Vi_Vi

Yuna & Juri (Vampire ver.) MSS JP Text

Oct 23rd, 2023
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  2. 結菜: ハロウィンのとある出来事が終わった日のこと…
  3. 結菜: その日は、うららと一緒に 三浦さんと氷室さんも 我が家に遊びに来ていて…
  4. YOU WIN!
  5. 旭: ふむ、こんなもんでありますね
  6. 樹里: っだー! お前ゲームできんのかよ!
  7. 樹里: 時女のヤツはこういうの できねーんじゃねーの!?
  8. ひかる: それは偏見じゃないっすか? …リーダーは無理そうっすけど
  9. 旭: まぁ…我もそこまで嗜むわけでは ないのでありますが…
  10. 旭: このゲームは 直感的で簡単でありましたから
  11. 樹里: てんめぇ…! ウェルダンにすんぞ!
  12. ひかる: 樹里さんステイ! ステイっす!
  13. アオ: 三浦さんさぁ…無自覚煽りは 一番効くヤツだよぉ~?
  14. ラビ: …旭は 割とそういうところがある
  15. 旭: も、申し訳ないであります! 大庭殿への配慮が足らず…
  16. 智珠 らんか: まあ、樹里が煽り耐性 無さすぎってとこはあるけどね
  17. うらら: 次は、ウチが旭さんと ゲームしたいんよ!
  18. 結菜: ふふ…今日はにぎやかねぇ…
  19. ~~♪~~♪
  20. アオ: ん? 姉さま、電話?
  21. 結菜: …父からねぇ 少し静かにしていてもらえるぅ?
  22. 結菜: はぁ…困ったわぁ
  23. 樹里: どうした、姉さん
  24. アオ: やだ、なんかデジャヴ… 電話で何かあったの?
  25. 結菜: …いえ、そこまで深刻な 話じゃないから安心してぇ…
  26. 樹里: そんで?
  27. 結菜: ハロウィンの地域貢献活動に 参加することが決まったわぁ
  28. 智珠 らんか: げ…なんかダルそう…
  29. ひかる: どんなことをするんすか?
  30. 結菜: ゴミ拾いとか、高齢者の方を 訪問したり…とかかしらぁ?
  31. 旭: なるほど 立派な取り組みでありますなぁ
  32. 樹里: そんな面倒事 断りゃよかったのに
  33. 結菜: だけど、コネクションづくりは 大事なことよぉ…
  34. 結菜: 自分の将来に関わるのはもちろん 魔法少女の未来を考えれば
  35. 結菜: いずれ政治に関わる必要だって 生じてくるでしょうからぁ
  36. ひかる: さすがは結菜さんっす! ひかるも見習うっす!
  37. 結菜: それに、市長の娘かつ生徒会長… この肩書きで、断れないものぉ…
  38. 樹里: けっ、優等生も 大変なこったな
  39. ~~♪~~♪
  40. 樹里: …あ?親父からだ
  41. 樹里: もしもし、どうかしたか?
  42. 樹里: …はぁ!? ハロウィンの地域貢献活動!?
  43. 樹里: ようやく雇ってくれた社長の 頼みって言われても…
  44. 樹里: …いや、最近いろいろと 心配かけたのは…まぁ…
  45. 樹里: わりーとは…思ってるけど それとこれとは話が…!
  46. 樹里: ちょ…出席日数の話を出されたら そりゃ…確かにやべーけど…
  47. 樹里: 救済措置…?確かにあの学校じゃ そんくらい融通が利きそうか…
  48. 樹里: …チッ、わーったよ! やりゃいいんだろ!やりゃあ!
  49. 樹里: …………
  50. アオ: え、姉ちゃんも?
  51. 樹里: あぁ…最悪のハロウィンだ…
  52. 結菜: 一緒に頑張りましょうねぇ… 樹里ぃ
  53.  
  54. FILENAME: text_311211-2.txt
  55. 樹里: ハァ…なんっでこんな格好して ゴミ拾いしなきゃいけねーんだ
  56. 結菜: …ハロウィンだもの 仮装するのは仕方ないわぁ…
  57. 結菜: それに、事務所で準備されてた 衣装は樹里も見たでしょぉ…?
  58. 結菜: ―結菜― あんな可愛いのを着て外に出るくらいなら 魔法少女姿の方が、かなりマシねぇ…
  59. 樹里: ―樹里― まぁ…猫耳メイドよりかは断然いいけどよ…
  60. 結菜: ―結菜― でも、樹里が本当に来て驚いたわぁ… もしかしてバックれるんじゃないかとぉ…
  61. 樹里: ―樹里― この活動が出席日数に含まれるかも …なんて聞いたら、来ざるを得ねーだろ
  62. 結菜: ―結菜― 融通が利く学校で良かったじゃなぃ…
  63. 樹里: ―樹里― いいことばっかじゃねえよ… むしろダルいことの方が多いっつーの
  64. 樹里: つーか… なんでお前らもいるんだ?
  65. うらら: 楽しそうだったから お手伝いに来たんよ!
  66. 旭: …という、うららに 巻き込まれた形であります
  67. ラビ: 衣装は以前、サーシャたちが 作ってくれていたから…
  68. 樹里: ご愁傷様だな
  69. 樹里: んで、まずはゴミ拾いだろ さっさと終わらせちまおうぜ
  70. 結菜: えぇ、知り合いにでも会ったら やってられないからねぇ…
  71. 結菜: 地域貢献活動…と言っても 大仰なことをするわけではなく 仕事内容は、おおよそ自治体のボランティア
  72. 結菜: ハロウィンらしい格好をする以外は 特に難しいこともないため 活動はすぐに終え、私は大人たちとの コネクション作りへと向かうつもりだったけど…
  73. 結菜: …うららぁ
  74. うらら: うぅ…
  75. 結菜: 私、うららはもう少し いい子だと思ってたんだけどぉ…
  76. 結菜: 使えそうでもゴミはゴミ… 持ち帰ろうとしないでちょうだぃ
  77. うらら: だ、だってもったいないんよ…!
  78. 結菜: はぁ…家具とか雑貨なら わからないでもないんだけどぉ…
  79. 結菜: …いくらゴミとは言っても 持ち帰ってしまうと…
  80. 結菜: 遺失物等横領罪として 犯罪になってしまうのよぉ…
  81. うらら: え!? し、知らなかったんよ…
  82. 結菜: これから気をつけましょうねぇ…
  83. 結菜: …あと頼むから、食材だけは 手を出さないでくれるぅ…?
