Not a member of Pastebin yet?
Sign Up,
it unlocks many cool features!
- FILENAME: text_322021-1.txt
- さやか: ビンゴだよ、まどか
- 杏子: 首尾は上々っと!
- FILENAME: text_322021-2.txt
- ♪わたしは朝の夢を見る
- ♪まだだめよ まだだめよ 何色の朝が来る?
- ♪まだだめよ まだだめよ まだ夜は 食べかけよ
- ♪ねむってる子は どこにいる
- ♪さあ おはよう ナイトメア 悪いお夢は これきり
- ほむら: 希望を願い、呪いを受け止め 戦い続ける者たちがいる
- ほむら: それが魔法少女
- ほむら: 奇跡をつかんだ代償として 戦いの運命を課された魂
- ほむら: その末路は消滅による救済
- ほむら: この世界から消え去ることで 絶望の因果から解脱する…
- ほむら: いつか訪れる終末の日
- ほむら: “円環の理”の導きを待ちながら 私たちは戦い続ける
- ほむら: 悲しみと憎しみばかりを繰り返す この救いようのない世界で…
- ほむら: あの懐かしい笑顔と 再び巡り会うことを夢見て…
- ほむら: 暁美ほむらです どうかよろしくお願いします
- 早乙女先生: 暁美さんは心臓の病気で ずっと入院していたの
- 早乙女先生: 久しぶりの学校だから
- 早乙女先生: いろいろと戸惑うことも 多いでしょう
- 早乙女先生: みんな、助けてあげてね
- みんなの声: は~い!
- さやか: ―さやか― ええー!
- 杏子: ―杏子― ソウルジェム!?
- まどか: ―まどか― じゃあ、あの子もまさか…
- 早乙女先生: 席は、ええっと 中沢君の隣が空いてるわね
- さやか: ええ!?じゃあ マミさんは知ってたんですか?
- マミ: ごめんなさいね
- マミ: でも、ついつい
- マミ: みんなをビックリさせて みたくなっちゃって
- ほむら: 本当は、ゆうべのうちに ご挨拶しなきゃいけなかったのに
- 杏子: あっ、もしかして ゆうべのナイトメア退治
- 杏子: あたしたちが追い詰めた先で 待ち構えてたのって
- 杏子: マミだけじゃなくて…
- マミ: ええ、暁美さんにも 手伝ってもらったの
- マミ: すごいのよ、彼女の魔法
- マミ: コンビネーションで、攻撃力を 何倍にも圧縮できるんだから
- ほむら: わ…私にできるのは サポートだけで
- ほむら: 攻撃そのものは からきしですけど
- さやか: へえ、でも頼もしいじゃん
- さやか: ここんとこ、ナイトメアも 大物ばっかり出てきて
- さやか: てこずらされてたし
- 杏子: まあ、実力は 昨日で証明済みってことならね
- 杏子: あたしも別に文句はないよ
- ほむら: 改めて、暁美ほむらです
- ほむら: これから皆さんと一緒に この街のナイトメアと戦います
- ほむら: どうかよろしく!
- まどか: 一緒に頑張ろうね、ほむらちゃん
- FILENAME: text_322021-3.txt
- ~~♪~~♪
- 志筑 仁美: あの…
- 志筑 仁美: 今週の日曜日って 何か予定はありますかしら
- 上条 恭介: うん、ごめんね
- 上条 恭介: その日もレッスンに 使わなきゃならないんだ
- 上条 恭介: 次の発表会まで もう間がないからね
- 志筑 仁美: あっ…そうでしたか
- 上条 恭介: いつもいつも タイミングが合わなくてごめんね
- 志筑 仁美: そんなこと、お気になさらずに
- 志筑 仁美: 私、頑張ってる上条君のことが
- 志筑 仁美: 大好きですから!
- 志筑 仁美: 「ああ、もう」
- 志筑 仁美: 「もう日曜なんていりませんわ!」
- 志筑 仁美: 「発表会もなくなってしまえば いいのですわ!」
- 志筑 仁美: 「こうなったら、私…私…」
- ベベ: ―ベベ― 「ナイトメアオル! ナイトメアクル!」
- マミ: ―マミ― ええっ、またなの?
- ベベ: ―ベベ― 「チーズニナッチャウ!」
- マミ: はぁ…
- マミ: まったくもう…
- マミ: 夜更かしは 美容の大敵なんだけどなぁ…
- 杏子: ―杏子― なあ、あれって 志筑仁美のナイトメアなのか?
- さやか: 仁美も大変だよね~
- さやか: あんな無神経なヤツを 彼氏にしたりするからさぁ
- 杏子: うわっ あんたが言うと重みが違うわ
- さやか: えへへ
- さやか: まあ、何? 人生経験ってやつですか
- ほむら: 遅れてしまってごめんなさい!
- さやか: 2人とも遅い!
- まどか: えへへ ごめんね、さやかちゃん
- キュゥべえ: きゅ、きゅ~!
- ベベ: ガウガウ
- ベベ: ―ベベ― 「ミンナイルイル」
- マミ: ―マミ― さあ、いくわよ、みんな!
- みんな: はい!
- みんな: ピュエラ・マギ ホーリー・クインテット!
- FILENAME: text_322021-4.txt
- まどか&マミ: ティロ・デュエット!
- ほむら: リリース
- さやか: 気持ちは分かるけど 落ち着きなよ、仁美!
- さやか: ゴメイサマ、リリアン!
- さやか: 杏子!
- 杏子: アミコミケッカイ!
- まどか: 動きが止まった!
- マミ: お見事! さあ、みんな仕上げよ
- みんな: ♪ケーキ ケーキ 丸いケーキ
- みんな: ♪丸いケーキは だあれ?
- ベベ: ―ベベ― 「ケーキ ハ サヤカ?」
- さやか: ♪違う
- さやか: ♪あたしはラズベリー
- さやか: ♪丸いケーキは赤い
- さやか: ケーキは杏子?
- 杏子: ♪違う
- 杏子: ♪あたしはリンゴ
- 杏子: ♪丸いケーキはベベが好き
- 杏子: ケーキはマミ!?
- マミ: ♪違う
- マミ: ♪私はチーズ
- マミ: ♪丸いケーキは転がる
- マミ: ケーキは、暁美さん?
- ほむら: ♪ちが…います
- ほむら: ♪わた…私はカボチャ
- ほむら: ♪丸いケーキは甘いです
- ほむら: ケーキは、まどか?
- まどか: ♪違う
- まどか: ♪わたしはメロン
- まどか: ♪メロンが割れたら甘い夢
- みんな: 「♪今夜のお夢は苦い夢」
- みんな: 「♪お皿の上には 猫の夢」
- みんな: ♪まるまる太って 召し上がれ~!
