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Akari Mai MSS JP Text

Jun 9th, 2022
274
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  1. FILENAME: text_330571-1.txt
  2. 真井 あかり: …………
  3. 由良 蛍: すぅ…すぅ…
  4. 真井 あかり: まったく…
  5. 真井 あかり: 起きなさい!
  6. 由良 蛍: ん~…まだ寝たいよぉ~…
  7. 真井 あかり: もう放課後よ みんな、いないでしょ?
  8. 由良 蛍: …えぇ~…そんな時間なのぉ~…
  9. 真井 あかり: 他の人は 部活や委員会があるもの
  10. 由良 蛍: それもそっかぁ~…
  11. 真井 あかり: さぁ、私たちも帰りましょう
  12. 由良 蛍: …あかりぃ~ “ぷちうさ”落としたよぉ~…
  13. 由良 蛍: ほら、カバンのやつぅ~…
  14. 真井 あかり: あっ! ありがとう…!
  15. 真井 あかり: 失くさなくて、よかった
  16. 由良 蛍: 好きだねぇ~…ぷちうさぁ~…
  17. 真井 あかり: だって、ぷちうさは
  18. 真井 あかり: 陽斗(はると)お兄さんが
  19. 真井 あかり: 私のために 描いてくれたウサギさんだから
  20. 由良 蛍: あ~…そっかぁ…
  21. 由良 蛍: あかりの大好きな 陽斗お兄さんが作ったぁ…
  22. 由良 蛍: キャラだったんだっけぇ~…
  23. 真井 あかり: か、からかわないで…!
  24. 由良 蛍: からかってないよぉ~…
  25. 由良 蛍: あかりが気に入ったからってぇ… 商品展開までしちゃうなんてぇ~
  26. 由良 蛍: さすが二階堂家の跡取りだなぁ~ …ってぇ~…思っただけぇ~…
  27. 真井 あかり: からかってるじゃない!
  28. 真井 あかり: それに、ぷちうさを 描いてくれたのは
  29. 真井 あかり: 私が幼稚園くらいのときだし…
  30. 真井 あかり: 商品化するって決めたのは 二階堂のおじ様だし…
  31. 真井 あかり: ちゃんと人気も出て 売れてるもの!
  32. 由良 蛍: でもぉ~… 嬉しかったんでしょ~…?
  33. 真井 あかり: …まぁね
  34. 真井 あかり: あの頃から、陽斗お兄さんが 好きだったから…
  35. 由良 蛍: そんな前からなんだぁ~…? 知らなかったぁ~…
  36. 真井 あかり: あれ? 話してなかったかしら?
  37. 真井 あかり: じゃあ、魔法少女になった 理由も?
  38. 由良 蛍: 聞いたことないよぉ~…
  39. 真井 あかり: …………
  40. 真井 あかり: じゃあ、話してあげる 蛍の願いも聞いちゃったし
  41. 由良 蛍: あれはぁ~…う~ん… 大したことじゃないけどぉ~…
  42. 由良 蛍: 話してくれるなら聞くぅ~…
  43. 真井 あかり: 寝ないでね?
  44. 由良 蛍: 話を聞いてる間は寝ないよぉ~…
  45.  
  46. FILENAME: text_330571-2.txt
  47. 真井 あかり: 私が生まれたときから 私のことを見てきたせいで
  48. 真井 あかり: 陽斗お兄さんは、私のことを ずっと“妹扱い”してくるの…
  49. 由良 蛍: まぁ~…実際妹だよねぇ~…
  50. 由良 蛍: 遠縁の親戚とはいえ…
  51. 由良 蛍: 家族ぐるみの 付き合いなんでしょ~…?
  52. 真井 あかり: それは、そうだけど…
  53. 真井 あかり: とにかくっ!
  54. 真井 あかり: 私が魔法少女になったのは
  55. 真井 あかり: 陽斗お兄さんが 高校生になったすぐ後だったの
  56. 真井 あかり: おはよう 陽斗お兄さん!
  57. 二階堂 陽斗: おはよう、あかり 今日も早いね
  58. 真井 あかり: ちゃんと自分で起きたのよ
  59. 真井 あかり: それより… はい、これ!
  60. 二階堂 陽斗: クッキー?
  61. 真井 あかり: 昨日、ひとりで焼いたの 陽斗お兄さんにあげる
  62. 二階堂 陽斗: ありがとう
  63. 二階堂 陽斗: なんでも積極的に取り組んで えらいね、あかり
  64. 二階堂 陽斗: クラスでも頼りにされてるって 聞いたよ
  65. 真井 あかり: えへへ~…
  66. 真井 あかり: 自分にできることを しているだけなんだけどねぇ…
  67. 二階堂 陽斗: このままだとあっという間に 大人になっちゃいそうだ
  68. 真井 あかり: (…ということは、いまは 子どもだと思われてるのね)
  69. 真井 あかり: 『陽斗お兄さんは 私のことをたくさん褒めてくれるけど』
  70. 真井 あかり: 『それは結局、陽斗お兄さんにとって 私が妹みたいなものだから』
  71. 真井 あかり: 『“えらいね”も“頑張ったね”も 年の離れた妹の成長を喜んでいるだけ…』
  72. 真井 あかり: 『あの頃は、いまより焦ってた ひとりの女の子として見てほしい、って 気持ちが強かったのよね…』
  73. 真井 あかり: ねぇ、陽斗お兄さん 高校はどう?楽しい?
  74. 二階堂 陽斗: うん、楽しいよ 部活も始めたから…
  75. 二階堂 陽斗: あっ、そうだった
  76. 二階堂 陽斗: 明日から、 部活の朝練が始まるんだ
  77. 二階堂 陽斗: 放課後の活動も本格的に 始まるらしくて
  78. 真井 あかり: …ん?
  79. 二階堂 陽斗: ごめんね、 時間が合わないから
  80. 二階堂 陽斗: 明日からは 送り迎えしてあげられないんだ…
  81. 真井 あかり: えっ…!?
  82. 真井 あかり: (送り迎えって…一緒に 登校してるつもりだったのに!)
