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Tatsuki Ultra jump interview

Dec 27th, 2020 (edited)
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  1. CONTENTS
  2. 最終回となる今月はアニメ監督、 最新のエンタメ情報を紹介するコーナー! たつきさんのインタビューをお届け!!
  3.  
  4. アニメーションチーム「irodori」代表
  5.  
  6. たつきさん
  7.  
  8. 今月は「けものフレンズ」「ケムリクサ」などで知られる
  9.  
  10. アニメーター、アニメ監督のたつきさんにインタビュー!
  11.  
  12. どのようにして作品を作り上げているのかだけでなく、自身が手掛けるリモート外出アプリ「もるにあ」。や割作中の新作アニメに懸ける思いについてもきました!!
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  14.  
  15. 漫画は変態メディアだと思いました!
  16.  
  17. 1月より放送されたアニメ「へんたつ」TV版の最終話(第12話)で新作アニメを制作中と明かし、4月には作商監督の伊佐佳久さん、美術監督の白水優子さんと組んでいるユニット「irodori」で、リモート外出アプリ「もるにあ」の間発を進めていると発表するなど、2020年も注目を集めたたつきさん。今年を振り返ってみて、いかがですか?
  18.  
  19. たつき「へんたつ」、今年なんですよね。世が色々ありすぎて、だいぶ前みたいな感じがします。
  20.  
  21. その「へんたつ」は、たつきさんが投影された「鬼」と伊佐さんが投影された「猫」の2人の少女が、自作にまつわるトークをゆるく繰り広げるという、これまでのアニメにありそうでないエッセイ的なアニメでした。
  22.  
  23. たつき 色々と深夜アニメでなかった形なので気づいた人にはニヤリとしてもらえるかなと思い。あの尺(5分アニメ的なショート尺)なのでなんとかなるかなと思ったら、全然大変でした·····。予定していなかった新規の話(第6話)を入れたり、第1話と最終話でアクションを入れたりと、調子に乗ってしまったせいですけども。
  24.  
  25. 作っているうちに楽しくなってしまったと。
  26.  
  27. たつき うち(irodori)のワークフローがある程度柔軟に対応できるところがあって、毎度ついライブ感で。とはいえそのぶん、後工程でえらいことになるんですが。ありがたいことに評判が良かったそうで、13本目(第12.5話)も急連やらせていただけることになったりして、楽しいTVアニメでした。
  28.  
  29. 「へんたつ」はゆるいトークが楽しい一方、舞台がところどころ廃棄化しているなど、過去作品と共通する空気感も感じられます。
  30.  
  31. たつき いつものメンバー(たつき、伊佐、白水)でやっているので、そのあたりが個性として出ているのかもしれないです。空気感は出すのが難しいので、そう見てもらえるのはありがたいです。アニメ業界だと一作ごとに集まったスタッフが解散してしまうことが多いように思うのですが、自分としてはなるべく同じスタッフでやりたいと考えています。気心が知れているだけでなく、技術を積み重ねることができ、ワークフローも滑らかになるので。
  32.  
  33. そうした積み重ねが「たつき作品」の空気感として伝わってくるんですね! 話は変わりますが、2019年にUJで連載した漫画「ケムリクサわかばメモ」についても、何わせてください。
  34.  
  35. たつき 最初はどなたかにお任せするのがいいだろうと考えていたんですが、「ケムリクサ」は針の穴を通すようなかたちで全12話のお話が進んでいく感じがあったので、お客さんに見てもらうには漫画も相当精密に作らないといけない気がしていまして。これは漫画家さんにお願いするとえらく迷惑がかかりそう····というのと気疲れがすごそうだったので、それなら自分がやるほうが物理的にはしんどいけど気が楽かも、と。当時、担当編集の方と「それ面白そう!」など盛り上がっていたのですが、見通しが甘すぎて後に地獄を見ました。描いていた頃のこと、ほとんど覚えていないです·····。
  36.  
  37. アニメと同時進行でしたし、よくご本人が描き下ろしたなと思っていたんですが、そういうことだったんですね。
  38.  
  39. たつき 紙媒体になった時にどうなるのかというのは楽しみでした。きっかけは忘れたんですけど、わかばの視点で描けばいけるかなと思ったのが、原動力になったかもしれません。アニメの放送話数を理解の上で漫画のお話も進んで、補完し合う関係にできれば自分達ならではで良いなと。「ケムリクサ」を知らない人が漫画だけ見てもなにかが伝わるように、両方見たお客さんは(作品世界が)より面白くなるようになればという思いで描いていました。激しく怒られた記憶はないので(笑)、お客さんにはある程度楽しんで読んでもらえた印象です。
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  41.  
  42. チームが生み出す「たつき作品」の空気感
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  44. 同人活動で漫画を描かれたことはあったんですか?
