Vi_Vi

Akuma / Devil Homura MSS JP Text

Aug 22nd, 2023
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  1. FILENAME: text_322021-1.txt
  2. さやか: ビンゴだよ、まどか
  3. 杏子: 首尾は上々っと!
  4.  
  5. FILENAME: text_322021-2.txt
  6. ♪わたしは朝の夢を見る
  7. ♪まだだめよ まだだめよ  何色の朝が来る?
  8. ♪まだだめよ まだだめよ  まだ夜は 食べかけよ
  9. ♪ねむってる子は どこにいる
  10. ♪さあ おはよう ナイトメア  悪いお夢は これきり
  11. ほむら: 希望を願い、呪いを受け止め 戦い続ける者たちがいる
  12. ほむら: それが魔法少女
  13. ほむら: 奇跡をつかんだ代償として 戦いの運命を課された魂
  14. ほむら: その末路は消滅による救済
  15. ほむら: この世界から消え去ることで 絶望の因果から解脱する…
  16. ほむら: いつか訪れる終末の日
  17. ほむら: “円環の理”の導きを待ちながら 私たちは戦い続ける
  18. ほむら: 悲しみと憎しみばかりを繰り返す この救いようのない世界で…
  19. ほむら: あの懐かしい笑顔と 再び巡り会うことを夢見て…
  20. ほむら: 暁美ほむらです どうかよろしくお願いします
  21. 早乙女先生: 暁美さんは心臓の病気で ずっと入院していたの
  22. 早乙女先生: 久しぶりの学校だから
  23. 早乙女先生: いろいろと戸惑うことも 多いでしょう
  24. 早乙女先生: みんな、助けてあげてね
  25. みんなの声: は~い!
  26. さやか: ―さやか― ええー!
  27. 杏子: ―杏子― ソウルジェム!?
  28. まどか: ―まどか― じゃあ、あの子もまさか…
  29. 早乙女先生: 席は、ええっと 中沢君の隣が空いてるわね
  30. さやか: ええ!?じゃあ マミさんは知ってたんですか?
  31. マミ: ごめんなさいね
  32. マミ: でも、ついつい
  33. マミ: みんなをビックリさせて みたくなっちゃって
  34. ほむら: 本当は、ゆうべのうちに ご挨拶しなきゃいけなかったのに
  35. 杏子: あっ、もしかして ゆうべのナイトメア退治
  36. 杏子: あたしたちが追い詰めた先で 待ち構えてたのって
  37. 杏子: マミだけじゃなくて…
  38. マミ: ええ、暁美さんにも 手伝ってもらったの
  39. マミ: すごいのよ、彼女の魔法
  40. マミ: コンビネーションで、攻撃力を 何倍にも圧縮できるんだから
  41. ほむら: わ…私にできるのは サポートだけで
  42. ほむら: 攻撃そのものは からきしですけど
  43. さやか: へえ、でも頼もしいじゃん
  44. さやか: ここんとこ、ナイトメアも 大物ばっかり出てきて
  45. さやか: てこずらされてたし
  46. 杏子: まあ、実力は 昨日で証明済みってことならね
  47. 杏子: あたしも別に文句はないよ
  48. ほむら: 改めて、暁美ほむらです
  49. ほむら: これから皆さんと一緒に この街のナイトメアと戦います
  50. ほむら: どうかよろしく!
  51. まどか: 一緒に頑張ろうね、ほむらちゃん
  52.  
  53. FILENAME: text_322021-3.txt
  54. ~~♪~~♪
  55. 志筑 仁美: あの…
  56. 志筑 仁美: 今週の日曜日って 何か予定はありますかしら
  57. 上条 恭介: うん、ごめんね
  58. 上条 恭介: その日もレッスンに 使わなきゃならないんだ
  59. 上条 恭介: 次の発表会まで もう間がないからね
  60. 志筑 仁美: あっ…そうでしたか
  61. 上条 恭介: いつもいつも タイミングが合わなくてごめんね
  62. 志筑 仁美: そんなこと、お気になさらずに
  63. 志筑 仁美: 私、頑張ってる上条君のことが
  64. 志筑 仁美: 大好きですから!
  65. 志筑 仁美: 「ああ、もう」
  66. 志筑 仁美: 「もう日曜なんていりませんわ!」
  67. 志筑 仁美: 「発表会もなくなってしまえば いいのですわ!」
  68. 志筑 仁美: 「こうなったら、私…私…」
  69. ベベ: ―ベベ― 「ナイトメアオル! ナイトメアクル!」
  70. マミ: ―マミ― ええっ、またなの?
  71. ベベ: ―ベベ― 「チーズニナッチャウ!」
  72. マミ: はぁ…
  73. マミ: まったくもう…
  74. マミ: 夜更かしは 美容の大敵なんだけどなぁ…
  75. 杏子: ―杏子― なあ、あれって 志筑仁美のナイトメアなのか?
  76. さやか: 仁美も大変だよね~
  77. さやか: あんな無神経なヤツを 彼氏にしたりするからさぁ
  78. 杏子: うわっ あんたが言うと重みが違うわ
  79. さやか: えへへ
  80. さやか: まあ、何? 人生経験ってやつですか
  81. ほむら: 遅れてしまってごめんなさい!
  82. さやか: 2人とも遅い!
  83. まどか: えへへ ごめんね、さやかちゃん
  84. キュゥべえ: きゅ、きゅ~!
  85. ベベ: ガウガウ
  86. ベベ: ―ベベ― 「ミンナイルイル」
  87. マミ: ―マミ― さあ、いくわよ、みんな!
  88. みんな: はい!
  89. みんな: ピュエラ・マギ ホーリー・クインテット!
  90.  
  91. FILENAME: text_322021-4.txt
  92. まどか&マミ: ティロ・デュエット!
  93. ほむら: リリース
  94. さやか: 気持ちは分かるけど 落ち着きなよ、仁美!
  95. さやか: ゴメイサマ、リリアン!
  96. さやか: 杏子!
  97. 杏子: アミコミケッカイ!
  98. まどか: 動きが止まった!
  99. マミ: お見事! さあ、みんな仕上げよ
  100. みんな: ♪ケーキ ケーキ 丸いケーキ
  101. みんな: ♪丸いケーキは だあれ?
  102. ベベ: ―ベベ― 「ケーキ ハ サヤカ?」
  103. さやか: ♪違う
  104. さやか: ♪あたしはラズベリー
  105. さやか: ♪丸いケーキは赤い
  106. さやか: ケーキは杏子?
  107. 杏子: ♪違う
  108. 杏子: ♪あたしはリンゴ
  109. 杏子: ♪丸いケーキはベベが好き
  110. 杏子: ケーキはマミ!?
  111. マミ: ♪違う
  112. マミ: ♪私はチーズ
  113. マミ: ♪丸いケーキは転がる
  114. マミ: ケーキは、暁美さん?
  115. ほむら: ♪ちが…います
  116. ほむら: ♪わた…私はカボチャ
  117. ほむら: ♪丸いケーキは甘いです
  118. ほむら: ケーキは、まどか?
  119. まどか: ♪違う
  120. まどか: ♪わたしはメロン
  121. まどか: ♪メロンが割れたら甘い夢
  122. みんな: 「♪今夜のお夢は苦い夢」
  123. みんな: 「♪お皿の上には 猫の夢」
  124. みんな: ♪まるまる太って 召し上がれ~!
