Vi_Vi

Mifuyu (Fairy Tale ver.) MSS JP text

Dec 12th, 2022
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  1. FILENAME: text_311061-1.txt
  2. うい: あっ、始まるよ!
  3. 「秘密のヒロイン・ミミカル☆ミミコ! ホントは小学生だけど 変身すると大人のお姉さんになっちゃうの!」
  4. 「でも、このことは 誰にも言えない秘密なんだ!」
  5. みふゆ: お邪魔します
  6. みふゆ: …あら? ドラマを見てるんですか?
  7. やちよ: いらっしゃい
  8. やちよ: ドラマと言っても子ども向けの 変身ヒロインものだけどね
  9. フェリシア: オマエ、こういうのが 好きだったんだろ?
  10. みふゆ: やっちゃんから聞いたんですか?
  11. フェリシア: おう!
  12. フェリシア: だからさ、どんなもんか 見てやろーと思って!
  13. いろは: もう…見てやろうっていう 言い方はよくないよ
  14. うい: でも、みふゆさんが 好きだったものを知りたい
  15. うい: っていうのは本当だよね
  16. レナ: レナはこーゆー子どもっぽいのは 卒業したんだけど
  17. レナ: みんなが見てるから仕方なく…
  18. かえで: えぇ…? 結構ノリノリだったよ?
  19. レナ: はぁっ!? 適当なこと言わないで!
  20. さな: あの… テレビの音が聞こえません…
  21. ももこ: ごめんね、さなちゃん
  22. ももこ: ほら、レナもかえでも あんまり、うるさくするなよ…
  23. かえで: ふゆぅ…ごめんなさい
  24. レナ: ふんっ
  25. 鶴乃: まぁまぁ みんなで仲良く続きを見ようよ!
  26. 鶴乃: みふゆも一緒にさ!
  27. みふゆ: あ、そうですね せっかくですしご一緒します
  28. さな: あ、もう終わっちゃった…
  29. うい: 面白かったね!
  30. レナ: まぁ、悪くはなかったわね
  31. フェリシア: 面白くはあったけど…
  32. フェリシア: オレはデカゴンボールの方が やっぱ好きだな!
  33. いろは: 懐かしかったですか?
  34. みふゆ: うーん… 雰囲気は懐かしいですね
  35. みふゆ: でも、ワタシたちの頃は ミミコちゃんではなかったので
  36. やちよ: 私たちが小学生だった頃は 内緒のヒロインだったかしら…?
  37. みふゆ: “内緒のヒロイン ティピカル☆ティーナ”ですね
  38. みふゆ: よくマネしていました
  39. やちよ: えっ、まさかあの家で…? 怒られたんじゃない?
  40. いろは: そういえば、みふゆさんのお家 って厳しいんでしたね…
  41. みふゆ: …はい
  42. みふゆ: なので、魔法少女になった頃は
  43. みふゆ: 願いで得た自分の魔法で 自分に暗示をかけて
  44. みふゆ: 夢の世界で 憧れの自分に変身していたんです
  45. みふゆ: …………ふぅ…
  46. みふゆ: …世の悪を正すため
  47. みふゆ: 内緒のヒロイン マジカル☆みふゆ!
  48. みふゆ: 参上です!
  49.  
  50. FILENAME: text_311061-2.txt
  51. みふゆ: …………ふぅ…
  52. みふゆ: …世の悪を正すため
  53. みふゆ: 内緒のヒロイン マジカル☆みふゆ!
  54. みふゆ: 参上です!
  55. みふゆ: …………
  56. みふゆ: わぁ!すごいです! 大人の姿になっちゃいました!
  57. みふゆ: うふふっ… これが夢の世界…
  58. みふゆ: ワタシだけの 自由な世界なんですね!
  59. みふゆ: 『魔法少女になったばかりの頃… お母様に怒られずに好きなことが 好きなだけできる夢の世界は ワタシにとって楽園だったんです』
  60. みふゆ: 『ちょっとだけ見たことがあった ティーナちゃんを 想像で補ってマネしてみたり』
  61. みふゆちゃん 今日の放課後、一緒に遊ぼう
  62. みふゆ: ワタシとですか?
  63. だってみふゆちゃんがいると すごく楽しいんだもん!
  64. みふゆ: そう言ってもらえると すごく嬉しいです…
  65. …あっ、でも 毎日お稽古があるんだっけ…?
  66. みふゆ: 今週からは大丈夫ですよ
  67. みふゆ: 前回の発表会で先生に とても褒めてもらえたので
  68. みふゆ: ご褒美として お稽古の時間が減ったんです
  69. すごーい! さすがみふゆちゃんだね!
