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Urara Yume MSS JP Text

Apr 28th, 2022 (edited)
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  2. うらら: よしっ…
  3. うらら: ウチならできる… 完璧にやれるんよ!
  4. うらら: ラビさんの夕飯の買い出しを…!
  5. ラビ: うららに行ってもらわなくても 大丈夫なのに…
  6. うらら: ラビさんは他にも行くところが あって忙しいんだし
  7. うらら: 買い出しくらい 手伝わせてほしいんよ!
  8. うらら: これでも家計を助けるために
  9. うらら: 地元では近くのスーパーを 何軒も回ってた買い物上手なんよ
  10. ラビ: …そこまで言うなら、わかった
  11. ラビ: このリストに書いてある食材を 買ってきて欲しい
  12. うらら: わかったんよ!
  13. うらら: (アジの開き3尾、もやし1袋に 豆腐と味噌…)
  14. うらら: まずは野菜売り場から回るんよ
  15. 「ただいまよりタイムセール開始でーす! 今日の目玉商品! 牛バラ肉3パックでなんと500円! 500円きっかりなのは今から1時間だけ!」
  16. うらら: 破格なんよ…! 買うしかないんよ!
  17. うらら: なんとか確保できたんよ!
  18. うらら: あ、そうだ ラビさんから頼まれてたのは…
  19. 「ただいまより野菜売り場でも タイムセール開始でーす!」
  20. 「なんともやしは1袋5円! さらに玉ねぎ、人参、じゃがいもがセットの 超お得な“今夜はカレー応援セット”も 数量限定で販売します!」
  21. うらら: 数量限定…!? 行ってみるんよ!
  22. うらら: こんなにお得に たくさん買えたんよ!
  23. うらら: ラビさん… きっと褒めてくれるんよ!
  24. うらら: お待たせなんよ!
  25. アレクサンドラ: こんにちは、うららちゃん♪
  26. 旭: これで全員揃ったでありますな そろそろ報告を始めるであります
  27. うらら: ラビさん、ラビさん! 見て欲しいんよ!
  28. 旭: む…?
  29. うらら: 今日は牛肉入りのカレーなんよ!
  30. ラビ: …カレー?
  31. うらら: ちょうどスーパーで タイムセール中だったから
  32. うらら: 色々とお得に買えたんよ!
  33. アレクサンドラ: ラビちゃんのおつかいに 行ってたんですね
  34. アレクサンドラ: えらいえらい♪
  35. うらら: ニパッ
  36. うらら: (ラビさんの役に立てて 嬉しいんよ)
  37. ラビ: …おつかいありがとう、うらら
  38. ラビ: それで…リストに書いていた 食材は買えた?
  39. うらら: …………あっ
  40. うらら: ごめんなさいなんよ… すっかり忘れてたんよ…
  41. 旭: おや…
  42. うらら: ウチ、買い直してくるんよ!
  43. ラビ: 大丈夫、今夜はカレーにする
  44. ラビ: 那由他もみかげさんも カレーは好きだから問題ない
  45. うらら: でも…!
  46. ラビ: 大丈夫だから
  47. うらら: うぅ… 本当にごめんなさいなんよ…
  48. うらら: (ラビさんの役に立って 褒めてほしかったのに…)
  49. ラビ: 失敗は誰にでもあるから 気にしなくていい
  50. ラビ: ただ…うららはよく考えずに 行動してしまうときがあるから
  51. ラビ: もう少し自分をコントロール できるよう、心がけてみてほしい
  52. うらら: わかったんよ…
  53. うらら: (ウチもラビさんたちみたいに)
  54. うらら: (周りを見て、落ち着いて 行動できるようになりたいんよ)
  55. 旭: それではそろそろ報告を 始めるでありますよ
  56. うらら: あ、今日はウチから 報告があるんよ
  57. うらら: 実は1日だけ、 湯国市に戻ろうと思ってるんよ
  58. ラビ: 何か外せない用事?
  59. うらら: 大道芸人としてお世話になった 芸能事務所を辞めるから
  60. うらら: 最後にちゃんと挨拶しに 行きたいんよ
  61. 旭: …それは大事なことでありますが ひとりで大丈夫でありますか…?
  62. うらら: 大丈夫なんよ! ウチ、子どもじゃないんよ!
  63. うらら: おつかいは失敗しちゃったけど…
  64. うらら: 事務所に挨拶しに行くくらい ひとりでできるんよ!
  65. アレクサンドラ: そうじゃなくて…
  66. アレクサンドラ: 湯国市では、うららちゃんは 学生を中心に知られた有名人だし
  67. アレクサンドラ: 魔法少女撲滅派の人たちに 察知されるかもしれません…
  68. うらら: あ…
  69. ラビ: もしもの時に備えて 付き添わせてほしい
  70. うらら: …わかったんよ よろしくお願いするんよ
  71.  
  72. FILENAME: text_310361-2.txt
  73. <湯国市>
  74. うらら: ほら! 何にも起きないんよ!
  75. ラビ: いまのところはそうだけど 事務所までは一緒に行く
  76. うらら: もうっ! ウチは中学生なんよ!?
  77. うらら: 子ども扱いしないでほしいんよ!
  78. ラビ: 湯国市が魔法少女にとって 危険な場所なのはわかってるはず
  79. ラビ: 子ども扱いとは違う
  80. うらら: してるんよ!
  81. うらら: 今日だって合流してすぐに 忘れ物がないか確認されたんよ
  82. ラビ: うららは忘れ物が多いから
  83. うらら: うぅ…でもちょっとずつだけど 減ってきてるんよ
  84. うらら: 今日も、なくさないように 家の鍵をお財布に入れてきたし…
  85. うらら: …って、お財布が なくなっちゃったんよ!?
  86. ラビ: え?
  87. うらら: どうしようどうしよう! 探さないといけないんよ…!
  88. うらら: マネージャーさんに連絡して 助けに来てもらうんよ…!
  89. うらら: あぁでもその前に 交番のほうがいいのん…!?
  90. うらら: もし見つからなかったら… お母さんに何て言えば…!
  91. ラビ: …うらら、見つけた
  92. うらら: ――っ!?
