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- FILENAME: text_905101-010.txt [Day 1]
- 貫かれ
- 引き裂かれ
- 意識が消える
- ジリリリリリ!
- まばゆ: ぎゃあああああああッ!!
- まばゆ: ゆ…夢?
- まばゆ: じゃ…ない、ですよね…
- まばゆ: 今のは、夢じゃなくて 実際にあった出来事で…
- まばゆ: 私は、一度死にました
- まばゆ: でも、また目を覚ますことが できたということは…
- まばゆ: あの時の私の判断は 間違っていなかった
- FILENAME: text_905101-020.txt
- まばゆ: (あの時、私が視た未来…)
- まばゆ: (あれはたぶん、私の魔法です)
- まばゆ: (私は、相手の目の中に 未来が視える…)
- まばゆ: (これ、すごくありません!?)
- まばゆ: (時間操作もすごいですけど 未来が先にわかるなら…)
- まばゆ: (ふふふ…なんだか無限の 可能性が広がってきましたよ)
- まばゆ: (これならきっと、暁美さんも 私を利用する価値があるはず)
- まばゆ: (鹿目さんの契約を阻止するにも 一役買っちゃったりして)
- マミ: おはよう
- マミ: ねえ、 昨日借りた本なんだけれど…
- まばゆ: (みなさん、いつもと変わらぬ 朝ですが…)
- まばゆ: (私は我ながら、どうも 気が気じゃないようです)
- まばゆ: …………
- まばゆ: (まだちょっと怖いですけど…)
- まばゆ: 行ってみますか
- FILENAME: text_905101-030.txt
- まばゆ: あ、あのう…
- まばゆ: 暁美…さん?
- ほむら: もう来たの?
- まばゆ: 早く…話しておいた方が いいと思って
- ほむら: 迂闊ね
- まばゆ: うかつ…?
- ほむら: 私は、これが最後の周回に するつもりよ
- ほむら: 好き勝手に学校を休んでいては 後々困るのはあなた
- ほむら: 復帰可能なレベルで 日常生活を続けることは必須よ
- まばゆ: あ…はい、気をつけます
- ほむら: …………
- まばゆ: …………
- ほむら: …前の周のことだけれど
- ほむら: あなたが飛び込まなければ 私は、命を奪われていた
- ほむら: …感謝しているわ
- まばゆ: あ、あの、それじゃあ…
- まばゆ: 私を、許してくれるんですか!?
- ほむら: …………っ
- まばゆ: (あ、まだ怒ってる?)
- ほむら: 今まであなたが覗いたものを 一切口外しないこと
- まばゆ: もちろんです!
- まばゆ: 暁美さんが、鹿目さんに対して ひとりで呟いていたこととか…
- ほむら: ストップ!
- ほむら: それは、忘れなさい わかったわね
- まばゆ: は、はい…気をつけます…
- まばゆ: (っていうか、一応暁美さん 年下ですよね?)
- まばゆ: (全然先輩の威厳ゼロじゃ ないですか…!?)
- まばゆ: (もう少しこう、私も心強い 味方だってアピールを…!)
- まばゆ: まあ、暁美さんも大船に 乗ったつもりでどうぞ
- まばゆ: 私が目覚めた未来予知があれば キュゥべえなんて余裕余裕
- まばゆ: きっちり先回りして、アイツに ぎゃふんと言わせてやりましょう
- まばゆ: 私が未来視で指示を出しますから しっかり従って…
- ほむら: そう上手くはいかないわ
- まばゆ: え…?
- ほむら: 未来を予知して、自在に結末を 変えられるなら…
- ほむら: 前回、あなたが犠牲になる 必要はなかったはずよ
- まばゆ: え、いや、でもあの時は、それが ベストと思ったっていうか…
- まばゆ: 暁美さんが生き残れば 時間を巻き戻すことができるし…
- まばゆ: 別の方法をとって、万が一 暁美さんが死んじゃったら…
- ほむら: その未来は回避され 無事に時間は巻き戻った
- ほむら: あなたがあの時下した判断は 正しかったわ、逆に…
- ほむら: あなたはあの時、あれ以外の 判断を下せなかった
- まばゆ: あ…
- まばゆ: そう…なんですか…?
- まばゆ: あの未来の中で、私は自分が 未来予知をしたと言った
- まばゆ: つまり…私が視た未来は 私が未来を視た未来…?
- まばゆ: 未来を視たときの行動を 新しく視たら、そしたら…
- まばゆ: うーん!わ、わからん! 頭がこんがらがってきました!
- ほむら: シンプルに考えればいいわ
- ほむら: あなたが視た、未来は変わらない
- まばゆ: …えっと、それって
- まばゆ: 未来を視る意味、あります?
- ほむら: あるわ
- ほむら: もし改良の余地があれば その未来は変わってしまう
- ほむら: あなたが視る未来は、最善を 尽くした先の未来ということよ
- まばゆ: わ、わかったような… わからないような…
- まばゆ: …っていうか暁美さん
- まばゆ: たったアレだけの情報で よくそこまで推測できますね?
- ほむら: 時間を操る能力に関しては 私の方が経験が多いわ
- ほむら: 魔法少女としてもね
- まばゆ: そりゃそうですけど…
- ほむら: いずれにせよ私には あなたの助けが必要よ
- ほむら: よろしく頼むわね、まばゆ
- まばゆ: あ…
- まばゆ: は、はいっ!こちらこそよろしく お願いします、ほ、ほ、ほ…
- ほむら: ?
- まばゆ: 暁美さん!
- ほむら: …………
- ほむら: ああ、そうだ あとひとつ…
- ほむら: 巴マミの事なんだけれども
- まばゆ: 巴さん!?
- ほむら: 魔法少女をしている あなたのクラスメイトよね?
- まばゆ: え…ええ、そうなんですけど…
- ほむら: 何か、気になることでも?
- まばゆ: 理由は私も よくわかんないんですけど…
- まばゆ: 前に一度巴さんに、近づくなって 脅されたことがあって
- まばゆ: あれって、なんででしょうか?
- ほむら: …魔法少女は、グリーフシードを 奪い合うライバルよ
- ほむら: 緊張関係があって当然だわ
- まばゆ: そうなんですかね…
- ほむら: それに 前々周のことだったかしら?
- ほむら: 彼女が駅で取り乱したところ あなたも見ていた?
- まばゆ: あの…美樹さんが 魔女になった時…?
- マミ: ソウルジェムが魔女を生むなら…
- マミ: みんな死ぬしかないじゃない! あなたも私も!
- まばゆ: 魔法少女が魔女になる運命を 知って、急に絶望して…
- ほむら: 彼女に真実を伝えれば また同じことが起こりかねない
- ほむら: 巴マミが近づけば、それだけ 悲劇の危険が高まるの
- ほむら: できる限り、彼女と距離を取って
- まばゆ: わかりました
- FILENAME: text_905102-040.txt [Day 2]
- まばゆ: (さてさて、再び鹿目さんの 家の近くにやってきましたが…)
- まばゆ: (とうとう、暁美さんとの 共同作業が始まるわけですね!)
- まばゆ: (それにしても… 暁美さん、すごいなあ)
- まばゆ: (ひと目見ただけで、私の魔法の 特性もしっかり見抜いて)
- まばゆ: (私も、頭脳労働には多少 自信があったんですが…)
- まばゆ: (うう…負けてはいられません)
- まばゆ: (なんとかして、暁美さんの 力にならなければ…)
- まばゆ: (で、そのためにも…)
- キュゥべえ: …………
- まばゆ: (いた!)
- ほむらの声: まばゆ
- まばゆ: あ…暁美さん?
- ほむら: わざわざ見に来たの?
- まばゆ: あ…はい 一応…
- ほむら: 問題ないわ
- カチッ
- ほむら: もう契約なんてさせない
- ほむら: まどかは絶対に…私が守り切る!
- カチッ
- キュゥべえ: !?
- まばゆ: ううう…いつ見ても、グロい…
- ほむら: この程度、こいつにとっては なんでもないはずだわ
- ほむら: さあ、まばゆ 自宅に戻ってちょうだい
- ほむら: 私は引き続き、まどかを 見守り続けるから
- ほむら: 例の作戦で よろしく頼むわよ
- まばゆ: は、はいっ!
- FILENAME: text_905102-050.txt
- まばゆ: おお…なるほど…
- まばゆ: この映画、ちょっとずつ細部が 変わるようになって…
- まばゆ: いやでも、結局 役者さんの動きですよね
- まばゆ: 走る姿って言うのは どうしてこうも魅力的に…
- キュゥべえの声: キミは映画が好きなのかい?
- まばゆ: !?!?!?!?
- まばゆ: なななななな、なんですか!? ネコ?ネズミ?クマ?
- まばゆ: 謎の物体が、しゃべって… いや、しゃべってない?え!?
- キュゥべえ: ボクの名前はキュゥべえ キミの心に直接話しかけているよ
- まばゆ: テレパシー、ですか?
- まばゆ: ということは…やっぱり…
- まばゆ: 神様の、お告げ通りだ!
- キュゥべえ: 神様のお告げ?
- キュゥべえ: どういうことかな?
- まばゆ: 私、今朝、夢で見たんです
- まばゆ: 私の元に、これから神の遣いが 現れるって!
- まばゆ: その神の遣いは、私の力を借りて 悪魔に近づこうとする…
- まばゆ: だが、悪魔に近づこうとすれば 神の遣いは命を奪われる…と
- キュゥべえ: それはなかなか、興味深いね
- キュゥべえ: キミは、神に仕える魔法少女と 自分を認識しているのかな?
- まばゆ: …………?
- まばゆ: 魔法少女って、なんですか?
- キュゥべえ: …なるほど
- キュゥべえ: どうやら色々、探らなければ ならないことがあるようだ
- FILENAME: text_905103-030.txt [Day 3]
- まどか: 仁美ちゃん、今日は確か…
- 仁美: はい、日本舞踊のお稽古が ありますの
- まどか: そっか それじゃ、ここでお別れだね
- さやか: あ、まどか、ごめん!
- さやか: 今日はあたしも用事があってさ
- まどか: あ…そうなんだ
- さやか: ごめんねー
- まどか: ううん、特に何かが あったわけじゃないから
- まどか: それじゃ、バイバイ
- 仁美: ごきげんよう
- さやか: また明日ー
- まどか: …………ふぅ
- まばゆ: ここで3人が別れる… これも、前回と変わらない展開
- まばゆ: …そうですね、暁美さん
- ほむら: ええ、そうよ
- まばゆ: ちなみにキュゥべえは?
- ほむら: 一度だけ、姿を見せたわ
- ほむら: 私が穴だらけにしたけれど
- まばゆ: あははははは…
- ほむら: それ以来、近づいてこないみたい 「お告げ」の効果は抜群ね
- まばゆ: いやあ、やってみるもんですねぇ
- まばゆ: まさかキュゥべえにあんな ハッタリが効くなんて
- まばゆ: 私、嘘だのお芝居だのは 苦手なんですけど…
- ほむら: あれは人間と異なるロジックで 行動しているわ
- ほむら: 人間ならまともに取り合わない 情報でも…
- ほむら: あの生物なら、区別がつかない
- まばゆ: このまま見逃してくれると いいんですけどね
- ほむら: どうかしら
- ほむら: さあ、それよりも…
- まばゆ: あ…はい!
- まばゆ: えっと…準備はいいですか
- ほむら: ええ、いいわよ
- まばゆ: それじゃあ…失礼します!
- ほむら: …どう?
- まばゆ: はい、しっかり視えました やっぱり、推測通り…
- まばゆ: あのネコ…エイミーを轢いた車の 暴走は、魔女のせいです!
- FILENAME: text_905103-035.txt
- まばゆ: たしか、未来予知の中では このあたり…
- まばゆ: あった!ここです
- ほむら: ただの使い魔みたいね
- ほむら: 魔力は無駄にできないわ すぐに片づけるわよ
- まばゆ: 大丈夫です
- まばゆ: 私にはすでに 結末が視えてますから
- まばゆ: 今回は、時間を止めるまでも ありませんよ
- ほむら: …お手並み拝見
- まばゆ: 暁美さん 右、左、左、右、です!
- ほむら: 右…
- ほむら: 左…
- ほむら: 左…
- ほむら: 右…
- まばゆの声: 跳んで…
- ほむら: ふっ!
- まばゆの声: フィニッシュ!
- ほむら: やあっ!
- まばゆ: やった!
- ほむら: 本当に、無駄な魔法を使わずに…
- ほむら: よくやったわね、まばゆ
- まばゆ: にひひひ…それほどでもない というか…
- まばゆ: ありがとうございます
- ほむら: でも、安心してる場合じゃない
- ほむら: いつキュゥべえが近づくか わからないわ
- ほむら: 早くまどかのところに 戻りましょう
- FILENAME: text_905103-040.txt
- まどか: ほらほら、エイミー、おいでー
- まどか: キミの大好きな、チキン味の カリカリだよ?
- エイミー: なーご
- まどか: ふふ、ようやく心を許してくれる ようになったねぇ…よしよし
- まばゆ: 近くにキュゥべえの気配はナシ
- まばゆ: 魔法少女の契約もしていない ようですね
- まばゆ: 我々は無事に、鹿目さんの運命を 変えることが…!
- まばゆ: ん?暁美さん?
- まどか: ほらほら、うふふふふ エイミーはかわいいなぁ…
- ほむら: …………
- まばゆ: 暁美さん
- まばゆ: 良かったですね
- ほむら: ええ、そうね
- ほむら: 近くにキュゥべえの気配はなし 魔法少女の契約も未然に防げた
- ほむら: まどかの運命を変えることが できたみたいね
- まばゆ: (それ、さっき私が言ったのと 全く同じですけど!)
- まばゆ: (やっぱり、鹿目さんに気を とられてましたね…)
- ほむら: でも、油断は禁物よ
- ほむら: キュゥべえが、これで契約を 諦めたとは思えないわ
- まばゆ: にひひ、それは心配いりませんよ
- まばゆ: なんて言っても、私の 未来予知能力がありますからね
- まばゆ: しかも、繰り返す必要もなく いきなり最適解が視えてしまう!
- ほむら: そう上手くはいかないでしょう ソウルジェムをご覧なさい
- まばゆ: あ…あれ
- まばゆ: 濁ってる…
- ほむら: これは予備よ 使いなさい
- まばゆ: あ…
- まばゆ: ありがとうございます
- ほむら: 未来視は当然魔力を使うわ
- ほむら: 全ての未来の瞬間を 予知し続けることはできない
- ほむら: 使うべき所をきちんと見定める 必要があるわ
- まばゆ: 確かに…
- ほむら: あなたの魔女化を防ぐために やり直すなんてごめんだわ
- ほむら: 使いどころは、きちんと考えて いきましょう
- FILENAME: text_905104-010.txt [Day 4]
- キュゥべえの声: どうやら、キミの言っている ことは本当かもしれない
- キュゥべえの声: この町には、鹿目まどかという 魔法少女候補がいるのだけれど
- キュゥべえの声: 彼女に近づこうとするたびに 何者かが邪魔をするんだ
- まばゆ: 何者か…?
- まばゆ: それって、なんですか?