  70. みふゆ: 『学校では みんなに頼りにされる人気者になったり…』
  71. みふゆ: 『小学生だったワタシが思いつくかぎりの “楽しくて素敵な日常”を詰め込みました』
  72. みふゆ: でも、それはいつまでも 続かなかったんです…
  73. いろは: どうしてですか…?
  74. みふゆ: 理由はいくつもあるんですが…
  75. みふゆ: ひとつずつ 順番に話していきましょうか
  76. 楽しいね、みふゆちゃん!
  77. みふゆ: はい、とっても楽しいです…!
  78. 次は何して遊ぶ?
  79. みふゆ: 次ですか…?
  80. みふゆ: えっと…
  81. みふゆ: (ブランコには もうたくさん乗ったし)
  82. みふゆ: (シーソーも 飽きちゃったから…)
  83. みふゆ: (でも、砂場は 遊び方がよくわからなくて)
  84. みふゆ: (うーん…普通の子は どんな遊びをするんでしょう?)
  85. みふゆ: 『“楽しくて素敵なこと”は すぐに底をついてしまったんです』
  86. みふゆ: 『だって、自由のない生活をしているワタシは 世間で流行っているものを なんとなく知っているだけで 具体的なことは知りませんでしたから…』
  87. みふゆ: 同じことを繰り返しても つまらないんですね…
  88.  
  89. FILENAME: text_311061-3.txt
  90. みふゆ: 『夢の世界に 退屈さを覚えてきたある日…』
  91. みふゆの母: みふゆ
  92. みふゆ: …はい
  93. みふゆの母: 梓家の子女としての自覚を 持ちなさいと
  94. みふゆの母: 何度言われれば 理解できるのですか?
  95. みふゆ: 申し訳ありません、お母様…
  96. みふゆ: 『お稽古で失敗をしてしまい お母様に折檻されました』
  97. みふゆ: 『いつものことではあったのですが 何度経験しても 慣れることはありませんでしたね…』
  98. みふゆの母: はぁ…
  99. みふゆの母: 明日の朝まで 部屋で反省してきなさい
  100. みふゆ: …はい
  101. みふゆ: …………ぐす… うぅ…ぐすぐす…
  102. みふゆ: (お腹もすいちゃった…)
  103. みふゆ: 『誰かに慰めてもらえることもなく 悲しいままひとり泣くことしかできなかった ワタシは、夢の世界に逃げました』
  104. みふゆ: (…あ、これは 華道のお稽古で失敗したとき…)
  105. みふゆ: (夢でも 怒られてしまうんでしょうか?)
  106. みふゆ: (それは…嫌です)
  107. 梓さん
  108. みふゆ: …はい
  109. 素晴らしい作品ですね
  110. みふゆ: えっ…
  111. みふゆ: (同じ作品なのに…?)
  112. みふゆの母: みふゆ
  113. みふゆ: …はい
  114. みふゆの母: 華道の先生に褒められたそうね お母様もとても誇らしいわ
  115. みふゆ: …………
  116. みふゆの母: 今日のお夕飯は みふゆの好きなものにしましょう
  117. みふゆの母: 何がいいですか?
  118. みふゆ: え、えっと…
  119. みふゆの母: なんでもかまいませんよ
  120. みふゆ: ハ、ハンバーグが 食べてみたいです…
  121. みふゆ: (現実でこんなことを言ったら 怒られるけど…)
  122. みふゆの母: わかりました では、一緒に作りましょう
  123. みふゆ: は、はい…!
  124. みふゆ: 『このことがきっかけで ワタシが見る夢は変わりました』
  125. みふゆ: 『これまでは “楽しいこと”を詰め込んだものでしたが…』
  126. みふゆ: 『ここからは “現実の嫌なことを解決できる” 理想の自分を演じるようになったんです』
  127. ~♪~♪
  128. また同じところを 間違えていますよ
  129. みふゆ: も、申し訳ありません…
  130. ~♪~♪~♪
  131. 完璧ですね 次の曲に移りましょう
  132. みふゆ: はい!
  133. この問題、 わかる人はいませんか?
  134. …………
  135. 少し難しかったみたいですね この問題の解き方は…
  136. この問題、 わかる人はいませんか?
  137. みふゆ: はい!
  138. さすがみふゆちゃん! こんな難しい問題解けちゃうんだ
  139. みふゆ: うぅ…やっぱり怖い… こんなの無理です…
  140. みふゆ: 悪い敵さんは マジカル☆みふゆが許しません
  141. みふゆ: お母様に代わって折檻します!
  142. みふゆ: えいっ!
  143. みふゆ: 反省してくださいね!
  144. みふゆ: 『昼はなんでもできるスーパー小学生 夜は人知れず人々を守る変身ヒロイン …そんな自分を演じていました』
  145.  