  93. ラビ: 来た道を少し戻ったら落ちていた
  94. うらら: ありがとうなんよラビさん…! 本当に助かったんよ…
  95. ラビ: さっきカバンからスマホを 出したときに
  96. ラビ: 落ちたのかもしれない
  97. ラビ: やっぱり一緒に来て正解だった
  98. うらら: うぅ…何も言えないんよ…
  99. ラビ: それじゃ、近くで待ってるから
  100. うらら: わかったんよ 行ってくるんよ!
  101. うらら: こんにちはなんよ
  102. うららのマネージャー: うらら!
  103. うららのマネージャー: たまには連絡しろよ 心配するだろう?
  104. うらら: ごめんなさいなんよ…
  105. うららのマネージャー: まぁいいさ、わざわざこうして 来てくれたんだしな
  106. うららのマネージャー: それで…本当に辞めるんだな?
  107. うらら: なんよ…
  108. うららのマネージャー: いやぁ…もったいないなぁ
  109. うららのマネージャー: くららと一緒に
  110. うららのマネージャー: 大道芸人コンビとして 売り出してきたが
  111. うららのマネージャー: 最近はコンビのトークや MCの仕事も好評で
  112. うららのマネージャー: タレント活動も順調だったのに…
  113. うらら: そう言ってもらえるのは ありがたいけど
  114. うらら: もう決めたことなんよ…
  115. うららのマネージャー: …お前なら大道芸を武器にして
  116. うららのマネージャー: ピンのタレントとしても やっていける素質がある
  117. うららのマネージャー: くららとのコンビ解消くらいで 引退を決めるのは惜しいぞ…
  118. うらら: …………
  119. うららのマネージャー: それにくららも、 今はムキになってるが
  120. うららのマネージャー: 冷静になれば
  121. うららのマネージャー: コンビを復活させたいって 言ってくるかもしれないだろ
  122. うらら: …くららは元気にしてるのん?
  123. うららのマネージャー: ああ、元気だよ 連絡取ってないのか?
  124. うらら: うん…コンビを解消してからは 返信がないんよ…
  125. うららのマネージャー: バスの転落事件は お前のせいじゃないのになぁ
  126. うらら: …………
  127. うらら: 少し前、湯国市で 魔法少女の存在がみんなに知れ渡ったことを きっかけに、ある騒動が起きた
  128. うらら: 魔法少女を擁護する人たちと 撲滅を望む人たちが対立することになったけど 騒ぎはやがて、和解に向かっていった だけど魔法少女を擁護する人たちが乗ったバスが 山から転落して、関係者が大勢亡くなった…
  129. うらら: その事件をきっかけに、ウチは魔法少女になった
  130. うらら: でも…そんなウチのせいで、相方だったくららは 魔法少女の撲滅を先導する立場になった…
  131. うらら: …ひどい別れ方だったし またコンビに戻れるなんて思わないけど ウチはくららが好きだった
  132. うらら: せめて誤解を解いて、仲直りしたかったけど…
  133. うらら: …真相がどうであれ、ウチはもう ここにはいられない
  134. うらら: 引退の意思は変わらないんよ
  135. うららのマネージャー: …うららの考えはわかったよ
  136. うららのマネージャー: ただ…最後にひとつ、仕事を 受けてくれないか?
  137. うらら: 何なんよ?
  138. うららのマネージャー: 子どもたちを相手に
  139. うららのマネージャー: 1日だけ、ディアボロ教室の コーチをやってほしいんだ
  140. うらら: ウチが…?
  141. うららのマネージャー: 子どもたちに知名度があって ディアボロを教えられる有名人!
  142. うららのマネージャー: と言えば、やっぱり うらら&くららのふたりだからな
  143. うらら: くららはどうなのん…?
  144. うららのマネージャー: それが、急な仕事でな
  145. うららのマネージャー: アイツはもう別の仕事が入ってて こっちも困ってるところなんだ
  146. うららのマネージャー: うららの親御さんにはもう 承諾をもらってるから
  147. うららのマネージャー: 仕事を受けるかどうかは うらら次第なんだが…どうだ?
  148. うらら: …そういうことなら受けるんよ
  149. うらら: マネージャーさんが困ってて ウチが助けられるならやるんよ!
  150. うららのマネージャー: 助かるよ!
  151. うららのマネージャー: ただ、申し訳ないことに
  152. うららのマネージャー: 急な話で、スタッフもあんまり 揃えられないんだが…
  153. うらら: ウチひとりでもやれるから 任せてほしいんよ!
  154.  
  155. FILENAME: text_310361-3.txt
  156. <ディアボロ教室 当日>
  157. うらら: …というワケで、始まるんよ!
  158. うらら: 「うららのディアボロプレイルーム!」
  159. うらら: みんな、今日は参加してくれて ありがとうなんよー!
  160. みんな: わぁ…!
  161. 本物のうららちゃんだー!
  162. あれ、うららちゃんだけ? くららちゃんは?
  163. 今日はうららちゃんだけって ママが言ってたよ
  164. え~、くららちゃんに 会いたかったのにぃ…
  165. うらら: …そんな寂しいことを言う子は まずはこのトリックを見るんよ!
  166. うらら: それっ!
  167. うらら: ―うらら― “うららスペシャル”なんよ!
  168. わぁー! うららちゃんだけができるヤツだ!
  169. すげえ、どうなってんの!?
  170. もう1回やってみせて!
  171. うらら: ―うらら― 慌てなくても 何度でも見せてあげるんよ!
  172. 旭: 初めて見たときは
  173. 旭: ディアボロとヨーヨーの区別も つかなかったでありますが
  174. 旭: 何度も見るうちに、面白さが わかってきたでありますよ
  175. アレクサンドラ: マネージャーさんに頼んで 見学させてもらえてよかったです
  176. アレクサンドラ: うららちゃんも楽しそうですし 安心しました♪
  177. ラビ: 湯国市での仕事と聞いて 心配したけど、杞憂かもしれない
  178. うらら: うららスペシャルをやるにも 他の難しいトリックをやるにも
  179. うらら: 基本的な動作が身についてる ことがすっごく大事なんよ!