- キュゥべえの声: わからない
- キュゥべえの声: 基本的には 銃弾のようだけれども…
- キュゥべえの声: 虚空から突然現れて ボクに襲いかかるんだ
- キュゥべえの声: あんな現象は 今まで見たことがないよ
- まばゆ: ということは、やっぱり 神様のお告げだったんですね…!
- まばゆ: 触らぬ悪魔に祟りなし くわばらくわばら…!
- まばゆ: (にひひひ… 騙されてる、騙されてる…)
- キュゥべえの声: キミは魔法が使えない と言っていたね
- キュゥべえ: もしかしたらその神託は 魔法の一種なのかも知れない
- まばゆ: 神託…?
- キュゥべえ: 魔法少女は契約の時に 願い事を叶える
- キュゥべえ: その願い事が、使える魔法に 影響してくるんだ
- まばゆ: (あ…あれ?)
- まばゆ: (それって、もしかして お母さんと関係あるのかな?)
- FILENAME: text_905106-010.txt [Day 6]
- 先生: いいかみんな!10分後に この場所に集合だからな
- 先生: トイレなんかはちゃんと 済ませておくように!
- まばゆ: (さてさて、またしても この日がやってきましたね)
- まばゆ: (前回までの私とは ひと味違いますよ)
- まどか: さやかちゃーん
- まどか: どこに行っちゃったのー?
- さやか: まどか…?
- まどか: さやかちゃん!
- さやか: あー、よかったぁ
- さやか: また変なところに 迷い込んじゃってさぁ
- まどか: ここ、去年も迷ったよね?
- さやか: うんうん、あったあった で、帰り道は?
- まどか: えっと…
- まどか: わかんなくなっちゃった…かも
- さやか: ええええええっ!
- さやか: それって、去年と同じじゃない!
- まどか: ごめんね…
- さやか: あー、いや、まどかのせいじゃ ないんだけどさ
- さやか: それに、去年と同じなら また誰か親切な人が…
- まばゆ: おっと、おふたりとも 道に迷いましたか?
- さやか: ほ、ほんとにいたっ!?
- まどか: えっと…見滝原中学校の 生徒さん、ですか?
- まばゆ: ええ、ええ、よくここで道に 迷う方がいるんですよ
- まばゆ: バスはあっちですから 早く向かった方がいいですよ
- まどか: ありがとうございました!
- さやか: 助かりました!
- まばゆ: はい、はい お気をつけて~
- まばゆ: …これでよし、と あとは…にひひひ
- まばゆ: 今度こそは、負けませんよ!
- FILENAME: text_905106-030.txt
- まばゆ: ぎゃあああああ!! すいませんでしたあ!!
- まばゆ: 全然勝てないぃ!!脳内で散々 シミュレーションしたのにぃ!!
- まばゆ: ヘルプ、ヘルプヘルプー!!
- カチッ
- ほむら: はぁ…
- ほむら: 自分ひとりでやるっていうから 任せてみれば…
- まばゆ: 調子に乗ってすみません…
- まばゆ: 敵のパターンがわかるから なんとかなるかなーって…
- まばゆ: でも、そもそも地力が足りません でしたね、反省…
- ほむら: 基本的な考えは 間違っていないわ
- ほむら: グリーフシードは できる限り温存するべき
- ほむら: ワルプルギスの夜を 超えるためにはね
- まばゆ: でも、暁美さん
- まばゆ: 未来予知は使わせてもらいますよ
- まばゆ: 前回みたいなことは 起こって欲しくないから
- ほむら: …………
- ほむら: そうね
- ほむら: お願いするわ
- まばゆ: はい それでは…
- まばゆ: …視えました
- ほむら: それで、どう?
- まばゆ: 基本的には前回と同じ 距離をとっておけば大丈夫です
- まばゆ: 最後に、体の一部が 飛びかかりますから
- まばゆ: 私がそれを切り裂いて フィニッシュ
- ほむら: 今度は、あなたも 生き残れるわね?
- まばゆ: もちろんです
- ほむら: いいわ それじゃあ…
- カチッ
- ほむら: 行くわよ!
- まばゆ: はいっ!
- まばゆ: (前回とは、違う!)
- まばゆ: (暁美さん・鹿目さんのコンビ までとは言いませんが…)
- まばゆ: (私だって立派に、戦える!)
- まばゆ: (一応、魔法少女なんです!)
- ほむら: ラストッ!行くわよ!
- カチッ
- カチッ
- まばゆ: チョッキン!!
- まばゆ: や…やった!!
- まばゆ: やりましたね、暁美さん!
- ほむら: ええ、上手くいったわ
- まばゆ: 時間操作と未来予知… これってチート級ですよね?
- まばゆ: 私たちが組めば怖いものなんて…
- ほむら: 怖いもの…
- ほむら: 待って!
- まばゆ: …? どうしたんですか、暁美さん
- ほむら: 早く、まどかのところへ…!
- さやか: 何コレ? リス…じゃないよね
- まどか: ウサギ…かな?
- キュゥべえ: …………
- さやか: えっ、ナニナニ!?
- まどか: 今、しゃべった!?
- キュゥべえ: …………
- さやか: それって、テレパシー?
- まどか: 魔法少女って、なに…?
- ほむら: 離れて、まどか!
- キュゥべえ: おや…
- キュゥべえ: 暁美ほむら、やはり 邪魔していたのはキミかい?
- まどか: 邪魔?
- ほむら: キュゥべえの言葉は信じないで
- まどか: ええと…暁美さん? はじめまして…だよね?
- ほむら: …………
- キュゥべえ: 後ろにいるのはまばゆだね?
- キュゥべえ: 魔女と戦っている瞬間を狙って 声をかけたんだけれども…
- キュゥべえ: やはり、キミたちは一緒に組んで ボクを邪魔していたのかい?
- まばゆ: ば、バレちゃってる…!
- まばゆ: どうしましょう、暁美さん!?
- ほむら: …………
- ほむら: まどか
- まどか: なんですか?
- ほむら: これからキュゥべえは あなたにあらぬ事を吹き込むわ
- ほむら: 願い事をひとつ叶えるのと 引き替えに…
- ほむら: あなたに、取り返しのつかない 代償を支払わせようとする
- まどか: 代償…?
- ほむら: 魔法少女は、魔女と命懸けで 戦う存在よ
- ほむら: そんな危険を負ってまで叶えたい 願いが、あなたにはあるの?
- まどか: それは…
- ほむら: あなたを大切にしている人を 悲しませないようにしなさい
- まどか: …………
- FILENAME: text_905106-060.txt
- まばゆ: はぁ…
- まばゆ: 警戒はしているつもり でしたけれど…
- まばゆ: キュゥべえに、見事に 隙を突かれてしまいましたね
- ほむら: 魔女を倒す必要がある以上 いずれこうなるとは思っていたわ
- まばゆ: いっそ、あそこで時間を止めて キュゥべえを排除したら…
- ほむら: まどかはもう魔法少女の存在を 知ってしまった
- ほむら: キュゥべえを殺したところで 今更何にもならないわ
- ほむら: むしろ、私たちに不信感を 抱かせてしまうだけ
- まばゆ: まあ…それもそうですか
- まばゆ: キュゥべえは一見 かわいいマスコットですからね
- ほむら: まどかは純粋で 他人を信じすぎるのよ
- まばゆ: 人じゃないですけどね アイツは
- ほむら: いずれにせよ、私たちが やるべきことは決まっているわ
- ほむら: まずは、まどかに私たちの 言葉を信じさせること
- ほむら: キュゥべえの言葉を疑えば 契約は遠ざかるわ
- まばゆ: なるほど、確かに
- ほむら: ふたつ目は、彼女におかしな 願いを抱かせないこと
- まばゆ: え…でも、もうエイミーに 危険はないんじゃ…
- ほむら: まどかは純粋って言ったでしょう
- ほむら: 飼っているわけでもないネコに 自分の願いを使う子なのよ
- ほむら: きちんと見張る必要があるわ
- まばゆ: なるほど
- まばゆ: 妙な願い事をさせないためにも 魔女退治は重要ですね
- ほむら: そういうこと
- ほむら: あなたの力が必要よ 期待しているわ
- まばゆ: え、ええ…任せて下さい
- まばゆ: (なんかこう…面と向かって 頼りにされると、照れますね)
- FILENAME: text_905110-040.txt [Day 10]
- まばゆ: (ふぅ…疲れた…)
- まばゆ: (魔女って私が気づかない所で いっぱい出てたんですねぇ)
- まばゆ: (授業も休まず、お手伝いも きちんとやって…)
- まばゆ: (…あー、もう身体が イッコじゃ足りませんよ…)
- まばゆ: はぁ…
- まばゆ: (このレア物ビデオも、最初に 見たときは胸が高鳴りましたが)
- まばゆ: (今や単なるノルマというか 単純作業になっており…)
- まばゆ: (最初の感動みたいなものが どんどんと薄れてしまって…)
- まばゆ: (なんだかなぁ…)
- ほむらの声: まばゆ
- まばゆ: あ…暁美さん
- まばゆ: 今日から通学、ですね?
- ほむら: ええ、まどかと同じクラスよ
- まばゆ: がんばって 仲良くなってくださいよ
- まばゆ: あ、今日は通学路の方にも 魔女が出るんでしたっけ?
- ほむら: 向こうの方は 巴マミに任せたわ
- ほむら: だから私たちは こっちの戦いに集中しましょう
- まばゆ: わかりました、それじゃあ…
- まばゆ: 行きます!
- まばゆ: うわー、いっぱい出た
- ほむら: 惑わされてはダメよ
- ほむら: この敵はただの手下 奥には魔女の本体がいる
- まばゆ: ええ、わかってます
- まばゆ: ここで両方一気に仕留めれば コスパがいいってことですね
- ほむら: そういうこと
- ほむら: 行くわよ!
- まばゆ: えいっ!
- ほむら: まばゆ、無理は禁物よ
- まばゆ: わかってます
- まばゆ: 効率の良さが、信条ですから!
- ほむら: よし、このまま一気に魔女まで…
- まどか: 暁美さん!?
- さやか: げっ、な、なに、ここは!?
- まばゆ: 鹿目さんに、美樹さん…!?
- ほむら: ッ!
- カチッ
- ほむら: 未契約なのに ここまでたどり着くなんて…
- まばゆ: 今までになかった展開ですか
- まばゆ: ふたりを庇って 魔女を倒しきれるか…
- ほむら: 時間が無いわ
- ほむら: まばゆ、最適解を教えて
- まばゆ: わかりました
- まばゆ: それでは…
- まばゆ: …え
- まばゆ: これが…避け得ない未来?
- ほむら: まばゆ?どうしたの?
- まばゆ: いや、しかし、でも…
- ほむら: まばゆ!
- まばゆ: …………
- まばゆ: 今魔女を逃がしたら、他の 人々に危険が及ぶんですよね
- ほむら: ええ、そうよ
- まばゆ: …わかりました
- まばゆ: 暁美さん、一点突破です 狙うは魔女の本体だけ
- まばゆ: ありったけの弾を 撃ち切っちゃってください
- まばゆ: トドメに爆弾で、おしまいです
- ほむら: まどかたちは?
- まばゆ: 私が守ります
- まばゆ: 手下なら、ひとりでもなんとか
- ほむら: …頼んだわよ!
- まばゆ: さて、と
- まどか: わっ!?
- さやか: あ、あんた、いつの間に!?
- まばゆ: 余計なこと言わずに 下がっててください!
- まばゆ: 私もあんまり、自信がないんで!
- まどか: 自信って…
- まどか: きゃぁっ!
- さやか: ちょ、来るなッ!
- まばゆ: はっ!
- まばゆ: やっ!
- まばゆ: (ここで、向こうに移動っ!)
- まばゆ: たぁっ!
- まばゆ: はぁっ!
- まばゆ: (よし、完璧!)
- まばゆ: (暁美さんの時間停止に合わせて 私も手下に斬りつけて…)
- まばゆ: (そして、最後に…)
- まどか: なんか、たくさん来たっ!?
- まばゆ: (大丈夫、大丈夫!)
- まばゆ: (予知の中の私は ちゃんとできたから…)
- まばゆ: (私ひとりでも 命は守り切れるはず…っ!!)
- まばゆ: てやあああっ!!
- ほむら: これで…終わりよッ!!
- カチッ
- ほむら: …よし!
- ほむら: まどか、大丈夫!? ケガは…
- さやか: いだだだだっ!!
- まどか: さやかちゃんっ!! 大丈夫!?
- さやか: 大丈夫じゃないよ、コレ めちゃくちゃ、痛い…
- さやか: 骨、折れちゃってるかも… いだだだだ…
- まばゆ: ごめんなさい
- まばゆ: 精一杯やったんですけど ひとりじゃ、守り切れなくて…
- ほむら: …………
- まばゆ: 暁美さん…すみません
- ほむら: これが、あなたの見た 最適解…ってことね
- ほむら: まどか、これでわかったでしょう
- まどか: 暁美さん…?
- ほむら: 私たちは遊びでやって いるんじゃないわ
- ほむら: 魔女退治は命懸けなの
- ほむら: 命を捨てる覚悟もなしに キュゥべえと契約なんて…
- ほむら: 甘い考えは、いますぐ捨てて
- まどか: …………
- FILENAME: text_905110-050.txt
- まばゆ: 本当に、あれで 良かったんでしょうか…?
- ほむら: 骨折・入院で済んだのだから あなたが気に病むことはないわ
- ほむら: これに懲りて、美樹さやかも 契約を諦めるでしょう
- ほむら: まどかも、魔法少女の 危険を体感した
- ほむら: これからは、魔女に近づこうとは しないでしょうね
- まばゆ: でも…美樹さんは 私たちのせいで、ケガを…
- ほむら: 今時間を巻き戻したら あなたは別の行動をとる?
- ほむら: 美樹さやかのために、まどかが 危険に遭うかもしれないのよ
- まばゆ: …確かに、無理かも
- まばゆ: 私は、別の未来を選べない
- まばゆ: そんなリスクは、たとえ100回 やり直しても、犯せません…
- まばゆ: (運命は…変えられない)
- まばゆ: (それが、私の魔法)
- まばゆ: (…すごく、モヤモヤします)
- FILENAME: text_905113-010.txt [Day 13]
- まばゆの声: せいっ!
- まばゆの声: やぁっ!
- まばゆの声: ちょっきん!!
- まばゆ: にひひ、どうでしょう?
- ほむら: イマイチね
- まばゆ: Oh…
- まばゆ: キッパリ、言ってくれますね
- ほむら: あなたが強くなってくれれば 魔女退治の効率は上がるわ
- ほむら: 期待の裏返しと考えてちょうだい
- まばゆ: はいはい、わかってますよ
- ほむら: わかってない
- ほむら: あなたは まだハサミを使いこなせていない
- ほむら: まだまだ、あなたは自分の力を 引き出せるはずよ
- まばゆ: だといいんですけどねぇ…
- まばゆ: 暁美さんってば スパルタなんですから
- まどか: あ…あの…
- まばゆ: あっ、鹿目さん!?
- ほむら: こんなところに何の用事?
- まどか: 今日は、その… 相談があって来たの
- ほむら: 相談…?
- まどか: わたし、あれから色々考えたの
- まどか: 知らないところで 魔法少女が戦っていて
- まどか: 自分たちだって 危険なのに、それでも…
- まどか: 町の人たちの安全を 守っている…って
- まどか: わたしとか、さやかちゃんも 魔法少女がいなかったら…
- まどか: きっと、命がなかったんだって
- ほむら: そうよ だからあなたは大人しく…
- まどか: わたしが魔法少女になったら ほむらちゃんの力になれるかな?
