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- FILENAME: text_340621-1.txt
- 井ノ上 たきな: これは、喫茶リコリコとみかづき荘の 中身が入れ替わって 私たちが神浜市へ来てる間に起きた なんでもないお話
- 井ノ上 たきな: その日も、千束に散々振り回された私は 中身が喫茶リコリコになったみかづき荘へ 疲れ果てて帰ってきました
- 井ノ上 たきな: はぁ…
- いろは: あ、たきなさん おかえりなさい
- やちよ: 今日も疲れてるようね
- 井ノ上 たきな: まぁ…今までずっと 千束と外にいたので
- うい: あ、ちょうどね、たきなさんと 千束さんの話をしてたんだよ
- 井ノ上 たきな: 私たちの…ですか?
- 鶴乃: うん、ふたりって制服の色が 違うでしょ?
- 鶴乃: それって、学年カラー的な やつなのかなぁ…って
- 井ノ上 たきな: あぁ…これは学年…というより ランクの違いのようなものです
- 井ノ上 たきな: 「リコリスにはランクのようなものがありまして 赤の千束はファースト、青の私はセカンドと 制服の色で分かれています」
- 井ノ上 たきな: なので、ランクで言いますと
- 井ノ上 たきな: 千束の方が上 …ということになりますね
- 井ノ上 たきな: 千束は、あれでいて過去に 大事件を解決へ導いた経歴を持ち
- 井ノ上 たきな: 優秀なリコリスとして 本部でも有名なんです
- やちよ: 彼女、そんなに すごい子だったのね…
- フェリシア: じゃあ、たきなが千束といて 疲れてんのは実力の問題か?
- 井ノ上 たきな: …いえ、というよりも ちゃらんぽらんなので
- 錦木 千束: たきな! 次はあっち行こ!
- 錦木 千束: ほら、早く早くー! 置いてっちゃうよ!
- いろは: あはは…千束さん いつも元気ですもんね
- フェリシア: 疲れるのに付き合うとか すげーな…
- フェリシア: オレだったらムカついて やり返したいと思うけどな
- 井ノ上 たきな: やり返す…ですか
- 井ノ上 たきな: …確かに、常に振り回されるのは 私としても面白くありません
- 井ノ上 たきな: ですが、やり返すとしても 私が千束を振り回せるとは…
- フェリシア: ならさ、オマエが千束のやつに 勝てることってねーのか?
- フェリシア: いっそ、千束を見返して ギャフンと言わせてやれよ!
- 井ノ上 たきな: ギャフン…
- 錦木 千束: ギャフン!
- 井ノ上 たきな: …いいですね、それ
- 井ノ上 たきな: 分野が違えば可能性はあります ですが、どうすれば…
- 井ノ上 たきな: 普通に戦うのは いろいろと避けたいですし…
- 鶴乃: 勝負って言っても、何も 武力だけが戦いじゃないよ!
- 鶴乃: たとえば、勉強! たきな勉強とか得意そうだし!
- 井ノ上 たきな: 同じDAで教育を受けているので 大きな違いはないかと…
- フェリシア: はぁ!?アイツ頭いいのかよ… そうは見えねーぞ…
- 鶴乃: じゃあ、相手を追い抜いて ビックリさせられるものはどう?
- 鶴乃: それって、ギャフン!に 繋がりそうだと思わない?
- 井ノ上 たきな: つまり、千束から私への印象が 一気に変わるようなものですね…
- 井ノ上 たきな: …例えば、料理なら
- 井ノ上 たきな: 完璧なまかないを サプライズで出せば
- 井ノ上 たきな: 驚かせることが できるかもしれません
- 鶴乃: いいねいいね! それもアリだと思う!
- 井ノ上 たきな: あ、それから…映画について 詳しくなったりしたら
- 井ノ上 たきな: 多分、千束はびっくりします
- 井ノ上 たきな: …それと、絵なら いえ、最初から勝ってますね
- 鶴乃: たきな、絵うまいの? 見たい見たーい!
- 井ノ上 たきな: 上手いというほどではないですが 千束よりは、描けるはずです
- 井ノ上 たきな: 確かカウンターの方に…
- ゴソゴソ…
- 井ノ上 たきな: …これです
- 井ノ上 たきな: 右が千束の絵で 左が私の描いたものです
- 鶴乃: おあー…なるほどぉ… 味がある絵だね?
- フェリシア: オマエ、これどっちも下手だろ 松ぼっくりの背比べだぞ
- やちよ: どんぐりの背比べ、ね
- 井ノ上 たきな: そんな…っ
- フェリシア: よし、絵も 特訓内容に加えよーぜ!
- 井ノ上 たきな: え、必要ありますか?
- フェリシア: パッと見て差が分かる方がさ 千束もビックリするだろ?
- 井ノ上 たきな: なるほど、それは一理ありますね イメージが湧いてきました!
- いろは: 意外と乗り気に…
- 井ノ上 たきな: 訓練し、自己の能力を 高めるのは嫌いじゃないので
- 井ノ上 たきな: ただ、特訓と言っても 教わるべき人が…
- うい: あ、それなら みたまさんに聞いてみるとか?
- やちよ: そうね、あの子なら
- やちよ: 神浜市の各プロフェッショナルを 知っているかもしれないわ
- 鶴乃: あ、フェリシアとわたしは これから万々歳の店番だから…
- いろは: じゃあ、私たちとやちよさんで 案内しますね!
- 井ノ上 たきな: はい、お願いします
- みたま: 料理と、絵と、映画の プロフェッショナル…
- みたま: それなら…
- FILENAME: text_340621-2.txt
- みたま: 料理のプロフェッショナルなら 間違いなく、この子ね~
- みたま: 「老舗洋食店ウォールナッツの 胡桃まなかちゃん」
- 井ノ上 たきな: ウォール、ナッツ…
- 井ノ上 たきな: …と、紹介されて来たので リスの着ぐるみでも出てきたら どうしようかと思っていましたが
- 井ノ上 たきな: 案内をしてくれたいろはさんたちと別れて ウォールナッツを訪れた私を出迎えてくれたのは
- 井ノ上 たきな: お店の娘さんである 胡桃まなかさん…普通の少女でした
- 胡桃 まなか: 料理について学びたい…と いったい、何に悩んでるんです?
- 井ノ上 たきな: 働いている喫茶店で振舞う まかないについてです
- 胡桃 まなか: ほう…まかない、ですか
- 井ノ上 たきな: 手をかけず、時間をかけず おいしく、楽しい…
- 井ノ上 たきな: これを満たしたものを 上手く作れなくて
- 胡桃 まなか: なるほど… “楽しい”はあまり聞きませんが
- 胡桃 まなか: あなたの言う通り、まかないとは 手早く・ある材料で・おいしく
- 胡桃 まなか: これが基本で…
- ガヤガヤ…
- 胡桃 まなか: すみません、ちょっと本日 お店が大盛況でして…
- 井ノ上 たきな: なら、手伝います そのあとで、教えてください
- 胡桃 まなか: 本当ですか!助かります! あ、配膳のやり方とか…
- 井ノ上 たきな: カフェで働いているので ある程度はできるかと
- 井ノ上 たきな: お待たせいたしました
- 井ノ上 たきな: ウォールナッツ特製 ふわふわオムライスです
- わぁ…おいしそう!
