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Miyuri Yukari MSS JP text

Nov 19th, 2021
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  1. FILENAME: text_310321-1.txt
  2. ひめな: そんでさー、マジヤバいの
  3. ミユリの声: ひょあぁああ!
  4. アレクサンドラ: あらあら… ひめちゃんも大変ですねぇ
  5. ひめな: え、てかサーシャこれさ 新作のコスメなんだけど
  6. ひめな: 可愛すぎてヤバヤバじゃない?
  7. ミユリの声: 燦様ぁ!もっともっと! 強くお願いしますぅ!
  8. アレクサンドラ: わぁっ、そのラメ大粒で とっても可愛いですね♪
  9. ミユリの声: ひいぃっ!
  10. はぐむ: なんだか、この感じにも 慣れてきちゃったよね…
  11. 時雨: あぁ…遊狩さんのあれ…?
  12. はぐむ: …うん
  13. 時雨: …スルースキルが 鍛えられるっていうか
  14. 時雨: 触れたら負け…みたいな…
  15. 燦: ちょっとミユ、あんまり 大きな声を出さないでくれる?
  16. 燦: 青年会のみんなが 様子を見に来ちゃうじゃない
  17. ミユリ: ですがですが、燦様の ご指導は刺激的ですのでぇ…!
  18. 燦: ミユがもっともっとって言うから
  19. 燦: 仕方なく負荷を あげているだけじゃないの…
  20. 時雨: よく柔軟体操だけで そんなに楽しめるよね…
  21. はぐむ: 初めて見たときは 何事かと思ったよね…
  22. ひめな: てか、魔法少女なのに 柔軟体操とかいるわけ?
  23. ミユリ: それはそれは、もちろんです!
  24. ミユリ: 日頃から関節の可動域を 確かめるのは大切なことですし
  25. ミユリ: いきなり動かしては 傷めちゃうかもですからね!
  26. ミユリ: ミユ、これでもアスリートなので そこら辺は詳しいんですぅ!
  27. アレクサンドラ: …そういえばミユちゃんは
  28. アレクサンドラ: インラインスケートを やっているんでしたっけ?
  29. ミユリ: ですです!
  30. アレクサンドラ: 魔法少女姿のときにも 武器にしていますよね
  31. ひめな: あのローラースケートっぽい やつのことだよねっ★
  32. ミユリ: まぁ、そんなところです 最初は趣味程度だったんですが
  33. ミユリ: 今ではストリート系の 競技とかでも
  34. ミユリ: 結構活躍してるんですぅ!
  35. ひめな: みゆりんも教官も なんか体育会系って感じだよねー
  36. ひめな: 脳筋コンビ的な? キャハッ★
  37. ミユリ: な、ななな…ミユはともかく 燦様になんてことを!
  38. はぐむ: あ、あわわ…
  39. アレクサンドラ: そ、そうだミユちゃん そもそも、ミユちゃんって
  40. アレクサンドラ: どうしてインラインスケートを 始めたんですか?
  41. ミユリ: あ、そういえば、ちゃんと 話したことはありませんでしたね
  42. ミユリ: ミユ、元々あまり運動神経が いいほうではなくて
  43. 時雨: …え、そうなんだ…
  44. ミユリ: それでそれで 特に苦手なのがかけっこでして
  45. ミユリ: それを心配した両親が
  46. ミユリ: ミユに早く走る感覚を 知って欲しいと
  47. ミユリ: インラインスケートを 買ってくれたんですぅ!
  48. ミユリの父: 今日はミユに 渡したいものがあるんだ
  49. ミユリ: ミユに…?
  50. ミユリの母: はい、これ
  51. ミユリ: わ…!
  52. ミユリの母: インラインスケートよ
  53. ミユリの母: ミユが良ければ 少しやってみない?
  54. ミユリ: ミユにできるかな…
  55. ミユリの父: まぁ、できなかったら それはそれで構わないよ
  56. ミユリ: …うん、わかった!
  57. ミユリ: うわぁ…!
  58. ミユリ: お父さん!お母さん! 見て見て!
  59. ミユリ: これすごい早い…!
  60. ミユリ: ミユ、風を切ってる…!
  61.  
  62. FILENAME: text_310321-2.txt
  63. ミユリ: かけっこが苦手な ミユにとって
  64. ミユリ: インラインスケートで 風を切るのは
  65. ミユリ: とても新鮮な 経験だったんです!
  66. アレクサンドラ: じゃあ、そのときミユちゃんは
  67. アレクサンドラ: インラインスケートと 運命の出会いを果たしたんですね
  68. ミユリ: ですです!
  69. 燦: そこからインラインスケートに ハマったミユは
  70. 燦: みるみる上達して 大会に出るくらいになったのよね
  71. ミユリ: えへへ…
  72. はぐむ: それが、さっき言ってた ストリート系の競技のこと?
  73. ミユリ: ですです、ハーフパイプなんかを 使って滑るんですよぅ!
  74. ひめな: 思ってたより難しそうじゃん!
  75. ミユリ: ジャンプとかもするので 確かに難しいです
  76. ミユリ: 見た目はスケートボードの 競技とかにも似てるかもですね
  77. アレクサンドラ: わぁ、かっこいいですね♪
  78. ミユリ: ミユ、最初は結構いい成績を 残していて
  79. ミユリ: 県大会にも出場したり していたんですよぅ!
  80. ひめな: へぇ~すごいじゃん!
  81. ミユリ: ですがぁ…
  82. ひめな: …?
  83. ミユリ: その頃から、ミユのあがり性が 悪化してしまったんですぅ…
  84. ミユリ: 『ミユは元々 それなりにあがり性だったんですが』
  85. ミユリ: 『あるときから、原因不明の 強い緊張感に襲われるようになってしまいました』
  86. ミユリ: はぁ…はぁ…
  87. ミユリ: (なんですか、これは… 息が詰まって…苦しい…)
  88. ミユリの母: ミユ…?
  89. ミユリ: (…あれ、呼吸って どうやってするんでしたっけ…)
  90. ミユリ: はっ…はっ…はっ…
  91. ミユリの母: ミユ! ミユ大丈夫!?
