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- FILENAME: text_310361-1.txt
- うらら: よしっ…
- うらら: ウチならできる… 完璧にやれるんよ!
- うらら: ラビさんの夕飯の買い出しを…!
- ラビ: うららに行ってもらわなくても 大丈夫なのに…
- うらら: ラビさんは他にも行くところが あって忙しいんだし
- うらら: 買い出しくらい 手伝わせてほしいんよ!
- うらら: これでも家計を助けるために
- うらら: 地元では近くのスーパーを 何軒も回ってた買い物上手なんよ
- ラビ: …そこまで言うなら、わかった
- ラビ: このリストに書いてある食材を 買ってきて欲しい
- うらら: わかったんよ!
- うらら: (アジの開き3尾、もやし1袋に 豆腐と味噌…)
- うらら: まずは野菜売り場から回るんよ
- 「ただいまよりタイムセール開始でーす! 今日の目玉商品! 牛バラ肉3パックでなんと500円! 500円きっかりなのは今から1時間だけ!」
- うらら: 破格なんよ…! 買うしかないんよ!
- うらら: なんとか確保できたんよ!
- うらら: あ、そうだ ラビさんから頼まれてたのは…
- 「ただいまより野菜売り場でも タイムセール開始でーす!」
- 「なんともやしは1袋5円! さらに玉ねぎ、人参、じゃがいもがセットの 超お得な“今夜はカレー応援セット”も 数量限定で販売します!」
- うらら: 数量限定…!? 行ってみるんよ!
- うらら: こんなにお得に たくさん買えたんよ!
- うらら: ラビさん… きっと褒めてくれるんよ!
- うらら: お待たせなんよ!
- アレクサンドラ: こんにちは、うららちゃん♪
- 旭: これで全員揃ったでありますな そろそろ報告を始めるであります
- うらら: ラビさん、ラビさん! 見て欲しいんよ!
- 旭: む…?
- うらら: 今日は牛肉入りのカレーなんよ!
- ラビ: …カレー?
- うらら: ちょうどスーパーで タイムセール中だったから
- うらら: 色々とお得に買えたんよ!
- アレクサンドラ: ラビちゃんのおつかいに 行ってたんですね
- アレクサンドラ: えらいえらい♪
- うらら: ニパッ
- うらら: (ラビさんの役に立てて 嬉しいんよ)
- ラビ: …おつかいありがとう、うらら
- ラビ: それで…リストに書いていた 食材は買えた?
- うらら: …………あっ
- うらら: ごめんなさいなんよ… すっかり忘れてたんよ…
- 旭: おや…
- うらら: ウチ、買い直してくるんよ!
- ラビ: 大丈夫、今夜はカレーにする
- ラビ: 那由他もみかげさんも カレーは好きだから問題ない
- うらら: でも…!
- ラビ: 大丈夫だから
- うらら: うぅ… 本当にごめんなさいなんよ…
- うらら: (ラビさんの役に立って 褒めてほしかったのに…)
- ラビ: 失敗は誰にでもあるから 気にしなくていい
- ラビ: ただ…うららはよく考えずに 行動してしまうときがあるから
- ラビ: もう少し自分をコントロール できるよう、心がけてみてほしい
- うらら: わかったんよ…
- うらら: (ウチもラビさんたちみたいに)
- うらら: (周りを見て、落ち着いて 行動できるようになりたいんよ)
- 旭: それではそろそろ報告を 始めるでありますよ
- うらら: あ、今日はウチから 報告があるんよ
- うらら: 実は1日だけ、 湯国市に戻ろうと思ってるんよ
- ラビ: 何か外せない用事?
- うらら: 大道芸人としてお世話になった 芸能事務所を辞めるから
- うらら: 最後にちゃんと挨拶しに 行きたいんよ
- 旭: …それは大事なことでありますが ひとりで大丈夫でありますか…?
- うらら: 大丈夫なんよ! ウチ、子どもじゃないんよ!
- うらら: おつかいは失敗しちゃったけど…
- うらら: 事務所に挨拶しに行くくらい ひとりでできるんよ!
- アレクサンドラ: そうじゃなくて…
- アレクサンドラ: 湯国市では、うららちゃんは 学生を中心に知られた有名人だし
- アレクサンドラ: 魔法少女撲滅派の人たちに 察知されるかもしれません…
- うらら: あ…
- ラビ: もしもの時に備えて 付き添わせてほしい
- うらら: …わかったんよ よろしくお願いするんよ
- FILENAME: text_310361-2.txt
- <湯国市>
- うらら: ほら! 何にも起きないんよ!
- ラビ: いまのところはそうだけど 事務所までは一緒に行く
- うらら: もうっ! ウチは中学生なんよ!?
- うらら: 子ども扱いしないでほしいんよ!
- ラビ: 湯国市が魔法少女にとって 危険な場所なのはわかってるはず
- ラビ: 子ども扱いとは違う
- うらら: してるんよ!
- うらら: 今日だって合流してすぐに 忘れ物がないか確認されたんよ
- ラビ: うららは忘れ物が多いから
- うらら: うぅ…でもちょっとずつだけど 減ってきてるんよ
- うらら: 今日も、なくさないように 家の鍵をお財布に入れてきたし…
- うらら: …って、お財布が なくなっちゃったんよ!?
- ラビ: え?
- うらら: どうしようどうしよう! 探さないといけないんよ…!
- うらら: マネージャーさんに連絡して 助けに来てもらうんよ…!
- うらら: あぁでもその前に 交番のほうがいいのん…!?
- うらら: もし見つからなかったら… お母さんに何て言えば…!
- ラビ: …うらら、見つけた
- うらら: ――っ!?
