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- 335031-1
- みんな: いただきます!
- 三栗 あやめ: んん~、おいしい!
- 遊佐 葉月: それはよかった
- 静海 このは: また腕をあげたわね…
- 静海 このは: たまには代わるわよ? いつもいつもだと大変でしょう?
- 三栗 あやめ: げっ…!
- 遊佐 葉月: い、いやぁ…アタシの場合 趣味みたいなところもあるから!
- 三栗 あやめ: そ、それよりさ! コレ、見てよ!
- 静海 このは: …指人形?
- 遊佐 葉月: わっ、3体も! また面白いものを拾ってきたね
- 三栗 あやめ: かっこいいでしょ!
- 静海 このは: そうね…この子、 キリっとしててかっこいいわ
- 三栗 あやめ: へっへーん! このは、わかってる!
- 三栗 あやめ: それ、一番かっけぇから アヤメって名前にしたんだ
- 静海 このは: へぇ、他の子は?
- 三栗 あやめ: カコとふぇりしあ!
- 静海 このは: …そうなの
- 遊佐 葉月: かこちゃんたちと 遊んでる時に見つけたから?
- 三栗 あやめ: そうそう! 河川敷に落ちてたんだよ
- 静海 このは: 河川敷…
- 静海 このは: 川に入ってないわよね? もし流されでもしたら…
- 三栗 あやめ: ダイジョーブ! 危ないことはしないから!
- 三栗 あやめ: かこもそういうの ちょっとうるさいし…
- 遊佐 葉月: しっかりしてるもんねぇ
- 静海 このは: なら、いいけど…
- 三栗 あやめ: あっ、そうだ!
- 三栗 あやめ: 来週、かこん家で合宿する って話になったんだけど
- 静海 このは: ――っ!?
- 三栗 あやめ: 行ってもいい?
- 静海 このは: それって お泊まりするってことよね…
- 静海 このは: よそのお家でお泊まりは 初めてだけどちゃんと眠れるの?
- 三栗 あやめ: 大丈夫だと思うよ
- 静海 このは: それにお泊まりの準備も…
- 静海 このは: いえ、準備は手伝えるけど
- 静海 このは: 帰って来る時に自分で 荷物をまとめられる?
- 三栗 あやめ: た、たぶん…
- 静海 このは: たぶんじゃダメよ
- 三栗 あやめ: …行っちゃダメ?
- 静海 このは: ダメとは言わないけど 心配で…
- 三栗 あやめ: …そうだよね
- 遊佐 葉月: 来週まで時間あるし
- 遊佐 葉月: 今日から荷物を詰める 練習をするのはどうかな?
- 三栗 あやめ: 練習…
- 遊佐 葉月: 頑張れそう?
- 三栗 あやめ: うんっ、あちし頑張るよ!
- 静海 このは: …………
- 遊佐 葉月: あやめもやる気だし…
- 遊佐 葉月: 何よりもう中学生なんだから 一度くらい、いいんじゃない?
- 遊佐 葉月: マギウスの騒動も終わって 神浜の町も落ち着いて来たし
- 静海 このは: …そうね
- 静海 このは: お世話になりますってご挨拶して 食事の片づけを手伝ったりして…
- 静海 このは: かこさんのお家の人に ご迷惑をかけないようにできる?
- 三栗 あやめ: できる!
- 静海 このは: あと、夜更かしはしないように 歯磨きもちゃんとして…
- 静海 このは: あっ、お菓子の食べ過ぎもダメよ もちろんジュースもね
- 三栗 あやめ: うん! 約束するよ
- 遊佐 葉月: つまり、お泊まり 行ってもいいってことだね?
- 静海 このは: …ええ
- 三栗 あやめ: やった! ありがと、このは!葉月!
- 三栗 あやめ: おやすみなさーい!
- 遊佐 葉月: はい、おやすみ
- 静海 このは: おやすみなさい
- 遊佐 葉月: …ねぇ、このは
- 静海 このは: なに?
- 遊佐 葉月: あやめに対して過保護なのは いまに始まったことじゃないけど
- 遊佐 葉月: そろそろ適切な距離感を 覚えるのも必要だと思うよ…?
- 静海 このは: …………
- 遊佐 葉月: いますぐにとは 言わないけどさぁ…
- 遊佐 葉月: あやめも中学生だし… 自立したくなる頃だよ
- 静海 このは: …………… ……………
- 遊佐 葉月: (あー、これは 聞き入れてもらえないかなぁ…)
- 静海 このは: …わかってるわ
- 遊佐 葉月: …ん?
- 静海 このは: 自分でもわかってるの…
- 遊佐 葉月: …………
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- 静海 このは: 自分でもわかってるの…
- 遊佐 葉月: …………
- 静海 このは: あやめに干渉し過ぎてるって わかってるわ…
- 静海 このは: ―このは― 院長先生からこのネックレスを もらった時のこと覚えてる?
