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Urara, Secrets, and a Farewell Party JP Text

Jun 27th, 2022 (edited)
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  1. (From the opening sequence images in 516410-0)
  2. 誰にも知られてはいけない、大切な想い…
  3. [Title card] うららとナイショと送別会
  4.  
  5. FILENAME: text_516410-1_FQhRT.txt
  6. うらら: んん…
  7. うらら: ここ…
  8. うらら: あ、そっか…
  9. うらら: ウチ、二木市の病院に 入院してるんよね…
  10. うらら: …………
  11. うらら: (…さくやさんを 守りたかったのにできなかった)
  12. うらら: (それどころか…)
  13. 結菜: 内偵のように入っているのは 最近になって気付いたわぁ
  14. 結菜: だけど、どちらかと言うと 身を潜めているというか
  15. 結菜: こっそり隠れてるみたいだから みんなで静観していたのよぉ…
  16. うらら: (午前0時のフォークロアに いるウチが)
  17. うらら: (プロミストブラッドを 内偵してたってバレてたんよ…)
  18. うらら: はぁ… いいとこなしなんよ…
  19. ~~♪~~♪
  20. うらら: もしかしてラビさん…!?
  21. うらら: (これからどうするか 相談しないといけないんよ…)
  22. うらら: …って、あれ? 結菜さんから…?
  23. 結菜: もしもし 今、大丈夫かしらぁ…?
  24. うらら: うん、むしろ何もできないから お昼寝してたくらいなんよ!
  25. 結菜: ふふ…そぅ…
  26. うらら: それで…結菜さん、 ウチに何か用でもあるのん…?
  27. 結菜: 実はねぇ…
  28. 結菜: 今度、うららの送別会を 開こうと思ってるのよぉ
  29. うらら: ――っ!? ど、どうして…
  30. うらら: ウチはプロミストブラッドに 潜入してたスパイなんよ!?
  31. 結菜: ええ、だからあなたの正体を 他の子には明かせなぃ
  32. 結菜: だから幹部だけで集まって 送り出そうと思ってるわぁ…
  33. うらら: でも、なんでウチに…
  34. 結菜: あなたは命をかけて、仲間を 助けようとしてくれたじゃなぃ…
  35. 結菜: そのお礼も兼ねて
  36. 結菜: お別れの挨拶くらい させてほしいのよ…
  37. うらら: …悪いけど、送別会は お断りするんよ
  38. 結菜: あらぁ…?
  39. 結菜: うららだったら絶対 喜んでくれると思ったのだけど…
  40. うらら: 結菜さんの気持ちは もちろん嬉しいんよ
  41. うらら: でもウチはプロミストブラッドを 抜けるって決めたし
  42. うらら: そもそも部外者なんよ
  43. うらら: だから、これ以上関わるのは おかしいんよ…
  44. 結菜: そぅ…残念だわぁ…
  45. うらら: ごめんなさいなんよ…
  46. 結菜: 気にしないでちょうだぃ…
  47. 結菜: それじゃあ元気でね、うらら
  48. うらら: …………
  49. カチャ
  50. かごめ: 電話、終わった…?
  51. うらら: あ、かごめちゃん…
  52. かごめ: 検査が終わって 戻ってきたんだけど
  53. かごめ: 取り込み中みたいだったから…
  54. うらら: 気を遣わせちゃって悪かったんよ でも、もう終わったんよ
  55. うらら: (もう…終わったことなんよ)
  56.  
  57. FILENAME: text_516410-2_FQhRT.txt
  58. うらら: 傷の具合はどうなのん?
  59. かごめ: 良くなってきたけど もう少し入院しないとダメみたい
  60. かごめ: 本当は早く退院して
  61. かごめ: 魔法少女のみんなを 取材したいけど…
  62. うらら: …無理はしないほうがいいんよ
  63. うらら: 二木市の状況なら
  64. うらら: プロミストブラッドの子たちが お見舞いついでに教えてくれるし
  65. うらら: 焦る必要はないんよ
  66. かごめ: うん… ありがとう、うららちゃん
  67. うらら: …ウチもわかるから 何もできなくて焦る気持ち…
  68. かごめ: そうだよね…
  69. かごめ: うららちゃんも早く戻りたいよね 紅晴さんたちのところに…
  70. うらら: …ううん、ウチは 午前0時のフォークロアだから
  71. うらら: ラビさんたちのところに戻るんよ
  72. かごめ: あ…そうなんだ…
  73. かごめ: プロミストブラッドの人は うららちゃんのこと…
  74. うらら: 結菜さん以外には 正体を明かしてないし
  75. うらら: 明かすつもりもないんよ
  76. かごめ: そっか…
  77. かごめ: でも、それが一番いいのかも しれないね…
  78. かごめ: 二木市はいま混乱してるって 聞いてるし…
  79. うらら: …………
  80. かごめ: …………
  81. かごめ: あの、うららちゃんのこと 聞いてもいいかな…?
  82. うらら: 取材ってことなのん? それなら別に構わないんよ
  83. うらら: ウチ、湯国市では 大道芸人コンビを組んで
  84. うらら: タレント活動もしてたから
  85. うらら: 取材には慣れてるし、実家の 面白エピソードも話せるんよ!
  86. かごめ: えっと、 それも聞いてみたいけど…
  87. かごめ: うららちゃんはどうして
  88. かごめ: プロミストブラッドに 潜入することになったの?
  89. うらら: そ、そうだったんよ!
  90. うらら: かごめちゃんの取材は 魔法少女に関することだから
  91. うらら: 面白エピソードは 関係ないんよ!
  92. かごめ: ふふ… それもあとで聞かせてね
  93. うらら: えっと…プロミストブラッドに 潜入するきっかけは…
  94. ラビ: 神浜市の争いを見守るため 旭、サーシャ、うららには
  95. ラビ: 各グループに潜入して 動向を探ってほしい
  96. うらら: わかったんよ!
  97. ラビ: 私は教授に頼まれたから
  98. ラビ: 娘の那由他のそばで、彼女に 危害が及ばないようにする
  99. 旭: 我は時女一族の血を 引いている身であります
  100. 旭: ちょうど本家からも 招集がかかっているので
  101. 旭: 時女一族への潜入は 我が適任かと
  102. ラビ: ええ、お願い
  103. ラビ: サーシャは、 性格や戦い方を踏まえると
  104. ラビ: ネオマギウスが合うと思う
  105. ラビ: ただ、ネオマギウスは グループとして安定していない
  106. ラビ: 注意しないと、本格的な争いの 前に消滅するかもしれない
  107. アレクサンドラ: わかりました なるべく注意して見守りますね♪
  108. うらら: それじゃあ、ウチは…
  109. ラビ: プロミストブラッドに 潜入してほしい
  110. うらら: 荒事が絶えないグループらしいし ウチに務まるか不安なんよ…
  111. ラビ: うららを推す理由はある
  112. ラビ: あなたは魔法少女になって 日が浅いほうだけど
  113. ラビ: もともと運動神経がいいから 成長が早いし
  114. ラビ: なおかつ順応性も高くて 誰からも好かれやすい
  115. ラビ: 私たちの誰よりも 二木市でうまく馴染めると思う
  116. うらら: ラビさんがそう言うなら…
  117. ラビ: 不安かもしれないけど
  118. ラビ: 彼女たちも、新入りのうららに 無茶はさせないはず
  119. ラビ: それに、あの事件があって…
  120. ラビ: うららは今の学校から 系列校に転籍するでしょう?
  121. うらら: あ…うん…
  122. ラビ: あの学校は二木市が近いし 寮もある
  123. ラビ: プロミストブラッドを探るのに 活動しやすいと思う
  124. かごめ: へぇ… 氷室さんの案だったんだね
  125. うらら: ラビさんは頼りになるけど
  126. うらら: たまにびっくりすることを 言うんよ…
  127. かごめ: でも、氷室さんの予想は 当たってたと思うよ
  128. かごめ: 私がプロミストブラッドを 取材してるときも
  129. かごめ: うららちゃんは頑張り屋さんで すごく成長してるからえらい
  130. かごめ: って、みんなが褒めてたもん
  131. うらら: まぁ、ウチの取り柄は 元気と頑張ることだからなんよ
  132. かごめ: それじゃあグループには すぐに馴染めたんだね
  133. うらら: それが… 色々と悩むことはあったんよ…
  134.  
  135. FILENAME: text_516410-3_FQhRT.txt
  136. 樹里: おい、新入り
  137. 樹里: 姉さんの家に置いてた漫画、 持ってきてくれたか?
  138. うらら: もちろんなんよ!
  139. 樹里: …ってコレ、「よくばり先生」の 第1シリーズじゃねえか!
  140. 樹里: 第2シリーズを持ってこいって 言ったろ!
  141. うらら: あ、しまったんよ…!
  142. うらら: 第1シリーズを持ってきて って言われてたのは
  143. うらら: 「超コスモ宮殿」のほうなんよ…
  144. 樹里: ったくやる気あんのかよ
  145. うらら: ご、ごめんなさいなんよ…
  146. うらら: …でもウチ、次は頑張るんよ!
  147. うらら: もっと重要な任務をこなして グループの役に立つんよ!
  148. 樹里: 樹里サマの漫画を持ってくるのが 重要じゃねーって言いてえのか?
  149. うらら: じゅ、重要…なのん?
  150. 樹里: …これでストレスが溜まって 爆発したら
  151. 樹里: みんなウェルダンだからな!
  152. うらら: ひぃぃ~!
  153. 鈴鹿 さくや: ちょっと樹里! 年下にあたるなんて情けないよ
  154. 鈴鹿 さくや: 大丈夫だった? 気にしなくていいからね
  155. うらら: あ、えっと… 鈴鹿さん…
  156. 鈴鹿 さくや: さくやでいいよ
  157. 鈴鹿 さくや: プロミストブラッドに入ったのに
  158. 鈴鹿 さくや: こんな雑用ばっかりじゃ 気が滅入るって顔してるよ
  159. うらら: あ、顔に出ちゃってたんよ…
  160. 鈴鹿 さくや: かなりわかりやすくね
  161. 鈴鹿 さくや: でも、そのうち重要な任務を 任されるから安心して
  162. うらら: 本当なのん!?
  163. 鈴鹿 さくや: …正直、胸を張れるような 任務ばかりじゃないけど…
  164. うらら: 関係ないんよ!
  165. うらら: ウチ、なんでもやるって決めて このグループに入ったから!