- すみませーん
- 井ノ上 たきな: はい、ただいま
- 胡桃 まなか: (料理スキルが壊滅的な みたまさんの紹介と聞き…)
- 胡桃 まなか: (どんな人かと身構えましたが)
- 胡桃 まなか: (手際もいいし、不器用そうにも 見えませんね…)
- 胡桃 まなか: (これは、平和な料理教室に なりそうです)
- 胡桃 まなか: ふぅ、お疲れ様です あなたのおかげで助かりました
- 井ノ上 たきな: いえ、でも本当に 人気なお店なんですね
- 胡桃 まなか: ふふん、まぁうちの料理は 美味しいので当たり前です
- 胡桃 まなか: では、ランチタイムも 終わりましたし
- 胡桃 まなか: まかない特訓としましょうか
- 胡桃 まなか: カフェで出せそうなまかないの 定番と言えばチキンライスですが
- 胡桃 まなか: 普段、お店にあるもので 作れそうですか?
- 井ノ上 たきな: ええ、恐らくは
- 胡桃 まなか: では、作ってみましょう
- 井ノ上 たきな: 野菜を1センチほどに 切って…
- トントントン…トン
- 胡桃 まなか: いい感じです、火の通りに ムラが出ないよう均等にですよ
- 井ノ上 たきな: はい、まなか先生 次の手順は…調味料を少々…
- 井ノ上 たきな: 先生、少々とは いったい何グラムでしょうか
- 胡桃 まなか: 0.2グラム程度 …とよく言われますが
- 胡桃 まなか: 少しずつ入れて 味をととのえていきましょう
- 井ノ上 たきな: …なんとかできました どうでしょう…?
- 胡桃 まなか: ふむふむ…ところどころに 多少の焦げはありますが
- 胡桃 まなか: 肝心なのは見た目ではなく 味ですからね
- ぱくっ
- 胡桃 まなか: ん…!
- 胡桃 まなか: いいですね
- 井ノ上 たきな: ほっ…
- 胡桃 まなか: 若干べちゃっとはしてますし 味のムラはあるので
- 胡桃 まなか: お店に出すものとしては 改善の余地あり…ですが
- 胡桃 まなか: 身内に出すまかないとしては 全然OK!むしろ美味しいです!
- 井ノ上 たきな: よかったです
- 胡桃 まなか: うん、これで いいんじゃないでしょうか
- 井ノ上 たきな: …………
- 井ノ上 たきな: …確かに、短時間かつ 少ない材料で作れますが
- 井ノ上 たきな: この料理では 「楽しい」がありません
- 井ノ上 たきな: チキンライスもまかないの 一品としてはいただきつつ
- 井ノ上 たきな: 楽しいもう一品を覚えて レパートリーも増やしておきたく
- 井ノ上 たきな: 手をかけず、時間をかけず おいしく、楽しい…
- 井ノ上 たきな: これを満たしたものを 上手く作れなくて
- 胡桃 まなか: そういえば、言ってましたね 楽しい…ですか
- 胡桃 まなか: まぁ、料理スキルが 低いわけでもなさそうですし
- 胡桃 まなか: 楽しさも加えたメニューを 考えてみることにしましょう!
- 井ノ上 たきな: ありがとうございます!
- 胡桃 まなか: ふむ…どうせなら 好物を使いたいですよね…
- 胡桃 まなか: たきなさん、千束さんの 好物ってなんですか?
- 井ノ上 たきな: 千束の好物…
- FILENAME: text_340621-3.txt
- 井ノ上 たきな: 千束の好物…
- 井ノ上 たきな: 無駄なものを 好むイメージですが…
- 井ノ上 たきな: 特に印象的だったのは…
- 錦木 千束: 「フランボワーズアンドギリシャヨーグレット リコッタダッチベイビーケークと ホールグレインハニーコームバター ウィズジンジャーチップスで」
- 井ノ上 たきな: パンケーキ…は好きですね
- 井ノ上 たきな: カロリーが高くて甘いので まかないには向かなそうですが…
- 胡桃 まなか: …いえ、パンケーキと言っても 食事系の…えっと
- 胡桃 まなか: スマホで画像を見せますね
- 胡桃 まなか: …こう、ソーセージを添えたり 甘くないのもあるんですよ
- 井ノ上 たきな: これなら まかない料理にもあってますね
- 胡桃 まなか: ええ、それに手早く作れますし その日ある食材によって
- 胡桃 まなか: レパートリーも増やせるので あなたの要望にぴったりかと
- 井ノ上 たきな: ただ…「楽しい」は どうしましょう?
- 胡桃 まなか: ふふ、それは こちらを使いましょう!
- 井ノ上 たきな: それは…
- 胡桃 まなか: ケチャップです!
- 胡桃 まなか: これでお絵描きなんかしたら 楽しいんじゃないですか?
- 井ノ上 たきな: 千束は喜びそうですけど… え、ケチャップ合うんですか…?
- 胡桃 まなか: 百聞は一見に如かず! 実際に作ってみましょうか
- 井ノ上 たきな: 粉と…材料を入れて… えっと…同時にソーセージを…
- ピロンッ♪
- 胡桃 まなか: ん…先輩?
- 今からお店に行くわ ランチタイムは過ぎたわよね
- 胡桃 まなか: え…!?今から!?
- 井ノ上 たきな: 誰か来るんですか?
- ???の声: 胡桃さーん? いないのかしら?
- 胡桃 まなか: はぁ…メッセージ送った時点で もう外にいたんですね…
- 阿見 莉愛: あら、厨房にいたの …って、見ない顔?
- 胡桃 まなか: 井ノ上たきなさんです いろはさんから連絡のあった…
- 阿見 莉愛: ああ、話題になっている方ね
- 胡桃 まなか: すみません、たきなさん こちらは阿見先輩です
- 阿見 莉愛: 井ノ上さん?聞きたいのだけど 異世界に、私はいるのかしら?
- 阿見 莉愛: スーパーモデルなのだから 存在すれば知っているでしょう?
- 井ノ上 たきな: …どう、でしょう…?
- 胡桃 まなか: 勝手に異世界の自分を 持ち上げないでください
- 胡桃 まなか: というか、お料理教室中なので 静かに…
- 胡桃 まなか: あぁ、いや…たきなさん ここは試食していただきます?
- 井ノ上 たきな: …そうですね、できるだけ 多くの方の意見を聞きたいですし
- 阿見 莉愛: 何を作ってるのかしら?
- 井ノ上 たきな: まかないで出す パンケーキです
- 阿見 莉愛: あらぁ、それなら私が 試食して差し上げるわ!
- ぐるるるる…
- 胡桃 まなか: 先輩…お腹空いてたんですね かわいそうに…
- 阿見 莉愛: お、おだまりっ!
- 井ノ上 たきな: できました
- 阿見 莉愛: あら、美味しそうじゃない
- 阿見 莉愛: だけど思っていた パンケーキとは少し違うのね
- 阿見 莉愛: ソーセージが添えられて お食事という雰囲気のような
- 井ノ上 たきな: はい、まかないにする予定なので スイーツではなく食事です
- 井ノ上 たきな: そして、最後にこれを
- 阿見 莉愛: ケチャップ?