- 遊佐 葉月: ―葉月― 覚えてるよ
- 遊佐 葉月: ―葉月― 院長先生が、アタシとこのは あやめにおそろいで作ってくれた
- 静海 このは: ―このは― そう…
- 静海 このは: ―このは― あやめのことを任されて
- 静海 このは: ―このは― おそろいのネックレスを もらった時に思ったの…
- 静海 このは: ―このは― 一番お姉さんの私が ふたりを守らなきゃって…
- 静海 このは: ―このは― 大切な家族だと思えたから…
- 遊佐 葉月: …………
- 静海 このは: でもね、心配するのと 干渉し過ぎるのが別なのは
- 静海 このは: 私もわかってる…
- 遊佐 葉月: …うん 正直言うと…
- 遊佐 葉月: いまのこのはって 子離れできない親だよね
- 静海 このは: うっ…
- 静海 このは: …自覚はあったけど 言葉にされると痛いわね…
- 遊佐 葉月: 自覚があってよかった
- 静海 このは: …“あやめ断ち”しなきゃ っていう気持ちもあるのよ…
- 静海 このは: …踏み切れないだけで
- 遊佐 葉月: …………
- 遊佐 葉月: このはってさ… 趣味ないよね
- 静海 このは: えっ…趣味? どうして、いま?
- 遊佐 葉月: アタシが思うに…
- 遊佐 葉月: このはってあやめに 比重を置きすぎなんだよ
- 遊佐 葉月: あやめのことばっかりだから
- 遊佐 葉月: ちょっとしたことでも 気をもんじゃうんじゃない?
- 静海 このは: …確かに
- 遊佐 葉月: だから、趣味とか好きなこととか 熱中できるものを他に見つければ
- 遊佐 葉月: 少しは落ち着くかもね
- 静海 このは: …なるほど
- 静海 このは: 興味の先を分散させるのは いい考えかもしれないわね
- 遊佐 葉月: おっ! 何やってみたい?
- 静海 このは: …買い物の時に ポイントを大量に集める
- 静海 このは: 投資の勉強ももっとしないとね お金があるに越したことはないし
- 遊佐 葉月: …いや、そういう 生活のためのものじゃなくて
- 遊佐 葉月: ただ楽しみたいことだよ
- 静海 このは: えぇ…? そう言われても…
- 遊佐 葉月: 思い浮かばない?
- 静海 このは: 思い浮かばないわね…
- 遊佐 葉月: 別になんでもいいんだけど…
- 静海 このは: 興味のないことに お金をかけたくはないし…
- 遊佐 葉月: じゃあさ 一緒にお散歩とかどう?
- 静海 このは: お散歩…?
- 遊佐 葉月: お手軽に始められて お金もかからないよ
- 静海 このは: うーん…
- 遊佐 葉月: アタシさ、頑張って早朝のお散歩 はじめようと思ってたんだよね
- 遊佐 葉月: アタシに付き合うつもりで ねっ、どうかな?
- 静海 このは: …それなら やってみようかしら…
- 遊佐 葉月: よしっ!
- 遊佐 葉月: じゃあ、明日の朝 学校に行く前にちょっと歩こう!
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- 遊佐 葉月: んん~ いい朝だねー
- 静海 このは: …お散歩はいいけど どこに行くかは決めてるの?
- 遊佐 葉月: 決めてないよ
- 静海 このは: えっ? 目的もなく歩くの?
- 遊佐 葉月: うん
- 静海 このは: 全然、なんの目的もなく?
- 遊佐 葉月: うん
- 静海 このは: …………
- 遊佐 葉月: まぁ、しいて言うなら あやめが起きる前に帰る、かな?
- 静海 このは: うそでしょ…? それになんの意味があるの?
- 遊佐 葉月: 息抜きに意味なんてないよ 難しく考えなくてオッケー!
- 遊佐 葉月: さぁ、行くよー
- 静海 このは: …………
- 静海 このは: …この道って ここに繋がっていたのね
- 遊佐 葉月: 知らなかったでしょ?
- 静海 このは: ええ…
- 静海 このは: ん?あのお店は… おもちゃ屋さん?
- 遊佐 葉月: みたいだね… アタシも知らなかったなぁ
- 静海 このは: あやめに教えたら喜ぶかしら?
- 遊佐 葉月: まぁ、喜ぶだろうね…
- 静海 このは: あっ…
- 静海 このは: (ついあやめのことを…)
- 遊佐 葉月: ねぇ、自販機で ジュース買って一休みしない?
- 静海 このは: いいわね
- 静海 このは: (流してくれた…)
- 静海 このは: (あやめは喜びそうだけど 私にはちょっと甘過ぎるかも)
- 静海 このは: (って、またあやめのことを 考えてる…)
- 遊佐 葉月: うわっ、すっぱい!
- 静海 このは: …ジュース、交換する?
- 遊佐 葉月: いいの? やった!
- このは&葉月: んっ…!
- 静海 このは: ホントすっぱい…!
- 遊佐 葉月: こっちは甘々だ…!
- このは&葉月: …………
- このは&葉月: ふふっ…
- 静海 このは: すっぱいってわかってて 買ったんでしょ?
- 遊佐 葉月: 疲れた時にはすっぱいものがいい っていうからさ
- 遊佐 葉月: ちょっとすっぱ過ぎたけど…
- 遊佐 葉月: このはだって、甘いって わかってて買ったんでしょ?
- 静海 このは: 疲れた時は、甘いものがいい っていうもの
- 遊佐 葉月: あははっ、 同じこと考えてる
- 静海 このは: …ん? 何かしら、コレ?
- 遊佐 葉月: なんだろう… どんぐりと…なんかの木の実?
- 静海 このは: いまって時期じゃないわよね? 子どもが置いて行ったのかしら?