- ほむら&まどか: やったね
- さやか: ―さやか― まあ あたしたちが力を合わせりゃ
- さやか: ―さやか― チョロいもんよね
- マミ: ―マミ― こらこら、油断は禁物よ
- さやか: ―さやか― アハハ…
- ほむら: 私たちの戦いって…
- ほむら: これでよかったんだっけ?
- FILENAME: text_322021-5.txt
- 杏子: で?話って何さ?
- ほむら: えっと、その…
- ほむら: 佐倉さん、最近、何かが おかしいって思いませんか?
- 杏子: はあ?何かって何が?
- ほむら: それは…その、何となく でも、何もかも
- 杏子: 何言ってんのさ、あんた 大丈夫?
- ほむら: 誰よりも先に まず佐倉さんに相談したのは
- ほむら: だって、あなたが 一番変っていうか…
- ほむら: 佐倉さん、今は どこにお住まいですか?
- 杏子: さやかんちに居候してんだよ そのくらい知ってんだろ?
- ほむら: いつから見滝原中学に?
- 杏子: あんたより 先に転入してきたのさ
- ほむら: それっていつ?
- 杏子: うん?
- 杏子: ―杏子― えっと、去年の…うーん…
- 杏子: ―杏子― いつだったっけな…
- 杏子: でも、何で そんなことを気にしてるんだ?
- ほむら: 見滝原に来る前は、どこに?
- 杏子: 隣の風見野だよ
- 杏子: あっちの街が平和になったから
- 杏子: いろいろ難儀してるっていう
- 杏子: マミの縄張りを 手伝ってんじゃねーか
- ほむら: 最近、風見野市に 戻ったことはありますか?
- 杏子: ねーよ、べつだん用事もないしね
- ほむら: 佐倉さん、今から私と一緒に 風見野市に行ってみませんか?
- 杏子: ―杏子― この次の停留所から 風見野市だよ
- アナウンス: 「次は見滝原3丁目 安心と信頼の…」
- 杏子: えっ…違う、ここ…
- 杏子: 左に曲がるはずなのに!
- ほむら: ―ほむら― 乗るバスを間違えた?
- 杏子: ―杏子― そんなはずないよ
- 杏子: ―杏子― 確かに風見野行きに乗っただろ?
- ほむら: ―ほむら― 次のバスで引き返しましょう
- ほむら: ―ほむら― 今度こそ、間違えないように
- 杏子: ―杏子― これで間違いないよな
- アナウンス: 「次は見滝原2丁目」
- アナウンス: 「市立見滝原小学校へは こちらからお越しください」
- アナウンス: 「次、止まります」
- 杏子: ちょっと待て、おい、こら!
- 杏子: ―杏子― ウ…ウソだろ
- 杏子: こいつは、幻覚か何かか?
- 杏子: あたしたちを見滝原の外に 出さないための…
- ほむら: ―ほむら― そんな、なまやさしいものじゃ ないかもしれない
- ほむら: ―ほむら― もしかしたら、この見滝原には 外なんてないのかも
- 杏子: ―杏子― ちょっ…おい
- ほむら: ここは気づかなかったフリを してた方が安全だと思う
- 杏子: えっ…
- ほむら: ―ほむら― むしろ下手に動けば動くほど 追い詰められていく
- ほむら: ―ほむら― これは、そういうたぐいの ワナでしょうね
- 杏子: 心当たりがあるのか?
- ほむら: ええ
- ほむら: だから、これ以上動いて 目立つより
- ほむら: ここからは、私1人に任せて
- ほむら: 私たちをだましていたヤツは
- ほむら: 今日まで、それ以上
- ほむら: 何の手出しも してこなかったんだもの
- ほむら: おとなしくだまされているかぎり 危険はないはずよ
- 杏子: はあ…分かったよ
- ほむら: うん?
- 杏子: あたしの記憶、確かにいろいろと 食い違ってるのかもしれない
- ほむら: 佐倉さん?
- 杏子: 妙なんだよ
- 杏子: こんな強気な暁美ほむらは 初めて見るはずなのに…
- 杏子: 全然、意外って気がしねぇ
- 杏子: むしろ、しっくりくるぐらいだ
- ほむら: 覚えているのは、私だけなの?
- ほむら: そう、私はこの手口を知っている
- ほむら: 閉ざされた幻の空間
- ほむら: 獲物を誘い込んで惑わすための 出口のない迷路
- ほむら: 間違いない、ここは… 魔女の結界だ
- FILENAME: text_322022-1.txt
- ほむら: ―ほむら― 魔女…それは 絶望をまき散らす災厄の使い
- ほむら: ―ほむら― そして絶望に沈んだ魔法少女たちが 最後に成り果てる呪われた姿…
- ほむら: ―ほむら― かつて私は幾度となく 同じ時間を繰り返し
- ほむら: ―ほむら― その残酷な運命に あらがおうと戦った
- ほむら: ―ほむら― そして、最後は 1人の少女の犠牲によって
- ほむら: ―ほむら― 希望と絶望を巡る 残酷な連鎖は断ち切られ
- ほむら: ―ほむら― 世界は新しい理へと 導かれたはず…
- ほむら: なのに…
- ほむら: ―ほむら― 私たちは忘れている いや、忘れさせられていたのだ
- ほむら: ―ほむら― 誰かが私たちの記憶を欺き 陥れようとしている
- ほむら: ―ほむら― この偽りの見滝原の街で…
- マミ: フフ…もうベベったら
- マミ: あんまりお行儀が悪いと チーズになっちゃうわよ
- ベベ: 「チーズニナッチャウ!」
- ベベ: ゲウ…
- まどか: ほんとに仲いいですよね マミさんとベベ
- まどか: そういえば 初めてマミさんと会った時も
- まどか: ベベと一緒でしたよね
- マミ: ええ、ベベは昔からの友達だもの
- マミ: 出会ったのは、もうずいぶん前
- マミ: 鹿目さんや美樹さんよりも つきあいは長いのよ
- ほむら: どうしてベベが 巴さんのところに来たか
- ほむら: 覚えてますか?
- マミ: ―マミ― あの頃はね
- マミ: ―マミ― この見滝原には、私1人しか 魔法少女がいなかったの
- マミ: ―マミ― 独りぼっちの私を支えて
- マミ: ―マミ― 励ましてくれたのは ベベだけだった
- マミ: この子がいなかったら
- マミ: 私はとっくに ダメになってたと思うわ
- まどか: そんな、マミさん…
- ほむら: 巴さんは、もっと強くて たくましい人です
- マミ: ありがとう
- マミ: 確かに、そうやって
- マミ: 頼りがいのある 先輩ぶっていた時期もあったわね
- マミ: でもね、鹿目さんや 美樹さんが一人前になって
- マミ: 佐倉さんや暁美さんも 味方についてくれて…
- マミ: 今は、こんなに頼れる仲間に 囲まれてるんですもの
- マミ: もう昔みたいに、背伸びして 頑張る必要もなくなったの
- マミ: でも、そうね… 今にして思えば
- マミ: これって昔の私が 夢に見ていた毎日なのかもね
- マミ: 魔法少女としての運命を 受け入れた生き方が
- マミ: こんなに幸せで 充実したものになるなんて
- マミ: あの頃は思ってもみなかったわ
- ほむら: 巴さん、お茶のおかわり いただけますか?
