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- ==Part A==
- 日朝の教室(平行世界・過去)
- ほむら転校初日の朝HR。クラスの全生徒の視線を一身に浴びながら、黒板の前に立たされているほむら。眼鏡に三つ編みの冴えない格好。必要以上に緊張し、萎縮してしまっている、見るからに気弱そうな少女である。
- 和子「はーぃ、それじゃ自己紹介いってみよー」
- ほむら「あ、あの、あああ暁美、ほ、ほむら、です。その...どうか、よよよろしくお願いします」
- 黒板にほむらの名前を書く和子。
- 和子「暁美さんは心臓の病気でずっと入院していたの。久しぶりの学校だから色々と戸惑うことも多いでしょう。みんな、助けてあげてね」
- × × ×
- 休み時間、ほむらの席に抑しかけて興味津々に質問をしてくる女子たち。
- 女子A「暁美さんつて、前はどこの学校だったの?」
- 女子B「前は部活とかやってた?運動系?文化系?」
- 女子C「すごい長い髪だよねー。毎朝編むの、大変じゃない?」
- ほむら「あの...ゎ、私、その...」
- 気弱な眼鏡ほむら、気圧されてたじたじになっている。
- そこに割リ込んでくるまどか。
- まどか「暁美さん、保健室行かなきゃいけないんでしょ? 場所、分かる?」
- ほむら「え?いいえ...」
- まどか「じゃあ案内してあげる。わたし保健委員なんだ。ーーみんな、ごめんね。暁美さんつて休み時間には保健室でお薬飲まないといけないの」
- 女子A「あ、そうだつたの?ごめんね、引き留めちゃって」
- 女子B「暁美さん、また後でね」
- まどかの気さくな取りなしで、あっさり納得して引き下がる女子たち。
- 皆の好奇心から開放されて、やや安堵するほむら。
- 口廊下
- 先に立って案内するまどか。後からおっかなびっくりついてくる眼鏡ほむら。
- まどか「ごめんね。みんな悪気はないんだけど...転校生なんて珍しいから、はしゃいじゃって」
- ほむら「いえ、その...ありがとうございます」
- まどか「そんな緊張しなくていいよ。クラスメイトなんだから」
- 優しい笑顔で、ほむらを和ませるまどか。
- まどか「あたし、鹿目まどか。まどかつて呼んで」
- ほむらでえ、そんな...」
- まどか「いいって。だからわたしも、ほむらちゃんって呼んでいいかな?」
- ほむら「...」
- まどかとの距離を測りかねて、もじもじする眼鏡ほむら。
- ほむら「...私、その、あんまり名前で呼ばれたことってなくて...すごく、変な名前だし」
- まどか「え~?そんなことないよ。なんかさ、燃え上がれ~って感じで。かっこいいと思うな」
- ほむら「...名前負け、してます」
- まどか「そんなの、勿体ないよぉ。せっかく素敵な名前なんだから、ほむらちゃんもカツコよくなっちゃえばいいんだよ」
- ほむら「...」
- 無邪気に笑うまどかに、つい気後れして俯いてしまう眼鏡ほむら。
- 口数学の授業
- 黒板に書かれた問題を前にして、まったく解けず、冷や汗まみれになる眼鏡ほむら。数学教諭、気まずい表情で、
- 数学教諭「あー、うん。君は休学してたんだっけな。友達からノートを借リておくように」
- 口体育の授業
- グラウンドの片隅に青ざめた顔で座っている眼鏡ほむら。皆が元気に走り幅跳びのスコアを競うのを、見学している。
- そんなほむらを見てヒソヒソと雑談する女子たち。
- 女子C「準備体操だけで貧血って、ヤパイよね~」
- 女子B「半年もずっと寝てたんじゃ、仕方ないんじゃない?」
- 口放課後の通学路
- 夕焼けの中一、一人、肩を落として家路につく眼鏡ほむら。自己嫌悪と劣等感で憂鬱顔。
- 脳裏を過ぎるまどかの言葉。
- まどかM 「ーーほむらちゃんもカツコよくなっちゃえばいいんだよーー」
- ほむら「無理だよ...私、何にもできない...」
- 足下だけを見つめて、周囲には注意を払わず、内省に没頭する眼鏡ほむら。
- ほむらM『人に迷惑ばっかりかけて、恥かいて...どうしてなの?私、これからもずっとこのままなの?』
- 落ち込むほむらの脳裏に、心の奥から邪悪な声が囁きかけてくる。
- 魔女M『だったらいっそ、死んだ方がいいよね』
- ほむらM『死んだ方がいいかな...』
- 魔女M『そう、死んじゃ、えばいいんだよ』
- ほむらM「死んでしまえば...』
- 眼鏡ほむら、ふと我に返り、周囲の景色が豹変しているのに気付く。
- 夕陽に照らされた帰リ道のはずが、いつの間にか彼女は魔女の結界に迷い込んでいる。