- 遊佐 葉月: キレイに並んでるしそうかも おもしろいものみつけたね
- 静海 このは: …ふふ、確かに予想外なものを みつけるのは楽しいかも
- 静海 このは: あやめが 色々拾ってくる気持ちが…
- 静海 このは: …なんでもない
- 静海 このは: (またやっちゃった…)
- 遊佐 葉月: ごちそうさまでした それっ!
- カランッ!
- 遊佐 葉月: ナイスシュート!
- 静海 このは: ちょっと…ごみ箱に 投げ入れるなんて行儀が悪いわよ
- 遊佐 葉月: でも、上手に入ったでしょ?
- 遊佐 葉月: 飲み終わったらやってみなよ 結構難しいから
- 静海 このは: …………
- カンッ…ポト…
- 静海 このは: (外れた…)
- 遊佐 葉月: 惜しかったね 外れたら拾って捨てるっと…
- カラン…
- 静海 このは: …………ふふっ
- 静海 このは: (なんだか、 普通の女子高生になったみたい)
- 静海 このは: (…ずっと生きるのに必死で こういう時間ってなかったもの)
- 静海 このは: (歩いている人、日光浴してる人 運動している人、読書してる人)
- 静海 このは: (趣味を楽しむ人の日常 私が目を向けなかったもの…)
- 静海 このは: …葉月 連れ出してくれてありがとう
- 静海 このは: 最初は、意味もなく 歩き回ることに抵抗があったけど
- 静海 このは: いまは新鮮に感じる…
- 遊佐 葉月: それはよかった
- 静海 このは: (結局私って、狭い世界に 閉じこもってばかりなのよね)
- 静海 このは: (慣れた世界に安心して 外の世界に触れようとしない)
- 静海 このは: (もっと外の世界に 触れてみるべきなのかも…)
- 遊佐 葉月: 明日、休みだし ハイキング行ってみない?
- 静海 このは: ハイキング…?
- 遊佐 葉月: さっき木の実に 興味持ってたでしょ?
- 遊佐 葉月: 山ならいろんな植物が見られるよ
- 静海 このは: …植物に 興味があるわけじゃないけど
- 遊佐 葉月: まぁまぁ、とっかかりは大事だよ
- 335031-4
- こんにちは
- 遊佐 葉月: こんにちは
- 静海 このは: こ、こんにちは…
- 静海 このは: …ふぅ…
- 遊佐 葉月: まだ慣れない?
- 遊佐 葉月: 登山やハイキングだと すれ違った時の挨拶は基本だよ?
- 静海 このは: ハイキングなんて ほとんど来たことないもの…
- 静海 このは: 服装もこれでいいのか不安だし…
- 遊佐 葉月: 大丈夫、大丈夫! 軽いハイキングコースだから
- 遊佐 葉月: それより、普段触れることのない 自然を堪能してよ
- 静海 このは: …うん
- 遊佐 葉月: よしっ!
- 遊佐 葉月: ――っ!?
- 静海 このは: ん?
- 遊佐 葉月: きゃぁああっ!? 虫!でかい虫が肩にっ…!?
- 静海 このは: …ああ
- ポイッ
- 静海 このは: ほら、いなくなったわよ
- 遊佐 葉月: あ、ありがとう…
- 静海 このは: いつもはここまで 驚かないのに…
- 遊佐 葉月: ホントにね…
- 静海 このは: …?
- 遊佐 葉月: アレかな… アタシだってお姉ちゃんだし…
- 遊佐 葉月: あやめには、かっこ悪いとこ 見せたくないのかも…
- 静海 このは: …ふふっ、なるほどね 今日は、甘えてもいいわよ?
- 遊佐 葉月: …ぅ… からかわないでよ…
- 静海 このは: ふふふ…
- 遊佐 葉月: ほら、アタシのことはいいから ハイキング、楽しんでよ
- 静海 このは: はいはい
- 静海 このは: はぁ… 自然の中って気持ちいいのね…
- 遊佐 葉月: でしょ?
- 遊佐 葉月: これで虫がいなければ 最高なんだけど…
- 静海 このは: ふふっ
- 静海 このは: …あら?
- 遊佐 葉月: どうしたの?
- 静海 このは: 見たことない花が咲いてる
- 遊佐 葉月: ホントだ… アタシも初めて見る
- 静海 このは: 可愛いわね…
- 遊佐 葉月: 写真撮っておけば?
- 静海 このは: 写真? どうして?
- 遊佐 葉月: どうしてって… 気に入ったんでしょ?
- 遊佐 葉月: スマホのカメラで撮っておけば あとで見返せるよ
- 遊佐 葉月: お散歩の時に気になったものを 写真に撮る人もいるし
- 静海 このは: …お散歩しながら 写真を撮る…
- 静海 このは: なるほど… 趣味ってカンジがするわね
- 遊佐 葉月: でしょ? 撮ってみなよ
- 静海 このは: そうね
- パシャッ
- 静海 このは: …せっかくだし、ちゃんとした カメラを用意しようかしら
- 遊佐 葉月: いいじゃん 趣味ってカンジ!
- 静海 このは: いいものを買えば あやめの成長記録用にも…
- 静海 このは: あっ…
- 静海 このは: (また、やってしまった…)
- 静海 このは: (あやめ断ちするって 決めたんだから)
- 静海 このは: (なんでもあやめに 繋げないようにしないと…)
- 遊佐 葉月: あはは… 色々用途があるのはいいことだよ
- 静海 このは: 趣味用よ、趣味用…!