- ラビ: 来た道を少し戻ったら落ちていた
- うらら: ありがとうなんよラビさん…! 本当に助かったんよ…
- ラビ: さっきカバンからスマホを 出したときに
- ラビ: 落ちたのかもしれない
- ラビ: やっぱり一緒に来て正解だった
- うらら: うぅ…何も言えないんよ…
- ラビ: それじゃ、近くで待ってるから
- うらら: わかったんよ 行ってくるんよ!
- うらら: こんにちはなんよ
- うららのマネージャー: うらら!
- うららのマネージャー: たまには連絡しろよ 心配するだろう?
- うらら: ごめんなさいなんよ…
- うららのマネージャー: まぁいいさ、わざわざこうして 来てくれたんだしな
- うららのマネージャー: それで…本当に辞めるんだな?
- うらら: なんよ…
- うららのマネージャー: いやぁ…もったいないなぁ
- うららのマネージャー: くららと一緒に
- うららのマネージャー: 大道芸人コンビとして 売り出してきたが
- うららのマネージャー: 最近はコンビのトークや MCの仕事も好評で
- うららのマネージャー: タレント活動も順調だったのに…
- うらら: そう言ってもらえるのは ありがたいけど
- うらら: もう決めたことなんよ…
- うららのマネージャー: …お前なら大道芸を武器にして
- うららのマネージャー: ピンのタレントとしても やっていける素質がある
- うららのマネージャー: くららとのコンビ解消くらいで 引退を決めるのは惜しいぞ…
- うらら: …………
- うららのマネージャー: それにくららも、 今はムキになってるが
- うららのマネージャー: 冷静になれば
- うららのマネージャー: コンビを復活させたいって 言ってくるかもしれないだろ
- うらら: …くららは元気にしてるのん?
- うららのマネージャー: ああ、元気だよ 連絡取ってないのか?
- うらら: うん…コンビを解消してからは 返信がないんよ…
- うららのマネージャー: バスの転落事件は お前のせいじゃないのになぁ
- うらら: …………
- うらら: 少し前、湯国市で 魔法少女の存在がみんなに知れ渡ったことを きっかけに、ある騒動が起きた
- うらら: 魔法少女を擁護する人たちと 撲滅を望む人たちが対立することになったけど 騒ぎはやがて、和解に向かっていった だけど魔法少女を擁護する人たちが乗ったバスが 山から転落して、関係者が大勢亡くなった…
- うらら: その事件をきっかけに、ウチは魔法少女になった
- うらら: でも…そんなウチのせいで、相方だったくららは 魔法少女の撲滅を先導する立場になった…
- うらら: …ひどい別れ方だったし またコンビに戻れるなんて思わないけど ウチはくららが好きだった
- うらら: せめて誤解を解いて、仲直りしたかったけど…
- うらら: …真相がどうであれ、ウチはもう ここにはいられない
- うらら: 引退の意思は変わらないんよ
- うららのマネージャー: …うららの考えはわかったよ
- うららのマネージャー: ただ…最後にひとつ、仕事を 受けてくれないか?
- うらら: 何なんよ?
- うららのマネージャー: 子どもたちを相手に
- うららのマネージャー: 1日だけ、ディアボロ教室の コーチをやってほしいんだ
- うらら: ウチが…?
- うららのマネージャー: 子どもたちに知名度があって ディアボロを教えられる有名人!
- うららのマネージャー: と言えば、やっぱり うらら&くららのふたりだからな
- うらら: くららはどうなのん…?
- うららのマネージャー: それが、急な仕事でな
- うららのマネージャー: アイツはもう別の仕事が入ってて こっちも困ってるところなんだ
- うららのマネージャー: うららの親御さんにはもう 承諾をもらってるから
- うららのマネージャー: 仕事を受けるかどうかは うらら次第なんだが…どうだ?
- うらら: …そういうことなら受けるんよ
- うらら: マネージャーさんが困ってて ウチが助けられるならやるんよ!
- うららのマネージャー: 助かるよ!
- うららのマネージャー: ただ、申し訳ないことに
- うららのマネージャー: 急な話で、スタッフもあんまり 揃えられないんだが…
- うらら: ウチひとりでもやれるから 任せてほしいんよ!
- FILENAME: text_310361-3.txt
- <ディアボロ教室 当日>
- うらら: …というワケで、始まるんよ!
- うらら: 「うららのディアボロプレイルーム!」
- うらら: みんな、今日は参加してくれて ありがとうなんよー!
- みんな: わぁ…!
- 本物のうららちゃんだー!
- あれ、うららちゃんだけ? くららちゃんは?
- 今日はうららちゃんだけって ママが言ってたよ
- え~、くららちゃんに 会いたかったのにぃ…
- うらら: …そんな寂しいことを言う子は まずはこのトリックを見るんよ!
- うらら: それっ!
- うらら: ―うらら― “うららスペシャル”なんよ!
- わぁー! うららちゃんだけができるヤツだ!
- すげえ、どうなってんの!?
- もう1回やってみせて!
- うらら: ―うらら― 慌てなくても 何度でも見せてあげるんよ!
- 旭: 初めて見たときは
- 旭: ディアボロとヨーヨーの区別も つかなかったでありますが
- 旭: 何度も見るうちに、面白さが わかってきたでありますよ
- アレクサンドラ: マネージャーさんに頼んで 見学させてもらえてよかったです
- アレクサンドラ: うららちゃんも楽しそうですし 安心しました♪
- ラビ: 湯国市での仕事と聞いて 心配したけど、杞憂かもしれない
- うらら: うららスペシャルをやるにも 他の難しいトリックをやるにも
- うらら: 基本的な動作が身についてる ことがすっごく大事なんよ!