  146. FILENAME: text_311061-4.txt
  147. みふゆ: 『少し戻って…』
  148. みふゆ: 『やっちゃんと出会った直後のことも 話しておきましょうか』
  149. やちよ: 「でも」「だって」 「私には無理」?
  150. やちよ: そうやって都合よく 逃げられるなんて羨ましい
  151. みふゆ: あなたに 何がわかるんですか…!?
  152. やちよ: あなたみたいな泣き虫のこと なんてわかるわけないでしょ!
  153. みふゆ: ……………っ
  154. みふゆ: 『初めての魔女退治のとき 偶然やっちゃんと出会ったのですが すぐに仲良くなれたわけではなかったんです』
  155. みふゆ: 『やっちゃんは、泣いてばかりのワタシに 呆れちゃったんですよね…』
  156. やちよ: 「…あの頃は私も余裕がなかったから 今思えば大人げないわね」
  157. みふゆ: 『ふふ、お互い様ですね』
  158. みふゆ: 『なので、当時のワタシは やっちゃんも夢に登場させました』
  159. みふゆ: 大丈夫ですよ 落ち着いて戦いましょう
  160. やちよ: …う、うん
  161. みふゆ: 緊張しないで
  162. みふゆ: あなたにはマジカル☆みふゆが ついていますから
  163. みふゆ: さぁ、一緒に…!
  164. みふゆ&やちよ: やぁ!
  165. やちよ: す、すごい! 私でも倒せた!
  166. みふゆ: ねっ? 大丈夫だって言ったでしょ?
  167. やちよ: うん! ありがとう、お姉さん
  168. やちよ: これからも一緒に戦ってくれる?
  169. みふゆ: もちろんです!
  170. みふゆ: マジカル☆みふゆは 困っている人の味方ですから!
  171. かえで: …想像のやちよさん なんていうか、凄い違和感…
  172. みふゆ: 当時はやっちゃんの
  173. みふゆ: 名前すら知らなかったので 想像で補っていたんです…
  174. レナ: わ、笑っちゃ… 悪い…わよね…コ、コホン…
  175. やちよ: 無理にこらえるくらいなら 笑ってくれた方がマシよ
  176. やちよ: 昔、その話を聞いたときは 私も怒るより笑っちゃったし
  177. フェリシア: あはははっ!
  178. やちよ: でも、フェリシアは笑い過ぎ
  179. フェリシア: だ、だってよっ! ゴホゴホッ…!
  180. やちよ: むせるほど笑わなくたって いいじゃない!
  181. フェリシア: だって、全然ちげーし!
  182. みふゆ: あの時、仲良くなれなかった 魔法少女の子と仲良くなって
  183. みふゆ: 頼られる存在になるっていう 設定だったので…
  184. ももこ: つまり、その夢は みふゆさんの理想だったんだな
  185. みふゆ: はい
  186. みふゆ: 小学生だった頃のワタシにとって 自由な夢の世界は理想でした
  187. みふゆ: そして、大人になったら 自然とそうなれる
  188. みふゆ: …って思っていた 未来の姿でもあったんです
  189. 鶴乃: 理想であり、なれるはずの自分 まさに“夢”だね!
  190. みふゆ: そうですね まさに“夢”でした
  191. レナ: なんかいいわね… なりたい自分があるって…
  192. レナ: レナはそういうの 思い描けないし…
  193. フェリシア: えっ!
  194. フェリシア: デカゴンボールの世界に 飛び込んだりしないのか!?
  195. レナ: アンタのそれは ちょっと違うと思うけど
  196. フェリシア: でも、自由に 夢を見られるってことは
  197. フェリシア: マンガの世界だって 再現できるってことだろ?
  198. フェリシア: オレだったら、デカゴンボールの 世界で冒険するぞ!
  199. いろは: うーん、そういうのも ある意味では理想なのかな…?
  200. みふゆ: ふふ、そうですね
  201. みふゆ: 自由な発想で望むものを見るって 意味ではあっていると思います
  202. フェリシア: じゃあ、みふゆも たくさん冒険したんだな!
  203. みふゆ: …いえ、自分を慰めるための 夢を見ていたのは最初の頃だけで
  204. みふゆ: 今は、自分を慰めるための夢は 見ていないんです
  205. みふゆ: ふふ、夢の中でなら どんなヒロインにもなれる…
  206. みふゆ: 夢は自由ですから
  207.  
  208. FILENAME: text_311062-1.txt
  209. みふゆ: マジカル☆みふゆ 新しい衣装でばっちり解決です!
  210. 私のワンちゃん、 見つけてくれてありがとう!
  211. みふゆ: いえいえ、困ったことがあったら いつでも呼んでくださいね!
