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Mitama (Eternal Darkness ver.) MSS JP Text

Oct 24th, 2022
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  1. FILENAME: text_312171-1.txt
  2. みたま: いらっしゃーい 調整屋さんへようこそぉ♪
  3. みたま: って、あらぁ十七夜じゃない 来てくれたのねぇ
  4. 十七夜: うむ、呼ばれたからな
  5. 十七夜: …それで、今日は何の用だ 相談があると聞いていたが
  6. みたま: ええ、神浜学生会議の イベントについてよぉ
  7. みたま: 東西とか関係なく みんなで交流するために
  8. みたま: ハロウィンのイベントを 開かないかって話したでしょ?
  9. みたま: やっと、いろんな状況が 落ち着いてきたから
  10. みたま: そろそろ内容を 決めないとなぁって思ったの
  11. 十七夜: うむ…確かにそうだな
  12. みたま: このイベントを成功させて 新しい未来への一歩にしましょ
  13. 十七夜: 新しい未来…か
  14. 十七夜: ならば、罪深い過去を糧とし 同じ過ちを繰り返さないためにも
  15. 十七夜: かつて見ていた未来を 振り返っておくか
  16. みたま: 過去の自分を反面教師に するってことね
  17. みたま: 正直、わたしは あのまま死ぬつもりだったの…
  18. みたま: …いえ、この言い方だと 本気で望んでたみたいね
  19. みたま: 『悲しみに身を任せるだけだったわたしは すでに未来を見失い 逃れられないと信じていた 滅びの宿命をただ待っていたのよ…』
  20. みたま: 未来を思い描けなくなった わたしは
  21. みたま: みんなを救うには それしかないと思い込んでいたの
  22. みたま: 『だから、大っ嫌いな神浜市が どんな形で滅んでもよかった』
  23. みたま: 『ネオマギウスの作戦が成功してもいいし』
  24. みたま: 『神浜市の人々が 東西を超えて手を取り合うための きっかけ作りでもいい…』
  25. みたま: 『悲しみに囚われていたわたしに必要だったのは 長い間抑え込んでいた悲しみと怒りを 解き放ち…』
  26. 助けて…! 町が…なくなっちゃう…!
  27. どうしてこんなことに…
  28. みたま: 壊れてしまえ… こんな町は壊れてしまえばいい
  29. 俺たちが何をしたっていうんだ!
  30. ただいつものように 過ごしていただけなのに…
  31. みたま: そう…そうよ… それこそがわたし受けた苦痛…
  32. みたま: わたしが受けた屈辱
  33. 助けてよ…! 誰でもいいから助けて!
  34. みたま: 悲しんだって許してあげない 苦しくっても許さない
  35. みたま: わたしはこの町を壊し尽くす…!
  36. みたま: 『神浜市を滅ぼす存在になること』
  37. みたま: 『それだけだった』
  38. みたま: 『十七夜に力を貸したのも 十七夜が目指す “平等な未来”のためじゃなかったの…』
  39. みたま: 『ただ滅んでくれさえすれば …それでわたしの願いが終わるのなら それでよかった』
  40. みたま: 『だって抗えば抗うほど 滅びの規模は大きくなって 神浜市だけで留まらない… 今の内に果たさないといけないと 思っていたから』
  41.  
  42. FILENAME: text_312171-2.txt
  43. みたま: 『ただ、滅びを求めていたわたし…』
  44. みたま: 『もし、あのとき 十七夜が思い描いた筋書き通りに なっていたら…』
  45. 今は東も西も、もう 関係ないでしょうが…!
  46. ああ…おれたちの 神浜市を守らないとな!
  47. 十七夜: ふっ、すごいな…八雲
  48. みたま: ええ、あのときの… 災害後の神浜市みたいね
  49. 十七夜: これなら、きっと大丈夫だ
  50. 十七夜: 滅びの果てに 平等が訪れるだろう…
  51. みたま: …えぇ
  52. 十七夜: さて、そろそろ行ってくる
  53. 十七夜: …先に行くぞ、八雲
  54. みたま: 気をつけてね…って言うのは 違うかしらねぇ
  55. 十七夜: ふっ、そうだな…
  56. 十七夜: だが、魔女にならんようにだけは 気をつけないとな
  57. みたま: …わたしも すぐに行くわ、十七夜
  58. 十七夜: ああ、地獄でまた会おう
  59. みたま: …………
  60. みたま: (わたしは、どうしよう…)
  61. みたま: (神浜市はもう十分に 蹂躙したわ)
  62. みたま: (憎しみ合ってきた者同士が 手を取り合うほどに)
  63. みたま: (滅ぼし尽くした)
  64. みたま: 『やるべきことをやったわたしはきっと… 殺されるのを待つか ひっそりと朽ち果てるのを 待つだけだったでしょうね』
  65. みたま: 『元々、滅ぼした後のことなんて 考えていなかったから』
  66. みたま: 『神浜市が滅んだあとの 未来なんて何も思い描けなかった』
  67. みたま: 『わたしは滅びと共に 終わるはずだったんだもの』
  68. 十七夜: なんの望みもなかったのか?
  69. みたま: …できれば魔法少女の子たちには 傷ついてほしくないとか
  70. みたま: ミィがこれ以上苦しまないように とか以外は、ほとんどね…
  71. 十七夜: …ほとんど、か
  72. 十七夜: では、僅かながら 望むことがあったんだな
  73. みたま: ………… …謝罪を
  74. みたま: 謝罪をしてほしかった…
  75.  
