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- FILENAME: text_311331-1.txt
- ???の声: …さん
- ???の声: …さーん…?
- ???の声: ラービーさーんっ!
- ラビ: …ハッ
- 那由他: あ、起きたんですの
- 那由他: 気持ちよさそうに寝てたので 迷ったんですけど
- 那由他: 今日は家事を教えてもらう 予定でしたので…
- ラビ: …そう…でしたね
- ラビ: (私としたことが、家事を終えて うたた寝をしていたなんて…)
- ラビ: …………
- 那由他: …あれ、ラビさん? 聞いてますの…?
- 那由他: も、もしかして無理に 起こしたから怒って…!
- ラビ: ああ、すみません… 夢を見ていたもので…
- ラビ: ちょっとぼーっとしてました
- 那由他: 夢…? どんな夢でしたの…?
- ラビ: …………忘れました
- 那由他: …気になる間なんですの
- ピンポーン
- ラビ: …ちょっと、出てきます 多分、宅配だと思うので
- 那由他: あ、大丈夫ですの!
- 那由他: 寝起きのラビさんに代わって 私が対応してくるんですの
- ラビ: …那由他に起こされるなんて 珍しいこともある…
- ラビ: …それにしても あんな夢を見るとは…
- ラビ: そう、あの夢の内容は キモチとひとつになっていたときに 見えていたもの…
- ラビ: かつて、希望を打ち砕かれて未来を諦めた私は すべての魔法少女を消し去ることで みんなを救おうとした
- ラビ: けれど、環さんの言葉で私は…
- いろは: たぶん、氷室さんは 自分にウソを吐いてますよ…!
- ラビ: いえ、これは本心
- いろは: 本当に、諦めてる人は… 戦おうとしません…
- ラビ: ――っ!?
- いろは: みんなを、苦しまないように 死なせようとするのは…
- いろは: 少しは助けたいっていう想いが 氷室さんに…残ってるからです…
- いろは: それに…諦めたくないから、 氷室さんは神浜市に来たはず…
- ラビ: 違う…今の私は…
- いろは: 諦めてる人は…戦いません…!
- いろは: 戦うのは… 望む結末が…あるから、です…!
- いろは: 苦しんでも…痛くても… 死にそうでも…
- いろは: もがいている人たちは…みんな…
- いろは: 目指している希望が…! 心に宿っているはずなんです…!
- いろは: それは氷室さんの胸の中にも 宿ってますよ!
- カチ…カチン…
- ラビ: あ…
- ラビ: 私は…心の奥にしまい込んでいた 希望を思い出した
- ラビ: 希望を直視するようになって感じたのは 自分の手で消し去ることの悲しみ…
- ラビ: 湧き出た悲哀に胸が締めつけられるのは 私の中に希望を捨てたくないという心が 今も残っている証なんだと思った
- ラビ: 私が捨てたくなかったもの…
- ラビ: 環さんと繋がって思い出した 「かつて抱いた希望」…
- ラビ: それは、こんなものだった
- FILENAME: text_311331-2.txt
- ラビ: 環さんと繋がっていたときに 私が白昼夢のように見たものは かつて思い描いていた幸せな希望
- ラビ: それは、魔法少女について 正しく伝わった世界での暮らし
- ラビ: 宿の仕事を手伝い 祖父と一緒に畑の世話をして 魔法少女として魔女を退治しながらも 普通の学生として生きる、そんな毎日…
- ラビ: おはよう、お母さん 何か手伝えることはある?
- ラビ: 畑の水やりも終わったし 出かけるまで時間はあるけど…
- ラビの母: それじゃあ、朝食で使った食器を 片づけてもらえる?
- ラビ: うん、わかった
- ラビの母: いつもありがとうね
- ラビ: ううん、これくらいなんとも 好きでやってることだから
- ラビ: ふぅ…
- ラビの母: これでひと段落ってとこね
- ラビの祖父: ああ、そうだな おかげで助かった
- ラビの母: あ、出かけるって言ってたけど 時間は大丈夫なの?
- ラビ: まだ時間に余裕はあるけど… 散歩も兼ねてそろそろ行ってくる
- ラビの母: お友だちの大道芸を 観に行くんだっけ?
- ラビ: そう…それから夕方に 展示会にも行く予定
- ラビの祖父: 天体について…だったか? 楽しんでくるんだよ
- ラビ: うん、ありがとう
- ラビの母: あ、帰りは遅くなるの?
- ラビ: …魔女が出なければ
- ラビの母: そう…魔法少女っていうのも 大変ねぇ…
- ラビの母: くれぐれも気をつけてね
- ラビ: わかった いってきます
- ラビ: (今日の予定は…)
- ラビ: (午後から、うららの 大道芸のステージがあって)
- ラビ: (夕方に展示会…)
- ラビ: (うららのステージまでは 少し時間もあるし…)
- ラビ: (図書館に行くか パトロールでも…)
- ラビ: …ん?
- ラビ: …あれは
- 灰谷: 温泉と遊園地 どっちがいいと思う?
- 黒田: 別にどっちでもいいんじゃね
- 灰谷: そうじゃなくて、私は 黒田の意見が聞きたいんだけど?
- 黒田: …………
- 旭: …やれやれでありますな
- ラビ: …またやってる
- 旭: あ、ラビ…! 奇遇であります!
- 旭: そういえば、うららの大道芸を 観に行くと言ってたでありますな
- ラビ: ええ、それまで時間があるから ぶらぶらしていたところ
- ラビ: …それより、またもめてる?
- 灰谷: 今日はケンカじゃなくて 意見を聞いてるだけなんだけどね
- ラビ: …なるほど
- 灰谷: 健康的な温泉と遊べる遊園地 どっちが黒田は好みなの?
- 黒田: どっちでもいいって…
- ラビ: …なんでどちらでもいいんです?