  84. 結菜: 心配になるわぁ…
  85. うらら: うぅ…わかったんよ…
  86. ラビ: …カボチャがこんなに安く!? いやしかし持ち帰る労力が…
  87. ラビ: けど…那由他に美味しい ハロウィンメニューを…
  88. ラビ: それにパンプキンパイなどは みかげさんもきっと喜んで…
  89. 結菜: …氷室さん 手を動かしてもらえるぅ…?
  90. ラビ: 失礼しました… つい、チラシが目に入って…
  91. 旭: こ、これは年代物の記念メダル…
  92. 旭: こんな掘り出し物に出会えるとは 我は、ラッキーでありますよ!
  93. 結菜: 三浦さぁん…?
  94. 旭: すまないでありますが 構ってる暇はないのであります!
  95. 旭: これは、国の財産と言っても 過言ではないのでありますよ!
  96. 結菜: えぇ…?
  97. 結菜: …はぁ
  98. 結菜: (ただのゴミ拾いなのに どうして、こんなに疲労が…)
  99. 結菜: 樹里…なんとかして…
  100. 結菜: …って、樹里がいない…? どこかでサボってるのかしらぁ…
  101. 結菜: こんな道の真ん中に 缶が落ちてるほど進んでないのに
  102. 結菜: もう、ひとりで終わらせるしか ないようねぇ…
  103. 樹里の声: オイ、何してんだよ姉さん!
  104. 結菜: あら…樹里いたのねぇ… 早く手伝って…
  105. 樹里: じゃなくて! それ、缶蹴りの缶なんだよ!
  106. 樹里: 何拾ってくれちゃってんだ
  107. 結菜: は?
  108. 樹里: コイツらと遊んでやってたんだよ ニヒッ
  109. 結菜: 子どもたちと交流するのは いいことだと思うけどぉ…
  110. 結菜: ゴミ拾いをしなさいって 言ったでしょぉ…!
  111. 結菜: そんなこんなで、他4人を叱りつつ どうにか終わったゴミ拾い
  112. 樹里: っしゃー! これで終わり!解散!
  113. 結菜: いいえ… むしろ、ここからが本番
  114. うらら: まだ何かするのん?
  115. 結菜: ええ…お宅訪問よぉ…
  116. 樹里: はぁ!? マジかよ…
  117. 樹里: 樹里サマ、早く帰って マンガを買わなきゃなんねーのに
  118. 旭: なんのマンガでありますか?
  119. 樹里: “帰ってきた ガリ勉ボウズ・キヨマロ伝説”
  120. うらら: あ、打ち切りになったって 言ってたマンガなんよ?
  121. 樹里: そ、番外編をやるらしくてさ 楽しみなんだよな~ニヒッ
  122. 旭: どんなマンガでありますか?
  123. 結菜: ギャグ系の不良マンガ…よねぇ?
  124. 樹里: おう、公家出身で弱いキヨマロが 頭脳プレイで戦おうとすんだが
  125. ラビ: それでガリ勉…
  126. 樹里: けど、結局ピンチになるから 古い家臣団を呼んで解決したり
  127. 旭: 卑怯であります…
  128. 樹里: 敵の親がキヨマロんちの息が かかったやつで遠隔勝利…とか
  129. 樹里: 先祖の力をフル活用して勝つ! っていう、ぶっとんだ話なんだよ
  130. ラビ: …それは、打ち切りになるのも わかる気がする…
  131. 樹里: 結構、いい話とか刺さるセリフも あるっつーのに…
  132. 樹里: あーあ、キヨマロ談議が できるやつが居ればなぁ
  133. 結菜: キヨマロはいいから 次の仕事へ行くわよぉ…
  134.  
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  136. 樹里: んで、じいちゃんばあちゃんの 住む家に行って
  137. 樹里: 元気か確認するっつーのが 次の仕事で合ってるか?
  138. 結菜: まぁ…ざっくりだけど そうねぇ…
  139. 樹里: んじゃ、行くか
  140. ドンドンドン!
  141. 樹里: おーい、いるかー?開けろー いるのはわかってんだぞー!
  142. 結菜: ちょっと樹里ぃ!? やめなさぃ…!
  143. 結菜: 取り立てみたいに なってるでしょぉ…!
  144. ガチャ
  145. 何事かと思ったら…
  146. 可愛い子たちが たくさんねぇ…うふふ
  147. 結菜: すみません…この子が… 乱暴に…
  148. 樹里: あ?だって声が 聞こえなきゃ困んだろ
  149. 結菜: ちょっと…!
  150. ふふ、それでその格好 お菓子をもらいに来たのかい?
  151. 結菜: いえ、私たちは地域活動として 皆様のお宅を訪問して…
  152. ちょっと待っててねぇ
  153. 樹里: ほら、姉さん声ちっせーから ばあちゃんに聞こえてねーよ
  154. 結菜: 樹里ぃ…
  155. はい、お菓子よぉ はっぴーはろうぃんねぇ
  156. 結菜: …そんな 頂けないですよぉ…
  157. 樹里: ま、樹里サマたちは もう高校生だからなー
  158. 私からしたらみーんな 可愛い子どもよぉ
  159. うらら: じゃあ、遠慮なくいただくんよ! ありがとうなんよ!
  160. 結菜: うららぁ…
  161. 結菜: そのあとも、何軒かの家を訪問しては 住んでいる方と話し、交流し ときどきお菓子を頂いたり…
  162. 結菜: 高校生にもなって子ども扱いをされるのは 少しだけむずがゆかったけれど… 人との触れ合いはあたたかくて なんだか、不思議な気持ちになった
  163. 結菜: それから、この訪問の中で 私は、みんなの知らなかった一面を垣間見た
  164. おお、お手玉かい ずいぶん上手じゃないか
  165. うらら: ふふん、ウチ実は大道芸とか いろいろやってるんよ!
  166. うらら: だから、簡単なお手玉なら 教えてあげられるんよ!
  167. 結菜: うららは、大道芸をやっていた影響か 人と話をするのが上手く すぐに、相手の懐へと入っていった
  168. 結菜: これは、彼女がプロミストブラッドで 可愛がられていたことからも 想像できたことではあったけれど…
  169. 旭: む…そこにある本は かの有名な戦艦の…
  170. 君、これがわかるのかい なかなか渋い趣味をしてるねぇ
  171. 旭: 我の祖父が、そういったものを 好きでありまして
  172. 結菜: 三浦さんは、ミリタリー系に詳しいらしく 高齢の方たちとよく話が合ったり
  173. 結菜: それに、新たな一面を見たと感じたのは 彼女たちも同じだったようで…
  174. 樹里: おい…におわねーか
  175. 結菜: な…失礼でしょぉ…
  176. 樹里: いや、なんか焦げてんぞ!
