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Shi / Shii MSS JP Text

May 22nd, 2024
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  1. FILENAME: text_339021-1.txt
  2. …よし…
  3. ブツは確認した 金の方は…
  4. ちょっと待て!
  5. ど、どうした…!?
  6. …そこにいるのは誰だ!
  7. シィ: …………
  8. …なんだぁ?…ガキ?
  9. こんなとこで 何してんだ、あぁ?
  10. シィ: …なにやら危なっかしいものを 取り引きしていたようね
  11. シィ: あなたたち、悪い人で 間違いないわね
  12. てめぇ…
  13. 何もんだ!
  14. シィ: わたしはシィ…
  15. シィ: 魔法少女、シィ!
  16. ま、魔法少女だと!?
  17. 魔法少女ってのは 魔女を相手にしてるんじゃ…
  18. シィ: よく知っているわね 確かにそうよ…普通はね
  19. シィ: でも、わたしは違う…
  20. シィ: わたしは魔女だけじゃなく 悪そのものを許さない!
  21. シィ: すべてを救う 例外的魔法少女なのよ!
  22. な、なんだと…!?
  23. …ケッ!なにが魔法少女だ! たんなるガキじゃねぇか!
  24. ぶちころがしてやる!
  25. シィ: ふっ…
  26. シィ: 変身!
  27. なっ!その姿は…!
  28. シィ: これが魔法少女のわたし…
  29. シィ: さあ!観念なさい!
  30. こんのぉ…!
  31. シィ: ミラクルアーム!
  32. ぐべえ!
  33. シィ: 奇跡の平手で あなたも反省なさい
  34. う…うぅ…
  35. …待ってくれ! まだ奥歯が治療中なんだ!
  36.  
  37. FILENAME: text_339021-2.txt
  38. シィ: あなたも反省なさい
  39. う…うぅ…
  40. …待ってくれ! まだ奥歯が治療中なんだ!
  41. あと実家の犬が妊娠してるんだ!
  42. シィ: 往生際が悪いわね! 覚悟なさい!
  43. お、俺は…
  44. 俺は悪だ!
  45. シィ: …は?
  46. 悪、悪、悪 あくなきまでに悪
  47. 悪からして すべからくに悪でして
  48. この世の罪悪を 我が一身に煮詰め候
  49. シィ: な、なにを言ってるの…?
  50. 悪の華咲く季節柄 恐々謹言あらあらかしこ
  51. 悪である俺、わたくし 拙者が思うことには
  52. 悪は悪ゆえに悪なり 悪鬼悪魔悪代官も悪なり
  53. 悪うららにして 天気晴朗、快活な一日
  54. 悪と悪の両天秤を 担いで走る灰色の街
  55. シィ: さっきから… なんなのよ!もう!
  56. 悪を狩るそなたは 一体何者なのだろうか?
  57. シィ: 魔法少女よ!
  58. 魔法少女は悪なりや?
  59. シィ: すべてを救う者よ!
  60. 救済とは何か?
  61. シィ: 悪を倒すのが救済よ!
  62. では悪とは… わたしとは何か?
  63. シィ: 悪は…
  64. 貴方にとって 悪とは何か?
  65. シィ: わたしに… とっての…悪とは…
  66. シィ: 誰かを…苛む…もの…
  67. シィ: 誰かを…苦しめるのが…悪…
  68. シィ: …それ…それだわ… 誰かを苦しめるのは悪…!
  69. 誰か、とは誰か?
  70. シィ: 誰かとは、誰かでありわたし…
  71. シィ: だから、わたしを苦しめている あなたは…悪!
  72. わたしは悪…わたしは悪…
  73. シィ: 悪よ!悪なのよ! だから…だから…
  74. ???: 「なくさなきゃね」
  75. シィ: そうよ!
  76. シィ: …………!!
  77.  
  78. FILENAME: text_339021-3.txt
  79. シィ: …はっ!
  80. シィ: …………
  81. シィ: …夢…ね…
  82. シィ: (寝覚めが最悪なのは… いつものことだけど…)
  83. シィ: (今日はやけに おかしな夢だった…)
  84. シィ: …………
  85. シィ: …そういえば…
  86. シィ: 変身!