  166. 樹里: じゃあ漫画を取りに行った帰りに 菓子も買ってきてくれよ
  167. 樹里: ほら、つり銭はやるからさ
  168. 鈴鹿 さくや: パシらせるのはやめなってば
  169. ひかる: そうっす!
  170. ひかる: 私用でメンバーをこき使うなんて
  171. ひかる: グループをまとめる三姉妹の 威厳が台無しっす!
  172. 智珠 らんか: いーからアンタも新入りと一緒に コンビニ行ってきてよ
  173. 智珠 らんか: アタシお腹空いちゃった
  174. ひかる: ハァ…他の買い出しもあるから そのついでに行ってくるっすけど
  175. ひかる: 今回だけっすからね!?
  176. ひかる: うらら、一緒に行くっすよ!
  177. うらら: あ、うん…!
  178. うらら: グループで一番年下だったから
  179. うらら: 最初は雑用で振り回されて 内偵どころじゃなかったんよ
  180. かごめ: 上下関係が厳しい…ってことかな
  181. かごめ: でも、煌里さんと鈴鹿さんが お世話してくれたんだね
  182. うらら: うん…
  183. うらら: 怖いって思ったこともあったけど
  184. うらら: みんなも、ウチと変わらない… ただの女の子だし
  185. うらら: ワイワイ話せることもあったんよ
  186. かごめ: じゃあグループに馴染めたのは
  187. かごめ: プロミストブラッドのみんなの おかげもあったんだ
  188. かごめ: 本当に良くしてもらってたんだね
  189. うらら: あ…………うん…
  190. うらら: (グループのメンバーだから 良くしてもらってた…)
  191. うらら: (それなのに、ウチはスパイで… みんなをずっと騙してたんよ…)
  192.  
  193. FILENAME: text_516410-4_FQhRT.txt
  194. うらら: かごめちゃんかごめちゃん! やっと退院日が決まったんよ!
  195. かごめ: おめでとう
  196. かごめ: プロミストブラッドのみんなには 退院日のことは…
  197. うらら: …言わないつもりなんよ
  198. うらら: ウチは午前0時のフォークロアで 傍観者の立場
  199. うらら: プロミストブラッドは抜けるから もう関係ないんよ
  200. かごめ: そう…
  201. うらら: …………
  202. かごめ: (寂しくなっちゃうから)
  203. かごめ: (本音を言わないように 我慢してるのかな…)
  204. かごめ: あの、退院したら うららちゃんはどうするの?
  205. うらら: 内偵の役目は終わったし ラビさんたちのところに戻るんよ
  206. かごめ: 紅晴さんたちにも 挨拶しないで行っちゃうの…?
  207. うらら: 結菜さんがお見舞いに来た日に 済ませたつもりだから…
  208. かごめ: そう…
  209. かごめ: (うららちゃん、 名残惜しそうに見えるけど…)
  210. コン、コン
  211. ラビ: うらら
  212. うらら: ラビさん!?
  213. うらら: わざわざ二木市に 来てくれたのん!?
  214. ラビ: 心配だったから
  215. うらら: あ… ごめんなさいなんよ
  216. うらら: ウチ…どうしても 守りたかった人がいて…
  217. ラビ: 事情は察しているし うららを咎めるつもりはない
  218. ラビ: でも、あなたの命は 大切にしてほしい
  219. うらら: うん… 肝に銘じるんよ
  220. ラビ: 佐鳥かごめも無事で良かった
  221. かごめ: あ…はい… ありがとうございます…!
  222. かごめ: その…私、 席を外しましょうか…?
  223. ラビ: いてくれて構わない
  224. ラビ: めぼしい情報はないけれど 魔法少女の話をするから
  225. かごめ: わかりました…
  226. ラビ: うららの具合はどう?
  227. うらら: だいぶ動けるようになったし 退院日も決まったんよ
  228. ラビ: そう、良かった
  229. ラビ: プロミストブラッドの状況は?
  230. うらら: グループ全体としては
  231. うらら: ユニオンと協力する方向に 動いてるんよ
  232. うらら: 神浜マギアユニオンとの 協調路線に舵を切った結菜さんに
  233. うらら: 一部が反発してるけど…
  234. ラビ: なるほど…
  235. ラビ: うららの通っている学校が バレていないのであれば
  236. ラビ: グループ内の反発騒ぎに乗じて
  237. ラビ: プロミストブラッドをそっと 抜けられると思う
  238. うらら: …………
  239. ラビ: どうかした?
  240. うらら: 学校はバレてないけど…
  241. うらら: グループを内偵してたことは 結菜さんにバレちゃったんよ…
  242. うらら: すぐに報告しなくて ごめんなさいなんよ…
  243. ラビ: それは構わない
  244. ラビ: 紅晴結菜は何か言っていた?
  245. うらら: なんとなく気づいてたけど 何もしないから様子を見てたって
  246. うらら: グループも出て行って構わない って言われてるんよ
  247. ラビ: そう… 意外ではあるけど、良かった
  248. ラビ: 何も問題なく、うららには 二木市を後にしてもらえる
  249. うらら: …………
  250. ラビ: …うらら
  251. ラビ: 本当にプロミストブラッドを 抜けられる?
  252. うらら: え、うん
  253. うらら: さっきも言ったけど、結菜さんに 許可はもらってあるんよ
  254. ラビ: …それはあくまで プロミストブラッドの都合
  255. ラビ: こちらに戻ってくるのは
  256. ラビ: うららなりに けじめをつけてからで構わない
  257. うらら: けじめって… どういうことなんよ、ラビさん
  258. ラビ: まずは気づくところから 始めてもいい
  259. ラビ: もう少しだけ、時間はあるから
  260. うらら: …………?
  261. かごめ: (…氷室さんも気づいてるんだ うららちゃんの気持ちに…)
  262.  
  263. FILENAME: text_516410-5_FQhRT.txt
  264. <翌日>
  265. うらら: すーーー… はぁ~~~!
  266. うらら: 久しぶりの外の空気は おいしいんよ
  267. うらら: …あっ
  268. うらら: (もうすぐ二木市のみんなが かごめちゃんのお見舞いに来る)
  269. うらら: (神浜市でラビさんたちと 集まる予定もあるし…)
  270. うらら: (鉢合わせしないうちに 神浜市に行くんよ)
  271. うらら: あ…!
  272. うらら!? あれ、もう退院したんだっけ
  273. おめでとう!
  274. うらら: あ、ありがとうなんよ…
  275. うらら: (油断したんよ…!)
  276. うらら: (まさかこんな昼間から 集まってるなんて…)
  277. ちょうどいいから うららも一緒に来て
  278. うらら: え、え? これから何かあるのん…?
  279. 竜ケ崎の連中と会うのよ
  280. 結菜さんの決めたことに まだ文句があるみたいなの
  281. 結菜さんは忙しいから
  282. 私たち虎屋町の魔法少女が 話し合いに応じるのよ
  283. 入院してて、現状があまり わからないと思うし
  284. いい機会だから 教えてあげるわ
  285. ほら、こっち来て
  286. うらら: わわっ!?
  287. うらら: (結局巻き込まれるんよ!)
  288. …結菜さんが いないみたいだけど?
  289. 結菜さんは忙しいの
  290. あなたたち竜ケ崎の連中に 対応するくらいなら
  291. 私たちだけで十分よ
  292. へぇ…ナメられたものね
  293. うらら: お、落ち着くんよ…! ケンカはよくないんよ…!
  294. 新入りのうららには わからないだろうけど
  295. 樹里さんが率いる アタシたち竜ケ崎と
  296. 紅晴結菜が率いる虎屋町は ずっと前から対立してきた
  297. 互いに仲間を殺されて 恨みだってあったけど
  298. 神浜市に恨みを晴らすために 団結してきたのよ
  299. それなのに、ユニオンと協力する なんて言い出した紅晴結菜には
  300. 反吐が出るわ
  301. なんですって…!?
  302. うらら: うぅ…これ以上ヒートアップ させたらまずいんよ…!
  303. うらら: (プロミストブラッドが 分裂してしまったら)
  304. うらら: (収まりかけてた神浜市での 状況がまた変わってくる…!)
  305. うらら: (もしかしてラビさんがウチに けじめをつけろって言ったのは)
  306. うらら: (分裂を止めろ ってことなのん…?)
  307. うらら: (それなら…!)
  308. うらら: だーかーら! ケンカはダメなんよ!
  309. 血の惨劇も知らないくせに お前は黙ってろ!
  310. うらら: …………!
  311. 結菜の声: そこまででいいわよ、うららぁ…
  312. うらら: ――っ!?
  313. うらら: 結菜さんとひかるさん…!? どうしてここに…!
  314. 結菜: 他の子から、仲裁してほしいって 連絡があったのよぉ
  315. 結菜: …無事に退院できたのね、うらら
  316. うらら: あ…
  317. うらら: ごめんなさいなんよ… ウチ、連絡もしないで…
  318. 結菜: いいのよぉ
  319. ひかる: さて、まず両者とも落ち着いて 話し合うっすよ
  320. …………
  321. うらら: あの、結菜さん… ウチ…
  322. 結菜: これは二木市の問題…
  323. 結菜: うららはもう 気にしなくていいのよぉ…
  324. うらら: あ…
  325. 結菜: 他に用事があるなら 行っていいわよぉ
  326. 結菜: ここは私とひかるで収めるからぁ
  327. うらら: …わかったんよ…
  328. うらら: …………
  329. うらら: ちょっと寂しいけど…
  330. うらら: ウチはもうプロミストブラッドの メンバーじゃない…
  331. うらら: 仲裁はウチの役割じゃないんよ…
  332. うらら: …………
  333. うらら: ラビさん…
  334. うらら: けじめをつけるって どうしたらいいのん…?
  335.  
  336. FILENAME: text_516410-6_FQhRT.txt
  337. うらら: …………あ…
  338. うらら: (けじめが何かわかる前に 二木市駅に着いちゃったんよ…)
  339. うらら: …………
  340. うらら: (この電車に乗ったら)
  341. うらら: (二木市のみんなとは もう顔を合わせない…)
  342. うらら: (それがきっとけじめなんよ…)
  343. うらら: …………
  344. うらら: さよなら、結菜さん… プロミストブラッドのみんな…
  345. うらら: お世話になったんよ…
  346. <神浜市>
  347. うらら: ふぅ… やっと着いたんよ
  348. うらら: (ラビさんたちとの集まりまで まだ時間があるし)
  349. うらら: (どこかで時間を潰すんよ)
  350. うらら: あれ…ここ、南凪区じゃない!?
