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Takina Inoue MSS JP text

Sep 22nd, 2023
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  1. FILENAME: text_340621-1.txt
  2. 井ノ上 たきな: これは、喫茶リコリコとみかづき荘の 中身が入れ替わって 私たちが神浜市へ来てる間に起きた なんでもないお話
  3. 井ノ上 たきな: その日も、千束に散々振り回された私は 中身が喫茶リコリコになったみかづき荘へ 疲れ果てて帰ってきました
  4. 井ノ上 たきな: はぁ…
  5. いろは: あ、たきなさん おかえりなさい
  6. やちよ: 今日も疲れてるようね
  7. 井ノ上 たきな: まぁ…今までずっと 千束と外にいたので
  8. うい: あ、ちょうどね、たきなさんと 千束さんの話をしてたんだよ
  9. 井ノ上 たきな: 私たちの…ですか?
  10. 鶴乃: うん、ふたりって制服の色が 違うでしょ?
  11. 鶴乃: それって、学年カラー的な やつなのかなぁ…って
  12. 井ノ上 たきな: あぁ…これは学年…というより ランクの違いのようなものです
  13. 井ノ上 たきな: 「リコリスにはランクのようなものがありまして 赤の千束はファースト、青の私はセカンドと 制服の色で分かれています」
  14. 井ノ上 たきな: なので、ランクで言いますと
  15. 井ノ上 たきな: 千束の方が上 …ということになりますね
  16. 井ノ上 たきな: 千束は、あれでいて過去に 大事件を解決へ導いた経歴を持ち
  17. 井ノ上 たきな: 優秀なリコリスとして 本部でも有名なんです
  18. やちよ: 彼女、そんなに すごい子だったのね…
  19. フェリシア: じゃあ、たきなが千束といて 疲れてんのは実力の問題か?
  20. 井ノ上 たきな: …いえ、というよりも ちゃらんぽらんなので
  21. 錦木 千束: たきな! 次はあっち行こ!
  22. 錦木 千束: ほら、早く早くー! 置いてっちゃうよ!
  23. いろは: あはは…千束さん いつも元気ですもんね
  24. フェリシア: 疲れるのに付き合うとか すげーな…
  25. フェリシア: オレだったらムカついて やり返したいと思うけどな
  26. 井ノ上 たきな: やり返す…ですか
  27. 井ノ上 たきな: …確かに、常に振り回されるのは 私としても面白くありません
  28. 井ノ上 たきな: ですが、やり返すとしても 私が千束を振り回せるとは…
  29. フェリシア: ならさ、オマエが千束のやつに 勝てることってねーのか?
  30. フェリシア: いっそ、千束を見返して ギャフンと言わせてやれよ!
  31. 井ノ上 たきな: ギャフン…
  32. 錦木 千束: ギャフン!
  33. 井ノ上 たきな: …いいですね、それ
  34. 井ノ上 たきな: 分野が違えば可能性はあります ですが、どうすれば…
  35. 井ノ上 たきな: 普通に戦うのは いろいろと避けたいですし…
  36. 鶴乃: 勝負って言っても、何も 武力だけが戦いじゃないよ!
  37. 鶴乃: たとえば、勉強! たきな勉強とか得意そうだし!
  38. 井ノ上 たきな: 同じDAで教育を受けているので 大きな違いはないかと…
  39. フェリシア: はぁ!?アイツ頭いいのかよ… そうは見えねーぞ…
  40. 鶴乃: じゃあ、相手を追い抜いて ビックリさせられるものはどう?
  41. 鶴乃: それって、ギャフン!に 繋がりそうだと思わない?
  42. 井ノ上 たきな: つまり、千束から私への印象が 一気に変わるようなものですね…
  43. 井ノ上 たきな: …例えば、料理なら
  44. 井ノ上 たきな: 完璧なまかないを サプライズで出せば
  45. 井ノ上 たきな: 驚かせることが できるかもしれません
  46. 鶴乃: いいねいいね! それもアリだと思う!
  47. 井ノ上 たきな: あ、それから…映画について 詳しくなったりしたら
  48. 井ノ上 たきな: 多分、千束はびっくりします
  49. 井ノ上 たきな: …それと、絵なら いえ、最初から勝ってますね
  50. 鶴乃: たきな、絵うまいの? 見たい見たーい!
  51. 井ノ上 たきな: 上手いというほどではないですが 千束よりは、描けるはずです
  52. 井ノ上 たきな: 確かカウンターの方に…
  53. ゴソゴソ…
  54. 井ノ上 たきな: …これです
  55. 井ノ上 たきな: 右が千束の絵で 左が私の描いたものです
  56. 鶴乃: おあー…なるほどぉ… 味がある絵だね?
  57. フェリシア: オマエ、これどっちも下手だろ 松ぼっくりの背比べだぞ
  58. やちよ: どんぐりの背比べ、ね
  59. 井ノ上 たきな: そんな…っ
  60. フェリシア: よし、絵も 特訓内容に加えよーぜ!
  61. 井ノ上 たきな: え、必要ありますか?
  62. フェリシア: パッと見て差が分かる方がさ 千束もビックリするだろ?
  63. 井ノ上 たきな: なるほど、それは一理ありますね イメージが湧いてきました!
  64. いろは: 意外と乗り気に…
  65. 井ノ上 たきな: 訓練し、自己の能力を 高めるのは嫌いじゃないので
  66. 井ノ上 たきな: ただ、特訓と言っても 教わるべき人が…
  67. うい: あ、それなら みたまさんに聞いてみるとか?
  68. やちよ: そうね、あの子なら
  69. やちよ: 神浜市の各プロフェッショナルを 知っているかもしれないわ
  70. 鶴乃: あ、フェリシアとわたしは これから万々歳の店番だから…
  71. いろは: じゃあ、私たちとやちよさんで 案内しますね!
  72. 井ノ上 たきな: はい、お願いします
  73. みたま: 料理と、絵と、映画の プロフェッショナル…
  74. みたま: それなら…
  75.  
  76. FILENAME: text_340621-2.txt
  77. みたま: 料理のプロフェッショナルなら 間違いなく、この子ね~
  78. みたま: 「老舗洋食店ウォールナッツの 胡桃まなかちゃん」
  79. 井ノ上 たきな: ウォール、ナッツ…
  80. 井ノ上 たきな: …と、紹介されて来たので リスの着ぐるみでも出てきたら どうしようかと思っていましたが
  81. 井ノ上 たきな: 案内をしてくれたいろはさんたちと別れて ウォールナッツを訪れた私を出迎えてくれたのは
  82. 井ノ上 たきな: お店の娘さんである 胡桃まなかさん…普通の少女でした
  83. 胡桃 まなか: 料理について学びたい…と いったい、何に悩んでるんです?
  84. 井ノ上 たきな: 働いている喫茶店で振舞う まかないについてです
  85. 胡桃 まなか: ほう…まかない、ですか
  86. 井ノ上 たきな: 手をかけず、時間をかけず おいしく、楽しい…
  87. 井ノ上 たきな: これを満たしたものを 上手く作れなくて
  88. 胡桃 まなか: なるほど… “楽しい”はあまり聞きませんが
  89. 胡桃 まなか: あなたの言う通り、まかないとは 手早く・ある材料で・おいしく
  90. 胡桃 まなか: これが基本で…
  91. ガヤガヤ…
  92. 胡桃 まなか: すみません、ちょっと本日 お店が大盛況でして…
  93. 井ノ上 たきな: なら、手伝います そのあとで、教えてください
  94. 胡桃 まなか: 本当ですか!助かります! あ、配膳のやり方とか…
  95. 井ノ上 たきな: カフェで働いているので ある程度はできるかと
  96. 井ノ上 たきな: お待たせいたしました
  97. 井ノ上 たきな: ウォールナッツ特製 ふわふわオムライスです
  98. わぁ…おいしそう!
