Vi_Vi

Reira / Leila & Seika MSS JP Text

Feb 5th, 2024
93
0
Never
Not a member of Pastebin yet? Sign Up, it unlocks many cool features!
text 29.56 KB | None | 0 0
  1. FILENAME: text_335051-1.txt
  2. <彼女たちにとってその報せは まさに「青天の霹靂」であった>
  3. 伊吹 れいら: …え…ど、どういうこと…!?
  4. 桑水 せいか: 神浜大東団地が… なくなっちゃうってこと…
  5. 桑水 せいか: うちの親が そう言ってて…
  6. 伊吹 れいら: …えええええええええええええ!
  7. 相野 みと: ま、待って待って! もう一度説明して!
  8. 桑水 せいか: うん…
  9. <桑水せいかの説明によると…>
  10. <既に築年数が50年に届こうという 神浜大東団地は、当然ながら建物、設備の 老朽化が著しく、高齢の入居者が多い一方で 新規の入居者は減少の一途を辿っていた>
  11. <そこで大東区が、大手の不動産デベロッパーと 提携して団地を取り壊し、その跡地に オフィスビルや商業施設が並ぶ 新たなビジネスエリアを作る計画が噂された>
  12. 伊吹 れいら: …わ、私たち、どうなるの!?
  13. 桑水 せいか: 団地がなくなっちゃうから どこかに引っ越さないと…
  14. 伊吹 れいら: 嫌だよ!なんで!? どうして出て行かなきゃ…!
  15. 相野 みと: うう…引っ越した 私が言うのもなんだけど…
  16. 相野 みと: この団地は残ってもらいたいよ! 私にもすごく大事な場所だもん!
  17. 桑水 せいか: それは、私だって…
  18. 伊吹 れいら: …みんなは? 他の住民はどう思ってるの!?
  19. <れいらたちと同様に、再開発計画を 受け入れがたく、反発する住民たちもいた>
  20. <特に高齢者層には、強く抵抗する者が多く やがて再開発に対する反対運動が起きた>
  21. <8号棟の大竹という老人が中心となり 団地内の集会所を根城に、再開発計画の 撤廃を求めた署名活動などが始まった>
  22. <その集会所に、れいらたちの姿があった>
  23. 大竹: おお、そうか! お嬢ちゃんたちも運動を…
  24. 伊吹 れいら: はい!手伝わせてください!
  25. 桑水 せいか: 私たちでできることなら…
  26. 相野 みと: 頑張りまっす!
  27. 大竹: やー、すまないね!
  28. 大竹: では、チラシ配りを お願いできるかな?
  29. 伊吹 れいら: わかりました!
  30. <こうして再開発反対運動に身を投じた 彼女たちであったが、学生の身でもあり やれることはチラシの作成、配布の手伝い といったことが関の山>
  31. <その一方で再開発計画は着々と進行しており やきもきした気持ちが募っていった>
  32. 伊吹 れいら: …なんかできないかな!
  33. 桑水 せいか: なんか…ねぇ…
  34. 相野 みと: うう~ん…
  35. 伊吹 れいら: 居ても立っても 居られないというか…
  36. 伊吹 れいら: 何かアクションを起こしたいの!
  37. 相野 みと: チラシ配りや署名は もうやってるもんね…
  38. 伊吹 れいら: むむむ…
  39. 相野 みと: そもそも、どうすれば 再開発はやめてくれるのかなぁ…
  40. 桑水 せいか: うーん…
  41. 桑水 せいか: まあ、新しいビジネスエリアより この団地に価値があれば当然…
  42. 桑水 せいか: 私たちが愛着を持っているのは もちろんなんだけど
  43. 桑水 せいか: 団地以外の人からして 何が価値を持つと見られるのか…
  44. 伊吹 れいら: …つまり、それがわかれば いいってことだよね
  45. 桑水 せいか: まあ、再開発に対抗する 材料にはなるかなって
  46. 伊吹 れいら: …だったら!
  47. 伊吹 れいら: 私たちで探そう!
  48.  
  49. FILENAME: text_335051-2.txt
  50. <神浜大東団地を存続させるため れいらの発案で、再開発計画を中止させるような 『価値』を探すこととなった一同>
  51. <やって来たのは…>
  52. 桑水 せいか: …………
  53. 伊吹 れいら: さ、始めよっか!