  125. ほむら&まどか: やったね
  126. さやか: ―さやか― まあ あたしたちが力を合わせりゃ
  127. さやか: ―さやか― チョロいもんよね
  128. マミ: ―マミ― こらこら、油断は禁物よ
  129. さやか: ―さやか― アハハ…
  130. ほむら: 私たちの戦いって…
  131. ほむら: これでよかったんだっけ?
  132.  
  133. FILENAME: text_322021-5.txt
  134. 杏子: で?話って何さ?
  135. ほむら: えっと、その…
  136. ほむら: 佐倉さん、最近、何かが おかしいって思いませんか?
  137. 杏子: はあ?何かって何が?
  138. ほむら: それは…その、何となく でも、何もかも
  139. 杏子: 何言ってんのさ、あんた 大丈夫?
  140. ほむら: 誰よりも先に まず佐倉さんに相談したのは
  141. ほむら: だって、あなたが 一番変っていうか…
  142. ほむら: 佐倉さん、今は どこにお住まいですか?
  143. 杏子: さやかんちに居候してんだよ そのくらい知ってんだろ?
  144. ほむら: いつから見滝原中学に?
  145. 杏子: あんたより 先に転入してきたのさ
  146. ほむら: それっていつ?
  147. 杏子: うん?
  148. 杏子: ―杏子― えっと、去年の…うーん…
  149. 杏子: ―杏子― いつだったっけな…
  150. 杏子: でも、何で そんなことを気にしてるんだ?
  151. ほむら: 見滝原に来る前は、どこに?
  152. 杏子: 隣の風見野だよ
  153. 杏子: あっちの街が平和になったから
  154. 杏子: いろいろ難儀してるっていう
  155. 杏子: マミの縄張りを 手伝ってんじゃねーか
  156. ほむら: 最近、風見野市に 戻ったことはありますか?
  157. 杏子: ねーよ、べつだん用事もないしね
  158. ほむら: 佐倉さん、今から私と一緒に 風見野市に行ってみませんか?
  159. 杏子: ―杏子― この次の停留所から 風見野市だよ
  160. アナウンス: 「次は見滝原3丁目 安心と信頼の…」
  161. 杏子: えっ…違う、ここ…
  162. 杏子: 左に曲がるはずなのに!
  163. ほむら: ―ほむら― 乗るバスを間違えた?
  164. 杏子: ―杏子― そんなはずないよ
  165. 杏子: ―杏子― 確かに風見野行きに乗っただろ?
  166. ほむら: ―ほむら― 次のバスで引き返しましょう
  167. ほむら: ―ほむら― 今度こそ、間違えないように
  168. 杏子: ―杏子― これで間違いないよな
  169. アナウンス: 「次は見滝原2丁目」
  170. アナウンス: 「市立見滝原小学校へは こちらからお越しください」
  171. アナウンス: 「次、止まります」
  172. 杏子: ちょっと待て、おい、こら!
  173. 杏子: ―杏子― ウ…ウソだろ
  174. 杏子: こいつは、幻覚か何かか?
  175. 杏子: あたしたちを見滝原の外に 出さないための…
  176. ほむら: ―ほむら― そんな、なまやさしいものじゃ ないかもしれない
  177. ほむら: ―ほむら― もしかしたら、この見滝原には 外なんてないのかも
  178. 杏子: ―杏子― ちょっ…おい
  179. ほむら: ここは気づかなかったフリを してた方が安全だと思う
  180. 杏子: えっ…
  181. ほむら: ―ほむら― むしろ下手に動けば動くほど 追い詰められていく
  182. ほむら: ―ほむら― これは、そういうたぐいの ワナでしょうね
  183. 杏子: 心当たりがあるのか?
  184. ほむら: ええ
  185. ほむら: だから、これ以上動いて 目立つより
  186. ほむら: ここからは、私1人に任せて
  187. ほむら: 私たちをだましていたヤツは
  188. ほむら: 今日まで、それ以上
  189. ほむら: 何の手出しも してこなかったんだもの
  190. ほむら: おとなしくだまされているかぎり 危険はないはずよ
  191. 杏子: はあ…分かったよ
  192. ほむら: うん?
  193. 杏子: あたしの記憶、確かにいろいろと 食い違ってるのかもしれない
  194. ほむら: 佐倉さん?
  195. 杏子: 妙なんだよ
  196. 杏子: こんな強気な暁美ほむらは 初めて見るはずなのに…
  197. 杏子: 全然、意外って気がしねぇ
  198. 杏子: むしろ、しっくりくるぐらいだ
  199. ほむら: 覚えているのは、私だけなの?
  200. ほむら: そう、私はこの手口を知っている
  201. ほむら: 閉ざされた幻の空間
  202. ほむら: 獲物を誘い込んで惑わすための 出口のない迷路
  203. ほむら: 間違いない、ここは… 魔女の結界だ
  204.  
  205. FILENAME: text_322022-1.txt
  206. ほむら: ―ほむら― 魔女…それは 絶望をまき散らす災厄の使い
  207. ほむら: ―ほむら― そして絶望に沈んだ魔法少女たちが 最後に成り果てる呪われた姿…
  208. ほむら: ―ほむら― かつて私は幾度となく 同じ時間を繰り返し
  209. ほむら: ―ほむら― その残酷な運命に あらがおうと戦った
  210. ほむら: ―ほむら― そして、最後は 1人の少女の犠牲によって
  211. ほむら: ―ほむら― 希望と絶望を巡る 残酷な連鎖は断ち切られ
  212. ほむら: ―ほむら― 世界は新しい理へと 導かれたはず…
  213. ほむら: なのに…
  214. ほむら: ―ほむら― 私たちは忘れている いや、忘れさせられていたのだ
  215. ほむら: ―ほむら― 誰かが私たちの記憶を欺き 陥れようとしている
  216. ほむら: ―ほむら― この偽りの見滝原の街で…
  217. マミ: フフ…もうベベったら
  218. マミ: あんまりお行儀が悪いと チーズになっちゃうわよ
  219. ベベ: 「チーズニナッチャウ!」
  220. ベベ: ゲウ…
  221. まどか: ほんとに仲いいですよね マミさんとベベ
  222. まどか: そういえば 初めてマミさんと会った時も
  223. まどか: ベベと一緒でしたよね
  224. マミ: ええ、ベベは昔からの友達だもの
  225. マミ: 出会ったのは、もうずいぶん前
  226. マミ: 鹿目さんや美樹さんよりも つきあいは長いのよ
  227. ほむら: どうしてベベが 巴さんのところに来たか
  228. ほむら: 覚えてますか?
  229. マミ: ―マミ― あの頃はね
  230. マミ: ―マミ― この見滝原には、私1人しか 魔法少女がいなかったの
  231. マミ: ―マミ― 独りぼっちの私を支えて
  232. マミ: ―マミ― 励ましてくれたのは ベベだけだった
  233. マミ: この子がいなかったら
  234. マミ: 私はとっくに ダメになってたと思うわ
  235. まどか: そんな、マミさん…
  236. ほむら: 巴さんは、もっと強くて たくましい人です
  237. マミ: ありがとう
  238. マミ: 確かに、そうやって
  239. マミ: 頼りがいのある 先輩ぶっていた時期もあったわね
  240. マミ: でもね、鹿目さんや 美樹さんが一人前になって
  241. マミ: 佐倉さんや暁美さんも 味方についてくれて…
  242. マミ: 今は、こんなに頼れる仲間に 囲まれてるんですもの
  243. マミ: もう昔みたいに、背伸びして 頑張る必要もなくなったの
  244. マミ: でも、そうね… 今にして思えば
  245. マミ: これって昔の私が 夢に見ていた毎日なのかもね
  246. マミ: 魔法少女としての運命を 受け入れた生き方が
  247. マミ: こんなに幸せで 充実したものになるなんて
  248. マミ: あの頃は思ってもみなかったわ
  249. ほむら: 巴さん、お茶のおかわり いただけますか?