  99. すみませーん
  100. 井ノ上 たきな: はい、ただいま
  101. 胡桃 まなか: (料理スキルが壊滅的な みたまさんの紹介と聞き…)
  102. 胡桃 まなか: (どんな人かと身構えましたが)
  103. 胡桃 まなか: (手際もいいし、不器用そうにも 見えませんね…)
  104. 胡桃 まなか: (これは、平和な料理教室に なりそうです)
  105. 胡桃 まなか: ふぅ、お疲れ様です あなたのおかげで助かりました
  106. 井ノ上 たきな: いえ、でも本当に 人気なお店なんですね
  107. 胡桃 まなか: ふふん、まぁうちの料理は 美味しいので当たり前です
  108. 胡桃 まなか: では、ランチタイムも 終わりましたし
  109. 胡桃 まなか: まかない特訓としましょうか
  110. 胡桃 まなか: カフェで出せそうなまかないの 定番と言えばチキンライスですが
  111. 胡桃 まなか: 普段、お店にあるもので 作れそうですか?
  112. 井ノ上 たきな: ええ、恐らくは
  113. 胡桃 まなか: では、作ってみましょう
  114. 井ノ上 たきな: 野菜を1センチほどに 切って…
  115. トントントン…トン
  116. 胡桃 まなか: いい感じです、火の通りに ムラが出ないよう均等にですよ
  117. 井ノ上 たきな: はい、まなか先生 次の手順は…調味料を少々…
  118. 井ノ上 たきな: 先生、少々とは いったい何グラムでしょうか
  119. 胡桃 まなか: 0.2グラム程度 …とよく言われますが
  120. 胡桃 まなか: 少しずつ入れて 味をととのえていきましょう
  121. 井ノ上 たきな: …なんとかできました どうでしょう…?
  122. 胡桃 まなか: ふむふむ…ところどころに 多少の焦げはありますが
  123. 胡桃 まなか: 肝心なのは見た目ではなく 味ですからね
  124. ぱくっ
  125. 胡桃 まなか: ん…!
  126. 胡桃 まなか: いいですね
  127. 井ノ上 たきな: ほっ…
  128. 胡桃 まなか: 若干べちゃっとはしてますし 味のムラはあるので
  129. 胡桃 まなか: お店に出すものとしては 改善の余地あり…ですが
  130. 胡桃 まなか: 身内に出すまかないとしては 全然OK!むしろ美味しいです!
  131. 井ノ上 たきな: よかったです
  132. 胡桃 まなか: うん、これで いいんじゃないでしょうか
  133. 井ノ上 たきな: …………
  134. 井ノ上 たきな: …確かに、短時間かつ 少ない材料で作れますが
  135. 井ノ上 たきな: この料理では 「楽しい」がありません
  136. 井ノ上 たきな: チキンライスもまかないの 一品としてはいただきつつ
  137. 井ノ上 たきな: 楽しいもう一品を覚えて レパートリーも増やしておきたく
  138. 井ノ上 たきな: 手をかけず、時間をかけず おいしく、楽しい…
  139. 井ノ上 たきな: これを満たしたものを 上手く作れなくて
  140. 胡桃 まなか: そういえば、言ってましたね 楽しい…ですか
  141. 胡桃 まなか: まぁ、料理スキルが 低いわけでもなさそうですし
  142. 胡桃 まなか: 楽しさも加えたメニューを 考えてみることにしましょう!
  143. 井ノ上 たきな: ありがとうございます!
  144. 胡桃 まなか: ふむ…どうせなら 好物を使いたいですよね…
  145. 胡桃 まなか: たきなさん、千束さんの 好物ってなんですか?
  146. 井ノ上 たきな: 千束の好物…
  147.  
  148. FILENAME: text_340621-3.txt
  149. 井ノ上 たきな: 千束の好物…
  150. 井ノ上 たきな: 無駄なものを 好むイメージですが…
  151. 井ノ上 たきな: 特に印象的だったのは…
  152. 錦木 千束: 「フランボワーズアンドギリシャヨーグレット リコッタダッチベイビーケークと ホールグレインハニーコームバター ウィズジンジャーチップスで」
  153. 井ノ上 たきな: パンケーキ…は好きですね
  154. 井ノ上 たきな: カロリーが高くて甘いので まかないには向かなそうですが…
  155. 胡桃 まなか: …いえ、パンケーキと言っても 食事系の…えっと
  156. 胡桃 まなか: スマホで画像を見せますね
  157. 胡桃 まなか: …こう、ソーセージを添えたり 甘くないのもあるんですよ
  158. 井ノ上 たきな: これなら まかない料理にもあってますね
  159. 胡桃 まなか: ええ、それに手早く作れますし その日ある食材によって
  160. 胡桃 まなか: レパートリーも増やせるので あなたの要望にぴったりかと
  161. 井ノ上 たきな: ただ…「楽しい」は どうしましょう?
  162. 胡桃 まなか: ふふ、それは こちらを使いましょう!
  163. 井ノ上 たきな: それは…
  164. 胡桃 まなか: ケチャップです!
  165. 胡桃 まなか: これでお絵描きなんかしたら 楽しいんじゃないですか?
  166. 井ノ上 たきな: 千束は喜びそうですけど… え、ケチャップ合うんですか…?
  167. 胡桃 まなか: 百聞は一見に如かず! 実際に作ってみましょうか
  168. 井ノ上 たきな: 粉と…材料を入れて… えっと…同時にソーセージを…
  169. ピロンッ♪
  170. 胡桃 まなか: ん…先輩?
  171. 今からお店に行くわ ランチタイムは過ぎたわよね
  172. 胡桃 まなか: え…!?今から!?
  173. 井ノ上 たきな: 誰か来るんですか?
  174. ???の声: 胡桃さーん? いないのかしら?
  175. 胡桃 まなか: はぁ…メッセージ送った時点で もう外にいたんですね…
  176. 阿見 莉愛: あら、厨房にいたの …って、見ない顔?
  177. 胡桃 まなか: 井ノ上たきなさんです いろはさんから連絡のあった…
  178. 阿見 莉愛: ああ、話題になっている方ね
  179. 胡桃 まなか: すみません、たきなさん こちらは阿見先輩です
  180. 阿見 莉愛: 井ノ上さん?聞きたいのだけど 異世界に、私はいるのかしら?
  181. 阿見 莉愛: スーパーモデルなのだから 存在すれば知っているでしょう?
  182. 井ノ上 たきな: …どう、でしょう…?
  183. 胡桃 まなか: 勝手に異世界の自分を 持ち上げないでください
  184. 胡桃 まなか: というか、お料理教室中なので 静かに…
  185. 胡桃 まなか: あぁ、いや…たきなさん ここは試食していただきます?
  186. 井ノ上 たきな: …そうですね、できるだけ 多くの方の意見を聞きたいですし
  187. 阿見 莉愛: 何を作ってるのかしら?
  188. 井ノ上 たきな: まかないで出す パンケーキです
  189. 阿見 莉愛: あらぁ、それなら私が 試食して差し上げるわ!
  190. ぐるるるる…
  191. 胡桃 まなか: 先輩…お腹空いてたんですね かわいそうに…
  192. 阿見 莉愛: お、おだまりっ!
  193. 井ノ上 たきな: できました
  194. 阿見 莉愛: あら、美味しそうじゃない
  195. 阿見 莉愛: だけど思っていた パンケーキとは少し違うのね
  196. 阿見 莉愛: ソーセージが添えられて お食事という雰囲気のような
  197. 井ノ上 たきな: はい、まかないにする予定なので スイーツではなく食事です
  198. 井ノ上 たきな: そして、最後にこれを
  199. 阿見 莉愛: ケチャップ?