  54. 相野 みと: りょうかーい!
  55. 桑水 せいか: …団地の歴史を 調べる…んだよね?
  56. 伊吹 れいら: そ!まずは自分たちの住んでいる 場所をよく知ること!
  57. 伊吹 れいら: 魅力を掘り起こすわけだから! 足元をしっかりさせないと!
  58. 桑水 せいか: まあ、そう…だね
  59. 桑水 せいか: (…言ってることは 間違ってないんだけど…)
  60. 桑水 せいか: (ただ、本当に団地の歴史を 紐解けば、見つかるのかな…?)
  61. 伊吹 れいら: ともかく、行動あるのみ!
  62. 相野 みと: おー!
  63. <こうして彼女たちは 神浜大東団地の歴史を辿っていった>
  64. <そして、2時間後…>
  65. 桑水 せいか: …で、整理すると…
  66. 桑水 せいか: 大東区一帯は昔から荒れた地域で
  67. 桑水 せいか: 争いが絶えなかった
  68. 伊吹 れいら: 「泰党」という賊の里が あったりもした…と
  69. 相野 みと: だけど、戦乱の時代も終わると ちょっぴり平和になって…
  70. 桑水 せいか: 農村部を中心にそこそこ 賑やかな地域になった…
  71. 伊吹 れいら: やがて農村も消え、幹線道路を 通すために山を削り、そして…
  72. 相野 みと: 神浜大東団地ができた!
  73. 桑水 せいか: …というのが ざっくりしたあらましね
  74. 伊吹 れいら: …まだちょっとヒントらしい ものは見つからないか
  75. 桑水 せいか: それにしても、歴史って 面白いわね
  76. 桑水 せいか: 場所は同じでも、時代によって その風景は全然違う…
  77. 伊吹 れいら: そうだねぇ…
  78. 桑水 せいか: 団地も今、その歴史の波に さらされているし…
  79. 相野 みと: はぁ…
  80. 伊吹 れいら: …………
  81. 伊吹 れいら: …あーちょっと待って!
  82. 伊吹 れいら: 暗い気分になるために 調べてるんじゃないから!
  83. 伊吹 れいら: あくまで 団地を残すための作業だし!
  84. 相野 みと: はっ!そうだった!
  85. 桑水 せいか: …そうね
  86. 伊吹 れいら: うーんうーん! この歴史からわかることは…!
  87. 伊吹 れいら: 泰党…農村…団地…
  88. 伊吹 れいら: …あ、そうか!
  89. 相野 みと: 何か閃いたの!?
  90. 伊吹 れいら: つまり、こういうことだ!
  91.  
  92. FILENAME: text_335051-3.txt
  93. 伊吹 れいら: 泰党…農村…団地…
  94. 伊吹 れいら: …あ、そうか!
  95. 相野 みと: 何か閃いたの!?
  96. 伊吹 れいら: つまり、こういうことだ!
  97. 伊吹 れいら: …人で賑わっていればいい!
  98. 相野 みと: …え?
  99. 桑水 せいか: …………
  100. 桑水 せいか: …あの…それは 当たり前の話なんじゃない?
  101. 伊吹 れいら: それはそう! それはそうなんだけど!
  102. 伊吹 れいら: 団地の一帯はそういう歴史の 地域だってわかったからこそ
  103. 伊吹 れいら: やるべきことが 明確になったんじゃないかな!
  104. 桑水 せいか: 今までの作業を強引に 正当化しようとしてない…?
  105. 伊吹 れいら: い、いやだなぁ せいかちゃんってば…!
  106. 伊吹 れいら: ほら! 「急がば回れ」だよ!
  107. 桑水 せいか: …まったくもう~
  108. 相野 みと: …でも、人で賑わったから 栄えたっていうのは…
  109. 桑水 せいか: それは…まあ…
  110. 伊吹 れいら: でしょでしょ!
  111. 伊吹 れいら: …ほら、この昔の新聞にも 書いてあるじゃん!
  112. 伊吹 れいら: 『神浜大東団地の“月例祭”には 多くの人が集まり…』って!
  113. 伊吹 れいら: …ん?
  114. 伊吹 れいら: …『月例祭』…?