- ほむら: …………
- まばゆ: (あ、これ、ヤバいやつだ)
- まどか: わたしって昔から得意な学科とか 人に自慢できる才能とかなくて
- まどか: きっとこれからこの先ずっと 誰の役にも立てないまま…
- まどか: 迷惑ばかりかけていくのかなって それが嫌でしょうがなかったの
- まどか: でも、ほむらちゃんたちと会って わたしたちを助けてもらって
- まどか: 同じことができるかも ってキュゥべえに言われて
- まどか: わたしも魔法少女になって ほむらちゃんの力に…
- ほむら: やめなさい!
- まどか: …っ
- ほむら: 足手まといなの
- ほむら: ただでさえ、ひとり 面倒を見なきゃいけないのに
- ほむら: あなたのことまで見ていられない
- まどか: でも…
- ほむら: 甘い考えは捨てて
- ほむら: あなたは、魔法少女になっても 皆を悲しませるだけなのよ!
- まどか: …………
- まどか: …ほむらちゃん、ごめんね
- ほむら: …………
- ほむら: …ごめん、まどか
- まばゆ: やっぱり…優しいですね 鹿目さんは
- ほむら: 優しすぎるわ
- まばゆ: でも、流れ弾で私を 足手まといにするのは…
- ほむら: …事実を言ったまでよ
- まばゆ: はぁ…きっつー
- まばゆ: あの三つ編みメガネのかわいい ほむらチャンはどこへ…
- ほむら: …頭に風穴を開けられたい?
- まばゆ: あはははは、ジョーダン ジョーダンですって!
- まばゆ: それじゃ、特訓の続き 始めましょうか
- ほむら: ええ、そうね
- まばゆ: (ふぅ…暁美さん、いつも 抱え込みすぎますからねぇ)
- まばゆ: (少しでも気を楽にさせて あげられるといいんですけど…)
- FILENAME: text_905115-025.txt [Day 15]
- まばゆ: あの…暁美さん?
- まばゆ: 鹿目さんは、魔法少女の件 諦めてくれました?
- ほむら: …はぁ
- ほむら: キュゥべえも、何かと あやしいことを吹き込んでいるわ
- ほむら: まだ迷っているようよ
- まばゆ: あー、そうなんですね
- まばゆ: 今のままだと 危ないんじゃないですかねぇ
- ほむら: …どういう意味?
- まばゆ: 危険を強調すれば、鹿目さん ますます暁美さんを心配しますよ
- まばゆ: もっと別のやり方で 説得するべきなのでは?
- ほむら: 何が言いたいの?
- まばゆ: 魔法少女になるということは 人間をやめること
- まばゆ: それを伝えれば、鹿目さんも さすがに諦めがつくでしょう
- ほむら: 本当に、そう思う?
- まばゆ: …どういう意味です?
- ほむら: 真実は時に危険を招く…
- ほむら: 一度知ってしまえば もう取り返しがつかないのよ
- ほむら: …………でも、そうね
- ほむら: もう、躊躇っている場合じゃ ないのかもしれない
- まどか: …………
- キュゥべえ: …………
- ほむら: …まどか?
- ほむら: こんなところに、どうして?
- まばゆ: ん?確か前の周も来てたんじゃ…
- まばゆ: あ、あの時鹿目さんは 魔法少女でしたか
- まばゆ: 巴さんと一緒に、魔女を探しに 来るならまだしも…
- まばゆ: なんで、ひとりで…?
- ほむら: 決まっているわ
- ほむら: キュゥべえが まどかを魔女の結界に導いてる!
- FILENAME: text_905115-030.txt
- ほむら: だめ…見失った…
- まばゆ: この音…魔女?
- ほむら: 急がないと! 音のする方は…
- まばゆ: 待って下さい! あっちの方に…
- ほむら: まどかッ!
- まばゆ: 鹿目さん!やっと見つけた…
- まどか: あ…ほむらちゃん よ、よかった…
- まどか: わたしが魔法少女になって 戦わなきゃならないかと思って…
- ほむら: …………
- ほむら: キュゥべえ また何か、吹き込んだのね
- キュゥべえ: ボクはただ事実を伝えただけだよ
- キュゥべえ: 今、病院に魔女の結界が 出現している
- キュゥべえ: もし魔女が暴れ出せば、多くの 病人に影響が出るかもってね
- ほむら: …………!
- まばゆ: 暁美さん!
- ほむら: …わかっているわ
- ほむら: こんなやつを相手にしても 時間の無駄
- ほむら: でも…
- まどか: ほむらちゃん、あの…わたしも…
- ほむら: …………
- ほむら: キュゥべえ
- キュゥべえ: なんだい、ほむら?
- ほむら: 魔女はどうやって生まれるの? 答えなさい
- キュゥべえ: …………
- ほむら: 黙っているつもり?
- キュゥべえ: 情報伝達の順番を 考えていただけさ
- キュゥべえ: そういえば、まだまどかには 伝えていなかったね
- キュゥべえ: 魔女は、魔法少女から生まれる
- まどか: え…?
- キュゥべえ: ソウルジェムが濁りきったとき 魔法少女は魔女になる
- まどか: 待って…そんな…
- ほむら: 一度魔法少女になれば 人間には戻れないわ
- ほむら: たとえ、どんな希望を胸に 魔法少女になったとしても…
- ほむら: いずれは絶望し、魔女となり 世界に危害を及ぼす運命なの
- ほむら: そんなものに あなたはなりたいと思う?
- ほむら: 一時の希望を叶えるために 絶望を受け入れる覚悟があるの?
- まどか: そんな…
- ほむら: 繰り返すわ
- ほむら: 甘い考えは、今すぐ捨てなさい
- まどか: …………
- まばゆの声: 暁美さん!
- ほむら: 出口はそこよ
- ほむら: さようなら、まどか
- まどか: …………
- まばゆ: 切り札を使いましたね
- まばゆ: これで、鹿目さんも諦めて くれるといいんですが…
- ほむら: …そう願っているわ
- まばゆ: あ…でも
- まばゆ: 鹿目さんが向こうに いたっていうことは…
- まばゆ: 中心部から響いてた この音って…
- ほむら: 余計なことを考えている 暇はない
- ほむら: 早く、魔女のところへ
- まばゆ: あ、未来予知…
- ほむら: 要らないわ
- ほむら: はぁっ!!
- カチッ
- ほむら: 悪いわね
- ほむら: あなたの動きは…
- ほむら: もう、何度も見ているの
- まばゆ: (本当です…!)
- まばゆ: (暁美さんは、もう何度も あの魔女と戦ってるんだ…)
- ほむら: さようなら
- カチッ
- まばゆ: えっ!?
- まばゆ: 暁美さん!!危ないッ!!
- ほむら: 大丈夫 全部、経験済
- ほむら: これで、終わり…
- ほむら: ――っ!?
- まばゆ: な、なんか…
- まばゆ: 魔女から、変なのが出てきて…
- ???: いたたたた…
- まばゆ: 女の子!?
- ほむら: なにが起こっているの? こんな展開、今までは…
- ほむら: あ…まさか…
- まばゆ: 暁美さん!
- ほむら: わかっているわ
- ほむら: ふぅ…
- ほむら: さて、と
- ほむら: そこのあなた、一体何者?
- ???: 人に名前を聞くときは 自分から名乗るのが礼儀なのです
- ほむら: いいから、教えなさい
- まばゆ: ま、まあまあ…
- まばゆ: 暁美さん、そんなに ムキにならないで
- まばゆ: 私の名前は、愛生まばゆです あなたのお名前は…?
- なぎさ: なぎさの名前は、なぎさなのです
- まばゆ: なぎさちゃんね あなたは一体、どこから…
- まどか: あ…あの…
- ほむら: …!!
- ほむら: まどか…
- ほむら: その格好は…やっぱり…
- まどか: ごめんね、ほむらちゃん
- まどか: わたし…キュゥべえと 契約、したの
- ほむら: どうして!? あんなに、言ったのに…!
- キュゥべえ: それがまどかの願いさ
- ほむら: まどかの願いって、まさか…!?
- なぎさ: …………?
- まどか: えっと…みんな
- まどか: 一度、場所を変えて話さない?
- ほむら: ええ、いいわ ただし…
- ほむら: キュゥべえ抜きでね
- FILENAME: text_905115-040.txt
- まどか: …………
- ほむら: …………
- なぎさ: ????
- まばゆ: (お…おう)
- まばゆ: (なかなか、キンチョー感の ある展開ですね…)
- まばゆ: (とくに、暁美さんが…)
- なぎさ: ほむらは怒っているのですか?
- ほむら: 怒っていないわ
- なぎさ: 怒っているのです
- ほむら: しつこいわよ
- なぎさ: なぎさが悪いのです?
- ほむら: …………
- まばゆ: (絶対怒ってる…)
- 咲笑: はいはい、いらっしゃ~い
- まばゆ: あ、咲笑さん
- 咲笑: まばゆちゃんがお友だちを連れて 来るなんて、うれしいわ~!
- まどか: あ、は、はい…
- ほむら: …………
- なぎさ: みんな、お友だちなのです?
- まばゆ: (このバチバチの空気を読まない 咲笑さん、ある意味すごい…)
- まばゆ: (私がボッチと思ってたから 突然の友だちに浮かれ気味ですか)
- 咲笑: 自慢のケーキ、さあどうぞ
- まどか: あ、ありがとう…ござ…
- まどか: わわっ
- なぎさ: こ、こ、これはっ!
- なぎさ: きらきら、ぴかぴか、 宝石箱みたいなのですっ!!
- まばゆ: (おっと、これは フルーツタルト!)
- まばゆ: (コレが出るなら、咲笑さん テンションMAXですね…)
- なぎさ: 食べちゃって、いいのです?
- 咲笑: どうぞどうぞ、召し上がれ
- なぎさ: い、いただきますなのです
- なぎさ: もぐもぐ…もぐもぐ…
- なぎさ: !!!!
- なぎさ: お、おいしい! ほっぺたがおちるのです!!
- 咲笑: ふふふふ、喜んでもらえると 私もうれしいわ~
- まばゆ: (ま、それにしても…)
- まばゆ: (この格好のなぎさちゃんを 見ても動じないなんて)
- まばゆ: (やっぱり咲笑さん、大物だ…)
- まばゆ: (まあ、おかげで空気も いくらかは和らぎましたけど…)
- ほむら: …………
- まばゆ: (暁美さんは、手をつけてない)
- ほむら: …それじゃあ そろそろ話しましょうか
- まどか: う…うん
- ほむら: 彼女は、何?あなたの願いと どう関係があるの?
- まどか: えっと、実は…
- まどか: ほむらちゃんに、魔女の正体が 魔法少女だって聞いたよね
- まどか: どの魔法少女も 最初は希望を抱いてたと思うんだ
- まどか: でも…もしもそれが絶望に 染められて、魔女になったなら…
- まどか: それって、ものすごく 悲しいことだなって思ったの
- まどか: ほむらちゃんが魔女をあのまま 倒してしまったら…
- まどか: 絶望は、ずっとそのままに なっちゃうんだなって
- ほむら: それじゃあ、やっぱり…
- まどか: わたしの願いは…
- まどか: あの魔女を、もう絶望させたくない
- まどか: 彼女の心残りを晴らして 未練から解き放ってあげたい
- ほむら: …………
- まばゆ: ということは、つまり…
- なぎさ: みんな、食べないのですか? なぎさがいただいちゃいますか?
- まばゆ: あの魔女が人間の頃の姿に 戻ったのが、なぎさちゃん?
- まどか: キュゥべえが言うには 人間とはちょっと違うみたい
- まどか: 本体から切り分けられた未練の 擬人化…みたいな感じなんだって
- まばゆ: なるほど、確かにずっと 魔法少女の格好ですし…
- まばゆ: 私たちみたいに、ソウルジェムが あるわけでもなさそうですしね
- まどか: ごめんね、ほむらちゃん
- まどか: 契約をしちゃだめだって それもよくわかるんだけど…
- まどか: でも、わたし、やっぱり…
- ほむら: …あなたが謝る必要はないわ これは私の落ち度だから
- ほむら: あなたの性格はわかっていた それなのに、私は…
- ほむら: …………!
- まばゆ: (めちゃくちゃ悔しがってる…)
- まばゆ: (まあ、当然ですよね…)
- まばゆ: (倒すはずの敵が、鹿目さんの 契約を招いたわけですし…)
- なぎさ: おなか空いてるのですか?
- ほむら: …え?
- なぎさ: おなかが空くと、イライラしたり ハァ…となったりするのです
- なぎさ: だからそういうときは、おいしい ものを食べるのがいいのです
- ほむら: 空腹なわけじゃないわ
- なぎさ: そんなこと言わないで 一緒に食べるので…
- ほむら: 要らないって言ってるでしょ!
- なぎさ: …っ
- まばゆ: あ…
- まどか: ほむらちゃん…
- ほむら: …………
- なぎさ: …………
- ほむら: ええ、わかったわ 食べるわよ
- なぎさ: 本当なのですか?
- ほむら: いただきます…あむ
- ほむら: ん…
- なぎさ: おいしいのです?
- ほむら: おいしいわ
- なぎさ: ほんとうなのです?
- ほむら: 本当よ
- なぎさ: どこがおいしいのです?
- ほむら: 桃の濃厚な甘みとか 対照的なキウイの酸味とか…
- ほむら: バナナのねっとりした食感も 苺の種のプチプチも…
- ほむら: それらが…サクッとしたタルトの 上で、一緒になって…
- ほむら: おいしい…
- なぎさ: 当然なのです
- なぎさ: 咲笑のケーキは、世界一なのです
- まばゆ: ずいぶんと大きく出ましたね
- まどか: でも、レコンパンスのケーキは ほんとにおいしいよ?
- 咲笑: うふふふ…そうでしょう?
- まばゆ: あ、聞いてました?
- 咲笑: よかったら、もっとお代わり していっていいのよ?
- まどか: あ、はい…ありがとうございます
- 咲笑: それで、なぎさちゃんだっけ?
- なぎさ: はいなのです
- 咲笑: そろそろ夜も遅くなって きちゃうんだけれど…
- 咲笑: なぎさちゃんのおうちは どこにあるのかな?
- なぎさ: なぎさのおうち…ですか?
- なぎさ: え、えっと…それは…
- 咲笑: それは?
- なぎさ: …………
- 咲笑: 困ってるなら 私がお家のひとに連絡を…
- まどか: ど、どうしよう…
- まどか: なぎさちゃんに、今、帰る家は ないと思うし…
- ほむら: 仕方ないわね 警察に保護してもらうしか…
- まどか: だ、だめだよ!
- まどか: そんな事したら、なぎさちゃんの 願いが叶えられない…!
- ほむら: まどか…
- まばゆ: あ、あのっ!!
- 咲笑: ?
- まばゆ: 咲笑さん、お願いします!
- まばゆ: ちょっとの間、なぎさちゃんを 面倒見てあげたいんです!!
- まばゆ: しばらくの間、ウチに泊めて あげられませんか!?