  351. うらら: (考え事してたから 降りる駅、間違えたんよ…!)
  352. うらら: うぅ…
  353. うらら: (電車賃がもったいないし 拠点まで歩くんよ…)
  354. ドン…ドン…! パンパン…パララ…!
  355. 「ワァ…!」
  356. うらら: ん?
  357. うらら: (花火と歓声…?)
  358. なんだい
  359. 祭りの時期でもないのに にぎやかだねえ
  360. 近くの学校で 大会をやってるらしいよ
  361. この近くだと… あぁ、神浜市立大の附属校かい
  362. うらら: …………
  363. うらら: (その学校って確か さくやさんが転入した学校…)
  364. うらら: (神浜市立大附属で大会って 前も聞いたような気がするんよ)
  365. うらら: …………あっ
  366. うらら: さくやさん! 集合時間、過ぎてるんよ!
  367. 鈴鹿 さくや: 遅れてごめん!
  368. ひかる: 最近来るのが遅いっすけど 何かあるんすか?
  369. 鈴鹿 さくや: もうすぐうちの学校が会場の 陸上競技大会があってさ
  370. 鈴鹿 さくや: みんなでいい成績を残そうって 頑張ってるんだ
  371. うらら: へぇ~! 青春って感じなんよ!
  372. 鈴鹿 さくや: うん、だから私もつい 後輩の指導に熱が入っちゃって…
  373. 智珠 らんか: アンタ、神浜市には潜入に来た ってわかってる?
  374. 鈴鹿 さくや: …わかってるよ
  375. 鈴鹿 さくや: 私が大会に出るわけじゃないし
  376. 鈴鹿 さくや: 最優先事項なのは プロミストブラッドの活動だから
  377. うらら: そっか…
  378. うらら: さくやさんが話してた大会… 今日だったんよ…
  379. うらら: …………
  380. うらら: (さくやさん…)
  381. うらら: …………
  382. うらら: (あんなに優しかった人を 守れなかった…)
  383. うらら: …………
  384. うらら: (…自己満足かもしれないけど 何かの縁だって思いたいから…)
  385. うらら: (さくやさんが熱を入れてた大会 少し寄って見ていくんよ)
  386. うらら: ここが さくやさんが通ってた学校…
  387. うらら: (大会中でも、ウチは部外者だし 目立たないようにするんよ)
  388. 「続いては、本日の最終競技のリレーです 出場校を紹介します」
  389. うらら: (大会は… もう終盤みたいなんよ)
  390. うらら: (…あ、さくやさんの学校も 出場してるんよ)
  391. 「オンユアマーク セット…」
  392. パン!
  393. うらら: ファイトなんよ…!
  394. すげ、あれ神浜市立大附属だよな
  395. いつの間に あんな速くなったんだ?
  396. しかもかなり粘ってるぞ…! あ、トップに出た!?
  397. うらら: あ…!
  398. うらら: (すごい…! 1位でゴールしたんよ!)
  399. うらら: (あの粘り強さ…まるで さくやさんみたいだったんよ)
  400. うらら: あっ…
  401. 南津 涼子: …ってて…
  402. 青葉 ちか: 傷が痛みますか…?
  403. 青葉 ちか: まだ安静にしてたほうが よかったんじゃ…
  404. 南津 涼子: これくらい、どうってことない
  405. 南津 涼子: アイツの残したモンを 見届けたかったからな
  406. うらら: (時女一族の… 南津涼子と青葉ちか…!?)
  407. うらら: (どうしてここにいるのん…?)
  408.  
  409. FILENAME: text_516410-7_FQhRT.txt
  410. 「チーム総合優勝は 神浜市立大附属高等学校です! おめでとうございます!」
  411. やった!
  412. 私たちが優勝なんて…
  413. 今までは、できても 入賞までだったのに…
  414. さくやさんが毎日遅くまで
  415. 練習に付き合ってくれたから だよね
  416. この結果を聞いたら 絶対喜んでくれるはずなのに…
  417. どこへ行っちゃったのかな さくやさん…
  418. 大丈夫、きっと見つかるって!
  419. そうだよね…
  420. 胸を張って迎えられるように 私たちも今まで通り頑張ろう!
  421. うん…!
  422. …ほら、そろそろ表彰式だよ 行こう
  423. うらら: …………
  424. うらら: (さくやさんの後輩たち…)
  425. うらら: (きっと、さくやさんを信じて 今日まで頑張ってきたんよ…)
  426. うらら: (さくやさんにも、 見せてあげたかったんよ…)
  427. うらら: (なのに…!)
  428. うらら: (南津涼子のせいで さくやさんは…)
  429. グッ…
  430. うらら: …………!
  431. うらら: (もう治ったのに、さくやさんを 庇ったときの傷が痛むんよ…)
  432. 南津 涼子: あーあ
  433. 南津 涼子: さくやのヤツ、スパイのくせに あんなに足跡を残して
  434. 南津 涼子: 本末転倒じゃねーか
  435. うらら: ――っ!?
  436. うらら: (南津涼子がさくやさんのことを 知ってる…!?)
  437. 青葉 ちか: あの、涼子さん…
  438. 青葉 ちか: 鈴鹿さんとはどういう ご関係だったんですか?
  439. 南津 涼子: 親友
  440. 青葉 ちか: …えっ!? プロミストブラッドの人と!?
  441. 南津 涼子: …やっぱ今のナシ 聞かなかったことにしてくれ
  442. 青葉 ちか: えっと…そう言われても 気になっちゃいます…
  443. 南津 涼子: …だよなぁ
  444. 南津 涼子: …アイツは神浜市に潜入するため この学校に転入した
  445. 南津 涼子: 悪目立ちしちゃならねえと わかっていながら
  446. 南津 涼子: 陸上部で盛大に目立ったあげく
  447. 南津 涼子: あたしにも、後輩たちにも 熱いモンを残していきやがった…
  448. 南津 涼子: 本当、何してンだかな…
  449. 青葉 ちか: …きっと、嘘のつけない 優しい人だったんですね…
  450. 南津 涼子: …ああ、そうだな
  451. 青葉 ちか: …見せてあげたかったですね 後輩のみなさんの勇姿を…
  452. 南津 涼子: …あたしが浄土に行った暁には 残さず報告してやるさ
  453. 南津 涼子: お前さんが残した熱い想いは 後輩たちが受け継いだってな
  454. うらら: …………
  455. うらら: (…さくやさんは もういない…)
  456. うらら: (でもさくやさんの想いは… みんなの中で生き続けてるんよ)
  457. 「表彰式を行います」
  458. 「優勝チームには カップと賞状が授与されます」
  459. うらら: 賞状…
  460. うらら: (んん…前に何か言われたことが あった気がするんよ…)
  461. 鈴鹿 さくや: うらら… もし私に何かあったらさ
  462. 鈴鹿 さくや: 結菜の家に預けてある賞状を
  463. 鈴鹿 さくや: 私の形見として ひとつもらってくれないかな
  464. うらら: 形見なんて、縁起でもないんよ!
  465. うらら: それに、なんでウチなのん?
  466. 鈴鹿 さくや: だって、結菜やひかるは 知った仲過ぎるし
  467. 鈴鹿 さくや: こんなこと、恥ずかしくて 頼めないからさ
  468. うらら: …もらうのは構わないんよ
  469. 鈴鹿 さくや: ありがと
  470. 鈴鹿 さくや: まぁ…もらってくれなくても 構わないんだけどね
  471. 鈴鹿 さくや: ただ、私のことを誰かひとりでも 覚えててほしいだけだから
  472. うらら: (あれから一度も聞かなかったし 冗談だと思ってたけど…)
  473. うらら: (…今さら思い出しても もう受け取れないんよ…)
  474. 南津 涼子: 付き合ってくれてありがとな
  475. 青葉 ちか: いえ…お役に立てたなら 良かったです
  476. 南津 涼子: そろそろ帰るとするか
  477. うらら: (…ウチもそろそろ)
  478. うらら: (ラビさんたちのところに 行かないと…)
  479. うらら: …今日は大会を見られて 良かったんよ
  480. うらら: …ありがとう、さくやさん
  481. うらら: …さよならんよ
  482.  
  483. FILENAME: text_516410-8_FQhRT.txt
  484. うらら: ラビさん、教授と那由他さんを 帰らせちゃってよかったのん?
  485. うらら: 今後のことを話すなら いてもらったほうがよかったんよ
  486. ラビ: 今後のことと言っても うららのことだから
  487. うらら: ウチ…?
  488. ラビ: ええ、けじめをつけられたか 聞いておきたかった
  489. うらら: その…実はウチ、まだ意味が よくわかってないんよ…
  490. ラビ: そう…
  491. アレクサンドラ: ラビちゃんから 事情は聞きましたよ
  492. アレクサンドラ: プロミストブラッドの三姉妹には お別れを言えましたか?
  493. うらら: ちょうど揉め事があって それどころじゃなかったんよ…
  494. 旭: うららが納得できているなら それでもいいでありますが…
  495. うらら: そう言う旭さんはどうなのん?
  496. 旭: 我は本家たちに正体を明かして
  497. 旭: その上で、時女一族に別れを 告げてきたであります
  498. アレクサンドラ: 私も、ひめちゃんに正体を告げて 別れを伝えてきました
  499. うらら: そういうことならウチは…
  500. うらら: ウチは…
  501. うらら: …結菜さんに正体がバレてたのが わかって、気まずくて…
  502. うらら: ちゃんとはお別れできてないんよ
  503. ラビ: やっぱり…
  504. うらら: けじめをつけるって 結菜さんたちとお別れして
  505. うらら: このもやもやする気持ちを 解消するってことなのん?
  506. ラビ: その問いに対する答えを 私は持っていない
  507. ラビ: 答えを出せるのはうららだけ
  508. うらら: うぅ…ナゾナゾなんよ…
  509. ピロン♪
  510. うらら: ん…
  511. うらら: プロミストブラッドの子から メッセージなんよ…
  512. 旭: 未だにメッセージが 届くでありますか?
  513. うらら: あ、うん…プロミストブラッドを 抜けるって言ってないから…
  514. うらら: でもこのままはよくないし メッセージを拒否しないとなんよ
  515. うらら: …………え?
  516. うらら: た、大変なんよ…!
