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Arc 2 Another Story Chapter 10 JP Text

Jun 20th, 2022
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Never
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  1. FILENAME: text_208001-1_J9Boc.txt
  2. かごめ: ネオマギウスの作戦が遂行されたあの夜
  3. かごめ: 神浜マギアユニオンの中心メンバーによる 必死の抵抗や
  4. かごめ: みかげちゃんたちによる 仲良し大作戦が進むその陰で
  5. かごめ: これから先の神浜市の人々の在り方に 少なからず影響を与えることになる 魔法少女たちの活躍があった…
  6. 竜城 明日香: ――っ!?
  7. 竜城 明日香: ありました! そこのお店の裏に魔女反応!
  8. 美凪 ささら: ――っ!?
  9. 美凪 ささら: あっ、この道の先からも! 魔女がいる!
  10. 木崎 衣美里: こっちも…!
  11. 木崎 衣美里: おのれ~ネオマギウスめ~
  12. 木崎 衣美里: いったい、どんだけ魔女を ばらまいたんだ~
  13. 美凪 ささら: こんな量のグリーフシードを 孵化寸前まで保持してたなんて…
  14. 竜城 明日香: 恐ろしい人たちです…
  15. 木崎 衣美里: でもさ あすきゃん、ささらん
  16. 竜城 明日香: なんでしょう
  17. 木崎 衣美里: あーしたち、あのときより ずっと活き活きしてるくね?
  18. ヨヅル: コーヒーは… お口に合いませんでしたか?
  19. 美凪 ささら: えっ!?
  20. ヨヅル: 先ほどから 誰もお召しにならないので…
  21. みんな: …………
  22. 木崎 衣美里: ごめんね
  23. 美凪 ささら: そういうわけじゃないんだけど…
  24. 竜城 明日香: 今は、いただけません…
  25. 美凪 ささら: 令さんが死んだあのとき…
  26. 美凪 ささら: …うん、そうだね
  27. 美凪 ささら: あの何もできない 悔しさに比べたら
  28. 竜城 明日香: この程度の苦労 なんでもありません!
  29. 竜城 明日香: さあ、あのときの雪辱を 果たしましょう!
  30. 木崎 衣美里: おっしゃー!
  31. 竜城 明日香: 成敗!
  32. 美凪 ささら: って言ったそばから また反応!
  33. 木崎 衣美里: おっしゃいくぞー!
  34. 木崎 衣美里: こ、こんなところにも 現れるなんて…
  35. 竜城 明日香: なんとか倒せたものの… さすがにこの連戦で疲労が…
  36. 木崎 衣美里: 集めたグリーフシード使う?
  37. 竜城 明日香: いえ、遠慮します
  38. 竜城 明日香: ひとつでも多く いろはさんたちに残したいので!
  39. 美凪 ささら: それに、今のでこの辺りの魔女は 最後だったんじゃないかな
  40. 美凪 ささら: うん、反応もしないし
  41. 木崎 衣美里: 他のユニオンのみんなも
  42. 木崎 衣美里: 自分の地域の魔女を 倒してるらしいから…
  43. 木崎 衣美里: あれ? あーしらの役目、もう終わり?
  44. 竜城 明日香: …何か困っていることはないか いろはさんに聞いてみましょう
  45. いろは: わ、商店街近くの魔女を全部!?
  46. いろは: ありがとうございます! 本当に助かりました!
  47. 竜城 明日香: なんのこれしきです!
  48. いろは: それで、助けられてばかりで 申し訳ないんですが
  49. いろは: みなさんに お願いしたいことがあって…
  50. 竜城 明日香: いいですよ! 遠慮せず言ってください!
  51. いろは: 今、みかげちゃんの発案で
  52. いろは: 「仲良し大作戦」というのを 進めてまして
  53. いろは: 署名サイトの中に その作戦の成功に必要な…
  54. いろは: 「神浜市の未来を作る学生会議」 というのを立ち上げたんですけど
  55. 竜城 明日香: ほうほう
  56. いろは: みなさんに、こちらのサイトを 広めていただきたいんです
  57.  
  58. FILENAME: text_208001-2_J9Boc.txt
  59. 美凪 ささら: 署名サイト…
  60. 美凪 ささら: あー!さっきやちよさんが テレビで紹介してた!
  61. 木崎 衣美里: あーしも観た!
  62. 竜城 明日香: はい、そちらのサイトを もっと広めていただきたいと
  63. 木崎 衣美里: なら、みんなでやった方がいいし グループチャットに共有だね!
  64. 竜城 明日香: 確かにそうですね! では…
  65. 竜城 明日香: 「ユニオンのみなさーん」
  66. 竜城 明日香: 「今、このチャットに 反応できる方」
  67. 竜城 明日香: 「いらっしゃいますかー」と…
  68. みんな: 「「「はーい!」」」
  69. 純 美雨: 何かあたカ?
  70. 純 美雨: ワタシの能力は利用せずに 計画が進められたと聞いてネ
  71. 純 美雨: 少し前に神浜市に戻てきた ところヨ
  72. 純 美雨: だからパワーなら あり余てるヨ
  73. 江利 あいみ: こっちの魔女は全部倒したから なんでも言って!
  74. 由貴 真里愛: こっちも同じよ
  75. 枇々木 めぐる: ノドの調子もばっちり! 最高のサポートをお届けします!
  76. 水樹 塁: こっちも…あと1体だけ… 他の魔女と戦ってる間に 取り逃がしちゃった魔女がいるけど…
  77. 水樹 塁: それ倒したら… 対応できるはず…
  78. 千秋 理子: すみません… わたしはちょっと 行けそうにないです
  79. 千秋 理子: お父さんが 「今日は不思議なことが起きてるから おてて繋いで一緒に寝よう」 って聞かなくて…
  80. 竜城 明日香: みなさん、ありがとうございます! 理子さんも、ゆっくりおやすみくださいっ!
  81. 竜城 明日香: それで用件なのですが… 実は先ほどいろはさんから依頼がありまして
  82. 竜城 明日香: それがこちらの署名サイトにある… 「神浜市の未来を作る学生会議」を 広めていただきたいとのことでした
  83. 竜城 明日香: 現在、アクセス数は徐々に伸びつつあるのですが これを私たちの力で、さらに加速させましょう!
  84. 由貴 真里愛: やちよさんが生放送で 紹介していたサイトね
  85. 由貴 真里愛: 神浜市の話をするって聞いて 観てたんだけど
  86. 由貴 真里愛: 急に知り合いが出てきたから びっくりしちゃったわ
  87. 枇々木 めぐる: 本当に急な出演決定 だったらしいですね~!
  88. 枇々木 めぐる: さて、さっそくめぐるは 自分のSNSのアカウントに
  89. 枇々木 めぐる: こちらのリンクを載せますよ!
  90. 純 美雨: ネットカ… あんまり得意じゃないヨ…
  91. 江利 あいみ: 美雨ちゃん アカウント持ってる?
  92. 純 美雨: 個人のはないけど 蒼海幇のならあるヨ
  93. 美凪 ささら: 各々のアカウントで サイトの紹介をしてみたけど…
  94. 竜城 明日香: あまりアクセス数は 伸びてませんね…
  95. 美凪 ささら: 所詮は知名度なんてない 一般人の宣伝…
  96. 美凪 ささら: 効果は薄いか…
  97. 竜城 明日香: しかも…衣美里さんの投稿に来た リプライ…
  98. 木崎 衣美里: ん?
  99. ちょ、おまw こんなことやってんのw? やめとけよ、だっせーってw
  100. 木崎 衣美里: あはは!
  101. 木崎 衣美里: クラスの男子から クソリプ飛んできてんじゃん!