- マミ: あら
- マミ: ―マミ― ちょっと待ってね 今、お湯を沸かしてくるから
- まどか: ほむらちゃん、どうかしたの?
- ほむら: ごめんなさい、まどか
- ベベ: モギュ?
- ほむら: 茶番は、このくらいで 終わらせましょう
- ベベ: ナンダ??
- ほむら: 私は、あなたの正体を覚えてる
- ほむら: 思い出したの あなたが、かつて何者だったのか
- ベベ: モヘー?
- ほむら: みんなの記憶を捏造し
- ほむら: 偽りの見滝原の結界に 閉じ込める
- ほむら: こんな芸当ができるのは…
- ほむら: ベベ、あなたしかいない
- ほむら: ―ほむら― 記憶ってやっかいなものね
- ほむら: ―ほむら― 1つ取り戻すと、次から次へと よけいな思い出がついてくる
- ほむら: ええ、思い出したわ、巴マミ 私はあの人が苦手だった
- ほむら: 強がって無理しすぎて そのくせ、誰より 繊細な心の持ち主で
- ほむら: あの人の前で真実を暴くのは いつだって残酷すぎて つらかった
- ほむら: 忘れたままでいたかったわ
- ほむら: 今まで自分が
- ほむら: いったいどれだけの人の心を 踏みにじってきたかなんて…
- ベベ: 「ソレ知ラム。 恨マレタコマル。」
- ほむら: 白状なさい
- ほむら: こんな回りくどい手口を使って いったい何が目的なの?
- ベベ: 「ホムラクルシイ。」
- ベベ: 「チーズニナッチャウ」
- ほむら: あっ…
- ほむら: ああっ!
- マミ: 事情が分かるまで 話を聞いていたかったけれど
- マミ: これ以上 ベベがいじめられるのを
- マミ: 黙って見ているわけにも いかないわ
- ほむら: まさか、最初から…
- マミ: どういうことか説明してくれる?
- マミ: その子が何をしたっていうの?
- ほむら: あなたは ベベにだまされている
- ほむら: ここは本当の見滝原じゃないわ
- ほむら: みんな偽物の記憶を 植え付けられてるの
- マミ: ちょっ…暁美さん? いったい、どうしちゃったの?
- マミ: ベベ、逃げて
- ベベ: ゲウーッ
- ほむら: どうあっても そいつを守るつもり?
- マミ: 追いかけようなんて思わないで
- マミ: さもないと 私と戦うはめになるわよ
- FILENAME: text_322022-2.txt
- マミ: お互いに動きの読み合いね
- マミ: でも、同じ条件で私に勝てる?
- ほむら: 根比べなら負けないわ
- マミ: ―マミ― ハァ…ハァ…
- ほむら: ハァ…ハァ…
- マミ: ほら、埒が明かないわよ
- マミ: ダメよ!
- マミ: 暁美さん!
- ほむら: 『ハァ…ハァ…』
- ほむら: うっ…
- マミ: あなたの魔法は 確かにすごいけど
- マミ: いつだって相手より
- マミ: 優位な立場にいると思い込むのは禁物よ
- ほむら: 巴さん、あなたは 何も気づかないの?
- ほむら: 今の自分に 何の違和感も感じないの?
- マミ: 急所を撃とうと しなかったあたり
- マミ: まだ私の身を案じてくれるだけの 気持ちはあるようね
- マミ: でも、どうして ベベを襲ったりしたの?
- ほむら: あいつは魔女よ!
- ほむら: 私たち魔法少女の敵なのよ! 思い出して!
- マミ: 魔女なんて知らないわ
- マミ: 私たちの敵は…
- マミ: 魔獣でしょ
- マミ: そう、私は ずっと魔獣たちと戦ってきた…
- マミ: じゃあ ナイトメアっていったい…
- マミ: どういうこと?いったい…
- ???の声: それは 私の口から説明するのです
- マミ: えっ、あなたは…
- マミ: ベベ?
- なぎさ: 今まで黙っていてごめんなさい
- なぎさ: でも、落ち着いて 話を聞いてほしいのです
- FILENAME: text_322022-3.txt
- さやか: ったく、絶好調のマミさん相手に
- さやか: 真っ向からケンカ売るなんて
- さやか: 自信過剰なんだか、バカなんだか
- ほむら: 巴マミとの衝突は しかたなかった
- ほむら: 私が狙ったのは彼女じゃなくて…
- さやか: ベベ…でしょ?
- さやか: あの子が昔 魔女だったってだけで
- さやか: 標的にするなんて
- さやか: 先走るにも程があるよ
- ほむら: あなた…覚えてるの?
- さやか: それがあたしの役目だからね
- さやか: だいたいさ 変だと思わなかったの?
- さやか: 見滝原市丸ごと再現するほど でかい結界を張った魔女が
- さやか: 他の人間を襲って 殺したりもせず
- さやか: ただあたしたちを 閉じこめただけで
- さやか: あとは何もしないなんて
- さやか: あんたが覚えてるお菓子の魔女は
- さやか: そんな奇妙なことやるヤツじゃ なかったでしょ?
- さやか: ちょっと考えれば 分かったはずだよ
- さやか: この魔女の結界は エサ集めのためのワナじゃない
- さやか: 結界をコントロールしてる 魔女の目的は
- さやか: 現状を維持すること
- さやか: この結界を 作った魔女を突き止めて
- さやか: それで あんたはどうするつもり?
- ほむら: そんなのは、当然…
- さやか: 始末するの?
- さやか: ただ魔女だからって理由で?
- ほむら: 何が言いたいの?
- さやか: ねえ、これって そんなに悪いことなの?
- さやか: 誰とも争わず、みんなで 力を合わせて生きていく
- さやか: それを祈った心は
- さやか: 裁かれなきゃならないほど 罪深いものなの?
- ほむら: あなた、魔女の肩を持つつもり?