- 黒田: …………
- 黒田: だって…俺は…
- 灰谷: ん?
- 黒田: …俺は、お前が楽しめるとこなら 別に、どこでもいいっての
- 黒田: その…楽しそうな灰谷見てんのが いい…っつーか…
- 灰谷: …なんだ それなら、私だって一緒だよ
- 灰谷: 黒田が楽しい方が 私は嬉しいから
- 灰谷: ふたりで楽しめるところに 一緒に行きたいって思ってるよ
- 灰谷: だから、黒田の意見も聞かせて?
- 黒田: …………
- 黒田: …まぁ、どっちかって言うと 温泉…かも
- 黒田: 「ほら、俺らって地元が温泉街だから わざわざ行く機会ってあんまなかったし 各地の温泉を見にいって、その歴史とか 勉強してみたいっつーかなんつーか…」
- ラビ: 不自然なほど急に饒舌に…
- 旭: ははーん、なるほど 灰谷の浴衣目当てでありますね?
- 黒田: あーあーあーあー、こうなるから 言いたくなかったんだって!
- 灰谷: ふふふっ
- 灰谷: でも、意見聞いといてあれだけど やっぱり遊園地も捨てがたい…
- ラビ: …あの、それなら
- FILENAME: text_311331-3.txt
- 旭: 遊園地と温泉が一体になった 施設があるとは驚きであります
- ラビ: うちのお客さんから そういう話を聞くことは多いから
- 灰谷: うんうん、ここなら どっちも楽しめて完璧だね
- 黒田: …ん、そうだな
- 旭: 灰谷の浴衣も 見られるでありますからな
- 黒田: うっるせぇ、三浦!
- 灰谷: ふふふっ ありがとう、氷室さん!
- ラビ: いえいえ、楽しんで
- ラビ: (…始まるまであと5分)
- ラビ: (ちょうどいい時間に 来られたみたいで良かった)
- ???の声: リハに遅れるとか! それでもプロなわけ!?
- ラビ: (…この声、もしかして)
- うらら: ご、ごめんなんよくらら…! その、魔女を退治してて…
- くらら: 別に魔法少女だからって 怒ってるわけじゃないわよ…
- うらら: え…あ…えっと…
- うらら: で、でもさっき練習したから この通り完璧に…!
- くらら: っ…! そういうところがムカつく!
- くらら: 私はアンタと違って 最後まで確認したかったの!
- うらら: で、でも前日の練習でくららも もう余裕って言ってたんよ
- うらら: 不安があるなら昨日のうちに 解決しとくべきなんよ!
- くらら: は、はぁ!?
- ラビ: …また、ケンカしてる
- ラビ: でも、まぁ… 正面から言い合えるだけ
- ラビ: 進歩したと言うべきか
- くらら: ありがとうございましたーっ! お届けしたのは、くららと
- うらら: うららなんよーっ!
- うらら: このあとは夜遊びホームルームの 公開収録も予定してるから
- うらら: よかったら来てほしいんよ!
- ラビ: (直前までケンカをしていたのに あんなに笑顔で演技できるとは)
- ラビ: (…さすがはプロ)
- ラビ: さて、次の待ち合わせは…
- ラビ: (…ん、今から向かうと早い)
- ラビ: 少し遠回りしていこう
- ラビ: (…あ、あそこのスイーツのお店 サーシャが好きそう…)
- ラビ: って、あれは…
- アレクサンドラ: あらっ! ラビちゃん!
- アレクサンドラ: こんなところで会えるなんて! うふふっ♪
- アレクサンドラ: 駅で何か用事ですか?
- ラビ: このあと待ち合わせがあるから 暇をつぶしていたところ
- ラビ: それにしても すごく機嫌がいいようだけど
- アレクサンドラ: そうなんです…!
- アレクサンドラ: さっき、休日の練習が終わって 帰る途中だったんですけど…
- ラビ: 何かいいことでもあった?
- アレクサンドラ: はいっ♪
- アレクサンドラ: それが、声楽部で リードに選ばれたんですっ!
- ラビ: そう…それは良かった
- アレクサンドラ: あら? 思ったより反応が薄い?
- ラビ: …サーシャなら 選ばれて当然だと思ったから
- アレクサンドラ: まぁっ♪
- ラビ: おめでとう、サーシャ 発表とかはあるの?
- アレクサンドラ: ええ、なので良ければ ラビちゃんにも来てほしいなって
- ラビ: もちろん
- ラビ: ――っ!?
- アレクサンドラ: 魔女…ですね
- アレクサンドラ: ラビちゃん!
- ラビ: ええ…!
- ラビ: …行こう
- アレクサンドラ: はい!
- アレクサンドラ: あら… 他の魔法少女が先に…
- ラビ: この反応…
- ラビ: 旭、うららも…!
- 旭: よかった…助太刀が 欲しかったところでありますよ
- うらら: 助けてなんよ~!
- ラビ: ええ、まかせて!
- ラビ: それよりうららはステージのあと 収録があったんじゃ…?
- うらら: くららに任せて 抜けてこられたけど…
- うらら: ケガして仕事に影響が出たら 今度こそコンビ解散って
- うらら: くららに脅されてるんよ~! だからケガできないんよ~!
- アレクサンドラ: それじゃあ、完全勝利… しないとですねっ♪
- ラビ: ええ、私は魔女を叩くから うららは巻き込まれた人を!
- うらら: わかったんよ!
- FILENAME: text_311331-4.txt
- 旭: ふぅ…やったでありますな
- アレクサンドラ: 捕まっていた方々も 全員無事なようですね
- うらら: ウチも、くららに怒られずに 済みそうなんよ~
- ラビ: ええ…
- いたた…
- ラビ: …目が覚めた?
- 私たち、いったい何を…
- ラビ: …あなたたちは 魔女に襲われて気を失っていた
- ラビ: …それより、ケガはない?