- 井ノ上 たきな: はい、絵でも描いてください
- 阿見 莉愛: パンケーキにケチャップなんて 本当に合うのかしら…?
- 井ノ上 たきな: 私も今から試すところです
- 胡桃 まなか: じゃあ、ケチャップをつけたら 食べてみましょうか!
- みんな: 「いただきます!」
- 井ノ上 たきな: んん…これは…!
- 阿見 莉愛: 甘さ控えめのパンケーキと ケチャップの酸味が…合うわね
- 阿見 莉愛: お店で出てきても おかしくない味でなくって?
- 胡桃 まなか: はい、よくできてます!
- 井ノ上 たきな: この勢いで喫茶リコリコの 新メニューも作れば…
- 井ノ上 たきな: もっと千束を 驚かせられるかもしれません
- 井ノ上 たきな: 売り上げにも 貢献できますし
- 井ノ上 たきな: しかし、それには 少し派手さが必要でしょうか?
- 胡桃 まなか: では、店の独自性みたいなのを 出してみたらどうでしょう?
- 阿見 莉愛: トッピングとかで 割と変わるものよね
- 井ノ上 たきな: いい考えですね 作ってみます!
- 井ノ上 たきな: 少し、材料を 頂いてもいいでしょうか
- 胡桃 まなか: ええ、そこにあるものでしたら
- 井ノ上 たきな: ありがとうございます!
- FILENAME: text_340621-4.txt
- 井ノ上 たきな: できました!
- 井ノ上 たきな: こちら、喫茶リコリコの 新メニュー候補…その名も
- 井ノ上 たきな: リコリコへようこそ パンケーキ!です!
- 井ノ上 たきな: うちは基本的に創作スイーツと コーヒーを出す店なのですが
- 井ノ上 たきな: お客さんから、たまには がっつりしたものを…
- 井ノ上 たきな: と、何度かリクエストを 頂いていたので
- 井ノ上 たきな: 添え物を少しだけ増やして 見た目にもこだわりました
- 胡桃 まなか: これは…えーと…
- 阿見 莉愛: …反応に困るわね
- 井ノ上 たきな: あ、何か 変でしたか?
- 阿見 莉愛: …いえ、文句を言うなら 食べてからが道理というもの…
- ぱく
- 阿見 莉愛: く…味は 普通においしいですわね…
- 井ノ上 たきな: 味は…?
- 阿見 莉愛: …一応、先に コンセプトを聞いていいかしら
- 井ノ上 たきな: はい 喫茶リコリコへようこそ!と
- 井ノ上 たきな: お客さんを迎えるイメージです
- 阿見 莉愛: じゃあ、このソーセージたちで 作られた手は…
- 井ノ上 たきな: お出迎えの手です 5本使えたのでせっかくならと
- 胡桃 まなか: では、この目は…
- 井ノ上 たきな: あった方が可愛いかなと
- 阿見 莉愛: この、血みどろなケチャップは…
- 井ノ上 たきな: 楽しげな雰囲気を作るために 差し色を
- 阿見 莉愛: …コンセプトがホラーか ハロウィンあたりであれば
- 阿見 莉愛: 大正解…と思ったけれど これは、ないですわね
- 井ノ上 たきな: な…ない…ですか?
- 阿見 莉愛: だけど、そう 落ち込むことはなくってよ!
- 阿見 莉愛: なぜなら、あなたには 美的センス抜群…
- 阿見 莉愛: そして、スーパー美少女の 阿見莉愛がついてるのだから!
- 井ノ上 たきな: 手伝ってくれるんですか?
- 阿見 莉愛: ええ、私が デコレーションを改善するわ
- 井ノ上 たきな: ありがとうございます! あみみあさん!
- 阿見 莉愛: うーん惜しい! じゃなくて、阿見莉愛よッ!
- 胡桃 まなか: …大丈夫なんでしょうか?
- 井ノ上 たきな: で、できました!
- 阿見 莉愛: これぞ、会心の出来ね! 料理もできるなんてさすがは私!
- 胡桃 まなか: なんだかやり切った顔を してらっしゃいますけど…
- 胡桃 まなか: えー…この絢爛豪華な パンケーキ?は…?
- 井ノ上 たきな: 名づけて…
- 井ノ上 たきな: 「エレガンスアンドキューティー ジャパニーズオカシウィズコーヒー デリシャスビューティーパワフルパンケーキ」
- 井ノ上 たきな: です
- 胡桃 まなか: …なんというか 塔のようなパンケーキですね
- 胡桃 まなか: …一応聞きますが、なんですか ジャパニーズオカシって
- 井ノ上 たきな: 和菓子です
- 井ノ上 たきな: 今回は、とりあえずコンビニで 買ってきたものですが
- 井ノ上 たきな: 和菓子は既に喫茶リコリコでも 提供しているので
- 井ノ上 たきな: まかないとして やりやすいのではと思い
- 阿見 莉愛: いいから、四の五の言わずに 食べてみることね
- 胡桃 まなか: えー…このタワーの… いったいどこから…?
- 井ノ上 たきな: 上の方から食べるのが タワーを崩さないコツです
- 胡桃 まなか: …タワーって自分で言いましたね
- 胡桃 まなか: では… い、いただきます…
- ぱく
- 胡桃 まなか: …味は、いいんですよね
- 井ノ上 たきな: じゃあ、これを 喫茶リコリコの新メニューに…!
- 胡桃 まなか: あの、盛り上がってるところ 悪いんですけど…
- 胡桃 まなか: これ、いくらで出すんです? かなりの値段にしないと採算が…
- 井ノ上 たきな: 私としたことが…
- 阿見 莉愛: 商品にできないのなら まかないにすればいいじゃない
- 胡桃 まなか: どっかの王妃みたいなこと 言わないでください
- 胡桃 まなか: 商品にできないのなら まかないになんて到底できません
- 阿見 莉愛: でも、おいしかったのだし いいじゃない!
- 胡桃 まなか: 自分が食べたかった だけじゃないですか…
- 胡桃 まなか: まぁ、商品化云々については そちらで検討いただくとして
- 胡桃 まなか: とにかく、まかない自体は 作れるようになったんです
- 胡桃 まなか: たきなさん、胸を張ってください
- 井ノ上 たきな: …そうですよね これもひとつの成長…ですよね
- 井ノ上 たきな: ありがとうございます まなかさん
- 井ノ上 たきな: ありみあさんも
- 阿見 莉愛: どうしてそう惜しいのかしら!? 阿見莉愛よッ!
- 阿見 莉愛: まぁ、私たちの手にかかれば こんなの朝飯前ですのよ!
- 井ノ上 たきな: それでは 私は次へ行きます
- 胡桃 まなか: 次…?
- 井ノ上 たきな: はい、次の先生の元へ 新たな特訓をしに
- 井ノ上 たきな: あ、そのパンケーキは お礼なので、食べてください
- 胡桃 まなか: あ、はい…!