- さやか: あたしたちが 行き着く果ての姿だもの
- さやか: 同情だってしたくなるわよ
- ほむら: 私も、ついさっき 一番肝心なことを思い出したわ
- ほむら: 巴マミが思い出した記憶は 魔女ではなく魔獣との戦い
- ほむら: 佐倉杏子が 魔女の結界という可能性を
- ほむら: 推理しなかったのも
- ほむら: 魔女のことを 忘れてたからじゃない
- ほむら: 2人は魔女なんて存在は 知らないんだわ
- ほむら: 当然よ
- ほむら: もうこの宇宙には 魔女なんて存在しない
- ほむら: すべての魔法少女の魂は
- ほむら: 魔女になる前に “円環の理”に回収される
- ほむら: そうなるように あの子が世界を作り替えた
- ほむら: 彼女自身を犠牲にしてね
- さやか: そっか、あんたは 覚えてるんだっけね
- ほむら: そうよ
- ほむら: 覚えているのは、ただ1人 私だけだったはず
- ほむら: ここには、そもそも ありえないはずの存在が3ついる
- ほむら: 1つは、この結界を作った魔女
- ほむら: もう1つは 魔女の姿のままのベベ
- ほむら: そして最後は…
- ほむら: 魔女のことを知っている、あなた
- ほむら: あなたは何者?
- ほむら: 本当に美樹さやかなの?
- さやか: ご挨拶だね
- さやか: あたしは、あんたが 知ってるとおりのあたしだよ
- さやか: 転校生
- ほむら: 逃げ足が速すぎるわね
- ほむら: もっと不器用な子だったはずよ あなた
- さやかの声: 「あんただって あたしの質問に答えてないよ」
- さやかの声: 「この見滝原を壊して 本当に構わないのか」
- さやかの声: 「じっくりと考えてから 決めるんだね」
- さやかの声: 「悔いを残さないように」
- FILENAME: text_322022-4.txt
- ほむら: ―ほむら― ここは偽物の街 誰かが夢に見た願望の世界
- 偽街の子供たち: Fort! Da! Fort! Da!
- 偽街の子供たち: Fort! Da…
- 杏子の声: マミの縄張りを 手伝ってんじゃねーか
- マミの声: 昔の私が 夢に見ていた毎日なのかもね
- さやかの声: ねえ、これって そんなに悪いことなの?
- ほむら: みんなを巻き添えにして
- ほむら: こんなありえない世界に 逃げ込んだ者がいる
- ほむら: 魔獣と戦う使命に背を向けて
- ほむら: そんな弱さ 許されていいわけがない
- ほむら: 魔法少女は 戦い続けなければならない
- ほむら: それが奇跡を願った対価
- ほむら: そんな私たちだからこそ
- ほむら: ―ほむら― あの子は身を挺して 救おうとしてくれた
- ほむら: ―ほむら― こんな茶番劇、まどかの犠牲を ムダにしているだけよ
- ほむら: ―ほむら― 許せない…
- 偽街の子供たち: Got ist tot.
- 偽街の子供たち: Got ist tot. Got ist tot.
- まどか: あっ、ほむらちゃん!
- まどか: はぁ~
- まどか: よかった、捜してたんだよ
- まどか: マミさんが すごく心配してたよ
- まどか: いったい何があったの?
- まどか: ―まどか― ほむらちゃん 独りぼっちになったらダメだよ
- まどか: ―まどか― わたしなんかでも 話を聞くことぐらいなら…
- まどか: ―まどか― 何にも役に立てないかも しれないけれど
- まどか: ―まどか― それでも1人で悩んでるよりは ずっといいと思うの
- ほむら: 私ね とても怖い夢を見たの
- まどか: 夢?
- ほむら: あなたが もう二度と会えないほど
- ほむら: 遠いところに行っちゃって
- ほむら: ―ほむら― なのに世界中の誰もかもが そのことを忘れちゃって…
- ほむら: 私だけが まどかのことを覚えてる
- ほむら: たった1人の人間として 取り残されて…
- ほむら: さみしいのに…悲しいのに…
- ほむら: その気持ちを 誰にも分かってもらえない
- ほむら: そのうちに、まどかの思い出は
- ほむら: 私が勝手に作り出した 絵空事じゃないかって…
- ほむら: 自分自身さえ 信じられなくなって…
- まどか: うん…それは とっても嫌な夢だね
- まどか: ―まどか― でも大丈夫だよ
- まどか: ―まどか― わたしだけが、誰にも会えなくなるほど 遠くに1人で行っちゃうなんて
- まどか: ―まどか― そんなこと、ありっこないよ
- ほむら: ―ほむら― どうして? なぜ、そう言い切れるの?
- まどか: ―まどか― だってわたしだよ
- まどか: ―まどか― ほむらちゃんでさえ 泣いちゃうような、つらいこと
- まどか: ―まどか― わたしが 我慢できるわけないじゃない
- ほむら: あなたにとっても
- ほむら: それは我慢できないほど つらいこと?
- まどか: そうだよ
- まどか: ほむらちゃん、さやかちゃん
- まどか: マミさんに杏子ちゃん
- まどか: パパや、ママや、タツヤ
- まどか: それに 仁美ちゃんやクラスのみんな
- まどか: 誰とだって お別れなんてしたくない
- まどか: もし他に、どうしようもない 時だったとしても
- まどか: そんな勇気、わたしにはないよ
- ほむら: ―ほむら― そう…そうだったのね
- ほむら: ―ほむら― それが、あなたの 本当の気持ちなら…
- ほむら: ―ほむら― 私、なんてバカな間違いを…
- ほむら: ―ほむら― やっぱり 認めちゃいけなかったんだ
- ほむら: ―ほむら― あの時、私は どんな手を使ってでも
- ほむら: ―ほむら― あなたを 止めなきゃいけなかった
- ほむら: ―ほむら― まどか…
- ほむら: ―ほむら― あなたにはね、どれほど つらいことだと分かっていても
- ほむら: ―ほむら― それを選択できてしまう 勇気があるの
- ほむら: ―ほむら― あなたが…あなたにしか できないことがあると知った時
- ほむら: ―ほむら― あなたは、自分でも 気づいていないほど
- ほむら: ―ほむら― 優しすぎて強すぎる
- ほむら: ―ほむら― 私ね、知ってるんだよ
- ほむら: もしかしたら あなたは幻かもしれないって
- ほむら: 誰かが用意した 偽物かもしれないって思ってた…
- ほむら: でなければ こうして、また会えるなんて…
- ほむら: どう考えてもおかしいもの
- ほむら: でも分かる あなたは本当のまどかだわ
- ほむら: こんなふうに一緒に話ができて もう一度、また優しくしてくれて
- ほむら: 本当にうれしい
- ほむら: ありがとう
- ほむら: それだけで十分に 私は幸せだった
- ほむら: もう行くわ、私
- ほむら: まだやり残したことがあるから
- まどか: ほむらちゃん?
- まどか: どうしちゃったんだろう ほむらちゃん…
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― きゅ~
- FILENAME: text_322022-5.txt
- ~~♪~~♪
- 杏子: もしもし、ほむらか?
