Vi_Vi

Rabi (Kimochi ver.) MSS JP Text

Nov 14th, 2022 (edited)
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  1. FILENAME: text_311331-1.txt
  2. ???の声: …さん
  3. ???の声: …さーん…?
  4. ???の声: ラービーさーんっ!
  5. ラビ: …ハッ
  6. 那由他: あ、起きたんですの
  7. 那由他: 気持ちよさそうに寝てたので 迷ったんですけど
  8. 那由他: 今日は家事を教えてもらう 予定でしたので…
  9. ラビ: …そう…でしたね
  10. ラビ: (私としたことが、家事を終えて うたた寝をしていたなんて…)
  11. ラビ: …………
  12. 那由他: …あれ、ラビさん? 聞いてますの…?
  13. 那由他: も、もしかして無理に 起こしたから怒って…!
  14. ラビ: ああ、すみません… 夢を見ていたもので…
  15. ラビ: ちょっとぼーっとしてました
  16. 那由他: 夢…? どんな夢でしたの…?
  17. ラビ: …………忘れました
  18. 那由他: …気になる間なんですの
  19. ピンポーン
  20. ラビ: …ちょっと、出てきます 多分、宅配だと思うので
  21. 那由他: あ、大丈夫ですの!
  22. 那由他: 寝起きのラビさんに代わって 私が対応してくるんですの
  23. ラビ: …那由他に起こされるなんて 珍しいこともある…
  24. ラビ: …それにしても あんな夢を見るとは…
  25. ラビ: そう、あの夢の内容は キモチとひとつになっていたときに 見えていたもの…
  26. ラビ: かつて、希望を打ち砕かれて未来を諦めた私は すべての魔法少女を消し去ることで みんなを救おうとした
  27. ラビ: けれど、環さんの言葉で私は…
  28. いろは: たぶん、氷室さんは 自分にウソを吐いてますよ…!
  29. ラビ: いえ、これは本心
  30. いろは: 本当に、諦めてる人は… 戦おうとしません…
  31. ラビ: ――っ!?
  32. いろは: みんなを、苦しまないように 死なせようとするのは…
  33. いろは: 少しは助けたいっていう想いが 氷室さんに…残ってるからです…
  34. いろは: それに…諦めたくないから、 氷室さんは神浜市に来たはず…
  35. ラビ: 違う…今の私は…
  36. いろは: 諦めてる人は…戦いません…!
  37. いろは: 戦うのは… 望む結末が…あるから、です…!
  38. いろは: 苦しんでも…痛くても… 死にそうでも…
  39. いろは: もがいている人たちは…みんな…
  40. いろは: 目指している希望が…! 心に宿っているはずなんです…!
  41. いろは: それは氷室さんの胸の中にも 宿ってますよ!
  42. カチ…カチン…
  43. ラビ: あ…
  44. ラビ: 私は…心の奥にしまい込んでいた 希望を思い出した
  45. ラビ: 希望を直視するようになって感じたのは 自分の手で消し去ることの悲しみ…
  46. ラビ: 湧き出た悲哀に胸が締めつけられるのは 私の中に希望を捨てたくないという心が 今も残っている証なんだと思った
  47. ラビ: 私が捨てたくなかったもの…
  48. ラビ: 環さんと繋がって思い出した 「かつて抱いた希望」…
  49. ラビ: それは、こんなものだった
  50.  
  51. FILENAME: text_311331-2.txt
  52. ラビ: 環さんと繋がっていたときに 私が白昼夢のように見たものは かつて思い描いていた幸せな希望
  53. ラビ: それは、魔法少女について 正しく伝わった世界での暮らし
  54. ラビ: 宿の仕事を手伝い 祖父と一緒に畑の世話をして 魔法少女として魔女を退治しながらも 普通の学生として生きる、そんな毎日…
  55. ラビ: おはよう、お母さん 何か手伝えることはある?
  56. ラビ: 畑の水やりも終わったし 出かけるまで時間はあるけど…
  57. ラビの母: それじゃあ、朝食で使った食器を 片づけてもらえる?
  58. ラビ: うん、わかった
  59. ラビの母: いつもありがとうね
  60. ラビ: ううん、これくらいなんとも 好きでやってることだから
  61. ラビ: ふぅ…
  62. ラビの母: これでひと段落ってとこね
  63. ラビの祖父: ああ、そうだな おかげで助かった
  64. ラビの母: あ、出かけるって言ってたけど 時間は大丈夫なの?
  65. ラビ: まだ時間に余裕はあるけど… 散歩も兼ねてそろそろ行ってくる
  66. ラビの母: お友だちの大道芸を 観に行くんだっけ?
  67. ラビ: そう…それから夕方に 展示会にも行く予定
  68. ラビの祖父: 天体について…だったか? 楽しんでくるんだよ
  69. ラビ: うん、ありがとう
  70. ラビの母: あ、帰りは遅くなるの?
  71. ラビ: …魔女が出なければ
  72. ラビの母: そう…魔法少女っていうのも 大変ねぇ…
  73. ラビの母: くれぐれも気をつけてね
  74. ラビ: わかった いってきます
  75. ラビ: (今日の予定は…)
  76. ラビ: (午後から、うららの 大道芸のステージがあって)
  77. ラビ: (夕方に展示会…)
  78. ラビ: (うららのステージまでは 少し時間もあるし…)
  79. ラビ: (図書館に行くか パトロールでも…)
  80. ラビ: …ん?
  81. ラビ: …あれは
  82. 灰谷: 温泉と遊園地 どっちがいいと思う?
  83. 黒田: 別にどっちでもいいんじゃね
  84. 灰谷: そうじゃなくて、私は 黒田の意見が聞きたいんだけど?
  85. 黒田: …………
  86. 旭: …やれやれでありますな
  87. ラビ: …またやってる
  88. 旭: あ、ラビ…! 奇遇であります!
  89. 旭: そういえば、うららの大道芸を 観に行くと言ってたでありますな
  90. ラビ: ええ、それまで時間があるから ぶらぶらしていたところ
  91. ラビ: …それより、またもめてる?
  92. 灰谷: 今日はケンカじゃなくて 意見を聞いてるだけなんだけどね
  93. ラビ: …なるほど
  94. 灰谷: 健康的な温泉と遊べる遊園地 どっちが黒田は好みなの?