  115. 大竹: あー、月例祭か 懐かしいなぁ…
  116. 伊吹 れいら: 『祭』ってことは お祭りなんですよね…?
  117. 大竹: そう
  118. 大竹: 今でも夏には団地で 祭りをやるだろ?
  119. 大竹: それとは別に、昔は毎月 各棟で協力して
  120. 大竹: ちょっとしたイベントを 開催していたんだよ
  121. 桑水 せいか: そうだったんですか… 知らなかった…
  122. 大竹: まあ、みんな忙しくなったのか ご時世なのか
  123. 大竹: そういう催しをやる人が 少なくなってね
  124. 大竹: いつの間にか廃れてしまい 8月の月例祭だけが残ったんだ
  125. 相野 みと: あ!もしかして…
  126. 大竹: そう それが今の夏祭りなんだよ
  127. 伊吹 れいら: はー、そんなことが…!
  128. 大竹: 月例祭も一時期は多くの人で 賑わったもんだよ
  129. 大竹: ああ、懐かしいな…
  130. 伊吹 れいら: …なるほど… だったら、その月例祭…
  131. 伊吹 れいら: 私たちで復活させます!
  132.  
  133. FILENAME: text_335051-4.txt
  134. 伊吹 れいら: …なるほど… だったら、その月例祭…
  135. 伊吹 れいら: 私たちで復活させます!
  136. 大竹: …ええっ!? 君たちが、かい…?
  137. 伊吹 れいら: はい!
  138. 桑水 せいか: …言い出すと思った
  139. 相野 みと: ふふ!だね!
  140. 相野 みと: でも、楽しそうだから 私はさんせーい!
  141. 伊吹 れいら: せいかもお願い! 手伝って!
  142. 桑水 せいか: …やるよ、一緒に
  143. 伊吹 れいら: やったー!
  144. 桑水 せいか: (…それに…)
  145. 桑水 せいか: (お祭りをみんなで協力して 開催するなんて…)
  146. 桑水 せいか: (青春っぽいしね…!)
  147. 大竹: そうか…ならば! 私もできるだけ協力しよう!
  148. 俺も!
  149. いいねぇ!私も!
  150. 大竹: …ただ、君たち以外 年寄りなのがなんとも…はは…
  151. 伊吹 れいら: もっと協力者を募りましょう!
  152. 伊吹 れいら: …と、いうことで…
  153. 伊吹 れいら: 皆さんに集まってもらいました!
  154. 十七夜: 月例祭、か…
  155. みたま: ふーん…
  156. みかげ: …手伝うのは、まあ…
  157. みかげ: …で、何をやるの?
  158. 伊吹 れいら: これこそまさに温故知新だよね だよね?…あってる?
  159.  
  160. FILENAME: text_335052-1.txt
  161. 伊吹 れいら: …と、いうことで…
  162. 伊吹 れいら: 皆さんに集まってもらいました!
  163. 十七夜: 月例祭、か…
  164. みたま: ふーん…
  165. みかげ: …手伝うのは、まあ…
  166. みかげ: …で、何をやるの?
  167. 伊吹 れいら: それは…
  168. 伊吹 れいら: これから考えます!
  169. 十七夜: …うむ、そんな気はしていた
  170. 桑水 せいか: すみません…
  171. みたま: れいらちゃん 大まかなイメージとかはある?
  172. 伊吹 れいら: …そうですね…
  173. 伊吹 れいら: 楽しい感じで!
  174. みたま: うん、本当におおまかね
  175. みかげ: じゃあさ、みんなで 鬼ごっこしようよ!
  176. みかげ: 大人数だと楽しそう!
  177. 桑水 せいか: 鬼ごっこが イベントっていうのも…
  178. みかげ: そう? テレビ番組でやってたよ?
  179. 桑水 せいか: …う…確かに…
  180. 十七夜: ルールの策定や運営 参加者の管理が大変だろう
  181. みかげ: む~
  182. 相野 みと: みんなで団地のお花を 見て回るのは?
  183. みたま: あら、かわいらしい ついでにピクニックもどう?
  184. 桑水 せいか: …ここはもっと 青春が燃えたぎるような感じで!