  212. みふゆ: (現実では、 お手伝いすらできなかったけど)
  213. みふゆ: (夢の世界のワタシなら)
  214. みふゆ: (どんなことだって 解決できるんです!)
  215. みふゆ: 『辛い現実から逃れるように なんでもできる“理想の自分”を 夢の中で演じていた小学生のワタシ』
  216. みふゆの母: さすがはみふゆですね あなたは自慢の娘よ
  217. みふゆ: ありがとうございます、お母様!
  218. みふゆ: 『現実であった嫌なことを解決して お母様に怒られることなく たくさん褒められる存在になることで 自分を慰めていました』
  219. みふゆ: 『でも… それも長くは続かなかったんです』
  220. みふゆ: 『きっかけは…』
  221. みふゆ: 『現実でも やっちゃんと仲良くなったことでした』
  222. みふゆ: …はぁはぁ
  223. やちよ: 大丈夫?
  224. みふゆ: は、はい… やっちゃんが助けてくれたので…
  225. みふゆ: それより…足を引っ張って しまってごめんなさい
  226. みふゆ: ワタシがちゃんと 魔女に攻撃できていれば
  227. みふゆ: もっと早く倒せたのに…
  228. やちよ: …ふたりとも大きなケガが なかったんだから
  229. やちよ: 悪い結果じゃないんじゃないかな
  230. みふゆ: でも…
  231. やちよ: ほら、立って
  232. やちよ: くよくよしてても しかたないよ
  233. みふゆ: …はい
  234. みふゆ: 『やっちゃんと仲良くなれたことは とても嬉しかったんです』
  235. みふゆ: 『でも、同時に 夢の中では“理想”のワタシが やっちゃんを助けてあげられるのに』
  236. みふゆ: 『情けない“本当”のワタシは やっちゃんに助けられてばかりだという 現実を自覚していくことにも繋がりました』
  237. みふゆ: …………
  238. やちよ: みふゆ? どうしたの?
  239. みふゆ: い、いえ…! 帰りましょう…!
  240. みふゆ: (どうして現実のワタシは こんな風なんでしょう…?)
  241. みふゆ: (本当はもっとやっちゃんに 頼りにされたいのに…)
  242. みふゆ: (夢ならもっと…)
  243. みふゆ: やりましたね! ワタシたちの完璧な勝利です!
  244. やちよ: 私とみふゆが組めば どんな敵だって怖くないわ!
  245. みふゆ: (…夢なら頼りになる ワタシでいられるのに…)
  246. みふゆ: さぁ、やっちゃん! 次の敵を…
  247. みふゆ: あ、あれ…? 力が入らない?
  248. やちよ: 張り切り過ぎたみたいね
  249. やちよ: ほら、立って
  250. やちよ: 今日はもう帰って休みましょう?
  251. みふゆ: …………
  252. みふゆ: 『こんな風に現実とリンクして ちょっとずつ夢でも やっちゃんに助けられることが 増えていったんです』
  253.  
  254. FILENAME: text_311062-2.txt
  255. やちよの祖母: あら、ふたりで 一緒に宿題をしているの?
  256. やちよ: うん その方が早く終わるから
  257. みふゆ: 遊ぶ時間を増やして 駄菓子屋さんに行きたいんです
  258. やちよ: …という割には、 手が止まってるけど
  259. みふゆ: うっ… ここの計算がわからなくて…
  260. やちよ: 算数の宿題? 見せて
  261. みふゆ: …これです わかりますか?
  262. やちよ: えっと…
  263. やちよ: あ、ここの分母 入れ替えてないんじゃない?
  264. みふゆ: えっと…あ、なるほど…
  265. やちよの祖母: あら、ふたりで 一緒に宿題をしているの?
  266. やちよ: うん その方が早く終わるから
  267. みふゆ: 遊ぶ時間を増やして 駄菓子屋さんに行きたいんです
  268. やちよ: …という割には、 手が止まってるけど
  269. みふゆ: (あれ…? これ現実とまったく同じ…)
  270. やちよ: …ああ、ここの計算が わからないのね
  271. やちよ: 手伝う?
  272. みふゆ: はい、お願いします
  273. みふゆ: (…夢でもやっちゃんは ワタシを助けてくれる…)
  274. みふゆ: (やっちゃんや やっちゃんのおばあちゃんは)
  275. みふゆ: (現実と同じでも嫌じゃない)
  276. みふゆ: (ワタシがやっちゃんを 助けるんじゃなくて)
  277. みふゆ: (こうやって助けてもらうのも 嫌じゃないです…)
  278. みふゆ: (嫌じゃないけど…)
  279. みふゆ: このときのワタシが 思い出したのは…
  280. みふゆ: かつてワタシが 想像で補って見ていた
  281. みふゆ: “理想を詰め込んだ夢”でした
  282. やちよ: す、すごい! 私でも倒せた!