  180. うらら: だから今日はみんなに 基本から教えていって
  181. うらら: 少しずつ難しいトリックを 伝授するんよ!
  182. みんな: 「よろしくおねがいしまーす!」
  183. アレクサンドラ: なんだか雲行きが 怪しいですよ…?
  184. ラビ: …………
  185. うららちゃん、 このトリックできないよぉ
  186. 私はできたよ!
  187. オレも!
  188. うらら: じゃあもう1回、トリックを やってみせるから真似するんよ!
  189. 見るだけじゃわからないから ひとつずつ教えてほしいの!
  190. うらら: ひとつずつ…って言われても…
  191. うらら: (体が自然に動くから 説明なんかできないんよ…)
  192. うらら: えっと、うーん…
  193. ピピー!
  194. 今からお昼休憩になりまーす
  195. 1時間取りますので、それぞれ お弁当を食べてくださーい
  196. みんな: はーい!
  197. うららちゃん、あとでね!
  198. うらら: あ、うん…
  199. うらら: …………
  200. 旭: うららは外で休憩でありますか?
  201. アレクサンドラ: 私たちも行きましょう
  202. うらら: はぁ…
  203. ラビ: …前半戦、お疲れさま
  204. うらら: あ、ラビさん…! ありがとうなんよ…
  205. アレクサンドラ: ひとりでもよく頑張ってましたね
  206. うらら: うん…でも、困ってるんよ
  207. うらら: ウチの教え方だと ついてこれない子がいて…
  208. うらら: トリックを見れば、みんなすぐに 真似できると思ってたんよ…
  209. 旭: 説明はできないのでありますか?
  210. うらら: できたらいいんだけど ウチは上手じゃなくて…
  211. ラビ: …………
  212. うららのマネージャー: おーい、うらら 弁当食べないのかー?
  213. うらら: あ、マネージャーさん…
  214. ラビ: …あの、さっき子どもたちの 練習風景を撮ってましたよね?
  215. うららのマネージャー: ああ、プロモーション用にね
  216. ラビ: 見せてもらえませんか?
  217. うららのマネージャー: 構わないよ はい、どうぞ
  218. ラビ: …………
  219. ラビ: うらら、さっき教えてた トリックを見せてくれる?
  220. うらら: え、いいけど…
  221. うらら: それっ!
  222. ラビ: …………
  223. ラビ: ―ラビ― ディアボロをやったことがないから 見当違いのことを言うかもしれないけど
  224. ラビ: ―ラビ― このトリックを失敗した子どもたちは うららと少し手首の角度が違う気がする
  225. アレクサンドラ: ―アレクサンドラ― あ、言われてみれば…
  226. アレクサンドラ: ―アレクサンドラ― それにほんの少しですけど タイミングも遅い気がします
  227. 旭: ―旭― そうでありますな うららのほうが手首の返しが早いであります
  228. ラビ: ―ラビ― 習熟度の違いはあるだろうけど
  229. ラビ: ―ラビ― ポイントを押さえてあげれば 子どもたちもできるようになるかもしれない
  230. うらら: ―うらら― …………!
  231. うらら: ―うらら― (ラビさんもサーシャさんも旭さんも すごい…!)
  232. うらら: ―うらら― (ウチ、そんなふうに分析したことなんて 全然なかったんよ…!)
  233. うららのマネージャー: …うらら、氷室さんたちにも 手伝ってもらわないか?
  234. うらら: へ?
  235. アレクサンドラ: 私たちが…?
  236. 旭: でも、我々は皆 未経験者でありますが…
  237. うららのマネージャー: それでもよく観察できてるし
  238. うららのマネージャー: 少しでいいから、スタッフとして 手伝ってもらえないかな
  239. うららのマネージャー: ちゃんとギャラも出すから
  240. うらら: ウチからもお願いするんよ!
  241.  
  242. FILENAME: text_310361-4.txt
  243. ピピー!
  244. うらら: みんなー! 休憩は終わりなんよ!
  245. うらら: 後半はこのお姉さんたちにも お手伝いしてもらうんよ!
  246. ラビ: …よろしくお願いします
  247. みんな: 「よろしくおねがいしまーす!」
  248. うらら: それじゃあ 練習再開なんよ!
  249. できた…!
  250. 私もできたよ!
  251. うらら: みんなすごいんよ!
  252. うらら: まさかこんなに上達するなんて ウチの想像以上なんよ!
  253. ありがとう、うららちゃん!
  254. うらら: どういたしましてなんよ
  255. お姉ちゃんたちもありがとう! すごくわかりやすかった!
  256. ラビ: …どういたしまして
  257. アレクサンドラ: みんなの笑顔のお手伝いが できましたね、ふふっ♪
  258. 旭: 大成功でありますな
  259. うららちゃん! 今日はありがとう!
  260. うらら: (あ、ウチが一番教えるのに 時間がかかっちゃった子…)
  261. うらら: (上級者で、やる気もあったのに 悪いことしちゃったんよ…)
  262. うらら: …今日の教室は どうだったのん…?
  263. すごく楽しかったし 勉強になったよ!
  264. うらら: そう…良かったんよ!
  265. 今日教えてもらったトリックで 今度の大会、優勝したいな!
  266. うらら: うん、応援してるんよ!
  267. うららのマネージャー: お疲れ、うらら!
  268. うららのマネージャー: 氷室さんたちも 手伝ってくれて助かったよ
  269. ラビ: どういたしまして
  270. うらら: 本当に助かったんよ ありがとうなんよ!
  271. 旭: うららの役に立てて 本望であります
  272. アレクサンドラ: 湯国市までついてきた甲斐が ありましたね
  273. うらら: うん… 本当に…
  274. うらら: …………
  275. うらら: (うまくいったのはよかったけど ウチの力じゃない…)
  276. うらら: (みんなを満足させられたのは ラビさんたちのおかげなんよ…)
  277. ラビ: うらら…?