  102. 美凪 ささら: 効いてない…?
  103. 木崎 衣美里: まあ、こういう子もいるっしょ 気にしない気にしない
  104. 木崎 衣美里: クラスの男子に笑われてでも やった方がいいことだしね
  105. 竜城 明日香: 偉い!達観してますね!
  106. 由貴 真里愛: もしもし@竜城 明日香ちゃん
  107. 竜城 明日香: おっと、真里愛さんから チャットに連絡が…
  108. 由貴 真里愛: 残念だけど… 私たちの力では署名サイトの知名度を上げるのも すぐに限界が来ちゃうと思う
  109. 由貴 真里愛: 他の方法を考えた方がいいかも
  110. 竜城 明日香: やはり私たちだけじゃなく みなさん同じ所感のようですね…
  111. 純 美雨: なら、明日香の学校の子たちを 頼ればいいネ
  112. 純 美雨: 明日香の学校には 芸能活動をしてファンを抱えているような 有名な子たちがいたはずネ
  113. 純 美雨: その子たちに直接協力をお願いするんだヨ 芸能興行とは本来、そのためのものだヨ
  114. 竜城 明日香: なるほど!
  115. 竜城 明日香: モデルの莉愛先輩と アイドルの沙優希先輩ですね!
  116. 美凪 ささら: さすが伝統ある由緒正しき学校 水名女学園だね
  117. 木崎 衣美里: てかグループチャットにも いたはずじゃね?
  118. 木崎 衣美里: 反応があっても いいと思ったけど…?
  119. 竜城 明日香: 忙しいのかもしれません 電話してみましょう
  120. 阿見 莉愛: そういうことなら ちょうどいいわ、任せなさい!
  121. 阿見 莉愛: 今も打ち合わせをしてたのだけど
  122. 阿見 莉愛: これから宝崎市で活動してる 知り合いのDotuberの配信に
  123. 阿見 莉愛: リモートで出演することに なっているのよ
  124. 阿見 莉愛: 私のマネージメントをしてる 母親が取ってきた案件でね
  125. 阿見 莉愛: あ、テーマはこの神浜市に起きた 不可解な事態について…だけど
  126. 阿見 莉愛: そのついでに署名サイトの宣伝も できると思うわ
  127. 竜城 明日香: ありがとうございます! やちよさんと同じ手法ですね!
  128. 阿見 莉愛: べ、別に七海やちよに インスパイアされたり
  129. 阿見 莉愛: 七海やちよにオマージュを 捧げるわけじゃないわ!
  130. 阿見 莉愛: ただ七海やちよの活躍を パクッてやるだけよっ!
  131. 竜城 明日香: そちらに取り繕うとは 珍しいですね…
  132. 竜城 明日香: 莉愛先輩には快諾いただけたので 続けて沙優希先輩に…
  133. 史乃 沙優希: わかりました~っ! この沙優希にお任せくださいっ!
  134. 竜城 明日香: よかった… ありがとうございます
  135. 史乃 沙優希: あ、でも沙優希 SNSの投稿内容は
  136. 史乃 沙優希: 全部マネージャーさんの チェックが必要でして~
  137. 史乃 沙優希: なので投稿は許可が出てからに なりますぅ~
  138. 竜城 明日香: ということは 少し遅れそうですか?
  139. 史乃 沙優希: 大丈夫ですよ~
  140. 史乃 沙優希: ちょうど今、マネージャーさんと ビデオ通話をしてたのでぇ
  141. 史乃 沙優希: 口頭で確認しちゃいまーす
  142. 史乃 沙優希: ~~~~ ~~~~
  143. 史乃 沙優希: ~~~~ …………ふぎゃっ!
  144. 竜城 明日香: ――っ!?
  145. 史乃 沙優希: 明日香ちゃんごめんなさい…
  146. 史乃 沙優希: 許可、貰えませんでしたぁ…
  147. 竜城 明日香: なんと…!
  148.  
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  150. 史乃 沙優希: マネージャーさんによると
  151. 史乃 沙優希: 沙優希のSNSで政治的な発言は NGみたいですぅ…
  152. 竜城 明日香: な、なぜ…?
  153. 史乃 沙優希: 出来上がった「さゆさゆ」という キャラクターの
  154. 史乃 沙優希: イメージを損なうから らしいですぅ~
  155. 史乃 沙優希: 沙優希としては 見て見ぬフリをし続けるのも
  156. 史乃 沙優希: かえって反感を買うのでは… と、言ってはみたのですが…
  157. 史乃 沙優希: マネージャーさんの返答は NGの一点張りでした~…
  158. 竜城 明日香: そうでしたか…
  159. 史乃 沙優希: ごめんなさい~
  160. 竜城 明日香: いえ、こちらも考えが足りず 申し訳ありませんでした!
  161. 竜城 明日香: …ところでマネージャーさんと ビデオ通話中ということは
  162. 竜城 明日香: お仕事の途中でしたか…?
  163. 史乃 沙優希: あ、お仕事中ではないですよぉ
  164. 史乃 沙優希: ただ、明日のお昼に提出予定の 新曲タイトルを
  165. 史乃 沙優希: 沙優希がまだ決めてなかったので
  166. 史乃 沙優希: マネージャーさんが心配して
  167. 史乃 沙優希: この時間まで相談に 乗ってくれていたんですよぉ
  168. 史乃 沙優希: 本当はみなさんのお手伝いも したかったのですが…
  169. 史乃 沙優希: すみません…
  170. 竜城 明日香: なんと、それでこんな遅くまで…
  171. 竜城 明日香: ちなみに、その新曲のタイトルは 決まったのでしょうか?
  172. 史乃 沙優希: それが、結局決まらずでぇ… なので今日は諦めて
  173. 史乃 沙優希: 明日の朝の沙優希に 全てを託したいと思いま~す
  174. 竜城 明日香: な、なるほど… お疲れ様でした
  175. 竜城 明日香: …という次第でした…
  176. 枇々木 めぐる: そうですかぁ 沙優希さんは事務所NGと…
  177. 由貴 真里愛: まあ… 元々センシティブな問題だしね…
  178. 枇々木 めぐる: うかつに触れたら 炎上するって判断でしょうか…
  179. 由貴 真里愛: そうね そして実際そのリスクは高い
  180. 枇々木 めぐる: でも…別に間違ったことを 言うわけじゃないし…
  181. 枇々木 めぐる: 悪いのはむしろ向こうの…
  182. 由貴 真里愛: それは私たちだから そう思えるだけよ
  183. 枇々木 めぐる: めぐるたちだから…
  184. 由貴 真里愛: 確かに東に嫌がらせをする人より 私たちの方が正しく思える
  185. 由貴 真里愛: でもね、外野からすれば 一見正しくない行いでも
  186. 由貴 真里愛: 本人たちにとっては 切実な理由があるものよ
  187. 枇々木 めぐる: 理由…
  188. 由貴 真里愛: それを若いアイドルが… …まあこれも偏見なのだけど
  189. 由貴 真里愛: 「よく知りもせず軽い気持ちで 否定した」と受け取られたら
  190. 由貴 真里愛: 悪い方に火が付くのは まったなし…
  191. 由貴 真里愛: 仕方のないこと なのかもしれないわ
  192. 枇々木 めぐる: 切実な理由… めぐるたちだから…
  193. 枇々木 めぐる: …………
  194. 由貴 真里愛: どうしたの?
  195. 枇々木 めぐる: …ふと思ったのですが
  196. 枇々木 めぐる: 逆に…どうしてめぐるは… いえ、魔法少女のみんなは
  197. 枇々木 めぐる: 東も西も分け隔てなく
  198. 枇々木 めぐる: 普通に接することが できるのでしょうか
  199. 由貴 真里愛: それは…
  200. 美凪 ささら: なんで、って…
  201. 木崎 衣美里: なんでだろ?