  76. FILENAME: text_312171-3.txt
  77. 十七夜: では、僅かながら 望むことがあったんだな
  78. みたま: ………… …謝罪を
  79. みたま: 謝罪をしてほしかった…
  80. みたま: 『十七夜はよく知っていることだし 改めて話すことでもないかもしれないけれど…』
  81. みたま: 『幼い頃から 他の人より運動や勉強ができたわたしは 中等部からは学費免除対象として 水名女学園に通っていた』
  82. みたま: 『中学校生活の大半を費やして 周囲に馴染めたと思っていたわたしは 当時、一番信頼していた友だちに裏切られたの』
  83. みたま: 『大東出身だったわたしは その裏切りが原因で 2年以上かけて積み上げた信頼を崩され 大東学院に戻ることになったわ』
  84. 聞いたか八雲のやつ 都落ちして帰ってきたって
  85. 本当、期待してたのに 大東の面汚し
  86. …………
  87. 他の生徒を突き落としたんだって
  88. そもそも西の学校に通うって どうなんだよ
  89. みたま: 『出戻ったわたしに居場所はなかった』
  90. みたま: 『勝手に期待して 勝手に失望した大東学院の人たちは わたしを迫害した』
  91. みたま: 『野蛮な大東区の出身であるわたしなら 貶めても構わないと裏切ったあの子』
  92. みたま: 『わたしに大東の裏切者というレッテルを貼り 大義名分を得たとばかりに 寄ってたかって攻撃する人たち…』
  93. みたま: 『わたしを踏みつけた人たち そのすべてを今度はわたしが踏みつけて…』
  94. みたま: もう逃げ場はないわよ
  95. なんでこんなことに…
  96. みたま: わたしは 忘れたとは言わせない
  97. みたま: わたしを 突き落とそうとしたことを
  98. みたま: 忘れたとは…決して…
  99. や、八雲…
  100. 罠にかけたのは そいつ…水名のやつだろ…
  101. 俺は関係ないはずだ…!
  102. みたま: 大東に戻った わたしの心をえぐったのは
  103. みたま: 他でもないあなたたちよ…
  104. そもそも、あなたが裏切ったのが 悪いんでしょ…!?
  105. みたま: あなたたちが勝手に期待して
  106. みたま: そう思い込んでる だけじゃない…!
  107. いや…やめてぇ…!
  108. みたま: 『恐怖で跪かせる』
  109. ごめんなさい…ごめんなさい…
  110. あなたが妬ましかったの 大東出身のくせに優秀で…
  111. 謝るから殺さないで…!
  112. 八つ当たりして悪かった…!
  113. あのとき言ったことは 取り消すから命だけは…
  114. ゆるして…ごめん…
  115. もう、言わないから あんなことしないから…!
  116. みたま: ―みたま― …………
  117. みたま: 『命の危険を感じて初めて… 彼らはわたしに対して 謝罪の言葉をかけることができる』
  118. みたま: 『そう思っていたから…』
  119.  
  120. FILENAME: text_312171-4.txt
  121. 十七夜: …確かに、身勝手にも 八雲を傷つけた者たちは
  122. 十七夜: 己を省みることはなかったな
  123. みたま: ええ… ミィが動いてくれるまではね
  124. 恨んでる…よね…
  125. 私があなたを階段から 突き落とそうとしたんだから…
  126. みたま: …………
  127. ごめんなさい… すべては私の嫉妬のせいなのに
  128. あなたが罰を受けて、 学校を退学することになった…
  129. 十七夜: …許せたのか?
  130. みたま: …………
  131. みたま: あのときは、正直 言い訳がましいと思ったわね
  132. みたま: わたしを階段から突き落とそうと したことを公表して
  133. みたま: わたしの不名誉を 消したわけでもないし
  134. みたま: 口先だけだって 思ってる自分もいた
  135. 十七夜: …………
  136. みたま: そして、何より…
  137. みたま: “いまさら” 謝罪を受けたところで
  138. みたま: わたしの人生は取り戻せない
  139. 十七夜: だが、悲しみの中にいた八雲は “謝罪”を求めていたのだろう?
  140. みたま: おかしな話よね…
  141. みたま: わたしは、謝罪を受けようと 神浜市という町すべてに
  142. みたま: 滅びと言う罰を 与えるつもりだったのに…
  143. 十七夜: だが、同時に 許す機会も望んでいたのか
  144. みたま: 矛盾しているでしょ?
  145. みたま: …でも、 滅びの運命を受け入れながらも
  146. みたま: 謝罪を求めていたわたしは ミィたちのおかげで
  147. みたま: 未来を望むことが できるようになったの
  148. 十七夜: みかげの仲良し大作戦や
  149. 十七夜: 署名に協力してくれた者たちの おかげだな
  150. みたま: うん…
  151. みたま: 自分の傷を見せてくれた先生にも 感謝しているわ…
  152. みたま: でも…
  153. みたま: たくさんのものを傷つけて 壊そうとしたわたしは
  154. みたま: この場所…調整屋に 帰って来ることを許されても
  155. みたま: 日常に戻る方法がわからなくて
  156. みたま: 学生会議への参加も 保留にしていたの…
  157. 十七夜: だが、結果的に 参加しているということは
  158. 十七夜: きっかけがあったんだな
  159. みたま: …ええ
  160. みたま: 恩返しをしないといけないのに また助けられちゃったのよ
  161. みたま: もう二度と過ちを 繰り返したりしないわ…
  162.  