  200. 井ノ上 たきな: はい、絵でも描いてください
  201. 阿見 莉愛: パンケーキにケチャップなんて 本当に合うのかしら…?
  202. 井ノ上 たきな: 私も今から試すところです
  203. 胡桃 まなか: じゃあ、ケチャップをつけたら 食べてみましょうか!
  204. みんな: 「いただきます!」
  205. 井ノ上 たきな: んん…これは…!
  206. 阿見 莉愛: 甘さ控えめのパンケーキと ケチャップの酸味が…合うわね
  207. 阿見 莉愛: お店で出てきても おかしくない味でなくって?
  208. 胡桃 まなか: はい、よくできてます!
  209. 井ノ上 たきな: この勢いで喫茶リコリコの 新メニューも作れば…
  210. 井ノ上 たきな: もっと千束を 驚かせられるかもしれません
  211. 井ノ上 たきな: 売り上げにも 貢献できますし
  212. 井ノ上 たきな: しかし、それには 少し派手さが必要でしょうか?
  213. 胡桃 まなか: では、店の独自性みたいなのを 出してみたらどうでしょう?
  214. 阿見 莉愛: トッピングとかで 割と変わるものよね
  215. 井ノ上 たきな: いい考えですね 作ってみます!
  216. 井ノ上 たきな: 少し、材料を 頂いてもいいでしょうか
  217. 胡桃 まなか: ええ、そこにあるものでしたら
  218. 井ノ上 たきな: ありがとうございます!
  219.  
  220. FILENAME: text_340621-4.txt
  221. 井ノ上 たきな: できました!
  222. 井ノ上 たきな: こちら、喫茶リコリコの 新メニュー候補…その名も
  223. 井ノ上 たきな: リコリコへようこそ パンケーキ!です!
  224. 井ノ上 たきな: うちは基本的に創作スイーツと コーヒーを出す店なのですが
  225. 井ノ上 たきな: お客さんから、たまには がっつりしたものを…
  226. 井ノ上 たきな: と、何度かリクエストを 頂いていたので
  227. 井ノ上 たきな: 添え物を少しだけ増やして 見た目にもこだわりました
  228. 胡桃 まなか: これは…えーと…
  229. 阿見 莉愛: …反応に困るわね
  230. 井ノ上 たきな: あ、何か 変でしたか?
  231. 阿見 莉愛: …いえ、文句を言うなら 食べてからが道理というもの…
  232. ぱく
  233. 阿見 莉愛: く…味は 普通においしいですわね…
  234. 井ノ上 たきな: 味は…?
  235. 阿見 莉愛: …一応、先に コンセプトを聞いていいかしら
  236. 井ノ上 たきな: はい 喫茶リコリコへようこそ!と
  237. 井ノ上 たきな: お客さんを迎えるイメージです
  238. 阿見 莉愛: じゃあ、このソーセージたちで 作られた手は…
  239. 井ノ上 たきな: お出迎えの手です 5本使えたのでせっかくならと
  240. 胡桃 まなか: では、この目は…
  241. 井ノ上 たきな: あった方が可愛いかなと
  242. 阿見 莉愛: この、血みどろなケチャップは…
  243. 井ノ上 たきな: 楽しげな雰囲気を作るために 差し色を
  244. 阿見 莉愛: …コンセプトがホラーか ハロウィンあたりであれば
  245. 阿見 莉愛: 大正解…と思ったけれど これは、ないですわね
  246. 井ノ上 たきな: な…ない…ですか?
  247. 阿見 莉愛: だけど、そう 落ち込むことはなくってよ!
  248. 阿見 莉愛: なぜなら、あなたには 美的センス抜群…
  249. 阿見 莉愛: そして、スーパー美少女の 阿見莉愛がついてるのだから!
  250. 井ノ上 たきな: 手伝ってくれるんですか?
  251. 阿見 莉愛: ええ、私が デコレーションを改善するわ
  252. 井ノ上 たきな: ありがとうございます! あみみあさん!
  253. 阿見 莉愛: うーん惜しい! じゃなくて、阿見莉愛よッ!
  254. 胡桃 まなか: …大丈夫なんでしょうか?
  255. 井ノ上 たきな: で、できました!
  256. 阿見 莉愛: これぞ、会心の出来ね! 料理もできるなんてさすがは私!
  257. 胡桃 まなか: なんだかやり切った顔を してらっしゃいますけど…
  258. 胡桃 まなか: えー…この絢爛豪華な パンケーキ?は…?
  259. 井ノ上 たきな: 名づけて…
  260. 井ノ上 たきな: 「エレガンスアンドキューティー ジャパニーズオカシウィズコーヒー デリシャスビューティーパワフルパンケーキ」
  261. 井ノ上 たきな: です
  262. 胡桃 まなか: …なんというか 塔のようなパンケーキですね
  263. 胡桃 まなか: …一応聞きますが、なんですか ジャパニーズオカシって
  264. 井ノ上 たきな: 和菓子です
  265. 井ノ上 たきな: 今回は、とりあえずコンビニで 買ってきたものですが
  266. 井ノ上 たきな: 和菓子は既に喫茶リコリコでも 提供しているので
  267. 井ノ上 たきな: まかないとして やりやすいのではと思い
  268. 阿見 莉愛: いいから、四の五の言わずに 食べてみることね
  269. 胡桃 まなか: えー…このタワーの… いったいどこから…?
  270. 井ノ上 たきな: 上の方から食べるのが タワーを崩さないコツです
  271. 胡桃 まなか: …タワーって自分で言いましたね
  272. 胡桃 まなか: では… い、いただきます…
  273. ぱく
  274. 胡桃 まなか: …味は、いいんですよね
  275. 井ノ上 たきな: じゃあ、これを 喫茶リコリコの新メニューに…!
  276. 胡桃 まなか: あの、盛り上がってるところ 悪いんですけど…
  277. 胡桃 まなか: これ、いくらで出すんです? かなりの値段にしないと採算が…
  278. 井ノ上 たきな: 私としたことが…
  279. 阿見 莉愛: 商品にできないのなら まかないにすればいいじゃない
  280. 胡桃 まなか: どっかの王妃みたいなこと 言わないでください
  281. 胡桃 まなか: 商品にできないのなら まかないになんて到底できません
  282. 阿見 莉愛: でも、おいしかったのだし いいじゃない!
  283. 胡桃 まなか: 自分が食べたかった だけじゃないですか…
  284. 胡桃 まなか: まぁ、商品化云々については そちらで検討いただくとして
  285. 胡桃 まなか: とにかく、まかない自体は 作れるようになったんです
  286. 胡桃 まなか: たきなさん、胸を張ってください
  287. 井ノ上 たきな: …そうですよね これもひとつの成長…ですよね
  288. 井ノ上 たきな: ありがとうございます まなかさん
  289. 井ノ上 たきな: ありみあさんも
  290. 阿見 莉愛: どうしてそう惜しいのかしら!? 阿見莉愛よッ!
  291. 阿見 莉愛: まぁ、私たちの手にかかれば こんなの朝飯前ですのよ!
  292. 井ノ上 たきな: それでは 私は次へ行きます
  293. 胡桃 まなか: 次…?
  294. 井ノ上 たきな: はい、次の先生の元へ 新たな特訓をしに
  295. 井ノ上 たきな: あ、そのパンケーキは お礼なので、食べてください
  296. 胡桃 まなか: あ、はい…!