  278. うらら: あ、ううん…
  279. うらら: ひとりでできるつもりだったけど ウチはやっぱりまだまだだなって
  280. アレクサンドラ: うららちゃんだって 頑張ってたじゃないですか
  281. うらら: それは、そうなんだけど…
  282. うらら: (人に教えたり、説明するのは くららのほうが上手だったから)
  283. うらら: (くららの方が、ウチよりずっと 上手に立ち回れたはずなんよ…)
  284. うらら: …………
  285. うらら: (くらら…)
  286. うらら: (また思い出してしまったんよ)
  287. うらら: (…あれっきりでお別れなんて 寂しすぎるんよ…)
  288. 旭: そんなに落ち込まなくても いいでありますよ
  289. ラビ: …それとも、他にも何か 気になることがある?
  290. うらら: あ、ううん! 全然そんなことないんよ!
  291. うらら: …………
  292. ラビ: …………?
  293. うらら: あの子のこと… やっぱり思い出しちゃうんよ
  294.  
  295. FILENAME: text_310362-1.txt
  296. <ディアボロ教室から数日後>
  297. <湯国市>
  298. ラビ: 財布はちゃんとある?
  299. うらら: ちゃんと持ってるんよ…! 同じ失敗はしないんよ!
  300. うらら: …………
  301. うらら: ラビさんがついてきてくれるのは 心強いし、嬉しいけど…
  302. うらら: 今日は退所手続きの書類を 受け取るだけなんよ
  303. ラビ: でも、事務所に持って行く お菓子を忘れそうだった
  304. うらら: うっ…そうだったんよ…
  305. ラビ: 本当に今日を最後の挨拶にする なら、しっかりしないと
  306. うらら: うん… しっかりしないとなんよね…
  307. うらら: ウチひとりじゃ全然ダメだから…
  308. ラビ: …………
  309. ラビ: ディアボロ教室の日に 何かあった?
  310. うらら: え…?
  311. ラビ: 私には、あの日からうららが 落ち込んでるように見える
  312. ラビ: うまくコーチできなかったのを 悔やんでるのかと思ったけど
  313. ラビ: それ以外にも理由がある…?
  314. うらら: な、何もないんよ! ラビさんの勘違いなんよ…!
  315. ラビ: それならそれで構わないけど これだけは言わせてほしい
  316. ラビ: あなたは私の大切な仲間
  317. ラビ: 無理にとは言わないけど… 話して楽になるなら話してほしい
  318. うらら: …………
  319. うらら: やっぱりラビさんには 隠せないんよ…
  320. うらら: …ディアボロ教室のときに
  321. うらら: ウチよりくららの方が教えるのが 上手だったなって思って…
  322. ラビ: うららとコンビを組んでた子…
  323. うらら: うん…それでくららのことを 思い出して、寂しくなったんよ…
  324. くらら: うらら&くららの大道芸人コンビ 今日から結成ね!
  325. うらら: よろしくなんよ!
  326. うらら: ふたりで世界一のコンビになって
  327. うらら: ディアボロの演技で 世界中の人を笑顔にするんよ!
  328. くらら: 頑張ろうね、うらら
  329. うらら: コンビはもう解消したけど
  330. うらら: せめて誤解を解いて 仲直りくらいしたかったんよ…
  331. ラビ: …あの子はいま、湯国市で 魔法少女の撲滅を先導する立場
  332. ラビ: 魔法少女になったうららの話に 聞く耳を持つとは思えない…
  333. うらら: あの事件のときはショックで ウチもくららも冷静じゃなかった
  334. うらら: ずっと一緒に活動してきた 親友だから
  335. うらら: 今なら冷静にウチの話を 聞いてくれるかもしれないんよ
  336. ラビ: …その可能性は 万にひとつもないと思う
  337. ラビ: 元の関係に戻るのは 諦めたほうがいい
  338. うらら: …………
  339. うらら: (でもウチは…くららとまた 話せるようになりたいんよ…)
  340. うらら: 到着なんよ!
  341. ラビ: 私は近くで待ってるから 終わったら呼んで
  342. うらら: わかったんよ
  343. うららのマネージャー: …あ、うらら…!
  344. うらら: あれ、マネージャーさん? どうしたんよ
  345. うららのマネージャー: 悪いがここで待っててくれないか 今、取り込み中でね…
  346. うらら: …?
  347. くららの声: なんであの子がここに来るのよ! 辞めたんじゃないの!?
  348. うらら: ――っ!?
  349. うらら: (くららの声…!)
  350. うららのマネージャー: 鉢合わせしないように 調整してたんだが
  351. うららのマネージャー: 収録終わりに、急にくららが 事務所に寄ってなぁ…
  352. うらら: …………
  353. うらら: (あの子と直接話せるチャンス… これを逃したらきっとないんよ)
  354. ラビ: …うらら、何を考えてる…?
  355. うらら: ラビさん… ウチ、決めたんよ
  356. ラビ: …悪いことは言わない 彼女とはもう接触しない方がいい
  357. うらら: でもウチ、諦められないんよ…!
  358. うらら: …マネージャーさん!
  359. うららのマネージャー: どうした?
  360. うらら: 今から、くららと直接 話をさせてほしいんよ…!
  361.  
  362. FILENAME: text_310362-2.txt
  363. くらら: …………
  364. うらら: …………
  365. くらら: ふたりっきりにさせるなんて どういうつもり…?
  366. くらら: まさか私に危害を加えようって いうんじゃないでしょうね…
  367. うらら: ち、違うんよ…! ウチはただ話を聞いてほしくて…
  368. くらら: 私の気持ちも考えずに?
  369. くらら: ホント自分勝手
  370. くらら: 魔法少女の話なんて 聞く価値もないわ
  371. うらら: うぅ…
  372. うらら: (…ラビさんの言う通り)
  373. うらら: (普通に話せる仲には 戻れないのかもしれないんよ…)
  374. うらら: (…でも)
  375. うらら: …ウチは、 魔法少女としてじゃなく
  376. うらら: ひとりの人間…有愛うららとして くららと話したかっただけなんよ
  377. くらら: 「貧乏な家計を支えるためにも コンビを復活させたい」って?
  378. うらら: そんな話じゃないんよ…!