- ほむら「ど、何処なの?ここ...」
- 怯える眼鏡ほむらの前に、結界の奥の暗闇から躙リ寄ってくる魔女のシルエット。
- ほむら「な...何? 何なの!?」
- 眼鏡ほむらに襲いかかろうとした魔女の行く手を、輝く線が阻む。
- ほむらを中心にして展開されている魔法陣。狼狽えて足踏みする魔女。
- マミ「ーー間一髪ってところね」
- まどか「もう大丈夫だよ。ほむらちゃん」
- 眼鏡ほむらを庇うようにして、魔女の前に立ちはだかるまどかと巴マミ。
- ほむら「ぁ、あなたたちは...」
- 当惑する眼鏡ほむらの脚もとに、キユウベえが現れる。
- キユゥべぇ「彼女たちは、魔法少女。魔女を狩る者たちさ」
- まどか「いきなり秘密がばれちゃったね。クラスのみんなには、内緒だよ」
- まどか、マミ、同時に魔法少女スタイルに変身。タッグを組んで魔女に襲いかかる。
- 魔女「ギャアアアアア...」
- 瞬く間に倒され、消滅していく魔女。
- その鮮烈な光景に、心奪われるほむら。
- ロマミの部屋
- 腿女退治成功の祝杯とばかりお茶会をしているマミ、まどか、キュゥべぇ。
- 窮地を救われた眼鏡ほむらも招待され、シフォンケーキを振る舞われているものの、未だに面食らって萎縮している。
- ほむら「鹿目さん...いつもあんなのと戦ってるんですか?」
- まどか「んー、いつもって...そりゃマミさんはベテランだけど、わたしなんて先週キユウベえと契約したばっかりだし」
- マミ「でも今日の戦い方、最初よりずっと上手かったわよ。鹿目さん」
- マミに褒められ、えへへ、と照れるまどか。
- 眼鏡ほむらは不思議そうに、再びまどかに向けて問う。
- ほむら「...平気なんですか?恐くないんですか?」
- まどか「平気ってことはないし、恐かったりもするけれど、魔女をやっつければそれだけ大勢の人が助かるわけだし。やり甲斐はあるよね」
- ほむら「...」
- そう語るまどかを、羨望の眼差しで見つめる眼鏡ほむら。
- マミ「鹿目さんには、ワルプルギスの夜が来る前に、頑張って一人前になっておいてもらわないとね」
- 口燃えさかる市街地
- ワルプルギスの襲取を受け、炎に包まれた街の中。
- 戦って死んだマミの遺骸に、胸元で手を組ませ、沈鯵に黙祷するまどか。その背中を泣きながら見守る眼鏡ほむら。
- その向こうでは、巨大怪獄ワルプルギスが今なお破壊の限りを尽くしている。
- 立ち上がり、悲壮な決意を秘めた眼差しでワルプルギスを見据えるまどか。
- まどか「...じゃあ、行ってくるね」
- ほむら「そんな、巴さん、死んじゃったのに...」
- まどか「だからだよ。もう「ワルプルキスの佼』を止められるのは、わたしだけしかいないから」
- ほむら「無理よ! 一人だけであんなのに勝てっこない!鹿目さんまで死んじゃうよ!」
- まどか「それでも、わたしは魔法少女だから。みんなのこと守らなきゃいけないから」
- ほむら「...ねえ、逃げようよ...だって仕方ないよ。誰も鹿目さんを恨んだりしないよ...」
- 死を決意した静かな表情で、眼鏡ほむらを諭すまどか。
- まどか「ほむらちゃん、わたしね、あなたと友達になれて嬉しかった。あなたが魔女に襲われたとき、間に合って...今でもそれが自慢なの。だから魔法少女になって本当に良かったって、そう思ってるんだ」
- ほむら「...鹿目、さん...」
- まどか「さよなら、ほむらちゃん。元気でね」
- 変身し、ワルプルギスの夜めがけて突進していくまどか。
- ほむら「...嫌あ!行かないで!鹿目さあん!!」
- 口廃墟の街
- ワルプルギスによって破壊され尽くし、瓦礫の山と化した街に、しんしんと雨が降り注ぐ。
- 廃墟の中に転がっている、無惨な遺体と化したまどか。
- その前に膝をつき、雨に打たれながら号泣する眼鏡ほむら。
- ほむら「どうして...死んじゃうって分かってたのに...私なんか助けるよりも...あなたに生きててほしかったのに...」
- キユウベえ「その言葉は本当かい?暁美ほむら」
- 瓦礫の山の頂に座って、泣きじゃくる眼鏡ほむらを見下ろしているキュゥベぇ。
- キュゥべぇ「君のその祈りのために、魂を賭けられるかい?戦いのさだめを受け入れてまで、叶えたい望みがあるのならーー僕が力になってあげられるよ」
- 泣き濡れた目で、キュゥべえを見上げる眼鏡ほむら。
- ほむら「...あなたと契約すれば、どんな願いも叶えられるの?」
- キユウベえ「そうとも。君にはその資絡がありそうだ。ーー教えてごらん。君はどんな祈りでソウルジエムを輝かせるのかい?」
