いますぐ あたし自身の言葉で終わらせるよ
  1240. 杏子: 『これで、おしまいだね』
  1241. ???の夢
  1242. 杏子: …………
  1243. 杏子: ん…?
  1244. 杏子: (まだ夢が続いてる…?)
  1245. 杏子: (世界が終わったんじゃ なかったのか…?)
  1246. 猫ちゃんを飼ってくれる人 見つかるといいな…!
  1247. 杏子: (昨日、結界で助けた子か…)
  1248. 杏子: (あたしがあの子を助けて 帰ったあとの続きみたいだな)
  1249. 杏子: (ということは…)
  1250. 杏子: (これは、あたしの夢じゃない… あの子が見てる夢か?)
  1251. モモ: …………
  1252. 杏子: …なんだ、モモ?
  1253. モモ: …………
  1254. 杏子: …そうか、やっぱりあの子の夢に 入り込んだんだな
  1255. モモ: …………
  1256. 杏子: …ん、あっちを見ろって?
  1257. 杏子: (…あれは、あたしが助けた 例のふたりか)
  1258. ねえ、サチオさん さっき、私たちを助けてくれた子
  1259. 佐倉杏子さんって言ったわよね
  1260. もしかすると…
  1261. うん、さっきは 聞きそびれてしまったけど
  1262. 間違いない… 佐倉先生の娘さんだ
  1263. 杏子: ――っ!?
  1264. 杏子: (親父を…知ってる!?)
  1265.  
  1266. FILENAME: text_515720-8_EO4Zi.txt
  1267. Day 3 ‐ 現実の風見野市
  1268. コツン…
  1269. ???の声: あの… すみません
  1270. かごめ: …?
  1271. なぎさ: あ…
  1272. なぎさ: サチオとシマコなのです!
  1273. かごめ: えっ…?
  1274. アルちゃん: <なぎさちゃん お知り合いなの?>
  1275. あっ…あなたは確か
  1276. 佐倉杏子さんと一緒に 私たちを助けてくれた…?
  1277. なぎさ: 百江なぎさなのです!
  1278. この教会で会えるなんて… なんて偶然!
  1279. やっぱり来てよかったわね サチオさん
  1280. そうだね、きっと亡くなった 佐倉先生のお導きだよ
  1281. なぎさ: あの…なんのことでしょう? 佐倉先生とは…?
  1282. えっ…ご存じないのですか?
  1283. ここはかつて
  1284. 佐倉先生が説教をなさっていた 教会なんですが…
  1285. かごめ: あの…もしかして… 佐倉先生って…
  1286. かごめ: 杏子さんの…お父さん…とか?
  1287. キュゥべえ: そうだよ 知らずにここに来たのかい?
  1288. キュゥべえ: ここは杏子の父親の教会だ 今は荒れ果てているけどね
  1289. かごめ: (そうだったんだ…)
  1290. 佐倉先生には杏子さんという 娘さんがいらっしゃいました
  1291. なぎささんと一緒に 私たちを助けてくれたその方で
  1292. 間違いないと思います
  1293. 佐倉先生はここで 説教を毎日なさっていました
  1294. 僕たちはそれを 聞きにきていたんです
  1295. 私たち、結婚に反対されていて… 周りに味方はいませんでした
  1296. でも、佐倉先生の言葉に救われて 生きていく力をもらったんです
  1297. でもその後、佐倉先生は 教会に顔を出さなくなって…
  1298. ある日、佐倉先生が 亡くなったと聞いたんです
  1299. かごめ: …………
  1300. 僕たちは再び 道しるべを失いました
  1301. それから、不運が重なって… ふたりで死のうとしたんです
  1302. かごめ: え…
  1303. 2日前、見滝原市で 昨日は、いま住んでいる神浜市で
  1304. でも、2回とも杏子さんに 助けられてしまって…
  1305. なぎさ: ただ結界に迷い込んだだけじゃ なかったのですか…
  1306. 結界?