  250. マミ: あら
  251. マミ: ―マミ― ちょっと待ってね 今、お湯を沸かしてくるから
  252. まどか: ほむらちゃん、どうかしたの?
  253. ほむら: ごめんなさい、まどか
  254. ベベ: モギュ?
  255. ほむら: 茶番は、このくらいで 終わらせましょう
  256. ベベ: ナンダ??
  257. ほむら: 私は、あなたの正体を覚えてる
  258. ほむら: 思い出したの あなたが、かつて何者だったのか
  259. ベベ: モヘー?
  260. ほむら: みんなの記憶を捏造し
  261. ほむら: 偽りの見滝原の結界に 閉じ込める
  262. ほむら: こんな芸当ができるのは…
  263. ほむら: ベベ、あなたしかいない
  264. ほむら: ―ほむら― 記憶ってやっかいなものね
  265. ほむら: ―ほむら― 1つ取り戻すと、次から次へと よけいな思い出がついてくる
  266. ほむら: ええ、思い出したわ、巴マミ 私はあの人が苦手だった
  267. ほむら: 強がって無理しすぎて そのくせ、誰より 繊細な心の持ち主で
  268. ほむら: あの人の前で真実を暴くのは いつだって残酷すぎて つらかった
  269. ほむら: 忘れたままでいたかったわ
  270. ほむら: 今まで自分が
  271. ほむら: いったいどれだけの人の心を 踏みにじってきたかなんて…
  272. ベベ: 「ソレ知ラム。 恨マレタコマル。」
  273. ほむら: 白状なさい
  274. ほむら: こんな回りくどい手口を使って いったい何が目的なの?
  275. ベベ: 「ホムラクルシイ。」
  276. ベベ: 「チーズニナッチャウ」
  277. ほむら: あっ…
  278. ほむら: ああっ!
  279. マミ: 事情が分かるまで 話を聞いていたかったけれど
  280. マミ: これ以上 ベベがいじめられるのを
  281. マミ: 黙って見ているわけにも いかないわ
  282. ほむら: まさか、最初から…
  283. マミ: どういうことか説明してくれる?
  284. マミ: その子が何をしたっていうの?
  285. ほむら: あなたは ベベにだまされている
  286. ほむら: ここは本当の見滝原じゃないわ
  287. ほむら: みんな偽物の記憶を 植え付けられてるの
  288. マミ: ちょっ…暁美さん? いったい、どうしちゃったの?
  289. マミ: ベベ、逃げて
  290. ベベ: ゲウーッ
  291. ほむら: どうあっても そいつを守るつもり?
  292. マミ: 追いかけようなんて思わないで
  293. マミ: さもないと 私と戦うはめになるわよ
  294.  
  295. FILENAME: text_322022-2.txt
  296. マミ: お互いに動きの読み合いね
  297. マミ: でも、同じ条件で私に勝てる?
  298. ほむら: 根比べなら負けないわ
  299. マミ: ―マミ― ハァ…ハァ…
  300. ほむら: ハァ…ハァ…
  301. マミ: ほら、埒が明かないわよ
  302. マミ: ダメよ!
  303. マミ: 暁美さん!
  304. ほむら: 『ハァ…ハァ…』
  305. ほむら: うっ…
  306. マミ: あなたの魔法は 確かにすごいけど
  307. マミ: いつだって相手より
  308. マミ: 優位な立場にいると思い込むのは禁物よ
  309. ほむら: 巴さん、あなたは 何も気づかないの?
  310. ほむら: 今の自分に 何の違和感も感じないの?
  311. マミ: 急所を撃とうと しなかったあたり
  312. マミ: まだ私の身を案じてくれるだけの 気持ちはあるようね
  313. マミ: でも、どうして ベベを襲ったりしたの?
  314. ほむら: あいつは魔女よ!
  315. ほむら: 私たち魔法少女の敵なのよ! 思い出して!
  316. マミ: 魔女なんて知らないわ
  317. マミ: 私たちの敵は…
  318. マミ: 魔獣でしょ
  319. マミ: そう、私は ずっと魔獣たちと戦ってきた…
  320. マミ: じゃあ ナイトメアっていったい…
  321. マミ: どういうこと?いったい…
  322. ???の声: それは 私の口から説明するのです
  323. マミ: えっ、あなたは…
  324. マミ: ベベ?
  325. なぎさ: 今まで黙っていてごめんなさい
  326. なぎさ: でも、落ち着いて 話を聞いてほしいのです
  327.  
  328. FILENAME: text_322022-3.txt
  329. さやか: ったく、絶好調のマミさん相手に
  330. さやか: 真っ向からケンカ売るなんて
  331. さやか: 自信過剰なんだか、バカなんだか
  332. ほむら: 巴マミとの衝突は しかたなかった
  333. ほむら: 私が狙ったのは彼女じゃなくて…
  334. さやか: ベベ…でしょ?
  335. さやか: あの子が昔 魔女だったってだけで
  336. さやか: 標的にするなんて
  337. さやか: 先走るにも程があるよ
  338. ほむら: あなた…覚えてるの?
  339. さやか: それがあたしの役目だからね
  340. さやか: だいたいさ 変だと思わなかったの?
  341. さやか: 見滝原市丸ごと再現するほど でかい結界を張った魔女が
  342. さやか: 他の人間を襲って 殺したりもせず
  343. さやか: ただあたしたちを 閉じこめただけで
  344. さやか: あとは何もしないなんて
  345. さやか: あんたが覚えてるお菓子の魔女は
  346. さやか: そんな奇妙なことやるヤツじゃ なかったでしょ?
  347. さやか: ちょっと考えれば 分かったはずだよ
  348. さやか: この魔女の結界は エサ集めのためのワナじゃない
  349. さやか: 結界をコントロールしてる 魔女の目的は
  350. さやか: 現状を維持すること
  351. さやか: この結界を 作った魔女を突き止めて
  352. さやか: それで あんたはどうするつもり?
  353. ほむら: そんなのは、当然…
  354. さやか: 始末するの?
  355. さやか: ただ魔女だからって理由で?
  356. ほむら: 何が言いたいの?
  357. さやか: ねえ、これって そんなに悪いことなの?
  358. さやか: 誰とも争わず、みんなで 力を合わせて生きていく
  359. さやか: それを祈った心は
  360. さやか: 裁かれなきゃならないほど 罪深いものなの?
  361. ほむら: あなた、魔女の肩を持つつもり?
  362. さやか: あたしたちが 行き着く果ての姿だもの
  363. さやか: 同情だってしたくなるわよ
  364. ほむら: 私も、ついさっき 一番肝心なことを思い出したわ
  365. ほむら: 巴マミが思い出した記憶は 魔女ではなく魔獣との戦い
  366. ほむら: 佐倉杏子が 魔女の結界という可能性を
  367. ほむら: 推理しなかったのも
  368. ほむら: 魔女のことを 忘れてたからじゃない
  369. ほむら: 2人は魔女なんて存在は 知らないんだわ
  370. ほむら: 当然よ
  371. ほむら: もうこの宇宙には 魔女なんて存在しない
  372. ほむら: すべての魔法少女の魂は
  373. ほむら: 魔女になる前に “円環の理”に回収される
  374. ほむら: そうなるように あの子が世界を作り替えた
  375. ほむら: 彼女自身を犠牲にしてね
  376. さやか: そっか、あんたは 覚えてるんだっけね
  377. ほむら: そうよ
  378. ほむら: 覚えているのは、ただ1人 私だけだったはず
  379. ほむら: ここには、そもそも ありえないはずの存在が3ついる
  380. ほむら: 1つは、この結界を作った魔女
  381. ほむら: もう1つは 魔女の姿のままのベベ
  382. ほむら: そして最後は…
  383. ほむら: 魔女のことを知っている、あなた
  384. ほむら: あなたは何者?
