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My Only Salvation (Oriko Event) JP Text

May 11th, 2022 (edited)
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  1. (from the opening sequence images in 516510-0)
  2. 予知に現れたのは… 破滅の未来をもたらす魔法少女
  3. “救世”こそが わたしの使命なのだから…
  4. [Title card] My Only Salvation
  5.  
  6. FILENAME: text_516510-1_vAsIH.txt
  7. 美国 織莉子: (今日のおやつは… クッキーとマドレーヌ)
  8. 美国 織莉子: (あの子はたくさん食べるけど これだけあれば大丈夫ね)
  9. 呉 キリカ: 織莉子! これ、すごくおいしい!
  10. 呉 キリカ: 名前はわかんないけど この丸くて白いクッキー!
  11. 呉 キリカ: 真っ白で ちょっと織莉子みたいだね
  12. 美国 織莉子: ふふ…
  13. 美国 織莉子: キリカはブルードネージュが 気に入ったのね
  14. 美国 織莉子: …なんてね
  15. 美国 織莉子: (喜ぶ姿が目に浮かぶわ)
  16. ピー!
  17. 美国 織莉子: (お湯も沸いたし)
  18. 美国 織莉子: (ティーポットに 茶葉はセットした)
  19. 美国 織莉子: (あとは、あの子が 帰って来るのを待つだけね)
  20. 美国 織莉子: …………
  21. 美国 織莉子: (お茶のあとは)
  22. 美国 織莉子: (今後の動きについて 指示を与えないといけないわね)
  23. 美国 織莉子: 見滝原市に襲来する 最強とうたわれる魔女…ワルプルギスの夜
  24. 美国 織莉子: そして、その後に生まれる 世界を滅ぼす最悪の魔女…
  25. 美国 織莉子: わたしの予知が見せる 無残な結末を避けるためにも
  26. 美国 織莉子: 最悪の魔女となる少女…鹿目まどかを インキュベーターと契約する前に“殺す”
  27. 美国 織莉子: それがわたしの使命だから
  28. 美国 織莉子: (そのためなら どんな非道だって成す…)
  29. 美国 織莉子: (ひとりと その他すべての人々の命)
  30. 美国 織莉子: (比べるまでもないことよ…)
  31. 「続いてのニュースです」
  32. 美国 織莉子: あら…テレビをつけたままに していたわね…
  33. 美国 織莉子: 消して…えっ…?
  34. 「ここからは 神浜市を襲った大規模災害の被害状況を 見ていこうと思います」
  35. まずは当日の映像をごらんください
  36. 続いて 被害が大きかった神浜市の中央区から ライブでお伝えします
  37. 人的被害はなかった今回の災害ですが 建物への被害が大きく 復興には時間がかかるものと思われます
  38. 美国 織莉子: …………なぜ…?
  39.  
  40. FILENAME: text_516510-2_vAsIH.txt
  41. まずは当日の映像をごらんください
  42. 続いて 被害が大きかった神浜市の中央区から ライブでお伝えします
  43. 人的被害はなかった今回の災害ですが 建物への被害が大きく 復興には時間がかかるものと思われます
  44. 美国 織莉子: …………なぜ…?
  45. 美国 織莉子: ――っ!?
  46. 美国 織莉子: (神浜市の大災害は 自然に起こったものではなく)
  47. 美国 織莉子: (魔女…ワルプルギスの夜に よるもの…)
  48. 美国 織莉子: (わたしの予知では 見滝原市に来るはずだった)
  49. 美国 織莉子: (それが、 神浜市に現れたんだわ…)
  50. 美国 織莉子: …………
  51. 美国 織莉子: (また神浜市なのね…)
  52. 呉 キリカ: 実際、私も、神浜って 妙な町だなって思ったよ
  53. 呉 キリカ: なんたって、 やたら魔女が多くって…
  54. 美国 織莉子: (やっぱり…キリカも… そして巴マミたちも…)
  55. 美国 織莉子: (皆、何かしら神浜の 異変を感じ取っている…)
  56. 美国 織莉子: (あの町に関わってから 予知の力が不安定だったけど…)
  57. 美国 織莉子: (わたしの行動に関わらず 予知と現実に差が出たのは…)
  58. 美国 織莉子: (神浜市のせいということ…?)
  59. 美国 織莉子: (いままでの予知だと…)
  60. 美国 織莉子: ―織莉子― ワルプルギスの夜は 見滝原市を襲い…
  61. 美国 織莉子: ―織莉子― ワルプルギスの夜と戦うために 魔法少女になった鹿目まどかが力を使い果たして
  62. 美国 織莉子: ―織莉子― 最悪の魔女になるはずだった…
  63. 美国 織莉子: ―織莉子― 誰も敵うことのない史上最強の魔女
  64. 美国 織莉子: ―織莉子― 生まれる前に葬り去るしかない 滅びの化身…
  65. 美国 織莉子: (だから、鹿目まどかを殺して)
  66. 美国 織莉子: (救世を成すことが)
  67. 美国 織莉子: (わたしの使命だと 思っていたのに…)
  68. 美国 織莉子: …………
  69. 美国 織莉子: ――っ!?
  70. 美国 織莉子: (待って…!)
  71. 美国 織莉子: (予知が変わったなら、 鹿目まどかはいま…)
  72. 呉 キリカ: ただいま、織莉子ー!
  73. 美国 織莉子: キリカ… ちょうどよかったわ
  74. 美国 織莉子: 命令よ
  75.  
  76. FILENAME: text_516510-3_vAsIH.txt
  77. 美国 織莉子: キリカ… ちょうどよかったわ
  78. 美国 織莉子: 命令よ
  79. 呉 キリカ: うん!
  80. 呉 キリカ: 織莉子の言うことなら なんでもするよ
  81. 呉 キリカ: 鹿目まどかの様子を 探ればいいんだね
  82. 美国 織莉子: そうよ
  83. 美国 織莉子: ただし、手出しは無用…
  84. 美国 織莉子: 様子を見てくるだけにして
  85. 呉 キリカ: わかった!
  86. 美国 織莉子: そのあとは、神浜市の偵察を… こちらも見てくるだけでいいわ
  87. 呉 キリカ: オッケー! じゃあ、さっそく行ってくるよ
  88. 美国 織莉子: …………
  89. 美国 織莉子: (嫌な予感がするわ…)
  90. 美国 織莉子: (わたしの予知だと 鹿目まどかは)
  91. 美国 織莉子: (ワルプルギスの夜と 戦うために魔法少女になった…)
  92. 美国 織莉子: (ワルプルギスの夜が見滝原市に 現れなかったのだから)
  93. 美国 織莉子: (あの予知は外れたはず…)
  94. 美国 織莉子: (それなら、鹿目まどかは 魔法少女にはなっていない…)
  95. 美国 織莉子: (…まだ打つ手はあるはずよ)
  96. 美国 織莉子: しっかりしなさい、織莉子
  97. 美国 織莉子: わたしは救世を成す魔法少女 美国織莉子なのよ…
  98. 呉 キリカ: さて、鹿目まどかはー、っと…
  99. 呉 キリカ: いた
  100. 呉 キリカ: (くっついてるヤツらは 学校の友だち…?)
  101. さやか: あっ、来た! マミさーん!
  102. マミ: 遅くなってごめんなさい…
  103. 呉 キリカ: (…巴マミ!?)
  104. 呉 キリカ: (織莉子は 鹿目まどかと巴マミが)
  105. 呉 キリカ: (知り合いだなんて 言ってなかったけど…)
  106. 呉 キリカ: (…移動するみたいだ)
  107. 呉 キリカ: (追いかけよう…)
  108. まどか: 無事に魔女を倒せてよかったね
  109. ほむら: そうだね この後はどうする…?
  110. マミ: 気になる場所があるから もう少しパトロールしたいわ
  111. さやか: じゃあ、行きましょうか!
  112. 呉 キリカ: …………
  113. 呉 キリカ: (考えるのは私の役目じゃない)
  114. 呉 キリカ: (織莉子のために駒として動く)
  115. 呉 キリカ: (それが私の役目だ)
  116. 呉 キリカ: (次は神浜市、だっけ…)
  117.  
  118. FILENAME: text_516510-4_vAsIH.txt
  119. 美国 織莉子: 鹿目まどかが魔法少女に…?
  120. 呉 キリカ: 間違いないよ
  121. 呉 キリカ: 魔法少女として 活動しているところを見たから
  122. 美国 織莉子: …………
  123. 美国 織莉子: (…予知にはそんなこと… 出ていなかった…)
  124. 美国 織莉子: お父様がわたしをひとり残して 自死したとき…
  125. 美国 織莉子: わたしは生きる意味を見失ってしまった…
  126. 美国 織莉子: 交通事故で突然亡くなったお母様の代わりに お父様を支えること…
  127. 美国 織莉子: それが、わたしにとっての生きる意味であり 全てだったから
  128. 美国 織莉子: 偉大なお父様の支えになれることは わたしにとって誇りではあったけれど 同時に、影にいることでもあった
  129. 美国 織莉子: “市議を務め、国政にも出ようとしている父の娘” “あの美国のお嬢様”
  130. 美国 織莉子: 人々は、わたしを お父様や家柄を通して見た
  131. 美国 織莉子: 誰にも見てもらえなかったわたしに 予知の能力は、使命を果たすという 新しい“意味”をくれた…
  132. 美国 織莉子: そう思っていたのに…
  133. 美国 織莉子: 鹿目まどかは魔法少女になってしまった
  134. 美国 織莉子: (だったら、 わたしのこれまでの行いは…?)
  135. 見滝原市の工場付近で 女子中学生の遺体が発見されました
  136. 美国 織莉子: キリカ、命令よ
  137. 美国 織莉子: (“救世”のため… 世界を救うためだからと)
  138. 美国 織莉子: (手を汚してきたのに その意義をなくしたら…)
  139. 美国 織莉子: (わたしは… わたしの意味は…!)
  140. 呉 キリカ: 織莉子…!
  141. 美国 織莉子: …!
  142. 美国 織莉子: 報告を聞いてる途中だったわね
  143. 美国 織莉子: 神浜市はどうだったの?
  144. 呉 キリカ: ワルプルギスの夜は
  145. 呉 キリカ: 神浜市の魔法少女によって 倒されたみたいだよ
  146. 呉 キリカ: 死亡者はいないって話も ホントみたい
  147. 美国 織莉子: …そう
  148. 美国 織莉子: 神浜市の魔法少女たちは 自分たちの町を救ったのね…
  149. 美国 織莉子: (彼女たちにはできたのに わたしは…)
  150. 美国 織莉子: …………
  151. 美国 織莉子: 他には何かあった?
  152. 呉 キリカ: …ワルプルギスの夜が 神浜市に向かったのも
  153. 呉 キリカ: 一部の魔法少女たちの 仕業みたいなんだけど
  154. 美国 織莉子: …!
  155. 呉 キリカ: それも、神浜市の魔法少女たちが 片をつけたんだって
  156. 美国 織莉子: …そう
  157. 呉 キリカ: たださ… あの町、まだ何かあると思うよ
  158. 呉 キリカ: 確信があるわけじゃないけど なんかヘンだし
  159. 美国 織莉子: …………
  160. 美国 織莉子: (…予知の調子が悪くなったのも 神浜市の予知を見てからだった)
  161. 呉 キリカ: だからさ、神浜市に関する予知が できないか試してみたらどう?
  162. 美国 織莉子: …いい考えね やってみるわ
  163. 美国 織莉子: (もしかしたら…)
  164. 美国 織莉子: (そこにわたしが本当に救うべき 何かがあるかもしれない…)
  165.  
  166. FILENAME: text_516510-5_vAsIH.txt
  167. 美国 織莉子: …………
  168. 美国 織莉子: (…見えた)
  169. 美国 織莉子: 神浜市でこれから争いが起きる… たくさんの魔法少女たちが 傷つけあっている
  170. 美国 織莉子: なぜ、こんな戦いが…?
  171. ???: わたしの願いで、どうあがいても 滅びが訪れるのなら…
  172. ???: わたしはもう、抗わない
  173. ???: 滅びの潮流に乗って 願い通りの未来にする
  174. ???: ―???― 泣くな、八雲
  175. ???: ―???― これこそが… 自分たちが望んだ滅びだろう
  176. ???: ―???― …ええ、そうよ これがわたしの願った滅び
  177. ???: ―???― キュゥべえに願って叶えた 魔法少女になった理由…
  178. ???: ―???― でも、このままだと神浜市だけじゃ 収まらないくらい波及するかもしれないわ…
  179. 美国 織莉子: ――っ!?