- ほむら: ねえ、佐倉さん
- ほむら: あなた、魔女のことは覚えてる?
- 杏子: そいつも何か?
- 杏子: 本当なら覚えてなきゃ おかしい事柄なのか?
- ほむら: いいえ、知らなくて正解よ
- 杏子: おい、こら! からかってるんじゃねーぞ!
- ほむら: じゃあ、鹿目まどかは?
- 杏子: はあ?
- ほむら: 彼女のこと覚えてる?
- 杏子: 当ったり前だろ、何を…
- 杏子: おい、まさか…
- ほむら: ええ
- ほむら: あなたが彼女のことを 知ってるはずがない
- ほむら: その記憶は偽物よ
- 杏子: 悪い冗談としか 思えねぇ、本当に…
- ほむら: 『こんな簡単なこと…』
- ほむら: 『少し考えれば、分かったはずなのに』
- ほむら: まどかがいる世界を 捏造できるとしたら
- ほむら: それは、まどかのことを 知っている者だけ…
- ほむら: これで分かったわ
- ほむら: 私たち全員の記憶を書き換え
- ほむら: 偽りの見滝原に閉じ込めた 張本人が誰なのか…
- 杏子: おい、ほむら!
- 杏子: 大丈夫か? 今、どこにいるんだ?
- ほむら: 最後に1つだけ 確認したいことがあるの
- ほむら: それですべてに決着をつけるわ
- ほむら: あなたの手は煩わせない
- 杏子の声: 「おいっ!」
- ほむら: 巻き込んでしまって ごめんなさい
- ほむら: 『ソウルジェムを手放しても 私の体が動くとしたら』
- ほむら: 『せいぜい100メートルが限度のはず…』
- 偽街の子供たちの声: Fort! Da! Fort! Da! Fort! Da…
- アナウンス: 次は見滝原2丁目
- アナウンス: 市立見滝原小学校へは こちらからお越しください
- アナウンス: 次、止まります
- ほむら: ―ほむら― つまりは…
- ほむら: もう、魔法少女でさえないってわけ?
- ほむら: ―ほむら― どうしてよ…ねえ…
- ほむら: ―ほむら― どうして…私が、こんな…
- ほむら: ―ほむら― いったい、いつの間に…
- ほむら: 私は、魔女になってたの?
- 偽街の子供たち: Fort! Fort! Fort! Fort! Fort!
- キュゥべえの声: ―キュゥべえの声― 真実なんて 知りたくもないはずなのに
- キュゥべえの声: ―キュゥべえの声― それでも追い求めずには いられないなんて
- キュゥべえの声: ―キュゥべえの声― つくづく人間の好奇心というものは
- キュゥべえの声: ―キュゥべえの声― 理不尽だね
- キュゥべえ: まあ、キミならいずれはきっと
- キュゥべえ: 答えにたどり着くだろうとは 思っていたよ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 暁美ほむら
- ほむら: インキュベーター
- ほむら: やっぱり、何もかも あなたの仕業だったのね
- FILENAME: text_322023-1.txt
- ほむら: インキュベーター
- ほむら: やっぱり、何もかも あなたの仕業だったのね
- キュゥべえ: 残る疑問は
- キュゥべえ: キミの命と魂が 今、どこにあるのかだよね?
- キュゥべえ: その答えは ボクが教えてあげる
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― これが、この偽物の見滝原市の外側
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 現実世界のキミの姿だよ
- キュゥべえ: ―ほむら― そんな…
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― ボクたちの作り出した 干渉遮断フィールドが
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― キミのソウルジェムを包んでいる
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― すでに限界まで濁りきっていた ソウルジェムを
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 外からの影響力が 一切及ばない環境に閉じ込めた時
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 何が起こるのか
- ほむら: 実験…
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 魔法少女を浄化し 消滅させる力
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― キミたちが“円環の理”と呼んでいる 現象から隔離された時
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― ソウルジェムはどうなるのか?
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 確かに興味深い結果を 観察させてもらったよ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 独自の法則に支配された 閉鎖空間の形成と
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 外部の犠牲者の誘導、捕獲
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― これこそ、まさしく いつかキミが説明してくれた
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 魔女とやらの能力、そのものだよね
- キュゥべえ: 遮断フィールドに保護された ソウルジェムが
- キュゥべえ: まだ砕けていない以上
- キュゥべえ: キミは完全な形で 魔女に変化できたわけでもない
- キュゥべえ: 卵を割ることが できなかったヒナが
- キュゥべえ: 殻の中で 成長してしまったようなものだね
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― だからキミは、自らの内側に 結界を作り出すことになった
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― まさか、街1つを丸ごと模倣して 再現できるとは驚きだ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― ここはね
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― キミのソウルジェムの中にある 世界なんだよ
- ほむら: その理屈は変よ
- ほむら: 外部と遮断されているなら
- ほむら: この結界に
- ほむら: 誰かが迷い込むことだって なかったはずでしょ?
- キュゥべえ: そこはボクたちが
- キュゥべえたち: 調整してるのさ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― フィールドの遮断力は あくまで一方通行だ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 外からの干渉は、はじくけれど
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 内側からの誘導で 犠牲者を連れ込むことはできる
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 魔女としてのキミが 無意識のうちに求めた標的だけが
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― この世界に入り込めるんだ
- キュゥべえ: ここまで条件を限定したうえで
- キュゥべえ: なおも“円環の理”なる存在が
- キュゥべえ: あくまで、暁美ほむらに 接触しようとするならば
- キュゥべえ: その時は、キミの結界に 招き入れられた犠牲者という形で
- キュゥべえ: この世界に具現化するしかない
- キュゥべえ: そうなれば ボクたちインキュベーターは
- キュゥべえ: これまで謎だった魔法少女消滅の 原因をようやく特定し
- キュゥべえ: 観測することができる
- キュゥべえ: 実際、キミが作った結界には
- キュゥべえ: 現実世界には すでに存在しないキャラクターが
- キュゥべえ: 奇妙な形で参加している
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― とりわけ興味深いのは
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 過去の記憶にも、未来の可能性にも 存在しない1人の少女だ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― この宇宙と 一切の因果関係がない存在なのに
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 彼女は何の違和感もなく キミの世界に紛れ込んできた
- キュゥべえ: まあ、そもそも最初から 捜す必要さえなかったんだ
- キュゥべえ: 手間を省いてくれたのは キミ自身なんだよ
- キュゥべえ: 暁美ほむら
- キュゥべえ: キミは以前から “円環の理”のことを
- キュゥべえ: “鹿目まどか”という名前で 呼んでいたからね
- ほむら: じゃあ、あの子はやっぱり…
- キュゥべえ: 唯一厄介だったのは…
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 鹿目まどかが 未知の力を発揮するそぶりを
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― まったく見せなかったことだ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 結界の主であるキミの記憶操作は
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― まどかに対しても 作用してしまったみたいだね
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 彼女は、キミを救済するという 目的だけでなく
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 自分自身の力と正体さえ 見失っていたようだ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― これでは手の出しようがない
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 鹿目まどかは 神であることを忘れ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 暁美ほむらは 魔女であることを忘れ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― おかげで、ボクらは
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― こんな無意味な堂々巡りに つきあわされることになった
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― まあ、気長に 待つつもりでいたけれど
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― キミが真相にたどり着いたことで ようやく均衡も崩れるだろう
- キュゥべえ: さあ、暁美ほむら
- キュゥべえ: まどかに助けを求めるといい
- キュゥべえ: それで彼女も思い出す
- キュゥべえ: 自分が何者なのか 何のためにここに来たのかを
- ほむら: インキュベーター あなたたちのねらいは何?
