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- FILENAME: text_102801-1_KPw7G.txt
- かごめ: 令さんと郁美さんの死によってもたらされた 二木市を結ぶ株分けのミラーズの消滅。
- かごめ: それはプロミストブラッドを 窮地に追い込むことになったけど、 同時にイブという魔女に戻りたいと思っている キモチの本音を知る切っ掛けにもなった。
- かごめ: その本音からわかったのは、 各グループのメンバーが12人に絞り込まれ、 それ以外の魔法少女が戦おうとすると キモチの結界に飛ばされるようになったのは、
- かごめ: 力のある魔法少女を潰し合わせるという キモチの悪意によるものだということ。
- かごめ: それは、キモチの石を奪い合うのをやめて 魔法少女たちが共通の敵と戦うための 希望の光にも見えたけど、
- かごめ: 4つのキモチの石を手に入れて 支配感を覚えていた紅晴さんには響かず、 争いの幕引きにはならなかった。
- かごめ: ここから記すのは、そんな追い詰められた プロミストブラッドの行く末と、 その端で動いていた魔法少女たちの様子。
- かごめ: 今思えば、この時期で良かったと思う。 いろはさんが自分の目的を見つけたのが…。
- かごめ: 神浜にいる魔法少女たちの物語は、 こうして私が手記を纏めている今に向けて 少しずつ追いついてきている。
- かごめ: そして追いついてしまったとき、 彼女たちは 大きく2つのグループに分かれることになる。
- リヴィア: なるほどな
- リヴィア: 自動浄化システムによる エネルギーの獲得量
- リヴィア: その調査については 概ね問題はないっちゅーことか
- キュゥべえ: キモチが石の奪い合いにルールを 設けたのは想定外だったけど
- キュゥべえ: 今以上にボクの行動を 制限する内容じゃなかったからね
- キュゥべえ: 特に調査に影響は出ていないよ
- リヴィア: せやけど、今のところ 経過はどないなん
- リヴィア: そろそろ何かしらの結論が出ても ええ頃ちゃうか?
- キュゥべえ: それは、キミたち魔法少女が これからどう動くか次第
- キュゥべえ: まだ、答えを出すのは難しいよ
- リヴィア: 案外時間がかかるもんやな …まぁええわ
- リヴィア: アンタがウソを吐くとは 思われへんしな
- キュゥべえ: 神浜に戻るのかい?
- リヴィア: ユニオンとプロミストブラッドの ドンパチも最後になるやろし
- リヴィア: かごめちゃんが無理して ケガでもされたらかなわんやろ?
- キュゥべえ: 彼女のことは…
- リヴィア: アンタの言うた通り ちゃんと守るから安心しとき
- キュゥべえ: 彼女の動向を 見守って欲しいんだ
- リヴィア: 優しい言い方しとるけど 見張れってことかいな
- リヴィア: さすがに理由ぐらい 聞かせてくれてもええやろ?
- キュゥべえ: それはこれから 順を追って説明するよ
- 月出里: ふっむふむむー!
- ヨヅル: 先生、頼まれた食材は これで全てだと思うのですが
- リヴィア: 見せてみ
- リヴィア: …ふん、全部そろっとるし 今夜は特製たこ焼き決定やな
- 月出里: ふっむー!
- リヴィア: なんや、えらい楽しみに してくれとるんやな
- リヴィア: せやけど、英気を養った分は 頑張ってもらうで?
- ヨヅル: 危険は承知の上で佐鳥かごめを 守る必要がありますからね
- リヴィア: そういうことや
- ヨヅル: ただ、ひとつ気になることが
- リヴィア: ん?
- ヨヅル: その結果、私たちはいったい 何を得られるのでしょうか?
- リヴィア: なんや今さら わかっとるやろ
- リヴィア: 私らの幸せな未来や
- 保澄 雫: …………
- 保澄 雫: (私にとって大切なことを 気付かせてくれた人たち…)
- 保澄 雫: (私にとっての居場所…)
- 保澄 雫: (永遠なんてないと思ってたけど こんな形で失っていくなんて…)
- 保澄 雫: (令さん…郁美さん…)
- 保澄 雫: はぁ…
- 保澄 雫: 私には、何ができるのかな…
- FILENAME: text_102801-2_KPw7G.txt
- 「う、ァアアアアッ!!」
- 「た、助け、ぐぁ…」
- 「結菜さん…結菜さん…」
- 結菜: みんなごめんなさい… 争わせてしまって本当にごめんなさい… 全ては私の計算が狂ったせいよ…
- 結菜: キュゥべえを追い払ったあとでも 周辺の町から魔女が流れてくるのはわかってた だけど、急に魔女が二木から消えるだなんて 思いもしなかった…
- 結菜: 神浜の魔法少女たちが奪っていたせいで 二木の魔女が涸渇したなんて 知らなかったのよぉ…
- 結菜: それでも全てはみんなを引っ張ってきた 私の責任だってことはわかってる みんなを守れなかったのは 自分のせいだってこともわかってる
- 結菜: だから誓ったのよ みんなの血で作られた自動浄化システムを 二木に持って帰るって…
- 結菜: “憎まず、嫉まず、利己的にならず 何よりも誰かのためであり 世の平和と心の安寧を願い続ける”
- 結菜: たったひとり 私が尊敬していた先輩が残した理念
- 結菜: それを捨てて鬼になってでも 果たそうとしたことだからこそ私は
- 結菜: 怒り、憎み、暴虐なまでに利己的であり 誰かの平和よりも仲間の安寧を願うために この身を磨耗させて失うまで戦う
- ひかる: 二木と行き来できないのは、 やっぱり致命傷っすか…
- 結菜: 私たちには学校もあるし、 親の目もあるような状況
- 結菜: さらに二木と神浜を行き来する 資金もない以上
- 結菜: 取れる選択肢は限られているわぁ
- 樹里: まぁ、わかっちゃいたけど、 詰んでるっつーことだよな
- ひかる: どうにかお金の確保を できないもんすかね…
- ひかる: 今、神浜で短期決戦を挑んでも 良い結果が出ると思えないっすよ
- 結菜: 無い袖は振れないわぁ…
- 樹里: いっそのこと 妹のゲーム機を売るか?
- アオ: ちょっとぉ! なに言ってんの姉ちゃん!?
- アオ: ダメダメ、絶対ダメッ! 搾取反対!
- 樹里: なら、結局のところ 選択肢ってひとつだけじゃねーか
- 結菜: 短期決戦は避けられないわねぇ
- ひかる: …勝算はあるんすか…?
- ひかる: なんかちょっと 簡単に決めすぎな気が…
- 結菜: いえ、樹里から聞いた話を 応用すればやりようはあるわぁ
- ひかる: 樹里さんの話っすか?
- 樹里: この間、株分けのミラーズで 戦ってたとき
- 樹里: マギウスの芸術家がいたって話を 馬にもしただろ?
- ひかる: あ、キモチに選ばれてないのに 戦えたって話っすか!?