  180. 美国 織莉子: 滅びを願った魔法少女…
  181. 美国 織莉子: …………
  182. 美国 織莉子: (インキュベーターは 信用できる存在ではない)
  183. 美国 織莉子: (…でも)
  184. 美国 織莉子: (願いを叶えるという契約に うそ偽りがないのも事実)
  185. 美国 織莉子: …………
  186. 美国 織莉子: (ワルプルギスの夜が 神浜市に現れたのは)
  187. 美国 織莉子: (きっと彼女の 願いのせいだわ…)
  188. 美国 織莉子: (でも、ワルプルギスの夜は 神浜市を滅ぼしたとは言えない)
  189. 美国 織莉子: (なら…)
  190. 美国 織莉子: (彼女の願いは まだ叶っていない…)
  191. 美国 織莉子: (だから、 滅びの連鎖は続くのね)
  192. ???: ―???― でも、このままだと神浜市だけじゃ 収まらないくらい波及するかもしれないわ…
  193. 美国 織莉子: (しかも、その滅びは 世界にも影響を及ぼす…?)
  194. 美国 織莉子: (…滅びの起因は 鹿目まどかではなく…)
  195. 美国 織莉子: (あの魔法少女に変わったのね)
  196. 美国 織莉子: …………
  197. 美国 織莉子: つまり、 わたしがするべきなのは…
  198. 美国 織莉子: 救世のために 予知に出てきた滅びを呼ぶ魔法少女を 抹殺すること…
  199. 美国 織莉子: (…キリカにはもう一度)
  200. 美国 織莉子: (神浜市へ調査に行ってもらう 必要があるわね)
  201. 呉 キリカ: 織莉子、どうだった?
  202. 美国 織莉子: 見えたわ
  203. 美国 織莉子: キリカ、あなたの提案のおかげよ
  204.  
  205. FILENAME: text_516510-6_vAsIH.txt
  206. <2日後…>
  207. 美国 織莉子: キリカ
  208. 呉 キリカ: 織莉子! 会いたかったよ!
  209. 美国 織莉子: あらあら…
  210. 呉 キリカ: 会えない間も ずっと織莉子のことを考えてたよ
  211. 呉 キリカ: 寂しかったー!
  212. 美国 織莉子: ふふっ、 わたしも会いたかったわ
  213. 呉 キリカ: でも、織莉子まで 神浜市へ来る必要あった?
  214. 呉 キリカ: 私だけじゃ頼りない?
  215. 美国 織莉子: そういうわけじゃないわ
  216. 美国 織莉子: ただ、わたしも神浜市へ来た方が 動きやすいと思ったの
  217. 美国 織莉子: …それより、詳しい調査の結果を 教えてくれる?
  218. 呉 キリカ: もちろんだよ!
  219. 呉 キリカ: …って、カンジなんだけど
  220. 美国 織莉子: …………
  221. 美国 織莉子: (八雲みたま…調整屋… 神浜マギアユニオン…)
  222. 美国 織莉子: (調整屋、ねぇ…)
  223. 美国 織莉子: (魔法少女のソウルジェムに触れ 魔力を調整することで)
  224. 美国 織莉子: (魔法少女の力を強める人たち)
  225. 美国 織莉子: (戦闘が不得手だから 調整を施して対価を得ている)
  226. 美国 織莉子: (表向きには、 中立だと言っているようね…)
  227. 美国 織莉子: (その有用性と 敵味方なく調整を施すことから)
  228. 美国 織莉子: (多くの魔法少女と 関わりがある)
  229. 美国 織莉子: (…下手な手出しをすると 他の魔法少女たちから)
  230. 美国 織莉子: (反感を買うかもしれない…)
  231. 美国 織莉子: (…関係のない子を 巻き込むことは不本意だし)
  232. 美国 織莉子: (邪魔者が増えるのは厄介だわ)
  233. 美国 織莉子: (しかも、マギウスの翼の 一件で)
  234. 美国 織莉子: (神浜市の魔法少女たちは 一丸となる必要があった…)
  235. 美国 織莉子: (団結しているいま 情報伝達も早いでしょうね…)
  236. 呉 キリカ: 織莉子… 私の情報は役に立たない…?
  237. 美国 織莉子: そんなことはないわ
  238. 美国 織莉子: いま、作戦を考えていたの
  239. 呉 キリカ: 作戦?
  240. 美国 織莉子: “八雲みたま”を孤立させるわ
  241. 呉 キリカ: ひとりになったところを 狙うんだね
  242. 美国 織莉子: …ええ、周囲から引き離し
  243. 美国 織莉子: 命を狙われたとしても 自業自得だと思わせて
  244. 美国 織莉子: 庇う者がいない状況を作るの
  245. やだ… 汚職議員の娘よ…
  246. よく平気な顔して 学校に来れるわね
  247. ふふっ、少し前まで 才色兼備だとかで
  248. お姫様扱いだったのに 落ちぶれたものね
  249. 美国 織莉子: 人の絆などもろいものだから…
  250. 美国 織莉子: (加えて、八雲みたま自身も)
  251. 美国 織莉子: (他の魔法少女たちから距離を 置くようにできればなおいいわ)
  252. 美国 織莉子: (こちらはわたしとキリカ… ふたりしかいないのだから)
  253. 美国 織莉子: (八雲みたまに味方する 魔法少女を減らさなければ…)
  254. 美国 織莉子: (加えてもうひとつ…)
  255. 美国 織莉子: …あら、初めまして あなたはこの町の魔法少女さん?
  256. 保澄 雫: えぇ… あなたは違うの…?
  257. 保澄 雫: こっち!! 空間結合で退路を作ったから!!
  258. 呉 キリカ: じゃ…ま、あの短い髪の子にも 感謝しておこうかな?
  259. 美国 織莉子: (保澄雫)
  260. 美国 織莉子: (わたしもキリカも 顔を知られているのよね…)
  261. 美国 織莉子: …………
  262. 美国 織莉子: キリカ、 新しい命令よ
  263.  
  264. FILENAME: text_516510-7_vAsIH.txt
  265. <4日後…>
  266. いろは: …そうですか 大事がなくてよかったです
  267. いろは: こちらでも何かわかったら 共有しますね…
  268. やちよ: 電話、ユニオンの人から…?
  269. いろは: はい、ひなのさんからでした…
  270. いろは: 魔女退治中にエミリーちゃんが ケガをしたそうです…
  271. さな: また新しいケガ人が 出たんですね…
  272. うい: ケガの様子は…?
  273. いろは: ひなのさんたちもいたから 大事にはならなかったって…
  274. フェリシア: ワルプルギスの夜をぶっ飛ばして 気が緩んでるんじゃねーか?
  275. 鶴乃: いや、さすがにおかしいよ ここ数日、立て続けだし…
  276. やちよ: 今回も理由は同じ?
  277. いろは: …はい
  278. いろは: 「いつも通り戦えているつもりなのに 自分の動きが鈍くなっていた」
  279. いろは: …って、ひなのさんは 言っていました
  280. やちよ: どういうことなのかしら…?
  281. 鶴乃: 他のケガをした子たちも 似たようなことを言ってたよね
  282. 鶴乃: 敵の動きはとらえられるのに
  283. 鶴乃: それに体が ついていかないみたいな…
  284. いろは: それと… その…また…
  285. やちよ: 調整屋帰りだった?
  286. いろは: …はい
  287. さな: …一部では調整が原因だって 噂が出てますよね…?
  288. やちよ: みたまが失敗するとは 思えないけど…
  289. 鶴乃: ただ、 不審な状況でケガをした子が
  290. 鶴乃: みんな直前に 調整を受けてるとなると…
  291. 鶴乃: 原因がそこにあるって 考えちゃう気持ちはわかるよ…
  292. フェリシア: …?
  293. フェリシア: つまり、どういうことだ?
  294. 鶴乃: これからもっと詳しく 調べないといけないってことだよ
  295. 粟根 こころ: みたまさんが不調?
  296. 江利 あいみ: なんか調整の調子が 悪いらしーよ?
  297. 加賀見 まさら: …今日、寄ろうと思っていたけど 今度にした方がよさそうね
  298. 阿見 莉愛: まぁ…ワルプルギスの夜やら イブやらマギウスの翼やらが
  299. 阿見 莉愛: あった後だし… 疲れもたまるわよね…
  300. 梢 麻友: それなら、みんなで お見舞いに行きませんか?
  301. 史乃 沙優希: 沙優希、お見舞いに刀剣の御本を 持っていきますぅ~!
  302. 阿見 莉愛: 騒がしくしたら迷惑よ 静かに休ませてあげましょう
  303. 千秋 理子: みたまお姉さん 大丈夫でしょうか…
  304. 眞尾 ひみか: 昨日、帰り道ですれ違ったときは いつも通りだったけど…
  305. 眞尾 ひみか: みたまさんだからなぁ…
  306. 月咲: 何かあっても隠すよね…
  307. 美国 織莉子: …………
  308. 美国 織莉子: 調整屋帰りの魔法少女を襲う 不審な状況…
  309. 美国 織莉子: 疑いの目は、八雲みたまに 向きつつある…
  310. 美国 織莉子: (第一段階としては 上々かしら…)
  311. 美国 織莉子: (そろそろ 次の手を打ちましょうか)
  312. 毬子 あやか: あたしのギャグで みたまさんを元気づけるよ!
  313. 観鳥 令: ギャグはともかく… 様子は見ておきたいね
  314. 牧野 郁美: 変な噂のせいで 悲しんでるかもしれないもんね…
  315. 保澄 雫: …そうですね
  316. 美国 織莉子: (ちょうどいいタイミングね)
  317.  
  318. FILENAME: text_516510-8_vAsIH.txt
  319. 美国 織莉子: …くっ…
  320. 成就是如 勢大及至 敎度化脱 如復是亦 思可議不 之所知能
  321. 美国 織莉子: きゃぁ…!
  322. うい: お姉ちゃん! 誰か苦戦してるよ!
  323. いろは: いけない…! 助けないと…!
  324. 美国 織莉子: …………
  325. いろはの声: 下がってください!
  326. 美国 織莉子: …えっ…?
  327. 美国 織莉子: あっ…
  328. うい: 大丈夫?
  329. 美国 織莉子: え、ええ… ありがとう…
  330. いろは: やぁあっ…!
  331. 衆菩薩諸 錠如來光 國土極樂 生衆者生 如復是亦 漢羅阿皆
  332. いろは: ふぅ… 倒せてよかった
  333. いろは: えっと… 大丈夫ですか?
  334. 美国 織莉子: ええ、大丈夫 助けてくれてありがとう
  335. うい: よかった
  336. いろは: 初めてお会いすると思うんですが 神浜市の方ですか?
  337. 美国 織莉子: あっ…ごめんなさい
  338. 美国 織莉子: 助けてもらったのに 挨拶もしないで…
  339. 美国 織莉子: わたしは美国織莉子
  340. 美国 織莉子: 家の都合で、最近 引っ越してきたばかりなの
  341. いろは: あ、そうだったんですね…
  342. うい: やっぱり初めましてだったんだ
  343. いろは: 私は、いろはです 環いろは
  344. いろは: この子は妹のうい
  345. うい: よろしくね
  346. いろは: あの… 織莉子さんが苦戦していたのって
  347. いろは: 戦闘がいつものように いかなかったからですか…?
  348. 美国 織莉子: えっ…?
  349. 美国 織莉子: …いえ、わたしは 元々戦いが得意ではなくて…
  350. 美国 織莉子: どうしてそんなことを…?
  351. いろは: 実は、 最近、思うように戦えなくて
  352. いろは: ケガをする魔法少女が 増えているんです
  353. うい: わたしたちは、ユニオンとして 調査しているところだったの
  354. 美国 織莉子: えっと…?
  355. いろは: あっ…! 一度に言われても困りますよね
  356. いろは: ユニオン… 神浜マギアユニオンは
  357. いろは: 神浜市の魔法少女たちが 助け合うためのものなんです
  358. うい: 困ったときに助け合うための 大きなグループみたいなものだよ
  359. うい: 織莉子さんも よかったら参加してね
  360. 美国 織莉子: わたしも…?
  361. 美国 織莉子: でも、わたしは強くないし 足を引っ張ってしまうかも…
  362. いろは: 強いとか弱いとかは 関係ありません
  363. いろは: 助け合おうっていう 気持ちさえあれば大丈夫です
  364. 美国 織莉子: …それなら、ぜひ
  365. うい: やった!
  366. いろは: もし、時間があれば
  367. いろは: ユニオンや神浜市のことを お話したいんですけど
  368. いろは: どうでしょう?
  369. 美国 織莉子: 時間は大丈夫
  370. 美国 織莉子: ただ、あまりかしこまらないで 同じくらいの年だと思うから
  371. いろは: えっ、織莉子さんって 高校生ですよね?
  372. 美国 織莉子: まだ中学生よ 中学3年生
  373. いろは: あっ、じゃあ私と一緒だ
  374. うい: ふふっ、 とりあえず場所を移動しない?