- キュゥべえ: もちろん、今まで 仮説にすぎなかった
- キュゥべえ: “円環の理”を
- キュゥべえ: この目で見届けることだよ
- ほむら: 何のために?
- ほむら: 好奇心なんて 理不尽だって言ってたくせに
- ほむら: まどかの存在を ただ確認するために
- ほむら: こんな大げさな段取りまで 用意するわけがない
- ほむら: まどかを支配するつもりね
- FILENAME: text_322023-2.txt
- キュゥべえ: 最終的な目標については 否定しないよ
- キュゥべえ: まあ、道のりは困難だろう
- キュゥべえ: この現象はボクたちにとって まったくの謎だった
- キュゥべえ: 存在すら確認できないものは 手の出しようがないからね
- ほむら: それで諦める あなたたちじゃないわ
- キュゥべえ: そうだね、観測さえできれば 干渉できる
- キュゥべえ: 干渉できるなら制御もできる
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― いずれボクたちの研究は
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― “円環の理”を 完全に克服するだろう
- キュゥべえ: そうなれば 魔法少女は魔女となり
- キュゥべえ: さらなるエネルギーの回収が 期待できるようになる
- キュゥべえ: 希望と絶望の相転移
- キュゥべえ: その感情から変換される エネルギーの総量は
- キュゥべえ: 予想以上のものだったよ
- キュゥべえ: やっぱり魔法少女は 無限の可能性を秘めている
- キュゥべえ: キミたちは 魔女へと変化することで
- キュゥべえ: その存在を全うするべきだ
- キュゥべえ: なぜ怒るんだい? キミには、もう関わりのない話だ
- キュゥべえ: 暁美ほむらの存在は完結した
- キュゥべえ: キミは過酷だった運命の果てに
- キュゥべえ: 待ち望んでいた存在と 再会の約束を果たす
- キュゥべえ: これは幸福なことなんだろう?
- ほむら: いいえ
- ほむら: そんな幸福は求めてない
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― そんな…
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 自ら呪いを募らせるだなんて 何を考えているんだ?
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 浄化が間に合わなくなるよ!
- ほむら: 今のあなたが 知るはずもないけれど
- ほむら: 私はね、まどかを救う…
- ほむら: ただそれだけの祈りで 魔法少女になったのよ
- ほむら: だから今度も同じこと…
- ほむら: まどかの秘密が 暴かれるくらいなら
- ほむら: 私は、このまま魔女になってやる
- ほむら: もう二度と、インキュベーターに あの子は触らせない!
- キュゥべえ: キミはそんな理由で 救済を拒むのかい?
- キュゥべえ: このまま永遠の時を 呪いと共に過ごすつもりなのか?
- ほむら: ―ほむら― 大丈夫、きっとこの結界が 私の死に場所になるでしょう
- ほむら: ―ほむら― ここには 巴マミも佐倉杏子もいる
- ほむら: ―ほむら― 彼女たちを信じるわ
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― バカな…
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― この遮断フィールドの 内側で死ぬことが
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 何を意味するのか 分かっているのかい?
- キュゥべえ: 殻を破ることすら拒んで
- キュゥべえ: 卵の中で魔女として 完成してしまったら…
- キュゥべえ: キミは“円環の理”に 感知されることすらなく破滅する
- キュゥべえ: もう誰もキミの魂を 絶望から救えない
- キュゥべえ: キミは再び鹿目まどかと巡り会う チャンスを永久に失うんだよ?
- ほむら: 黙りなさい!
- キュゥべえ: キミにとっても 最悪の結末だろうに
- キュゥべえ: まったく、どうして人間の思考は こうも理不尽なんだい?
- 偽街の子供たち: Fort!Da!Fort!Da!
- ほむら: あっ…
- ほむら: ―ほむら― まどか?
- ほむら: ああっ!
- ほむら: これが魔女…
- ほむら: 私の感情が追いかけてくる…
- ほむら: 輝きと後悔だけしか…
- ほむら: もう思い出せない
- ほむら: ああ、これが私の…
- ほむら: ―ほむら― 絶望…
- ほむら: まどか、こんなところまで 迎えに来てくれてありがとう
- ほむら: 最後にお別れを言えなくて
- ほむら: ごめんね…
- FILENAME: text_322023-3.txt
- マミ: あれが…魔女?
- さやか: 怖がらないでやって
- さやか: ああ見えて、一番つらいのは あいつ自身なんだ
- 杏子: 笑えねえな
- キュゥべえ: 待ってくれ!
- キュゥべえ: あれは暁美ほむらなんだ キミたちは仲間と戦う気かい?
- まどか: キュゥべえ…
- 杏子: へえ、あんた 普通にしゃべれたんだ?
- マミ: 残念だわ、キュゥべえ
- マミ: これでもう、ベベの話を 信じるしかないみたいね
- キュゥべえ: まどか、キミなら ほむらを救えるはずだ
- キュゥべえ: キミが持っている本当の力に 気づきさえすれば
- さやか: ―さやか― そいつは、ほっときな、まどか
- さやか: ―さやか― 大丈夫、さっきあたしが 教えたとおりにやればいい
- さやか: ―まどか― う…うん
- ベベ: パ…パパパ…
- ベベ: パルミジャーノ レッジャーノ!
- さやか: 慌てなさんな
- さやか: あんたを外に出そうって わけじゃない!