- 咲笑: ええ、いいわよ
- まばゆ: え…
- まどか: うそ…
- ほむら: 呆気なく…
- なぎさ: …………?
- 咲笑: でもその代わり、私から お願いがあるんだけれど…
- FILENAME: text_905115-060.txt
- なぎさ: ここが、まばゆの 部屋なのですか?
- なぎさ: きたないのです
- まばゆ: 容赦ないですねー
- まばゆ: 観念なさい、今日からあなたも この汚部屋の住人なのですよ
- なぎさ: まあいいのです
- なぎさ: コタツがあるのが 高評価なのです
- まばゆ: おっ!さすが わかってくれますか?
- 咲笑: ダメよ?ちゃんと寝るときは おふとんを敷いてね
- まばゆ: は、はーい…
- 咲笑: あと、夜更かしはしないこと
- まばゆ: はーい、わかってます
- まばゆ: ね、なぎさちゃん?
- なぎさ: ぐー
- まばゆ: って、すでに寝てる!?
- まばゆ: おしゃまなことを言っても やっぱり中身はおこちゃま…
- 咲笑: ふふふ、かわいいわね
- まばゆ: あ、あの…咲笑さん
- まばゆ: なぎさちゃんを泊めてくれて ありがとうございました!
- 咲笑: ううん、いいのよ
- 咲笑: まばゆちゃんがそこまで言うなら 何か理由があるんでしょう?
- まばゆ: は、はい…それは…
- 咲笑: だったら、私は まばゆちゃんを信じるわ
- 咲笑: 保護者だもの、当然でしょう?
- まばゆ: は、はあ…
- まばゆ: (全幅の信頼…!)
- まばゆ: (咲笑さん、やっぱり スケールが違いすぎる…)
- 咲笑: それにね
- 咲笑: おかげで、新しいお手伝いさんも 確保できたんだもの
- まばゆ: (あ…それもあるんですね)
- FILENAME: text_905116-010.txt [Day 16]
- カランカラン
- まばゆ: いらっしゃいませー
- まどか: い、いらっしゃいませっ!
- ほむら: …いらっしゃいませ
- まばゆ: 暁美さん、声が小さいですよ
- ほむら: …………
- ほむら: 私、帰るわ
- まばゆ: な!ちょちょちょ! まだ始まったばかりで…!
- まばゆ: なぎさちゃんを泊めるための 交換条件なんですから!
- ほむら: なんで私が、あの魔女のために…
- まばゆ: いやいや、だってあの子を あのまま置いてけないですよ
- まばゆ: ねえ、鹿目さん?
- まどか: う…うん それにね、えっと…
- まどか: わたし一度、ケーキ屋さん やってみたかったんだ
- まどか: ケーキ屋さん…っていうより ウェイトレス?メイドさん?
- まどか: …でも、かわいいと思うんだ どうかな?似合ってる?
- ほむら: え、ええ、当然よ
- まどか: えへへへ…
- まどか: ほむらちゃんも、かわいいよ
- ほむら: …うん、ありがとう
- まどか: 一緒に、お手伝いがんばろう?
- ほむら: …………
- ほむら: まどかが言うなら…
- カランカラン
- まどか: いらっしゃいませっ!
- ほむら: いらっしゃいませ…
- まばゆ: (にひひ…鹿目さんのおかげで 暁美さんも協力してますね)
- まばゆ: (私もその分楽できますし ありがたやー、ありがたやー)
- まばゆ: それじゃあ私 厨房を見てきますね
- まばゆ: 咲笑さん なぎさちゃんは…
- なぎさ: …………
- まばゆ: あ…あれ?
- まばゆ: すごく大人しくしてる…
- なぎさ: す…すごいのです…
- なぎさ: 次から次へと…おいしそうな ケーキができていくのです
- なぎさ: 咲笑は…もしかして 魔女だったのです!?
- 咲笑: ふふふ、魔女じゃないわよ
- 咲笑: 私の正体は、魔法少女! 秘密のコンパクトで、変身よ?
- なぎさ: おおおおおお…
- まばゆ: はぁ… 少女って、咲笑さん…
- 咲笑: あらあらぁ?
- 咲笑: まばゆちゃん、なにか ご不満があるのかしら?
- まばゆ: あ、いえ、何でもないです
- 咲笑: 本当に?
- まばゆ: 本当です
- 咲笑: 魔法少女でOK?
- まばゆ: はい、オーケーです
- まばゆM: (コンパクトで変身っていうのは よくわかりませんが…)
- 咲笑: まどかちゃんと、ほむらちゃんは 大丈夫かしら?
- まばゆ: はい ふたりともよくやってくれてます
- 咲笑: あんなにかわいいお手伝いさんが 来てくれて、うれしいわぁ
- 咲笑: あとでまかないのケーキ 出してあげなきゃね
- 咲笑: ふたりとも 好きなケーキはなにかしら?
- まばゆ: 咲笑さんのケーキは 全部おいしいって言ってますよ
- 咲笑: うーん、それはうれしいんだけど
- 咲笑: そう言われると、かえって 難しいわねぇ
- 咲笑: なぎさちゃんは、なにか 食べたいものはある?
- なぎさ: チーズケーキです!
- なぎさ: なぎさは、世界で一番おいしい チーズケーキが欲しいのです!
- まばゆ: なるほど…チーズケーキですか
- まばゆ: 咲笑さん、お願いできますか?
- 咲笑: フフフ…
- まばゆ: あれ?
- 咲笑: フフフフフフ…
- なぎさ: 咲笑?
- 咲笑: 世界で一番おいしいチーズケーキ
- 咲笑: これは、なかなか素敵な 課題が出ちゃったわね…!
- なぎさ: なんだか…咲笑が変なのです
- まばゆ: あー、時々こうなるんですよ
- まばゆ: パティシエの本能が目覚めて ケーキ作りの鬼に…
- なぎさ: 魔法少女が 鬼に変身するのです?
- 咲笑: 1週間、時間をもらうわ
- 咲笑: あなたたちに本物の チーズケーキを見せてあげる
- 咲笑: フフフ…フフフフフフ…
- FILENAME: text_905116-030.txt
- まばゆ: …ということが、ありまして
- まどか: わぁ…世界一の チーズケーキかぁ
- まどか: 咲笑さんが本気になったら どんなのができるのかな
- まばゆ: きっと、レコンパンスの 新名物になるでしょうね
- まどか: ふふ…わたしも楽しみに なってきちゃった
- まばゆ: 待ち遠しいですねぇ
- ほむら: はぁ…ふたりとも ずいぶんのんきなのね
- ほむら: 魔女が現れるのよ
- ほむら: なぎさの好物を気にしている場合 じゃない
- キュゥべえ: それはどうだろう?
- ほむら: …出たわね
- ほむら: あれだけ言ったのに よくもまどかと契約を…!
- キュゥべえ: そう言われても困るな 望んだのはまどかだよ
- キュゥべえ: ボクは彼女の望みを叶える 手助けをしただけさ
- まどか: …ごめんね、ほむらちゃん
- ほむら: まどかが謝る必要はないわ あなたは詐欺の被害者よ
- まばゆ: でも…さっき何を 言いかけてたんですか?
- まばゆ: なぎさちゃんの好物に 何か問題でも?
- キュゥべえ: まどか、キミの願いは なんだったかな?
- まどか: え?えっと…
- まどか: あの魔女を、もう絶望させたくない
- まどか: 彼女の心残りを晴らして 未練から解き放ってあげたい
- キュゥべえ: 今のなぎさは 適切な形に姿を変えただけ
- キュゥべえ: 彼女の願いを叶えるのは これからのキミたちの仕事だよ
- まどか: わたしたちの、仕事…
- まどか: まだ、なぎさちゃんの未練は 残り続けたままってこと?
- まばゆ: 待って下さい! なぎさちゃんの未練って…
- ほむら: 世界一の、チーズケーキ?
- みんな: …………
- ほむら: いや、まさか…
- まどか: でも、なぎさちゃんなら…
- まばゆ: ありえるかも…
- ほむら: …その話は、あとにしましょう
- まどか: あ、はい
- まばゆ: 魔女のお出ましですね
- キュゥべえ: これはすごい確率だね
- キュゥべえ: キミたちが集まっている場所に 魔女の結界ができるなんて
- キュゥべえ: まるでキミたちが 未来を知っているみたいだ
- ほむら: …………
- ほむら: 行きましょう まどか、まばゆ
- まばゆ&まどか: はいっ!
- まばゆ: 暁美さん、未来予知は…?
- ほむら: ええ、そうね…
- まどか: あれも…魔女?
- ほむら: まどかが本格的に戦うのは 初めて…
- ほむら: 念には念を入れておいた方が いいかもしれないわね
- カチッ
- ほむら: まばゆ、頼んだわ
- まばゆ: わかりました それでは…
- まばゆ: …なるほど
- ほむら: どう?
- まばゆ: …問題ないと思います 思いっきり、戦って下さい
- まばゆ: たぶん…それが、ベストです
- ほむら: それって、どういう…
- まばゆ: 説明はしません だって…
- まばゆ: 教えたら、未来が変わって しまいますから
- ほむら: …わかった
- ほむら: あなたを信じるわ
- カチッ
- ほむら: まどか、行くわよ!援護を!
- まどか: う…うんっ!
- ほむら: いいわ、その調子!
- まどか: やっ!
- まばゆ: (うーん、鹿目さんすごい…)
- まばゆ: (初めての戦闘のはずなのに 手慣れてるっていうか…)
- まばゆ: (私より全然、敵を倒せてる っていうか…)
- まばゆ: (ってか鹿目さん、ちょっと 魔力強くなってる…?)
- まばゆ: …ととと!
- まばゆ: 私も負けてられないですね
- まばゆ: チョキチョキ、チョッキン!
- まばゆ: さてさて、あとは…
- ほむら: 本体のお出ましね!
- まどか: 待って、ほむらちゃん!
- ほむら: え…?
- まどか: あの魔女も…元々は 魔法少女だったんだよね?
- ほむら: まどか、何を…
- まどか: なりたくて、あんな姿に なったんじゃないよね?
- まどか: お願い、ほむらちゃん! わたしに一度、話をさせて!
- まどか: もしかしたら、それで 元の姿に戻るかも…
- ほむら: 何を言ってるの? そんな危険、犯せるわけが…
- まどか: お願い、ほむらちゃん!
- まどか: だって…だって…
- まどか: 希望を胸に 魔法少女になったのに…
- まどか: 絶望の中で、消えていくなんて そんなの、ひどすぎるよ!
- ほむら: まどか…
- まどか: !?
- ほむらの声: まどかっ!!
- なぎさ: ダメなのですっ!
- まどか: なぎさちゃん…?
- なぎさ: 願い事が叶わないならっ!
- なぎさ: 魔法少女の なぎさたちが!
- なぎさ: 楽にしてあげるのが しあわせなのですっ!!
- まどか: あ…そんな…
- なぎさ: 下手に同情したらだめなのです
- なぎさ: 魔女は魔女なのです
- まどか: でも…
- なぎさ: それに、まどかが死んじゃったら なぎさは悲しいのです
- なぎさ: もう、悲しいのは、いやなのです
- まどか: あ…
- まどか: う、うん ごめんね、なぎさちゃん
- まどか: そんなこと、今まで全然 考えたこともなかった…
- ほむら: …まばゆ
- まばゆ: あ、はい
- ほむら: これが、あなたの視た未来?
- まばゆ: そうです
- ほむら: どうして、こんなことに?
- まばゆ: そりゃあ、なぎさちゃんが 言ったほうが説得力あるかと
- ほむら: …………
- まばゆ: 暁美さん、もしかして…
- まばゆ: …嫉妬してます?
- ほむら: え?
- まばゆ: あなたよりなぎさちゃんの 言葉が効いたからって…
- ほむら: バカを言わないで
- ほむら: 私が嫉妬だなんて あるわけないでしょう
- ほむら: あんな、魔女に…
- FILENAME: text_905116-040.txt
- まばゆ: (と、口先では言ってるものの)
- なぎさの声: まばゆ!変なおじさんが ボウガンで襲ってきたのです!!
- まばゆ: (暁美さん、なぎさちゃんを ずっと意識してますよね…)
- まばゆ: (鹿目さんの願いで 生み出された存在だから…)
- まばゆ: (意識してしまうのは 当たり前ですけれども…)
- まばゆ: (なぎさちゃんを恨んでも 何にもならないのに)
- まばゆ: (それに…)
- まばゆ: ねえ、なぎさちゃん
- まばゆ: なぎさちゃんって、何か したいことはあります?
- なぎさ: ??? なんですか、急に
- なぎさ: まばゆが気持ち悪いです
- まばゆ: いやまあ、確かに急ですけど…
- まばゆ: ほら、将来の夢とか 一度はやっておきたいこととか
- なぎさ: …よくわかんないです
- なぎさ: まばゆは、何かあるのです?
- まばゆ: え、いや…それは…
- まばゆ: 急にそう言われると 確かに困るというか…
- まばゆ: いやでも、私も魔法少女だし 何か願いはあったはず…
- なぎさ: なぎさは、願いとか 別にないのです
- なぎさ: このまま、フツーに過ごせれば 他に望みなんて、ないのです
- まばゆ: フツーに過ごせれば、ねえ…
- FILENAME: text_905117-010.txt [Day 17]
- 先生: よーし、出席をとるぞー
- 先生: 愛生まばゆ
- まばゆ: はーい
- まばゆ: (確かに、何でもない日常が 一番幸せなのかもですけど)
- まばゆ: (それじゃ、鹿目さんの 願いは完遂されないんですよね)
- まばゆ: (ん?でも…)
- まばゆ: (なぎさちゃんは、もし未練が 果たされたらどうなるんです?)
- まばゆ: (もしかして、消えちゃう… とか?)
- まばゆ: …………
- 先生: 巴マミ
- 先生: 巴?
- 先生: なんだ、今日も欠席か
- まばゆ: (あ…あれ?今日もお休み?)
- まばゆ: (前は、こんなこと なかったと思うんですが…)
- まばゆ: (バタフライエフェクト的に 影響があったんでしょうか…?)
- FILENAME: text_905117-020.txt
- まどか: それでは、さやかちゃんの 退院を祝って…
- まどか: かんぱーい
- 仁美: かんぱーい
- さやか: かんぱーい
- さやか: ぷはぁー、うめー! シャバの一杯は生き返るぜぇ
- まばゆ: (コーヒーですけどね…)
- まどか: さやかちゃん 元気になってよかった!
- まばゆ: こちら、どうぞ 退院祝いのシャルロットです
- さやか: うわーっ!!
- まどか: きれい…!!
- 仁美: ステキですわ…
- さやか: なんだか王冠みたい…
- 咲笑: いいところに気づいたわねぇ
- まどか: あっ、咲笑さん!
- 咲笑: シャルロットは、女性の帽子に 見立ててあるケーキなのよ
- さやか: へえええええ…
- さやか: でも、こんなにキレイだと 食べるのもったいないですね
- 咲笑: まどかちゃんのお友だちに食べて もらえるなら、本望よ
- 咲笑: さあ、遠慮無く召し上がれ
- さやか: は…はい
- 仁美: それでは失礼して…
- みんな: いただきます
- まどか: んんんーっ!
- さやか: おいしぃーっ!
- 仁美: こ、これは…!?