- うらら: だから今日はみんなに 基本から教えていって
- うらら: 少しずつ難しいトリックを 伝授するんよ!
- みんな: 「よろしくおねがいしまーす!」
- アレクサンドラ: なんだか雲行きが 怪しいですよ…?
- ラビ: …………
- うららちゃん、 このトリックできないよぉ
- 私はできたよ!
- オレも!
- うらら: じゃあもう1回、トリックを やってみせるから真似するんよ!
- 見るだけじゃわからないから ひとつずつ教えてほしいの!
- うらら: ひとつずつ…って言われても…
- うらら: (体が自然に動くから 説明なんかできないんよ…)
- うらら: えっと、うーん…
- ピピー!
- 今からお昼休憩になりまーす
- 1時間取りますので、それぞれ お弁当を食べてくださーい
- みんな: はーい!
- うららちゃん、あとでね!
- うらら: あ、うん…
- うらら: …………
- 旭: うららは外で休憩でありますか?
- アレクサンドラ: 私たちも行きましょう
- うらら: はぁ…
- ラビ: …前半戦、お疲れさま
- うらら: あ、ラビさん…! ありがとうなんよ…
- アレクサンドラ: ひとりでもよく頑張ってましたね
- うらら: うん…でも、困ってるんよ
- うらら: ウチの教え方だと ついてこれない子がいて…
- うらら: トリックを見れば、みんなすぐに 真似できると思ってたんよ…
- 旭: 説明はできないのでありますか?
- うらら: できたらいいんだけど ウチは上手じゃなくて…
- ラビ: …………
- うららのマネージャー: おーい、うらら 弁当食べないのかー?
- うらら: あ、マネージャーさん…
- ラビ: …あの、さっき子どもたちの 練習風景を撮ってましたよね?
- うららのマネージャー: ああ、プロモーション用にね
- ラビ: 見せてもらえませんか?
- うららのマネージャー: 構わないよ はい、どうぞ
- ラビ: …………
- ラビ: うらら、さっき教えてた トリックを見せてくれる?
- うらら: え、いいけど…
- うらら: それっ!
- ラビ: …………
- ラビ: ―ラビ― ディアボロをやったことがないから 見当違いのことを言うかもしれないけど
- ラビ: ―ラビ― このトリックを失敗した子どもたちは うららと少し手首の角度が違う気がする
- アレクサンドラ: ―アレクサンドラ― あ、言われてみれば…
- アレクサンドラ: ―アレクサンドラ― それにほんの少しですけど タイミングも遅い気がします
- 旭: ―旭― そうでありますな うららのほうが手首の返しが早いであります
- ラビ: ―ラビ― 習熟度の違いはあるだろうけど
- ラビ: ―ラビ― ポイントを押さえてあげれば 子どもたちもできるようになるかもしれない
- うらら: ―うらら― …………!
- うらら: ―うらら― (ラビさんもサーシャさんも旭さんも すごい…!)
- うらら: ―うらら― (ウチ、そんなふうに分析したことなんて 全然なかったんよ…!)
- うららのマネージャー: …うらら、氷室さんたちにも 手伝ってもらわないか?
- うらら: へ?
- アレクサンドラ: 私たちが…?
- 旭: でも、我々は皆 未経験者でありますが…
- うららのマネージャー: それでもよく観察できてるし
- うららのマネージャー: 少しでいいから、スタッフとして 手伝ってもらえないかな
- うららのマネージャー: ちゃんとギャラも出すから
- うらら: ウチからもお願いするんよ!
- FILENAME: text_310361-4.txt
- ピピー!
- うらら: みんなー! 休憩は終わりなんよ!
- うらら: 後半はこのお姉さんたちにも お手伝いしてもらうんよ!
- ラビ: …よろしくお願いします
- みんな: 「よろしくおねがいしまーす!」
- うらら: それじゃあ 練習再開なんよ!
- できた…!
- 私もできたよ!
- うらら: みんなすごいんよ!
- うらら: まさかこんなに上達するなんて ウチの想像以上なんよ!
- ありがとう、うららちゃん!
- うらら: どういたしましてなんよ
- お姉ちゃんたちもありがとう! すごくわかりやすかった!
- ラビ: …どういたしまして
- アレクサンドラ: みんなの笑顔のお手伝いが できましたね、ふふっ♪
- 旭: 大成功でありますな
- うららちゃん! 今日はありがとう!
- うらら: (あ、ウチが一番教えるのに 時間がかかっちゃった子…)
- うらら: (上級者で、やる気もあったのに 悪いことしちゃったんよ…)
- うらら: …今日の教室は どうだったのん…?
- すごく楽しかったし 勉強になったよ!
- うらら: そう…良かったんよ!
- 今日教えてもらったトリックで 今度の大会、優勝したいな!
- うらら: うん、応援してるんよ!
- うららのマネージャー: お疲れ、うらら!
- うららのマネージャー: 氷室さんたちも 手伝ってくれて助かったよ
- ラビ: どういたしまして
- うらら: 本当に助かったんよ ありがとうなんよ!
- 旭: うららの役に立てて 本望であります
- アレクサンドラ: 湯国市までついてきた甲斐が ありましたね
- うらら: うん… 本当に…
- うらら: …………
- うらら: (うまくいったのはよかったけど ウチの力じゃない…)
- うらら: (みんなを満足させられたのは ラビさんたちのおかげなんよ…)
- ラビ: うらら…?