  202. 江利 あいみ: 何か特別な力が働いてるとか…?
  203. 純 美雨: いや、さすがにそれは…
  204. 純 美雨: え、そうなのカ…?
  205.  
  206. FILENAME: text_208002-1_GLaq2.txt
  207. 美凪 ささら: ま、まあ特別な力とかはともかく 今はサイトの知名度を上げようよ
  208. 竜城 明日香: そうでした! 沙優希先輩の件は残念ですが
  209. 竜城 明日香: まだ署名サイトを広める方法は あるはずです!
  210. 純 美雨: ならいい案があるヨ
  211. 純 美雨: これは蒼海幇の仲間から 聞いた方法なんだけど
  212. 純 美雨: SNSには「ハッシュタグ」ていう 機能があるんだよネ?
  213. 純 美雨: それを利用するんだヨ
  214. 純 美雨: 「トレンド」として話題になてる言葉の頭に 「#」記号を付けて 広めたい投稿に載せると
  215. 純 美雨: みんな見てくれるみたいヨ
  216. 江利 あいみ: うーん、確かに私も トレンドに挙がってる言葉を
  217. 江利 あいみ: どんな話題なのかな?って 検索することは多いし
  218. 江利 あいみ: 私みたいな子の目に 留まるってことなんだろうけど…
  219. 江利 あいみ: それってさ…
  220. 下のリンクから署名お願いします! www.~~~~ #デカゴンボール宇宙編完結
  221. 江利 あいみ: …みたいなことだよね?
  222. 純 美雨: そうそうそんな感じ! すごくセンスいいヨ!
  223. 江利 あいみ: まあ、実際に署名サイトが 目に付く確率は上がるけどさ
  224. 江利 あいみ: 無関係な人たちの目に入って その後の署名に繋がるかなぁ…
  225. 江利 あいみ: それに…やり口がなんか…その… 詐欺サイトの誘導っぽくて…
  226. 江利 あいみ: ひんしゅくとか 買っちゃいそうだけど…
  227. 純 美雨: なっ!?
  228. 純 美雨: 蒼海幇は決して詐欺なんてしない 健全でクリーンな組織ヨ!!
  229. 江利 あいみ: う、うん… わかってるよ
  230. 江利 あいみ: でもね、ハッシュタグって いうのは
  231. 江利 あいみ: 「その言葉を本当にたくさんの人に届けたい」
  232. 江利 あいみ: ってときに使うべき じゃないのかなぁ
  233. 純 美雨: ロマンチストネ
  234. 由貴 真里愛: ただ、意見は色々あるにせよ
  235. 由貴 真里愛: トレンドを使うという 発想自体は悪くないと思うわ
  236. 由貴 真里愛: もし署名サイトと関連性の高い トレンドが挙がっていたら
  237. 由貴 真里愛: ひんしゅくも買われないし、 利用するのもいいかもしれない
  238. 枇々木 めぐる: 今のところトレンドは…
  239. 枇々木 めぐる: うーん、これといって 関係あるものはありませんね
  240. 枇々木 めぐる: 地域別トレンドを「神浜」に 設定して絞ってみても…
  241. 枇々木 めぐる: 今度は空腹とノドの渇き系で 埋め尽くされてます…
  242. 由貴 真里愛: そうよね…
  243. 竜城 明日香: 他にいい案は…
  244. 美凪 ささら: もう打つ手なし…?
  245. ~~♪~~♪
  246. 木崎 衣美里: ――っ!?
  247. 木崎 衣美里: グループ電話! るいるいからだっ!
  248. 水樹 塁: み、みんなぁっ!
  249. 水樹 塁: え、ええと… と、とにかく大変でっ!
  250. 水樹 塁: い、今すぐみんな来てっ!
  251. 水樹 塁: 場所は工匠区と大東区の 境界線になってる
  252. 水樹 塁: 大きな川なんだけど… あ、あとで地図は貼るね…
  253. 水樹 塁: なんか ひ、人がぞろぞろ来てて
  254. 水樹 塁: とにかく大変なことに なりそうなの…!
  255. 竜城 明日香: なんだかわかりませんが 大変そうなのは伝わりました
  256. 木崎 衣美里: るいるいが電話なんて 珍しいしね
  257. 美凪 ささら: ちょっと遠いけど 急いで行こう!
  258. 木崎 衣美里: そうだ、電車止まってんじゃん~
  259. 竜城 明日香: 屋上を伝えばすぐですよ!
  260.  
  261. FILENAME: text_208002-2_GLaq2.txt
  262. DJディスコ: どうもDotubeを ご覧のみなさん!
  263. DJディスコ: ご存じ宝崎市が生んだ大スター DJディスコでーす!
  264. DJディスコ: 今日は緊急生配信と題して
  265. DJディスコ: ここ、神浜市の1090前から お届けしてま~す!
  266. DJディスコ: …さて、今日はなぜこんな企画を したのか…その説明を…
  267. DJディスコ: の、前に、今神浜市では何が 起きているのかご存じですか?
  268. DJディスコ: そう、突如として人々が 全く飲食ができなくなったのです
  269. DJディスコ: だけど本題はここから …今から1週間ほど前でしょうか
  270. DJディスコ: このDスコの元に とある匿名さんから
  271. DJディスコ: なんと、今日起きたこの現象を 予言するかのような
  272. DJディスコ: ダイレクトメッセージが 届いたのです!
  273. DJディスコ: これは事件でしょ~ 調査しない手はないでしょ~
  274. DJディスコ: ただ、闇雲に調査しても 仕方がない!
  275. DJディスコ: そこでまずは取っ掛かりとして 神浜市に住むお友だちのモデル
  276. DJディスコ: 阿見莉愛さんにご自宅からの リモート出演をお願いしました!
  277. DJディスコ: もしも~し! 莉愛ちゃ~~ん!
  278. 阿見 莉愛: はーい! Dスコさんお久しぶりです~!
  279. 阿見 莉愛: Dスコさんのファンのみなさんも はじめまして~~!
  280. 阿見 莉愛: (お友だち…?)
  281. 阿見 莉愛: (1回デパートのイベントで 仕事しただけでしょ!)
  282. DJディスコ: 「今日は出演の快諾ありがとうね、莉愛ちゃん」
  283. DJディスコ: 「ところでご自宅からのリモートってことは そのお部屋は莉愛ちゃんのお部屋なのかな?」
  284. 阿見 莉愛: さっすがDスコさん! ええ、そうですのよ
  285. 阿見 莉愛: なのであまり 見ないでくださいな!
  286. 阿見 莉愛: (無料のバーチャル背景よ!)
  287. DJディスコ: 「あはは、ごめんごめん 若い子の部屋ということで テンションがあがっちゃったよ」
  288. 阿見 莉愛: 本題に行きましょう!
  289. DJディスコ: 「なるほどね~ 空腹感やノドは渇いてるのに 体が受け付けないんだ」
  290. 阿見 莉愛: はい、それがとても辛くて…
  291. DJディスコ: 「そうだね… 話を聞いてるだけで辛くて お腹が空いてきちゃったよ…」
  292. 阿見 莉愛: あ、Dスコさん、 今のはちょっと不謹慎ですわ
  293. DJディスコ: 「おっと、失言だったね ごめんごめん お詫びになんでも言うこと聞くよ」
  294. 阿見 莉愛: (これは…チャンスかしら…?)