  163. FILENAME: text_312172-1.txt
  164. みたま: ネオマギウスに便乗して 起こした事件と
  165. みたま: そのあとのできごと… それらすべてが終わって
  166. みたま: わたしは日常に戻ることを 許されたけど
  167. みたま: わたし自身の問題で すぐに戻ることができなかった…
  168. みたま: (みんなに謝りたい…)
  169. みたま: (大きな罪を犯したわたしを もう一度受け入れてくれた)
  170. みたま: (魔法少女のみんなに ちゃんと謝りたい…)
  171. みたま: (でも… どう謝ればいいの…?)
  172. みたま: 『調整屋に戻ったわたしはしばらくの間 お店には行っても閉店したまま 店内で右往左往していたわ』
  173. みたま: 『どういう形で謝ればいいのか わからなくて…』
  174. みたま: (そもそも、わたしに 謝る資格はあるのかしら…)
  175. みたま: (みんなの大切な人や 大切なものを傷つけて)
  176. みたま: (命までも奪おうとしたのに)
  177. みたま: 『謝罪する資格があるのか 繰り返し自問するだけだった…』
  178. みたま: …はぁ
  179. みたま: (口先だけの謝罪に 意味はないわ…)
  180. みたま: (でも、誠意の見せ方なんて わからない…)
  181. ももこの声: おーい! 調整屋いるんだろ?
  182. ももこの声: いるなら、開けてくれ!
  183. みたま: …ももこ
  184. みたま: 『そんなとき 心配したももこが訪ねて来てくれたの』
  185. ももこ: …ちょっとやつれたか?
  186. みたま: そんなことないと思うけど…
  187. ももこ: じゃあ、昼食は食べたのか?
  188. みたま: お昼…?
  189. ももこ: もう2時過ぎてるけど…
  190. みたま: えっ…あら…? 気づかなかったわ…
  191. ももこ: …ほら、これ
  192. みたま: スナック菓子…?
  193. ももこ: 差し入れのつもりだったんだけど 何も食べないよりいいだろ
  194. みたま: (わたしが滅ぼそうとした ものの中には)
  195. みたま: (こういう優しい子が 大切にしているものも)
  196. みたま: (たくさん 含まれていたのよね…)
  197. ももこ: あっ、このお菓子嫌いだったか?
  198. みたま: …ううん 大好きよ、ありがとう
  199. ももこ: …調整屋はさ みんなに謝りたいんだろ?
  200. ももこ: それでずっと悩んでる
  201. ももこ: アタシじゃ力になれないか?
  202. みたま: 『あとから聞いた話なんだけど…』
  203. みたま: 『声をかけてくれた日だけじゃなくて それよりずっと前から 何度も、ももこは 様子を見に来てくれていたんですって』
  204. みたま: 『…ううん、ももこだけじゃなくて 他の魔法少女の子たちも、ね…』
  205. みたま: …自分のしたことを 自覚すればするほど
  206. みたま: どう謝っていいのか わからなくなってしまうの…
  207. みたま: もう、やり直せない気がして…
  208. ももこ: 大丈夫だよ
  209. ももこ: 謝りたいって気持ちがあるなら やり直せる
  210. ももこ: その気持ちをみんなに伝えて やり直そう
  211. みたま: …………うん…
  212. ももこ: じゃあ、アタシが みんなに声かけてみるよ
  213. みたま: そこまでしてもらうわけには いかないわ…
  214. ももこ: でも、自分じゃ 踏ん切りがつかないんだろ?
  215. ももこ: アタシの勝手なお節介だと 思っておいてよ
  216. みたま: …ごめんね、ももこ
  217. ももこ: 悪いと思ってるなら 早くいつもの調子に戻ってくれ
  218. ももこ: アタシにとっては それが一番だからさ
  219.  
  220. FILENAME: text_312172-2.txt
  221. みたま: 『ももこのおかげで たくさんの魔法少女の子たちが 調整屋に来てくれた』
  222. みたま: 『予定がつかなくて来れない子もいたけど 来れなかった子たちは わざわざメッセージをくれたのよ』
  223. みたま: 『わたしはこのとき 改めて自分のしたことの意味を理解したの』
  224. みたま: まだ…この罪をどうすれば 償えるのかわからないけど…
  225. みたま: これだけは伝えさせてほしいの
  226. みたま: …ごめんなさい
  227. みたま: 本当に、 申し訳ございませんでした…
  228. ………… ……………………
  229. みたま: 『長い沈黙のあと 最初に言葉をかけてくれたのは やちよさんだった』
  230. やちよ: …みたま、まずは顔をあげて
  231. みたま: やちよさん…
  232. やちよ: …今回は、さすがにやり過ぎよ
  233. 都 ひなの: 相談くらいは… してほしかった、よな…
  234. 由貴 真里愛: …でも、追い詰められて
  235. 由貴 真里愛: 心に余裕がなかったことも 想像はできるわ…
  236. みたま: 『ポツリ、ポツリと探るように みんなが言葉をかけてくれた』
  237. みたま: 『まるで、どうやって許そうか 考えてくれているみたいに…』
  238. みたま: 『たぶん、実際にそうだったのでしょうね みんなは、心の整理をつけながら これから一緒に歩んでいく未来へ わたしを受け入れようとしてくれたの』
  239. 常盤 ななか: …復讐、という点では 少しばかりお気持ちはわかります
  240. かえで: けど、心配したんだからね…
  241. レナ: レナはそんなにしてなくも ないけどっ…
  242. 純 美雨: …反省したらあとは進むだけネ
  243. 純 美雨: 過去は変えられなくても 未来は変えられるヨ
  244. 阿見 莉愛: まぁ… 元気ならそれでいいわ
  245. 千秋 理子: みたまお姉さん…!