  385. ほむら: 本当に美樹さやかなの?
  386. さやか: ご挨拶だね
  387. さやか: あたしは、あんたが 知ってるとおりのあたしだよ
  388. さやか: 転校生
  389. ほむら: 逃げ足が速すぎるわね
  390. ほむら: もっと不器用な子だったはずよ あなた
  391. さやかの声: 「あんただって あたしの質問に答えてないよ」
  392. さやかの声: 「この見滝原を壊して 本当に構わないのか」
  393. さやかの声: 「じっくりと考えてから 決めるんだね」
  394. さやかの声: 「悔いを残さないように」
  395.  
  396. FILENAME: text_322022-4.txt
  397. ほむら: ―ほむら― ここは偽物の街 誰かが夢に見た願望の世界
  398. 偽街の子供たち: Fort! Da! Fort! Da!
  399. 偽街の子供たち: Fort! Da…
  400. 杏子の声: マミの縄張りを 手伝ってんじゃねーか
  401. マミの声: 昔の私が 夢に見ていた毎日なのかもね
  402. さやかの声: ねえ、これって そんなに悪いことなの?
  403. ほむら: みんなを巻き添えにして
  404. ほむら: こんなありえない世界に 逃げ込んだ者がいる
  405. ほむら: 魔獣と戦う使命に背を向けて
  406. ほむら: そんな弱さ 許されていいわけがない
  407. ほむら: 魔法少女は 戦い続けなければならない
  408. ほむら: それが奇跡を願った対価
  409. ほむら: そんな私たちだからこそ
  410. ほむら: ―ほむら― あの子は身を挺して 救おうとしてくれた
  411. ほむら: ―ほむら― こんな茶番劇、まどかの犠牲を ムダにしているだけよ
  412. ほむら: ―ほむら― 許せない…
  413. 偽街の子供たち: Got ist tot.
  414. 偽街の子供たち: Got ist tot. Got ist tot.
  415. まどか: あっ、ほむらちゃん!
  416. まどか: はぁ~
  417. まどか: よかった、捜してたんだよ
  418. まどか: マミさんが すごく心配してたよ
  419. まどか: いったい何があったの?
  420. まどか: ―まどか― ほむらちゃん 独りぼっちになったらダメだよ
  421. まどか: ―まどか― わたしなんかでも 話を聞くことぐらいなら…
  422. まどか: ―まどか― 何にも役に立てないかも しれないけれど
  423. まどか: ―まどか― それでも1人で悩んでるよりは ずっといいと思うの
  424. ほむら: 私ね とても怖い夢を見たの
  425. まどか: 夢?
  426. ほむら: あなたが もう二度と会えないほど
  427. ほむら: 遠いところに行っちゃって
  428. ほむら: ―ほむら― なのに世界中の誰もかもが そのことを忘れちゃって…
  429. ほむら: 私だけが まどかのことを覚えてる
  430. ほむら: たった1人の人間として 取り残されて…
  431. ほむら: さみしいのに…悲しいのに…
  432. ほむら: その気持ちを 誰にも分かってもらえない
  433. ほむら: そのうちに、まどかの思い出は
  434. ほむら: 私が勝手に作り出した 絵空事じゃないかって…
  435. ほむら: 自分自身さえ 信じられなくなって…
  436. まどか: うん…それは とっても嫌な夢だね
  437. まどか: ―まどか― でも大丈夫だよ
  438. まどか: ―まどか― わたしだけが、誰にも会えなくなるほど 遠くに1人で行っちゃうなんて
  439. まどか: ―まどか― そんなこと、ありっこないよ
  440. ほむら: ―ほむら― どうして? なぜ、そう言い切れるの?
  441. まどか: ―まどか― だってわたしだよ
  442. まどか: ―まどか― ほむらちゃんでさえ 泣いちゃうような、つらいこと
  443. まどか: ―まどか― わたしが 我慢できるわけないじゃない
  444. ほむら: あなたにとっても
  445. ほむら: それは我慢できないほど つらいこと?
  446. まどか: そうだよ
  447. まどか: ほむらちゃん、さやかちゃん
  448. まどか: マミさんに杏子ちゃん
  449. まどか: パパや、ママや、タツヤ
  450. まどか: それに 仁美ちゃんやクラスのみんな
  451. まどか: 誰とだって お別れなんてしたくない
  452. まどか: もし他に、どうしようもない 時だったとしても
  453. まどか: そんな勇気、わたしにはないよ
  454. ほむら: ―ほむら― そう…そうだったのね
  455. ほむら: ―ほむら― それが、あなたの 本当の気持ちなら…
  456. ほむら: ―ほむら― 私、なんてバカな間違いを…
  457. ほむら: ―ほむら― やっぱり 認めちゃいけなかったんだ
  458. ほむら: ―ほむら― あの時、私は どんな手を使ってでも
  459. ほむら: ―ほむら― あなたを 止めなきゃいけなかった
  460. ほむら: ―ほむら― まどか…
  461. ほむら: ―ほむら― あなたにはね、どれほど つらいことだと分かっていても
  462. ほむら: ―ほむら― それを選択できてしまう 勇気があるの
  463. ほむら: ―ほむら― あなたが…あなたにしか できないことがあると知った時
  464. ほむら: ―ほむら― あなたは、自分でも 気づいていないほど
  465. ほむら: ―ほむら― 優しすぎて強すぎる
  466. ほむら: ―ほむら― 私ね、知ってるんだよ
  467. ほむら: もしかしたら あなたは幻かもしれないって
  468. ほむら: 誰かが用意した 偽物かもしれないって思ってた…
  469. ほむら: でなければ こうして、また会えるなんて…
  470. ほむら: どう考えてもおかしいもの
  471. ほむら: でも分かる あなたは本当のまどかだわ
  472. ほむら: こんなふうに一緒に話ができて もう一度、また優しくしてくれて
  473. ほむら: 本当にうれしい
  474. ほむら: ありがとう
  475. ほむら: それだけで十分に 私は幸せだった
  476. ほむら: もう行くわ、私
  477. ほむら: まだやり残したことがあるから
  478. まどか: ほむらちゃん?
  479. まどか: どうしちゃったんだろう ほむらちゃん…
  480. キュゥべえ: ―キュゥべえ― きゅ~
  481.  
  482. FILENAME: text_322022-5.txt
  483. ~~♪~~♪
  484. 杏子: もしもし、ほむらか?
  485. ほむら: ねえ、佐倉さん
  486. ほむら: あなた、魔女のことは覚えてる?
  487. 杏子: そいつも何か?
  488. 杏子: 本当なら覚えてなきゃ おかしい事柄なのか?
  489. ほむら: いいえ、知らなくて正解よ
  490. 杏子: おい、こら! からかってるんじゃねーぞ!
  491. ほむら: じゃあ、鹿目まどかは?
  492. 杏子: はあ?
  493. ほむら: 彼女のこと覚えてる?