- 樹里: それだ
- 樹里: つーか、おかしいな お前、なんで消えねーんだ…
- アリナ: ワットエバー
- アリナ: てゆーか、 どうでもいいストーンのことで
- アリナ: アリナを巻き込まないでヨネ!!
- 樹里: 要はキモチの石を狙うっつーのが ルールが発動する条件なんだよ
- 樹里: だから、皆殺し目的で攻撃すれば キモチの結界には飛ばされねー
- 樹里: やりたい放題できるっつーことだ
- ひかる: 確かに理屈は通るっす!
- アオ: え~、それだけで 決めるのって怖いと思うけどな~
- アオ: 他にもキモチの結界に飛ばされる 条件があったら笑えないよ~?
- ひかる: た、確かにアオさんの言うことも 一理あるっすね…
- 結菜: とは言え、今はどんな可能性にも 賭けてみるしかないわぁ
- 結菜: 樹里の話を裏付ける 事例がある以上は余計にね
- アオ: 事例って?
- 結菜: ユニオンが私たちの ショートカットを消しに来たとき
- 結菜: 彼女たちは魔女と戦うメンバーに 選抜外の子たちを選んでいたし
- 結菜: グリーフシードを巡って 神浜の子たちと衝突したときは
- 結菜: キモチの結界に飛ばされなかった
- 結菜: それにマギウスの芸術家が 樹里と戦えた話も加えると
- 結菜: 自動浄化システムや キモチの石を目的にしない限り
- 結菜: キモチが定めたルールには 縛られない
- 結菜: そう仮定するには十分よぉ
- 樹里: ユニオンのヤツらが このギミックに気付いてなけりゃ
- 樹里: 意表を突いて、 恨みを思いっきり返してやれるな
- 結菜: ただ、裏付けが取れたとしても、 成功する可能性は低いと思うわぁ
- 結菜: キモチの石と自動浄化システムは 簡単に頭からは離れない
- 結菜: ふと脳裏をよぎっただけで
- 結菜: キモチの結界に 飛ばされるかもしれないわぁ
- 樹里: おい、そこで意見を翻すのかよ
- アオ: それなら姉さまがキモチの石から 力を借りるのはどうかな~?
- アオ: 4つのキモチから力を借りたら 破壊の限りを尽くせるかも?
- アオ: クスクスッ
- ひかる: いやいや、 なに言ってんすかアオさん
- ひかる: アオさん自身もキモチに 乗っ取られてるんすよ!?
- ひかる: いくら4つのキモチを支配できる 感覚があったとしても
- ひかる: 力を借りるとなると 話は別っすよ!
- アオ: 乗っ取られてもへ~きへ~き
- アオ: こうして特に変わりもないから 力を借りても平気だよ~?
- ひかる: いや、少し変っすよ…
- ひかる: アオさん、前なら失敗前提の話は しなかったっす…
- 結菜: …とりあえず 最終手段にしておきましょう
- アオ: じゃあ、結局どうするの?
- 樹里: 選抜外のメンバーも使わないなら 何も決まってねーぞ
- 結菜: いえ、私は懸念を示しただけで 短期決戦をするつもりよぉ
- 結菜: その上でリスクを排除する方法も 勝算もあると思うわぁ
- 樹里: どうすんだ…?
- 結菜: 二木市を 最後の戦いの場にするわぁ
- FILENAME: text_102801-3_KPw7G.txt
- 結菜: いえ、私は懸念を示しただけで 短期決戦をするつもりよぉ
- 結菜: その上でリスクを排除する方法も 勝算もあると思うわぁ
- 樹里: どうすんだ…?
- 結菜: 二木市を 最後の戦いの場にするわぁ
- ひかる: それは、どういうことっすか…?
- 結菜: 私たちのホームなら 資金も時間の心配もないし
- 結菜: キモチの石について 知らせていない魔法少女がいるわ
- アオ: あっ…
- アオ: あのさ、そろそろ 町に戻ってもいいかな~?
- アオ: 蛇の宮とか、他の子たちにも 動きを報告しておきたくて
- 結菜: そうね、今日のところは 帰りましょう
- アオ: うん
- アオ: 向こうで待ってる人もいるから 自動浄化システムを…
- アオ: 向こうのみんなは 詳しいルールは知らないから
- 結菜: そう
- 結菜: キモチのルールの影響で 結界に飛ばされる心配もなく
- 結菜: 彼女たちはユニオンを打ち破る 尖兵になれるわぁ
- 結菜: それに、ユニオンが時女一族と 手を組んで現れるのを踏まえれば
- 結菜: メンバーの数を増やせる この策以外だと対処できないわぁ
- ひかる: あれ…?
- ひかる: 時女もってことは、石が8つ 二木にそろうってことっすよね?
- ひかる: 結菜さん、まさか本当に 今回を最後の戦いに?
- アオ: わたしたちの町で ぜ~んぶ石をゲットして
- アオ: エンディングを迎えられるなら 最高に良いと思う!
- アオ: 今から蛇の宮の子たちにも 連絡しておかないと~!
- ひかる: ちょっと、アオさん
- ひかる: そんなテンションが上がるような 状況じゃないっすよ
- 樹里: ま、方針が固まったならいいだろ あとは姉さんに任せたぞ
- 結菜: あら、どこにいくのぉ?
- 樹里: 最後にするってんなら 約束を果たしておきたいんだよ
- 樹里: ま、この辺りを張ってたら 出てくるだろ
- FILENAME: text_102801-4_KPw7G.txt
- 樹里: っし、思った通りだ 見つけたぞ!
- 時雨: ななっ、なんでいるのぉっ…!?
- 樹里: なんでもクソもねーっつーの
- 樹里: テメエらが樹里サマを 裏切った時点で言っただろ
- 樹里: オマエらと戦うのが 楽しみだって
- 時雨: ほ、報復…!? それが今っていうこと…?
- 樹里: だなっ
- 時雨: うやむやになって なくなったと思ってた…
- 時雨: どうしよう…はぐむん…
- はぐむ: どうすることも できないと思うよ…
- はぐむ: 樹里さんの目 どう見ても本気だもん…
- 樹里: わかってんじゃねーか ニヒッ
- はぐむ: あの、ネオマギウスはもう 潰れましたけど…?
- 樹里: 裏切りのケジメとは 関係ねーっつーの
- はぐむ: ですよね…
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- 時雨: うっ、ゲホッ…
- はぐむ: 時雨ちゃん!
- 樹里: オラ、邪魔だっつーの!
- はぐむ: アゥッ…!
- 樹里: さてと、これでジ・エンド この世からサヨナラだな
- 時雨: あ…
- 樹里: なーんつってな
- 時雨: ……………………
- 時雨: …………
- 時雨: へ?
- 樹里: なぁ、ファミレスいこーぜ
- 時雨: ぼく、殺されかけて…え…?
- はぐむ: どういうこと…? 思考も感情も追いつかないよ…
- 樹里: ティラミスとプリンアラモード これだけでいいのか?