  246. ギュッ…
  247. 眞尾 ひみか: ホント…十七夜さんといい バカ、です…!
  248. みたま: うん… ごめんねぇ…
  249. みたま: 『みんなが少しずつ言葉をかけてくれて また沈黙が訪れたあと…』
  250. やちよ: …みたま、私たちは あなたの謝罪を受け取るわ
  251. みたま: 『そして、みんなも頷いてくれた』
  252. みたま: 『そのあとは… またポツリ、ポツリと 長い時間をかけていろいろなことを話したわ』
  253. みたま: 『みんながわたしを受け入れてくれたことは とても嬉しくて涙が溢れたけど…』
  254. みたま: 『こんなに優しい子たちを 殺そうとしていた事実は』
  255. みたま: 『わたしの心に 自分自身へ対する嫌悪を生んだの』
  256. フェリシア: よっ!
  257. さな: こんにちは…
  258. みたま: いらっしゃ~い 調整よね
  259. みたま: ひとりずつするから 待っている間は
  260. みたま: 買い置きで申し訳ないけど お菓子をどうぞ
  261. フェリシア: 買い置きの方がいいぞ
  262. さな: フェ、フェリシアさん…!
  263. みたま: 気を遣ってくれてありがとう
  264. さな: ありがとうございました… お代は…
  265. みたま: 今日はいいのよ サービスだから
  266. さな: えっ…?
  267. フェリシア: いいのか!? ラッキー!
  268. 静海 このは: 無料で、いいんですか…?
  269. 遊佐 葉月: 3人分だけど…
  270. 五十鈴 れん: ぁの…前回も… 無料で調整していただいたので…
  271. 五十鈴 れん: 今回は…その…ぉ代… 払います…はぃ
  272. みたま: いいのよぉ 気にしないでぇ
  273. みたま: 『自分自身に対する嫌悪は 気づけないまま罪悪感も育んでいったわ』
  274. ももこ: …調整屋
  275. みたま: いらっしゃい、ももこ 調整にきてくれたのねぇ
  276. ももこ: いや、話をしにきたんだ
  277. みたま: え…
  278.  
  279. FILENAME: text_312172-3.txt
  280. ももこ: …調整屋
  281. みたま: いらっしゃい、ももこ 調整にきてくれたのねぇ
  282. ももこ: いや、話をしにきたんだ
  283. みたま: え…
  284. ももこ: …その、ごめん
  285. みたま: ちょ、ちょっと どうしちゃったの…?
  286. みたま: ももこに謝られることなんて 何もないはずよ…?
  287. ももこ: 調整代、サービスだって言って ずっと無料にしてるだろ?
  288. みたま: …迷惑をかけたからお詫びにね
  289. みたま: それがどうしたの?
  290. ももこ: 他にも、前だったら断ってた 頼み事とかなんでも聞いてるって
  291. みたま: 頼み事っていっても…
  292. みたま: 宿題を見てほしいとか そういうちょっとしたことだし…
  293. ももこ: そういうことじゃなくて 前だったらやらなかっただろ?
  294. ももこ: …みんな気づいているし 心配してる
  295. みたま: …………
  296. ももこ: それと…
  297. ももこ: …なんて言えばいいのかな
  298. ももこ: 調整屋がいつもと違って
  299. ももこ: その…へりくだって見えるから みんな不安になってるんだ…
  300. ももこ: なんか…イジメてるみたいだって
  301. みたま: イジメ…?
  302. みたま: みんながそんなこと するわけないじゃない…!
  303. ももこ: 落ち着いてくれ
  304. ももこ: 調整屋の態度を見てると
  305. ももこ: 接してる方が そう感じちゃうって話だよ
  306. みたま: …………
  307. みたま: わたし、そんなに変…?
  308. ももこ: …ああ いつもの調整屋じゃない
  309. みたま: みんなに謝罪を 受け入れてもらって
  310. みたま: いつも通りに… 元通りになったはずなのに
  311. ももこ: ごめん… アタシのせいだ…
  312. みたま: …ももこ?
  313. ももこ: …早く立ち直ってほしいからって
  314. ももこ: アタシが お節介し過ぎたせいだよな…?
  315. みたま: そんなわけないじゃない
  316. みたま: ももこに背中を押して もらったから、謝れたのよ…
  317. みたま: みんなに許してもらえたのも ももこのおかげなんだから…
  318. ももこ: でも、そのせいでひとりだけ 許してくれないんじゃないか…?
  319. みたま: …え?