- キュゥべえ: き…キミたちは、いったい…
- なぎさ: 私たちは かつて希望を運び
- なぎさ: いつか呪いを振りまいた者たち
- なぎさ: そして今は円環に導かれ この世の因果を外れた者たち
- さやか: こうすれば、あんたの目を盗んで 立ち回れると思ったのさ
- さやか: インキュベーター
- さやか: まどかだけに狙いを絞って まんまと引っ掛かってくれたわね
- キュゥべえ: そんな…
- キュゥべえ: じゃあ キミたちもまた“円環の理”…
- さやか: まあ、要するに かばん持ちみたいなもんですわ
- さやか: ―さやか― まどかが置いていった記憶と力を
- さやか: ―さやか― 誰かが運んであげなきゃ ならなかったからね
- なぎさ: いざとなったら
- なぎさ: 私か、さやかか どっちか無事な方が
- なぎさ: 預かっていた本当の記憶を まどかに返す手はずだったのです
- さやか: ほむら1人を迎えに行くのに
- さやか: 3人がかりなんてね
- さやか: ずいぶんと 手間かけさせてくれたもんだけど
- さやか: まあ、あいつのためなら しかたないか
- さやか: ここまで 頑張ってきたヤツには
- さやか: それなりのご褒美があっても いいもんね
- まどか: さやかちゃん…
- マミ: ―マミ― 鹿目さん
- マミ: ―マミ― 私たちもいくわよ!
- まどか: ―まどか― は…はい!
- まどか: はっ!
- ほむらの声: やめて…もうやめて!
- ほむらの声: 私は、この世界で 死ななきゃならないの!
- さやか: だ~か~ら
- さやか: 1人で背負い込もうと するなってぇの!
- 杏子: チッ、訳分かんねーことに 巻き込みやがって
- 杏子: ―杏子― 胸くそ悪くなる夢を見たんだ
- 杏子: ―杏子― あんたが死んじまう夢を
- 杏子: ―杏子― でも本当はそっちが現実で
- 杏子: ―杏子― 今こうして 2人で戦ってるのが夢だって…
- 杏子: ―杏子― そういうことなのか?さやか
- さやか: ―さやか― 夢っていうほど 悲しいものじゃないよ、これ
- さやか: ―さやか― 何の未練も ないつもりでいたけれど
- さやか: ―さやか― それでも
- さやか: ―さやか― 結局、こんな役目を引き受けて 戻ってきちゃったなんて
- さやか: ―さやか― やっぱりあたし… 心残りだったんだろうね
- さやか: ―さやか― あんたを 置き去りにしちゃったことが…
- なぎさ: なぎさは、もう一度
- なぎさ: チーズが食べたかった だけなのです!
- さやか: おい、こら!空気読めっての!
- 杏子: フッ
- 杏子: バッカ野郎!
- マミ: ティロ・フィナーレ![6200_hit_explosion_01_vh]
- まどか: ほむらちゃん
- ほむらの声: 『やめて…まどか…』
- なぎさ: 見えた!
- なぎさ: インキュベーターの封印なのです!
- さやかの声: ―さやかの声― あれを壊せば、あんたは 自由になれるんだ、ほむら
- さやかの声: ―さやかの声― インキュベーターの干渉を 受けないまま
- さやかの声: ―さやかの声― 外の世界で、本当のまどかに会える!
- ほむらの声: 『ああ…』
- FILENAME: text_322023-4.txt
- まどか: 「ダメだよ、ほむらちゃん」
- まどか: 「独りぼっちにならないでって 言ったじゃない」
- ほむらの声: まどか…
- まどかの声: 何があっても、ほむらちゃんは ほむらちゃんだよ
- まどかの声: わたしは絶対に見捨てたりしない
- まどかの声: だから諦めないで
- ほむら: ごめんなさい… 私が意気地なしだった
- ほむら: もう一度、あなたと会いたいって その気持ちを裏切るくらいなら
- ほむら: そうだ…私は どんな罪だって背負える
- ほむら: どんな姿に成り果てたとしても きっと平気だわ
- ほむら: あなたが そばにいてくれさえすれば…
- まどか: さあ、ほむらちゃん、一緒に…
- ほむら: ―ほむら― ええ
- まどか: ―まどか― ほむらちゃん、怖くない?
- ほむら: ううん、大丈夫
- ほむら: もう私は、ためらったりしない…
- キュゥべえたち: 訳が分からないよ
- 杏子: 行っちまったのか?
- 杏子: さやかも、あんたのベベも…
- マミ: いいえ
- マミ: ―マミ― 今、ようやく 彼女を連れて行くところよ
- 杏子: ―杏子― あれが鹿目まどか?
- マミ: ―マミ― ええ
- マミ: ―マミ― いつか私たちを導く“円環の理”
- まどか: そうだった
- まどか: わたしは、ほむらちゃんのために…
- まどか: こんな大事なこと 忘れてたなんて…
- さやか: ―さやか― まあ、よけいな邪魔が 入ったからね
- さやか: ―さやか― ちょっとした回り道に なっちゃったかな
- なぎさ: ―なぎさ― やれやれなのです
- まどか: 待たせちゃって、ごめんね
- まどか: 今日まで ずっと頑張ってきたんだよね
- ほむら: まどか…
- まどか: さあ、行こう
- まどか: これからは、ずっと一緒だよ
- ほむら: ええ、そうね
- ほむら: この時を…
- ほむら: 待ってた…
- まどか: ―まどか― あっ…ほむらちゃん?
- ほむら: ―ほむら― やっと…
- ほむら: ―ほむら― 捕まえた
- 杏子: お…おい!
- マミ: な、何よ、これ…暁美さん?
- なぎさ: ソウルジェムが呪いよりも おぞましい色に…
- さやか: 何なの、あれ?欲望?執念?
- さやか: いや、違う…
- さやか: 暁美ほむら、あんたいったい…
- ほむら: 理解できないのも当然よ
- ほむら: ええ、誰に分かるはずもない
- ほむら: この思いは私だけのもの
- ほむら: まどかのためだけのもの
- まどか: ほむらちゃん、ダメ…
- まどか: ―まどか― わたしが裂けちゃう!
- ほむら: ―ほむら― 言ったはずよ、まどか
- ほむら: ―ほむら― もう二度と、あなたを放さない
- FILENAME: text_322023-5.txt
- キュゥべえ: 世界が書き換えられていく
- キュゥべえ: この宇宙に新しい概念が 誕生したというのか?
- ほむら: ―ほむら― そういえば あなたは覚えていなかったわね
- ほむら: ―ほむら― 私にとっては 2度目の光景だけれど
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 何が起きているんだ?
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 暁美ほむら キミは何に干渉しているんだ?
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 何を改竄してしまったんだ?
- ほむら: 『フッ』
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 信じられない…
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― 呪いに染まったソウルジェムが 消え去るはずのキミの魂が…
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― なぜ?
- ほむら: ―ほむら― 思い出したのよ
- ほむら: ―ほむら― 今日まで何度も繰り返して 傷つき苦しんできたすべてが
- ほむら: ―ほむら― まどかを思ってのことだった
- ほむら: ―ほむら― だからこそ、今はもう 痛みさえ、いとおしい
- ほむら: ―ほむら― 私のソウルジェムを濁らせたのは もはや呪いでさえなかった
- キュゥべえ: それじゃあ、いったい…
- ほむら: ―ほむら― あなたには 理解できるはずもないわね
- ほむら: ―ほむら― インキュベーター
- ほむら: ―ほむら― これこそが人間の感情の極み
- ほむら: ―ほむら― 希望よりも熱く 絶望よりも深いもの…
- ほむら: 愛よ
- キュゥべえ: キミは、いったい何者なんだ?