  177. ああ、そういえばお鍋の 火をかけっぱなしだったわ!
  178. どうしましょう… 今晩の夕食が…
  179. 樹里: なら、樹里サマに任せろ!
  180. 樹里: オイ、お前も協力しろよ 家政婦
  181. ラビ: 私は那由他専門の お手伝いだけど…いいでしょう
  182. ラビ: 鍋の様子は… それなりにひどいみたい
  183. 樹里: でもまあ、消し炭には なってねえみたいだし
  184. ラビ: ええ、私たちで なんとかできそう
  185. 旭: 大庭殿は料理が できたのでありますか!
  186. 結菜: 父親の食事を 作ることもあるそうよぉ
  187. 旭: それは初耳でありますな!
  188. ラビ: なんとか、一家庭の 夕食を守ることができた…
  189. 樹里: お前、料理に関しては 意外と強気でビビったわ
  190. ラビ: あなたこそ、手際が良くて …正直驚いた
  191. ラビ: プロミストブラッドというと 野蛮で怖い印象もあったし…
  192. 旭: 料理や、人との交流から 優しい面を見て驚いたであります
  193. 結菜: まったく…失礼ねぇ…
  194. うらら: 次の訪問場所は病院?
  195. 樹里: これでラストか! やっとだな!
  196. うらら: そのまま入ってきちゃったけど なんだか場違いなんよ…
  197. ラビ: 病院にお化けの仮装は 良くなかったかもしれない…
  198. 旭: 時すでに遅しでありますよ 我は、死神っぽさすらあるので
  199. 看護師: あら、みなさんが 地域活動の…?
  200. 結菜: ええ、紅晴です 本日はお願いします
  201. 樹里: んで、何したらいい?
  202. 看護師: 交流スペースにみなさん 集まっていただいているので
  203. 看護師: こちらで用意したお菓子を 配りつつ、お話を…
  204. うらら: お話だけなんよ?
  205. 看護師: ええ、よろしくお願いします
  206. 結菜: 市の活動で来ましたぁ… 楽しいハロウィンにしましょぉ…
  207. なんの仮装なんだい?
  208. 樹里: 樹里サマたちは 吸血鬼って感じだな
  209. おー、俺の悪い病気も 吸ってもらいたいもんだなぁ
  210. 樹里: いや…反応しづれーって
  211. 結菜: …ん?
  212. 結菜: (あの女の子、どこかで 見たことがあるような…)
  213.  
  214. FILENAME: text_311211-4.txt
  215. 結菜: 最後の活動として、病院での 交流をすることになった私たちは それぞれお菓子を渡したり会話をしたりと 順調に奉仕活動をしていた
  216. 結菜: ただ、そこで出会った見覚えのある少女… 彼女は、引っ込み思案なのかずっと隅に居て それが、少し気がかりだった
  217. 結菜: はい、あなたもお菓子をどうぞぉ
  218. あ…りがとう…
  219. ごめんなさい…この子 ちょっと人見知りでねぇ
  220. けど、病気の私を見舞ってくれる とってもいい子なのよぉ…ふふ
  221. 結菜: そうですかぁ… 優しいお孫さんなんですねぇ…
  222. 結菜: …ああ、そうだ…うちに 大道芸が得意な子がいて…
  223. うらら: 呼んだんよ?
  224. 結菜: うらら、何かここで お見せできるものはあるぅ?
  225. うらら: 任せるんよ!
  226. うらら: ラビさんたちと一緒にやる 大技を見せてあげるんよ!
  227. うらら: …っと、こんな感じなんよ!
  228. 旭: せ、成功でありますな…
  229. ラビ: ひやひやした…
  230. …わぁ…すごい…
  231. 結菜: (良かった…少しだけ 表情がほぐれたみたい)
  232. ぁ…あの、お姉さん
  233. 結菜: なぁに…結菜でいいわぁ
  234. 結菜…お姉さんは、算数…得意? 宿題がわからなくて…
  235. 結菜: わからないところがあるのぉ? いいわぁ、教えてあげる…
  236. 樹里: 宿題なら、樹里サマが パパっとやってやろうか
  237. 結菜: コラ…自分でやることに 意味があるのよぉ…?
  238. 樹里: はは、冗談だっつーの
  239. 樹里: …って、お前 ノートに描いてある絵…!
  240. …ぁ、その…これは…
  241. 樹里: “ガリ勉ボウズ・キヨマロ伝説” 樹里サマも好きなんだよ!
  242. 樹里: ぶっ飛んだ設定が いいんだよな!
  243. …ぅ、うん!
  244. 樹里: お前、誰が好き?
  245. あ…あのね、キヨマロと いつも一緒に居る…
  246. 樹里たち: お供のサキチ!
  247. 樹里: わかってんじゃん!ニヒッ
  248. …頑張り屋さんのとこが なんか…すごいなぁ…って
  249. 樹里: そうそう、公家出身のキヨマロは いつも先祖の力に頼って
  250. 樹里: 結局、権力とか根回しとかで 勝つのがお決まりなんだが
  251. 樹里: 農家出身のサキチは努力だけで 敵を倒しちまうんだよなぁ
  252. …お供なのに、力も サキチの方が強かったり…
  253. 樹里: そのせいで、キヨマロが呼んだ 家臣団に敵って勘違いされたりな
  254. 結菜: それから、樹里と少女は 私たちの帰る時間になるまで キヨマロ談議に花を咲かせた
  255. ラビ: では、私たちはここで
  256. 結菜: 一日ありがとぉ… 気をつけてねぇ…
  257. 結菜: じゃ、私たちも帰りましょうかぁ 今日はお疲れ様ぁ…
  258. 樹里: あぁ…マジで疲れた
  259. 樹里: でも、キヨマロ読んでるちびっこ アイツは将来有望だな!
  260. 結菜: ふふ、意外と楽しめたみたいで 良かったわぁ
  261. 樹里: …それ言ったら姉さんだって なんだかんだ楽しんでたろ
  262. 結菜: …樹里たちの奔放さには 振り回されたけどぉ…
  263. 結菜: 魔法少女になってからは あまり無かった時間だったからぁ
  264. 樹里: ま、樹里サマはこんな活動 二度とゴメンだけどな
  265. 結菜: あら、そうなのぉ…?
  266. 樹里: キヨマロの話だけでいいなら 構わねーが、そうもいかないだろ
  267. 樹里: でも、それももう終わりだ!