  1307. かごめ: な、なんでもないです!
  1308. …杏子さんのお名前を聞いてすぐ 佐倉先生の娘さんとわかりました
  1309. なぎさ: すごい偶然なのです
  1310. ええ、運命だと思いましたよ
  1311. だからもう決して 死のうなんて思いません
  1312. その決意を新たにするために ふたりでここに来たんです
  1313. かごめ: そうだったんですね…
  1314. 佐倉先生ならきっと
  1315. 私たちの結婚を 祝福してくれるかなと思って…
  1316. かごめ: あ…おめでとうございます!
  1317. ありがとう やっと心が決まりました
  1318. ささやかでも、幸せな家庭を 築いていこうと思います
  1319. 猫も飼いたいわね
  1320. かごめ: ん…?
  1321. なぎさ: 猫?
  1322. 話におつきあいいただき ありがとうございました!
  1323. 杏子さんに よろしくお伝えください
  1324. ???の夢
  1325. 杏子: …………
  1326. 杏子: (親父を知ってるふたり…)
  1327. 杏子: (偶然助けたふたりが まさか親父の信者だったなんて)
  1328. …あの子が、先生の娘さんの 杏子さんだとすると
  1329. 佐倉先生の言葉に希望をもらって 辛い日々を乗り越えた僕たちが
  1330. 佐倉先生の娘さんに また命を救われたことになる…
  1331. 運命よね、きっと
  1332. もう、死のうなんて考えるなって そう言ってくれてるんだよ
  1333. 亡くなった佐倉先生が…
  1334. ええ
  1335. これからは 生きることを考えましょう
  1336. そうだね、僕たちふたりで ずっと一緒に…
  1337. えっ…それって
  1338. うん、結婚しよう シマコさん
  1339. サチオさん…!
  1340. 明日、このことを ふたりで佐倉先生に報告しよう
  1341. あの、風見野市の教会で
  1342. …はい!
  1343. 杏子: …!
  1344. 杏子: (…親父の説教を聞いて 救われた人たちがいた)
  1345. 杏子: (あたしの願いがきっかけで… 親父の話を聞いて)
  1346. 杏子: (生きる希望を 抱いた人たちが…)
  1347. 杏子: ………… …………
  1348. 杏子: (親父の言葉は… ちゃんと届いてた)
  1349. 杏子: (小さな救いもあった)
  1350. 杏子: (悪いことばかりじゃ なかったんだ…!)
  1351. モモ: …………
  1352. 杏子: …どうした、モモ?
  1353. 杏子: …このまま世界を 終わらせていいのかって?
  1354. 杏子: ………… …………
  1355. Day 3 ‐ 現実の風見野市
  1356. ~~♪~~♪
  1357. かごめ: あれ、ほむらさんから?
  1358. ほむら: こちらがちょっと 慌ただしくなってきたので
  1359. ほむら: 私から報告しようと思って…
  1360. かごめ: あ…私たちからも 報告があるんです
  1361.  
  1362. FILENAME: text_515720-9_EO4Zi.txt
  1363. ほむら: 佐倉さんのお父さんに 救われた人たちがいた…?
  1364. かごめ: …そうなんです
  1365. ほむら: つまり、佐倉さんが 偶然助けたおふたりは
  1366. ほむら: 亡くなったお父さんの 信者だった…ということですよね
  1367. かごめ: はい…
  1368. かごめ: 杏子さんにお渡しして、って 連絡先ももらいました
  1369. かごめ: 直接お礼がしたいからって…
  1370. ほむら: …………
  1371. ほむら: (佐倉さんの願いによって お父さんの話を聞いたことで)
  1372. ほむら: (その結果 救われた人たちがいる…)
  1373. ほむら: (そして佐倉さんが 魔法少女としてふたりを助けて)
  1374. ほむら: (ふたりはもう一度救われた…)
  1375. ほむら: 佐倉さんのしてきたことは
  1376. ほむら: 無駄じゃなかったって 伝えたいけど…
  1377. かごめ: はい…杏子さんは今 魔女の結界の中です…
  1378. ほむら: ………… …………
  1379. かごめ: それと、いま話すことでは ないかもしれないんですけど…
  1380. ほむら: え…何?
