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- FILENAME: text_335051-1.txt
- <彼女たちにとってその報せは まさに「青天の霹靂」であった>
- 伊吹 れいら: …え…ど、どういうこと…!?
- 桑水 せいか: 神浜大東団地が… なくなっちゃうってこと…
- 桑水 せいか: うちの親が そう言ってて…
- 伊吹 れいら: …えええええええええええええ!
- 相野 みと: ま、待って待って! もう一度説明して!
- 桑水 せいか: うん…
- <桑水せいかの説明によると…>
- <既に築年数が50年に届こうという 神浜大東団地は、当然ながら建物、設備の 老朽化が著しく、高齢の入居者が多い一方で 新規の入居者は減少の一途を辿っていた>
- <そこで大東区が、大手の不動産デベロッパーと 提携して団地を取り壊し、その跡地に オフィスビルや商業施設が並ぶ 新たなビジネスエリアを作る計画が噂された>
- 伊吹 れいら: …わ、私たち、どうなるの!?
- 桑水 せいか: 団地がなくなっちゃうから どこかに引っ越さないと…
- 伊吹 れいら: 嫌だよ!なんで!? どうして出て行かなきゃ…!
- 相野 みと: うう…引っ越した 私が言うのもなんだけど…
- 相野 みと: この団地は残ってもらいたいよ! 私にもすごく大事な場所だもん!
- 桑水 せいか: それは、私だって…
- 伊吹 れいら: …みんなは? 他の住民はどう思ってるの!?
- <れいらたちと同様に、再開発計画を 受け入れがたく、反発する住民たちもいた>
- <特に高齢者層には、強く抵抗する者が多く やがて再開発に対する反対運動が起きた>
- <8号棟の大竹という老人が中心となり 団地内の集会所を根城に、再開発計画の 撤廃を求めた署名活動などが始まった>
- <その集会所に、れいらたちの姿があった>
- 大竹: おお、そうか! お嬢ちゃんたちも運動を…
- 伊吹 れいら: はい!手伝わせてください!
- 桑水 せいか: 私たちでできることなら…
- 相野 みと: 頑張りまっす!
- 大竹: やー、すまないね!
- 大竹: では、チラシ配りを お願いできるかな?
- 伊吹 れいら: わかりました!
- <こうして再開発反対運動に身を投じた 彼女たちであったが、学生の身でもあり やれることはチラシの作成、配布の手伝い といったことが関の山>
- <その一方で再開発計画は着々と進行しており やきもきした気持ちが募っていった>
- 伊吹 れいら: …なんかできないかな!
- 桑水 せいか: なんか…ねぇ…
- 相野 みと: うう~ん…
- 伊吹 れいら: 居ても立っても 居られないというか…
- 伊吹 れいら: 何かアクションを起こしたいの!
- 相野 みと: チラシ配りや署名は もうやってるもんね…
- 伊吹 れいら: むむむ…
- 相野 みと: そもそも、どうすれば 再開発はやめてくれるのかなぁ…
- 桑水 せいか: うーん…
- 桑水 せいか: まあ、新しいビジネスエリアより この団地に価値があれば当然…
- 桑水 せいか: 私たちが愛着を持っているのは もちろんなんだけど
- 桑水 せいか: 団地以外の人からして 何が価値を持つと見られるのか…
- 伊吹 れいら: …つまり、それがわかれば いいってことだよね
- 桑水 せいか: まあ、再開発に対抗する 材料にはなるかなって
- 伊吹 れいら: …だったら!
- 伊吹 れいら: 私たちで探そう!
- FILENAME: text_335051-2.txt
- <神浜大東団地を存続させるため れいらの発案で、再開発計画を中止させるような 『価値』を探すこととなった一同>
- <やって来たのは…>
- 桑水 せいか: …………
- 伊吹 れいら: さ、始めよっか!
- 相野 みと: りょうかーい!