  87. シィ: (イメージできないから 服装が変わらなかった…)
  88. シィ: (…それはそうよね わたし魔法少女じゃないんだし)
  89. シィ: …暗い部屋…
  90. シィ: …いつもと変わらない…
  91. シィ: (やることも変わらない…)
  92. シィ: (夢を思い出して…)
  93. シィ: (日記に加害者と被害者の 詳細を記録する…)
  94. シィ: (…被害者…?)
  95. 悪を狩るそなたは 一体何者なのだろうか?
  96. シィ: …………
  97. シィ: (あの夢には…)
  98. シィ: (悪党は出てくるのに 被害者がいない?)
  99. シィ: …いつもと違う…
  100. シィ: (…これは…どうなの?)
  101. シィ: (でもあいつらはたぶん 間違いなく悪党だった…)
  102. シィ: ユゥにリストを…
  103. シィ: (…やめよう…)
  104. シィ: リストに名前を記してしまったら
  105. シィ: どこかで、 あの誰かがいなくなる…
  106. シィ: (わたしは何もされなかった 書く必要なんてないわ)
  107. シィ: …………
  108. シィ: (夢の中でつらい思いを しなかったのは初めてかも…)
  109. シィ: (それより… なんで魔法少女の夢なんか…)
  110. シィ: …………
  111. シィ: わたしが魔法少女?
  112. シィ: …魔法少女になれば…? 魔法?魔法?
  113. シィ: 魔法少女になれなれば 変われれるはずよ、きっときっと
  114. シィ: …でも…わたしは… 魔法少女に…なりたく???
  115. シィ: …!
  116. シィ: (今の…もしかして…)
  117. シィ: (そう…よね…? キュゥべえよね…?)
  118. シィ: …ど、どこ…! どこに…!
  119. シィ: (…待って…)
  120. シィ: (なんでわたしはキュゥべえを 捜しているの…?)
  121. シィ: (魔法少女の契約は 断ったはず…!)
  122. シィ: …………
  123. シィ: (…あんなものに 救いなんてない!)
  124. シィ: (それでも…もう一度 話がしたい…!)
  125.  
  126. FILENAME: text_339021-4.txt
  127. シィ: はぁ…はぁ…はぁ…!
  128. シィ: (どこ…?どこにいるの…?)
  129. シィ: (キュゥべえ… キュゥべえ…!)
  130. シィ: (キュゥべえと話せば 何かが変わるかも…)
  131. シィ: (もしかしたら…わたし… 踏み切れるかも…)
  132. シィ: (魔法少女の契約に…)
  133. シィ: …………
  134. シィ: …本当に…?
  135. シィ: (契約すれば…変わる?)
  136. シィ: (実体のない苦痛に満ちた 毎日が…変わるの?)
  137. シィ: (本当に… それでいいの…?)
  138. シィ: (…で、でも…どこかへ…)
  139. シィ: (どこかへ行きたいの… わたしは…!)
  140. シィ: キュゥべえ… キュゥべえ…!
  141. シィ: …どこ…どこなの…?
  142. シィ: キュゥべえ!
  143. ???: 「あれ…?そこにいんのって…」
  144. ユゥ: シィ?
  145. シィ: ユゥ…! どうして…ここに…?
  146. ユゥ: どうしてって… “お仕事”してたんだよ?
  147. ユゥ: 悪い人、殺してた
  148. シィ: …ユゥ…
  149. シィ: わかってるわ…夢はしょせん、 夢だってことくらい…
  150.  
  151. FILENAME: text_339022-1.txt
  152. ユゥ: “お仕事”してたんだよ?
  153. ユゥ: 悪い人、殺してた
  154. シィ: …ユゥ…
  155. ユゥ: シィは、なんでいんの?
  156. シィ: …え?…あ…そうね…
  157. シィ: …なんでだろう…
  158. ユゥ: わかんないの? あ、そ…
  159. シィ: うん…?
  160. シィ: (ユゥ…?)
  161. シィ: (なんだろう… いつもとちょっと…)
  162. シィ: (いや、かなり違う気が…)
  163. ユゥ: あのさ
  164. シィ: な…なに?
  165. ユゥ: 疲れてんの? 顔色悪いよ
  166. シィ: …そう? いつも通りじゃない?