  1381. かごめ: 実は、子猫を飼ってくれる人が 見つかりました
  1382. ほむら: えっ…?
  1383. かごめ: そのおふたり… サチオさんとシマコさんです
  1384. かごめ: でも…
  1385. かごめ: 女の子も子猫も まだ結界の中なんですよね…?
  1386. ほむら: はい…綾野さんも…
  1387. かごめ: …………
  1388. なぎさ: マミがついていながら どうなっているのですか!
  1389. ほむら: ごめん…私も戦ったけど まるで歯が立たなくて…
  1390. かごめ: お怪我は大丈夫なんですか?
  1391. ほむら: はい…それはなんとか
  1392. ほむら: …………
  1393. かごめ: 小さな偶然が重なって せっかく見えてきた幸せな結末も
  1394. かごめ: みんなを救い出せなければ 最悪の結末に変わってしまう…
  1395. なぎさ: なんとかならないのですか! キュゥべえ
  1396. キュゥべえ: さっきも言ったと思うけど
  1397. キュゥべえ: 佐倉杏子のドッペルは現在 魔女の制御下にある
  1398. キュゥべえ: その力を取り込んだ魔女を 倒すには
  1399. キュゥべえ: それを上回る力で倒すか
  1400. キュゥべえ: 佐倉杏子自身が、ドッペルの 制御を奪い返すしかない
  1401. かごめ: いま…やちよさんたちも 現地に向かってるみたい
  1402. キュゥべえ: 力で対抗するわけだね
  1403. かごめ: 倒せなかったとしても…
  1404. かごめ: つかまってる子たちを 助け出せるといいんだけど…
  1405. なぎさ: それに、杏子を見つけて 結界から連れ出せれば
  1406. なぎさ: 魔女の力を弱めることが できるかもしれないのです
  1407. キュゥべえ: ドッペルの力が 魔女に取り込まれているとすれば
  1408. キュゥべえ: 杏子が他の子と同じように 放置されているとは考えにくい
  1409. かごめ: 杏子さんが… 自分で脱出できる可能性は…?
  1410. キュゥべえ: その可能性は低いだろうね
  1411. キュゥべえ: そのためには、彼女は 自分自身に打ち勝つ必要がある
  1412. かごめ: 自分自身…? …どういうこと?
  1413. キュゥべえ: ドッペルはおそらく、杏子自身の 潜在意識が拒絶した過去の自分だ
  1414. かごめ: えっ…?
  1415. キュゥべえ: ドッペルが眩惑の魔法を使うのが その何よりの証拠だよ
  1416. キュゥべえ: 杏子の潜在意識は 過去の自分を切り捨てたことで
  1417. キュゥべえ: 眩惑の魔法を使えなくなった
  1418. キュゥべえ: 切り捨てた方がいまの杏子 切り捨てられた方がドッペル
  1419. キュゥべえ: 能力自体は失われていないけど
  1420. キュゥべえ: 眩惑の魔法を引き出せるのは “過去の杏子”だけってことだよ
  1421. なぎさ: では、現在の杏子が過去の杏子に 勝てばいいのですか?
  1422. キュゥべえ: そういうことさ
  1423. キュゥべえ: ただしドッペルに 制御を完全に奪われたら
  1424. キュゥべえ: 脱出は永遠に不可能になる
  1425. キュゥべえ: それが彼女にとっての “世界の終わり”だろうね
  1426. キュゥべえ: 逆に言うと、彼女が奇跡的に ドッペルから主導権を奪えば
  1427. キュゥべえ: 魔女の結界を内側から
  1428. キュゥべえ: 食い破ることも できるかもしれないけどね
  1429. かごめ: 内側から…食い破る? それって…?