- 樹里: 樹里サマのおごりだし、 もっと頼んで良かったんだぞ?
- 時雨: え、うん… もう、わけがわかんなくて…
- はぐむ: 私も、あれだけ痛めつけられて 殺されるって思ったのに
- はぐむ: こうして一緒にファミレスにいる 状況に理解が追いつかなくて…
- 樹里: あー、そういうことか
- 樹里: オマエらとは もう一度戦うつもりだったし
- 樹里: 前に樹里サマを手伝ったとき ファミレスの約束もしてただろ?
- 樹里: だから両方とも今日中に 終わらせようと思ったんだよ
- 時雨: なんだか、誠実なのか雑なのか よくわからない…
- はぐむ: うん…
- 樹里: ま、いいから食えって ニヒッ
- 時雨: おごってもらうのに 嬉しくないこともあるんだね…
- 樹里: おい…
- はぐむ: 時雨ちゃん…!!
- 樹里: なんか会話もなく 黙々と食われるのもしんどいな
- はぐむ: ごめんなさい、 緊張しちゃって…
- 時雨: ぼくも、何を話せば良いか わからないし…
- 時雨: 質問ぐらいなら、あるけど…
- 樹里: ん、聞いてみろ
- 時雨: なんで約束を 全部片付けてるのかなって…
- 樹里: うーーん…
- 樹里: まぁ、強いて言うなら 験担ぎみたいなもんか?
- 時雨: げんかつぎ?
- 樹里: そ、樹里サマたちが8つ石を 手に入れられるようにっつーな
- 時雨: …………?
- はぐむ: 今のプロミストブラッドの 状況って良くないですよね…?
- はぐむ: もう、終わらせるんですか…?
- 樹里: お、察しがいいな
- 樹里: まぁそんなわけで 気合を入れてるっつーことだ
- 樹里: …プロミストブラッドとユニオン どっちに勝って欲しい?
- 時雨&はぐむ: ユニオン…
- 時雨: だって、じゃないと神浜から 自動浄化システムがなくなるし…
- はぐむ: うん…
- 樹里: ま、そうだよなー
- ピロン♪
- 樹里: …………
- 樹里: そろそろ二木に戻るか…
- 樹里: つーわけで金は置いてくから あとはふたりで楽しみな
- はぐむ: えっ、あ… ごちそうさまです…
- 時雨: ありがとう…?
- 樹里: あっはは!
- 樹里: ボコられたのに 礼を言うなんて変だな
- 時雨: 他になんて言えばいいか わからないだけで…!
- 樹里: はは、あーあ
- 樹里: …笑わせてもらったし いいことを教えてやるよ
- 時雨: な、なに…?
- 樹里: 失敗や不幸があったときは 自分のせいにしとけよ
- 樹里: 樹里サマも自分のやることを ビョーキのせいにするけどな
- 樹里: 根っ子では自分のせいだって 思うようにしてる
- 樹里: ネオマギウスの新しい仲間が どんなヤツかは知らねーけどな
- 樹里: 自分にとって優しいヤツは危険だ 気付いたときには食われてるぞ
- 樹里: いい目してんじゃねーか その瞳の奧にある疑念を信じろ
- はぐむ: なんのことか私には…
- 時雨: ぼくも… オカルトか何か…?
- 樹里: 好きに受け取ってくれ
- 樹里: つーわけで、じゃーな 時雨、はぐむ
- FILENAME: text_102801-6_KPw7G.txt
- ももこ: これで戦えるメンバーは 全員集まったかな?
- レナ: みかづき荘のみんなと レナたちで9人
- 十七夜: 自分と都も合わせて11名だな
- 都 ひなの: アタシのことは 放っておいても良かったんだぞ
- 都 ひなの: どうせ自分から抜けると 言い出したんだ
- かえで: でも、襲われるかもしれないのに 放っておけないよ
- レナ: プロミストブラッドの連中は ひなのさんが離脱するとか
- レナ: 別に関係ないからね
- やちよ: ええ、追い詰められた相手は、 短期決戦しか望みがない状況…
- やちよ: 神浜に住む魔法少女の家を 全て知っている以上
- やちよ: 破れかぶれになられたら 都さんは必ず襲われるはずよ
- やちよ: もちろん他の人もね
- いろは: はい、だからこうして避難して きてもらったんです…
- いろは: 抜けるっていう一言で 見捨てられませんから…
- 都 ひなの: …すまない 変に気を遣わせてしまったな…
- やちよ: いいのよ、 わかってくれたらそれで
- みたま: それに、わたしが避難対象なのも 理解できたわぁ
- ももこ: 調整屋の場合は中立を破棄して ユニオン専属だって言ってるしな
- ももこ: それに本音を言うと心配なんだよ 選挙での一件があるからな…
- みたま: 恥ずかしいわぁ もう気にしてないから平気よぉ?
- みたま: ミィもいじめられてないし ホッとしてるぐらいなんだから
- ももこ: ほんとかよ…
- ういの声: お姉ちゃん
- うい: 灯花ちゃんとねむちゃんも 連れて来たよっ
- 鶴乃: ここまでの護衛はバッチリ! さすが最強のわたしだね!
- フェリシア: 誰もいなかったけどな!
- さな: はい、プロミストブラッドの 気配はありませんでした…
- いろは: ありがとう、みんな
- ねむ: 僕と灯花は毎日通ってるから 放置で問題なかったのに
- 灯花: 逆にゾロゾロ歩いてる方が 目立つから心配だったよー
- 灯花: 最強さんも頭がいいなら それぐらい気遣って欲しいにゃー
- 鶴乃: ぬぅっ…
- うい: でも、灯花ちゃんもねむちゃんも 気まぐれで来ない日もあるし
- うい: ふたりだけだと心配だから これで良かったんだよ
- 灯花: そっか、 ういが言うならそうだねー
- ねむ: 誰が言うよりも間違いなく 説得力があるよ
- 鶴乃: ちょー!ひいきだー!
- ねむ: 小学生相手に大人げないよ
- 鶴乃: 小学生扱いしたら 絶対に怒るでしょ…?
- ねむ: そうだね
- 鶴乃: 理不尽…!
- いろは: ふふっ、じゃあ声をかけた人は これで全員そろったかな?
- さな: あれ…?
- さな: みふゆさんは 呼んでないんですか…?
- やちよ: 天音姉妹も含めて 避難させたかったんだけど
- やちよ: まだ、御園さんもアリナも 行方不明のままだから
- やちよ: みふゆたちも躍起になって ミラーズ内を捜してるのよ…
- やちよ: だから今のところは、 これで全員ってことになるわね
- 十七夜: ふむ…
- 十七夜: 梓たちはいずれ来るとして 今後の動きが大きな課題だな…
- フェリシア: あ?
- フェリシア: 守りは完璧だし ズガンってやられても平気だぞ?
- 十七夜: 自分たちもプロミストブラッドと 大して状況は変わらない
- フェリシア: いや、勝ってんじゃん!