  375. いろは: そうだね みかづき荘がいいかな
  376. 美国 織莉子: …………
  377. いろは: あっ、そうだ! 織莉子ちゃん
  378. いろは: 神浜マギアユニオンにようこそ! これからよろしくね
  379. 美国 織莉子: 不審な状況でのケガ…
  380. やちよ: 引っ越してきたばかりなのに 慌ただしくてごめんなさい…
  381. やちよ: でも、すぐに原因を突き止めて 収めるつもりだから心配しないで
  382. 鶴乃: あとは…
  383. 鶴乃: 普段だったらみたまの所にも 連れていくところだけど
  384. 鶴乃: いまはちょっとね…
  385. 美国 織莉子: みたま、さん…?
  386. やちよ: 調整屋をやっているのよ 調整屋というのは…
  387. 美国 織莉子: ――っ!?
  388. 美国 織莉子: 調整、屋…
  389. いろは: 織莉子ちゃん…?
  390. ~♪~♪~♪
  391. いろは: あっ、ごめん ちょっと電話が…
  392. いろは: はい…
  393. いろは: えっ…! また、ケガ人が…!?
  394.  
  395. FILENAME: text_516510-9_vAsIH.txt
  396. いろは: えっ…! また、ケガ人が…!?
  397. いろは: …………
  398. いろは: うん、わかった… すぐに行くね
  399. ピッ
  400. やちよ: またケガ人が出たのね
  401. いろは: 雫ちゃんが ケガをしたそうです…
  402. フェリシア: 雫が!?
  403. いろは: …しかもね 酷いケガで意識がないみたい…
  404. やちよ: そんな…
  405. いろは: 私は治療のために 雫ちゃんの所に行きます
  406. 鶴乃: わたしたちも行くよ 連絡が来たってことは
  407. 鶴乃: 誰か一緒だったんだよね?
  408. いろは: うん、観鳥さんたちが 一緒だったみたい…
  409. 鶴乃: じゃあ、話を聞かないとね
  410. やちよ: 申し訳ないけど、 今日はこれで…
  411. やちよ: また落ち着いたら 歓迎会をさせてね
  412. 美国 織莉子: (もう少し状況を 進展させておきたい)
  413. 美国 織莉子: (このまま帰されるのは 困るわ…)
  414. 美国 織莉子: あの…わたし…
  415. 美国 織莉子: 似た状況に心当たりがある、 かもしれないの…
  416. いろは: えっ…!?
  417. 美国 織莉子: この町には 調整屋さんがいるのよね…?
  418. いろは: …うん、いるよ
  419. 美国 織莉子: …………
  420. 美国 織莉子: (…興味を引けたようね)
  421. やちよ: 言いにくいことみたいね…
  422. いろは: どうしましょう…
  423. いろは: 雫ちゃんの所に 早く行かないといけないけど
  424. いろは: 織莉子ちゃんの話も 聞いておきたいです…
  425. やちよ: …じゃあ、こうしましょう
  426. やちよ: いろはたちは、雫さんの所へ 先に行ってちょうだい
  427. やちよ: 美国さんの話は私が聞くわ
  428. やちよ: 美国さんもそれでいいかしら?
  429. 美国 織莉子: …はい
  430. 美国 織莉子: …お茶ありがとうございます
  431. やちよ: いいのよ 少し落ち着いたみたいね
  432. 美国 織莉子: …本題に入りますね
  433. 美国 織莉子: 実は、前に住んでいた所にも 調整屋さんがいたんです…
  434. 美国 織莉子: わたしも何度か お世話になりました
  435. 美国 織莉子: でも…
  436. やちよ: …………
  437. 美国 織莉子: あるときから…
  438. 美国 織莉子: 戦闘中に不調を訴える魔法少女が 出始めたんです
  439. やちよ: それが調整屋のせいだったと…?
  440. 美国 織莉子: …正確なところはわかりません
  441. 美国 織莉子: 多くは人づてに聞いた話なので 噂と変わらないかも…
  442. やちよ: …それでも聞きたいわ
  443. 美国 織莉子: …いつも通り 調整しているつもりでも
  444. 美国 織莉子: 調整の力が変質していたから そういった事故が起こった
  445. 美国 織莉子: そして、力が変質したのは 心の在り方が変わったからだと…
  446. やちよ: 心の在り方…
  447. 美国 織莉子: この噂話に どの程度の信憑性があるのか
  448. 美国 織莉子: わたしにはわかりません
  449. 美国 織莉子: 確かなのは、調整後に調子を崩す 魔法少女が続出したこと
  450. 美国 織莉子: そして…
  451. 美国 織莉子: 調整屋を営んでいた魔法少女が 廃業して姿を消したことだけです
  452. やちよ: 失踪したの? それって…
  453. 美国 織莉子: わかりません
  454. 美国 織莉子: どこかでひっそり生きているのか それとも…
  455. やちよ: …………
  456. 美国 織莉子: わたしもお世話になったのに 何も、できませんでした…
  457. やちよ: 美国さん…
  458. やちよ: 辛いことなのに 話してくれてありがとう…
  459. 鶴乃: そっちの話はわかったよ…
  460. 鶴乃: こっちは、いろはちゃんが 治療しているところ…
  461. 鶴乃: 話を聞くのは、 もう少し落ち着いてからかな…
  462. やちよ: 焦らなくていいわ まずは、治療に専念して
  463. 鶴乃: …うん、そっちはどうするの?
  464. やちよ: 私は、これから 十七夜に連絡をとって
  465. やちよ: 美国さんと一緒に みたまの所に行くつもり
  466. 鶴乃: …そっか
  467. 鶴乃: ししょー… みたまはさ…
  468. やちよ: わかってる
  469. やちよ: 何があっても みたまは私たちの仲間よ
  470.  
  471. FILENAME: text_516510-10_vAsIH.txt
  472. 呉 キリカ: (この奥が調整屋かぁ…)
  473. 呉 キリカ: (遠くから見てはいたけど 実際に行くのは初めてだなぁ)
  474. 呉 キリカ: (ここまでは作戦通りだよ 織莉子…)
  475. <4日前…>
  476. 呉 キリカ: 私の魔法で 神浜市の魔法少女たちを撹乱…?
  477. 美国 織莉子: そうよ、そしてその間に わたしはユニオンに潜り込むわ
  478. 美国 織莉子: 撹乱のやり方は…
  479. 矢宵 かのこ: ありがとう、みたまさん!
  480. 空穂 夏希: お邪魔しましたー!
  481. みたまの声: はーい また来てねぇ
  482. かのこ&夏希: ――っ!?
  483. 矢宵 かのこ: 近くに魔女の反応があるみたいね
  484. 空穂 夏希: 退治しておきましょうか
  485. 呉 キリカ: (来た来た…)
  486. …!
  487. 矢宵 かのこ: 当たらないわよ
  488. 呉 キリカ: (いまだ… 速度低下…!)
  489. 矢宵 かのこ: ――っ!?
  490. 矢宵 かのこ: …ぐっ なんで、避けたのに…
  491. 空穂 夏希: かのこさん!
  492. 呉 キリカ: (こっちは攻撃にあわせて…)
  493. 空穂 夏希: え…い…!
  494. 空穂 夏希: えっ…うそ…避けられた…?
  495. <前日…>
  496. ジャギギ▲◎▲☆□ー!!
  497. 呉 キリカ: (速度低下!)
  498. 木崎 衣美里: あぅ…! な、なんで…?
  499. 呉 キリカ: (…調整を受けた子を狙って)
  500. 呉 キリカ: (速度低下の魔法で 動きを鈍らせる…)
  501. 呉 キリカ: (いつものように動けないから ケガをして…)
  502. 呉 キリカ: (直前に受けた調整が 原因じゃないかと疑わせる)
  503. 呉 キリカ: (今回は特殊任務だね…)
  504. 呉 キリカ: (標的は保澄雫)
  505. 呉 キリカ: (これまでの状況を作りながら 私の魔法だってバレないように)
  506. 呉 キリカ: (標的を…)
  507. 保澄 雫: …!
  508. 呉 キリカ: (ヤバッ! 見つかった…!?)
  509. 呉 キリカ: (けど、声をあげられる前に 倒せる…!!)
  510. 呉 キリカ: (まぁ… 最後はちょっと危なかったけど)
  511. 呉 キリカ: 作戦通り…
  512. 呉 キリカ: 帰ったら 織莉子、褒めてくれるかな?
  513. 呉 キリカ: …っと、その前に
  514. 呉 キリカ: 保澄雫の意識が戻る前に 次の作戦に移らないとね
  515. 呉 キリカ: ご褒美はその後だ!
  516. みたま: いらっしゃい…
  517. 呉 キリカ: こんにちは、 キミがこの町の調整屋さん?
  518. みたま: …ええ、そうよ
  519. みたま: 見ない顔だけど 他の町から来たのかしら
  520. 呉 キリカ: そうだよ 私は他の町から来た
  521. 呉 キリカ: 調整屋の敵だ!
  522. みたま: えっ…?
  523. 呉 キリカ: 調整屋はみんな敵だよ
  524. 呉 キリカ: いつ力が変質して 私たちを殺すかわからない
  525. みたま: 力が変質…? 殺す…?
  526. みたま: …何を言っているの?
  527. 呉 キリカ: ああ、殺すって言っても 直接じゃないよ
  528. 呉 キリカ: 調整に失敗していることにも 気づかずに
  529. 呉 キリカ: 魔女の元へ送り出して殺すのさ
  530. みたま: …!
  531. 呉 キリカ: 心当たりがあるんだね
  532. 呉 キリカ: いいかい? この変化はまだ序の口だよ
  533. みたま: …………
  534. 呉 キリカ: 今日は警告に来ただけだけど
  535. 呉 キリカ: これからも 調整屋を続けるつもりなら
  536. 呉 キリカ: 私はキミを殺す
  537. 呉 キリカ: キミの味方をするヤツも 同じく敵とみなして殺す
  538. 呉 キリカ: …自分の行いが 何をもたらすかよく考えなよ
  539. 呉 キリカ: じゃあね、調整屋
  540. みたま: ………… …………
  541. みたま: …どういうことなの…?
  542. みたま: でも、最近の出来事は…………
  543. みたま: ………… …………
  544. やちよ: みたま、お邪魔するわよ
  545. 十七夜: …八雲? どうしたんだ?
  546. みたま: …………あ…
  547. みたま: …なんでもないわ みんなでどうしたの?
  548. 美国 織莉子: …………
  549. 美国 織莉子: (この人が…)
  550. 美国 織莉子: (滅びの起因となる魔法少女 八雲みたま…)
  551.  
  552. FILENAME: text_516510-11_vAsIH.txt
  553. みたま: 心の在り方で 調整の力が変質する…?
  554. 十七夜: …あくまでも美国君が住んでいた 町の噂話だそうだが…
  555. 美国 織莉子: 中途半端な話をしてしまって ごめんなさい…
  556. 美国 織莉子: でも、 あまりにも状況が似ていて…
  557. みたま: …いえ、あなたが 謝ることではないわ
  558. みたま: (心の在り方…)
  559. みたま: (わたしの心を置く場所が 変わったということなら)
  560. みたま: (心当たりがある)
  561. みたま: (いまのわたしにとって)
  562. みたま: (神浜市への恨みよりも みんなといることの方が大切)
  563. みたま: (負の感情で願いを叶えた 魔法少女が調整の力を得るなら)
  564. みたま: (その心が変わったら…?)
  565. みたま: (…調整の力が失われないとは 断言できない…)
  566. みたま: (先生なら、 何かわかるかもしれないけど)
  567. みたま: (中立の立場を破った以上 連絡を取るのは…)
  568. やちよ: みたま、 思いつめる必要はないのよ
  569. やちよ: あなたが悪いことなんて ひとつもないんだから
  570. みたま: …やちよさん
  571. 十七夜: うむ、 可能性のひとつというだけだ
  572. 十七夜: 気にし過ぎるのはよくない
  573. みたま: 十七夜…
  574. みたま: (十七夜もやちよさんも わたしを信じてくれてる…)
  575. みたま: (なのに…)
  576. 呉 キリカ: 調整に失敗していることにも 気づかずに
  577. 呉 キリカ: 魔女の元へ送り出して殺すのさ
  578. 呉 キリカ: これからも 調整屋を続けるつもりなら
  579. 呉 キリカ: 私はキミを殺す
  580. 呉 キリカ: キミの味方をするヤツも 同じく敵とみなして殺す
  581. みたま: (ふたりはわたしを 信じてくれるのに…)
  582. みたま: (わたしが一番 わたしを信じられない…)
  583. ~♪~♪~♪
  584. やちよ: いろはからだわ… 少し出てくるわね
  585. やちよ: みたまのこと頼むわね
  586. 十七夜: うむ 情報共有は別途頼む
  587. 十七夜: いまの八雲にこれ以上 心労はかけられないからな
  588. やちよ: ええ、そう思って
  589. やちよ: 雫さんのことは 伝えてないものね…
  590.  