  1430. ほむら: ドッペルの制御を奪えれば 結界を内側から食い破れる…?
  1431. かごめ: はい…魔法少女のまま
  1432. かごめ: ドッペルの強大な力を手に入れて 意のままに操る…
  1433. かごめ: 結界の内部からそれができれば…
  1434. かごめ: 強大な魔女を、結界ごと 消し飛ばせるかもしれない、って
  1435. ほむら: そんなことが…
  1436. かごめ: はい…でも、それは 本当に奇跡的なことみたいで
  1437. かごめ: ドッペルの発現中に、ただ 意識を保つのとは違うそうです
  1438. かごめ: 暴走するドッペルを乗りこなせる 魔法少女はいるけど
  1439. かごめ: 主導権を魔法少女が持ったまま… という例は…過去にも…
  1440. かごめ: …………
  1441. ほむら: そこまでしないと…
  1442. ほむら: ドッペルの制御を 魔女から奪うことはできない…?
  1443. かごめ: …みたいです
  1444. キュゥべえ: それは、すべてを 杏子に託すということだ
  1445. キュゥべえ: 解決のための手段とは とても呼べないね
  1446. かごめ: …って
  1447. ほむら: ありがとう、佐鳥さん
  1448. ほむら: (打つ手は…もう…)
  1449. ほむら: ………… …………
  1450. ザッ…
  1451. やちよ: 待たせたわね
  1452. 鶴乃: 助っ人が必要みたいだね
  1453. マミ: …はい お願いします
  1454. マミ: (佐倉さん…このまま 終わってしまうつもり?)
  1455. マミ: (そんな結末を あなたは望んでいないはずよ)
  1456.  
  1457. FILENAME: text_515720-10_EO4Zi.txt
  1458. Day 3 ‐ 世界の終わりの夢
  1459. 杏子: …………
  1460. 杏子: (ここは…?)
  1461. ???: あたしは世界の終わりを選んだ
  1462. ???: だから すべてとお別れするために
  1463. ???: ここに来たの
  1464. ダッ
  1465. 杏子: (欄干の上に…! 飛び降りる気か!?)
  1466. 杏子: よせ!
  1467. ???: どうして止めるの? あたしはもう捨てられたのに…
  1468. ???: もう… 「おしまい」じゃなかったの?
  1469. 杏子: 聞いてくれ! 親父の言葉は届いてた!
  1470. 杏子: あたしの願いは
  1471. 杏子: 取り返しがつかないくらい ひどい結果に終わったけど
  1472. 杏子: …でも、それだけじゃ なかったんだ!
  1473. 杏子: 親父の言葉が 心の支えになった人たちだって…
  1474. 杏子: 確かにいたんだよ!
  1475. ???: …だから今度は あたしを助けるの?
  1476. ???: 助けるのは もうやめたんじゃなかったの?
  1477. ???: 心に誓ったんじゃなかったの?
  1478. ???: 小さな救いがあったからって 誓いを破るなんて
  1479. ???: あたしの決意は その程度のものだったの?
  1480. 杏子: それは…
  1481. 杏子: ………… …………
  1482. ???: 大丈夫… これ以上、責めたりしない
  1483. ???: …これで… さよならだから
  1484. 杏子: モモ… あたしはまた、誰も救えないのか?
  1485. 杏子: 妹も、家族も… 絶望した自分自身さえ…
  1486. 杏子: 誰かを助ける、助けないなんて くだらない言葉に縛られて
  1487. 杏子: ………… …………
  1488. 杏子: チクショウ!
  1489. 杏子: 捨てられた子猫を助けるのに 理由がいるかよ!
  1490. ???: なんで助けたの?
  1491. ???: あたしは あたしを捨てたんじゃないの?
  1492. 杏子: …捨ててなんかない! 捨てたりなんかしない!
  1493. ???: …?