  494. 杏子: 当ったり前だろ、何を…
  495. 杏子: おい、まさか…
  496. ほむら: ええ
  497. ほむら: あなたが彼女のことを 知ってるはずがない
  498. ほむら: その記憶は偽物よ
  499. 杏子: 悪い冗談としか 思えねぇ、本当に…
  500. ほむら: 『こんな簡単なこと…』
  501. ほむら: 『少し考えれば、分かったはずなのに』
  502. ほむら: まどかがいる世界を 捏造できるとしたら
  503. ほむら: それは、まどかのことを 知っている者だけ…
  504. ほむら: これで分かったわ
  505. ほむら: 私たち全員の記憶を書き換え
  506. ほむら: 偽りの見滝原に閉じ込めた 張本人が誰なのか…
  507. 杏子: おい、ほむら!
  508. 杏子: 大丈夫か? 今、どこにいるんだ?
  509. ほむら: 最後に1つだけ 確認したいことがあるの
  510. ほむら: それですべてに決着をつけるわ
  511. ほむら: あなたの手は煩わせない
  512. 杏子の声: 「おいっ!」
  513. ほむら: 巻き込んでしまって ごめんなさい
  514. ほむら: 『ソウルジェムを手放しても 私の体が動くとしたら』
  515. ほむら: 『せいぜい100メートルが限度のはず…』
  516. 偽街の子供たちの声: Fort! Da! Fort! Da! Fort! Da…
  517. アナウンス: 次は見滝原2丁目
  518. アナウンス: 市立見滝原小学校へは こちらからお越しください
  519. アナウンス: 次、止まります
  520. ほむら: ―ほむら― つまりは…
  521. ほむら: もう、魔法少女でさえないってわけ?
  522. ほむら: ―ほむら― どうしてよ…ねえ…
  523. ほむら: ―ほむら― どうして…私が、こんな…
  524. ほむら: ―ほむら― いったい、いつの間に…
  525. ほむら: 私は、魔女になってたの?
  526. 偽街の子供たち: Fort! Fort! Fort! Fort! Fort!
  527. キュゥべえの声: ―キュゥべえの声― 真実なんて 知りたくもないはずなのに
  528. キュゥべえの声: ―キュゥべえの声― それでも追い求めずには いられないなんて
  529. キュゥべえの声: ―キュゥべえの声― つくづく人間の好奇心というものは
  530. キュゥべえの声: ―キュゥべえの声― 理不尽だね
  531. キュゥべえ: まあ、キミならいずれはきっと
  532. キュゥべえ: 答えにたどり着くだろうとは 思っていたよ
  533. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 暁美ほむら
  534. ほむら: インキュベーター
  535. ほむら: やっぱり、何もかも あなたの仕業だったのね
  536.  
  537. FILENAME: text_322023-1.txt
  538. ほむら: インキュベーター
  539. ほむら: やっぱり、何もかも あなたの仕業だったのね
  540. キュゥべえ: 残る疑問は
  541. キュゥべえ: キミの命と魂が 今、どこにあるのかだよね?
  542. キュゥべえ: その答えは ボクが教えてあげる
  543. キュゥべえ: ―キュゥべえ― これが、この偽物の見滝原市の外側
  544. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 現実世界のキミの姿だよ
  545. キュゥべえ: ―ほむら― そんな…
  546. キュゥべえ: ―キュゥべえ― ボクたちの作り出した 干渉遮断フィールドが
  547. キュゥべえ: ―キュゥべえ― キミのソウルジェムを包んでいる
  548. キュゥべえ: ―キュゥべえ― すでに限界まで濁りきっていた ソウルジェムを
  549. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 外からの影響力が 一切及ばない環境に閉じ込めた時
  550. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 何が起こるのか
  551. ほむら: 実験…
  552. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 魔法少女を浄化し 消滅させる力
  553. キュゥべえ: ―キュゥべえ― キミたちが“円環の理”と呼んでいる 現象から隔離された時
  554. キュゥべえ: ―キュゥべえ― ソウルジェムはどうなるのか?
  555. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 確かに興味深い結果を 観察させてもらったよ
  556. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 独自の法則に支配された 閉鎖空間の形成と
  557. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 外部の犠牲者の誘導、捕獲
  558. キュゥべえ: ―キュゥべえ― これこそ、まさしく いつかキミが説明してくれた
  559. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 魔女とやらの能力、そのものだよね
  560. キュゥべえ: 遮断フィールドに保護された ソウルジェムが
  561. キュゥべえ: まだ砕けていない以上
  562. キュゥべえ: キミは完全な形で 魔女に変化できたわけでもない
  563. キュゥべえ: 卵を割ることが できなかったヒナが
  564. キュゥべえ: 殻の中で 成長してしまったようなものだね
  565. キュゥべえ: ―キュゥべえ― だからキミは、自らの内側に 結界を作り出すことになった
  566. キュゥべえ: ―キュゥべえ― まさか、街1つを丸ごと模倣して 再現できるとは驚きだ
  567. キュゥべえ: ―キュゥべえ― ここはね
  568. キュゥべえ: ―キュゥべえ― キミのソウルジェムの中にある 世界なんだよ
  569. ほむら: その理屈は変よ
  570. ほむら: 外部と遮断されているなら
  571. ほむら: この結界に
  572. ほむら: 誰かが迷い込むことだって なかったはずでしょ?
  573. キュゥべえ: そこはボクたちが
  574. キュゥべえたち: 調整してるのさ
  575. キュゥべえ: ―キュゥべえ― フィールドの遮断力は あくまで一方通行だ
  576. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 外からの干渉は、はじくけれど
  577. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 内側からの誘導で 犠牲者を連れ込むことはできる
  578. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 魔女としてのキミが 無意識のうちに求めた標的だけが
  579. キュゥべえ: ―キュゥべえ― この世界に入り込めるんだ
  580. キュゥべえ: ここまで条件を限定したうえで
  581. キュゥべえ: なおも“円環の理”なる存在が
  582. キュゥべえ: あくまで、暁美ほむらに 接触しようとするならば
  583. キュゥべえ: その時は、キミの結界に 招き入れられた犠牲者という形で
  584. キュゥべえ: この世界に具現化するしかない
  585. キュゥべえ: そうなれば ボクたちインキュベーターは
  586. キュゥべえ: これまで謎だった魔法少女消滅の 原因をようやく特定し
  587. キュゥべえ: 観測することができる
  588. キュゥべえ: 実際、キミが作った結界には
  589. キュゥべえ: 現実世界には すでに存在しないキャラクターが
  590. キュゥべえ: 奇妙な形で参加している
  591. キュゥべえ: ―キュゥべえ― とりわけ興味深いのは
  592. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 過去の記憶にも、未来の可能性にも 存在しない1人の少女だ
  593. キュゥべえ: ―キュゥべえ― この宇宙と 一切の因果関係がない存在なのに
  594. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 彼女は何の違和感もなく キミの世界に紛れ込んできた
  595. キュゥべえ: まあ、そもそも最初から 捜す必要さえなかったんだ
  596. キュゥべえ: 手間を省いてくれたのは キミ自身なんだよ
  597. キュゥべえ: 暁美ほむら
  598. キュゥべえ: キミは以前から “円環の理”のことを
  599. キュゥべえ: “鹿目まどか”という名前で 呼んでいたからね
  600. ほむら: じゃあ、あの子はやっぱり…
  601. キュゥべえ: 唯一厄介だったのは…
  602. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 鹿目まどかが 未知の力を発揮するそぶりを
  603. キュゥべえ: ―キュゥべえ― まったく見せなかったことだ
  604. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 結界の主であるキミの記憶操作は
  605. キュゥべえ: ―キュゥべえ― まどかに対しても 作用してしまったみたいだね
  606. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 彼女は、キミを救済するという 目的だけでなく
  607. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 自分自身の力と正体さえ 見失っていたようだ
  608. キュゥべえ: ―キュゥべえ― これでは手の出しようがない
  609. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 鹿目まどかは 神であることを忘れ
  610. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 暁美ほむらは 魔女であることを忘れ
  611. キュゥべえ: ―キュゥべえ― おかげで、ボクらは
  612. キュゥべえ: ―キュゥべえ― こんな無意味な堂々巡りに つきあわされることになった
  613. キュゥべえ: ―キュゥべえ― まあ、気長に 待つつもりでいたけれど
  614. キュゥべえ: ―キュゥべえ― キミが真相にたどり着いたことで ようやく均衡も崩れるだろう
  615. キュゥべえ: さあ、暁美ほむら
  616. キュゥべえ: まどかに助けを求めるといい
  617. キュゥべえ: それで彼女も思い出す
  618. キュゥべえ: 自分が何者なのか 何のためにここに来たのかを
  619. ほむら: インキュベーター あなたたちのねらいは何?