  185. <…と、様々なアイデアが出た>
  186. <最終的には…>
  187. 伊吹 れいら: …では、復活第1弾の月例祭は…
  188. 伊吹 れいら: 「団地カフェ」で決定です!
  189. 相野 みと: なぎたんもいるし!
  190. みたま: そうね まあ、最初だし無難にね
  191. 十七夜: しかし、カフェスペースの横に ステージも併設するのか?
  192. 十七夜: 演目も考えるとなると なかなか大変だとは思うが…
  193. みかげ: ミィが出ちゃおうか!
  194. 伊吹 れいら: 大丈夫…
  195. 伊吹 れいら: ここは責任をもって私が!
  196. 伊吹 れいら: あと、せいかとみとも 一緒に出て!
  197. 相野 みと: …えーっ!?
  198. 桑水 せいか: そうきたか…
  199. 伊吹 れいら: …えへへ!
  200. <こうして月例祭の内容も決まり 大竹を通じて管理組合からの 開催許諾も取ることができた>
  201. <時はあっという間に流れ いよいよ復活の月例祭当日…>
  202.  
  203. FILENAME: text_335052-2.txt
  204. 十七夜: …………
  205. 十七夜: いらっしゃいませ ようこそ「団地カフェ」へ
  206. メ、メイドさんがいる…
  207. <れいらたちが復活させた 神浜大東団地の「月例祭」>
  208. <初回の『団地カフェ』が いよいよ開催の運びとなった>
  209. 伊吹 れいら: うん 客足はまずまずじゃない?
  210. 桑水 せいか: そうだね
  211. 桑水 せいか: 団地の人も物珍しくて 見に来てくれている感じかな
  212. 相野 みと: はいはい通りまーす!
  213. 相野 みと: コーヒー一丁、お待ちぃ!
  214. みたま: もう少し丁寧に運びましょう
  215. みたま: はい、コーヒー おまちどうさま~
  216. あ、ど、どうも…
  217. みかげ: スイーツの味見は ミィに任せて!もぐもぐ…
  218. 伊吹 れいら: ちょっと! あんまり食べ過ぎ…
  219. 木崎 衣美里: おーい、みんなー! おつー!
  220. みたま: あら、来た来た
  221. 都 ひなの: ほう 思ったよりも客がいるな
  222. 志伸 あきら: へー!こんな感じなんだ!
  223. 綾野 梨花: いーねいーね! 盛り上がってんじゃん!
  224. 伊吹 れいら: え…みんな…!?
  225. みたま: 声をかけておいたのよ 時間があったら来てねって
  226. みかげ: ミィも手伝ったから!…もぐ
  227. 伊吹 れいら: そうだったんですか! ありがとうございます!
  228. 桑水 せいか: さ、こちらへどうぞ!
  229. 十七夜: 歓迎するぞ
  230. <神浜の魔法少女たちも集まり 月例祭はますます盛り上がりを見せ…>
  231. <そしてこの日のピークは…>
  232. 伊吹 れいら: じゃ、じゃあ…
  233. 伊吹 れいら: …1曲、歌います!
  234. 木崎 衣美里: いえーい!
  235. 綾野 梨花: 歌って歌ってー!
  236. 伊吹 れいら: …この日のために作りました…
  237. 伊吹 れいら: 「レッツ・団地ング」です…! 聴いてください!
  238. 伊吹 れいら: 素敵なみんなが~♪ 集まる場所だよ~♪
  239. 桑水 せいか: す、素敵な暮らしも~♪ できちゃう場所だよ~♪
  240. 相野 みと: さあ楽しもうよ! レッツ・団地ング!
  241. 衣美里&梨花: うえ~い!
  242. 都 ひなの: …なんというか…
  243. 志伸 あきら: …健気!
  244. <こうして初回の月例祭は 盛況の内に終わった>
  245. <これに気を良くしたれいらは…>
  246. 伊吹 れいら: 来月はさらに 盛り上がるイベントにするぞ~!
  247. <…と意気揚々に次月の開催を決定>
  248. <しかし、2回目の復活月例祭は 早くも異変が生じるのであった…>
  249.  
  250. FILENAME: text_335052-3.txt
  251. <明けて翌月…>
  252. <2回目を迎えた月例祭だったが 思わぬ異変が生じた…>
  253. <それは…>
  254. 木崎 衣美里: はいはーい! 出張お悩み相談室だよ~!
