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London: Knight of Londinium

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Jun 21st, 2017
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  1. Dr. Roman
  2. 動体反応検知!
  3. きたきた、路地の曲がり角から出てくるぞ!
  4.  
  5. Mashu
  6. ……先刻と同じ駆動音です。マスター!
  7.  
  8. ?1:蹴散らそう!
  9.  
  10. ?!
  11.  
  12. Mashu
  13. はい!
  14.  
  15. ==
  16.  
  17. Mashu
  18. ん。何かの……。
  19. 気配、というか……なんでしょう、この感じ。
  20.  
  21. Dr. Roman
  22. さっきの少女かい。近くにいるのかな?
  23. ああ、ロンドンっ子っていうのは足が速いんだねえ。
  24.  
  25. Mashu
  26. いえ、複数です。
  27. でも音はしませんね……人形たちじゃ、ない?
  28.  
  29. Dr. Roman
  30. ああ、違うかも知れない。動き方が違う。
  31. でもこの感じは、ああ、[#敵性反応]と判断だ。来るぞ!
  32.  
  33. ==
  34.  
  35. Mashu
  36. 敵性生物を撃破しました。
  37. お疲れさまです、先輩。
  38.  
  39. Mashu
  40. 人形とは違ったようです。でも、おそらくは……
  41. 人間とも……言い切ることはできない。
  42.  
  43. Mashu
  44. 恐らく、これらの敵性生物は……[r]その、ホムンクルスの一種……であるものと思われます。
  45.  
  46. ?1:ホムンクルス?
  47.  
  48. ?2:魔術的な人造人間、だっけ
  49.  
  50. ?!
  51.  
  52. Mashu
  53. はい。主に……
  54. 魔術的な手段で生成された生命……人造人間、です。
  55.  
  56. ?1:マシュ?
  57.  
  58. ?2:さっきの戦闘で負傷でもした?
  59.  
  60. ?!
  61.  
  62. Mashu
  63. いえ……いいえ、ありがとうございます先輩。
  64. でも心配には及びません。わたしの身体管理は万全です。
  65.  
  66. Mashu
  67. すみません。きっとわたし、
  68. 特殊な環境下にいる事で少し緊張してるみたいです。
  69.  
  70. Mashu
  71. どんな環境にも適応しないと、ですね。
  72. わたしは先輩のデミ・サーヴァントですから。
  73.  
  74. ?1:よろしく頼む!
  75.  
  76. ?!
  77.  
  78. Mashu
  79. ……はい。
  80.  
  81. ==
  82.  
  83. Dr. Roman
  84. よし。カンが掴めてきたぞ。
  85.  
  86.  
  87. Mashu
  88. ドクター?
  89. 動体反応を感知しましたか?
  90.  
  91. Dr. Roman
  92. うん。特に[#機械的]だからってのもあるだろうけど、
  93. 断言してみよう。敵性反応だ。多数が接近中!
  94.  
  95. Mashu
  96. 了解。
  97. マスター、戦闘になります。指示を!
  98.  
  99. ==
  100.  
  101. Mashu
  102. 敵性体、全滅しました。
  103. わたしに視認できるかぎりでは存在していません。
  104.  
  105. Dr. Roman
  106. こちらからも観測範囲には何もいないね。
  107. よし、先に進んで……いや、待った。
  108.  
  109. Dr. Roman
  110. 更に、大型の一体を観測したぞ。
  111. わかりやすいな。人間には有り得ないサイズだ!
  112.  
  113. Dr. Roman
  114. 大型の車輌ってこともないだろう。
  115. マシュ、何か感じるかい。
  116.  
  117. Mashu
  118. …………機械作動音。大型です!
  119.  
  120. Dr. Roman
  121. 英国の特務機関なりが用意した特殊車両なり、
  122. 当時の魔術協会による機械式ゴーレム、なりが
  123.  
  124. Dr. Roman
  125. ロンドン市民を救うために現れた、
  126. って話だったら、とてもロマンチックなんだけどね。
  127.  
  128. Dr. Roman
  129. そういう訳でもないだろうなあ、これは!
  130. 敵性反応と判断。前方に来るよ!
  131.  
  132. Mashu
  133. マスター、警戒を。
  134. 新手の敵性存在の可能性、大です。
  135.  
  136. ?1:慎重に戦おう
  137.  
  138. ?2:出たとこ勝負だ、マシュ!
  139.  
  140. ?!
  141.  
  142. Mashu
  143. ……はい!
  144.  
  145. Dr. Roman
  146. 来たぞ、接敵する!
  147.  
  148. ==
  149.  
  150. Mashu
  151. …………敵性体、動作停止しました。
  152.  
  153. Mashu
  154. 強力な敵性体でしたが……何、だったんでしょうか。
  155. ゴーレム? 機械人形?