  167. ユゥ: いっつも悪いけど もっと悪い
  168. シィ: …ふふ…
  169. ユゥ: また、夢みたの? 悪い夢
  170. シィ: それが…なんていうか 今日はちょっと違ってて…
  171. ユゥ: リストは? リスト書きなよ
  172. シィ: えっと、それがね?
  173. シィ: 今日の夢は誰も 苦しまなかったの…
  174. ユゥ: でも悪い人は 出てきたんでしょ?
  175. シィ: …分からない
  176. ユゥ: なんで?
  177. シィ: こんなことは、初めてなの
  178. ユゥ: シィの夢って、 いつもどんなだっけ?
  179. シィ: わたしの夢? わたしの夢は…
  180.  
  181. FILENAME: text_339022-2.txt
  182. シィ: わたしの夢は…
  183. シィ: 他人の悩み、苦しみを 自分のこととして体験してしまう
  184. シィ: 夢の中で、現実のように…
  185. ユゥ: そうだよね
  186. ユゥ: なんでそんなことに なってんだっけ?
  187. シィ: なんでって… 悪夢の理由?
  188. シィ: また忘れちゃった?
  189. ユゥ: そうかも
  190. シィ: わたしの能力は、魔法少女だった 母の願いで生まれたもの…
  191. ユゥ: へ~ なんで?
  192. シィ: わからない…
  193. シィ: どうせろくな理由じゃないわ…
  194. シィ: 普通、生まれたばかりの我が子に
  195. シィ: こんな能力で 苦痛を与えたりする?
  196. ユゥ: げらげらげら
  197. シィ: きっとわたしを 育ててくれた施設みたいに
  198. シィ: 誰かの弱みに 付け込みたかったのよ…
  199. シィ: 悩みや苦しみに共感してあげれば
  200. シィ: 簡単に人を 誘導できてしまうから…
  201. シィ: …………
  202. シィ: キュゥべえと会った時 わたしも契約しようとした…
  203. シィ: 願いは…この能力を消すこと
  204. シィ: だけど…できなかった
  205. シィ: お母さんと同じ魔法少女に なることに抵抗があったし
  206. シィ: その後、実際に魔法少女と会って ますます なりたくなくなった
  207. シィ: 彼女たちの多くは 騙されるように魔法少女となって
  208. シィ: 後悔の底にいた
  209. ユゥ: げらげら、なるほどね?
  210. ユゥ: そうだよね
  211. ユゥ: だから結局
  212. ユゥ: シィは夢で見た内容を 日記につけて…
  213. ユゥ: 意味を見出すことに、成功した
  214. シィ: …………
  215. ユゥ: 私が悪夢の中に出る 悪い人を殺すことで
  216. ユゥ: 悪夢は消滅する
  217. ユゥ: 悪い人を殺すことが 私の“お仕事”になった
  218. シィ: あの…ユゥ… ごめんね…わたし…
  219. ユゥ: なんで謝んの?
  220. シィ: わたしはユゥに わたしの意味を代行させてる
  221. ユゥ: げらげら、そんなこと?
  222. ユゥ: だって、あんたは そうでしか救われないんでしょ?
  223. ユゥ: シィは正しい…
  224. シィ: …ユゥ、今日ほんとうに変だよ?
  225.  
  226. FILENAME: text_339022-3.txt
  227. シィ: …ユゥ、今日ほんとうに変だよ?
  228. ユゥ: シィは正しい…
  229. ユゥ: 人の罪って、 どうやって計ると思う?
  230. シィ: …どうしたの?
  231. ユゥ: 私たちってさ、 嘘を見破る術がない
  232. ユゥ: だから私たちは慎重になんの
  233. ユゥ: 推定無罪の原則ってさ 私たちには、時を遡ることも
  234. ユゥ: 誰かの本心を 知ることすら不可能なの
  235. ユゥ: けれど、あんたは違う
  236. ユゥ: シィの夢が体験させる光景は 被害者の感情とその相手
  237. ユゥ: 魔法を使えないどんな判決より シィの方が正しい…
  238. シィ: 部分的にはそうかもしれないわ
  239. シィ: だとしても、正しさの範囲は
  240. シィ: “その夢をもとに 告発する”までよ
  241. シィ: 加害者を処分するのは
  242. シィ: 再びその悪夢を見たくないという わたしの都合
  243. シィ: 個人的な都合と正しさを 同一視しては駄目…
  244. ユゥ: それじゃぁ、 シィは正しくもないのに
  245. ユゥ: リストに名前を書き続けんの?