  517. アレクサンドラ: どうかしたんですか?
  518. うらら: 明日、グループの方針を 決めるために
  519. うらら: 結菜さんと樹里さんが 決闘するって書いてあるんよ!
  520. アレクサンドラ: えっ、プロミストブラッドは ユニオンと合流するって
  521. アレクサンドラ: 決めてませんでしたっけ…?
  522. うらら: そのはずだったんよ…!
  523. うらら: でも、ユニオンとの協力を望む 結菜さんに反発する子もいたから
  524. うらら: 一枚岩ではなかったんよ…
  525. ラビ: 反対勢力をまとめて、大庭樹里が 紅晴結菜を倒すつもりなのかも…
  526. うらら: (結菜さんと樹里さんが 本気でやりあったら)
  527. うらら: (どっちも無事じゃ済まない…)
  528. うらら: (また、誰かの命が 失われてしまうんよ…!)
  529. 旭: …気になるでありますか?
  530. うらら: えっ…
  531. うらら: ウチはただ、また魔法少女が 命を落とすのはイヤなんよ…
  532. 旭: それだけが理由では ないはずでありますよ
  533. うらら: …………
  534. ラビ: 気になっているなら 二木市に行ってくるといい
  535. うらら: でもウチは、もうみんなと顔を 合わせないって決めたんよ…!
  536. ラビ: じゃあ、ずっと彼女たちへの やりきれなさを抱えるつもり…?
  537. うらら: うぅ…………
  538. うらら: (プロミストブラッドのみんなが 気になる…)
  539. うらら: (この気持ちは、 もう否定できないんよ…)
  540. うらら: (それなら、ウチは…)
  541. うらら: プロミストブラッドのみんなへの 心残りを解消することが
  542. うらら: けじめをつけるってことなら…
  543. うらら: …ウチ、行ってくるんよ もう一度だけ、二木市へ…
  544.  
  545. FILENAME: text_516410-9_FQhRT.txt
  546. <翌日>
  547. <二木市>
  548. うらら: 遅くなっちゃったんよ…
  549. うらら: (株分けのミラーズが消されて)
  550. うらら: (移動手段が電車しかないのは すごく不便なんよ…)
  551. うらら: え… なんでここにいるのん…!?
  552. いろは: あなたは… えっと、うららちゃん…?
  553. うらら: 二木市に何の用なんよ
  554. いろは: あ… あはは、ちょっとね…
  555. いろは: そうだ、うららちゃんに 道を聞いてもいいかな…?
  556. うらら: 悪いけど、急いでるんよ…!
  557. うらら: スマホの地図アプリで 頑張ってほしいんよ!
  558. いろは: え、あ、でも…!
  559. いろは: 行っちゃった…
  560. うらら: ………
  561. うらら: (結菜さんと樹里さんの決闘は カタコンベで行われてるはず…)
  562. うらら: もう始まってる… 急ぐんよ…!
  563. 樹里: だからなんだ! 復讐をやめる理由にはなんねえ!
  564. 結菜: グッ…
  565. うらら: あ…!
  566. うらら: (本当に戦ってる…)
  567. アオ: あれ~? うらら遅かったね~
  568. うらら: アオさん…!
  569. アオ: でも、いいとこに来たね これから面白くなるよ
  570. うらら: どうして止めないんよ…!
  571. うらら: このままじゃ、どっちかが 死んじゃうかもしれないんよ!
  572. アオ: それも仕方ないんじゃない?
  573. うらら: えっ…!?
  574. アオ: だって、姉さまも姉ちゃんも 譲れないものがあるみたいだし
  575. アオ: それに、もうすぐ決着しそうだよ テヘッ
  576. うらら: 決着したらどうなるんよ…!?
  577. アオ: 姉さまが勝てば
  578. アオ: プロミストブラッドは ユニオンと手を組むし
  579. アオ: 姉ちゃんが勝てば ユニオンとの戦争を続ける
  580. うらら: 戦争を続けたって 意味ないんよ…!
  581. うらら: 誰も救われないし 魔法少女の宿命も変えられない…
  582. うらら: 虚無なんよ…!
  583. アオ: 復讐のための戦争に意味がない なんてみーんなわかってるよ~
  584. アオ: だからわたしが いまの二木市を変えてあげる
  585. うらら: えっ… ちょっとアオさん…!?
  586. うらら: (アオさん…なんだか様子が おかしいんよ…!?)
  587. 樹里: じゃあ、今日がその牙に 貫かれるときだなぁ!!
  588. 結菜: っ、ハァアアッ!!
  589. 樹里: うらぁあッ!!
  590. うらら: (このままじゃ本当に どっちかが死んじゃうんよ…!)
  591. うらら: (ウチが止めなきゃ… ウチが…!)
  592. うらら: …………!
  593. うらら: (でもウチは 二木市の仲間じゃない…)
  594. うらら: (ウチは… ウチはどうしたら…!)
  595. 樹里: なんだ、この殺気は…!
  596. 結菜: いえ、それだけじゃなぃ… 他にも混ざってるような…
  597. 結菜: まさか、この魔力反応…
  598. アオ: ウソでしょ… 何でこんなときに…
  599. いろは: あ、あれっ、ごめんなさい 皆さん居ると思わなくて
  600. いろは: もしかして、 取り込み中でしたか…?
  601. うらら: 環…いろは…!?
  602.  
  603. FILENAME: text_516410-10_FQhRT.txt
  604. アオ: あーあ、拍子抜け~ 決着がつくと思ったのにな~
  605. うらら: 誰の命も失われずに 済んだんよ!?
  606. うらら: 環いろはには感謝しかないんよ
  607. アオ: まぁ、そうかもね~
  608. うらら: アオさんは、環いろはの見送りに 行かなくていいのん?
  609. アオ: わたしは遠慮しておく なーんか疲れちゃったし
  610. うらら: …せっかく平和に収まったのに 全然嬉しくなさそうなんよ
  611. アオ: 嬉しいよ~?
  612. アオ: ユニオンのリーダーが わざわざ墓参りに来てくれて
  613. アオ: みんなの戦意を 削いでくれたんだもん
  614. うらら: なんだか、言い方に トゲがあるんよ…
  615. アオ: …だって、環いろはのせいで 台無しにされたから
  616. うらら: あの、何か狙ってたのん…?
  617. アオ: 不毛な争いだったから わたしが両成敗して
  618. アオ: ふたりに恩を売ってやろうって 思ってたんだけど、失敗だよ~
  619. うらら: …………
  620. うらら: (本当にそれだけなのん…?)
  621. うらら: (一瞬だけど…アオさんから 殺気を感じた気がしたんよ…)
  622. アオ: まぁ、これで分裂してたみんなも ひとつにまとまっただろうし
  623. アオ: 結果オーライなのかもね~
  624. うらら: そうなんよ 喜んでほしいんよ!
  625. うらら: (傍観者のウチじゃ、あの争いは 止められなかったから)
  626. うらら: (環いろはが来てくれて 本当に助かったんよ…)
  627. アオ: どうしてうららが喜ぶの?
  628. アオ: わたしたちのスパイだったんだし
  629. アオ: わたしたちがどうなろうと 関係ないでしょ~?
  630. うらら: ――っ!?
  631. うらら: アオさんも知ってたのん…?
  632. アオ: まあね~
  633. アオ: 居場所が他にあるなら
  634. アオ: これ以上、巻き込まれないうちに 早く戻ったほうがいいと思うよ
  635. うらら: うん… ウチもそのつもりなんよ
  636. うらら: でも、二木市のみんなのことが 気になっちゃって…
  637. アオ: もしかして野次馬?
  638. うらら: 違うんよ! ウチは本当に、心配なだけで…!
  639. アオ: 心配してるんだとしても
  640. アオ: 傍観者の立場を貫くだけなら 余計なお世話だよ
  641. うらら: ――っ!?
  642. アオ: ま、わたしたちにこだわる理由が 他にあるなら別だけど~
  643. うらら: ウチは…………
  644. アオ: それじゃ 忙しいから、わたしは行くね
  645. うらら: …………
  646. うらら: (アオさんの言う通り…)
  647. うらら: (ウチにはプロミストブラッドに こだわる理由があるみたい…)
  648. うらら: (だからきっとラビさんも けじめをつけてって言ったんよ)
  649. うらら: でも、わからないんよ…
  650. うらら: こだわる理由が心残りなんだと しても、それが何なのか…
  651. うらら: どうすれば けじめをつけられるのかも…
  652. うらら: …………
  653. 鈴鹿 さくや: うらら… もし私に何かあったらさ
  654. 鈴鹿 さくや: 結菜の家に預けてある賞状を
  655. 鈴鹿 さくや: 私の形見として ひとつもらってくれないかな
  656. うらら: さくやさん…
  657. うらら: ――っ!?
  658. うらら: さくやさん…
  659. うらら: そうなんよ…! やっとわかったんよ!
  660. うらら: (ウチの心残りは さくやさんのことなんよ…!)
  661. うらら: (さくやさんのお願いを叶えて きちんとお別れできたら)
  662. うらら: (心残りは きっとなくなるんよ…!)
  663. うらら: …それならウチは、さくやさんの 形見を受け取りに行かないと…
  664. うらら: (…その前に、みんなとの 思い出にもきちんとお別れして)
  665. うらら: (最後に結菜さんの家に行って)
  666. うらら: (結菜さんとさくやさんに お別れする…)
  667. うらら: …それがウチのけじめなんよ
  668. [Part 1 end]
  669. -----
  670. [Part 2 start]
  671. FILENAME: text_516420-1_Dfyhj.txt
  672. うらら: …………
  673. うらら: (さくやさん…)
  674. 鈴鹿 さくや: うらら… もし私に何かあったらさ
  675. 鈴鹿 さくや: 結菜の家に預けてある賞状を
  676. 鈴鹿 さくや: 私の形見として ひとつもらってくれないかな
  677. うらら: 形見をもらって、さくやさんの 願いを叶えられるなら
  678. うらら: ウチが受け取らせてもらうんよ…
  679. うらら: …よし
  680. うらら: (二木市で過ごすのは これで最後になる…)
  681. うらら: …みんなとの思い出にお別れして 結菜さんの家に行くんよ
  682. うらら: けじめをつけるために…
  683. うらら: この河川敷も 今日で最後なんよ…
  684. うらら: …………
  685. 鈴鹿 さくや: なんか今日、元気ない?