- 仁美: 家庭用オーブンでは到底不可能な 高温で焼き上げたビスケットに…
- 仁美: 丁寧に裏ごしして滑らかに 仕上げたアプリコットのピューレ
- 仁美: 対照的な歯触りが口の中で運命的 マリアージュですわあ~っ!!
- まどか: 仁美ちゃん…
- さやか: グルメマンガか!
- 咲笑: ふふふふ、褒めてもらえて うれしいわ
- 咲笑: 今日はおめでたい日ですもの ゆっくり召し上がってねー
- みんな: はーい
- ほむら: まどか、楽しそうね
- まばゆ: ええ、そうですね
- まばゆ: 美樹さんも 退院できて良かったです
- なぎさ: 入院していたのですか?
- まばゆ: ええ、骨折でね
- まばゆ: 手術もしたけど 経過は順調だって
- まばゆ: 完璧にくっつくまでは あとひと月はかかるみたいだけど
- なぎさ: ふうん…
- まどか: あ…あの、みんな
- まばゆ: 鹿目さん?
- ほむら: 今日はお客さんなんだから 手伝わなくていいわよ
- まどか: それが、さやかちゃんたちが わたしの制服姿が見たいって…
- まばゆ: あーなるほど
- まどか: ちょっと着替えてくるね
- まどか: …あ、そうだ
- まどか: あと、まばゆさんに ラテアートのリクエストも
- まばゆ: 私にですか?
- まどか: うん、お店の名物はって 聞かれたから…
- まどか: 注文、受けてもらえますか?
- まばゆ: は…はぁ… が、がんばります
- まどか: ありがとうございます! それじゃ、着替えてくるね
- まばゆ: やれやれ…
- まばゆ: 緊張の注文を受けてしまいました
- なぎさ: まばゆ?
- なぎさ: らてあーとって 何なのですか?
- まばゆ: カプチーノの上にミルクで イラストを描くんですよ
- なぎさ: コーヒーの上に お絵かきするのです?
- なぎさ: なぎさにも、できるのです?
- ほむら: やめておきなさい
- ほむら: 子どもの遊びをお客さんに 出せるわけないじゃない
- なぎさ: むぅ…
- なぎさ: なぎさはお子様じゃないし 絵は得意なのです
- ほむら: どうだか
- なぎさ: まばゆ!
- まばゆ: な、なんですか?
- なぎさ: ちょっと、そのミルクを 貸すのです
- ほむら: やめておきなさいって 失敗するに決まってるんだから
- まばゆ: (ううう… ふたりともヒートアップして…)
- まばゆ: (このままじゃ、注文を 受けるどころじゃ…)
- まばゆ: あ!そうだ
- まばゆ: それじゃあ こういうのはどうですかね?
- まどか: え、えっと…
- ほむら: …………
- なぎさ: …………
- まばゆ: どうですか?
- まどか: これは…カエル?
- ほむら: !!
- まどか: 真ん中のは…カタツムリ?
- なぎさ: そんな…
- まどか: 最後のは、エイミーだよね?
- まばゆ: はい、最後だけ大正解です
- まばゆ: ということで、お客さんに お出しできるのは私のだけ…
- まばゆ: という判断でよろしいですね?
- ほむら&なぎさ: はい…
- まどか: あはははは…
- まばゆ: ちなみに左のは暁美さんのクマ
- なぎさ: クマ…?どこがなのです?
- ほむら: 初めてなんだから 上手くできなくて当然よ
- なぎさ: お子様の絵なのです
- ほむら: !!
- まばゆ: 真ん中のは、キツネですね
- ほむら: これがキツネ?
- なぎさ: お子様にはゲージュツは わからないのです
- ほむら: 芸術?これのどこが…?
- まどか: ふたりとも、喧嘩はダメだってば
- まどか: ほら、注文を運ぶから ほむらちゃんも手伝って
- ほむら: ええ…
- まばゆ: (やれやれ…)
- まばゆ: (暁美さん、なぎさちゃんの ことは冷静じゃなさすぎです…)
- まばゆ: (ホントにこれで、魔女退治が 上手く行くんでしょうか…?)
- FILENAME: text_905117-030.txt
- ほむら: 行くわよ!
- なぎさ: わかってるのです!
- まどか: ちょっと、ふたりとも…
- まばゆ: 未来視は…?
- ほむら: 必要ないわ!
- なぎさ: 朝飯前なのです!
- ほむら: 邪魔しないで!
- なぎさ: 邪魔なのはそっちです!
- ほむら: 巻き添えになりたいの!?
- なぎさ: そんなに間抜けじゃ ないのです!
- まどか: まばゆさん、どうしよう!? 喧嘩しながら戦ってる…!
- まばゆ: いや、アレはアレで息が 合っているのでは…?
- ほむら&なぎさ: やあああっ!!
- まばゆ: ほら…もう倒しちゃいましたし
- なぎさ: なぎさのおかげなのです
- ほむら: あなたは邪魔をした だけでしょう?
- まどか: まあまあふたりとも 喧嘩しないで…
- まばゆ: でも、こんなに簡単に 倒せるとなると…
- まばゆ: 今後の方針も、考え直した方が いいかもしれませんね…
- まばゆ: ワルプルギスの夜だって 4人が協力すれば…
- ???の声: あんなザコに4人がかりで よくもまあ…
- まどか: 誰!?
- 杏子: そいつはこっちのセリフだよ
- 杏子: この町は巴マミの縄張りのはずだ おまえらここで、何をしてる?
- まどか: 巴…マミ?
- ほむら: 私たちとは関係ないわ
- 杏子: 自ら名乗り出る殺人犯も いないだろ?
- まばゆ: 殺人犯だなんて 穏やかじゃない物言いですね
- 杏子: 物言いだけで済めばいいけどね
- 杏子: マミを殺したのは あんたたちじゃないだろうね?
- まばゆ: え…
- まばゆ: (巴さんが…死んだ?)
- ほむら: バカを言わないで 何か証拠があるって言うの?
- 杏子: 証拠はないが、今んところどうも 魔法少女の頭数が多すぎる
- 杏子: いくらか間引いちまわないと 共倒れが起こるだろうね
- まどか: だからって、わたしたちが誰かを 殺しただなんて、そんな…
- ほむら: それ以上、妙な言いがかりを つけるなら…
- ほむら: 私たちが相手をするわ 佐倉杏子
- 杏子: !?
- 杏子: …どこかで会ったか?
- ほむら: さあどうかしら
- 杏子: …………
- 杏子: …やっぱり、気に食わないな
- 杏子: 今日のところは見逃してやるよ
- 杏子: ただ、あんたたちが マミを殺ったとわかったら…
- 杏子: オトシマエはつけてもらう
- まどか: い、今のって…
- ほむら: 近くの町の魔法少女よ
- ほむら: この町に長くいた、巴マミとも 知り合いだったみたい
- まどか: 巴マミ、さん…?
- まばゆ: 私のクラスメイトです
- まばゆ: そう親しくはなかったんですが… 昨日今日と、学校を休んでいて
- まどか: そうなんだ
- まどか: わたしたちの他にも、 魔法少女が…
- ほむら: 佐倉杏子は、グリーフシードを 横取りしようと狙っている
- ほむら: 魔女の数は限りがあるわ
- ほむら: 一層気を引き締めて 魔女退治に当たりましょう
- まどか: う…うん、わかった
- まばゆ: (あれ…?)
- なぎさ: …………
- まばゆ: (なんか…なぎさちゃんが 落ち込んでる…?)
- FILENAME: text_905118-010.txt [Day 18]
- まばゆ: 準備はいいですねー?
- まばゆ: 今回のお題は!
- まばゆ: カバ!です!
- ほむら: カバ…!?
- ほむら: 河の馬と書いて、河馬… 英語では、ヒポポタマス…
- ほむら: 顔の形は…こんな感じ? 目は、この辺りで…
- ほむら: 鼻は…あれ?どこ? まって、水棲動物だから…
- ほむら: …ここ?
- まばゆ: 暁美さん、どれが耳で どれが鼻でどれが目です?
- ほむら: …………
- まばゆ: 暁美さん、もしかして こういうのは苦手です?
- ほむら: 一発勝負だから、緊張するだけよ
- まばゆ: はてさて、どうでしょうねぇ なぎさちゃん?
- なぎさ: …………
- まばゆ: あれ?なぎさちゃん? どうかしましたか?
- なぎさ: 何でもないのです…
- まばゆ: ほらほら、なぎさちゃんなら 暁美さんより上手く描け…
- なぎさ: なぎさは、絵になんて 興味ないのです
- まばゆ: え、あ…なぎさちゃん…
- まばゆ: あーあ、行っちゃった
- まどか: なんだかいつもと様子が 違うみたいな…
- まばゆ: そうなんです、昨晩から ふさぎ込んでるみたいで
- まどか: 昨日の…佐倉さんと 会ってから、ってこと…?
- まばゆ: はい、家でもずーっと 黙りっぱなしで
- まばゆ: 暁美さんと対決したら、元気が 戻るかなって思ったんですけど…
- ほむら: 確かに少し様子が変ね
- まどか: ほむらちゃん、このワニさん とってもかわいく描けてるよ?
- ほむら: え…あ、ありがとう
- ほむら: こ、今回は、デフォルメを 心がけてみたのよ
- まばゆ: (わ、ワニ…?)
- まばゆ: (どこをどうやったら、これが ワニに見えるんでしょうか…?)
- まばゆ: (鹿目さんも、結構美的 センスが特殊なような…)
- まどか: うーん…
- まどか: なぎさちゃん、どうやったら 元気になってくれるかな…?
- まどか: もっと、楽しく過ごして ほしいな
- まばゆ: そうですね、それが鹿目さんの 願いにも繋がるでしょうし…
- ほむら: 適当にケーキでも 食べさせておけば?
- まばゆ: いやいや、そんな子ども騙しで…
- まどか: でも、なぎさちゃんって 子ども…だよね?
- まばゆ: え?まあ…確かに
- まどか: おいしいものを食べながら 落ち込むのって、難しいよね
- ほむら: それは…否定しないけれども
- まどか: …よし!
- まどか: なぎさちゃんを元気づけるために ケーキ、作ろう!
- まばゆ: 手作りのケーキ、ですか? レコンパンスのじゃなく?
- まどか: お店のみたいに 上手くは作れないけれど…
- まどか: 気持ちのこもった手作りの方が 元気になってくれるかなって
- まばゆ: なるほど…確かに 試す価値はあるかもしれません
- まどか: どうかな、ほむらちゃん?
- ほむら: え…
- まどか: みんなで作った方が なぎさちゃんも喜ぶと思うんだ
- ほむら: でも私は、ケーキなんて…
- まどか: お願い、ほむらちゃん!
- ほむら: …………
- ほむら: …まどかがそこまで言うなら 仕方ないわね
- まばゆ: (…なんて言ってるけど)
- まばゆ: (ホントのところは、そんなに 嫌がってませんよね…)
- FILENAME: text_905118-030.txt
- なぎさ: …………
- まばゆ: (…うーん)
- まばゆ: (家に帰っても、ボーッと テレビを眺めるだけで…)
- まばゆ: (やっぱり別人みたいです)
- まばゆ: (確かにケーキ作りは いいと思うんですけど…)
- まばゆ: (それだけで、元気を 取り戻してくれますかね?)
- なぎさ: …………
- まばゆ: なぎさちゃん?
- なぎさ: …………
- まばゆ: なぎさちゃん!
- なぎさ: …なんです?
- まばゆ: えっと…ちょっと お話、しませんか?
- なぎさ: 別にいいです
- まばゆ: いや、なぎさちゃんは良くても…
- なぎさ: …………
- まばゆ: (ぐ…)
- まばゆ: (呆気なく拒絶)
- まばゆ: (つらい…)
- まばゆ: (いやでも、私とのトークよりも 映画が面白いのは当たり前!)
- まばゆ: (しゃーないから、私も 第三次大戦をじっくり鑑賞…)
- まばゆ: …………
- まばゆ: (いやいや、ダメダメ!)
- まばゆ: (そうやって昨日もナアナアに してしまいましたからね)
- まばゆ: (ここは、とっておきの 秘密兵器で彼女の気を惹いて…)
- なぎさ: …………
- なぎさ: …くんくん
- なぎさ: こ、この匂いは…?
- まばゆ: おやおや…気づいて しまわれましたか
- まばゆ: これは、伝説の大人のおやつ…
- まばゆ: チータラです!
- なぎさ: チータラ…なのです!?
- まばゆ: お口の中で蕩けるチーズと 香ばしいタラのハーモニー…!
- まばゆ: 映画の邪魔をしてはいけませんし 私ひとりでいただくことに…
- なぎさ: 待った!なのです
- まばゆ: おや?
- なぎさ: 映画は一時停止で、なぎさも チータラをいただきたいのです
- まばゆ: なるほど、そうでしたか
- まばゆ: それでは、こちらも一緒に プシュッとどうぞ、プシュッと
- なぎさ: こ、これは…!?
- まばゆ: にひひひ…冷蔵庫から くすねてきたコーラですよ
- まばゆ: キンキンに冷えていますから こっそりいただいちゃいましょう
- なぎさ: こんな夜中に… まばゆは、不良なのです!
- まばゆ: なぎさちゃんは、いい子ちゃんで いたい子ですか?
- なぎさ: むむむ…
- なぎさ: な、なぎさは…いい子なのです… いい子…なのに…
- まばゆ: あーん
- なぎさ: あ…あ…ああ…
- なぎさ: あむ…もぐ…もぐ…もぐ…
- なぎさ: チータラ… お…おいひいのです…
- まばゆ: ふふふ…なぎさちゃんが 悪いのではないですよ…
- まばゆ: 私が悪い子で、なぎさちゃんを 誘惑してしまっただけですから
- プシュッ
- まばゆ: はい、コーラもどーぞ
- なぎさ: んくっ、んくっ、んく…
- なぎさ: ぷはぁ~っ!
- まばゆ: おおっ、いい飲みっぷり!
- なぎさ: シュワシュワで 刺激的なのです…!
- まばゆ: そうそう、今日はブレイコーです
- まばゆ: 飲み食いして、日ごろの鬱憤を ぐわーっと晴らしましょう
- なぎさ: うっぷん…
- まばゆ: はい、あーん!
- なぎさ: …!?そ、そんな!一気に2本 まとめてお口に運ぶなんて…あむ
- なぎさ: もぐ…もぐ…もぐ…もぐ…
- なぎさ: す、すごい…口の中が、 2倍チーズなのです…!!
- まばゆ: さあさあ、秘蔵のクワトロチーズ ポテトもお出ししちゃいますよ…
- なぎさ: チーズポテト!! そんなものをお出しされたら…
- なぎさ: 抵抗なんてできないのです…!
- まばゆ: ぷはぁ…
- なぎさ: おなかいっぱいなのです…
- なぎさ: ふわぁあ…もう、だんだん… 眠くなってきたのです…
- まばゆ: あーだめだめ、食べてすぐ寝ると 牛になっちゃいますよ…
- なぎさ: 牛さんになったら ダメなのですか…?
- なぎさ: 牛さんのミルクがなければ チーズはできないのです…
- なぎさ: そんな言い方は、牛さんが かわいそう…ふわぁああ…
- まばゆ: (むぅ…気を惹こうとして やり過ぎてしまいました?)