- キュゥべえ: 魔法少女でも、魔女でもなく
- キュゥべえ: いったい、どこに たどり着こうとしてるんだ?
- ほむら: そうね…
- ほむら: 確かに、今の私は魔女ですらない
- ほむら: あの神にも等しく 聖なるものを貶めて
- ほむら: むしばんでしまったんだもの
- ほむら: そんなまねができる存在は
- ほむら: もう悪魔とでも 呼ぶしかないんじゃないかしら?
- キュゥべえ: これではっきりした
- キュゥべえ: キミたち人類の感情は 利用するには危険すぎる
- キュゥべえ: こんな途方もない結末は
- キュゥべえ: ボクたちでは制御しきれない
- ほむら: あら、そう
- キュゥべえ: ―キュゥべえ― うわっ!
- ほむら: でもね
- ほむら: 私たちの世界に沸いた 呪いを処理するには
- ほむら: これからも あなたたちの存在が必要なの
- ほむら: ―ほむら― 協力してもらうわよ
- ほむら: ―ほむら― インキュベーター
- さやか: ―さやか― あんたは、何をしたか 分かってるの?
- ほむら: その様子だと何があったのか 理解しているみたいね
- ほむら: 美樹さやか
- さやか: あんたは“円環の理”の一部を もぎ取っていったんだ!
- さやか: 魔法少女の希望だった 救済の力を…
- ほむら: 私が奪ったのは ほんの断片でしかないわ
- ほむら: まどかが、まどかでなくなる前の 人としての彼女の記録だけ
- ほむら: どうやら、あなたたちまで 巻き添えになって
- ほむら: 元の居場所に帰れなくなって しまったようだけれど
- さやか: いったい何の権利があって こんなまねを!
- ほむら: 今の私は“魔”なるもの
- ほむら: ―ほむら― 摂理を乱し この世界を蹂躙する存在
- ほむら: ―ほむら― 神の理にあらがうのは 当然のことでしょう?
- さやか: ―さやか― あんたは、この宇宙を 壊すつもりなの?
- ほむら: すべての魔獣が滅んだあとは
- ほむら: それもいいかもね
- ほむら: その時は改めて
- ほむら: あなたたちの敵に なってあげる
- ほむら: ―ほむら― でも美樹さやか
- ほむら: ―ほむら― あなたは私に立ち向かえるの?
- ほむら: ―ほむら― 今でも徐々に記憶は
- ほむら: ―ほむら― 変わりつつあるでしょう?
- なぎさ: フフフ…アハハ…
- さやか: あたしは、確かに もっと大きな存在の一部だった
- さやか: この世界の外側の力と つながっていたのに…
- さやか: 今はもう あの感覚を取り戻せない
- さやか: ここじゃない、どこかに いたはずなのに…
- ほむら: もっと素直に、再び人間としての 人生を取り戻せたことを
- ほむら: 喜べばいいんじゃないかしら
- ほむら: いずれは 何が起こったのかも忘れて
- ほむら: 違和感すら感じなくなるわ
- さやか: だとしても これだけは忘れない…
- さやか: 暁美ほむら、あんたが 悪魔だってことは!
- ほむら: せめて普段は 仲よくしましょうね
- ほむら: あまりケンカ腰でいると “あの子”にまで嫌われるわよ
- FILENAME: text_322023-6.txt
- 早乙女先生: 「女子の皆さんは、くれぐれも」
- 早乙女先生: 「半熟じゃなきゃ食べられな~いとか 抜かす男とは交際しないように!」
- 早乙女先生: 「そして男子の皆さんは、絶対に」
- 早乙女先生: 「卵の焼き加減にケチをつけるような 大人にならないこと!」
- 早乙女先生: はい、あとそれから
- 早乙女先生: きょうは皆さんに 転校生を紹介します
- 早乙女先生: 鹿目さん、いらっしゃ~い
- まどか: えっと、はじめまして 鹿目まどかです
- まどか: ママ…母の海外出張で
- まどか: 家族みんなで3年間 アメリカにいたんですけど
- まどか: 先週ようやく 見滝原に帰ってきたので
- まどか: 今日からは、この学校で 皆さんと一緒にお世話になります
- まどか: その… よ、よろしくお願いします!
- ほむら: 私は、暁美ほむら はじめまして、鹿目まどかさん
- ほむら: まどかって 呼んでもいいかしら?
- まどか: えっ?う…うん
- ほむら: 早速だけど 校内を案内してあげるわ
- ほむら: ついてきて
- まどか: あ…暁美さん?
- ほむら: ほむらでいいわ
- まどか: ほむら…ちゃん?
- まどか: あの…その…どうしてわたしを?
- ほむら: 久しぶりの故郷はどう?
- まどか: ええと、うん… 何だか懐かしいような
- まどか: でも何かが 違うなーっていうか…
- まどか: ちょっと変な気分
- ほむら: 無理もないわ 3年ぶりだものね
- まどか: いや…
- まどか: 結構、何も変わってないような 気もするの
- まどか: むしろ変わっちゃったのは どっちかっていうと
- まどか: わたしのような…
- まどか: そう…
- まどか: わたしには…
- まどか: もっと違う姿… 違う役目があったはず…
- まどか: それが、どうして…
- まどか: ―まどか― ああっ…
- まどか: ―まどか― ほむらちゃん!?
- まどか: ―まどか― ねえ、ちょっと…
- ほむら: ―ほむら― 大丈夫
- ほむら: ―ほむら― あなたは間違いなく 本当のあなたのままよ
- ほむら: ―まどか― えっ?
- ほむら: 鹿目まどか
- ほむら: あなたは この世界が貴いと思う?
- ほむら: 欲望よりも秩序を大切にしてる?
- まどか: えっ…
- まどか: それは、えっと…その…
- まどか: わ…わたしは貴いと思うよ
- まどか: やっぱり自分勝手に ルールを破るのって
- まどか: 悪いことじゃないかな…
- ほむら: そう…
- ほむら: なら、いずれ あなたは私の敵になるかもね
- まどか: えっ…
- ほむら: ―ほむら― でも構わない
- ほむら: ―ほむら― それでも…
- ほむら: ―ほむら― 私はあなたが 幸せになれる世界を望むから
- まどか: ―まどか― えっ… ほ、ほむらちゃん?あの…
- ほむら: やっぱり
- ほむら: あなたの方が似合うわね
- まどか: えっ…
- ほむら: フフッ
Add Comment
Please, Sign In to add comment