  620. キュゥべえ: もちろん、今まで 仮説にすぎなかった
  621. キュゥべえ: “円環の理”を
  622. キュゥべえ: この目で見届けることだよ
  623. ほむら: 何のために?
  624. ほむら: 好奇心なんて 理不尽だって言ってたくせに
  625. ほむら: まどかの存在を ただ確認するために
  626. ほむら: こんな大げさな段取りまで 用意するわけがない
  627. ほむら: まどかを支配するつもりね
  628.  
  629. FILENAME: text_322023-2.txt
  630. キュゥべえ: 最終的な目標については 否定しないよ
  631. キュゥべえ: まあ、道のりは困難だろう
  632. キュゥべえ: この現象はボクたちにとって まったくの謎だった
  633. キュゥべえ: 存在すら確認できないものは 手の出しようがないからね
  634. ほむら: それで諦める あなたたちじゃないわ
  635. キュゥべえ: そうだね、観測さえできれば 干渉できる
  636. キュゥべえ: 干渉できるなら制御もできる
  637. キュゥべえ: ―キュゥべえ― いずれボクたちの研究は
  638. キュゥべえ: ―キュゥべえ― “円環の理”を 完全に克服するだろう
  639. キュゥべえ: そうなれば 魔法少女は魔女となり
  640. キュゥべえ: さらなるエネルギーの回収が 期待できるようになる
  641. キュゥべえ: 希望と絶望の相転移
  642. キュゥべえ: その感情から変換される エネルギーの総量は
  643. キュゥべえ: 予想以上のものだったよ
  644. キュゥべえ: やっぱり魔法少女は 無限の可能性を秘めている
  645. キュゥべえ: キミたちは 魔女へと変化することで
  646. キュゥべえ: その存在を全うするべきだ
  647. キュゥべえ: なぜ怒るんだい? キミには、もう関わりのない話だ
  648. キュゥべえ: 暁美ほむらの存在は完結した
  649. キュゥべえ: キミは過酷だった運命の果てに
  650. キュゥべえ: 待ち望んでいた存在と 再会の約束を果たす
  651. キュゥべえ: これは幸福なことなんだろう?
  652. ほむら: いいえ
  653. ほむら: そんな幸福は求めてない
  654. キュゥべえ: ―キュゥべえ― そんな…
  655. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 自ら呪いを募らせるだなんて 何を考えているんだ?
  656. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 浄化が間に合わなくなるよ!
  657. ほむら: 今のあなたが 知るはずもないけれど
  658. ほむら: 私はね、まどかを救う…
  659. ほむら: ただそれだけの祈りで 魔法少女になったのよ
  660. ほむら: だから今度も同じこと…
  661. ほむら: まどかの秘密が 暴かれるくらいなら
  662. ほむら: 私は、このまま魔女になってやる
  663. ほむら: もう二度と、インキュベーターに あの子は触らせない!
  664. キュゥべえ: キミはそんな理由で 救済を拒むのかい?
  665. キュゥべえ: このまま永遠の時を 呪いと共に過ごすつもりなのか?
  666. ほむら: ―ほむら― 大丈夫、きっとこの結界が 私の死に場所になるでしょう
  667. ほむら: ―ほむら― ここには 巴マミも佐倉杏子もいる
  668. ほむら: ―ほむら― 彼女たちを信じるわ
  669. キュゥべえ: ―キュゥべえ― バカな…
  670. キュゥべえ: ―キュゥべえ― この遮断フィールドの 内側で死ぬことが
  671. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 何を意味するのか 分かっているのかい?
  672. キュゥべえ: 殻を破ることすら拒んで
  673. キュゥべえ: 卵の中で魔女として 完成してしまったら…
  674. キュゥべえ: キミは“円環の理”に 感知されることすらなく破滅する
  675. キュゥべえ: もう誰もキミの魂を 絶望から救えない
  676. キュゥべえ: キミは再び鹿目まどかと巡り会う チャンスを永久に失うんだよ?
  677. ほむら: 黙りなさい!
  678. キュゥべえ: キミにとっても 最悪の結末だろうに
  679. キュゥべえ: まったく、どうして人間の思考は こうも理不尽なんだい?
  680. 偽街の子供たち: Fort!Da!Fort!Da!
  681. ほむら: あっ…
  682. ほむら: ―ほむら― まどか?
  683. ほむら: ああっ!
  684. ほむら: これが魔女…
  685. ほむら: 私の感情が追いかけてくる…
  686. ほむら: 輝きと後悔だけしか…
  687. ほむら: もう思い出せない
  688. ほむら: ああ、これが私の…
  689. ほむら: ―ほむら― 絶望…
  690. ほむら: まどか、こんなところまで 迎えに来てくれてありがとう
  691. ほむら: 最後にお別れを言えなくて
  692. ほむら: ごめんね…
  693.  
  694. FILENAME: text_322023-3.txt
  695. マミ: あれが…魔女?
  696. さやか: 怖がらないでやって
  697. さやか: ああ見えて、一番つらいのは あいつ自身なんだ
  698. 杏子: 笑えねえな
  699. キュゥべえ: 待ってくれ!
  700. キュゥべえ: あれは暁美ほむらなんだ キミたちは仲間と戦う気かい?
  701. まどか: キュゥべえ…
  702. 杏子: へえ、あんた 普通にしゃべれたんだ?
  703. マミ: 残念だわ、キュゥべえ
  704. マミ: これでもう、ベベの話を 信じるしかないみたいね
  705. キュゥべえ: まどか、キミなら ほむらを救えるはずだ
  706. キュゥべえ: キミが持っている本当の力に 気づきさえすれば
  707. さやか: ―さやか― そいつは、ほっときな、まどか
  708. さやか: ―さやか― 大丈夫、さっきあたしが 教えたとおりにやればいい
  709. さやか: ―まどか― う…うん
  710. ベベ: パ…パパパ…
  711. ベベ: パルミジャーノ レッジャーノ!
  712. さやか: 慌てなさんな
  713. さやか: あんたを外に出そうって わけじゃない!