- 阿見 莉愛: クールに見えて、嵐のような子ね
- 胡桃 まなか: 先輩に言われたくは ないと思いますよ…
- 井ノ上 たきな: 負けっぱなしではいられないので
- FILENAME: text_340622-1.txt
- 井ノ上 たきな: 千束を驚かせるため 私は特定の分野に精通した魔法少女を訪れて 自身の能力を伸ばしていました
- 井ノ上 たきな: まかない料理を極めた私が次に紹介されたのは 絵のプロフェッショナル
- みたま: 神浜市にいる 絵のプロフェッショナルねぇ
- みたま: アリナ…は、消息不明だから そんな場合じゃないし…
- やちよ: …なら、彼女かしら
- みたま: まぁ…そうなるわねぇ
- 井ノ上 たきな: なんだか、不安になる 間ですが…
- いろは: 確か、美術部に入ってて 少女漫画が好きなんだよね
- うい: 絵が上手だって わたし、聞いたことがあるよ
- やちよ: 魔法少女としては 色々と難のある子だったけど
- やちよ: まぁ…根は親切で 素直な子ではあるわ
- 井ノ上 たきな: どうしてそう言い方に含みが…?
- 井ノ上 たきな: …と、不安になる紹介を受けて 約束の場所へ足を運ぶと そこに現れたのは、私より幼い女の子でした
- ???: あ!もしかして あなたがたきな先輩なの!?
- 井ノ上 たきな: はい、ということは あなたが…?
- ???: そう、わたしが 絵のプロフェッショナル
- ???: …なんて言ったら 先輩に殺されそうだけど
- 御園 かりん: 御園かりんなの! よろしくなの!
- 井ノ上 たきな: 井ノ上たきなです 今日はよろしくお願いします
- 御園 かりん: …さっそくだけどたきな先輩は 絵が上手になりたいの?
- 井ノ上 たきな: はい、実は… 似顔絵を笑われまして…
- 井ノ上 たきな: そんなに下手ではないと 思うんですけど…
- 御園 かりん: それはヒドいの!
- 御園 かりん: わたしも、アリナ先輩に 絵をゴミって言われると悲しいの
- 井ノ上 たきな: …それは 下手ということですか?
- 御園 かりん: 天才アーティストの意見は そうだけど…
- 御園 かりん: 普通の人が見れば上手なの!
- 御園 かりん: そもそも紹介されている時点で 上手だと認められてるの!
- 井ノ上 たきな: 確かに
- 御園 かりん: だから、似顔絵の極意は かりん先生にお任せなの!
- 井ノ上 たきな: …ありがとうございます えっと…かりん先生!
- 御園 かりん: あ、うそ、冗談なの! かりんでいいの!
- 御園 かりん: でも…先生…ふひ… うへへへ…えへ…
- 御園 かりん: わたしにも弟子ができたの ふふ…
- 井ノ上 たきな: …………
- 御園 かりん: スケッチブックを持ったら さっそく、特訓開始なの!
- 井ノ上 たきな: はい、かりん先生
- 御園 かりん: 似顔絵に必要なのはまず 顔をじっくり見ることなの!
- 井ノ上 たきな: 顔をじっくり…
- 井ノ上 たきな: …………
- 御園 かりん: そ、そんなに見つめられたら 照れちゃうの!
- 井ノ上 たきな: でも、かりん先生が じっと見ろと
- 御園 かりん: 今じゃないの! 素直すぎる生徒なの!
- 御園 かりん: えっと…そう!それから 相手の特徴をつかむことなの!
- 御園 かりん: たとえば!
- 御園 かりん: わたしのバイブルって言える マンガがあって!
- 御園 かりん: 怪盗少女マジカルきりん って、言うんだけど
- 井ノ上 たきな: 怪盗少女…
- 御園 かりん: 気になるの!?
- 井ノ上 たきな: え、あ… 教材になるのであれば
- FILENAME: text_340622-2.txt
- 御園 かりん: まず、怪盗少女マジカルきりんの あらすじ説明なの!
- 井ノ上 たきな: あの、ストーリーよりも 特徴をつかむ件についてを…
- 御園 かりん: たきな先輩…
- 御園 かりん: マジきりはバイブルって言っても 知るための順序があるの
- 御園 かりん: 似顔絵を上達させるために 特徴をつかむのも必要だけど
- 御園 かりん: まずは、バイブルの 内容を知るところからなの!
- 井ノ上 たきな: 入門書であったとしても 順番を誤ってはならないと
- 御園 かりん: そういうことなの!
- 井ノ上 たきな: なら…わかりました お願いします
- 御園 かりん: 怪盗少女マジカルきりんはね 弱きを救う怪盗少女
- 御園 かりん: きりんちゃんの物語なの!
- 井ノ上 たきな: …なるほど おおむね理解できました
- 御園 かりん: じゃあ、次はマジきりの中で それぞれどんな立ち位置か
- 御園 かりん: それを考えて当てはめてみるの!
- 御園 かりん: あ、わたしは もちろんきりんちゃんなの
- 御園 かりん: ちなみに、わたしの魔法少女姿は きりんちゃんに
- 御園 かりん: インスピレーションを 受けてるの!見るの!
- 井ノ上 たきな: こんなところで変身して 大丈夫なんですか?
- 御園 かりん: んー…
- 御園 かりん: 誰もいないから大丈夫なの!
- 御園 かりん: バレたときもコスプレって 言い訳したら大丈夫だったの
- 井ノ上 たきな: あ、見つかったこと あるんですね…
- 御園 かりん: この衣装なの!
- 井ノ上 たきな: なんというか… ハロウィンっぽいですね
- 御園 かりん: そうなの! さすがわたしの弟子なの!
- 御園 かりん: じゃあじゃあ イメージを膨らますの!
- 御園 かりん: たきな先輩の描きたい 千束先輩が
- 御園 かりん: マジきりの中だったら どんなキャラか考えるの!
- 御園 かりん: そしたらきっと、キャッチ―で わかりやすい似顔絵になるし
- 御園 かりん: どんな千束先輩を表現したいか 明確になると思うの!
- 井ノ上 たきな: …じゃあ、千束は中盤に 出てきたボス、ですかね
- 御園 かりん: ふんふん、なるほどなの
- 井ノ上 たきな: 私は…なんでしょう
- 御園 かりん: んん~… たきな先輩は…
- 御園 かりん: クールなお姉さんだから ガンマン役が似合うと思うの!
- 井ノ上 たきな: …あれ、私 言いましたっけ?
- 御園 かりん: ん…?何がなの?
- 井ノ上 たきな: (なんとなくで、私の 正体を言い当てた…?)
- 井ノ上 たきな: (さっきからマンガの話 ばかりで心配でしたが)
- 井ノ上 たきな: (もしかすると、とんでもない 巨匠なのかもしれません)
- 井ノ上 たきな: (これも絵の上達のため… 全力で取り組まないと)
- 御園 かりん: じゃあ、それぞれの役で 演じてみるの!
- 井ノ上 たきな: えっ
- 御園 かりん: なーはっはっは!
- 御園 かりん: 我こそは怪盗少女 マジカルきりんなのだ!
- 御園 かりん: 弱き者のために その宝を渡すのだ!
