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- ミンフィリア : これで、3体目……。 「夜の民」のみんなにも、この空が見えてるかな……。
- サンクレッド : ああ、きっとな……。
- ウリエンジェ : ……やはり、彼女の具合が気になりますか?
- ヤ・シュトラ : ええ……。今回は大丈夫そうだけれど、あくまで今回は……よ。本人に黙っているつもりもないわ。
- ヤ・シュトラ : ……ねえ、ウリエンジェ。取り戻した夜空は、綺麗かしら?
- ウリエンジェ : すべらかなる漆黒に、星影は清か……白に虹に、輝きはあまた散りばめられん。
- ウリエンジェ : ……原初世界と変わりない、美しい夜空です。穏やかで、優しい……見惚れるほどの、天の暗き海でしょう。
- ヤ・シュトラ : そう……。
- ウリエンジェ : 星もまた、命の流れを纏うもの。あなたの眼にこそ、美しく映っているのではないですか?
- ヤ・シュトラ : おつかれさま。さあ……胸を張って、帰りましょう。
- ヤ・シュトラ : この部屋の壁画……。ロンカより古い時代のものね。
- ミンフィリア : すごい……どうしてわかるんですか?
- ヤ・シュトラ : 使われている顔料に特徴があるのよ。大抵の顔料は鉱物なんかを含んでいるから、視わけられるの。
- ヤ・シュトラ : キタンナ神影洞は、古代の英知を護り伝えるための神殿だと、アルメたちが語っていた……。それが、この壁画ということかしら?
- エメトセルク : こんなところで道草を食っているなよ……。おかげで存外に歩かされた……。
- サンクレッド : 今度は出迎えのつもりか?
- エメトセルク : 馬鹿言え、私がそんな面倒なことするわけないだろう。
- エメトセルク : ……なるほど。やはりあと数体倒さないと、なんとも言えないか。
- ヤ・シュトラ : 何の話かしら?
- エメトセルク : 厭だな、いちいち気にするなよ。約束どおり手を貸して、約束どおり見ているだけだ。
- エメトセルク : それじゃあ、私は帰る。お前たちも、さっさと帰って次に進むことだな。
- エメトセルク : ……これはまた、懐かしい光景だな。
- ミンフィリア : この壁画のこと、知っているんですか……?
- エメトセルク : むかしむかしは、誰もが知っていたさ。
- エメトセルク : 世界が、原初世界と鏡像世界に分かたれたとき。すべての命も14に分かたれ、それぞれの世界で、別の存在として生まれ変わった。
- エメトセルク : そうして、本来の世界を知る者はいなくなった。……が、人はときに夢として、その光景を垣間見たのさ。
- エメトセルク : 知らないのに知っている、人類共通の夢。昔は大層ふしぎがられて、絵に描かれたり唄にされたり、まあ、いろいろ扱われたものだ。
- エメトセルク : それも見なくなって久しいと思ったが……こんなところで、またお目にかかるとはな。
- ヤ・シュトラ : 詳しいわね。ということは、描かれている内容についても?
- エメトセルク : ……世界が分かたれる前。そこには栄えた文明があり、多くの命が生きていた。
- エメトセルク : しかし、理が乱れ、未曽有の災厄が発生。文明は、命は、危機に立たされた。
- エメトセルク : その文明の人々は、祈りと犠牲によって、星の新たな理を紡ぐもの……「星の意志」を生み出した。
- エメトセルク : 名は、ゾディアーク。それによって、災厄は鎮められた。ヤ・シュトラ : 待って、ゾディアーク?それって……!
- エメトセルク : こうして災厄は過ぎたが、ゾディアークという強大な力を巡って、人の意見は割れた。
- エメトセルク : それを封じるべきとする者によって、枷となるもの……ハイデリンが生み出された。
- エメトセルク : ゾディアークとハイデリンは戦った。結果は、ハイデリンの辛勝……。
- エメトセルク : ハイデリンが放った渾身の一撃で世界は分かたれ、ゾディアークもまた、分断されて封印された。
- エメトセルク : ……以上、忘れられた歴史の話だ。信じるかどうかは勝手にしてくれ。ハイデリンの言い分は、どうせ違うだろうしな。
- サンクレッド : 仮に……仮にその話が真実だとして。それじゃあ、ゾディアークとハイデリンというのは……!
- エメトセルク : なんだ、それすら気づいてなかったのか。あれは、この星にもとよりいた神なんかじゃない。
- エメトセルク : かつての人によって創られた、星の意志。お前たちにわかりやすいように言うとだな……
- エメトセルク : 最古にして、最強の「蛮神」だ。
- ヤ・シュトラ : とてもじゃないけど、今すぐ受け入れられる内容じゃないわ……。
- ヤ・シュトラ : それが妄言でないと言うのなら、知っているあなたは何者なの?
- エメトセルク : やっと、ついに、それを問うか……。私とは、アシエンとは何者か……。
- エメトセルク : 私たち、とくにオリジナルと呼ばれるアシエンはな……
- エメトセルク : ゾディアークを召喚せし者。つまり、分かたれる以前の世界の人だよ。
- エメトセルク : だとすれば、世界の統合にこだわっているのも頷けるだろう?
- エメトセルク : 私は、世界を……人を……真なる形に戻したいのさ。
- エメトセルク : 当然の欲求だろう?
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