  714. キュゥべえ: き…キミたちは、いったい…
  715. なぎさ: 私たちは かつて希望を運び
  716. なぎさ: いつか呪いを振りまいた者たち
  717. なぎさ: そして今は円環に導かれ この世の因果を外れた者たち
  718. さやか: こうすれば、あんたの目を盗んで 立ち回れると思ったのさ
  719. さやか: インキュベーター
  720. さやか: まどかだけに狙いを絞って まんまと引っ掛かってくれたわね
  721. キュゥべえ: そんな…
  722. キュゥべえ: じゃあ キミたちもまた“円環の理”…
  723. さやか: まあ、要するに かばん持ちみたいなもんですわ
  724. さやか: ―さやか― まどかが置いていった記憶と力を
  725. さやか: ―さやか― 誰かが運んであげなきゃ ならなかったからね
  726. なぎさ: いざとなったら
  727. なぎさ: 私か、さやかか どっちか無事な方が
  728. なぎさ: 預かっていた本当の記憶を まどかに返す手はずだったのです
  729. さやか: ほむら1人を迎えに行くのに
  730. さやか: 3人がかりなんてね
  731. さやか: ずいぶんと 手間かけさせてくれたもんだけど
  732. さやか: まあ、あいつのためなら しかたないか
  733. さやか: ここまで 頑張ってきたヤツには
  734. さやか: それなりのご褒美があっても いいもんね
  735. まどか: さやかちゃん…
  736. マミ: ―マミ― 鹿目さん
  737. マミ: ―マミ― 私たちもいくわよ!
  738. まどか: ―まどか― は…はい!
  739. まどか: はっ!
  740. ほむらの声: やめて…もうやめて!
  741. ほむらの声: 私は、この世界で 死ななきゃならないの!
  742. さやか: だ~か~ら
  743. さやか: 1人で背負い込もうと するなってぇの!
  744. 杏子: チッ、訳分かんねーことに 巻き込みやがって
  745. 杏子: ―杏子― 胸くそ悪くなる夢を見たんだ
  746. 杏子: ―杏子― あんたが死んじまう夢を
  747. 杏子: ―杏子― でも本当はそっちが現実で
  748. 杏子: ―杏子― 今こうして 2人で戦ってるのが夢だって…
  749. 杏子: ―杏子― そういうことなのか?さやか
  750. さやか: ―さやか― 夢っていうほど 悲しいものじゃないよ、これ
  751. さやか: ―さやか― 何の未練も ないつもりでいたけれど
  752. さやか: ―さやか― それでも
  753. さやか: ―さやか― 結局、こんな役目を引き受けて 戻ってきちゃったなんて
  754. さやか: ―さやか― やっぱりあたし… 心残りだったんだろうね
  755. さやか: ―さやか― あんたを 置き去りにしちゃったことが…
  756. なぎさ: なぎさは、もう一度
  757. なぎさ: チーズが食べたかった だけなのです!
  758. さやか: おい、こら!空気読めっての!
  759. 杏子: フッ
  760. 杏子: バッカ野郎!
  761. マミ: ティロ・フィナーレ![6200_hit_explosion_01_vh]
  762. まどか: ほむらちゃん
  763. ほむらの声: 『やめて…まどか…』
  764. なぎさ: 見えた!
  765. なぎさ: インキュベーターの封印なのです!
  766. さやかの声: ―さやかの声― あれを壊せば、あんたは 自由になれるんだ、ほむら
  767. さやかの声: ―さやかの声― インキュベーターの干渉を 受けないまま
  768. さやかの声: ―さやかの声― 外の世界で、本当のまどかに会える!
  769. ほむらの声: 『ああ…』
  770.  
  771. FILENAME: text_322023-4.txt
  772. まどか: 「ダメだよ、ほむらちゃん」
  773. まどか: 「独りぼっちにならないでって 言ったじゃない」
  774. ほむらの声: まどか…
  775. まどかの声: 何があっても、ほむらちゃんは ほむらちゃんだよ
  776. まどかの声: わたしは絶対に見捨てたりしない
  777. まどかの声: だから諦めないで
  778. ほむら: ごめんなさい… 私が意気地なしだった
  779. ほむら: もう一度、あなたと会いたいって その気持ちを裏切るくらいなら
  780. ほむら: そうだ…私は どんな罪だって背負える
  781. ほむら: どんな姿に成り果てたとしても きっと平気だわ
  782. ほむら: あなたが そばにいてくれさえすれば…
  783. まどか: さあ、ほむらちゃん、一緒に…
  784. ほむら: ―ほむら― ええ
  785. まどか: ―まどか― ほむらちゃん、怖くない?
  786. ほむら: ううん、大丈夫
  787. ほむら: もう私は、ためらったりしない…
  788. キュゥべえたち: 訳が分からないよ
  789. 杏子: 行っちまったのか?
  790. 杏子: さやかも、あんたのベベも…
  791. マミ: いいえ
  792. マミ: ―マミ― 今、ようやく 彼女を連れて行くところよ
  793. 杏子: ―杏子― あれが鹿目まどか?
  794. マミ: ―マミ― ええ
  795. マミ: ―マミ― いつか私たちを導く“円環の理”
  796. まどか: そうだった
  797. まどか: わたしは、ほむらちゃんのために…
  798. まどか: こんな大事なこと 忘れてたなんて…
  799. さやか: ―さやか― まあ、よけいな邪魔が 入ったからね
  800. さやか: ―さやか― ちょっとした回り道に なっちゃったかな
  801. なぎさ: ―なぎさ― やれやれなのです
  802. まどか: 待たせちゃって、ごめんね
  803. まどか: 今日まで ずっと頑張ってきたんだよね
  804. ほむら: まどか…
  805. まどか: さあ、行こう
  806. まどか: これからは、ずっと一緒だよ
  807. ほむら: ええ、そうね
  808. ほむら: この時を…
  809. ほむら: 待ってた…
  810. まどか: ―まどか― あっ…ほむらちゃん?
  811. ほむら: ―ほむら― やっと…
  812. ほむら: ―ほむら― 捕まえた
  813. 杏子: お…おい!
  814. マミ: な、何よ、これ…暁美さん?
  815. なぎさ: ソウルジェムが呪いよりも おぞましい色に…
  816. さやか: 何なの、あれ?欲望?執念?
  817. さやか: いや、違う…
  818. さやか: 暁美ほむら、あんたいったい…
  819. ほむら: 理解できないのも当然よ
  820. ほむら: ええ、誰に分かるはずもない
  821. ほむら: この思いは私だけのもの
  822. ほむら: まどかのためだけのもの
  823. まどか: ほむらちゃん、ダメ…
  824. まどか: ―まどか― わたしが裂けちゃう!
  825. ほむら: ―ほむら― 言ったはずよ、まどか
  826. ほむら: ―ほむら― もう二度と、あなたを放さない
  827.  
  828. FILENAME: text_322023-5.txt
  829. キュゥべえ: 世界が書き換えられていく
  830. キュゥべえ: この宇宙に新しい概念が 誕生したというのか?
  831. ほむら: ―ほむら― そういえば あなたは覚えていなかったわね
  832. ほむら: ―ほむら― 私にとっては 2度目の光景だけれど
  833. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 何が起きているんだ?
  834. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 暁美ほむら キミは何に干渉しているんだ?
  835. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 何を改竄してしまったんだ?
  836. ほむら: 『フッ』
  837. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 信じられない…
  838. キュゥべえ: ―キュゥべえ― 呪いに染まったソウルジェムが 消え去るはずのキミの魂が…
  839. キュゥべえ: ―キュゥべえ― なぜ?