- まばゆ: (眠気で意識がモーローと してきている…!)
- まばゆ: ええと、なぎさちゃん? 最近、元気がないようですが…
- まばゆ: なにか、理由があるのですか?
- なぎさ: 別に…なにも…ないのです…
- なぎさ: ただ…その…
- なぎさ: …………
- なぎさ: 夢を…見るのです…
- まばゆ: 夢?
- なぎさ: こわい…こわい、夢なのです…
- なぎさ: まばゆは、夢が現実だった ことって、ありますか?
- なぎさ: 夢は…変えられるのですか…?
- まばゆ: 夢…ですか
- まばゆ: お母さんのこと… 思い出してしまいますね
- なぎさ: お母さん…?
- まばゆ: 私のお母さんは… 占い師だったんです
- まばゆ: 未来のことが、よく当たるって 評判で…
- まばゆ: ああ…そうか
- まばゆ: 私の、未来が視える力も もしかしたら、その影響かも…
- まばゆ: この力は、お母さんと 同じなんだ…
- まばゆ: っていうかむしろ、なんで 今まで気づかなかったのか…
- まばゆ: むむ…? ということは、もしかして…
- まばゆ: 私の「願い」も、占いの力に 関係しているということです!?
- まばゆ: なぎさちゃん! ありがとうございます!
- まばゆ: あなたのおかげで ひとつヒントが…
- なぎさ: すぅ…すぅ…すぅ…
- まばゆ: あ、あれぇ…?
- まばゆ: なぎさちゃん 眠ってしまっていますね…
- まばゆ: もっとちゃんと話を 聞きたかったんですが
- なぎさ: すぅ…すぅ…すぅ…
- まばゆ: まあ、今日は、いっか
- パチッ
- まばゆ: せめていい夢、見てくださいね
- FILENAME: text_905120-010.txt [Day 20]
- まばゆ: こんにちはー
- まどか: こんにちは
- ほむら: お邪魔します
- 咲笑: あらあら、3人とも いらっしゃい
- まばゆ: キッチンを貸してもらって ありがとうございます…
- 咲笑: ううん、いいのよ 今日は注文も少ないし
- 咲笑: 今は世界一のチーズケーキの 準備で手一杯だから!
- まばゆ: おお、そっちも順調に 進んでるんですね
- 咲笑: 最近のなぎさちゃん ちょっと元気がないみたいだから
- 咲笑: まばゆちゃんたちのケーキで 元気づけてあげて
- まばゆ: は、はいっ!
- まどか: 咲笑さんも、なぎさちゃんを 心配してたね
- まばゆ: 咲笑さんはぼんやりしてる ようで、ミョーに鋭いんです
- まばゆ: ましてずーっと 気にかけてくれていますからね
- まばゆ: ここ数日、落ち込みっぱなし なのにも気づいています
- まどか: やっぱり、そうだよね
- まどか: うーん… 心配になってきちゃった
- まどか: 本当に、わたしたちのケーキで なんとかなるかな?
- ほむら: 大丈夫よ、まどか
- まどか: ほむらちゃん?
- ほむら: 彼女が本当に、絶望から 救われたいと願っているなら…
- ほむら: 私たちの助けを 無視するはずがないわ
- ほむら: そんなの、私が許さない
- まばゆ: あはははは…
- まどか: それじゃ、みんな がんばって、作ろう!
- みんな: おー!
- まばゆ: えーと、まずは…
- まばゆ: 薄力粉を…ふるっておく…? ってどゆこと?
- まどか: こうやって、袋の薄力粉を 粉ふるいに入れて…
- まどか: トントントントン
- まばゆ: おお…トントントントン
- まどか: 袋の中でダマに なってたりするからね
- まどか: こうやってふるうと、スポンジも ふんわりするんだって
- まばゆ: なるほど…
- まばゆ: さてさて、おつぎは…
- まばゆ: 卵と、グラニュー糖、ハチミツを 混ぜたら、湯せんしながら…
- ほむら: 私の出番ね
- まばゆ: えっ?暁美さん、それ…
- ウィーーーーン
- ほむら: ハンドミキサーよ
- まどか: な、なんだか大きくないかな?
- ほむら: 業務用ね
- まどか: 業務用…
- ほむら: 大は小を兼ねる 何も問題ないわ
- まどか: あ、あの、優しく…ね?
- ほむら: 任せて
- ウィーーーーン
- ほむら: あっ
- ビチャビチャビチャ!!
- まどか: きゃああああっ!!
- まばゆ: ぬわああああっ!!
- まばゆ: 生地に薄力粉を加えて混ぜて それから無塩バターも投入
- まばゆ: よく混ぜ合わせる
- ほむら: 同じ失敗は繰り返さない こんな感じでどうかしら?
- まばゆ: ええ、良さそうですね
- まばゆ: あとは生地を型に入れて…
- ほむら: こう?
- まどか: あっ!気をつけて!
- まどか: なるべく気泡が潰れないように やさしくね?
- ほむら: やさしく…
- まどか: ヘラで、そっと集めてあげて…
- ほむら: ヘラで?
- まどか: ほむらちゃん、ちょっと貸して
- ほむら: あ、ええ
- まどか: こうやって、こう…
- ほむら: な、なるほど
- まどか: 生地を払うのも、なるべく 少ない回数で、丁寧に…
- ほむら: 丁寧に…
- まどか: よしっ!できた!
- ほむら: ふぅ…
- まどか: あとは、型を落として 大きな気泡を抜いて…と
- トン!
- まどか: うん、コレでオッケー!
- まばゆ: オーブンの方も準備 できてます!
- まどか: よーし、お願いだから ふわふわのスポンジになってよぉ
- まばゆ: 頼みます!
- まばゆ: スポンジの粗熱をとってる間 デコレーションの準備
- まばゆ: 鹿目さんは、いちごを 切ってもらえますか?
- まどか: はい、わかりました
- まばゆ: 暁美さんは、生クリームに 砂糖を混ぜて泡立ててください
- ほむら: 了解
- ウィーーーーン
- まどか: ほむらちゃん、ほどほどにね?
- まばゆ: そして私は…
- まばゆ: チョコプレートの制作ですか なかなか責任重大ですね…
- まどか: ラテアートの腕が あれば、大丈夫だよ!
- まばゆ: いや、でもチョコレートだと 全く勝手が…
- ほむら: 私が代わる?
- まばゆ: いえ、大丈夫です
- まどか: ほ、ほむらちゃんは 生クリームがいいと思うよ!
- ほむら: …まどかが言うなら そうしましょう
- まばゆ: (さて…チョコレートに イラストを描くわけですが)
- まばゆ: (なぎさちゃんを喜ばせる 図案って、いったい…?)
- まばゆ: (チーズは好きそうなんで チーズケーキ?)
- まばゆ: (いやいや…ショートケーキに チーズケーキの絵って…)
- まばゆ: (もっと何か、まともな図案を 考えなければ…)
- まばゆ: う、う~ん…
- まばゆ: 思いつかない…
- まどか: まばゆさん、悩んでるんですか?
- まばゆ: え…ええ、まあ…
- ほむら: 味には関係ないわ どうせ食べちゃうんだし…
- まばゆ: (鹿目さんが関わらない所には テキトーですね、この人は…)
- まばゆ: …………ん?
- まどか: どうしたんですか、まばゆさん
- まばゆ: もしかして… いいことを思いついたかも!
- ほむら: いいこと?
- まばゆ: …咲笑さーん
- 咲笑: なあに、まばゆちゃん?
- まばゆ: あの…ホワイトチョコって 余ってたりしますか?
- まばゆ: スポンジをスライスして…
- ほむら: ふんっ!!
- まばゆ: ホイップクリームと イチゴをサンド
- まどか: ちょん、ちょん、ちょんと…
- まばゆ: 繰り返して土台を作ったら クリームで全体を覆って…
- まばゆ: ホイップで飾り付け
- ほむら: ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅ…
- まばゆ: イチゴもたっぷり のせちゃって…
- まどか: ぽん、ぽん、ぽん…
- まばゆ: 最後に、私の作った チョコプレートを…
- まばゆ: どん!
- まどか&ほむら: おおおおおお…!!
- まばゆ: レコンパンスお手伝い軍団特製 魔法少女ケーキの完成!
- まどか: やったね!これで完璧!
- ほむら: まどか
- まどか: ん?なに
- ほむら: 今ナイフを入れていい?
- まどか: えっ?
- ほむら: チョコプレートのこの顔 今真っ二つにしてやりたい…
- まばゆ: どーどー、暁美さん 落ち着いてください
- まばゆ: 少しだけの辛抱です
- ほむら: うううう…!
- まどか: でも、すごいよ!こんなに キュゥべえそっくりだなんて…
- まばゆ: ま、パーツも単純でしたしね
- まばゆ: これなら、割れちゃっても 仕方ないと納得できます!
- まどか: そ、そうかな…?
- まばゆ: 何はともあれ これでケーキは完成ですね
- まばゆ: あとは、なぎさちゃんが 来るのを待つだけ…
- カランカラン
- なぎさ: …………
- まばゆ: って、噂をすれば!
- まどか: …相変わらず、元気なさそう
- ほむら: そうね
- ほむら: 一刻も早くケーキを 切って、笑顔を取り戻しましょう
- まばゆ: (この人絶対、早くキュゥべえを 真っ二つにしたいだけ…?)
- ほむら: なぎさ
- なぎさ: なんです?
- ほむら: ケーキよ
- なぎさ: はい?
- ほむら: まどかが心を込めて作ったの あなたと一緒に食べたいって
- なぎさ: なぎさと…一緒にですか?
- ほむら: ええ、できたてよ ほら、食べましょう
- なぎさ: 要らないです
- ほむら: …要らない?
- まどか: ほ、ほら!見て、なぎさちゃん
- まどか: イチゴのショートケーキ! おいしそうでしょ?
- まどか: 余らせるともったいないし もし良かったら…
- なぎさ: ケーキなんて、要らないのです
- まどか: え…
- なぎさ: おいしいケーキなら 咲笑が作ってくれるのです
- なぎさ: だから…まどかのケーキなんて 要らないのです!
- まどか: なぎさちゃん…
- ほむら: ッ!!
- まどか: きゃっ
- まばゆ: あああ、暁美さんッ!?
- まばゆ: (暁美さんのナイフが… キュゥべえを一刀両断に…!)
- ほむら: …もういいわ
- まどか: ちょ、ちょっと! ほむらちゃん!
- まばゆ: あ…行っちゃった
- なぎさ: …………
- まばゆ: なぎさちゃん、ほんとに どうしちゃったんですか?
- まばゆ: あんなことしたら 怒るのわかりますよね?
- なぎさ: …そうなのです
- なぎさ: 悪いことをするなぎさは… やっぱり、悪い子なのです…
- まばゆ: (ありゃりゃ…)
- まばゆ: (なんかこりゃ、本格的に なんとかしなきゃですね)
- まばゆ: (でもま、とりあえず…)
- まばゆ: ほら、行きましょう
- なぎさ: え…
- まばゆ: 謝るなら、早いほうがいいです
- まばゆ: 悪いことってわかるなら さっさと謝っちゃいましょう
- なぎさ: い、いや、でも…
- まばゆ: はいはい、いいから移動移動…
- なぎさ: う、うう…
- まばゆ: もしもし、暁美さん…
- ほむら: 私、もう、我慢がならないわ!
- まどか: ほむらちゃん、相手はまだ 子どもなんだから…
- ほむら: 子どもじゃない! 彼女は魔女なのよ!それなのに…
- なぎさ: …………ぁ
- ほむら: !?
- まどか: なぎさちゃん?
- なぎさ: …魔女…なのです?
- なぎさ: やっぱり、夢で見たとおり…
- なぎさ: なぎさは魔女だったのです…!?
- まどか: え、えっと… それはね、なぎさちゃ…
- なぎさ: こないでなのですッ!!
- まどか: な、なぎさちゃんっ!!
- まばゆ: 追いかけましょう!
- まどか: うんっ!
- まばゆ: ほらっ!暁美さんも!
- ほむら: え…ええ
- FILENAME: text_905120-020.txt
- まどか: なぎさちゃーん!
- まばゆ: なぎさちゃん、どこですかー?
- ほむら: …見失ったみたいね
- まどか: そんな…どうしよう…
- ほむら: …………
- ほむら: …ごめんなさい、まどか
- ほむら: 私の口が滑ったせいで こんなことに…
- まどか: …ううん
- まどか: ほむらちゃんのせいじゃ、ないよ
- まばゆ: こわい夢を見たって なぎさちゃんは言っていました
- まばゆ: もしかしたら、魔女の頃の 記憶が残っていたのかも…
- ほむら: …………
- ほむら: 手分けして捜しましょう
- ほむら: 連絡が届くくらいの距離なら すぐに駆けつけられるはずよ
- まどか: う、うん!
- まばゆ: わかりました
- まばゆ: なぎさちゃーん! 出ておいでー!
- まばゆ: なぎさちゃんの大好きな チータラもありますよー!
- まばゆ: (いや、こんな手で出てきたら 逆にビックリですけどね)
- まばゆ: (魔女だったことに 落ち込んでたんだとしたら…)
- まばゆ: (どうやって、彼女を励まして あげられるんでしょうか)
- ほむら: まばゆ、そっちはどう?
- まばゆ: どこにも気配がありません…
- まどか: こっちもだめ 全然見つかんないよ…
- ほむら: 諦めるのはまだ早いわ 別の方向を捜しましょう
- まばゆ: なぎさちゃーん! なぎさ――
- まばゆ: この音…
- まばゆ: なぎさちゃんっ!!
- なぎさ: まばゆ!?
- 杏子: おっと
- まばゆ: うぎゃっ!
- 杏子: あんた…この前の…
- 杏子: やっぱり、こいつとグルかい?
- まばゆ: あ…あなたは…
- まばゆ: ひえっ
- 杏子: あんたたち どうして魔女に協力してる?
- 杏子: それともまさか、魔女なんかに 騙されてんじゃないだろうね
- まばゆ: な…なにを、言ってるんですか…? 魔女って、いったい…
- 杏子: わかってるだろ?
- 杏子: こいつの正体さ
- なぎさ: …………
- まばゆ: 待ってください!
- まばゆ: なぎさちゃんは 魔女なんかじゃ…
- 杏子: 病院に魔女が出たんだろ?
- 杏子: そいつを退治したんなら グリーフシードがあるはずだ
- 杏子: 見せておくれよ
- まばゆ: そ、それは…
- 杏子: これ以上手間かけさせんな
- 杏子: こっちはな、わざわざカメラの 動画まで確認したんだぞ
- 杏子: あの場にいたのは、暁美ほむら 鹿目まどか、愛生まばゆ…
- 杏子: そして、巴マミ
- まばゆ: え…巴さんも?
- 杏子: 美樹さやかって子が、結界に 迷い込んじまったみたいでさ
- 杏子: そいつは巴マミに 出口を教わったんだと
- ほむら: だめ…見失った…
- まばゆ: この音…魔女?
- ほむら: 急がないと! 音のする方は…
- まばゆ: 待って下さい! あっちの方に…
- まばゆ: (結界の中で、私と暁美さんが 鹿目さんを捜してたとき…)
- まばゆ: (魔女が、誰かと戦っている みたいな音がしてたけど…)
- まばゆ: (もしかして…!?)