- 鶴乃: たぶん十七夜が言いたいのは、 わたしたちも学校や家があるから
- 鶴乃: 何日も地下に潜れないって ことだよね?
- 十七夜: 由比君の言う通りだ 我々もノンビリ構えてはいられん
- フェリシア: 追い詰めたのはこっちなのに、 なんか納得いかねーけど
- フェリシア: 早く勝負を決める方法を 考えねーとダメなのか
- いろは: …キモチの本音を知っても 戦わないといけないんですね…
- いろは: うい、教えて キモチは何を考えてるの?
- うい: …うん
- うい: 「8つのキモチが全部そろって 概念の自動浄化システムと肉体のキモチが 融合してひとつになれば またイブに戻れるってキモチは思ってる」
- うい: 「だから、わざわざ12人選んで 強い魔法少女同士で殺し合いをさせてた… 力を貸そうとするのも 隙を見て魔法少女の心を侵食するため…」
- うい: 「イブに戻ったときに強い魔法少女がいるのは 都合がよくないから…」
- フェリシア: じゃあ、 オレたち騙されてたのか!?
- いろは: キモチに利用されてるって わかったから
- いろは: 最後に紅晴さんと話せる機会が できると思ったけど…
- 結菜: 石を持っている者の感覚までは わからないようねぇ…
- いろは: どういうことですか…?
- 結菜: 4つの石が集まったことで キモチを支配して制御できる
- 結菜: その強い実感が湧いてるのよぉ
- いろは: (あの感覚は本当なの…?)
- いろは: (私には少し、 違った反応に感じたけど…)
- ももこ: 笠音アオもキモチの力を借りて 乗っ取られてたし
- ももこ: なんかアタシらが信じてたものが 崩れていく気がするな…
- さな: キモチの石を集めて 自動浄化システムが手に入る話も
- さな: 今となっては信用できるか わからないですよね…
- レナ: その感想はもっともだけど、 結局レナたちはどうするわけ?
- レナ: 戦うのは決定でしょ?
- いろは: だから、時女一族と協力して プロミストブラッドと戦えないか
- いろは: 静香ちゃんに 相談してみるつもりだよ
- レナ: それならこっちの数が倍になるし 一気に終わらせられそうね
- いろは: うん
- レナ: …いろは、ごめんね
- いろは: え、何が?
- かえで: レナちゃん何かしたの…?
- レナ: そうじゃなくて…!
- レナ: 今さらだけどレナさ…
- レナ: 話し合いで終わってたら、 どれだけ良かっただろうって思う
- FILENAME: text_102801-7_KPw7G.txt
- やちよ: みんなの様子はどう?
- 鶴乃: 地下の部屋割りを決めて 今は荷物の整理をしてるよ!
- ぐ~~~~
- フェリシア: ぉぉぅ… なんか腹が減ってきたぞ…
- やちよ: ふふっ、ようやく落ち着いてきた 証拠みたいなものね
- いろは: いい時間だし、 みんなで何か作りましょうか
- さな: みんなって… この人数で作るんですか…?
- いろは: そっか、ここに居るだけで 15人ぐらい居るんだっけ
- うい: みんなでバーベキュー みたいになっちゃいそうだね
- いろは: お店のお惣菜とか 買ってきた方が早いかな?
- やちよ: だめよ、経済的に
- いろは: ですよね…
- やちよ: ところでいろは 少し聞いても良いかしら?
- いろは: はい?
- やちよ: あなた、私たちに何か 隠してることがあるんじゃない?
- いろは: えっ…!? なっ、なんのことですか!?
- ねむ: 目を逸らしておもむろに髪を触る なだめ行動としてわかりやすいね
- 灯花: 行動心理学のお手本みたいだねー
- 灯花: わたくしも 気になってんたんだよにゃー
- うい: お姉ちゃん…
- ねむ: お姉さんを見たってことは ういは隠し事を知ってるようだね
- やちよ: みたいね
- うい: あうぅ…
- やちよ: ただ、学問を使って人を暴くのも ほめられたことじゃないわよ
- やちよ: 話しにくいことなら 無理して話さなくてもいいけど
- やちよ: 問題がないのであれば 聞かせてくれると嬉しいわ
- やちよ: 言ったでしょ?
- やちよ: ひとりで戦う私を救ったのは 他でもない、いろはなんだから
- やちよ: 何をするときも 自分だけで抱え込まないでって
- やちよ: もしも何か困っているなら 今度は私が力になる番よ
- いろは: …怒りませんか…?
- やちよ: …………
- やちよ: 内容次第?
- いろは: ええっ…ぅぅ… じゃあ、怒られるのを覚悟で…
- やちよ: そう、最近悩んでたから 出口が見つかって良かったわ
- やちよ: だって、 自分で考え抜いた答えでしょ?
- いろは: はい…
- いろは: 『神浜に来た魔法少女はみんな 未来への希望を持っているからこそ 救いを求めて戦っている』
- いろは: 『その希望は魔法少女にとって 等しく尊くて大切なもののはずなのに 今の私たちは誰かの希望を奪いながら 自分の希望を叶えようとしている…』
- いろは: 『だから私は 誰かの希望も救いも否定しないで ひとつひとつ叶えられるように “みんなが生きられる世界を作りたい”』
- いろは: 『もしも否定するものがあるとしたら それは誰かを傷付けようとする想いだけに しようと思ってます』
- 灯花: プロミストブラッドと 戦うのは理解できるけど
- 灯花: この状況でも平和を語るなんて お姉さまも甘いにゃー
- いろは: あぅぅ…
- いろは: ういに言われた通りのことを 言われちゃった…
- うい: ほんとだね…
- ねむ: それにしても 鋼の硬さを超えた頑固さだよ
- さな: でも、私はいろはさんらしくて 良いと思います…
- 鶴乃: わたしも、いろはちゃんの頑固は 誰かの幸せのためにあるから
- 鶴乃: 無問題だと思うよ!
- いろは: うーん、それって 喜んでいいのかなぁ…
- 灯花: いーと思うよ?
- 灯花: わたくしも、昔からお姉さまを “シェアト”だと思ってるから
- 灯花: 笑顔も優しさもなくなって 冷たいことしか言わなくなったら
- 灯花: すごくショックだもん
- ねむ: 僕も灯花と同意見だよ
- ねむ: お姉さまは誰が傷付いても、 自分事のように感じてくれて
- ねむ: 決して見放すことがない
- ねむ: だから僕達はいつも 隣で安心することができるんだよ
- いろは: ありがとう 灯花ちゃん、ねむちゃん
- やちよ: …………
- いろは: やちよさん…? やっぱり、甘いですか…?
- やちよ: いえ…
- やちよ: 少しだけ過去を振り返ってたけど 自然なことだと思うわ
- やちよ: 私たちはマギウスの翼と 戦ってきたときからずっと
- やちよ: 誰かを傷付けることを 良しとしてこなかったでしょ?