- 遊佐 葉月: わかってるって
- 静海 このは: これもあやめのため… 頑張らないといけないのよね…!
- 335032-1
- 三栗 あやめ: いただきます!
- 静海 このは: あっ、ちょっと待って!
- 静海 このは: 食べる前に 写真を撮っておきたいの
- 三栗 あやめ: えっ、今日も?
- 三栗 あやめ: 最近、このは ずっとカメラ持ってんね
- 遊佐 葉月: 楽しそうでいいでしょ?
- 三栗 あやめ: そーだね!
- パシャッ
- 三栗 あやめ: ん? いま、あちし撮った?
- 静海 このは: ――っ!?
- 静海 このは: (あっ… 笑顔が可愛かったからつい…)
- 三栗 あやめ: 撮るなら撮るって言ってよ! ポーズ決めるからさ
- 遊佐 葉月: はいはい あやめを撮るのは後にして
- 遊佐 葉月: 撮らないなら食べちゃうよ? 冷めちゃうし
- 静海 このは: ごめんなさい… もう1枚だけ…!
- パシャッ
- 静海 このは: …うん、きれいに撮れたわ
- 三栗 あやめ: じゃあ、改めて いただきまーす!
- 遊佐 葉月: いただきます
- 三栗 あやめ: ねぇねぇ、 ちょっと相談なんだけどさ
- 三栗 あやめ: 着替えの予備って必要だと思う?
- 静海 このは: 着替え…?
- 三栗 あやめ: フェリシアが『持ってけ』って やちよに言われたんだって
- 遊佐 葉月: ああ、合宿の準備のことか もう明日だもんね
- 静海 このは: (明日…)
- 遊佐 葉月: うーん… 1泊だしなくてもいいと思うよ
- 静海 このは: (いえ、必要でしょう…)
- 静海 このは: (もし、ケンカでもして 服を汚してしまったら…)
- 静海 このは: (って…ダメダメ…ここは あやめの自立のために我慢)
- 三栗 あやめ: このははどう思う?
- 静海 このは: (我慢…我慢…我慢よ…)
- 静海 このは: (せめて1着… できれば3着予備を…)
- 三栗 あやめ: …このは? おーい、このは?
- 静海 このは: (あやめに呼ばれている 幻聴まで聞こえてきた…)
- 静海 このは: (我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢 我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢)
- 三栗 あやめ: …ねぇ、葉月 このはなんか変だよ…
- 遊佐 葉月: …疲れて眠いのかもね
- 三栗 あやめ: えっ、これ寝てんの!? 寝てないよね!?ご飯中だよ?
- 遊佐 葉月: それより、やっぱり1着くらい 予備があってもいいかも
- 三栗 あやめ: そう…? じゃあ、後で入れとこっと
- 静海 このは: (写真のデータ整理に集中… データ整理に集中するのよ…)
- 遊佐 葉月: (このは… 頑張ってこらえてる)
- 遊佐 葉月: (でも、あやめを気にしてるの バレバレなんだよね…)
- 三栗 あやめ: マンガよし!ゲームよしっ! お菓子とおこづかいもよし!!
- 静海 このは: (遊ぶものばっかり…)
- 静海 このは: (夕食の時に話してた 着替えはちゃんと入れたの…?)
- 三栗 あやめ: …ん?このは? 何か用?
- 静海 このは: (ダメダメ… 干渉しないって決めたじゃない)
- 三栗 あやめ: …うーん …なんか変
- 三栗 あやめ: …………
- 三栗 あやめ: とりあえず、着替えも入れたし 準備は終わりだな
- 静海 このは: (あやめ…歯ブラシ 歯ブラシ入れてないわ…)
- 静海 このは: (床に置いたままになってる)
- 静海 このは: (でも、ここで私が言ったら あやめのためにならない…)
- 静海 このは: (自分で気付くのよ…!)
- 三栗 あやめ: ねぇ、このは
- 静海 このは: ――っ!?
- 静海 このは: ど、どうしたの?
- 三栗 あやめ: 最近なんか変だけど 大丈夫?
- 静海 このは: そんなことないと思うけど…
- 三栗 あやめ: そうかな…
- 三栗 あやめ: あちし、 いつものこのはが好きだよ
- 三栗 あやめ: だから、いつものこのはでいてね
- 静海 このは: (いつもの私が好き…)
- 三栗 あやめ: って、いっけねぇ 歯ブラシ落ちてるじゃん!
- ゴソゴソ…
- 三栗 あやめ: 今度こそよし!
- 三栗 あやめ: じゃあ、 このはも葉月もおやすみ!
- 遊佐 葉月: はーい、おやすみ
- 静海 このは: …ええ
- このは&葉月: …………
- 静海 このは: 嬉しいけど…ダメ… ダメなのよ…ダメ…よね…?
- 遊佐 葉月: (あやめは、干渉されることを 嫌がってないし)
- 遊佐 葉月: (このはは、あやめ離れに 苦しんでる…)
- 遊佐 葉月: (…距離感を覚えた方が ふたりのためだと思ったけど)
- 遊佐 葉月: (アタシが間違ってたのかな…)
- このは&葉月: …はぁ…
- 静海 このは: …………
- 静海 このは: (す、少しだけ…)
- 静海 このは: (あやめもいつもの私がいいって 言ってたし、少しだけ…!)