- なぎさ: なぎさが殺したのです
- まばゆ: なぎさちゃん…?
- なぎさ: なぎさが、パクッと 食べちゃったのです
- なぎさ: ずっと、夢の出来事だと 思っていたのです
- なぎさ: でもあれは、本当でした
- なぎさ: なぎさは…良い子じゃなくて… 本当は、悪い子で…
- なぎさ: 魔女だったのですね…!
- まばゆ: なぎさちゃん、あのね…!
- 杏子: 「違う」って言ってやんなよ? 「それはただの夢だ」って
- まばゆ: あ…えっと…うう…
- 杏子: 決まりだな
- 杏子: あんたは巴マミを… あたしの古い馴染みを殺した
- 杏子: マミに恩義があるわけじゃないが 魔女退治は魔法少女の倣い
- 杏子: あんたの命、いただくぜ!
- なぎさ: いやっ…やめるのです…!
- 杏子: どんな魔法を使ったのかは 知らないけどさ…
- 杏子: マミを殺しておいて、ぬけぬけと 人間の真似をしようだなんて…
- 杏子: 図々しすぎるんだよ このバケモノがッ!
- なぎさ: や、やめ…
- まばゆの声: 佐倉さん、やめて下さいっ!
- なぎさ: まばゆ…?
- まばゆ: この子は、確かに、 魔女だったかもしれないけど…
- まばゆ: でも、私たちの大事な 仲間なんですっ!!
- 杏子: ははっ、笑わせてくれるね
- 杏子: まさかその魔女に ほだされちまったのか?
- まばゆ: 違います!
- まばゆ: 彼女は、魔女なんかじゃなくて…
- まばゆ: ぎゃっ!
- 杏子: 世迷い言はたくさんだ
- 杏子: こんな半人前に渡すには もったいない縄張りだね
- 杏子: いっそ見滝原ごと、あたしが もらっちまうのも悪くない
- なぎさ: 許さないのです
- 杏子: ん…?
- なぎさ: なぎさは、本当は悪い子で 悪い魔女なのです…だから…
- なぎさ: 気に食わないものは ぜんぶやっつけちゃうのです!!
- 杏子: がはっ!?
- なぎさ: なぎさを魔法少女だと 甘く見てはいけないのです!!
- 杏子: な…!
- なぎさ: だって、なぎさは魔女なのです!! 血も涙もないのです!!
- 杏子: ぐぁっ!
- まばゆ: なぎさちゃん、もう十分…!
- なぎさ: 本気を出せば、魔法少女だって 簡単にやっつけちゃえるのです!!
- 杏子: ――――
- まばゆ: あ…
- まばゆ: (佐倉さんの、ソウルジェムを… 砕いちゃった…)
- なぎさ: はぁ…はぁ…はぁ…
- まばゆ: なぎさちゃん…
- まばゆ: あの…助けてくれたんだよね ありがとう…
- なぎさ: 来ないで!
- まばゆ: え…
- なぎさ: もう近づいちゃダメなのです!!
- まばゆ: なぎさちゃん…
- なぎさ: だって、なぎさは… 悪い悪い、魔女なのですっ!!
- まばゆ: あ…
- まばゆ: なぎさ…ちゃん…
- ほむら: まばゆっ!
- まどか: まばゆさんっ!!
- ほむら: !?
- ほむら: そこに倒れてるのって…
- まばゆ: 佐倉さんです
- まどか: 大丈夫…なの?
- まばゆ: いえ…もう…
- まどか: うそ…
- まばゆ: なぎさちゃんが…やりました
- まばゆ: お前の正体は魔女だろうって 迫られて、それで…
- まばゆ: 夢で見た光景が、現実のことって 思ってしまったみたいです
- まばゆ: 自分が巴マミを殺したって
- ほむら: …………
- ほむら: ああ…そうか…
- ほむら: だからずっと 落ち込んでいたのね…
- まどか: なぎさちゃんはどっちに 行ったか、わからないんですか?
- まばゆ: すみません…
- まばゆ: 自分にはもう近づくなって 叫んでいて…
- ほむら: …そう
- まどか: わたしのせいだ
- ほむら: え…
- まばゆ: 鹿目さん?
- まどか: なんで…あんなことを しちゃったんだろう
- まどか: 誰かを救ってあげたいって 自分の、勝手なわがままで…
- まどか: なぎさちゃんを…かえって 苦しめちゃうなんて…
- まどか: わたしが…あんなことを 願ったから、なぎさちゃんは…!
- まばゆ: …………
- まばゆ: 暁美さん?
- ほむら: 何、まばゆ?
- まばゆ: 時間を巻き戻す気はありますか?
- ほむら: …………
- まばゆ: 鹿目さんの言うとおりです
- まばゆ: これからいくらがんばっても 巴さんの運命は変えられません
- まばゆ: もう…この先に 幸せな結末なんて…
- まばゆ: …………?
- まばゆ: 暁美さん、聞いていますか?
- まばゆ: 暁美さん?
- ほむら: まどか
- まどか: な…なに?
- ほむら: ごめんなさい 私が、間違っていたわ
- まどか: ほむらちゃん…?
- ほむら: なぎさを、苦しみから 救いましょう
- まどか: …………うん!
- FILENAME: text_905121-010.txt [Day 21]
- ほむら: いらっしゃいませ
- まばゆ: いらっしゃいませー
- まばゆ: はぁ…それにしても、まさか 暁美さんがあんなことを言うとは
- まばゆ: 私はてっきり、お別れの あいさつでも始めるのかと…
- ほむら: あなたが先に言い出した ことでしょう?
- ほむら: 別れに鈍感になるなって
- まばゆ: あ…
- ほむら: もし私たちが時を巻き戻しても この世界は続くかもしれない
- ほむら: この未来のまどかを人間に 戻すことはできなくても…
- ほむら: せめて彼女を 幸せにしてあげたい
- まばゆ: …そうですね そうでした
- まばゆ: ミョーなことを提案して しまってすみません…
- ほむら: 謝っている暇があったら 私に協力して
- まばゆ: もちろんです
- まばゆ: でも、肝心のなぎさちゃんの 居場所がわからないことには…
- ほむら: そうね、なるべく早く 捜し出したいのだけれど…
- 咲笑: ねえ、まばゆちゃん
- まばゆ: あ…なんですか、咲笑さん
- 咲笑: ちょっと、来てくれるかしら
- まばゆ: は、はい
- 咲笑: なぎさちゃんから 連絡はあった?
- まばゆ: いえ…まだ、ないです
- 咲笑: そうなのね…心配だわ…
- 咲笑: まさか、誘拐されたとか…
- まばゆ: あ、それは大丈夫だと思います
- まばゆ: (なぎさちゃんなら、変なのに 絡まれても返り討ちにできるし)
- まばゆ: (でも、そんなこと言われても 大人は心配しますよね…)
- 咲笑: そう…それなら、家出かしら…
- 咲笑: 最近、ずーっと元気が ないみたいだったし…
- まばゆ: ええ…そうですね
- 咲笑: ねえ、まばゆちゃん
- 咲笑: なぎさちゃんのこと 助けが必要なら、すぐに言ってね
- 咲笑: いつでも、あなたの 力になるから、ね?
- まばゆ: ありがとうございます、咲笑さん
- まばゆ: でも、心配しないで大丈夫です
- まばゆ: 咲笑さんの期待は 絶対に裏切りませんから!
- 咲笑: ふふふ
- まばゆ: 咲笑さん!
- 咲笑: ん…なあに?
- まばゆ: 世界一のチーズケーキ 準備は、進んでますか?
- 咲笑: ええ、もちろんよ
- 咲笑: 今日の夜、ポーランドから チーズが届くわ
- 咲笑: 明後日には完成するんだけど…
- まばゆ: それじゃあちゃーんと 準備しておいて下さいね
- まばゆ: みんなでおいしく いただきますから!
- 咲笑: ふふふふ…
- 咲笑: まばゆちゃんも 大きくなったわね
- まばゆ: え…な、なんですか、急に?
- 咲笑: ああ、ごめんなさいね
- 咲笑: うちにやってきた時は まるで別人だったものだから
- まばゆ: それは…まあ…
- まばゆ: あの時は、お母さんが 死んじゃって、すぐでしたし…
- まばゆ: でも、いつまでも落ち込んでても いいことないですしね
- 咲笑: ええ、そうね
- 咲笑: 時には、忘れることも必要なのよ
- FILENAME: text_905122-005.txt [Day 22]
- まばゆ: ねえ、お母さん?
- まばゆの母: なあに、まばゆ?
- まばゆ: お母さんは 未来が視えるんだよね
- まばゆの母: ええ、調子がいいときはね
- まばゆ: それ、すごいね!
- まばゆの母: ええ、これはね 私が神様から授かった力なの
- まばゆの母: この力があるおかげで 私は皆の役に立てるのよ
- まばゆの母: もし私が、この力を失ったら 困ってしまうかもしれないわね
- まばゆ: それじゃあ、未来を変えたら どうなるの?
- まばゆの母: ううん、残念だけれど 未来は変わらないの
- まばゆ: なんで?
- まばゆの母: さあ、どうしてかしらね? 私にもわからないわ
- まばゆの母: でもね、どれだけ努力をしても 未来は変わらない…
- まばゆの母: もしかしたら運命は、最初から 決まっているのかもね
- まばゆ: でもお母さん 占いをしてるんだよね?
- まばゆ: 嫌な未来が視えて、変えられ なかったら、どうするの?
- まばゆ: そんな未来、知っても 嫌な気持ちになるだけだよね?
- まばゆの母: ええ、そうね
- まばゆの母: だからそういうときは そっと胸の奥にしまっておくの
- まばゆ: 胸の奥に…?
- まばゆの母: 伝えるのはいいことだけ お互いにとって、幸せでしょ?
- まばゆ: …苦しくないの?
- まばゆの母: えっ…?
- まばゆ: お母さんの胸の中には、誰にも 言えない不幸が詰まってて…
- まばゆ: それって、なんだか苦しそう
- まばゆの母: 人の未来を預かるのは、とても 苦しくて、責任のあることだわ
- まばゆの母: だから時々は辛くもなる
- まばゆの母: でも…私はこの仕事に誇りを 持っているわ
- まばゆの母: 未来を視るこの力は 私の人生そのものなの
- まばゆ: 人生、そのもの…?
- まばゆの母: 心配してくれて、ありがとう
- まばゆの母: まばゆみたいな優しい娘がいて 私は幸せだわ
- まばゆ: お母さん…
- まばゆの母: え…
- まばゆの母: 嘘…
- まばゆ: …お母さん?
- まばゆの母: やめて…
- まばゆ: お母さん、どうしたの?
- まばゆの母: お願い、来ないで!
- まばゆ: え…
- まばゆの母: 視えた…
- まばゆの母: 視えて、しまったの…!!
- まばゆ: …………っ!!
- まばゆ: はぁっ…はぁっ…はぁっ…
- まばゆ: 今のは…夢…?
- まばゆ: …………
- まばゆ: …ううん、違う
- まばゆ: 記憶…
- まばゆ: お母さんの、記憶…
- FILENAME: text_905122-040.txt
- まばゆ: 本当に…ここに来るんですか?
- ほむら: ええ、きっとね
- ほむら: なぎさはひとりで 魔女と戦っているわ
- ほむら: そして今日は この場所に魔女が現れる
- まばゆ: ああ、あの…
- さやか: うああああっ!!
- さやか: やああああああ!
- まばゆ: 傷だらけになりながら 美樹さんが戦った魔女ですね?
- ほむら: ええ
- まどか: 美樹さんって…さやかちゃん?
- まどか: さやかちゃんが どうかしたの?
- まばゆ: い、いえ、なんでもありません
- まばゆ: (鹿目さんには、時間を操れる ことは伝わっていますが…)
- まばゆ: (美樹さんが魔女になったことは 伝えてませんからね)
- まばゆ: (そんなことを教えても 何にもなりませんし…)
- まばゆ: (そっと胸の奥に しまっておく…か)
- まばゆ: …………
- ほむら: ふたりとも、話があるの
- まどか: な、なに?ほむらちゃん
- ほむら: 彼女がどのような仕組みで 活動しているかはわからないわ
- ほむら: でも、私たちのように魔法を 使うことで消耗するなら…
- ほむら: 彼女はもう 限界が近いはずよ
- まばゆ: また、魔女に戻りかねない ってことですか…
- まどか: そんな!
- まどか: せっかく、幸せになれるように 願ったのに…
- ほむら: ええ、その結果だけは 絶対に避けなければならない
- ほむら: まばゆ
- まばゆ: は、はい!
- ほむら: 私の未来を、視てくれる?
- まばゆ: …わかりました
- まばゆ: (なぎさちゃんの願いを叶える ためには、失敗できない)
- まばゆ: (だから、私の未来予知の 魔法を使うわけだけど…)
- まばゆ: (もし、この先に視る 未来が失敗に繋がっていたら…)
- まばゆ: (運命は、変えられない?)
- ほむら: まばゆ、どうかしたの?
- まばゆ: …いえ
- まばゆ: (それでも…)
- まばゆ: (私は、自分にできるだけの ことは、やらなきゃです!)
- まばゆ: 行きます!
- まばゆ: これは…
- まばゆ: …ああ、そうか
- まばゆ: そういうことだったんだ…
- ほむら: まばゆ?どう?
- まばゆ: ええ、大丈夫です
- まばゆ: 暁美さん、鹿目さん
- ほむら: ええ、何?
- まどか: わたしは、どうすれば…?
- まばゆ: 今のふたりの気持ちを 思いっきり、ぶつけて下さい
- まばゆ: それが…唯一の方法です
- まどか: 気持ちを…ぶつける
- ほむら: わかったわ
- ほむら: ありがとう、まばゆ
- まばゆ: …はい
- まばゆ: …………
- まばゆ: (暁美さん、鹿目さん ごめんなさい)
- まばゆ: (でも、私には…)
- まばゆ: (この他に方法が、ないんです)
- FILENAME: text_905122-050.txt
- なぎさ: こんばんはなのです
- なぎさ: 魔女さんの、お出ましなのです?
- なぎさ: なんという偶然、なのです 実はなぎさも…
- なぎさ: 悪い悪い魔女なのです!!
- なぎさ: 魔女がどうして魔女と 戦うのでしょう?
- なぎさ: それは、なぎさが 悪い子だからです
- なぎさ: 悪い子は、してはいけない ことをするのです
- なぎさ: 魔女なのに 魔女をやっつけたり!
- なぎさ: 魔法少女なのに 魔法少女とけんかをしたり!
- なぎさ: 大好きなのに 嫌いなフリをしてみたり!
- なぎさ: きゃぅっ!
- まどか: なぎさちゃんっ!
- なぎさ: …!?まどか…
- ほむら: もう、限界でしょう 下がっていなさい
- なぎさ: ほむらも…
- なぎさ: ふん!なぎさは悪い子だから 誰の言うことも聞かないのです
- なぎさ: 魔女だから、最初から 幸せになんてなれないのです!
- まどか: ちがうよ、なぎさちゃん!
- まどか: なぎさちゃんは、良い子だよ
- まどか: グリーフシードを 集めてくれたんでしょう?