  255. 木崎 衣美里: 困りごとはあーしとりかっぺと あきらっちで解決するよ~!
  256. 志伸 あきら: が、頑張ります!
  257. 綾野 梨花: おいでおいで~!
  258. 都 ひなの: では「よい子の科学教室」を 開催する
  259. わーい!
  260. 都 ひなの: まず最初に…
  261. 胡桃 まなか: 月例祭オリジナルの スペシャルバーガー販売中!
  262. 胡桃 まなか: 数に限りがあるのでお早めに~!
  263. 純 美雨: こちはラーメンの屋台ネ
  264. 純 美雨: 今ならトッピングひとつ無料ヨ
  265. 常盤 ななか: 華心流体験教室 いかがでしたか?
  266. 常盤 ななか: 皆さんの作品、大変素晴らしい ものばかりでしたよ
  267. 毬子 あやか: はい、今日は特別なネタを 用意してきましたよ~!
  268. 毬子 あやか: ではいきます…団地モノマネ!
  269. 伊吹 れいら: …すごーい!
  270. 伊吹 れいら: こんな大規模なイベントに なっちゃうなんて!
  271. 桑水 せいか: 私もビックリ…
  272. 相野 みと: 再開発の事情を知って、みんなが 協力してくれたおかげだね!
  273. みたま: うんうん… 麗しき魔法少女同士の絆ね~
  274. みかげ: だね!…もぐもぐ…
  275. 十七夜: これが毎月続けられるかが 問題ではあるが…
  276. 伊吹 れいら: …そうですね 浮かれてばかりはいられないです
  277. みたま: あら、冷静ね
  278. みたま: プロデューサーっぽく なってきたんじゃない
  279. 伊吹 れいら: 常に先手先手で仕掛けて いかないと…ふっふっふっ
  280. 相野 みと: …え? その『ふっふっふっ』て笑いは…
  281. 桑水 せいか: …まさか… 何か企んでいるの?
  282. 伊吹 れいら: 企むだなんて人聞きの悪い! 実は既に私とみとで…
  283. 伊吹 れいら: 次の月例祭の企画を “発掘”してきただけだから!
  284. 桑水 せいか: …“発掘”~?
  285.  
  286. FILENAME: text_335052-4.txt
  287. 桑水 せいか: 月例祭の企画を “発掘”してきたって…
  288. 桑水 せいか: どういうこと…?
  289. 伊吹 れいら: …この月例祭 さっきも言った通り
  290. 伊吹 れいら: 先手先手で仕掛けないと ダメだと思うの
  291. 伊吹 れいら: それと内容の面白さも大事! だからは私、ここ最近
  292. 伊吹 れいら: 企画のネタ探しを頑張ってたの そうしたら、再開発反対運動で
  293. 伊吹 れいら: 一緒にチラシを配っていた おばあちゃんが…
  294. あんたたち 月例祭頑張ってるね~
  295. …そういえば、この前、うち 断捨離してたのよ
  296. 10年前に死んだ夫が変なもの ばっかり集めていてね
  297. キリもいいし、もういい加減 整理しようと思って
  298. それでね“珍品”が 出てきたのよ
  299. これを月例祭とかで展示したら 人が集まってくるかしら?
  300. 桑水 せいか: 『珍品』…?
  301. 伊吹 れいら: で、さっき受け取って きたんだけど…
  302. 伊吹 れいら: これなの!
  303. 相野 みと: …巻物!? 忍者とかが持ってるやつだ!
  304. 十七夜: ずいぶんと古めかしいが…
  305. 伊吹 れいら: 入っていた箱には 添え書きがあったんだけど…
  306. 伊吹 れいら: 「秘宝ノ在リ処ヲ示スモノ也」 と書かれていたの!
  307. 桑水 せいか: …え?『秘宝』…?
  308. 伊吹 れいら: そこで私、思いついたんだけど…
  309. 伊吹 れいら: 来月の月例祭で この秘宝をみんなで探さない!?
  310. 相野 みと: わぁ~!すごい!
  311. 桑水 せいか: い、いいの!?そんなことして…
  312. 伊吹 れいら: 話題性抜群の企画になるよー!