  591. FILENAME: text_516510-12_vAsIH.txt
  592. やちよ: 観鳥さんたちも ケガをしていたのね…
  593. いろは: 治療は終わったんですが…
  594. いろは: 雫ちゃんの意識が戻らないので 病院に搬送してもらいました…
  595. いろは: あやかちゃんが付き添ってます
  596. やちよ: そう…
  597. いろは: 観鳥さんたちから聞いたことを そのままお伝えしますね…
  598. 鶴乃: 何があったか話せる…?
  599. 観鳥 令: もちろんだよ
  600. 牧野 郁美: くみたちはもう平気だからね…
  601. 牧野 郁美: …最初は、噂になっている通り
  602. 牧野 郁美: いつもみたいに 戦えない程度だったの…
  603. 観鳥 令: 普段の感覚で 攻撃しても避けられたり
  604. 観鳥 令: 反対に、攻撃を避けようとしたら 当たっちゃったりね…
  605. 観鳥 令: けど、そこに“黒い魔法少女”が 乱入してきた…
  606. いろは: “黒い魔法少女”…?
  607. 観鳥 令: 見たことない子で いきなり襲い掛かってきたんだよ
  608. 牧野 郁美: 最初に狙われたのが雫ちゃんで…
  609. 観鳥 令: 不意打ちで 一撃だったんだ…!
  610. 観鳥 令: しかも、あの魔法少女…!
  611. 観鳥 令: 『一緒に害ある調整屋を 排除するなら攻撃しない』
  612. 観鳥 令: って言ってきた…
  613. いろは: 調整屋…? みたまさんのこと…?
  614. 鶴乃: うーん… なんでみたまを?
  615. 観鳥 令: そこまではわかんないな…
  616. 牧野 郁美: うん…
  617. 牧野 郁美: 『そんなことできるわけない』 って、くみたちが言ったら…
  618. 牧野 郁美: くみたちにも襲い掛かってきて 撤退するだけで精一杯だったから
  619. 観鳥 令: それで、すぐに環さんたちに 連絡したってわけだ
  620. やちよ: …事情はわかったわ
  621. いろは: この話、みたまさんには…
  622. やちよ: …しばらくできないわね ただでさえ、傷ついてるもの…
  623. 十七夜: 待て、八雲!
  624. やちよ: みたま…! どうして…
  625. みたま: またケガをした子が 出たんでしょう?
  626. やちよ: …………
  627. みたま: 当てましょうか?
  628. みたま: 雫ちゃんとあやかちゃん、 それから、令ちゃんと郁美さん…
  629. みたま: 違う…?
  630. みたま: 今日、来てくれたのは あの子たちだけなの…
  631. やちよ: …そうよ
  632. みたま: ケガの状況は…?
  633. やちよ: …………
  634. みたま: 酷いのね…
  635. やちよ: …十七夜 事態は深刻かもしれないの
  636. やちよ: 雫さんたちは、 魔法少女の襲撃を受けたわ
  637. やちよ: 狙いは、おそらくみたまよ
  638. 十七夜: …八雲が?
  639. みたま: 話して、やちよさん…! わたしにも関係があるんでしょ?
  640. やちよ: みたま、落ち着いて…
  641. みたま: 落ち着いていられるわけない!
  642. みたま: わたしのせいで 仲間が傷ついているのよ!
  643. やちよ: みたまのせいじゃないわ…
  644. みたま: じゃあ、 どうして話してくれないの?
  645. やちよ: …まずは落ち着いて ねっ…?
  646. 美国 織莉子: (話すつもりはなさそうね…)
  647. 美国 織莉子: …あの、 差し出がましいかもしれませんが
  648. 美国 織莉子: 話してもらえない方が 辛いときもあると思います…
  649. みたま: お願い、教えて…
  650. やちよ: …雫さんたちは、 魔法少女の襲撃にあったみたい…
  651. みたま: 魔法少女の…?
  652. やちよ: ええ、見たことのない “黒い魔法少女”だったって…
  653. みたま: …………
  654. やちよ: 隠そうとしたわけじゃないのよ…
  655. やちよ: ただ、いまみたまに話して 負担をかけたくなかっただけで…
  656. みたま: ………… …………
  657. みたま: (黒い、魔法少女…)
  658. 呉 キリカ: キミの味方をするヤツも 同じく敵とみなして殺す
  659. みたま: (わたしの…せいだ…)
  660. やちよ: ごめんなさい…
  661. やちよ: やっぱり、 いま話すべきじゃなかったわね…
  662. みたま: いいえ… 気を使ってくれてありがとう
  663. みたま: でも、わたしは大丈夫よ
  664.  
  665. FILENAME: text_516510-13_vAsIH.txt
  666. みたま: …わたし、しばらく 調整屋を休業するわ
  667. 十七夜: 待て、気に病むな 八雲のせいじゃない
  668. みたま: そうじゃないの…
  669. みたま: 少し様子を見る時間も 必要でしょ?
  670. みたま: 最近は、噂のこともあって お客さんも少ないから
  671. みたま: 支障はでないでしょうし…
  672. やちよ&十七夜: …………
  673. みたま: たまには、 お休みがあってもいいかなって…
  674. やちよ: …休む時間が必要なのはわかるわ
  675. やちよ: でも、ひとりで抱え込まないで
  676. みたま: あらぁ、 心配しなくても大丈夫よぉ
  677. みたま: わたしって、 自分であれこれするより
  678. みたま: みんなを頼ってやってもらう方が 得意じゃない?
  679. みたま: 頼みたいことがあったら ちゃんと呼び出すから
  680. 十七夜: …本当に重要なこと以外はな
  681. みたま: そんなことないわよぉ?
  682. みたま: とにかく、しばらく調整屋さんは お休みするから…
  683. みたま: やちよさん、 みんなに伝えておいてくれる?
  684. やちよ: …ユニオンの連絡網を使って 伝えておくわ
  685. みたま: ええ、よろしくね
  686. みたま: さて、閉店準備をしなきゃ…
  687. みたま: 悪いけど、 今日はみんなも帰ってくれる?
  688. 十七夜: いや、手伝おう ついでに送っていく
  689. みたま: 心配性ねぇ… 大丈夫、必要ないわ
  690. みたま: …じゃあね
  691. やちよ: ちょっと…!
  692. やちよ: …………
  693. 十七夜: カギをかけられたな…
  694. やちよ: …もう少し呼びかける?
  695. 十七夜: …いや、 ひとりの時間も必要だろう
  696. 美国 織莉子: …あの…
  697. やちよ: 美国さん… ごめんなさい…
  698. やちよ: 神浜市に来たばかりなのに こんなことに巻き込んでしまって
  699. 美国 織莉子: いえ… それより、大丈夫でしょうか?
  700. 美国 織莉子: このまま、 いなくなってしまったりは…
  701. やちよ&十七夜: …………
  702. 十七夜: ちゃんと家に帰るか 自分が見ておこう
  703. やちよ: …お願いするわ
  704. やちよ: こっちも、“黒い魔法少女”を 探してみる…
  705. やちよ: みたまが、 早く安心できるようにね
  706. 十七夜: …うむ
  707. 美国 織莉子: …………
  708. 美国 織莉子: (八雲みたまは このまま孤立の道を選ぶ…)
  709. 美国 織莉子: (想定通り、とはいえ いい状況だわ…)
  710.  
  711. FILENAME: text_516510-14_vAsIH.txt
  712. <翌日…>
  713. 美国 織莉子: …………
  714. 美国 織莉子: (調整屋の休業…)
  715. 美国 織莉子: (自ら孤立する道を選んだ 八雲みたま)
  716. 美国 織莉子: (作戦は順調に進んでいる)
  717. 美国 織莉子: なのに、 なぜ素直に喜べないのかしらね…
  718. 美国 織莉子: (…彼女には悪かったと 思っているわ…)
  719. 美国 織莉子: (…でも、必要なことだったの)
  720. 美国 織莉子: (“救世”のためには どんなことだってする)
  721. 美国 織莉子: (そう誓ったのだから)
  722. 美国 織莉子: (ひとつひとつの出来事に 心を揺さぶられてはいけない)
  723. 美国 織莉子: (わたしはわたしが 成すべきことをするだけ)
  724. 美国 織莉子: (なのに…)
  725. やちよ: みたま、 思いつめる必要はないのよ
  726. やちよ: あなたが悪いことなんて ひとつもないんだから
  727. みたま: …やちよさん
  728. 十七夜: うむ、 可能性のひとつというだけだ
  729. 十七夜: 気にし過ぎるのはよくない
  730. みたま: 十七夜…
  731. 美国 織莉子: (なぜ、彼女たちを見ていると 心が落ち着かないのかしら…)
  732. 美国 織莉子: …………
  733. いろは: 神浜マギアユニオンにようこそ! これからよろしくね
  734. 美国 織莉子: …くだらないわ
  735. キリカの声: 織莉子!
  736. 呉 キリカ: 織莉子、織莉子織莉子ー! やっと会えた!
  737. 呉 キリカ: はぁ…
  738. 呉 キリカ: ずっと会えてなかったから 深刻な織莉子不足だよ
  739. 美国 織莉子: キリカ…!
  740. 美国 織莉子: まずは ティータイムにしましょう
  741. 美国 織莉子: そろそろ来ると思って ルームサービスを頼んであるの
  742. 呉 キリカ: やった! お菓子ある?
  743. 美国 織莉子: もちろんよ
  744. 美国 織莉子: ほら、パンケーキ 好きだったわよね?
  745. 呉 キリカ: へへ、覚えててくれたんだ…!
  746. 呉 キリカ: シロップを…
  747. ドバっ…!
  748. 美国 織莉子: シロップ1本って…
  749. 美国 織莉子: ちょっと かけすぎじゃないかしら…?
  750. 美国 織莉子: パンケーキがシロップで びしゃびしゃよ、キリカ
  751. 呉 キリカ: これくらいの方が おいしいんだよ!
  752. 呉 キリカ: 織莉子もやってみる?
  753. 美国 織莉子: うーん… わたしは大丈夫よ
  754. 呉 キリカ: 残念…
  755. 呉 キリカ: いただきまーす!
  756. 呉 キリカ: んん~! おいしい!
  757. 美国 織莉子: (本当に、 おいしそうに食べるのね)
  758. 呉 キリカ: 織莉子、何かいいことあった?
  759. 美国 織莉子: えっ…?
  760. 呉 キリカ: 楽しそうだよ
  761. 美国 織莉子: …そう、かしら?
  762. 呉 キリカ: うん、わかるよ いつも織莉子を見ているからね
  763. 美国 織莉子: いつもって…
  764. 美国 織莉子: (作戦会議をしながらと 思ったけど…)
  765. 美国 織莉子: (やっぱり 食べ終わってからにしましょう)
  766. 呉 キリカ: ところでさぁ…
  767. 呉 キリカ: 保澄雫、 殺さなくてよかったの?
  768. 呉 キリカ: 確実に消しておいた方が 面倒がなかったんじゃない?
  769. 美国 織莉子: …………
  770. 呉 キリカ: 私が………… 殺したの…?
  771. 美国 織莉子: 『誰が何と言おうと… わたしがあなたを許すわ』
  772. 呉 キリカ: 「…本当に………?」
  773. 呉 キリカ: 「…私を…許してくれるの…? 織莉子………」
  774. 美国 織莉子: (わたしが、 人を殺めたキリカを許して以来)
  775. 美国 織莉子: (キリカは、わたしのためなら 殺人もいとわなくなった…)
  776. 呉 キリカ: ん? やっぱり消しとく?
  777. 美国 織莉子: (わたしが、そうさせた…)
  778. 美国 織莉子: いいえ…
  779. 美国 織莉子: …わたしたちの目的は
  780. 美国 織莉子: 八雲みたまを孤立させて 抹殺することよ
  781. 美国 織莉子: いま、死体が出れば 逆に警戒を強めるかもしれないし
  782. 美国 織莉子: 復讐に走る魔法少女が 出るかもしれない
  783. 美国 織莉子: そうなったら、 計画に支障が出るわ
  784. 呉 キリカ: あっ! それもそうか…
  785. 美国 織莉子: …それより 最後の仕上げに入りましょう
  786. 呉 キリカ: 新しい命令だね?
  787. 美国 織莉子: そうよ
  788. 美国 織莉子: キリカには、神浜市に さらなる混乱を起こしてほしいの
  789. 呉 キリカ: えっ? 八雲みたまはどうするのさ?
  790. 呉 キリカ: 私が殺すんじゃないの?