  1494. 杏子: …あたしは生きてるからさ
  1495. 杏子: アンタのことも ちょっと古くなっちゃって
  1496. 杏子: もしかしてこのまま…
  1497. 杏子: 忘れたまま生きていけるかも なんて思ってた
  1498. ???: …………
  1499. 杏子: でも、そうじゃないんだ
  1500. 杏子: 忘れようとしていた過去も 今と同じくらいあたし自身なんだ
  1501. 杏子: 幸せだった頃のことや 人を救えてうれしかったことまで
  1502. 杏子: なかったことにしたくない
  1503. 杏子: だから、また思い出すよ
  1504. 杏子: 大切なモモのことも お人好しな父さんのことも
  1505. 杏子: 優しかった母さんのこともさ
  1506. 杏子: あの頃、ひとりでも多くの誰かを 助けたいって思ったことだって
  1507. 杏子: 嘘じゃない 本当にそう思ってた
  1508. 杏子: 今だって…
  1509. 杏子: だから…
  1510. ???: …………
  1511. 杏子: あたしはもう あたしを捨てたりしない…!
  1512. ???: ………… …………
  1513. 杏子: …?
  1514. 杏子: モモの声が聞こえる…
  1515. 杏子: あの子たちも…助けてあげて?
  1516. 杏子: ハッピーエンドを迎えさせてあげて…って?
  1517. 杏子: …………
  1518. 杏子: わかったよ、モモ
  1519. Day 3 ‐ 現実の神浜市
  1520. マミ: これ以上は待てない… 結界に突入するわ
  1521. いろは: はいっ…!
  1522. まどか&ほむら: …………
  1523. まどか&ほむら: ――っ!?
  1524. ほむら: な、何…?
  1525. まどか: 結界の中… すごい魔力だよ!
  1526. マミ: 結界が…消えた?
  1527. ドサッ
  1528. 綾野 梨花: …………
  1529. 五十鈴 れん: 梨花ちゃんっ…!
  1530. やちよ: これは…
  1531. 春名 このみ: …えっと…?
  1532. 春名 このみ: これって… どういうこと?
  1533. いろは: 何が起きてるの…?
  1534. さやか: ………… …………
  1535. さやか: 杏子…
  1536. さやか: ――っ!?
  1537. さやか: あれは…!
  1538. マミ: ―マミ― 佐倉…さん…?
  1539. さやか: ―さやか― 何、あの姿?
  1540. ほむら: ―ほむら― すごい魔力です… あの姿は、もしかして…
  1541. ほむら: ―ほむら― ドッペルの力を…自分のものに?
  1542. あっ…!
  1543. さな: みんな無事に 出られたんですね…!
  1544. 五十鈴 れん: 佐倉さん…!
  1545. 春名 このみ: ふふふっ…
  1546. うい: よかった…!
  1547. さやか: やるじゃん、杏子!
  1548. 杏子: …………
  1549. 杏子: (父さん、母さん、モモ…)
  1550. 杏子: (思い出は、また少しだけ 胸の奥にしまっておくけど…)
  1551. 杏子: (でも絶対に 忘れたりなんてしない…!)
  1552. 杏子: (そして、次に 目を開けるときは…)
  1553. 杏子: (また、いつものあたしだ!)
  1554. マミ: …佐倉さん どこも異常はない?
  1555. 杏子: 大丈夫だ、心配すんな
  1556. さやか: 人助けのことで 少し悩んでたらしいけど…
  1557. さやか: 最後に残った子たちも ちゃんと助けてくれたんだね
  1558. マミ: みんなを救った気分は どうかしら?
  1559. 杏子: …うん、悪くないね
  1560. さやか: あれ? ちょっと素直になった?
  1561. 杏子: さあ? どこも変わったつもりはないよ
  1562. 杏子: 食いたいときには食うし 助けたいときには助ける
  1563. 杏子: あたしは、あたしの したいようにするだけさ!
  1564. おしまい
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