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Dec 4th, 2019
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  1. 漂流する日本の医療研究開発
  2. 第4回 衆議院科学技術特別委員会、審議の結果は
  3. 2019年11月28日
  4.  
  5. 今週、事態が急速に動いている。そのため、記事の内容の修正を余儀なくされたり、アップする記事の順番を見直したりしたため、前回から少々間が空いてしまった。お許し願いたい。
  6.  
  7. 今回、複数の筋から情報が寄せられた。同じ志を持つ読者がおられることをとても心強く思う。その情報から事実のみを注意深く総合すると次のようになろう。
  8.  
  9. 11月27日、衆議院科学技術特別委員会が開催され、山中教授のiPS予算を巡る不透明な動きが審議された。
  10.  
  11. 衆議院TVでその様子をみることができる。
  12. http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&media_type=&deli_id=49601&time=5660.7
  13. (1時間52分27秒あたりから2時間3分50秒まで)
  14.  
  15. 文章としては近日中に掲載することも考えているが、映像がはるかに多くを物語っているので是非ご覧いただきたい。
  16.  
  17. 質問者は立憲民主党の早稲田夕季議員である。先週の報道をもとに、なぜ山中教授が怒りの会見をするに至ったのか、政府を問いただしたのだ。
  18. 重要な答弁は、健康医療戦略担当の竹本大臣による「政府が一旦約束したことはきちっと守るというのが政府の姿勢であることは当然であります。」に尽きる。「約束」とは言うまでもなく安倍総理がiPS研究に10年間で1100億円を支援すると約束したことを指す。
  19.  
  20. しかしながら、質疑を通じて、iPS予算削減を巡る不透明な密室での調整については、全く説明がなかったどころか、政府内の混乱ぶりが明らかになった。文部科学省は青山大臣政務官が予算削減の動きが報道されるに至った理由を「承知していない」と答弁した一方で、内閣官房健康・医療戦略室の渡辺次長は「関係省と相談しながら調整している」と明言したのだ。極めつけは、ちょうど2時間00分00秒過ぎ、「山中教授は勝手に会見したということなのか」と問われて誰も手を上げることができない場面を迎える。
  21. 文科省と内閣官房の答弁の不一致については追って理事会に報告されることとなった。質疑は終わったが、懸案は持ち越された形だ。
  22.  
  23. 全くもっておかしいではないか。
  24.  
  25. 文科省はiPS予算削減の検討に関わっている。いや被害者といってよい。必要な予算を削減しろと圧力をかけられているのだから。問題になっているiPS細胞ストック事業は、文部科学省がCiRAへの支援のうち9億円として措置しているが、これをゼロにせよ、6億円は経産省に移管せよ、差額3億円は人材育成などiPS細胞ストック事業以外の支援に回せ、という案を検討させられているではないか。大臣政務官の答弁は訂正しなければならないのではないだろうか。
  26.  
  27. 戦略室の渡辺次長は、早稲田議員から、こうした予算調整は会議などで行われたのかと問われたのに対して、ストレートに答弁しなかった。できなかったというべきか。そんなオープンな議論は全く行われていないのであるから当然である。ただ、苦しい答弁を強いられる渡辺次長もある意味で被害者といってよいかもしれない。答弁に立つことはなかったが、経産省も要求もしていない予算を今さら措置せよと押し付けられた被害者である。しかし、いずれも被害者ぶっていれば済む話ではない。
  28.  
  29. 早稲田議員は、この件を質疑に取り上げたことは評価されるべきであろうが、密室で議論をしていることを明確に答弁として引き出すべきであった。追求不足といわざるを得ない。今後の本件のさらなる深堀りを期待したい。
  30.  
  31. 前述のiPS細胞ストック事業予算の削減案は、健康・医療戦略室の室長である和泉補佐官が主導している。渡辺次長は「各省の意見を聞きながら」と答弁しているように聞こえるが、各省の意見など聞いていない。内閣官房から各省に対して一方的に指示しているのだ。和泉補佐官自ら、永田町の根回しに動いていることが確認されている。
  32.  
  33. 公明党も部会を開いて、この件を議論する予定だ。そこで補佐官の案が透明な形で議論されるとは到底考えられないが、議論の行方を注視したい。
  34.  
  35. 結論に至るにはさらなる紆余曲折があろうが、もしこの削減案が成立するということになればそれは何を意味するのだろうか。
  36. まず、山中教授が自ら火の粉をかぶりながら繰り返し指摘している、「密室での意思決定」の実現を許したことになる。そして、それは総理がかつて約束したことを反故にすることであり、どうあるべきか決めるのは政治であると主張していた当の政治家が屈したということである。
  37.  
  38. これを知った以上、私達も声を上げなければならないのではないだろうか。そして、会期延長しないという報道どおりなら残された少ない国会審議の中で、国会がどのような議論をするのか、政府が、政治がどのような結論を出すのか、きっちり見届けようではないか。
  39.  
  40. 予算編成過程における政府原案の実質的な決定も、毎年12月上旬だ。正邪を明らかにして決着をつける日は近い。
  41.  
  42. 日本の医療研究開発が歪められている。
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