  840. ほむら: ―ほむら― 思い出したのよ
  841. ほむら: ―ほむら― 今日まで何度も繰り返して 傷つき苦しんできたすべてが
  842. ほむら: ―ほむら― まどかを思ってのことだった
  843. ほむら: ―ほむら― だからこそ、今はもう 痛みさえ、いとおしい
  844. ほむら: ―ほむら― 私のソウルジェムを濁らせたのは もはや呪いでさえなかった
  845. キュゥべえ: それじゃあ、いったい…
  846. ほむら: ―ほむら― あなたには 理解できるはずもないわね
  847. ほむら: ―ほむら― インキュベーター
  848. ほむら: ―ほむら― これこそが人間の感情の極み
  849. ほむら: ―ほむら― 希望よりも熱く 絶望よりも深いもの…
  850. ほむら: 愛よ
  851. キュゥべえ: キミは、いったい何者なんだ?
  852. キュゥべえ: 魔法少女でも、魔女でもなく
  853. キュゥべえ: いったい、どこに たどり着こうとしてるんだ?
  854. ほむら: そうね…
  855. ほむら: 確かに、今の私は魔女ですらない
  856. ほむら: あの神にも等しく 聖なるものを貶めて
  857. ほむら: むしばんでしまったんだもの
  858. ほむら: そんなまねができる存在は
  859. ほむら: もう悪魔とでも 呼ぶしかないんじゃないかしら?
  860. キュゥべえ: これではっきりした
  861. キュゥべえ: キミたち人類の感情は 利用するには危険すぎる
  862. キュゥべえ: こんな途方もない結末は
  863. キュゥべえ: ボクたちでは制御しきれない
  864. ほむら: あら、そう
  865. キュゥべえ: ―キュゥべえ― うわっ!
  866. ほむら: でもね
  867. ほむら: 私たちの世界に沸いた 呪いを処理するには
  868. ほむら: これからも あなたたちの存在が必要なの
  869. ほむら: ―ほむら― 協力してもらうわよ
  870. ほむら: ―ほむら― インキュベーター
  871. さやか: ―さやか― あんたは、何をしたか 分かってるの?
  872. ほむら: その様子だと何があったのか 理解しているみたいね
  873. ほむら: 美樹さやか
  874. さやか: あんたは“円環の理”の一部を もぎ取っていったんだ!
  875. さやか: 魔法少女の希望だった 救済の力を…
  876. ほむら: 私が奪ったのは ほんの断片でしかないわ
  877. ほむら: まどかが、まどかでなくなる前の 人としての彼女の記録だけ
  878. ほむら: どうやら、あなたたちまで 巻き添えになって
  879. ほむら: 元の居場所に帰れなくなって しまったようだけれど
  880. さやか: いったい何の権利があって こんなまねを!
  881. ほむら: 今の私は“魔”なるもの
  882. ほむら: ―ほむら― 摂理を乱し この世界を蹂躙する存在
  883. ほむら: ―ほむら― 神の理にあらがうのは 当然のことでしょう?
  884. さやか: ―さやか― あんたは、この宇宙を 壊すつもりなの?
  885. ほむら: すべての魔獣が滅んだあとは
  886. ほむら: それもいいかもね
  887. ほむら: その時は改めて
  888. ほむら: あなたたちの敵に なってあげる
  889. ほむら: ―ほむら― でも美樹さやか
  890. ほむら: ―ほむら― あなたは私に立ち向かえるの?
  891. ほむら: ―ほむら― 今でも徐々に記憶は
  892. ほむら: ―ほむら― 変わりつつあるでしょう?
  893. なぎさ: フフフ…アハハ…
  894. さやか: あたしは、確かに もっと大きな存在の一部だった
  895. さやか: この世界の外側の力と つながっていたのに…
  896. さやか: 今はもう あの感覚を取り戻せない
  897. さやか: ここじゃない、どこかに いたはずなのに…
  898. ほむら: もっと素直に、再び人間としての 人生を取り戻せたことを
  899. ほむら: 喜べばいいんじゃないかしら
  900. ほむら: いずれは 何が起こったのかも忘れて
  901. ほむら: 違和感すら感じなくなるわ
  902. さやか: だとしても これだけは忘れない…
  903. さやか: 暁美ほむら、あんたが 悪魔だってことは!
  904. ほむら: せめて普段は 仲よくしましょうね
  905. ほむら: あまりケンカ腰でいると “あの子”にまで嫌われるわよ
  906.  
  907. FILENAME: text_322023-6.txt
  908. 早乙女先生: 「女子の皆さんは、くれぐれも」
  909. 早乙女先生: 「半熟じゃなきゃ食べられな~いとか 抜かす男とは交際しないように!」
  910. 早乙女先生: 「そして男子の皆さんは、絶対に」
  911. 早乙女先生: 「卵の焼き加減にケチをつけるような 大人にならないこと!」
  912. 早乙女先生: はい、あとそれから
  913. 早乙女先生: きょうは皆さんに 転校生を紹介します
  914. 早乙女先生: 鹿目さん、いらっしゃ~い
  915. まどか: えっと、はじめまして 鹿目まどかです
  916. まどか: ママ…母の海外出張で
  917. まどか: 家族みんなで3年間 アメリカにいたんですけど
  918. まどか: 先週ようやく 見滝原に帰ってきたので
  919. まどか: 今日からは、この学校で 皆さんと一緒にお世話になります
  920. まどか: その… よ、よろしくお願いします!
  921. ほむら: 私は、暁美ほむら はじめまして、鹿目まどかさん
  922. ほむら: まどかって 呼んでもいいかしら?
  923. まどか: えっ?う…うん
  924. ほむら: 早速だけど 校内を案内してあげるわ
  925. ほむら: ついてきて
  926. まどか: あ…暁美さん?
  927. ほむら: ほむらでいいわ
  928. まどか: ほむら…ちゃん?
  929. まどか: あの…その…どうしてわたしを?
  930. ほむら: 久しぶりの故郷はどう?
  931. まどか: ええと、うん… 何だか懐かしいような
  932. まどか: でも何かが 違うなーっていうか…
  933. まどか: ちょっと変な気分
  934. ほむら: 無理もないわ 3年ぶりだものね
  935. まどか: いや…
  936. まどか: 結構、何も変わってないような 気もするの
  937. まどか: むしろ変わっちゃったのは どっちかっていうと
  938. まどか: わたしのような…
  939. まどか: そう…
  940. まどか: わたしには…
  941. まどか: もっと違う姿… 違う役目があったはず…
  942. まどか: それが、どうして…
  943. まどか: ―まどか― ああっ…
  944. まどか: ―まどか― ほむらちゃん!?
  945. まどか: ―まどか― ねえ、ちょっと…
  946. ほむら: ―ほむら― 大丈夫
  947. ほむら: ―ほむら― あなたは間違いなく 本当のあなたのままよ
  948. ほむら: ―まどか― えっ?
  949. ほむら: 鹿目まどか
  950. ほむら: あなたは この世界が貴いと思う?
  951. ほむら: 欲望よりも秩序を大切にしてる?
  952. まどか: えっ…
  953. まどか: それは、えっと…その…
  954. まどか: わ…わたしは貴いと思うよ
  955. まどか: やっぱり自分勝手に ルールを破るのって
  956. まどか: 悪いことじゃないかな…
  957. ほむら: そう…
  958. ほむら: なら、いずれ あなたは私の敵になるかもね
  959. まどか: えっ…
  960. ほむら: ―ほむら― でも構わない
  961. ほむら: ―ほむら― それでも…
  962. ほむら: ―ほむら― 私はあなたが 幸せになれる世界を望むから
  963. まどか: ―まどか― えっ… ほ、ほむらちゃん?あの…
  964. ほむら: やっぱり
  965. ほむら: あなたの方が似合うわね
  966. まどか: えっ…
  967. ほむら: フフッ
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