  791. 美国 織莉子: …姿をさらしたからには 自分の手で決着をつけるわ
  792. 美国 織莉子: それに…
  793. 美国 織莉子: “救世”はわたし自身の手で 成してこそ意味がある
  794. キュゥべえ: キミはどんな願いで ソウルジェムを輝かせるんだい?
  795. 美国 織莉子: わたし…わたしは…
  796. 美国 織莉子: わたしは… わたしが生きる意味を知りたい
  797. ???: ―???― でも、このままだと神浜市だけじゃ 収まらないくらい波及するかもしれないわ…
  798. 美国 織莉子: 予知が見せた滅びを退けることが わたしの生きる意味…
  799. 美国 織莉子: “救世”こそが わたしの使命なのだから…
  800.  
  801. FILENAME: text_516510-15_vAsIH.txt
  802. 明日香&ささら: ――っ!?
  803. 竜城 明日香: 魔女の反応です!
  804. 美凪 ささら: また!? 今日何度目よ…
  805. このは&葉月: ――っ!?
  806. 三栗 あやめ: ちょっと! 今日多くない!?
  807. 純 美雨: もしもし…
  808. 純 美雨: …ななかたちの方でも魔女が?
  809. 純 美雨: 中央区もヒドイものネ… 倒しながら合流するヨ
  810. 由良 蛍: うーん…さすがにぃ 寝てる場合じゃないっぽい~…
  811. 真井 あかり: わかってるなら次行くわよ!
  812. 由良 蛍: ふぁ~い…
  813. 水樹 塁: (うぅ…魔女の反応が あっちこっちから…)
  814. 水樹 塁: ――っ!?
  815. 水樹 塁: まさか、ヤツらの陰謀…!?
  816. 呉 キリカ: 神浜市の連中は
  817. 呉 キリカ: 魔女の対応で調整屋にまで 気が回らない…
  818. 美国 織莉子: キリカは引き続き、 魔法少女たちを襲撃しながら
  819. 美国 織莉子: 孵化寸前のグリーフシードを 神浜市内にバラまいてちょうだい
  820. 美国 織莉子: 魔法少女たちが 対応に追われている間に…
  821. 美国 織莉子: わたしは決着をつけるわ
  822. 呉 キリカ: 私も織莉子のために もっと場をかき乱さないとね
  823. みたま: …………
  824. 美国 織莉子: …………
  825. 美国 織莉子: (…調整屋に入った)
  826. 美国 織莉子: (ここまで彼女は ひとりだったわ…)
  827. 美国 織莉子: …………
  828. 美国 織莉子: (建物の周辺には 魔力反応なし…)
  829. 美国 織莉子: (行きましょう)
  830. 美国 織莉子: こんにちは、みたまさん
  831. みたま: あ、あらぁ… どうしたの?
  832. 美国 織莉子: …昨日のことが心配で 様子を見に来ました
  833. みたま: へ、へぇ…? そうだったの
  834. みたま: でも、見ての通り元気よ
  835. 美国 織莉子: そうでしょうか? あまり顔色がよくないような…
  836. みたま: …………
  837. みたま: と、ともかく お茶でも飲まない?
  838. みたま: 用意してくるわね
  839. 美国 織莉子: (わたしから注意がそれた…)
  840. 美国 織莉子: (お父様…見ていてください)
  841. 美国 織莉子: (織莉子は、滅びをもたらす 魔法少女を止めてみせます)
  842. 美国 織莉子: …!
  843. みたま: …はっ?
  844. [Part 1 end]
  845. -----
  846. [Part 2 start]
  847. FILENAME: text_516520-1_819Mg.txt
  848. 美国 織莉子: (お父様…見ていてください)
  849. 美国 織莉子: (織莉子は、滅びをもたらす 魔法少女を止めてみせます)
  850. 美国 織莉子: …!
  851. みたま: …はっ?
  852. みたま: なんのつもりよ!
  853. 美国 織莉子: (避けられた…!?)
  854. 美国 織莉子: でも、まだ終わりじゃないわ…!
  855. みたま: …………はぁ…
  856. 十七夜: 八雲 捜したぞ
  857. みたま: 捜さなくてよかったのに…
  858. 十七夜: そうはいかないな
  859. 十七夜: 七海たちも心配していたが 自分も心配している
  860. みたま: …………
  861. 十七夜: 思っていることを 言葉にしてみたらどうだ?
  862. みたま: …なぜ?
  863. 十七夜: 心の中で反すうするより
  864. 十七夜: 言葉にしてしまった方が 整理できることもある
  865. 十七夜: 自分のことが気になるなら…
  866. がさ…
  867. 十七夜の声: 草に紛れているから いないものとして扱ってくれ
  868. みたま: 丸見えだけど…
  869. 十七夜の声: む… もう少しかがむか…
  870. みたま: …ふふ、隠れなくていいわ
  871. 十七夜: …うむ
  872. みたま: 独り言なんだけどね…
  873. みたま: わたしは、自分で思っていたより みんなが傷つくのが嫌みたい…
  874. みたま: それもわたしのせいで、なんて…
  875. 十七夜: 八雲のせいではない
  876. みたま: ううん…わたしが原因よ
  877. みたま: 黒い魔法少女の狙いは わたしだもの…
  878. 十七夜: …………
  879. 十七夜: …なぜ、そう考えた?
  880. みたま: 昨日、 話を聞いてすぐにわかったわ
  881. みたま: 十七夜たちが来る前に 黒い魔法少女が訪ねて来て…
  882. 呉 キリカ: これからも 調整屋を続けるつもりなら
  883. 呉 キリカ: 私はキミを殺す
  884. 呉 キリカ: キミの味方をするヤツも 同じく敵とみなして殺す
  885. みたま: …って言ったから
  886. 十七夜: どうして、昨日言わなかった…!
  887. みたま: …わたしがいなくなれば 解決すると思ったの…
  888. 十七夜: それは解決とは言わないだろう
  889. みたま: じゃあ…
  890. みたま: 十七夜がわたしの立場でも そうしないって言える?
  891. 十七夜: …確約はできない
  892. 十七夜: だが、八雲が自分の立場だったら
  893. 十七夜: “ひとりで抱え込むな”と 怒るだろう
  894. みたま: …はぁ、今日の十七夜には 勝てないみたい…
  895. 十七夜: それは、 八雲が冷静ではないからだな
  896. みたま: …そうね わたし、冷静じゃないかも…
  897. みたま: でも、もうどうすればいいのか わからないのよ…
  898. 十七夜: これ以上心配しなくていい
  899. 美国 織莉子: でも、まだ終わりじゃないわ…!
  900. レナ: このっ…!
  901. 美国 織莉子: あぅ…!?
  902. 美国 織莉子: どういうことなの…? あなたは、誰…?
  903. 十七夜: いま、七海や環君たちが 解決のために動いているからな
  904.  
  905. FILENAME: text_516520-2_819Mg.txt
  906. 美国 織莉子: どういうことなの…? あなたは、誰…?
  907. レナ: それはこっちのセリフよ!
  908. レナ: 黒い魔法少女が 来るんじゃなかったの?
  909. ももこ: レナ! 大丈夫か!?
  910. レナ: 平気よ 攻撃は避けたから
  911. いろは: えっ…? 織莉子ちゃん…
  912. 美国 織莉子: …………
  913. 美国 織莉子: (魔法少女たちは)
  914. 美国 織莉子: (大量発生した魔女の対応に 追われているはず…)
  915. 美国 織莉子: なぜ、ここに…?
  916. 鶴乃: …囮だよ
  917. 鶴乃: “黒い魔法少女”の狙いが みたまなら…
  918. 鶴乃: いま、 仕掛けてくると思ったからね
  919. やちよ: 逆に囮を使って 敵を仕留めてしまえば
  920. やちよ: みたまが戻る場所を 守れるでしょう?
  921. ももこ: 辛い時に支え合うのが仲間、 だからな
  922. 美国 織莉子: …………
  923. やだ… 汚職議員の娘よ…
  924. よく平気な顔して 学校に来れるわね
  925. ふふっ、少し前まで 才色兼備だとかで
  926. お姫様扱いだったのに 落ちぶれたものね
  927. 美国 織莉子: (人の絆なんて脆いもの…)
  928. 美国 織莉子: (なのに…)
  929. 美国 織莉子: (害になるかもしれない人間を まだ仲間と呼ぶの…?)
  930. いろは: 織莉子ちゃんは… みたまさんを傷つけに来たの?
  931. 美国 織莉子: …………
  932. いろは: どうして…?
  933. 美国 織莉子: ………… …………
  934. いろは: 理由があるなら 話を聞かせて
  935. いろは: 何も言ってくれないなら わからないままだよ…
  936. 美国 織莉子: それが世界のためだと言ったら
  937. 美国 織莉子: あなたは理解して 協力してくれるのかしら?
  938. いろは: …!
  939. やちよ: …昨日のことは全て 演技だったのね
  940. いろは: 織莉子ちゃんが、 みたまさんを傷つけるつもりなら
  941. いろは: …訳を聞いても 協力はできないと思う
  942. いろは: みたまさんは大切な仲間だから
  943. いろは: でも、私は 織莉子ちゃんとも争いたくない
  944. いろは: だから、まずは話し合おう もしかしたら…
  945. 美国 織莉子: 甘い考えだわ
  946. 美国 織莉子: (とはいえ…)
  947. 美国 織莉子: (圧倒的に不利ね…)
  948. 美国 織莉子: (八雲みたまがいないなら この場所に用はない…)
  949. 美国 織莉子: (隙を見て脱出しなければ…)
  950. 鶴乃: 動かないでね
  951. 鶴乃: 少しでも動く素振りを見せたら こっちも容赦できないから
  952. ももこ: 大人しくしてくれれば ケガはさせないよ
  953. 美国 織莉子: くっ…
  954. 美国 織莉子: (キリカ…)
  955. キリカの声: 「織莉子ーっ!!」
  956. キリカの声: 逃げるよ!!
  957. レナ: アイツ!! よくも、ももこを…!
  958. キリカの声: ぐっ…!?
  959. かえで: 逃がさないから…!
  960. フェリシア: くそっ、待てよ!
  961. やちよ: 私も追いかけるわ! いろはたちはふたりをお願い…!
  962. いろは: 鶴乃ちゃん、ももこさん ケガは…!?
  963. ももこ: …平気だよ
  964. 鶴乃: 不意打ちにやられるなんてね…
  965. さな: さっきの人が 例の黒い魔法少女でしょうか?
  966. うい: 織莉子さんと 知り合いだったの…?
  967. 鶴乃: …………
  968. 鶴乃: ふたりが神浜市に 来たタイミング的にも
  969. 鶴乃: 元々組んでたのかも
  970. 呉 キリカ: …うん ここまで来れば平気だね…
  971. 呉 キリカ: 作戦完了の連絡がない、から… 様子を見に行ってよかったよ…
  972. 美国 織莉子: …キリカ、 あなた…背中が…酷いケガだわ
  973. 呉 キリカ: …ははっ… 逃げるときに避けられなくて…
  974. 美国 織莉子: (わたしを 抱えていたせいだわ…)
  975. 呉 キリカ: あっ! でも、大丈夫だよ…
  976. 呉 キリカ: 私はまだまだ織莉子の 役に立ってみせるから…!
  977. 美国 織莉子: …一度見滝原市に戻りましょう
  978.  
  979. FILENAME: text_516520-3_819Mg.txt
  980. <翌日…>
  981. 呉 キリカ: おはよー…
  982. 美国 織莉子: …………
  983. 呉 キリカ: (…ん? 気づいてない…?)
  984. 呉 キリカ: (織莉子すごく 落ち込んでるみたいだ…)
  985. 呉 キリカ: (私だったら織莉子がいるだけで いつでも元気になれるけど)
  986. 呉 キリカ: (織莉子はどうしたら 元気になってくれるかな?)
  987. 呉 キリカ: (…織莉子のパパさんなら 知ってる…?)
  988. 呉 キリカ: (でも、もういないし…)
  989. 呉 キリカ: (他の方法なら…)
  990. 呉 キリカ: (…………あっ!)
  991. 呉 キリカ: ねぇ、織莉子 ケーキ食べよう!ケーキ!
  992. 呉 キリカ: 甘い物を食べれば、 疲れも吹き飛ぶよ!
  993. 美国 織莉子: …あら、キリカ 起きていたのね…
  994. 美国 織莉子: でも、いまは休まないと…
  995. 呉 キリカ: けど、すぐに仕切り直すよね? もう動けるよ!
  996. 美国 織莉子: ダメよ 完治するまで休みなさい
  997. 呉 キリカ: …わかった
  998. 美国 織莉子: (キリカの傷は浅くはないけど 深刻でもないわ…)
  999. 美国 織莉子: (でも、次は…?)