  45.  
  46. たつき なかったです。実際に描いてみて、漫画は変態メディアだと思いました。コマの縦横比が全部違うというのが、まずびっくりで。最近のアニメでは縦横の比率が16:9で固定なので、漫画は自由すぎて「これどこからレイアウトしたらいいんだ····?」と。あと音響効果が、「ドカッ」などの視覚情報で表現されているところも面白いですね。アニメでは時間でコントロールされるところが、漫画だと「お客さんが視線を巡らせていく順番や配置を考えることでタイミングを取っているのかー!すごいな!」などなど興味深かったです·····と、しゃべっていると色々思い出してきますね。漫画家さんには、超初歩的なことかと思いますが······。この程度でUJの誌面にお邪魔して本当に恐縮でした。
  47.  
  48. 漫画の経験は、アニメ制作に活かされたりもしたのでしょうか?
  49.  
  50. たつき 必ずなにかしらあると思います。アニメはいろんなセクションがあるので、人生の色々が活かせるのが作っていて楽しいメディアだと思います。漫画も発見や学ぶところ、すごく多い媒体だと思ったので、またMPがあったり機会をいただけたら、描くことがあるかも(笑)。
  51.  
  52.  
  53. 子供時代のエンタメへの飢餓感が今の自分を作った
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  55. パソコンやスマートフォンから猫のような耳が特徴的なキャラクター「モル」を動かして外出を楽しめるアプリ「もるにあ」の開発も進めていますが、どのようなきっかけで始めたのですか?
  56.  
  57. たつき アイディアそのものは以前からあり、あと2作品くらい作ったあとに趣味でやろうと考えていたんですが、「へんたつ」が終わったところで、新型コロナだなんだと世の中や周辺が大変な感じになっていく中で、「これ、もしかするとちょうどいいかもしれない」と。みんな外に出づらい状況もあって、「モル」が代わりに動いて外の世界を見たり、ちょっとしたコミュニケーションもどきができたら、色々なことの解決に少しだけつながるかもと思ったんです。
  58.  
  59. 「モル」のプロトタイプは、ご自身で作り上げたんですか?
  60.  
  61. たつき 僕と伊佐でデザインやら中身を決めてとりあえず始めて。部品や回路などをあまりわからないまま組んで、「あ、モーター回った」というところから手探りで(笑)。そこから1人2人手伝ってもらいながら今の形になりました。今もってプロトタイプですが、お客さんが良いところを見つけてくれるので助けられています。
  62.  
  63. 今後、「もるにあ」がどんなものになればいいなと考えていますか?
  64.  
  65. たつき 元々、アルファテスト(試作版を評価するために内々で行われるテスト)が1回できれば、何人かが日々の気晴らしにしてくれればいいな、という感じだったので、割と目的は達成していて。あとは趣味でちょいちょい手をいれていければと。ただ、いつのまにか延べ2万人遊んでいただいてたようで。ありがたいのですが思ったよりおおごとに······。
  66.  
  67. 企業から声がかかり、一大プロジェクトに発展するなんてこともある?
  68.  
  69. たつき ちょこちょこご連絡いただいてたりします。仕事というより趣味の感じですけども、もしご興味がある方、おられましたらご連絡いただければ(笑)。
  70.  
  71. アニメといい「もるにあ」といい、モノづくりがお好きなんですね。なにかルーツなどが幼少期にあったのですか?
  72.  
  73. たつき 子供の頃、海外で過ごしていたんですが、日本のアニメや漫画、ゲームに触れる機会が少なくて。エンターテインメントへの飢餓感はやばかったですね。当時ネットもなかったので。日本に帰国したあとはそこら中に楽しいものがあるので豊かだなーと思いつつ、色々と触れてきた気がします。あのあたりの飢えの反動が今も続いているかもしれません。必死で探すか、自分で作らないと……といったような。そんな中でアニメはやれることの形が自分にフィットしていて、住み心地が良い気がしています。
  74.  
  75. 最後に、新作アニメについてですが·····。
  76.  
  77. たつき いつものirodori3人を中心に据えたオリジナル作品です。今は脚本·コンテがじわじわ形になっていきつつ·····という感じです。まだ先は長いと思いますが、らしいものができるようコツコツ頑張りますので、お見かけの際はよろしくお願いします!
  78.  
  79. [Profile]たつき/アニメーター、アニメ監督、アニメーションチーム「irodori」代表。主な担当作品に「けものフレンズ」、「傾福さん」、「ケムリクサ」、「へんたつ」(以上、監督)など。
  80.  
  81. 「へんたつ」のバッケージ、WEB版にはない新規エビソードなどが追加されている
  82.  
  83. 「もるにあ」の利用イメージ。ギャラリーや観光スポットなどでアルファテストが実施され、癒され楽しめたと好評を得ている
  84.  
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