- 桑水 せいか: …団地の歴史を 調べる…んだよね?
- 伊吹 れいら: そ!まずは自分たちの住んでいる 場所をよく知ること!
- 伊吹 れいら: 魅力を掘り起こすわけだから! 足元をしっかりさせないと!
- 桑水 せいか: まあ、そう…だね
- 桑水 せいか: (…言ってることは 間違ってないんだけど…)
- 桑水 せいか: (ただ、本当に団地の歴史を 紐解けば、見つかるのかな…?)
- 伊吹 れいら: ともかく、行動あるのみ!
- 相野 みと: おー!
- <こうして彼女たちは 神浜大東団地の歴史を辿っていった>
- <そして、2時間後…>
- 桑水 せいか: …で、整理すると…
- 桑水 せいか: 大東区一帯は昔から荒れた地域で
- 桑水 せいか: 争いが絶えなかった
- 伊吹 れいら: 「泰党」という賊の里が あったりもした…と
- 相野 みと: だけど、戦乱の時代も終わると ちょっぴり平和になって…
- 桑水 せいか: 農村部を中心にそこそこ 賑やかな地域になった…
- 伊吹 れいら: やがて農村も消え、幹線道路を 通すために山を削り、そして…
- 相野 みと: 神浜大東団地ができた!
- 桑水 せいか: …というのが ざっくりしたあらましね
- 伊吹 れいら: …まだちょっとヒントらしい ものは見つからないか
- 桑水 せいか: それにしても、歴史って 面白いわね
- 桑水 せいか: 場所は同じでも、時代によって その風景は全然違う…
- 伊吹 れいら: そうだねぇ…
- 桑水 せいか: 団地も今、その歴史の波に さらされているし…
- 相野 みと: はぁ…
- 伊吹 れいら: …………
- 伊吹 れいら: …あーちょっと待って!
- 伊吹 れいら: 暗い気分になるために 調べてるんじゃないから!
- 伊吹 れいら: あくまで 団地を残すための作業だし!
- 相野 みと: はっ!そうだった!
- 桑水 せいか: …そうね
- 伊吹 れいら: うーんうーん! この歴史からわかることは…!
- 伊吹 れいら: 泰党…農村…団地…
- 伊吹 れいら: …あ、そうか!
- 相野 みと: 何か閃いたの!?
- 伊吹 れいら: つまり、こういうことだ!
- FILENAME: text_335051-3.txt
- 伊吹 れいら: 泰党…農村…団地…
- 伊吹 れいら: …あ、そうか!
- 相野 みと: 何か閃いたの!?
- 伊吹 れいら: つまり、こういうことだ!
- 伊吹 れいら: …人で賑わっていればいい!
- 相野 みと: …え?
- 桑水 せいか: …………
- 桑水 せいか: …あの…それは 当たり前の話なんじゃない?
- 伊吹 れいら: それはそう! それはそうなんだけど!
- 伊吹 れいら: 団地の一帯はそういう歴史の 地域だってわかったからこそ
- 伊吹 れいら: やるべきことが 明確になったんじゃないかな!
- 桑水 せいか: 今までの作業を強引に 正当化しようとしてない…?
- 伊吹 れいら: い、いやだなぁ せいかちゃんってば…!
- 伊吹 れいら: ほら! 「急がば回れ」だよ!
- 桑水 せいか: …まったくもう~
- 相野 みと: …でも、人で賑わったから 栄えたっていうのは…
- 桑水 せいか: それは…まあ…
- 伊吹 れいら: でしょでしょ!
- 伊吹 れいら: …ほら、この昔の新聞にも 書いてあるじゃん!
- 伊吹 れいら: 『神浜大東団地の“月例祭”には 多くの人が集まり…』って!
- 伊吹 れいら: …ん?
- 伊吹 れいら: …『月例祭』…?
- 大竹: あー、月例祭か 懐かしいなぁ…
- 伊吹 れいら: 『祭』ってことは お祭りなんですよね…?