  313. 桑水 せいか: も、もしかしてこれは… すごい発見に繋がるのかも…!?
  314.  
  315. FILENAME: text_335053-1.txt
  316. <共に再開発反対運動に参加している老婆から 秘宝の在り処が書かれているという古文書を 譲り受けたれいらは、“宝探しイベント”を 月例祭で開催することにした>
  317. 伊吹 れいら: えー、ではこれより 復活第3回月例祭…
  318. 伊吹 れいら: 「神浜大東団地お宝大捜索」 を始めたいと思います!
  319. 眞尾 ひみか: よおおおおおおし! 見つけちゃうかんねー!
  320. 木崎 衣美里: ひみかみん 超テンション高ぇし…!
  321. 眞尾 ひみか: お宝お宝お宝~!
  322. 古町 みくら: 貴重な歴史的資料に なるかもしれないのに…
  323. 古町 みくら: こんなイベントにするなんて!
  324. 吉良 てまり: まあまあ これもまた一興ですよ
  325. 三穂野 せいら: 面白そうなドキュメンタリーが 撮れそうだしね!
  326. 常盤 ななか: もし貴重な器であれば 花を生けたいですわね
  327. 志伸 あきら: ちゃんと保存しないと ダメなんじゃないの…?
  328. 純 美雨: ななかなら しれっとやりそうネ
  329. 夏目 かこ: 私、古文書の方にも 興味があります…!
  330. みたま: …前回に輪をかけて 魔法少女が集まってきたわね~
  331. 十七夜: バズった…というやつか
  332. 桑水 せいか: 本当に秘宝ってこの団地の 周辺にあるの?
  333. 伊吹 れいら: 大丈夫!それも添え書きに 書いてあったんだから!
  334. 純 美雨: …それにしても…
  335. 純 美雨: 宝物を隠している割に やけに親切ネ…?
  336. 伊吹 れいら: 親切な人が残してくれた お宝なんだよ、きっと!
  337. 相野 みと: そういうものかなぁ…
  338. 伊吹 れいら: はい、とにかく始めよう! イベント、スタートします!
  339. 眞尾 ひみか: 行こう行こう行こう!
  340. 伊吹 れいら: まず、古文書ですが せいかとみとと一緒に
  341. 伊吹 れいら: ネットや図書館へ行ったり 時女静香さんに教えを受けたりで
  342. 伊吹 れいら: なんとか解読できました!
  343. みたま: すごいわね~ 大変だったでしょ?
  344. 桑水 せいか: …いや、実はそんなに 難解な文章ではなかったんです
  345. 桑水 せいか: そもそも素人では無理だと 思ったんですが、案外スッと…
  346. 純 美雨: やぱり親切…
  347. 伊吹 れいら: で、おそらく宝の在り処について 示している内容は…
  348. 伊吹 れいら: 『頂より見える三木の家紋の 心を掘り起こせ』
  349. 伊吹 れいら: …だそうです!
  350. 眞尾 ひみか: …三木の…
  351. 木崎 衣美里: …カモン?英語なの?
  352. 夏目 かこ: 『頂より見える』ですか…
  353. 常盤 ななか: 『頂』と言えば…「人生の頂」… 「権力の頂」…
  354. 志伸 あきら: いや、まず「山」じゃない…?
  355. 古町 みくら: …そうか!
  356. 古町 みくら: この大東団地、かつては 山があったとか…
  357. 三穂野 せいら: へー、じゃあ、山を切り崩した 跡地に団地を建てたんだ
  358. 古町 みくら: つまり、現代で頂より 見るのであれば…
  359. 常盤 ななか: 皆さん、屋上へ行きましょう
  360. 眞尾 ひみか: 早い!待てー!
  361. 古町 みくら: 私たちも!
  362. 伊吹 れいら: みんな熱意がすごい!
  363. 相野 みと: でも、屋上って言っても どの棟の屋上なんだろう?
  364. 伊吹 れいら: せいかはもう わかっているんだって
  365. 相野 みと: そうなの!?
  366. 桑水 せいか: まあ…
  367. 桑水 せいか: 『三木の家紋』がわかれば どの棟か、絞り込めるかと…
  368.  