  320. ももこ: 八雲みたま
  321. ももこ: そいつだけは調整屋のことを 許せてない
  322. みたま: …わた、し…?
  323. ももこ: アタシにはそう見える…
  324. みたま: …ぁ…………ぁあ…
  325. みたま: 『ももこに指摘してもらうまで わたしは自分の中にある嫌悪感にも 罪悪感にも気づいていなかったの』
  326. みたま: 『だから、自分の行動がおかしいなんて 欠片も思っていなかった』
  327. みたま: 『むしろ、日常に戻ろうと 努力しているとさえ思っていたわ』
  328. ももこ: ごめんな… 余計なことしたみたいだ…
  329. みたま: 違う…
  330. ももこ: 謝罪の機会
  331. ももこ: お膳立てされたって 感じてたんじゃないか…?
  332. みたま: …違う そんな風には思ってないわ…!
  333. みたま: 手を差し伸べてくれて嬉しかった 本当に…本当よ…
  334. ももこ: うん、わかってる
  335. ももこ: あのときの謝罪だって本物だった
  336. みたま: …でも、甘えちゃったって 思ってもいたの…
  337. みたま: 自分で、けじめを つけるべきだったのに…
  338. ももこ: ホントごめん…
  339. みたま: 謝らないで…!
  340. みたま: ももこのせいじゃない そのことだけじゃないの…
  341. みたま: あのとき、みんなが 優しい言葉をかけてくれて…
  342. みたま: わたしはわたしがしたことを 許せなくなった
  343. みたま: …たぶん、もう一生許せない
  344. みたま: 一生をかけて償ったとしても わたしは、許せない…
  345. ももこ: …自分を許せない気持ちは アタシにはどうにもできないけど
  346. ももこ: でも、贖罪をしたいからって
  347. ももこ: 自分の身を削るのは 間違ってるよ…
  348. みたま: 身を削る…?
  349. ももこ: 今、調整屋がしてることって アタシにはそう見えるんだ…
  350. ももこ: でもさ…
  351. ももこ: 罪を償うっていうのは そうじゃないんじゃないか?
  352.  
  353. FILENAME: text_312172-4.txt
  354. ももこ: 罪を償うっていうのは そうじゃないんじゃないか?
  355. みたま: …………
  356. みたま: …ももこの言っていること たぶん、正しいわ…
  357. みたま: でも、わたし… わからない…
  358. みたま: 他にどうしていいのかなんて わからない…
  359. ももこ: …………
  360. ももこ: そう、だな…
  361. ももこ: 正しい贖罪の仕方なんて 誰にもわからないよ、きっと…
  362. ももこ: でも、みんなに応えたいって 思ってるなら…
  363. ももこ: 少しずつでもいいから 元の調整屋に戻ることだと思う
  364. みたま: …戻れないわ
  365. みたま: だって、もう… 許せそうにないもの…
  366. ももこ: でも、神浜市とは もう一度向き合えそうなんだろ?
  367. みたま: ………… …………
  368. みたま: ももこ… ひとりにしてもらってもいい?
  369. みたま: たぶん、わたしが自分で 考えないといけないことだわ
  370. ももこ: …そうだな またお節介が過ぎても困るし
  371. ももこ: しばらくしたら様子を見に来るよ
  372. みたま: ………… …………ぅ…
  373. みたま: ぅう…ぁああああっ…
  374. みたま: 『ひとりになったわたしは “調整屋”を開いてからのことを 振り返ったの』
  375. みたま: 『…初めてお客さんが来てくれた日のこと』
  376. みたま: 『いつの間にか たくさんの魔法少女たちが 通うようになっていったこと』
  377. みたま: 『調整のためだけではなく わたしに会いに来てくれる子たちが 増えたこと』
  378. みたま: 『いろんな催し物をして みんなで笑い合ったこと』
  379. みたま: 知らない間に “調整屋”というこの場所は
  380. みたま: わたしにとってかけがえのない 居場所になっていたわ
  381. 十七夜: うむ、自分もこの場所は好きだぞ
  382. みたま: そう言ってくれる人がいるから なおさら、ねぇ?
  383. みたま: だから、わたしは“調整屋”を 取り戻したいと思ったの
  384. みたま: またみんなにこの場所が好きだ って言ってもらえるように…
  385. 十七夜: それが八雲の贖罪か
  386. みたま: ええ…
  387. みたま: でもね、そのためには わたしはわたしと向き合って
  388. みたま: 罪悪感に踊らされないようになる 必要があった
  389. みたま: だから、神浜学生会議に 参加することを決めたのよ
  390. 十七夜: …む? 話が飛んだな?
  391. みたま: 飛んでないわ
  392. みたま: 調整屋だけだと わたしは変われないから
  393. みたま: 変わっていく場所で 活動することで
  394. みたま: 自分を変えたいと思ったんだから
  395. 十七夜: …なるほどな
  396. みたま: まぁ、わたしなんかが 参加していいのか
  397. みたま: …っていう思いもあったんだけど
  398. みたま: そこは、こう… えいっ!って踏み出さないとね
  399. 十七夜: うむ …頑張ったな
  400. みたま: ふふっ… これからよ
  401. みたま: 調整屋として いろんな催し物をした経験を
  402. みたま: 役立てていきたいの
  403. みたま: これまで少なかった地域を超えた 交流の場を設けるとかね
  404. 十七夜: 例のハロウィンだな
  405. 十七夜: …打ち合わせに入るか?