  246. シィ: あなたが教えてくれたからよ
  247. シィ: 正しさは 意味のすべてではないって
  248. ユゥ: それでも、魔法少女の願いで
  249. ユゥ: 悪夢を消さないのは なんでだっけ?
  250. ユゥ: 魔法少女が可哀そうな人 ばっかだったから?
  251. シィ: それもあるけど…
  252. シィ: わたしは生まれた時から
  253. シィ: 相手の悩みや 苦しみは分かったから
  254. シィ: 相手のことが何も 分からなくなるのが怖いのよ……
  255. ユゥ: げらげらげら
  256. ユゥ: 私には悩みも苦しみもないけど 私のことも怖い?
  257. シィ: あなたは特別よ
  258. ユゥ: シィは、悪夢を消さないことに 言い訳してるみたい
  259. シィ: そんなこと…
  260. ユゥ: きっとシィは 夢の中で誰かを体験するたびに
  261. ユゥ: その誰かから バトンを貰ってんだよ
  262. ユゥ: 「シィが拒むことは その誰かが拒むこと」
  263. シィ: 『拒むことなんて…』
  264. ユゥ: 「悪夢を終わらせちゃったら 忘れ去られちゃうのは、誰?」
  265. ユゥ: 「めでたしめでたしで解決したら 置いて行かれちゃうのは、誰?」
  266. シィ: …………
  267. シィ: わたしには目を背けていることがある
  268. シィ: わたしの感情はまだ わたしだけのものなのだろうか?
  269. シィ: (それを証明できるのは、 ユゥへの愛)
  270. シィ: わたしは夢の中で何度もユゥに襲われる 夢の中の誰かはユゥに恐怖し憎悪する
  271. シィ: わたしは繰り返しそれを体験する
  272. シィ: それでもこの感情は消えなかった
  273. シィ: (この感情だけが 確かなわたし…)
  274. ユゥ: シィは正しい
  275. ユゥ: シィだけが、 シィにしか聞けない声の
  276. ユゥ: 代弁者になれんの
  277. ユゥ: 他人が勝手に 装飾したもんじゃない
  278. ユゥ: ほんとの誰かの代弁者
  279. ユゥ: ありあわせの常識と一緒に パック詰めされてないままの
  280. ユゥ: 誰の都合にも嵌ってない そのまんまの代弁者
  281. シィ: …………
  282. シィ: わたしだって
  283. シィ: 他人を都合よく解釈する 人間のうちのひとりなのよ…
  284. ユゥ: そんなことないよ?
  285. ユゥ: シィは正しさのために悪人を殺す シィはみんなの味方なんだよ?
  286. シィ: 違う…悪人を殺すことは 正しさじゃない
  287. シィ: わたしはわたし以外の人たちと
  288. シィ: 何ひとつ変わらず、 同じくらい醜い
  289. ユゥ: なに言ってんの? シィはもう、魔法少女なんだよ?
  290. ユゥ: 魔法少女はもう、 人間じゃないんだよ?
  291. ユゥ: 魔法少女には人の形を 道理を越えた力があんでしょ?
  292. ユゥ: 魔法少女には
  293. ユゥ: あらゆることを変える 奇跡があんでしょ?
  294. ユゥ: 魔法少女なら姿なき者たちの 代弁者になれんじゃないの?
  295. シィ: …?
  296. シィ: …わたしはまだ魔法少女じゃ
  297. ユゥ: シィの人生は 転がり出してんだよ
  298. シィ: ……?
  299. ユゥ: 目を覚ましなよ?シィ…
  300. ユゥ: 世界は変わる…
  301. ユゥ: 変わっちゃう 望んでも望まなくたって
  302. ユゥ: あとは、気づくだけ…
  303. シィ: 気づく…?わたしが…?
  304. ユゥ: そうだよ?
  305. ユゥ: よく見なよ 自分の姿…
  306. シィ: わたしの…姿…?
  307. ユゥ: ほら…
  308. シィ: …………
  309. シィ: …あ…
  310.  
  311. FILENAME: text_339022-4.txt
  312. シィ: この姿は…
  313. ユゥ: シィはもう 魔法少女じゃん
  314. シィ: わたしが…魔法少女!?
