Advertisement
Not a member of Pastebin yet?
Sign Up,
it unlocks many cool features!
- 「オットー様、お目覚めですか?」
- イネスの声で起こされる。
- 昨晩は残業を片付けたので未だ少々眠い。
- 学生ならグダグダできるが社会人に為ったので、気分を切り切替え練習着に着替え。
- 庭で鍛錬を行う。
- 柔軟体操から筋力を中心にした鍛練を行う。
- まあ、丸太の素振りだ。
- 一人では少々味気ない。
- ミソッカス共が…。アレックスが居ないと…。(サンドバック要員。)
- 最近は忙しさに感けて新鮮なミノ太も狩って居ない。
- そう考えると早急に戦力を整える必要が有る。
- Dタイプソルジャーの戦闘参加には未だ不安が残る。
- 何せ”いのちだいじに”を指令する指令ユニットが居ないのだ。
- 出来そうなのはモーガン位しか居ない。
- そのモーガンでも頭に血が登って狭窄になる場合が有る。
- まあ、大事な時に決断できない。ラカスよりマシだ。
- 未だ若い、経験を積めば何とか為るだろう。
- 指揮官や班長は持って生まれた性格と訓練でとても良い者が生まれる。
- 何らかの課題を与えて育てなくては…。
- 余り時間は無い。
- 鍛練が終わり井戸の側で顔を洗い、汗を拭く。
- 魔法で加熱して沸騰手前、冷却するがイマイチ水が汚い。
- 「産湯の、いや、子供達の為に、浄水装置を作るか…。」
- 飲料水としても使って居る井戸水だ。
- 翔ちゃん知識では飲料を躊躇うレベルだ…。
- 俺は熟れた。
- しかし、子供には危険だ。
- 魔法で水を出すのにも限度が有る。
- 蛇口から飲める水が出るのが当たり前の世界にするにはかなりの労力が掛りそうだ。
- 「取り合えず、次亜塩素でも作るか…。電界膜が難しいな。オゾン殺菌か…。それこそ煮沸の方が楽だな。」
- 浄化装置はあの世界のサバイバルで御馴染みだ。
- 簡単に作れる、問題はフィルターメンテナンスだ。
- 毒素を出す雑菌が湧いたら井戸水を直接飲んだ方が安全だからな。
- 結局、実験で行うのと実用化するのには随分と違う。
- ふきあげたタオルに付いた戦友の数を数える。
- クソッ俺は熟れて無い。
- 部屋で着替えて食堂に向かう、制服にエプロンのマルカが席に付く。
- メイド服のルテーゼ。
- パンとタマネギのスープと血の腸詰だ、朝食を食べる。
- 腸詰の表面が焦げている、スープのタマネギも…。珍しいな失敗するとは。
- 気にせず軽く祈り。食べる。
- 「旦那様、今日はフラン様の手料理で御座います。」
- ルテーゼが申し訳無さそうに話す。
- なるほど、焦がしたのか。
- 「そうか…。フランは?」
- 「”部屋で食べると…。”上手く行かなくて。御機嫌を損ねてしまいました。」
- 「うむ、解かった。」
- 少々、苦い朝食を食べる。
- 食事が終わり、コートに手を掛ける。
- マルカも準備が出来た様子だ。
- 老メイドから弁当と水筒を受け取る。
- コレもフラン作だという話だ。
- 「行ってくる、フランには”朝食、旨かった”と伝えて置いてくれ。」
- 「はい、解かりました。行ってらっしゃいませ。旦那様。」
- 「行って来ます。」
- 「はい、頑張ってね。マルカ様。」
- 手を振る、メイドを確認してポーンを操作する。
- 一瞬で校門の前だ。
- マルカに用事を任せ、分かれて。
- 俺の教員室で計画を確認する。
- 特に単語を覚える。
- 予鈴が鳴り教室に進む。
- 生徒達が全員席を立ち挨拶をする。
- なるほど、マグで各自自習を行っていた様子だ。
- ヤンデレ以外。
- 「おはよう諸君、今日は先ず昨日の復習から始めよう。」
- 「「「はい!」」なんの役に。」
- 席に座る生徒たち。
- まあ良い。今日から本気出す。
- 先ずは穏便に昨日の復習を行う。
- 程度の差は有れ大体は合格点だ。
- ヤンデレとジェーンは昨日と変らないので練習子弟無いのだろう。
- まあ、ジェーンは俺が引き止めたので仕方が無い。
- 真剣、パウルくんは真面目か?