- 御園 かりん: 攻撃なのだ!
- 井ノ上 たきな: ば…ばきゅん
- 御園 かりん: たきな先輩、声が小さいの!
- 井ノ上 たきな: ばきゅんばきゅん!
- 井ノ上 たきな: な…ダメです、マジカルきりん! 宝はすでに、敵のボスが…!
- 御園 かりん: なんだと!ボスの名は!
- 井ノ上 たきな: ラスボスの名は千束 相当、強いようです
- 御園 かりん: ならば、力を合わせて!
- 御園 かりん: すっごい 似顔絵を描けるようになって
- 御園 かりん: ラスボス千束を ギャフンと言わせるのだ!
- 井ノ上 たきな: おー!
- 御園 かりん: …って、目的を 完全に見失ってたの!
- 御園 かりん: わたしたちが、するべきは 劇じゃなくて絵を描くことなの!
- 井ノ上 たきな: えっ!? 演じることに意味があるのでは…
- 御園 かりん: うう…イメージさえできれば 別に演じる必要までは…
- 御園 かりん: 違うの!演じることによって 深くイメージできたはずなの!
- 御園 かりん: だから、ここで一度 似顔絵を描いてみて欲しいの!
- 井ノ上 たきな: そう言われても困りました… 私がイメージできているのは
- 井ノ上 たきな: マジきりのラスボスでしかなくて いつもの千束ではありません…
- 御園 かりん: 演じたことでバイブルの影響を 受けすぎてしまったの…
- 御園 かりん: それなら、わたしも千束先輩の 姿をちゃんと知らないから
- 御園 かりん: たきな先輩から特徴を聞いて お手本を描いてみるの
- 御園 かりん: それで、たきな先輩が描きたい 千束先輩が見えるはずなの!
- 井ノ上 たきな: わかりました
- 井ノ上 たきな: 千束は、まず…変な人で
- 井ノ上 たきな: それから、賑やかで あと…まぁ、強いですね
- 井ノ上 たきな: 合理的じゃなくて よく笑って、よく喋る…
- 井ノ上 たきな: それから…
- 御園 かりん: できたの!
- 井ノ上 たきな: えっと…これは… さっきの劇の悪役…ですか?
- 井ノ上 たきな: なぜか邪悪そうでムキムキですが
- 御園 かりん: わ、わたしまで バイブルに引っ張られたの…
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- 御園 かりん: わ、わたしまで バイブルに引っ張られたの…
- 井ノ上 たきな: 確かに、筋肉はありますけど こんなにムキムキでは…
- 御園 かりん: あうぅ…そんなに冷たい 目で見ないでほしいの
- 井ノ上 たきな: …そもそも、似顔絵にしては 少々マンガ的すぎますね
- 御園 かりん: たきな先輩は どんな絵柄にしたいの?
- 井ノ上 たきな: 絵柄…はよくわからないですが 私は、もう少し写実的な方が…
- 御園 かりん: そう言われると、わたしの絵柄は マジきりの影響が大きいの…
- 井ノ上 たきな: 良いマンガ作品だと思いますが 目指す方向性が違う以上
- 井ノ上 たきな: これ以上学んで演じたとしても 似顔絵の上達は見込めません
- 井ノ上 たきな: 申し訳ありませんが かりん先生以外の方を紹介して…
- 御園 かりん: ちょ、ちょっと待ってほしいの! え、えーっと…
- 御園 かりん: あ!
- 御園 かりん: かえでちゃんなの! ちょっと捕まえてくるの!
- 井ノ上 たきな: えぇ…
- 御園 かりん: 絵柄が定まってないなら! いろんな人の絵を見るの!
- 御園 かりん: それでそれで… せめて方向性を定めるべきなの!
- 井ノ上 たきな: それも構いませんが、私としては 単純に画力を上げたいんですが…
- 御園 かりん: いろんな人の絵を見て インスピレーションを受ければ
- 御園 かりん: 絵柄も決まって画力も上がる… 一石二鳥で合理的なの!
- 井ノ上 たきな: …………
- 井ノ上 たきな: (…こうも必死になられると 断りづらいですね…)
- 井ノ上 たきな: (なんだか、ずっと 振り回されてる気もしますが)
- 井ノ上 たきな: (今から新しい先生を探すのも 時間がかかるでしょうし…)
- 井ノ上 たきな: …わかりました
- 御園 かりん: 大丈夫なの! かりん先生にお任せなの!
- かえで: 千束さんの似顔絵?
- 御園 かりん: そうなの! というか知り合いなの?
- 井ノ上 たきな: 私と千束は、期間限定ですが
- 井ノ上 たきな: かえでさんたちと 同じ学校に転入したので
- 御園 かりん: 性格とかも知ってるなら 似顔絵も描きやすいはずなの!
- かえで: でも、私あんまり 絵は上手じゃないよ…?
- 御園 かりん: わたし調べ、ふわふわ系女子は 絵が上手いはずだから心配ないの
- かえで: ん~…偏見だと思うけどなぁ…
- 井ノ上 たきな: 私からも、お願いします 成長のためなんです
- かえで: 成長…んーわかった! でも、期待はしないでね…?
- かえで: はい、できたよ
- 井ノ上 たきな: …確かに、かりん先生とは 異なる画風ですね
- 井ノ上 たきな: 写実的ではありませんが シンプルに特徴を捉えていて
- 井ノ上 たきな: こういう感じなら、私も マネできるかもしれません
- 御園 かりん: うぅ~ん…
- 井ノ上 たきな: かりん先生…?
- 御園 かりん: すごく可愛いし とっても良いんだけど…
- 御園 かりん: パンチがないの!
- かえで: ふゆぅ…
- 井ノ上 たきな: いえ、あの… パンチはいらないのですが…
- ももこの声: かえで~
- かえで: あ、ちょうどいいところに!
- かえで: ねぇ、ふたりにも似顔絵を 描いてもらわない?
- かえで: いろんな人に描いてもらったら パンチのある絵柄も見つかるよ!
- 御園 かりん: いい案なの!
- 井ノ上 たきな: だから、パンチはいらないと…
- 御園 かりん: なら、神浜市の人たちに たくさん描いてもらうの!
- 御園 かりん: みんなでひとりの絵を描いたら きっと超大作になるの!
- 井ノ上 たきな: いやあの…そんなつもりじゃ… 私は画力を上げられれば…
- かえで: じゃあ、みんなのところに 行ってみようか!
- 井ノ上 たきな: あのだから…
- 御園 かりん: たきな先輩! これも画力のためなの!
- 御園 かりん: 画家というものは時に 足を運ぶことも大事なの!
- 御園 かりん: 得た感覚のすべてが絵に繋がる… それが芸術というものなの!
- 井ノ上 たきな: な、なるほど…?
- 井ノ上 たきな: (やっぱり私、いいように 振り回されてませんか…?)
- 御園 かりん: ふふん、その調子なの!
- かえで: かりんちゃん…
- かえで: 先生って呼ばれて だいぶ浮かれてるなぁ…
- FILENAME: text_340622-4.txt
- 井ノ上 たきな: そして、一枚の画用紙に 様々な方から千束の絵を描いてもらいました
- ももこ: いやー、いっぱい 描いてもらっちゃったね
- 井ノ上 たきな: ももこさんたちも ありがとうございます
- ももこ: いいっていいって アタシたちも楽しかったし!