  295. 阿見 莉愛: ではお言葉に甘えて、ちょっと 関係ない話がしたいんですけど
  296. DJディスコ: 「え、何々?」
  297. 阿見 莉愛: Dスコさんと、Dスコさんの たくさんのファンの方に
  298. 阿見 莉愛: 紹介したい署名サイトが あって…
  299. 阿見 莉愛: ちょっとその話をしても よろしくて?
  300. DJディスコ: 「そうか 神浜市の東西の問題ね…」
  301. DJディスコ: 「僕も宝崎市の人間だから そういった衝突があるってことは 昔からよく聞いて来たんだよ」
  302. DJディスコ: 「相当な根深さがあるってね」
  303. DJディスコ: 「視聴者のみなさんも 署名のほどお願いしまーす」
  304. 阿見 莉愛: お願いしま~す!
  305. DJディスコ: 「でもさあ、莉愛ちゃんもさぁ 本当はやってきたんじゃないの?」
  306. 阿見 莉愛: はい?
  307. DJディスコ: 「だから、東への嫌がらせ」
  308. DJディスコ: 「だって莉愛ちゃんも西の人でしょ?」
  309. DJディスコ: 「…って冗談冗談w 全員が全員、東を嫌ってるわけじゃないって 知ってるし 莉愛ちゃんがそんな人じゃないのも知ってるよ」
  310. 阿見 莉愛: お、おーっほっほ!
  311. 阿見 莉愛: さすがにDスコさん 冗談がキツすぎますわ!
  312. DJディスコ: 「そうだね、ごめんごめん」
  313. DJディスコ: 「でもさ、どうしてなんだろうね」
  314. 阿見 莉愛: どうして?
  315. DJディスコ: 「どうして莉愛ちゃんは西の人なのに 東の人に寄り添ってあげられて なんだったら署名サイトの宣伝まで してあげるのに」
  316. DJディスコ: 「その一方では東の人のことを 心の底から嫌ってる人もいる」
  317. DJディスコ: 「その違いはなんだろうね いったい、何が違うのかな」
  318. 阿見 莉愛: …………
  319. 阿見 莉愛: …いいえ、Dスコさん それは少し誤りです
  320. DJディスコ: 「というと?」
  321. 阿見 莉愛: 私と、 東を悪く言う人たちの間に
  322. 阿見 莉愛: 根本的な違いは何もありません
  323. 阿見 莉愛: 私も、一緒ですわ
  324. 阿見 莉愛: たとえ今は違っても…
  325.  
  326. FILENAME: text_208002-3_GLaq2.txt
  327. 阿見 莉愛: 私と、 東を悪く言う人たちの間に
  328. 阿見 莉愛: 根本的な違いは何もありません
  329. 阿見 莉愛: 私も、一緒ですわ
  330. 史乃 沙優希: …………『私も一緒』…
  331. 明日香の声: 沙優希先輩!
  332. 史乃 沙優希: …!
  333. 史乃 沙優希: 明日香ちゃん!みなさんも!
  334. 美凪 ささら: 沙優希さんもこれから工匠区の 河川敷に?
  335. 史乃 沙優希: はいっ!
  336. 竜城 明日香: ちなみに、その新曲のタイトルは 決まったのでしょうか?
  337. 史乃 沙優希: それが、結局決まらずでぇ… なので今日は諦めて
  338. 史乃 沙優希: 明日の朝の沙優希に 全てを託したいと思いま~す
  339. 竜城 明日香: なるほど、あの後こちらの件に 時間を割いてくださったのですね
  340. 史乃 沙優希: 沙優希も塁ちゃんの 「人が川に集まってきて大変」…
  341. 史乃 沙優希: というただならない様子の お電話を受けてはせ参じました!
  342. 木崎 衣美里: あーしたちと同じだね!
  343. 史乃 沙優希: グループチャットのログも 確認したので
  344. 史乃 沙優希: だいたいの流れは 把握してますよ~
  345. 木崎 衣美里: …と、るいるいが言ってたのは この辺かな?
  346. 竜城 明日香: 塁さんはどこに…
  347. 美凪 ささら: わ、あれ何っ!?
  348. 竜城 明日香: もしかしてアレが 塁さんの言っていた人だかり…?
  349. 史乃 沙優希: よくみると…、みなさん 魔女の口づけを受けていますぅ
  350. 木崎 衣美里: 魔女の口づけ!? こんな大量に!?
  351. 木崎 衣美里: しかもなんか…
  352. 木崎 衣美里: めっちゃ重そうな荷物 背負ってね?
  353. 塁の声: やめて~~っ! 行かないでよ~~っ!
  354. せいらの声: コラーーっ! 止まれーーっ!
  355. 水樹 塁: ぐぬぬ~…
  356. 由貴 真里愛: めぐるちゃん、実況の魔法は 暴れる人たちを
  357. 由貴 真里愛: クールダウン させることって可能?
  358. 枇々木 めぐる: あ、あいにくめぐるの魔法は 盛り上げる方が得意で…
  359. 由貴 真里愛: わかったわ
  360. 由貴 真里愛: こうなったら私の魔法で
  361. 由貴 真里愛: ひとりひとり縛り上げていくしか なさそうね…!
  362. 枇々木 めぐる: お願いします!
  363. 竜城 明日香: な、なんだかわかりませんが 私たちも加勢しましょう!
  364. 水樹 塁: み、みんな 来てくれてありがとう…!
  365. 美凪 ささら: こ、これ、どういう状況!?
  366. 水樹 塁: たぶん…
  367. 水樹 塁: 私が捉えきれなかった魔女からの 口づけを受けた人たち…
  368. 水樹 塁: そ、その魔女は美雨さんと あいみさんが倒しにいってる…!
  369. 美凪 ささら: じゃあ、この状況は 1体の魔女が引き起こして…!?
  370. 美凪 ささら: (ネオマギウスの用意した魔女に そんな強力なものが…?)
  371. 美凪 ささら: (いや、それ以上に)
  372. 美凪 ささら: (ネオマギウスの作戦で みんなの心が弱ってた…)
  373. 美凪 ささら: (それが魔女につけ入れられる 隙を作っていた…?)
  374. 木崎 衣美里: ってかこれ みんな工匠区の人たち!?
  375. 水樹 塁: たぶん違う… あの子たち見て…
  376. …………
  377. 木崎 衣美里: あれ!? 制服が…!
  378. 水樹 塁: うん…新西や水名に参京 栄とか中央の制服ばっかり…
  379. 水樹 塁: 大人の人も裕福そうな感じだし
  380. 水樹 塁: 工匠区とか大東区の人じゃ ないと思う…
  381. 水樹 塁: それで、この人たちはみんな これからあの川を渡って…
  382. 水樹 塁: 大東区に向かうつもりみたい…
  383. 竜城 明日香: 魔女の口づけを受けた 西側の人たちが…
  384. 竜城 明日香: 重そうな荷物を持って 大東区へ侵攻…
  385. 竜城 明日香: な、何が起きようと してるんですか…!?
  386.  
  387. FILENAME: text_208003-1_Q9JpF.txt
  388. 由貴 真里愛: いい子にしないなら ちょっと厳しくいくわよ…!
  389. 由貴 真里愛: えいっ!
  390. 枇々木 めぐる: またもや決まったーーっ!
  391. 枇々木 めぐる: どこからともなく現れた 魔法の縄は猛進する者たちを
  392. 枇々木 めぐる: 母のように優しく包み込み 母のように決して放さない!
  393. 枇々木 めぐる: ああっ! 泣きつかれた子どものように
  394. 枇々木 めぐる: みんなおとなしくなっていく~!
  395. 由貴 真里愛: ふぅ…ふぅ…
  396. 枇々木 めぐる: って、大丈夫ですか!?