  95. 黒田: どっちでもいいって…
  96. ラビ: …なんでどちらでもいいんです?
  97. 黒田: …………
  98. 黒田: だって…俺は…
  99. 灰谷: ん?
  100. 黒田: …俺は、お前が楽しめるとこなら 別に、どこでもいいっての
  101. 黒田: その…楽しそうな灰谷見てんのが いい…っつーか…
  102. 灰谷: …なんだ それなら、私だって一緒だよ
  103. 灰谷: 黒田が楽しい方が 私は嬉しいから
  104. 灰谷: ふたりで楽しめるところに 一緒に行きたいって思ってるよ
  105. 灰谷: だから、黒田の意見も聞かせて?
  106. 黒田: …………
  107. 黒田: …まぁ、どっちかって言うと 温泉…かも
  108. 黒田: 「ほら、俺らって地元が温泉街だから わざわざ行く機会ってあんまなかったし 各地の温泉を見にいって、その歴史とか 勉強してみたいっつーかなんつーか…」
  109. ラビ: 不自然なほど急に饒舌に…
  110. 旭: ははーん、なるほど 灰谷の浴衣目当てでありますね?
  111. 黒田: あーあーあーあー、こうなるから 言いたくなかったんだって!
  112. 灰谷: ふふふっ
  113. 灰谷: でも、意見聞いといてあれだけど やっぱり遊園地も捨てがたい…
  114. ラビ: …あの、それなら
  115.  
  116. FILENAME: text_311331-3.txt
  117. 旭: 遊園地と温泉が一体になった 施設があるとは驚きであります
  118. ラビ: うちのお客さんから そういう話を聞くことは多いから
  119. 灰谷: うんうん、ここなら どっちも楽しめて完璧だね
  120. 黒田: …ん、そうだな
  121. 旭: 灰谷の浴衣も 見られるでありますからな
  122. 黒田: うっるせぇ、三浦!
  123. 灰谷: ふふふっ ありがとう、氷室さん!
  124. ラビ: いえいえ、楽しんで
  125. ラビ: (…始まるまであと5分)
  126. ラビ: (ちょうどいい時間に 来られたみたいで良かった)
  127. ???の声: リハに遅れるとか! それでもプロなわけ!?
  128. ラビ: (…この声、もしかして)
  129. うらら: ご、ごめんなんよくらら…! その、魔女を退治してて…
  130. くらら: 別に魔法少女だからって 怒ってるわけじゃないわよ…
  131. うらら: え…あ…えっと…
  132. うらら: で、でもさっき練習したから この通り完璧に…!
  133. くらら: っ…! そういうところがムカつく!
  134. くらら: 私はアンタと違って 最後まで確認したかったの!
  135. うらら: で、でも前日の練習でくららも もう余裕って言ってたんよ
  136. うらら: 不安があるなら昨日のうちに 解決しとくべきなんよ!
  137. くらら: は、はぁ!?
  138. ラビ: …また、ケンカしてる
  139. ラビ: でも、まぁ… 正面から言い合えるだけ
  140. ラビ: 進歩したと言うべきか
  141. くらら: ありがとうございましたーっ! お届けしたのは、くららと
  142. うらら: うららなんよーっ!
  143. うらら: このあとは夜遊びホームルームの 公開収録も予定してるから
  144. うらら: よかったら来てほしいんよ!
  145. ラビ: (直前までケンカをしていたのに あんなに笑顔で演技できるとは)
  146. ラビ: (…さすがはプロ)
  147. ラビ: さて、次の待ち合わせは…
  148. ラビ: (…ん、今から向かうと早い)
  149. ラビ: 少し遠回りしていこう
  150. ラビ: (…あ、あそこのスイーツのお店 サーシャが好きそう…)
  151. ラビ: って、あれは…
  152. アレクサンドラ: あらっ! ラビちゃん!
  153. アレクサンドラ: こんなところで会えるなんて! うふふっ♪
  154. アレクサンドラ: 駅で何か用事ですか?
  155. ラビ: このあと待ち合わせがあるから 暇をつぶしていたところ
  156. ラビ: それにしても すごく機嫌がいいようだけど
  157. アレクサンドラ: そうなんです…!
  158. アレクサンドラ: さっき、休日の練習が終わって 帰る途中だったんですけど…
  159. ラビ: 何かいいことでもあった?
  160. アレクサンドラ: はいっ♪
  161. アレクサンドラ: それが、声楽部で リードに選ばれたんですっ!
  162. ラビ: そう…それは良かった
  163. アレクサンドラ: あら? 思ったより反応が薄い?
  164. ラビ: …サーシャなら 選ばれて当然だと思ったから
  165. アレクサンドラ: まぁっ♪
  166. ラビ: おめでとう、サーシャ 発表とかはあるの?
  167. アレクサンドラ: ええ、なので良ければ ラビちゃんにも来てほしいなって
  168. ラビ: もちろん
  169. ラビ: ――っ!?
  170. アレクサンドラ: 魔女…ですね
  171. アレクサンドラ: ラビちゃん!
  172. ラビ: ええ…!
  173. ラビ: …行こう
  174. アレクサンドラ: はい!
  175. アレクサンドラ: あら… 他の魔法少女が先に…
  176. ラビ: この反応…
  177. ラビ: 旭、うららも…!
  178. 旭: よかった…助太刀が 欲しかったところでありますよ
  179. うらら: 助けてなんよ~!
  180. ラビ: ええ、まかせて!
  181. ラビ: それよりうららはステージのあと 収録があったんじゃ…?
  182. うらら: くららに任せて 抜けてこられたけど…
  183. うらら: ケガして仕事に影響が出たら 今度こそコンビ解散って
  184. うらら: くららに脅されてるんよ~! だからケガできないんよ~!
  185. アレクサンドラ: それじゃあ、完全勝利… しないとですねっ♪
  186. ラビ: ええ、私は魔女を叩くから うららは巻き込まれた人を!
  187. うらら: わかったんよ!
  188.  
  189. FILENAME: text_311331-4.txt
  190. 旭: ふぅ…やったでありますな
  191. アレクサンドラ: 捕まっていた方々も 全員無事なようですね
  192. うらら: ウチも、くららに怒られずに 済みそうなんよ~
  193. ラビ: ええ…
  194. いたた…
  195. ラビ: …目が覚めた?