- 御園 かりん: それにしても、いろんな人に 描いてもらうと
- 御園 かりん: 絵柄もイメージも いろいろなの!
- かえで: 可愛い感じ、元気な感じ いろんな千束さんだね
- レナ: ていうか、あの人 神浜市に知り合い多くない?
- レナ: ここに来て数日とかよね?
- 井ノ上 たきな: まぁ…千束は、そういう人なので
- かえで: 千束さん、レナちゃんより 友だち多そうだよね
- レナ: うるさいわね!
- レナ: それで、描けそうなの?似顔絵は
- 井ノ上 たきな: どう…でしょう
- 井ノ上 たきな: ただ、いろんな方が描く 千束の絵を見ていると
- 井ノ上 たきな: 絵の上手い下手ではなく なんというか
- 井ノ上 たきな: この人の絵は 千束っぽいなとか
- 井ノ上 たきな: 逆にこれは、私の思う 千束じゃないかも…とか
- ももこ: 解釈違いみたいな?
- 井ノ上 たきな: そうなんでしょうか?
- 井ノ上 たきな: 人によって、当たり前ですけど 見えるものは違うんですね
- レナ: 確かに、仲良くなると 違う一面が見えたりとかね
- ももこ: たきなちゃんは、千束ちゃんと 仲良しだもんな
- 井ノ上 たきな: え…そう見えますか
- かえで: うん!
- 井ノ上 たきな: 千束は…ただの同僚ですよ
- 御園 かりん: そうなの!? 仲良しふたり組だと思ってたの
- 井ノ上 たきな: まぁ、でも…
- 井ノ上 たきな: 出会ったときから比べれば 印象は変わりました
- 井ノ上 たきな: (最初は、何をしているか よくわからない非常識な人で)
- 井ノ上 たきな: (リコリスらしくない彼女に いらだちを覚えたり)
- 井ノ上 たきな: (でも…)
- 井ノ上 たきな: …………
- 御園 かりん: たきな先輩?
- 井ノ上 たきな: いえ、今も昔も私の中で 千束は非常識な人です
- 御園 かりん: そうなの?
- 御園 かりん: あ、それで絵はどうなの?
- 井ノ上 たきな: はい、この期間でかりん先生の 絵もたくさん見れましたし
- 井ノ上 たきな: いろんな種類の絵柄を見ることで 自分の絵に合ったものも
- 井ノ上 たきな: なんとなくですけど 方向性は見つけられました
- 井ノ上 たきな: 何より みなさんの絵を見てみて
- 井ノ上 たきな: 私が描きたい千束を 見つけることができた気がします
- 井ノ上 たきな: かりん先生の言う通り 画力だけにこだわっていたら
- 井ノ上 たきな: 学べないことが学べました
- 井ノ上 たきな: 途中、何度も他の方へ教えを 乞いに行こうか考えましたが
- 御園 かりん: そんなこと考えてたの!?
- 井ノ上 たきな: でも… 結果的に、続けてよかったです
- 井ノ上 たきな: みなさんのおかげで私 うまくできるかもしれません
- 井ノ上 たきな: かりん先生 ありがとうございました
- 御園 かりん: えへへ…
- 井ノ上 たきな: それから、みなさんにも よろしくお伝えください
- 井ノ上 たきな: では、さっそく帰って 絵の制作にとりかかるので
- 御園 かりん: うん!帰り道には気をつけるの!
- 御園 かりん: ふふん、わたしの指導のおかげで ひとりの絵描きが生まれたの
- かえで: …………
- かえで: たきなさん、自信満々に 帰っていったけど
- かえで: 本当に大丈夫なのかな…?
- かえで: 私たち、結局…一度も たきなさんの絵は見てないし…
- かえで: 特に、絵の技術は ついてないよね…?
- かえで: …でも
- かえで: かりんちゃんも、たきなさんも 満足してるみたいだし…
- かえで: まぁ、いっか
- 井ノ上 たきな: かなり 成長したんじゃないでしょうか
- FILENAME: text_340623-1.txt
- 井ノ上 たきな: 最後に紹介されたのは 映画のプロフェッショナル
- みたま: 映画についてなら ぴったりの子がいるわぁ
- みたま: 歴史研究部の子たちの中に 映画が好きな子がいたはずだから
- みたま: きっと、何か学べるはずよぉ
- 井ノ上 たきな: 歴史研究部なのに映画…ですか?
- 三穂野 せいら: それで…映画について 学びたいとのことですが
- 三穂野 せいら: なぜ、井ノ上さんは 映画を?
- 古町 みくら: 相棒の錦木さんを ギャフンと言わせたいとか…
- 井ノ上 たきな: ギャフン…は、フェリシアさんが 言っていただけなんですけど
- 井ノ上 たきな: 千束に振り回されることが 続いたので
- 井ノ上 たきな: 驚かせたい…というか 千束を見返したいんです!
- 古町 みくら: …それで、今までやってきたのが まかないの修行と似顔絵特訓…ね
- 井ノ上 たきな: はい
- 三穂野 せいら: 錦木さんは映画が好き …ってことですか?
- 井ノ上 たきな: ええ、今まで何度も 映画鑑賞に付き合わされて…
- 井ノ上 たきな: なので、映画について彼女を 出し抜けたら驚くだろうなと
- 三穂野 せいら: なるほど… ううん…難しいですね
- 三穂野 せいら: 料理や絵は“上達する”という わかりやすいゴールがありますが
- 三穂野 せいら: 映画と言いますと…
- 井ノ上 たきな: …映画について 勉強する…とかでしょうか
- 三穂野 せいら: 基礎的なことなら不可能では ないかもしれませんが
- 三穂野 せいら: ただ、それで学べるのは 構成の話とかそういうので
- 三穂野 せいら: 映画知識、というのは
- 三穂野 せいら: 映画を観るという行為が 含まれてしまいますから
- 三穂野 せいら: 一朝一夕で 学べるものでもないんです…
- 井ノ上 たきな: そうなんですね…
- 古町 みくら: それなら、映画を 作っちゃうのはどうかな?
- 井ノ上 たきな: 映画を…!? それこそ大変なんじゃ
- 三穂野 せいら: いえ、ものによります 特に、私がついてるので
- 吉良 てまり: ちなみに、お相手の方が 好きな映画のジャンルは?
- 井ノ上 たきな: 千束は、いろいろ見ますけど…
- 井ノ上 たきな: 家にはアクション系の 映画がたくさんあった気が…
- 三穂野 せいら: アクション…かぁ… さすがに即興じゃ難しいな…
- 古町 みくら: 短時間で初心者が作れる映画ね…
- 吉良 てまり: 映画を作るのが 難しいのであれば…
- 吉良 てまり: 映画の中にある要素を抽出して 動画制作を学ぶのはどうでしょう
- 吉良 てまり: 映画が好きな方にとって 映像作品を作れる能力というのは
- 吉良 てまり: 魅力的に映るかもしれません
- 古町 みくら: それはいい案ね どんな動画がいいかな
- 吉良 てまり: 井ノ上さんは、錦木さんに 今までの成果を発表しますよね
- 吉良 てまり: もう、方法とかは 決まってるんでしょうか
- 井ノ上 たきな: いえ、それはまだ…
- 吉良 てまり: でしたら、お披露目会を 開くことにして…
- 吉良 てまり: そのオープニングムービーは どうでしょうか
- 三穂野 せいら: 確かに、そのあとの お披露目を盛り上げられます!