  379. くらら: …………
  380. くらら: …なら手短に済ませて この後も仕事があるから
  381. うらら: うん…
  382. うらら: …………
  383. うらら: 本当にあの事件のことは ごめんなさいなんよ…
  384. うらら: ウチの考えなしのせいで 大勢の人を救えなかったし
  385. うらら: くららを 傷つけることになったから…
  386. くらら: …………
  387. うらら: でも、これだけは わかってほしいんよ…
  388. うらら: ウチは…くららのことを 親友だと思ってるんよ
  389. うらら: くららのことが好きだから… 失いたくなかったんよ…!
  390. うらら: だから…せめて普通に 話せるようになりたいんよ…
  391. くらら: …………
  392. くらら: …ホント、周りが見えてないし 最後まで自分勝手
  393. くらら: そういうところが 昔から気に入らなかったのよ
  394. うらら: …え?
  395. くらら: 天才のあんたに追いつくために
  396. くらら: 私がどれだけ必死に 練習してたかわかる?
  397. うらら: くららが努力家なのは もちろんわかってるんよ
  398. うらら: だからたくさん練習して
  399. うらら: 早くふたりで難しいトリックを 決めようって…
  400. くらら: パッと真似できる天才のあんたに 急かされる身にもなってよ
  401. くらら: 悪気がなかったのは知ってるけど だからムカつくんじゃない
  402. うらら: ……………
  403. くらら: …天才のあんたと組んで 有名になれるのはありがたかった
  404. くらら: チケットは飛ぶように売れたし
  405. くらら: 私じゃ絶対出場できない大会で 優勝することだってできたから
  406. くらら: だけど、いつもいつも 私は「うららじゃない方」…
  407. くらら: 能天気に笑ってるあんたの横で 私がどんな想いだったか
  408. くらら: 想像したこともないでしょう?
  409. くらら: その証拠が 今日の押しかけだもんね?
  410. うらら: う、ウチはそんなつもりじゃ…!
  411. くらら: それで親友? かけがえのない存在?
  412. くらら: 笑わせないでよ
  413. うらら: …………
  414. うらら: ご、ごめんなさいなんよ…
  415. うらら: ウチはただ…くららと わかりあいたかったんよ…
  416. くらら: …こんな私を、あんたが 慕ってくれてたのは知ってたわよ
  417. くらら: 私を助けたあんたの不幸を願う 私も、クズだってことも…
  418. うらら: くらら…………
  419. くらら: だけどもう、無理
  420. くらら: あんたといる限り
  421. くらら: 自分の心の醜さを いやでも思い知らされるから
  422. うらら: …………
  423. くらら: コンビを解消したのは いいきっかけだったわ
  424. くらら: あんたが魔法少女になったことは 関係なく、ね
  425. うらら: …そんなぁ…………
  426. くらら: 今まであんたに頼ってきたけど これからは私の実力でのし上がる
  427. くらら: だから…もう私に関わらないで
  428. くらら: さよなら
  429. うらら: …………
  430.  
  431. FILENAME: text_310362-3.txt
  432. うらら: …………
  433. コンコン
  434. うらら: あっ… どうぞなんよ!
  435. うららのマネージャー: どうだ…? ちゃんと話せたか?
  436. うららのマネージャー: 悪いな、 あまり時間を取ってやれなくて…
  437. うらら: 構わないんよ
  438. うらら: お互いに… …話したいことは、話せたんよ…
  439. うららのマネージャー: そうか、なら良かったよ
  440. うららのマネージャー: 仲直りはちゃんとできたのか?
  441. うらら: …………
  442. うららのマネージャー: …まぁ、そう全部うまくは いかないよなぁ…
  443. うらら: …マネージャーさん
  444. うらら: くららがウチのことを どう思ってたか知ってたのん…?
  445. うららのマネージャー: ははは、全部は知らないよ
  446. うららのマネージャー: くららはプライドが高くて 弱音なんて絶対吐かないからな
  447. うららのマネージャー: でも、どう思ってたかは 察してたつもりではある
  448. うららのマネージャー: 天才のうららとコンビを組んで 常に比較されながら
  449. うららのマネージャー: うららの背中を追って…
  450. うららのマネージャー: プライドが高いのもあって しんどかったときもあるだろうな
  451. うらら: …………
  452. うららのマネージャー: それに、公演で少しでも 失敗したときなんかは
  453. うららのマネージャー: うららと自分のことを比べて 卑屈になってたこともあったしな
  454. うらら: ――っ!?
  455. うらら: …それって、いつも…?
  456. うららのマネージャー: まぁ珍しいことじゃなかったよ
  457. うらら: (知らなかったんよ…)
  458. うらら: (強くて、しっかりしてて 全然へこたれないくららが…)
  459. うららのマネージャー: くららがかなり時間をかけて 習得したトリックを
  460. うららのマネージャー: うららが一発で 真似してみせたときは
  461. うららのマネージャー: かなり落ち込んでたから さすがに心配したよ
  462. うらら: あ…
  463. うらら: (ウチのせいで…)
  464. うららのマネージャー: でも、うららが 気にすることじゃない
  465. うららのマネージャー: アイツは才能の差を埋めるために ずっと努力してきた
  466. うららのマネージャー: その努力こそが アイツの才能なんだ
  467. うらら: うん…
  468. うららのマネージャー: それに、うららの才能は ディアボロの技術だけじゃない
  469. うららのマネージャー: 家族を支える苦労を見せずに
  470. うららのマネージャー: 常に笑顔で 周りを明るくできるのも才能だ
  471. うららのマネージャー: くららだって、うららに救われた ときがあったはずだぞ
  472. うらら: だと…いいけど…
  473. うらら: (ウチはくららのことを 本気では考えられてなかった…)
  474. うらら: (くららの言う通り、ウチはただ 自分勝手だったんよ…)
  475. ピロン♪
  476. うらら: あ…
  477. うらら: (ラビさん… 心配してくれてる…)
  478. うらら: …ラビさんを待たせてるから ウチ、そろそろ行くんよ
  479. うらら: マネージャーさん 本当に今までありがとうなんよ
  480. うららのマネージャー: 困ったことがあれば 相談に乗るから
  481. うららのマネージャー: いつでも遊びにおいで
  482. うらら: …うん…
  483. うらら: …………
  484. ラビ: うらら…
  485. うらら: 待たせてごめんなさいなんよ もう用事は終わったんよ…
  486. ラビ: …戻ろう、神浜市に
  487. うらら: うん…
  488.  