  196. 私たち、いったい何を…
  197. ラビ: …あなたたちは 魔女に襲われて気を失っていた
  198. ラビ: …それより、ケガはない?
  199. え、はい…
  200. あの…あなたたち もしかして魔法少女?
  201. ラビ: そう…ですね
  202. 噂には聞いてたけど 初めて会った…!
  203. 助けてくれてありがとう 魔法少女さん!
  204. ラビ: …どういたしまして 無事でよかった
  205. アレクサンドラ: ふふっ
  206. アレクサンドラ: …って、ラビちゃん 待ち合わせの時間って…!
  207. ラビ: ――っ!?
  208. ラビ: (懐中時計の時間は…)
  209. ラビ: …悪いけど、あとのことは…
  210. 巻き込まれた方への説明など あとのことは引き受けるので
  211. 氷室さんは行って大丈夫です!
  212. ラビ: あなたたち…!
  213. ラビ: …ありがとう!
  214. ラビ: はぁ…はぁ…
  215. ラビ: …さすがにもう、帰って…
  216. ???の声: 氷室先輩
  217. ラビ: …白金…
  218. ラビ: その…ごめんなさい せっかく誘ってくれたのに
  219. 白金: 本当です せめて連絡くらいほしいですね
  220. 白金: でも…きっと魔法少女として 動いていたんですよね
  221. ラビ: ええ…でも
  222. 白金: それなら、私には責められません だって人の命を救ったんですから
  223. 白金: …それに、展示会の期間は まだもう少しあります
  224. 白金: なので、また来週 一緒に来ませんか?
  225. ラビ: …でも、また同じように 遅刻してしまうかもしれない…
  226. ラビ: それなら白金は、他の人を 誘って行った方が…
  227. 白金: 氷室先輩以外で、一緒に 行きたい人なんていませんよ
  228. ラビ: …………そう
  229. 白金: 今日は、もう帰りましょう 夜も遅いですし
  230. ラビ: …なら、送っていく
  231. 白金: いいんですか? じゃあお言葉に甘えて
  232. ラビ: …白金
  233. 白金: なんです?
  234. ラビ: …来週は、その できるだけ遅刻しないようにする
  235. ラビ: …また、魔女が出たら そのときはわからないけど…
  236. 白金: …ふふ、それじゃあ 期待しないで待ってます
  237. 白金: ねぇ、氷室先輩
  238. 白金: また来週…楽しみですね
  239. ラビ: そう、環さんと繋がっているときに見たのは 「かつて求めた希望」
  240. ラビ: 今となっては二度と手に入らないものだった…
  241. ラビ: 虚しい過去の望みを思い出しても 悲しみを味わうだけで苦しくなるだけだから 私は、胸の奥にしまいこんで諦念に至った
  242. ラビ: その結果、魔法少女を滅ぼそうとする 極端な行動に走ってしまったけど
  243. ラビ: 今の私は、もう叶わぬ過去を見ても 諦念に至ることはない
  244. ラビ: 環さんと繋がり、那由他たちと過ごし 私は未来を見るようになったから
  245. ラビ: 未来…
  246. ラビ: 環さんと繋がっていたときに見た白昼夢は かつて求めた希望だけではなく 純粋な未来を描いたものもあった
  247. ラビ: それは、私が望む幸せな未来で 様々な形のものがあって…
  248. ラビ: (ほとんどは、今の時間の 延長線のような…)
  249. ラビ: (穏やかな時間が多かったけど)
  250. ラビ: (その夢の中には いくつか妙なものがあった…)
  251. ラビ: …どうして、あんな へんてこな夢を描いたのか…
  252. ラビ: それもこれもきっと 那由他のせいに違いない…
  253. ラビ: 彼女と出会い、過ごした時間の中で 変わった私が描いた 楽しくて不思議な未来…
  254. ラビ: 願っていたのは、穏やかな毎日…
  255.  
  256. FILENAME: text_311332-1.txt
  257. ラビ: 環さんと繋がっているときに 私が思い浮かべたいくつもの希望
  258. ラビ: 「かつて抱いた希望」の他に私が見たのは 今の自分が思い描いているいくつもの幸せな未来
  259. ラビ: その中でも、あのときの私が見ていたのは いっそうおかしくて賑やかな… 我ながら、どうしてそんな夢を見たのかと 今でも不思議な…そんな未来
  260. ラビ: (…さて、今日はどうやって 那由他を起こそうか…)
  261. ジリリリリ…
  262. ラビ: 目覚ましとは、珍しい…
  263. ばさっ
  264. 那由他: ふわぁ…おはようなんですの ラビさん
  265. ラビ: ――っ!?
  266. ラビ: まさか那由他様が目覚ましだけで 起きるだなんて…!
  267. 那由他: 驚きすぎなんですの バカにしないでほしいんですのー
  268. 那由他: それに今日は…
  269. 那由他: みんなで湯国市へ 温泉旅行なんですの!
  270. ラビ: 予定があれば起きられるんですね
  271. ラビ: みかげさんは、お姉さんの許可を しっかりもらってこれましたか?
  272. みかげ: 自動浄化システムが広がって
  273. みかげ: 他の町に行っても 安全になったから
  274. みかげ: ミィの姉ちゃも おでかけOKって言ってたよ!
  275. ラビ: それはよかったです では、さっそく出発しましょうか
  276. 太助: 3人とも 気をつけて行っておいで
  277. ラビ: それは、自動浄化システムが広がり 平和が訪れた世界での暮らし
  278. ラビ: 那由他たちと共に過ごす中で 旅行へと出かける…そんな1日の話
  279. 那由他: 着いたんですの… 湯国市!
  280. みかげ: もうワクワクしてきちゃった!
  281. 那由他: それにしても、さすが観光地 結構混んでるんですのね
  282. ラビ: ええ…と言っても 今日は特に混んでますね…
  283. ラビ: …なんだか、少しガラの悪い 人が多い気が…
  284. ???の声: オイオイ、見た顔だと思ったら お前らじゃねーか
  285. 結菜: こんにちはぁ…
  286. みかげ: あーっ!
  287. ラビ: …驚いた
  288. 那由他: プロミストブラッドの皆さんも みんなで旅行なんですの?