- 大竹: そう
- 大竹: 今でも夏には団地で 祭りをやるだろ?
- 大竹: それとは別に、昔は毎月 各棟で協力して
- 大竹: ちょっとしたイベントを 開催していたんだよ
- 桑水 せいか: そうだったんですか… 知らなかった…
- 大竹: まあ、みんな忙しくなったのか ご時世なのか
- 大竹: そういう催しをやる人が 少なくなってね
- 大竹: いつの間にか廃れてしまい 8月の月例祭だけが残ったんだ
- 相野 みと: あ!もしかして…
- 大竹: そう それが今の夏祭りなんだよ
- 伊吹 れいら: はー、そんなことが…!
- 大竹: 月例祭も一時期は多くの人で 賑わったもんだよ
- 大竹: ああ、懐かしいな…
- 伊吹 れいら: …なるほど… だったら、その月例祭…
- 伊吹 れいら: 私たちで復活させます!
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- 伊吹 れいら: …なるほど… だったら、その月例祭…
- 伊吹 れいら: 私たちで復活させます!
- 大竹: …ええっ!? 君たちが、かい…?
- 伊吹 れいら: はい!
- 桑水 せいか: …言い出すと思った
- 相野 みと: ふふ!だね!
- 相野 みと: でも、楽しそうだから 私はさんせーい!
- 伊吹 れいら: せいかもお願い! 手伝って!
- 桑水 せいか: …やるよ、一緒に
- 伊吹 れいら: やったー!
- 桑水 せいか: (…それに…)
- 桑水 せいか: (お祭りをみんなで協力して 開催するなんて…)
- 桑水 せいか: (青春っぽいしね…!)
- 大竹: そうか…ならば! 私もできるだけ協力しよう!
- 俺も!
- いいねぇ!私も!
- 大竹: …ただ、君たち以外 年寄りなのがなんとも…はは…
- 伊吹 れいら: もっと協力者を募りましょう!
- 伊吹 れいら: …と、いうことで…
- 伊吹 れいら: 皆さんに集まってもらいました!
- 十七夜: 月例祭、か…
- みたま: ふーん…
- みかげ: …手伝うのは、まあ…
- みかげ: …で、何をやるの?
- 伊吹 れいら: これこそまさに温故知新だよね だよね?…あってる?
- FILENAME: text_335052-1.txt
- 伊吹 れいら: …と、いうことで…
- 伊吹 れいら: 皆さんに集まってもらいました!
- 十七夜: 月例祭、か…
- みたま: ふーん…
- みかげ: …手伝うのは、まあ…
- みかげ: …で、何をやるの?
- 伊吹 れいら: それは…
- 伊吹 れいら: これから考えます!
- 十七夜: …うむ、そんな気はしていた
- 桑水 せいか: すみません…
- みたま: れいらちゃん 大まかなイメージとかはある?
- 伊吹 れいら: …そうですね…
- 伊吹 れいら: 楽しい感じで!
- みたま: うん、本当におおまかね
- みかげ: じゃあさ、みんなで 鬼ごっこしようよ!
- みかげ: 大人数だと楽しそう!
- 桑水 せいか: 鬼ごっこが イベントっていうのも…
- みかげ: そう? テレビ番組でやってたよ?
- 桑水 せいか: …う…確かに…
- 十七夜: ルールの策定や運営 参加者の管理が大変だろう
- みかげ: む~
- 相野 みと: みんなで団地のお花を 見て回るのは?
- みたま: あら、かわいらしい ついでにピクニックもどう?
- 桑水 せいか: …ここはもっと 青春が燃えたぎるような感じで!
- <…と、様々なアイデアが出た>
- <最終的には…>
- 伊吹 れいら: …では、復活第1弾の月例祭は…
- 伊吹 れいら: 「団地カフェ」で決定です!