  369. FILENAME: text_335053-2.txt
  370. <『頂より見える三木の家紋の 心を掘り起こせ』>
  371. <古文書に書かれたこの一文に従い 参加者たちが向かった先は…>
  372. 常盤 ななか: おそらく…ここですわ
  373. 純 美雨: ほう
  374. 志伸 あきら: 頂が屋上なのは わかったけど…
  375. 夏目 かこ: どうしてこの棟の 屋上なんですか?
  376. 常盤 ななか: 私の父の知り合いで三木さん という方がいらっしゃいました
  377. 常盤 ななか: 三木家はかつて豪農で知られ 団地周辺に屋敷を構えていました
  378. 古町 みくら: その通り…
  379. 常盤 ななか: …あなたたち…
  380. 古町 みくら: その屋敷を見下ろせる 位置にある棟はここ…7号棟
  381. 三穂野 せいら: どっちの方向?
  382. 古町 みくら: 以前調べた古地図によれば… こっちだね
  383. 吉良 てまり: 見えるのは…公園?
  384. 常盤 ななか: 『三木の家紋の心』…とは “屋敷の中心”と推測します
  385. 志伸 あきら: となると、ここから見て…
  386. 眞尾 ひみか: あの辺だ!
  387. 純 美雨: いつの間にいたネ
  388. 常盤 ななか: 漁夫の利、ですか… 皆さん、行きましょう
  389. 相野 みと: そっかー そういうことだったんだ
  390. 伊吹 れいら: せいかも同じ答え?
  391. 桑水 せいか: まあ、大体…
  392. 桑水 せいか: この辺の歴史を調べていた時に 三木家の存在は知っていて…
  393. 桑水 せいか: だから、なんとなく 三木家屋敷跡を調べれば…って
  394. 桑水 せいか: …ただ、どうも…
  395. 十七夜: …ただ、なんだ?
  396. 桑水 せいか: 公園にあるなら、団地を作る際に 発掘されていても…
  397. みたま: …あら、確かに
  398. 桑水 せいか: それに、やはりヒントも 安易というか、なんというか…
  399. 桑水 せいか: 三木家の屋敷跡に埋めてあるなら 別に頂から見る必要もないし…
  400. みたま: どうなの?プロデューサー
  401. 伊吹 れいら: …ん~…
  402. 伊吹 れいら: …と、とりあえず 私たちも公園に行きましょう!
  403.  
  404. FILENAME: text_335053-3.txt
  405. 眞尾 ひみか: この辺か…!?
  406. 眞尾 ひみか: うりゃぁぁぁぁぁ!
  407. 志伸 あきら: す、すごい勢いで 掘り起こしている…!
  408. 常盤 ななか: これは…割って入る 余地がありませんね
  409. 古町 みくら: ああ、待って! もっと慎重に…!
  410. 眞尾 ひみか: …む? 今、カシャンという音が…
  411. 古町 みくら: あー、もしかして…
  412. 純 美雨: お宝、壊したネ
  413. 志伸 あきら: ええっ!?
  414. 眞尾 ひみか: …なんか、壺みたいなのが 割れてる…かも?
  415. 古町 みくら: ちょちょちょ、ちょっと…! …うわ…やっちゃってる…
  416. 古町 みくら: …ん?なにかある…?
  417. 常盤 ななか: …紙?
  418. 三穂野 せいら: 何が書いてあるの?
  419. 古町 みくら: えっと…
  420. 古町 みくら: 『真の宝は大いなる川に 横たわる月のくぼみにあり』
  421. 古町 みくら: …こ、これはつまり…
  422. 夏目 かこ: ここに宝は ないってことですか!?
  423. 志伸 あきら: じゃあ、その『大いなる川』とか なんとかの方に…!?
  424. 眞尾 ひみか: どこどこどこ! そこはどこー!
  425. 古町 みくら: 川…
  426. 古町 みくら: そういえば、この団地の裏手には かつて川が流れていたとか…
  427. 吉良 てまり: では『月のくぼみ』って…?
  428. 常盤 ななか: …川は蛇行すると 三日月のようになります
  429. 古町 みくら: …なるほど!確かに…
  430. 古町 みくら: 古地図でそこに該当する 場所といえば…
  431. 古町 みくら: …あそこだ!
  432. 眞尾 ひみか: 待って待ってー!