  289. 結菜: ええ、うららの大道芸も 観させてもらう予定よぉ
  290. 那由他: そうなんですの それにしても大所帯なんですの…
  291. 智珠 らんか: アオ、見なよあそこ! レトロゲー置いてあるよ
  292. アオ: じゃあ、温泉まんじゅうを賭けて 一発勝負しちゃう?
  293. ひかる: 結菜さーん! あっちの足湯に行きたいっす!
  294. うらら: それなら、ウチも 一緒に行きたいんよ!
  295. 結菜: いま行くわ ひかるぅ…うららぁ
  296. 樹里: そういうことだから んじゃ、またな!
  297. ラビ: また…?
  298. 那由他: まぁ同じところで観光してたら 何度も会いそうなんですの
  299. みかげ: ふぅー、お昼ご飯 すっごい美味しかったぁ!
  300. 那由他: ですの… 幸せなんですの
  301. ラビ: それは良かった
  302. ???の声: あら、氷室さんたちじゃない
  303. 静香: こんにちは
  304. ラビ: あなたたちも…
  305. ちはる: あ、みんなはもう お昼って食べた?
  306. みかげ: うん、今ちょうど 食べてきたところだよ!
  307. すなお: そうでしたか…
  308. 旭: まだなら、我の家でジビエ料理を と思ったのでありますが
  309. 那由他: そうだったんですの… ちょっと食べたかったんですの
  310. 青葉 ちか: あ、干し肉などを お持ち帰りするのはどうです?
  311. 那由他: それなら、パパへの お土産にもなるんですの!
  312. 旭: では、あとで 用意しておくでありますよ
  313. ラビ: (こんなに知り合いと会うなんて なんだかおかしい気が…)
  314. 月出里: ふんむむむー!
  315. ヨヅル: こんにちは
  316. リヴィア: おっ、ラビやん!
  317. リヴィア: ちょうど良かったわ 聞きたいことがあってん
  318. リヴィア: 「そこの店とあっこの店やと どっちの方が地元っぽいもん売っとる? あーそれから、このあと観光で 山にも行くんやけど、ラビのおすすめて…」
  319. ラビ: …ひとつずつお願いできますか
  320. ???の声: あ、ラビりんじゃーん
  321. ひめな: やっほー★
  322. ラビ: …………どうも
  323. 燦: 湯国市、いいところね
  324. ミユリ: ミユは早く温泉に入って 燦様のおみ足を…
  325. はぐむ: もしもし…? みつねちゃん、これ映ってる?
  326. 三輪 みつね: 見えてるけど、すごい人混み…! さすが観光地って感じw
  327. 時雨: テレビ電話越しだからって 余裕そう…ちょっとずるい
  328. 時雨: ぼくはもう、帰りたい…
  329. はぐむ: ほ、ほら、夜ご飯は美味しい って聞いてるし、頑張ろ?
  330. 那由他: なんだか行く先々で お知り合いに会いますの
  331. みかげ: こんな偶然ってあるんだね!
  332. 那由他: これで、いろはさんたちもいたら すごい確率なんですの
  333. ラビ: (…そんなまさか… いや、でも…)
  334. みかげ: それじゃーそろそろ 宿に行こーっ
  335. いろは: あ、氷室さん! 今日は誘ってくれてありがとう!
  336. ラビ: …………
  337.  
  338. FILENAME: text_311332-2.txt
  339. みかげ: えーっ!?
  340. 那由他: そんなことってあるんですの!?
  341. ラビ: すみません… 私の不手際みたいです
  342. 那由他: 「つまり、いろいろ区切りがついたタイミングで みなさんをグループごとで週替わりに 大地のゆりかごに招待していたはずが なんの手違いか全員が同じ日に 宿泊予定になってしまったと…」
  343. みかげ: それでこんなに すごいことになってるんだねぇ
  344. ひめな: でもまぁ、にぎやかで ワンチャンありじゃない?
  345. アレクサンドラ: たしかにそうですね うふふっ♪
  346. ラビ: …ただ、ひとつ 大きな問題がありまして
  347. ラビ: 夕食のすき焼きで使う 最高ランクの特選牛肉が足らず…
  348. 那由他: えぇっ!?
  349. 時雨: …ぼくのモチベーション…
  350. 静香: …まぁ、招待いただいた身だし 文句は言えないわね
  351. リヴィア: せやなぁ えらい残念やけど
  352. 結菜: お部屋は足りるみたいだし それだけでもね
  353. やちよ: ええ、仕方ないわね 諦めるしかないわ…
  354. フェリシア: はぁ!? オレは肉食いてえぞ、やちよ!
  355. 樹里: つっても、 何人分かは用意があるんだろ?
  356. ラビ: …ええ、とは言っても せいぜい6人分くらいしか…
  357. ラビ: ここにいる人数を考えれば 食べられるのは5分の1になる
  358. 樹里: じゃあ、肉を奪い合って 勝負するしかねーだろ
  359. フェリシア: おう! 望むところだぜ!
  360. うい: ふたりともケンカはダメだよ…!
  361. すなお: ええ、お肉を奪い合うのなら ケガのない方法にしましょう
  362. ちはる: 奪い合うのは前提なんだ…
  363. ミユリ: ケガのない方法…
  364. 燦: それなら、温泉卓球なんてのは どうかしら?
  365. みかげ: 卓球!? それならミィもやりたい!
  366. ひめな: いいじゃんいいじゃん! ラビりん、卓球ある?
  367. ラビ: ありますけど…
  368. アレクサンドラ: 広い部屋に カラオケもありましたよね?
  369. 時雨: カラオケ…? ぼくは絶対歌わないからね
  370. うらら: みんなでお泊まりと言えば 枕投げなんよ!
  371. ひかる: いいっすねぇ! 燃えてきたっす!
  372. すなお: それでは 温泉卓球、カラオケ、枕投げ…
  373. すなお: この3本勝負で 勝ったチームがお肉…ですね!
  374. 南津 涼子: それじゃ、最初の勝負は温泉卓球 ってとこだけど
  375. 南津 涼子: 6人1組のグループで 勝った1組が肉をゲットだ!
  376. 那由他: 私たちはピュエラケアの方々と 合同ですのね
  377. 月出里: ふんむんむー!
  378. 南津 涼子: じゃ、各チーム代表者ふたりを 出して総当たり戦の勝負だ!