- え、はい…
- あの…あなたたち もしかして魔法少女?
- ラビ: そう…ですね
- 噂には聞いてたけど 初めて会った…!
- 助けてくれてありがとう 魔法少女さん!
- ラビ: …どういたしまして 無事でよかった
- アレクサンドラ: ふふっ
- アレクサンドラ: …って、ラビちゃん 待ち合わせの時間って…!
- ラビ: ――っ!?
- ラビ: (懐中時計の時間は…)
- ラビ: …悪いけど、あとのことは…
- 巻き込まれた方への説明など あとのことは引き受けるので
- 氷室さんは行って大丈夫です!
- ラビ: あなたたち…!
- ラビ: …ありがとう!
- ラビ: はぁ…はぁ…
- ラビ: …さすがにもう、帰って…
- ???の声: 氷室先輩
- ラビ: …白金…
- ラビ: その…ごめんなさい せっかく誘ってくれたのに
- 白金: 本当です せめて連絡くらいほしいですね
- 白金: でも…きっと魔法少女として 動いていたんですよね
- ラビ: ええ…でも
- 白金: それなら、私には責められません だって人の命を救ったんですから
- 白金: …それに、展示会の期間は まだもう少しあります
- 白金: なので、また来週 一緒に来ませんか?
- ラビ: …でも、また同じように 遅刻してしまうかもしれない…
- ラビ: それなら白金は、他の人を 誘って行った方が…
- 白金: 氷室先輩以外で、一緒に 行きたい人なんていませんよ
- ラビ: …………そう
- 白金: 今日は、もう帰りましょう 夜も遅いですし
- ラビ: …なら、送っていく
- 白金: いいんですか? じゃあお言葉に甘えて
- ラビ: …白金
- 白金: なんです?
- ラビ: …来週は、その できるだけ遅刻しないようにする
- ラビ: …また、魔女が出たら そのときはわからないけど…
- 白金: …ふふ、それじゃあ 期待しないで待ってます
- 白金: ねぇ、氷室先輩
- 白金: また来週…楽しみですね
- ラビ: そう、環さんと繋がっているときに見たのは 「かつて求めた希望」
- ラビ: 今となっては二度と手に入らないものだった…
- ラビ: 虚しい過去の望みを思い出しても 悲しみを味わうだけで苦しくなるだけだから 私は、胸の奥にしまいこんで諦念に至った
- ラビ: その結果、魔法少女を滅ぼそうとする 極端な行動に走ってしまったけど
- ラビ: 今の私は、もう叶わぬ過去を見ても 諦念に至ることはない
- ラビ: 環さんと繋がり、那由他たちと過ごし 私は未来を見るようになったから
- ラビ: 未来…
- ラビ: 環さんと繋がっていたときに見た白昼夢は かつて求めた希望だけではなく 純粋な未来を描いたものもあった
- ラビ: それは、私が望む幸せな未来で 様々な形のものがあって…
- ラビ: (ほとんどは、今の時間の 延長線のような…)
- ラビ: (穏やかな時間が多かったけど)
- ラビ: (その夢の中には いくつか妙なものがあった…)
- ラビ: …どうして、あんな へんてこな夢を描いたのか…
- ラビ: それもこれもきっと 那由他のせいに違いない…
- ラビ: 彼女と出会い、過ごした時間の中で 変わった私が描いた 楽しくて不思議な未来…
- ラビ: 願っていたのは、穏やかな毎日…
- FILENAME: text_311332-1.txt
- ラビ: 環さんと繋がっているときに 私が思い浮かべたいくつもの希望
- ラビ: 「かつて抱いた希望」の他に私が見たのは 今の自分が思い描いているいくつもの幸せな未来
- ラビ: その中でも、あのときの私が見ていたのは いっそうおかしくて賑やかな… 我ながら、どうしてそんな夢を見たのかと 今でも不思議な…そんな未来
- ラビ: (…さて、今日はどうやって 那由他を起こそうか…)
- ジリリリリ…
- ラビ: 目覚ましとは、珍しい…
- ばさっ
- 那由他: ふわぁ…おはようなんですの ラビさん
- ラビ: ――っ!?
- ラビ: まさか那由他様が目覚ましだけで 起きるだなんて…!
- 那由他: 驚きすぎなんですの バカにしないでほしいんですのー
- 那由他: それに今日は…
- 那由他: みんなで湯国市へ 温泉旅行なんですの!
- ラビ: 予定があれば起きられるんですね
- ラビ: みかげさんは、お姉さんの許可を しっかりもらってこれましたか?
- みかげ: 自動浄化システムが広がって
- みかげ: 他の町に行っても 安全になったから
- みかげ: ミィの姉ちゃも おでかけOKって言ってたよ!
- ラビ: それはよかったです では、さっそく出発しましょうか
- 太助: 3人とも 気をつけて行っておいで
- ラビ: それは、自動浄化システムが広がり 平和が訪れた世界での暮らし
- ラビ: 那由他たちと共に過ごす中で 旅行へと出かける…そんな1日の話
- 那由他: 着いたんですの… 湯国市!
- みかげ: もうワクワクしてきちゃった!
- 那由他: それにしても、さすが観光地 結構混んでるんですのね
- ラビ: ええ…と言っても 今日は特に混んでますね…
- ラビ: …なんだか、少しガラの悪い 人が多い気が…
- ???の声: オイオイ、見た顔だと思ったら お前らじゃねーか
- 結菜: こんにちはぁ…
- みかげ: あーっ!
- ラビ: …驚いた
- 那由他: プロミストブラッドの皆さんも みんなで旅行なんですの?
- 結菜: ええ、うららの大道芸も 観させてもらう予定よぉ
- 那由他: そうなんですの それにしても大所帯なんですの…
- 智珠 らんか: アオ、見なよあそこ! レトロゲー置いてあるよ
- アオ: じゃあ、温泉まんじゅうを賭けて 一発勝負しちゃう?