- うらら: あ、ううん…
- うらら: ひとりでできるつもりだったけど ウチはやっぱりまだまだだなって
- アレクサンドラ: うららちゃんだって 頑張ってたじゃないですか
- うらら: それは、そうなんだけど…
- うらら: (人に教えたり、説明するのは くららのほうが上手だったから)
- うらら: (くららの方が、ウチよりずっと 上手に立ち回れたはずなんよ…)
- うらら: …………
- うらら: (くらら…)
- うらら: (また思い出してしまったんよ)
- うらら: (…あれっきりでお別れなんて 寂しすぎるんよ…)
- 旭: そんなに落ち込まなくても いいでありますよ
- ラビ: …それとも、他にも何か 気になることがある?
- うらら: あ、ううん! 全然そんなことないんよ!
- うらら: …………
- ラビ: …………?
- うらら: あの子のこと… やっぱり思い出しちゃうんよ
- FILENAME: text_310362-1.txt
- <ディアボロ教室から数日後>
- <湯国市>
- ラビ: 財布はちゃんとある?
- うらら: ちゃんと持ってるんよ…! 同じ失敗はしないんよ!
- うらら: …………
- うらら: ラビさんがついてきてくれるのは 心強いし、嬉しいけど…
- うらら: 今日は退所手続きの書類を 受け取るだけなんよ
- ラビ: でも、事務所に持って行く お菓子を忘れそうだった
- うらら: うっ…そうだったんよ…
- ラビ: 本当に今日を最後の挨拶にする なら、しっかりしないと
- うらら: うん… しっかりしないとなんよね…
- うらら: ウチひとりじゃ全然ダメだから…
- ラビ: …………
- ラビ: ディアボロ教室の日に 何かあった?
- うらら: え…?
- ラビ: 私には、あの日からうららが 落ち込んでるように見える
- ラビ: うまくコーチできなかったのを 悔やんでるのかと思ったけど
- ラビ: それ以外にも理由がある…?
- うらら: な、何もないんよ! ラビさんの勘違いなんよ…!
- ラビ: それならそれで構わないけど これだけは言わせてほしい
- ラビ: あなたは私の大切な仲間
- ラビ: 無理にとは言わないけど… 話して楽になるなら話してほしい
- うらら: …………
- うらら: やっぱりラビさんには 隠せないんよ…
- うらら: …ディアボロ教室のときに
- うらら: ウチよりくららの方が教えるのが 上手だったなって思って…
- ラビ: うららとコンビを組んでた子…
- うらら: うん…それでくららのことを 思い出して、寂しくなったんよ…
- くらら: うらら&くららの大道芸人コンビ 今日から結成ね!
- うらら: よろしくなんよ!
- うらら: ふたりで世界一のコンビになって
- うらら: ディアボロの演技で 世界中の人を笑顔にするんよ!
- くらら: 頑張ろうね、うらら
- うらら: コンビはもう解消したけど
- うらら: せめて誤解を解いて 仲直りくらいしたかったんよ…
- ラビ: …あの子はいま、湯国市で 魔法少女の撲滅を先導する立場
- ラビ: 魔法少女になったうららの話に 聞く耳を持つとは思えない…
- うらら: あの事件のときはショックで ウチもくららも冷静じゃなかった
- うらら: ずっと一緒に活動してきた 親友だから
- うらら: 今なら冷静にウチの話を 聞いてくれるかもしれないんよ
- ラビ: …その可能性は 万にひとつもないと思う
- ラビ: 元の関係に戻るのは 諦めたほうがいい
- うらら: …………
- うらら: (でもウチは…くららとまた 話せるようになりたいんよ…)
- うらら: 到着なんよ!
- ラビ: 私は近くで待ってるから 終わったら呼んで
- うらら: わかったんよ
- うららのマネージャー: …あ、うらら…!
- うらら: あれ、マネージャーさん? どうしたんよ
- うららのマネージャー: 悪いがここで待っててくれないか 今、取り込み中でね…
- うらら: …?
- くららの声: なんであの子がここに来るのよ! 辞めたんじゃないの!?
- うらら: ――っ!?
- うらら: (くららの声…!)
- うららのマネージャー: 鉢合わせしないように 調整してたんだが
- うららのマネージャー: 収録終わりに、急にくららが 事務所に寄ってなぁ…
- うらら: …………
- うらら: (あの子と直接話せるチャンス… これを逃したらきっとないんよ)
- ラビ: …うらら、何を考えてる…?
- うらら: ラビさん… ウチ、決めたんよ
- ラビ: …悪いことは言わない 彼女とはもう接触しない方がいい
- うらら: でもウチ、諦められないんよ…!
- うらら: …マネージャーさん!
- うららのマネージャー: どうした?
- うらら: 今から、くららと直接 話をさせてほしいんよ…!
- FILENAME: text_310362-2.txt
- くらら: …………
- うらら: …………
- くらら: ふたりっきりにさせるなんて どういうつもり…?
- くらら: まさか私に危害を加えようって いうんじゃないでしょうね…
- うらら: ち、違うんよ…! ウチはただ話を聞いてほしくて…
- くらら: 私の気持ちも考えずに?
- くらら: ホント自分勝手
- くらら: 魔法少女の話なんて 聞く価値もないわ
- うらら: うぅ…
- うらら: (…ラビさんの言う通り)
- うらら: (普通に話せる仲には 戻れないのかもしれないんよ…)
- うらら: (…でも)
- うらら: …ウチは、 魔法少女としてじゃなく
- うらら: ひとりの人間…有愛うららとして くららと話したかっただけなんよ
- くらら: 「貧乏な家計を支えるためにも コンビを復活させたい」って?
- うらら: そんな話じゃないんよ…!