  489. FILENAME: text_310362-4.txt
  490. うらら: …………
  491. ラビ: …………
  492. うらら: ラビさん、何も聞かないのん…?
  493. ラビ: …正直に話せば、聞いてあげたい
  494. ラビ: 湯国市でも言ったけど あなたは大切な仲間
  495. ラビ: だから話して楽になることなら 話してほしい
  496. ラビ: でも、無理にとは言わない…
  497. うらら: …本当にラビさんは大人なんよ
  498. ラビ: そんなことはない
  499. うらら: ううん、ウチとは大違いなんよ…
  500. ラビ: 大人なんかじゃない
  501. ラビ: …踏み込んであげたいけど
  502. ラビ: 不用意にあなたを 傷つけたくないだけ…
  503. うらら: …………
  504. うらら: …………
  505. うらら: ウチも…くららを傷つける つもりなんてなかったんよ…
  506. うらら: ウチは…ただ… わかってほしくて…
  507. うらら: くららを忘れられなくて…
  508. ラビ: …………
  509. ラビ: …おいで、うらら
  510. うらら: …っ!
  511. うらら: ―うらら― ウチ…ずっとくららに 嫌な思いをさせてたんよ
  512. うらら: ―うらら― なのにウチは気づかないで 一方的に親友だなんて言って…!
  513. うらら: ―うらら― 魔法少女への誤解なんかじゃない…
  514. うらら: ―うらら― もっと根本的なところで ずっとウチらはすれ違ってたんよ…
  515. ラビ: ―ラビ― うん…
  516. うらら: ―うらら― ウチ、最低なんよ…!
  517. うらら: ―うらら― 大好きなくららにひどいことをしてた自分が 許せないんよ…!
  518. ラビ: ―ラビ― …………
  519. ラビ: …うららだって、まったく 考えがなかったわけじゃない
  520. ラビ: うららなりに、あの子のことを 考えて行動してたのに
  521. ラビ: それも否定されるのは忍びない
  522. うらら: でも…!
  523. ラビ: あの子だって、うららの気持ちを 考えずに行動したことはあるはず
  524. ラビ: 一方的にうららが悪く言われる 筋合いはないと、私は考える
  525. うらら: でも…こうなった結末は もう変えられないんよ…
  526. ラビ: …そう 起きたことは変えられない…
  527. ラビ: うららとあの子はこれからはもう 決して交わらないだろうし
  528. ラビ: 元の関係に戻ることもない
  529. うらら: …ぐすっ…
  530. ラビ: …うららは苦しい…?
  531. うらら: うん…
  532. うらら: くららの気持ちに気づけなかった ことが悔しいんよ…
  533. うらら: 苦しいんよ…!
  534. ラビ: “苦しみ”を否定するんじゃなく どうすれば乗り越えられるか
  535. ラビ: 乗り越えるために何ができるか 考えてみるといい
  536. ラビ: そうすれば、今は不甲斐なくても 成長した自分になれると思う
  537. うらら: そうなのん…?
  538. ラビ: …私が個人的に思っているだけ
  539. ラビ: でも、うららに 乗り越えて欲しいから伝えた
  540. うらら: …ぐすっ… ラビさん…
  541. うらら: (やっぱりラビさんはいつだって 頼りになる存在なんよ…)
  542. うらら: (ウチもいつかこんなふうに なりたいんよ…)
  543. うらら: ありがとう、ラビさん…
  544. うらら: ウチに何ができるのか まだわからないけど…
  545. うらら: ラビさんの期待に応えられる ように、頑張るんよ…
  546. ラビ: その意気
  547. ピロン♪
  548. うらら: こんなときに誰からなんよ…
  549. うらら: え…マネージャーさんから?
  550. うらら: ………… これは…
  551. うらら: でも、なんでウチに…?
  552. うらら: ウチにできることなんて あるのん…?
  553.  
  554. FILENAME: text_310363-1.txt
  555. <翌日>
  556. <湯国市>
  557. うらら: 待ち合わせの場所は ここなんだけど…
  558. あ、うららちゃん!
  559. 来てくれてありがとう!
  560. うらら: あれ、ウチのディアボロ教室に 参加してくれてた…
  561. うん、れいって言うの
  562. れい: もう1回うららちゃんに 教わりたくて
  563. れい: ディアボロ教室の人に 連絡してみたら
  564. れい: うららちゃんはもうコーチを しないって言われちゃって…
  565. れい: でも諦められなくて 何回も電話したら
  566. れい: うららちゃんのマネージャーって 人に連絡してもらえたんだ
  567. うらら: ウチもマネージャーさんから 聞いてびっくりしたんよ
  568. うらら: それで、どうしてまたウチに ディアボロを教わりたいのん?
  569. れい: この間教えてもらったトリックを 大会で決めたんだけど
  570. れい: あれだけじゃ 決勝まで残れなかったの…
  571. れい: だからもっと難しいトリックを うららちゃんに教わりたいの!
  572. うらら: 優勝できなくても、トリックを カッコよく決められるだけで
  573. うらら: ウチは楽しいと思うんよ
  574. れい: それじゃダメなの! あの子に大会で勝つには…
  575. ラビ: あの子とは…?
  576. れい: すごく難しいトリックを あっさり決めちゃう子がいて…
  577. れい: 天才…なんだろうけど 私と同い年だって気づいて
  578. れい: 絶対に負けたくないって 思っちゃったんだ
  579. うらら: …………
  580. れい: お願いうららちゃん! うららスペシャルを教えてよ!
  581. れい: うららちゃんが小学生のときに 編み出したトリックなら
  582. れい: 私にもきっとできるよね!?
  583. うらら: 教えるのは構わないけど…
  584. うらら: あれはもともと、コマボロウさん って大道芸人さんの演技を参考に
  585. うらら: トリックの組み合わせを 変えてみたものなんよ
  586. うらら: だからまずはコマボロウさんの 演技を真似てみるのがいいんよ!
  587. うらら: たしか動画が上がってるはず…
  588. うらら: …あ、ほら これなんよ!