- ほむら「私はーー」
- 眼鏡を外して涙を拭い、決意の耐持ちで立ち上がるほむら。
- ほむら「ーー鹿目さんとの出会いを、やり直したい。彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい」
- 直後、痛みに似た衝撃に身を強張らせるほむら。
- ほむらの胸から、眩い輝きとともに浮かび上がるソウルジエム。
- キユウベえ「ーー契約は成立だ。君の祈りはエントロピーを凌駕した。さあ、解き放ってごらん。その新しいカを」
- ほむら「...」
- 宙に浮かぶ自らのソウルジェムを、恐る恐る掴み取るほむら。
- その途端、時間が逆行して過去へと遡る。
- 口夜の病院
- 病室のベッドの中で、はっと目覚めるほむら。
- ほむら「...ここは...」
- かつて入院していた病室。カレンダーには退院予定日にマーカーペンで印がしである。
- サイドテーブルには、「編転入生の方へ:市立三咲原中学校」と書かれた書類が載っている。
- ほむら「私、まだ...退院して、ない?」
- ぼんやりと寝惚け眼を擦ろうとしたところで、その手が握っているソウルジェムに気付き、驚きに目を見張るほむら。
- ほむら「...夢じゃ、ない...ツ!!」
- 口朝の教室(平行世界・過去)
- 再び、ほむら転校初日の光景。
- 和子「はーぃ、それじゃ自己紹介いってみよー」
- ほむら「暁美ほむらですっ!よろしくお願いします!」
- 黒板にほむらの名前を書こうとする和子。
- 和子「暁美さんは心臓の病気でずっと...」
- だが眼鏡ほむらは待ちかねてずかずかとまどかの席まで歩み寄り、感激の笑顔で、がっしとまどかの手を握る。
- ほむら「鹿目さん!私も魔法少女になったんだよ! これから一緒に戦おうね!」
- まどか「あ...えっと...うう...」
- 困惑するやら慌てるやらで目を白黒させるまどか。
- ただ呆然となる和子ほかクラスメイト一同。
- 口河川敷、高架橋下
- 誰もいない河原に集合しいてろまどか、マミ、眼鏡ほむら。
- 人の前に仁古びたドラム缶が置かれている。眼鏡ほむらゴルフクラブを手に緊張の面持ち。
- ほむら「それじゃ、いきます!」
- 眼鏡ほむら、魔法少女に変身。盾の砂時計が時間を止める。
- 静止した時間の中で、ひたすらゴルフクラブを振り回しドラム缶を殴りまくる眼鏡ほむら。動作はたどたどしく、何度も空振りし、一度ならず転んだりもする。
- そして時間静止解除。息が切れてへたり込んでいる眼鏡ほむらの横で、ボコボコになって転がっているドラム缶。
- まどか「どう思う?マミさん」
- うーん、と呆れ半分、困り半分に考え込むマミ。
- マミ「時間停止ねえ...:確かに凄いけれど、使い方が問題よね」
- ほむら「は、はい...」
- マミ「まず、いくら一方的に殴れるとはいえ、一発ごとの効き目がないんじゃ意味ないわ。そんな棒きれより、もっと威力のある武器を用意しないと」
- ひん曲がったゴルフクラブを見下ろし、しょんぼりするほむら。
- マミ「あと、誰も動けなかったはずなのに、ドラム缶の位置が変わってるのは、どうして?」
- ほむら「それは...私が触れたものだけ静止が解除されるんで、殴った瞬間にはドラム缶も動いちゃうわけで...」
- マミ「それだと敵にカウンターの機会を与えてしまうわ。時間を止めている問に、相手に一切触れないでダメージを与える方法を考えるべきね」
- ほむら「ゎ、わかりました...」
- 口ほむらの部屋
- 小綺麗なワンルームマンション。まだそれほど荒んだ居住空間ではない。
- テーブルのkに工具を並べ、ノートパソコン首つ引きで、パイプ爆弾を作っている眼鏡ほむら。一心不乱の真剣な熱意。ゥエブブラウザには『腹腹時計オンライン」というタイトル。
- 口魔女の結界
- まどか、マミ、眼鏡ほむらの三人組による魔女退治の光景。
- まずマミが緊縛魔術で魔女を拘束。
- その隙にまどかが弓で攻態。
- さらに眼鏡ほむらが時間を止め、おっかなびっくり魔女の足元に爆弾を仕掛けて、そそくさと走り去る。
- 時間静止解除とともに大爆発。悲鳴を上げて消滅する魔女。
- ほむら「ゃった...ゃった!」
- まどか「凄いよ、ほむらちゃん!」
- マミ「お見事ね」
- 勝利を喜ぶ魔法少女三人。結界は解けて廃工場の景色に。その床に転がるグリーフシード。
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