  268. 樹里: って、あー マンガ買い忘れちまった…
  269. 樹里: ま、明日買いに行きゃいいか どうせ暇だし
  270. ~~♪~~♪
  271. 樹里: あ? 馬から電話か…?
  272. 樹里: ん、もしもし どうした、馬?
  273. 樹里: あぁ!?
  274. 樹里: やーっと、面倒事から解放… されんだよな…?
  275.  
  276. FILENAME: text_311212-1.txt
  277. 樹里: …なんで樹里サマが 馬の言いなりになんか…
  278. 結菜: 和やかに終わりを告げたかと思っていた ハロウィンの地域貢献活動だったけれど
  279. 結菜: あの日、ひかるからかかってきた電話によれば 彼女の進路をかけた一大事を解決するため 数日にわたって子ども会の手伝いをしてほしい とのことだった
  280. 樹里: つーか、なんだよ進路って 自分でなんとかしろっつーの
  281. 結菜: 出席日数欲しさに活動へ参加した 樹里が言うのも…だけど
  282. 結菜: 私も詳しく聞きたいわぁ…
  283. ひかる: ひかるは、このまま大人になれば ダメ人間まっしぐらっす…
  284. ひかる: だからせめて、いい大学へ 進学したいと思ってるんすけど…
  285. ひかる: 子ども会の手伝いをすれば 内申点がもらえるらしくてっすね
  286. ひかる: そうしたら推薦でいい学校に いけるかもしれないんすよ!
  287. 樹里: …お前、それ一般入試から 逃げたいだけなんじゃねーの
  288. ひかる: ギクッ そ、そそそんなことないっすよ!
  289. 結菜: …言っておくけど、推薦も そんなに簡単じゃないわよぉ…
  290. ひかる: え、そーなんすか!?
  291. 結菜: あと、あなたまだ中学生だし 大学受験には早くなぃ…?
  292. 樹里: つーか、なんで馬たちは 仮装してねーんだよ!
  293. アオ: 別に、仮装してこいなんて 言われてないよ~?
  294. 智珠 らんか: 恥ずかしい格好、したくないしね
  295. 樹里: んだよ、それ…やってらんねぇ 樹里サマは帰る!
  296. 結菜: ちょっと樹里…
  297. …ぁ、樹里お姉さん…?
  298. 樹里: ――っ!?
  299. …お姉さんたち、子ども会も 来てくれたんだ…
  300. 結菜: ええ、今日もよろしくねぇ
  301. …でも、樹里お姉さん もう帰るって…
  302. 樹里: …いや、買い損ねたキヨマロの 単行本を買いに行こうかと…
  303. あ、番外編の…? それなら持ってきてる…よ
  304. 子ども会が終わったら その…一緒に読む…?
  305. 樹里: …んあー…わーったよ わーった
  306. 樹里: 仕方ねーから 最後までいてやるよ
  307. ほんと…? ふふ、嬉しー…
  308. 樹里: …ほら、そろそろ始まるし お前もみんなの輪に入っとけ
  309. …ぁ、うん…
  310. 結菜: じゃあ、さっそくゲームを 始めましょうかぁ…
  311. ひかる: 最初はしっぽ取りっすよ!
  312. ひかる: 樹里さんの後ろにつけた しっぽを追うっすよ~!
  313. 追え追え~!
  314. きゃ~!
  315. 樹里: オ、オイ! やめ、囲むんじゃねえ!
  316. …………
  317. アオ: 次は、大根抜きだよ~
  318. 智珠 らんか: 結菜さんたちに 引っこ抜かれないようにね
  319. 樹里: オラオラ! 大漁だ~!
  320. 結菜: ちょっと…力は加減してよねぇ…
  321. …………
  322. 結菜: …あなたも 一緒に鬼役をやるぅ?
  323. …ううん、見てるから 大丈夫…
  324. 結菜: …………
  325. 結菜: いくつかのゲームで、会は盛り上がっていたけど 彼女は、ずっと端っこで孤立していて それだけが、少し気がかりだった
  326. 結菜: そして心配していたのは、私だけではなく…
  327. 樹里: …………
  328.  
  329. FILENAME: text_311212-2.txt
  330. アオ: それじゃあ、お待ちかね すごろくの時間だよ~!
  331. 智珠 らんか: とりあえず、こっちで お手本をやるから見ててよ
  332. ひかる: 別にお手本なんて… って、なんすかこれ!?
  333. 結菜: すごろくでそんなに 驚くようなこと…えぇ…!?
  334. 樹里: んだこの 罰ゲームだらけのマスは!?
  335. アオ: あ、みんなにやってもらうのは もっと優しいのだから安心して?
  336. アオ: お手本は刺激的な方が 楽しいでしょ?クスッ
  337. アオ: あ、わたしは進行役だから やらないけどね~
  338. 樹里: てめぇ…はめやがったな…
  339. アオ: じゃあ、はじまりはじまり~!
  340. 結菜: こうしてすごろくを始めた私たちは 順に罰ゲームのマスを踏んでいき…
  341. アオ: じゃあ、みんな一斉に 罰ゲームをどうぞ~!
  342. アオ: ―アオ― まずは、姉さま! ネコのポーズ!
  343. 結菜: ―結菜― …ぅ、にゃ、にゃぁ…
  344. アオ: ―アオ― 続けて、姉ちゃん! お嬢様のマネ!
  345. 樹里: ―樹里― お嬢様…って、何したらいいんだ?
  346. アオ: ―アオ― なんかほら、語尾とかポーズとかさ
  347. 樹里: ―樹里― お、お嬢様…ですの~? で、いいのか?ですのだ~?ですのよ?
  348. 結菜: ―結菜― …それは、氷室さんのとこの子じゃない…?
  349. アオ: ―アオ― じゃあ、らんかは…ふふ、うふふ ぶりっこ~!ぷふっ!
  350. 智珠 らんか: ―らんか― ぶりっこって、こんな感じのポーズ? …ほんと、アオぶっ飛ばすからね
  351. アオ: ―アオ― 最後に~、ひかるは馬!
  352. ひかる: ―ひかる― ひ、ひひ~ん…っす なんすかコレ!
  353. 樹里: ―樹里― いつもどおりじゃねーか
  354. あはは、すげーおもしれー!
  355. 智珠 らんか: 笑ってる場合じゃないから! 次はあんたらがやんのよ?
  356. アオ: じゃ、すごろく開始~!
  357. アオ: あなたの罰ゲームは~… 犬の鳴きマネね!
  358. よっしゃ!わんわん! こんなん楽勝だぜ!
  359. 樹里: おい、甘くねーか?
  360. アオ: あんまり恥ずかしいのはダメって 大人に止められたんだもん~
  361. 結菜: …それで 私たちにやらせたのぉ?