  297. 阿見 莉愛: クールに見えて、嵐のような子ね
  298. 胡桃 まなか: 先輩に言われたくは ないと思いますよ…
  299. 井ノ上 たきな: 負けっぱなしではいられないので
  300.  
  301. FILENAME: text_340622-1.txt
  302. 井ノ上 たきな: 千束を驚かせるため 私は特定の分野に精通した魔法少女を訪れて 自身の能力を伸ばしていました
  303. 井ノ上 たきな: まかない料理を極めた私が次に紹介されたのは 絵のプロフェッショナル
  304. みたま: 神浜市にいる 絵のプロフェッショナルねぇ
  305. みたま: アリナ…は、消息不明だから そんな場合じゃないし…
  306. やちよ: …なら、彼女かしら
  307. みたま: まぁ…そうなるわねぇ
  308. 井ノ上 たきな: なんだか、不安になる 間ですが…
  309. いろは: 確か、美術部に入ってて 少女漫画が好きなんだよね
  310. うい: 絵が上手だって わたし、聞いたことがあるよ
  311. やちよ: 魔法少女としては 色々と難のある子だったけど
  312. やちよ: まぁ…根は親切で 素直な子ではあるわ
  313. 井ノ上 たきな: どうしてそう言い方に含みが…?
  314. 井ノ上 たきな: …と、不安になる紹介を受けて 約束の場所へ足を運ぶと そこに現れたのは、私より幼い女の子でした
  315. ???: あ!もしかして あなたがたきな先輩なの!?
  316. 井ノ上 たきな: はい、ということは あなたが…?
  317. ???: そう、わたしが 絵のプロフェッショナル
  318. ???: …なんて言ったら 先輩に殺されそうだけど
  319. 御園 かりん: 御園かりんなの! よろしくなの!
  320. 井ノ上 たきな: 井ノ上たきなです 今日はよろしくお願いします
  321. 御園 かりん: …さっそくだけどたきな先輩は 絵が上手になりたいの?
  322. 井ノ上 たきな: はい、実は… 似顔絵を笑われまして…
  323. 井ノ上 たきな: そんなに下手ではないと 思うんですけど…
  324. 御園 かりん: それはヒドいの!
  325. 御園 かりん: わたしも、アリナ先輩に 絵をゴミって言われると悲しいの
  326. 井ノ上 たきな: …それは 下手ということですか?
  327. 御園 かりん: 天才アーティストの意見は そうだけど…
  328. 御園 かりん: 普通の人が見れば上手なの!
  329. 御園 かりん: そもそも紹介されている時点で 上手だと認められてるの!
  330. 井ノ上 たきな: 確かに
  331. 御園 かりん: だから、似顔絵の極意は かりん先生にお任せなの!
  332. 井ノ上 たきな: …ありがとうございます えっと…かりん先生!
  333. 御園 かりん: あ、うそ、冗談なの! かりんでいいの!
  334. 御園 かりん: でも…先生…ふひ… うへへへ…えへ…
  335. 御園 かりん: わたしにも弟子ができたの ふふ…
  336. 井ノ上 たきな: …………
  337. 御園 かりん: スケッチブックを持ったら さっそく、特訓開始なの!
  338. 井ノ上 たきな: はい、かりん先生
  339. 御園 かりん: 似顔絵に必要なのはまず 顔をじっくり見ることなの!
  340. 井ノ上 たきな: 顔をじっくり…
  341. 井ノ上 たきな: …………
  342. 御園 かりん: そ、そんなに見つめられたら 照れちゃうの!
  343. 井ノ上 たきな: でも、かりん先生が じっと見ろと
  344. 御園 かりん: 今じゃないの! 素直すぎる生徒なの!
  345. 御園 かりん: えっと…そう!それから 相手の特徴をつかむことなの!
  346. 御園 かりん: たとえば!
  347. 御園 かりん: わたしのバイブルって言える マンガがあって!
  348. 御園 かりん: 怪盗少女マジカルきりん って、言うんだけど
  349. 井ノ上 たきな: 怪盗少女…
  350. 御園 かりん: 気になるの!?
  351. 井ノ上 たきな: え、あ… 教材になるのであれば
  352.  
  353. FILENAME: text_340622-2.txt
  354. 御園 かりん: まず、怪盗少女マジカルきりんの あらすじ説明なの!
  355. 井ノ上 たきな: あの、ストーリーよりも 特徴をつかむ件についてを…
  356. 御園 かりん: たきな先輩…
  357. 御園 かりん: マジきりはバイブルって言っても 知るための順序があるの
  358. 御園 かりん: 似顔絵を上達させるために 特徴をつかむのも必要だけど
  359. 御園 かりん: まずは、バイブルの 内容を知るところからなの!
  360. 井ノ上 たきな: 入門書であったとしても 順番を誤ってはならないと
  361. 御園 かりん: そういうことなの!
  362. 井ノ上 たきな: なら…わかりました お願いします
  363. 御園 かりん: 怪盗少女マジカルきりんはね 弱きを救う怪盗少女
  364. 御園 かりん: きりんちゃんの物語なの!
  365. 井ノ上 たきな: …なるほど おおむね理解できました
  366. 御園 かりん: じゃあ、次はマジきりの中で それぞれどんな立ち位置か
  367. 御園 かりん: それを考えて当てはめてみるの!
  368. 御園 かりん: あ、わたしは もちろんきりんちゃんなの
  369. 御園 かりん: ちなみに、わたしの魔法少女姿は きりんちゃんに
  370. 御園 かりん: インスピレーションを 受けてるの!見るの!
  371. 井ノ上 たきな: こんなところで変身して 大丈夫なんですか?
  372. 御園 かりん: んー…
  373. 御園 かりん: 誰もいないから大丈夫なの!
  374. 御園 かりん: バレたときもコスプレって 言い訳したら大丈夫だったの
  375. 井ノ上 たきな: あ、見つかったこと あるんですね…
  376. 御園 かりん: この衣装なの!
  377. 井ノ上 たきな: なんというか… ハロウィンっぽいですね
  378. 御園 かりん: そうなの! さすがわたしの弟子なの!
  379. 御園 かりん: じゃあじゃあ イメージを膨らますの!
  380. 御園 かりん: たきな先輩の描きたい 千束先輩が
  381. 御園 かりん: マジきりの中だったら どんなキャラか考えるの!
  382. 御園 かりん: そしたらきっと、キャッチ―で わかりやすい似顔絵になるし
  383. 御園 かりん: どんな千束先輩を表現したいか 明確になると思うの!
  384. 井ノ上 たきな: …じゃあ、千束は中盤に 出てきたボス、ですかね
  385. 御園 かりん: ふんふん、なるほどなの
  386. 井ノ上 たきな: 私は…なんでしょう
  387. 御園 かりん: んん~… たきな先輩は…
  388. 御園 かりん: クールなお姉さんだから ガンマン役が似合うと思うの!
  389. 井ノ上 たきな: …あれ、私 言いましたっけ?
  390. 御園 かりん: ん…?何がなの?
  391. 井ノ上 たきな: (なんとなくで、私の 正体を言い当てた…?)
  392. 井ノ上 たきな: (さっきからマンガの話 ばかりで心配でしたが)
  393. 井ノ上 たきな: (もしかすると、とんでもない 巨匠なのかもしれません)
  394. 井ノ上 たきな: (これも絵の上達のため… 全力で取り組まないと)
  395. 御園 かりん: じゃあ、それぞれの役で 演じてみるの!
  396. 井ノ上 たきな: えっ
  397. 御園 かりん: なーはっはっは!
  398. 御園 かりん: 我こそは怪盗少女 マジカルきりんなのだ!
  399. 御園 かりん: 弱き者のために その宝を渡すのだ!