  1000. 美国 織莉子: …………
  1001. 美国 織莉子: しっかりしなさい わたしは美国織莉子なのよ
  1002. 美国 織莉子: 無念の内に亡くなった お父様のために世界を救う
  1003. 美国 織莉子: …大義の前で
  1004. 美国 織莉子: 些細なことで心を揺らしている 場合じゃないわ
  1005. 美国 織莉子: …滅亡の未来を退けて世界を守る
  1006. 美国 織莉子: (わたしの生きる意味を 見失ってはいけない…)
  1007. 美国 織莉子: ふぅ…
  1008. 美国 織莉子: (誤算だったことは 認めましょう…)
  1009. 美国 織莉子: (普通、害があるかもしれない 相手とは疎遠になるもの…)
  1010. 美国 織莉子: (ただ離れるだけなら まだマシな方よ…)
  1011. 美国 織莉子: (中には腹いせに 嫌がらせをしてくる人もいる…)
  1012. 美国 織莉子: (…少なくとも これまでのわたしの人生では)
  1013. 美国 織莉子: (そういうものだったわ…)
  1014. 美国 織莉子: (八雲みたまたちの信頼関係は)
  1015. 美国 織莉子: (わたしが考えていた 以上のものだったようね…)
  1016. 美国 織莉子: (それにわたしの行動にも 問題があった…)
  1017. 美国 織莉子: (環いろはの様子だと)
  1018. 美国 織莉子: (わたしが、八雲みたまを 狙っていることは想定外…)
  1019. 美国 織莉子: (“黒い魔法少女”に 操られているフリや)
  1020. 美国 織莉子: (脅されているフリだって できたはず…)
  1021. 美国 織莉子: (そうして次の機会を 待てばよかった…)
  1022. 美国 織莉子: (あるいは…)
  1023. 美国 織莉子: (“予知”のことを話す)
  1024. 美国 織莉子: (自分たちの町を…)
  1025. 美国 織莉子: (そして、果てには世界を 滅ぼすかもしれないと知れば…)
  1026. 美国 織莉子: …………
  1027. 美国 織莉子: なぜかしらね…
  1028. 美国 織莉子: それでも彼女たちの意志は 変えられない…
  1029. 美国 織莉子: わたしの前に 立ちはだかる気がするわ
  1030.  
  1031. FILENAME: text_516520-4_819Mg.txt
  1032. いろは: 目が覚めてよかった 気分はどう…?
  1033. 保澄 雫: もう大丈夫… 心配かけてごめんなさい
  1034. 保澄 雫: …それより、 伝えたいことがあって
  1035. やちよ: 襲撃にあったときのことね…
  1036. 保澄 雫: …はい
  1037. 保澄 雫: 実は以前にも 見かけたことがあったんです…
  1038. 呉 キリカ: 死ねよ!死んでよ!! 早くッ!!
  1039. 保澄 雫: (単なる いさかいなんかじゃない…!)
  1040. 保澄 雫: (相手は本気で 殺しに掛かってる…!)
  1041. 保澄 雫: 巴さんたちは
  1042. 保澄 雫: その“黒い魔法少女”に 襲われたそうです…
  1043. やちよ: そんなことが…
  1044. 保澄 雫: 魔女が 増え始めていた頃のことなので
  1045. 保澄 雫: 少し前のことですが…
  1046. 保澄 雫: どうやら、神浜市のことを 調べに来ていたみたいです
  1047. 鶴乃: …なんでいまになって また神浜市に来たんだろう?
  1048. いろは: それに織莉子ちゃんも…
  1049. 保澄 雫: 織莉子、って 白い服を来た魔法少女…?
  1050. いろは: えっ…? 知っているの?
  1051. 保澄 雫: …うん
  1052. 保澄 雫: その黒い魔法少女を見かけた日に 偶然出会ったの…
  1053. 保澄 雫: “ゆま”さんを探しているって 言ってたけど…
  1054. 保澄 雫: それが本当だったのかは わからない…
  1055. 鶴乃: どういうこと…?
  1056. 保澄 雫: ゆまさんと佐倉さんが 知り合いだから
  1057. 保澄 雫: 佐倉さんに伝えてほしいって 言われたんだけど
  1058. 保澄 雫: 織莉子って人からの伝言だって 気づいたときの佐倉さんの反応は
  1059. 保澄 雫: …なんていうか… 怒っているみたいだった…
  1060. 鶴乃: 仇を見つけたーみたいな?
  1061. 保澄 雫: …そう
  1062. 保澄 雫: それにふたりとも
  1063. 保澄 雫: 見滝原市から 来たみたいだったから…
  1064. 保澄 雫: 佐倉さんたちとは 知り合いだったのかも…
  1065. みんな: …………
  1066. 鶴乃: やっぱり、最初から 繋がっていたとみて間違いないよ
  1067. やちよ: …みたまの調整の調子が 悪かったのも
  1068. やちよ: 彼女たちの仕業かしら…?
  1069. 保澄 雫: …“速度低下”
  1070. やちよ: えっ…?
  1071. 保澄 雫: 巴さんが、黒い魔法少女の 魔法は速度低下だって…
  1072. 保澄 雫: ケガをした子たちは
  1073. 保澄 雫: いつも通り動いているつもりでも 動けてなかったんですよね…
  1074. 鶴乃: ほっ!
  1075. 鶴乃: 速度低下の魔法を かけられていたから
  1076. 鶴乃: いつも通りに 戦っているつもりなのに
  1077. 鶴乃: 相対的に相手の動きが早くなって ケガをしたってことか!
  1078. いろは: やっぱり、みたまさんのせいじゃ なかったんだ
  1079. いろは: よかった…
  1080. いろは: 自分のせいじゃないって わかれば
  1081. いろは: みたまさんも 元気になってくれるはず…
  1082. やちよ: 問題は、 なぜみたまが狙われたか、ね…
  1083. 美国 織莉子: それが世界のためだと言ったら
  1084. 美国 織莉子: あなたは理解して 協力してくれるのかしら?
  1085. やちよ: あれは、 どういう意味だったのかしら…?
  1086. 鶴乃: うーん… さすがに情報が少なすぎるかも…
  1087. いろは: でも、きっとまた 襲ってきますよね…?
  1088. やちよ: …でしょうね
  1089. やちよ: 手傷は負わせたけど いずれ治る傷だわ…
  1090. いろは: しばらくは、私たち みかづき荘のメンバーで
  1091. いろは: 調整屋に泊まり込みましょう
  1092. いろは: 十七夜さんにも 声をかけてみます
  1093. やちよ: …ユニオンの方にも 通達しないとね…
  1094.  
  1095. FILENAME: text_516520-5_819Mg.txt
  1096. 呉 キリカ: …………
  1097. 美国 織莉子: (…よく寝ているわ)
  1098. 美国 織莉子: (ケガも、もう問題ないようね)
  1099. 美国 織莉子: (キリカにはまだ役に立って もらわないといけない…)
  1100. 呉 キリカ: んん~! おいしい!
  1101. 美国 織莉子: …………
  1102. 美国 織莉子: (大義のためには 小さな犠牲はつきもの…)
  1103. 美国 織莉子: (これでいい… これでいい、はずよ…)
  1104. 美国 織莉子: (そうですよね、お父様…)
  1105. 呉 キリカ: …………織莉子ぉ…
  1106. 美国 織莉子: (お父様の書斎に来るのは 久しぶりだわ…)
  1107. 美国 織莉子: (ここに来れば 気持ちも落ち着くと思ったのに)
  1108. 美国 織莉子: …お父様…………
  1109. 美国 織莉子: (…埃が積もっているわね そろそろ掃除を…ん?)
  1110. 美国 織莉子: (ここの本棚… 何か挟まっている…?)
  1111. 美国 織莉子: (気づかなかったわ 何かしら…?)
  1112. 美国 織莉子: 手帳…? お父様の…?
  1113. 美国 織莉子: …………
  1114. 美国 織莉子: (勝手に覗くのは 気が引けるけど…)
  1115. 美国 織莉子: (お父様を近くに 感じられるかも…)
  1116. ぺら…
  1117. 美国 織莉子: …………
  1118. ぺら…
  1119. 美国 織莉子: …………
  1120. ぺら…
  1121. 美国 織莉子: …!
  1122. 由良子が亡くなって 織莉子は変わってしまった
  1123. 泣き虫だったあの子が まったく泣かなくなった
  1124. なんでもそつなくこなすようになり
  1125. 進学すると 多くの人望を集め 人の上に立つようになった
  1126. 僕の子とは思えないほどに “出来すぎる”ようになった
  1127. 僕は怖い 僕は知っている
  1128. 能力高く 人望があり 微笑みの中に冷たさを湛えた人間を
  1129. もう僕は疲れた 逃げようと思う
  1130. この世から逃げようと思う
  1131. 美国 織莉子: お父様の…遺書…
  1132. 美国 織莉子: どういうことなの…?
  1133. 美国 織莉子: これでは、まるで…
  1134. 美国 織莉子: そんな違うわ… そんなことない…
  1135. 美国 織莉子: そんなわけがない…!
  1136. この世から逃げようと思う
  1137. 織莉子から逃げようと思う
  1138. 美国 織莉子: わたしから逃げたと 書いてあるようなものじゃない…
  1139.  
  1140. FILENAME: text_516520-6_819Mg.txt
  1141. 美国 織莉子: …………
  1142. 美国 織莉子: “生きる意味を知りたい” そう願って手に入れた予知の力は…
  1143. 美国 織莉子: 誰も太刀打ちできない魔女… 最悪の未来をわたしに見せた
  1144. 美国 織莉子: 最悪の未来を阻止して世界を救う
  1145. 美国 織莉子: それがわたしの生きる意味なのだと思った
  1146. 美国 織莉子: そのためになら どんな手段でも使った
  1147. 見滝原市の工場付近で 女子中学生の遺体が発見されました
  1148. 呉 キリカ: 私が………… 殺したの…?
  1149. 美国 織莉子: 『誰が何と言おうと… わたしがあなたを許すわ』
  1150. 呉 キリカ: 「…本当に………?」
  1151. 呉 キリカ: 「…私を…許してくれるの…? 織莉子………」
  1152. 美国 織莉子: 人を殺めてしまい 動揺するキリカを許して 手元においたのもそのため
  1153. 美国 織莉子: 何も知らない千歳ゆまが 魔法少女になるように誘導したのもそのため
  1154. 美国 織莉子: なのに…
  1155. 美国 織莉子: わたしのあずかり知らぬところで 最悪の魔女になる鹿目まどかは 魔法少女になってしまった
  1156. 美国 織莉子: 願いで得たはずの予知の力は わたしを裏切った
  1157. 美国 織莉子: …ぁあ、あぁああああっ…!!
  1158. 美国 織莉子: お父様…!
  1159. 美国 織莉子: わたしはお父様のために 生きてきたのに…!!
  1160. 美国 織莉子: お父様のために、 世界を救おうと決めたのに…
  1161. この世から逃げようと思う
  1162. 美国 織莉子: お父様にまで 裏切られていたなんて…!
  1163. 美国 織莉子: …あは、あははははっ!
  1164. 美国 織莉子: 愛していた
  1165. 美国 織莉子: 信頼していた
  1166. 美国 織莉子: 分かり合っていると思っていた
  1167. 美国 織莉子: 親愛も信頼も理解も… 何もなかった…
  1168. いろは: みたまさんは大切な仲間だから
  1169. いろは: でも、私は 織莉子ちゃんとも争いたくない
  1170. 美国 織莉子: (事の重大さが わかっていないのよ…)
  1171. 美国 織莉子: (裏切られて 初めて知るのでしょうね…)
  1172. 美国 織莉子: (どんな信頼も 価値のないものだと…)
  1173. 美国 織莉子: わたしがやらなければ…
  1174. 美国 織莉子: (予知が、彼女のことを 見せたのは)
  1175. 美国 織莉子: (わたしだけが八雲みたまという 脅威を取り除けるから)
  1176. 美国 織莉子: …キリカはもう動けるかしら?
  1177. 美国 織莉子: “生きる意味を知りたい” その願いはやはり叶っていた
  1178. 美国 織莉子: わたしは情に流されて迷ったりしない
  1179. 美国 織莉子: これは… “救世”はわたしにしかできないことだ
  1180.  
  1181. FILENAME: text_516520-7_819Mg.txt
  1182. 呉 キリカ: …ん…
  1183. 美国 織莉子: 気がついたのね
  1184. 呉 キリカ: うん、もう大丈夫…
  1185. 呉 キリカ: …………織莉子?
  1186. 呉 キリカ: (なんだか様子が…)
  1187. 美国 織莉子: 聞いておきたいんだけど…
  1188. 美国 織莉子: なぜ、あなたは わたしに従うの?
  1189. 呉 キリカ: それが私の願いだからだよ
  1190. 呉 キリカ: だから私は… キミに相応しい人間に変わり続けたいと そう願って、魔法少女になったんだ
  1191. 呉 キリカ: 織莉子は忘れちゃったの?