  362. アオ: テヘッ
  363. アオ: あ、次の罰ゲームは 好きなひらがなを書く!
  364. ひかる: もはや罰ゲーム感うすいっすね
  365. 結菜: そのあとも、優しい罰ゲームが続いていき 和気あいあいとした空気だったけれど…
  366. ぁ…私、罰ゲーム…
  367. アオ: おっけー じゃあ、次は~…
  368. アオ: わたしたちの内、誰かの 似顔絵を描いてほしいな!
  369. …ぇ
  370. 智珠 らんか: はい、紙とペンね
  371. …………
  372. ひかる: 上手くなくても全然いいっすよ? ほら、ひかるを馬として描いても
  373. 智珠 らんか: 自分で言う? てか、馬って割とむずくない?
  374. …………
  375. 描かねーのー?
  376. そうだよ 後ろ詰まってるんだけど
  377. ひかる: まぁまぁ…そう焦らず こんなんテキトーでいいんすよ?
  378. 結菜: (…嫌な空気ねぇ)
  379. みんなやってんだから 早くやんなよ
  380. …………
  381. アオ: じゃあ、罰ゲーム引き直して~
  382. なんでだよ~えこひいきかよ~ マジ萎えるんだけど~
  383. アオ: …………
  384. なに固まってんだよ~ 姉ちゃんも固まり病かよ!
  385. アオ: …………頭きた
  386. 結菜: …アオ?
  387. アオ: …マジ萎える…は こっちのセリフなんだけど
  388. は?
  389. アオ: 罰ゲーム提示したわたしが 言うのはおかしいかもだけど
  390. アオ: 文句ばっかり言って あなた、楽しい?
  391. アオ: というか、得意不得意なんて あなたにもあるんじゃないの
  392. 結菜: …アオ
  393. アオ: だって、あの子…!
  394. 結菜: 女の子の方が居づらくなるわぁ…
  395. アオ: あっ…
  396. …………
  397. アオ: ぁ…ごめ、ん…
  398. アオ: ごめん、姉さま…
  399. アオ: なんか、昔の自分に あの子が重なっちゃって…
  400. 結菜: …えぇ、大丈夫
  401. 結菜: じゃあ、時間もそろそろだし 次の遊びにしましょうかぁ…
  402. …………
  403. 結菜: …あ
  404. あの子、逃げちゃった
  405. あの子のせいでお姉さんに 怒られちゃったし…
  406. もう来なければいいのに
  407. 結菜: …………
  408.  
  409. FILENAME: text_311212-3.txt
  410. 結菜: 罰ゲームができなかったあの子への野次… それについて、アオが叱ったのをきっかけに 場にはぎくしゃくとした空気が流れ続けたが…
  411. 結菜: どうにか私たちは その日の活動を終えることができた
  412. アオ: …ほんと、ごめん 暴走しちゃった…
  413. アオ: 大人げなかったよね…わたし
  414. 智珠 らんか: まあ、正直ムカつくのはわかる けど、やっちゃったね…
  415. 結菜: 私たちも、ああなる前に フォローできればよかったけどぉ
  416. ひかる: …ひかるもフォローのつもりが 追い詰めてたかもっす…
  417. アオ: わたしのせいで、あの女の子 絶対…居づらくなっちゃったよね
  418. 結菜: 罰ゲームと彼女との相性が 悪かったのかもしれないわぁ…
  419. 結菜: あの子も、アオも悪くないわよぉ
  420. 結菜: ただ…元々、隅っこに 寄りがちな子ではあったから
  421. 結菜: 明日の子ども会に来てくれるか 少し、心配ねぇ…
  422. 樹里: …………
  423. アオ: うぅ…どうしよう…
  424. 智珠 らんか: ま、こっちが落ち込んでたら 楽しんでもらえないだろうし
  425. 智珠 らんか: とりあえず、ゲーセンで すっきりしてから帰ろ
  426. アオ: …うん
  427. 結菜: 私たちも何かできることが ないか考えておくわぁ…
  428. アオ: ありがと、姉さま
  429. 結菜: ふぅ…
  430. 樹里: あ…
  431. 結菜: 樹里、どうしたのぉ…?
  432. 樹里: あそこにいんの、アイツだろ
  433. 結菜: ほんとねぇ… 声をかけてみましょうかぁ…
  434. 結菜: こんばんはぁ…
  435. あ…お姉さんたち… 今日…その…
  436. 樹里: なあ、お前チョコは食えるか 病院でも食ってたよな?
  437. え、あ…うん…
  438. 樹里: これ、残ってたからやる …今日はアオが悪かった
  439. 樹里: そのお詫びってことで 受け取っとけ
  440. …ぁ、ありがと…
  441. 樹里: …ちょっと、そこで 寄り道していかね?
  442. 樹里: …んで、お前さ、それ どうにかなんねーの?
  443. 結菜: 樹里…
  444. 樹里: だってコイツ オドオドする必要ねーじゃん
  445. 樹里: 絵は上手いんだし罰ゲームも 困る内容じゃなかったろ
  446. …恥ずかしい、し テキトーとか…難しくて…ぐす
  447. 樹里: ちょ、おい泣くなって 言い方…悪かったか?
  448. 樹里: えっと…その… 話なら、聞くからさ
  449. …ぅ…ふぅ…うん
  450. 結菜: 落ち着きはじめた少女が ぽつりぽつりと語ってくれたのは 1年ほど前に引っ越してきてから今までのこと
  451. 結菜: 彼女は、二木市に越してきてからというもの 元の性格も相まってずっとなじめずにいたらしい
  452. 結菜: そして、唯一彼女の味方である祖母も 最近は体調を崩しがちなのだという
  453. 私も…みんなの輪に 入りたい…って思う
  454. おばあちゃん、私がひとりなの 心配…してるから…でも…
  455. うっ…うぅ~…
  456. 結菜: 大丈夫…大丈夫だから 泣かないでぇ…?
  457. ふぅ…うぅ…
  458. 結菜: どうしましょぉ…
  459. 樹里: オイ、こっち見ろ
  460. …へ?
  461. 樹里: オラッ
  462. わぁ…ちっちゃい花火…?