  83. 真井 あかり: (…じゃなくて)
  84. 真井 あかり: 私、早く起きられるし 帰りは待ってるから大丈夫よ
  85. 二階堂 陽斗: 無理して、お兄さんに 合わせなくていいんだよ
  86. 真井 あかり: …合わせてるわけじゃないもん
  87. 二階堂 陽斗: ひとりで登下校するのが不安なら 父さんに頼んで送迎の車を…
  88. 真井 あかり: もうっ!大丈夫! 学校くらいひとりで行けるわよ!
  89. 真井 あかり: 『一緒に登下校ができないだけでも 悲しかったのに…』
  90. 真井 あかり: 『少ししたらある噂が 私のところに届いたの』
  91. あかりちゃんのお兄ちゃんって 同じ部活のマネージャーさんと
  92. 付き合ってるの?
  93. 真井 あかり: …………えっ?
  94. いい雰囲気だって 言ってる子がいたから
  95. あかりちゃんなら 知ってるかなぁって
  96. 真井 あかり: (は、陽斗お兄さんに 恋人…!?)
  97. 真井 あかり: …………
  98. 「秘密のヒロイン・ミミカル☆ミミコ! ホントは小学生だけど 変身すると大人のお姉さんになっちゃうの!」
  99. 「でも、このことは 誰にも言えない秘密なんだ!」
  100. 真井 あかり: …………… ……………
  101. あかりの母: あかり? どうしたの?
  102. あかりの母: 大好きなミミコちゃん 終わっちゃったわよ?
  103. 真井 あかり: あ、うん…
  104. 真井 あかり: (私も、 大人になれたらいいのに…)
  105. 真井 あかり: (…今日はウサギさん当番だから ウサギさんに癒してもらおう)
  106. 真井 あかり: ふふっ 今日も可愛いね!
  107. 真井 あかり: モフモフしてて温かくて… 大好き!
  108. 真井 あかり: (いつも寝てばっかりの ネネうさちゃんが)
  109. 真井 あかり: (ちゃんとご飯食べるか見てたら 遅くなっちゃった…)
  110. 真井 あかり: (ウサギさん当番の間は 遅くなるから一緒に帰れるって)
  111. 真井 あかり: (陽斗お兄さんに 言ってみようかな)
  112. 真井 あかり: (噂も気になるし…)
  113. 真井 あかり: は、陽斗お兄さん!?
  114. 真井 あかり: (一緒に誰かいる…! か、隠れないと!)
  115. ごめんね、二階堂くん 送ってもらうことになっちゃって
  116. 二階堂 陽斗: 気にしないで
  117. 二階堂 陽斗: 暗くなってきて危ないし 帰る方向も同じだから
  118. 真井 あかり: …………
  119. 真井 あかり: (仲、良さそうだった…)
  120. 真井 あかり: (やっぱり、お兄さんも 同い年の子がいいんだ…)
  121. キュゥべえ: はじめまして、 真井あかり
  122. 真井 あかり: ――っ!?
  123.  
  124. FILENAME: text_330571-3.txt
  125. キュゥべえ: はじめまして、 真井あかり
  126. 真井 あかり: ――っ!?
  127. 真井 あかり: な、何!? ぬいぐるみが喋ってる…?
  128. キュゥべえ: ボクの名前はキュゥべえ
  129. キュゥべえ: あかり、キミに 魔法少女になってほしいんだ
  130. 真井 あかり: えっ…?
  131. キュゥべえ: 魔法少女になってくれるなら
  132. キュゥべえ: キミの願いごとをなんでもひとつ 叶えてあげるよ
  133. 真井 あかり: 願いを、叶える…?
  134. キュゥべえ: その代わり、魔女と 戦ってもらうことになるけどね
  135. キュゥべえ: 魔法少女になって魔女と戦う 使命を受け入れてくれるなら
  136. キュゥべえ: どんな願いだって 叶えてあげられるよ
  137. 真井 あかり: どんな願いでも…
  138. 真井 あかり: 『このとき… ミミコちゃんのことを思い出したの』
  139. 真井 あかり: 『ミミコちゃんみたいに 大人のお姉さんに… お兄さんと同じ16歳に変身できたらって』
  140. キュゥべえ: キミには 叶えたい願いがあるかい?
  141. 真井 あかり: うん…
  142. 真井 あかり: 『この後、いろいろ質問したけど キュゥべえは真面目に答えてくれたから うそじゃなさそう、って思っちゃって』
  143. 真井 あかり: 『本当はもっと考えてから お願いをすればよかったんだけど』
  144. 真井 あかり: 『このチャンスを逃しちゃいけないって 焦っちゃったのよね…』
  145. 真井 あかり: 私を…ミミコちゃんみたいに 16歳に変身させて!
  146. キュゥべえ: 契約は成立だ
  147. 真井 あかり: …………
  148. 真井 あかり: あっ…!すごい! 本当にお姉さんになった…!
  149. 真井 あかり: (これで、もう陽斗お兄さんに 子ども扱いされない…!)
  150. 真井 あかり: ありがとう、キュゥべえ!
  151. 真井 あかり: さっそくお兄さんのところに 行って来るね!
  152. 真井 あかり: …あっ!でも、この格好のまま お兄さんに会うのはちょっと…
  153. 真井 あかり: とりあえず変身を解いて…!
  154. 真井 あかり: …………えっ?
  155. 真井 あかり: 小学生に戻ってる…? どうして…?
  156. キュゥべえ: それは当然だよ
  157. キュゥべえ: キミの願いはミミコのように
  158. キュゥべえ: 16歳の魔法少女に変身すること だったじゃないか
  159. 真井 あかり: …小学生に戻るところも ミミコちゃんと同じなの!?
  160. キュゥべえ: もちろん同じさ
  161. 真井 あかり: …………
  162. 真井 あかり: キュゥべえ… その、お願いのやり直しは…
  163. キュゥべえ: 悪いけど それはできない
  164. 真井 あかり: 間違えちゃっても…?
  165. キュゥべえ: ひとつだけだって言ったはずだよ
  166. 真井 あかり: そ、そんなぁ…!