  686. うらら: そんなことないんよ! ウチは元気が取り柄なんよ!
  687. 鈴鹿 さくや: そう? 正直に話してくれていいんだよ
  688. 鈴鹿 さくや: 怒ったりなんかしないからさ
  689. うらら: …………
  690. うらら: …本当に怒らないのん…?
  691. 鈴鹿 さくや: うん、聞かせて
  692. うらら: …ウチ、ちょっと不安なんよ
  693. うらら: 昔の二木市を知らないウチが グループに馴染めてるのかって…
  694. 鈴鹿 さくや: なんだ、そんなことか
  695. うらら: そんなことってひどいんよ!
  696. ポン、ポン
  697. うらら: 頭を撫でないでほしいんよ!
  698. うらら: 真剣に悩んでるのに 子ども扱いして…
  699. 鈴鹿 さくや: あはは、ごめんごめん 励ませるかなって思ってさ
  700. 鈴鹿 さくや: とりあえず、ここで一緒に
  701. 鈴鹿 さくや: 50メートルダッシュを 20本やろ!
  702. うらら: えっ!?
  703. 鈴鹿 さくや: 悩みを吹き飛ばすには運動! って決まってるんだよ!
  704. 鈴鹿 さくや: ほら、行くよ!
  705. うらら: ホント、無茶苦茶だったんよ…
  706. うらら: …………
  707. うらら: …1本走ってから 次の場所に行くんよ!
  708. ガヤガヤガヤ…
  709. うらら: ここ…
  710. うらら: (さくやさんお気に入りの ラーメン屋さんなんよ)
  711. うらら: (たまにここに連れてきて くれたっけ…)
  712. 鈴鹿 さくや: ふぅー! 食べたね!
  713. うらら: ごちそうさまなんよ、 さくやさん!
  714. うらら: こんな美味しいラーメン屋さん 初めて来たし、感動したんよ!
  715. 鈴鹿 さくや: おっ、気に入ってもらえて よかったよ
  716. 鈴鹿 さくや: 頑張ったときは、ご褒美に このお店に来てるんだ
  717. うらら: ウチもこんな美味しいものを 食べられるなら
  718. うらら: もっともっと頑張れるんよ!
  719. 鈴鹿 さくや: じゃあうららもご褒美は ここのラーメンにする?
  720. 鈴鹿 さくや: 頑張った甲斐があれば 人生楽しくなると思うよ
  721. うらら: 急にどうしたのん…?
  722. 鈴鹿 さくや: うららは頑張り屋だけど
  723. 鈴鹿 さくや: たまに、魔法少女だから無理だ って色々と諦めてる気がしてさ
  724. うらら: それは…
  725. 鈴鹿 さくや: 気持ちはわかるけどさ… 私たちはまだ生きてるんだよ?
  726. 鈴鹿 さくや: 楽しいことも、生き甲斐だって これから見つけていける
  727. 鈴鹿 さくや: だからあんまり気落ちしないで 一緒にがんばろ?
  728. うらら: さくやさん…
  729. うらら: …ありがとうなんよ…
  730. うらら: (…魔法少女になってからは)
  731. うらら: (何をしても無意味だって ラビさんたちと諦めてたから)
  732. うらら: (あんなふうに希望を持って 励ましてもらえて嬉しかった…)
  733. うらら: …会いたいんよ、さくやさん…
  734.  
  735. FILENAME: text_516420-2_Dfyhj.txt
  736. あ、見て! アタリ出たんだけど!
  737. え~またぁ? 強運すぎない?
  738. うらら: …………
  739. うらら: (このコンビニにも よくおつかいに来たんよ)
  740. うらら: 毎日毎日、樹里さんたちの おつかいばっかりなんよ…
  741. ひかる: でも今日は結菜さんにも おつかいを頼まれてるっすよ!?
  742. うらら: なんで嬉しそうなのん…?
  743. 鈴鹿 さくや: ひかるは結菜のことになると 夢中になるからね
  744. ひかる: っす!
  745. うらら: ふ、ふーん…
  746. うらら: (普通の子かと思ったけど ひかるさんも少し変なんよ…)
  747. 鈴鹿 さくや: まぁ、うららの気持ちもわかるよ
  748. 鈴鹿 さくや: ってことで、ハイ! このアイスは私のおごり!
  749. うらら: これ、ザリザリ食感の ザリザリくんアイス!?
  750. うらら: 初めて食べるんよ!
  751. ひかる: ありがとうっす、さくやさん!
  752. 鈴鹿 さくや: 拠点に戻ってからだと溶けるし ここで食べていきなよ
  753. うらら: うん! いただきますなんよ!
  754. うらら: あーむっ
  755. うらら: ――っ!?
  756. うらら: さくやさん!ひかるさん! アタリが出たんよ!
  757. 鈴鹿 さくや: やったね、うらら! いいことあったじゃん!
  758. ひかる: ついてるっすねぇ、うらら
  759. うらら: …………
  760. うらら: ぬぁぁ…! また負けたんよ~!
  761. うらら: せっかく今日はおつかいじゃない 任務だと思ったのに…
  762. アオ: わたしのゲーム相手が任務じゃ 不満~?
  763. うらら: だって全然勝てないんよ! つまらないんよ!
  764. アオ: それはごめんだけど…
  765. アオ: …もしかして、うらら あんまりゲームしたことない…?
  766. うらら: うん、ゲームセンターで遊ぶのも 3回目くらいなんよ
  767. アオ: あー、どうりで 全然操作慣れしてないと思った
  768. アオ: お家が厳しいとか?
  769. うらら: ううん、実家が貧乏だったから
  770. うらら: お金のかからない遊びを 発明してたんよ
  771. アオ: 苦労人!?
  772. アオ: 今日はわたしがおごるから いっぱい遊んでいきな~!
  773. うらら: ありがとうなんよ!
  774. うらら: …………
  775. 樹里: おい、うらら! なんでこんなとこいるんだよ!
  776. 智珠 らんか: ちょっと樹里、静かに…! ここ図書館だよ…!?
  777. うらら: なんでって…漫画を借りて来い って言ったのは樹里さんなんよ
  778. 樹里: フツーそういうときは レンタルショップに行くだろ!
  779. うらら: でも、図書館ならタダで 借りられるんよ!
  780. うらら: 漫画も、種類は少ないけど
  781. うらら: 歴史の偉人の本とか 勉強になるものが多いんよ!
  782. 智珠 らんか: アンタって 意外と真面目ちゃん…?
  783. うらら: なんよ!
  784. 樹里: だー!こっちは勉強なんか 1ミリだってしたくねーっつーの
  785. 樹里: いいから一緒にショップ行くぞ!
  786. うらら: ウチ、レンタルショップに行くの 初めてなんよ!
  787. 智珠 らんか: 普段はネットで 漫画を借りてんの?
  788. うらら: え!そんなことできるのん!?
  789. 樹里: んなことも知らねえのか じゃ、樹里サマが教えてやるよ
  790. うらら: (二木市で過ごした時間は 長くないのに)
  791. うらら: (こんなに思い出があるなんて 思わなかったんよ…)
  792. うらら: …………
  793. うらら: (さくやさんがウチに 形見を残してくれなかったら)
  794. うらら: (こんなふうに二木市を 回ることもなかったんよ…)
  795. うらら: (ありがとう、さくやさん ウチにきっかけをくれて…)
  796. うらら: あ…夜…!?
  797. うらら: (ちょっと ゆっくりしすぎたんよ…)
  798. うらら: …結菜さんの家に行って さくやさんの形見を受け取るんよ
  799.  
  800. FILENAME: text_516420-3_Dfyhj.txt
  801. うらら: …………
  802. うらら: (結菜さんの家まで来た…)
  803. うらら: (けど…どう言って 入れてもらえばいいんよ…?)
  804. うらら: (さくやさんがウチに形見を 受け取ってって託したことを)
  805. うらら: (結菜さんが知らなかったら…)
  806. 結菜: さくやの賞状を形見に…? どうしてうららが受け取るの…?
  807. 結菜: そもそもうらら…
  808. 結菜: 二木市からまだ 出て行ってなかったのねぇ
  809. 結菜: 私たちの内情について、まだ 探りたいことでもあるのかしらぁ
  810. うらら: って、変に勘繰られそうなんよ!
  811. うらら: うぅぅ… どうするのがいいんよ…!?
  812. 結菜の声: …うらら
  813. うらら: わぁっ!?
  814. 結菜: ごめんなさぃ… 驚かせてしまったわねぇ…
  815. うらら: ゆ、結菜さん…!
  816. 結菜: こんな時間にどうしたのぉ… また夕飯、食べていくぅ…?
  817. うらら: あ、いただくんよ…!
  818. うらら: じゃなくて!
  819. うらら: ウチ、結菜さんに… 結菜さんに用が…
  820. 結菜: 私に…?
  821. うらら: …………
  822. うらら: (さくやさんの形見を 受け取りたい…)
  823. うらら: (なんてやっぱり 切り出せないんよ…!)
  824. うらら: (他にいい方法を考えてから 来ればよかったんよ…!)
  825. ひかるの声: 結菜さーん!
  826. ひかる: うららの送別会の件なんすけど お菓子、買い足していいっすか?
  827. 結菜: ちょっと、ひかる…!
  828. ひかる: え…あっ!?
  829. うらら: ひかるさん… ウチの送別会…って…
  830. ひかる: あ、あ~… うららがいたんすね…
  831. ひかる: ひかる、一生の不覚っす…
  832. 結菜: バレてしまっては 仕方がないわねぇ…
  833. うらら: 結菜さん、どうして…?
  834. うらら: でもウチはプロミストブラッドを 抜けるって決めたし
  835. うらら: そもそも部外者なんよ
  836. うらら: だから、これ以上関わるのは おかしいんよ…
  837. 結菜: そぅ…残念だわぁ…
  838. うらら: 送別会はウチが断ったのに…
  839. 結菜: それでも開いてあげたくて こっそり準備してたのよぉ…
  840. ひかる: ひかるたちも 結菜さんから事情を聞いてたから
  841. ひかる: 幹部だけで送り出すっすよ!
  842. うらら: 結菜さん…ひかるさん…
  843. 結菜: ふふ… 喜んでくれて嬉しいわぁ…
  844. うらら: べ、別に喜んでないんよ…!
  845. 結菜: そういうわけだから、明日は 空けておいてくれるぅ…?