- くらら: …………
- くらら: …なら手短に済ませて この後も仕事があるから
- うらら: うん…
- うらら: …………
- うらら: 本当にあの事件のことは ごめんなさいなんよ…
- うらら: ウチの考えなしのせいで 大勢の人を救えなかったし
- うらら: くららを 傷つけることになったから…
- くらら: …………
- うらら: でも、これだけは わかってほしいんよ…
- うらら: ウチは…くららのことを 親友だと思ってるんよ
- うらら: くららのことが好きだから… 失いたくなかったんよ…!
- うらら: だから…せめて普通に 話せるようになりたいんよ…
- くらら: …………
- くらら: …ホント、周りが見えてないし 最後まで自分勝手
- くらら: そういうところが 昔から気に入らなかったのよ
- うらら: …え?
- くらら: 天才のあんたに追いつくために
- くらら: 私がどれだけ必死に 練習してたかわかる?
- うらら: くららが努力家なのは もちろんわかってるんよ
- うらら: だからたくさん練習して
- うらら: 早くふたりで難しいトリックを 決めようって…
- くらら: パッと真似できる天才のあんたに 急かされる身にもなってよ
- くらら: 悪気がなかったのは知ってるけど だからムカつくんじゃない
- うらら: ……………
- くらら: …天才のあんたと組んで 有名になれるのはありがたかった
- くらら: チケットは飛ぶように売れたし
- くらら: 私じゃ絶対出場できない大会で 優勝することだってできたから
- くらら: だけど、いつもいつも 私は「うららじゃない方」…
- くらら: 能天気に笑ってるあんたの横で 私がどんな想いだったか
- くらら: 想像したこともないでしょう?
- くらら: その証拠が 今日の押しかけだもんね?
- うらら: う、ウチはそんなつもりじゃ…!
- くらら: それで親友? かけがえのない存在?
- くらら: 笑わせないでよ
- うらら: …………
- うらら: ご、ごめんなさいなんよ…
- うらら: ウチはただ…くららと わかりあいたかったんよ…
- くらら: …こんな私を、あんたが 慕ってくれてたのは知ってたわよ
- くらら: 私を助けたあんたの不幸を願う 私も、クズだってことも…
- うらら: くらら…………
- くらら: だけどもう、無理
- くらら: あんたといる限り
- くらら: 自分の心の醜さを いやでも思い知らされるから
- うらら: …………
- くらら: コンビを解消したのは いいきっかけだったわ
- くらら: あんたが魔法少女になったことは 関係なく、ね
- うらら: …そんなぁ…………
- くらら: 今まであんたに頼ってきたけど これからは私の実力でのし上がる
- くらら: だから…もう私に関わらないで
- くらら: さよなら
- うらら: …………
- FILENAME: text_310362-3.txt
- うらら: …………
- コンコン
- うらら: あっ… どうぞなんよ!
- うららのマネージャー: どうだ…? ちゃんと話せたか?
- うららのマネージャー: 悪いな、 あまり時間を取ってやれなくて…
- うらら: 構わないんよ
- うらら: お互いに… …話したいことは、話せたんよ…
- うららのマネージャー: そうか、なら良かったよ
- うららのマネージャー: 仲直りはちゃんとできたのか?
- うらら: …………
- うららのマネージャー: …まぁ、そう全部うまくは いかないよなぁ…
- うらら: …マネージャーさん
- うらら: くららがウチのことを どう思ってたか知ってたのん…?
- うららのマネージャー: ははは、全部は知らないよ
- うららのマネージャー: くららはプライドが高くて 弱音なんて絶対吐かないからな
- うららのマネージャー: でも、どう思ってたかは 察してたつもりではある
- うららのマネージャー: 天才のうららとコンビを組んで 常に比較されながら
- うららのマネージャー: うららの背中を追って…
- うららのマネージャー: プライドが高いのもあって しんどかったときもあるだろうな
- うらら: …………
- うららのマネージャー: それに、公演で少しでも 失敗したときなんかは
- うららのマネージャー: うららと自分のことを比べて 卑屈になってたこともあったしな
- うらら: ――っ!?
- うらら: …それって、いつも…?
- うららのマネージャー: まぁ珍しいことじゃなかったよ
- うらら: (知らなかったんよ…)
- うらら: (強くて、しっかりしてて 全然へこたれないくららが…)
- うららのマネージャー: くららがかなり時間をかけて 習得したトリックを
- うららのマネージャー: うららが一発で 真似してみせたときは
- うららのマネージャー: かなり落ち込んでたから さすがに心配したよ
- うらら: あ…
- うらら: (ウチのせいで…)
- うららのマネージャー: でも、うららが 気にすることじゃない
- うららのマネージャー: アイツは才能の差を埋めるために ずっと努力してきた
- うららのマネージャー: その努力こそが アイツの才能なんだ
- うらら: うん…
- うららのマネージャー: それに、うららの才能は ディアボロの技術だけじゃない
- うららのマネージャー: 家族を支える苦労を見せずに
- うららのマネージャー: 常に笑顔で 周りを明るくできるのも才能だ
- うららのマネージャー: くららだって、うららに救われた ときがあったはずだぞ
- うらら: だと…いいけど…
- うらら: (ウチはくららのことを 本気では考えられてなかった…)
- うらら: (くららの言う通り、ウチはただ 自分勝手だったんよ…)
- ピロン♪
- うらら: あ…
- うらら: (ラビさん… 心配してくれてる…)
- うらら: …ラビさんを待たせてるから ウチ、そろそろ行くんよ
- うらら: マネージャーさん 本当に今までありがとうなんよ
- うららのマネージャー: 困ったことがあれば 相談に乗るから
- うららのマネージャー: いつでも遊びにおいで
- うらら: …うん…
- うらら: …………
- ラビ: うらら…
- うらら: 待たせてごめんなさいなんよ もう用事は終わったんよ…
- ラビ: …戻ろう、神浜市に
- うらら: うん…
- FILENAME: text_310362-4.txt
- うらら: …………
- ラビ: …………
- うらら: ラビさん、何も聞かないのん…?