  397. 由貴 真里愛: さすがに連続で使って ちょっと疲れちゃったけど…
  398. 由貴 真里愛: みんなが押さえてくれてる間に どんどん縛っていくわよ…!
  399. 枇々木 めぐる: わかりました めぐるも実況でサポートします!
  400. 三穂野 せいら: あ、そうだ水樹!
  401. 三穂野 せいら: 縛られてる人たちの荷物 何が入ってるか調べよう!
  402. 水樹 塁: そ、そうだね…! あの重そうなカバンの中身…
  403. 水樹 塁: 勝手に拝借します…!
  404. ガサッ…
  405. 水樹 塁: ――っ!?
  406. 三穂野 せいら: どうした!?
  407. 水樹 塁: 大量の…カナヅチに スパナにダンベル…
  408. 竜城 明日香: 別の方の荷物は コンクリートブロックや
  409. 竜城 明日香: 園芸用の大量の土が 入ってました
  410. 水樹 塁: …………どれもとても重いモノ…
  411. 水樹 塁: (しかも硬くて 武器になるものばかり…!)
  412. 水樹 塁: (ブロックとか土はちょっと 武器とは違うけど…)
  413. 水樹 塁: (それは一旦、無視して…)
  414. 水樹 塁: (とにかくみんな、 武器になるものを持ってる…!)
  415. 水樹 塁: やっぱり…そうなんだね…
  416. 水樹 塁: そんなはずないと信じたくて 考えないようにしてたけど…
  417. 水樹 塁: やっぱりお前たちは この大量の武器を持って川を渡り
  418. 水樹 塁: 大東区で破壊の限りを 尽くすつもりだったんだな!!
  419. 水樹 塁: なんでだっ!!
  420. 水樹 塁: なんで魔女の口づけを 受けたとはいえ
  421. 水樹 塁: よりによって そんな感情が増幅されたんだっ!
  422. 水樹 塁: なんで西の人たちは そんなに東のことを嫌うんだ!!
  423. 三穂野 せいら: (水樹…)
  424. 破壊の…限りを…尽くす…
  425. そんなつもりは…ない… 破壊なんて…オレは…ただ…
  426. 水樹 塁: (違った!)
  427. 水樹 塁: へ?へ? ど、どういうこと…
  428. 水樹 塁: じゃあもしかして、こっち…?
  429. 水樹 塁: …………視送れ、天門眼…!
  430. 木崎 衣美里: え、何今の…「視送れ」って… なんか…イカしてない…?
  431. 水樹 塁: ――っ!?
  432. 水樹 塁: 口づけを受けたみんな 死相がすっごく濃く出てる…
  433. 三穂野 せいら: それって…
  434. ぅ…離してくれ…
  435. オレは、ダメなんだ… この身を捧げないと…
  436. この…川に…
  437. オレも…
  438. 私も…
  439. みんな: ――っ!?
  440. 水樹 塁: もしかして、ここにいる全員が…
  441. 史乃 沙優希: で、では…まさか みなさんの、その重い荷物はぁ…
  442. 史乃 沙優希: 川に落ちた後に 浮かないようにするための…
  443. みんなで…笑われよう…
  444. キミたちも気にしないで
  445. ほら、落として笑ってくれよ…
  446. 竜城 明日香: ム、ムリですよ…
  447. 由貴 真里愛: …そんなこと言われて 尚更離すことなんてできない
  448. 枇々木 めぐる: そもそも笑われて なんになるんですか
  449. 東の人が、喜んでくれる…
  450. これはそのための…儀式なんだ…
  451. 美凪 ささら: なんで、そんな よりによってこのタイミングで…
  452. 後ろめたい思いがあったのに… 変わらなかったオレが悪い…
  453. 七海やちよみたいに 勇気のないオレは
  454. こうするしかないんだ…
  455. 美凪 ささら: まさか…
  456. 美凪 ささら: 「あの放送を見て 東の人への罪悪感から自殺を…?」
  457. 由貴 真里愛: 元々あった東への 半端な後ろめたい気持ちに…
  458. 三穂野 せいら: 神浜市を襲った 異常事態への不安…
  459. 竜城 明日香: そこにやちよさんの 放送を受けて
  460. 美凪 ささら: さらに追い打ちで 魔女の口づけを受けた…
  461. 史乃 沙優希: その結果…自分で自分に… 絶望してしまったんですね…
  462.  
  463. FILENAME: text_208003-2_Q9JpF.txt
  464. さあ、儀式をしないと… それが正義だ…
  465. 東の人は悪くない…
  466. ただ悪いと 思っていたかっただけ…
  467. 美凪 ささら: ――っ!?
  468. 悪いやつを叩くのは当然だけど… オレは正義になりたかっただけ…
  469. 手っ取り早く叩ける標的が ほしかっただけだ…
  470. だから今も手っ取り早く 正義になろう…儀式を終えて…
  471. 美凪 ささら: …………
  472. 美凪 ささら: (…まったく共感は できないけど…)
  473. 美凪 ささら: (でも、かつての私も…この人と 近い要素はあったかもしれない)
  474. 美凪 ささら: (騎士になりたいと願いを叶え 魔法少女になった私は…)
  475. 美凪 ささら: (不純な動機で 正義であろうとしていた)
  476. 美凪 ささら: (でもその後で、明日香や 他の魔法少女の仲間と出会って)
  477. 美凪 ささら: 私は何を迷ってたんだろう… …いや、忘れていたんだ
  478. 美凪 ささら: 絵本の騎士は ただ真っ直ぐに人を助けていた
  479. 美凪 ささら: そして、お父さんも…
  480. 美凪 ささら: よーし! 考えるのやーめた!
  481. 美凪 ささら: (目が覚めて、私は… 道を踏み外さずに済んだ…)
  482. 美凪 ささら: (だけどもし、もし魔法少女に なっていなかったら)
  483. 美凪 ささら: (学校も学年も違う明日香たちに 出会うこともなく)
  484. 美凪 ささら: (抱いていた欲望だけが 膨れ上がって…そのまま…)
  485. …………
  486. 美凪 ささら: (私も… 一緒だったかもしれない)
  487. あの子が怖いから… 同じものを好きになった…
  488. 同じものを嫌いになった… 同じように東を侮蔑した…
  489. 竜城 明日香: なんたる…!
  490. だって私は弱いから…
  491. 竜城 明日香: ――っ!?
  492. 弱い私は…クラスの強い子に 流されるしかない…
  493. 弱い生き方をして… ただ知らない人を傷つけただけ…
  494. だから私も仲間に入るの… この儀式の輪の中に…
  495. 竜城 明日香: (『弱いから』ですか…)
  496. 竜城 明日香: (この方の言い分を 途中まで聞いていた限りは…)
  497. 竜城 明日香: (なんたる腐った性根! けしからん!)