  283. みふゆ: ねっ? 大丈夫だって言ったでしょ?
  284. やちよ: うん! ありがとう、お姉さん
  285. やちよ: これからも一緒に戦ってくれる?
  286. みふゆ: もちろんです!
  287. みふゆ: マジカル☆みふゆは 困っている人の味方ですから!
  288. みふゆ: 夢が現実に近づいてきたことで 耐えられなくなったんです
  289. みふゆ: 自分が救われたいがために
  290. みふゆ: 友だちを利用しているような 気がして…
  291. やちよ: たしか、私は気にしないって 話した覚えがあるんだけど…
  292. みふゆ: 間違ってませんよ
  293. みふゆ: あの時はワタシも 気持ちが軽くなりましたから
  294. みふゆ: ただ、それでも拭えない罪悪感を あの頃のワタシは覚えていた
  295. みふゆ: それは、事実なんです…
  296. レナ: …ちょっとわかるかも
  297. レナ: レナも、初めてかえでと 会った時のことを思い出すと
  298. レナ: 自分で自分が嫌になるし…
  299. かえで: レナちゃん、 最初私のこと嫌いだったもんね
  300. レナ: …………ふんっ…
  301. かえで: でも、気にしてないよ
  302. かえで: レナちゃんの嫌いは好きって 意味だから
  303. レナ: はっ!? 勝手なことを言わないでよ!
  304. ももこ: …話が脱線してるぞー
  305. レナ: と、ともかくレナが言いたいのは
  306. レナ: 自分の理想を誰かに 押しつけるのは違うって
  307. レナ: 後から気づいちゃって
  308. レナ: 自分が嫌になる気持ちなら わかるってこと…
  309. みふゆ: 当時のワタシは まさにそれでしたね
  310. みふゆ: 自分の見てきた理想の夢が とても悪いものに思えたんです
  311. みふゆ: そして、 自分の間違いに気づいたときから
  312. みふゆ: ワタシの夢には
  313. みふゆ: 実在する人たちが 登場しなくなっていったんです
  314.  
  315. FILENAME: text_311062-3.txt
  316. みふゆ: ワタシの夢には
  317. みふゆ: 実在する人たちが 登場しなくなっていったんです
  318. みふゆ: …あのやっちゃんはいますか?
  319. やちよの祖母: やちよなら 今日は撮影に行っているわ
  320. みふゆ: 『最初に登場しなくなったのは やっちゃんでした』
  321. みふゆ: 『だって、やっちゃんは ワタシにとって初めてできた友だち…親友で 一番の理解者でしたから』
  322. みふゆ: 『それから…』
  323. みふゆ: あの、おばあちゃんは…?
  324. お買い物にでかけたよ
  325. みふゆ: 『やっちゃんのおばあちゃん』
  326. みふゆ: …誰も、いないんですか?
  327. みふゆ: 『みかづき荘に 下宿していたお姉さんたち』
  328. みふゆ: あ、あれ…? 今日は人が少ないですね…
  329. みふゆ: 『学校で ちょっと仲が良かった友だち』
  330. みふゆ: 今日も自習…?
  331. みふゆ: 『お稽古の先生より ずっと優しくしてくれた学校の先生たち…』
  332. みふゆ: …………
  333. みふゆ: 『少し厳しかったお稽古の先生 厳しかったお稽古の先生 とても厳しかったお稽古の先生』
  334. みふゆ: 『現実の世界でも ワタシに優しくしてくれた人から 夢に現れなくなったんです』
  335. みふゆ: 『きっと… 優しい人を夢の世界で歪めていることに 罪悪感があったんでしょうね』
  336. みふゆの母: みふゆ どうしたのですか?
  337. みふゆ: お母様…
  338. みふゆの母: 辛いことがあったのですね?
  339. みふゆの母: こっちにいらっしゃい お母様が抱きしめてあげます
  340. みふゆ: 『最後に残ったのは 優しいお母様だけでした』
  341. みふゆ: まぁ、そのお母様も…
  342. みふゆの母: 梓家の人間として 相応しい品格を持ちなさいと
  343. みふゆの母: 何度言えば理解できるのですか!
  344. みふゆの母: 恥を知りなさい!
  345. みふゆ: も、申し訳ありません…
  346. みふゆの母: はぁ…あなたみたいな子を 生んだことが
  347. みふゆの母: 私の生涯で一番の恥です
  348. みふゆ: お、お母様ぁ…
  349. みふゆ: ………… …………
  350. みふゆ: 『現実のお母様を思うとむなしくて』
  351. みふゆ: 『夢に登場させるのを やめてしまったんですが』
  352.  