  589. れい: …………
  590. うらら: どうかしたのん…?
  591. れい: できなかったの…
  592. うらら: え…?
  593. れい: 私、もうやってみたの… この人の動画の真似…
  594. れい: でも、全然できなくて…
  595. れい: うららちゃん、小学生だったのに すぐに真似できたんだよね?
  596. れい: やっぱり、できる人って 最初から違うんだ…
  597. うらら: あ…!
  598. うらら: よっと!
  599. くらら: え、そのトリック…!
  600. うらら: くららの新しいトリックを 真似したんよ!
  601. くらら: …へぇ もうできるようになったんだ…
  602. うらら: 次の公演で、カッコよく 一緒に決めるんよ!
  603. くらら: うん…
  604. くらら: …その、早く覚えるコツとか あるの?
  605. うらら: え、うーん… よーく見ることと、やる気…?
  606. くらら: 何ソレ、意味わかんない ホントうららっぽくて笑っちゃう
  607. くらら: …………
  608. うらら: ほら、くらら! 公演に向けて練習するんよ!
  609. くらら: …ハイハイ
  610. うらら: (きっとあのときのくららも)
  611. うらら: (ウチに追いつこうと 必死で努力してたのに)
  612. うらら: (ウチは無神経なことを言って 傷つけてたんよ…)
  613. うらら: …………
  614. うらら: …ラビさん
  615. ラビ: うん…
  616. うらら: くららの気持ちに気づけなかった ウチの後悔を否定しないで
  617. うらら: 乗り越えて成長するために 何ができるのか…
  618. うらら: ウチ、わかった気がするんよ
  619. ラビ: それならあとはやるだけ
  620. うらら: うん…!
  621. うらら: ごめんなんよ…
  622. うらら: ウチじゃ、すぐにはトリックの コツを教えてあげられないんよ
  623. れい: そっかぁ…
  624. うらら: でも、これから一緒に練習して
  625. うらら: わからないこと、知りたいことを 教えられるように頑張るんよ!
  626. うらら: だから、コーチを やらせてほしいんよ!
  627. れい: いいの…!?
  628. うらら: もちろんなんよ! 一緒に頑張るんよ!
  629. ラビ: …………
  630. うらら: それで、そのぉ…
  631. うらら: ウチだけじゃうまく教えられるか 不安なんよ…
  632. ラビ: …こうなったら、 最後まで付き合う
  633. うらら: …………! ありがとうなんよ、ラビさん!
  634.  
  635. FILENAME: text_310363-2.txt
  636. …カラン!
  637. れい: あっ… また失敗しちゃった…
  638. うらら: ううん…おかしいんよ
  639. うらら: 今のは成功しそうだったのに 何かが違ったんよ…
  640. うらら: 1回、ウチがやってみせるんよ!
  641. うらら: こうして…
  642. うらら: こうなんよ!
  643. れい: 見せてくれた通りにやったつもり だったんだけど…
  644. れい: どこが違うのかなぁ
  645. うらら: えーと、それは…うぅん…
  646. ラビ: …手首を切り返すタイミングが 遅かった気がする
  647. うらら: タイミング…
  648. うらら: そうなんよ! もっとリズムよくやるんよ!
  649. れい: わかった!
  650. うらら: ありがとうなんよ、ラビさん
  651. ラビ: 適切なアドバイスか わからないから
  652. ラビ: ちゃんとうららが見てあげて
  653. うらら: 任せるんよ!
  654. れい: …………
  655. れい: えいっ!
  656. れい: ――っ!? できた!
  657. れい: 初めてできたよ!
  658. うらら: うん、ちゃんと見てたんよ! とってもカッコよかったんよ!
  659. れい: ありがとう、うららちゃん!
  660. れい: これ、決まると すっごく気持ちいいし楽しい!
  661. うらら: その気持ち、 忘れないでほしいんよ
  662. うらら: ディアボロは演技する人も
  663. うらら: 見てる人も楽しくなれるのが 醍醐味なんよ
  664. うらら: 大会に優勝することも 大事かもしれないけど…
  665. うらら: 楽しむ気持ちを 忘れないでほしいんよ
  666. れい: うん…!
  667. れい: よーし、もう1回やってみるね!
  668. うらら: うん!
  669. うらら: どんどん成功させて、 トリックを自分のものにするんよ
  670. れい: あ、そうだうららちゃん
  671. れい: このトリックの後に、もうひとつ 続けてみたいのがあって…
  672. うらら: どれなのん?
  673. ラビ: …………
  674. ~~♪~~♪
  675. 旭: ラビ、拠点にいるでありますか?
  676. ラビ: いや、湯国市にいる
  677. 旭: あぁ…先日連絡があったという 女の子のコーチでありますか
  678. ラビ: ええ
  679. ラビ: 予定ではそろそろうららと そちらに戻るつもりだったけど
  680. ラビ: もう少しかかりそう
  681. アレクサンドラ: 長引いてるんですか…?
  682. アレクサンドラ: うららちゃん、 また苦戦しているとか…?
  683. ラビ: むしろ、その逆
  684. ラビ: 順調すぎて、うららもあの子も ディアボロの練習を楽しんでる
  685. 旭: それは良かったでありますな
  686. アレクサンドラ: うららちゃん…
  687. アレクサンドラ: くららちゃんとのことは 少しは吹っ切れたでしょうか…?
  688. ラビ: そう簡単にはいかない
  689. ラビ: それでも… もう大丈夫そうに見える
  690. うらら: じゃあ、最初から通して 演技してみるんよ!
  691. れい: わかった!
  692. うらら: 次は動画を撮影するから
  693. うらら: 改善できそうなポイントを ふたりで探すんよ
  694. れい: じゃあ行くよ…!
  695. うらら: ファイトなんよ!
  696.  
  697. FILENAME: text_310363-3.txt
  698. 「それでは、エントリーナンバー9番の方 演技を始めてください!」
  699. れい: ふぅ…
  700. れい: …………
  701. うらら: れいちゃん、リラックスして 楽しむんよー!
  702. うらら: (一緒に頑張ってきた成果を 披露して)
  703. うらら: (お客さんも審査員も 笑顔にしてあげるんよ!)