- 335032-2
- 三栗 あやめ: じゃあ、いってきまーす!
- 遊佐 葉月: かこちゃんのお家の人に 挨拶忘れないでね
- 三栗 あやめ: ダイジョーブ! お菓子もちゃんと持ったよ!
- 遊佐 葉月: よしっ! 気を付けていってらっしゃい
- 静海 このは: …いってらっしゃい
- 静海 このは: …………
- 静海 このは: …私も出かけて来るわ 今日も写真を撮らないと…
- 遊佐 葉月: ちょっと待って
- 静海 このは: …何?
- 遊佐 葉月: まさかと思うけど…
- 遊佐 葉月: あやめの 後を付けたりしないよね?
- 静海 このは: …………
- 静海 このは: …まさか
- 遊佐 葉月: いまの間は何?
- 静海 このは: お散歩しながら写真を撮るだけよ 最近の日課だから…
- 遊佐 葉月: ふーん… アタシも一緒に行ってもいい?
- 静海 このは: …ええ
- 三栗 あやめ: こんにちはー!
- こんにちは、あやめちゃん 今日も元気ね
- 三栗 あやめ: 今日は合宿だからね!
- 遊佐 葉月: ―葉月― …このは
- 静海 このは: ―このは― 偶然よ、偶然…
- 静海 このは: ―このは― 気の向くまま歩いていたら たまたまあやめがいただけ
- 遊佐 葉月: ―葉月― …………
- 三栗 あやめ: おっ、何だこれ? 牛っぽい石…?
- 三栗 あやめ: フェリシアに 自慢してやろーっと!
- 遊佐 葉月: ―葉月― …ねぇ
- 静海 このは: ―このは― こっちに 撮りたいものがあったのよ
- 遊佐 葉月: ―葉月― …その割に シャッター切ってないよね
- お嬢ちゃん
- 三栗 あやめ: …あちしのこと?
- 静海 このは: ――っ!?
- 静海 このは: ふ、不審者!!
- 遊佐 葉月: ちょっと待って まだわからないから…!
- 静海 このは: でも、 誘拐犯かもしれないわ…!
- 静海 このは: あやめは可愛いから 目をつけられても不思議じゃない
- 遊佐 葉月: 話が飛躍し過ぎだよ…!
- この指人形、落としてない?
- 三栗 あやめ: あっ、カコ!
- 三栗 あやめ: ありがとっ!
- 遊佐 葉月: ほら…心配し過ぎだって…
- 静海 このは: …いまのは早とちりだったけど わからないじゃない…
- 静海 このは: (それに…あやめだって いつもの私が好きって…)
- 静海 このは: (だから…少しだけ もう少し見守るだけ…)
- 静海 このは: さぁ、追いかけるわよ
- 遊佐 葉月: …やっぱり、 あやめの後つけてるじゃん…
- 335032-3
- 三栗 あやめ: あちしさぁ、さっき すんごいいいもの拾ったんだ
- 三栗 あやめ: 見たい?
- 夏目 かこ: すんごいいいもの…?
- フェリシア: とか言って… どーせ、またガラクタだろ?
- 三栗 あやめ: あっ、言ったな!
- 三栗 あやめ: もうフェリシアには 見せてやんねー!
- フェリシア: 別にガラクタに きょーみないからな
- 夏目 かこ: もう、ふたりとも 会ってすぐケンカしないで…
- 三栗 あやめ: ふっふーん! それよりかこ、この石見てよ
- 夏目 かこ: 石…?
- 夏目 かこ: わぁっ、牛さんみたい…! あやめちゃん、よく見つけたね
- 三栗 あやめ: でしょでしょ?
- フェリシア: う、牛!? オレも見たい!
- 三栗 あやめ: フェリシアは ガラクタには興味ねぇーんだろ?
- フェリシア: ぐっ… そ、そうだぞ…!
- 夏目 かこ: …でも あやめちゃん、本当は…
- 夏目 かこ: フェリシアちゃんに見せたくて 拾って来たんでしょう?
- 三栗 あやめ: …………まぁね…
- 夏目 かこ: フェリシアちゃんだって 本当は見たいんだよね?
- フェリシア: …オレが悪かったよ、ごめん 謝るから見せてくれ
- 三栗 あやめ: 仕方ないなぁ… ほら!
- フェリシア: うぉおおっ!! マジで牛だ!すげー!
- 三栗 あやめ: ふふーん! すんごいいいものでしょ?
- 夏目 かこ: ふふっ
- 静海 このは: …………楽しそうね…
- 静海 このは: (家にいる時とは また違った笑顔だわ…)
- 遊佐 葉月: そりゃあ、仲の良い友だちと 遊んでるんだからね
- 遊佐 葉月: 大丈夫そうだし そろそろ帰らない?
- 静海 このは: …………
- 静海 このは: (院長先生…私は… 先生にお世話係を頼まれて…)
- 静海 このは: (…わかってるわ)
- 静海 このは: (私は、あやめのお姉さんだけど 親じゃない…)
- 静海 このは: (心配し過ぎるのも 干渉し過ぎるのもよくない…)
- 静海 このは: (でも… 心配なものは心配なのよ…!)
- 三栗 あやめ: …ん?
- フェリシア: どうした?