- やちよ: だからこそユニオンでは 誰も殺さないのがルールになって
- やちよ: 自動浄化システムを広げて みんなを救うことが目的になった
- やちよ: その中で得たいろはの答えが
- やちよ: 魔法少女たちひとりひとりが抱く 希望を守るために
- やちよ: 命を奪う争いを無くすことなら 私は納得することしかできないわ
- いろは: ここまで状況がこじれてるから 胸に秘めておくつもりだったけど
- いろは: 話せて良かったです…
- やちよ: ごめんね、無理に聞いて
- いろは: 謝らないでください
- いろは: むしろみんなが受け入れてくれて 私は感謝してるんです
- いろは: ありがとうございます…
- いろは: …………
- いろは: (私は諦めないからね… 紅晴さん…)
- 結菜: …………
- 結菜: どれだけ二木の魔法少女の死を 哀悼してくれようとも
- 結菜: 私は決して許しはしなぃ…
- 結菜: (世の平和と心の安寧を願っても ただ悲しみが広がるだけだもの)
- FILENAME: text_102801-8_KPw7G.txt
- 灯花: うーん、なんだかわたくしたちの 思う通りにはいかないねー
- 灯花: けっこう自信あったんだけど…
- ねむ: 灯花にとっては 奇々怪々と言える状況かな?
- うい: 灯花ちゃん、ねむちゃん
- うい: 夜ご飯の準備が終わるまで 時間がかかるから
- うい: もう少し作業してても 大丈夫だって
- ねむ: ありがとう、うい
- うい: 時間が欲しいって言ってたけど 何か悩み事?
- ねむ: 魔法少女の話を 広める件についてだよ
- うい: 灯花ちゃんが、 従姉妹のお姉さんと協力してる?
- 灯花: そう!
- 灯花: SNSで魔法少女の戦闘を 特撮として発信してみたんだけど
- 灯花: にゃーんかわからないけど、 さっぱり効果が出ないんだよねー
- ねむ: 素人目に見れば 十分衝撃だと僕は思うけどね
- うい: うん、迫力はあるし みんなビックリすると思う
- 灯花: むぅぅぅ…
- 灯花: 結果が伴わないと意味ないし やっぱり変だよ!
- 灯花: こっちはお金まで 投入してるんだから
- 灯花: 今起きてる状況も“あの仮説”に 含めていい気がする!
- ねむ: 佐鳥かごめから聞いた 二木や時女の話と類似してるしね
- うい: あの仮説?
- ねむ: まだ調査が進んでないから、 僕と灯花との間での秘密だよ
- うい: えーそうなの…?
- 灯花: ういの悲しい顔は見たくないけど こればかりは我慢して
- うい: じゃあいつになったら 教えてくれる?
- 灯花: 最近の神浜での統計とかを 調べてみてかなー
- ねむ: あと歴史も辿った方がいいね
- ねむ: 比較対象を増やしていって 仮説と突き合わせた方がいいよ
- うい: その仮説を調べるのも 時間がかかっちゃうと
- うい: 魔法少女の話を広めるのは もう少し先になりそうだね…
- 灯花: 話の広め方は、別の角度からも 攻めてるからだいじょーぶ!
- 灯花: 佐鳥かごめと 風の伝道師のウワサが
- 灯花: どうやって結びついてるかを 解明をすることで
- 灯花: 世間に広める新しい方法が 見つかるかもしれないし
- 灯花: 那由他に 叔父さまを連れてきてもらって
- 灯花: 天才のわたくしと学者の対談で 話題を作ることだってできる
- 灯花: まだまだやれることは たっくさんあるよ
- ねむ: でも、その従姉妹と 連絡が取れないんだよね?
- うい: そうなの?
- 灯花: ほんと、協力するって言ったのに 那由他も勝手過ぎるよねー
- さなの声: あ、あのお邪魔します…
- さな: もうすぐ夜ご飯ができるって 言ってたから、上がって来てね…
- うい: うんっ
- さな: あ、それとねむちゃんに 聞きたいことがあるんだけど…
- ねむ: もしかして、さなが描いた 絵本のことかな?
- さな: うん、そう…
- さな: 電子書籍がお店に出たら すなおさんに送ろうと思ったの…
- さな: ゴロゴロのこと好きだし 連絡を取るタイミングだから…
- ねむ: 僕の方で中身は確認したから あとは灯花の作業だね
- ねむ: 電子機器や情報技術については 僕も疎い方だからね
- 灯花: あ、その電子書籍だったら、 もうストアに上がってるよー
- 灯花: あとでURLだけ投げとくね
- さな: ありがとう 灯花ちゃん、ねむちゃん…
- FILENAME: text_102801-9_KPw7G.txt
- ピロン♪
- すなお: あら、二葉さん…?
- すなお: ……………………
- すなお: …………
- ちはる: すなおちゃん大丈夫…? まだ寝てた方がいいんじゃない?
- すなお: 平気ですよ ケガはすっかり回復したので
- ちはる: よかった
- ちはる: なんか険しい顔してたから 傷が痛むのかと思って…
- すなお: この通り動かしても平気です
- ちはる: じゃあ、どうしたの?
- すなお: 二葉さんからメッセージが来て 確認をしてたんです
- すなお: それで…
- ちはる: あ、待って当てるから!
- 等々力(ちはる): ふむ、二葉君と土岐君の共通点 それはゴロゴロに違いない 新しいコラボイベントの話だろう
- すなお: ふふっ、半分正解ですね
- ちはる: ぬぁっ、半分かぁ…
- すなお: ゴロゴロの話と一緒に URLが送られてきていて
- すなお: 二葉さんが描いた絵本が 読めるようになったそうです
- ちはる: ええっ、すごいね! わたしも一緒に読みたい!
- すなお: あとで静香たちも誘って 一緒に見ましょうか
- ちはる: うんっ!
- すなお: そして、これは別件なんですが というかこちらが本題ですね
- ちはる: うん?
- すなお: ユニオンがプロミストブラッドを 追い詰めた件についてですが
- すなお: 最後の戦いに時女一族も 参加してくれないかと…
- ちはる: 思ってたより すごく重い話だった…!
- ちはる: でも、これ…
- ちはる: わたしたちのターゲットは ネオマギウスで
- ちはる: ユニオンのターゲットが プロミストブラッドなら大丈夫!
- フェリシア: オレたちで決勝戦だな!
- 静香: ええ、だからお互いに 今は目の前の敵を倒して
- いろは: …………
- 静香: 最後に刃を交えましょう
- ちはる: 本当にあのとき 話していた通りになるんだね…
- すなお: まずは、プロミストブラッドを 倒してからになりますけど
- ちはる: うん…
- FILENAME: text_102801-10_KPw7G.txt
- 静香: (すなおとちゃるが言う通り プロミストブラッドを倒せたら)
- 静香: (残るのは私たちと環さんたち)
- 静香: (悪鬼というくびきから解かれて 多くを救えるのは理想だけど)
- 静香: (私たちは今まで通り 人を守るだけでいいのかしら…)
- 静香: 「私たちが望むのは守ることで得られる 周りの人々の笑顔であって自分の笑顔じゃない!」
- 静香: 「もう一度取り戻しなさい時女一族! 己が己に課した使命と矜持を!」
- 静香: (あのときみんなに語ったのは、 間違いなく自分の本音)
- 静香: (だけど、本当に日の本を守り 人々の笑顔を望むとしたら…)
- ひめな: 変わらないって
- ひめな: 人間の中にもそんな悪者はいて あんたはそれも平等に助けてる
- 静香: 今のやつが投石したのね…!