- 相野 みと: なぎたんもいるし!
- みたま: そうね まあ、最初だし無難にね
- 十七夜: しかし、カフェスペースの横に ステージも併設するのか?
- 十七夜: 演目も考えるとなると なかなか大変だとは思うが…
- みかげ: ミィが出ちゃおうか!
- 伊吹 れいら: 大丈夫…
- 伊吹 れいら: ここは責任をもって私が!
- 伊吹 れいら: あと、せいかとみとも 一緒に出て!
- 相野 みと: …えーっ!?
- 桑水 せいか: そうきたか…
- 伊吹 れいら: …えへへ!
- <こうして月例祭の内容も決まり 大竹を通じて管理組合からの 開催許諾も取ることができた>
- <時はあっという間に流れ いよいよ復活の月例祭当日…>
- FILENAME: text_335052-2.txt
- 十七夜: …………
- 十七夜: いらっしゃいませ ようこそ「団地カフェ」へ
- メ、メイドさんがいる…
- <れいらたちが復活させた 神浜大東団地の「月例祭」>
- <初回の『団地カフェ』が いよいよ開催の運びとなった>
- 伊吹 れいら: うん 客足はまずまずじゃない?
- 桑水 せいか: そうだね
- 桑水 せいか: 団地の人も物珍しくて 見に来てくれている感じかな
- 相野 みと: はいはい通りまーす!
- 相野 みと: コーヒー一丁、お待ちぃ!
- みたま: もう少し丁寧に運びましょう
- みたま: はい、コーヒー おまちどうさま~
- あ、ど、どうも…
- みかげ: スイーツの味見は ミィに任せて!もぐもぐ…
- 伊吹 れいら: ちょっと! あんまり食べ過ぎ…
- 木崎 衣美里: おーい、みんなー! おつー!
- みたま: あら、来た来た
- 都 ひなの: ほう 思ったよりも客がいるな
- 志伸 あきら: へー!こんな感じなんだ!
- 綾野 梨花: いーねいーね! 盛り上がってんじゃん!
- 伊吹 れいら: え…みんな…!?
- みたま: 声をかけておいたのよ 時間があったら来てねって
- みかげ: ミィも手伝ったから!…もぐ
- 伊吹 れいら: そうだったんですか! ありがとうございます!
- 桑水 せいか: さ、こちらへどうぞ!
- 十七夜: 歓迎するぞ
- <神浜の魔法少女たちも集まり 月例祭はますます盛り上がりを見せ…>
- <そしてこの日のピークは…>
- 伊吹 れいら: じゃ、じゃあ…
- 伊吹 れいら: …1曲、歌います!
- 木崎 衣美里: いえーい!
- 綾野 梨花: 歌って歌ってー!
- 伊吹 れいら: …この日のために作りました…
- 伊吹 れいら: 「レッツ・団地ング」です…! 聴いてください!
- 伊吹 れいら: 素敵なみんなが~♪ 集まる場所だよ~♪
- 桑水 せいか: す、素敵な暮らしも~♪ できちゃう場所だよ~♪
- 相野 みと: さあ楽しもうよ! レッツ・団地ング!
- 衣美里&梨花: うえ~い!
- 都 ひなの: …なんというか…
- 志伸 あきら: …健気!
- <こうして初回の月例祭は 盛況の内に終わった>
- <これに気を良くしたれいらは…>
- 伊吹 れいら: 来月はさらに 盛り上がるイベントにするぞ~!
- <…と意気揚々に次月の開催を決定>
- <しかし、2回目の復活月例祭は 早くも異変が生じるのであった…>
- FILENAME: text_335052-3.txt
- <明けて翌月…>
- <2回目を迎えた月例祭だったが 思わぬ異変が生じた…>
- <それは…>
- 木崎 衣美里: はいはーい! 出張お悩み相談室だよ~!
- 木崎 衣美里: 困りごとはあーしとりかっぺと あきらっちで解決するよ~!