  463. 樹里: …マジックだ
  464. 樹里: アオが小さい頃…じゃなくて えっと…あれだ
  465. 樹里: 親戚のチビが これ見ると泣き止んだんだよ
  466. 樹里: どうだ、すげえだろ 超練習したんだぞ
  467. うん…すごい…
  468. 樹里: 樹里サマは、こういう 小細工ってのは嫌いなんだけどさ
  469. 樹里: ア…じゃなくて、チビに 泣き止んでほしくて…変わった
  470. 変わった…
  471. 樹里: お前は、変わりたくねーの? 弱い自分からさ
  472. 樹里: 強くなりてーなら樹里サマが 鍛えてやってもいいんだぜ
  473. …ぅ、わ、わかんない…
  474. 樹里: …そうか
  475. 樹里: なぁ、困ったらさ 樹里サマたちを呼べよ
  476. 樹里: いいな?
  477. …うん
  478.  
  479. FILENAME: text_311212-4.txt
  480. 結菜: …あの子、大丈夫かしらぁ
  481. 樹里: さぁな
  482. 結菜: 私たちにできることって 何があるのかしらねぇ
  483. 樹里: …自分でなんとかするだろ
  484. 結菜: …とか言って、本当は 助けてあげるつもりでしょぉ…
  485. 樹里: 誰が、そんなだりーこと
  486. 結菜: でも、言ってたじゃなぃ… 困ったら呼べ…って
  487. 結菜: 樹里は、無責任に そんなこと言わない…でしょ?
  488. 結菜: それに…アオのために習得した 魔法まで見せて…
  489. 樹里: オイ、こっち見ろ
  490. …へ?
  491. 樹里: オラッ
  492. わぁ…ちっちゃい花火…?
  493. 樹里: …マジックだ
  494. 樹里: チッ…んで、何が言いたい
  495. 結菜: あの子のために何ができるか 一緒に考えてくれなぃ?
  496. 樹里: …仕方ねーな
  497. 結菜: あなたも乗り気でしょぉ?
  498. 樹里: 別に、アイツが 小さいアオに重なっただけ
  499. 樹里: …それに、今日はアオが いろいろやらかしちまったし
  500. 樹里: その責任を取るのは 樹里サマたちだろ
  501. 結菜: もう親じゃないし、いいのよ?
  502. 樹里: うっせーな いいから考えるぞ
  503. 結菜: ふふ…そうねぇ…
  504. 結菜: あ、もう遅いしうちに泊まるぅ? 今日は両親も出かけてるし…
  505. 樹里: いいぜ、明日も一緒なら その方が楽そうだしな
  506. 結菜: 夜通し、対策を練るわよぉ…
  507. 結菜: あの子は、そもそも性格が 引っ込み思案みたいよねぇ
  508. 結菜: あまり話をせずにできる ゲームをやってみる…とか
  509. 樹里: けど、それは一時しのぎだろ 今後のことを考えるなら…
  510. 結菜: (…樹里にしては 珍しく入れ込んでる…)
  511. 結菜: 私には、この出来事が 樹里にとって大きなものになるような そんな、予感がしていた
  512. 結菜: (茶化さず、私もしっかり 向き合わないとねぇ)
  513. 樹里: オイ、姉さん聞いてんのか?
  514. 結菜: あぁ…ごめんなさぃ 考えごとを…
  515. 結菜: とりあえず お腹が空いてきたわぁ…
  516. 樹里: …まあ確かに 腹が減っては…ってやつだな
  517. 樹里: なんか簡単に作るから 台所借りてもいいか?
  518. 結菜: あらぁ、作ってくれるのぉ?
  519. 樹里: 樹里サマの方が手際いいからな 姉さんは案でも出してろ
  520. 結菜: わかったわぁ…
  521. 結菜: そして、その話し合いは 樹里の作ってくれた夜食を食べながら 明け方まで行われた
  522. 結菜: そして、いつの間にか眠っていた私は 夢うつつで、ここ数日のことを振り返りながら ふと、思った
  523. 結菜: こんな風に小さい子へ 入れ込んだのはアオ以来だ…と
  524. 結菜: そして、生徒会長として プロミストブラッドのリーダーとして 大切な人たちのために心を費やしてきたけれど
  525. 結菜: 出会って間もないような少女に対して こんなに時間を割いたのは
  526. 結菜: 今回が、初めてだったのかもしれない…
  527. 樹里: あの頃のアオと重なったから …ただ、そんだけだよ
  528.  
  529. FILENAME: text_311213-1.txt
  530. 樹里: ん…ふぁ… っべー、寝ちまった
  531. 樹里: 姉さん、姉さん起きろ 朝だぞ
  532. 結菜: …ん、おはよぉ…
  533. 樹里: 朝飯食ったら 昨日の話、最終調整すんぞ
  534. 結菜: …わかったわぁ
  535. 樹里: あーほら、早く顔洗ってこい 飯作んのに台所借りるからな
  536. 結菜: ありがとぉ… 助かるわぁ…
  537. 樹里: んじゃ、いただきますっと
  538. 結菜: あら…?
  539. 樹里: どうした?
  540. 結菜: 勝負の日なのに トンカツじゃないのねぇ…
  541. 樹里: 姉さん、朝からトンカツは 食えねぇって言ってたろ
  542. 樹里: それに…戦いの主役は 樹里サマたちじゃなくてアイツだ
  543. 結菜: 確かにそうねぇ…
  544. 結菜: そして迎えた子ども会2日目…
  545. 結菜: …あの子は来てるぅ…?
  546. 樹里: あぁ…ただ、さすがに 居心地は悪そうだな
  547. 結菜: 上手くいけばいいけどぉ…
  548. 樹里: …それはアイツ次第だろ
  549. アオ: 姉さま、言ってたもの 用意しておいたけど…
  550. 智珠 らんか: 大きな紙とペン… で、いいんだよね?
  551. ひかる: いったい、何をするんすか?
  552. 結菜: お楽しみよぉ…
  553. 樹里: んじゃ、今日のゲームを 発表すんぞ~
  554. 結菜: 今日するのは、絵しりとりよぉ
  555. 智珠 らんか: ちょっと…正気? 昨日、絵でダメだったじゃん
  556. アオ: そうだよ! またできなかったら…
  557. 結菜: …あの子を信じましょぉ
  558. 樹里: じゃ、スタートだ
  559. はい、描けた!
  560. 結菜: …次はあなたの番ねぇ
  561. …………
  562. また、固まってるじゃん
  563. アオ: ちょっと…
  564. でもさ、大丈夫なの?
  565. ねー、昨日もダメだったし
  566. ざわざわ…
  567. …………
  568. っ…
  569. 樹里: …逃げちまうのか?
  570. ぅ…だって…
  571. 樹里: …サキチがキヨマロを 叱咤激励するとき言うんだ
  572. え?