  400. 御園 かりん: 攻撃なのだ!
  401. 井ノ上 たきな: ば…ばきゅん
  402. 御園 かりん: たきな先輩、声が小さいの!
  403. 井ノ上 たきな: ばきゅんばきゅん!
  404. 井ノ上 たきな: な…ダメです、マジカルきりん! 宝はすでに、敵のボスが…!
  405. 御園 かりん: なんだと!ボスの名は!
  406. 井ノ上 たきな: ラスボスの名は千束 相当、強いようです
  407. 御園 かりん: ならば、力を合わせて!
  408. 御園 かりん: すっごい 似顔絵を描けるようになって
  409. 御園 かりん: ラスボス千束を ギャフンと言わせるのだ!
  410. 井ノ上 たきな: おー!
  411. 御園 かりん: …って、目的を 完全に見失ってたの!
  412. 御園 かりん: わたしたちが、するべきは 劇じゃなくて絵を描くことなの!
  413. 井ノ上 たきな: えっ!? 演じることに意味があるのでは…
  414. 御園 かりん: うう…イメージさえできれば 別に演じる必要までは…
  415. 御園 かりん: 違うの!演じることによって 深くイメージできたはずなの!
  416. 御園 かりん: だから、ここで一度 似顔絵を描いてみて欲しいの!
  417. 井ノ上 たきな: そう言われても困りました… 私がイメージできているのは
  418. 井ノ上 たきな: マジきりのラスボスでしかなくて いつもの千束ではありません…
  419. 御園 かりん: 演じたことでバイブルの影響を 受けすぎてしまったの…
  420. 御園 かりん: それなら、わたしも千束先輩の 姿をちゃんと知らないから
  421. 御園 かりん: たきな先輩から特徴を聞いて お手本を描いてみるの
  422. 御園 かりん: それで、たきな先輩が描きたい 千束先輩が見えるはずなの!
  423. 井ノ上 たきな: わかりました
  424. 井ノ上 たきな: 千束は、まず…変な人で
  425. 井ノ上 たきな: それから、賑やかで あと…まぁ、強いですね
  426. 井ノ上 たきな: 合理的じゃなくて よく笑って、よく喋る…
  427. 井ノ上 たきな: それから…
  428. 御園 かりん: できたの!
  429. 井ノ上 たきな: えっと…これは… さっきの劇の悪役…ですか?
  430. 井ノ上 たきな: なぜか邪悪そうでムキムキですが
  431. 御園 かりん: わ、わたしまで バイブルに引っ張られたの…
  432.  
  433. FILENAME: text_340622-3.txt
  434. 御園 かりん: わ、わたしまで バイブルに引っ張られたの…
  435. 井ノ上 たきな: 確かに、筋肉はありますけど こんなにムキムキでは…
  436. 御園 かりん: あうぅ…そんなに冷たい 目で見ないでほしいの
  437. 井ノ上 たきな: …そもそも、似顔絵にしては 少々マンガ的すぎますね
  438. 御園 かりん: たきな先輩は どんな絵柄にしたいの?
  439. 井ノ上 たきな: 絵柄…はよくわからないですが 私は、もう少し写実的な方が…
  440. 御園 かりん: そう言われると、わたしの絵柄は マジきりの影響が大きいの…
  441. 井ノ上 たきな: 良いマンガ作品だと思いますが 目指す方向性が違う以上
  442. 井ノ上 たきな: これ以上学んで演じたとしても 似顔絵の上達は見込めません
  443. 井ノ上 たきな: 申し訳ありませんが かりん先生以外の方を紹介して…
  444. 御園 かりん: ちょ、ちょっと待ってほしいの! え、えーっと…
  445. 御園 かりん: あ!
  446. 御園 かりん: かえでちゃんなの! ちょっと捕まえてくるの!
  447. 井ノ上 たきな: えぇ…
  448. 御園 かりん: 絵柄が定まってないなら! いろんな人の絵を見るの!
  449. 御園 かりん: それでそれで… せめて方向性を定めるべきなの!
  450. 井ノ上 たきな: それも構いませんが、私としては 単純に画力を上げたいんですが…
  451. 御園 かりん: いろんな人の絵を見て インスピレーションを受ければ
  452. 御園 かりん: 絵柄も決まって画力も上がる… 一石二鳥で合理的なの!
  453. 井ノ上 たきな: …………
  454. 井ノ上 たきな: (…こうも必死になられると 断りづらいですね…)
  455. 井ノ上 たきな: (なんだか、ずっと 振り回されてる気もしますが)
  456. 井ノ上 たきな: (今から新しい先生を探すのも 時間がかかるでしょうし…)
  457. 井ノ上 たきな: …わかりました
  458. 御園 かりん: 大丈夫なの! かりん先生にお任せなの!
  459. かえで: 千束さんの似顔絵?
  460. 御園 かりん: そうなの! というか知り合いなの?
  461. 井ノ上 たきな: 私と千束は、期間限定ですが
  462. 井ノ上 たきな: かえでさんたちと 同じ学校に転入したので
  463. 御園 かりん: 性格とかも知ってるなら 似顔絵も描きやすいはずなの!
  464. かえで: でも、私あんまり 絵は上手じゃないよ…?
  465. 御園 かりん: わたし調べ、ふわふわ系女子は 絵が上手いはずだから心配ないの
  466. かえで: ん~…偏見だと思うけどなぁ…
  467. 井ノ上 たきな: 私からも、お願いします 成長のためなんです
  468. かえで: 成長…んーわかった! でも、期待はしないでね…?
  469. かえで: はい、できたよ
  470. 井ノ上 たきな: …確かに、かりん先生とは 異なる画風ですね
  471. 井ノ上 たきな: 写実的ではありませんが シンプルに特徴を捉えていて
  472. 井ノ上 たきな: こういう感じなら、私も マネできるかもしれません
  473. 御園 かりん: うぅ~ん…
  474. 井ノ上 たきな: かりん先生…?
  475. 御園 かりん: すごく可愛いし とっても良いんだけど…
  476. 御園 かりん: パンチがないの!
  477. かえで: ふゆぅ…
  478. 井ノ上 たきな: いえ、あの… パンチはいらないのですが…
  479. ももこの声: かえで~
  480. かえで: あ、ちょうどいいところに!
  481. かえで: ねぇ、ふたりにも似顔絵を 描いてもらわない?
  482. かえで: いろんな人に描いてもらったら パンチのある絵柄も見つかるよ!
  483. 御園 かりん: いい案なの!
  484. 井ノ上 たきな: だから、パンチはいらないと…
  485. 御園 かりん: なら、神浜市の人たちに たくさん描いてもらうの!
  486. 御園 かりん: みんなでひとりの絵を描いたら きっと超大作になるの!
  487. 井ノ上 たきな: いやあの…そんなつもりじゃ… 私は画力を上げられれば…
  488. かえで: じゃあ、みんなのところに 行ってみようか!
  489. 井ノ上 たきな: あのだから…
  490. 御園 かりん: たきな先輩! これも画力のためなの!
  491. 御園 かりん: 画家というものは時に 足を運ぶことも大事なの!
  492. 御園 かりん: 得た感覚のすべてが絵に繋がる… それが芸術というものなの!
  493. 井ノ上 たきな: な、なるほど…?
  494. 井ノ上 たきな: (やっぱり私、いいように 振り回されてませんか…?)
  495. 御園 かりん: ふふん、その調子なの!
  496. かえで: かりんちゃん…
  497. かえで: 先生って呼ばれて だいぶ浮かれてるなぁ…
  498.  