- ラビ: …正直に話せば、聞いてあげたい
- ラビ: 湯国市でも言ったけど あなたは大切な仲間
- ラビ: だから話して楽になることなら 話してほしい
- ラビ: でも、無理にとは言わない…
- うらら: …本当にラビさんは大人なんよ
- ラビ: そんなことはない
- うらら: ううん、ウチとは大違いなんよ…
- ラビ: 大人なんかじゃない
- ラビ: …踏み込んであげたいけど
- ラビ: 不用意にあなたを 傷つけたくないだけ…
- うらら: …………
- うらら: …………
- うらら: ウチも…くららを傷つける つもりなんてなかったんよ…
- うらら: ウチは…ただ… わかってほしくて…
- うらら: くららを忘れられなくて…
- ラビ: …………
- ラビ: …おいで、うらら
- うらら: …っ!
- うらら: ―うらら― ウチ…ずっとくららに 嫌な思いをさせてたんよ
- うらら: ―うらら― なのにウチは気づかないで 一方的に親友だなんて言って…!
- うらら: ―うらら― 魔法少女への誤解なんかじゃない…
- うらら: ―うらら― もっと根本的なところで ずっとウチらはすれ違ってたんよ…
- ラビ: ―ラビ― うん…
- うらら: ―うらら― ウチ、最低なんよ…!
- うらら: ―うらら― 大好きなくららにひどいことをしてた自分が 許せないんよ…!
- ラビ: ―ラビ― …………
- ラビ: …うららだって、まったく 考えがなかったわけじゃない
- ラビ: うららなりに、あの子のことを 考えて行動してたのに
- ラビ: それも否定されるのは忍びない
- うらら: でも…!
- ラビ: あの子だって、うららの気持ちを 考えずに行動したことはあるはず
- ラビ: 一方的にうららが悪く言われる 筋合いはないと、私は考える
- うらら: でも…こうなった結末は もう変えられないんよ…
- ラビ: …そう 起きたことは変えられない…
- ラビ: うららとあの子はこれからはもう 決して交わらないだろうし
- ラビ: 元の関係に戻ることもない
- うらら: …ぐすっ…
- ラビ: …うららは苦しい…?
- うらら: うん…
- うらら: くららの気持ちに気づけなかった ことが悔しいんよ…
- うらら: 苦しいんよ…!
- ラビ: “苦しみ”を否定するんじゃなく どうすれば乗り越えられるか
- ラビ: 乗り越えるために何ができるか 考えてみるといい
- ラビ: そうすれば、今は不甲斐なくても 成長した自分になれると思う
- うらら: そうなのん…?
- ラビ: …私が個人的に思っているだけ
- ラビ: でも、うららに 乗り越えて欲しいから伝えた
- うらら: …ぐすっ… ラビさん…
- うらら: (やっぱりラビさんはいつだって 頼りになる存在なんよ…)
- うらら: (ウチもいつかこんなふうに なりたいんよ…)
- うらら: ありがとう、ラビさん…
- うらら: ウチに何ができるのか まだわからないけど…
- うらら: ラビさんの期待に応えられる ように、頑張るんよ…
- ラビ: その意気
- ピロン♪
- うらら: こんなときに誰からなんよ…
- うらら: え…マネージャーさんから?
- うらら: ………… これは…
- うらら: でも、なんでウチに…?
- うらら: ウチにできることなんて あるのん…?
- FILENAME: text_310363-1.txt
- <翌日>
- <湯国市>
- うらら: 待ち合わせの場所は ここなんだけど…
- あ、うららちゃん!
- 来てくれてありがとう!
- うらら: あれ、ウチのディアボロ教室に 参加してくれてた…
- うん、れいって言うの
- れい: もう1回うららちゃんに 教わりたくて
- れい: ディアボロ教室の人に 連絡してみたら
- れい: うららちゃんはもうコーチを しないって言われちゃって…
- れい: でも諦められなくて 何回も電話したら
- れい: うららちゃんのマネージャーって 人に連絡してもらえたんだ
- うらら: ウチもマネージャーさんから 聞いてびっくりしたんよ
- うらら: それで、どうしてまたウチに ディアボロを教わりたいのん?
- れい: この間教えてもらったトリックを 大会で決めたんだけど
- れい: あれだけじゃ 決勝まで残れなかったの…
- れい: だからもっと難しいトリックを うららちゃんに教わりたいの!
- うらら: 優勝できなくても、トリックを カッコよく決められるだけで
- うらら: ウチは楽しいと思うんよ
- れい: それじゃダメなの! あの子に大会で勝つには…
- ラビ: あの子とは…?
- れい: すごく難しいトリックを あっさり決めちゃう子がいて…
- れい: 天才…なんだろうけど 私と同い年だって気づいて
- れい: 絶対に負けたくないって 思っちゃったんだ
- うらら: …………
- れい: お願いうららちゃん! うららスペシャルを教えてよ!
- れい: うららちゃんが小学生のときに 編み出したトリックなら
- れい: 私にもきっとできるよね!?
- うらら: 教えるのは構わないけど…
- うらら: あれはもともと、コマボロウさん って大道芸人さんの演技を参考に
- うらら: トリックの組み合わせを 変えてみたものなんよ
- うらら: だからまずはコマボロウさんの 演技を真似てみるのがいいんよ!
- うらら: たしか動画が上がってるはず…
- うらら: …あ、ほら これなんよ!