  846. うらら: でも…送別会なんかしてる 場合じゃないはずなんよ!
  847. うらら: 今日のカタコンベの一件で グループは団結できそうだけど
  848. うらら: 全部が解決したわけじゃ ないんよ…!
  849. 結菜: うららは気にしなくていいのよぉ
  850. うらら: あ…そうなんよ
  851. うらら: 内偵してたウチが 気にすることじゃないんよ…
  852. 結菜: そういう意味じゃないわぁ
  853. 結菜: うららがこれ以上、気を揉む 必要はない…
  854. 結菜: あなたには笑顔で ここを離れてほしいからぁ…
  855. うらら: …………
  856. うらら: でも、やっぱり悪いんよ…!
  857. 結菜: それならあなたが 納得できるように
  858. 結菜: 送別会の内容は うららが決めてちょうだぃ…
  859. うらら: え、ウチが…!?
  860. 結菜: ちょうどこれから決めるところ だったしね…
  861. うらら: 明日やるのに…!?
  862. ひかる: そうっす!
  863. ひかる: さっきまで色々あって 動けなかったっすから
  864. うらら: (やっぱり送別会をやってる 場合じゃないんよ…!)
  865. うらら: (なのに…)
  866. 結菜: 何がいいかしらねぇ…
  867. ひかる: うららに詳しいチャンピオンを 決めるクイズ大会はどうっすか?
  868. うらら: (なんでこんな のほほんとしてるんよ!?)
  869.  
  870. FILENAME: text_516420-4_Dfyhj.txt
  871. 智珠 らんか: ちょっとひかる
  872. ひかる: あ、らんかさん! やっと来たっすね!
  873. 智珠 らんか: …ったく、呼び出しの目的は? またアオの件?
  874. 結菜: いいえ…今からうららの 送別会の買い出しに行くわよぉ…
  875. 智珠 らんか: ハァ…この時間から?
  876. 結菜: そうよぉ
  877. 智珠 らんか: まぁいいけど、 うららがいるのはなんで?
  878. 智珠 らんか: 送別会のことは 秘密にしてたはずでしょ?
  879. うらら: それは…
  880. うらら: (ウチはさくやさんの形見を 受け取るために)
  881. うらら: (偶然通りがかっただけで…)
  882. ひかる: さっきひかるが ばらしちゃったんすよ…
  883. 智珠 らんか: 何してんだか…
  884. 智珠 らんか: …まぁ、そういうことなら
  885. 智珠 らんか: 主役にも買い出しに 付き合ってもらいましょ
  886. うらら: どうしてなんよ!?
  887. 結菜: ところで、らんか 樹里は一緒じゃないのぉ…?
  888. 智珠 らんか: 知らない 電話かけてみれば?
  889. ひかる: っす
  890. ~~♪~~♪
  891. 樹里: あー
  892. ひかる: 樹里さん! ちょっと手伝ってほしいっす!
  893. 樹里: んー
  894. ひかる: …樹里さん、聞いてるっすか?
  895. 樹里: アオの件ならお前に任せるよ じゃーな
  896. ブツッ
  897. ひかる: 無気力対応なうえに 問答無用で切られたっす!
  898. 智珠 らんか: なんか漫画でも 読んでたんじゃない?
  899. 結菜: ひかるぅ、早くしないと お店が閉まるわぁ…
  900. ひかる: そうだったっす…! こうなったら4人で行くっすよ!
  901. うらら: わわわ…!
  902. カタンッ
  903. ひかる: ちょっとらんかさん!
  904. ひかる: 余計なものばっかり カゴに入れないでほしいっす!
  905. 智珠 らんか: いーじゃん どうせ100円なんだし
  906. ひかる: らんかさんが欲しいものじゃなく
  907. ひかる: うららの送別会に使うものを 買いに来たんすよ!?
  908. うらら: えっと…ウチのことは 気にしなくていいんよ
  909. うらら: 送り出してくれる気持ちだけで 十分嬉しいんよ
  910. 智珠 らんか: ほら、うららもこう言ってるし 少しはいいでしょ
  911. ひかる: ダメっす!
  912. うらら: (うぅ…結菜さんに本題を 切り出したいのに)
  913. うらら: (言える空気じゃないんよ…)
  914. 智珠 らんか: あー、もういい アタシ帰る
  915. ひかる: らんかさん勝手すぎるっす! 何イライラしてるんすか!?
  916. 智珠 らんか: 別にー?
  917. 智珠 らんか: 三女も次女も勝手だから アタシも勝手にやるわ
  918. ひかる: 横暴っす!
  919. ひかる: 結菜さんからも 何とか言ってほしいっす!
  920. ひかる: …………あれ、結菜さん?
  921. 結菜: そう、それはまずいわね…
  922. 結菜: …わかったわ 資料は私が学校へ取りに行くから
  923. ピッ
  924. うらら: 電話…誰からなんよ?
  925. 結菜: 生徒会の子から緊急連絡でねぇ…
  926. 結菜: 明日の朝までに、資料を作って くれることになってたんだけど
  927. 結菜: 必要な参考資料を 学校に置いてきたらしいのよ
  928. 結菜: あの子は家が遠いし
  929. 結菜: もうすぐ学校も 完全に締まってしまうから
  930. 結菜: うちの車で資料を取ってきて その子に届けてくるわぁ…
  931. ひかる: …ということは…
  932. 結菜: 本当に悪いんだけど あとは頼んだわよ、ひかるぅ…
  933. ひかる: ゆ、結菜さぁん…
  934. うらら: (この状況で結菜さんが いなくなるのん…!?)
  935. 智珠 らんか: じゃ、アタシも帰るから
  936. ひかる: え、本当に帰るつもりっすか!?
  937. 智珠 らんか: だってネトゲのイベントあるし
  938. ひかる: 仲間とネトゲ、 どっちが大事なんすか!?
  939. うらら: (このまま解散しちゃったら 明日は絶対グダグダになって)
  940. うらら: (結菜さんたちの気持ちを 無駄にしてしまうんよ…!)
  941. うらら: …………
  942. うらら: (さくやさんの形見のことが 最優先だったけど…)
  943. うらら: …もうっ! このまま見てられないんよ!
  944. ひかる&らんか: うらら…?
  945. うらら: 送別会の主役はウチだけど… フォローさせてもらうんよ!
  946.  
  947. FILENAME: text_516420-5_Dfyhj.txt
  948. 「本日の営業は まもなく終了いたします…」
  949. うらら: ふぅ… なんとかかき集められたんよ
  950. ひかる: すごいっす…!
  951. ひかる: たった15分で、 飾りつけの材料が揃ったっす!
  952. 智珠 らんか: うららってこういうの 意外とやり慣れてんの?
  953. うらら: うん!
  954. うらら: ウチ、地元にいたころは 大道芸人コンビを組んでて
  955. うらら: その延長で、イベントや番組の MCもやってたから
  956. うらら: ちょっとしたイベントなら 何が必要か、大体わかるんよ
  957. 智珠 らんか: へぇ… ってか、つまり芸能人ってこと?
  958. ひかる: なんで 教えてくれなかったんすか!?
  959. うらら: 地元限定での活動だったし
  960. うらら: 駆け出しのうちにやめたから 話すほどのことじゃないんよ
  961. うらら: さ、ひとまず買い物は終わったし 荷物を持って帰るんよ
  962. ひかる: 送別会は結菜さんの家でやるから 荷物も置かせてもらうっすよ
  963. 智珠 らんか: …送別会の飾りつけはそこそこ サマになりそうだけどさ
  964. 智珠 らんか: 食べ物とか飲み物は 買わなくてよかったの?
  965. うらら: あ…忘れてたんよ…!
  966. 智珠 らんか: もうお店閉まっちゃうよね コンビニで買う?
  967. ひかる: それでもいいっすけど… 送別会は明日っすから
  968. ひかる: 今夜は飾りつけを優先して 明日の朝に買いに行くっすよ
  969. ひかる: 少しだけでも経費削減っす!
  970. うらら: ウチ、明日は忘れないように 買うものをメモしておくんよ!
  971. ・箱に入ってるお菓子 ・500mlのペットボトルジュース
  972. 智珠 らんか: なんで箱なの?
  973. うらら: 秘密なんよ
  974. ひかる: ジュースも、紙パックか 2Lペットボトルがお得っすよ?
  975. うらら: それも秘密なんよ、ニパッ
  976. 智珠 らんか: 悔しいけどなんか気になる…
  977. ひかる: あ、ケーキと結菜さんのアイスも メモに追加してほしいっす!
  978. うらら: 了解なんよ!
  979. 智珠 らんか: あ、もしホールケーキにするなら 予約した方がよくない?
  980. ひかる: でも、この時間から予約できる お店なんてないっすよ…
  981. うらら: そういえば、前にスタッフさんが
  982. うらら: 急な予約も対応してくれるお店が あるって言ってた気がするんよ
  983. ひかる: そのお店って、 二木市にもあるんすか!?
  984. うらら: ネットで探してみるから ちょっと待つんよ!
  985. うらら: …………
  986. うらら: あ、あったんよ!
  987. うらら: ネット予約もできて 明日の受け取りもできるんよ!
  988. 智珠 らんか: やるじゃん、うらら
  989. うらら: ニパッ
  990. ひかる: それじゃあ予約してほしいっす
  991. うらら: わかったんよ!
  992. うらら: 予約票は画面のスクショで 保存してっと…
  993. うらら: 買い物メモは、ふたりにも 共有しておくんよ
  994. ピロン♪
  995. ひかる: 助かるっす!
  996. ひかる: 明日は結菜さんの家に集合して また買いに来るっすよ!
  997. うらら: 了解なんよ!
  998. ひかる: おはようっす、うらら!
  999. うらら: おはようなんよ らんかさんは?
  1000. ひかる: 樹里さんのところに寄るから 先に行っててほしいそうっす
  1001. うらら: わかったんよ
  1002. 結菜: 送別会の内容を決めてって 言ったのは私だけど…
  1003. 結菜: こんなに手伝わせることになって 悪かったわぁ…
  1004. うらら: あ、結菜さん…
  1005. 結菜: なぁに…?
  1006. うらら: ウチ、その…
  1007. うらら: (さくやさんの形見を… 受け取りたくて…)
  1008. 結菜: あぁ、私は今日も手伝えないの…
  1009. 結菜: 生徒会の仕事が終わったら 戻ってくるから
  1010. 結菜: 夕方になったら樹里たちも呼んで 送別会を始めましょぅ
  1011. うらら: あ、うん…! わかったんよ
  1012. うらら: (また言い出せなかったんよ…)
  1013. ひかる: それじゃあ買い出しに 行ってくるっす!