  156.  
  157. ?1:ロボットだ……
  158.  
  159. Mashu
  160. そう……見えますね……
  161. そういう風に、ええ、見えないこともない……
  162.  
  163. ?2:かっこいいなあ!
  164.  
  165. Mashu
  166. かっこいい……わたしには動く[#寸胴:ずんどう]にしか……
  167. いいえ、格好いいの定義は主観だし……いいのかな……
  168.  
  169. ?!
  170.  
  171. Dr. Roman
  172. 魔力反応が感知できないのが困りものだ。
  173. マシュ、敵性体は、まだそこに残っているのかな。
  174.  
  175. Dr. Roman
  176. 露出した内部構造があったら映像を送って欲しい。
  177. 合間を見て、こっちで解析してみるよ。
  178.  
  179. Mashu
  180. 了解しました。
  181. 撮影の後、映像情報を送信します。
  182.  
  183. Mashu
  184. ん……
  185.  
  186. Mashu
  187. 何か、奇妙な……
  188. 破損している金属装甲の一部が、腐食していますね。
  189.  
  190. Mashu
  191. 大半の部分は何ともありませんが、
  192. 鉄と思しき部分が、腐食状態に……なっている……
  193.  
  194. Dr. Roman
  195. む。さっきの戦闘で酸の攻撃はしたっけ?
  196. あれ、そういうサーヴァントはこちらにいたっけか。
  197.  
  198. Mashu
  199. 産業革命期のロンドンでは、蒸気機関から発する
  200. 大量の排煙が社会問題となっていました。
  201.  
  202. Mashu
  203. 排煙に含まれる亜硫酸ガスが冷たい霧に阻まれ、
  204. 滞留して濃縮され硫酸の霧となって……
  205.  
  206. Mashu
  207. …………ん。
  208.  
  209. Dr. Roman
  210. む。どうかしたかい、マシュ?
  211.  
  212. Mashu
  213. いえ。待ってください。
  214. 確か、そう……「硫酸を吸い込んだような」……?
  215.  
  216. Mashu
  217. 以前、何かの記録を……そういう……
  218.  
  219. Mashu
  220. そうです、そう。だってこの時代は
  221.  
  222. ?1:後ろだ、マシュ!
  223.  
  224. ?2:誰だ、おまえ!
  225.  
  226. ?!
  227.  
  228. Mashu
  229. !?
  230.  
  231. Mashu
  232. ……ッ!
  233.  
  234. Mashu
  235. 敵性体の襲撃を受けました!
  236. 奇襲!? 何も、感じなかった……!
  237.  
  238. ???
  239. …………あなたは、ねえ、なんだろう。人間?
  240. それとも魔術師?
  241.  
  242. ???
  243. 魔力の霧の中でも平気でうごいてるし、
  244. [#わたしたちの霧]の中でも、ぜんぜん平気でうごいて。
  245.  
  246. ???
  247. [#わたしたちと同じ:サーヴァント]なのかな?
  248.  
  249. Mashu
  250. あなたはサーヴァントなのですね。
  251. [#この時代の人間]、であるのが本来は正しいはずですが。
  252.  
  253. Mashu
  254. ジャック・ザ・リッパー。
  255.  
  256. Mashu
  257. 十九世紀末のロンドン市街で数多くの女性を殺害し、
  258. のみならず、すべての被害者を[#解体]し……
  259.  
  260. Mashu
  261. ロンドン警視庁に挑戦を突き付けた、伝説の殺人鬼。
  262. 当時の英国、いいえ、欧州全土を席巻した恐怖の象徴。
  263.  
  264. Jack
  265. わたしたちのこと、知ってるの?
  266. ふうん、うれしい、うん……うれしいな。じゃあ……
  267.  
  268. Jack
  269. わたしたちがあなたに何するかも、知ってるよね?
  270. うれしいな。うれしいな。
  271.  
  272. Jack
  273. うれしい…………な!!
  274.  
  275. Mashu
  276. 来ます!
  277. マスター、戦闘指示を!
  278.  
  279. ==
  280.  
  281. Dr. Roman
  282. 動体反応が消えているね。
  283. 撤退したか、それとも、霧に紛れてしまったのか。
  284.  
  285. Mashu
  286. ……はい。危険な、敵性サーヴァントでした。
  287.  
  288. Dr. Roman
  289. 戦闘中に解析できた範囲では、この霧の一部は、
  290. あのサーヴァントの所有する宝具と思われる。
  291.  
  292. Dr. Roman
  293. でも、ロンドンに充満している魔力の霧は
  294. それはそれで別のものだ。
  295.  
  296. Dr. Roman
  297. いわば二つの霧の合わせ技だよ。
  298. こりゃ、何とも厄介な相手が出て来たものだなぁ……
  299.  