- 古町 みくら: ええ、いいかもしれない どう?井ノ上さん
- 三穂野 せいら: 技術的なところでしたら 全面サポートするので
- 井ノ上 たきな: ありがとうございます!
- 三穂野 せいら: じゃあ、さっそくですけど どんなのにしたいですか?
- 井ノ上 たきな: …そう、ですね
- 井ノ上 たきな: ひとつ やってみたいことがあって
- FILENAME: text_340623-2.txt
- 三穂野 せいら: ほう…錦木さんを 泣かせてみたい…と
- 井ノ上 たきな: 別に、全く泣かない人 …というわけでもないんですけど
- 井ノ上 たきな: 興味があって
- 三穂野 せいら: いいですね!やりましょう! そういうの大好きです!
- 吉良 てまり: 泣かせる オープニングムービー…
- 古町 みくら: ふたりの出会いと これまで…とか?
- 三穂野 せいら: 結婚式じゃ ないんですから…
- 井ノ上 たきな: あと、色々な事情で 映像にしづらいですね
- 三穂野 せいら: あぁ、異世界から 来たんでしたっけ
- 三穂野 せいら: いや、冷静に言うような 内容じゃないんですけどね
- 古町 みくら: それなら、神浜市に来てからの 思い出…とか、ベタかな?
- 井ノ上 たきな: いえ、少しベタなくらいの方が 千束は泣くかもしれません
- 井ノ上 たきな: …なら、ここで出会った方の ビデオレター…とか
- 三穂野 せいら: いいじゃないですか! やりましょう!それ!
- 古町 みくら: 決まったなら即行動ね
- 十七夜: ふむ…ビデオレターか
- みたま: え~何から 話そうかしらぁ
- かえで: わぁ、ビデオレターも作るんだ!
- うい: いざ、何か話すって言うと 思いつかないね
- 鶴乃: 初めて会った日の話とか?
- 井ノ上 たきな: …と、こんな感じで撮れましたが どうでしょうか?
- 古町 みくら: うん、やっぱり井ノ上さんに 撮ってきてもらって正解ね
- 吉良 てまり: ええ、慣れていない感じが 逆に味になっています
- 三穂野 せいら: 動画の取れ高は上出来ですし 残りは編集作業ですね!
- 三穂野 せいら: …で、この映像を ここに差し込んで
- 井ノ上 たきな: はい、こう…ですか?
- 古町 みくら: うんうん、初めてにしては 良い感じなんじゃない?
- 井ノ上 たきな: ありがとうございます…
- 吉良 てまり: …井ノ上さん どうかしました?
- 井ノ上 たきな: え…
- 吉良 てまり: なんだか、表情が 曇っている気がしたので
- 吉良 てまり: お疲れでしょうか?
- 井ノ上 たきな: …いえ、そうではなくて
- 井ノ上 たきな: その…冷静になってみたら 千束に通用しないかもと
- 井ノ上 たきな: 手伝ってもらっているのに こんなことを言うのも…ですが
- 井ノ上 たきな: 動画を作る技術をつけて 驚かすことはできたとしても
- 井ノ上 たきな: 泣かせる…という部分については 結局、私は素人なので
- 井ノ上 たきな: ちょっと手の込んだことを したところで響かない気がして…
- 三穂野 せいら: そうでしょうか
- 三穂野 せいら: 確かに技術は足りなくても こういうのは気持ちと思いますが
- 三穂野 せいら: でも、そうですね
- 三穂野 せいら: もうひとつ武器を持っても いいかもしれません
- 井ノ上 たきな: 武器、ですか?
- 三穂野 せいら: …とはいえ、うーん 何があるでしょう
- 古町 みくら: 技術か、知識か…
- 井ノ上 たきな: …あの、少し気になっていた ことがあるんです
- 三穂野 せいら: なんでしょう?
- 井ノ上 たきな: その、異世界の映画なら 千束も知らないんじゃ…って
- 吉良 てまり: なるほど…異世界の映画知識で 千束さんを驚かすと
- 古町 みくら: それは盲点だったね
- 古町 みくら: いくら映画好きでも別世界の 映画までは網羅できないし
- 井ノ上 たきな: はい、どうでしょうか?
- 吉良 てまり: ええ、いい考えだと思います
- 三穂野 せいら: それなら私、この世界の 傑作を知ってますよ
- 井ノ上 たきな: 傑作…?
- 三穂野 せいら: 怪獣映画なんですが ヤマダジョーイ監督…
- 三穂野 せいら: 私が宇宙一尊敬する 監督の映画です
- 三穂野 せいら: ちょっとマイナーですけど 知ってますか?
- 三穂野 せいら: 映画マニアなら、名前くらいは 聞いたことありそうですが
- 井ノ上 たきな: ヤマダジョーイ監督…
- 井ノ上 たきな: 私も、千束から結構 教え込まれているはずですが
- 井ノ上 たきな: ………… すみません、知らないですね…
- 三穂野 せいら: なら!
- 古町 みくら: ええ、それを見せるのがいいね
- 吉良 てまり: 異世界の映画知識を得ていいのか なんてのは野暮ですよね
- 井ノ上 たきな: まぁ…今さらですね
- 井ノ上 たきな: ありがとうございます これなら、千束も驚くでしょう
- 古町 みくら: 驚きのあまり泣いちゃうかもね
- 三穂野 せいら: じゃあ、当日はさっきの ムービーを流しつつ涙を誘い
- 三穂野 せいら: 異世界映画でドカン! あわよくば涙!ですね!
- 井ノ上 たきな: ええ
- FILENAME: text_340623-3.txt
- 井ノ上 たきな: あらゆる方々の支えの中 ついに迎えたお披露目当日
- カランカラン
- 錦木 千束: たっだいまー!
- 錦木 千束: …って、あれ? 誰もいないじゃん
- 錦木 千束: たきなに呼ばれてきたのに
- カサッ
- 錦木 千束: んお? なんだこれ…置手紙?
- 千束へ そのままテレビの前で待っていてください
- 錦木 千束: この字…たきなだよね …果たし状かぁ?
- 錦木 千束: もしかして、あれ?
- 錦木 千束: たきなが残しておいた お菓子食べちゃったの怒って…
- ガタッ
- 錦木 千束: おわぁ、びっくりした!
- ~♪
- 錦木 千束: …なんだなんだ?
- 錦木 千束: あ、テレビついてる
- 衣美里の声: 「千束っち~!」
- 錦木 千束: エミリーだ! え、なんで!?