  498. 竜城 明日香: (と、まったく共感 できていませんでしたが…)
  499. 竜城 明日香: (それを言えてしまうのは たまたま私が)
  500. 竜城 明日香: (「強いから」でしかない のでしょう…)
  501. 竜城 明日香: (幼い頃から道場で鍛えられ 思春期に魔法少女になった私の)
  502. 竜城 明日香: (強いが故の傲慢さでした…)
  503. 竜城 明日香: (もし私が普通の家庭に生まれ)
  504. 竜城 明日香: (魔法少女にもならず 普通の弱い人間だったら…)
  505. 竜城 明日香: …………
  506. 木崎 衣美里: (あーしも、この人の気持ち 少しわかる)
  507. 木崎 衣美里: (今でこそ、クラスの子に バカにされたって)
  508. 木崎 衣美里: (なんとも思わないけど…)
  509. 木崎 衣美里: (ちょっと前までは…)
  510. 木崎 衣美里: (クラスの子に 陰口を言われただけで)
  511. 木崎 衣美里: (ドッペルなんか出してたし…)
  512. 都 ひなの: たぶん、ドッペルだな アタシも少し前に経験した
  513. 都 ひなの: 大変だっただろ? 無事に戻ってこられてよかった…
  514. 木崎 衣美里: みゃーこ先輩の言葉で 戻ってこれたんだよ
  515. 木崎 衣美里: だから、ありがとね
  516. 木崎 衣美里: (それを乗り越えられるように なったのは…)
  517. 木崎 衣美里: (魔法少女になって 頼りになる年上の人や)
  518. 木崎 衣美里: (大事な仲間が クラスの外にもできたからで…)
  519. 木崎 衣美里: (魔法少女になってなかったら クラスの子にどう見られてるか)
  520. 木崎 衣美里: (きっと、気にしまくりの 青春だったと思う…)
  521. 竜城 明日香: 私も…
  522. 木崎 衣美里: あーしも…
  523. 明日香&衣美里: 一緒だったかもしれません… (一緒だったかもしれない)
  524.  
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  526. 三穂野 せいら: あーもう! 何それ!
  527. 三穂野 せいら: 私は神浜市の出身じゃないから なんにも知らないけど
  528. 三穂野 せいら: なんか、みんな勝手すぎない!? わっけわかんないよっ!
  529. 水樹 塁: せいらちゃん…!
  530. 知らないのっていいよな… とても幸せだよな…
  531. オレは何も知らなかった とても幸せだった
  532. 三穂野 せいら: はあ?
  533. オレも大東のヤツらを 知らなきゃ良かった…
  534. 試合で話したりなんて… するんじゃなかった…
  535. 親の話と、全然違う…
  536. みんな、気の良いヤツらで ライバル同士になれた…
  537. なのに、オレは悪く言ってた… 悪いと決めつけてた…
  538. あぁ…間抜けだ…滑稽だ…
  539. 自分を知った今… オレはもう…消えてしまいたい…
  540. 由貴 真里愛: …………
  541. 枇々木 めぐる: …………もしかして それが…
  542. 枇々木 めぐる: 逆に…どうしてめぐるは… いえ、魔法少女のみんなは
  543. 枇々木 めぐる: 東も西も分け隔てなく
  544. 枇々木 めぐる: 普通に接することが できるのでしょうか
  545. 枇々木 めぐる: あの疑問の答え…?
  546. 由貴 真里愛: 私たちは魔法少女という 大きなコミュニティの中で
  547. 由貴 真里愛: 意識をせず 東の子と関わり、互いを知った
  548. 由貴 真里愛: もし魔法少女に なってなかったら…私たちも…
  549. 史乃 沙優希: 一緒だったかもしれませんね…
  550. みんな: …………
  551. 水樹 塁: だったら… いや、だからこそ…
  552. 水樹 塁: (本当は言いたくないけど…)
  553. 水樹 塁: まだ、希望はある…!
  554. 三穂野 せいら: …………!
  555. 竜城 明日香: そうです!
  556. 竜城 明日香: 私たちとあなたたちに 根本的な違いはありません!
  557. 史乃 沙優希: 反省できた時点で
  558. 史乃 沙優希: 個人の人格的な問題では ないのかもしれません
  559. 美凪 ささら: 私たちと違うところが あるとすれば…
  560. 美凪 ささら: それは「めぐり合わせ」
  561. 由貴 真里愛: めぐり合わせが悪ければ 私も同じだったかもしれない
  562. 木崎 衣美里: みんなの性格が 悪いんじゃない!
  563. 枇々木 めぐる: たまたま、そういう環境だった それだけです!
  564. 水樹 塁: だから、自分に絶望する 必要なんて、ないと思う…!
  565. みんな: 「…………」
  566.  
  567. FILENAME: text_208004-1_hBYRq.txt
  568. みんな: 「…………」
  569. 江利 あいみ: 倒したーー! あんなデカい魔女久しぶり!
  570. 純 美雨: ふぅ ちと時間かかたヨ…
  571. …あれ? オレはいったい何を…?
  572. 竜城 明日香: …………
  573. 江利 あいみ: みんな!大丈夫だった!?
  574. 江利 あいみ: というか何? 今どんな状況…?
  575. 竜城 明日香: あー、大丈夫です! タイミングバッチリです!
  576. そうですか… オレたちが謝罪の入水自殺…
  577. 確かに勝手ながら 後ろめたい感情はずっとあった…
  578. ずっと後悔している それはそうだ…
  579. さすがに自殺はできないけど… なんとか償いたい気持ちもある…
  580. だけど、今さら手のひらを返して
  581. ひとりで 声を上げる勇気はない…!
  582. 竜城 明日香: …………
  583. …ひとりじゃないです
  584. 同じ後悔をしてる人間なら ここにいます
  585. 一緒に声を上げていきましょう…
  586. 「私たちが一緒です」
  587. みなさん…ありがとう…
  588. 竜城 明日香: 希望はありましたね…!
  589. 美凪 ささら: 自分の失態に気づいて 安易に自殺を選ぶより
  590. 美凪 ささら: 多少の反発を受けることは 覚悟の上で
  591. 美凪 ささら: 正しい道へ進む方が いいのかもしれないね
  592. 竜城 明日香: 全くもってその通りです!
  593. オレなんかがのうのうと生きて いいのかわからないけど
  594. 少しずつ償っていくよ…
  595. 純 美雨: …事情はよくわからんけど
  596. 純 美雨: そのための 署名サイトじゃないカ?
  597. 純 美雨: てことでホラ ささとみんな署名するヨ
  598. 江利 あいみ: うわ~ すごいな美雨ちゃん
  599. そうですね さっそく署名します
  600. この署名サイトで絶望したけど 逆に救われちゃった…
  601. 史乃 沙優希: …………
  602. 史乃 沙優希: ふふ、なんだか 嬉しくなってきちゃいました
  603. あれ…………もしかして、 さゆさゆ…?
  604. 衣装も…よく見るのだし…
  605. 史乃 沙優希: ――っ!?
  606. 竜城 明日香: た、たたた大変です!
  607. 竜城 明日香: アイドルのさゆさゆさんがいると バレてしまいました!
  608. 枇々木 めぐる: みなさん、いきなり正気に 戻られたので
  609. 枇々木 めぐる: 変身を解くチャンスも なかったんですよね…!
  610. 史乃 沙優希: …………
  611. 美凪 ささら: ど、どうする…? 誤魔化す…?
  612. 由貴 真里愛: パニックになるのも避けたいし…
  613. 由貴 真里愛: それにこんな現場に居たって なったら
  614. 由貴 真里愛: 事務所にも怒られるんじゃ…
  615. 史乃 沙優希: あうう… そ、そうですねぇ~…
  616. 史乃 沙優希: あ、あのすみません… 実は私…沙優希さんではなく…
  617. 人違いでしたか… すみません、ご迷惑を…
  618. はぁ…
  619. 史乃 沙優希: …………あ、間違えました
  620. 史乃 沙優希: 沙優希はぁ史乃沙優希で さゆさゆです!
  621. 美凪 ささら: って、ええっ!?
  622. う、うそ…!? 本当にさゆさゆ!?
  623. な、なんでこんなところに…!?
  624. 史乃 沙優希: はい! 本物のさゆさゆですぅ
  625. 史乃 沙優希: ここにはゲリラライブをしに 来たんですよぉ
  626.  
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  628. 史乃 沙優希: ここにはゲリラライブをしに 来たんですよぉ
  629. ――っ!?
  630. 江利 あいみ: なんで!? な、何言ってるの!?