- 志伸 あきら: が、頑張ります!
- 綾野 梨花: おいでおいで~!
- 都 ひなの: では「よい子の科学教室」を 開催する
- わーい!
- 都 ひなの: まず最初に…
- 胡桃 まなか: 月例祭オリジナルの スペシャルバーガー販売中!
- 胡桃 まなか: 数に限りがあるのでお早めに~!
- 純 美雨: こちはラーメンの屋台ネ
- 純 美雨: 今ならトッピングひとつ無料ヨ
- 常盤 ななか: 華心流体験教室 いかがでしたか?
- 常盤 ななか: 皆さんの作品、大変素晴らしい ものばかりでしたよ
- 毬子 あやか: はい、今日は特別なネタを 用意してきましたよ~!
- 毬子 あやか: ではいきます…団地モノマネ!
- 伊吹 れいら: …すごーい!
- 伊吹 れいら: こんな大規模なイベントに なっちゃうなんて!
- 桑水 せいか: 私もビックリ…
- 相野 みと: 再開発の事情を知って、みんなが 協力してくれたおかげだね!
- みたま: うんうん… 麗しき魔法少女同士の絆ね~
- みかげ: だね!…もぐもぐ…
- 十七夜: これが毎月続けられるかが 問題ではあるが…
- 伊吹 れいら: …そうですね 浮かれてばかりはいられないです
- みたま: あら、冷静ね
- みたま: プロデューサーっぽく なってきたんじゃない
- 伊吹 れいら: 常に先手先手で仕掛けて いかないと…ふっふっふっ
- 相野 みと: …え? その『ふっふっふっ』て笑いは…
- 桑水 せいか: …まさか… 何か企んでいるの?
- 伊吹 れいら: 企むだなんて人聞きの悪い! 実は既に私とみとで…
- 伊吹 れいら: 次の月例祭の企画を “発掘”してきただけだから!
- 桑水 せいか: …“発掘”~?
- FILENAME: text_335052-4.txt
- 桑水 せいか: 月例祭の企画を “発掘”してきたって…
- 桑水 せいか: どういうこと…?
- 伊吹 れいら: …この月例祭 さっきも言った通り
- 伊吹 れいら: 先手先手で仕掛けないと ダメだと思うの
- 伊吹 れいら: それと内容の面白さも大事! だからは私、ここ最近
- 伊吹 れいら: 企画のネタ探しを頑張ってたの そうしたら、再開発反対運動で
- 伊吹 れいら: 一緒にチラシを配っていた おばあちゃんが…
- あんたたち 月例祭頑張ってるね~
- …そういえば、この前、うち 断捨離してたのよ
- 10年前に死んだ夫が変なもの ばっかり集めていてね
- キリもいいし、もういい加減 整理しようと思って
- それでね“珍品”が 出てきたのよ
- これを月例祭とかで展示したら 人が集まってくるかしら?
- 桑水 せいか: 『珍品』…?
- 伊吹 れいら: で、さっき受け取って きたんだけど…
- 伊吹 れいら: これなの!
- 相野 みと: …巻物!? 忍者とかが持ってるやつだ!
- 十七夜: ずいぶんと古めかしいが…
- 伊吹 れいら: 入っていた箱には 添え書きがあったんだけど…
- 伊吹 れいら: 「秘宝ノ在リ処ヲ示スモノ也」 と書かれていたの!
- 桑水 せいか: …え?『秘宝』…?
- 伊吹 れいら: そこで私、思いついたんだけど…
- 伊吹 れいら: 来月の月例祭で この秘宝をみんなで探さない!?
- 相野 みと: わぁ~!すごい!
- 桑水 せいか: い、いいの!?そんなことして…
- 伊吹 れいら: 話題性抜群の企画になるよー!
- 桑水 せいか: も、もしかしてこれは… すごい発見に繋がるのかも…!?