  499. FILENAME: text_340622-4.txt
  500. 井ノ上 たきな: そして、一枚の画用紙に 様々な方から千束の絵を描いてもらいました
  501. ももこ: いやー、いっぱい 描いてもらっちゃったね
  502. 井ノ上 たきな: ももこさんたちも ありがとうございます
  503. ももこ: いいっていいって アタシたちも楽しかったし!
  504. 御園 かりん: それにしても、いろんな人に 描いてもらうと
  505. 御園 かりん: 絵柄もイメージも いろいろなの!
  506. かえで: 可愛い感じ、元気な感じ いろんな千束さんだね
  507. レナ: ていうか、あの人 神浜市に知り合い多くない?
  508. レナ: ここに来て数日とかよね?
  509. 井ノ上 たきな: まぁ…千束は、そういう人なので
  510. かえで: 千束さん、レナちゃんより 友だち多そうだよね
  511. レナ: うるさいわね!
  512. レナ: それで、描けそうなの?似顔絵は
  513. 井ノ上 たきな: どう…でしょう
  514. 井ノ上 たきな: ただ、いろんな方が描く 千束の絵を見ていると
  515. 井ノ上 たきな: 絵の上手い下手ではなく なんというか
  516. 井ノ上 たきな: この人の絵は 千束っぽいなとか
  517. 井ノ上 たきな: 逆にこれは、私の思う 千束じゃないかも…とか
  518. ももこ: 解釈違いみたいな?
  519. 井ノ上 たきな: そうなんでしょうか?
  520. 井ノ上 たきな: 人によって、当たり前ですけど 見えるものは違うんですね
  521. レナ: 確かに、仲良くなると 違う一面が見えたりとかね
  522. ももこ: たきなちゃんは、千束ちゃんと 仲良しだもんな
  523. 井ノ上 たきな: え…そう見えますか
  524. かえで: うん!
  525. 井ノ上 たきな: 千束は…ただの同僚ですよ
  526. 御園 かりん: そうなの!? 仲良しふたり組だと思ってたの
  527. 井ノ上 たきな: まぁ、でも…
  528. 井ノ上 たきな: 出会ったときから比べれば 印象は変わりました
  529. 井ノ上 たきな: (最初は、何をしているか よくわからない非常識な人で)
  530. 井ノ上 たきな: (リコリスらしくない彼女に いらだちを覚えたり)
  531. 井ノ上 たきな: (でも…)
  532. 井ノ上 たきな: …………
  533. 御園 かりん: たきな先輩?
  534. 井ノ上 たきな: いえ、今も昔も私の中で 千束は非常識な人です
  535. 御園 かりん: そうなの?
  536. 御園 かりん: あ、それで絵はどうなの?
  537. 井ノ上 たきな: はい、この期間でかりん先生の 絵もたくさん見れましたし
  538. 井ノ上 たきな: いろんな種類の絵柄を見ることで 自分の絵に合ったものも
  539. 井ノ上 たきな: なんとなくですけど 方向性は見つけられました
  540. 井ノ上 たきな: 何より みなさんの絵を見てみて
  541. 井ノ上 たきな: 私が描きたい千束を 見つけることができた気がします
  542. 井ノ上 たきな: かりん先生の言う通り 画力だけにこだわっていたら
  543. 井ノ上 たきな: 学べないことが学べました
  544. 井ノ上 たきな: 途中、何度も他の方へ教えを 乞いに行こうか考えましたが
  545. 御園 かりん: そんなこと考えてたの!?
  546. 井ノ上 たきな: でも… 結果的に、続けてよかったです
  547. 井ノ上 たきな: みなさんのおかげで私 うまくできるかもしれません
  548. 井ノ上 たきな: かりん先生 ありがとうございました
  549. 御園 かりん: えへへ…
  550. 井ノ上 たきな: それから、みなさんにも よろしくお伝えください
  551. 井ノ上 たきな: では、さっそく帰って 絵の制作にとりかかるので
  552. 御園 かりん: うん!帰り道には気をつけるの!
  553. 御園 かりん: ふふん、わたしの指導のおかげで ひとりの絵描きが生まれたの
  554. かえで: …………
  555. かえで: たきなさん、自信満々に 帰っていったけど
  556. かえで: 本当に大丈夫なのかな…?
  557. かえで: 私たち、結局…一度も たきなさんの絵は見てないし…
  558. かえで: 特に、絵の技術は ついてないよね…?
  559. かえで: …でも
  560. かえで: かりんちゃんも、たきなさんも 満足してるみたいだし…
  561. かえで: まぁ、いっか
  562. 井ノ上 たきな: かなり 成長したんじゃないでしょうか
  563.  
  564. FILENAME: text_340623-1.txt
  565. 井ノ上 たきな: 最後に紹介されたのは 映画のプロフェッショナル
  566. みたま: 映画についてなら ぴったりの子がいるわぁ
  567. みたま: 歴史研究部の子たちの中に 映画が好きな子がいたはずだから
  568. みたま: きっと、何か学べるはずよぉ
  569. 井ノ上 たきな: 歴史研究部なのに映画…ですか?
  570. 三穂野 せいら: それで…映画について 学びたいとのことですが
  571. 三穂野 せいら: なぜ、井ノ上さんは 映画を?
  572. 古町 みくら: 相棒の錦木さんを ギャフンと言わせたいとか…
  573. 井ノ上 たきな: ギャフン…は、フェリシアさんが 言っていただけなんですけど
  574. 井ノ上 たきな: 千束に振り回されることが 続いたので
  575. 井ノ上 たきな: 驚かせたい…というか 千束を見返したいんです!
  576. 古町 みくら: …それで、今までやってきたのが まかないの修行と似顔絵特訓…ね
  577. 井ノ上 たきな: はい
  578. 三穂野 せいら: 錦木さんは映画が好き …ってことですか?
  579. 井ノ上 たきな: ええ、今まで何度も 映画鑑賞に付き合わされて…
  580. 井ノ上 たきな: なので、映画について彼女を 出し抜けたら驚くだろうなと
  581. 三穂野 せいら: なるほど… ううん…難しいですね
  582. 三穂野 せいら: 料理や絵は“上達する”という わかりやすいゴールがありますが
  583. 三穂野 せいら: 映画と言いますと…
  584. 井ノ上 たきな: …映画について 勉強する…とかでしょうか
  585. 三穂野 せいら: 基礎的なことなら不可能では ないかもしれませんが
  586. 三穂野 せいら: ただ、それで学べるのは 構成の話とかそういうので
  587. 三穂野 せいら: 映画知識、というのは
  588. 三穂野 せいら: 映画を観るという行為が 含まれてしまいますから
  589. 三穂野 せいら: 一朝一夕で 学べるものでもないんです…
  590. 井ノ上 たきな: そうなんですね…
  591. 古町 みくら: それなら、映画を 作っちゃうのはどうかな?
  592. 井ノ上 たきな: 映画を…!? それこそ大変なんじゃ
  593. 三穂野 せいら: いえ、ものによります 特に、私がついてるので
  594. 吉良 てまり: ちなみに、お相手の方が 好きな映画のジャンルは?
  595. 井ノ上 たきな: 千束は、いろいろ見ますけど…
  596. 井ノ上 たきな: 家にはアクション系の 映画がたくさんあった気が…
  597. 三穂野 せいら: アクション…かぁ… さすがに即興じゃ難しいな…
  598. 古町 みくら: 短時間で初心者が作れる映画ね…
  599. 吉良 てまり: 映画を作るのが 難しいのであれば…
  600. 吉良 てまり: 映画の中にある要素を抽出して 動画制作を学ぶのはどうでしょう
  601. 吉良 てまり: 映画が好きな方にとって 映像作品を作れる能力というのは
  602. 吉良 てまり: 魅力的に映るかもしれません
  603. 古町 みくら: それはいい案ね どんな動画がいいかな
  604. 吉良 てまり: 井ノ上さんは、錦木さんに 今までの成果を発表しますよね
  605. 吉良 てまり: もう、方法とかは 決まってるんでしょうか
  606. 井ノ上 たきな: いえ、それはまだ…
  607. 吉良 てまり: でしたら、お披露目会を 開くことにして…
  608. 吉良 てまり: そのオープニングムービーは どうでしょうか
  609. 三穂野 せいら: 確かに、そのあとの お披露目を盛り上げられます!