  92. ミユリ: 『大会のたびに緊張して…酷いときには 過呼吸みたいになりかけたこともありました』
  93. ミユリ: 『ミスを連発してしまったり 緊張しすぎて、とうとう大会に 参加できなくなるところまで 来てしまったんです』
  94. ミユリ: 『ミユは、それが怖くて怖くて』
  95. ミユリ: 『どうして起きるかもわからない、その緊張が いつまたミユを襲ってくるのかと考えただけで 怖くて身体が固まっちゃうようになって』
  96. ミユリ: 『そのうちに、元々のあがり性が悪化して 常に緊張状態になってしまうようになり 日常生活にまで支障が出るように…』
  97. ミユリ: 『ミユを心配した両親はあがり性を治すために 人と触れ合える機会を増やしてみようと ミユを光塚の青年会に入れました』
  98. ミユリ: 『そうしてそうして、ミユは遂に 燦様と出会ったんですぅ!』
  99. はぐむ: …え?
  100. 時雨: …いま突然話変わった?
  101. 燦: はじめまして
  102. 燦: 私の名前は神楽燦よ よろしくね
  103. ミユリ: ミ、ミユは遊狩ミユリ…です! よ、よよよよろしくですぅ!
  104. 燦: ふふ、そんなに 緊張しなくってもいいのに
  105. ミユリ: ひゃ、ひゃい…
  106. ミユリ: そしてそして、燦様を 一目見たそのときから
  107. ミユリ: ミユはミユは、ずぅーっと 燦様の虜なんですぅ!
  108. ひめな: ちょっとちょっと?
  109. ひめな: 完全に別の話になってるよね?
  110. アレクサンドラ: インラインスケートとあがり性の 話から脱線しちゃってますね…
  111. ミユリ: それでですね、それでですね…!
  112. ひめな: あ、これみゆりん 止まんないパターンだわ
  113.  
  114. FILENAME: text_310321-3.txt
  115. タツ: おう、ミユリ!
  116. ミユリ: ど、どうもです…
  117. タツ: もしかして 燦を探してんのか?
  118. ミユリ: あ、えっと…
  119. タツ: それなら ちょっとこっちにおいで
  120. タツ: いいもん見せてやっからさ
  121. ミユリ: …?
  122. シャン…シャン…♪
  123. ミユリ: (この音は…?)
  124. タツ: これは祭りの演舞で 使う音楽だよ
  125. ミユリ: お祭り…?
  126. タツ: 光塚の火祭りさ ミユリも知ってるだろ?
  127. タツ: そこで、燦が踊るんだ
  128. タツ: ほら、あれ 稽古中の燦が見えるだろ?
  129. ミユリ: わ…わ…
  130. ミユリ: (すごい…! 綺麗な足の動き…)
  131. ミユリ: (あれ…ミユ、どうして こんなにドキドキして…)
  132. タツ: おい、燦ー! ミユリが来たぞー!
  133. 燦: あ、うん…!
  134. 燦: いらっしゃい
  135. ミユリ: こ、こんにちはです…!
  136. 燦: …そういえば、遊狩さん… じゃなくて、ミユリちゃん…?
  137. ミユリ: …?
  138. 燦: えっと…ごめんなさい
  139. 燦: 年下の子と関わることって あまりなかったから
  140. 燦: なんて呼んだらいいのか わからなくって…
  141. ミユリ: ミ、ミユのことは ミユって呼んでください…!
  142. 燦: …わかったわ、ミユ
  143. ミユリ: ミユは、その… なんとお呼びすれば…
  144. 燦: みんなは燦って呼んでるし それでいいんじゃない?
  145. ミユリ: そんなそんな 呼捨てだなんて…!
  146. 燦: 別に、そんなこと 気にしなくてもいいのに…
  147. ミユリ: うーん…どうしましょう… 神楽さん…だと、なんだか
  148. ミユリ: フルネームで 呼び捨てしてるみたいに…
  149. 燦: 小さい頃は それでからかわれたものね…
  150. ミユリ: す、すみません…! そんなつもりじゃ…!
  151. 燦: わかってるわよ
  152. ミユリ: えーと…うーん…
  153. ミユリ: 燦さん…は、なんか 噛みそうですしぃ…
  154. ミユリ: あ…! さ、燦様…!
  155. ミユリ: 燦様と呼ばせてください…!
  156. 燦: えぇ…様だなんて そんな、恥ずかしいわよ…
  157. ミユリ: ダメ…でしょうか…
  158. 燦: …………まぁいいわ
  159. 燦: …………
  160. 燦: よかったらこの後 演舞の練習に参加してみない?
  161. ミユリ: ミユが…ですか?
  162. 燦: うん、やっぱり見込み通りね
  163. 燦: さっき、歩き方を見て いけそうだと思ったのよ
  164. 燦: 上体がぶれなくて ばたばたしてなかったから…
  165. 燦: 確か、インラインスケートを やっているんだったわよね?
  166. ミユリ: は、はい…!
  167. 燦: さすがね なかなか動きがいいわ
  168. 燦: あ、でもそこの足の動きは そうじゃなくて…
  169. 燦: こうやって…
  170. ミユリ: (あ、足が近い…!)
  171. ミユリ: (どうしましょうどうしましょう こんな、こんな気持ちは…)
  172. ミユリ: はぁ…はぁ…
  173. ミユリ: (あぁ、この、感覚は… あのときと、同じ…)
  174. 燦: …ミユ?
  175. ミユリ: はっ…はっ…はっ…
  176. ミユリ: (あぁ、もう、ミユ… 意識を保ってられな…)
  177. バタッ
  178. ひめな: 待って待って みゆりんなんで気絶したの?
  179. ミユリ: …燦様のおみ足を意識しすぎて…
  180. ミユリ: その…前にも、 そういうことはあったんです…
  181. ミユリ: インラインスケートの 選手を見て…
  182. ひめな: 興奮しすぎて気絶とか けっこーヤバいよね
  183. 燦: ミユの体質 …みたいなものだったわよね
  184. ミユリ: はい…最初は足に興奮したせい っていう自覚はなかったですし
  185. ミユリ: 燦様の前で気絶するまでは
  186. ミユリ: 自分が足フェチだって 気づいていなかったんですが…
  187. ひめな: それはともかく 気絶した後って、どうなったの?