- FILENAME: text_335053-1.txt
- <共に再開発反対運動に参加している老婆から 秘宝の在り処が書かれているという古文書を 譲り受けたれいらは、“宝探しイベント”を 月例祭で開催することにした>
- 伊吹 れいら: えー、ではこれより 復活第3回月例祭…
- 伊吹 れいら: 「神浜大東団地お宝大捜索」 を始めたいと思います!
- 眞尾 ひみか: よおおおおおおし! 見つけちゃうかんねー!
- 木崎 衣美里: ひみかみん 超テンション高ぇし…!
- 眞尾 ひみか: お宝お宝お宝~!
- 古町 みくら: 貴重な歴史的資料に なるかもしれないのに…
- 古町 みくら: こんなイベントにするなんて!
- 吉良 てまり: まあまあ これもまた一興ですよ
- 三穂野 せいら: 面白そうなドキュメンタリーが 撮れそうだしね!
- 常盤 ななか: もし貴重な器であれば 花を生けたいですわね
- 志伸 あきら: ちゃんと保存しないと ダメなんじゃないの…?
- 純 美雨: ななかなら しれっとやりそうネ
- 夏目 かこ: 私、古文書の方にも 興味があります…!
- みたま: …前回に輪をかけて 魔法少女が集まってきたわね~
- 十七夜: バズった…というやつか
- 桑水 せいか: 本当に秘宝ってこの団地の 周辺にあるの?
- 伊吹 れいら: 大丈夫!それも添え書きに 書いてあったんだから!
- 純 美雨: …それにしても…
- 純 美雨: 宝物を隠している割に やけに親切ネ…?
- 伊吹 れいら: 親切な人が残してくれた お宝なんだよ、きっと!
- 相野 みと: そういうものかなぁ…
- 伊吹 れいら: はい、とにかく始めよう! イベント、スタートします!
- 眞尾 ひみか: 行こう行こう行こう!
- 伊吹 れいら: まず、古文書ですが せいかとみとと一緒に
- 伊吹 れいら: ネットや図書館へ行ったり 時女静香さんに教えを受けたりで
- 伊吹 れいら: なんとか解読できました!
- みたま: すごいわね~ 大変だったでしょ?
- 桑水 せいか: …いや、実はそんなに 難解な文章ではなかったんです
- 桑水 せいか: そもそも素人では無理だと 思ったんですが、案外スッと…
- 純 美雨: やぱり親切…
- 伊吹 れいら: で、おそらく宝の在り処について 示している内容は…
- 伊吹 れいら: 『頂より見える三木の家紋の 心を掘り起こせ』
- 伊吹 れいら: …だそうです!
- 眞尾 ひみか: …三木の…
- 木崎 衣美里: …カモン?英語なの?
- 夏目 かこ: 『頂より見える』ですか…
- 常盤 ななか: 『頂』と言えば…「人生の頂」… 「権力の頂」…
- 志伸 あきら: いや、まず「山」じゃない…?
- 古町 みくら: …そうか!
- 古町 みくら: この大東団地、かつては 山があったとか…
- 三穂野 せいら: へー、じゃあ、山を切り崩した 跡地に団地を建てたんだ
- 古町 みくら: つまり、現代で頂より 見るのであれば…
- 常盤 ななか: 皆さん、屋上へ行きましょう
- 眞尾 ひみか: 早い!待てー!
- 古町 みくら: 私たちも!
- 伊吹 れいら: みんな熱意がすごい!
- 相野 みと: でも、屋上って言っても どの棟の屋上なんだろう?
- 伊吹 れいら: せいかはもう わかっているんだって
- 相野 みと: そうなの!?