- ひかる: 結菜さーん! あっちの足湯に行きたいっす!
- うらら: それなら、ウチも 一緒に行きたいんよ!
- 結菜: いま行くわ ひかるぅ…うららぁ
- 樹里: そういうことだから んじゃ、またな!
- ラビ: また…?
- 那由他: まぁ同じところで観光してたら 何度も会いそうなんですの
- みかげ: ふぅー、お昼ご飯 すっごい美味しかったぁ!
- 那由他: ですの… 幸せなんですの
- ラビ: それは良かった
- ???の声: あら、氷室さんたちじゃない
- 静香: こんにちは
- ラビ: あなたたちも…
- ちはる: あ、みんなはもう お昼って食べた?
- みかげ: うん、今ちょうど 食べてきたところだよ!
- すなお: そうでしたか…
- 旭: まだなら、我の家でジビエ料理を と思ったのでありますが
- 那由他: そうだったんですの… ちょっと食べたかったんですの
- 青葉 ちか: あ、干し肉などを お持ち帰りするのはどうです?
- 那由他: それなら、パパへの お土産にもなるんですの!
- 旭: では、あとで 用意しておくでありますよ
- ラビ: (こんなに知り合いと会うなんて なんだかおかしい気が…)
- 月出里: ふんむむむー!
- ヨヅル: こんにちは
- リヴィア: おっ、ラビやん!
- リヴィア: ちょうど良かったわ 聞きたいことがあってん
- リヴィア: 「そこの店とあっこの店やと どっちの方が地元っぽいもん売っとる? あーそれから、このあと観光で 山にも行くんやけど、ラビのおすすめて…」
- ラビ: …ひとつずつお願いできますか
- ???の声: あ、ラビりんじゃーん
- ひめな: やっほー★
- ラビ: …………どうも
- 燦: 湯国市、いいところね
- ミユリ: ミユは早く温泉に入って 燦様のおみ足を…
- はぐむ: もしもし…? みつねちゃん、これ映ってる?
- 三輪 みつね: 見えてるけど、すごい人混み…! さすが観光地って感じw
- 時雨: テレビ電話越しだからって 余裕そう…ちょっとずるい
- 時雨: ぼくはもう、帰りたい…
- はぐむ: ほ、ほら、夜ご飯は美味しい って聞いてるし、頑張ろ?
- 那由他: なんだか行く先々で お知り合いに会いますの
- みかげ: こんな偶然ってあるんだね!
- 那由他: これで、いろはさんたちもいたら すごい確率なんですの
- ラビ: (…そんなまさか… いや、でも…)
- みかげ: それじゃーそろそろ 宿に行こーっ
- いろは: あ、氷室さん! 今日は誘ってくれてありがとう!
- ラビ: …………
- FILENAME: text_311332-2.txt
- みかげ: えーっ!?
- 那由他: そんなことってあるんですの!?
- ラビ: すみません… 私の不手際みたいです
- 那由他: 「つまり、いろいろ区切りがついたタイミングで みなさんをグループごとで週替わりに 大地のゆりかごに招待していたはずが なんの手違いか全員が同じ日に 宿泊予定になってしまったと…」
- みかげ: それでこんなに すごいことになってるんだねぇ
- ひめな: でもまぁ、にぎやかで ワンチャンありじゃない?
- アレクサンドラ: たしかにそうですね うふふっ♪
- ラビ: …ただ、ひとつ 大きな問題がありまして
- ラビ: 夕食のすき焼きで使う 最高ランクの特選牛肉が足らず…
- 那由他: えぇっ!?
- 時雨: …ぼくのモチベーション…
- 静香: …まぁ、招待いただいた身だし 文句は言えないわね
- リヴィア: せやなぁ えらい残念やけど
- 結菜: お部屋は足りるみたいだし それだけでもね
- やちよ: ええ、仕方ないわね 諦めるしかないわ…
- フェリシア: はぁ!? オレは肉食いてえぞ、やちよ!
- 樹里: つっても、 何人分かは用意があるんだろ?
- ラビ: …ええ、とは言っても せいぜい6人分くらいしか…
- ラビ: ここにいる人数を考えれば 食べられるのは5分の1になる
- 樹里: じゃあ、肉を奪い合って 勝負するしかねーだろ
- フェリシア: おう! 望むところだぜ!
- うい: ふたりともケンカはダメだよ…!
- すなお: ええ、お肉を奪い合うのなら ケガのない方法にしましょう
- ちはる: 奪い合うのは前提なんだ…
- ミユリ: ケガのない方法…
- 燦: それなら、温泉卓球なんてのは どうかしら?
- みかげ: 卓球!? それならミィもやりたい!
- ひめな: いいじゃんいいじゃん! ラビりん、卓球ある?
- ラビ: ありますけど…
- アレクサンドラ: 広い部屋に カラオケもありましたよね?
- 時雨: カラオケ…? ぼくは絶対歌わないからね
- うらら: みんなでお泊まりと言えば 枕投げなんよ!
- ひかる: いいっすねぇ! 燃えてきたっす!
- すなお: それでは 温泉卓球、カラオケ、枕投げ…
- すなお: この3本勝負で 勝ったチームがお肉…ですね!
- 南津 涼子: それじゃ、最初の勝負は温泉卓球 ってとこだけど
- 南津 涼子: 6人1組のグループで 勝った1組が肉をゲットだ!
- 那由他: 私たちはピュエラケアの方々と 合同ですのね
- 月出里: ふんむんむー!
- 南津 涼子: じゃ、各チーム代表者ふたりを 出して総当たり戦の勝負だ!