  704. れい: …………
  705. れい: あっ…
  706. うらら: 大丈夫なんよ、れいちゃん!
  707. うらら: (1回のドロップくらい 大したことないんよ!)
  708. うらら: (失敗を立て直す練習も たくさんしてきたんだから)
  709. うらら: (絶対大丈夫なんよ…!)
  710. れい: …………!
  711. れい: えいっ!
  712. 「今のは通称、うららスペシャルでしょうか? 有愛うらら選手にしかできないと思ってましたが 天才小学生の登場ですね!」
  713. 「そうですね 優勝候補のエントリーナンバー5番の方も 9番の方と同い年で 先日、別大会で優勝していますが このトリックは決めたことがありません…!」
  714. うらら: れいちゃん…! やったんよ!!
  715. れい: うららちゃん、見てみて!
  716. れい: 優勝カップ、 初めてもらっちゃった!
  717. うらら: すごいんよ! 本当に本当におめでとうなんよ!
  718. れい: ミスもあったけど…
  719. れい: 天才のあの子にもできなかった トリックが評価されて
  720. れい: ギリギリ優勝できたの!
  721. れい: 本当にぜんぶ うららちゃんのおかげだよ
  722. うらら: そんなことないんよ
  723. うらら: れいちゃんの努力があったから 優勝できたんよ
  724. れい: えへへ…
  725. れい: 私でもあの子に勝てることが あったんだって思うとね
  726. れい: すっごく嬉しい…!
  727. れい: うららちゃんに教えてほしいって お願いしてよかった…!
  728. うらら: ウチもコーチをやらせてもらえて よかったんよ
  729. うらら: じゃなきゃ、ずっと後悔を 引きずってたかもしれないんよ…
  730. れい: 後悔…?
  731. うらら: …ウチ、大切な友だちの気持ちを 考えられてなくて
  732. うらら: ずっと傷つけちゃってたんよ…
  733. うらら: だから、れいちゃんの気持ちを 考えながらコーチをやれたら
  734. うらら: ダメなウチも成長できるかもって 思ったんよ…
  735. れい: ふぅん…?
  736. れい: それならきっと、大成功だよね!
  737. うらら: そう…?
  738. れい: だってうららちゃんのおかげで 難しいトリックを学べて
  739. れい: あの子にも勝って 優勝できたんだもん!
  740. うらら: …………
  741. うらら: (…れいちゃんはくららと同じ、 努力する才能を持ってる子…)
  742. うらら: (ウチが教えてあげられるか 不安だったけど…)
  743. うらら: (こうして満足してもらえたなら きっと成功なんよね…)
  744. うらら: ありがとうなんよ、れいちゃん
  745. れい: ねえ…ディアボロのコーチ またやってくれる…?
  746. うらら: え、ウチでいいのん…!?
  747. れい: うららちゃんだから お願いしたいんだよ
  748. れい: だって、優勝するだけじゃなくて
  749. れい: ディアボロは楽しいんだって 気持ちを思い出せたんだもん
  750. うらら: …………!
  751. うらら: そういうことなら… また一緒に頑張るんよ!
  752.  
  753. FILENAME: text_310363-4.txt
  754. うらら: 遅れてごめんなんよ!
  755. ラビ: 大丈夫 事情はわかってるから
  756. アレクサンドラ: お疲れさまです、うららちゃん♪
  757. 旭: 今日はディアボロ教室の日だった でありますか
  758. うらら: そうなんよ!
  759. うらら: 前回よりも参加者が多くて 大変だったけど
  760. うらら: スタッフさんと頑張って コーチしてきたんよ
  761. アレクサンドラ: 充実してるみたいですね♪
  762. うらら: うまくやれてるのは マネージャーさんのおかげなんよ
  763. うらら: ディアボロのコーチングを やりたいって相談したら
  764. うらら: マネージャーさんが窓口や手配を してくれることになったから
  765. 旭: それでは、もうしばらくの間は コーチ業を続けるでありますか?
  766. うらら: そのつもりなんよ
  767. うらら: 大道芸の公演や芸能活動を 辞めちゃったから
  768. うらら: 家計の足しにしたいって いうのもあるけど…
  769. うらら: 誰かに教えることで、ウチも 気づけることがあるし
  770. うらら: 目標に向かって一緒に頑張って 達成できた時は
  771. うらら: ウチが大技を決めたときよりも 嬉しくなれるんよ!
  772. アレクサンドラ: 子どもたちの成長を助けて 一緒に喜んであげられる…
  773. アレクサンドラ: うららちゃん、いつのまにか すごく大人になったんですね♪
  774. うらら: いつのまにかって何なんよ!?
  775. ラビ: でも、本当にうららは成長した 前よりもずっと
  776. うらら: ラビさんにそう言ってもらえると すごく嬉しいんよ、ニパッ
  777. うらら: (…魔法少女になってからは)
  778. うらら: (くららと別れることになって 大道芸人も引退するしかなくて)
  779. うらら: (どうせ救われない宿命なら 全部諦めようと思ってたけど…)
  780. うらら: …ウチ、大人になっても コーチを続けて
  781. うらら: ディアボロを楽しんでくれる子を 増やしたいんよ
  782. 旭: そういえば、うららが大道芸を 始めたきっかけは
  783. 旭: 弟妹たちを楽しませたかったから でありましたな
  784. うらら: そうなんよ
  785. うらら: ふたりで世界一のコンビになって
  786. うらら: ディアボロの演技で 世界中の人を笑顔にするんよ!
  787. うらら: (魔法少女になったウチには もう無理だって諦めてたけど…)
  788. うらら: ディアボロの演技で みんなを笑顔にするって目標を
  789. うらら: ウチがコーチをすることで 後輩たちに託したいんよ
  790. アレクサンドラ: うららちゃんらしい夢ですね
  791. ラビ: …叶うことを願ってる
  792. うらら: うん… ウチ、頑張るんよ!
  793. うらら: (魔法少女のウチは、普通には 生きられないってわかってる…)
  794. うらら: (それでも、こんな夢くらいは 持ってていいんよね…?)
  795. うらら: ウチの夢、 いつか叶えてみせるんよ!
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