  315. シィ: そんな…じゃあ、願いは…!? わたしの魔法は…!?
  316. ユゥ: げらげらげら そのうち思い出すんじゃない?
  317. ユゥ: 今大事なのは シィが魔法少女だってこと
  318. シィ: わたしが魔法少女…
  319. ユゥ: そ
  320. シィ: わたしが魔法少女…
  321. ユゥ: だよね?
  322. シィ: わたしが魔法少女…
  323. シィ: …そうだ… わたし…
  324. シィ: …いや…僕は 魔法少女なんだ…!
  325. シィ: ありがとう、ユゥ! 思い出したよ!
  326. シィ: 僕は…そう魔法少女なんだ! やっと目が覚めた!
  327. シィ: でも、どうしたんだろう 一体…今までのことは…
  328. ユゥ: 知らんけど、シィの 悪い夢だったんじゃない?
  329. シィ: 僕の…悪い夢…
  330. ユゥ: シィは、その悪い夢に 囚われていただとか?なんとか?
  331. シィ: …そうか…そうだったんだ!
  332. ユゥ: それも終わりだね?
  333. シィ: うん!
  334. ユゥ: じゃあ、やんなきゃいけないこと 果たさないと
  335. シィ: …僕の…?
  336. シィ: …僕の…やるべきことは…
  337. シィ: 曖昧だ…なにもかも曖昧だ… ああ、目の前が回っていく…
  338.  
  339. FILENAME: text_339023-1.txt
  340. ユゥ: じゃあ、やんなきゃいけないこと 果たさないと
  341. シィ: …僕の…?
  342. シィ: …僕の…やるべきことは…
  343. シィ: …そうだ…
  344. シィ: 悪を倒すことだ!
  345. ユゥ: そうだね
  346. シィ: …わかってきたぞ…
  347. シィ: 僕が悪夢に囚われていたのも きっと悪党どもの仕業!
  348. ユゥ: なるほど
  349. シィ: そうだ、そうだよ きっとそうだ!
  350. シィ: おのれ! よくもやってくれたな!
  351. ユゥ: そいつらにゃ シィは邪魔者だったんだね?
  352. ユゥ: 知らんけど
  353. シィ: よし! これからやっつけにいこう!
  354. シィ: 一緒に来てくれるよね?
  355. ユゥ: もちろん
  356. シィ: ありがとう!
  357. シィ: 悪い奴らを、見つけよう!
  358. …よし…
  359. ブツは確認した 金の方は…
  360. ちょっと待て!
  361. ど、どうした…!?
  362. …そこにいるのは誰だ!
  363. シィ: …………
  364. …なんだぁ? …ティーンエージャー?
  365. こんなとこで 何してんだ、あぁ?
  366. シィ: お前らだな… 僕に悪夢を見せてたのは!
  367. …は? 何を言ってるんだ…?
  368. シィ: とぼけても無駄だ!
  369. シィ: まったく、とんでもなく 悪い奴らだな!
  370. …んだぁ?訳のわからねぇ…
  371. …よく見ると 珍妙なカッコしてんなぁ…
  372. …歌劇でもやってんのか?
  373. ソシャゲのコスプレじゃね?
  374. シィ: ごちゃごちゃとうるさい! 覚悟しろ!
  375. シィ: いくよ、ユゥ!
  376. ユゥ: 「うん…いこう…」
  377.  
  378. FILENAME: text_339023-2.txt
  379. シィ: 悪党どもめ!
  380. シィ: ミラクルキリングアーム!
  381. ぐべりゃぁッッ!
  382. まさか… 悪党序列3位がこうもあっさり…
  383. お、おい!野郎ども! 出てこい!
  384. こいつ、どうにかしろ!
  385. シィ: ふん…雑魚がどれだけ群れようと 佃煮にしかならない!
  386. シィ: 背中は預けたよ、ユゥ!
  387. ユゥ: 「任せなって…」
  388. シィ: 断罪!
  389. シィ: 断罪!
  390. シィ: また断罪ッ!
  391. シィ: どうだ! 反省程度で許すものか!
  392. ひ、ひぃ…!
  393. シィ: あとは、あなただけ…
  394. う…うぅ…
  395. …待ってくれ!
  396. シィ: 往生際が悪い! 覚悟しろ!