  610. 古町 みくら: ええ、いいかもしれない どう?井ノ上さん
  611. 三穂野 せいら: 技術的なところでしたら 全面サポートするので
  612. 井ノ上 たきな: ありがとうございます!
  613. 三穂野 せいら: じゃあ、さっそくですけど どんなのにしたいですか?
  614. 井ノ上 たきな: …そう、ですね
  615. 井ノ上 たきな: ひとつ やってみたいことがあって
  616.  
  617. FILENAME: text_340623-2.txt
  618. 三穂野 せいら: ほう…錦木さんを 泣かせてみたい…と
  619. 井ノ上 たきな: 別に、全く泣かない人 …というわけでもないんですけど
  620. 井ノ上 たきな: 興味があって
  621. 三穂野 せいら: いいですね!やりましょう! そういうの大好きです!
  622. 吉良 てまり: 泣かせる オープニングムービー…
  623. 古町 みくら: ふたりの出会いと これまで…とか?
  624. 三穂野 せいら: 結婚式じゃ ないんですから…
  625. 井ノ上 たきな: あと、色々な事情で 映像にしづらいですね
  626. 三穂野 せいら: あぁ、異世界から 来たんでしたっけ
  627. 三穂野 せいら: いや、冷静に言うような 内容じゃないんですけどね
  628. 古町 みくら: それなら、神浜市に来てからの 思い出…とか、ベタかな?
  629. 井ノ上 たきな: いえ、少しベタなくらいの方が 千束は泣くかもしれません
  630. 井ノ上 たきな: …なら、ここで出会った方の ビデオレター…とか
  631. 三穂野 せいら: いいじゃないですか! やりましょう!それ!
  632. 古町 みくら: 決まったなら即行動ね
  633. 十七夜: ふむ…ビデオレターか
  634. みたま: え~何から 話そうかしらぁ
  635. かえで: わぁ、ビデオレターも作るんだ!
  636. うい: いざ、何か話すって言うと 思いつかないね
  637. 鶴乃: 初めて会った日の話とか?
  638. 井ノ上 たきな: …と、こんな感じで撮れましたが どうでしょうか?
  639. 古町 みくら: うん、やっぱり井ノ上さんに 撮ってきてもらって正解ね
  640. 吉良 てまり: ええ、慣れていない感じが 逆に味になっています
  641. 三穂野 せいら: 動画の取れ高は上出来ですし 残りは編集作業ですね!
  642. 三穂野 せいら: …で、この映像を ここに差し込んで
  643. 井ノ上 たきな: はい、こう…ですか?
  644. 古町 みくら: うんうん、初めてにしては 良い感じなんじゃない?
  645. 井ノ上 たきな: ありがとうございます…
  646. 吉良 てまり: …井ノ上さん どうかしました?
  647. 井ノ上 たきな: え…
  648. 吉良 てまり: なんだか、表情が 曇っている気がしたので
  649. 吉良 てまり: お疲れでしょうか?
  650. 井ノ上 たきな: …いえ、そうではなくて
  651. 井ノ上 たきな: その…冷静になってみたら 千束に通用しないかもと
  652. 井ノ上 たきな: 手伝ってもらっているのに こんなことを言うのも…ですが
  653. 井ノ上 たきな: 動画を作る技術をつけて 驚かすことはできたとしても
  654. 井ノ上 たきな: 泣かせる…という部分については 結局、私は素人なので
  655. 井ノ上 たきな: ちょっと手の込んだことを したところで響かない気がして…
  656. 三穂野 せいら: そうでしょうか
  657. 三穂野 せいら: 確かに技術は足りなくても こういうのは気持ちと思いますが
  658. 三穂野 せいら: でも、そうですね
  659. 三穂野 せいら: もうひとつ武器を持っても いいかもしれません
  660. 井ノ上 たきな: 武器、ですか?
  661. 三穂野 せいら: …とはいえ、うーん 何があるでしょう
  662. 古町 みくら: 技術か、知識か…
  663. 井ノ上 たきな: …あの、少し気になっていた ことがあるんです
  664. 三穂野 せいら: なんでしょう?
  665. 井ノ上 たきな: その、異世界の映画なら 千束も知らないんじゃ…って
  666. 吉良 てまり: なるほど…異世界の映画知識で 千束さんを驚かすと
  667. 古町 みくら: それは盲点だったね
  668. 古町 みくら: いくら映画好きでも別世界の 映画までは網羅できないし
  669. 井ノ上 たきな: はい、どうでしょうか?
  670. 吉良 てまり: ええ、いい考えだと思います
  671. 三穂野 せいら: それなら私、この世界の 傑作を知ってますよ
  672. 井ノ上 たきな: 傑作…?
  673. 三穂野 せいら: 怪獣映画なんですが ヤマダジョーイ監督…
  674. 三穂野 せいら: 私が宇宙一尊敬する 監督の映画です
  675. 三穂野 せいら: ちょっとマイナーですけど 知ってますか?
  676. 三穂野 せいら: 映画マニアなら、名前くらいは 聞いたことありそうですが
  677. 井ノ上 たきな: ヤマダジョーイ監督…
  678. 井ノ上 たきな: 私も、千束から結構 教え込まれているはずですが
  679. 井ノ上 たきな: ………… すみません、知らないですね…
  680. 三穂野 せいら: なら!
  681. 古町 みくら: ええ、それを見せるのがいいね
  682. 吉良 てまり: 異世界の映画知識を得ていいのか なんてのは野暮ですよね
  683. 井ノ上 たきな: まぁ…今さらですね
  684. 井ノ上 たきな: ありがとうございます これなら、千束も驚くでしょう
  685. 古町 みくら: 驚きのあまり泣いちゃうかもね
  686. 三穂野 せいら: じゃあ、当日はさっきの ムービーを流しつつ涙を誘い
  687. 三穂野 せいら: 異世界映画でドカン! あわよくば涙!ですね!
  688. 井ノ上 たきな: ええ
  689.  
  690. FILENAME: text_340623-3.txt
  691. 井ノ上 たきな: あらゆる方々の支えの中 ついに迎えたお披露目当日
  692. カランカラン
  693. 錦木 千束: たっだいまー!
  694. 錦木 千束: …って、あれ? 誰もいないじゃん
  695. 錦木 千束: たきなに呼ばれてきたのに
  696. カサッ
  697. 錦木 千束: んお? なんだこれ…置手紙?
  698. 千束へ そのままテレビの前で待っていてください
  699. 錦木 千束: この字…たきなだよね …果たし状かぁ?
  700. 錦木 千束: もしかして、あれ?
  701. 錦木 千束: たきなが残しておいた お菓子食べちゃったの怒って…
  702. ガタッ
  703. 錦木 千束: おわぁ、びっくりした!
  704. ~♪
  705. 錦木 千束: …なんだなんだ?
  706. 錦木 千束: あ、テレビついてる
  707. 衣美里の声: 「千束っち~!」
  708. 錦木 千束: エミリーだ! え、なんで!?