- ちはる: うん、多分…!
- 静香: でも、悪鬼の影響なんて なさそうだったわ…
- 静香: 謀略…つまり神浜のリーダーは 周りを騙してるってことよね…?
- ちはる: どうりで気持ち悪いにおいが してくるわけだよぅ…
- 静香: 悪が支配すれば かつての時女集落の時みたいに
- 静香: 知らない間に 悪事に荷担させられるわ…
- 静香: 神子柴が集落の中枢に居た時の 私たちだって同じだった…
- 静香: (そう、本当に日の本を守って 人々の笑顔を望むのなら…)
- 静香: 私たちが表面に出てきたものを 対処しても意味がない…
- 静香: もっと根本的な部分を変えて、 世の中を直さないと…
- 静香: (それができるのは、日の本と その地に生きる人を守る巫だけ)
- 静香: 何の用かしら…
- 燦: 様子を窺いにきただけよ
- 静香: ネオマギウスは崩壊したし、 根無し草になったから
- 静香: 時女一族に入りに来たの?
- 燦: バカな勘違いをしてるわね
- 燦: ネオマギウスは解散せずに 私たちが続けているわ
- 静香: 相変わらず、 自分たちの願望を叶えるために?
- 燦: ええ、私は自分が神になることを 諦めたつもりはないわ
- 静香: そんな傲慢なところよ 私が好きになれないのは…
- 静香: 用件がないのであれば、 早く立ち去って
- 燦: ねえ、あなた 本当にネオマギウスに来ないの?
- 静香: あなたまで、気味の悪い姫様と 同じことを言うのね
- 燦: 素直になって欲しいだけよ
- 燦: この日本には根っ子に悪がいて 変えないと人々も影響される
- 燦: 私たちが人の上に立って 制御しようと思っているのは
- 燦: そうした悪の側面を 人々から剥がすためでもあるのよ
- 静香: ――っ!?
- 燦: 人と並び立って説得するのも 人の上に立って制御するのも
- 燦: 導く先は同じだと思わない?
- 燦: 人が性善であったとしても、 状況次第では悪に傾く
- 燦: 変えましょう時女の本家 私たちと一緒に
- すなお: 静香、聞いてます?
- 静香: はっ…
- 静香: ごめんなさい、 考え事をしてたわ
- すなお: 私とちゃるは、 学校に行ってくるので
- すなお: 今日も留守番お願いしますね
- 静香: ええ、ここは私に任せて 今日も勉強頑張ってね
- すなお: ありがとうございます
- FILENAME: text_102801-11_KPw7G.txt
- 鶴乃: ごっめん、いろはちゃん! 待たせちゃった!
- いろは: ううん、私は大丈夫だけど やちよさんは行っちゃったよ
- 鶴乃: あぁ、そっかぁ…
- 鶴乃: 一緒に帰った方が安全だって わたしが提案したのに
- 鶴乃: 変なタイミングで 代打を頼まれちゃったから…
- いろは: 代打? また補習の先生役?
- 鶴乃: ううん、ソフトボール
- いろは: やちよさんが聞いたら 怒ってたかも…
- いろは: 今日は鶴乃ちゃんに 期待してたから
- 鶴乃: おっ、なんの期待!? それは純粋に嬉しいよ!
- いろは: 特売のティッシュペーパーが おひとり様1点限りなんだって
- 鶴乃: まさかの買い物要員だった…
- いろは: だから、私たちも追いかけよう
- いろは: ういと一緒にフェリシアちゃんと さなちゃんを迎えに行ってるから
- 鶴乃: うん、ガッテン!
- 鶴乃: ちなみにももこたちは?
- いろは: 3人で少し神浜を回るって
- いろは: 最近プロミストブラッドの反応が ないから気になるみたいで
- 鶴乃: って、言った矢先からの…!
- いろは: うん、さくやさんだね…
- 鶴乃: 近くに仲間もいないのに、 単身で近付くなんて不用心だよ
- 鈴鹿 さくや: それは、お気遣いありがとう
- いろは: あの、プロミストブラッドは今、 どうしてるんですか…?
- 鈴鹿 さくや: ずいぶん率直に聞いてくるね
- 鈴鹿 さくや: ま、それを伝えるのが目的だし いいんだけど
- いろは: 教えてください
- いろは: 少なくともみなさんは、 神浜にほとんど居ませんよね?
- 鈴鹿 さくや: うん、活動に限界があるから 二木に戻ったよ
- いろは: それは、もう戦うことを 諦めたっていうことですか…?
- 鈴鹿 さくや: 私はそれでもいいけど、 他のグループが諦めないでしょ?
- 鶴乃: キモチの石を確保されてる以上 いつか戦わないといけないからね
- 鈴鹿 さくや: そう、だから決着をつけたい
- 鈴鹿 さくや: どちらが全ての石を手にするのか 二木市でね
- 鶴乃: え…?
- 鶴乃: それって二木にキモチの石を 取りに来いってこと…?
- 鶴乃: わざわざそっちのホームに行って 魔女化のリスクも背負って
- 鶴乃: 行くはずがないよ
- 鈴鹿 さくや: なら、話はこれまで 永遠にこの戦いに決着は付かない
- 鈴鹿 さくや: 当然ユニオンの希望も 時女一族の希望も叶わない
- 鈴鹿 さくや: 明日の夜には4つのキモチの石を 破壊するつもりだからね
- いろは: …ウソです
- いろは: キモチは魔女に戻ろうとして 私たちに従ってるだけです
- いろは: だから本気で壊すつもりなら、 きっとみんなの手から離れます
- いろは: もしくは自分の希望を通すために 体を支配するかもしれません
- 鈴鹿 さくや: はは、察しがいいね
- 鈴鹿 さくや: だけど、壊さなかったとしても いたずらに時間が過ぎるだけだよ
- 鈴鹿 さくや: それはそれで神浜の連中もさ 苦しむんじゃないかな?
- 鶴乃: …………
- 結菜: …手負いの虎は 何をするかわからないわよぉ
- 鶴乃: 手負いの虎の恐怖だね…
- 鈴鹿 さくや: そういうことだよ
- かえで: …今、らんかちゃんが言ってた話 きっと本気だよね…?