- れい: …………
- うらら: どうかしたのん…?
- れい: できなかったの…
- うらら: え…?
- れい: 私、もうやってみたの… この人の動画の真似…
- れい: でも、全然できなくて…
- れい: うららちゃん、小学生だったのに すぐに真似できたんだよね?
- れい: やっぱり、できる人って 最初から違うんだ…
- うらら: あ…!
- うらら: よっと!
- くらら: え、そのトリック…!
- うらら: くららの新しいトリックを 真似したんよ!
- くらら: …へぇ もうできるようになったんだ…
- うらら: 次の公演で、カッコよく 一緒に決めるんよ!
- くらら: うん…
- くらら: …その、早く覚えるコツとか あるの?
- うらら: え、うーん… よーく見ることと、やる気…?
- くらら: 何ソレ、意味わかんない ホントうららっぽくて笑っちゃう
- くらら: …………
- うらら: ほら、くらら! 公演に向けて練習するんよ!
- くらら: …ハイハイ
- うらら: (きっとあのときのくららも)
- うらら: (ウチに追いつこうと 必死で努力してたのに)
- うらら: (ウチは無神経なことを言って 傷つけてたんよ…)
- うらら: …………
- うらら: …ラビさん
- ラビ: うん…
- うらら: くららの気持ちに気づけなかった ウチの後悔を否定しないで
- うらら: 乗り越えて成長するために 何ができるのか…
- うらら: ウチ、わかった気がするんよ
- ラビ: それならあとはやるだけ
- うらら: うん…!
- うらら: ごめんなんよ…
- うらら: ウチじゃ、すぐにはトリックの コツを教えてあげられないんよ
- れい: そっかぁ…
- うらら: でも、これから一緒に練習して
- うらら: わからないこと、知りたいことを 教えられるように頑張るんよ!
- うらら: だから、コーチを やらせてほしいんよ!
- れい: いいの…!?
- うらら: もちろんなんよ! 一緒に頑張るんよ!
- ラビ: …………
- うらら: それで、そのぉ…
- うらら: ウチだけじゃうまく教えられるか 不安なんよ…
- ラビ: …こうなったら、 最後まで付き合う
- うらら: …………! ありがとうなんよ、ラビさん!
- FILENAME: text_310363-2.txt
- …カラン!
- れい: あっ… また失敗しちゃった…
- うらら: ううん…おかしいんよ
- うらら: 今のは成功しそうだったのに 何かが違ったんよ…
- うらら: 1回、ウチがやってみせるんよ!
- うらら: こうして…
- うらら: こうなんよ!
- れい: 見せてくれた通りにやったつもり だったんだけど…
- れい: どこが違うのかなぁ
- うらら: えーと、それは…うぅん…
- ラビ: …手首を切り返すタイミングが 遅かった気がする
- うらら: タイミング…
- うらら: そうなんよ! もっとリズムよくやるんよ!
- れい: わかった!
- うらら: ありがとうなんよ、ラビさん
- ラビ: 適切なアドバイスか わからないから
- ラビ: ちゃんとうららが見てあげて
- うらら: 任せるんよ!
- れい: …………
- れい: えいっ!
- れい: ――っ!? できた!
- れい: 初めてできたよ!
- うらら: うん、ちゃんと見てたんよ! とってもカッコよかったんよ!
- れい: ありがとう、うららちゃん!
- れい: これ、決まると すっごく気持ちいいし楽しい!
- うらら: その気持ち、 忘れないでほしいんよ
- うらら: ディアボロは演技する人も
- うらら: 見てる人も楽しくなれるのが 醍醐味なんよ
- うらら: 大会に優勝することも 大事かもしれないけど…
- うらら: 楽しむ気持ちを 忘れないでほしいんよ
- れい: うん…!
- れい: よーし、もう1回やってみるね!
- うらら: うん!
- うらら: どんどん成功させて、 トリックを自分のものにするんよ
- れい: あ、そうだうららちゃん
- れい: このトリックの後に、もうひとつ 続けてみたいのがあって…
- うらら: どれなのん?
- ラビ: …………
- ~~♪~~♪
- 旭: ラビ、拠点にいるでありますか?
- ラビ: いや、湯国市にいる
- 旭: あぁ…先日連絡があったという 女の子のコーチでありますか
- ラビ: ええ
- ラビ: 予定ではそろそろうららと そちらに戻るつもりだったけど
- ラビ: もう少しかかりそう
- アレクサンドラ: 長引いてるんですか…?
- アレクサンドラ: うららちゃん、 また苦戦しているとか…?
- ラビ: むしろ、その逆
- ラビ: 順調すぎて、うららもあの子も ディアボロの練習を楽しんでる
- 旭: それは良かったでありますな
- アレクサンドラ: うららちゃん…
- アレクサンドラ: くららちゃんとのことは 少しは吹っ切れたでしょうか…?
- ラビ: そう簡単にはいかない
- ラビ: それでも… もう大丈夫そうに見える
- うらら: じゃあ、最初から通して 演技してみるんよ!
- れい: わかった!
- うらら: 次は動画を撮影するから
- うらら: 改善できそうなポイントを ふたりで探すんよ
- れい: じゃあ行くよ…!
- うらら: ファイトなんよ!
- FILENAME: text_310363-3.txt
- 「それでは、エントリーナンバー9番の方 演技を始めてください!」
- れい: ふぅ…
- れい: …………
- うらら: れいちゃん、リラックスして 楽しむんよー!
- うらら: (一緒に頑張ってきた成果を 披露して)
- うらら: (お客さんも審査員も 笑顔にしてあげるんよ!)