  433. 常盤 ななか: 行きましょう
  434. 伊吹 れいら: …は~! 新たな展開が…!
  435. 相野 みと: 私たちも行こうよ!
  436. 桑水 せいか: …いや… やっぱりおかしい!
  437. 伊吹 れいら: …え?
  438. 桑水 せいか: 団地の裏手の川も 公園と同じだよ!
  439. 桑水 せいか: 宝があったら、あの辺を 工事する際に見つかるって!
  440. 桑水 せいか: この古文書… やっぱりどうにも怪しい…!
  441. 大竹: やあ、どうかな、月例祭の方は? 盛況かい?
  442. 伊吹 れいら: あ、大竹さん
  443. 大竹: 今月はお宝探しゲームとか なんとか
  444. 大竹: どういう風に お宝を探すのかな?
  445. 相野 みと: えっと、れいらがもらった 古文書を調べたんですけど…
  446. 大竹: 古文書?
  447. 桑水 せいか: これです
  448. 大竹: …むむっ!?
  449. 大竹: こ、これは…!?
  450.  
  451. FILENAME: text_335053-4.txt
  452. 大竹: …むむっ!?
  453. 大竹: こ、これは…!?
  454. 伊吹 れいら: 見覚えがあるんですか!?
  455. 大竹: どこで手に入れたんだい!?
  456. 伊吹 れいら: 再開発反対運動で 一緒になったおばあさんから…
  457. 大竹: …やはり、亡くなった 岡宮さんの…
  458. 大竹: ということは、この古文書…!
  459. 大竹: …私らが作ったやつだね
  460. 伊吹 れいら: …………
  461. 伊吹 れいら: …えええええーっ!?
  462. 桑水 せいか: 私らが…
  463. 相野 みと: 作った…!?
  464. 大竹: そうそう いやー、懐かしいなぁ
  465. 大竹: 昔ね、岡宮さんの発案で 宝探し遊びをしてたんだよ
  466. 大竹: 団地の集まりで酒を飲んだ時に 盛り上がっちゃってね
  467. 大竹: こうやって自分たちで古文書を 作って…どう?結構リアルでしょ
  468. 大竹: で、行く先々に次の場所の ヒントを埋めて
  469. 大竹: 最終的に景品と交換できる 券が見つかるって趣向なんだ
  470. 伊吹 れいら: そ、そんなことを…
  471. 大竹: はははっ!童心に返って、これが なかなか楽しかったんだよ!
  472. 大竹: 奥さんには内緒の密やかな おじさんだけの遊びだったんだ
  473. 大竹: それにしても、まだ使ってない 古文書があったんだねぇ
  474. 大竹: ふむふむ、それで今日 これを使ってイベントをね
  475. 大竹: こいつはまた嬉しいね! 今、みんなどこへ?
  476. 桑水 せいか: …月のくぼみを探してます…
  477. 大竹: おーおー、思い出した! そういうの考えたなぁ~!
  478. 大竹: よし、じゃあ私も 見物に行ってくるよ!
  479. 桑水 せいか: …………
  480. 十七夜: なるほどな
  481. みたま: こういうオチね
  482. みかげ: やっぱりというか…
  483. 相野 みと: なんというか…
  484. 伊吹 れいら: …いや、これってまさに…
  485. 伊吹 れいら: 素敵なみんなが~♪ 集まる場所だよ~♪
  486. 伊吹 れいら: …だね!
  487. 相野 みと: レッツ・団地ング…!
  488. 伊吹 れいら: この団地、昔から面白い人が いっぱいいたってわけだね!
  489. 伊吹 れいら: あはは!
  490. 桑水 せいか: …ふふ…まあ、そうだね
  491. 相野 みと: うん、楽しい!
  492. 伊吹 れいら: よーし、とりあえず ネタバラシは後にして…
  493. 伊吹 れいら: 最後までお宝探し やってみよー!
  494. <しかし、彼女たちは この時点では知らなかった>
  495. <皆で団地内を掘りまくった結果 本物の土器が出土して 再開発計画に一時的ながら 足止めがされるということを…>
  496. 伊吹 れいら: 次のヒントはどんなかな~?
  497. 伊吹 れいら: あー楽しかった! 私やっぱり大好きだなこの団地!
Add Comment
Please, Sign In to add comment