  188. ひめな: 教官が介抱してくれた感じ?
  189. ミユリ: はい… では、続きをお話しします
  190.  
  191. FILENAME: text_310321-4.txt
  192. 燦の声: 「…ユ…」
  193. 燦の声: 「ミユ…!」
  194. ミユリ: ハッ…!
  195. 燦: ミユ…!
  196. 燦: あぁ、良かった… いきなり倒れるから、心配で…
  197. ミユリ: 燦…様…
  198. ミユリ: (ミユは…燦様の 足を見て、気絶した…)
  199. ミユリ: (燦様はミユにただ足の動きを 教えようとしただけなのに)
  200. ミユリ: (それなのにミユは それを、よこしまな気持ちで…)
  201. ミユリ: (挙句倒れて、燦様に 心配をかけてしまうなど…)
  202. ミユリ: (ミユは、ミユは…)
  203. ミユリ: (燦様に心配してもらえる 資格なんてないのに…)
  204. 燦: ミユ…大丈夫? まだ、具合悪いの…?
  205. ミユリ: (それなのに、どうしてどうして ミユは今も、燦様の足を見て)
  206. ミユリ: (顔が熱く なっているんでしょう…!)
  207. ミユリ: 『そのときミユは 自分が足フェチであることと』
  208. ミユリ: 『それが原因で 緊張が悪化してしまったことがわかったんです』
  209. ミユリ: 『ですがですが、わかったところで どうにかできるような問題でもなく…』
  210. ミユリ: ごめんなさい、燦様… ミユ…ミユは…!
  211. 燦: ミユ…!
  212. ミユリ: 『その日からミユは インラインスケートの大会が近いことを言い訳に 燦様を避けるようになったんです』
  213. ミユリ: もうもうほんとに あの頃のミユは大馬鹿者でした!
  214. ひめな: 足が好きなのは そこで自覚したって感じかぁ
  215. ひめな: てか、原因わかっても 治せないものなんだね
  216. アレクサンドラ: わかっても治せないくらい 悪化していたんでしょうか…?
  217. ミユリ: ですです… 手後れってやつです…
  218. はぐむ: 自覚しても、どうしていいか わからないよね…
  219. 時雨: それは、きつかったね…
  220. ミユリ: ですです…
  221. ミユリ: 燦様のおみ足を見るだけで… ミユは…ミユはぁ…
  222.  
  223. FILENAME: text_310322-1.txt
  224. ひめな: んで、足フェチが発覚して
  225. ひめな: 教官を避けるようになった みゆりんはそれからどーしたの?
  226. ミユリ: …インラインスケートの練習も そんな状況なので集中できず…
  227. ミユリ: 元々のあがり性も相まって ミスを連発してしまってました…
  228. ミユリの母: ミユ…そんなに辛いなら 無理しなくていいのよ
  229. ミユリの母: 大会は無理に 出なくたっていいし
  230. ミユリの母: インラインスケートだって 無茶して続けなくていいのよ?
  231. ミユリ: …でも、でもミユ スケートがしたくて…!
  232. ミユリの母: だけど…今の状態じゃ ベストな結果は出ないわ
  233. ミユリの母: それは、ミユが一番 わかってるんじゃない?
  234. ミユリの母: …今日は一旦帰りましょう
  235. ミユリ: うん…
  236. ミユリの母: そうだ、帰りに公民館に 寄ってみたら?
  237. ミユリの母: 最近、顔を 出していないんでしょう?
  238. ミユリ: …うん、わかった
  239. ミユリ: …こんにちは…
  240. 燦: あ、ミユ…!
  241. ミユリ: さ、燦様!? わ、わわ…わ!
  242. 燦: え、ちょっと…!
  243. ミユリ: 結局結局、あれからずっと 燦様を避け続けてしまいました…
  244. ミユリ: はぁ… ミユは悪い子です…
  245. ミユリ: っ…
  246. ミユリ: あぁもう、泣いちゃダメです ミユのバカバカ…
  247. ミユリ: 外の空気を吸って 落ち着かなきゃ…
  248. ミユリ: …ん? あそこから外に出られそう…
  249. ミユリ: こんなにひらけたところが あったんですね…
  250. ミユリ: …そろそろ帰らなきゃですが 少しだけ…
  251. ミユリ: べそをかいたまま帰るのは ちょっと恥ずかしいですし…
  252. ミユリ: すー…はー…
  253. ミユリ: …静かです
  254. ミユリ: 人もいない 聞こえるのは葉っぱの音だけ
  255. ミユリ: 今、ここでなら きっと緊張せずに…
  256. ミユリ: そうですそうです!
  257. ミユリ: 練習用のシューズと着替えが あるんでした…!
  258. ミユリ: よし… ここで、ジャンプ…!
  259. ミユリ: …できたできた! ここ最近で一番の出来です…!
  260. ミユリ: あぁ、ミユは、ミユは… この風を切る感じが楽しくて
  261. ミユリ: それでインラインスケートを 好きになったんでした
  262. ミユリ: 楽しくて、楽しくて… わくわくして…!
  263. ミユリ: もしももしも ミユがあのまま、足のことを好きにならず あがり性も悪化しないでいたのなら
  264. ミユリ: ミユは今も、昔と同じように楽しく インラインスケートができていたんでしょうか…
  265. ミユリ: …どうしてミユは 普通の人と同じことができないんでしょう
  266.  
  267. FILENAME: text_310322-2.txt
  268. ミユリ: いま思い出すだけでも 悔しいです…!
  269. ミユリ: 燦様を避けて過ごしていたせいで
  270. ミユリ: 燦様と一緒に過ごせたはずの 時間を無駄にしたんですからぁ!
  271. 時雨: …え、そこなの?