  573. 樹里: 「先祖の力も、才能も、努力の結果も 内に秘めているだけでは役に立たず 駆使して初めて、お主の助けとなるのだ」
  574. 樹里: その言葉で、キヨマロは 新たな力を解放して敵に勝つ
  575. 樹里: しかも、普段は威光に頼って 勝つキヨマロだけど
  576. 樹里: この回は、ガリ勉で得た 知識も役立って好きな回なんだよ
  577. …………
  578. 樹里: …つまり、何が言いたいかってさ
  579. 樹里: お前が持ってる力 見せてやれよ、アイツらに
  580. …ぅん
  581.  
  582. FILENAME: text_311213-2.txt
  583. 樹里: お前が持ってる力 見せてやれよ、アイツらに
  584. …ぅん
  585. なーボソボソ話してねーで 早く描かないのかよー
  586. もしかして、絵が すっごい下手なんじゃない?
  587. だから描かなかったの?
  588. っ…
  589. カリカリカリ…
  590. アオ: あ…描き始めた
  591. 智珠 らんか: 良かった…ていうか あれ…待って待って!
  592. ひかる: めっちゃうまくないすか!?
  593. えーほんと?
  594. わ、すごい…上手!
  595. …確かに
  596. ねえ、それアニメのキャラ? 絵、得意なの?
  597. ちょっと…だけ…
  598. あれ描いてよ! 朝にやってるさ…!
  599. おいずりーぞ、お前らばっか! なあ、俺にも描いてよ!
  600. 智珠 らんか: 絵しりとりどころじゃ なくなっちゃってんじゃん
  601. アオ: 一躍ヒーロー…って感じ?
  602. 智珠 らんか: …ていうか、何したの 結菜さんたち
  603. 結菜: …いろいろと策を考えたんだけど あの子を信じることにしたのぉ
  604. ひかる: どういうことっすか?
  605. 樹里: 結局のところ、樹里サマたちは なんもしてねーんだよ
  606. 結菜: ただ、絵が得意なあの子が 少しやりやすい遊びにしただけ
  607. 結菜: 解決したのは全部…
  608. 結菜: 彼女の勇気よぉ…
  609. 樹里: アイツ、実力は持ってんのに 自信だけがなかったんだ
  610. 樹里: ま、これを乗り越えれば 今後もちょっとは変わるだろ
  611. 樹里: っし…これで終わりだな
  612. 結菜: …ええ 今度こそ、お疲れ様ぁ…
  613. 樹里: にしても、馬たちは元気だな 解散後、即遊びに行くなんてさ
  614. 結菜: ふふ…本当ねぇ
  615. お、お姉さんたち…!
  616. 結菜: あら、今日のヒーローねぇ
  617. ヒーロー…なんて、そんな…
  618. 樹里: アイツらちゃんと謝ったか?
  619. …ぅん、見直したー…って 今度ね、遊ぶ約束もしたの
  620. 樹里: 手のひら返しで釈然としねーけど お前がいいなら、それでいいか
  621. 樹里: そんで…今、帰り?
  622. ぁ…病院に寄ってこうと…
  623. 今日のこと話したら おばあちゃん、喜ぶから…
  624. だから…あの、改めてね
  625. …ありがと、結菜お姉さん 樹里お姉さん
  626. 結菜: 頑張ったのは、あなたよぉ
  627. 樹里: ま、よくやったんじゃねーの
  628. …えへへ
  629. 樹里: っし、病院まで送ってく
  630. そんな…大丈夫…
  631. 樹里: 暗くなってきたし 遠慮すんなっつーの
  632. 樹里: それに、会うのもたぶん 今日が最後だろ?
  633. …そっか… …ぁ、ありがとう…
  634. じゃあ…ここで
  635. 結菜: おばあさまによろしくね
  636. 樹里: …あー、良くなるといいな お前のばあちゃん
  637. ありがと… またね、お姉さんたち
  638. 結菜: いくらなんでも、病気は どうにもできないわねぇ…
  639. 樹里: …だな
  640. 樹里: あ、つーかマンガ 読ませてもらうの忘れてたな
  641. 結菜: ――っ!?
  642. 樹里: …魔女
  643. 樹里: チッ…病院にいやがんのか アイツらが危ねーな
  644. 結菜: 急ぎましょぉ…!
  645.  
  646. FILENAME: text_311213-3.txt
  647. …あ、おばあちゃん
  648. お部屋から出てたんだね 体調、良くなったの…?
  649. あの、今日ね、私 嬉しいことがあってね…
  650. …………
  651. おばあ…ちゃん…?
  652. ぐ…うぅ…
  653. おばあちゃん…? ねえ、どうしたの…!?
  654. あ…えっと、看護師さんを 呼ばなくちゃ…!
  655. きゃ!?
  656. 停電…?
  657. ど、どうしよう…
  658. ぅ…うぅ… 誰か…
  659. ぁ…
  660. 樹里: なぁ、困ったらさ 樹里サマたちを呼べよ
  661. た、助けて…
  662. 樹里お姉さん… 結菜お姉さん…っ!
  663. 樹里の声: おう
  664. え…?
  665. 樹里: お前、でっかい声も ちゃんと出るんじゃん
  666. 結菜: 助けを呼べて偉いわねぇ
  667. なんで…ふたりが…
  668. 樹里: あー、樹里サマたち 実はホンモノの吸血鬼でさ
  669. 樹里: 悪い病気を吸いに来たんだ
  670. 病気を…?
  671. 結菜: 私たちは、血だけじゃなくて 悪い病気も吸い取れるのよぉ…
  672. 樹里: だから、安心しろ ばあちゃん、すぐ良くなっから
  673. 樹里: その代わり、いいって言うまで 待ってろ…わかったな?
  674. …わかった
  675. 樹里: 言っとくが、ばあちゃんにも 友だちにも内緒だからな
  676. うん
  677. 樹里: そんじゃ、行ってくる! 目、しっかり閉じとけよ!
  678. …………
  679. ………… …………
  680. ………… ………… …………
  681. 樹里の声: 「もう、目開けていいぞ」
  682. はっ…
  683. 停電…直ってる?
  684. あ、おばあちゃんは!?
  685. 樹里: 大丈夫 ちょっと寝てるだけだ
  686. 結菜: 念のため、看護師さんは 呼んでおいてねぇ
  687. …お姉さんたち 吸血鬼だったの…?
  688. 樹里: あ?なんのことだ 夢でも見たんじゃねーの?
  689. …じゃあ、ヒーロー…かな
  690. 樹里: …………
  691. 私、私ね…ふたりみたいな ヒーローに…な、なりたい!