  1192. 呉 キリカ: あのとき 私はキミに誓ったよね
  1193. 美国 織莉子: だから誓って…!
  1194. 美国 織莉子: 例えどんな姿になろうとも… 永遠にわたしに尽くし護ると…!
  1195. 呉 キリカ: …わかった 約束するよ
  1196. 美国 織莉子: …覚えているわ
  1197. 呉 キリカ: 織莉子に尽くしたい
  1198. 呉 キリカ: 織莉子のためにできることは なんでもしたい
  1199. 呉 キリカ: そのためなら どんな私にだってなれる
  1200. 美国 織莉子: …………
  1201. 呉 キリカ: だからね
  1202. 呉 キリカ: 最後の最後まで 私を使ってよ、織莉子
  1203. 美国 織莉子: キリカ…
  1204. 呉 キリカ: ねぇ、織莉子 織莉子の願いは何?
  1205. 美国 織莉子: わたしが生きる意味を 確かなものにすること
  1206. 美国 織莉子: そのために、救世を… 世界を守ることよ
  1207. 呉 キリカ: じゃあ、そのために私を使ってよ
  1208. 呉 キリカ: 織莉子の願いを形にするために… 私に命令しておくれ
  1209. 美国 織莉子: …ええ
  1210. 美国 織莉子: 次こそ、八雲みたまを仕留める
  1211. 美国 織莉子: そのために…
  1212.  
  1213. FILENAME: text_516520-8_819Mg.txt
  1214. 美国 織莉子: …………
  1215. やちよ: 「くっ… まだこんな余力があったなんて…」
  1216. 十七夜: 「だが、こちらにも引けない理由がある…!」
  1217. 美国 織莉子: …………
  1218. 美国 織莉子: これが新しい予知…
  1219. 呉 キリカ: いい予知だったみたいだね
  1220. 美国 織莉子: ええ… 今夜、仕掛けるわよ
  1221. 呉 キリカ: 魔法少女たちの出入りが多いね
  1222. 呉 キリカ: 調整に問題はなかったって 気づかれたかな?
  1223. 美国 織莉子: だったとしても、問題ないわ
  1224. 呉 キリカ: 襲撃の邪魔じゃない?
  1225. 美国 織莉子: …護衛のつもりだったとしても 問題はないわ
  1226. 美国 織莉子: 深夜になれば人が減るもの
  1227. 呉 キリカ: そこを狙うってわけだ
  1228. ももこ: じゃあ、あたしらは帰るけど…
  1229. いろは: 後のことは任せてください
  1230. 鶴乃: わたしたちがついてるから!
  1231. みたま: ごめんなさいねぇ、ももこ…
  1232. みたま: 浮気じゃないのよぉ?
  1233. ももこ: あのな、こっちは本気で…
  1234. ももこ: …いや、 変に落ち込んでないならいいか
  1235. みたま: あらぁ、寛大ねぇ~
  1236. ももこ: 十分気をつけろよ
  1237. ももこ: 調整屋だけじゃなくて みんなも…
  1238. 十七夜: うむ
  1239. レナ: 何かあったら呼びなさいよね
  1240. かえで: いつでも駆けつけます…!
  1241. 呉 キリカ: 最後のお客人がお帰りだよ
  1242. 美国 織莉子: では、こちらも 準備にかかりましょうか
  1243. 呉 キリカ: 決行は?
  1244. 美国 織莉子: 1時間後 遅れないでね
  1245. 美国 織莉子: …………
  1246. 美国 織莉子: (行って…!)
  1247. フェリシア: …ん? なんだ、この球…
  1248. うい: ひとつじゃないみたい…
  1249. 鶴乃: まさか…!
  1250. やちよ: 離れて!
  1251. いろは: みんな、無事…!? みたまさんは…!
  1252. 十七夜: 大事無い!
  1253. みたま: 十七夜とさなちゃんが 庇ってくれたわ…
  1254. 鶴乃: 敵は外だよ! 武器だけ投げ込んで来てる!
  1255. やちよ: きっと 外におびき出すつもりだわ…!
  1256. いろは: じゃあ、ここにいれば…
  1257. いろは: きゃあっ…!
  1258. いろは: …そうはさせてくれないよね
  1259. フェリシア: このままだと 反撃もできねぇぞ!
  1260. うい: それにお店がめちゃくちゃに なっちゃう…
  1261. さな: 建物が倒れてしまったら 守れません…!
  1262. いろは: …罠、だよね
  1263. 鶴乃: 間違いなく
  1264. いろは: みたまさん…
  1265. みたま: わたしなら、大丈夫 みんなのことを信じているもの
  1266. いろは: 外に出ます…!
  1267.  
  1268. FILENAME: text_516520-9_819Mg.txt
  1269. 呉 キリカ: きた!
  1270. 呉 キリカ: (敵をあぶり出すのは 成功したみたいだ)
  1271. 呉 キリカ: (この狭い路地だと)
  1272. 呉 キリカ: (人数が多いっていう利点を 生かせない)
  1273. 呉 キリカ: (それに…)
  1274. 呉 キリカ: それっ…! この前の仕返しだ!
  1275. フェリシア: ぐぁっ…!
  1276. フェリシア: くそ…速ぇ…
  1277. いろは: フェリシアちゃん…! 治療に回ります!
  1278. 鶴乃: …気をつけて
  1279. 鶴乃: 相手は速度低下の魔法を 使ってくるはず…
  1280. 十七夜: いつもの感覚で避けようにも うまくいかないか…
  1281. 呉 キリカ: そうそう
  1282. 呉 キリカ: 知っているだけで 対応できると思わないことだ!
  1283. さな: みたまさん… さがっていてください…
  1284. さな: 私の後ろから…離れないで…!
  1285. みたま: ええ… 足手まといなのはわかってる
  1286. みたま: 大人しくしているわ…
  1287. 織莉子の声: わたしもいるのよ
  1288. さな: うっ…!
  1289. 美国 織莉子: キリカばかりを構っていて いいのかしら?
  1290. 鶴乃: たぁああっ!
  1291. 鶴乃: そっちこそ! 油断しない方がいいよ!
  1292. 呉 キリカ: 織莉子に攻撃するなぁ!
  1293. 鶴乃: うわっ…! こっちきた…!
  1294. やちよ: やりにくいわね…
  1295. 十七夜: 一斉にかかろうにも 狭すぎるからな
  1296.  
  1297. FILENAME: text_516520-10_819Mg.txt
  1298. うい: あう…
  1299. いろは: うい!
  1300. 美国 織莉子: 治療されても厄介ね…
  1301. いろは: わっ…!
  1302. 呉 キリカ: じゃあ、ねっ…!!
  1303. いろは: きゃぁあっ…!?
  1304. やちよ: いろは…!
  1305. やちよ: …かなりのペースで魔法を 使っているみたいだけど
  1306. やちよ: 魔力は大丈夫かしら?
  1307. 呉 キリカ: …ん? ああ…
  1308. 呉 キリカ: 最後の最後まで 私を使ってよ、織莉子
  1309. 呉 キリカ: 例え魔女になっても わたしの愛は変わらない
  1310. 呉 キリカ: どんな姿になっても織莉子に 勝利を捧げるよ
  1311. 呉 キリカ: 狙い通りだ…!
  1312. 十七夜: まさか…
  1313. 呉 キリカ: 織莉子…私、そろそろ…
  1314. 美国 織莉子: …ええ
  1315. 美国 織莉子: 最後までわたしのために 戦いなさい
  1316. 呉 キリカ: ははっ… それは光栄、だね…!
  1317. 鶴乃: マズい…!
  1318. 鶴乃: さな!
  1319. さな: 守り抜きます…!
  1320. みたま: …………
  1321. 呉 キリカ: ぁああああああっ…!
  1322. 美国 織莉子: …………えっ?
  1323. 美国 織莉子: (これは、魔女…じゃない…?)
  1324. みんな: ――っ!?
  1325. 呉 キリカ: な、んだ…これ…?
  1326. 呉 キリカ: (でも、いける…!)
  1327. 呉 キリカ: 死ねぇええええっ…!!
  1328. さな: ぁくぅっ…!!
  1329. やちよ: 使いこなしてはないけど… 強い…!
  1330. 美国 織莉子: キリカ! できるわね?
  1331. 呉 キリカ: うん! このまま殺す…!
  1332.  
  1333. FILENAME: text_516520-11_819Mg.txt
  1334. 鶴乃: ぁぐっ… 打ち負け、た…
  1335. やちよ: くっ…まだ…
  1336. 十七夜: …………うむ… 問題ない…
  1337. さな: はぁ…はぁ… 倒れない…私が…守る…
  1338. みたま: (…わたしには ここまでしてもらう価値なんて)
  1339. みたま: (ない、なんて言えないわね…)
  1340. みたま: (みんなの気持ちを 踏みにじることになるわ…)
  1341. 呉 キリカ: とどめだぁあああああっ!!
  1342. 呉 キリカ: あ…?
  1343. 美国 織莉子: キリカ…!?
  1344. やちよ: ドッペル化が、きれたわね…
  1345. 十七夜: 勝機が、見えたな…!
  1346. 十七夜: はぁっ!
  1347. 美国 織莉子: (キリカは傷つけさせない…)
  1348. 美国 織莉子: くっ…!
  1349. 美国 織莉子: キリカ…!
  1350. 美国 織莉子: (意識がない…)
  1351. 美国 織莉子: (もう少しで 攻め落とせるのに…)
  1352. やちよ: あなたは、黒い彼女ほどは 戦闘が得意ではないようね…
  1353. 十七夜: 降参するなら これ以上攻撃はしない
  1354. 美国 織莉子: (降参…?)
  1355. 呉 キリカ: ねぇ、織莉子 織莉子の願いは何?
  1356. 美国 織莉子: わたしが生きる意味を 確かなものにすること
  1357. 美国 織莉子: そのために、救世を… 世界を守ることよ
  1358. 呉 キリカ: じゃあ、そのために私を使ってよ
  1359. 呉 キリカ: 織莉子の願いを形にするために… 私に命令しておくれ
  1360. 美国 織莉子: (…いいえ、まだよ)
  1361. 美国 織莉子: (わたしは まだ何も成していない…!)
  1362. やちよ: …その気はなさそう…
  1363. 十七夜: …恐ろしいほどの執念だな
  1364. 美国 織莉子: 八雲みたまを討つ
  1365.  
  1366. FILENAME: text_516520-12_819Mg.txt
  1367. やちよ: やっ!
  1368. 十七夜: はぁ!!
  1369. 美国 織莉子: …うっ…くっ…!
  1370. 美国 織莉子: (もう魔力がほとんどない…)
  1371. 美国 織莉子: (でも、 このふたりさえ倒せば…)
  1372. 美国 織莉子: (盾の少女は、もう限界…)
  1373. 美国 織莉子: (調整屋は戦いに向いていない)
  1374. 美国 織莉子: はぁああっ…!
  1375. 十七夜: こちらにも魔法があることを 忘れていないか?
  1376. 十七夜: 心を読めば動きも読める…!
  1377. やちよ: それに、速度低下がなければ この程度…
  1378. やちよ&十七夜: 相手じゃない…!
  1379. 美国 織莉子: …!
  1380. 美国 織莉子: (避けられない…!)
  1381. …………
  1382. 美国 織莉子: …攻撃が外れた…?
  1383. 美国 織莉子: ――っ!?
  1384. 呉 キリカ: …………
  1385. 美国 織莉子: キリカ…? 意識が戻ったの…?
  1386. 呉 キリカ: …………
  1387. 美国 織莉子: (…違う)
  1388. 美国 織莉子: (意識がないまま わたしを庇ってくれた…)
  1389. やちよ: まだ動けたなんて…
  1390. 十七夜: 先に仕留めるぞ 厄介だ
  1391. やちよ: はっ…!
  1392. 十七夜: ふっ…!
  1393. 美国 織莉子: 避けて、キリカ…!
  1394. 呉 キリカ: …………
  1395. 美国 織莉子: (だめ…!)
  1396. 美国 織莉子: (意識がないから 避けることすらできない…!)
  1397. 美国 織莉子: (なのに、あなたは わたしのために立ち上がって…)
  1398. 美国 織莉子: (でも、このままだと…)
  1399. 美国 織莉子: キリカは死ぬ
  1400. 美国 織莉子: …嫌
  1401. 美国 織莉子: (わかっていたことよ)
  1402. 美国 織莉子: それは…それはだめ…
  1403. 美国 織莉子: (キリカは魔女になる覚悟で ここに来た…)
  1404. 美国 織莉子: 嫌よ、キリカ…
  1405. 美国 織莉子: (わたしだって そのつもりで来たのに…)
  1406. 美国 織莉子: (なぜ、いまになって 揺らいでしまうの…?)