  300. Dr. Roman
  301. 通常の現象としてはありえないほどの、
  302. 高濃度な硫酸も含んでいる。
  303.  
  304. Dr. Roman
  305. それから……何よりも一番厄介なのが、マシュ……
  306.  
  307. Mashu
  308. はい。わたしの記憶に変質があるようです。
  309. たった今、戦闘したばかりの相手……なのに……
  310.  
  311. Mashu
  312. …………記憶が、ぼやけています。
  313.  
  314. Mashu
  315. 覚えているのは、ひとつです。
  316. あれがサーヴァントであるということだけ。
  317.  
  318. Mashu
  319. 姿、名、それから……
  320. 何か、それに関連する記憶があったはずなんですが。
  321.  
  322. Dr. Roman
  323. むむ。時代を超えて作用する、みたいだな。
  324. ボクの記憶もなんだか朧気だ。
  325.  
  326. Dr. Roman
  327. このぶんじゃ観測記録もねじ曲がってるかも。
  328. 奇妙な宝具もあったものだ……。
  329.  
  330. Mashu
  331. 奇妙、といえば[line 3]
  332. そうです。ドクター、わたしたちは、ええと。
  333.  
  334. ?1:撮影してたんだよ
  335.  
  336. ?2:さっき倒した大型ロボットは?
  337.  
  338. ?!
  339.  
  340. [charaFace A 8]
  341. Mashu
  342. あっ。そうでした。撮影中でした。
  343. 先輩、すみません……ありがとうございます。
  344.  
  345. [charaFace A 13]
  346. Mashu
  347. 先輩は、記憶への影響が薄いようですね。
  348. 助かりました。
  349.  
  350. Dr. Roman
  351. そうだった! うん、そうだ、受信済みだな。
  352. 怪ロボットの画像データは届いているよ。
  353.  
  354. Dr. Roman
  355. 解析は進めておこう。
  356. しかし、何なんだろうなあこれは。
  357.  
  358. Dr. Roman
  359. 魔力で稼働するゴーレムの類には見えないけど、
  360. でも、完全な機械にしては何だかさっぱりだし……。
  361.  
  362. Mashu
  363. ドクター、機械工学の知識が?
  364.  
  365. Dr. Roman
  366. そんなに詳しい訳じゃないけどさ、
  367. でもまあ、医療スタッフとはいえカルデアの一員だしね。
  368.  
  369. Dr. Roman
  370. ううん、これは……。まさか、
  371. ボクたちは幻の蒸気機関技術にでも出会ったのか?
  372.  
  373. ???
  374. ああ、そいつか
  375.  
  376. ???
  377. 鋼鉄の塊だろ。
  378. そいつ、オレたちはこういう風に呼んでる。
  379.  
  380. ???
  381. [#不明の怪機械:ヘルタースケルター]、ってな。
  382.  
  383. Mashu
  384. あなたは
  385.  
  386. ???
  387. 見てたぜ。[#連中]をぶち壊すってことは、
  388. 少なくともオレの敵ってワケじゃあなさそうだ。
  389.  
  390. ???
  391. それに、悪くない戦いぶりだった。
  392. 状況の詳細もロクにわかんねえだろうに、よくやる。
  393.  
  394. ???
  395. いいね。
  396. そういう[#奴:バカ]は嫌いじゃない。
  397.  
  398. ?1:ちょっと質問してもいいかな
  399.  
  400. ?2:バカとはなんだ!
  401.  
  402. ?!
  403.  
  404. ???
  405. ああん?
  406.  
  407. Mashu
  408. あなたの言う通りです。
  409. わたしたちはきっと、あなたの敵ではありません。
  410.  
  411. Mashu
  412. ですから、どうか……
  413. 情報を。お話を聞かせてはいただけないでしょうか。
  414.  
  415. Mashu
  416. この霧の都市で、何が起きてしまっているのか。
  417.  
  418. ???
  419. いいぜ。
  420. 話してやるよ。
  421.  
  422. ???
  423. その前に、ハッキリさせとこう。
  424. おまえ、デミ・サーヴァントってヤツだろう?
  425.  
  426. Mashu
  427. ……はい。わたしは、マシュ・キリエライト。
  428. デミ・サーヴァントです。
  429.  
  430. ???
  431. で、お前は?
  432.  
  433. ?1:[%1]だ
  434.  
  435. ?!
  436.  
  437. ???
  438. マシュ・キリエライトに、[%1]ね。
  439. ……ま、いいか。オレには関係のないコトだし。
  440.  
  441. ???
  442. オレはモードレッド。英霊だ。
  443. そして
  444.  
  445. Mordred
  446. 父上の愛したブリテンの都市、
  447. ロンディニウムの危機に馳せ参じた円卓の騎士だ。
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