- 南津 涼子: 「最初の戦いは チームみかづき荘VS那由他家&ピュエラケア! お互い正々堂々勝負だ!」
- ラビ: (…宿の人間として勝つのは 避けたい気もするけど…)
- みかげ: ラビたん、頑張れ~! お肉~!
- 月出里: ふむむ~!
- ラビ: (みかげさんのためにも ちゃんとやらないと…)
- ラビ: …頑張りましょうか
- ヨヅル: ええ、勝負事で手を抜かない… これも優しさのひとつです
- 南津 涼子: はじめ!
- フェリシア: おらぁ!
- ヨヅル: ふん
- 鶴乃: よいしょー!
- ラビ: …それっ
- ラビ: (なんとかラリーは 繋げないと…)
- フェリシア: うぉりゃーーーー!
- ピピーッ!
- 南津 涼子: フェリシア選手、反則! 退場!
- フェリシア: あぁ!? なんでだよ!
- 鶴乃: なんでもこうもないよー! 普通に変身は無しだよー!
- 南津 涼子: よって勝者 那由他家&ピュエラケア!
- ラビ: …勝ちましたね
- ヨヅル: ええ 負ける気はしませんでしたが
- ラビ: (家族以外と、ここで 卓球をしたのは初めてかも…)
- ラビ: (なんだか、思ったより…)
- ラビ: (総当たりの最終戦… 熱い戦いではあったけど…)
- 樹里: っしゃ! これは樹里サマたちの勝利だろ!
- リヴィア: 残念やけど 結菜ちゃんを現行犯逮捕や
- ひかる: 結菜さん!?
- ラビ: …柱の影で対象変更を使い ズルをしていたみたいです
- 青葉 ちか: それはよくないですね…
- アオ: …仲間だけどぉ 姉さま、それは即BANだよ~
- 結菜: くっ…
- 南津 涼子: 反則続出につき消去法で勝者! 那由他家&ピュエラケア!
- 那由他&みかげ: やったーっ!
- ラビ: …喜んでいいのか
- ヨヅル: まぁ、堅実に頑張った… ということですので
- ラビ: (…思えば、途中から本気に なっていたところがあった…)
- ラビ: (…らしくないけど 少し、楽しかったのかも…)
- FILENAME: text_311332-3.txt
- アレクサンドラ: さあ、気を取り直して 次はカラオケ大会です♪
- みかげ: ラビたんって、友だちと カラオケとかするの?
- ラビ: いえ、ないですね… 昔、家族とここで歌った程度で
- ひめな: ラビりん、あのカラオケの ピってやるタブレットは?
- ラビ: …タブレット? …うちのカラオケはこれですけど
- ひめな: …え、何この本 めっちゃ分厚いんだけど、辞書?
- すなお: ああ、これは電話帳みたいに 本から探すやつですね
- 燦: 昔はこれが主流だったらしいって 青年会の人に聞いたことがあるわ
- 静香: カラオケ…本…歌…?
- ちはる: 静香ちゃんには そこから説明だね…!
- ミユリ: というかこの本! 知ってる曲が全然ないですよぅ!
- はぐむ: 演歌とか、昔の曲? みたいなのが多いね
- フェリシア: 初期のデカゴンボールの 曲しかねぇ!好きだけど!
- 智珠 らんか: レトロゲーの音楽は入ってるけど 歌ったことないしなぁ…
- アオ: 選曲で詰んでるよぉ~
- ひかる: それに比べてあっちは…
- ちはる: そぉれが、ゆすりん坊将軍 民の味方なの、っだぁ~♪
- 静香: よっ、日の本一!
- リヴィア: おっしゃ、次は私の 「泉南のオッサンの唄」やな
- ラビ: …なんですか、その歌
- リヴィア: この名曲を知らんのか!?
- ひめな: あ、この歌って私チャンたち 世代のやつじゃん!
- ひめな: しぐりん、一緒に歌お!
- 時雨: …絶対、歌わないよ?
- ラビ: (…友だちとカラオケって こういう感じ…なんだろうか)
- アレクサンドラ: 歌える歌がなかったりで 勝負としては成り立たないですね
- ラビ: うちの機械が古かったばかりに 申し訳ない…
- うい: でも、すっごい楽しかったね カラオケ大会、またしたいなぁ
- 鶴乃: 今度は、みんなで町の カラオケに遊びに行こう!
- いろは: それじゃあ、気を取り直して 次の勝負にしましょうか?
- うい: じゃあ、次の戦いは 枕投げだけど…
- いろは: 氷室さん…本当に 枕投げても大丈夫なの?
- ラビ: ええ、ケガさえしなければ 問題なしと許可はもらってる
- ラビ: 一応、ケガ防止に 布団も敷いておいたので
- アオ: はいはーい 枕投げってルールはどんな感じ?
- ミユリ: 当てて倒したら勝ちですかね?
- はぐむ: それじゃあ、ケガを しちゃうような…?
- 樹里: じゃ、枕投げで勝ったチームが ルールを決めようぜ!
- ラビ: いや…それだと 破綻するのでは…
- フェリシア: それ、いーじゃん!
- みかげ: じゃあ、よーいはじめ!
- ラビ: え…いや、ちょっとみかげさん…
- フェリシア: ―フェリシアー オレのスーパー枕ショットを食らえー!
- 結菜: ―結菜ー んん!? …やったわねぇ、深月フェリシア…
- みかげ: ーみかげー あはははっ! すごい顔で怒ってる~
- 静香: ー静香ー 行くわよ、藍家さん! お命頂戴するわ!
- ひめな: ーひめな― しずしずガチ過ぎ~ でも私チャンも容赦しないから、キャハッ★
- 那由他: ー那由他― ラビさーんっ その枕を渡してほしいんです、のっ!?
- ラビ: ―ラビー ちょ…那由他様、足下…!
- 那由他: ー那由他― きゃ、きゃぁああッ!? ラビさん避けて欲しいんですのーっ!