  1014. うらら: あの、予約したケーキを 受け取りに来たんよ!
  1015. 予約票を 見せていただけますか?
  1016. うらら: えっと、スマホの画面を 見せればいいんよね?
  1017. うらら: …………な、ない…!?
  1018. うらら: スマホ、結菜さんの家に 忘れてきちゃったんよ…!
  1019. ひかる: え、えぇぇ~~~!?
  1020.  
  1021. FILENAME: text_516420-6_Dfyhj.txt
  1022. うらら: 予約票がないと、ケーキは 受け取れないのん…?
  1023. 申し訳ありません…
  1024. うらら: どうしよう、ひかるさん…!
  1025. ひかる: 夕方までに 送別会の準備を終わらせるには
  1026. ひかる: 1分1秒でも時間が惜しいっす
  1027. ひかる: ここはらんかさんに 結菜さんの家に行ってもらって
  1028. ひかる: うららのスマホを 取ってきてもらうっす!
  1029. うらら: あ、その間にウチらは 他の買い物を進めるんよね?
  1030. ひかる: そういうことっす!
  1031. ひかる: ひとまずらんかさんに メッセージを送って、と…
  1032. ピロン♪
  1033. ひかる: よし、ひかるたちは 買い物に専念するっす!
  1034. うらら: うん!
  1035. …あ、ホントにいた!
  1036. うらら: え…?
  1037. ひかる: プロミストブラッドのみんな… どうしたんすか?
  1038. どうしたも何も さっきメッセージを見たわよ!
  1039. うららの送別会、 今日やるんでしょ!?
  1040. ひかる: ななな!? なんでそれを知ってるんすか!?
  1041. ひかるが送ってきたんじゃない
  1042. うらら: ひかるさん、もしかして さっきのメッセージ…!
  1043. ひかる: 今日のうららの送別会なんすけど うららのスマホを結菜さんの家に忘れちゃって ケーキを受け取れなくて困ってるっす
  1044. ひかる: ひかるたちはショッピングセンターの 食品売り場にいるので 代わりに取りに行ってほしいっす!
  1045. ひかる: らんかさん宛てじゃなくて
  1046. ひかる: グループ全員のチャットに 送ってたっすよ…!
  1047. ひかる: 他の子を混乱させないために 幹部だけの送別会にしたのに
  1048. ひかる: 面目ないっす…
  1049. うらら: 気にしないでほしいんよ…!
  1050. 送別会ってことは 引っ越しちゃうってこと?
  1051. うらら: (本当は、ウチが二木市に 通わなくなるってことだけど…)
  1052. うらら: うん…二木市には もう来られなくなるんよ…
  1053. どうして教えてくれなかったの?
  1054. ひかる: 黙ってて悪かったっす…
  1055. うらら: こんな大変なときだし
  1056. うらら: みんなに集まってもらうのも 気が引けたんよ…
  1057. 水臭いわね、うらら
  1058. うらら: え?
  1059. 私たちを気遣うより
  1060. 慣れない土地に行く自分を 気遣いなさい
  1061. 引っ越しって 結構ストレスになるしね
  1062. うらら: …………
  1063. うらら: (みんなのほうが大変なのに ウチの心配なんか…)
  1064. で、ケーキ以外には何を買うの?
  1065. 私たちも手伝うよ
  1066. ひかる: え、いいんすか!?
  1067. いいに決まってるわよ
  1068. あと、私たちも送別会に 参加するからね
  1069. 他の子たちもこれから 手伝いに来るってさ!
  1070. うららのスマホも、 取ってから来てくれるって
  1071. うらら: みんな…
  1072. あ、そうだひかる ちょっといい?
  1073. ひかる: っす! 何すか?
  1074. うらら: (ウチなんかのために みんな優しすぎるんよ…)
  1075. うらら: …………
  1076. うらら: (でも、こうなった以上は)
  1077. うらら: (送別会を盛り上げて 楽しんで帰ってもらうんよ!)
  1078.  
  1079. FILENAME: text_516420-7_Dfyhj.txt
  1080. ひかる: それじゃあ結菜さん 一言ビシッとお願いするっす
  1081. 結菜: ええ…
  1082. 結菜: みんな、今日はうららのために 集まってくれてありがとう
  1083. 結菜: それと…送別会のこと、 黙っていてごめんなさぃ…
  1084. 結菜: みんなが疲れているなかで 負担をかけたくなかったの…
  1085. 結菜: でもいまは、みんなに集まって もらえてよかったと思ってるわぁ
  1086. 結菜: こうして私たちの可愛い仲間を みんなで送り出せるんだから…
  1087. うらら: (結菜さん…)
  1088. 結菜: それじゃぁ…乾杯
  1089. みんな: 「カンパーイ!!」
  1090. うらら: ねぇ結菜さん アオさんは来ないのん…?
  1091. 結菜: 今日は都合が悪いみたぃ…
  1092. 結菜: 全員揃わなくて ごめんなさいねぇ…
  1093. 樹里: …………
  1094. 結菜: …なんだか樹里も 本調子じゃないみたいだし…
  1095. うらら: 気にしてないんよ!
  1096. うらら: 送別会を開いてもらえただけで ウチは嬉しいから
  1097. 結菜: そぅ… 本当にいい子ねぇ…
  1098. ひかるの声: うららー! そろそろ時間っすよ
  1099. うらら: わかったんよ!
  1100. ひかる: みんなー! うららに注目っす!
  1101. 智珠 らんか: ん、何? 何か始めるの?
  1102. うらら: 大道芸なんよ!
  1103. 樹里: だいどーげー?
  1104. うらら: ウチ、前に住んでた町で 大道芸人コンビを組んでたんよ
  1105. うらら: 今日はみんなに大道芸を 披露させてもらうから
  1106. うらら: 楽しんでいってほしいんよ!
  1107. スッ
  1108. 智珠 らんか: あ、それ 昨日言ってたお菓子の箱…
  1109. うらら: お菓子の箱を3つ使って ジャグリングするんよ
  1110. ひかる: ――っ!?
  1111. 樹里: へぇ、こんな技もできんのか
  1112. ひかる: すごいっす、うらら! 大道芸みたいっす!
  1113. 智珠 らんか: うららの話聞いてた?
  1114. うらら: 続いて… こんなものも回せるんよ!
  1115. あ、さっき買ってきた 500mlのペットボトル!
  1116. 器用なんてレベルじゃない… プロじゃん!
  1117. ネットに動画も上がってるし マジで有名人…!?
  1118. うらら: あとはやっぱりこれなんよ!
  1119. 結菜: それは…中国コマ?
  1120. 結菜: たしかディアボロって 言うのよねぇ…
  1121. うらら: さすが結菜さん!
  1122. うらら: ウチ、大道芸では特に ディアボロが得意だったんよ
  1123. うらら: ってことで、 ウチの本気を見せるんよ!
  1124. うらら: ―うらら― 今日だけのスペシャルトリック! エクストリームうららスピンなんよ!
  1125. すごい! どうなってるのそれ!?
  1126. ひかる: ―ひかる― うらら、かっこいいっす!!
  1127. 樹里: ―樹里― 魔法を使ってるわけでもねーのに なんでコマが回ってんだ?
  1128. 智珠 らんか: ―らんか― よく見て樹里 糸で回してんのよ
  1129. パチパチパチパチ!
  1130. うらら: ありがとうなんよ、ニパッ
  1131. 結菜: それじゃあ主役のうららからも
  1132. 結菜: みんなへ一言 お願いできるかしらぁ…?
  1133. うらら: ウチから…?
  1134. 結菜: 改まったことじゃなくていいの…
  1135. 結菜: うららが思っていることなら 何でも構わないわぁ…
  1136. うらら: …………
  1137. うらら: …みんな、 本当にありがとうなんよ
  1138. うらら: ウチみたいな新入りのために 集まってくれるなんて
  1139. うらら: 優しすぎるんよ…
  1140. 当然、集まるに決まってるよ
  1141. ひかる: そうっす! うららは仲間なんすから
  1142. うらら: …………
  1143. うらら: (ウチが内偵してたこと、 隠したままでごめんなんよ…)
  1144. うらら: (結菜さんたちの気遣いを 無駄にはできないから)
  1145. うらら: (秘密にさせてもらうけど…)
  1146. うらら: (これだけは言わないと…)
  1147. うらら: ウチ、最後にひとつだけ やりたいことがあるんよ
  1148. 結菜: …? 何かしらぁ…?
  1149. うらら: ウチ…さくやさんの形見を ここに受け取りに来たんよ…!
  1150. 結菜: さくやの…
  1151.  
  1152. FILENAME: text_516420-8_Dfyhj.txt
  1153. うらら: ウチ…さくやさんの形見を ここに受け取りに来たんよ…!
  1154. 結菜: さくやの…
  1155. うらら: 実は昨日、ここに来たのも そのためだったんよ…
  1156. うらら: ウチが受け取るべきじゃないって 思ったけど
  1157. うらら: さくやさんの願いを 叶えてあげたくて…
  1158. 結菜: 形見ってことは、生前さくやから 何か託されていたってこと?
  1159. うらら: 結菜さんの家に預けてある賞状を
  1160. うらら: 形見として受け取ってほしい って言われたんよ…
  1161. ひかる: でも、結菜さんじゃなくて
  1162. ひかる: どうしてうららに 託したんすかね…?
  1163. うらら: ウチも聞いたんだけど…
  1164. うらら: 『結菜さんやひかるさんには 恥ずかしくて頼めない』って…
  1165. 智珠 らんか: ふん…
  1166. 智珠 らんか: 未練がましいところを 見せたくなかっただけでしょ
  1167. 樹里: ま、らしいけどな
  1168. うらら: あの…結菜さん どうなんよ?
  1169. うらら: さくやさんから賞状は 預かってるのん…?
  1170. 結菜: ええ…いくつかあるから 持ってくるわねぇ…
  1171. 結菜: 待たせたわねぇ… この箱に入ってるわぁ
  1172. うらら: あ、丸筒がいっぱい…!
  1173. 結菜: ひとつひとつが大切だから
  1174. 結菜: 賞状をもらうたびに 丸筒に保管していたみたぃ…
  1175. うらら: そんなに大切なものなのに ウチがもらっていいのん…?