- 志伸 あきら: 「これ、ビデオメッセージなんだよね え、もう始まってる!?」
- 木崎 衣美里: 「千束っち!また一緒に遊ぼうねーっ! そのうち、元の世界に戻っちゃうかもだけど そん時はあーしがそっち行くから! みゃーこ先輩になんとかしてもらってさ!」
- 十七夜: 「初めて会ったときは色々とすまなかったな しかし、君の明るさは 是非うちのメイド喫茶に欲しいところだ」
- みたま: 「あんまりおすすめはしないけど~ もし魔法少女になったら調整屋をごひいきに♪」
- かえで: 「実はね、レナちゃんが千束さんと 初対面の時、当たりが強かったかもって ずっと気にしてたんだよ~」
- レナ: 「ハァ!?なんでそんなこと言っちゃうわけ!? かえでのバカ!ていうか、気にしてないし!」
- ももこ: 「ちょっとふたりとも! ビデオレターでまでケンカするなって!」
- やちよ: 「そうね…元の世界に戻るまで… 少しの間だろうけど、あなたも井ノ上さんも みかづき荘の一員だと思っているわ」
- 鶴乃: 「でも、あれだねここで言うと なんか、私たちがリコリコにお邪魔してる って感じだよね…」
- いろは: 「できるかわからないけど いつか千束さんとたきなさんと一緒に 本物のみかづき荘で過ごしてみたいね」
- うい: 「それから、今度はわたしたちが 千束さんたちの世界に行ってみたい! クルミさんたちにも会ってみたいし」
- フェリシア: 「そーそー! うまいもんがいっぱいあるって言ってたしな!」
- 錦木 千束: え~! 何これ何これ~!
- 錦木 千束: 危うく 泣いちゃうとこだったわ!
- 井ノ上 たきな: 泣いてほしかったんですけどね
- 錦木 千束: あ、やっぱりたきなの仕業か!
- 井ノ上 たきな: 続いてはこちらです
- 錦木 千束: お、おう…まだあるのか
- 井ノ上 たきな: たきな特製 まかないパンケーキです
- 井ノ上 たきな: 調理時間は短く 材料もあるもので作りました
- 錦木 千束: マジか! 美味しそう!
- 錦木 千束: たきながこんなに 腕をあげたなんて…!
- 井ノ上 たきな: …………
- 井ノ上 たきな: そして 最後の仕上げはこれです
- 錦木 千束: ケチャップ?
- 井ノ上 たきな: はい、それで絵でも…
- 錦木 千束: 描いてくれるのぉ!?
- 井ノ上 たきな: え、あ、ま、まぁ いいですよ
- 井ノ上 たきな: 絵は…ちょっと 今じゃないので…字なら
- にゅっ、にゅ~っ
- 錦木 千束: ち、さ、と、へ はーとっ♪
- 錦木 千束: 可愛い! 食べらんない!
- 井ノ上 たきな: ハートは描いてませんよね いいから、食べてください
- 錦木 千束: はーい!
- ぱーくっ
- 錦木 千束: おお!んっま! え、マジ、たきなすご!
- 井ノ上 たきな: 続けて、こちら
- 井ノ上 たきな: ―たきな― 千束の似顔絵です
- 井ノ上 たきな: ―たきな― 場所が余ったので 他の方も描きました
- 錦木 千束: ―千束― マジか!?
- 井ノ上 たきな: ―たきな― そして…
- 錦木 千束: まだあんの!?
- 井ノ上 たきな: こちらの映画 知ってますか?
- 錦木 千束: んん? ヤマダジョーイ監督の怪獣映画…
- 錦木 千束: え、知らない…! 知らない…けど…
- 錦木 千束: こんなん、こんなのさ もう絶対名作じゃん!
- 井ノ上 たきな: 観てないのに わかるんですか?
- 錦木 千束: わかるよ! もうパッケージから滲み出てる!
- 錦木 千束: それに、これ 誰かの大事な作品でしょ
- 井ノ上 たきな: はい、借りてきました
- 錦木 千束: すっごく大事に大事に 何度も観られてるって感じ…
- 錦木 千束: これが名作じゃないわけないよ!
- 錦木 千束: こんなのどこで見つけたの!? たきな、すごいじゃん!
- 井ノ上 たきな: ふふ
- 井ノ上 たきな: (ミッションコンプリート…)
- 井ノ上 たきな: (千束はきっと 驚きのあまり…)
- 錦木 千束: ギャフン!
- 井ノ上 たきな: (と、なるに違いありません)
- 錦木 千束: たきな!
- 井ノ上 たきな: はい
- 錦木 千束: これ、ぜんぶ私のために してくれたの!?
- 錦木 千束: ありがとね!
- 井ノ上 たきな: へっ?
- FILENAME: text_340623-4.txt
- 錦木 千束: これ、ぜんぶ私のために してくれたの!?
- 錦木 千束: ありがとね!
- 井ノ上 たきな: へっ?
- 井ノ上 たきな: え、あ、あれ…
- クルミ: 「いやぁ、内容を見てて思ったけど ほんと父の日か母の日か もしくは誕生日並みのもてなしだったな」
- 井ノ上 たきな: え、は、そんなつもりは!
- 錦木 千束: あれ、違ったの?
- クルミ: 「はぁ…たきな、思い返してもみろよ」
- クルミ: 「千束の好物を特訓して」
- クルミ: 「絵の特訓にと千束の似顔絵を描き」
- クルミ: 「挙句、ビデオメッセージの用意と 好きそうな名作映画の発掘」
- クルミ: 「これを至れり尽くせり…と言わずに なんと言うつもりだ?」
- 井ノ上 たきな: いや、それは、その… というかなぜ知ってるんですか!
- クルミ: 「いやいや、ボクに隠し事を しようと思う方が間違いだろ ま、みたまが全部話してたしな」
- 井ノ上 たきな: え、そんな 作戦が筒抜けなんて…
- フェリシア: あーあ、千束の ギャフン待ちだったのになー
- 錦木 千束: あ、そうだったの? ごめん、喜んじゃって
- 井ノ上 たきな: ちょ、フェリシアさん! というかいつの間に!
- フェリシア: ん?2階で見てたぞ いろはたちと一緒にな
- やちよ: まぁ、いいじゃない 結果オーライでしょ?ふふ
- 井ノ上 たきな: 笑ってるじゃないですか!
- いろは: でも、まさかあの話から こんなことになるなんて…
- 鶴乃: ビデオレターを撮りにきたとき あれ?とは思ったけどね
- うい: でも、本当にふたりは 仲良しなんだね、ふふ
- 井ノ上 たきな: ただの同僚です…!
- 錦木 千束: ほらほらムキにならないの
- 錦木 千束: たきなも、一緒に パンケーキ食べよ?
- 錦木 千束: あと、映画も観なきゃ! ね?
- 井ノ上 たきな: …………はい
- 井ノ上 たきな: 千束
- 錦木 千束: ん?
- 井ノ上 たきな: 次は、もっとうまくやりますから
- 錦木 千束: またもてなしてくれるってこと?
- 井ノ上 たきな: 違います!
- 井ノ上 たきな: …それより! 私が残していたお菓子…
- 錦木 千束: やっべ、聞かれてた!
- 井ノ上 たきな: あ、こら待ちなさい!
- 井ノ上 たきな: …次は、絶対に負けません
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