  406. みたま: その前にもうひとつ 聞いてほしいことがあるのよ
  407. みたま: 今、罪を犯した側… 許される側の話をしたけど
  408. みたま: 今度は許す側…
  409. みたま: 悲しみに呑まれていたわたしが 贖罪を求めた理由を…
  410. みたま: これまでを活かして、 今できることをやってみたいの
  411.  
  412. FILENAME: text_312173-1.txt
  413. みたま: 『水名女学園でわたしを貶めた者 大東学院に戻ったわたしを迫害した者』
  414. みたま: 『その人たちに謝罪を求める気持ちが あったことは最初に話したわね…』
  415. みたま: 『…そして、謝罪を受けようと 神浜市に滅びという罰を与える気持ちも 持ち合わせていたことも』
  416. みたま: 『許す機会を欲しながら 罰を与えるつもりでいるという矛盾が 生じていた理由については』
  417. みたま: 『実は、ももこと話す前に ひとつの答えが出ていたの』
  418. みたま: 『それは、わたしが相手を許したいと思う理由』
  419. みたま: 『そして、たぶん これからわたしがわたし自身を 許せるようになるためにも必要なこと…』
  420. みたま: …………
  421. みたま: ねぇ、ミィ 帰らないと、ダメ…?
  422. みかげ: ダメ!
  423. みかげ: パパもママも姉ちゃのこと ずっと待ってたんだから
  424. みかげ: 顔、見せてあげないと…
  425. みたま: そう…?
  426. みたま: 帰らないことなんて これまでも何度かあったけど…
  427. みかげ: こんなに長く帰らないのは 初めてでしょ!
  428. みたま: …………
  429. みかげ: それに、今帰らないと もっと気まずくなっちゃうよ
  430. みたま: …そうね
  431. みたま: 『水名女学園から戻ってから 両親とはあまりうまくいってなかった』
  432. みたま: 『ふたりの名誉のために言っておくけど 両親は、わたしのことを責めたり 悪く言ったことは一度もなかったわ』
  433. みたま: 『水名女学園で起こった事故のことも わたしのせいだって言ったことは 一度もなかった』
  434. みたま: 『ただ…なんとなく溝があっただけ』
  435. みたま: 『わたしは 両親がわたしのことを扱いあぐねていて 内心では面倒に思っているに違いない って勝手に思ってたの』
  436. みたま: 『だから、ミィに促されたとはいえ 家に帰ることに、気がのらなかった』
  437. みたま: 『魔法少女のことを話すつもりはなかったし 小言を言われるのも面倒… 今更話すこともないと思っていたから』
  438. みたま: 『だから… 家出のことをどう誤魔化そうか考えながら 家の扉を開いたの』
  439. みたまの母: みたま…! おかえりなさい…
  440. みたまの父: ああ…無事だったか!
  441. みたま: …………えっ…?
  442. みたま: 『だから、やつれたふたりに 出迎えられたとき、本当に驚いたわ』
  443. みたまの父: お前が帰って来るって みかげから聞いて待ってたんだ
  444. みたまの母: 疲れた顔をしているわ ご飯はちゃんと食べてたの…?
  445. みたま: えっ…何…? ふたりとも大げさじゃない?
  446. みかげ: 大げさじゃないし
  447. みかげ: ミィから連絡があったから 待ってたっていうのはウソだよ
  448. みかげ: だって、姉ちゃが帰らないとき ふたりともずっと待ってるもん
  449. みたま: …そう、なの? 今までも…?
  450. みかげ: そうだよ
  451. みたまの父: みたま、すまなかった
  452. みたまの母: ごめんなさい、みたま
  453. みたま: …………?
  454.  
  455. FILENAME: text_312173-2.txt
  456. みたまの父: みたま、すまなかった
  457. みたまの母: ごめんなさい、みたま
  458. みたま: …………?
  459. みたま: 『黙って家を出たまま帰らなかったのは わたしの方なのに どうして両親が謝っているのか わからなかった』
  460. みたまの父: 水名でのことがあってから 辛い思いをしていることは
  461. ずっとわかっていたんだ…
  462. みたまの母: でも、お母さんたちは 力になってあげられなかった…
  463. みたま: …………
  464. みたま: 『このことで両親に謝られたのは これが最初じゃなかった』
  465. みたま: 『謝られるたびにわたしは “気にしないでぇ”“過ぎたことよぉ” “いつまで気にしているのぉ?” なんて、明るく振る舞っていたけど』
  466. みたま: でもね、本当はずっと…
  467. みたま: “どうしてわたしのことを 理解してくれないんだろう”
  468. みたま: …って思ってた
  469. 十七夜: それは…
  470. 十七夜: 八雲の両親が方々に謝罪して 回っていたからか?
  471. みたま: …十七夜も知っていたのね
  472. みたま: 大東から水名へ行ったわたしは 当初、期待の星だったでしょ?
  473. みたま: 東側が下に見られている 現状から抜け出せるって
  474. みたま: 多くの人が期待をかけてたの
  475. 十七夜: …ああ
  476. みたま: けれど、わたしはそれを裏切った
  477. 十七夜: 八雲に非はなかった
  478. みたま: …他人に期待をかける人たちはね 真実なんてどっちもでいいの
  479. みたま: 重要なのは期待を裏切られたこと
  480. 十七夜: …だから、八雲のご両親は 謝罪して回ったのか
  481. みたま: 十七夜のところにも来た?