  167. 真井 あかり: こういうのを後の祭りって 言うのよね…
  168. 由良 蛍: そうだねぇ~…
  169. 由良 蛍: でもぉ…あかりがいきなりぃ… 16歳になっちゃったらぁ…
  170. 由良 蛍: 大騒ぎにぃ…なっちゃうしぃ~…
  171. 由良 蛍: 周りのぉ…認識も込みでぇ~…
  172. 由良 蛍: 私を最初から 16歳だったことにしてほしい
  173. 由良 蛍: …ってぇ…願うのがぁ… 正解だったかもねぇ~…
  174. 真井 あかり: うん… 私の考えが足りなかったの
  175. 真井 あかり: 私は陽斗お兄さんに
  176. 真井 あかり: 私を…“真井あかり”を 好きになってほしかったのに
  177. 真井 あかり: いきなり16歳になった私の姿で 会ったって
  178. 真井 あかり: お兄さんにとっては 知らない女の子に見えるし
  179. 真井 あかり: 普段は小学生のままだから 結局、妹扱いのままだもの
  180. 由良 蛍: …………
  181. 真井 あかり: それにね
  182. 真井 あかり: 部活のマネージャーさんとの ことも誤解だったの…
  183. 由良 蛍: ん~…だろうねぇ~…
  184. 由良 蛍: 二階堂くん… 誰にでも優しそうだしぃ~…
  185. 真井 あかり: そうなのよね…
  186. 由良 蛍: ん~…それも良し悪しだねぇ~…
  187. 真井 あかり: でもね、願いを間違えたからって
  188. 真井 あかり: 魔法少女の使命から 逃げられないことは
  189. 真井 あかり: 蛍も知っているわよね?
  190. 由良 蛍: ん~…骨身にしみてるぅ~…
  191. 真井 あかり: 当然、魔女退治が ついて回るわけだけど…
  192. 真井 あかり: …………
  193. キュゥべえ: ただ見回しても 魔女の痕跡は見つからないよ
  194. キュゥべえ: 魔力を探らないとね
  195. 真井 あかり: いまは、魔女じゃなくて 人を警戒してるの…!
  196. 真井 あかり: 夜、小学生がひとりで歩いてると 補導されちゃうんだから
  197. キュゥべえ: それなら 変身すればいいじゃないか
  198. 真井 あかり: ミミコちゃんのコスプレみたいで 逆に目立っちゃうでしょ!
  199. 真井 あかり: えっと…周囲に人影は…えっ?
  200. 真井 あかり: 陽斗お兄さん…? なんだか様子が変…?
  201. キュゥべえ: 大変だ!魔女の口づけを 受けているみたいだ
  202. キュゥべえ: このままだと彼の命は 危険にさらされることになる
  203. 真井 あかり: 大変…! 助けないと…!
  204. 真井 あかり: (さっと行って、保護して… 路地裏に戻れば…!)
  205. キュゥべえ: 誰にも見られず、 連れてくることができたね
  206. 真井 あかり: 倒れたはずみに 気を失っちゃったけど…
  207. キュゥべえ: 彼を助けたいなら 魔女を倒すしかない
  208. 真井 あかり: でも、魔女の結界は…?
  209. 真井 あかり: 見つけた!
  210.  
  211. FILENAME: text_330571-4.txt
  212. 真井 あかり: …とどめよ! えいっ!
  213. 真井 あかり: 陽斗お兄さんは!?
  214. 真井 あかり: …気絶したままだけど無事ね
  215. キュゥべえ: お疲れ様、あかり
  216. キュゥべえ: 初めての戦いとしては 上出来だったよ
  217. 二階堂 陽斗: …………うっ…
  218. 真井 あかり: あっ! 気がついた…?
  219. 二階堂 陽斗: …僕は、一体…?
  220. 真井 あかり: えっと、体調が悪そうだったから 介抱していたの…
  221. 真井 あかり: どこか痛いとか苦しいとかない?
  222. 二階堂 陽斗: …………
  223. 真井 あかり: …えっ!? ほ、本当に大丈夫…?
  224. 二階堂 陽斗: …あっ 大丈夫、だと思います
  225. 二階堂 陽斗: ご迷惑をおかけしてしまって 申し訳ありません…
  226. 真井 あかり: そんなこと気にしないで
  227. 真井 あかり: お兄… あなたが無事でよかったわ
  228. 真井 あかり: (陽斗お兄さん 私だって気づいてないわね…)
  229. 真井 あかり: (当たり前だけど、 普通に考えれば)
  230. 真井 あかり: (11歳から16歳になるなんて 思わないだろうし…)
  231. 真井 あかり: でも、念のため 病院に行った方がいいかも
  232. 二階堂 陽斗: …あっ、そうですね
  233. 二階堂 陽斗: 助けてくださっただけではなく ここまで気にかけてくれるなんて
  234. 二階堂 陽斗: 本当になんて お礼を言えばいいか…
  235. 真井 あかり: 全然、気にしなくていいのよ 当たり前のことをしただけだもの
  236. 真井 あかり: (…うぅ、いつもと違うと 調子が狂うわ…)
  237. 二階堂 陽斗: あの… お名前を伺ってもいいですか?
  238. 真井 あかり: えっ…?
  239. 二階堂 陽斗: そ、その後日 ちゃんとお礼をしたくて…
  240. 真井 あかり: え、えっと…
  241. 真井 あかり: (ど、どうしよう… 真井あかりとは、言えない…)
  242. 二階堂 陽斗: すみません…
  243. 二階堂 陽斗: かえってご迷惑でしたら その…気にしないでください…
  244. 真井 あかり: 迷惑じゃないわ!
  245. 真井 あかり: …でも、その…ちょっと事情が…
  246. 二階堂 陽斗: ご事情が…?
  247. 真井 あかり: わ、私、女優の卵で …まだデビュー前なんだけど
  248. 真井 あかり: その、今日も実はドラマの撮影を 近くでしてて…それで…
  249. 二階堂 陽斗: 撮影…
  250. 二階堂 陽斗: …あっ、 それでその格好なんですね…
  251. 真井 あかり: そ、そうね…そんな感じよ
  252. 二階堂 陽斗: えっと…よかったら上着、どうぞ …寒くなってきましたから
  253. 真井 あかり: (あっ、えっ? …優しい!)
  254. 真井 あかり: えへへ~…
  255. 真井 あかり: (…じゃなかった!)
  256. 真井 あかり: ありがとう
  257. 真井 あかり: じゃあ、私はこれで…
  258. 二階堂 陽斗: はい 本当にありがとうございました
  259. 真井 あかり: 『この出会いが あとであんなにややこしいことになるなんて このときは思いもしなかったわ』
  260. 真井 あかり: 違うの…!私は本当の意味で 16歳になりたかったの!