- かなり練習してきた様子だ。
- 考査表とは別の用紙に書き加える。
- 折角の実験体だ。
- 「では、今日は人体について学習しよう。コレは…治癒の魔法を使う上での重要な基礎知識だ。」
- まあ、普通に人体の話を行う。
- 人間の循環器と神経の話を剣術での急所位置と合わせて説明する。
- 黒板にスケッチを書き実際に自己の身体の位置を示しながら授業を進める。
- 苦い顔のメーネ女子。
- 「ココまでが人体の運動と筋肉の役割だ。次は消化器官の話を行う。何か質問はあるか?」
- 「あの…。神の奇跡で治癒を行なうのでは?」
- 「ふむ、コレは神の奇跡ではなく戦訓によって導き出された数値だ。シチューを煮るのに鍋を中の物を知っているかどうかで美味しく出来るコツの話だ。」
- 「コレでは誰でも治癒ができてしまうのでは有りませんか?神への冒涜です。」
- 一応、俺が教授なので押さえた物言いだ。
- 「おいおい、君たちは魔法が使えている時点で神からの恩恵を受けている。ソレをどうやって効率良く行うかを考えるのが学問だ。違うかね?方法が、やり方が違うダケで結果を出す工夫なのだ。」
- 「それは…。」
- よし、上手く言い負かしている。もう一歩だ。
- 「生徒メーネ。君は何故、教会関係に進むのだ?」
- 「多くの人を救う為です。」
- 「そうか。なら俺は多くの人を助ける人を増やすのが目的だ。君は全ての知識と能力を持ってソレを達成せよ。」
- 多分、殺す数の方が多いがな。
- 渋々納得するメーネ女子。
- 「では次の、食べると言う行為、消化とは…。」
- ヤンデレはつまらなさそうだが渋々聞く姿勢は見せている。
- 一通り説明して時間が来たので早いが終わりにする。
- 「と言う訳で、まあ、君達が子供の頃から良く噛んで食べなさいと言うのも理由が有っての事だ。好き嫌いは無くして偏りなく食べなさい。最後に質問は有るか?」
- 治癒魔法の齧っている女子から質問が来る。外傷の話、特に骨折治療の話が多い。
- 「では、骨折の治癒について説明しよう…。」
- 単純骨折の場合の自然治癒行程を黒板に図を書き説明して治癒魔法における骨細胞への刺激による骨芽細胞への活性化について説明する。
- 「…。このように。骨細胞の働きには骨芽細胞と破骨細胞という二つの働きに寄って、骨は新しい物へと変っていく。自然治癒の場合には元の強度に戻るまで数ヶ月から数年が必用になる。バランスが崩れると…。主に食事や運動の変化により骨も弱くなったり強くなったり変化する。何か外に質問は?」
- 俺も骨折は散々やったので骨折治療は得意だ。
- 黒板をノートを取るのに忙しい生徒達。
- 特に女子は真面目だ。ヤンデレとジェーン以外は。
- 「あの…。」
- 「生徒ジェーンどうぞ。」
- ジェーンが手を挙げたので指名する。
- 「あの…。肩が痛いというのは骨折になるのでしょうか?」
- 「うーむ、骨折場合、変形や腫れが起きる場合が多い、ひび程度なら鈍痛又は力が加わった時にしか痛みを感じない場合もある。」
- 「自分で腕を上げると痛がるのですが人が手を持って上げると痛くないのだそうです。」
- 「ああ。ソレは骨折ではない。恐らく…。」
- 昼の鐘が鳴ったので授業は終わりだ。
- 「では午前の授業は終わり午後は第一訓練場で動き易い着衣で集合。効率の良い魔法による強化についての実習だ。解散。」
- 「「「ありがとうございました。」」フン!」
- 教室を出るとジェーンが付いてきた。
- 「どうした?生徒ジェーン。」
- 「先ほどの質問の続きを…。」
- そうか、困ったな。
- 長い話に成りそうだ。
- 「生徒ジェーン、昼食はどうする心算だ?」
- 「あ、あの…。お姉様と食堂に。」
- 恐らく高級食堂の方だろう。
- 大衆食堂でロールパンの姿を見たことは無い。
- まあ、あの髪ロールパンで麺を啜るのは想像できない。(比喩的表現)
- 「では教員室で飯を食べながら説明しよう。少々込み入った話に成る。」
- 「え?あの…。」
- 周囲を丁度、ヴァイス少年とメーネ女子が手を繋いで教室を出る所だった。
- コイツ等カッポーなのか…。
- 「生徒ヴァイス、食事は何処で取るつもりだ?」
- 「え?はいオットー教授、上級食堂サロンで取ろうと思っています。」
- メーネ女子が睨んでいる。
- 「そうか?寮監のメアリー・デービスは知っているか?」
- 「はい知ってます。王宮でもお会いした事があります。」
- 流石リア充爆発しろ。
- 「うむ、それなら話が早い。”妹君の生徒ジェーンから学習のコトで相談が有ったのでこちらの教員室で昼食を取りながら行う。申し訳ない。”と伝えてくれ。待ちぼうけにしては悪いからな。」
- 「はい、解かりました。伝えておきます。」
- 笑顔で分かれる。
- メーネ女子の笑顔が戻っている。
- クソッ。リア充め!学園の往来でイチャイチャしやがって!!
