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Mar 13th, 2025
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  1. 「猫猫」
  2.  
  3. 「なんでしょうか?」
  4.  
  5.  壬氏の顔を見上げるとともに、壬氏の顔がおりてきた。
  6.  
  7.  軽く触れるように唇が落ちてきて、あまりにさりげない触れ方なので一瞬、何なのかわからなかった。
  8.  
  9. 「……」
  10.  
  11. 「何、照れているのですか?」
  12.  
  13. 軽く接せっ吻ぷんした程度なのに、顔を赤くする壬氏を見て思わず猫猫は言ってしまった。
  14.  
  15. 「いや、我慢、我慢するつもりでいたのだ」
  16.  
  17. 「我慢って。前にもっとでかいのぶちかましたでしょうに」
  18.  
  19.  思わず猫猫は言ってしまった。
  20.  
  21. 「ぶちかます……」
  22.  
  23.  壬氏はなにかを思い出したようで、どんよりとした空気になった。
  24.  
  25.  以前、壬氏に無理やり接吻された時、つい条件反射でやり返してしまった。そのことを思い出したのだろう。
  26.  
  27. 「はい、今回は仕返ししませんのでご安心を」
  28.  
  29. 「いや、そういうのではなく」
  30.  
  31. 「仕返ししたほうがいいのですか?」
  32.  
  33.  壬氏は口をぎゅっとして猫猫を見る。
  34.  
  35. 「嫌じゃなかったのか?」
  36.  
  37. 「……」
  38.  
  39.  猫猫はそっと目をそらす。
  40.  
  41. (たぶん、嫌ではないんだろうな)
  42.  
  43.  でなければ、自分からすることはないだろう。でも、口に出すほど、雀の言葉を鵜う呑のみにできない。
  44.  
  45. 「なあ」
  46.  
  47. 「はいはい」
  48.  
  49. 「誤魔化すな!」
  50.  
  51. 「あんまり大きな声を出さないでください。変人軍師に見つかったらどうする気です? 吐しゃ物まき散らしながら、ここまで登ってきますよ?」
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