- 桑水 せいか: まあ…
- 桑水 せいか: 『三木の家紋』がわかれば どの棟か、絞り込めるかと…
- FILENAME: text_335053-2.txt
- <『頂より見える三木の家紋の 心を掘り起こせ』>
- <古文書に書かれたこの一文に従い 参加者たちが向かった先は…>
- 常盤 ななか: おそらく…ここですわ
- 純 美雨: ほう
- 志伸 あきら: 頂が屋上なのは わかったけど…
- 夏目 かこ: どうしてこの棟の 屋上なんですか?
- 常盤 ななか: 私の父の知り合いで三木さん という方がいらっしゃいました
- 常盤 ななか: 三木家はかつて豪農で知られ 団地周辺に屋敷を構えていました
- 古町 みくら: その通り…
- 常盤 ななか: …あなたたち…
- 古町 みくら: その屋敷を見下ろせる 位置にある棟はここ…7号棟
- 三穂野 せいら: どっちの方向?
- 古町 みくら: 以前調べた古地図によれば… こっちだね
- 吉良 てまり: 見えるのは…公園?
- 常盤 ななか: 『三木の家紋の心』…とは “屋敷の中心”と推測します
- 志伸 あきら: となると、ここから見て…
- 眞尾 ひみか: あの辺だ!
- 純 美雨: いつの間にいたネ
- 常盤 ななか: 漁夫の利、ですか… 皆さん、行きましょう
- 相野 みと: そっかー そういうことだったんだ
- 伊吹 れいら: せいかも同じ答え?
- 桑水 せいか: まあ、大体…
- 桑水 せいか: この辺の歴史を調べていた時に 三木家の存在は知っていて…
- 桑水 せいか: だから、なんとなく 三木家屋敷跡を調べれば…って
- 桑水 せいか: …ただ、どうも…
- 十七夜: …ただ、なんだ?
- 桑水 せいか: 公園にあるなら、団地を作る際に 発掘されていても…
- みたま: …あら、確かに
- 桑水 せいか: それに、やはりヒントも 安易というか、なんというか…
- 桑水 せいか: 三木家の屋敷跡に埋めてあるなら 別に頂から見る必要もないし…
- みたま: どうなの?プロデューサー
- 伊吹 れいら: …ん~…
- 伊吹 れいら: …と、とりあえず 私たちも公園に行きましょう!
- FILENAME: text_335053-3.txt
- 眞尾 ひみか: この辺か…!?
- 眞尾 ひみか: うりゃぁぁぁぁぁ!
- 志伸 あきら: す、すごい勢いで 掘り起こしている…!
- 常盤 ななか: これは…割って入る 余地がありませんね
- 古町 みくら: ああ、待って! もっと慎重に…!
- 眞尾 ひみか: …む? 今、カシャンという音が…
- 古町 みくら: あー、もしかして…
- 純 美雨: お宝、壊したネ
- 志伸 あきら: ええっ!?
- 眞尾 ひみか: …なんか、壺みたいなのが 割れてる…かも?
- 古町 みくら: ちょちょちょ、ちょっと…! …うわ…やっちゃってる…
- 古町 みくら: …ん?なにかある…?
- 常盤 ななか: …紙?
- 三穂野 せいら: 何が書いてあるの?
- 古町 みくら: えっと…
- 古町 みくら: 『真の宝は大いなる川に 横たわる月のくぼみにあり』
- 古町 みくら: …こ、これはつまり…
- 夏目 かこ: ここに宝は ないってことですか!?
- 志伸 あきら: じゃあ、その『大いなる川』とか なんとかの方に…!?
- 眞尾 ひみか: どこどこどこ! そこはどこー!
- 古町 みくら: 川…
- 古町 みくら: そういえば、この団地の裏手には かつて川が流れていたとか…
- 吉良 てまり: では『月のくぼみ』って…?
- 常盤 ななか: …川は蛇行すると 三日月のようになります
- 古町 みくら: …なるほど!確かに…
- 古町 みくら: 古地図でそこに該当する 場所といえば…
- 古町 みくら: …あそこだ!
- 眞尾 ひみか: 待って待ってー!