  397. ち、違う! 後ろだ、後ろ!
  398. シィ: え?
  399. ユゥ: …………
  400. シィ: …なんだ、ユゥじゃないか
  401. 化け物!化け物ーッ!
  402. ユゥ: は? お前、今、なんつった?
  403. シィ: そっちは片付いた?
  404. ユゥ: 終わったよ
  405. シィ: よし…じゃあ、あとは こいつだけ…
  406. ユゥ: あ、待って待って
  407. シィ: ん?
  408. ユゥ: とりあえず、ここまでだから
  409. シィ: …何が?
  410. …ああ、そうですか
  411. 悪は悪で 大変疲れるわけで、悪だから
  412. 悪いことをする時の カロリーを計算すると…
  413. ユゥ: 文句多いなぁ
  414. …本当にこんなんでいんですか?
  415. ユゥ: 2話はセリフだけだったし
  416. ユゥ: 3話は感動アクション巨編の方が やっぱいいかなって?
  417. 悪夢ってどうすんでしたっけ?
  418. ユゥ: 言ったじゃん!
  419. ユゥ: 本当は悪の組織が シィに悪夢を見せてて
  420. ユゥ: それを倒して解決すんだよ?
  421. ユゥ: ぶちころがすぞ?
  422. はぁ…悪夢って毒電波かなんかで 見せてるんスかね?
  423. ユゥ: 知んないよそんなこと
  424. う~ん…なんて言うか、その このお話だと対象年齢と言うか…
  425. 設定のツジマジというか…
  426. ユゥ: うっさいなぁ…
  427. ユゥ: お話は家族で 見てもらいたいでしょ?
  428. ユゥ: 設定なんか誰も見ないよ
  429. …そんなもんスかねぇ
  430. ユゥ: あ、そーだ!
  431. ユゥ: シィの両親も本当は悪の組織が 殺しちゃってたことにしよ!
  432. …今からスか?
  433. ユゥ: ついでにお前は
  434. ユゥ: シィの本当の お父さんだったことにしよう!
  435. …うそでしょ?
  436. ユゥ: あいむ、ゆあ、ふぁーざー! りっすん とぅー みー!
  437. シィ: …………
  438. シィ: …どう…なってるの…?
  439. シィ: …え…?
  440.  
  441. FILENAME: text_339023-3.txt
  442. シィ: …はっ!
  443. シィ: …………
  444. シィ: …………
  445. シィ: …………
  446. シィ: …夢…ね…
  447. シィ: (これは…悪…夢?)
  448. シィ: (訳が分からないわ…)
  449. シィ: …暗い部屋…
  450. シィ: …いつもと変わらない…
  451. シィ: (やることも変わらない…)
  452. シィ: (夢を思い出して… 被害者と加害者を日記に…)
  453. シィ: (…被害者…?)
  454. シィ: …………
  455. シィ: (まただ…この違和感 悪党はいたけど、わたしは…)
  456. シィ: わたしは“こんなこと”を 続けていたわけじゃない…
  457. シィ: …………
  458. シィ: (“こんなこと”で あってくれたなら…)
  459. シィ: (それなら、 どれほど良かったか)
  460. シィ: …………
  461. シィ: …魔法少女になれば…
  462. シィ: 魔法少女になれば こんな日常が…
  463. シィ: …あれ…?
  464. シィ: (わたし…魔法少女… だったよね…)
  465. シィ: 悪党どもめ!
  466. シィ: (確かに…魔法少女だった…)
  467. シィ: (あの姿…どうして…)
  468. シィ: …あ…?
  469. シィ: (今の…もしかして…)
  470. シィ: (そう…よね…? キュゥべえよね…?)
  471. シィ: …ど、どこ…! どこに…!
  472. シィ: (…待って…)
  473. シィ: (なんでわたしはキュゥべえを 捜しているの…?)
  474. シィ: (魔法少女の契約は…!)
  475. シィ: …断っている…
  476. シィ: …だけど…わたし…変身して…
  477.  
  478. FILENAME: text_339023-4.txt
  479. シィ: はぁ…はぁ…はぁ…!
  480. シィ: (どこ…?どこにいるの…?)
  481. シィ: (キュゥべえ… キュゥべえ…!)