  482. 十七夜: うむ
  483. 十七夜: だが、自分の家には 謝罪に来たというのは正しくない
  484. 十七夜: 『これからも娘と仲良くして ほしい』と言っていたからな
  485. みたま: …そう、だったの
  486. 十七夜: 相手を見て 挨拶に回っているようだった
  487. 十七夜: 『娘がご迷惑をおかけして 申し訳ありません』
  488. 十七夜: …と頭を下げているところを 遠目に目撃したこともある
  489. みたま: 昔のわたしが見たのはそれね…
  490. みたま: 当時のわたしは
  491. みたま: 両親が謝罪して回っている理由が 理解できなかったの
  492. みたま: 被害者はわたしなのに 両親が謝罪して回るなんて
  493. みたま: それじゃあまるで… わたしが加害者みたいでしょ…?
  494. 十七夜: …その気持ちも理解はできるが
  495. みたま: もしかして、十七夜は 両親の真意に気づいていたの?
  496. 十七夜: …周りの者が これ以上八雲を傷つけないため
  497. 十七夜: 先に頭を下げておけば 手を出しにくくなるからな
  498. みたま: そう…
  499. みたま: 余裕がなかったわたしは その可能性に思い至らなかった
  500. みたま: そして、余裕がなかったのは 両親も同じだったの…
  501. みたまの母: ごめんね
  502. みたまの母: 傷ついているあなたを 守るつもりが
  503. みたまの母: 逆に傷つけてしまっているなんて 気づけなかったの…
  504. みたまの母: 他人に頭を下げて回るよりも
  505. みたまの母: もっとあなたの側にいて あげるべきだった
  506. みたまの父: 言葉も足りなかったな…
  507. みたまの父: みたまが悪くないことは
  508. みたまの父: 父さんたちにとっては 当たり前のことだったんだ
  509. みたまの父: だから、言葉で伝えることを おろそかにしていた…
  510. みたまの母: 伝わっていないどころか 傷つけていることに気づいたのは
  511. みたまの母: みたまの信頼を 失ってからだったわ…
  512. みたまの父: 守ってやれなくて 力になれなくてすまなかった…
  513. みたま: 『このとき… 両親が何度もわたしに謝っていた理由が やっとわかったわ』
  514. みたま: 『ふたりはわたしに歩み寄ろうとしてくれていた 自分の過ちを見つめて反省し 謝意を行動で示そうとしていた』
  515. みたま: パパ…ママ…
  516. みたま: 『そんな風に両親を呼んだのは 久しぶりだったわね…』
  517. みたま: 『そして… ふたりの後悔を聞いたわたしは 滅びという罰を与えるつもりなのに 謝罪と言う許しの機会を望んだ矛盾の 答えを得た気がしたの』
  518. みたま: 『わたしはただ… 自分のしたことを自覚し、反省して 反省を行動で示してほしかった』
  519. みたま: 『だって… そうしたらこう言えるでしょ…?』
  520. みたま: もう、いいの…
  521. みたま: パパも、ママも… もういいよ…
  522.  
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  524. みたま: もう、いいの…
  525. みたま: パパも、ママも… もういいよ…
  526. みたまの父: みたま…?
  527. みたま: あのときね
  528. みたま: ちゃんと助けてほしかったのは 本当よ…
  529. みたま: わたしは悪くないのに どうして謝るのって…
  530. みたま: わたしの気持ち… 全然わかってくれないって…
  531. みたま: 思ってたのも、本当…
  532. みたまの父: …すまない
  533. みたまの母: ごめんね…
  534. みたま: でも、今…わかったわ 今なら、ちゃんとわかる
  535. みたま: 精一杯のことをしようと してくれていたんだって…
  536. みたま: だから、もういいの
  537. みたまの父: みたま…ごめん… 本当に、ごめんな…
  538. みたまの母: ごめんね…力になれなくて… ずっと悲しいままにしてごめんね
  539. みたま: 『パパとママに“もういいよ”って 言えたから… 心がちょっと軽くなったわ』
  540. みたま: 『だから、今は パパとママの辛い気持ちも 消えてなくなってくれればいいなって思うの』
  541. みたま: 『ふたりはきっと… わたしを助けたいのに それができない現実を 歯がゆく思っていたと思うから』
  542. みたま: 『わたしもパパもママも もう過去に囚われるんじゃなくて 過去を許して未来に進んでいきたい』
  543. みたま: 『そう思えたの』
  544. みたまの母: あらあら… 目が真っ赤ね…
  545. みたま: わたしだけじゃないわよぉ? ママも真っ赤だわぁ
  546. みたまの母: ふふっ… お風呂に入ってらっしゃい
  547. みかげ: 姉ちゃの好きな一番風呂だよ!