  272. 燦: だけど、ミユがひとりで 練習をしていたあの夜…
  273. 燦: 堂々と舞う姿を見て ミユには見込みがあると思ったわ
  274. 燦: その印象があったから マギウスの翼に入ったあとで
  275. 燦: ミユを秘密兵器に することにしたんだから
  276. ひめな: そういえばふたりって マギウスの翼で
  277. ひめな: コンビ組んでたんだっけ?
  278. 燦: えぇ、そうよ
  279. ミユリ: えっ、というかというか ミユ、それ初耳です!
  280. 燦: ん?
  281. ミユリ: ミユの練習を見たのが きっかけって話ですよぅ!
  282. 燦: …そうね 話したことなかったもの
  283. 燦: 「その夜は暗い気持ちで歩いていたの… ミユに避けられ続けているのに気づいたから なにかしてしまったのかもって思って…」
  284. 燦: …はぁ
  285. 燦: (青年会じゃ、いつも 妹扱いをされていたから)
  286. 燦: (ミユが来てから、なんだか 自分に妹ができたみたいで)
  287. 燦: (ちょっとだけ 嬉しかったのに…)
  288. 燦: 私、気づかないうちに ミユになにかしちゃったのかな…
  289. ザッザッ
  290. 燦: …ん? 何の音…?
  291. 燦: 外の方から…
  292. 燦: あ…
  293. 燦: …綺麗
  294. 燦: …………
  295. 燦: (ミユは、緊張さえしなければ 実力もポテンシャルもある)
  296. 燦: (実際、演舞だって 覚えるまでは早かった)
  297. 燦: (努力もする子だから)
  298. 燦: (きっと緊張する癖が治れば インラインスケートでも)
  299. 燦: (これから もっと活躍するんでしょうね…)
  300. 燦: …………
  301. 燦: (この子、育て甲斐が ありそうだわ…)
  302. 燦: …………
  303. 燦: (…育てるって何によ)
  304. 燦: (私は、インラインスケートの 選手でもなんでもないのに…)
  305. 燦: 「月に照らされて舞うミユを見て 私は初めて見たミユの 自信あふれる姿に目を奪われたの」
  306. 燦: それが…
  307. 燦: いつかミユを育ててみたいと 思ったきっかけだったわ
  308. 燦: 当時の私には まだ自覚がなかったけど
  309. 燦: 恐らく、あの感情は
  310. 燦: 後に私が“教官”になった きっかけのひとつかもしれないわ
  311. ミユリ: 初耳、初耳ですぅ!
  312. 燦: 言ってないもの
  313. 燦: でも、あの夜の出来事が なかったら
  314. 燦: いくら幹部のみふゆさんの 頼みとは言っても
  315. 燦: マギウスの翼でミユの 面倒は見なかったかもしれないし
  316. 燦: ミユを秘密兵器には してなかったかもね、ふふ
  317. ミユリ: なんとなんと!
  318. ミユリ: ミユ、そんなこと 知りませんでした!
  319. ひめな: てか、私チャンも それは気になるんだけど!
  320. ひめな: みふゆって あの梓みふゆでしょ!?
  321. 燦: …それについてはもう少し 後の話になるわね
  322. ミユリ: ですです!
  323. ミユリ: まずはミユが燦様のお言葉で 救われた話が先です!
  324. 燦: …大げさね
  325. 燦: というか、本当にミユが 私の言う通りにするなんて
  326. 燦: そのときの私は 思っていなかったのよ…
  327.  
  328. FILENAME: text_310322-3.txt
  329. 燦: …ミユ 暗いからそろそろ帰るわよ
  330. ミユリの声: さ、燦様!?
  331. ミユリの声: ちょっとちょっと待ってください 今、着替えますのでぇ!
  332. 燦: 別に気にしなくても…
  333. ミユリの声: そうもいかないんですよぅ!
  334. ミユリ: すみませんすみません お待たせいたしましたぁ…!
  335. 燦: じゃあ、もう暗いし 一緒に帰りましょうか
  336. ミユリ: えっ…
  337. 燦: …嫌なの?
  338. ミユリ: そ、そういうわけでは…
  339. 燦: ミユ…最近、私を避けてた…
  340. ミユリ: うっ…
  341. 燦: 私のこと、嫌いなの?
  342. ミユリ: ――っ!?
  343. ミユリ: そんなそんなまさか!
  344. ミユリ: ミユは燦様を一目見たときから お慕いして…!
  345. ミユリ: ハッ!
  346. ミユリ: す、すみましぇん… ミユ、暴走して…
  347. 燦: ふふ
  348. ミユリ: え…
  349. 燦: いえ、嫌われてないのがわかって 安心しただけよ
  350. 燦: …ミユ、もしかして なにか悩みがあるんじゃない?
  351. ミユリ: え、えとえと…
  352. 燦: ミユがよければ 道中、話を聞かせてもらえない?
  353. ミユリ: …はい
  354. 燦: なるほどね…
  355. 燦: 緊張しやすいことは ミユのご両親から聞いていたけど
  356. 燦: それを悪化させてたのが 足…だなんてね
  357. ミユリ: はい…競技は大好きですし 大会にも出たいのですがぁ
  358. ミユリ: 会場は綺麗な足がたくさんあって 自分じゃどうにも…
  359. 燦: そうね…緊張するたびに
  360. 燦: 前みたいに気絶してしまうんじゃ 大変よね…
  361. ミユリ: あ、気絶したのは燦様のときと もう1回くらいなんです
  362. ミユリ: それ以外のときは、いつも どうにか耐えられてるんです!
  363. ミユリ: それほど、燦様のおみ足は 素晴らしくて綺麗で美しくて…
  364. ミユリ: ミユが見てきた足の中では 一番…!
  365. ミユリ: って、ごめんなさい… ミユまた…
  366. 燦: ………… そんなに私の足が好きなの?
  367. ミユリ: ですです! もちろんですよぅ!
  368. ミユリ: それはそれはもう ずっと燦様のおみ足のことを
  369. ミユリ: 考えていたいほどに…!
  370. 燦: じゃあ… そうしたらいいんじゃない?
  371. ミユリ: い、いいんですか?