- 三栗 あやめ: なんか…見られてる気がする…
- 夏目 かこ: えっ…!? 不審者だったらどうしよう…
- 遊佐 葉月: ――っ!?
- 遊佐 葉月: バレたかも…!
- 遊佐 葉月: もう行こう、このは!
- 静海 このは: …わかったわ…
- 静海 このは: …………
- 遊佐 葉月: …………
- 遊佐 葉月: あー、その… あんまり落ち込まないでよ
- 遊佐 葉月: あやめが友だちと うまくやってるのはいいことだし
- 静海 このは: …………
- 遊佐 葉月: …無理矢理引っ張ってきたのは アタシが悪かったけどさ…
- 静海 このは: 葉月
- 遊佐 葉月: はい…!
- 静海 このは: 私、今度こそ “あやめ断ち”をするわ!
- 遊佐 葉月: …………
- 遊佐 葉月: はっ…?
- 遊佐 葉月: えっ、ちょっと! どこ行くつもり!?
- 335032-4
- 静海 このは: 突然申し訳ありません…
- 静海 このは: 修行をさせて いただきたいのですが…!
- 水徳寺の住職: …う、うむ? 修行ですかな…?
- 静海 このは: はい!
- 水徳寺の住職: …若いお嬢さんが珍しいのぅ
- 水徳寺の住職: 仏門に入りたいということで よろしいか?
- 静海 このは: いえ… あやめ断ちをしたいんです…!
- 水徳寺の住職: あやめ…なんですと?
- 遊佐 葉月: ――っ!?
- 遊佐 葉月: (な、何やってんのぉー!?)
- 静海 このは: 煩悩を消したいんです…!
- 静海 このは: 私、あやめ…妹のやることに 干渉し過ぎてしまうんです…
- 静海 このは: いつも、妹のことが 気になってしまって…
- 静海 このは: このままだとその子のためにも ならないんじゃないかって思って
- 静海 このは: だから、修行をしてあやめ… 妹断ちをしたいんです…!
- 水徳寺の住職: …ふむ
- 静海 このは: お願いします…!
- 遊佐 葉月: ちょ、ちょっとこのは! いきなり何やってんの!
- 静海 このは: だって、もうこれしかないわ!
- 遊佐 葉月: いや、突拍子がなさすぎるよ…!
- 遊佐 葉月: それに迷惑だから!
- 遊佐 葉月: (アタシのせいかな…?)
- 遊佐 葉月: (このはが、あやめのことを 心配するのは仕方ないこと…)
- 遊佐 葉月: (なのに、アタシが 干渉し過ぎるなって…)
- 遊佐 葉月: (無理にやめさせようとして 苦しめたから…)
- 遊佐 葉月: (こんなことに…!)
- 遊佐 葉月: 住職さん… 申し訳ありません
- 遊佐 葉月: ちゃんと説得して 連れて帰りますので…!
- 水徳寺の住職: …………
- 水徳寺の住職: いや、 これも仏の縁というもの…
- 水徳寺の住職: 普段はやっておらんのだが…
- 水徳寺の住職: 体験という形で 坐禅でも組んでみますか?
- 遊佐 葉月: …えっ、いいんですか?
- 水徳寺の住職: 頼っていただいたのに 無下にもできますまい
- 静海 このは: ぜひ、お願いします!
- 水徳寺の住職: ははっ、熱心でよろしい
- 水徳寺の住職: お嬢さんはどうなさいますかな?
- 遊佐 葉月: アタシは…
- 水徳寺の住職: 心に迷いがあるなら…
- 水徳寺の住職: 自分を見つめ直す機会にも なりましょう
- 遊佐 葉月: …………
- 遊佐 葉月: よろしくお願いします…
- 水徳寺の住職: うむ…
- 遊佐 葉月: うーん…これでいい …はずなんだけどなぁ…
- 335033-1
- 静海 このは: …………
- 遊佐 葉月: …………
- 静海 このは: ………… …………
- 静海 このは: ………… …………
- 静海 このは: ………… …………
- 静海 このは: (ダメよ…あやめのことばかり… 思い浮かべないようにしなきゃ)
- スッ…
- 静海 このは: (あっ…警策…)
- パシーーーン…
- スッ…
- 静海 このは: …………
- 遊佐 葉月: ………… …………
- 静海 このは: (葉月はずっと集中してる…)
- 静海 このは: (葉月も私も 育ってきた環境は同じ…)
- 静海 このは: (なのに、どうして私ばかり こんなに心配症なのかしら…)
- 静海 このは: (…また雑念が…)
- 水徳寺の住職: 坐禅を組む中で 様々な思いが浮かぶでしょう
- 静海 このは: それを消せばいいんですね?
- 水徳寺の住職: いえいえ…
- 水徳寺の住職: 浮かぶものを消そうとするのも また無心とは言えぬこと…
- 水徳寺の住職: 浮かぶものは浮かぶままに なさるがよろしい
- 水徳寺の住職: 身と息が整えば おのずと心も整うものです
- 静海 このは: …?