  379. 南津 涼子: 「最初の戦いは チームみかづき荘VS那由他家&ピュエラケア! お互い正々堂々勝負だ!」
  380. ラビ: (…宿の人間として勝つのは 避けたい気もするけど…)
  381. みかげ: ラビたん、頑張れ~! お肉~!
  382. 月出里: ふむむ~!
  383. ラビ: (みかげさんのためにも ちゃんとやらないと…)
  384. ラビ: …頑張りましょうか
  385. ヨヅル: ええ、勝負事で手を抜かない… これも優しさのひとつです
  386. 南津 涼子: はじめ!
  387. フェリシア: おらぁ!
  388. ヨヅル: ふん
  389. 鶴乃: よいしょー!
  390. ラビ: …それっ
  391. ラビ: (なんとかラリーは 繋げないと…)
  392. フェリシア: うぉりゃーーーー!
  393. ピピーッ!
  394. 南津 涼子: フェリシア選手、反則! 退場!
  395. フェリシア: あぁ!? なんでだよ!
  396. 鶴乃: なんでもこうもないよー! 普通に変身は無しだよー!
  397. 南津 涼子: よって勝者 那由他家&ピュエラケア!
  398. ラビ: …勝ちましたね
  399. ヨヅル: ええ 負ける気はしませんでしたが
  400. ラビ: (家族以外と、ここで 卓球をしたのは初めてかも…)
  401. ラビ: (なんだか、思ったより…)
  402. ラビ: (総当たりの最終戦… 熱い戦いではあったけど…)
  403. 樹里: っしゃ! これは樹里サマたちの勝利だろ!
  404. リヴィア: 残念やけど 結菜ちゃんを現行犯逮捕や
  405. ひかる: 結菜さん!?
  406. ラビ: …柱の影で対象変更を使い ズルをしていたみたいです
  407. 青葉 ちか: それはよくないですね…
  408. アオ: …仲間だけどぉ 姉さま、それは即BANだよ~
  409. 結菜: くっ…
  410. 南津 涼子: 反則続出につき消去法で勝者! 那由他家&ピュエラケア!
  411. 那由他&みかげ: やったーっ!
  412. ラビ: …喜んでいいのか
  413. ヨヅル: まぁ、堅実に頑張った… ということですので
  414. ラビ: (…思えば、途中から本気に なっていたところがあった…)
  415. ラビ: (…らしくないけど 少し、楽しかったのかも…)
  416.  
  417. FILENAME: text_311332-3.txt
  418. アレクサンドラ: さあ、気を取り直して 次はカラオケ大会です♪
  419. みかげ: ラビたんって、友だちと カラオケとかするの?
  420. ラビ: いえ、ないですね… 昔、家族とここで歌った程度で
  421. ひめな: ラビりん、あのカラオケの ピってやるタブレットは?
  422. ラビ: …タブレット? …うちのカラオケはこれですけど
  423. ひめな: …え、何この本 めっちゃ分厚いんだけど、辞書?
  424. すなお: ああ、これは電話帳みたいに 本から探すやつですね
  425. 燦: 昔はこれが主流だったらしいって 青年会の人に聞いたことがあるわ
  426. 静香: カラオケ…本…歌…?
  427. ちはる: 静香ちゃんには そこから説明だね…!
  428. ミユリ: というかこの本! 知ってる曲が全然ないですよぅ!
  429. はぐむ: 演歌とか、昔の曲? みたいなのが多いね
  430. フェリシア: 初期のデカゴンボールの 曲しかねぇ!好きだけど!
  431. 智珠 らんか: レトロゲーの音楽は入ってるけど 歌ったことないしなぁ…
  432. アオ: 選曲で詰んでるよぉ~
  433. ひかる: それに比べてあっちは…
  434. ちはる: そぉれが、ゆすりん坊将軍 民の味方なの、っだぁ~♪
  435. 静香: よっ、日の本一!
  436. リヴィア: おっしゃ、次は私の 「泉南のオッサンの唄」やな
  437. ラビ: …なんですか、その歌
  438. リヴィア: この名曲を知らんのか!?
  439. ひめな: あ、この歌って私チャンたち 世代のやつじゃん!
  440. ひめな: しぐりん、一緒に歌お!
  441. 時雨: …絶対、歌わないよ?
  442. ラビ: (…友だちとカラオケって こういう感じ…なんだろうか)
  443. アレクサンドラ: 歌える歌がなかったりで 勝負としては成り立たないですね
  444. ラビ: うちの機械が古かったばかりに 申し訳ない…
  445. うい: でも、すっごい楽しかったね カラオケ大会、またしたいなぁ
  446. 鶴乃: 今度は、みんなで町の カラオケに遊びに行こう!
  447. いろは: それじゃあ、気を取り直して 次の勝負にしましょうか?
  448. うい: じゃあ、次の戦いは 枕投げだけど…
  449. いろは: 氷室さん…本当に 枕投げても大丈夫なの?
  450. ラビ: ええ、ケガさえしなければ 問題なしと許可はもらってる
  451. ラビ: 一応、ケガ防止に 布団も敷いておいたので
  452. アオ: はいはーい 枕投げってルールはどんな感じ?
  453. ミユリ: 当てて倒したら勝ちですかね?
  454. はぐむ: それじゃあ、ケガを しちゃうような…?
  455. 樹里: じゃ、枕投げで勝ったチームが ルールを決めようぜ!
  456. ラビ: いや…それだと 破綻するのでは…
  457. フェリシア: それ、いーじゃん!
  458. みかげ: じゃあ、よーいはじめ!
  459. ラビ: え…いや、ちょっとみかげさん…
  460. フェリシア: ―フェリシアー オレのスーパー枕ショットを食らえー!
  461. 結菜: ―結菜ー んん!? …やったわねぇ、深月フェリシア…
  462. みかげ: ーみかげー あはははっ! すごい顔で怒ってる~
  463. 静香: ー静香ー 行くわよ、藍家さん! お命頂戴するわ!
  464. ひめな: ーひめな― しずしずガチ過ぎ~ でも私チャンも容赦しないから、キャハッ★
  465. 那由他: ー那由他― ラビさーんっ その枕を渡してほしいんです、のっ!?
  466. ラビ: ―ラビー ちょ…那由他様、足下…!
  467. 那由他: ー那由他― きゃ、きゃぁああッ!? ラビさん避けて欲しいんですのーっ!