- まどか: 自分には使わないで わたしたちのために…
- まどか: でもね、なぎさちゃん
- まどか: あなたを失ってしまったら… そんなの、何の意味もないんだよ
- なぎさ: …………
- なぎさ: まどかはチョロすぎるのです
- まどか: チョロい…?
- なぎさ: そうやってなんでも、自分に いいように解釈して…
- なぎさ: そんな良い子ちゃんだと いつか騙されてしまうのです!
- ほむら: そうよ、まどかは良い子よ
- ほむら: 何度裏切られても… 何度苦しめられても…
- ほむら: あなたをまた、信じるし… 幸せになって欲しいと、願う
- なぎさ: なぎさには、幸せなんて…!!
- ほむら: 私には到底、彼女みたいな 優しさはなかった
- ほむら: まどかのように真っ直ぐには あなたに向き合えなかった
- ほむら: あなたをいつか、失って しまうと知っていたから
- なぎさ: そうです!わかっているなら 放っておいて欲しいのですッ!!
- ほむら: それは間違いだったわ
- なぎさ: え…
- ほむら: 私は、失ってしまう物を 愛すのが、怖かった
- ほむら: でも…失ってしまうからこそ 愛すべきものもある
- ほむら: だってあなたは まどかの願いが作り出した希望…
- ほむら: それを、見捨てるなんて できるわけがなかったのよ!
- なぎさ: ほむら…
- ほむら: 今まで、無礼を働いてしまって ごめんなさい
- ほむら: あなたはまどかにとっても 私にとっても、大切な人だから…
- ほむら: 私と、友だちになって
- なぎさ: …なんでなのです?
- なぎさ: …どうしてなのです?
- なぎさ: なぎさは、とっても 悪い子なのに…
- なぎさ: どうして、こんなに、みんな 優しくしてくれるのですかあっ!!
- なぎさ: なぎさは、幸せになんて、 絶対、なれないのに…なのに!
- まどかの声: なれるよ!
- まどか: だって それが魔法少女の奇跡だもの!
- ほむら: そうよ!
- ほむら: あなたは、幸せになるために この世界にやってきたの!
- まどか: だから、お願い!わたしたちと 一緒に帰ろう!
- ほむら: 一緒に、世界一のチーズケーキを 食べるのよ!
- なぎさ: …………
- なぎさ: まどか…ほむら…
- なぎさ: ありがとう…
- なぎさ: ありがとうなのですーっ!!
- まどか: やった…!!
- なぎさ: んっ、くぅ…
- ほむら: なぎさっ!
- まどか: は、はやくグリーフシードを…
- なぎさ: 要らないのです
- ほむら: なに言ってるの! あなた、また魔女に…
- なぎさ: 来ないでなのです!
- まどか: …っ!?
- ほむら: なぎさ…?
- なぎさ: みんな…なぎさに、やさしく してくれて…うれしいのです
- なぎさ: でも…やさしくされれば されるほど…辛くなるのです…
- なぎさ: だって…なぎさは… 魔女だったのです
- なぎさ: 巴マミも、佐倉杏子も 殺して、しまったのです…
- まどか: …………
- ほむら: …………
- なぎさ: みんなが優しくしてくれても
- なぎさ: 良い子になろうとがんばっても
- なぎさ: 心が辛くなるだけで
- なぎさ: すぐに濁っていくのが わかるのです
- なぎさ: だから…
- なぎさ: お願いなのです
- なぎさ: もしもなぎさの友だちなら…
- なぎさ: 人殺しのなぎさを… 楽にして欲しいのです…!!
- まどか: そんな…
- ほむら: なぎさ…
- 「いいですよ」
- なぎさ: まばゆ!?
- まばゆの声: 「あなたが今頭の中に 思い浮かべていること…」
- まばゆの声: 「巴マミと佐倉杏子を殺した 悪いあなたと…」
- まばゆ: さようなら
- FILENAME: text_905123-010.txt [Day 23]
- ジリリリリリ!
- まばゆ: ふわ…ん…んん…
- まばゆ: 目覚まし時計…?
- まばゆ: なんだ…夢…か…
- なぎさの声: 夢じゃないのです、まばゆ!
- バサッ
- まばゆ: うぎゃー!こ、こたつを… 剥がさないで…さむい…!!
- なぎさ: いいからさっさと起きるのです!
- なぎさ: 今日は待ちに待ったあの日! なのですよ!
- まばゆ: へ?あの日…?
- FILENAME: text_905123-035.txt
- なぎさ: いただきまーす、なのです!!
- なぎさ: あむあむ、あむあむっ!!
- なぎさ: んんんんんん――――!!
- 咲笑: どう、なぎさちゃん?
- なぎさ: んんんん――っ!! んんんん――っ!!
- まばゆ: おいしい…って 言ってるみたいですね
- 咲笑: うんうん、よかったよかった
- 咲笑: 自慢のチーズケーキよ みんなもおあがりなさい
- まどか: ありがとうございます!
- ほむら: いただきます…はむ…
- ほむら: !!
- まどか: あ…!!
- ほむら: おいしい…おいしすぎる… こんなの、おかしいわ…!!
- まどか: 舌の上で溶けたチーズが ダンスを踊ってるみたい
- まばゆ: の、脳が、チーズになって 溶けていきそうな感じです…
- なぎさ: 咲笑!これは、絶対、ぜったい 世界一のチーズケーキなのです!
- 咲笑: ふふふふ、そうでしょう?
- ほむら: だめ…フォークが、止まらない
- まどか: ほんとだ…ずーっと 食べていたい気分…
- まばゆ: 咲笑さん…まさか、危険な 物質を入れてないですよね?
- 咲笑: あっ、気づいちゃった?
- まばゆ: !?なななな!なんですとー?
- 咲笑: 食べ物をおいしくするには 色々な方法があるけれど
- 咲笑: 世界中で認められている 3つの要素があるの
- まばゆ: 3つの要素?
- 咲笑: ええ、それは…
- 咲笑: 砂糖!
- 咲笑: 塩!
- 咲笑: 脂質!
- まどか: 砂糖、塩、脂質… ど、どれも、確かに危険…
- まばゆ: なんだかずいぶん ジャンクですね…
- 咲笑: 逆よ
- 咲笑: ジャンクフードに入っているのは それが効果的だから
- 咲笑: そしてチーズケーキは、それら 3つが同居している…!
- 咲笑: 私が心血を注いだのは、それらの 個性を調和させることだけ!
- 咲笑: そして今、脳に至福の喜びを 与える配合に至った…
- 咲笑: それがこの 世界一のチーズケーキなの!
- なぎさ: 咲笑はやっぱり、世界一の パティシエなのです!
- 咲笑: うふふふふ…
- まばゆ: わ、私たちは、大変なものを 生み出させてしまったのかも…
- まどか: でも、まあ、なぎさちゃんが 喜んでくれたんだから…
- ほむら: …ええ、それもそうね
- なぎさ: 咲笑、お代わりなのです!
- 咲笑: はいはい
- まどか: 最初は、本当にこれでいいのか 迷ったけれど…
- まどか: 今のなぎさちゃんを見ていると 正解、でしたね
- まばゆ: 黙っていてすみません
- まばゆ: もし先に作戦を伝えたら 説得を躊躇するかなって思って
- まばゆ: 人の記憶を操作するなんて 褒められたことじゃないですから
- ほむら: でもどうせ消すなら、あそこまで 彼女を追い詰める必要があった?
- まばゆ: えっと…それが、難しいところで
- まばゆ: 私は記憶を消すというよりも フィルムを切ってる感じなんです
- まどか: フィルムを、切る…?
- まばゆ: カットする瞬間は、フィルムを 頭で再生している必要があって
- まばゆ: 嫌な記憶をカットするためには 嫌な記憶を思い出す必要がある
- まばゆ: そのせいで、なぎさちゃんには 辛い想いをさせてしまいました
- まどか: そうなんですか…
- ほむら: でも、いつあなたの魔法の 本当の力に気づいたの?
- まばゆ: 暁美さんの未来を 覗いたときです
- まばゆ: 暁美さんの視界の中で 私が魔法を使うところが視えて
- まばゆ: 私はこんな魔法が使えるんだって 思い出したんです
- まどか: 魔法を使っている姿が視えて 魔法を思い出した?
- まどか: そ、それって…誰が何を きっかけに、思い出したのかな?
- まばゆ: 不思議ですよね、これ
- まばゆ: ただ、前にヒントみたいな ものはあったんです
- まばゆ: 私の母は、以前占い師をしていて 未来を予知できる力がありました
- ほむら: あなたの力とよく似ているわね
- まばゆ: はい
- まばゆ: でも、似ているのは それだけじゃなくて…
- まばゆ: 未来が変えられないってところも 同じだったんです
- まばゆ: でも、母はある日…
- まばゆ: 近く、病気で、自分が命を 失うことを予知してしまった…
- まどか: 命を失う…?
- まばゆ: その日から、母はまるで別人の ように変わってしまいました
- まばゆの母: 来るな!来ないで!
- まばゆの母: 私はもう、死ぬの… その運命は、絶対に変わらない!
- まばゆの母: そんな私に優しくして 一体何のつもりなの!?
- まばゆの母: あなたたちの顔なんて見たくない
- まばゆの母: 私なんて、放っておいて!
- まばゆ: 毎日、毎日、近づく自分の 命の終わりに怯えて…
- まばゆ: 私や、咲笑おばさんに当たり 散らすようになってしまって…
- まばゆ: 優しかった母が変わってしまった ことに、私は耐えられなかった
- ほむら: それじゃあ、もしかして…
- まばゆ: はい、死の直前の母は とても安らかでした
- まばゆ: 自分の死に怯えることなく 優しい母が戻ったようで…
- まばゆ: なぜか覚えてはいないんですけど もしかしたら…
- まばゆ: 私はその時、魔法少女の 契約をしていたのかもしれない
- ほむら: …なるほど
- ほむら: あなたの願いは、お母さんの 未来視の記憶を消すことで…
- ほむら: 今のあなたには その能力が反映されている
- まどか: でも、記憶を消して苦しさを 忘れるだなんて…
- まどか: …さびしいね
- ほむら: ええ、それでも…
- なぎさ: ふぅ…おなかいっぱい… 生きてて良かったのです…
- ほむら: このなぎさの笑顔が 見られるんだもの
- ほむら: それに代えられるものなんて なにもないわ…
- まどか: …うん、そうだね
- なぎさ: えへへへ…
- まばゆ: (そのなぎさちゃんの表情は とっても満たされていて…)
- まばゆ: …………
- ほむら: …………
- まどか: …………
- なぎさ: …………?
- なぎさ: どうしちゃったのです? たべないのですか?
- まばゆ: あの…
- まばゆ: なぎさちゃん、消えちゃったり しないですよね?
- なぎさ: 何を言ってるのですか?
- まばゆ: なにをって、ねぇ…
- ほむら: 気のせい、ね
- まどか: そう、だね あははは…
- なぎさ: …なんだか、良くわかんない ですけど
- なぎさ: 早くしないと 今日の仕事に遅れますよ!
- なぎさ: たくさん魔女をやっつけて 魔法もいっぱい強くなって…
- なぎさ: まどかとほむらとまばゆを 助けてあげるのです!
- なぎさ: ワルプルギスの夜を やっつけてやるのです!!
- まばゆ: ふふふ…頼もしいですね
- ほむら: 期待しているわ、なぎさ
- まどか: よーし、みんなで ワルプルギスの夜を越えるぞー!
- まどか: えい、えい――
- みんな: 「おーっ!!」
- FILENAME: text_905132-010.txt [Day 32]
- ほむら: 結局、4人でこの日を 迎えてしまったわね…
- まばゆ: みんなでここまで来られたのは 暁美さんのおかげですよ
- ほむら: 私たちはなぎさの願いを 叶えられなかった…
- ほむら: そういう意味でも、あるわね
- ほむら: もしワルプルギスの夜が 倒せなかったら、なぎさは…
- ほむら: 彼女の願いを 叶えられないまま?
- まばゆ: 大丈夫ですよ、暁美さん
- ほむら: まばゆ…?
- まばゆ: だって、なぎさちゃんは 鹿目さんの願いですもん
- まばゆ: 報われないはずなんて、ない
- まばゆ: だから…
- ほむら: …………
- ほむら: ええ
- ほむら: まばゆ
- ほむら: 私たちの未来を、視て
- FILENAME: text_905132-020.txt
- まどか: これが、最後のチャンス!!
- まどか: みんな… 力を合わせて…いくよッ!!
- ほむら&なぎさ: 「ふんっ!」 「えええいっ!」
- まばゆ&まどか: 「とりゃあ!」 「やああっ!」
- まどか: きゃああ…っ
- ほむら: くぅっ…!
- なぎさ: ううぅぅ…
- まばゆ: いででで…
- まどか: だ…だめだ…
- まどか: 全然…通じない…
- まばゆ: (未来視で見たフィルムと 同じ展開…)
- まばゆ: (私たちは、ワルプルギスの夜を 倒せません)
- なぎさ: そんな…
- なぎさ: だめ…だめなのです
- なぎさ: なぎさは…なぎさは… まどかたちの、役に…
- まばゆ: いいんですよ、なぎさちゃん
- なぎさ: え…
- まばゆ: 私たちは、なぎさちゃんと一緒に いられて、良かった
- なぎさ: でも…
- ほむら: まばゆの言う通りよ
- ほむら: あなたと暮らした記憶は 私たちにとって、宝物で…
- まどか: なぎさちゃんありがとう
- なぎさ: ほむら…
- なぎさ: まどか…
- なぎさ: 本当に…これで 良かったのです?
- まどか: うん
- なぎさ: ワルプルギスの夜を 倒せなくてもです?
- なぎさ: みんなの力に なれなくてもです?
- まどか: もちろんだよ、だって…
- まどか: なぎさちゃんは なぎさちゃんだもの
- なぎさ: なぎさは…なぎさ…
- まばゆ: (彼女が抱えていた絶望)
- まばゆ: (それは、彼女の持つ 彼女自身への落胆で)
- まばゆ: (彼女は、自分が誰からも 許されないと思い込んでいて)
- まばゆ: (だから、魔女に勝つことで 自分の価値を証明しようとして)
- まばゆ: (でも…)
- なぎさ: ほむら、まどか、まばゆ…
- なぎさ: ありがとう… さようならなのです
- まどか: うん さよなら、なぎさちゃん
- ほむら: さようなら、なぎさ
- まばゆ: …さようなら、です
- まばゆ: (その呪いは、消えました)
- まばゆ: (鹿目さんの、願いのおかげで)
- まどか: …………
- ほむら: …………
- まばゆ: …………
- まどか: えっと…
- まどか: ほむらちゃんも、最後まで つきあってくれて、ありがとう
- まどか: ここはもう、大丈夫だよ
- ほむら: まどか…
- まどか: まばゆさん
- まばゆ: はい
- まどか: ほむらちゃんのこと、 よろしくお願いします
- まばゆ: 任せて下さい
- ほむら: まどか、でも…
- まどか: 大丈夫
- まどか: わたしは絶望に染まらない
- まどか: だってわたしは…なぎさちゃんの 願いを叶えてあげられたんだもの
- まどか: 何にもできないわたしだけれど この世界にいた意味があった
- まどか: そうだよね、ほむらちゃん?
- まばゆ: 暁美さん、そろそろ時間です
- まどか: ありがとう…ほむらちゃん
- ほむら: さよなら…まどか
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