  372. 燦: …考えるだけなら 別に減るものじゃないし
  373. 燦: 本当に私の足が一番なら そのことだけ考えていれば
  374. 燦: 私の足でかき消されて
  375. 燦: 他の足のことは 考えなくて済むんじゃない?
  376. 燦: …緊張することは 変わらないかもしれないけど
  377. ミユリ: なるほどなるほど…! 燦様は天才ですか!?
  378. ひめな: え、それで成功したの!?
  379. ミユリ: 残念ながら…
  380. アレクサンドラ: ちょっと荒療治でしたね…
  381. 時雨: じゃあ、それでどうしたの…?
  382. ミユリ: このとき、ミユはまだ 魔法少女じゃなかったんです
  383. 時雨: …もしかして
  384. はぐむ: ミユリちゃんの願いって…
  385. ミユリ: …はい、お察しの通りです
  386. ミユリ: …燦様のお言葉通り ミユは頑張りました…
  387. ミユリ: でもでも、やっぱり ミユには無理だったんです
  388. ミユリ: そんなとき、現れたんです
  389. ミユリ: キュゥべえが
  390.  
  391. FILENAME: text_310322-4.txt
  392. <宝崎市>
  393. <インラインスケート大会会場>
  394. ミユリ: (…燦様のおみ足、燦様のおみ足 燦様のおみ足、燦様のおみ足…)
  395. ミユリ: (うぅ…ダメですダメです やっぱり緊張して…)
  396. ミユリ: (勝ちたいのに… でも、ここから逃げたい…)
  397. ミユリ: (無様、無様です…)
  398. ミユリ: (せっかく燦様から アドバイスを頂いたのに)
  399. ミユリ: (こんな…こんなミユ 恥ずかしくて、悲しいのに)
  400. ミユリ: (なのに、目の前の足を見るたび 考えるたび心臓はバクバクで!)
  401. ミユリ: (情けない、情けないです…!)
  402. ミユリ: (あぁ、もう…! 情けなくて、緊張して…)
  403. ミユリ: (ミユは、ミユはもう 意識を保っていられない…)
  404. キュゥべえ: やぁ、はじめまして 遊狩ミユリ
  405. ミユリ: へ…?
  406. キュゥべえ: どうやらお困りの様子だね
  407. ミユリ: え…えっ…?
  408. キュゥべえ: ボクと契約して 魔法少女になってほしいんだ
  409. キュゥべえ: そうすればキミの悩みも 解決できる
  410. ミユリ: な、なななんとなんと 白ダヌキが喋ったですぅ!
  411. ミユリ: ミユは、ミユは、緊張しすぎて ついに幻覚を…!?
  412. キュゥべえ: これは、幻覚でも夢でもない 正真正銘の現実だ
  413. ミユリ: わ、わかりました! 詐欺、詐欺ですね!
  414. ミユリ: もしくは新手のドッキリですぅ!
  415. キュゥべえ: キミには 魔法少女になる素質がある
  416. キュゥべえ: キミが魔法少女になる代わりに
  417. キュゥべえ: ボクがキミの願いを なんでもひとつ叶えてあげる
  418. ミユリ: ふぅ…ふぅ… ミユの、願いですか…?
  419. ミユリ: そんなのいっぱいありますよぅ!
  420. ミユリ: ミユは、ミユはただ 競技を楽しみたくて
  421. ミユリ: 楽しんで戦って それで勝ちたいだけなのに
  422. ミユリ: というか、別に勝たなくたって いいんです!
  423. ミユリ: ただミユは、みんなと同じように インラインスケートがしたかった
  424. ミユリ: それだけなのに それだけなのに…!
  425. キュゥべえ: …なるほど、つまりキミは
  426. キュゥべえ: 人前で緊張してしまうことに 悩んでいるというわけだね
  427. ミユリ: それだけじゃありませんよぅ!
  428. ミユリ: あがり性も足フェチも 全部全部です!
  429. ミユリ: 好きであがり性に なったわけでもないし
  430. ミユリ: 自分の意思で 足フェチになったわけでもない!
  431. ミユリ: ミユは、好きで人と違う ミユになったんじゃないんです!
  432. ミユリ: どうして、どうしてミユは 普通じゃないんですか…
  433. ミユリ: せっかく燦様に 助けてもらったのに
  434. ミユリ: こんな体たらくじゃ もう、合わせる顔がありません!
  435. キュゥべえ: ボクなら、キミの悩みも 解決できるよ
  436. ミユリ: へ…
  437. キュゥべえ: さっき言っただろう?
  438. キュゥべえ: ボクがキミの願いを なんでもひとつ叶えてあげるって
  439. ミユリ: 勝ちたい…勝ちたいのに… ミユは、緊張して…
  440.  
  441. FILENAME: text_310323-1.txt
  442. キュゥべえ: ボクなら、キミの悩みも 解決できるよ
  443. ミユリ: へ…
  444. キュゥべえ: さっき言っただろう?
  445. キュゥべえ: ボクがキミの願いを なんでもひとつ叶えてあげるって
  446. ミユリ: それなら叶えるですよぅ!
  447. ミユリ: 「ミユの緊張する時間を1分1秒でも 早く終わるようにしてください!」
  448. キュゥべえ: 「…契約は成立だ」
  449. キュゥべえ: 「キミの祈りは エントロピーを凌駕した」
  450. キュゥべえ: 「さあ、解き放ってごらん キミの新しい力を」
  451. 燦: 「ミユ…」
  452. 燦: 「ミユ…!」
  453. ミユリ: ハッ…
  454. ミユリ: あれ、ミユ 今まで何をして…
  455. 燦: …え、何言ってるのよ 競技の結果ミユが優勝だったから
  456. 燦: その表彰式が今 終わったところじゃない
  457. ミユリ: え…あ、そう、でしたか? え、優勝…ミユが…?
  458. 燦: …ミユ、大丈夫?
  459. 燦: 競技中もどこか 目が虚ろに見えたけど…
  460. ミユリ: だ、大丈夫です! この通り!
  461. ミユリ: (いつの間にか 競技が終わってたって)
  462. ミユリ: (まさか本当にあの白ダヌキが)
  463. ミユリ: (ミユの願いを叶えたせいで 何かが起きたんでしょうか…?)