  353. FILENAME: text_311062-4.txt
  354. みふゆ: …そんなわけで
  355. みふゆ: 幼い頃のワタシは 夢を見るのをやめたんです
  356. やちよ: …………
  357. やちよ: 今の話は私も知らなかったわ…
  358. みふゆ: 誰にも話したことは ありませんでしたからね
  359. みふゆ: 正直、タイムカプセルを 開けるまで半ば忘れてましたし…
  360. やちよ: でも…夢を見なくなったのは 私が原因でもあるんでしょ…?
  361. やちよ: 知らなかったこととはいえ ごめんなさい…
  362. みふゆ: 謝らないでください…!
  363. みふゆ: やっちゃんは 夢を奪ったわけじゃなくて
  364. みふゆ: あのときのワタシを少し大人に 近づけてくれたんですから
  365. やちよ: えっ…?
  366. かえで: えっと… 理想に近づけたってこと…?
  367. みふゆ: いえ、“理想の大人”にではなく
  368. みふゆ: 人として成長できたという 意味です
  369. うい: …うーん? それってどう違うの…?
  370. みふゆ: 幼いワタシが理想としていたのは
  371. みふゆ: なんでもできて 頼りにされるワタシでした
  372. みふゆ: そのために、実在する人たちを 都合のいいように歪めて
  373. みふゆ: 頼りにされるワタシを 作っていたのですが
  374. みふゆ: やっちゃんに出会って、 それじゃダメだと気づいたんです
  375. うい: えっと…夢に頼るんじゃなくて
  376. うい: 現実を見るように なったってことかな…?
  377. みふゆ: そういう言い方もできますね
  378. いろは: あっ、現実と向き合えた…?
  379. みふゆ: はい
  380. みふゆ: まさにそういう成長だったと 今なら思います
  381. さな: つまり…夢を見なくなることが 大人になることなんですか…?
  382. みふゆ: いえ、それは違いますよ
  383. さな: でも…現実と向き合えたから 成長できたって…
  384. みふゆ: 現実と向き合って 現実の自分を受け入れても
  385. みふゆ: 夢を見ること… 理想を持つことはできるんです
  386. フェリシア: …なんかむずかしー話に なってきたな…
  387. みふゆ: 難しくはありませんよ
  388. みふゆ: 現実と向き合うことを知り それでも夢を見たからこそ
  389. みふゆ: 今のワタシがある というだけのことですから
  390. みふゆ: 幼いころに見た夢が現実に なることはなかったけれど…
  391.  
  392. FILENAME: text_311063-1.txt
  393. みふゆの母: …久しぶりに 帰って来たと思ったら
  394. みふゆの母: その格好はなんですか
  395. みふゆの母: 服装の乱れは心の乱れ 何度も教えてきたはずです
  396. みふゆ: 申し訳ありません
  397. みふゆの母: だいたいろくに連絡もせず どういうつもりですか?
  398. みふゆの母: 家を出たことで 気が抜けているようですね
  399. みふゆ: ええ、申し訳ありません
  400. みふゆ: (…この人は相変わらずですね)
  401. みふゆ: (まぁ、その小言に頷くだけの ワタシも相変わらずですが)
  402. みふゆ: (…ふふ、そう相変わらずです ワタシは)
  403. みふゆ: (“理想の大人”とは かけ離れたままですね)
  404. みふゆ: 現実と向き合うことを知り それでも夢を見たからこそ
  405. みふゆ: 今のワタシがある というだけのことですから
  406. フェリシア: でも、マギウスの翼に 入って悪いことしてたよな
  407. みふゆ: うっ…痛いところを突きますね
  408. 鶴乃: まぁ、生きてれば 間違えることくらいあるから…
  409. みふゆ: はい、それも含めて ワタシの人生ですね…
  410. みふゆ: …そんな風に歩んできたワタシは
  411. みふゆ: 先ほど話した幼い頃のワタシが 思い描いていた“理想の大人”に
  412. みふゆ: なれていると思いますか?
  413. うい: えっ…? うーん…
  414. うい: わたしから見ればみふゆさんは 十分大人だと思うけど…
  415. さな: はい、頼りになりますし…
  416. フェリシア: ちょっとだらけてるけど やるときはやるしな
  417. フェリシア: まっ、 たっきゅーだいじゃないか?
  418. みふゆ: えっ…? 卓球台はどこから…?
  419. 鶴乃: えっと…あっ! きゅーだい…及第点ね!
  420. かえで: 私も頑張ってるって思うよ!
  421. レナ: ふんっ、だからかえでは お子さまなのよ
  422. かえで: えっ、なんで…!?