- 静海 このは: (浮かぶものは浮かぶまま…)
- 静海 このは: …あやめ
- 静海 このは: 葉月…
- 静海 このは: ふたりとも 私の大切な家族…
- 静海 このは: つつじの家で出会って姉妹になった 血は繋がらなくても それ以上のもので繋がっている私の妹たち…
- 静海 このは: 互いを頼りに生きてきた 家族で仲間…
- 静海 このは: それは確かなこと…
- 静海 このは: それは葉月もあやめも同じはず…
- 静海 このは: 同じはずなのに… 自分でもどうしてここまで 心配してしまうのかわからない…
- 静海 このは: 家族なんだから当たり前… そう片付けてしまいたいけど… きっとそれだけじゃない…
- 静海 このは: その奥に まだ私自身が自覚していない理由がある そんな気がしている…
- 静海 このは: …突然押しかけたのに ありがとうございました
- 水徳寺の住職: なんのなんの、 助けになったのなら何よりじゃ
- 静海 このは: あの、ご迷惑でなければ お礼をしたいのですが…
- 静海 このは: えっと…お掃除とか
- 遊佐 葉月: あっ、アタシも…
- 水徳寺の住職: それはありがたい お願いしましょうかな
- サッサッ…
- 遊佐 葉月: ねぇ、このは…
- 遊佐 葉月: アタシ、坐禅を体験して 思ったんだけど…
- 遊佐 葉月: やっぱり、家族を心配するのって 普通のことだよね…
- 静海 このは: …………
- 遊佐 葉月: だからさ…いままで通りの このはでいてよ…
- 遊佐 葉月: アタシが間違ってた …ごめん
- 静海 このは: 謝る必要はないわ…
- 静海 このは: 私も坐禅を体験させてもらって 思ったの…
- 静海 このは: やっぱり私は… 心配し過ぎなんだって…
- 遊佐 葉月: …でも…
- 静海 このは: …………
- 遊佐 葉月: …………
- うぅ…ぐすっ… お父さん…お母さん…
- 静海 このは: …ん?
- 遊佐 葉月: …納骨に来たみたいだね
- 静海 このは: …………
- 「社長に続いて 奥さんまで亡くなってしまうなんてなぁ…」
- 「あの子どうするのよ… 引き取ってくれる親族もいないんでしょ?」
- 「社長の娘とはいえ… 元社員が面倒を見る義理はないだろ 施設に行くんだろうな」
- 静海 このは: 『お前が生まれるまでは 何もかもが上手くいっていた』 それが死んだ父の口癖だった…
- 静海 このは: 温かな家庭ではなかった…と思う 恵まれた環境かと聞かれたら頷けない
- 静海 このは: それでも私を生んだ父と母は 家族だった…
- 静海 このは: 頼っていい存在… 私が居ていい場所だった
- 院長: あなたが静海このはさんね! ようこそ、つつじの家へ!
- 静海 このは: 引き取られた先で 私は家族の温かさを知った
- 静海 このは: その大切な場所も… もう戻れないところになってしまった
- 静海 このは: 温かさを教えてくれた人ももういない
- 静海 このは: 私の家族… そして居場所は…
- 静海 このは: …………
- 静海 このは: (そっか…そうね… 簡単なことだったわ…)
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- 静海 このは: (そっか…そうね… 簡単なことだったわ…)
- 静海 このは: (私は… 居場所を失うのが怖かった)
- 静海 このは: (またひとりになってしまうのが 怖かった…)
- 静海 このは: (だから、家族に… 葉月とあやめにしがみついた)
- 静海 このは: (あの子たちが いなくなってしまわないように)
- 静海 このは: (私から離れて いってしまわないように…)
- 静海 このは: (私には… ふたりしかいないから…)
- 静海 このは: (でも…)
- フェリシア: うぉおおっ!! マジで牛だ!すげー!
- 三栗 あやめ: ふふーん! すんごいいいものでしょ?
- 夏目 かこ: ふふっ
- 静海 このは: (ふたりは違う)
- 静海 このは: (外で友人を作って 家族以外の居場所も見つけた…)
- 静海 このは: (怖いからって)
- 静海 このは: (もう、家族だけに しがみついてはいられないのね)
- 静海 このは: (私のためにも… 何よりふたりのためにも…)
- 静海 このは: …このは、大丈夫 ええ、大丈夫よ…
- 静海 このは: (いまこそ… 自分を変えないといけない)
- 静海 このは: ねぇ、葉月
- 静海 このは: やっぱり、私… あやめに干渉するのはやめるわ
- 遊佐 葉月: …………
- 静海 このは: …喜んでくれないの?
- 遊佐 葉月: …そんなことないよ
- 静海 このは: じゃあ、応援しててね
- 遊佐 葉月: …うん
- 静海 このは: さて、お掃除終わったって 住職さんに報告しましょう
- 遊佐 葉月: …………
- 遊佐 葉月: アタシも気付いたんだよ
- 遊佐 葉月: アタシは心配性なこのはに 安心してたんだ…
- 遊佐 葉月: 血の繋がらないアタシたち姉妹を繋ぐものは 共有してきた時間、経験… そして、互いを想う心…
- 遊佐 葉月: このはの心配性は 世間一般から見れば少し行き過ぎている
- 遊佐 葉月: でも、このはが変わろうとして 気付いてしまった
- 遊佐 葉月: “干渉し過ぎだ”って言いながら アタシは、そこにアタシたちの絆を見ていた
- 遊佐 葉月: “家族なんだから心配するのは当たり前”
- 遊佐 葉月: アタシはこのはが心配してくれることに 甘えて安心していたんだ…
- 遊佐 葉月: それが…その心配こそが 3人が家族である証だから…
- 遊佐 葉月: でも、今更…言えないよね…
- このは&葉月: ただいま…
- 三栗 あやめ: あっ、おかえり!