  1176. 結菜: 賞状をもらうこともだけど
  1177. 結菜: こうして、私たちがさくやを 思い出したり覚えていることが
  1178. 結菜: さくやは何よりも嬉しいと 思うわぁ…
  1179. うらら: あ…………
  1180. 鈴鹿 さくや: まぁ…もらってくれなくても 構わないんだけどね
  1181. 鈴鹿 さくや: ただ、私のことを誰かひとりでも 覚えててほしいだけだから
  1182. うらら: (結菜さんはさくやさんのことを 誰よりわかってたのかも…)
  1183. うらら: …さくやさんのこと 忘れるわけがないんよ
  1184. 結菜: ありがとぅ…
  1185. スポッ
  1186. うらら: えっ、らんかさん…!?
  1187. 智珠 らんか: どんな賞状が入ってるのか 気になってさ
  1188. うらら: 勝手に開けちゃダメなんよ!
  1189. 智珠 らんか: 別にいーでしょ
  1190. 智珠 らんか: こうやってアイツを思い出して やらなきゃ
  1191. 智珠 らんか: 形見として残した賞状の意味が ないじゃん
  1192. 結菜: らんかの言うことも一理あるわぁ
  1193. 結菜: せっかくだもの うららも見てあげて
  1194. うらら: …それじゃあ…
  1195. スポッ
  1196. 「二木市民陸上大会 中学女子100m 優勝 鈴鹿さくや」
  1197. うらら: 優勝…!? すごいんよさくやさん…!
  1198. 結菜: それは…中学1年生のときに 優勝した賞状ねぇ…
  1199. 結菜: 憧れの先輩たちに勝ってしまって 気まずかったらしいんだけど
  1200. 結菜: 先輩たちがさくやの優勝を 喜んでくれたらしくてねぇ…
  1201. 結菜: こんな先輩になろうって思える きっかけになったそうよぉ…
  1202. うらら: それなら、さくやさんも 素敵な先輩になれてたんよ
  1203. うらら: (ウチも、陸上部の後輩たちも みんな慕ってたんよ…)
  1204. 樹里: ん…なんかその丸筒、 まだ中に入ってるぞ?
  1205. うらら: あ! 手紙が入ってるんよ!
  1206. うらら: えっと… 「うららへ」…
  1207. ひかる: さくやさんからの手紙っす!
  1208.  
  1209. FILENAME: text_516420-9_Dfyhj.txt
  1210. 智珠 らんか: あのアオハル陸上部… やっぱり仕込んでたわね
  1211. 樹里: お前宛ての手紙なら 読んでみろよ
  1212. うらら: う、うん…
  1213. うらら: …………
  1214. 鈴鹿 さくや: うららへ
  1215. 鈴鹿 さくや: 私の杞憂だったらいいんだけど うららが、グループに馴染めなくて いつかひとりでどこかへ行ってしまうかも って思うときがあるんだ
  1216. 鈴鹿 さくや: だからお節介でも 悩みを聞いたり、相談に乗ったりして うららが安心できる存在になりたかったんだ
  1217. 鈴鹿 さくや: ただ、私がいなくなっちゃったら もうお節介を焼けないし うららがそっとどこかへ行ってしまうのに 誰も気づけないかもしれない
  1218. 鈴鹿 さくや: そうなる前に 結菜たちと話す機会くらいは作ってあげたかった
  1219. 鈴鹿 さくや: それで、うららに私の賞状を託すことにした ってわけ
  1220. 結菜: …これで終わりってことは
  1221. 結菜: あとは私に 丸投げってわけねぇ…?
  1222. うらら: えっ!?
  1223. 結菜: ふふ…冗談よ
  1224. 結菜: さくやに信頼されてたみたいで 嬉しいわぁ…
  1225. うらら: (ウチも…こんなに気遣って もらえてたなんて…)
  1226. 智珠 らんか: …最後までお節介なヤツ
  1227. ひかる: そんな言い方はひどいっすよ!
  1228. 智珠 らんか: ちょっとムカッとしただけよ
  1229. 智珠 らんか: 自分だけがうららを 気にしてたみたいに書いてさ…
  1230. 智珠 らんか: 結菜さんだってひかるだって
  1231. 智珠 らんか: みんなうららのことは 気にかけてたじゃない
  1232. うらら: え…
  1233. うらら: (ウチのこと… 本当に仲間として…?)
  1234. 結菜: あら…もう1枚 便箋が入ってるみたいねぇ…
  1235. うらら: うん…
  1236. 鈴鹿 さくや: 結菜に相談したら きっと言われると思うけどさ
  1237. 鈴鹿 さくや: 心配しなくても うららはちゃんと役割を果たせてるし グループにも馴染んでるよ
  1238. 鈴鹿 さくや: だってうららのおかげで 私たちの空気も和んだし どんな任務にも全力で一生懸命こなすうららに みんな感化されてたんだよ
  1239. 鈴鹿 さくや: 君の居場所はここにある だから、無理に去らなくていいからね
  1240. 鈴鹿 さくや: 結菜とみんなをよろしくね さくやより
  1241. うらら: …ごめんなんよ、さくやさん…
  1242. うらら: (ウチのいるべき場所は 他にあるから、出て行くんよ…)
  1243. うらら: (でも…ありがとうなんよ…)
  1244. うらら: (さくやさんのおかげで)
  1245. うらら: (みんなと きちんとお別れできるんよ…)
  1246. ひかる: …さくやさん、ずるいっす
  1247. 結菜: そうねぇ…さくやに 先に言われてしまったわぁ…
  1248. うらら: どういうことなんよ…?
  1249. ひかる: これを受け取ってほしいっす!
  1250. うらら: これは…!
  1251. ひかる: みんなからの寄せ書きっす!
  1252. 送別会のことはさっき知ったから 急いで作ったのよ
  1253. うらら: みんな…
  1254. 結菜: さぁ、うらら 受け取ってちょうだぃ
  1255. うらら: …………
  1256. ひかる: ―ひかる― せーのっ
  1257. みんな: ―みんな― プロミストブラッドにいてくれて ありがとう、うらら
  1258. 樹里: ―樹里― ガキにしてはよく食らいついてたよ
  1259. 智珠 らんか: ―らんか― 頑張ってたと思うよ お疲れ
  1260. うらら: ―うらら― っ…………
  1261. うらら: プロミストブラッドに潜入してからは いつ正体がバレるかってずっと不安だったし
  1262. うらら: 結菜さんたちが力や恐怖で みんなを従えてるように見えて 怖くて仕方なかったんよ
  1263. うらら: でも…そうじゃなかった
  1264. うらら: 二木市のみんなは お互いのことを気遣ってるし ちゃんと信頼で結ばれてたんよ…
  1265. うらら: そんなみんなと一緒に過ごして…
  1266. うらら: ―うらら― (ウチ…いつの間にかこんなに みんなを好きになってたんよ…)
  1267. うらら: ―うらら― …………
  1268. うらら: ―うらら― 結菜さん、ひかるさん 樹里さん、らんかさん、みんな…
  1269. うらら: ―うらら― それに、さくやさん…
  1270. うらら: ―うらら― ありがとう… お世話になったんよ…
  1271.  
  1272. FILENAME: text_516420-10_Dfyhj.txt
  1273. ラビ: …うん、いい表情になった
  1274. うらら: ラビさんの言う通り ちゃんとけじめをつけてきたんよ
  1275. ラビ: うららならできると思ってた
  1276. うらら: ううん、ラビさんたちと さくやさんのおかげなんよ
  1277. うらら: ウチひとりじゃ、本当の気持ちに 気づけなかったから…
  1278. ラビ: それだけ、うららが一生懸命で 頑張っていたということ
  1279. ラビ: あなたに二木市を任せたのは やはり正解だった
  1280. うらら: …ラビさんって やっぱりすごいんよ
  1281. うらら: 先のことが見えてるだけじゃなく
  1282. うらら: たまにしか会えてなかった ウチの気持ちにも気づいてたし!
  1283. ラビ: 私じゃなくても みんな気づいていたと思う
  1284. うらら: えっ…!?
  1285. 旭: うららはすぐに顔に出るから わかりやすいであります
  1286. アレクサンドラ: そういうところが 可愛いんですけどね、うふふっ♪
  1287. うらら: は、恥ずかしいんよ…
  1288. アレクサンドラ: でも、少し心配してたんですよ
  1289. アレクサンドラ: うららちゃんは真っ直ぐだから 二木市の人たちに共感して
  1290. アレクサンドラ: そのまま戻ってこないかも しれないって…
  1291. うらら: それは大丈夫なんよ
  1292. うらら: 魔法少女のみんなが優しくて どれだけ居心地が良くても
  1293. うらら: ウチらが湯国市で 経験したことを考えれば
  1294. うらら: その幸せも、関係も 永遠じゃないってわかるから…
  1295. 旭: …我もそうであります
  1296. アレクサンドラ: …………
  1297. ラビ: …3人とも立派に、各グループで 内偵の任務を務めてくれた
  1298. ラビ: 本当にご苦労さま
  1299. ラビ: これからは私たちと 教授と那由他で
  1300. ラビ: 神浜市の行く末を見守ろう
  1301. アレクサンドラ: はい
  1302. 旭: 了解であります
  1303. うらら: うん…
  1304. うらら: …………
  1305. ラビ: 魔法少女は救われないという 結論が出れば
  1306. ラビ: 彼女たちもやがて 私たちと同じ答え…
  1307. ラビ: 諦念にたどりつく
  1308. ラビ: 今は袂を分かつことになっても いずれまたひとつになれる
  1309. うらら: うん… ウチ、寂しくないんよ
  1310. ラビ: …えらいえらい
  1311. うらら: 頭を撫でないでほしいんよ! 子どもじゃないんよ!
  1312. アレクサンドラ: それじゃあ今日のところは 解散ですね
  1313. 旭: また明日であります
  1314. うらら: …………
  1315. うらら: (魔法少女は救われない それはわかってるんよ…)
  1316. うらら: それでもウチは… 救いはあるって思いたい
  1317. うらら: 全部を 諦めてしまいたくない…
  1318. うらら: (ここ以外にできた ウチがいてもいい場所…)
  1319. うらら: (そこを守るみんなに 希望がないなんて嫌なんよ…)
  1320. うらら: だから、この争いの先に…
  1321. うらら: どうか…みんなが幸せになれる 未来が訪れますように…
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