  548. みたまの父: ゆっくり入ってこい
  549. みたまの父: その間にお前が好きなものを たくさん作っておくから
  550. みたま: あらぁ、家族総出でってことは お夕飯は豪華よねぇ
  551. みたま: 楽しみだわぁ
  552. みたま: 『そんな家族らしい話をしたのも 久しぶりだった…』
  553. みたま: 『久しぶりにゆっくり入るお風呂は 緊張を解いてくれた…』
  554. みたま: 『体を洗っているとね』
  555. みたま: 『これまでの悲しい気持ちや怒り …恨みまでもが 一緒に流れ落ちていくようだった』
  556. みたま: ふっ…うぅ…
  557. みたま: 『もう… そんなものに囚われる必要はなくて』
  558. みたま: 『涙と一緒に 全部流れていったわ…』
  559. みたま: 『他人を許せない気持ちも、ね』
  560. みたま: 『だから…今、わたしが抱えている わたし自身を許せない気持ちも いつか洗い流せたらいいと思ってる…』
  561.  
  562. FILENAME: text_312173-4.txt
  563. みたま: 温かなシャワーのお湯に解かれて 涙と一緒に悲しみも怒りも恨みさえも 流してしまえたから
  564. みたま: わたしはようやく こう思えるようになったの
  565. みたま: かつて友だちだったあの子… わたしに謝りに来てくれたあの子が もう間違えずに 全力で生きていってくれたらいいなって…
  566. みたま: だから、これで わたしの悲しみは終わり
  567. みたま: “もういいの”
  568. みたま: そして… 今度はわたしの番 わたしが償っていく番
  569. みたま: 大切なみんなは許してくれたけど わたしはまだわたしを許せないから
  570. みたま: いつか“もういいよ”って 自分に言えるように償っていくの…
  571. 十七夜: 自分たちは 多くの過ちを犯した…
  572. 十七夜: それでも そんな自分たちは生かされ
  573. 十七夜: こうして、生きて贖罪をする チャンスが与えられた
  574. みたま: ええ、あの頃のわたしたちは 悲しみに飲みこまれて
  575. みたま: 滅びの未来を 望んでしまったけれど
  576. みたま: 今、わたしたちの前には 違う未来への道が開かれてる
  577. みたま: 求めるものは、今も昔も きっと変わっていないけど
  578. みたま: その道筋が大きく変わった…
  579. みたま: わたしたちは もう、滅びを経ることなく
  580. みたま: 神浜市の幸せな未来を 求めることができる
  581. 十七夜: ああ… 東西を結ぶ学生会議
  582. 十七夜: それを通して、自分たちは 新たな未来を切り拓ける
  583. 十七夜: 今度こそ、自分たちの力で
  584. 十七夜: …いや、違うな
  585. 十七夜: 神浜市の人々みんなで この町に平等をもたらそう
  586. みたま: そうねぇ
  587. 十七夜: さて、思い返すのはここまでだ さっそく企画について話し合おう
  588. みたま: ああ、そうだったわ 何がいいかしらぁ
  589. みたま: テーマはひとつ決めてるのよ
  590. 十七夜: ふむ…なんだ?
  591. みたま: 学生会議も まだ始まったばかりでしょ?
  592. みたま: だから“みんなで作る” これをひとつのテーマにしたいの
  593. 十七夜: みんなで作る、か…
  594. 十七夜: 確かに、神浜市の未来も みんなで作るものになるからな
  595. 十七夜: ならば手始めに 運動会とかはどうだろう?
  596. 十七夜: 大人数で参加ができて 楽しいスタートを切れそうだろう
  597. 十七夜: それに体を動かせば、 自然と距離も縮まるはずだ
  598. みたま: それもいいわねぇ
  599. みたま: あ、お祭りとかはどう? 屋台を出したりして!
  600. みたま: わたしは、たこ焼き屋さんでも やろうかしらぁ
  601. 十七夜: なっ!?
  602. みたま: 先生なら、きっと美味しい 作り方を知ってるだろうし
  603. みたま: 電話して聞いてみようかしら
  604. 十七夜: 料理…もいいが…そうだ キャンプはどうだろうか
  605. 十七夜: キャンプファイアーで 踊る…とかな
  606. みたま: キャンプファイアー!
  607. みたま: なんだかロマンスが 生まれそうな響きねぇ
  608. みたま: あ…そう、そうよ!
  609. 十七夜: む…? 何か思いついたのか?
  610. みたま: やっぱり大事なのは “ロマンス”だったりしない?
  611. 十七夜: ロマンス…か… なんだか八雲らしいな
  612. 十七夜: ふっ…だが、そんなのも いいのかもしれない
  613. みたま: そういえば、弟の壮月君には ロマンスとかないの?
  614. 十七夜: な…自分の弟にか!?
  615. みたま: そうそう、恋人がいるとか そんな話は聞かないの?
  616. 十七夜: 恋人か…うむ… いてもおかしくはない、のか…
  617. 十七夜: 姉弟で恋バナなど なかなかしないからな…
  618. 十七夜: そういう八雲も みかげにそういう話は…
  619. みたま: え…ミィが…!?
  620. 十七夜: 最近の小学生は早いと聞くぞ
  621. みたま: うーん…でも、まぁ そのときは
  622. みたま: ミィの恋人に相応しいか わたしたちが見極めないとねぇ
  623. みたま: …って、やだ すぐ話が脱線しちゃうわね
  624. 十七夜: …まぁ 自分らの未来は、まだ長い
  625. 十七夜: 焦らず進んでいけばいいさ
  626. みたま: ふふっ、そうねぇ
  627. みたま: あ、じゃあ… こんなのはどうかしら
  628. みたま: 洗い流されていく… 悲しみが解けていく…
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