  468. ラビ: ―ラビー そんな急に無理ですよ!?
  469. どーんっ
  470. ラビ: いたた…
  471. 那由他: ご、ごめんなさいですの~
  472. ラビ: …というか、この勝負 本末転倒では…?
  473. ラビ: ルールを決めるために ルールのない争いを…
  474. 鶴乃: ほんとだよ! 何のために戦ってるんだか…!
  475. ラビ: そうこうしている間に もう夕食の時間…
  476. ラビ: 結局 お肉の件はどうするべきか…
  477. ???の声: そこで、我の出番でありますよ
  478.  
  479. FILENAME: text_311332-4.txt
  480. ???の声: そこで、我の出番でありますよ
  481. 旭: こんなこともあろうかと 持ってきたでありますよ
  482. 青葉 ちか: じゃーん、ジビエのお肉です!
  483. ラビ: な、いつの間に…!
  484. 旭: カラオケのタイミングで 泥仕合が予想できていたので
  485. 旭: 実家から急いで 在庫を仕入れてきたのであります
  486. 旭: もちろんラビの母上殿にも 確認をとり…
  487. 青葉 ちか: 足りない分は旭さんの料理で 補ってもいいとのことです!
  488. 旭: 特選牛肉とは また違った美味さでありますよ
  489. すなお: 旭さんの作るジビエ料理 ほんっとうに美味しいんですよ?
  490. 樹里: …そんなにうめーのか?
  491. フェリシア: その、じびえってやつは!
  492. すなお: はいっ!
  493. ラビ: あぁ、嫌な予感…
  494. 樹里&フェリシア: ジビエ料理を食べるのは この樹里サマ(オレ)だぁ!
  495. 那由他: いろいろありましたけど おいしかったんですの!
  496. みかげ: みんなでシェアしたから どっちのお肉も食べられたもんね
  497. ラビ: 最初から そうすれば良かったのでは…
  498. ラビ: (なんだか、どっと疲れが…)
  499. ひめな: ラビりーん! みんなでお風呂行くよ~
  500. リヴィア: チームのリーダー同士で 入ろうっちゅう話みたいやで
  501. 結菜: これを機に、リーダー同士の 親睦を深めないとねぇ…
  502. ラビ: 同じ釜の飯を食べたので もう十分なのでは…
  503. 静香: こんな機会は滅多にないんだから 早く行きましょう!
  504. いろは: あの…無理しなくても いいですからね?
  505. ラビ: …別に、無理とは…
  506. 那由他: では、みかげさんと私は そのあとに交代で入りましょうか
  507. みかげ: うんっ、すーたんと ういたんたちも一緒に行こ!
  508. 月出里: ふむっ!
  509. うい: フェリシアさんも、一緒に行こ!
  510. フェリシア: じゃあ、みんなで泳ごうぜ!
  511. やちよ: …泳いだらダメよ 私も監督としてついていくから
  512. ラビ: そもそも、泳ぐほどの 広さはないけど…
  513. ひめな: みんなのお風呂終わったら ガールズトークとかよくない?
  514. 旭: ガールズトークでありますか なかなか専門外ではありますが
  515. アレクサンドラ: 別に恋バナ限定じゃないですよ 趣味の話でもいいんです
  516. うらら: なら、ウチは家族との お話をするんよ!
  517. さな: じゃあ、私たちは ゴロゴロのお話を…
  518. すなお: 布教活動ですね
  519. ミユリ: 布教ならミユからも いっぱいありますよぅ!
  520. はぐむ: あんまり暴走しちゃダメだよ?
  521. 那由他: ふふふっ なんだか楽しい旅行ですの
  522. ラビ: …………そうですね
  523. 那由他: ただいまなんですの~…
  524. ラビ: ゆっくり過ごす旅行のはずが どうしてこんなに疲れてるのか…
  525. 太助: おかえり、みんなお疲れ様
  526. 太助: おや…みかげちゃんは 先におうちに帰ったのかい?
  527. 那由他: …ええ、みたまさんが駅まで 迎えに来てくださったんですの
  528. 太助: それならよかった
  529. 那由他: ふわぁ…
  530. ラビ: ほら、那由他様…寝てしまう前に 早くお風呂に入ってください
  531. 那由他: あぃ… わかりましたの~…
  532. ラビ: …………
  533. ラビ: (疲れたのに楽しかった …なんて、私も変わったな)
  534. ラビ: 星空を見上げても もう、隣に自分の存在を証明してくれた 白金はいない…
  535. ラビ: それは、これからも変わらない事実
  536. ラビ: でも、これが今の私にとって 愛おしい、大切な居場所…
  537. ドタドタドタ…
  538. 那由他の声: ラビさ~ん! 私のパジャマはどこですの~!
  539. ラビ: …はぁ もの思いにふけるヒマもない
  540. ラビの声: いま行きますから 待っててくださーい
  541. ラビ: これが、私が環さんと繋がっているときに見た 思い描くいくつもの幸せな未来の内のひとつ
  542. ラビ: …我ながら、賑やかな夢で 突飛で…私らしくない
  543. ラビ: …でも
  544. ラビ: 心のどこかでは あんな未来を求めていたのかも…
  545. ラビ: 賑やかな毎日も、 悪くはないのかもしれない
  546.  
  547. FILENAME: text_311333-1.txt
  548. ラビ: 環さんと繋がったとき 私は、かつて抱いた希望を思い出し そして、いくつもの幸せな未来を夢見た
  549. ラビ: (けど、かつて抱いていた希望も 夢見た幸せな未来たちも)
  550. ラビ: (しょせんは 空想に過ぎない…)
  551. ラビ: …………
  552. ドタドタドタ
  553. 那由他: ラビさーん! 荷物が届きましたの
  554. ラビ: ああ、前に頼んでいた 調理器具ですか?
  555. 那由他: はい、これでラビさんに 料理を教えてもらえるんですの
  556. 那由他: でも、調理器具なんて 家にあるのにどうしてわざわざ?