  482. シィ: (キュゥべえと話せば 何かわかるかも…)
  483. シィ: (もしかしたら わたしはもう…)
  484. シィ: キュゥべえ… キュゥべえ…!
  485. シィ: キュゥべえ!
  486. ユゥ: シィ?
  487. シィ: ユゥ…! どうして…ここに…?
  488. ユゥ: どうしてって… “お仕事”してたんだよ
  489. ユゥ: 悪い人、殺してた
  490. シィ: …ユゥ…
  491. ユゥ: シィはなんでここに?
  492. シィ: …え?
  493. ユゥ: ねえ、なんで?
  494. シィ: …あ…あれ…?
  495. シィ: わからなく…なっちゃった…?
  496. シィ: なんだっけ…? 頭が…ぼーっとして…
  497. ユゥ: わからないの? ふーん…
  498. ユゥ: リストは?
  499. シィ: ないよ…今日の夢は 誰も傷つかなかった…
  500. ユゥ: でも悪い人はいたんでしょ?
  501. シィ: …………
  502. ユゥ: ちゃんと名前書いてくんないと
  503. ユゥ: 毎晩苦しめられてる夢だって 意味があることになんないよ?
  504. ユゥ: シィは姿なき者たちの代弁者
  505. ユゥ: ユゥと共に誰よりも正しく 悪を討ち、罪を滅ぼす
  506. ユゥ: 多くの人々を救ったシィは 魔法少女の契約で悪夢を消し去り
  507. ユゥ: 晴れて日常の安寧を取り戻…
  508. ユゥ: あ、やべ…
  509. ユゥ: 悪夢は悪の組織が 毒電波でみせてて
  510. ユゥ: シィは被害者なんだったわ
  511. ユゥ: それにアレだわ 代弁者のシィが正しいんだったら
  512. ユゥ: 夢みなくなった シィって正しくない?
  513. ユゥ: ま、んな細かいこた 誰も気にしねーか?
  514. ユゥ: げらげらげら
  515. シィ: …やめろ!
  516. シィ: 僕はそんなこと望んでない!
  517. シィ: 僕を勝手に理解しようとするな!
  518. ユゥ: …………
  519. ユゥ: あーあ、もしかして 思い出しちゃった?
  520. ユゥ: それが、あんた
  521. ユゥ: クソ真面目で面倒で 何処にも行けない、それがシィ
  522. シィ: …ユゥ?
  523. ユゥ: なあに?
  524. シィ: 君は僕の… 現実だよね…?
  525. ユゥ: 私が、シィの…現実?
  526. ユゥ: ゲラゲラゲラ
  527. ユゥ: なにそれ? 合ってるけど、的外れだね?
  528. シィ: ……君は 誰だ?
  529. ユゥ: ん~、でもさ…
  530. ユゥ: 私見て現実を 認識するなんてさ
  531. ユゥ: おかしくない?
  532. シィ: え…?
  533. ユゥ: 私は鏡じゃないよ?
  534. ユゥ: シィは、シィを見なよ
  535. ユゥ: あんたは、今、何処にいるの?
  536. シィ: 僕は僕だ でも君は違う、ユゥじゃない
  537. ユゥ?: …あのさぁ 吐き気すっから、あんま見んなよ
  538. シィ: 夢を、みていたんだ 奇妙な夢を
  539. シィ: その夢はなんていうか 普段の悪夢とは違う醜悪さだった
  540. ケイ: ……そ
  541. ケイ: お礼のつもりだったんだけど あんま良くなかった?
  542. シィ: 君、僕のこと馬鹿にしてるだろ?
  543. シィ: 君とは初対面だけど 性格が最悪なのは理解したよ
  544. ケイ: ゲラゲラゲラ
  545. ケイ: …わたし、あんたにだけは 頼みたくなかったんだけど
  546. ケイ: 結局、あんたが ユゥを連れ戻してくれた
  547. シィ: …………
  548. ケイ: でも、わたしが生きてたら
  549. ケイ: あんたのこと 2000回は殺してたと思う
  550. ケイ: わたしが死んでてよかったね?
  551. シィ: 意外だよ、呪い殺してくれたりは しないんだね
  552. ケイ: そんな都合良いこと 出来んだったら
  553. ケイ: 世の中もっと 良くなってんでしょ?