  261.  
  262. FILENAME: text_330572-1.txt
  263. 真井 あかり: 『16歳の姿で陽斗お兄さんに会った翌日 お兄さんのお家に 様子を見に行くことにしたの』
  264. 真井 あかり: 『もしかしたら 私だって気づいちゃってるかもって…』
  265. 真井 あかり: 『気づいてほしいような… 気づいてほしくないような気持ちで…』
  266. 真井 あかり: 陽斗お兄さん こんばんは…
  267. 二階堂 陽斗: …………
  268. 真井 あかり: お兄さん…?
  269. 二階堂 陽斗: …あぁ、 こんばんは、あかり
  270. 二階堂 陽斗: 宿題でわからないところでも あった?
  271. 真井 あかり: ううん、そうじゃなくて これ…
  272. 二階堂 陽斗: 制服の上着…?
  273. 二階堂 陽斗: あっ、昨日あの人にあげた…
  274. 二階堂 陽斗: どうして、あかりが?
  275. 真井 あかり: え、えっと…
  276. 真井 あかり: 学校の校門で知らない女の人から 預かったの
  277. 真井 あかり: お兄さんの名前が 書いてあったから…
  278. 二階堂 陽斗: そうだったんだ わざわざありがとう
  279. 真井 あかり: 『…まぁ、気づくどころか 疑ってる様子もなかったんだけどね…』
  280. 二階堂 陽斗: …そっか 昨日の人が…
  281. 真井 あかり: (お兄さん…? なんか、変…?)
  282. 真井 あかり: (ちょっと探りを 入れてみようかな…)
  283. 真井 あかり: …その人と何かあったの?
  284. 二階堂 陽斗: えっ…?
  285. 二階堂 陽斗: あはは…助けてもらっただけだよ
  286. 真井 あかり: 本当に…? なんだかいつもと違うけど…
  287. 二階堂 陽斗: うん、本当に… 何もないんだけど…
  288. 二階堂 陽斗: ただ、見ず知らずの人なのに すごく親身になってくれて
  289. 二階堂 陽斗: 気遣ってくれたんだ…
  290. 二階堂 陽斗: それがすごく…
  291. 真井 あかり: すごく?
  292. 二階堂 陽斗: 素敵だったなって…
  293. 真井 あかり: …………
  294. 真井 あかり: (ちょっと待って… ウソでしょ…?まさか…)
  295. 二階堂 陽斗: それに、なんだか 初めて会った気がしなくて…
  296. 二階堂 陽斗: また、会えたら…いいなぁって…
  297. 真井 あかり: 好きに、なっちゃったの…?
  298. 二階堂 陽斗: ――っ!?
  299. 二階堂 陽斗: いや…その…えっと…
  300. 真井 あかり: お兄さん…お顔、真っ赤よ…?
  301. 二階堂 陽斗: あかり… お兄さんをあまりからかわないで
  302. 二階堂 陽斗: 僕も…えっとね… 結構…いっぱいいっぱいなんだ…
  303. 二階堂 陽斗: 恋なんて初めてで…
  304. 真井 あかり: (鈍感で全然私の気持ちに 気づいてくれないお兄さんが…)
  305. 真井 あかり: (16歳の私に、恋…!?)
  306.  
  307. FILENAME: text_330572-2.txt
  308. 真井 あかり: (鈍感で全然私の気持ちに 気づいてくれないお兄さんが…)
  309. 真井 あかり: (16歳の私に、恋…!?)
  310. 真井 あかり: …………
  311. 真井 あかり: じゃあ、私帰るね…
  312. 二階堂 陽斗: 送ってくよ もう暗いから
  313. 真井 あかり: …………そうだね 暗いものね…
  314. 真井 あかり: しばらくは ずっとぼんやりしていたわ
  315. 真井 あかり: 喜べばいいのか 悲しめばいいのかわからなくて…
  316. 由良 蛍: ん~…んん~… う~ん…複雑だねぇ~…
  317. 由良 蛍: 私があかりだったとしてもぉ… パニックになりそう~…
  318. 真井 あかり: 実際なったわね
  319. 真井 あかり: 結局、お兄さんが好きなのは 私じゃない私なんだもの…
  320. 由良 蛍: それなのにぃ~…
  321. 由良 蛍: 嫌いになったりぃ…諦めたりはぁ しなかったんだぁ~…?
  322. 真井 あかり: …あのね
  323. 真井 あかり: 恋ってそんな簡単に 諦められるものじゃないの!
  324. 真井 あかり: 鈍いところは ちょっと気に入らないけど…
  325. 真井 あかり: でも、好きなところの方が いっぱいあるから
  326. 真井 あかり: ふとしたときに 思い出しちゃうの…!
  327. 由良 蛍: ふ~ん…? 好きなところをぉ~…?
  328. 真井 あかり: ピンときてないわね…
  329. 真井 あかり: いいわ
  330. 真井 あかり: 陽斗お兄さんのどんなところが 好きなのか
  331. 真井 あかり: ちゃんと教えてあげる
  332. 真井 あかり: …でも、お兄さんのこと 好きにならないでね?
  333. 由良 蛍: ん~… ならないから大丈夫ぅ~…
  334. 真井 あかり: …それはそれで複雑だけど
  335. 真井 あかり: まぁ、いいわ
  336. 真井 あかり: そうね…
  337. 真井 あかり: これは、私が蛍を拾う 少し前のことなんだけど…
  338.  
  339. FILENAME: text_330572-3.txt
  340. 真井 あかり: 『陽斗お兄さんが好きになったのが 16歳の私ってことが どうしても納得できなかったから』
  341. 真井 あかり: 『ウサギさんと遊んで 気を紛らわせようとしたんだけど…』
  342. 真井 あかり: 『…そのときに ずっと気にかけていた 寝てばっかりのウサギさん…ネネうさちゃんが 死んじゃってるのを見つけたの…』
  343. 真井 あかり: うぅ…うっ…ぐすっ… ネネうさちゃん…ぐすっ…
  344. あかりの母: あかり…入るわよ…
  345. あかりの母: どうしたの、あかり
  346. 真井 あかり: …………ウサギさんが… 死んじゃったの…
  347. あかりの母: まぁ… 学校でお世話してた子?