- 静海 このは: えっ…!? あやめ!?
- 遊佐 葉月: …合宿じゃなかったの?
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- このは&葉月: ただいま…
- 三栗 あやめ: あっ、おかえり!
- 静海 このは: えっ…!? あやめ!?
- 遊佐 葉月: …合宿じゃなかったの?
- 三栗 あやめ: 合宿だよ
- 三栗 あやめ: でも、その前に 忘れてたことがあってさ
- 静海 このは: …忘れものがあったの?
- 三栗 あやめ: そっ! はいコレ!
- 静海 このは: …コレは
- 遊佐 葉月: 指人形?
- 三栗 あやめ: うん! アヤメだよ
- 三栗 あやめ: 寂しかったら コイツをあちしだと思ってね!
- このは&葉月: …………
- 静海 このは: (あやめ…)
- 静海 このは: (周りの人に気を配れるし 自分で自分のことを決められる)
- 静海 このは: (ずっと私たちが支えてきたと 思ってたけど…)
- 静海 このは: (もう必要ないのね…)
- 静海 このは: ありがとう…
- 三栗 あやめ: えっ!? このは、いつもと違くない!?
- 静海 このは: そ、そう…?
- 三栗 あやめ: うん、最近変だよ
- 静海 このは: そんなことないわ…
- 三栗 あやめ: …あちし、かこん家に もう行くけど大丈夫?
- 静海 このは: …ええ
- 静海 このは: (我慢…我慢よ…)
- 三栗 あやめ: じゃあ、いってくるね
- 静海 このは: いってらっしゃい 気を付けてね…
- 静海 このは: ご飯の時に、ケンカして
- 静海 このは: かこさんたちに 迷惑かけないようにするのよ
- 静海 このは: それと…あっ
- 静海 このは: (つい、また…)
- 三栗 あやめ: それと?
- 静海 このは: …寝る前に歯を磨くこと 夜更かしもし過ぎないで
- 静海 このは: まくら投げとかして 暴れるのもダメよ
- 静海 このは: 朝はちゃんと起きて お布団はちゃんとたたむこと
- 静海 このは: それから…
- 三栗 あやめ: あははっ! やっといつもこのはだ!
- 静海 このは: …………
- 遊佐 葉月: あはは… 元通りだね
- 遊佐 葉月: うん…元のこのはだ…
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- 静海 このは: ご迷惑おかけしますが どうぞよろしくお願いします
- 遊佐 葉月: よろしくお願いします
- かこの父: こちらこそ 責任を持ってお預かりします
- フェリシア: こういうの過保護 っていうんだろ?
- 三栗 あやめ: 悪いかよっ!
- フェリシア: 悪いとは言ってねぇーだろ!
- 夏目 かこ: もうっ…
- 夏目 かこ: でも、やちよさんからも お電話あったって聞いたよ
- フェリシア: げっ、マジかよ…
- 三栗 あやめ: フェリシアんとこも 過保護じゃん!
- フェリシア: あー!うるせー!!
- 遊佐 葉月: じゃあね、あやめ アタシたちは帰るから楽しんで
- 静海 このは: 楽しむのはいいけど… 羽目を外したらダメよ
- 三栗 あやめ: わかってるって! じゃーねっ!
- 遊佐 葉月: かこちゃんの家まで付いてくとか アタシも過保護かなぁ…
- 静海 このは: そうね… 私も葉月も過保護かも…
- 遊佐 葉月: まぁ、悪いことではない …っていまは思うよ
- 静海 このは: …………
- 静海 このは: でもね、ずっと同じでは いられないこともわかったわ
- 遊佐 葉月: えっ…?
- 静海 このは: 私たちはこれから どんどん大人になっていく…
- 静海 このは: 子どものままじゃないの
- 遊佐 葉月: …そうだね
- 静海 このは: それって…
- 静海 このは: 自分の意志で“どうしたいか”を 決められるってことなんだと思う
- 遊佐 葉月: …………
- 静海 このは: 自分のことは自分で対処できる 年齢になってしまったのね…
- 静海 このは: 葉月も…あやめも
- 遊佐 葉月: …うん
- 静海 このは: だからね ふたりの世話係は卒業
- 遊佐 葉月: …そっか
- 遊佐 葉月: …………うん
- 静海 このは: どうしたの?
- 遊佐 葉月: 嬉しいんだけどさ…
- 遊佐 葉月: でも、やっぱり寂しいかも…
- 遊佐 葉月: あはは… アタシってワガママだね
- 遊佐 葉月: 自分でもちょっと意外…
- 静海 このは: いいわよ 甘えても
- 遊佐 葉月: えっ…
- 静海 このは: お世話係は卒業だけど 家族なのは変わらないわ
- 静海 このは: 私はずっとふたりの… 葉月たちのお姉さんだから
- 静海 このは: 甘えたい時は甘えなさい
- 遊佐 葉月: …………はぁ… お姉ちゃんには敵わないなぁ…
- 静海 このは: ふふふ
- 遊佐 葉月: このは、 いつもありがとう
- 遊佐 葉月: それと… これからもよろしく
- 静海 このは: うん
- 静海 このは: 葉月とあやめは、 私が最後まで守り抜くわ…!
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