  631. 史乃 沙優希: だって… みなさんボロボロの中で
  632. 史乃 沙優希: 必死に悩んであがいてた わけじゃないですかぁ
  633. 史乃 沙優希: 物が食べられず水が飲めず しかも生き方への後悔もあって
  634. 史乃 沙優希: そんな落ち込んだ心が原因で 魔女につけ入られたんですよぉ…
  635. 江利 あいみ: …………
  636. 史乃 沙優希: けど、今それを乗り越えて 前に進もうとしてるんですぅ
  637. 史乃 沙優希: なら、ここで歌って 元気づけられなきゃ
  638. 史乃 沙優希: アイドルやってる意味が わかんなくなっちゃいますぅ~!
  639. 枇々木 めぐる: さゆさゆだ…!
  640. 枇々木 めぐる: これが、さゆさゆだっ!!
  641. 史乃 沙優希: みなさ~ん、こんばんはー!
  642. 史乃 沙優希: 神浜のご当地刀剣アイドル さゆさゆで~す
  643. ざわ…
  644. 「え、さゆさゆって…あのさゆさゆ…?」
  645. 史乃 沙優希: 今、この神浜市はと~っても 辛い状況だけど
  646. 史乃 沙優希: 一緒に元気を出して 斬り抜けちゃいましょ~う!
  647. 史乃 沙優希: 神浜市東ど真ん中ゲリラライブ いざ尋常にはじまりはじまり~!
  648. 「ライブ…」 「歌なんて聴いてる場合じゃないんだけどな…」 「さっきまで死のうとしてたわけだし…」
  649. 史乃 沙優希: そんなこと言わずにぃ 聴いてってくださぃよぉ~
  650. 史乃 沙優希: これから歌う曲はぁ さゆさゆの未発表の新曲ですぅ
  651. 「…………未発表…」 「なら…まあ…せっかくだし…」
  652. 史乃 沙優希: この曲はぁ、アイドルとして たくさんの人の気持ちに
  653. 史乃 沙優希: 寄り添えたらいいなぁという 願いや想いを込めましたぁ
  654. 史乃 沙優希: でもタイトルだけが どうしても思い浮かばなくてぇ
  655. 史乃 沙優希: 今日も遅くまで 詰めてたんですよぉ
  656. 史乃 沙優希: そんなタイトルでしたが たった今、決まりました!
  657. 史乃 沙優希: そこでみなさんに お願いがあるのですがぁ
  658. 史乃 沙優希: たくさんの人に寄り添いたい という願いを叶えるために…
  659. 史乃 沙優希: このライブをスマホで撮影して
  660. 史乃 沙優希: 苦しんでいる 神浜市のみなさんにも
  661. 史乃 沙優希: SNSでの共有をお願いしま~す
  662. ざわ…
  663. 「え…大丈夫なのか…?」 「まだ未発表の…新曲なのに…?」
  664. 史乃 沙優希: では聴いてください 「#私も一緒、私が一緒」
  665. 「うおおおお!」
  666. 木崎 衣美里: ライブ めっちゃ盛り上がってんじゃん!
  667. 美凪 ささら: さっきまで川で入水自殺を しようとしてたとは思えないね…
  668. 竜城 明日香: これも…沙優希先輩の 魔法の力でしょうか
  669. 美凪 ささら: どうだろ…
  670. 美凪 ささら: アイドルとしての 魅力かもしれないよ
  671. 水樹 塁: ~~♪
  672. 三穂野 せいら: 水樹、さっきは偉かったよ
  673. 水樹 塁: え…?
  674. 三穂野 せいら: 水樹が『まだ希望はある』 って言ったから
  675. 三穂野 せいら: その後にみんなの説得が 続いたんだと思う
  676. 三穂野 せいら: …本当は言いたくなかった ことだろうけど…
  677. 水樹 塁: べ、別に大したことじゃないよ…
  678. 水樹 塁: それに魔女が倒されたから あの人たちは止まっただけで
  679. 水樹 塁: 説得なんてそもそも意味ないし…
  680. 三穂野 せいら: 意味がないことなのに言ったのが 偉いんだよ!
  681. 水樹 塁: せ、せいらちゃん…
  682. ところでその… さゆさゆのお連れのみなさん…
  683. 水樹 塁: ――っ!?
  684. 水樹 塁: は、はい…なんでしょ…
  685. 格好が少々奇抜ですが…
  686. 三穂野 せいら: (う、気づかれたか…!)
  687. 三穂野 せいら: (ちょっと元気になって 平静を取り戻したせいで…)
  688. もしかして、さゆさゆの 親衛隊…とかですか…?
  689. どことなく衣装の方向性は さゆさゆに近いですし
  690. 水樹 塁: …そ、そんな感じです…
  691. だとしたら惜しい!
  692. さゆさゆが好きなのは 大鎌ではなく刀剣ですよ!
  693. 水樹 塁: に、にわかですみません…
  694. 水樹 塁: (お、オタクぅ…!)
  695. 三穂野 せいら: まあ、あそこまで調子がいいなら ひとまず安心かな
  696. 竜城 明日香: す、すごいです! 流石この町のスター沙優希先輩!
  697. 木崎 衣美里: どうしたの!?
  698. 竜城 明日香: 「#私も一緒、私が一緒」が 神浜市の地域別トレンド3位です
  699. 木崎 衣美里: すっげー! マジじゃん!
  700. 江利 あいみ: だってライブ観てるみんな すごいネットに挙げてるし
  701. 江利 あいみ: その投稿を見た人も 引用で感想とか上げてるしね
  702. さゆさゆがゲリラライブやってる! しかも新曲!やばい! タイトルは、#私も一緒、私が一緒 www.doutu.be~~
  703. さゆさゆのゲリラライブの動画観た! お腹空いてノドも渇いてるはずなのに すっごい頑張ってる! 私も元気もらっちゃった! #私も一緒、私が一緒
  704. 江利 あいみ: ほら!
  705. 美凪 ささら: あれ…? よく考えたらこのタグってさ…
  706. 美凪 ささら: 署名サイトと関連性… 結構、高いよね…?
  707. 枇々木 めぐる: 確かに!
  708. 木崎 衣美里: あーしたちも 言っちゃってたもんね
  709. 木崎 衣美里: 一緒だって
  710. 竜城 明日香: ええ、そしてそれこそが 迷える私たちの救いとなり
  711. 竜城 明日香: さらには背中を押す言葉でした
  712. 枇々木 めぐる: な、なら… このハッシュタグと一緒に
  713. 枇々木 めぐる: 署名サイトのリンクを貼れば…
  714. 枇々木 めぐる: 神浜市のたくさんの人の目に 留まるかもしれません!
  715. 純 美雨: もうやてるヨ
  716. 江利 あいみ: 早い!
  717. 由貴 真里愛: ――っ!?
  718. 由貴 真里愛: 本当ねっ!
  719. 由貴 真里愛: 署名サイトのアクセス数が どんどん伸びてるわ!
  720. 木崎 衣美里: よっしゃー!
  721. 美凪 ささら: うまくいったね…
  722. 竜城 明日香: はいっ!
  723.  
  724. FILENAME: text_208004-3_hBYRq.txt
  725. 史乃 沙優希: …っていうことがあって
  726. 史乃 沙優希: 河川敷ライブはと~っても 盛り上がったんですぅ~!
  727. 史乃 沙優希: 事務所の人からは と~~~っても怒られましたが…
  728. 阿見 莉愛: 勝手に新曲を披露して ネットにばらまいて
  729. 阿見 莉愛: オマケにタイトルも勝手に 宣言して確定させたわけだしね…
  730. 史乃 沙優希: まさかこの歳になって
  731. 史乃 沙優希: 怒られて泣くとは 思いませんでしたぁ~…
  732. 阿見 莉愛: 何やってんだか…
  733. 史乃 沙優希: でも後悔はありません!