  464. ミユリ: (…そういえばアイツが言ってた 新しい力って…?)
  465. ミユリ: (確認しないといけないことが 山積みですよぅ!)
  466. ミユリ: 燦様、燦様、白ダヌキを ここら辺で見ませんでしたか?
  467. 燦: 白…ダヌキ…?
  468. 燦: いえ、見ていないけど… ミユは、見たの…?
  469. ミユリ: あれ…じゃあやっぱり 幻覚だったんでしょうか…
  470. 燦: …その指輪…
  471. ミユリ: 燦様? なにかおっしゃいました?
  472. 燦: いえ、なんでもないわ…
  473. ミユリ: えへへ… ミユ、優勝したんですね!
  474. 燦: …えぇ
  475. ミユリ: 気づいたら終わっていましたが これも燦様のおかげかもですぅ!
  476. 燦: そんなこと、ないわよ
  477. ミユリ: 『そうして、ミユは魔法少女になったんです』
  478. ミユリ: 『あとでわかったんですが ネオマギウスのみなさんはご存じの通り』
  479. ミユリ: 『めちゃくちゃ緊張すると意識が飛んで 気づいたら何もかも終わるようになったんです』
  480. ミユリ: 『つまりつまり、体感時間の短縮が ミユの新しい能力だったんです』
  481. 燦: ミユ、最近変わったわね
  482. ミユリ: そうでしょうかそうでしょうか!
  483. 燦: えぇ、演舞の練習も 前より頑張れていると思うわ
  484. ミユリ: (緊張しすぎても 飛んじゃえるってわかったから)
  485. ミユリ: (少しだけ 自信がついたのかもですね)
  486. ミユリ: (ただ、前よりも簡単に)
  487. ミユリ: (気絶しちゃうようには なってしまいましたが…)
  488. ミユリ: (それでもそれでも…)
  489. ミユリ: あの日、優勝したって経験が やっぱり大きかったみたいです
  490. 燦: 成功体験が 力になったってこと?
  491. ミユリ: ですです!
  492. ミユリ: (魔法の力を借りてですが…)
  493. ミユリ: ミユにもできるんだって 思えたんです
  494. ミユリ: でもでもそれは、燦様の おかげでもあるんです
  495. 燦: …私は何もしてないわよ
  496. ミユリ: いえいえ!
  497. ミユリ: 燦様がいてくださるだけで ミユは頑張れます!
  498. ミユリ: 不思議なことに 緊張して飛んでしまって
  499. ミユリ: ミユが真っ暗な中に ひとりぼっちでいたとしても
  500. ミユリ: 燦様のお声だけは ミユの耳に届くんです…!
  501. ミユリ: (それは、まるで一筋の 希望の光みたいで…)
  502. ミユリ: だから、きっときっとミユは 燦様の隣にいられたら
  503. ミユリ: それだけで幸せなんですっ!
  504. 燦: …そう
  505. ミユリ: (結局のところ あがり性も、足フェチも)
  506. ミユリ: (なんにも変わってません)
  507. ミユリ: (でも、燦様という光があれば ミユは…ミユはきっと…)
  508. ミユリ: ということで燦様!
  509. ミユリ: 今日こそはこの黒ハイソを 履いて頂けないかと…
  510. 燦: ミユ…
  511. ミユリ: すみましぇん…
  512. ミユリ: 『それからミユは 自分のあがり性と、足フェチという特性と 一緒に生きていくことに決めたんです』
  513. ミユリ: 『そりゃ、なくせたならそうしたかったですが 無理だったので、仕方なしです』
  514.  
  515. FILENAME: text_310323-2.txt
  516. ひめな: あれ…今の感じだと
  517. ひめな: みゆりんが 魔法少女になった直後って
  518. ひめな: ふたりはお互い青年会にいたけど
  519. ひめな: 魔法少女だってことは 知らなかった…って感じだよね?
  520. ひめな: 教官はワンチャン 気づいてたっぽいけど…
  521. ひめな: マギウスの翼に入る前って みゆりん、ひとりで戦えてたの?
  522. ミユリ: あれを戦えてたって言えるかは ちょっと微妙ですがぁ…
  523. ミユリ: 魔女に会ったら怖くて緊張して 意識が飛んじゃって…
  524. アレクサンドラ: そのまま 倒してたんですか?
  525. はぐむ: それは怖いね…
  526. ミユリ: ですです、それに人と一緒に 戦ったりしたら傷つけちゃうので
  527. ミユリ: ずっとひとりで 魔女退治をしていました
  528. ミユリ: でもでも、そんなとき マギウスの翼に出会ったんです
  529. ミユリ: 『それは、宝崎市から魔女が減り 神浜市まで魔女を探しに行ったときのことです』
  530. ミユリ: 『魔女を追っていたミユは マギウスの翼の羽根たちと遭遇して 魔女の取り合いになってしまったんです』
  531. ミユリ: 『まぁ、ミユはほとんど覚えていないので これは後から燦様に聞いたのですが…』
  532. ミユリ: …アァアアッ!
  533. …!
  534. な、なんなのあの子…! 後から出てきて暴れて…!
  535. 下手をしたらこっちまで 攻撃を受けちゃいそう…
  536. まずい、このままじゃ…!
  537. …ぐっ、大丈夫だから 離れて…っ!
  538. ア、アァアアアアッ!
  539. ミユリ: 『ミユは、そのとき 初めてドッペルを見たんです』
  540. ミユリ: ハッ…!
  541. ミユリ: な、なんですか…これ… 魔女みたいな…
  542. …あれは、ドッペルよ
  543. ミユリ: ドッペル…?
  544. とにかく巻き込まれる前に あなたも離れた方が…!
  545. [chara715000:effect_shake]うっ…ドッペルが勝手に 暴れだしてる…!
  546. このままじゃ私たちもろとも 消し飛ばされるわ…!
  547. ミユリ: そ、そんな…!
  548. ババババババ
  549. ミユリ: ――っ!?
  550. この音は… 教官…!