  557. ラビ: 那由他様のような方は 形から入る方がやる気になるかと
  558. 那由他: そんなにチョロくない… とも言い返せないんですの
  559. ラビ: ふふ では、早速始めましょうか
  560. ラビ: 那由他たちと過ごす今まで通りの毎日
  561. ラビ: 繰り返す当たり前の日々は いつしか幸せな毎日に変わっていき
  562. ラビ: 気づけば、その中で私は 未来を見るようになっていた
  563. ラビ: そして今、私は未来のために動いている
  564. ラビ: 那由他に料理などの家事を教えているのも そのひとつ
  565. ラビ: 私も、ずっと那由他と一緒にいるわけじゃない いつかは那由他のもとを離れる日が来る その日のための準備をする毎日
  566. ラビ: それが、本当の今
  567. ラビ: そうです、猫の手ですね さすがに覚えましたか
  568. 那由他: 子ども扱いはやめるんですの 私だって来年には高校生ですの!
  569. ラビ: 喋らなければ、見た目は元々 高校生っぽいんですけどね
  570. 那由他: それはどういうことなんですの!?
  571. ラビ: ああほら、よそ見しない ケガをされたら困るので
  572. 那由他: う…
  573. ラビ: …ところで那由他様、進路は どうすることにしましたか?
  574. 那由他: …まだ、悩んでるんですの
  575. 那由他: パパと同じ領域で魔法少女の 研究をしたいんですけど
  576. 那由他: そのためには、どの大学を 目指して勉強をするべきか…とか
  577. 那由他: そもそも、そのためには どんな高校へ進むべきか…とか
  578. ラビ: 思ったより真面目に 考えていて、正直驚きました
  579. 那由他: 当たり前なんですの!
  580. ラビ: …でも、それなら教授のいる 大学へ行くのが妥当なのでは?
  581. 那由他: できれば、パパとは別のところで 学びたいんですの
  582. ラビ: おや…反抗期…
  583. 那由他: ではなく、パパとは少し離れて 独自の研究をしてみたいんですの
  584. 那由他: そういうラビさんは、高校を 卒業したらどうするんですの?
  585. ラビ: …私も、実家の宿を手伝いながら 大学へ行きたいな、と
  586. ラビ: 私の場合は、地元の大学に 教授と懇意にしてる方がいるので
  587. ラビ: その方から学びつつ、魔法少女を 広める活動ができればと
  588. 那由他: そうなんですのね
  589. ラビ: …なんでそんなに 嬉しそうなんですか?
  590. 那由他: …なんだか、ふたりで 未来のことを語れるのが嬉しくて
  591. ラビ: …そうですね これも自動浄化システムが広がり
  592. ラビ: 魔法少女に未来が もたらされた結果ですね
  593. 那由他: ええ、そうなんですの
  594. 那由他: …でも、受験って とっても気が重いんですの
  595. 那由他: 高校受験を乗り越えても 次は大学受験…その次は就職!?
  596. ラビ: 高校受験もまだなのに… 那由他様は気が早いですね
  597. 那由他: ラビさんの受験が始まったら いよいよ忙しくなるんですの…
  598. 那由他: あ…もしかして、ラビさんとも あんまり会えなくなるんですの!?
  599. ラビ: そのために今、料理の練習を しているのでは…?
  600. 那由他: ああ、そうでしたの… 寂しくなってきたんですの
  601. ラビ: …まぁ、定期的に家には来ますよ ゴミ屋敷になりそうですし
  602. 那由他: そこまでひどくはないんですの!
  603. ラビ: …那由他様も言っていましたが 未来に悩めるのも幸せなことです
  604. ラビ: 今までは閉ざされていた未来が こうして幾通りにも広がっている
  605. ラビ: …それに、魔法少女を一緒に 広める話もあります
  606. ラビ: これから、少しだけ道が違っても ゴールは近いところにある
  607. ラビ: きっと、交わったり離れたりして そうして前に進んでいくんです
  608. 那由他: 確かに、そう考えればそうですの
  609. 那由他: それに、同じ魔法少女同士 切っても切れない縁なんですの
  610. ラビ: …ええ 腐れ縁…ですね
  611. 那由他: な…ラビさん、ひどいんですの!
  612.  
  613. FILENAME: text_311333-2.txt
  614. 那由他: じゃじゃーん!
  615. 那由他: 完成ですの! 味の判定をお願いするんですの
  616. ラビ: どれどれ…
  617. ラビ: …………うん 初めての献立にしては上出来です
  618. ラビ: 私が教えたからか 宿の味にも近いですね
  619. 那由他: ラビさんのご実家のお料理 美味しかったですの…
  620. 那由他: あ、そうですの…!
  621. 那由他: 今度こそみかげさんを連れて 3人で旅行したいんですの!
  622. ラビ: 3人で旅行…ですか
  623. ラビ: …………
  624. ラビ: (あの夢みたく、他グループの 招待もしていないし杞憂か…)
  625. 那由他: …だめですの?
  626. ラビ: みかげさんのご両親の 許可が下りれば行きましょう
  627. 那由他: はいですのっ!
  628. 那由他: 着いたんですの… 湯国市!
  629. みかげ: もうワクワクしてきちゃった!
  630. 那由他: それにしても、さすが観光地 結構混んでるんですのね
  631. ラビ: …そうですね
  632. みかげ: 前はなゆたんたちに 置いていかれたから
  633. みかげ: 今日はたくさん遊ぼうっと!
  634. 那由他: 置いていったとは 聞こえが悪いんですの!
  635. 那由他: 行ったら行ったで 散々な目に遭ってたはずですの
  636. 那由他: 山小屋に連れていかれたときは 本当にどうなるかと
  637. ラビ: それは…すみません
  638. 那由他: ああ…! 責めてるわけじゃ…!
  639. ラビ: とりあえず今は、撲滅派も なりを潜めるようになったので
  640. ラビ: 危害を加えられる心配は ないと思います
  641. 那由他: ほっ…
  642. みかげ: じゃあ、さっそく 観光に行こ―う!
  643. 那由他: いっぱい観光しましたの!
  644. みかげ: 食べ歩きって最高~
  645. ラビ: 楽しんで頂けたなら 私としても何よりです
  646. ラビ: それでは、そろそろ宿に… 大地のゆりかごに行きましょうか
  647. みかげ: はーい
  648. ラビ: (ここまで知り合いには誰も 会わなかったし大丈夫だろう)
  649. ラビ: (…そう簡単に 正夢になるはずもないか)
  650. ラビ: (正夢に…なるはずなんて…)
  651. ラビ: …………
  652.  