  709. 志伸 あきら: 「これ、ビデオメッセージなんだよね え、もう始まってる!?」
  710. 木崎 衣美里: 「千束っち!また一緒に遊ぼうねーっ! そのうち、元の世界に戻っちゃうかもだけど そん時はあーしがそっち行くから! みゃーこ先輩になんとかしてもらってさ!」
  711. 十七夜: 「初めて会ったときは色々とすまなかったな しかし、君の明るさは 是非うちのメイド喫茶に欲しいところだ」
  712. みたま: 「あんまりおすすめはしないけど~ もし魔法少女になったら調整屋をごひいきに♪」
  713. かえで: 「実はね、レナちゃんが千束さんと 初対面の時、当たりが強かったかもって ずっと気にしてたんだよ~」
  714. レナ: 「ハァ!?なんでそんなこと言っちゃうわけ!? かえでのバカ!ていうか、気にしてないし!」
  715. ももこ: 「ちょっとふたりとも! ビデオレターでまでケンカするなって!」
  716. やちよ: 「そうね…元の世界に戻るまで… 少しの間だろうけど、あなたも井ノ上さんも みかづき荘の一員だと思っているわ」
  717. 鶴乃: 「でも、あれだねここで言うと なんか、私たちがリコリコにお邪魔してる って感じだよね…」
  718. いろは: 「できるかわからないけど いつか千束さんとたきなさんと一緒に 本物のみかづき荘で過ごしてみたいね」
  719. うい: 「それから、今度はわたしたちが 千束さんたちの世界に行ってみたい! クルミさんたちにも会ってみたいし」
  720. フェリシア: 「そーそー! うまいもんがいっぱいあるって言ってたしな!」
  721. 錦木 千束: え~! 何これ何これ~!
  722. 錦木 千束: 危うく 泣いちゃうとこだったわ!
  723. 井ノ上 たきな: 泣いてほしかったんですけどね
  724. 錦木 千束: あ、やっぱりたきなの仕業か!
  725. 井ノ上 たきな: 続いてはこちらです
  726. 錦木 千束: お、おう…まだあるのか
  727. 井ノ上 たきな: たきな特製 まかないパンケーキです
  728. 井ノ上 たきな: 調理時間は短く 材料もあるもので作りました
  729. 錦木 千束: マジか! 美味しそう!
  730. 錦木 千束: たきながこんなに 腕をあげたなんて…!
  731. 井ノ上 たきな: …………
  732. 井ノ上 たきな: そして 最後の仕上げはこれです
  733. 錦木 千束: ケチャップ?
  734. 井ノ上 たきな: はい、それで絵でも…
  735. 錦木 千束: 描いてくれるのぉ!?
  736. 井ノ上 たきな: え、あ、ま、まぁ いいですよ
  737. 井ノ上 たきな: 絵は…ちょっと 今じゃないので…字なら
  738. にゅっ、にゅ~っ
  739. 錦木 千束: ち、さ、と、へ はーとっ♪
  740. 錦木 千束: 可愛い! 食べらんない!
  741. 井ノ上 たきな: ハートは描いてませんよね いいから、食べてください
  742. 錦木 千束: はーい!
  743. ぱーくっ
  744. 錦木 千束: おお!んっま! え、マジ、たきなすご!
  745. 井ノ上 たきな: 続けて、こちら
  746. 井ノ上 たきな: ―たきな― 千束の似顔絵です
  747. 井ノ上 たきな: ―たきな― 場所が余ったので 他の方も描きました
  748. 錦木 千束: ―千束― マジか!?
  749. 井ノ上 たきな: ―たきな― そして…
  750. 錦木 千束: まだあんの!?
  751. 井ノ上 たきな: こちらの映画 知ってますか?
  752. 錦木 千束: んん? ヤマダジョーイ監督の怪獣映画…
  753. 錦木 千束: え、知らない…! 知らない…けど…
  754. 錦木 千束: こんなん、こんなのさ もう絶対名作じゃん!
  755. 井ノ上 たきな: 観てないのに わかるんですか?
  756. 錦木 千束: わかるよ! もうパッケージから滲み出てる!
  757. 錦木 千束: それに、これ 誰かの大事な作品でしょ
  758. 井ノ上 たきな: はい、借りてきました
  759. 錦木 千束: すっごく大事に大事に 何度も観られてるって感じ…
  760. 錦木 千束: これが名作じゃないわけないよ!
  761. 錦木 千束: こんなのどこで見つけたの!? たきな、すごいじゃん!
  762. 井ノ上 たきな: ふふ
  763. 井ノ上 たきな: (ミッションコンプリート…)
  764. 井ノ上 たきな: (千束はきっと 驚きのあまり…)
  765. 錦木 千束: ギャフン!
  766. 井ノ上 たきな: (と、なるに違いありません)
  767. 錦木 千束: たきな!
  768. 井ノ上 たきな: はい
  769. 錦木 千束: これ、ぜんぶ私のために してくれたの!?
  770. 錦木 千束: ありがとね!
  771. 井ノ上 たきな: へっ?
  772.  
  773. FILENAME: text_340623-4.txt
  774. 錦木 千束: これ、ぜんぶ私のために してくれたの!?
  775. 錦木 千束: ありがとね!
  776. 井ノ上 たきな: へっ?
  777. 井ノ上 たきな: え、あ、あれ…
  778. クルミ: 「いやぁ、内容を見てて思ったけど ほんと父の日か母の日か もしくは誕生日並みのもてなしだったな」
  779. 井ノ上 たきな: え、は、そんなつもりは!
  780. 錦木 千束: あれ、違ったの?
  781. クルミ: 「はぁ…たきな、思い返してもみろよ」
  782. クルミ: 「千束の好物を特訓して」
  783. クルミ: 「絵の特訓にと千束の似顔絵を描き」
  784. クルミ: 「挙句、ビデオメッセージの用意と 好きそうな名作映画の発掘」
  785. クルミ: 「これを至れり尽くせり…と言わずに なんと言うつもりだ?」
  786. 井ノ上 たきな: いや、それは、その… というかなぜ知ってるんですか!
  787. クルミ: 「いやいや、ボクに隠し事を しようと思う方が間違いだろ ま、みたまが全部話してたしな」
  788. 井ノ上 たきな: え、そんな 作戦が筒抜けなんて…
  789. フェリシア: あーあ、千束の ギャフン待ちだったのになー
  790. 錦木 千束: あ、そうだったの? ごめん、喜んじゃって
  791. 井ノ上 たきな: ちょ、フェリシアさん! というかいつの間に!
  792. フェリシア: ん?2階で見てたぞ いろはたちと一緒にな
  793. やちよ: まぁ、いいじゃない 結果オーライでしょ?ふふ
  794. 井ノ上 たきな: 笑ってるじゃないですか!
  795. いろは: でも、まさかあの話から こんなことになるなんて…
  796. 鶴乃: ビデオレターを撮りにきたとき あれ?とは思ったけどね
  797. うい: でも、本当にふたりは 仲良しなんだね、ふふ
  798. 井ノ上 たきな: ただの同僚です…!
  799. 錦木 千束: ほらほらムキにならないの
  800. 錦木 千束: たきなも、一緒に パンケーキ食べよ?
  801. 錦木 千束: あと、映画も観なきゃ! ね?
  802. 井ノ上 たきな: …………はい
  803. 井ノ上 たきな: 千束
  804. 錦木 千束: ん?
  805. 井ノ上 たきな: 次は、もっとうまくやりますから
  806. 錦木 千束: またもてなしてくれるってこと?
  807. 井ノ上 たきな: 違います!
  808. 井ノ上 たきな: …それより! 私が残していたお菓子…
  809. 錦木 千束: やっべ、聞かれてた!
  810. 井ノ上 たきな: あ、こら待ちなさい!
  811. 井ノ上 たきな: …次は、絶対に負けません
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