  348. 真井 あかり: うん…
  349. 真井 あかり: ごはんをあげても動かないから
  350. 真井 あかり: 最初は寝てるのかなって… 思ったんだけど…
  351. 真井 あかり: 息…してなくて…
  352. 真井 あかり: …………
  353. あかりの母: 可哀想に…
  354. 真井 あかり: ん、寝てばっかりの子だったから 寝てるだけだって思ったのに…
  355. 真井 あかり: 死んじゃってたって すぐ気づかなかったの…ぐす…
  356. あかりの母: …そっか それは…悲しかったね…
  357. 真井 あかり: …ぐす…うぅ…
  358. 真井 あかり: (全然涙がとまらない…)
  359. 真井 あかり: (小さい子どもみたいに 泣きたくないのに…)
  360. 真井 あかり: 『そんなときに お兄さんがやってきたの』
  361. 真井 あかり: 『本当は、新しいぷちうさグッズを 私のために持って来てくれたんだけど』
  362. 真井 あかり: 『ママと話してるのが聞こえてたみたいで ウサギさんのことで泣いてるってわかったから ぷちうさグッズをさっと隠してね…』
  363. 二階堂 陽斗: 泣きたいときは いっぱい泣いていいんだよ
  364. 二階堂 陽斗: 大人だって 泣いてしまうときはあるんだから
  365. 真井 あかり: …ぐす…お兄さんも…?
  366. 二階堂 陽斗: うん、お兄さんも 泣いちゃうときはあるね
  367. 真井 あかり: ウソ…
  368. 二階堂 陽斗: 本当だよ 部活の試合で負けたときとか
  369. 真井 あかり: ぐすっ…そう、なんだ…
  370. 二階堂 陽斗: だから、気が済むまで 泣いていいんだよ
  371. 真井 あかり: うん…うぇええん…
  372. 真井 あかり: 陽斗お兄さん… ありがと…
  373. 真井 あかり: えへへ~…
  374. 二階堂 陽斗: どういたしまして
  375. 真井 あかり: …そういえば、 何か用事でもあった…?
  376. 二階堂 陽斗: ううん、最近部活で忙しくて あかりと遊べなかったから遊びに
  377. 真井 あかり: …本当? さっき、何か隠してなかった?
  378. 二階堂 陽斗: えっ…? いや、隠してない…よ?
  379. 真井 あかり: 『ウソはダメだ』ってお兄さん いつも言ってるじゃない
  380. 真井 あかり: 何を隠したの?
  381. 二階堂 陽斗: …あはは、 あかりはよく見ているなぁ…
  382. 二階堂 陽斗: 本当は、これをあかりに あげようと思って来たんだ
  383. 真井 あかり: …ぷちうさ! 新しいキーホルダーね!
  384. 二階堂 陽斗: でも、ウサギさんのことで 泣いてるみたいだったから…
  385. 二階堂 陽斗: 余計悲しませちゃうんじゃないか と思って隠しちゃったんだ
  386. 二階堂 陽斗: ウソをついてごめんね
  387. 真井 あかり: …ううん 私のためだったのね…
  388. 二階堂 陽斗: あかりを喜ばせるために 持ってきたのに
  389. 二階堂 陽斗: あかりを悲しませたら ダメだからね
  390. 真井 あかり: えへへ~… ありがとう、陽斗お兄さん…
  391. 真井 あかり: はぁ…こういうところが 好きなのよねぇ…
  392. 由良 蛍: …ん~…? 気を遣ってくれるところぉ~…?
  393. 真井 あかり: そう…! 寄り添ってくれるところ…!
  394. 由良 蛍: …なるほどぉ~…?
  395. 真井 あかり: なんでピンときてないのよ!
  396. 由良 蛍: ん~…優しいお兄さんだなぁ~… としかぁ…思えなくてぇ~…
  397. 真井 あかり: …つまり、 蛍にまだ恋は早いってことね
  398. 由良 蛍: かもねぇ~…
  399. 真井 あかり: ちなみに、そのすぐ後に 蛍を拾ったのよ
  400. 由良 蛍: ん~…ウサギ小屋の近くでぇ… 寝てたときだねぇ~…
  401. 真井 あかり: だから、最初はちょっとだけ…
  402. 真井 あかり: あの子が人間になって 戻って来たのかと思ったわ…
  403. 由良 蛍: へぇ~…
  404. 真井 あかり: ちょっとだけよ!
  405. 真井 あかり: 別に本気で 思ったわけじゃないからね!?
  406. 由良 蛍: ふ~ん~…?
  407. 真井 あかり: …ふんっ
  408. 真井 あかり: ともかくっ!
  409. 真井 あかり: 私は、陽斗お兄さんの さりげない気遣いができて
  410. 真井 あかり: 優しいところが好きなの
  411. 真井 あかり: わかったかしら?
  412. 由良 蛍: ん~…つまりぃ… あかりはぁ…二階堂くんにぃ…
  413. 由良 蛍: いま以上に優しくぅ… 大切にしてもらいたいんだねぇ…
  414. 真井 あかり: 一番特別な女の子としてね
  415. 真井 あかり: …でも、全然うまくいかなくて 苦しくて…
  416. 真井 あかり: 私、嫌な子になっちゃったの…
  417.  
  418. FILENAME: text_330572-4.txt
  419. 真井 あかり: 『陽斗お兄さんが 16歳の私に恋をしていると知ってから ずっともやもやしてたんだけど…』
  420. 真井 あかり: 『それが爆発しちゃったときがあったの』
  421. 真井 あかり: (はぁ…思った通りに 願いが叶わなかったのに)
  422. 真井 あかり: (魔女退治はしないと いけないなんて…)
  423. 真井 あかり: (嫌だけど それが魔法少女の使命だもんね)
  424. 真井 あかり: はぁ…
  425. 二階堂 陽斗: …あかり?
  426. 二階堂 陽斗: こんなところでどうしたの? そろそろ暗くなるし、危ないよ
  427. 真井 あかり: えっと、近道しようと思って…
  428. 真井 あかり: (本当はパトロールだけど…)
  429. 二階堂 陽斗: 確かに近いけど… 表通りを使った方がいいよ
  430. 二階堂 陽斗: 送ってあげるから 一緒に帰ろう
  431. 真井 あかり: …うん
  432. 真井 あかり: …お兄さんは あそこで何をしていたの?