- 常盤 ななか: 行きましょう
- 伊吹 れいら: …は~! 新たな展開が…!
- 相野 みと: 私たちも行こうよ!
- 桑水 せいか: …いや… やっぱりおかしい!
- 伊吹 れいら: …え?
- 桑水 せいか: 団地の裏手の川も 公園と同じだよ!
- 桑水 せいか: 宝があったら、あの辺を 工事する際に見つかるって!
- 桑水 せいか: この古文書… やっぱりどうにも怪しい…!
- 大竹: やあ、どうかな、月例祭の方は? 盛況かい?
- 伊吹 れいら: あ、大竹さん
- 大竹: 今月はお宝探しゲームとか なんとか
- 大竹: どういう風に お宝を探すのかな?
- 相野 みと: えっと、れいらがもらった 古文書を調べたんですけど…
- 大竹: 古文書?
- 桑水 せいか: これです
- 大竹: …むむっ!?
- 大竹: こ、これは…!?
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- 大竹: …むむっ!?
- 大竹: こ、これは…!?
- 伊吹 れいら: 見覚えがあるんですか!?
- 大竹: どこで手に入れたんだい!?
- 伊吹 れいら: 再開発反対運動で 一緒になったおばあさんから…
- 大竹: …やはり、亡くなった 岡宮さんの…
- 大竹: ということは、この古文書…!
- 大竹: …私らが作ったやつだね
- 伊吹 れいら: …………
- 伊吹 れいら: …えええええーっ!?
- 桑水 せいか: 私らが…
- 相野 みと: 作った…!?
- 大竹: そうそう いやー、懐かしいなぁ
- 大竹: 昔ね、岡宮さんの発案で 宝探し遊びをしてたんだよ
- 大竹: 団地の集まりで酒を飲んだ時に 盛り上がっちゃってね
- 大竹: こうやって自分たちで古文書を 作って…どう?結構リアルでしょ
- 大竹: で、行く先々に次の場所の ヒントを埋めて
- 大竹: 最終的に景品と交換できる 券が見つかるって趣向なんだ
- 伊吹 れいら: そ、そんなことを…
- 大竹: はははっ!童心に返って、これが なかなか楽しかったんだよ!
- 大竹: 奥さんには内緒の密やかな おじさんだけの遊びだったんだ
- 大竹: それにしても、まだ使ってない 古文書があったんだねぇ
- 大竹: ふむふむ、それで今日 これを使ってイベントをね
- 大竹: こいつはまた嬉しいね! 今、みんなどこへ?
- 桑水 せいか: …月のくぼみを探してます…
- 大竹: おーおー、思い出した! そういうの考えたなぁ~!
- 大竹: よし、じゃあ私も 見物に行ってくるよ!
- 桑水 せいか: …………
- 十七夜: なるほどな
- みたま: こういうオチね
- みかげ: やっぱりというか…
- 相野 みと: なんというか…
- 伊吹 れいら: …いや、これってまさに…
- 伊吹 れいら: 素敵なみんなが~♪ 集まる場所だよ~♪
- 伊吹 れいら: …だね!
- 相野 みと: レッツ・団地ング…!
- 伊吹 れいら: この団地、昔から面白い人が いっぱいいたってわけだね!
- 伊吹 れいら: あはは!
- 桑水 せいか: …ふふ…まあ、そうだね
- 相野 みと: うん、楽しい!
- 伊吹 れいら: よーし、とりあえず ネタバラシは後にして…
- 伊吹 れいら: 最後までお宝探し やってみよー!
- <しかし、彼女たちは この時点では知らなかった>
- <皆で団地内を掘りまくった結果 本物の土器が出土して 再開発計画に一時的ながら 足止めがされるということを…>
- 伊吹 れいら: 次のヒントはどんなかな~?
- 伊吹 れいら: あー楽しかった! 私やっぱり大好きだなこの団地!
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