  551. ミユリ: 『そこで、ミユが見たのは 白いローブを纏った燦様でした』
  552. ミユリ: 『“教官”と呼ばれる燦様は ガトリングガンで弾幕を張り ミユたちを守ると、ドッペルをいなしながら 魔女を倒してしまいました』
  553. ミユリ: 『…ミユは、神様がいるなら きっとこんな姿だって、あのとき思ったんです』
  554. 燦: やだ…白羽根のローブが 破けてしまったわ…
  555. 燦: あとで 代わりのものを頼まないと…
  556. 教官…!
  557. 燦: …ドッペルを出した子は 連れて帰ってちょうだい
  558. 燦: …私は、この子と話があるから
  559. は、はい…!
  560. ミユリ: さ、燦様…? 燦様はいつから魔法少女に…
  561. ミユリ: って、今の 魔女みたいなものはいったい…!
  562. ミユリ: まるで、魔法少女から生えてきた みたいでしたけどぉ…!
  563. 燦: ミユ、落ち着いて 大丈夫だから
  564. ミユリ: は、はいぃ…
  565. 燦: 私はミユが魔法少女であることに 気づいていたし
  566. 燦: ミユより先に魔法少女に なっていたわ
  567. 燦: さっきの魔女のような存在… ドッペルについては
  568. 燦: 今は教えられない、けど
  569. 燦: 私と一緒にマギウスの翼に 来れば、説明するわ
  570. 燦: …ミユは、 真実を知る覚悟がある?
  571. ミユリ: …はい、どんな真実だって 燦様から伝えられるものならば!
  572. ミユリ: …ミユは、ミユは!
  573. ミユリ: どこまでだって、燦様に ついていくんですから!
  574. 燦: …というわけで、私の知人の 遊狩ミユリです
  575. ミユリ: ミミ、ミユは 遊狩ミユリと申しますです!
  576. みふゆ: ふふふ そんなに緊張しないでください
  577. みふゆ: これからよろしくお願いしますね ミユリさん
  578. ミユリ: は、はいぃ! よろしくお願いしますですぅ!
  579. みふゆ: …それにしても
  580. みふゆ: 過度に緊張すると意識を失い
  581. みふゆ: その間、周りにもお構いなしで 魔女と戦っているとは
  582. みふゆ: …なかなか厄介そうですね
  583. 燦: はい、だからみふゆさんに 相談を、と…
  584. みふゆ: そうですね…教官は羽根たちの 指導で忙しいでしょうし
  585. みふゆ: しばらくワタシが預かって 彼女の能力を見極めてみましょう
  586.  
  587. FILENAME: text_310323-3.txt
  588. みふゆ: さて、まずは戦闘訓練を しようと思うのですが…
  589. みふゆ: ミユリさん、その… 大丈夫ですか?
  590. ミユリ: ふぅ…ふぅ… ミユ、その緊張してしまってぇ…
  591. みふゆ: 魔女がいるわけではありませんし そんなに緊張しなくても…
  592. ミユリ: うぅ…すみません…
  593. みふゆ: うーん…困りましたね
  594. みふゆ: …まぁ、仮に暴走したとしても ここにはワタシしかいませんから
  595. みふゆ: とりあえずワタシに 向かってみてください!
  596. ミユリ: は、はいですぅ…!
  597. ミユリ: ハッ!
  598. みふゆ: はぁ…やっと 気がついたんですね…
  599. ミユリ: あのあの、ミ、ミユは いったい…
  600. みふゆ: 意識が飛んで、暴走して… どうにか抑えていたところです
  601. ミユリ: す、すみませんご迷惑を …って、その足…!?
  602. ミユリ: もしやもしや、みふゆさんの 足をミユが傷つけて…!?
  603. みふゆ: あぁ、これくらい大丈夫です 気にしないでください
  604. ミユリ: あ、あぁ…ミユは、ミユは なんてことを…!
  605. みふゆ: お、落ち着いてください ミユリさん!
  606. みふゆ: また気を失いそうに なっていますよ…!
  607. ミユリ: でもでも、綺麗な足を 傷つけるだなんてそんな…
  608. みふゆ: 足…ですか?
  609. ミユリ: あ、あぁ…みふゆさんの 魔法少女姿は足が見えすぎて
  610. ミユリ: その、ミユはミユは… 飛んでしまいそうになるんです!
  611. みふゆ: …なるほど
  612. みふゆ: ミユリさんは…その、足フェチで 足を見て緊張していた…と
  613. ミユリ: すみましぇん…
  614. みふゆ: いえ、趣味嗜好は 人それぞれですから…
  615. みふゆ: ただ、それで戦闘に支障が 出るとなると別問題ですよね…
  616. 灯花: 話は聞かせてもらったよー くふふっ
  617. ねむ: また、随分と癖のある子が 来たようだね
  618. みふゆ: ふたりとも、来ていたんですね
  619. ミユリ: (もしやもしや、おふたりは 燦様がおっしゃっていた…)
  620. ミユリ: (ここのボスである マギウス…!?)
  621. 灯花: ふーん…
  622. ミユリ: な、なんでしょうか なんでしょうか…
  623. 灯花: 確かに頬が紅潮して 息が荒くなってるみたいだね
  624. 灯花: 足を見てドーパミンが 分泌されちゃってるのかにゃー
  625. 灯花: 失神するくらい コーフンしちゃうなんて
  626. 灯花: アリナとはまた別ベクトルの 変人ってとこかにゃー
  627. ねむ: …灯花が言えることでも ない気がするけどね
  628. 灯花: むぅっ! わたくしへの宣戦布告!?
  629. みふゆ: ちょっとふたりとも ここで喧嘩しないでください!
  630. みふゆ: それより、ふたりには ミユリさんが安全に戦うために
  631. みふゆ: なにかいい案はありませんか?
  632. 灯花: 遊狩ミユリは、神楽燦が 連れて来たんでしょー?
  633. 灯花: それなら、神楽燦に 任せればいいよー
  634. 灯花: 鬼教官とか呼ばれてるくらいだし 遊狩ミユリの扱い方だって
  635. 灯花: わかるんじゃにゃいのー?