  433. 二階堂 陽斗: 僕は…えっと…
  434. 二階堂 陽斗: もしかしたら、 また会えるかなって…
  435. 真井 あかり: また会える…?
  436. 真井 あかり: それって、この前 助けてくれたっていう…?
  437. 二階堂 陽斗: …そう、この辺りの路地裏で 撮影をしてたみたいだから
  438. 二階堂 陽斗: …もしかしたら、 って思ってしまって…
  439. 真井 あかり: …………
  440. 真井 あかり: (むぅ…何よ! デレデレしちゃって…)
  441. 真井 あかり: (あれは、私なのに… 全然態度が違うじゃない…)
  442. 真井 あかり: (どうして…)
  443. 真井 あかり: (私じゃない私がよくて 私だとダメなの?)
  444. 真井 あかり: …その人、ウソついてるよ
  445. 二階堂 陽斗: えっ?
  446. 真井 あかり: 路地裏をうろうろしてたなんて 怪しいわ…
  447. 真井 あかり: 撮影だって言ってたのも 本当なの?
  448. 真井 あかり: 確かめてみた?
  449. 二階堂 陽斗: …確かめてはない、けど
  450. 二階堂 陽斗: あかり、 どうしてそんなことを言うの?
  451. 真井 あかり: だって、怪しいじゃない! それにきっとウソつきだわ!
  452. 真井 あかり: そんな人… 陽斗お兄さんに相応しくない!
  453. 二階堂 陽斗: …………
  454. 二階堂 陽斗: 彼女は、親切心で 僕を助けてくれた優しい人だよ
  455. 二階堂 陽斗: 想像だけで 悪く言うのはよくない
  456. 真井 あかり: …………えっ?
  457. 真井 あかり: (お兄さんが、怒ってる…?)
  458. 真井 あかり: (お兄さんが、 私に怒ってるの…?なんで…?)
  459. 真井 あかり: 『…実はね、このときまで お兄さんは私に怒ったことはなかったの…』
  460. 由良 蛍: 「まぁ~…あかりはそもそもぉ… ワガママをほとんどぉ…言わないからねぇ~…」
  461. 由良 蛍: 「それに二階堂くんがぁ…叱るとしてもぉ… 『ダメだよ』くらいしかぁ~… 言わなさそう~…」
  462. 真井 あかり: 『…そうね、そんな感じだったから 本当にびっくりした』
  463. 真井 あかり: (…あっ、そっか)
  464. 真井 あかり: (お兄さんにとって)
  465. 真井 あかり: (11歳の私と 16歳の私は別の人で)
  466. 真井 あかり: (私が他人の悪口を言ったから 怒ってるんだ…)
  467. 真井 あかり: …………
  468. 真井 あかり: (私…どんなときだって 誰かを悪く言ったりしない)
  469. 真井 あかり: (陽斗お兄さんのことが 好きなのに…)
  470. 真井 あかり: (お兄さんが 振り向いてくれないからって)
  471. 真井 あかり: (16歳の私に嫉妬して 悪く言っちゃった…)
  472. 真井 あかり: うぅ…
  473. 真井 あかり: (こんな私じゃ… 陽斗お兄さんに相応しくない)
  474. 二階堂 陽斗: あかり…!? 待って!
  475. 真井 あかり: あげくに逃げ出すなんて 本当に子どもだったと思うわ…
  476.  
  477. FILENAME: text_330573-1.txt
  478. 真井 あかり: 『16歳の私に嫉妬して悪口を言うような私は 陽斗お兄さんに相応しくないと思って 逃げ出した後…』
  479. 真井 あかり: 『私は、さっきの路地裏に 戻ってきてしまったの』
  480. 真井 あかり: (…暗くなっちゃった)
  481. 真井 あかり: (…心配してるかな? してないよね…)
  482. 真井 あかり: (だって、陽斗お兄さんも きっと呆れてるもの…)
  483. 真井 あかり: うぅ…ぐすっ… 願いなんて…
  484. 真井 あかり: 叶えなければよかった…
  485. 真井 あかり: (そうすれば、陽斗お兄さんは 16歳の私と出会わなくて…)
  486. 真井 あかり: (好きにならなくて…)
  487. 真井 あかり: …………
  488. 真井 あかり: (…出会わないけど)
  489. 真井 あかり: (出会わないからって 11歳の私のことを)
  490. 真井 あかり: (女の子として好きに なってくれるわけじゃない…)
  491. 真井 あかり: (でも…もう…16歳の姿で お兄さんには会いたくないな…)
  492. 真井 あかり: (そうすれば、好きな気持ちを 諦めてくれるかも…)
  493. 真井 あかり: (私じゃない私を好きな 陽斗お兄さんなんて…)
  494. 真井 あかり: (…嫌だもん)
  495. 真井 あかり: ぐすっ…
  496. 真井 あかり: (私… また、悪いこと思ってる…)
  497. 真井 あかり: (でも、嫌なんだもん…)
  498. 二階堂 陽斗: あかりー! どこだ…!?あかり…!
  499. 真井 あかり: …陽斗お兄さん 探しにきてくれたんだ…
  500. 真井 あかり: (でも、いまは会いたくない… 隠れてやり過ごそう…)
  501. 真井 あかり: …………
  502. 真井 あかり: (…静かになった)
  503. 真井 あかり: (陽斗お兄さんも もう諦めて帰ったのかな…)
  504. 真井 あかり: ――っ!?
  505. 真井 あかり: …魔女
  506. 真井 あかり: (戦いたくない)
  507. 真井 あかり: (でも、戦わないと いけないんだよね…)
  508. 真井 あかり: …………
  509. 真井 あかり: …行かないと
  510. 真井 あかり: (でも、やっぱり行きたくない… なんで私ばっかり…)
  511. 真井 あかり: (この辺り、かな…)
  512. 真井 あかり: えっ…!? 陽斗お兄さん!?
  513. 真井 あかり: もしかして、 また魔女の口づけを!?
  514. 真井 あかり: (飛び降りようとしてる…!)
  515. 真井 あかり: ダメ! 待って…!
  516. 真井 あかり: いやっ!間に合わない!? 陽斗お兄さん…!!