- ラビ: ―ラビー そんな急に無理ですよ!?
- どーんっ
- ラビ: いたた…
- 那由他: ご、ごめんなさいですの~
- ラビ: …というか、この勝負 本末転倒では…?
- ラビ: ルールを決めるために ルールのない争いを…
- 鶴乃: ほんとだよ! 何のために戦ってるんだか…!
- ラビ: そうこうしている間に もう夕食の時間…
- ラビ: 結局 お肉の件はどうするべきか…
- ???の声: そこで、我の出番でありますよ
- FILENAME: text_311332-4.txt
- ???の声: そこで、我の出番でありますよ
- 旭: こんなこともあろうかと 持ってきたでありますよ
- 青葉 ちか: じゃーん、ジビエのお肉です!
- ラビ: な、いつの間に…!
- 旭: カラオケのタイミングで 泥仕合が予想できていたので
- 旭: 実家から急いで 在庫を仕入れてきたのであります
- 旭: もちろんラビの母上殿にも 確認をとり…
- 青葉 ちか: 足りない分は旭さんの料理で 補ってもいいとのことです!
- 旭: 特選牛肉とは また違った美味さでありますよ
- すなお: 旭さんの作るジビエ料理 ほんっとうに美味しいんですよ?
- 樹里: …そんなにうめーのか?
- フェリシア: その、じびえってやつは!
- すなお: はいっ!
- ラビ: あぁ、嫌な予感…
- 樹里&フェリシア: ジビエ料理を食べるのは この樹里サマ(オレ)だぁ!
- 那由他: いろいろありましたけど おいしかったんですの!
- みかげ: みんなでシェアしたから どっちのお肉も食べられたもんね
- ラビ: 最初から そうすれば良かったのでは…
- ラビ: (なんだか、どっと疲れが…)
- ひめな: ラビりーん! みんなでお風呂行くよ~
- リヴィア: チームのリーダー同士で 入ろうっちゅう話みたいやで
- 結菜: これを機に、リーダー同士の 親睦を深めないとねぇ…
- ラビ: 同じ釜の飯を食べたので もう十分なのでは…
- 静香: こんな機会は滅多にないんだから 早く行きましょう!
- いろは: あの…無理しなくても いいですからね?
- ラビ: …別に、無理とは…
- 那由他: では、みかげさんと私は そのあとに交代で入りましょうか
- みかげ: うんっ、すーたんと ういたんたちも一緒に行こ!
- 月出里: ふむっ!
- うい: フェリシアさんも、一緒に行こ!
- フェリシア: じゃあ、みんなで泳ごうぜ!
- やちよ: …泳いだらダメよ 私も監督としてついていくから
- ラビ: そもそも、泳ぐほどの 広さはないけど…
- ひめな: みんなのお風呂終わったら ガールズトークとかよくない?
- 旭: ガールズトークでありますか なかなか専門外ではありますが
- アレクサンドラ: 別に恋バナ限定じゃないですよ 趣味の話でもいいんです
- うらら: なら、ウチは家族との お話をするんよ!
- さな: じゃあ、私たちは ゴロゴロのお話を…
- すなお: 布教活動ですね
- ミユリ: 布教ならミユからも いっぱいありますよぅ!
- はぐむ: あんまり暴走しちゃダメだよ?
- 那由他: ふふふっ なんだか楽しい旅行ですの
- ラビ: …………そうですね
- 那由他: ただいまなんですの~…
- ラビ: ゆっくり過ごす旅行のはずが どうしてこんなに疲れてるのか…
- 太助: おかえり、みんなお疲れ様
- 太助: おや…みかげちゃんは 先におうちに帰ったのかい?
- 那由他: …ええ、みたまさんが駅まで 迎えに来てくださったんですの
- 太助: それならよかった
- 那由他: ふわぁ…
- ラビ: ほら、那由他様…寝てしまう前に 早くお風呂に入ってください
- 那由他: あぃ… わかりましたの~…
- ラビ: …………
- ラビ: (疲れたのに楽しかった …なんて、私も変わったな)
- ラビ: 星空を見上げても もう、隣に自分の存在を証明してくれた 白金はいない…
- ラビ: それは、これからも変わらない事実
- ラビ: でも、これが今の私にとって 愛おしい、大切な居場所…
- ドタドタドタ…
- 那由他の声: ラビさ~ん! 私のパジャマはどこですの~!
- ラビ: …はぁ もの思いにふけるヒマもない
- ラビの声: いま行きますから 待っててくださーい
- ラビ: これが、私が環さんと繋がっているときに見た 思い描くいくつもの幸せな未来の内のひとつ
- ラビ: …我ながら、賑やかな夢で 突飛で…私らしくない
- ラビ: …でも
- ラビ: 心のどこかでは あんな未来を求めていたのかも…
- ラビ: 賑やかな毎日も、 悪くはないのかもしれない
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- ラビ: 環さんと繋がったとき 私は、かつて抱いた希望を思い出し そして、いくつもの幸せな未来を夢見た
- ラビ: (けど、かつて抱いていた希望も 夢見た幸せな未来たちも)
- ラビ: (しょせんは 空想に過ぎない…)
- ラビ: …………
- ドタドタドタ
- 那由他: ラビさーん! 荷物が届きましたの
- ラビ: ああ、前に頼んでいた 調理器具ですか?
- 那由他: はい、これでラビさんに 料理を教えてもらえるんですの
- 那由他: でも、調理器具なんて 家にあるのにどうしてわざわざ?