  692. 結菜: (…思い出したわぁ この子…前に会ってる…)
  693. 結菜: それは、恐らく彼女が引っ越してきたころ 魔女の口づけを受けていた少女を助けたときに 言われたことを、今の今まで忘れていた
  694. ヒーローみたい…
  695. 結菜: (幸い、彼女はそのことを 覚えていないようだけど…)
  696. 結菜: (ヒーロー…だなんて)
  697. どうしたら…私も ヒーローになれるの?
  698. 樹里: …樹里サマたちは ヒーローなんかじゃねえよ
  699. …吸血鬼だから?
  700. 樹里: そんな、いいもんじゃない 樹里サマたちは…
  701. …?
  702. 樹里: …いいか、よく聞け
  703. 樹里: ヒーローになんて なろうとするんじゃねえ
  704. …やっぱり、弱い私には 難しい…から?
  705. 樹里: そうじゃない お前は、お前のままでいい
  706. 樹里: 変わりたいなら今日みたいに 一歩踏み出すだけでいい
  707. 樹里: 自分の力で 自分だけのやり方を見つけろ
  708. 言ってること…難しいよ…
  709. 樹里: 自信持て…っつーことだ
  710. 樹里: いいか、間違っても 誰かの誘惑に乗ったりすんな
  711. 樹里: 願いは、自分で叶えろ お前なら、できるはずだ
  712. 樹里: …なんせ、キヨマロを読んでる 将来有望なちびっこだからな!
  713. わかんないけど…わかった
  714. 私は…私… 最強の私になる!
  715. 樹里: 最強…くく、なんつーか いいじゃねーか、それ
  716. えへへ…ありがとう お姉さん
  717. あ、あとねひとつ お願いがあるの…!
  718.  
  719. FILENAME: text_311213-4.txt
  720. 結菜: そして、ハロウィンの気配も過ぎ去ったころ…
  721. あ!お姉さんたち! 来てくれたんだ!
  722. 樹里: おー
  723. …私がお願いしたから?
  724. あ、あとねひとつ お願いがあるの…!
  725. 吸血鬼なの、内緒にするから また、子ども会に来てね…!
  726. 樹里: ちげーよ、約束してたマンガ 読ませてもらってねーと思ってな
  727. ふーん…?ほんとう?
  728. 樹里: なんかお前、図々しくなったな
  729. ふふ…だって 最強の私になるって決めたから
  730. 樹里: あー、だりーことになっちまった
  731. 結菜: あの一件を終えて、今後政治にも関わるのなら 子どもたちへ寄り添う必要があると考えた私は 定期的に子ども会へ参加することにした
  732. 結菜: 気晴らし…と同行する樹里だけど 恐らく、半分本当で半分嘘
  733. 結菜: 実際、子どもたちとヘトヘトになって 遊ぶ中でストレスを解消できているのか 以前より炎を溜め込まなくなったけど
  734. 結菜: 理由の半分は、たぶんあの子との出会い
  735. 樹里: ヒーローになんて なろうとするんじゃねえ
  736. 結菜: あの日…樹里はきっと彼女に対して “魔法少女になってほしくない” という想いを抱いたのだろう
  737. 結菜: 何度か話題に出し、聞いてはみたけど 『アイツ、しょうもない願いで契約しそうだろ』 と、毎回はぐらかされてしまう
  738. 結菜: だけど、あの子と出会って 樹里の中に今までなかった感情が 生まれたんじゃないかと、私は思っている
  739. …あのね、樹里お姉さん 今日は相談があるの
  740. 樹里: あぁ?いじめられたってなら 樹里サマがぶっ飛ばしてやる
  741. そ、そうじゃなくてね… ほら、あの子
  742. 樹里: …なんか、ちょっと前の お前みたいなやつだな
  743. そうなの…
  744. 樹里: っしゃ任せろ!
  745. 樹里: オイ、お前!
  746. ひぃ! な、なん…ですか…
  747. 樹里: お前、ボクシングに 興味ねーか?
  748. 樹里: 力がつきゃ自信もつくってもんだ どうだ?一緒に強くなろーぜ
  749. え、えぇ…ボクシングって もっとなんか、ないの…?
  750. 樹里: じゃあ、えっと…なんだ どうしたらいい…?
  751. 例えば…勉強、とか 頭の良さも強さ…でしょ?
  752. 樹里: 確かに、キヨマロは ガリ勉か…いやーでもなぁ…
  753. 結菜: (子どもたちを助けるつもりが あの子も学んでるみたいねぇ…)
  754. 紅晴さん
  755. 結菜: あぁ、こんにちは 学童保育の方…ですよねぇ…
  756. ええ、話を聞きたいって… 場所はここでよかったのかしら?
  757. 結菜: …子どもの未来を考えるなら 子どもたちを見ながらがいいかと
  758. 結菜: 私は私で、こうして繋がりを持ちながら 未来のために何ができるか 大人の力を借りて、動き始めている
  759. 結菜: 魔法少女の未来を作ること それは、子どもたちの今をより良くする… ということとも繋がっているだろうから
  760. 樹里: 今日もクッソ疲れたけど… ま、悪くない疲労感だな
  761. 結菜: …子どもの相手 意外と得意なのねぇ
  762. 樹里: 別にちびっこは 好きじゃねーよ
  763. 樹里: …あいつらと遊ぶのも 嫌いじゃねぇけどな
  764. 結菜: また、魔女ねぇ… 行きましょうかぁ…
  765. 樹里: 魔女はこっちで倒すから 姉さんは巻き込まれたヤツらを
  766. 結菜: 任せてちょうだぃ…
  767. 樹里: っりゃあああああ!
  768. 樹里: …なんつーか、今までも結界に 囚われたヤツらは助けてたが…
  769. 結菜: あくまで生きるための魔女退治で 人助けのためじゃなかったわねぇ
  770. 樹里: 樹里サマなんかストレスを 発散するために戦ってたからな
  771. 結菜: …魔法少女として、人との関係を 見つめなおしてもいいのかもぉ…
  772. 樹里: 言っとくが樹里サマは樹里サマの 生き方を変えるつもりはねえよ
  773. 樹里: 目の前に困ってるヤツがいたら 助けてやってもいい…そんだけだ
  774. 樹里: あと、そうだ…頼まれたから 次の子ども会でやる企画を…
  775. 樹里: …オイ 何、笑ってんだよ
  776. 結菜: いえ…
  777. 結菜: (楽しそうな顔してるわね …とは言わないでおきましょぅ)
  778. 樹里: あれか、未来のことを言えば 鬼が笑う…ってやつか?
  779. 結菜: そうかもしれないわねぇ…ふふっ
  780. 結菜: 未来を語り合える日が また来るなんてねぇ…
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