  517. 由良 蛍: 「ん~…二階堂くんってぇ… 魔女にもモテちゃうんだねぇ~…」
  518. 真井 あかり: 『もうっ! あのときは本当に もうダメだって思ったんだから!」
  519. 真井 あかり: 『私のせいで 陽斗お兄さんが死んじゃうんだって…』
  520. 真井 あかり: 『でも…』
  521. 由良 蛍: ん~…危なかったねぇ~…
  522. 真井 あかり: …………あっ… 陽斗お兄さん…!
  523. 真井 あかり: 『蛍が枕で受け止めて 助けてくれたのよね』
  524. 由良 蛍: 魔女を倒しにぃ~… 行かないといけないんだけどぉ…
  525. 由良 蛍: 一緒に行くぅ~…?
  526. 真井 あかり: …う、ん
  527. 真井 あかり: 私も行くわ
  528. 真井 あかり: お兄さ…この人を 助けないといけないもの
  529.  
  530. FILENAME: text_330573-2.txt
  531. 真井 あかり: 『…ここからは蛍も知っていると思うけど』
  532. 由良 蛍: 「ん~…せっかくだからぁ… あかりの視点で最後まで聞かせてよぉ~…」
  533. 真井 あかり: 『…わかった』
  534. 真井 あかり: 『あの後… 無事に魔女を倒して 陽斗お兄さんのところへ戻ったわよね』
  535. 由良 蛍: ふぁ~…終わったぁ~… 疲れたよぉ~…眠ぃ~…
  536. 真井 あかり: …………
  537. 真井 あかり: (この人、よく見たら)
  538. 真井 あかり: (ウサギ小屋の近くで寝てた 上級生だわ)
  539. 真井 あかり: (魔法少女だったなんて…)
  540. 真井 あかり: (あのときは私が起こして 教室に送ってあげたけど)
  541. 真井 あかり: (今度は 私が助けてもらっちゃったのね)
  542. 真井 あかり: あの、ありがとう
  543. 由良 蛍: ん~…気にしなくていいよぉ~… 前にぃ…助けてもらったしぃ~…
  544. 真井 あかり: …………えっ?
  545. 由良 蛍: 同じ学校のぉ… 初等部の子だよねぇ~…?
  546. 由良 蛍: ウサギ小屋の近くでぇ… 起こしてくれたでしょ~…?
  547. 真井 あかり: ウソ、でしょ…? いつから、気づいてたの?
  548. 由良 蛍: ん~…起こしてぇ… もらったときからぁ~…?
  549. 真井 あかり: …………
  550. 由良 蛍: 新米魔法少女みたいだからぁ… ちょっとだけぇ~…
  551. 由良 蛍: 気にかけておこうかなぁ… ってぇ…思ったんだよねぇ~…
  552. 真井 あかり: …それって 私が子どもだから?
  553. 由良 蛍: ん~…まぁ…そうだねぇ~… それもぉ…あるかもぉ~…?
  554. 真井 あかり: (何よ、それ! みんな、子ども子どもって…!)
  555. 真井 あかり: (でも、助けてもらったのは 本当だし…)
  556. 真井 あかり: (うぅ…なんだか悔しい…!)
  557. 由良 蛍: でもぉ…一番の理由はねぇ~…
  558. 由良 蛍: キミが私にぃ… 親切にしてくれたからぁ…
  559. 真井 あかり: 親切にしたって…
  560. 真井 あかり: 寝ていたから、起こして 教室に連れていっただけよ
  561. 真井 あかり: 当たり前のことを しただけじゃない…
  562. 由良 蛍: じゃあ…それはぁ… キミのいいところだねぇ~…
  563. 由良 蛍: 当たり前に人に親切にできる… 生来の美徳って言うのかなぁ…?
  564. 真井 あかり: …………あっ…
  565. 真井 あかり: そのときね ちょっと気持ちが軽くなったの
  566. 二階堂 陽斗: ただ、見ず知らずの人なのに すごく親身になってくれて
  567. 二階堂 陽斗: 気遣ってくれたんだ…
  568. 二階堂 陽斗: 彼女は、親切心で 僕を助けてくれた優しい人だよ
  569. 真井 あかり: だって…
  570. 真井 あかり: お兄さんが好きになった 16歳の私も私の一部だったから
  571. 真井 あかり: ―あかり― あのときの私は 焦って背伸びをして…
  572. 真井 あかり: ―あかり― 空回りしてた
  573. 真井 あかり: ―あかり― 本当は、一歩ずつ ゆっくりでもちゃんと自分で歩いて
  574. 真井 あかり: ―あかり― 大人になっていかないといけないのに…
  575. 真井 あかり: 蛍のおかげで 自分を見つめ直せたの
  576. 由良 蛍: …そっかぁ
  577. 真井 あかり: それに、 背中も押してくれたわよね
  578. 真井 あかり: 私、お兄さんに 酷いこと言っちゃった…
  579. 真井 あかり: どうしよう まだ怒ってる、かな…
  580. 由良 蛍: ん~…間違えたならぁ… 謝るところからじゃないかなぁ…
  581. 由良 蛍: ちゃんとぉ… 謝ってもらえないとねぇ…
  582. 由良 蛍: その人だってぇ… 許したくても許せないよぉ~…?
  583. 真井 あかり: …………うん
  584.  
  585. FILENAME: text_330573-3.txt
  586. 由良 蛍: ちゃんとぉ… 謝ってもらえないとねぇ…
  587. 由良 蛍: その人だってぇ… 許したくても許せないよぉ~…?
  588. 真井 あかり: …………うん
  589. 真井 あかり: 謝ってみる…
  590. 二階堂 陽斗: …………ぅ…
  591. 由良 蛍: ん~…気がつきそうだからぁ… 私は隠れておくねぇ~…
  592. 真井 あかり: えっ…!? ちょっと待って!
  593. 二階堂 陽斗: …うぅ…あれ…? 僕は、また…?
  594. 真井 あかり: (ど、どうしよう…!? 起きちゃった!)
  595. 真井 あかり: (とにかく謝らないと…)
  596. 二階堂 陽斗: …あっ…あなたはこの前の…
  597. 二階堂 陽斗: また助けて いただいたんでしょうか…?
  598. 真井 あかり: …えっ…あ、そう、ね…!
  599. 真井 あかり: (変身したままだった…!)
  600. 真井 あかり: (どうしよう…謝りたいけど 正体は明かせないわ…)
  601. 二階堂 陽斗: ありがとうございます… 2回も助けていただいて…
  602. 真井 あかり: えっと、偶然だから 気にしないで…?