  423. レナ: “理想の大人”になれてたら こんな話しないでしょ
  424. レナ: なりたい自分になんて 簡単にはなれないんだから…
  425. かえで: たしかにそう、かも…?
  426. いろは: …私は少しわかるかも
  427. いろは: やりたいこととか はっきりすればするほど
  428. いろは: 遠く感じるというか…
  429. ももこ: そうそう
  430. ももこ: 子どもの頃に思っていたほど 大人にはなれないもんだよな…
  431. やちよ: みふゆに関して言えば 今も甘えん坊で泣き虫よね
  432. やちよ: 一人暮らしを始めてからは 私生活はだらけてるみたいだし
  433. みふゆ: 頼りにされる自分になりたい っていう気持ちはあるんですよ?
  434. みふゆ: でも、頼られ過ぎるのは ちょっと大変というか…
  435. フェリシア: つまり、理想の大人には なれてねぇってことじゃん!
  436. みふゆ: そうなりますね
  437. フェリシア: ダメじゃねぇか!
  438. 鶴乃: ダメではないよ!
  439. 鶴乃: 理想はいつでも そこにあるんだから!
  440. フェリシア: あ?
  441. みふゆ: ふふっ つまりですね…
  442.  
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  444. 鶴乃: 理想はいつでも そこにあるんだから!
  445. フェリシア: あ?
  446. みふゆ: ふふっ つまりですね…
  447. みふゆ: ワタシの長いとは言えない 人生の中でさえ
  448. みふゆ: いろいろなことがありました
  449. みふゆ: 『大切な仲間を失い 知りたくもない真実を知ったこと』
  450. みふゆ: 『マギウスの翼に誘われて 彼女たちの計画に加担したこと』
  451. みふゆ: 『そして、今… キモチを巡る争いの中にいること』
  452. みふゆ: 他にもたくさん いろんなことがあって…
  453. みふゆ: その度に、間違えたり 失敗したりしました
  454. みふゆ: 『諦めたこともありましたし…』
  455. みふゆ: 『背伸びをしていたこともあります』
  456. みふゆ: 『…長い間 気持ちの整理をつけられずにいたことも』
  457. みふゆ: その中で“理想のワタシ”に 近づいたこともあれば
  458. みふゆ: すごく遠ざかってしまったことも あります
  459. うい: …今は?
  460. みふゆ: うーん… 微妙、ですかね?
  461. みふゆ: すっごく遠くはありませんが 近くもない、でしょうか…?
  462. かえで: …あの、もしかしてなんだけど みふゆさんって
  463. かえで: あんまり自分のこと 好きじゃないの…?
  464. みふゆ: えっ…? そう聞こえました?
  465. かえで: えっと…なんとなく…?
  466. さな: その…私も… 自己否定みたいに聞こえました…
  467. みふゆ: もしかして、失敗ばかりだったと 話したからでしょうか?
  468. さな: は、はい…
  469. みふゆ: ふふっ、 それは違いますよ
  470. みふゆ: ワタシの人生は 失敗や間違いもたくさんあります
  471. みふゆ: これは事実ですが… 自己否定ではないんです
  472. みふゆ: むしろ今となっては ワタシを肯定するものなんです
  473. さな: えっ…?
  474.  
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  476. みふゆ: 今のワタシは、幼い頃のワタシが 思い描いたほど
  477. みふゆ: 完璧で頼りになれる存在には なれていません
  478. みふゆ: でも…
  479. みふゆ: 『こんなワタシでも 慕ってくれる後輩がいます』
  480. みふゆ: 長く魔法少女を やっている甲斐がありますね
  481. レナ: …でも、それ悪用したわよね
  482. みふゆ: …うっ、すみません
  483. みふゆ: そのことに関しては 弁解できません…
  484. ももこ: あー、まぁ… 掘り返してやるなよ
  485. みふゆ: …すみません ワタシの所業の善悪はともかく…
  486. みふゆ: 頼られたからには 応えようと努めてはきたんですよ
  487. いろは: 確かに、ユニオンのリーダーに なったとき
  488. いろは: 相談したら、話を聞いてくれて アドバイスもくれましたよね
  489. やちよ: そういえば、私だけじゃなく みふゆにも話を聞いていたわね
  490. いろは: 元々西側をまとめていたのは やちよさんとみふゆさんなので!
  491. 鶴乃: つまり、みふゆなりに 頑張ってるってことだよね
  492. 鶴乃: なりたい自分に追いつきたいから
  493. みふゆ: はい その通りになれなかったとしても
  494. みふゆ: それでも、“理想のワタシ”は いつだってそこにいますから
  495. フェリシア: …? そこってどこだ?
  496. みふゆ: うーん…今は 10歩先くらいでしょうか?