- 廊下を進み教員室に入る。
- 俺専用の教員室は無人だ。
- 俺は遂に女子生徒を個室に連れ込むコトに成功した。
- 弁当を収納から取り出し机の上に広げる。
- 大体何時も2.5人分の弁当だ。
- パンとチーズと干し肉は収納しているので問題は無い。
- 「あの…。」
- 不安毛なジェーン。
- 籠を開けて困った…。
- 「ああ、今日はフランが頑張って作った昼食だ。形はどうであれ味は問題は無いだろう。大目に見てくれ。」
- 形が歪だ、切り口もボロボロ。
- 「え?あの…。頂いて宜しいのですか?」
- 「何時も多めに作って貰っている。まあ、足りなければパンを出そう。座ってくれ」
- 机の上にナプキンを敷きマグとカトラリーを並べる。
- 銅の水筒を出して予備の陶器のマグに注ぐ、今日はトマトとニンジン&タマネギのスープの様だ。
- 未だ暖かい。
- 丁度飲み頃だ。
- お茶も用意しておく、今回はしっかり購入した物を用意している。
- 生徒ではないので有料なのだ。
- いや、学費で払っていたハズなので全て有料だ。
- 「さて、頂こうか、豊穣の女神と作ってくれたフランに感謝を。」
- 「はい。」
- 形の悪いサンドウィッチにかぶりつく。
- パンを切った時に水平になって無いので挿んだ具が逃げる。
- 楕円のパンを横に二つに切った厚みが違うのだ、いや焼いてないパニーニだ。
- パンが丸ければハンバーガーに近い。
- 具材はチーズと調味液に漬けてオーブンで焼いてスライスしたミノ太肉にマスタード味のキャベツ酢漬け。
- 野趣溢れる味だ、悪い訳では無い。
- 翔ちゃんが適当に作ればこんな物だろう。
- 「うん(もぐもぐ)、まあ、大丈夫だ(もぐもぐ)、味も付いている。(もぐもぐもぐもぐ)」
- ナイフとフォークを持ったジェーンは呆れるような表情で俺を見ている。
- 「あ、あの…。」
- 「食べないのか?誰も居ない手づかみで食べれば良い。コレがこの料理のルールだ。」
- 「はあ?」
- 「ああ。この料理の逸話レシピはな…、昔、賭け事が大好きな貴族がカードゲームをしながら食べる事が出来る様に家来に作らせたのが始まりといわれている。」
- 但し異世界の話でホントかどうかは知らない。
- 「何かしながら…。仕事しながらでも本を読みながらでも食べられる。良い料理だろ?」
- 「はい、わかりました。」
- 両手に持って齧り付くジェーン。
- 具がはみ出している。
- 形が悪いダケで味が悪いワケでは無い。
- 「ふふふふふ」
- 咀嚼しながら笑うジェーン。
- む?イカンな俺は喰っている時、変顔していたのだろうか?
- 口の周りをナフキンで拭いて飲み込む。
- 「食べながら話そう。その…。肩の悪い患者は年配の者なのだろうか?」
- 「え?はいそうです。」
- 「男であろうか?50歳以上。」
- 「ちかいです…。」
- 「ふむ…。」
- 五十肩か?リューマチか?
- 「特に右手が痛みで肩から上に全く上げる事が出来ないそうです。力を抜いて他の人に手を上げてもらうと全く痛くないそうです。」
- そうなると解かり易い。
- 部長の持病だ。
- 「恐らく、棘上筋腱きょくじょうきんけんの炎症か断裂だな。」
- 「え…。」
- 「肩の筋肉は…。かなり複雑だ。その為、歳を取ると一部の筋肉が衰え、ソレにより別の筋肉に炎症が発生して、特に重労働をしてきた男は50を過ぎると肩や関節が痛く為る者が多い。」
- 新たなサンドに齧り付く。
- 「そんな…。治らないのですか?」
- 「気を付ければ症状は回復するはずだ。腱が切れている場合は治療が必要になる。」
- 最後のパンを口の中に放り込む。
- あの部長の日課の肩の運動だ。
- 思い出しただけでもイラッとする。
- 「あの…。どうやって治せば。」
- 「ソレは追々座学で教えよう。人への治癒は唯、闇雲に祈るダケでは救うことが出来ない。人の構造を知り神の奇跡を起こすのだ。まあ、自分の身体を動かして理解するのが一番だな。」
- あと切開。
- 「はい!」
- ジェーンは力強く答えた。
- どうやらやりたい事が出来たらしい。
- ジェーンは午後の実技に着替えが要るのでお茶を飲んで早めに退室した。
- 俺はゆっくりとお茶を飲む。
- さあ、俺もやりたい事をするか…。
- (´・ω・`)次回、えろえろ注意。
- (#◎皿◎´)工口なの?
- (´・ω・`)…。
Advertisement
Add Comment
Please, Sign In to add comment
Advertisement