  603. 二階堂 陽斗: きちんとお礼をしたいんですが すみません…
  604. 二階堂 陽斗: いまはあかり…
  605. 二階堂 陽斗: 妹分を探していて… 行かないと…!
  606. 真井 あかり: (…ど、どうしよう! 私はここにいるのに!)
  607. 真井 あかり: (えっと…何か…)
  608. 真井 あかり: その子ってもしかして 栄総合の制服を着た小学生?
  609. 真井 あかり: その子なら、さっき保護して…
  610. 真井 あかり: 同じ制服を着た子がいたから 面倒を見てもらっているわ
  611. 二階堂 陽斗: そう、だったんですか…?
  612. 真井 あかり: え、ええ…
  613. 真井 あかり: 路地裏は危ないから 表通りにいてもらおうと思って
  614. 真井 あかり: 私は頼まれたから代わりに あなたを探しにきたの
  615. 真井 あかり: (ウソついてごめんなさい…)
  616. 二階堂 陽斗: …よかった、無事だった…
  617. 二階堂 陽斗: 何から何まで ありがとうございます…
  618. 真井 あかり: (…私のこと 心配してくれてたんだ…)
  619. 二階堂 陽斗: …あの、どんな様子でした? 落ち込んでいたりとか…
  620. 真井 あかり: えっ…? 元気そう、だったけど…
  621. 真井 あかり: 何かあったの?
  622. 二階堂 陽斗: …少し厳しく言い過ぎてしまって
  623. 二階堂 陽斗: それで飛び出して 行っちゃったんです…
  624. 真井 あかり: …………
  625. 真井 あかり: でも、あなたが怒ったってことは 理由があったんでしょう?
  626. 二階堂 陽斗: …はい
  627. 二階堂 陽斗: あかりには… 誰かを悪く言ったり
  628. 二階堂 陽斗: 貶したりする子には なってほしくなくて…
  629. 真井 あかり: (陽斗お兄さん…)
  630. 真井 あかり: (私が悪かったのよ あとできちんと謝るからね…)
  631. 真井 あかり: …きっと気持ちは通じているわ
  632. 真井 あかり: その子も怒られたときは びっくりしただけで
  633. 真井 あかり: きっと謝りたいって 思ってるはずだもの
  634. 二階堂 陽斗: …僕があの子を信じて あげないといけませんよね
  635. 二階堂 陽斗: ありがとうございます 元気が出ました
  636. 真井 あかり: えへへ~…
  637. 真井 あかり: お礼なんていいのよ…
  638. 二階堂 陽斗: …………
  639. 真井 あかり: えっと…どうしたの…?
  640. 二階堂 陽斗: いえ、その…笑い方が 妹分と似ていると思って…
  641. 二階堂 陽斗: それに 顔の感じも似ているんですよ
  642. 二階堂 陽斗: もう少し大きくなったら きっと、あなたみたいに…
  643. 真井 あかり: (まさか、気づいて…!?)
  644. 二階堂 陽斗: …って、何言ってるんだろう 失礼しました
  645. 真井 あかり: (うぅ…鈍感っ…!)
  646. 真井 あかり: …じゃあ、私はこれで
  647. 真井 あかり: 本当は表通りまで ついて行きたいけど
  648. 真井 あかり: 男の子と一緒にいるところを 見られるとマズいから
  649. 二階堂 陽斗: 確か、女優の卵でしたね…
  650. 二階堂 陽斗: それなのに、ご親切に ありがとうございました
  651.  
  652. FILENAME: text_330573-4.txt
  653. 二階堂 陽斗: あかり!
  654. 真井 あかり: 陽斗お兄さん!
  655. 二階堂 陽斗: 無事でよかった…!
  656. 二階堂 陽斗: ごめん… お兄さん、厳しく言い過ぎたね
  657. 真井 あかり: ううん… 私が悪かったの
  658. 真井 あかり: 誰かを悪く言ったらダメだって わかってたのに
  659. 真井 あかり: 酷いこと言っちゃったから
  660. 真井 あかり: お兄さんが正しかったのに 逃げ出しちゃったし…
  661. 真井 あかり: …ごめんなさい
  662. 真井 あかり: 許して、くれる…?
  663. 二階堂 陽斗: うん、ちゃんと ごめんなさいできてえらいね
  664. 真井 あかり: …じゃあ、 これからも仲良くしてくれる?
  665. 二階堂 陽斗: もちろん
  666. 二階堂 陽斗: お兄さんはずっとあかりの お兄さんだからね
  667. 真井 あかり: (ずっとお兄さんだと 困るけど…)
  668. 真井 あかり: (何年か経って 私が本当の16歳になったら)
  669. 真井 あかり: (お兄さんも 私があのときの女の子だって)
  670. 真井 あかり: (気づいてくれるかな?)
  671. 真井 あかり: (…ううん、そんなの関係ない)
  672. 真井 あかり: (だってその頃には)
  673. 真井 あかり: (魔法で16歳になった私より ずっと素敵になって)
  674. 真井 あかり: (陽斗お兄さんの心を つかむんだから!)
  675. 真井 あかり: (あなたに相応しい私になるまで どうか、待っていてね)
  676. 真井 あかり: …ということで
  677. 真井 あかり: 私は素敵な大人になるために 自分磨き中なのよ
  678. 由良 蛍: なるほどねぇ~…
  679. 真井 あかり: 蛍のお世話をしているのも そのため!
  680. 由良 蛍: ん~…そうだったんだぁ~…
  681. 由良 蛍: いつもぉ…ありがとねぇ~…
  682. 真井 あかり: まぁ、その…
  683. 真井 あかり: お兄さんの命の恩人だから っていうのもあるし…
  684. 真井 あかり: それに、お兄さんに 素直に謝れたのだって
  685. 真井 あかり: 蛍が 背中を押してくれたからだし
  686. 真井 あかり: …………
  687. 真井 あかり: だから…あのね、蛍
  688. 真井 あかり: ちゃんと言えてなかったけど ありがとう
  689. 由良 蛍: …すぅ
  690. 真井 あかり: 寝てる!?
  691. 真井 あかり: もうっ!
  692. 真井 あかり: 話が終わったからって すぐ寝ないで!
  693. 真井 あかり: 私が大人になるまで待っててね 陽斗お兄さん
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