  636. ねむ: みふゆもその子にばかり 構っていられないだろうし
  637. ねむ: 神楽燦に任せるのは 僕も適切だと思うよ
  638. みふゆ: …そうですね すみませんがミユリさん…
  639. ミユリ: ミユ、燦様に ご指導して頂けるんですか!?
  640. みふゆ: ワタシが請け負っておきながら 力及ばずすみません…
  641. ミユリ: いえいえ、ミユ、燦様なら 大大大歓迎ですぅ!
  642. 灯花: ププー!
  643. 灯花: 遊狩ミユリは、みふゆより 神楽燦の方がいいってさー
  644. ミユリ: そ、そういうわけでは…!
  645. ミユリ: ただ、燦様のおみ足の右に出る 存在はないというだけで…
  646. アリナ: みふゆー、ちょっとデッサンの 相手になって欲しいんですケド
  647. みふゆ: アリナ…!?
  648. アリナ: 今日はそのパーフェクトボディを 描きたい気分なんだヨネ
  649. みふゆ: …ちょっと いま取り込み中なんですが…
  650. ミユリ: デッサンということは 足もあらわに…!?
  651. ミユリ: あのあの! ミユも同席していいですか!?
  652. アリナ: 誰だか知らないケド 邪魔しないならいいヨネ
  653. みふゆ: …はぁ
  654. みふゆ: …ということで ワタシでは力及ばず…
  655. みふゆ: あとは教官にお願いしても いいでしょうか…?
  656. 燦: いえ、ミユが迷惑をかけたようで すみません…
  657. 燦: (みふゆさんが厳しいなら 私が指導するほかない…)
  658. 燦: (けど、どうしたら…)
  659. 燦: そう言えば、気を失っていても 私の声は聞こえたってミユが言ってたような…
  660. 燦: もし、それが本当なら意識を飛ばしたミユを 私がコントロールしてあげることも できるかもしれないわね
  661. 燦: (あの日…育てたいと思った 私の直感を信じて…)
  662. 燦: わかりました 私に任せてください
  663. 燦: ほらミユ! 早く立ち上がって!
  664. ミユリ: は、はいいぃ…! あぁ、もっと強くお願いします!
  665. 燦: 反撃しないとダメでしょ! 相手が魔女なら死ぬわよ!
  666. ミユリ: あぁっ! できれば足技でぇ!
  667. 灯花: 上手くいってるみたいだねー くふふっ
  668. みふゆ: …魔女との戦いでは教官が ミユリさんをコントロールして
  669. みふゆ: 上手く戦えてるみたいですから 良かった…んでしょうか?
  670. 燦: これくらいで気絶してちゃ 先が思いやられるわよ!
  671. ミユリ: は、はひぃい!
  672.  
  673. FILENAME: text_310323-4.txt
  674. ミユリ: と、いうのがミユと燦様の 馴れ初めですぅ!
  675. 時雨: ぼくたち、インラインスケートと あがり性の話を聞いてたんじゃ?
  676. はぐむ: 確かに…?
  677. 時雨: …………
  678. ひめな: ん? どしたの、しぐりん?
  679. 時雨: …なんか、願い方…もう少し どうにかならなかったのかなって
  680. ひめな: 確かに、あがり性も 足フェチも解決できなかったよね
  681. ひめな: なんなら気絶も 前よりしやすくなっちゃってるし
  682. ミユリ: 願いを叶えたときのミユは マジで気絶する5秒前だったので
  683. ミユリ: 混乱してたというか…
  684. はぐむ: 契約のタイミングが悪いって あるよね…
  685. ミユリ: でもでも、ミユ、あんまり 後悔はないんです!
  686. ミユリ: まぁ、全くないと言えば ウソにはなるんですがぁ…
  687. ミユリ: 色んな失敗や間違いがあったから 今、ミユはここにいて
  688. ミユリ: 燦様の秘密兵器として 生きることができて…
  689. ミユリ: それにそれに、燦様の指導の おかげで今は周りを傷つけないで
  690. ミユリ: 魔女と戦うことが できていますし!
  691. ミユリ: 魔法少女になったから こうしてネオマギウスにいて
  692. ミユリ: みなさんに 会うことができましたから!
  693. ひめな: みゆりん…!
  694. ミユリ: それにそれに、姫様が天辺で 燦様が神様になるっていう
  695. ミユリ: そんな素晴らしい世界を そばで見られるんですから!
  696. 燦: ふふ、そうね
  697. ミユリ: ですがですが、いま思い返すと
  698. ミユリ: あの頃のミユは かなりみふゆさんに迷惑をかけ…
  699. ミユリ: ミユって、もしかしなくても 厄介な存在だったんですね…
  700. 燦: …そんなことは…
  701. ミユリ: …あぁ、それにしても 白羽根時代の燦様の
  702. ミユリ: おみ足もまた美しく… 思い出しただけでもミユは…
  703. ひめな: 切り替え早くて草
  704. ミユリ: あのとき、魔女に向けていた 冷たい視線…
  705. ミユリ: はぁあ… ぜひぜひ、ミユのことも
  706. ミユリ: あの蔑んだ目で 見下ろしてくだしゃいぃ…!
  707. 燦: ミユ…
  708. ミユリ: あわぁあ… その目、その目ですぅ!
  709. 時雨: …また始まったね
  710. はぐむ: だねぇ…
  711. アレクサンドラ: あらあら…
  712. ひめな: ま、お楽しみ中みたいだし 私チャンたちは出よっか
  713. アレクサンドラ: そうですね うふふっ♪
  714. 燦: え、ちょっと待って 置いていかないで…!
  715. 時雨: …遊狩さんの面倒を見られるのは 今も昔も教官くらいだから…
  716. はぐむ: なので、あとは よろしくおねがいします
  717. 燦: あ、安積まで…!
  718. ひめな: んじゃ、頑張ってね きょーかん★
  719. ミユリ: じゃあ、燦様はしばらく ミユの独り占めですね
  720. 燦: うっ…
  721. ミユリ: えへへへ
  722. ミユリ: ミユは、ミユは なんて幸せ者なのでしょう…!
  723. ミユリ: ミユはこれからも 燦様についていきます…!
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