- レナ: ええ、本気よ…
- レナ: このままレナたちが動かないと ユニオンの目的も果たせない…
- ももこ: ホームに引っ張り込もうと 乱暴な手を使ってきたな…
- FILENAME: text_102801-12_KPw7G.txt
- 旭: ふむ…
- 旭: プロミストブラッドが言っている キモチの石の破壊については
- 旭: 環殿や由比殿の仰る通り、 恐らくはったりであります
- 静香: ええ、本気で壊そうと思えば キモチが抵抗して敵に回るはずよ
- 南津 涼子: それで相手が自滅してくれるなら あたしは御の字なんだけどねぇ
- いろは: ただ、神浜の外に出たキモチが どうなるかわかりません…
- うい: 今までは自動浄化システムの 被膜があったから良かったけど
- うい: 二木で石から元に戻ったり 倒されたりしたらどうなるか…
- ちはる: それってキモチ自体が消える なんてことも有り得る…?
- うい: うん、あるかも…
- ちはる: それこそ、みんなの希望も 争った意味もなくなるよぅ!
- すなお: つまり、不測の事態を招く前に、 回収しないといけないんですね…
- 静香: そうね…
- 静香: 遅かれ早かれ私たちは、 二木へ行かなくちゃいけない
- ちはる: キモチに利用されてるのに 諦めもつかないし
- ちはる: うぅ… 胃が痛くなりそう…
- 青葉 ちか: ちはるさん
- 青葉 ちか: ユニオン側から 悪意は感じられますか…?
- ちはる: それは、全然感じないし いつも通りだけど…
- ちはる: ちかちゃんは何か 変な感じがしたりする…?
- 青葉 ちか: いえ、私も何も感じないので 信用しても大丈夫だと思います
- ちはる: うん、やっぱりユニオンなら 大丈夫そうだね!
- フェリシア: …っていうか、別にオレは 二木に行くのはいいんだけど
- フェリシア: アイツらの地元で戦うのって かなり不利なんじゃねーか?
- やちよ: そうなのよね…
- やちよ: 対人戦をしてきた経験も 集団戦における戦略の数も
- やちよ: 向こうの方が上だから…
- フェリシア: やっぱ行ったら やべーってことだよな?
- やちよ: そう、平たく言うと やべーってことよ
- すなお: …………
- すなお: 好みのやり方ではありませんが…
- すなお: キモチの石を持っている相手は わかっているので
- すなお: いっそのこと少数を潜ませて 闇討ちを狙うのはどうでしょうか
- 静香: それは、暗殺よね?
- 静香: 確かに、その方が成功しそうだし 被害も少数で済むわ
- 旭: それこそ、すなお殿や我の 出番でありますな
- ちはる: や、やめとこうよ! それって殺すってことでしょ?
- いろは: あの、私もできれば、 最後の手段にしたいです…
- 静香: 他に手だてを考えてもいいけど
- 静香: 相手に手心を加えて 仲間が傷付くのはごめんよ
- やちよ: …何か“一発逆転”できる アイデアがあればいいんだけどね
- 鶴乃: すぐには答えもでないだろうし 1日だけ置いてみる?
- やちよ: そうね…結論を出すのは 明日まで待ってみましょうか
- 静香: 私たちも何か策がないか みんなで考えてみるわ
- やちよ: ええ、お願いするわ
- ~~♪~~♪
- いろは: あっ、ご、ごめんなさい!
- やちよ: 誰から?
- いろは: えっと…雫ちゃん、ですね 折り返し電話するって伝えます
- 静香: 別に気にしなくて良いわよ 急な用事かもしれないし
- ちはる: うん、出てあげなよ
- いろは: それじゃあ、お言葉に甘えて
- FILENAME: text_102801-13_KPw7G.txt
- いろは: もしもし? 雫ちゃん、どうしたの?
- 保澄 雫: あの、いろはちゃんに 少し相談したいことがあって…
- いろは: 何かユニオンに関係すること?
- 保澄 雫: うん…その、ね… 私も戦いに参加したいと思って…
- 保澄 雫: 今、プロミストブラッドを 追い詰めてるんでしょ…?
- いろは: でも、雫ちゃんはキモチに 選抜されてないから…
- 保澄 雫: わかってるよ
- 保澄 雫: だけど私、 このまま見てるだけなのは嫌…
- 保澄 雫: グリーフシードを都合したりする 助け合いだけじゃなくて
- 保澄 雫: 一緒に戦いたいの…
- いろは: それは…ふたりのことが…
- いろは: 令さんと郁美さんことが あったから…?
- 保澄 雫: …………うん
- いろは: それでも、 私は関わらない方がいいと思う…
- いろは: 仇を討っても虚しさだけが残って 重い足枷が残るだけじゃないかな
- 保澄 雫: 勘違いしないで
- いろは: え…
- 保澄 雫: こんな争いが起きなかったらって 何度も考えるし
- 保澄 雫: マギウスの計画がなければって 思うことだって何度もある
- 保澄 雫: 何よりふたりがいる景色を消した プロミストブラッドが憎いよ
- 保澄 雫: でも、それでも、 一番憎いのは私自身に対してなの
- 保澄 雫: 気付けなくて…何もできなくて… 悲しむことしかできない…
- 保澄 雫: こんな後悔をするぐらいなら、 私もできる限り力になりたい…
- いろは: 雫ちゃん…
- 保澄 雫: それに戦いはみんなにとって 大切なものを奪い続けるでしょ?
- 保澄 雫: 私はみんなの未来が奪われるのを 見ていたくないの…
- いろは: …雫ちゃん
- いろは: 私も同じ気持ちだよ
- いろは: 誰かを死なせることも 苦しめてしまうことも全部
- いろは: その人の希望を奪う
- 保澄 雫: そう、だから別に犯人を見つけて 殺したいわけじゃないの
- 保澄 雫: ただ、もう止めたいだけ…
- いろは: 救われるために奪い合うなんて 矛盾してるもんね…
- 保澄 雫: うん…
- 保澄 雫: …………
- 保澄 雫: ―雫― はぁ…はぁ…
- 保澄 雫: ―雫― 令さん、郁美さん、ごめんなさい
- 保澄 雫: ―雫― 私はきっと ふたりが思った通りの人になります
- 保澄 雫: ―雫― 私は魔法少女を救おうとして 仲間を犠牲にするマギウスが許せない
- 保澄 雫: ―雫― あの3人が作り上げる未来を 信じることができない
- 保澄 雫: ―雫― だから、止めると思います マギウスの翼がしようとしていることを…
- 観鳥 令: ―令― それで止められたとしても 保澄ちゃんを逃がしたことを後悔しないよ
- 観鳥 令: ―令― ただ涙を流すかもしれないし 本気で恨むかもしれない
- 観鳥 令: ―令― 自分でも嫌になるね 救おうとしてるのに解放には縋ってるんだ
- 牧野 郁美: ―郁美― 私もマギウスを利用してでも 必ず解放に辿り着くつもりでいる
- 牧野 郁美: ―郁美― だからきっと令ちゃんと同じ 私も泣いちゃうと思う…
- 牧野 郁美: ―郁美― それでも気にしないで
- 牧野 郁美: ―郁美― 私たちは魔法少女として許せない一線は 守りきったつもりでいるから
- 保澄 雫: ―雫― やっぱり… 助けてくれたんですね…
- 保澄 雫: 東の問題のことも、 生きてアイドルになる夢も…
- 保澄 雫: 願いを叶えて少しだけでも 救われた過去も
- 保澄 雫: 死んじゃったら 救いも何も残らない…
- 保澄 雫: だからお願い… 使って…私のことを…
- FILENAME: text_102801-14_KPw7G.txt
- いろは: 電話のあとも水徳寺にいたので 時女の人も知ってると思いますが
- いろは: やちよさんが言っていた “一発逆転”の問題については
- いろは: 雫ちゃんが参加してくれることで 可能になりました
- 保澄 雫: 保澄雫です
- 保澄 雫: 戦うことはできないので 本当に少し手伝うだけですけど
- 保澄 雫: よろしくお願いします
- やちよ: 少しじゃないわ
- やちよ: むしろあなたの力が 今回の戦いの要になるんだから
- 保澄 雫: ありがとうございます
- ちはる: 空間結合だっけ? 瞬間移動ができるなんてすごいね
- すなお: ただ、今思うと少し心配です
- すなお: 魔力の消費量もありますし 本当に大丈夫ですか…?