  497. フェリシア: えっ…? なんか見えてんのか?
  498. いろは: たぶんね、たとえ話だと思うよ?
  499. いろは: 理想の自分を追いかけてるって ことですよね
  500. みふゆ: はい
  501. みふゆ: そして、理想を持って 追いかけているからこそ
  502. みふゆ: ちょっとだけ理想に近いワタシで いられるんです
  503. レナ: うんうん その気持ち、レナはわかるわ…
  504. フェリシア: ホントかよ… オレ、頭こんがらがってきたぞ…
  505. うい: ちょっと難しいかも…
  506. うい: 大きくなれば 大人になれるわけじゃない
  507. うい: っていうのはわかったけど…
  508. かえで: ふゆぅ…なんだか… 大人になるって大変そう…
  509. さな: 理想を持っていれば
  510. さな: 理想通りになれなくても 近づける…?
  511. さな: それって… 辛くないんでしょうか…?
  512. みふゆ: …ふふっ
  513. みふゆ: (ふふっ…)
  514. みふゆ: (あっ、いけない…)
  515. みふゆ: (さっきのみなさんの顔を 思い出したらつい笑みが…)
  516. みふゆの母: 何がおかしいんですか?
  517. みふゆ: いえ、何も…
  518. みふゆ: (お母様のお小言を 聞き流せるようになったのも)
  519. みふゆ: (“理想のワタシ”に)
  520. みふゆ: (少しだけ近づいていると 思っていいでしょうか?)
  521. みふゆ: (あの頃、望んでいたように 認めてもらえてはいませんが)
  522. みふゆ: (それでも怯えるだけの ワタシではなくなりましたし)
  523. みふゆ: (…ふふっ)
  524.  
  525. FILENAME: text_311063-4.txt
  526. みふゆ: はぁ~… やっと解放されましたね…
  527. みふゆ: ようやくお家に帰れます…
  528. みふゆ: (お母様にお小言をもらっても 怯えなくなった今のワタシを)
  529. みふゆ: (幼い頃のワタシが見たら…)
  530. みふゆ: えっと…お話はちゃんと 聞いた方がいいと思います
  531. みふゆ: …うーん、“大人ですね”とは 言ってくれなさそうですが
  532. みふゆ: 今のワタシから見れば これだって成長ですね
  533. みふゆ: …………あっ…
  534. うい: あのね…
  535. うい: せっかくだから理想の自分って どんな風か考えてみない?
  536. かえで: うん、いいよ!
  537. フェリシア: えぇ…めどくせー…
  538. さな: まぁまぁ、せっかくですし…
  539. みふゆ: …………
  540. みふゆ: さて、そろそろおいとましますね 実家に呼び出されているので…
  541. やちよ: ねぇ、みふゆ
  542. みふゆ: はい
  543. やちよ: やっぱり、あなた 理想のお姉さんになっているかも
  544. みふゆ: えっ…? そうですか…?
  545. みふゆ: どうして、急に…?
  546. チラ…
  547. みふゆ: …?
  548. やちよ: 時間ないんでしょ? 急ぎなさい
  549. みふゆ: えっ…?
  550. みふゆ: もしかして、やっちゃんが 言いたかったのは…
  551. やちよ: 「子どもの頃のみふゆが 今のみふゆを見たら どう感じるか考えてみたら?」
  552. みふゆ: …ということでしょうか?
  553. みふゆ: (深読みしすぎですかね…?)
  554. みふゆ: …………
  555. みふゆ: (うーん…今の自分と 昔の自分を客観的に…)
  556. みふゆ: …………
  557. みふゆ: わぁ! これが大人になったワタシ…
  558. みふゆ: すごく大人びて見えます…!
  559. みふゆ: えっと、 どんなことをしてるんですか?
  560. みふゆ: お稽古を頑張って お母様に認めてもらえたり
  561. みふゆ: 魔法少女として頑張って みんなに頼りにされていますか?
  562. みふゆ: (…ちょっと 心が痛くなってきましたね)
  563. みふゆ: (ただ…一見しただけだと 近づいて見えるかもしれません)
  564. みふゆ: (理想通りではなくても)
  565. みふゆ: (昔よりは強くなれたと 自分でも思いますし…)
  566. みふゆ: …………
  567. みふゆ: わぁ! これが大人になったワタシ…
  568. みふゆ: すごく大人びて見えます…!
  569. みふゆ: …たまには お夕飯くらい作りましょうか
  570. みふゆ: (今日はなんだか…)
  571. みふゆ: (幼い頃に憧れた)
  572. みふゆ: (“理想のお姉さん”に 背伸びしたい気分ですので)
  573. みふゆ: 理想を持つこと、それ自体が 理想に近づくことだと思うんです
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