- ラビ: 那由他様のような方は 形から入る方がやる気になるかと
- 那由他: そんなにチョロくない… とも言い返せないんですの
- ラビ: ふふ では、早速始めましょうか
- ラビ: 那由他たちと過ごす今まで通りの毎日
- ラビ: 繰り返す当たり前の日々は いつしか幸せな毎日に変わっていき
- ラビ: 気づけば、その中で私は 未来を見るようになっていた
- ラビ: そして今、私は未来のために動いている
- ラビ: 那由他に料理などの家事を教えているのも そのひとつ
- ラビ: 私も、ずっと那由他と一緒にいるわけじゃない いつかは那由他のもとを離れる日が来る その日のための準備をする毎日
- ラビ: それが、本当の今
- ラビ: そうです、猫の手ですね さすがに覚えましたか
- 那由他: 子ども扱いはやめるんですの 私だって来年には高校生ですの!
- ラビ: 喋らなければ、見た目は元々 高校生っぽいんですけどね
- 那由他: それはどういうことなんですの!?
- ラビ: ああほら、よそ見しない ケガをされたら困るので
- 那由他: う…
- ラビ: …ところで那由他様、進路は どうすることにしましたか?
- 那由他: …まだ、悩んでるんですの
- 那由他: パパと同じ領域で魔法少女の 研究をしたいんですけど
- 那由他: そのためには、どの大学を 目指して勉強をするべきか…とか
- 那由他: そもそも、そのためには どんな高校へ進むべきか…とか
- ラビ: 思ったより真面目に 考えていて、正直驚きました
- 那由他: 当たり前なんですの!
- ラビ: …でも、それなら教授のいる 大学へ行くのが妥当なのでは?
- 那由他: できれば、パパとは別のところで 学びたいんですの
- ラビ: おや…反抗期…
- 那由他: ではなく、パパとは少し離れて 独自の研究をしてみたいんですの
- 那由他: そういうラビさんは、高校を 卒業したらどうするんですの?
- ラビ: …私も、実家の宿を手伝いながら 大学へ行きたいな、と
- ラビ: 私の場合は、地元の大学に 教授と懇意にしてる方がいるので
- ラビ: その方から学びつつ、魔法少女を 広める活動ができればと
- 那由他: そうなんですのね
- ラビ: …なんでそんなに 嬉しそうなんですか?
- 那由他: …なんだか、ふたりで 未来のことを語れるのが嬉しくて
- ラビ: …そうですね これも自動浄化システムが広がり
- ラビ: 魔法少女に未来が もたらされた結果ですね
- 那由他: ええ、そうなんですの
- 那由他: …でも、受験って とっても気が重いんですの
- 那由他: 高校受験を乗り越えても 次は大学受験…その次は就職!?
- ラビ: 高校受験もまだなのに… 那由他様は気が早いですね
- 那由他: ラビさんの受験が始まったら いよいよ忙しくなるんですの…
- 那由他: あ…もしかして、ラビさんとも あんまり会えなくなるんですの!?
- ラビ: そのために今、料理の練習を しているのでは…?
- 那由他: ああ、そうでしたの… 寂しくなってきたんですの
- ラビ: …まぁ、定期的に家には来ますよ ゴミ屋敷になりそうですし
- 那由他: そこまでひどくはないんですの!
- ラビ: …那由他様も言っていましたが 未来に悩めるのも幸せなことです
- ラビ: 今までは閉ざされていた未来が こうして幾通りにも広がっている
- ラビ: …それに、魔法少女を一緒に 広める話もあります
- ラビ: これから、少しだけ道が違っても ゴールは近いところにある
- ラビ: きっと、交わったり離れたりして そうして前に進んでいくんです
- 那由他: 確かに、そう考えればそうですの
- 那由他: それに、同じ魔法少女同士 切っても切れない縁なんですの
- ラビ: …ええ 腐れ縁…ですね
- 那由他: な…ラビさん、ひどいんですの!
- FILENAME: text_311333-2.txt
- 那由他: じゃじゃーん!
- 那由他: 完成ですの! 味の判定をお願いするんですの
- ラビ: どれどれ…
- ラビ: …………うん 初めての献立にしては上出来です
- ラビ: 私が教えたからか 宿の味にも近いですね
- 那由他: ラビさんのご実家のお料理 美味しかったですの…
- 那由他: あ、そうですの…!
- 那由他: 今度こそみかげさんを連れて 3人で旅行したいんですの!
- ラビ: 3人で旅行…ですか
- ラビ: …………
- ラビ: (あの夢みたく、他グループの 招待もしていないし杞憂か…)
- 那由他: …だめですの?
- ラビ: みかげさんのご両親の 許可が下りれば行きましょう
- 那由他: はいですのっ!
- 那由他: 着いたんですの… 湯国市!
- みかげ: もうワクワクしてきちゃった!
- 那由他: それにしても、さすが観光地 結構混んでるんですのね
- ラビ: …そうですね
- みかげ: 前はなゆたんたちに 置いていかれたから
- みかげ: 今日はたくさん遊ぼうっと!
- 那由他: 置いていったとは 聞こえが悪いんですの!
- 那由他: 行ったら行ったで 散々な目に遭ってたはずですの
- 那由他: 山小屋に連れていかれたときは 本当にどうなるかと
- ラビ: それは…すみません
- 那由他: ああ…! 責めてるわけじゃ…!
- ラビ: とりあえず今は、撲滅派も なりを潜めるようになったので
- ラビ: 危害を加えられる心配は ないと思います
- 那由他: ほっ…
- みかげ: じゃあ、さっそく 観光に行こ―う!
- 那由他: いっぱい観光しましたの!
- みかげ: 食べ歩きって最高~
- ラビ: 楽しんで頂けたなら 私としても何よりです
- ラビ: それでは、そろそろ宿に… 大地のゆりかごに行きましょうか
- みかげ: はーい
- ラビ: (ここまで知り合いには誰も 会わなかったし大丈夫だろう)
- ラビ: (…そう簡単に 正夢になるはずもないか)
- ラビ: (正夢に…なるはずなんて…)
- ラビ: …………
- FILENAME: text_311333-3.txt
- ラビ: …………
- やちよ: 聞いたことのある 宿の名前だと思ったら…
- さな: 氷室さんのご実家 …お宿なんでしたっけ?