- 保澄 雫: 今回の作戦内容を聞きましたけど 経験上は問題ないと思います
- すなお: それなら安心しました
- すなお: 負担をかけるんじゃないかと 思っていたので
- 静香: 杞憂だったみたいね
- 静香: ちなみに他のみんなは 今のところ疑問はないかしら?
- 静香: うん、特になさそうだし 時女一族としては問題なし
- 静香: 今夜にでも出発できると思うわ
- 鶴乃: じゃあ、ユニオンの方だけど
- 鶴乃: 二木市に行くのはみかづき荘と ももこたちの9人かな?
- ももこ: うん、アタシらが聞いた話だと 鶴乃が言う通りかな
- かえで: 十七夜さんは?
- やちよ: こっちに残ってもらう予定よ
- かえで: え、居てくれた方が 安心だと思うけど…
- レナ: 戦力としては大きいからね
- 十七夜: そう言ってくれるのは嬉しいが、 八雲たちが心配だ
- 十七夜: それに里見君たちマギウスも 攻撃されないとは限らない
- 十七夜: 桜子が付いているとはいえ、 誰か居た方が良いだろう
- レナ: まぁ、あのふたりだから 恨まれてるだろうし
- レナ: 勝敗に関係なく 報復されるかもしれないわね…
- 十七夜: うむ、里見君と柊君はマギウス、 梓も組織内では幹部だったからな
- いろは: あとは、都さんも神浜に残るので 用心しておきたいです
- フェリシア: 二木にプロミストブラッドが いるなら守らなくていいじゃん
- いろは: 相手が破れかぶれになって 神浜の魔法少女を狙ってきたら
- いろは: 誰も守る人が いなくなっちゃうでしょ?
- さな: それにキモチの結界に 飛ばされないようなことがあると
- さな: さすがに悲惨です…
- いろは: うん…
- 鶴乃: 裏を考えるとキリがないから 今はやれることをするだけだよ
- 十七夜: ひとまず自分は、 神浜に残る手はずで大丈夫か?
- やちよ: ええ、ごめんなさい お願いするわ
- やちよ: 今夜は伝えた通り、 私たちみかづき荘とももこたち
- やちよ: そして、時女一族で二木へ行くわ
- いろは: 雫ちゃん、よろしくね
- 保澄 雫: うん、合図が来るの待ってるね いろはちゃん
- FILENAME: text_102801-15_KPw7G.txt
- かごめ: あの、どうして私 呼び出されたんでしょうか…
- アルちゃん: <かごめちゃん、ぼくたち 何か悪いことでもしたのかな…>
- リヴィア: ちゃうちゃう なんも悪いことはしてへんよ
- アルちゃん: <でも、魔法少女でもないのに 呼び出されるなんて変だよ…>
- リヴィア: …自分ら、プロミストブラッドと ユニオンの動きは知っとるやろ
- かごめ: は、はい…
- かごめ: 戦いは二木市で起きるって話は 一応聞いてます…
- リヴィア: それで、かごめちゃんは どないするんかって思ったんや
- かごめ: えと…
- アルちゃん: <かごめちゃんは 見届けるつもりだよ>
- アルちゃん: <プロミストブラッドにとっても ユニオンにとっても>
- アルちゃん: <最後の戦いになるかも しれないからね!>
- リヴィア: そうやと思ったわ
- かごめ: え…?
- ヨヅル: 私たちの出番になりますね
- 月出里: ふむっむふむむ!
- かごめ: ふむむ?
- ヨヅル: 月出里は守ってあげると 申し上げております
- かごめ: え、私のことを?
- ヨヅル: 苛烈を極めれば、あなたにも 被害が及ぶ恐れがあります
- かごめ: でも私には リィちゃんがいるから別に…
- ヨヅル: 意図的な攻撃は受けなくとも 流れ弾を受けるかもしれません
- かごめ: あ…
- リヴィア: 動き辛いやろうけど、 死なすわけにはいかんのやわ
- リヴィア: せやから守らせてもらうで かごめちゃん
- 結菜: ミサ…
- 結菜: アユミ…リリカ…
- 結菜: アキ…サユリ…ララ…
- 結菜: ミエ…チナツ…ユキ…ショウコ
- 結菜: 先輩…
- 結菜: みんなの血を取り戻してくるわ
- ―取材記録― 鈴鹿 さくや
- 鈴鹿 さくや: 「てっきり神浜の人たちばかりに 話を聞いてるのかと思ってたけど、 ちゃんと私たちの話も聞いてくれるんだ」
- 鈴鹿 さくや: 「謝らなくてもいいよ。 責めてるつもりなんてさらさらないし、 ただ、かごめちゃんも神浜の子だから 多少はそっちサイドなのかと思ってね」
- 鈴鹿 さくや: 「それで、 私が望んでる未来のことだよね?」
- 鈴鹿 さくや: 「んー、口にするのも恥ずかしくなるぐらい 大したことでもないんだけどさ…。 いや、魔法少女になった今となっては 大したことなんだけど…」
- 鈴鹿 さくや: 「つまり何が言いたいかっていうと、 私が望んでることってさ、 また普通の学生生活に戻ることなんだよね」
- 鈴鹿 さくや: 「潜入した神浜の学校で陸上部に入って 後輩たちと接してたら なんで二木では魔法少女をしながらも 普通に学生として過ごせなかったのかなって 考えちゃったんだよね」
- 鈴鹿 さくや: 「もちろん魔法少女になった以上は 二木で平穏に暮らすのは無理だったけど それはあくまで当時の話で これからは変わっていけると思うんだ」
- 鈴鹿 さくや: 「宿命からの解放とかは置いておいて 今が一番、二木のみんながまとまってるから この戦いが終われば 結菜やひかるたちと一緒に 虎屋町で普通っぽい学生になれると思うし」
- 鈴鹿 さくや: 「そうなりたい…」
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