- れい: …………
- れい: あっ…
- うらら: 大丈夫なんよ、れいちゃん!
- うらら: (1回のドロップくらい 大したことないんよ!)
- うらら: (失敗を立て直す練習も たくさんしてきたんだから)
- うらら: (絶対大丈夫なんよ…!)
- れい: …………!
- れい: えいっ!
- 「今のは通称、うららスペシャルでしょうか? 有愛うらら選手にしかできないと思ってましたが 天才小学生の登場ですね!」
- 「そうですね 優勝候補のエントリーナンバー5番の方も 9番の方と同い年で 先日、別大会で優勝していますが このトリックは決めたことがありません…!」
- うらら: れいちゃん…! やったんよ!!
- れい: うららちゃん、見てみて!
- れい: 優勝カップ、 初めてもらっちゃった!
- うらら: すごいんよ! 本当に本当におめでとうなんよ!
- れい: ミスもあったけど…
- れい: 天才のあの子にもできなかった トリックが評価されて
- れい: ギリギリ優勝できたの!
- れい: 本当にぜんぶ うららちゃんのおかげだよ
- うらら: そんなことないんよ
- うらら: れいちゃんの努力があったから 優勝できたんよ
- れい: えへへ…
- れい: 私でもあの子に勝てることが あったんだって思うとね
- れい: すっごく嬉しい…!
- れい: うららちゃんに教えてほしいって お願いしてよかった…!
- うらら: ウチもコーチをやらせてもらえて よかったんよ
- うらら: じゃなきゃ、ずっと後悔を 引きずってたかもしれないんよ…
- れい: 後悔…?
- うらら: …ウチ、大切な友だちの気持ちを 考えられてなくて
- うらら: ずっと傷つけちゃってたんよ…
- うらら: だから、れいちゃんの気持ちを 考えながらコーチをやれたら
- うらら: ダメなウチも成長できるかもって 思ったんよ…
- れい: ふぅん…?
- れい: それならきっと、大成功だよね!
- うらら: そう…?
- れい: だってうららちゃんのおかげで 難しいトリックを学べて
- れい: あの子にも勝って 優勝できたんだもん!
- うらら: …………
- うらら: (…れいちゃんはくららと同じ、 努力する才能を持ってる子…)
- うらら: (ウチが教えてあげられるか 不安だったけど…)
- うらら: (こうして満足してもらえたなら きっと成功なんよね…)
- うらら: ありがとうなんよ、れいちゃん
- れい: ねえ…ディアボロのコーチ またやってくれる…?
- うらら: え、ウチでいいのん…!?
- れい: うららちゃんだから お願いしたいんだよ
- れい: だって、優勝するだけじゃなくて
- れい: ディアボロは楽しいんだって 気持ちを思い出せたんだもん
- うらら: …………!
- うらら: そういうことなら… また一緒に頑張るんよ!
- FILENAME: text_310363-4.txt
- うらら: 遅れてごめんなんよ!
- ラビ: 大丈夫 事情はわかってるから
- アレクサンドラ: お疲れさまです、うららちゃん♪
- 旭: 今日はディアボロ教室の日だった でありますか
- うらら: そうなんよ!
- うらら: 前回よりも参加者が多くて 大変だったけど
- うらら: スタッフさんと頑張って コーチしてきたんよ
- アレクサンドラ: 充実してるみたいですね♪
- うらら: うまくやれてるのは マネージャーさんのおかげなんよ
- うらら: ディアボロのコーチングを やりたいって相談したら
- うらら: マネージャーさんが窓口や手配を してくれることになったから
- 旭: それでは、もうしばらくの間は コーチ業を続けるでありますか?
- うらら: そのつもりなんよ
- うらら: 大道芸の公演や芸能活動を 辞めちゃったから
- うらら: 家計の足しにしたいって いうのもあるけど…
- うらら: 誰かに教えることで、ウチも 気づけることがあるし
- うらら: 目標に向かって一緒に頑張って 達成できた時は
- うらら: ウチが大技を決めたときよりも 嬉しくなれるんよ!
- アレクサンドラ: 子どもたちの成長を助けて 一緒に喜んであげられる…
- アレクサンドラ: うららちゃん、いつのまにか すごく大人になったんですね♪
- うらら: いつのまにかって何なんよ!?
- ラビ: でも、本当にうららは成長した 前よりもずっと
- うらら: ラビさんにそう言ってもらえると すごく嬉しいんよ、ニパッ
- うらら: (…魔法少女になってからは)
- うらら: (くららと別れることになって 大道芸人も引退するしかなくて)
- うらら: (どうせ救われない宿命なら 全部諦めようと思ってたけど…)
- うらら: …ウチ、大人になっても コーチを続けて
- うらら: ディアボロを楽しんでくれる子を 増やしたいんよ
- 旭: そういえば、うららが大道芸を 始めたきっかけは
- 旭: 弟妹たちを楽しませたかったから でありましたな
- うらら: そうなんよ
- うらら: ふたりで世界一のコンビになって
- うらら: ディアボロの演技で 世界中の人を笑顔にするんよ!
- うらら: (魔法少女になったウチには もう無理だって諦めてたけど…)
- うらら: ディアボロの演技で みんなを笑顔にするって目標を
- うらら: ウチがコーチをすることで 後輩たちに託したいんよ
- アレクサンドラ: うららちゃんらしい夢ですね
- ラビ: …叶うことを願ってる
- うらら: うん… ウチ、頑張るんよ!
- うらら: (魔法少女のウチは、普通には 生きられないってわかってる…)
- うらら: (それでも、こんな夢くらいは 持ってていいんよね…?)
- うらら: ウチの夢、 いつか叶えてみせるんよ!
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