- フェリシア: すげえ! 金持ちか!?
- 鶴乃: 実家がお店って聞くと なんだか親近感が湧いちゃう!
- 那由他: みなさんも、今日は 大地のゆりかごに宿泊を?
- やちよ: ええ、商店街のくじ引きで 湯国市への旅行券が当たってね
- やちよ: 宿の名前に聞き覚えがあったから ここに決めさせてもらったわ
- ラビ: …なるほど
- ラビ: (…まぁ、みかづき荘の 人たちだけなら…)
- ラビ: (あそこまで 大変なことにはならないか)
- ピロン♪
- みかげ: ん? ラビたんのスマホじゃない?
- ラビ: …あ、そうですね ちょっと確認します
- ラビ: (…サーシャから?)
- ラビちゃんって いま湯国市に戻ってるんでしたっけ
- これから、ひめちゃんたちと一緒に 大地のゆりかごに行く予定なので もし、湯国市にいるようでしたら 少し会えないかなって思って!
- ラビ: …マジですか
- 那由他: ラビさん? らしくない言葉が聞こえたような
- ラビ: …サーシャたちが これから泊まりに来るらしく
- 那由他: あら! 奇遇なんですの!
- ???の声: 奇遇っちゅーたら 私らかて同じかもしれへんなあ
- みかげ: あ、すーたん!
- 月出里: ふーむん!
- リヴィア: 近くの町で調整してたら 車のエアコンが壊れてしもてな…
- リヴィア: やから、修理が終わるまでの間
- リヴィア: ラビの実家に 泊まらせてもらうことにしたんや
- ヨヅル: お世話になってます
- ラビ: …そう
- ラビ: (形は違うけど、本格的に 正夢になってるような…)
- ピコン
- さな: あ、静香さんのSNSが 更新されて…
- さな: …って、え!?
- 鶴乃: どうしたの?
- さな: 静香さんたち、これから ここに泊まりに来るみたいです
- これから、♪時女一族♪の、みんなで だいちのゆりかご!というところに、 ☆旅行☆にいってきます(^▽^)/ たのしみ(*^^*)です!
- フェリシア: なんか目が チカチカする文章だな
- やちよ: …SNSの使い方とか諸々 教えた方がいいかもしれないわね
- ラビ: …時女一族まで?
- 那由他: …あれ、あのラビさん
- 那由他: あそこに書いてある なんとかご一行~とかって
- 那由他: 今日泊まりに来る人の 名前で合ってますの…?
- ラビ: …? ええ、基本的には
- みかげ: あーっ! あの名前って!
- 「紅晴家ご一行様」
- ラビ: なんと…
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- 「紅晴家ご一行様」
- ラビ: なんと…
- 鶴乃: すごい! 魔法少女大集合だ!
- さな: こんなことってあるんですね
- リヴィア: ほんま、えらいにぎやかな ことになりそうやなぁ
- みかげ: そしたら、夜は 枕投げとかしようよ!
- ラビ: え…
- 那由他: なら私は 温泉卓球がしたいですの!
- ラビ: えぇ…
- フェリシア: カラオケとかねーの!?
- ラビ: あります…けど
- やちよ: はしゃぎすぎちゃダメよ?
- ラビ: …………ふっ
- 那由他: …ラビさん?
- ラビ: ああ、すみません 正夢ってあるものだなと
- 那由他: 正夢…ですの?
- ラビ: (あのうるさくて疲れる… そんな夜が来ると思うと)
- ラビ: (頭を抱えたくなるはずなのに)
- ラビ: (どうして、こんなに うきうきしているのだろう)
- ラビ: (やはり、私は那由他たちといて 変わった…ということか)
- ラビ: (だけど…)
- ラビ: (本当なら、だれひとり 欠けない未来が良かったと思う)
- ラビ: (けれど、それは叶わない 過去は、もう巻き戻らない)
- ラビ: (それに、彼女たちが望むのは 過去を悔やむことではなく)
- ラビ: (私たちが未来に進むこと)
- ラビ: (それは、遺された者の 勝手な解釈かもしれないけど…)
- ラビ: でも、私たちには それを信じて前に進むことしかできない
- ラビ: …だから、見ていてほしい
- ラビ: 今日のような明るい未来を これからも私たちで切り拓いていくから
- 那由他: ラビさん? ぼーっとしてますけど…
- ラビ: いえ、大丈夫 なんでもありません
- みかげ: たいへんたいへーん!
- 月出里: ふんむんむー!
- みかげ: 今、ラビたんのママに 聞いたんだけど
- 月出里: ふーむんむ、ふむむむ ふんむんむんむー!
- リヴィア: なんやて!? 夕飯の肉が足りんて!?
- リヴィア: ほな、ひとつ 狩りに行くしかないんちゃう!?
- ヨヅル: 落ち着いてください、先生 というか大人げないですよ
- フェリシア: おい、一大事じゃねーか!
- やちよ: そうね…お肉は大事ね…! 大人も子どもも関係ないわ
- 鶴乃: おお、ししょーの目がマジだ
- ラビ: …………
- 静香: …まぁ、招待いただいた身だし 文句は言えないわね
- リヴィア: せやなぁ えらい残念やけど
- 結菜: お部屋は足りるみたいだし それだけでもね
- やちよ: ええ、仕方ないわね 諦めるしかないわ…
- ラビ: (もしかしたら現実は 夢よりも、もっと…)
- ラビ: (今夜は、いっそう 頭を抱えることになりそう)
- ラビ: それじゃあ 他の方がそろったら
- ラビ: お肉をめぐって みなさんで勝負…しましょうか
- ラビ: 私たちで、新しい未来を作ろう…
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