  554. ケイ: 人を殺すオバケは、 夢遊の亡霊だけ
  555. ケイ: あんたもなんの?夢遊の亡霊
  556. シィ: …駄目かい?
  557. ケイ: 別に?わたしにゃカンケーナイ
  558. ケイ: あの子の抜け殻も あんたにあげんね?
  559. ケイ: よかったね? すきにしな
  560. ケイ: じゃあね バイバイ
  561. 剥製屋: …変わってたけど 良い子だったのになぁ
  562. シィ: …………
  563. 剥製屋: 今まで散々世話んなったんだ この子のはタダでいいぜ
  564. シィ: …ありがとう
  565. 剥製屋: 寂しくなるなぁ……
  566. 剥製屋: お前も呑むか?
  567. シィ: 僕は未成年だよ?
  568. 剥製屋: っかぁーッ 今更そんなこと気にすんのかよ?
  569. シィ: …………
  570. 剥製屋: この仕事も、そろそろ たたみどきかもしんねぇな…
  571. シィ: 商品は今まで通り届けるよ
  572. 剥製屋: …お前がかぁ? やめとけやめとけ
  573. 剥製屋: お前はまともに会話が通じる そんな奴がやるこっちゃねえよ
  574. 剥製屋: 金に困ってんなら…
  575. ドサッ
  576. シィ: 今日の分なんだけど… 状態が悪くて申し訳ない
  577. シィ: 使えない分はこちらで処分するよ
  578. 剥製屋: ……なんだぁ? お前も話通じねぇ口かぁ?
  579. 剥製屋: ってか、 こんな数どっから出した?
  580. 剥製屋: イリュージョンってやつか?
  581. シィ: …………
  582. 剥製屋: まぁいいけどよ
  583. 剥製屋: 分かんねぇことを気にしねぇのが 長生きの秘訣ってな♪
  584. 剥製屋: にしても大漁じゃねぇか 人口減っちまうぜ♪
  585. 剥製屋: こいつらみんな仲良く 牛裂きの刑にでもされたんか?
  586. シィ: そんなところだよ
  587. 剥製屋: …なぁ、お前はちゃんと 行くとこあんのか?
  588. シィ: 僕は大丈夫だよ、ありがとう
  589. 剥製屋: そっか…
  590. 剥製屋: おい、呑まねぇでいいから 少しだけつきあってけよ?
  591. 剥製屋: この子の話、聞かせてくんねぇか
  592. 剥製屋: そんな気分なんだ
  593. シィ: ああ、分かった… なにから、話そう……
  594. シィ: ユゥ、マギアレコードによって 魔法少女は生き続けられる…
  595. シィ: これから世界は どうなるんだろうね…
  596. シィ: 彼女たちは すべてを捧げ願いを叶えた
  597. シィ: でもその瞬間は 過去から動いたりしない
  598. シィ: まぶしく輝く信仰は過去にある
  599. シィ: 多かれ少なかれ魔法少女とは 亡霊なのかもしれない
  600. シィ: ……ユゥ
  601. シィ: 僕は夢の誰かのために 夢遊の亡霊になって
  602. シィ: 夢の仇をなくし続けるよ
  603. シィ: 百江なぎさからは
  604. シィ: “そんなことは呪いと 絶望だけあればできる”
  605. シィ: って言われちゃった…
  606. シィ: フフフ… その通り過ぎて笑っちゃうね
  607. シィ: でもね、僕は他人の幸せと希望も
  608. シィ: 知ることが できるようになったから
  609. シィ: 僕は夢で襲われる人だけじゃなく
  610. シィ: 夢で人を襲う側にすら 共感できるようになれたんだ
  611. シィ: 僕は誰かのために、僕を殺すよ
  612. シィ: 僕らの幸せは 誰にも定義させたりしない
  613. シィ: 僕たちは呪いと共に生きるんだ
  614. シィ: それはきっと、 素敵なことだろう?
  615. シィ: ユゥ…
  616. シィ: 君の中身は返してしまったけれど
  617. シィ: 僕と過ごした君も 空っぽではあったんだし
  618. シィ: たいして変わりはしないさ…
  619. シィ: 僕がユゥになればいいんだ…
  620. シィ: ねぇ…そうだろ?
  621. オシマイ
  622. シィ: 僕は知った… 僕の罪と…その罰を
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