  734. 史乃 沙優希: それとあみめさんに お礼が言いたくて…
  735. 阿見 莉愛: 私? 何かしたかしら
  736. 史乃 沙優希: あの曲のタイトル… 「#私も一緒、私が一緒」は
  737. 史乃 沙優希: あみめさんがDotubeの 生配信で言った言葉が
  738. 史乃 沙優希: ヒントになったんです~
  739. 阿見 莉愛: 私と、 東を悪く言う人たちの間に
  740. 阿見 莉愛: 根本的な違いは何もありません
  741. 阿見 莉愛: 私も、一緒ですわ
  742. 阿見 莉愛: そうだったのね…
  743. 史乃 沙優希: 生配信で聞いたときは ちょっとピンと来ませんでしたが
  744. 史乃 沙優希: 川での騒動があって ようやく理解して
  745. 史乃 沙優希: それでインスパイア されてみました!
  746. 阿見 莉愛: がっつりパクリだと思うけど… まあいいわ
  747. 史乃 沙優希: でも、どうしてあみめさんは あの場でそう言えたんですか?
  748. 阿見 莉愛: え?
  749. 史乃 沙優希: 何か、そう気づく キッカケがあったのかなって…
  750. 阿見 莉愛: …………
  751. キーンコーンカーンコーン
  752. 史乃 沙優希: あっ!いけません! 授業に遅れてしまいます!
  753. 阿見 莉愛: …? もう放課後だけど…?
  754. 史乃 沙優希: この間、収録でお休みした分の 補修ですぅ~!
  755. 阿見 莉愛: 受験生は大変ね
  756. 史乃 沙優希: ではあみめさん、 本当にありがとうございました!
  757. 史乃 沙優希: 失礼しましたぁ~
  758. 阿見 莉愛: ふぅ…
  759. 阿見 莉愛: (どうして配信で そう言えたか…)
  760. 阿見 莉愛: (それは…)
  761. 阿見 莉愛: 先月決まった香水の広告を 降ろされた!?
  762. 阿見 莉愛: …来週から 撮影のはずだったのに…
  763. 莉愛の母: ええ…私の力が及ばず… ごめんなさいね…
  764. 莉愛の母: 張り切ってマネージャーなんて 引き受けといてこのザマよ…
  765. 莉愛の母: 情けないわ
  766. 阿見 莉愛: ふん! まあ、いいわ
  767. 阿見 莉愛: モデルの世界なんて 仕事の奪い合いは当然
  768. 阿見 莉愛: むしろ力が及ばなかったのは 私の方よ
  769. 阿見 莉愛: そのブランドも さぞやいいモデルを見つけたのね
  770. 莉愛の母: それが… ちょっと事情が違うのよ…
  771. 阿見 莉愛: どういうことかしら
  772. 莉愛の母: 正しい価値観というのは 日々変化…進歩していてね…
  773. 莉愛の母: 企業はイメージを守るために
  774. 莉愛の母: 常にその“新しい価値観”に 左右されるものなの
  775. 阿見 莉愛: …なんの話?
  776. 莉愛の母: だからね、あのブランドも 新しい価値観に則って
  777. 莉愛の母: 人を容姿の良し悪しで区別しない …というアピールのために
  778. 莉愛の母: 容姿の良すぎる人は起用しない って方針になったそうなの
  779. 阿見 莉愛: ――っ!?
  780. 莉愛の母: それでさっそく、来週の広告から この方針を適用していくみたい…
  781. 莉愛の母: …もう、新しい価値観の前ではね
  782. 莉愛の母: 美しい容姿を求め、良しとしたり 憧れの対象として持て囃すことが
  783. 莉愛の母: 悪いことになってしまったの
  784. 阿見 莉愛: なに…それ…
  785. 莉愛の母: おかしいって意見も 当然あるのよ…!
  786. 莉愛の母: これじゃ、まるで逆に…
  787. 阿見 莉愛: …………
  788. 莉愛の母: でもね、大丈夫だから!
  789. 莉愛の母: 必ずあなたの仕事を 失くしたりはしない!
  790. 莉愛の母: 必ずあなたの味方はいる!
  791. 莉愛の母: だからお母さんを信じて! 諦めないで!
  792. 阿見 莉愛: …………
  793. 阿見 莉愛: ショックだった
  794. 阿見 莉愛: でもそれは 広告の仕事を失ったことに、じゃなくて…
  795. 阿見 莉愛: (『美しい容姿に憧れて 求めることが悪いこと』…?)
  796. 阿見 莉愛: (じゃあ私は… 「悪いこと」を願ったの…?)
  797. 阿見 莉愛: 私はキュゥべえに願い この欲しくてたまらなかった 憧れの美しい容姿を手に入れた
  798. 阿見 莉愛: それは私が心の中で 容姿の良し悪しに優劣をつけていたということ
  799. 阿見 莉愛: もちろん容姿の優劣を理由にして 他者を攻撃したりなんてしない
  800. 阿見 莉愛: でも、容姿の良くない自分を拒み 美しい容姿を求めたこの価値観は…
  801. 阿見 莉愛: (もう…新しい価値観の前では)
  802. 阿見 莉愛: (悪いことに なってしまったのね…)
  803. 阿見 莉愛: 純粋に自分を守るための欲求が 無自覚に他者を傷つける価値観となる… 私はそれに気づいたの
  804. 阿見 莉愛: (だからあのとき、あの配信で 言えたのよ…)
  805. 阿見 莉愛: (私も、一緒だって…)
  806. 阿見 莉愛: …………
  807. 胡桃 まなか: …あの、何ボサっと 黄昏てるんですか阿見先輩
  808. 阿見 莉愛: え?
  809. 胡桃 まなか: 今日は新作オムレツの 試食をしてくれる約束のはずです
  810. 阿見 莉愛: ああ、ごめんなさい すぐに向かうわ
  811. 阿見 莉愛: …ねえ、あなたは自分の料理の 腕を呪ったことある?
  812. 胡桃 まなか: そうですねぇ まなかもまだまだ未熟ですからね
  813. 胡桃 まなか: 呪うってことはないですが もっと上達したい気持ちですね
  814. 阿見 莉愛: …そっちにじゃなくてね 上手すぎる自分に対して…
  815. 阿見 莉愛: たとえば、料理の下手な人に 申し訳ないって気持ちとか…
  816. 胡桃 まなか: はぃ?
  817. 阿見 莉愛: 自分が料理を上手なせいで 下手な人を傷つけるんじゃとか…
  818. 阿見 莉愛: もしくはそう責められたり したこととかあったり…
  819. 胡桃 まなか: そんなことカケラも考えたこと ないですし
  820. 胡桃 まなか: そう言ってくる人も ゼロですよ、ゼロ
  821. 阿見 莉愛: そう…なのね…
  822. 胡桃 まなか: それに先ほども言いましたが
  823. 胡桃 まなか: まなかも中々とはいえ 同時に「まだまだ」です
  824. 胡桃 まなか: 上には上がいます
  825. 胡桃 まなか: そんな悩みは、世界一の料理人… 「神」にでもならない限り
  826. 胡桃 まなか: ただの傲慢な 思い上がりでしかないでしょう
  827. 胡桃 まなか: 頂点でもない人間は悩む前に まず自分を磨けって話です
  828. 阿見 莉愛: なるほど、傲慢ね…
  829. 阿見 莉愛: ありがと
  830. 胡桃 まなか: え、なんですか
  831. 胡桃 まなか: また変なモノ 拾い食いしたんですか
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