  1407. やちよ: マズいわ! 今度はこっちが…!
  1408. 十七夜: 息をつく間もないな…
  1409. 美国 織莉子: …ああ、そうね
  1410. 美国 織莉子: キリカが魔女にならずに 生き残ったから…
  1411. 美国 織莉子: わたしは… わたしの覚悟は揺らいでしまった…
  1412.  
  1413. FILENAME: text_516520-13_819Mg.txt
  1414. ………… ……………………
  1415. 美国 織莉子: …意識が閉じて わたしは何を見ていたのかしら…
  1416. 美国 織莉子: …………そう…
  1417. 美国 織莉子: 気がついたら、わたしは家にいて…
  1418. 美国 織莉子: お父様と暮らしていた頃…
  1419. 美国 織莉子: 多くの人に囲まれていたのに 独りぼっちだった頃のわたしを追体験した…
  1420. 美国 織莉子: そして… もうひとりの私と対峙して…
  1421. 美国 織莉子: やっと認めることができた
  1422. 美国 織莉子: 『わたしの世界を守りたい』
  1423. 美国 織莉子: 『わたしの願いは ずっとすぐ近くにあったのよ…』
  1424. 美国 織莉子: 『弱いわたしを…』
  1425. 美国 織莉子: 『他者に縋るわたしを 認めたくないから』
  1426. 美国 織莉子: 『気づかないフリをしていただけ…』
  1427. 美国 織莉子: わたしは 生きるを意味を知りたかった
  1428. 美国 織莉子: でも、本当は わたしという存在を 許してくれる人が欲しかっただけ…
  1429. 美国 織莉子: 世界を救う… “救世”に固執したのも
  1430. 美国 織莉子: そうすることで 己の価値を確かなものにしたかったから…
  1431. 呉 キリカ: 織莉子のためにできることは なんでもしたい
  1432. 呉 キリカ: そのためなら どんな私にだってなれる
  1433. 美国 織莉子: わたしの求めていたものは すぐ側にあった
  1434. 美国 織莉子: 生き残ったあなたを 失うかもしれないと思って やっとわかったの
  1435. 呉 キリカ: 織莉子、何かいいことあった?
  1436. 美国 織莉子: えっ…?
  1437. 呉 キリカ: 楽しそうだよ
  1438. 美国 織莉子: …そう、かしら?
  1439. 呉 キリカ: うん、わかるよ いつも織莉子を見ているからね
  1440. 美国 織莉子: ずっと側にいて わたしの存在を許してくれた…
  1441. 美国 織莉子: 『あの子こそが… わたしの世界だったんだわ』
  1442. ???: …………
  1443. 美国 織莉子: あなたは、わたしがどんな道を選んでも 必ずついて来てくれる
  1444. 美国 織莉子: わたしを受け入れてくれたあなただから…
  1445. 美国 織莉子: それならわたしも…
  1446. 美国 織莉子: キリカ あなたという存在の全てを受け入れるわ
  1447. 十七夜: なんだ、この威圧感は…!
  1448. やちよ: ドッペルじゃない!?
  1449.  
  1450. FILENAME: text_516520-14_819Mg.txt
  1451. 美国 織莉子: ―織莉子― …………
  1452. やちよ: ―やちよ― くっ… まだこんな余力があったなんて…
  1453. 十七夜: ―十七夜― だが、こちらにも引けない理由がある…!
  1454. 美国 織莉子: ―織莉子― (これは… 予知で見た…)
  1455. 美国 織莉子: ―織莉子― (わたしがあなたを受け入れたときの 光景だったのね…)
  1456. 美国 織莉子: …………
  1457. 美国 織莉子: (キリカ…)
  1458. 美国 織莉子: (わたしはこれまでの わたし自身の非道と)
  1459. 美国 織莉子: (決着をつける)
  1460. 美国 織莉子: (せっかく気づけた “わたしの世界”だもの…)
  1461. 美国 織莉子: (決して破滅の未来になんて 巻き込ませない)
  1462. 美国 織莉子: この力は…
  1463. 美国 織莉子: キリカ、あなたという存在を 受け入れたからこそ目覚めた力
  1464. 美国 織莉子: あなた自身の力を 借りたわけではなくても
  1465. 美国 織莉子: わたしにとっては
  1466. 美国 織莉子: これはわたしとあなた ふたりの力
  1467. 呉 キリカ: …お…………り、こ…
  1468. 美国 織莉子: ええ、守ってみせるわ
  1469. 美国 織莉子: あなたはわたしにとって 駒ではなく
  1470. 美国 織莉子: 唯一無二の大切な人だから
  1471. 美国 織莉子: ―織莉子― あなたたちが、破滅をもたらす魔法少女… 八雲みたまを庇うというのなら
  1472. 美国 織莉子: ―織莉子― わたしは、あなたたちを排して 世界を守る…
  1473. 美国 織莉子: ―織莉子― わたしたちの世界を…!
  1474.  
  1475. FILENAME: text_516520-15_819Mg.txt
  1476. 美国 織莉子: (これで決める… 決めてみせる…!)
  1477. 美国 織莉子: はぁああっ…!
  1478. 十七夜: 七海…いけるな…
  1479. やちよ: ええ…次で…最後だけど…
  1480. 十七夜: 十分だ…!
  1481. やちよ&十七夜: やぁああっ…!!
  1482. …………
  1483. 美国 織莉子: (…やった、わ)
  1484. 十七夜の声: うっ…くそ… 八雲…逃、げ…………
  1485. やちよの声: みた、ま…逃げなさい…
  1486. 美国 織莉子: (あのふたりも、 もう立てない…)
  1487. 美国 織莉子: (わたしも、限界…だけど…)
  1488. 美国 織莉子: (守るの… わたしの世界…)
  1489. 美国 織莉子: ぅ…ぁ…
  1490. 美国 織莉子: (逃がさない…)
  1491. 美国 織莉子: (いましか…ない…)
  1492. 美国 織莉子: (八雲みたまを…殺す…)
  1493. みたま: …………
  1494. みたま: あなたは…わたしを殺すまで 諦めないのね…
  1495. 美国 織莉子: …逃、げない…の、ね…
  1496. みたま: わたしが逃げなかったのは みんなが戦ってくれていたからよ
  1497. 美国 織莉子: もう…逃げても、無駄だと…
  1498. みたま: …わたしだって 戦えないことはないけれど…
  1499. みたま: でも、そうじゃないの
  1500. みたま: わたしが、もういいって 言ったとしても…
  1501. みたま: 誰も諦めなかったでしょう…
  1502. みたま: わたしがみんなの立場だって そうしたわ
  1503. みたま: さっきだって
  1504. みたま: 足手まといにならないなら 一緒に戦いたかった…
  1505. みたま: でも、わたしにできることは ひとつしかなかった
  1506. 美国 織莉子: な、に…?
  1507. みたま: 信じて 守られることよ
  1508. 美国 織莉子: …………
  1509. みたま: …………
  1510. みたま: これからわたしが口にすることは みんなに対しての裏切りだけれど
  1511. みたま: 聞き入れて
  1512. 美国 織莉子: …内容に、よる…わね…
  1513. みたま: わたしを殺すことは 構わないわ
  1514. みたま: でも、わたしを殺したら この町から出ていって
  1515. みたま: もう二度と わたしの仲間を傷つけないで
  1516. 美国 織莉子: …どうして…?
  1517. みたま: わたしだって 大切な人たちを守りたいから
  1518. 美国 織莉子: …………あぅ…!
  1519. 十七夜: 八雲、邪魔するぞ
  1520. うい: こんにちはー!
  1521. フェリシア: 遊びに来てやったぞー!
  1522. ももこ: よっ、調整屋!
  1523. 江利 あいみ: お久しぶりでーす!
  1524. みたま: みんな、いらっしゃ~い!
  1525. みたま: 調整屋さんに 会いに来てくれて嬉しいわぁ
  1526. 美国 織莉子: (予知…)
  1527. 美国 織莉子: (まだ続くみたい…)
  1528. みたま: …滅びをもたらす力ってね 実はわたしが抗えば抗うほど
  1529. みたま: それを乗り越えようとして 危険性が増すのかもしれない
  1530. みたま: 必ず願いを成就させるために
  1531. みたま: それなら神浜市を滅ぼした方が 未来は幸せかもしれないわ
  1532. 美国 織莉子: …………
  1533.  
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  1535. 美国 織莉子: …そう
  1536. 美国 織莉子: わたしにとって キリカが世界であるように
  1537. 美国 織莉子: あなたにとっては
  1538. 美国 織莉子: 神浜市の魔法少女たちが 支えなのね
  1539. みたま: …何か見たの…?
  1540. 美国 織莉子: ええ… 未来を少し…
  1541. みたま: …未来?
  1542. みたま: わたしは幸せそうだったかしら?
  1543. 美国 織莉子: …幸せを“望んで”はいたわね
  1544. 美国 織莉子: (だから、わかった)
  1545. 美国 織莉子: (あなたが 再び滅びを望むとしたら…)
  1546. 美国 織莉子: (それはあなた自身の世界を 守るため)
  1547. みたま: …!
  1548. みたま: …どういう心境の変化かしら?
  1549. 美国 織莉子: あなたがわたしの世界を 脅かさない限り
  1550. 美国 織莉子: あなたを殺す必要がないって わかったの…
  1551. 美国 織莉子: あなたも、わたしと同じ…
  1552. 美国 織莉子: 自分の世界を 守りたいだけなんでしょう?
  1553. みたま: …………
  1554. みたま: ええ… そうかもね
  1555. 美国 織莉子: …わたしには もう戦う理由はないけれど
  1556. 美国 織莉子: どう償えばいいのでしょうね…
  1557. みたま: そうねぇ…
  1558. みたま: まずは、調整屋の中を整えて みんなを運ぶところからかしらぁ
  1559. ももこ: 調整屋! 無事か!?
  1560. みたま: ちょうど人手も来たし 手伝ってくれるわよねぇ?
  1561. 美国 織莉子: 申し訳ありませんでした
  1562. 呉 キリカ: …ごめん、なさい
  1563. いろは: はい、 謝罪を受け取ります
  1564. いろは: あとは…
  1565. いろは: 被害を受けた子たちにも ひとりひとり謝ってください
  1566. 美国 織莉子: …もちろんよ
  1567. 美国 織莉子: でも、それだけでいいのかしら?
  1568. いろは: 謝罪を受け入れるかどうかは それぞれに任せるし…
  1569. いろは: それに、取り返しのつかない 事態にはならなかったから…
  1570. いろは: もうしないって約束してくれれば それでいいよ
  1571. 織莉子&キリカ: …………
  1572. 呉 キリカ: なんていうかさぁ… ホントにそれでいいの?
  1573. 美国 織莉子: わたしが言うことではないけれど
  1574. 美国 織莉子: いつか足元を 掬われないか心配だわ…
  1575. いろは: 私は、わかり合えるなら 争い合いたくないの…
  1576. いろは: 同じ運命を背負う 魔法少女同士だし
  1577. いろは: 争う理由がないなら 仲良くしたい、かな…
  1578. 織莉子&キリカ: …………
  1579. 美国 織莉子: 甘いわね
  1580. 美国 織莉子: でも、そういう甘さこそが 世界を救うのかもしれないわ
  1581. いろは: えっ…?
  1582. いろは: 世界を救うなんて そんなおおげさなこと
  1583. いろは: 私にはちょっと…
  1584. 美国 織莉子: ふふっ…
  1585. 美国 織莉子: いろはさん 本当にごめんなさい
  1586. 美国 織莉子: それから… ありがとう
  1587. いろは: はい…!
  1588. 美国 織莉子: キリカ! お外の準備はできた?
  1589. 呉 キリカ: うん! バッチリだよ!
  1590. 呉 キリカ: 織莉子の方はどう? ケーキできた?
  1591. 美国 織莉子: ええ、今日は初めて スポンジがきれいに焼けたの!
  1592. 美国 織莉子: 救世を言い訳に わたしはたくさんの罪を犯した
  1593. 美国 織莉子: 人を殺めたキリカを許して駒にしたこと
  1594. 美国 織莉子: 多くの人を傷つけたこと
  1595. 美国 織莉子: 関係のない少女に 魔法少女という宿命を背負わせてしまったこと
  1596. 美国 織莉子: そのどれもが 消すことができない 一生背負っていくもの…
  1597. 美国 織莉子: その罪がいつか わたしの世界を脅かすかもしれない…
  1598. 美国 織莉子: ―織莉子― 切らずにケーキを食べるなんて… 初めてだわ
  1599. 呉 キリカ: ―キリカ― おいしいでしょ? 世界で一番贅沢な食べ方だよ!
  1600. 美国 織莉子: それでも、いまは…
  1601. 美国 織莉子: やっと見つけた わたしの居場所を大切に 生きていこうと思う
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