  653. FILENAME: text_311333-3.txt
  654. ラビ: …………
  655. やちよ: 聞いたことのある 宿の名前だと思ったら…
  656. さな: 氷室さんのご実家 …お宿なんでしたっけ?
  657. フェリシア: すげえ! 金持ちか!?
  658. 鶴乃: 実家がお店って聞くと なんだか親近感が湧いちゃう!
  659. 那由他: みなさんも、今日は 大地のゆりかごに宿泊を?
  660. やちよ: ええ、商店街のくじ引きで 湯国市への旅行券が当たってね
  661. やちよ: 宿の名前に聞き覚えがあったから ここに決めさせてもらったわ
  662. ラビ: …なるほど
  663. ラビ: (…まぁ、みかづき荘の 人たちだけなら…)
  664. ラビ: (あそこまで 大変なことにはならないか)
  665. ピロン♪
  666. みかげ: ん? ラビたんのスマホじゃない?
  667. ラビ: …あ、そうですね ちょっと確認します
  668. ラビ: (…サーシャから?)
  669. ラビちゃんって いま湯国市に戻ってるんでしたっけ
  670. これから、ひめちゃんたちと一緒に 大地のゆりかごに行く予定なので もし、湯国市にいるようでしたら 少し会えないかなって思って!
  671. ラビ: …マジですか
  672. 那由他: ラビさん? らしくない言葉が聞こえたような
  673. ラビ: …サーシャたちが これから泊まりに来るらしく
  674. 那由他: あら! 奇遇なんですの!
  675. ???の声: 奇遇っちゅーたら 私らかて同じかもしれへんなあ
  676. みかげ: あ、すーたん!
  677. 月出里: ふーむん!
  678. リヴィア: 近くの町で調整してたら 車のエアコンが壊れてしもてな…
  679. リヴィア: やから、修理が終わるまでの間
  680. リヴィア: ラビの実家に 泊まらせてもらうことにしたんや
  681. ヨヅル: お世話になってます
  682. ラビ: …そう
  683. ラビ: (形は違うけど、本格的に 正夢になってるような…)
  684. ピコン
  685. さな: あ、静香さんのSNSが 更新されて…
  686. さな: …って、え!?
  687. 鶴乃: どうしたの?
  688. さな: 静香さんたち、これから ここに泊まりに来るみたいです
  689. これから、♪時女一族♪の、みんなで だいちのゆりかご!というところに、 ☆旅行☆にいってきます(^▽^)/ たのしみ(*^^*)です!
  690. フェリシア: なんか目が チカチカする文章だな
  691. やちよ: …SNSの使い方とか諸々 教えた方がいいかもしれないわね
  692. ラビ: …時女一族まで?
  693. 那由他: …あれ、あのラビさん
  694. 那由他: あそこに書いてある なんとかご一行~とかって
  695. 那由他: 今日泊まりに来る人の 名前で合ってますの…?
  696. ラビ: …? ええ、基本的には
  697. みかげ: あーっ! あの名前って!
  698. 「紅晴家ご一行様」
  699. ラビ: なんと…
  700.  
  701. FILENAME: text_311333-4.txt
  702. 「紅晴家ご一行様」
  703. ラビ: なんと…
  704. 鶴乃: すごい! 魔法少女大集合だ!
  705. さな: こんなことってあるんですね
  706. リヴィア: ほんま、えらいにぎやかな ことになりそうやなぁ
  707. みかげ: そしたら、夜は 枕投げとかしようよ!
  708. ラビ: え…
  709. 那由他: なら私は 温泉卓球がしたいですの!
  710. ラビ: えぇ…
  711. フェリシア: カラオケとかねーの!?
  712. ラビ: あります…けど
  713. やちよ: はしゃぎすぎちゃダメよ?
  714. ラビ: …………ふっ
  715. 那由他: …ラビさん?
  716. ラビ: ああ、すみません 正夢ってあるものだなと
  717. 那由他: 正夢…ですの?
  718. ラビ: (あのうるさくて疲れる… そんな夜が来ると思うと)
  719. ラビ: (頭を抱えたくなるはずなのに)
  720. ラビ: (どうして、こんなに うきうきしているのだろう)
  721. ラビ: (やはり、私は那由他たちといて 変わった…ということか)
  722. ラビ: (だけど…)
  723. ラビ: (本当なら、だれひとり 欠けない未来が良かったと思う)
  724. ラビ: (けれど、それは叶わない 過去は、もう巻き戻らない)
  725. ラビ: (それに、彼女たちが望むのは 過去を悔やむことではなく)
  726. ラビ: (私たちが未来に進むこと)
  727. ラビ: (それは、遺された者の 勝手な解釈かもしれないけど…)
  728. ラビ: でも、私たちには それを信じて前に進むことしかできない
  729. ラビ: …だから、見ていてほしい
  730. ラビ: 今日のような明るい未来を これからも私たちで切り拓いていくから
  731. 那由他: ラビさん? ぼーっとしてますけど…
  732. ラビ: いえ、大丈夫 なんでもありません
  733. みかげ: たいへんたいへーん!
  734. 月出里: ふんむんむー!
  735. みかげ: 今、ラビたんのママに 聞いたんだけど
  736. 月出里: ふーむんむ、ふむむむ ふんむんむんむー!
  737. リヴィア: なんやて!? 夕飯の肉が足りんて!?
  738. リヴィア: ほな、ひとつ 狩りに行くしかないんちゃう!?
  739. ヨヅル: 落ち着いてください、先生 というか大人げないですよ
  740. フェリシア: おい、一大事じゃねーか!
  741. やちよ: そうね…お肉は大事ね…! 大人も子どもも関係ないわ
  742. 鶴乃: おお、ししょーの目がマジだ
  743. ラビ: …………
  744. 静香: …まぁ、招待いただいた身だし 文句は言えないわね
  745. リヴィア: せやなぁ えらい残念やけど
  746. 結菜: お部屋は足りるみたいだし それだけでもね
  747. やちよ: ええ、仕方ないわね 諦めるしかないわ…
  748. ラビ: (もしかしたら現実は 夢よりも、もっと…)
  749. ラビ: (今夜は、いっそう 頭を抱えることになりそう)
  750. ラビ: それじゃあ 他の方がそろったら
  751. ラビ: お肉をめぐって みなさんで勝負…しましょうか
  752. ラビ: 私たちで、新しい未来を作ろう…
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